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図面 (8)

課題

本発明は、地震時には車体の台車に対する大きな変位許容して脱線を防止できるとともに地震後にはストッパ機能自動復帰させ得るストッパの提供を目的とする。

解決手段

本発明のストッパSは、フレーム1と、フレーム1によって前後方向へ往復動可能に保持される可動部材2と、フレーム1に対して可動部材2を前進させる方向へ附勢する第一附勢部3と、フレーム1と可動部材2の一方に設けられて、可動部材2のフレーム1に対する後退規制するとともに、可動部材2を後退させる外力による荷重所定荷重以上となると可動部材2のフレーム1に対する後退を許容する規制装置4とを備える。

概要

背景

鉄道車両では、台車に対して車体が左右方向へ移動でき、車体の台車に対する移動を制限するためのストッパが設けられている。このストッパは、車体から垂下される中心ピンに対して対向するように、所定間隔を空けて左右にそれぞれ配置される。そして、ストッパは、車体が台車に対して移動限界まで変位すると中心ピンに当接して、台車に対する車体のそれ以上の変位を規制する。

ストッパが中心ピンに衝突すると車体に衝撃的な振動が作用し乗心地が悪化するので、ストッパと中心ピンとの間隔は、通常走行時に想定される台車に対する車体の変位よりも少し広く設定されるが、地震が発生して車体が振動するとストッパと中心ピンが衝突する。

このようにストッパによって車体の変位が制限されると、大地震の発生によって車体が大きく振動する場合には、鉄道車両が脱線する可能性がある。そこで、この問題を解決するものとして、箱型ホルダと、ホルダに対して移動可能に挿入される止板と、ホルダと止板との間に介装したアルミハニカムと、同じくホルダと止板との間に介装したコイルスプリングと、止板に対してホルダを固定するヒューズボルトとを備えて構成されたストッパが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。

このストッパにあっては、車体が台車に対して著大な左右振動を呈して中心ピンがストッパに衝突した際に、ストッパに所定以上の力が加わると、ヒューズボルトが破断して、ホルダが止板に対して自由移動可能となって、車体の台車に対する大きな変位を許容する。よって、このストッパでは、大地震によって車体が大きく振動する場合には、車体の台車に対する大きな変位を許容して脱線の回避できる。

概要

本発明は、地震時には車体の台車に対する大きな変位を許容して脱線を防止できるとともに地震後にはストッパ機能自動復帰させ得るストッパの提供を目的とする。本発明のストッパSは、フレーム1と、フレーム1によって前後方向へ往復動可能に保持される可動部材2と、フレーム1に対して可動部材2を前進させる方向へ附勢する第一附勢部3と、フレーム1と可動部材2の一方に設けられて、可動部材2のフレーム1に対する後退を規制するとともに、可動部材2を後退させる外力による荷重所定荷重以上となると可動部材2のフレーム1に対する後退を許容する規制装置4とを備える。

目的

そこで、本発明は、地震時には車体の台車に対する大きな変位を許容して脱線を防止できるとともに地震後にはストッパ機能を自動復帰させ得るストッパの提供を目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

フレームと、前記フレームによって前後方向へ往復動可能に保持される可動部材と、前記フレームに対して前記可動部材を前進させる方向へ附勢する第一附勢部と、前記フレームと前記可動部材の一方に設けられて、前記可動部材の前記フレームに対する後退規制するとともに、前記可動部材を後退させる外力による荷重所定荷重以上となると前記可動部材の前記フレームに対する後退を許容する規制装置とを備えたことを特徴とするストッパ

請求項2

前記可動部材が後退した後の前進を遅延させる可動部材遅延装置を備え、前記規制装置は、前記フレームと前記可動部材の一方に設けられて前記フレームと前記可動部材の他方に当接可能な係止部材と、前記係止部材を前記フレームと前記可動部材の他方に向けて附勢する第二附勢部とを有することを特徴とする請求項1に記載のストッパ。

請求項3

前記可動部材遅延装置は、前記可動部材に設けたシリンダと、前記フレームに設けられて前記シリンダ内出入りするロッドと、前記シリンダ内に摺動自在に挿入されるとともに前記ロッドに連結されて前記シリンダ内を伸側室圧側室とに区画するピストンと、前記伸側室と前記圧側室とを連通するとともに通過する流体の流れに抵抗を与える抵抗通路と、前記圧側室から前記伸側室へ向かう流体の流れのみを許容する通路とを有することを特徴とする請求項2に記載のストッパ。

請求項4

前記可動部材遅延装置は、前記シリンダ内の前記伸側室と前記圧側室を大気圧以上で加圧する加圧部を有し、前記ロッドが前記伸側室のみに挿通され、前記可動部材遅延装置を前記第一附勢部としたことを特徴とする請求項3に記載のストッパ。

請求項5

前記係止部材は、前記フレームと前記可動部材の一方に対して前記可動部材の移動方向に直交する方向に移動可能に設けられて前記フレームと前記可動部材の他方に当接すると前記可動部材の後退を規制するピンであって、前記規制装置は、前記可動部材を後退させる外力による荷重が所定荷重以上となると前記ピンが破断されて前記可動部材の前記フレームに対する後退を許容し、前記ピンは、前記破断後に、前記可動部材が前記フレームに対して移動が規制されていた位置へ戻ると前記第二附勢部材によって押されて再度前記可動部材に当接して前記可動部材の前記フレームに対する後退を規制することを特徴とする請求項4に記載のストッパ。

請求項6

前記係止部材は、前記ピンを複数有することを特徴とする請求項5に記載のストッパ。

技術分野

0001

本発明は、ストッパに関する。

背景技術

0002

鉄道車両では、台車に対して車体が左右方向へ移動でき、車体の台車に対する移動を制限するためのストッパが設けられている。このストッパは、車体から垂下される中心ピンに対して対向するように、所定間隔を空けて左右にそれぞれ配置される。そして、ストッパは、車体が台車に対して移動限界まで変位すると中心ピンに当接して、台車に対する車体のそれ以上の変位を規制する。

0003

ストッパが中心ピンに衝突すると車体に衝撃的な振動が作用し乗心地が悪化するので、ストッパと中心ピンとの間隔は、通常走行時に想定される台車に対する車体の変位よりも少し広く設定されるが、地震が発生して車体が振動するとストッパと中心ピンが衝突する。

0004

このようにストッパによって車体の変位が制限されると、大地震の発生によって車体が大きく振動する場合には、鉄道車両が脱線する可能性がある。そこで、この問題を解決するものとして、箱型ホルダと、ホルダに対して移動可能に挿入される止板と、ホルダと止板との間に介装したアルミハニカムと、同じくホルダと止板との間に介装したコイルスプリングと、止板に対してホルダを固定するヒューズボルトとを備えて構成されたストッパが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。

0005

このストッパにあっては、車体が台車に対して著大な左右振動を呈して中心ピンがストッパに衝突した際に、ストッパに所定以上の力が加わると、ヒューズボルトが破断して、ホルダが止板に対して自由移動可能となって、車体の台車に対する大きな変位を許容する。よって、このストッパでは、大地震によって車体が大きく振動する場合には、車体の台車に対する大きな変位を許容して脱線の回避できる。

先行技術

0006

特開2006−182111号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、前記提案のストッパは、一度ヒューズボルトが破断してしまうと、ヒューズボルトを交換しないと再びストッパとしての機能を発揮できなくなるので、地震が終息した後にストッパ機能自動復帰させられない。

0008

また、地震が終息した後に車両を移動させる場合、前記提案のストッパが自動復帰できないため、曲線走行時遠心力による車体の台車に対する移動量が車両限界を超える懸念があり、地震による地上設備の損傷がなくとも車両の運転速度の制限が必要となってしまう。

0009

そこで、本発明は、地震時には車体の台車に対する大きな変位を許容して脱線を防止できるとともに地震後にはストッパ機能を自動復帰させ得るストッパの提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明のストッパは、フレームと、フレームによって前後方向へ往復動可能に保持される可動部材と、フレームに対して可動部材を前進させる方向へ附勢する第一附勢部と、フレームと可動部材の一方に設けられて、可動部材のフレームに対する後退を規制するとともに、可動部材を後退させる外力による荷重所定荷重以上となると可動部材のフレームに対する後退を許容する規制装置とを備えている。このように構成されたストッパは、可動部材に作用する荷重が規制装置で可動部材のフレームに対する後退を規制できる荷重である場合、ストッパ機能を発揮し、地震発生時には可動部材の後退を許容する。よって、地震発生時には、ストッパが車体の台車に対する変位限界平常時に比して大きくして車体の変位を許容するようになるので、鉄道車両の脱線が防止される。そして、可動部材がフレームに対して後退した後に、前進して元の位置へ戻ると規制装置が可動部材のフレームに対する後退を規制する。

0011

また、ストッパは、可動部材が後退した後の前進を遅延させる可動部材遅延装置を備え、規制装置がフレームと可動部材の一方に設けられてフレームと可動部材の他方に当接可能な係止部材と、係止部材をフレームと可動部材の他方に向けて附勢する第二附勢部とを有していてもよい。このように構成されたストッパでは、地震発生中に、何度も規制装置が可動部材の後退を規制する状態とならず、車体の台車に対する変位限界を大きくする状態に維持されて、鉄道車両の脱線を効果的に阻止できる。

0012

さらに、ストッパは、可動部材遅延装置が可動部材に設けたシリンダと、フレームに設けられてシリンダ内出入りするロッドと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるとともにロッドに連結されてシリンダ内を伸側室圧側室とに区画するピストンと、伸側室と圧側室とを連通するとともに通過する流体の流れに抵抗を与える抵抗通路と、圧側室から伸側室へ向かう流体の流れのみを許容する通路とを有して構成されてもよい。このようにストッパが構成されると、流体圧を利用して容易に可動部材の前進を遅延させ得るとともに、抵抗通路が流体の流れに与える抵抗のチューニングによって、可動部材がフレームに対して後退後に前進して元の位置に戻るまでの時間を容易に設定できる。

0013

また、ストッパは、可動部材遅延装置がシリンダ内の伸側室と圧側室を大気圧以上で加圧する加圧部を有し、ロッドが伸側室のみに挿通され、可動部材遅延装置が第一附勢部として機能するように構成されてもよい。このように構成されるストッパは、可動部材遅延装置に第一附勢部としての機能を集約できるので、別途、可動部材をフレームに対して前進方向へ附勢する手段を設ける必要がなく、部品点数を少なくでき、安価となる。

0014

さらに、ストッパは、係止部材がフレームと可動部材の一方に対して可動部材の移動方向に直交する方向に移動可能に設けられてフレームと可動部材の他方に当接すると前記可動部材の後退を規制するピンであって、可動部材を後退させる外力による荷重が所定荷重以上となるとピンが破断されて規制装置が可動部材のフレームに対する後退を許容し、ピンが破断後に可動部材がフレームに対して移動が規制されていた位置へ戻ると再度可動部材に当接して可動部材のフレームに対する後退を規制するように構成されてもよい。このように構成されるストッパは、複数回に亘ってピンが破断しても可動部材が元の位置に戻ると後退を規制できるので、ストッパ機能の自動復帰を簡単な構成で実現できる。

0015

また、ストッパは、係止部材がピンを複数有して構成されてもよい。このように構成されたストッパは、全部のピンが平常時に疲労で破断されるのを回避できる。

発明の効果

0016

本発明のストッパによれば、地震時には車体の台車に対する大きな変位を許容して脱線を防止できるとともに地震後にはストッパ機能を自動復帰させ得る。

図面の簡単な説明

0017

一実施の形態におけるストッパの断面図である。
鉄道車両に適用した一実施の形態におけるストッパの側面図である。
一実施の形態の第一変形例におけるストッパの断面図である。
一実施の形態の第二変形例におけるストッパの断面図である。
一実施の形態の第三変形例におけるストッパの断面図である。
一実施の形態の第四変形例におけるストッパの断面図である。
一実施の形態の第五変形例におけるストッパの断面図である。

実施例

0018

一実施の形態におけるストッパSは、図1に示すように、フレーム1と、フレーム1によって前後方向へ往復動可能に保持される可動部材2と、フレーム1に対して可動部材2を前進させる方向へ附勢する第一附勢部3と、可動部材2のフレーム1に対する後退を規制する規制装置4とを備えて構成されている。

0019

また、ストッパSは、図2に示すように、鉄道車両における台車Wにフレーム1を取付けて鉄道車両に設置されており、可動部材2は、フレーム1から最大に離間した状態で車体Bから垂下される中心ピンPに所定間隔を空けて対向している。ストッパSは、通常時には、車体Bが台車Wに対して変位して中心ピンPに可動部材2が衝合すると、規制装置4によって可動部材2の後退が規制されて車体Bの台車Wに対するそれ以上の同方向への変位を規制する。他方、ストッパSは、大きな地震が発生して車体Bが振動して中心ピンPから可動部材2にこれを後退させる方向へ押圧する荷重が所定荷重以上となると規制装置4が可動部材2のフレーム1に対する後退を許容し、車体Bの台車Wに対する変位限界が拡大する。

0020

以下、詳細に説明すると、フレーム1は、筒状であって、一端が蓋5によって閉塞されており、開口側の端部にはフランジ1aが設けられている。さらに、フレーム1の側部には、複数個所にフレーム1の中心を向く孔1bが設けられるとともに、この孔1bを取り囲むようにして設けられた筒状のハウジング1cが設けられている。

0021

可動部材2は、本例では、中心ピンPに対向する基部2aと、基部2aの中心ピンP側に設けたストッパゴム2bと、基部2aの反中心ピン側に設けられてフレーム1内に摺動自在に挿入される筒所のシリンダ2cとを備えている。

0022

シリンダ2cは、図1中右端の外径小径となっており、外周に段部2dを備えるとともに、図1中右端の内径が小径となっていて、シリンダ2c内に挿入されるロッド11の外周を軸支するガイド部2eを備えている。

0023

そして、シリンダ2c内には、フリーピストン10が摺動自在に挿入されている。フリーピストン10は、シリンダ2c内を気室Gと作動室WRとに区画している。また、シリンダ2c内には、フレーム1における蓋5から延びるロッド11が移動自在に挿入されるとともに、ロッド11の先端に連結されるピストン12が摺動自在に挿入されている。ロッド11は、前述のガイド部2eによって移動可能に軸支されており、シリンダ2cに対する軸方向の移動が案内されている。ピストン12は、シリンダ2c内の作動室WRを図1中で右方の伸側室R1と図1中で左方の圧側室R2とに区画しており、これら伸側室R1と圧側室R2には流体として作動油充填されている。また、シリンダ2cのガイド部2eの内周にはロッド11の外周に摺接する環状のシール部材2fが設けられており、ロッド11とシリンダ2cとの間が密にシールされている。また、気室G内には、常時大気圧以上の圧力になるように気体封入されている。

0024

ピストン12には、途中にオリフィス13aを備えて伸側室R1と圧側室R2とを連通するとともに通過する流体の流れに抵抗を与える抵抗通路13と、途中に逆止弁14aを備えて圧側室R2から伸側室R1へ向かう流体の流れのみを許容する一方通行の通路14とを備えている。

0025

このように構成された可動部材2は、本例では、フレーム1に設けられたロッド11とピストン12とともに可動部材遅延装置として機能する単筒型ガススプリングGSを構成している。このガススプリングGSは、ピストン12の一方にのみロッド11が設けられているガススプリングとされ、気室G内に封入される気体の圧力によって作動室WRが大気圧以上に加圧されている。ピストン12の伸側室R1側の受圧面積より圧側室R2側の受圧面積が大きいので、気室Gによって加圧された圧力によって、常に、ロッド11をシリンダ2cから退出させる方向の力が生じており、ガススプリングGSは伸長方向に附勢される。つまり、常に、可動部材2は、フレーム1に対して前進方向となる図1中左方側へ附勢されている。よって、本例では、気室Gは、伸側室R1と圧側室R2を大気圧以上で加圧する加圧部として機能しており、このように伸側室R1と圧側室R2を大気圧以上で加圧するとガススプリングGSが伸長方向の附勢力を発揮するので、可動部材遅延装置が可動部材2をフレーム1に対して前進させる方向へ附勢する第一附勢部3としても機能する。以上より、ガススプリングGSは、外力を受けない状態では、ピストン12がシリンダ2cにおけるガイド部2eの左端面に当接して伸側室R1を最圧縮する図1に示す最伸長状態に維持される。そして、ガススプリングGSが最伸長する状態では、可動部材2がフレーム1から最大限に外方へ突出した状態となり、シリンダ2cにおける段部2dがフレーム1に設けた孔1bよりも図1左方へ配置される。

0026

また、可動部材2がフレーム1に対して後退する方向である図1右方へ移動する場合、ガススプリングGSが収縮してピストン12によって圧縮される圧側室R2の作動油が逆止弁14aを開いて伸側室R1へ移動する。よって、ガススプリングGSが収縮する場合、圧側室R2内の作動油は、ほとんど抵抗なく通路14を通過して伸側室R1へ移動するので、規制装置4から収縮を制限されない状態ではガススプリングGSは速やかに収縮作動できる。なお、ロッド11がシリンダ2c内へ侵入する体積についてはフリーピストン10が図1中左方へ移動して気室Gの容積を減少させて補償する。また、ガススプリングGSが最収縮すると、可動部材2における基部2aがフレーム1のフランジ1aに当接して、荷重を受けるようになっている。

0027

これに対して、可動部材2がフレーム1に対して前進する方向である図1中左方へ移動する場合、ガススプリングGSが伸長してピストン12によって圧縮される伸側室R1の作動油がオリフィス13aを有する抵抗通路13を通過して圧側室R2へ移動する。よって、ガススプリングGSが伸長する場合、伸側室R1内の作動油は、大きな抵抗を受けて抵抗通路13を通過して圧側室R2へ移動するので、ガススプリングGSは非常に低速で伸長作動する。なお、ロッド11がシリンダ2c内から退出する体積についてはフリーピストン10が図1中右方へ移動して気室Gの容積を拡大させて補償する。つまり、可動部材2は、フレーム1に対して後退する方向へは速やかに後退できるが、フレーム1に対して前進する方向へは低速でしか前進できない。このように、本例では可動部材遅延装置は、可動部材2に設けたシリンダ2cと、フレーム1に設けられてシリンダ2c内に出入りするロッド11と、シリンダ2c内に摺動自在に挿入されるとともにロッド11に連結されてシリンダ2c内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン12と、伸側室R1と圧側室R2とを連通するとともに通過する流体の流れに抵抗を与える抵抗通路13と、圧側室R2から伸側室R1へ向かう流体の流れのみを許容する通路14とで構成されている。

0028

つづいて、規制装置4は、ハウジング1c内に挿通されてフレーム1における孔1bのそれぞれに摺動自在に挿入されるとともにフレーム1内に突出する係止部材としての複数のピン20と、ハウジング1cの後端を閉塞するばね受21と、ハウジング1c内に収容されるとともにピン20の後端とばね受21との間に介装される第二附勢部としてのコイルばね22とを備えている。よって、係止部材としてのピン20は、孔1bによって移動が案内されて可動部材2の移動方向に対して直交する方向へ移動できるようになっており、コイルばね22の附勢力で常に先端がフレーム1内に突出する方向に附勢されている。なお、第二附勢部は、コイルばね22以外にも弾性体エアばねとされてもよい。

0029

そして、ガススプリングGSが最伸長して可動部材2がフレーム1から最大限に外方へ突出した状態では、ピン20の先端が孔1bを介してフレーム1内に突出して、シリンダ2cにおける段部2dの図1中右側に位置してガイド部2eの外周面に当接するようになっている。

0030

よって、車体Bが台車Wに対して振動して、中心ピンPから外力を受けて可動部材2が図1中右方へ押されると、ピン20が段部2dに当接して、ガススプリングGSの収縮を阻止するので、可動部材2のフレーム1に対する後退が規制される。可動部材2に後退方向に作用する荷重は、各ピン20がフレーム1によって不動に支持されているため、ピン20にせん断力として作用する。

0031

また、前記外力による可動部材2をフレーム1に対して図1中右方へ後退させる荷重が所定荷重以上となると、全てのピン20が前記せん断力によって破断して、可動部材2の段部2dが孔1bを超えてフレーム1に対して後退できるようになる。このように、規制装置4は、可動部材2をフレーム1に対して後退させる荷重が所定荷重以上となると可動部材2の後退を許容するが、前記荷重が所定荷重未満の場合、ピン20が破断しないので可動部材2の後退が阻止される。所定荷重は、地震が発生していない平常時において発生し得る荷重よりも大きな値に設定されており、地震時以外では規制装置4は可動部材2の後退を阻止する。他方、地震が発生して車体Bが大きく振動して可動部材2を押圧する場合には、ピン20が破断して規制装置4が可動部材2の後退を許容するようになっている。

0032

ピン20は、第二附勢部としてのコイルばね22に附勢されているが、可動部材2が後退した後で可動部材2がフレーム1に対して段部2dが孔1bを超える位置へ前進するまでは、孔1bがシリンダ2cの側面に対向しているため、フレーム1内へ突出できない。可動部材2は、フレーム1に対して後退した後に、荷重が作用しなくなると、第一附勢部3によってフレーム1に対して前進に転じるが、その前進速度は前述したように非常に低速となる。そして、可動部材2がフレーム1に対して前進して段部2dが孔1bを超える位置まで到達すると、コイルばね22に附勢されて破断されたピン20の先端がガイド部2eの外周に当接するまでフレーム1内に突出して段部2dの図1中右方に配置される。すると、可動部材2は、ピン20によって再度フレーム1に対する後退が阻止される状態となる。なお、ピン20の長さは、本例では、前述のように複数回破断しても、ガススプリングGSが最伸長して可動部材2がフレーム1に対して元の位置に戻ると可動部材2の後退を規制できるだけの長さに設定されている。ピン20の長さの設定は、任意であるが、少なくとも、一回破断した後に、再度、フレーム1内に突出して可動部材2の後退を規制できる長さに設定される。

0033

このように構成されたストッパSでは、車体Bが台車Wに対して変位して中心ピンPが可動部材2のストッパゴム2bに衝合する際に可動部材2を後退させる荷重が所定荷重未満であると、規制装置4が可動部材2のフレーム1に対する後退を規制する。よって、このように、可動部材2に作用する荷重が規制装置4で可動部材2のフレーム1に対する後退を規制できる荷重である場合、ストッパSは、車体Bの台車Wに対するそれ以上の同方向への変位を規制するストッパ機能を発揮する。これに対して、地震が発生して車体Bが台車Wに対して大きく振動して、中心ピンPが可動部材2をフレーム1に対して後退させる方向へ押す荷重が所定荷重以上となると規制装置4が可動部材2の後退を許容する。

0034

よって、地震発生時には、ストッパSが車体Bの台車Wに対する変位限界を平常時に比して大きくして車体Bの変位を許容するようになるので、鉄道車両の脱線が防止される。そして、可動部材2がフレーム1に対して後退した後に、前進して元の位置へ戻ると規制装置4が可動部材2のフレーム1に対する後退を規制する。以上より、本発明のストッパSは、地震時には車体Bの台車Wに対する大きな変位を許容して脱線を防止できるとともに地震後にはストッパ機能を自動復帰させ得る。また、地震が終息した後に車両を移動させる場合であっても、ストッパSが自動復帰するので、曲線走行時の遠心力による車体Bの台車Wに対する移動量が車両限界を超える懸念もなくなる。よって、地震による地上設備の損傷がない場合には、鉄道車両は通常の運行速度走行できる。

0035

また、本例のストッパSにあっては、可動部材2が後退した後の前進を遅延させる可動部材遅延装置を備え、規制装置4がフレーム1に設けられて可動部材2の当接可能なピン(係止部材)20と、ピン(係止部材)20を可動部材2に向けて附勢するコイルばね(第二附勢)22を備えて構成されている。よって、本例のストッパSにあっては、可動部材2がフレーム1に対して後退すると、可動部材遅延装置が機能して可動部材2のフレーム1に対する前進を遅延させる。このようにすれば、地震発生中に、何度も規制装置4が可動部材2の後退を規制する状態とならず、ストッパSが車体Bの台車Wに対する変位限界を大きくする状態に維持されて、鉄道車両の脱線を効果的に阻止できる。また、一回の地震の発生中に何度もピン20が破断されてしまう事態を回避できる。そして、地震が終息すると、第一附勢部3によって可動部材2がフレーム1に対して前進して元の位置に戻されて、規制装置4が再度可動部材2のフレーム1に対する後退を規制するようになる。なお、可動部材2がフレーム1に対して前進して元の位置に戻るまでの時間は、オリフィス13aの設定によって任意に設定可能であり、地震発生中は元の位置に戻らない程度の時間に設定されるとよい。可動部材遅延装置は、本例では、流体圧を利用したガススプリングGSとなっているが、可動部材2の前進を遅延可能であればよいので、摩擦を利用する等、他の機構を採用してもよい。たとえば、摩擦を利用する場合、可動部材2がフレーム1に対して後退すると、可動部材2の外周がフレーム1に保持される摩擦部材に接触して前進を遅延させればよい。

0036

また、本例のストッパSは、係止部材がフレーム1に対して可動部材2の移動方向に直交する方向に移動可能に設けられて可動部材2に当接すると可動部材2の後退を規制するピン20であって、可動部材2を後退させる外力による荷重が所定荷重以上となるとピン20が破断されて可動部材2のフレーム1に対する後退を許容する。このように構成されたストッパSは、ピン20の長さを長くしておいて、複数回に亘ってピン20が破断しても可動部材2が元の位置に戻ると後退を規制できるので、ストッパ機能の自動復帰を簡単な構成で実現できる。また、ピン20をフレーム1側に設けるとピン20の交換に際してストッパSを分解せずとも交換できるが、ピン20を可動部材2に設けてもよい。この場合、たとえば、フレーム1の内周に周方向に沿って環状溝を形成し、この環状溝内挿入可能なピン20を係止部材として可動部材2に対して軸方向に直交する方向に移動可能に設け、ピン20を可動部材2の外周へ向けて附勢する第二附勢部を設ければよい。なお、ストッパSが可動部材2の後退を許容した後にストッパ機能を自動復帰できる回数は、ピン20の長さによって設定できる。

0037

また、係止部材としてのピン20は、複数ではなく、一つのみとされてもよい。ピン20を複数設置する場合、図3に示すように、ピン20のフレーム1への設置位置を軸方向にずらして配置してもよい。このようすると、平常時であって可動部材2が車体Bから受ける荷重が所定荷重未満である場合、可動部材2に接触するのは、全部のピン20ではなく一部のピン20となり、平常時に接触しないピン20の疲労を回避できるので、平常時に全てのピン20が疲労して破断してしまう事態を回避できる。また、メンテナンス時には、疲労したピンのみを交換すればよい。なお、図4に示すように、全部のピン20の幅を等しくするのではなく、異なる幅のピン20を使用する場合にも、平常時に可動部材2に接触するのは全部のピン20ではなく一部のピン20となる。よって、この場合も平常時に接触しないピン20の疲労を回避できるので、平常時に全てのピン20が疲労して破断してしまう事態を回避できる。

0038

なお、係止部材は、ピン20に限られず、また、規制装置4における可動部材2の後退の許容は係止部材の破断のみに限られない。たとえば、図5に示すように、可動部材2の外周に環状溝30を設けておき、フレーム1には、孔1bからばねで構成される第二附勢部31によって附勢されて先端が環状溝30内に突出する先端が球状の係止部材32としてもよい。この場合、係止部材32が環状溝30内に突出する状態では、可動部材2のフレーム1に対する後退が規制される。そして、外力を受けて可動部材2に所定荷重以上の荷重が作用すると、可動部材2によって係止部材32がフレーム1内から後退して孔1b内に押し込められて可動部材2の後退が許容される。可動部材2がフレーム1に対して前進して再び孔1bに環状溝30が対向する位置まで戻ると、係止部材32が再び環状溝30内に突出して再度可動部材2の後退を規制できる。また、係止部材32は、球体とされてもよく、また、係止部材32の先端形状は球状に限られず、円錐形状や、楔形といった可動部材2を後退させる力が作用した場合に、係止部材32が可動部材2に押されて後退できるような形状になっていればよい。

0039

さらに、図6に示すように、係止部材40がフレーム1に対してヒンジ41によって回転可能に連結されていて、係止部材40の先端がフレーム1内に設けた長孔1dからフレーム1内に突出する方向へ係止部材40の後端をばねで構成される第二附勢部42で附勢するようにしてもよい。このように規制装置4を構成すると、係止部材40を可動部材2の段部2dに当接させると第二附勢部42の附勢力で可動部材2のフレーム1に対する後退を規制できる。可動部材2に作用する荷重が所定荷重を超えると第二附勢部42の附勢力に抗して係止部材40がヒンジ41を中心として回転して、可動部材2の後退を許容する。可動部材2が後退してから前進してフレーム1に対して元の位置に戻ると、係止部材40が第二附勢部42の附勢力でフレーム1内に突出して、可動部材2の後退を規制できる。なお、第二附勢部31,42は、前述のばねやゴム等といった弾性体或いはエアばねで構成されればよい。

0040

また、本例のストッパSでは、可動部材遅延装置が可動部材2に設けたシリンダ2cと、フレーム1に設けられてシリンダ2c内に出入りするロッド11と、シリンダ2c内に摺動自在に挿入されるとともにロッド11に連結されてシリンダ2c内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン12と、伸側室R1と圧側室R2とを連通するとともに通過する作動油の流れに抵抗を与える抵抗通路13と、圧側室R2から伸側室R1へ向かう作動油の流れのみを許容する通路14とを備えて構成されている。このようにストッパSが構成されると、流体圧を利用して容易に可動部材2の前進を遅延させ得るとともに、抵抗通路13が流体の流れに与える抵抗のチューニングによって、可動部材2がフレーム1に対して後退後に前進して元の位置に戻るまでの時間を容易に設定できる。なお、本例では、抵抗通路13には、オリフィスを設けて流体の流れに抵抗を与えているが、流体の流れに抵抗を与えればよいのでオリフィス以外の弁要素を利用できる。また、通路14にオリフィス等の流体の通過に抵抗を与える弁要素を設けて可動部材2がフレーム1に対して後退する際に、ストッパSが車体Bの振動を減衰させる減衰力を与えるようにしてもよい。

0041

さらに、本例のストッパSでは、可動部材遅延装置がシリンダ2c内の伸側室R1と圧側室R2を大気圧以上で加圧する気室(加圧部)Gを備えており、ロッド11が伸側室R1のみに挿通されるガススプリングGSとされているので、この可動部材遅延装置が第一附勢部3としても機能する。このように構成されるストッパSは、可動部材遅延装置に第一附勢部3としての機能を集約できるので、別途、可動部材2をフレーム1に対して前進方向へ附勢する手段を設ける必要がなく、部品点数を少なくでき、安価となる。また、作動室WR内、つまり、伸側室R1と圧側室R2に充填される流体は、本例では、作動油とされているが、他の液体とされてもよいし、気室Gを設けない場合、シリンダ2cの全部を作動室WRとして、ガススプリングGSの最伸長時に少なくとも大気圧以上となるように作動室WRに気体を封入してもよい。ただし、作動油を利用する場合、ガススプリングGSのシールが容易で長期間の利用にも適するという利点がある。また、本例では、可動部材2とフレーム1とで単筒型のガススプリングGSを形成しているが、シリンダ2cの外周側に気室Gを設けた復筒型のガススプリングGSを用いてもよい。

0042

なお、前述の可動部材遅延装置の構造はそのままに気室G内に封入する気体の圧力を低くして可動部材遅延装置をガススプリングGSとして機能させずに、伸長作動時にのみ減衰力を発揮する片効きダンパDとして機能させる場合、図7に示すように、第一附勢部3としてばね或いは弾性体をシリンダ2cと蓋5との間に介装するようにしてもよい。この場合、気室Gは、ダンパDを積極的に伸長させて可動部材2を前進方向へ附勢するのを主目的として設けられるのではなく、ダンパDの伸縮時のロッド11のシリンダ2c内に出入りする体積の補償をする機能を主たる目的として設けられる。このように可動部材遅延装置をダンパDとして、第一附勢部3をシリンダ2cと蓋5との間に介装するばね或いは弾性体とする場合、ダンパD内の圧力が高圧とならないのでシールが容易となり、より長期間の使用に耐えうる。なお、可動部材遅延装置をダンパDとする場合であっても、作動室WR内、つまり、伸側室R1と圧側室R2に充填される流体は、作動油以外の液体とされてもよいし、気室Gを設けない場合、シリンダ2cの全部を作動室WRとして作動室WRに気体を封入してもよい。この場合にも、抵抗通路13には、オリフィス以外の弁要素を利用でき、また、通路14にオリフィス等の流体の通過に抵抗を与える弁要素を設けてもよい。また、第一附勢部3は、フレーム1と可動部材2との間に形成される空間(シリンダ2c、フレーム1および蓋5で区画される空間)を密閉する場合には、ばね或いは弾性体の代わりに前記空間内に気体を封入したエアばねとしてもよい。また、ダンパDは、両ロッド型に設定されてもよい。

0043

前述したところでは、ストッパSは、可動部材遅延装置を備えているが、規制装置4における第二附勢部を廃止して、地震が終息した後に係止部材をフレーム1内に突出させる駆動手段を設ける方法も採用できる。駆動手段は、アクチュエータの他、係止部材に圧力を作用させてフレーム1内に突出させるものが採用できる。

0044

以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、および変更が可能である。

0045

1・・・フレーム、2・・・可動部材、2c・・・シリンダ、3・・・第一附勢部、4・・・規制装置、11・・・ロッド、12・・・ピストン、13・・・抵抗通路、14・・・通路、20・・・ピン(係止部材)、22・・・コイルばね(第二附勢部)、31,42・・・第二附勢部、32,40・・・係止部材、G・・・気室(加圧部)、R1・・・伸側室、R2・・・圧側室、S・・・ストッパ

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