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技術 空力低減装置

出願人 三菱自動車工業株式会社
発明者 戸塚裕治貴志誠
出願日 2018年3月6日 (2年1ヶ月経過) 出願番号 2018-039881
公開日 2019年9月12日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-151303
状態 未査定
技術分野 旅客車・荷物車の上部構造
主要キーワード 整流部品 三角錐台形状 連れていく 開放度合い 車輪前方 湾曲形 低減部材 空気抵抗低減
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

車両の外観を損ねることなく車両の空気抵抗を改善する。

解決手段

車両の車輪2の前方で空気抵抗を低減する空力低減装置10は、複数の部品21A,21B,21Cが連結されて構成され、車輪2の前方で車輪2に向かう風を左右方向に分散させる空力低減部材20と、空力低減部材20を、車両の底面部3bよりも上方に格納する格納状態と底面部3bから降下させる作動状態とに切り替え昇降機構30と、昇降機構30を制御する制御装置と、を備える。空力低減部材20は、格納状態では複数の部品21A,21B,21Cが重なり合って収納され、作動状態では複数の部品21A,21B,21Cが一列に連なって懸架して車輪2の前方に配置される。

概要

背景

車両の走行抵抗には、主に転がり抵抗空気抵抗空力抵抗)とが存在するが、このうち空気抵抗は、車速二乗に比例して大きくなるため、高車速域では燃費向上への妨げとなることが知られている。このため、車両の燃費や電費を向上させるためには、空気抵抗を効果的に低減することが好ましい。例えば特許文献1には、空気抵抗を低減するための装置(車両用スパッツ)が、車両の車輪前方において床下から突出する構成が開示されている。

概要

車両の外観を損ねることなく車両の空気抵抗を改善する。車両の車輪2の前方で空気抵抗を低減する空力低減装置10は、複数の部品21A,21B,21Cが連結されて構成され、車輪2の前方で車輪2に向かう風を左右方向に分散させる空力低減部材20と、空力低減部材20を、車両の底面部3bよりも上方に格納する格納状態と底面部3bから降下させる作動状態とに切り替え昇降機構30と、昇降機構30を制御する制御装置と、を備える。空力低減部材20は、格納状態では複数の部品21A,21B,21Cが重なり合って収納され、作動状態では複数の部品21A,21B,21Cが一列に連なって懸架して車輪2の前方に配置される。

目的

本件の空力低減装置は、このような課題に鑑み案出されたもので、車両の外観を損ねることなく車両の空気抵抗を改善することを目的の一つとする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車両の車輪の前方で空気抵抗を低減する空力低減装置であって、複数の部品が連結されて構成され、前記車輪の前方で前記車輪に向かう風を左右方向に分散させる空力低減部材と、前記空力低減部材を、前記車両の底面部よりも上方に格納する格納状態と前記底面部から降下させる作動状態とに切り替え昇降機構と、前記昇降機構を制御する制御装置と、を備え、前記空力低減部材は、前記格納状態では前記複数の部品が重なり合って収納され、前記作動状態では前記複数の部品が一列に連なって懸架して前記車輪の前方に配置されることを特徴とする、空力低減装置。

請求項2

前記空力低減部材は、前記作動状態において前記風を前記車輪の右側方及び左側方のそれぞれへ案内する二つの斜面部を有することを特徴とする、請求項1記載の空力低減装置。

請求項3

前記空力低減部材は、前記作動状態において前記車輪の前面に対向配置される後面部を有することを特徴とする、請求項1又は2記載の空力低減装置。

請求項4

前記後面部は、前記車輪の外周面との間に一定の隙間を形成する湾曲形状であることを特徴とする、請求項3記載の空力低減装置。

請求項5

前記空力低減部材は中空形状をなし、前記昇降機構は、前記空力低減部材の内部に配置されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空力低減装置。

請求項6

前記昇降機構は、各々の前記部品の下端部に前記空力低減部材の昇降方向と交差する方向に突設された凸部と、前記空力低減部材が前記作動状態のときに最も下方に位置する前記部品を昇降させるモータと、を有し、前記空力低減部材は、前記最も下方に位置する部品の上昇に伴って下側の前記凸部が上側の前記凸部に当接し、前記格納状態へと変位することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の空力低減装置。

請求項7

前記昇降機構は、前記昇降方向に延設されるとともに前記最も下方に位置する部品に固定されたラックギアと、前記ラックギアと噛合するとともに前記モータによって回転するピニオンギアと、を有することを特徴とする、請求項6記載の空力低減装置。

請求項8

前記車両のフロントバンパの前記底面部に貫設され、前記空力低減部材が前記作動状態になるときに通る開口と、前記底面部に沿ってスライドして前記開口を開閉するとともに、前記空力低減部材が前記格納状態のときに前記開口を閉鎖するカバーと、を備えたことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の空力低減装置。

請求項9

前記車両の車速を検出する車速センサを備え、前記制御装置は、前記車速が所定速度以上であるときに前記空力低減部材を前記作動状態とし、前記車速が前記所定速度以下の第二所定速度未満であるときに前記空力低減部材を前記格納状態とすることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の空力低減装置。

請求項10

路面の荒れ状態を取得する状態取得部を備え、前記制御装置は、前記荒れ状態に基づいて前記昇降機構を制御することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の空力低減装置。

技術分野

0001

本発明は、車両の車輪の前方で空気抵抗を低減する空力低減装置に関する。

背景技術

0002

車両の走行抵抗には、主に転がり抵抗と空気抵抗(空力抵抗)とが存在するが、このうち空気抵抗は、車速二乗に比例して大きくなるため、高車速域では燃費向上への妨げとなることが知られている。このため、車両の燃費や電費を向上させるためには、空気抵抗を効果的に低減することが好ましい。例えば特許文献1には、空気抵抗を低減するための装置(車両用スパッツ)が、車両の車輪前方において床下から突出する構成が開示されている。

先行技術

0003

特開2017−024446号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上記の特許文献1に記載の装置(車両用スパッツ)は、常に車両の底面から下方に突出しているため、車両の外観を損ねるとともに、車輪周辺で作業をする場合の作業性を悪化させる。また、近年急速に普及している電気自動車ハイブリッド自動車は、駆動モータジェネレータ等を含むパワートレインエネルギー効率が従来のエンジン車よりも優れていることから、空力性能を向上させて走行抵抗を低減することで、より大きく燃費及び電費の向上が図れると期待されている。

0005

本件の空力低減装置は、このような課題に鑑み案出されたもので、車両の外観を損ねることなく車両の空気抵抗を改善することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも本件の他の目的である。

課題を解決するための手段

0006

(1)ここで開示する空力低減装置は、車両の車輪の前方で空気抵抗を低減する空力低減装置であって、複数の部品が連結されて構成され、前記車輪の前方で前記車輪に向かう風を左右方向に分散させる空力低減部材と、前記空力低減部材を、前記車両の底面部よりも上方に格納する格納状態と前記底面部から降下させる作動状態とに切り替え昇降機構と、前記昇降機構を制御する制御装置と、を備える。また、前記空力低減部材は、前記格納状態では前記複数の部品が重なり合って収納され、前記作動状態では前記複数の部品が一列に連なって懸架して前記車輪の前方に配置される。

0007

(2)前記空力低減部材は、前記作動状態において前記風を前記車輪の右側方及び左側方のそれぞれへ案内する二つの斜面部を有することが好ましい。

0008

(3)前記空力低減部材は、前記作動状態において前記車輪の前面に対向配置される後面部を有することが好ましい。
(4)前記後面部は、前記車輪の外周面との間に一定の隙間を形成する湾曲形状であることが好ましい。

0009

(5)前記空力低減部材は中空形状をなし、前記昇降機構は、前記空力低減部材の内部に配置されていることが好ましい。

0010

(6)前記昇降機構は、各々の前記部品の下端部に前記空力低減部材の昇降方向と交差する方向に突設された凸部と、前記空力低減部材が前記作動状態のときに最も下方に位置する前記部品を昇降させるモータと、を有することが好ましい。また、前記空力低減部材は、前記最も下方に位置する部品の上昇に伴って下側の前記凸部が上側の前記凸部に当接し、前記格納状態へと変位することが好ましい。

0011

(7)前記昇降機構は、前記昇降方向に延設されるとともに前記最も下方に位置する部品に固定されたラックギアと、前記ラックギアと噛合するとともに前記モータによって回転するピニオンギアと、を有することが好ましい。

0012

(8)前記車両のフロントバンパの前記底面部に貫設され、前記空力低減部材が前記作動状態になるときに通る開口と、前記底面部に沿ってスライドして前記開口を開閉するとともに、前記空力低減部材が前記格納状態のときに前記開口を閉鎖するカバーと、を備えることが好ましい。

0013

(9)前記車両の車速を検出する車速センサを備え、前記制御装置は、前記車速が所定速度以上であるときに前記空力低減部材を前記作動状態とし、前記車速が前記所定速度以下の第二所定速度未満であるときに前記空力低減部材を前記格納状態とすることが好ましい。

0014

(10)路面の荒れ状態を取得する状態取得部を備え、前記制御装置は、前記荒れ状態に基づいて前記昇降機構を制御することが好ましい。

発明の効果

0015

開示の空力低減装置によれば、車輪の前方で車輪に向かう風を左右方向に分散させる空力低減部材と、空力低減部材を、車両の底面部よりも上方に格納する格納状態と底面部から降下させる作動状態とに切り替える昇降機構と、昇降機構を制御する制御装置とを備える。このため、作動状態では、空力低減部材により空気抵抗を低減できるため、電費及び燃費を向上させることができる。対して、格納状態では、底面部よりも上方に空力低減部材を収納できるため、見栄えを向上させることができるうえ、車輪周りの空間を確保でき、車輪周辺での作業性を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0016

実施形態に係る空力低減装置が適用された車両を前側下方から見上げた模式的な斜視図である。
図1の空力低減装置の空力低減部材が作動状態であるときの空気の流れを示す模式的な斜視図(図1中のA方向矢視図)である。
図2の空力低減部材が作動状態であるときの空力低減装置を示す断面図である。
図2の空力低減部材が格納状態であるときの空力低減装置を示す断面図である。
図2の空力低減部材が作動状態であるときの形状を説明するための側面図及び下面図である。
図1の空力低減装置を示すブロック図である。
図1の空力低減装置の制御装置で実施される制御内容を例示するフローチャートである。

実施例

0017

図面を参照して、実施形態としての空力低減装置について説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。

0018

以下の説明では、車両の進行方向を前方(車両前方)、逆側を後方車両後方)とし、前方を基準に左右方向(車幅方向)を定める。また、重力の方向を下方とし、その逆を上方として説明する。
以下の実施形態では、車両の右前輪の空気抵抗を低減するために設けられる空力低減装置に着目して説明する。なお、左前輪にも同様の空力低減装置が設けられる。また、左右後輪に対して同様の空力低減装置を設けてもよい。

0019

[1.全体構成]
図1及び図2に示すように、本実施形態の空力低減装置10は、車両1の車輪2の前方に配設される。空力低減装置10は、図2中に模様付き矢印で示すように、車両1の走行時に前方から車輪2に向かってくる風を空力低減部材20によって左右方向に分散させ、車両1の空気抵抗(空力抵抗)を低減するものである。

0020

空力低減部材20は、図2に示すように車両1の底面部3bから下方へと降下した状態と、図1に示すように底面部3bよりも上方に格納されて車両1の外部からは見えない状態とに切り替えられる。以下、前者の状態を「作動状態」といい、後者の状態を「格納状態」という。空力低減装置10は、空力低減部材20が作動状態であるときに、空気抵抗を低減する。なお、空力低減装置10の詳細は後述する。

0021

車両1は、例えばエンジン駆動源とするエンジン車両や、電動モータを駆動源とする電気自動車やハイブリッド自動車であり、車輪2,フロントバンパ3,ヘッドランプ5などを備える。フロントバンパ3は、車両1の前面を形成する外装品であり、左右のヘッドランプ5の外側から車幅方向に亘って延在する。フロントバンパ3は、車両1に対して前方から衝撃(荷重)が入力された場合に、その衝撃を吸収する機能を持つ。

0022

フロントバンパ3は、図3及び図4に示すように、車輪2の上部前方に位置するホイールハウス4との間に空間Sを形成する。また、本実施形態のフロントバンパ3は、その前面部の下縁から後方に向かって屈曲形成されて略水平方向に延在する底面部3bを有する。底面部3bの後縁は、ホイールハウス4の前側の下縁部に接続される。本実施形態の底面部3bには、車輪2と車幅方向位置が同一であって車輪2の前方に貫設された開口3hが形成される。開口3hは、後述する空力低減装置10を構成する要素の一つであり、空力低減部材20が作動状態になるときに通る貫通孔である。

0023

なお、図6に示すように、車両1には、車速を検出する車速センサ7と、上下方向の加速度を検出する上下加速度センサ8(状態取得部)とが設けられる。本実施形態の上下加速度センサ8は、車両1が走行する路面の荒れ状態を取得する状態取得部としての機能を持つ。また、車両1には、車両1に搭載される各種装置を統合制御する制御装置9(Electronic Control Unit)が設けられる。制御装置9は、例えばマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成され、車両1に設けられた車載ネットワーク網の通信ラインに接続される。

0024

[2.空力低減装置]
空力低減装置10は、図3図5に示すように、車輪2の前方で車輪2に向かう風を左右方向に分散させる空力低減部材20と、空力低減部材20を格納状態と作動状態とに切り替える昇降機構30と、昇降機構30を制御する上記の制御装置9とを備える。本実施形態の空力低減装置10は、さらに底面部3bに貫設された開口3hと、この開口3hを開閉するカバー12とを備える。格納状態の空力低減部材20及び昇降機構30は、底面部3bに固定されたケース50に内蔵される。ケース50は下面が開放された中空の直方体形状をなす。

0025

空力低減部材20は、複数の整流部品21A〜21Cがテレスコピック型に連結されて構成される。すなわち、複数の整流部品21A〜21Cは入れ子状に設けられ、内外に隣接する二つの整流部品21のうちの内側の一方が下方へ降りると外側の他方の下端部に引っ掛かり、内側の整流部品21が脱落しないように構成されている。また、整流部品21A〜21Cの各下端部には、後方に突出した凸部28A〜28Cが設けられている。内外に隣接する二つの整流部品21のうちの内側の一方が上方へ持ち上げられると、内側の整流部品21の凸部28が外側の整流部品21の凸部28に当接し、外側の整流部品21を上方に引き連れていくように構成されている。

0026

空力低減部材20は、図4に示す格納状態では、複数の整流部品21A〜21Cが重なり合って収納され、図3に示す作動状態では、複数の整流部品21A〜21Cが一列に連なって懸架して車輪2の前方に配置される。なお、本実施形態では、三つの整流部品21A〜21Cから構成される空力低減部材20を例示する。これら三つの整流部品21A〜21Cを区別する場合には、空力低減部材20が作動状態のときに、最も下方に位置するものから順に第一整流部品21A,第二整流部品21B,第三整流部品21Cと呼び、反対にこれらを特に区別しない場合には、末尾アルファベットを省略して「整流部品21」とも表記する。

0027

本実施形態の空力低減部材20は、作動状態において、前方からの風を車輪2の右側方へ案内する右斜面部22と、前方からの風を車輪2の左側方へ案内する左斜面部23とを有する。さらに本実施形態の空力低減部材20は、作動状態において、車輪2の前面に対向配置される後面部24を有する。後面部24は、空力低減部材20と車輪2との間の空間での渦の発生を抑制する機能を持つ。本実施形態の空力低減部材20は、右斜面部22,左斜面部23及び後面部24がいずれも薄板形状に形成され、これら三つの面部22〜24によって中空の三角形状をなす。

0028

昇降機構30は、フロントバンパ3の開口3hを通じて空力低減部材20を昇降方向に駆動して、格納状態と作動状態とに切り替えるものである。なお、昇降方向は空力低減部材20の動作方向であって、おもに上下方向である。本実施形態では、図3中に白抜き矢印で示すように、上方が前方にやや傾いた上下方向が昇降方向とされ、僅かに下に凸となる曲線状となっている。本実施形態の昇降機構30は、空力低減部材20の内部に配置されており、モータ31と、ピニオンギア32と、ラックギア33と、整流部品21A〜21Cの各下端部に突設された凸部28A〜28Cとを備える。

0029

モータ31は、空力低減部材20が作動状態のときに最も下方に位置する第一整流部品21Aを昇降させる。本実施形態のモータ31は、ケース50の上面部から吊り下げられた図示しない部材に固定されることによって、フロントバンパ3の開口3hの鉛直上方に配設される。また、モータ31は、その回転軸が車幅方向に延びるように配設される。モータ31の作動状態は、制御装置9によって制御される。

0030

ピニオンギア32は、モータ31の回転軸と同軸上に配置され、モータ31の回転に連動して回転する。ピニオンギア32がモータ31の回転と連動して回転することで、ピニオンギア32と噛合するラックギア33が昇降方向に移動する。

0031

ラックギア33は、昇降方向に延設されるとともに歯部が車両1の前方を向く姿勢で配設される。ラックギア33の昇降方向の寸法は、少なくとも、空力低減部材20が作動状態であるときに、ラックギア33の上端部がピニオンギア32の高さ位置よりも上方に位置するように設定される。なお、本実施形態のラックギア33は、ケース50の上面部から吊り下げられた図示しないスライダに支持される。なお、ケース50の上面部には、ラックギア33がケース50の外側へと突出可能なように、貫通孔が形成されている。

0032

また、ラックギア33の下端部は、第一整流部品21Aに固定されている。このため、ラックギア33が昇降方向に移動することにより、ラックギア33の下端部に固定された第一整流部品21Aが連動して昇降方向に移動する。このように空力低減部材20がラックギア33の昇降移動に連動して駆動されることによって、空力低減部材20がフロントバンパ3の底面部3bから懸架された状態(図3の作動状態)と、フロントバンパ3の空間S内に収納された状態(図4の格納状態)とに切り替わる。

0033

本実施形態のラックギア33は、その下端部が空力低減部材20の後面部24の下端に固定される。また、本実施形態のラックギア33は、ラックギア33が最も降下したとき、すなわち作動状態のときに後面部24と車輪2の外周面2aとの間の隙間が略一定となるように、側面視で(車両1を側方から見たときに)湾曲形状とされる。これにより、ラックギア33及び空力低減部材20は、前面視で(車両1を前方から見たときに)上下方向に昇降するとともに、側面視で曲線軌道を描き昇降する。

0034

凸部28A〜28Cは、第一整流部品21A,第二整流部品21B,第三整流部品21Cの各下端部に昇降方向と交差する方向に突設された部位である。本実施形態の凸部28A〜28Cは、図5に示すように、各整流部品21A〜21Cの車幅方向中央部に設けられており、それぞれが直方体状に形成されている。空力低減部材20は、第一整流部品21Aの上昇に伴って下側の凸部28が上側の凸部28と当接し、格納状態へと変位する。

0035

本実施形態の昇降機構30は、上述のモータ31,ピニオンギア32,ラックギア33,凸部28A〜28Cに加えて、図6に示すように、ラックギア33の上端部及び下端部のそれぞれに設けられた上端位置センサ41及び下端位置センサ42を備える。上端位置センサ41は空力低減部材20が作動状態であることを検知するものであり、ラックギア33が最も降下しているとき、すなわち、空力低減部材20が作動状態であるときに通電(ON)し、それ以外のときには絶縁(OFF)となる。対して、下端位置センサ42は空力低減部材20が格納状態であることを検知するものであり、ラックギア33が最も上昇しているとき、すなわち、空力低減部材20が格納状態であるときに通電(ON)し、それ以外のときには絶縁(OFF)となる。各位置センサ41,42からのON/OFF信号は、制御装置9によって取得される。

0036

次に、本実施形態の空力低減部材20の構成を詳述する。図5は本実施形態の空力低減部材20の側面図及び下面図を並べて示したものである。なお、空力低減部材20は中空形状であるため、中空の空間側を「内側」といい、その逆側を「外側」という。空力低減部材20は、図5に示すように、右斜面部22が車輪2の車幅方向中心線Mよりも右側に位置し、左斜面部23が車輪2の車幅方向中心線Mよりも左側に位置するように配置される。

0037

本実施形態の空力低減部材20は、右斜面部22及び左斜面部23が互いに中心線Mに対して面対称となるように形成されるとともに、各斜面部22,23が後方に行くほど車幅方向間隔が広がる(互いに離反する)ように下面視で斜めに形成されている。これにより、空力低減部材20が作動状態になると、車輪2の前方から向かってくる風は、右斜面部22及び左斜面部23の斜面に沿って後方へ流れつつ左右方向に分散される。つまり、走行風が車輪2の前面に当たらないため、車両1の走行時の空気抵抗が抑制される。

0038

後面部24は、右斜面部22及び左斜面部23の後縁同士を繋ぐ面であり、作動状態において車輪2の前面に対向配置される。本実施形態の後面部24は、作動状態において車輪2の外周面2a(路面と接する面)に沿うように湾曲した形状に形成されており、車輪2の外周面2aとの間に一定の隙間を形成する。空力低減部材20が作動状態になると、車輪2の前面に対向配置された後面部24によって走行風が空力低減部材20の後方に回りこんで渦を巻くことを防止する。また、後方面24と車輪2の外周面2aとの間の隙間に空気が流入しにくくなるため、走行時の空気抵抗が抑制される。

0039

ここで、空力低減部材20を構成する三つの整流部品21A〜21Cの構成を説明する。第一整流部品21Aは、有底中空の三角錐台形状の部品である。第一整流部品21Aは、その底部が空力低減部材20の下面部25をなし、車輪2に対向する一面(第一後面部24A)が上述の後面部24の一部をなし、残りの二面(第一右斜面部22A,第一左斜面部23A)がそれぞれ上述の右斜面部22,左斜面部23の一部をなす。

0040

第二整流部品21Bは、第一整流部品21Aを内包するように形成された筒状の三角錐台形状の部品である。第二整流部品21Bは、車輪2に対向する一面(第二後面部24B)が上述の後面部24の一部をなし、残りの二面(第二右斜面部22B,第二左斜面部23B)がそれぞれ上述の右斜面部22,左斜面部23の一部をなす。

0041

第二整流部品21Bは、その下端部の内側形状(三つの面部22B〜24Bの内側の面で形成される三角形状)が、第一整流部品21Aの上端部の外側形状(三つの面部22A〜24Aの外側の面で形成される三角形状)よりも僅かに小さい。このように、第二整流部品21Bの内側の下端部が第一整流部品21Aの外側の上端部よりも小さくに形成されていることにより、第二整流部品21Bは、第一整流部品21Aを内包するとともに第一整流部品21Aを脱落させない。

0042

第三整流部品21Cは、第二整流部品21Bを内包するように形成された筒状の部品であり、上部を除いて中空の三角錐台形状に形成されている。なお、本実施形態の第三整流部品21Cは、その上部が中空の矩形形状に形成されている。第三整流部品21Cの三角錐台形状の部分は、車輪2に対向する一面(第三後面部24C)が上述の後面部24の一部をなし、残りの二面(第三右斜面部22C,第三左斜面部23C)がそれぞれ上述の右斜面部22,左斜面部23の一部をなす。

0043

第三整流部品21Cは、その下端部の内側形状(三つの面部22C〜24Cの内側の面で形成される三角形状)が、第二整流部品21Bの上端部の外側形状(三つの面部22B〜24Bの外側の面で形成される三角形状)よりも僅かに小さい。このように、第三整流部品21Cの内側の下端部が第二整流部品21Bの外側の上端部よりも小さくに形成されていることにより、第三整流部品21Cは、第二整流部品21Bを内包するとともに第二整流部品21Bを脱落させない。

0044

なお、本実施形態の第三整流部品21Cは、その上部が中空の矩形形状に形成されているため、第三整流部品21Cの水平断面が三角形から矩形となる部分が、走行風を左右方向へと案内する案内面26として機能する。

0045

また、本実施形態の第三整流部品21Cには、第三整流部品21Cの上縁部から外側に向かって略水平方向に延在する平板状のフランジ部27,27が設けられる。フランジ部27,27は、空力低減部材20が作動状態のときに、第三整流部品21Cが開口3hから脱落しないように支持する機能を持つ。すなわち、二枚のフランジ部27,27は、各外側端部が開口3hよりも外側に位置する大きさ及び形状に形成される。

0046

空力低減部材20は、第一整流部品21Aの凸部28Aが第二整流部品21Bの凸部28Bに当接可能となるように、第一整流部品21Aが第二整流部品21Bの内側に配置される。同様に、第二整流部品21Bの凸部28Bが第三整流部品21Cの凸部28Cに当接可能となるように、第二整流部品21Bが第三整流部品21Cの内側に配置される。

0047

空力低減部材20は、第一整流部品21Aにラックギア33の下端部が固定されているため、作動状態から格納状態へと変位する際には、第一整流部品21Aの上昇に伴って第一整流部品21Aの凸部28Aが第二整流部品21Bの凸部28Bに当接し、第二整流部品21Bも上昇する。次いで、第二整流部品21Bの凸部28Bが第三整流部品21Cの凸部28Cに当接し、第三整流部品21Cも上昇する。これにより、三つの整流部品21A〜21Cがフロントバンパ3の空間S内に収納される。

0048

すなわち、空力低減部材20は、格納状態では、第三整流部材21C内に第二整流部品21Bが重合し、第二整流部品21B内に第一整流部品21Aが重合する状態で、言い換えれば、複数の整流部品21A〜21Cが重なり合った状態でフロントバンパ3の空間S内に収納されるように構成される。

0049

また、空力低減部材20は、格納状態から作動状態へと変位する際には、ラックギア33と固定された第一整流部品21Aの降下に伴って、第一整流部品21Aの上部が第二整流部品21Bの下部に嵌合し、第二整流部品21Bの上部が第三整流部品21Cの下部に嵌合し、第三整流部品21Cの上端部に設けられたフランジ部27,27が底面部3bの上面に引っ掛かることによって懸架される。

0050

すなわち、空力低減部材20は、作動状態では、フランジ部27,27によって底面部3bから第三整流部品21Cが懸架され、第三整流部品21Cから第二整流部品21Bが懸架され、第二整流部品21Bから第一整流部品21Aが懸架されることにより、第一整流部品21A,第二整流部品21B,第三整流部品21Cが一列に連なって底面部3bから懸架するように構成される。

0051

カバー12は、フロントバンパ3の底面部3bに沿ってスライドして開口3hを開閉する蓋部材であり、空力低減部材20が格納状態のときに開口3hを閉鎖する。本実施形態のカバー12は、開口3hの面積よりも広い面積を有する板状部材で構成され、開口3hを閉鎖した状態から車幅方向内側にスライドすることで開口3hを開放する。なお、図6に示すように、車両1にはカバー12をスライドさせるアクチュエータ13と、開口3hの開閉状態を検知するカバー開閉センサ40とが設けられる。カバー開閉センサ40で検知された開口3hの開閉状態(例えば全開であるか全閉であるか、あるいは開口3hの開放度合いなど)は、制御装置9によって取得される。

0052

[3.制御構成
図6は、本実施形態の空力低減装置10が備える制御装置9のブロック図である。図6に示すように、制御装置9には、空力低減装置10の制御を実施するための要素として、取得部9A,判定部9B,制御部9Cが設けられる。これらの各要素は電子回路ハードウェア)によって実現してもよく、ソフトウェアとしてプログラミングされたものとしてもよいし、あるいはこれらの機能のうちの一部をハードウェアとして設け、他部をソフトウェアとしたものであってもよい。

0053

[3−1.取得部]
取得部9Aは、上記の各センサ7,8,40〜42からの情報を取得するとともに、取得した情報を判定部9Bに伝達するものである。
具体的には、取得部9Aは、車速センサ7で検出された車速情報,上下加速度センサ8で検出された加速度情報,カバー開閉センサ40で検出された開口3hの開閉状態の情報,上端位置センサ41からのON/OFF信号,下端位置センサ42からのON/OFF信号を取得して、判定部9Bに伝達する。

0054

[3−2.判定部]
判定部9Bは、取得部9Aから取得した情報に基づいて、空力低減装置10を制御するために必要な判定を実施し、その判定結果を制御部9Cに伝達するものである。
具体的には、判定部9Bは、取得部9Aから伝達された車速Vが所定速度Vp以上であるか否かを判定する。そして、車速Vが所定速度Vp以上(V≧Vp)である場合には、「空力低減部材20を作動状態にする」と判定し、その判定結果を制御部9Cに伝達する。

0055

一方、判定部9Bは、車速Vが所定速度Vp未満(V<Vp)である場合には、車両1の外観向上のために「空力低減部材20を格納状態にする」と判定し、その判定結果を制御部9Cに伝達する。つまり、V<Vpの状況では空力低減部材20を作動状態にする必要がないため、「格納状態にする」と判定する。本実施形態の所定速度Vpは予め設定された固定値とする。

0056

なお、車両1が電動車両である場合には、エンジン車と比較してパワートレインのエネルギー効率が優れているため、空気抵抗の低減が燃費や電費向上に直結しやすい。そこで、車両1が電動車両である場合には、エンジン車である場合よりも所定速度Vpを小さく設定しておくことで、車速の低い段階から空力低減部材20が作動状態となり、空気抵抗の低減が図られる。つまり、空力低減装置10が電動車両に用いられる場合には、見た目意匠性)よりも空気抵抗低減優先することが好ましい。

0057

また、本実施形態の判定部9Bは、取得部9Aから伝達された上下方向の加速度Gに基づいて路面の荒れ状態を判定し、路面が荒れていると判定した場合には、車速Vにかかわらず(すなわち、V<Vpであっても)、「空力低減部材20を作動状態にする」と判定し、その判定結果を制御部9Cに伝達する。すなわち、路面が荒れており車輪2を保護する必要がある場合には、「空力低減部材20を作動状態にする」と判定する。なお、路面の荒れ状態は、例えば加速度Gが所定加速度Gp以上であるか否かによって判断可能である。

0058

また、判定部9Bは、取得部9Aから伝達される二つの位置センサ41,42からのON/OFF信号に基づき、空力低減部材20の状態を判定する。具体的には、上端位置センサ41からの信号がONの場合には、「空力低減部材20が作動状態である」と判定し、下端位置センサ42からの信号がONの場合には、「空力低減部材20が格納状態である」と判定する。そして、これらの判定結果を制御部9Cに伝達する。

0059

また、判定部9Bは、取得部9Aから伝達されたカバー開閉センサ40の情報に基づき、開口3hの開閉状態を判定する。本実施形態の判定部9Bは、開口3hが全開であるか否か及び全閉であるか否かを判定し、その判定結果を制御部9Cに伝達する。

0060

[3−3.制御部]
制御部9Cは、判定部9Bから伝達された情報に基づいて、空力低減装置10を制御するものである。具体的には、制御部9Cは、昇降機構30のモータ31及びカバー12をスライドさせるアクチュエータ13を制御することにより、空力低減装置10(空力低減部材20の状態)を制御する。

0061

制御部9Cは、判定部9Bより「空力低減部材20を作動状態にする」という判定結果が伝達されると、空力低減部材20が作動状態となるようにモータ31及びアクチュエータ13を制御する。詳述すると、制御部9Cは、判定部9Bからの判定結果に基づき、開口3hが全開ではない場合には、開口3hを開くようにアクチュエータ13を作動させ、カバー12をスライドさせる。

0062

また、制御部9Cは、開口3hが全開である場合に、判定部9Bから空力低減部材20が作動状態ではないという判定結果を取得したときは、空力低減部材20が作動状態となるように昇降機構30を制御する。すなわち、制御部9Cは、空力低減部材20が下降するようにモータ31を所定時間だけ(あるいは所定回転数だけ)作動させる。なお、制御部9Cは、開口3hが全開である場合に、判定部9Bから空力低減部材20が作動状態であるという判定結果を取得したときは、モータ31及びアクチュエータ13を作動させる必要がないため、実質的な処理は実施しない。

0063

また、制御部9Cは、判定部9Bより「空力低減部材20を格納状態にする」という判定結果が伝達されると、空力低減部材20が格納状態となるようにモータ31及びアクチュエータ13を制御する。詳述すると、制御部9Cは、判定部9Bから空力低減部材20が格納状態ではないという判定結果を取得した場合には、まず開口3hが全開であるか否かを確認する。開口3hが全開でなければ、開口3hを開くようにアクチュエータ13を作動させ、カバー12をスライドさせる。そして、開口3hが全開の状態で、空力低減部材20が格納状態となるように昇降機構30を制御する。すなわち、制御部9Cは、ラックギア33が上昇移動するようにモータ31を所定時間だけ(あるいは所定回転数だけ)作動させる。

0064

さらに、制御部9Cは、判定部9Bから空力低減部材20が格納状態であるという判定結果を取得した場合には、開口3hを閉じるようにアクチュエータ13を作動させ、カバー12をスライドさせる。
なお、制御部9Cは、判定部9Bから空力低減部材20が格納状態であり、且つ、開口3hが全閉であるという判定結果が判定部9Bから伝達された場合には、モータ31及びアクチュエータ13を作動させる必要がないため、実質的な処理は実施しない。

0065

[4.フローチャート]
図7は、上述した空力低減装置10の制御装置9で実施される制御内容を説明するためのフローチャート例である。このフローチャートは、制御装置9において、車両1の主電源投入されている(オン状態である)ときに所定の演算周期で実施される。

0066

テップS1では、上記の各センサ7,8,40〜42からの情報が取得される。ステップS2では、車速Vが所定速度Vp以上であるか否かが判定される。V≧VpであればステップS4に進み、V<VpであればステップS3に進む。ステップS3では、加速度Gが所定加速度Gp以上であるか否か、すなわち路面の荒れ状態が判定される。ステップS3において、G≧Gpであれば路面が荒れていると判断されてステップS4に進む。一方、G<Gpであれば、路面が荒れていないと判断されてステップS8に進む。

0067

ステップS4では、開口3hが全開であるか否かが判定される。開口3hが全開でなければステップS5に進み、アクチュエータ13によりカバー12をスライドさせて開口3hを開き、このフローをリターンする。次の演算周期では、再び車速V,加速度G,開口3hの開閉状態等が取得される(ステップS1)。車速V及び加速度Gの判定を実施し、ステップS4に進んだ場合には、再び開口3hが全開か否かが判定される。そして、ステップS4において開口3hが全開であると判定されると、ステップS6に進む。

0068

ステップS6では、空力低減部材20が作動状態であるか否かが判定される。空力低減部材20が作動状態でなければ、ステップS7に進み、空力低減部材20が作動状態となるようにモータ31が制御されて、このフローをリターンする。次の演算周期では、再び車速V,加速度G,開口3hの開閉状態等が取得される(ステップS1)。車速V,加速度G,開口3hの判定を実施し、ステップS6に進んだ場合には、再び空力低減部材20が作動状態であるか否かが判定される。そして、空力低減部材20が作動状態であれば、このフローをリターンする。

0069

一方、ステップS3において、G<Gpであると判定された場合、すなわち車速Vが所定速度Vp未満であり、且つ、路面が荒れた状態ではない(G<Gpである)場合には、空力低減部材20を作動状態とする必要がないと判断されて、ステップS8に進む。

0070

ステップS8では、空力低減部材20が格納状態であるか否かが判定される。空力低減部材20が格納状態であれば、ステップS9に進み、アクチュエータ13によりカバー12をスライドさせて開口3hを閉じ、このフローをリターンする。なお、既に空力低減部材20が格納状態で開口3hが全閉である場合には、ステップS9において実質的な処理は行われない。

0071

一方、ステップS8において、空力低減部材20が格納状態でなければ、ステップS10に進み、開口3hが全開であるか否かが判定される。開口3hが全開でなければ、ステップS5に進み、アクチュエータ13によりカバー12をスライドさせて開口3hを開き、このフローをリターンする。

0072

一方、ステップS10において、開口3hが全開であれば、ステップS11に進み、空力低減部材20が格納状態となるようにモータ31が制御されて、このフローをリターンする。

0073

[5.作用,効果]
(1)上述した空力低減装置10は、車輪2の前方で車輪2に向かう風を左右方向に分散させる空力低減部材20と、空力低減部材20を格納状態と作動状態とに切り替える昇降機構30と、これを制御する制御装置9とを備える。このため、作動状態では、空力低減部材20によって車両1の空気抵抗を低減できるため、電費及び燃費を向上させることができる。対して、格納状態では、空力低減部材20を空間S内に収納できるため、見栄えを向上させることができる。従って、車両1の外観を損ねることなく車両1の空気抵抗を改善することができる。

0074

また、上記の空力低減部材20は、複数の整流部品21A〜21Cが連結されて構成されており、作動状態ではこれらの整流部品21A〜21Cが一列に連なって懸架して車輪2の前方に配置されるため、空気抵抗を低減できる。一方、格納状態では、これらの整流部品21A〜21Cが重なり合って収納されるため、車両1の限られた空間S内に空力低減部材20をコンパクトに収納することができる。さらに、空力低減部材20の格納状態では、車輪2の周囲にスペースが確保されるため、車輪2の周辺で作業をする際にはその作業性を向上させることができる。

0075

(2)上述した空力低減装置10では、空力低減部材20が作動状態であるときに、走行風を車輪2の右側方及び左側方のそれぞれへ案内する二つの斜面部22,23が設けられる。このため、車輪2に向かう走行風を右斜面部22及び左斜面部23の斜面に沿って後方へ流しつつ左右方向に分散できる。言い換えれば、走行風が車輪2の前面に当たらないため、車両1の走行時の空気抵抗を効果的に抑制できる。

0076

(3)上述した空力低減装置10では、空力低減部材20が作動状態であるときに、車輪2の前面に対向配置される後面部24が設けられる。このため、走行風が空力低減部材20の後方に回りこんで渦を巻くことを防止できる。従って、空力低減部材20後方での渦の発生による空気抵抗をも抑制できる。

0077

(4)また、後面部24は、車輪2の外周面2aとの間に一定の隙間を形成する湾曲形状に形成される。このため、後方面24と車輪2の外周面2aとの間の隙間に空気が流入しにくくなり、走行時の空気抵抗をさらに抑制できる。

0078

(5)上述した空力低減装置10によれば、空力低減部材20が中空形状に形成され、この空力低減部材20の内部に昇降機構30が配置されているため、空力低減装置10をコンパクトにすることができ、スペース効率を高めることができる。

0079

(6)上述した空力低減装置10によれば、モータ31によって最下部の第一整流部品21Aを昇降させるだけで、第一整流部品21Aよりも上方に位置する他の整流部品21B,21Cも一緒に上昇させることができる。すなわち、一つのモータ31で複数の整流部品21A〜21Cを昇降させることができるため、部品点数の削減を図ることができる。

0080

(7)また、昇降機構30は、昇降方向に延設されるとともに最も下方に位置する部品21Aに固定されたラックギア33と、ラックギア33と噛合するとともにモータ31によって回転するピニオンギア32とを有する。このため、ラックアンドピニオン機構という比較的簡単な構成で空力低減部材20を昇降させることができる。

0081

(8)上述した空力低減装置10には、車両1のフロントバンパ3の底面部3bに貫設された開口3hを、底面部3bに沿ってスライドすることで開閉するカバー12が設けられる。カバー12は、空力低減部材20が格納状態のときに開口3hを閉鎖するため、格納状態のときにフロントバンパ3内に石などの異物が入ることを防止できる。

0082

(9)上述した空力低減装置10の制御装置9は、車速Vが所定速度Vp以上であるときに空力低減部材20を作動状態とし、車速Vが所定速度Vp未満であるときに空力低減部材20を格納状態とする。空気抵抗は車速Vの2乗に比例して大きくなることから、このように車速Vに応じて空力低減部材20の状態を切り替えることで、空気抵抗の低減と意匠性(見栄え向上)とを両立することができる。

0083

(10)上述した空力低減装置10の制御装置9は、路面の荒れ状態を上下加速度センサ8によって取得し、取得した路面の荒れ状態に基づいて昇降機構30を制御する。このため、車両1が荒れた路面を走行するときには、空力低減部材20を作動状態とすることで、空気抵抗低減という本来の機能の他に、プロテクタとしても機能させることができ、車輪2を保護できる。

0084

[6.その他]
上述した空力低減装置10は一例であって、上述したものに限られない。
本実施例において、空力低減部材20は二つの斜面部(右斜面部22,左斜面部23)を備えるものとして説明したが、空力低減部材は前方からの風を左右方向に分散させられる形状であればよい。例えば、上記の二つの斜面部22,23に代えて、車輪2に向かう風を左方向又は右方向に流す前面部を備える構成とすることも可能である。すなわち、空力低減部材20は、下面視で斜めに配置された前面部を備え、前面部によって車輪2の前方から向かってくる風を車両内側から後方外側に向かって流す構成としてもよい。

0085

また、本実施例において、空力低減部材20は二つの斜面部(右斜面部22,左斜面部23)が中心線Mに対して面対称となるように形成されるものとして説明したが、右斜面部22が中心線Mよりも左側に位置するように形成してもよいし、反対に、左斜面部23が中心線Mよりも右側に位置するように形成してもよい。また、二つの斜面部が面対称で形成されていなくてもよいし、二つの斜面部が湾曲していてもよい。

0086

本実施例において、空力低減部材20は後面部24を備えるものとして説明したが、後面部24を備えない構成とすることも可能である。この場合、部品点数を減らすことができるため、よりコスト低減を図ることができる。

0087

本実施例において、昇降機構30が空力低減部材20の内部に配置されるものとして説明したが、昇降機構30を空力低減部材20の外部に配置することも可能である。また、空力低減部材20が中空形状でなくてもよい。昇降機構30を空力低減部材20の外部に配置する場合には、内部に配置する場合に比べて昇降機構30を容易に取り付けることができる。

0088

本実施例において、昇降機構30はピニオンギア32及びラックギア33を備えるものとしたが、昇降機構の構成はこれに限られない。例えば、ピニオンギア32及びラックギア33に代えてプーリ及びワイヤを設け、ワイヤ牽引によって昇降機構を構成することも可能である。この場合、昇降機構が格納状態のときにケース50の上面部に形成される貫通孔から突出することがないため、空力低減装置10をよりコンパクトにすることができ、スペース効率を高めることができる。

0089

また、本実施例において、昇降機構30は各整流部品21の下端部に突設された凸部28を備え、一つのモータ31で複数の整流部品21を昇降させるものとして説明したが、モータを複数設けて、複数の整流部品21のそれぞれを昇降させるものとしてもよい。この場合には、空力低減部材20の作動状態を段階的に制御することができるため、空気抵抗や路面の荒れ具合に応じてより細かく空力低減装置10を制御することができる。

0090

本実施例において、空力低減装置10はフロントバンパ3の底面部3bに貫設された開口3hと、この開口3hを閉鎖するカバー12とを備えるものとして説明したが、カバー12を省略することも可能である。この場合、カバー12を制御するアクチュエータ13も不要となるため、空力低減装置10の構成及び制御構成をより簡素化することができる。

0091

本実施例において、空力低減装置10の制御(作動状態とするか格納状態とするか)は車速Vや路面の荒れ具合(加速度G)に基づき実施するものとしたが、空力低減装置10の制御をユーザからの指令に基づき実施するものとしてもよい。すなわち、車両1に切換スイッチを設け、ユーザのスイッチ操作に基づき空力低減装置10を制御(作動状態とするか格納状態とするか)してもよい。

0092

また、本実施例において所定速度Vpを固定値として説明したが、所定速度Vpを路面状態車外環境に応じて変化する可変値としてもよい。
例えば、所定速度Vpを路面勾配に応じて変動させるものとしてもよい。上り勾配路面の走行時には、勾配のない平坦な路面を走行している時に比べて転がり抵抗が大きくなる。このため、同じ車速でも、平坦な路面の走行時よりも上り勾配路面の走行時の方が車両の走行抵抗が大きくなるので、上り勾配走行時には所定速度Vpを通常よりも低く設定することによって、効果的に車両の走行抵抗を抑制することができる。
また、例えば、車両1に風速計を設け、所定速度Vpを風速に応じて変動させるものとしてもよい。風が強い場合には、所定速度Vpを通常よりも低く設定することによって空気抵抗を効果的に抑制することができる。

0093

本実施例において、空力低減部材を格納状態とするための第二所定速度は、空力低減部材を作動状態とするための所定速度Vpと等しい値であるものとして説明したが、第二所定速度を所定速度Vpと異なる値に設定しても良い。第二所定速度を所定速度Vpよりも低い値に設定し、所定速度Vpと第二所定速度とに差、すなわちヒステリシスを持たせることで、空力低減装置10の挙動をより安定させることができる。

0094

本実施例において、路面の荒れ状態を取得する状態取得部は車両1に設けられた上下加速度センサ8であるものとして説明したが、状態取得部はこれに限らない。
例えば、一般的な車両に搭載される前後加速度センサを状態取得部として用い、路面の荒れ状態を判断することも可能である。この場合、上下方向の加速度Gに加えて、前後方向の加速度からも路面の荒れ状態を判断することができるため、より正確に路面の荒れ状態を判断することができる。
また、例えば、上下加速度センサ8や前後加速度センサに代えて、又は、加えて路面撮像カメラを設け、路面撮像カメラによって撮影された映像路面情報)から路面の荒れ状態を判断してもよい。

0095

1 車両
2車輪
3フロントバンパ
3b 底面部
3h 開口
7車速センサ
8上下加速度センサ(状態取得部)
9制御装置
9A 取得部
9B 判定部
9C 制御部
10空力低減装置
20 空力低減部材
21整流部品(部品)
21A 第一整流部品(部品,最も下方に位置する部品)
21B 第二整流部品(部品)
21C 第三整流部品(部品)
22 右斜面部(斜面部)
23 左斜面部(斜面部)
24 後面部
28A,28B,28C 凸部
30昇降機構
31モータ
32ピニオンギア
33ラックギア
V車速
Vp 所定速度,第二所定速度

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