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技術 空気入りタイヤ

出願人 横浜ゴム株式会社
発明者 長安政明笹谷雄貴竹森諒平丹野篤松田淳甲田啓
出願日 2018年3月6日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-039798
公開日 2019年9月12日 (9ヶ月経過) 公開番号 2019-151301
状態 未査定
技術分野 タイヤ一般
主要キーワード 鉤型形状 断面三日月形状 周回部分 横断面形 略五角形状 フルカバー 閉鎖領域 重複量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月12日)のものです。
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図面 (6)

課題

操縦定性及びランラット耐久性を維持しながら、タイヤ重量を軽減することを可能にしたサイド補強層型ランラットタイヤを提供する。

解決手段

カーカス層4を本体部4Aと、各ビード部3において楔形状ビードコア5の周縁に沿って折り返されてビードコアのタイヤ径方向外側端から本体部に接触しながら各サイドウォール部側に向かって延在する折り返し部4Bとで構成し、一方サイドウォール部の外表面に複数のフィン9を設け、タイヤ赤道CLからカーカス層4のタイヤ幅方向最外側の点までのタイヤ幅方向に沿った距離WCをタイヤ断面幅の呼びの1/2倍以下にし、フィンがタイヤ幅方向外側に最も突き出た位置におけるフィンの突出高さhとサイド補強層8の最大幅Aとがh≧0.3×Aの関係を満たし、フィンがタイヤ幅方向外側に最も突き出た位置をタイヤ最大幅位置からタイヤ最大幅位置のタイヤ径方向高さHの0.1倍以内に配置する。

概要

背景

一般的に、空気入りタイヤビード部には、ビードコアビードフィラー埋設される。更に、パンクが発生しても一定距離を安全に走行可能にした空気入りタイヤ(所謂ランフラットタイヤ)では、パンク時に車両の負荷荷重支えるためのサイド補強層横断面形状が三日月状硬質ゴムからなる層)がサイドウォール部に設けられる。このようなタイヤでは、サイド補強層のタイヤ径方向内側端部がビード部近傍まで到達する場合があり、ビード部近傍が肉厚になってタイヤ重量が増大し易い傾向がある。近年、タイヤ重量の軽減が強く求められており、上記のようなランフラットタイヤにおいても軽量化が検討されている。例えば、特許文献1では、断面三日月状のサイド補強層を備えた空気入りタイヤにおいて、ビードコアの形状を工夫することで、ビードフィラーを排除してタイヤ重量を軽減することが提案されている。

しかしながら、このようなタイヤでは、断面三日月状のサイド補強層を備えていたとしても、ビードフィラーを排除することによる影響が大きく、サイドウォール部の剛性が低下し、操縦定性ランフラット耐久性に影響が出る虞があった。そのため、そのため、サイドウォール部の剛性を確保して、操縦安定性やランフラット耐久性を良好に維持しながら、タイヤ重量の軽減を可能にする更なる対策が求められている。

概要

操縦安定性及びランラット耐久性を維持しながら、タイヤ重量を軽減することを可能にしたサイド補強層型ランラットタイヤを提供する。カーカス層4を本体部4Aと、各ビード部3において楔形状のビードコア5の周縁に沿って折り返されてビードコアのタイヤ径方向外側端から本体部に接触しながら各サイドウォール部側に向かって延在する折り返し部4Bとで構成し、一方サイドウォール部の外表面に複数のフィン9を設け、タイヤ赤道CLからカーカス層4のタイヤ幅方向最外側の点までのタイヤ幅方向に沿った距離WCをタイヤ断面幅の呼びの1/2倍以下にし、フィンがタイヤ幅方向外側に最も突き出た位置におけるフィンの突出高さhとサイド補強層8の最大幅Aとがh≧0.3×Aの関係を満たし、フィンがタイヤ幅方向外側に最も突き出た位置をタイヤ最大幅位置からタイヤ最大幅位置のタイヤ径方向高さHの0.1倍以内に配置する。

目的

本発明の目的は、サイドウォール部にサイド補強層を備えた空気入りタイヤにおいて、操縦安定性およびランラット耐久性を良好に維持しながら、ビード部の構造を改善してタイヤ重量を軽減することを可能にした空気入りタイヤを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

イヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、前記トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、各ビード部に設けられたビードコアと、前記一対のビード部間に装架されたカーカス層と、前記トレッド部における前記カーカス層の外周側に設けられた複数層ベルト層と、前記サイドウォール部における前記カーカス層のタイヤ幅方向内側に設けられた断面三日月状サイド補強層とを有する空気入りタイヤにおいて、前記ビードコアは、タイヤ周方向に巻回された少なくとも1本のビードワイヤからなり、子午線断面において前記ビードワイヤの複数の周回部分がタイヤ幅方向に並ぶ少なくとも1つの列とタイヤ径方向に重なる複数の層を形成しており、前記複数の層のうち含まれる列の数が最大となる層の幅W0とタイヤ径方向最内側の層の幅W1とタイヤ径方向最外側の層の幅W2とがW1>W2かつW2≦0.5×W0の関係を満たし、前記複数の層のうち含まれる列の数が最大となる層が前記ビードコアのタイヤ径方向中心位置よりもタイヤ径方向内側に位置し、子午線断面において前記ビードワイヤの複数の周回部分の共通接線によって形成された多角形を前記ビードワイヤの外郭形状としたとき、前記外郭形状のタイヤ径方向内側の辺の両端に位置する角部の内角α,βがα>90°かつβ>90°の関係を満たし、前記カーカス層は、前記トレッド部から各サイドウォール部を経て各ビード部に至る本体部と、各ビード部において前記ビードコアの周縁に沿って屈曲しながら折り返されて前記ビードコアのタイヤ径方向外側端の位置から前記本体部に接触しながら各サイドウォール部側に向かって延在する折り返し部とからなり、前記サイドウォール部の外表面に当該外表面から隆起してタイヤ径方向に沿って延在する複数のフィンタイヤ全周に亘ってタイヤ周方向に間隔をおいて配列され、タイヤ赤道から前記カーカス層のタイヤ幅方向最外側の点までのタイヤ幅方向に沿った距離WCがタイヤ断面幅の呼びの1/2倍以下であり、前記フィンがタイヤ幅方向外側に最も突き出た位置における前記フィンの突出高さhと前記サイド補強層の最大幅Aとがh≧0.3×Aの関係を満たし、前記フィンを除いたタイヤ最大幅位置のタイヤ径方向高さをHとすると、前記フィンがタイヤ幅方向外側に最も突き出た位置が、前記フィンを除いたタイヤ最大幅位置に対してタイヤ径方向内外に0.1H以内の範囲に位置することを特徴とする空気入りタイヤ。

請求項2

前記ビードコアのタイヤ幅方向最外側の点から前記カーカス層のタイヤ幅方向最外側の点までのタイヤ幅方向に沿った距離BTが40mm以内であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。

請求項3

前記複数層のベルト層のうちタイヤ径方向最内側に位置するベルト層のタイヤ幅方向外側の端点から前記カーカス層のタイヤ幅方向最外側の点までのタイヤ幅方向に沿った距離BDが40mm以内であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。

請求項4

前記サイド補強層のタイヤ径方向内側の端点が前記ビードコアのタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向内側に位置することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。

請求項5

前記サイド補強層のタイヤ径方向外側の端点が、前記複数層のベルト層のうちタイヤ径方向最内側に位置するベルト層のタイヤ幅方向外側の端点からタイヤ幅方向内側に15mm以上40mm以下の範囲に配置されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。

請求項6

タイヤ赤道から前記サイド補強層のタイヤ径方向内側の端点までのタイヤ幅方向に沿った距離Qとタイヤ赤道から前記複数層のベルト層のうちタイヤ径方向最内側に位置するベルト層のタイヤ幅方向外側の端点までのタイヤ幅方向に沿った距離Pとの差が±20mm以内であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。

請求項7

前記フィンの突出高さhが4mm以上15mm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。

請求項8

前記ビードワイヤの外郭形状の周長L0と、前記ビードコアの外郭形状のタイヤ径方向内側の辺の長さL1と、前記ビードコアの外郭形状のタイヤ径方向内側の辺に連なるビードトウ側の傾斜した辺の長さL2と、前記ビードコアの外郭形状のタイヤ径方向内側の辺に連なるビードヒール側の傾斜した辺の長さL3とが0.25≦(L1+L2)/L0≦0.40かつ1.0≦(L1+L2)/(2×L3)≦2.5の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。

請求項9

前記ビードワイヤの平均直径が0.8mm〜1.8mmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。

技術分野

0001

本発明は、サイドウォール部にサイド補強層を備えた空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、操縦定性およびランラット耐久性を良好に維持しながら、ビード部の構造を改善してタイヤ重量を軽減することを可能にした空気入りタイヤに関する。

背景技術

0002

一般的に、空気入りタイヤのビード部には、ビードコアビードフィラー埋設される。更に、パンクが発生しても一定距離を安全に走行可能にした空気入りタイヤ(所謂ランフラットタイヤ)では、パンク時に車両の負荷荷重支えるためのサイド補強層(横断面形状が三日月状硬質ゴムからなる層)がサイドウォール部に設けられる。このようなタイヤでは、サイド補強層のタイヤ径方向内側端部がビード部近傍まで到達する場合があり、ビード部近傍が肉厚になってタイヤ重量が増大し易い傾向がある。近年、タイヤ重量の軽減が強く求められており、上記のようなランフラットタイヤにおいても軽量化が検討されている。例えば、特許文献1では、断面三日月状のサイド補強層を備えた空気入りタイヤにおいて、ビードコアの形状を工夫することで、ビードフィラーを排除してタイヤ重量を軽減することが提案されている。

0003

しかしながら、このようなタイヤでは、断面三日月状のサイド補強層を備えていたとしても、ビードフィラーを排除することによる影響が大きく、サイドウォール部の剛性が低下し、操縦安定性やランフラット耐久性に影響が出る虞があった。そのため、そのため、サイドウォール部の剛性を確保して、操縦安定性やランフラット耐久性を良好に維持しながら、タイヤ重量の軽減を可能にする更なる対策が求められている。

先行技術

0004

特開2002‐301915号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の目的は、サイドウォール部にサイド補強層を備えた空気入りタイヤにおいて、操縦安定性およびランラット耐久性を良好に維持しながら、ビード部の構造を改善してタイヤ重量を軽減することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、前記トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、各ビード部に設けられたビードコアと、前記一対のビード部間に装架されたカーカス層と、前記トレッド部における前記カーカス層の外周側に設けられた複数層ベルト層と、前記サイドウォール部における前記カーカス層のタイヤ幅方向内側に設けられた断面三日月状のサイド補強層とを有する空気入りタイヤにおいて、前記ビードコアは、タイヤ周方向に巻回された少なくとも1本のビードワイヤからなり、子午線断面において前記ビードワイヤの複数の周回部分がタイヤ幅方向に並ぶ少なくとも1つの列とタイヤ径方向に重なる複数の層を形成しており、前記複数の層のうち含まれる列の数が最大となる層の幅W0とタイヤ径方向最内側の層の幅W1とタイヤ径方向最外側の層の幅W2とがW1>W2かつW2≦0.5×W0の関係を満たし、前記複数の層のうち含まれる列の数が最大となる層が前記ビードコアのタイヤ径方向中心位置よりもタイヤ径方向内側に位置し、子午線断面において前記ビードワイヤの複数の周回部分の共通接線によって形成された多角形を前記ビードワイヤの外郭形状としたとき、前記外郭形状のタイヤ径方向内側の辺の両端に位置する角部の内角α,βがα>90°かつβ>90°の関係を満たし、前記カーカス層は、前記トレッド部から各サイドウォール部を経て各ビード部に至る本体部と、各ビード部において前記ビードコアの周縁に沿って屈曲しながら折り返されて前記ビードコアのタイヤ径方向外側端の位置から前記本体部に接触しながら各サイドウォール部側に向かって延在する折り返し部とからなり、前記サイドウォール部の外表面に当該外表面から隆起してタイヤ径方向に沿って延在する複数のフィンタイヤ全周に亘ってタイヤ周方向に間隔をおいて配列され、タイヤ赤道から前記カーカス層のタイヤ幅方向最外側の点までのタイヤ幅方向に沿った距離WCがタイヤ断面幅の呼びの1/2倍以下であり、前記フィンがタイヤ幅方向外側に最も突き出た位置における前記フィンの突出高さhと前記サイド補強層の最大幅Aとがh≧0.3×Aの関係を満たし、前記フィンを除いたタイヤ最大幅位置のタイヤ径方向高さをHとすると、前記フィンがタイヤ幅方向外側に最も突き出た位置が、前記フィンを除いたタイヤ最大幅位置に対してタイヤ径方向内外に0.1H以内の範囲に位置することを特徴とする。

発明の効果

0007

本発明では、ビードコアが上述の構造を有するため、ビードコア全体としてはビードワイヤの巻き数を減少しながら、ビードコアのタイヤ径方向中心位置よりもタイヤ径方向内側ではビードワイヤの巻き数を充分に確保することができ、ビードコアとして充分な性能を維持してタイヤの耐久性を確保しながら、ビードワイヤの使用量を低減してタイヤ重量の軽減を図ることができる。また、この形状のビードコアに沿ってカーカスが屈曲しながら折り返されるので、カーカス層の本体部と折り返し部とで囲まれた閉鎖領域内には実質的にビードコアのみが存在するようになるので、従来のビードフィラーを有するタイヤよりもタイヤ重量を軽減することができる。その一方で、サイドウォール部の外表面には上述の形状のフィンが設けられているので、このフィンによってサイドウォール部の剛性低下を抑制することができ、操縦安定性とランフラット耐久性を良好に維持することができる。

0008

本発明では、ビードコアのタイヤ幅方向最外側の点からカーカス層のタイヤ幅方向最外側の点までのタイヤ幅方向に沿った距離BTが40mm以内であることが好ましい。これにより、カーカス層の形状が良好になり、サイドウォール部のバネ剛性を良好に確保することができ、ランフラット耐久性を向上するには有利になる。

0009

本発明では、複数層のベルト層のうちタイヤ径方向最内側に位置するベルト層のタイヤ幅方向外側の端点からカーカス層のタイヤ幅方向最外側の点までのタイヤ幅方向に沿った距離BDが40mm以内であることが好ましい。これにより、カーカス層の形状が良好になり、サイドウォール部のバネ剛性を良好に確保することができ、ランフラット耐久性を向上するには有利になる。

0010

本発明では、サイド補強層のタイヤ径方向内側の端点がビードコアのタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向内側に位置することが好ましい。これにより、従来のビードフィラーを備えない場合において、サイド補強層がビード部の構成要素(ビードコア)まで到達することになり、効果的にランフラット耐久性を向上することができる。

0011

本発明では、サイド補強層のタイヤ径方向外側の端点が、複数層のベルト層のうちタイヤ径方向最内側に位置するベルト層のタイヤ幅方向外側の端点からタイヤ幅方向内側に15mm以上40mm以下の範囲に配置されることが好ましい。このようにサイド補強層がベルト層と充分に重複させることで、ランフラット耐久性を向上するには有利になる。

0012

本発明では、タイヤ赤道からサイド補強層のタイヤ径方向内側の端点までのタイヤ幅方向に沿った距離Qとタイヤ赤道から複数層のベルト層のうちタイヤ径方向最内側に位置するベルト層のタイヤ幅方向外側の端点までのタイヤ幅方向に沿った距離Pとの差が±20mm以内であることが好ましい。これにより、ベルト層の端部とビードコアとがタイヤ径方向に沿った略同一直線上に配置されることになり、タイヤ全体の構造が良好になり、ランフラット耐久性を向上するには有利になる。

0013

本発明では、フィンの突出高さhが4mm以上15mm以下であることが好ましい。これにより、フィンの形状が良好になり、操縦安定性とランフラット耐久性を向上するには有利になる。

0014

本発明では、ビードワイヤの外郭形状の周長L0と、ビードコアの外郭形状のタイヤ径方向内側の辺の長さL1と、ビードコアの外郭形状のタイヤ径方向内側の辺に連なるビードトウ側の傾斜した辺の長さL2と、ビードコアの外郭形状のタイヤ径方向内側の辺に連なるビードヒール側の傾斜した辺の長さL3とが0.25≦(L1+L2)/L0≦0.40かつ1.0≦(L1+L2)/(2×L3)≦2.5の関係を満たすことが好ましい。このようにビードコアの形状が設定することで、ビードコアとしての基本性能(例えば耐リム外れ性)を良好に維持しながら、効率的にタイヤ重量の軽減を図ることができる。

0015

本発明では、ビードワイヤの平均直径が0.8mm〜1.8mmであることが好ましい。これにより、ビードコアとしての基本性能(例えば耐リム外れ性)を良好に維持しながら、効率的にタイヤ重量の軽減を図ることができる。

0016

本発明において、各種寸法は、タイヤを正規リムリム組みして、正規内圧充填した状態で測定する。「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLDINFATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”であるが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。

図面の簡単な説明

0017

本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの子午線半断面図である。
本発明のビードコアを抽出して示す説明図である。
図1のサイドウォール部を示す説明図である。
本発明の別の実施形態からなるビードコアの模式図である。
従来例および比較例のビード構造を模式的に示す説明図である。

0018

以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。

0019

図1に示すように、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部1と、このトレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。図1において、符号CLはタイヤ赤道を示す。尚、図1は子午線断面図であるため描写されないが、トレッド部1、サイドウォール部2、ビード部3は、それぞれタイヤ周方向に延在して環状を成しており、これにより空気入りタイヤのトロイダル状基本構造が構成される。以下、図1(および後述の図2)のような子午線断面図を用いて本発明の構造を説明するが、これら子午線断面図における各タイヤ構成部材は、特に断りがない限り、いずれもタイヤ周方向に延在して環状を成すものである。

0020

左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻り車両内側から外側に折り返されている。以降の説明では、トレッド部1から各サイドウォール部2を経て各ビード部3に至る部分を本体部4A、各ビード部3においてビードコア5の廻りに折り返されて各サイドウォール部2側に向かって延在する部分を4Bという。

0021

ビードコア5は、図2に示すように、タイヤ周方向に巻回された少なくとも1本のビードワイヤ5Aからなり、ビードワイヤ5Aの複数の周回部分がタイヤ幅方向に並ぶ少なくとも1つの列とタイヤ径方向に重なる複数の層を形成している。本発明では、子午線断面において上記のようにビードワイヤ5Aの複数の周回部分が列と層を形成していれば、単一のビードワイヤ5Aを連続的に巻回した所謂一本巻き構造であっても、複数本のビードワイヤ5Aを引き揃えた状態で巻回した所謂層巻き構造であってもよい。図示の例では、タイヤ径方向最内側から順に3列の周回部分を含む層、4列の周回部分を含む層、3列の周回部分を含む層、2列の周回部分を含む層、1列の周回部分を含む層の計5層が積層された構造を有する。尚、以降の説明では、この構造を「3+4+3+2+1構造」という。同様に、以降の説明では、ビードワイヤ5Aの積層構造を、各層に含まれる列の数をタイヤ径方向最内側の層から順に「+」で繋いだ同様の形式表現する。更に、図示の例のビードコア5では、ビードワイヤ5Aが俵積み状に積層されている。尚、「俵積み」とは、互いに接している3つの周回部分の中心が略正三角形を形成する積み方であり、六方充填配置呼称されることもある充填率の高い積層構造である。

0022

このとき、各ビードコア5について、ビードコア5の最大幅をW0、タイヤ径方向最内側の層の幅をW1、タイヤ径方向最外側の層の幅をW2とすると、これら幅がW1>W2かつW2≦0.5×W0の関係を満たしている。また、ビードコア5を構成する複数の層のうち最大幅W0となる層がビードコア5のタイヤ径方向中心位置よりもタイヤ径方向内側に位置している。即ち、各ビードコア5は、タイヤ径方向中心位置よりもタイヤ径方向内側に位置する最大幅の部分からビードコア5の幅がタイヤ外径側に向かってタイヤ最内径側の幅よりも小さくなるように先細る形状を有している(以下、この形状を指して「外径楔形状」という場合がある)。尚、幅W0〜W2はいずれも、図示のように、各層のタイヤ幅方向両外側の周回部分のタイヤ幅方向外側端間のタイヤ幅方向に沿った長さである。

0023

また、各ビードコア5は、子午線断面においてビードワイヤ5Aの複数の周回部分の共通接線(図中の破線)によって形成された多角形をビードワイヤ5Aの外郭形状としたとき、この外郭形状のタイヤ径方向内側の辺の両端に位置する角部の内角α,βがα>90°かつβ>90°、好ましくは100°≦α≦150°かつ100°≦β≦150°の関係を満たしている。

0024

カーカス層4は、上記のようにビードコア5の廻りに折り返されるものであるが、本発明のビードコア5は上述のように特殊な形状(外径側楔形状)を有するため、カーカス層4はビードコア5の周縁に沿って屈曲する。例えば、図示の例では、ビードコア5が上述の設定を満たす結果、断面形状が略五角形になっているため、その周縁に沿って延在するカーカス層4も略五角形状に屈曲している。更に、カーカス層4の折り返し部4Bのビードコア5のタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向外側の部分は、カーカス層4の本体部4Aに接触しながらカーカス層4の本体部4Aに沿って各サイドウォール部2側に向かって延在している。その結果、カーカス層4の本体部4Aと折り返し部4Bとによって、ビードコア5を囲む閉鎖領域が形成されている。

0025

これに加えて、本発明のカーカス層4は、タイヤ赤道CLからカーカス層4のタイヤ幅方向最外側の点までのタイヤ幅方向に沿った距離WCがタイヤ断面幅の呼びの1/2倍以下になるように構成されている。

0026

トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図示の例では2層)のベルト層6が埋設されている。各ベルト層6は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含む。この補強コードは層間で補強コードどうしが互いに交差するように配列されている。これらベルト層6において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。更に、ベルト層6の外周側にはベルト補強層7が設けられている。特に、図示の例では、ベルト層6の全幅を覆うフルカバー層とベルト補強層7の両端部のみをそれぞれ覆うエッジカバー層の2層が設けられている。ベルト補強層7は、タイヤ周方向に配向する有機繊維コードを含む。ベルト補強層7において、有機繊維コードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°〜5°に設定されている。

0027

サイドウォール部2におけるカーカス層4のタイヤ幅方向内側には断面三日月形状のサイド補強層8が配設されている。このサイド補強層8は、サイドウォール部2を構成する他のゴムよりも硬いゴムで構成される。具体的には、サイド補強層8を構成するゴムは、JIS‐A硬度が例えば70〜80、100%伸長時のモジュラスが例えば9.0MPa〜10.0MPaである。このような物性のサイド補強層8は、その剛性に基づいてパンク時に荷重を支持してランフラット走行を可能にする。

0028

一方、サイドウォール部2の外表面には、図3に例示するように、その外表面から隆起してタイヤ径方向に沿って延在する複数のフィン9が設けられている。これら複数のフィン9はタイヤ全周に亘ってタイヤ周方向に間隔をおいて配列されている。各フィン9について、フィン9がタイヤ幅方向外側に最も突き出た位置におけるフィン9の突出高さhは、サイド補強層の最大幅Aに対して、h≧0.3×Aの関係を満たしている。また、フィン9を除いたタイヤ最大幅位置のタイヤ径方向高さをHとすると、フィン9がタイヤ幅方向外側に最も突き出た位置は、フィン9を除いたタイヤ最大幅位置に対してタイヤ径方向内外に0.1H以内の範囲に位置している。言い換えると、フィン9を除いたタイヤ最大幅位置のタイヤ径方向高さHとフィン9がタイヤ幅方向外側に最も突き出た位置のタイヤ径方向高さH′との差ΔHが0.1H以内である。

0029

本発明では、ビードコア5が上述のように特殊な形状(外径側楔形状)を有するため、ビードコア5全体としてはビードワイヤ5Aの巻き数を減少しながら、ビードコア5のタイヤ径方向中心位置よりもタイヤ径方向内側ではビードワイヤ5Aの巻き数を充分に確保することができ、ビードコア5として充分な性能を維持してタイヤの耐久性を確保しながら、ビードワイヤ5の使用量を低減してタイヤ重量の軽減を図ることができる。また、ビードコア5の外郭形状(特に周長L0と長さL1〜L3の関係)を上述のように設定した場合には、ランフラット走行時のリム外れに対する寄与が大きい長さL1およびL2を充分に確保することができ、耐リム外れ性を更に改善することができる。

0030

その一方で、サイドウォール部2の外表面には上述の形状のフィン9が設けられているので、このフィン9によってサイドウォール部2が補強されて剛性低下を抑制することができ、操縦安定性とランフラット耐久性を良好に維持することができる。特に、フィン9の上述の形状であり上述の位置に設けられているので、タイヤ最大幅位置の近傍でカーカス層4が座屈しやすくなることを確実に防いで、効率的にランフラット耐久性を高めることができる。また、サイドウォール部2の外表面にフィン9を備えることで、フィン9による放熱効果も期待でき、更なる耐久性の向上を図ることができる。

0031

上述の構造において、幅W0、W1、W2が上述の関係を満たさないとビードコア5の形状が不適当になりビード部3の形状を安定させることができない。特に、W1≦W2やW2>0.5×W0という関係であると、ビードコア5の上端の幅が大きくなるため、リムフランジが当接する部位の近傍の剛性が高まってリムフランジが当接する部位を支点とした回転力に起因するリム外れを抑制することが難しくなり耐リム外れ性が低下する。内角α,βが90°以下であるとビードワイヤ5Aの巻き数を充分に減少することができずタイヤ重量の軽減効果が低下する。また、内角α,βが90°以下であると外郭形状のタイヤ径方向内側の辺の両端に位置するビードワイヤ5Aが加硫時のゴム流れの影響を受け易くなり、加硫後のビードコア5の形状を良好に維持することが難しくなる。

0032

また、上述の構造において、フィン9の形状や配置が上述の範囲から外れていると、フィン9によってサイドウォール部2を適正に補強することができず、操縦安定性やランフラット耐久性を良好に維持することが難しくなる。特に、フィン9の突出高さhが、サイド補強層8の最大幅Aに対して、h<0.3×Aの関係になっていると、フィン9が充分に隆起せず補強効果が得られない。タイヤ全体の構造とフィン9とのバランスの観点から、フィン9の突出高さhは、好ましくは4mm以上15mm以下であるとよい。また、フィン9がタイヤ幅方向外側に最も突き出た位置が上述の範囲から外れていると、サイドウォール部2においてカーカス層4が最も座屈しやすい領域を適切に補強することができず、操縦安定性やランフラット耐久性を維持する効果が見込めなくなる。

0033

個々のフィン9の形状は特に限定されないが、フィン9の幅Wf(タイヤ周方向に沿って測定したフィン9の幅)が好ましくは3mm〜10mm、フィン9の長さLf(フィン9の長手方向に沿って測定した長さ)が好ましくは15mm〜70mmであるとよい。フィン9の正面視形状としては、図示の略長方形状のほか、タイヤ周方向の一方に向かって湾曲した円弧状、S字形状鉤型形状、複数の屈曲部を有する形状など、様々な形状を採用することができる。

0034

上述のようにビードコア5について、子午線断面においてビードワイヤ5Aの複数の周回部分の共通接線(図中の破線)によって形成された多角形をビードワイヤ5Aの外郭形状とすると、この外郭形状の周長(ビードワイヤ5Aの複数の周回部分の共通接線によって形成された多角形のすべての辺の長さの和)をL0、外郭形状のタイヤ径方向内側の辺の長さをL1、外郭形状のタイヤ径方向内側の辺に連なるビードトウ側の傾斜した辺の長さをL2、外郭形状のタイヤ径方向内側の辺に連なるビードヒール側の傾斜した辺の長さをL3とすると、これら長さは、好ましくは0.25≦(L1+L2)/L0≦0.40かつ1.0≦(L1+L2)/(2×L3)≦2.5、より好ましくは0.28≦(L1+L2)/L0≦0.36かつ1.1≦(L1+L2)/(2×L3)≦2.0の関係を満たしているとよい。このようにビードコアの形状を規定することで、タイヤ重量の軽減と耐リム外れ性の向上をバランスよく両立することができる。このとき、周長L0と長さL1〜L3が上述の関係を満たさないとタイヤ重量の軽減と耐リム外れ性の向上を両立することができない。特に、0.25>(L1+L2)/L0や1.0>(L1+L2)/(2×L3)という関係であると耐リム外れ性が悪化し、(L1+L2)/L0>0.40や(L1+L2)/(2×L3)>2.5という関係であるとタイヤ重量を軽減することができない。

0035

周長L0と長さL1〜L3は上述の関係を満たせばよいが、これら長さの中でも、ビードコアの外郭形状のタイヤ径方向内側の辺の長さL1と、ビードコアの外郭形状のタイヤ径方向内側の辺に連なるビードトウ側の傾斜した辺の長さL2とは、ランフラット走行時のリム外れに対する寄与が大きい。そのため、長さL2を好ましくは1.5mm〜8mm、より好ましくは2mm〜5mm、長さL1を好ましくは2mm〜10mm、より好ましくは2.5mm〜7mmに設定するとよい。長さL2が1.5mmよりも小さいと耐リム外れ性を向上する効果が限定的になり、長さL2が8mmよりも大きいとタイヤ重量を軽減する効果が限定的になる。長さL1が2mmよりも小さいと耐リム外れ性を向上する効果が限定的になり、長さL1が10mmよりも大きいとタイヤ重量を軽減する効果が限定的になる。

0036

ビードワイヤ5A自体の構造については特に限定されないが、タイヤ重量の軽減と耐リム外れ性の向上を両立すること鑑みると、平均直径を好ましくは0.8mm〜1.8mm、より好ましくは1.0mm〜1.6mm、更に好ましくは1.1mm〜1.5mmにするとよい。また、ビードワイヤ5Aの総断面積(各ビードコア5の子午線断面に含まれるビードワイヤ5Aの周回部分の断面積の総和)を好ましくは10mm2 〜50mm2 、より好ましくは15mm2 〜48mm2 、更に好ましくは20mm2 〜45mm2 にするとよい。ビードワイヤ5Aの平均直径が0.8mmよりも小さいと耐リム外れ性を向上する効果が限定的になり、ビードワイヤ5Aの平均直径が1.8mmよりも大きいとタイヤ重量を軽減する効果が限定的になる。ビードワイヤ5Aの総断面積が10mm2 よりも小さいと耐リム外れ性を向上する効果が限定的になり、ビードワイヤ5Aの総断面積が50mm2 よりも大きいとタイヤ重量を軽減する効果が限定的になる。

0037

上述のように、カーカス層4の本体部4Aと折り返し部4Bとによって閉鎖領域が形成される。この閉鎖領域内には、従来のビードフィラーまたはそれに類するタイヤ構成部材(ビードコア5のタイヤ径方向外側に配置されてカーカス層4の本体部4Aと折り返し部4Bとによって包み込まれてビード部3からサイドウォール部2にかけての剛性を高める部材)は基本的に配置されずビードコア5のみが存在する。即ち、ビードワイヤ5Aを被覆するインシュレーションゴムや、ビードコア5とカーカス層4との間に形成される僅かな隙間を埋めるゴムは存在しても、従来の空気入りタイヤのような大きな体積を有するビードフィラーは用いられない。そのため、本発明では、タイヤ重量を効果的に軽減することができる。特に、この閉鎖領域のゴム占有率、即ち、子午線断面における閉鎖領域の面積Aに対する閉鎖領域内に存在するゴムの総面積aの比率(a/A×100%)を0.1%〜15%にすることが好ましい。閉鎖領域のゴム占有率が15%よりも大きいと、実質的に従来の空気入りタイヤのビードフィラーが存在する場合と同等になり、タイヤ重量の軽減効果を更に高めることは難しくなる。尚、タイヤ構造上、ビードワイヤ5Aを被覆するインシュレーションゴム等は必ず存在するため、基本的に閉鎖領域のゴム占有率が0.1%未満になることはない。

0038

このように閉鎖領域内に実質的にビードコア5のみが存在するので、本発明では、ビード部3に他の補強部材を追加したとしても、従来のビードフィラー層を備えたタイヤよりタイヤ重量が増大することにはならない。例えば、サイドウォール部2におけるカーカス層4(本体部4Aおよび折り返し部4B)のタイヤ幅方向外側にフィラー層を設けることもできる。このフィラー層とは、従来の空気入りタイヤにおいてカーカス層4の本体部4Aと折り返し部4Bとの間に設けられるビードフィラーとは異なり、前述のサイド補強層8と共働してサイドウォール部2の剛性を適度に確保するものである。このようなフィラー層を設けても、フィラー層は従来のビードフィラー層に替えて設けられる部材に過ぎないので、従来のビードフィラー層を備えたタイヤよりタイヤ重量が増大することにはならない。尚、タイヤ重量をより効果的に軽減するには、フィラー層の構造等をサイド補強層8と関連付けるとよく、例えば、サイド補強層8の断面積S1および硬度H1に対してフィラー層の断面積S2および硬度H2が0.15≦(S2×H2)/(S1×H1)≦0.60の関係を満たすとよい。これによりフィラー層の使用量を抑制してタイヤ重量への影響を抑えながら、フィラー層による補強効果を適度に得ることが可能になる。

0039

ビードコア5の具体的な形状は、幅W0、W1、W2や、長さL0〜L3が上述の関係を満たしていれば、特に限定されない。例えば、図4に示す形状を採用することができる。図4の例は、いずれも幅W0、W1、W2が上述の関係を満たすので、本発明の「外径楔形状」に該当し、更に長さL0〜L3が上述の関係を満たすものである。詳述すると、図4(a)は俵積みの4+5+4+3+2+1構造を有し、図4(b)は俵積みの3+4+3+2構造を有し、図4(c)は俵積みの3+4+4+3+2+1構造を有し、図4(d)はタイヤ径方向内側から2番目の層とそのタイヤ径方向内側に隣接する層とが俵積みではなく直列積み(タイヤ径方向に隣接する周回部分どうしがタイヤ幅方向に垂直に積層される積み方)になった3+4+4+3+2+1構造を有する。

0040

図4に示したいずれの構造も、少なくとも一部が俵積み状に積層されているため、全体が直列積みで積層された構造のビードワイヤよりも、ビードワイヤ5Aを密に配してビードワイヤ5Aの充填率を高めることができる。その結果、ビード部3の剛性や耐圧性能を良好に確保して走行性能を維持しながら、タイヤ重量を軽減し、これら性能をバランスよく発揮することができる。ビードワイヤ5Aの充填率に着目すると、図4(a)〜(c)のようにすべてのビードワイヤ5Aが俵積み状に積層されることが好ましい。

0041

また、ビードコア5の形状に関して、ビードコア5全体の形状の安定性を高めるには、ビードコア5全体の形状をビードコア5のタイヤ幅方向中心に対して線対称にすることが好ましい。この観点からは、図4(a),(b),(d)のような形状が好ましい。

0042

これら様々なビードコア5の形状は、上述の様々な観点に基づいて、空気入りタイヤ全体の構造や重視する特性等を考慮して適宜選択することができる。

0043

本発明では、タイヤ赤道CLからカーカス層4のタイヤ幅方向最外側の点までのタイヤ幅方向に沿った距離WCを上述の範囲に設定するだけでなく、ビードコア5のタイヤ幅方向最外側の点からカーカス層4のタイヤ幅方向最外側の点までのタイヤ幅方向に沿った距離BTを好ましくは40mm以内、より好ましくは15mm以上30mm以下にするとよい。これにより、カーカス層4の形状が良好になり、サイドウォール部2のバネ剛性を良好に確保することができ、ランフラット耐久性を向上するには有利になる。このとき、距離BTが40mmを超えると、サイドウォール部2の湾曲が大きくなり、バネ剛性を充分に確保することが難しくなり、ランフラット耐久性を向上する効果が充分に見込めなくなる。

0044

更に、複数層のベルト層6のうちタイヤ径方向最内側に位置するベルト層6のタイヤ幅方向外側の端点からカーカス層4のタイヤ幅方向最外側の点までのタイヤ幅方向に沿った距離BDを好ましくは40mm以内、より好ましくは15mm以上30mm以下にするとよい。これにより、カーカス層4の形状が良好になり、サイドウォール部2のバネ剛性を良好に確保することができ、ランフラット耐久性を向上するには有利になる。このとき、距離BDが40mmを超えると、サイドウォール部2の湾曲が大きくなり、バネ剛性を充分に確保することが難しくなり、ランフラット耐久性を向上する効果が充分に見込めなくなる。

0045

本発明では、上述のように、従来のビードフィラーを備えないので、サイド補強層8のタイヤ径方向内側の端部をビード部3まで到達させてサイドウォール部2の剛性を確保することが好ましい。具体的には、サイド補強層8のタイヤ径方向内側の端点をビードコア5のタイヤ径方向外側端よりもタイヤ径方向内側に配置するとよい。例えば、サイド補強層8のタイヤ径方向内側の端部とビードコア5とのタイヤ径方向に沿った重複量D1を15mm以上30mm以下にするとよい。これにより、リムに装着された際に、リムによって固定されているビード部3(ビードコア5)までサイド補強層8が到達することになり、効果的にランフラット耐久性を向上することができる。

0046

一方、サイド補強層8のタイヤ径方向外側の端点については、ベルト層6と適度にオーバーラップさせることが好ましい。具体的には、サイド補強層8のタイヤ径方向外側の端点を、複数層のベルト層6のうちタイヤ径方向最内側に位置するベルト層6のタイヤ幅方向外側の端点からタイヤ幅方向内側に好ましくは15mm以上40mm以下の範囲に配置するとよい。言い換えると、タイヤ径方向最内側に位置するベルト層6とサイド補強層8との重複量D2を15mm以上40mm以下にするとよい。このようにサイド補強層8の端部をベルト層6と充分に重複させることで、ランフラット耐久性を向上するには有利になる。このとき、重複量D2が15mm未満であるとサイドウォール部2の剛性を高める効果が限定的になる。重複量D2が40mmを超えると、サイドウォール部2のバネ剛性が過剰になり、乗り心地性が低下する。また、サイド補強層8の体積が大きくなるため、タイヤ重量の軽減効果に影響が出る虞がある。

0047

このようにサイド補強層8の端点の位置を設定するにあたって、更に、タイヤ赤道CLからサイド補強層8のタイヤ径方向内側の端点までのタイヤ幅方向に沿った距離Qとタイヤ赤道CLから複数層のベルト層6のうちタイヤ径方向最内側に位置するベルト層6のタイヤ幅方向外側の端点までのタイヤ幅方向に沿った距離Pとの差を、好ましくは±20mm以内、より好ましくは±10mm以内に設定するとよい。これにより、ベルト層6の端部とサイド補強層8の端部やビードコア5とがタイヤ径方向に沿った略同一直線上に配置されることになり、タイヤ全体の構造が良好になり、ランフラット耐久性を向上するには有利になる。このとき、距離Pと距離Qとの差が20mmを超えると、ベルト層6の端部とサイド補強層8の端部やビードコア5とのズレが大きくなり、ランフラット耐久性を更に向上する効果が充分に見込めなくなる。

0048

上述の各部の構造は適宜組み合わせて採用することができる。いずれにしても、上述の構造を有する空気入りタイヤでは、ビード部3の構造が改善されるので、タイヤの耐久性を維持しながらタイヤ重量を軽減し、且つ、耐リム外れ性を改善することができる。

0049

タイヤサイズが205/55R16であり、図1に示す基本構造を有し、ビードコアの構造、ビードフィラーの有無、ビードコアの最大幅W0、ビードコアのタイヤ径方向最内側の層の幅W1、ビードコアのタイヤ径方向最外側の層の幅W2、ビードワイヤの外郭形状のタイヤ径方向内側の辺の両端に位置する角部の内角α,β、外郭形状の周長L0、外郭形状のタイヤ径方向内側の辺の長さL1、外郭形状のタイヤ径方向内側の辺に連なるビードトウ側の傾斜した辺の長さL2、外郭形状のタイヤ径方向内側の辺に連なるビードヒール側の傾斜した辺の長さL3、式(L1+L2)/L0、式(L1+L2)/(2×L3)、サイドウォール部の外表面のフィンの有無、フィンの突出高さh、サイド補強層の最大幅A、フィンを除いたタイヤ最大幅位置のタイヤ径方向高さHとフィン9がタイヤ幅方向外側に最も突き出た位置のタイヤ径方向高さH′との差ΔH、タイヤ赤道からカーカス層のタイヤ幅方向最外側の点までのタイヤ幅方向に沿った距離WC、ビードコアのタイヤ幅方向最外側の点からカーカス層のタイヤ幅方向最外側の点までのタイヤ幅方向に沿った距離BT、タイヤ径方向最内側に位置するベルト層のタイヤ幅方向外側の端点からカーカス層のタイヤ幅方向最外側の点までのタイヤ幅方向に沿った距離BD、サイド補強層のタイヤ径方向内側の端部とビードコアとのタイヤ径方向に沿った重複量D1、タイヤ径方向最内側に位置するベルト層とサイド補強層との重複量D2、タイヤ赤道からサイド補強層のタイヤ径方向内側の端点までのタイヤ幅方向に沿った距離Qとタイヤ赤道からタイヤ径方向最内側に位置するベルト層のタイヤ幅方向外側の端点までのタイヤ幅方向に沿った距離Pとの差、ビードワイヤの平均直径をそれぞれ表1〜3のように設定して、従来例1、比較例1〜6、実施例1〜25の32種類の空気入りタイヤを作製した。

0050

表1〜3の「ビードコア構造」の欄については、対応する図面の番号を示した。尚、従来例1および比較例1〜2は、従来の一般的なビードコアを用いた例であり、ビードコアは図5(a)に示すように直列積みに積層された5+5+5構造を有する。比較例3のビードコアは図5(b)に示すように直列積みに積層された5+5+4+3+2+1構造を有する。

0051

フィンを設けた例では、図3に示すように、フィンの幅Wfが2mmであり、フィンの長さLfが50mmである長方形状のフィンを採用し、タイヤ周方向に隣り合うフィンどうしの距離は100mmに設定した。表2の実施例14の重複量D1が「0mm」とは、サイド補強層のタイヤ径方向内側の端部がビードコアのタイヤ径方向外側の端部よりもタイヤ径方向外側に位置して、サイド補強層とビードコアとが離間したことを意味する。

0052

これら空気入りタイヤについて、下記の評価方法により、タイヤ質量、ランフラット耐久性、操縦安定性を評価し、その結果を表1〜3に併せて示した。

0053

タイヤ質量
試験タイヤについて5本の質量を測定し、その平均値を求めた。評価結果は、従来例1の値を100とする指数にて示した。この指数値が小さいほどタイヤ質量が小さいことを意味する。

0054

ランフラット耐久性
試験タイヤをリムサイズ18×7.5Jのホイールに組み付けて、ECE30に記載されるランフラットタイヤ用ドラム耐久試験条件でドラム試験機上を走行させ、タイヤに破壊故障が発生するまでの走行距離を測定した。評価結果は、従来例1の値を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどランフラット耐久性が良好であることを意味する。

0055

操縦安定性
各試験タイヤをリムサイズ18×7.5Jのホイールに組み付けて、空気圧を230kPaとし、排気量2000ccの試験車両に装着し、平坦アスファルト路面からなるテストコースにて、テストドライバーによる感応評価を行った。評価結果は、従来例1の値を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど操縦安定性が良好であることを意味する。

0056

0057

0058

実施例

0059

表1〜3から明らかなように、実施例1〜25はいずれも、従来例1に対して、ランフラット耐久性を良好に維持または向上しながらタイヤ質量を低減した。また、耐リム外れ性についても良好に維持または向上した。一方、比較例1は、従来の四角形状のビードコアを用いたままビードフィラーを排しており、且つ、サイドウォール部の外表面にフィンを備えないため、ランフラット耐久性および耐リム外れ性が悪化した。比較例2は、従来の四角形状のビードコアを用いたままビードフィラーを排しているため、ランフラット耐久性および耐リム外れ性が悪化した。比較例3は、ビードコアの形状が不適切であるため、ランフラット耐久性および耐リム外れ性が悪化した。比較例4は、距離WCが大きすぎるため、ランフラット耐久性および耐リム外れ性が悪化した。比較例5は、フィンの突出高さが小さすぎるため、ランフラット耐久性および耐リム外れ性が悪化した。比較例6は、フィンを除いたタイヤ最大幅位置とフィンがタイヤ幅方向外側に最も突き出た位置とが大きく離間しているため、ランフラット耐久性および耐リム外れ性が悪化した。

0060

1トレッド部
2サイドウォール部
3ビード部
4カーカス層
5ビードコア
6ベルト層
7ベルト補強層
8サイド補強層
9フィン
CL タイヤ赤道

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