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技術 包装袋および包装体

出願人 三井化学東セロ株式会社
発明者 中村修
出願日 2018年3月2日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-037845
公開日 2019年9月12日 (9ヶ月経過) 公開番号 2019-151375
状態 未査定
技術分野 積層体(2)
主要キーワード 水分減少率 水分増加率 湿り具合 穀物粉末 吸湿防止 ヒートシール処理 電気抵抗式 野菜チップ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

密封する物品の種類によらずに、良好な水蒸気バリア性が得られる包装袋を提供する。また、そのような包装袋を用いて物品を密封した包装体を提供する。

解決手段

袋の内表面側から順に、ヒートシール層と、基材フィルム層と、金属原子含有無機物層と、ポリ塩化ビニリデン含有層と、保護フィルム層と、を備え、包装袋に塩化カルシウムを入れて密封し、温度40±2℃、湿度90±5%RHの環境に72時間置いたときの水蒸気透過度が0.8[g/m2・day]以下であり、包装袋に精製水を入れて密封し、温度40±2℃、湿度7±3%RHの環境に72時間置いたときの水蒸気透過度が0.8[g/m2・day]以下である、物品の収容に用いられる包装袋。

概要

背景

食品医薬品、または電子部品など、経時変化保存性が問題となる物品包装することを意図したバリアフィルム気体透過性が低いフィルム)の開発が様々に行われている。
例えば、特許文献1には、高分子フィルム基材の少なくとも片面に無機材料蒸着膜が形成され、さらにその蒸着膜の上にポリ塩化ビニリデン塗膜が積層されているフィルムが記載されている。

概要

密封する物品の種類によらずに、良好な水蒸気バリア性が得られる包装袋を提供する。また、そのような包装袋を用いて物品を密封した包装体を提供する。袋の内表面側から順に、ヒートシール層と、基材フィルム層と、金属原子含有無機物層と、ポリ塩化ビニリデン含有層と、保護フィルム層と、を備え、包装袋に塩化カルシウムを入れて密封し、温度40±2℃、湿度90±5%RHの環境に72時間置いたときの水蒸気透過度が0.8[g/m2・day]以下であり、包装袋に精製水を入れて密封し、温度40±2℃、湿度7±3%RHの環境に72時間置いたときの水蒸気透過度が0.8[g/m2・day]以下である、物品の収容に用いられる包装袋。

目的

本発明は、密封する物品の種類によらずに、良好な水蒸気バリア性が得られる包装袋を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

物品の収容に用いられる包装袋であって、当該包装袋は、袋の内表面側から順に、ヒートシール層と、基材フィルム層と、金属原子含有無機物層と、ポリ塩化ビニリデン含有層と、保護フィルム層と、を備え、当該包装袋に塩化カルシウムを入れて密封し、温度40±2℃、湿度90±5%RHの環境に72時間置いたときの前記包装袋の外表面側から内表面側への水蒸気透過度が0.8[g/m2・day]以下であり、包装袋に精製水を入れて密封し、温度40±2℃、湿度7±3%RHの環境に72時間置いたときの前記包装袋の内表面側から外表面側への水蒸気透過度が0.8[g/m2・day]以下である包装袋。

請求項2

請求項1に記載の包装袋であって、前記保護フィルム層の水蒸気透過度が30[g/m2・day]以下である包装袋。

請求項3

請求項1または2に記載の包装袋であって、前記ヒートシール層が、ポリエチレンホモポリプロピレン、および、プロピレン炭素数2または4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体からなる群より選択される一種または二種以上を含む無延伸ポリプロピレンを含む層である包装袋。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装袋であって、前記保護フィルム層が、延伸ポリプロピレンフィルムからなる包装袋。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装袋であって、前記金属原子含有無機物層が、アルミニウム原子を含む包装袋。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載の包装袋により、物品が密封された包装体

請求項7

請求項6に記載の包装体であって、前記物品の水分活性が0.01以上0.80以下である包装体。

請求項8

請求項6に記載の包装体であって、前記物品の水分活性が0.80を超え1.00以下である包装体。

請求項9

請求項7または8に記載の包装体であって、前記物品が食品または医薬品である包装体。

技術分野

0001

本発明は、包装袋および包装体に関する。より具体的には、水蒸気透過性が制御された包装袋および包装体に関する。

背景技術

0002

食品医薬品、または電子部品など、経時変化保存性が問題となる物品包装することを意図したバリアフィルム気体の透過性が低いフィルム)の開発が様々に行われている。
例えば、特許文献1には、高分子フィルム基材の少なくとも片面に無機材料蒸着膜が形成され、さらにその蒸着膜の上にポリ塩化ビニリデン塗膜が積層されているフィルムが記載されている。

先行技術

0003

特開平8−39718号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記のように、バリアフィルムについては様々な検討がなされてきている。
しかし、本発明者の知見によれば、従来のバリアフィルムにおいては、少なくとも水蒸気のバリア性について改善の余地があった。具体的には、従来のバリアフィルムを用いて物品を密封した場合、ある物品を密封した時には良好な水蒸気バリア性が得られるものの、別の物品を密封したときには必ずしも良好な水蒸気バリア性が得られない、または、水蒸気バリア性が経時により悪化してしまう場合があった。

0005

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。つまり、本発明は、密封する物品の種類によらずに、良好な水蒸気バリア性が得られる包装袋を提供すること、また、そのような包装袋を用いて物品を密封した包装体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、検討の結果、以下に提供される発明をなし、上記課題を達成できることを見出した。

0007

本発明は、以下のとおりである。
1.
物品の収容に用いられる包装袋であって、
当該包装袋は、袋の内表面側から順に、ヒートシール層と、基材フィルム層と、金属原子含有無機物層と、ポリ塩化ビニリデン含有層と、保護フィルム層と、を備え、
当該包装袋に塩化カルシウムを入れて密封し、温度40±2℃、湿度90±5%RHの環境に72時間置いたときの前記包装袋の外表面側から内表面側への水蒸気透過度が0.8[g/m2・day]以下であり、包装袋に精製水を入れて密封し、温度40±2℃、湿度7±3%RHの環境に72時間置いたときの前記包装袋の内表面側から外表面側への水蒸気透過度が0.8[g/m2・day]以下である包装袋。
2.
1.に記載の包装袋であって、
前記保護フィルム層の水蒸気透過度が30[g/m2・day]以下である包装袋。
3.
1.または2.に記載の包装袋であって、
前記ヒートシール層が、ポリエチレンホモポリプロピレン、および、プロピレン炭素数2または4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体からなる群より選択される一種または二種以上を含む無延伸ポリプロピレンを含む層である包装袋。
4.
1.〜3.のいずれか1つに記載の包装袋であって、
前記保護フィルム層が、延伸ポリプロピレンフィルムからなる包装袋。
5.
1.〜4.のいずれか1つに記載の包装袋であって、
前記金属原子含有無機物層が、アルミニウム原子を含む包装袋。
6.
1.〜5.のいずれか1つに記載の包装袋により、物品が密封された包装体。
7.
6.に記載の包装体であって、
前記物品の水分活性が0.01以上0.80以下である包装体。
8.
6.に記載の包装体であって、
前記物品の水分活性が0.80を超え1.00以下である包装体。
9.
7.または8.に記載の包装体であって、
前記物品が食品または医薬品である包装体。

発明の効果

0008

本発明によれば、密封する物品の種類によらずに、良好な水蒸気バリア性を奏する包装袋が得られる。また、そのような包装袋を用いて物品を包装して包装体を得ることで、物品の吸湿または乾燥を抑えることができる。

図面の簡単な説明

0009

本実施形態の包装袋の一例を示すものである。
本実施形態の包装体の一例を示すものである。
本実施形態の包装体の別の例(変形例)を示すものである。

0010

以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
煩雑さを避けるため、(i)同一図面内に同一の構成要素が複数ある場合には、その1つのみに符号を付し、全てには符号を付さない場合や、(ii)特に図2以降において、図1と同様の構成要素に改めては符号を付さない場合がある。
すべての図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応するものではない。

0011

明細書中数値範囲の説明における「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、1〜100μmとは、1μm以上100μm以下であることを表す。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書における「(メタアクリル」との表記は、アクリルとメタアクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。

0012

<包装袋>
図1は、本実施形態の包装袋の一例(包装袋1)を示すものである。
包装袋1は、その内表面側から順に、ヒートシール層11、基材フィルム層12、金属原子含有無機物層13と、ポリ塩化ビニリデン含有層14、保護フィルム層15の5層を備えている(なお、以下において、金属原子含有無機物層13は、単に「無機物層13」とも表記する)。
図1の包装袋1は、図中の右側に開口部がある。なお、包装袋1は、2以上の開口部を有していてもよい。
包装袋1に塩化カルシウムを入れて密封し、温度40±2℃、湿度90±5%RHの環境に72時間置いたときの前記包装袋1の外表面側から内表面側への水蒸気透過度が0.8[g/m2・day]以下である。また、包装袋1に精製水を入れて密封し、温度40±2℃、湿度7±3%RHの環境に72時間置いたときの前記包装袋1の内表面側から外表面側への水蒸気透過度が0.8[g/m2・day]以下である。

0013

このような包装袋1により、なぜ、密封する物品の種類によらずに、良好な水蒸気バリア性が得られるのか、そのメカニズム等は必ずしも全てが明らかではないが、以下のように説明することができる。

0014

まず、本発明者は、ポリ塩化ビニリデン樹脂層を含むフィルム等の従来のバリアフィルムを用いて物品を密封した場合、ある物品を密封した時には良好な水蒸気バリア性が得られるものの、別の物品を密封したときには必ずしも良好な水蒸気バリア性が得られない場合がある原因を検討した。
この検討において、本発明者は、種々の物品を模したものとして、塩化カルシウム、または、精製水を、従来のバリアフィルムで密封して評価するなどした。つまり、吸湿性が高い塩化カルシウムをバリアフィルムで密封することにより吸湿防止のメカニズムを探り、精製水をバリアフィルムで密封することにより乾燥防止のメカニズムを探ることにした。

0015

検討を通じ、本発明者は、従来のバリアフィルムのほとんどは、以下(1)(2)のいずれかに該当することを知見した。
(1)塩化カルシウムの吸湿防止には十分な効果があるが、水の乾燥防止の効果は不足している。
(2)水の乾燥防止には十分な効果があるが、塩化カルシウムの吸湿防止の効果は不足している。

0016

この知見に基づき、本発明者は、「包装袋に塩化カルシウムを入れて密封し、温度40±2℃、湿度90±5%RHの環境に72時間置いたときの、包装袋の外表面側から内表面側への水蒸気透過度」と、「包装袋に精製水を入れて密封し、温度40±2℃、湿度7±3%RHの環境に72時間置いたときの、包装袋の内表面側から外表面側への水蒸気透過度」という2つの因子を適切に制御し、共に小さくすることができれば、密封する物品の種類によらずに良好な水蒸気バリア性が得られる包装袋を得ることができると考えた。

0017

この考えの下、上記2つの因子をともに小さくすることができる包装袋を様々に検討した。検討の結果、包装袋1のような5層構成の袋において、上記2つの因子をともに小さくした。これにより、密封する物品の種類によらずに良好な水蒸気バリア性を得ることができた。

0018

なお、上記の「水分増加率」と「水分減少率」が共に小さいということは、水蒸気バリア能力の「異方性が小さい」というふうに意味づけることができる。
つまり、密封された物品が乾燥したものである場合、水蒸気は、包装袋の外表面側から内表面側に流れ、一方、密封された物品が水で湿ったものである場合、水蒸気は、その逆に流れると考えられるところ、従来のバリアフィルムは、水蒸気が「特定の方向」に流れるときには良好な水蒸気バリア性があるものの、その逆方向に流れる場合には必ずしも十分な水蒸気バリア性が得られなかったものと推定される(これは、上記(1)(2)の検討結果と整合する)。

0019

本実施形態の包装袋1は、「包装袋に塩化カルシウムを入れて密封し、温度40±2℃、湿度90±5%RHの環境に72時間置いたときの前記包装袋1の外表面側から内表面側への水蒸気透過度が0.8[g/m2・day]以下であること」、「包装袋に精製水を入れて密封し、温度40±2℃、湿度7±3%RHの環境に72時間置いたときの前記包装袋1の内表面側から外表面側への水蒸気透過度が0.8[g/m2・day]以下であること」、そして特定の5層を備えている、という構成により、包装袋1で乾燥した物品を密封した場合にはその物品の吸湿が抑えられる効果があり、包装袋1で湿った物品を密封した場合にはその物品の乾燥が抑えられる効果が得られると考えられる。

0020

また、包装袋1においては、吸湿抑制または乾燥抑制の効果を比較的長時間にわたって維持しうる。
包装袋1では、水蒸気バリア能が高いポリ塩化ビニリデン含有層14の更に外表面側に保護フィルム層15があるため、外気湿気がポリ塩化ビニリデン含有層14にダイレクトに当たらない。つまり、過剰な湿気がポリ塩化ビニリデン含有層14に直接触れることがない。よって、水蒸気が包装袋1の外表面側から内表面側に流れる場合、ポリ塩化ビニリデン含有層14の水蒸気バリア性が十分に発揮され、また、ポリ塩化ビニリデン含有層14の劣化が抑えられる結果、乾燥した物品の吸湿抑制の効果が比較的長期間にわたって得られると推測される。
加えて、包装袋1においては、緻密な化学構造であり水蒸気を通しにくい無機物層13の外表面側に、さらに水蒸気バリア能が高いポリ塩化ビニリデン含有層14がある。よって、水蒸気が包装袋1の内表面側から外表面側に流れる場合、無機物層13が水蒸気の大部分を透過させず、わずかに透過した水蒸気はポリ塩化ビニリデン含有層14にブロックされる。この結果、湿った物品の乾燥抑制の効果が比較的長期間にわたって得られると推測される。

0021

従来、包装袋の形態ではないバリアフィルム単独での水蒸気遮断性の向上技術は様々に検討されてきた。しかし、包装対象の物品は多種多様であり、吸湿抑制が求められる場合もあれば乾燥抑制が求められる場合もあるところ、吸湿抑制にも乾燥抑制にもオールマイティに適用可能な包装袋を得ることについてはあまり検討されてきていなかった。特に、ポリ塩化ビニリデン素材および酸化アルミニウム等の金属蒸着を用いたフィルムにおいて、物品の乾燥抑制が可能な(物品の保湿が可能な)包装袋を得る検討は、本発明者が知る限りこれまでに無かった。本実施形態の包装袋1は、このような、これまで検討されていなかった視点に基づくものである。

0022

包装袋1の各構成要素などについて説明する。
・ヒートシール層11
ヒートシール層11は、工業的・商業的に行われる条件でのヒートシール処理熱融着処理)により包装袋1の開口部を閉じることができる性質を有するものである限り、特に限定されない。

0023

ヒートシール層11は、典型的には、熱可塑性樹脂を含む。
ヒートシール層11としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1等のα−オレフィンの単独重合体若しくは共重合体高圧法低密度ポリエチレン線状低密度ポリエチレン(いわゆるLLDPE)、高密度ポリエチレンポリプロピレンポリプロピレンランダム共重合体低結晶性あるいは非晶性のエチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・ブテン−1ランダム共重合体、プロピレン・ブテン−1ランダム共重合体などから選択される一種または二種以上のポリオレフィンを含む樹脂組成物により形成された層、エチレン・酢酸ビニル共重合体EVA)を含む樹脂組成物により形成される層、EVAおよびポリオレフィンを含む樹脂組成物により形成された層などが挙げられる。

0024

ヒートシール層11が含む熱可塑性樹脂は、ヒートシール性の観点からは、無延伸であることが好ましい。より具体的には、ヒートシール層11は、ポリエチレン(ホモポリエチレン)、ホモポリプロピレン、および、プロピレンと炭素数2または4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体から選択される一種または二種以上を含む無延伸ポリプロピレンを含む層であることが好ましい。

0025

ヒートシール層11は、熱可塑性樹脂以外の成分を含んでもよい。例えば、防曇剤アンチブロッキング剤等の添加剤ウレタン系樹脂尿素系樹脂メラミン系樹脂エポキシ系樹脂アルキッド系樹脂等の接着性の樹脂が含まれていてもよい。

0026

また、ヒートシール層11は接着剤として設けられてもよく、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキッド系樹脂等の接着性樹脂を含む接着剤を乾燥・硬化させることにより設けることができる。

0027

ヒートシール層11の厚みは、好ましくは10〜100μm、より好ましくは15〜80μm、さらに好ましくは20〜60μmである。この厚みとすることで、十分なヒートシール性を得つつ、ハンドリング性が良好な(かさばらない)包装袋1を得ることができる。

0028

・基材フィルム層12
基材フィルム層12は、典型的には熱可塑性樹脂を含むものであり、好ましくは熱可塑性樹脂により形成されたシート状またはフィルム状の基材により構成される。
基材フィルム層12には、包装袋1の強度を十分なものとしたり、無機物層13を安定的に存在させたりする役割が期待される。

0029

基材フィルム層12が含むことができる熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ(1−ブテン)等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレートポリエチレンナフタレート等のポリエステルナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等のポリアミドポリ塩化ビニルポリイミド;エチレン・酢酸ビニル共重合体;ポリアクリロニトリルポリカーボネートポリスチレンアイオノマー;等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
基材フィルム層12の熱可塑性樹脂として好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルであり、より好ましくはポリエチレンテレフタレートである。

0030

基材フィルム層12の厚みは、好ましくは5〜50μm、より好ましくは8〜30μm、さらに好ましくは10〜20μmである。この厚みとすることで、十分な強度を得つつ、ハンドリング性が良好な(かさばらない)包装袋1を得ることができる。
基材フィルム層12は、ヒートシール層11と同様、熱可塑性樹脂以外の成分を含んでもよい。

0031

・金属原子含有無機物層13(無機物層13)
無機物層13を構成する無機物は、金属原子を含有する無機物である限り特に限定されず、例えば、金属や金属酸化物等が挙げられる。より具体的には、ベリリウムマグネシウムカルシウムストロンチウムバリウム等の周期表2A族元素チタンジルコニウムルテニウムハフニウムタンタル等の周期表遷移元素亜鉛等の周期表2B族元素;アルミニウムガリウムインジウムタリウム等の周期表3B族元素;ケイ素ゲルマニウム、錫等の周期表4B族元素;セレンテルル等の周期表6B族元素等の単体合金または酸化物等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。

0032

これら無機物の中でも、バリア性やコスト等の観点から、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、アルミニウムからなる群から選択される一種または二種以上の無機物が好ましい。特に、水蒸気バリア性の観点から、アルミニウムや酸化アルミニウム等、アルミニウム原子を含む態様が好ましく、透明性が確保されるという観点から酸化アルミニウムであることが好ましい。なお、酸化ケイ素には、二酸化ケイ素の他、一酸化ケイ素亜酸化ケイ素が含有されていてもよい。
無機物層13は、無機物特有の緻密な(すき間が少ない)ミクロ構造により、水蒸気のバリア性に寄与するものである。

0033

無機物層13は好ましくは上記無機物の少なくとも一種により形成されている。無機物層13は単層の無機物層から構成されていてもよいし、複数の無機物層から構成されていてもよい。また、無機物層13が複数の無機物層から構成されている場合には、同一種類の無機物層から構成されていてもよいし、異なった種類の無機物層から構成されていてもよい。

0034

無機物層13の形成方法は特に限定されない。例えば、真空蒸着法スパッタリング法プラズマ気相成長法CVD法)等の真空プロセス等により、基材フィルム層12の表面またはポリ塩化ビニリデン含有層14の表面に無機物層13を形成することができる。

0035

無機物層13の厚さは、好ましくは1〜500nm、より好ましくは5〜300nm以下、より好ましくは7〜150nmである。この厚みとすることで、十分な水蒸気バリア能、ハンドリング性(かさばらない)、他の層との密着性などのバランスを最適化できる。
なお、この厚さは、例えば、透過型電子顕微鏡走査型電子顕微鏡による観察画像により求めることができる。

0036

・ポリ塩化ビニリデン含有層14
ポリ塩化ビニリデンは、フィルムとしたとき、汎用的な合成樹脂の中では水蒸気透過率がかなり小さい樹脂として知られている。すなわち、ポリ塩化ビニリデン含有層14は、物品の吸湿抑制に重要な役割を果たす。
ポリ塩化ビニリデン含有層14は、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む限り、特に限定されない。ここで「ポリ塩化ビニリデン系樹脂」とは、塩化ビニリデンモノマーに対応する構造単位を含むものであれば特に限定されず、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)であってもよいし、塩化ビニリデンと、塩化ビニリデンと共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。

0037

上記共重合体としては、塩化ビニリデンの含有割合が60質量%以上99質量%以下であり、塩化ビニリデンと共重合可能な単量体の含有割合が1質量%以上40質量%以下である共重合体を上げることができる。塩化ビニリデンと共重合可能な単量体としては、例えば、塩化ビニルアクリロニトリルアクリル酸アクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜18)、メタクリル酸メタクリル酸アルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜18)、無水マレイン酸イタコン酸、イタコン酸アルキルエステル酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、イソブチレンブタジエン等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂は、公知の方法で製造することで得てもよいし、種々の市販品を用いてもよい。市販品としては、旭化成社製のサランレジンシリーズ等が挙げられる。

0038

ポリ塩化ビニリデン系樹脂の形態は、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子を含むラテックス(水系の乳濁液)の形態であってもよい。
この場合は、水蒸気バリア性を安定させる観点から、無機物層13と、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子を含むラテックスからなる層の間に、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を有機溶剤に溶解させて塗布したポリ塩化ビニリデン系樹脂を含む層を設けることが好ましい。
このラテックスについては、従来公知の方法で製造してもよいし、種々の市販品を用いてもよい。市販品としては、旭化成社製のサランラテックスシリーズ等が挙げられる。

0039

なお、ポリ塩化ビニリデン含有層14は、ポリ塩化ビニリデン系樹脂以外の成分を含んでもよい。例えば、ヒートシール層11や基材フィルム層12と同様の添加剤や接着性樹脂、膜形成性を良化させる成分(例えば、シランカップリング剤界面活性剤消泡剤レベリング剤等)を含んでもよい。

0040

上記のポリ塩化ビニリデン系樹脂を原材料としてポリ塩化ビニリデン含有層14を形成する方法は、特に限定されない。例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を有機溶剤に溶解して、無機物層13または保護フィルム層15の表面に塗布し、そして乾燥させることによりポリ塩化ビニリデン含有層14を形成することができる。このとき使用可能な有機溶剤は、使用するポリ塩化ビニリデン系樹脂の種類に応じて適宜選択されるため特に限定されないが、例えば、アセトンメチルエチルケトンシクロヘキサノン等のケトン類ジオキサンジエチルエーテルテトラヒドロフラン等のエーテル類ベンゼントルエンキシレン等の芳香族炭化水素類酢酸エチル酢酸ブチル等のエステル類ジメチルホルムアミド等のアミド類;これらの混合溶媒;等が挙げられる。これらの中でも、テトラヒドロフランとトルエンとの混合溶媒、メチルエチルケトンとトルエンとの混合溶媒およびテトラヒドロフランとトルエンとメチルエチルケトンとの混合溶媒が好ましい。上記のような有機溶剤に溶解させたポリ塩化ビニリデンを用いてポリ塩化ビニリデン含有層14を形成することができる。
また、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子を含むラテックスを、無機物層13または保護フィルム層15の表面に塗布し、そして乾燥させることによりポリ塩化ビニリデン含有層14を形成してもよい。

0041

さらに、上述のように無機物層13の表面に有機溶剤に溶解させたポリ塩化ビニリデンを用いてポリ塩化ビニリデン含有層14を形成することと、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子を含むラテックスによりポリ塩化ビニリデン含有層14を形成することの両方を行い、2層構成のポリ塩化ビニリデン含有層14を形成してもよい。
特にこの場合、当該2層のうち、無機物層13の側の層については有機溶剤を用いて層形成し、保護フィルム層15の側の層についてはラテックスにより層形成することが好ましい。これは、(1)有機溶剤を用いて層形成するほうが無機物層13との接着性をより高められること、(2)一般にはラテックス形態のポリ塩化ビニリデンは安価であり、また、界面活性剤を含有させるなどで製造工程での帯電防止性に優れ、塵の付着などが抑えられること、等が理由である。

0042

ポリ塩化ビニリデン含有層14の厚みは、好ましくは0.05〜20μm、より好ましくは0.1〜10μm、更に好ましくは0.2〜5μmである。なお、ポリ塩化ビニリデン含有層14が多層を含む場合(例えば、上述の、有機溶剤系およびラテックス系の両方で層形成する場合など)には、それら多層の合計の厚みがここに示された厚みであることが好ましい。この厚みとすることで、十分な水蒸気バリア能があり、かつ、ハンドリング性が良好な(かさばらない)包装袋1を得ることができる。

0043

・保護フィルム層15
保護フィルム層15は、典型的には熱可塑性樹脂を含むものであり、好ましくは熱可塑性樹脂により形成されたシート状またはフィルム状の基材により構成される。
保護フィルム層15には、第一義的には、ポリ塩化ビニリデン含有層14が、外部からの衝撃を直接受けることを防ぎ、ポリ塩化ビニリデン含有層14が損傷して水蒸気バリア性が低下することを抑える役割(すなわち、ポリ塩化ビニリデン含有層14を保護する役割)が期待される。また、前述のように、水蒸気の流れが包装袋1の外表面側から内表面側である場合は、外気の湿気がポリ塩化ビニリデン含有層14にダイレクトに当たらないようにし、ポリ塩化ビニリデン含有層14の水蒸気バリア性が十二分に発揮されるようにする役割も期待される。

0044

保護フィルム層15が含むことができる熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ(1−ブテン)等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等のポリアミド;ポリ塩化ビニル;ポリイミド;エチレン・酢酸ビニル共重合体;ポリアクリロニトリル;ポリカーボネート;ポリスチレン;アイオノマー;等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。

0045

保護フィルム層15は、延伸フィルムから構成されることが好ましく、延伸ポリプロピレンフィルム(二軸延伸ポリプロピレンフィルム)から構成されることが好ましい。
この理由は、1つには、延伸処理によって、保護フィルム層15単独での水蒸気バリア性が高まるためである。前述の「外気の湿気をポリ塩化ビニリデン含有層14にダイレクトに当てないようにする」という観点から、保護フィルム層15それ自体がある程度のガスバリア性(水蒸気バリア性)を有することが好ましく、この点で、保護フィルム層15は延伸フィルムであることが好ましい。
また、ヒートシール処理の際の変形のしにくさ、透明性などの点からも、保護フィルム層15は、延伸フィルムから構成されることが好ましい。

0046

保護フィルム層15の厚みは、好ましくは10〜80μm、より好ましくは15〜40μmである。この厚みとすることで、上述の保護フィルム層15に期待される効果を十分得つつ、ハンドリング性が良好な(かさばらない)包装袋1を得ることができる。
保護フィルム層15は、ヒートシール層11などと同様、熱可塑性樹脂以外の成分を含んでもよい。

0047

・その他の層
包装袋1は、上記5層以外の層を更に有してもよい。例えば、滑性層帯電防止層等の種々のコーティング層ラミネート層をさらに有していてもよい。また、そのような層の位置は特に限定されない。

0048

・水蒸気バリア性
包装袋1は、包装袋1に塩化カルシウムを入れて開口部を密封し、温度40±2℃、湿度90±5%RHの環境に72時間置いたときの、包装袋1の外表面側から内表面側への水蒸気透過度が0.8[g/m2・day]以下であることが好ましい。この数値は、より好ましくは0.6[g/m2・day]以下であり、さらに好ましくは0.4[g/m2・day]以下であり、特に好ましくは0.3[g/m2・day]以下である。
また、包装袋1は、包装袋1に精製水を入れて密封し、温度40±2℃、湿度7±3%RHの環境に72時間置いたときの包装袋1の内表面側から外表面側への水蒸気透過度が、0.8[g/m2・day]以下であることが好ましい。この数値は、より好ましくは0.6[g/m2・day]以下であり、さらに好ましくは0.4[g/m2・day]以下であり、特に好ましくは0.3[g/m2・day]以下である。

0049

適切な水蒸気バリア性の包装袋1を得るに当たっては、包装袋1を特定の5層構成とすることは勿論であるが、各層の水蒸気透過度(5層積層状態ではなく、単層で測定される各層の水蒸気透過度)を適切な範囲とすることが好ましい。

0050

例えば、保護フィルム層15の水蒸気透過度は、30[g/m2・day]以下であることが好ましく、25[g/m2・day]以下であることがより好ましく、23[g/m2・day]以下であることがさらに好ましい。この下限値は低ければ低いほど好ましい(理想的には0)が、現実的には、下限値は1.0[g/m2・day]程度となる。
保護フィルム層15は、外気と直接接する層である。よって、ここの水蒸気透過度が低いことで、包装袋1全体としての水蒸気の透過性などを適切に設計しやすいと考えられる。
市販の樹脂フィルムから保護フィルム層15の素材を選ぶ場合には、水蒸気透過度がこの範囲にあるものを選択することが好ましい。

0051

また、基材フィルム層12、無機物層13およびポリ塩化ビニリデン含有層14の3層を合わせた層の水蒸気透過度は、1.0[g/m2・day]以下であることが好ましく、0.7[g/m2・day]以下であることがより好ましく、0.5[g/m2・day]以下であることがさらに好ましい。
なお、無機物層13はそれ単独では存在し難く、また、ポリ塩化ビニリデン含有層14も通常は塗布で製膜されることから、これら3層をひとまとまりとして水蒸気透過度を検討することが望ましい。

0052

さらに、ヒートシール層11の水蒸気透過度は、10[g/m2・day]以下であることが好ましく、6[g/m2・day]以下であることがより好ましい。

0053

ちなみに、ここでの水蒸気透過度は、JIS K 7129(2008)に準じて測定することができる。

0054

各層の水蒸気透過度を適切な範囲とすることで、「包装袋に塩化カルシウムを入れて密封し、温度40±2℃、湿度90±5%RHの環境に72時間置いたときの包装袋の外表面側から内表面側への水蒸気透過度」が0.8[g/m2・day]以下であり、「包装袋に精製水を入れて密封し、温度40±2℃、湿度7±3%RHの環境に72時間置いたときの前記包装袋の内表面側から外表面側への水蒸気透過度」が0.8[g/m2・day]以下である包装袋1を得やすくなる。また、各層の水蒸気透過度を適切な範囲とすることで、前述の「外表面側から内表面側への水蒸気透過度」や「内表面側から外表面側への水蒸気透過度」を適切な値としやすくすることができるため、内容物の水分活性にかかわらず優れた保存性を奏することが可能となる。

0055

・製造方法
包装袋1を製造する方法については、各構成要素の説明においても適宜述べているが、特に包装袋1の積層構造を得る方法について、改めてここで述べる。
包装袋1を構成する5層の積層フィルムは、任意の方法で製造すればよいが、好ましくは以下手順で製造することができる。

0056

(1)基材フィルム層12を構成する基材、例えばPETフィルムなどの熱可塑性樹脂を含むフィルムを準備する。
このフィルムは、無機物層13との接着性を高めるために、コロナ処理プラズマ処理アンダーコート処理プライマーコート処理、フレーム処理等の表面処理が行われていてもよい。

0057

(2)無機物層13を形成する。
形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法(CVD法)等の真空プロセス等が挙げられる。

0058

(3−1)ポリ塩化ビニリデン系樹脂を有機溶剤に溶解したものを、無機物層13の表面に塗布して、ポリ塩化ビニリデン含有層14を形成する。
ここで用いることができるポリ塩化ビニリデン系樹脂や有機溶剤は、前述のとおりである。
塗布量は、通常0.05〜5.0g/m2、好ましくは0.07〜2.0g/m2、より好ましくは0.1〜0.5g/m2である。また、厚さ(乾燥後の厚さ)は、通常0.02〜3.1μm、好ましくは0.05〜1.3μmである。これらは、バリア性、透明性、残留有機溶媒量、密着性、取扱い性等のバランスの観点から決定される。

0059

(3−2)ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子を含むラテックスを、上記(3−1)で形成されたポリ塩化ビニリデン含有層14の表面に塗布して、2層構成のポリ塩化ビニリデン含有層14を形成する。
ここで用いることができるラテックスについては、前述のとおりである。
塗布量は、通常0.2〜10.0g/m2、好ましくは0.5〜5.0g/m2、より好ましくは0.8〜3.0g/m2である。また、厚さ(乾燥後の厚さ)は、通常0.1〜6.2μm、好ましくは0.2〜1.8μmである。これらは、バリア性、透明性、残留有機溶媒量、密着性、取扱い性等のバランスの観点から決定される。

0060

なお、(3−1)および(3−2)において、塗布の方法や装置は、特に限定されない。例えば、エアーナイフコーターキスロールコーターメタリングバーコーターグラビアロールコーターリバースロールコーターディップコーターダイコーター等の公知の塗工機を用いて工程(3−1)および/または(3−2)を行うことができる。

0061

また、(3−1)および(3−2)において、塗布後の乾燥方法は特に限定されない。例えば、アーチドライヤーストレートバスドライヤー、タワードライヤー、ドラムドライヤーフローティングドライヤー等の公知の乾燥機を用いて乾燥する方法が挙げられる。乾燥温度は、通常50〜200℃、好ましくは70〜150℃、より好ましくは90〜130℃である。乾燥時間は、通常5秒〜10分、好ましくは5秒〜3分、より好ましくは5秒〜1分である。

0062

上記の乾燥後、必要によりオーブン等によりエージング処理を行うことが好ましい。例えば、上記乾燥後のフィルムを、好ましくは35〜60℃以下、より好ましくは40〜50℃のオーブン中で、好ましくは24〜120時間、より好ましくは48〜72時間エージング処理する。この熱処理によりポリ塩化ビニリデン系樹脂の結晶化が促進され、バリア性能をより一層向上させることができる。

0063

(4)保護フィルム層15を形成する。
例えば、適当な熱可塑性樹脂(ポリプロピレン等)を含むフィルムを準備する。そして、このフィルムを、ドライラミネート法により上記(3−1)または(3−2)で形成されたポリ塩化ビニリデン含有層14と貼り合わせる。ドライラミネートの具体的な方法や、使用される接着剤などは、公知技術を適宜適用することができる。

0064

(5)ヒートシール層11を形成する。
無延伸ポリプロピレンフィルムなどのヒートシール性のある樹脂フィルム(熱可塑性樹脂フィルム)を、基材フィルム層12における無機物層13と反対側の面に貼り付けることで、ヒートシール層11を形成することができる。貼り付ける方法は、上記(4)と同様、ドライラミネート法を適用することができる。

0065

<包装体>
図2は、本実施形態の包装体の一例(包装体5)を示すものである。
包装袋1の中に、物品3が収容されている。そして、包装袋1の右側の開口部がヒートシール処理されていることにより、物品3は包装袋1の中に密封されている(なお、密封手段は、ヒートシール処理のみに限定されるものではない)。
包装袋1は、図1におけるものと同様であり、特定の5層を備えている(図2には明示していない)。

0066

本実施形態においては、物品3が乾燥したものである場合は、その乾燥状態が比較的長時間にわたって保たれる。また、物品3が湿ったものであれば、その湿った状態が比較的長時間にわたって保たれる(保湿される)。

0067

本実施形態において、物品3は特に限定されず、乾燥したものであっても湿ったものであってもよい。
なお、物品3の「乾燥度合い」「湿り具合」については、「水分活性」という指標で定量的に表現することができる。水分活性とは、一般に、物品中の自由水の割合を表す数値として知られており、物品を入れた密閉包装材内の水蒸気圧(P)とその温度における純水の蒸気圧(PO)の比(P/PO)により定義される。水分活性は、特に、食品の保存性の指標としてよく用いられる。水分活性は、常法に従い、コンウェイ法や電気抵抗式湿度センサー法などにより測定することができる。例えば、卓上型温湿度測定器ハイグロラボ(ロトロニック社製)により測定することができる。
本実施形態において、物品3の水分活性は、典型的には0.01〜1.00である。

0068

乾燥した物品3としては、水分活性が0.01以上0.80以下の物品が挙げられる。そのような物品としては、例えば、焼き菓子クッキービスケットなど)、煎餅、おかき、あられ、ぽん菓子等の米菓野菜チップスナック菓子、ふりかけ、穀物粉末小麦粉米粉など)が挙げられる。また、粉状、顆粒状、カプセル状または錠剤状の医薬品なども挙げられる。包装袋1でこれらを密封することで、比較的長期間にわたって吸湿が抑えられる。

0069

また、湿った物品3としては、水分活性が0.80を超え1.00以下の物品が挙げられる。そのような物品としては、例えば、食品では、ケーキ類パン米飯ジャム等が、食品以外では、粘土(例えば、工作用・工芸用の粘土類)、ウエットシートウェットティッシュメイク落としシート)、おしぼり、などが挙げられる。包装袋1でこれらを密封することで、比較的長期間にわたって乾燥が抑えられ、保湿される。

0070

なお、特に物品3が乾燥したものである場合には、包装袋1の中に、物品3と一緒乾燥剤図2には図示せず)を入れて密封して包装体5を得てもよい。乾燥剤は、公知のものや市場入手可能なものを適宜用いることができる。

0071

<包装体の変形例>
図3は、本実施形態の包装体の変形例を示すものである。
図3においては、小さな包装袋1Bにより物品3Bが密封された複数の個包装が、大きな包装袋1Cによりさらに密封されている。
図3においては、小さな包装袋1Bを構成するフィルムおよび/または大きな包装袋1Cを構成するフィルムが、図1で説明された5層構造の積層フィルムであり、そして袋の内表面側から、ヒートシール層11、基材フィルム層12、金属原子含有無機物層13、ポリ塩化ビニリデン含有層14および保護フィルム層15となっている(図3においては、これら層構成は図示されていない)。

0072

すなわち、小さな包装袋1Bと大きな包装袋1Cの少なくとも一方が、特定の5層を特定の配置で備えたフィルムであることで、物品3Bの吸湿抑制または乾燥抑制の効果を得ることができる。
また、小さな包装袋1Bと大きな包装袋1Cの両方が、特定の5層構成のフィルムであれば、物品3Bの吸湿抑制または乾燥抑制の効果をより一層得られると期待される。

0073

なお、小さな包装袋1Bと大きな包装袋1Cの一方のみが、特定の5層構成のフィルムであってもよい。この場合、他方の包装袋を構成するフィルムは、任意のものであってよく、ヒートシール性、耐久性印刷適性意匠性、コスト等から適宜選択される。ポリ塩化ビニリデンや無機物以外の、水蒸気バリア性が比較的高い素材を採用することも考えられる。

0074

以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。

0075

本発明の実施態様を、実施例および比較例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。

0076

<実施例1:包装袋の作製>
基材フィルム層として、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムユニチカ社製エンブレット登録商標)PET12)を準備した。このフィルムのコロナ処理面に、高周波誘導加熱方式により、アルミニウムを加熱蒸発させ、さらに酸素を導入し、基材フィルム層上に厚みが10nmになるように酸化アルミニウムを蒸着し、酸化アルミニウム層(無機物層)を形成した。
この無機物層の上に、以下の有機溶剤系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層と、ラテックス系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層とを順次形成した。

0077

ここで、有機溶剤系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層およびラテックス系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の形成方法は以下のとおりである。
まず、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(旭化成社製、サランレジンF216)を、トルエンとメチルエチルケトンの混合有機溶媒質量比:トルエン/メチルエチルケトン=1/2)に溶解させ、ポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液固形分5質量%)を調製した。
次いで、このポリ塩化ビニリデン系樹脂溶液を、乾燥後の塗工量が0.2g/m2になるように酸化アルミニウム層上にアプリケーターで塗工し、乾燥させて溶媒を除去することにより、有機溶剤系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層を形成した。
続いて、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の微粒子を含むラテックス(旭化成社製、サランラテックスL536B)を10%のアンモニア水中和し、乾燥後の塗工量が0.9g/m2になるように有機溶剤系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層上にアプリケーターで塗工し、乾燥させて溶媒を除去することによりラテックス系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層を形成した。

0078

形成された有機溶剤系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の厚さは0.12μmであった。また、形成されたラテックス系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層の厚さは0.56μmであった。
このようにして、ポリ塩化ビニリデン系樹脂積層フィルムを得た。

0079

上記ポリ塩化ビニリデン系樹脂積層フィルムのポリ塩化ビニリデン系樹脂層面に、厚さ20μmの延伸ポリプロピレンフィルム(三井化学セロ社製、商品名:WH−OP、品番HE−1#20)をドライラミネート法により貼り合わせた。これにより保護フィルム層を形成した。
貼り合わせは、この延伸ポリエチレンフィルムのコロナ処理面に、接着剤(三井化学社製、タケラック(登録商標)A−310/タケネート(登録商標)A−3=12/1(質量比))を3.0g/m2塗布して、上記ラテックス系ポリ塩化ビニリデン系樹脂層と密着させることにより行った。

0080

最後に、基材フィルム層の、酸化アルミニウム層(無機物層)と反対側の面に、厚さ40μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)フィルムを貼りつけて、ヒートシール層を形成した。具体的には、三井化学東セロ社製の無延伸ポリプロピレンフィルム(商品名:GLC #40)の片面に、接着剤(三井化学社製、タケラック(登録商標)A−310/タケネート(登録商標)A−3=12/1(重量比))を3.0g/m2塗布し、基材フィルム層表面と無延伸ポリプロピレンフィルムの接着剤塗布面が接するように積層した。

0081

得られた積層フィルムを用いて、内表面積が0.01m2になるように製袋した。このとき、保護フィルム層が袋の外表面側となるようにした。

0082

<実施例2:包装袋の作製>
実施例1において、保護フィルム層を、厚さ25μmの無延伸ポリエチレンフィルム(商品名:T.U.X(登録商標)FCS#25 三井化学東セロ社製)に変えた以外は実施例1と同様にして包装袋を得た。

0083

<比較例1:包装袋の作製>
実施例1において、保護フィルム層を、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名:エンブレットPET12ユニチカ社製)に変えた以外は実施例1と同様にして包装袋を得た。

0084

<比較例2:包装袋の作製>
実施例1において、保護フィルム層を、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(商品名:エンブレムONBC−15ユニチカ社製)に変えた以外は実施例1と同様にして包装袋を得た。

0085

包装袋の構成等についてまとめて以下の表1および表2に示す。なお、表には、保護フィルム層単体、ポリ塩化ビニリデン系樹脂積層フィルム(基材フィルム層、無機物層およびポリ塩化ビニリデン含有層の3層フィルム)単体、および、ヒートシール層単体の水蒸気透過度(WVTR)を記載した。

0086

0087

0088

表1および表2における略号は以下を表す。
OPP:2軸延伸ポリプロピレン
PVDC:ポリ塩化ビニリデン
ALO:酸化アルミニウム
PET:ポリエチレンテレフタレート
CPP:無延伸ポリプロピレン
ONY:2軸延伸ナイロン

0089

<評価>
(1)水蒸気透過度の測定 その1
各実施例および比較例で得られた袋内に、内容物として塩化カルシウムを8g入れ、袋の入り口をヒートシールして密封し、包装体を得た。
この包装体を、温度40±2℃、湿度90±5%RHの環境下に72時間(丸3日)保管した。保管前後の包装体の質量を測定し、その質量差を求めた。求めた値を、袋の内表面積(0.01m2)および評価時間(3日)で割り算することで、袋の外表面側から内表面側への水蒸気透過度[g/m2・day]を算出した。

0090

(2)水蒸気透過度の測定 その2
上記「(1)水蒸気透過度の測定 その1」において、内容物として塩化カルシウム8gの代わりに精製水を10g入れた以外は同様にして包装体を得た。
この包装体を、40℃に設定したオーブンの中に設置することにより温度40±2℃、湿度7±3%RHの環境下に72時間(丸3日)保管した。保管前後の包装体の質量を測定し、その質量差の絶対値を測定した。得られた質量差の絶対値を、袋の内表面積(0.01m2)および評価時間(3日)で割り算することで、袋の内表面側から外表面側への水蒸気透過度[g/m2・day]を算出した。

0091

以上の結果を表3および表4に示す。

0092

0093

実施例

0094

以上、特に実施例1および2の結果から、本実施形態の包装袋は、塩化カルシウムで代表されるような水分活性が小さい物品を包装した場合にはその吸湿を抑えることができ、また、水で代表されるような水分活性が大きい物品を包装した場合にはその乾燥を抑えることができることが示された。

0095

1、1B、1C包装袋
3、3B物品
5包装体
11ヒートシール層
12基材フィルム層
13金属原子含有無機物層(無機物層)
14ポリ塩化ビニリデン含有層
15 保護フィルム層

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