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技術 半導体製品の製造用の薬液を流動させる際に薬液と接触する複合成形品

出願人 サンフロロシステム株式会社
発明者 矢野真一川口光宜勝部俊之
出願日 2019年3月20日 (1年3ヶ月経過) 出願番号 2019-053585
公開日 2019年9月12日 (9ヶ月経過) 公開番号 2019-151111
状態 未査定
技術分野 プラスチック等のライニング、接合 大型容器 型の被覆による成形、強化プラスチック成形
主要キーワード パッキンシート 部材表 グローブバルブ バケットコンベアー 流通機構 接液側 小分け包装 CAE解析
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

液体気体、又は粉粒体である絶縁性物質流動させる際に、絶縁性物質と接触する部材であって、絶縁破壊を起こしにくい複合成形品と、当該複合成形品からなる配管内又は槽内をライニングするためのシートを用いた、流通機構、槽、及び装置と、接液部の表面の一部が前述の複合成形品からなる貯槽と、当該貯槽を用いる有機溶剤貯留方法とを提供すること。

解決手段

マトリックス樹脂と、マトリックス樹脂中に分散された導電性材料とを、含む樹脂組成物を、液体、気体、又は粉粒体である絶縁性物質を流動させる際に、絶縁性物質と接触する部材として用いる。

概要

背景

従来、有機溶剤或いは超純水過酸化水素水に代表される絶縁性流動性材料が、貯槽等に貯留された後、エアーガスポンプ等を用いて配管を経由して、化学反応装置洗浄装置充填包装設備等の種々の装置に供給されている。

かかる装置において、装置の腐食摩耗の防止、流動性材料への不純物溶出・付着等の防止の目的等で、装置内の絶縁性の流動性材料と接触する部位にライニングが施されることが多い。

特に、半導体装置の製造においては極めて純度の高い薬液の使用が要求される。このため、半導体装置の製造用の薬液を貯留するタンクや配管には、金属等の不純部の溶出を抑制するために化学薬品や有機溶剤等への耐久性にすぐれる樹脂材料によりライニングされることが多い。

半導体装置の製造用に用いられる薬液を貯留するタンクとしては、例えば、特許文献1に、金属缶体内面に、接液側フッ素樹脂からなるライニングシート材を設けるとともに、ライニングシート材の裏側に汎用樹脂ライニング材を設けて、2層ライニングを施工することが提案されている。特許文献1には、フッ素樹脂からなるライニングシートにカーボンクロス熱溶着して使用することも提案されている。

概要

液体気体、又は粉粒体である絶縁性物質流動させる際に、絶縁性物質と接触する部材であって、絶縁破壊を起こしにくい複合成形品と、当該複合成形品からなる配管内又は槽内をライニングするためのシートを用いた、流通機構、槽、及び装置と、接液部の表面の一部が前述の複合成形品からなる貯槽と、当該貯槽を用いる有機溶剤の貯留方法とを提供すること。マトリックス樹脂と、マトリックス樹脂中に分散された導電性材料とを、含む樹脂組成物を、液体、気体、又は粉粒体である絶縁性物質を流動させる際に、絶縁性物質と接触する部材として用いる。

目的

本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであって、液体、気体、又は粉粒体である絶縁性物質を流動させる際に、絶縁性物質と接触する部材であって、絶縁破壊を起こしにくく、且つ絶縁性物質に対して異物を発生させにくい部材と、当該部材又は当該部材を含む配管内又は槽内をライニングするためのシートを用いた、流通機構、槽、及び装置と、接液部の表面の一部が前述の部材からなる貯槽と、当該貯槽を用いる有機溶剤或いは超純水、過酸化水素水、特に半導体製造用の有機溶剤或いは超純水、過酸化水素水の貯留方法と、前述の貯槽で貯留された有機溶剤或いは超純水、過酸化水素水を用いる半導体製品の製造方法と、を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

半導体製品製造用薬液流動させる際に、前記薬液と接触する複合成形品であって、前記複合成形品が、マトリックス樹脂と、マトリックス樹脂中に分散された導電性材料とを、含む樹脂組成物からなる部材からなる導電部と、前記導電性材料を含まない熱可塑性樹脂、又は熱可塑性樹脂組成物からなる溶接部とを備え、前記マトリックス樹脂がフッ素樹脂であり、前記導電性材料がナノカーボン材料であり、前記樹脂組成物中の前記導電性材料の含有量が1質量%以下であり、前記部材の体積抵抗率が106Ω・cm以下であり、300℃以上の熱風を吹き付け、テトラフルオロエチレンと1−パーフルオロアルコキシ−1,2,2−トリフルオロエチレンとの共重合体からなる溶接材溶融させることにより部材の溶接を行うる場合に、溶接速度50mm/分以上300mm/分以下で溶接可能である、複合成形品。

請求項2

前記導電性材料が、金属又は金属化合物を含まない材料である、請求項1に記載の複合成形品。

請求項3

前記ナノカーボン材料が、カーボンナノチューブである、請求項1又は2に記載の複合成形品。

請求項4

前記マトリックス樹脂の引張強度が、12.5MPa以上であり、前記マトリックス樹脂の引張伸びが、200%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合成形品。

請求項5

前記カーボンナノチューブの繊維長が、100〜1000μmである、請求項3に記載の複合成形品。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合成形品からなり、連結管、管末端アダプター、及びガスケットのいずれかである複合成形品。

請求項7

前記溶接部同士を溶接することを含む、請求項1〜5のいずれか1項7に記載の複合成形品の接合方法

請求項8

半導体製品の製造用の薬液を流通させる流通機構であって、前記薬液と接触する面の少なくとも一部が、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合成形品からなる、流通機構。

請求項9

半導体製品の製造用の薬液を貯留、又は撹拌する槽であって、前記薬液と接触する面の少なくとも一部が、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合成形品からなる、槽。

請求項10

請求項8に記載の流通機構、及び請求項9に記載の槽の少なくとも一方を備える装置。

請求項11

請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合成形品からなるシートであって、前記シートの外縁部の少なくとも一部が前記溶接部である、配管内、又は槽内をライニングするためのシート。

請求項12

請求項11に記載の前記シートでライニングされており、複数の前記シートが、前記溶接部同士を溶接することにより接合されているライニング層を備える、配管、又は槽。

請求項13

請求項12に記載の配管、又は槽を用いて、半導体製品の製造用の薬液を流通、撹拌、又は貯留する方法。

請求項14

タンク本体と、ピットと、前記タンク本体に挿入される滴下管とを備える絶縁性液体を貯留する貯槽であって、前記ピットが、前記タンク本体の内側に配置され、前記滴下管が、前記滴下管の一端が、前記ピットが備える開口部に近接して位置するように配置され、前記タンク本体、前記ピット、及び前記滴下管から選択される少なくとも1つの、前記絶縁性の液体と接触する表面の少なくとも一部が請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合成形品からなる、貯槽。

請求項15

前記ピットの、前記薬液と接触する表面の少なくとも一部が請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合成形品からなる、請求項14に記載の貯槽。

請求項16

前記複合成形品が、請求項3に記載の複合成形品である請求項14又は15に記載の貯槽。

請求項17

前記薬液が有機溶剤である、請求項14〜16のいずれか1項に記載の貯槽。

請求項18

請求項17に記載の貯槽に半導体製品の製造用の有機溶剤を貯留する、半導体製品の製造用の有機溶剤の貯留方法

技術分野

0001

本発明は、絶縁性物質流動させる際に、絶縁性物質と接触する部材と、当該部材又は当該部材を含む配管内又は槽内をライニングするためのシートを用いた、流通機構、槽、及び装置と、接液部の表面の一部が前述の部材からなる貯槽と、当該貯槽を用いる有機溶剤或いは超純水過酸化水素水、特に半導体製造用の有機溶剤或いは超純水、過酸化水素水の貯留方法と、前述の貯槽で貯留された有機溶剤或いは超純水、過酸化水素水を用いる半導体製品の製造方法とに関する。

背景技術

0002

従来、有機溶剤或いは超純水、過酸化水素水に代表される絶縁性流動性材料が、貯槽等に貯留された後、エアーガスポンプ等を用いて配管を経由して、化学反応装置洗浄装置充填包装設備等の種々の装置に供給されている。

0003

かかる装置において、装置の腐食摩耗の防止、流動性材料への不純物溶出・付着等の防止の目的等で、装置内の絶縁性の流動性材料と接触する部位にライニングが施されることが多い。

0004

特に、半導体装置の製造においては極めて純度の高い薬液の使用が要求される。このため、半導体装置の製造用の薬液を貯留するタンクや配管には、金属等の不純部の溶出を抑制するために化学薬品や有機溶剤等への耐久性にすぐれる樹脂材料によりライニングされることが多い。

0005

半導体装置の製造用に用いられる薬液を貯留するタンクとしては、例えば、特許文献1に、金属缶体内面に、接液側フッ素樹脂からなるライニングシート材を設けるとともに、ライニングシート材の裏側に汎用樹脂ライニング材を設けて、2層ライニングを施工することが提案されている。特許文献1には、フッ素樹脂からなるライニングシートにカーボンクロス熱溶着して使用することも提案されている。

先行技術

0006

特開平8−80996号公報

発明が解決しようとする課題

0007

特許文献1に記載されるライニング材では、フッ素樹脂からなるライニングシート材にピンホールクラックが発生した場合でも、金属缶体から薬液へ金属が溶出しないように、汎用樹脂ライニング材が設けられている。
しかし、特許文献1に記載されるようにライニングされたタンクでは、フッ素樹脂からなるライニングシート材にピンホールやクラックが発生した場合に、短期的には、薬液への金属の溶出を防げても、長期的には、金属の溶出を招く可能性が高い。
それは、汎用樹脂の薬液への耐性が、一般的に低いためである。ピンホールやクラックが発生した個所から、汎用樹脂からなるライニングシート材へ薬液が浸透し、その結果、汎用樹脂からなるライニングシート材が薬液に侵されてしまう。

0008

このため、ライニングシート材について、根本的なピンホールやクラックの発生の低減が求められる。
ここで、薬液が有機溶剤或いは超純水、過酸化水素水のような絶縁性の流動性材料である場合、ピンホールやクラックの発生の主な原因としては、ライニング材と、流動する流動性材料との接触により生じる静電気の蓄積による静電破壊が挙げられる。
ライニング材の静電破壊は、薬液等への不純物の溶出を招くばかりではなく、破壊の程度がひどい場合には、ライニング材の剥離の一因となる点でも問題である。

0009

また、ライニング材には、ライニングが接触する流動性材料に対して、異物を発生させにくいことも要求される。

0010

本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであって、液体気体、又は粉粒体である絶縁性物質を流動させる際に、絶縁性物質と接触する部材であって、絶縁破壊を起こしにくく、且つ絶縁性物質に対して異物を発生させにくい部材と、当該部材又は当該部材を含む配管内又は槽内をライニングするためのシートを用いた、流通機構、槽、及び装置と、接液部の表面の一部が前述の部材からなる貯槽と、当該貯槽を用いる有機溶剤或いは超純水、過酸化水素水、特に半導体製造用の有機溶剤或いは超純水、過酸化水素水の貯留方法と、前述の貯槽で貯留された有機溶剤或いは超純水、過酸化水素水を用いる半導体製品の製造方法と、を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、マトリックス樹脂と、マトリックス樹脂中に分散された導電性材料とを、含む樹脂組成物を、液体、気体、又は粉粒体である絶縁性物質を流動させる際に、絶縁性物質と接触する部材として用いることにより上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。

0012

(1)液体、気体、又は粉粒体である絶縁性物質を流動させる際に、絶縁性物質と接触する部材であって、
マトリックス樹脂と、マトリックス樹脂中に分散された導電性材料とを、含む樹脂組成物からなる、部材。

0013

(2)導電性材料が、金属又は金属化合物を含まない材料である、(1)に記載の部材。

0014

(3)導電性材料が、ナノカーボン材料を含む、(1)又は(2)に記載の部材。

0015

(4)ナノカーボン材料が、カーボンナノチューブである、(3)に記載の部材。

0016

(5)マトリックス樹脂の引張強度が、12.5MPa以上であり、マトリックス樹脂の引張伸びが、200%以上である、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の部材。

0017

(6)マトリックス樹脂がフッ素樹脂である、(1)〜(5)のいずれか1つに記載の部材。

0018

(7)導電性材料がカーボンナノチューブである、(6)に記載の部材。

0019

(8)樹脂組成物中の、導電性材料の含有量が20質量%以下である、(1)〜(7)のいずれか1つに記載の部材。

0020

(9)液体、気体、又は粉粒体である絶縁性物質を流通させる流通機構であって、絶縁性物質と接触する面の少なくとも一部が、(1)〜(8)のいずれか1つに記載の部材からなる、流通機構。

0021

(10)液体、気体、又は粉粒体である絶縁性物質を貯留、又は撹拌する槽であって、前記絶縁性物質と接触する面の少なくとも一部が、(1)〜(8)のいずれか1つに記載の部材からなる、槽。

0022

(11)(9)に記載の流通機構、及び(10)に記載の槽の少なくとも一方を備える装置。

0023

(12)(1)〜(8)のいずれか1つに記載の部材を含む、配管内、又は槽内をライニングするためのシート。

0024

(13)(12)に記載の前記シートでライニングされた、配管、又は槽。

0025

(14)(13)に記載の配管、又は槽を用いて、液体、気体、又は粉粒体である絶縁性物質を流通、撹拌、又は貯留する方法。

0026

(15)タンク本体と、ピットと、タンク本体に挿入される滴下管とを備える絶縁性の液体を貯留する貯槽であって、
ピットが、タンク本体の内側に配置され、
滴下管が、滴下管の一端が、ピットが備える開口部に近接して位置するように配置され、
タンク本体、ピット、及び滴下管から選択される少なくとも1つの、絶縁性の液体と接触する表面が(1)〜(8)のいずれか1つに記載の部材からなる、貯槽。

0027

(16)ピットの、絶縁性の液体と接触する表面が(1)〜(8)のいずれか1つに記載の部材からなる、(15)に記載の貯槽。

0028

(17)部材が、(7)に記載の部材である(15)又は(16)に記載の貯槽。

0029

(18)絶縁性の液体が有機溶剤である、(15)〜(17)のいずれか1つに記載の貯槽。

0030

(19)絶縁性の液体が半導体製品の製造用の有機溶剤である、(15)〜(17)のいずれか1つに記載の貯槽。

0031

(20)(18)に記載の貯槽に有機溶剤を貯留する、有機溶剤の貯留方法。

0032

(21)(19)に記載の貯槽に半導体製品の製造用の有機溶剤を貯留する、半導体製品の製造用の有機溶剤の貯留方法。

0033

(22)(21)に記載の方法で貯留された前記有機溶剤を用いる、半導体製品の製造方法。

発明の効果

0034

本発明によれば、液体、気体、又は粉粒体である絶縁性物質を流動させる際に、絶縁性物質と接触する部材であって、絶縁破壊を起こしにくく、且つ絶縁性物質に対して異物を発生させにくい部材と、当該部材又は当該部材を含む配管内又は槽内をライニングするためのシートを用いた、流通機構、槽、及び装置と、接液部の表面の一部が前述の部材からなる貯槽と、当該貯槽を用いる有機溶剤或いは超純水、過酸化水素水、特に半導体製造用の有機溶剤或いは超純水、過酸化水素水の貯留方法と、前述の貯槽で貯留された有機溶剤を或いは超純水、過酸化水素水用いる半導体製品の製造方法と、を提供することができる。

図面の簡単な説明

0035

絶縁性の液体を貯留する貯槽の断面を模式的に示す図である。

0036

≪部材≫
以下説明する部材は、液体、気体、又は粉粒体である絶縁性物質を流動させる際に、絶縁性物質と接触する部材である。
かかる部材について、流動する絶縁性物質との接触した際に静電気が発生し、発生した静電気の蓄積による絶縁破壊が生じやすい。
しかし、後述する所定の成分を含む部材では、流動する絶縁性物質との接触による絶縁破壊の発生が抑制される。

0037

部材は、マトリックス樹脂と、マトリックス樹脂中に分散された導電性材料とを、含む樹脂組成物からなる。

0038

<絶縁性物質>
前述の通り部材は、液体、気体、又は粉粒体である絶縁性物質を流動させる際に、絶縁性物質と接触する部材である。
ここで、液体又は粉粒体についての絶縁性物質は、一般的に絶縁性物質であると認識されている物質であれば特に限定されない。典型的には、絶縁性の液体又は粉粒体は、体積抵抗率が107Ω・cm以上、さらには1010Ω・cm以上である物質からなるのが好ましい。
また、気体は、通常絶縁体である。気体については、気体を構成する分子が近接して存在しないため、気体中の自由電子等の移動も困難であるためである。

0039

なお、絶縁性物質は、液体、気体、及び粉粒体から選択される2種以上を含んでいてもよい。例えば、絶縁性の液体が絶縁性の気体の気泡を含んでいてもよく、絶縁性の液体が絶縁性の粉粒体を含んでいてもよく、絶縁性の気体が絶縁性の液体の液滴や、絶縁性の微粉体を含んでいてもよい。

0040

絶縁性の液体の例としては、典型的には、超純水や過酸化水素水や有機溶剤やシリコーンオイル等が挙げられる。
絶縁性の気体の例としては、乾燥空気や、水素窒素酸素炭酸ガスヘリウムエチレンアセチレン、及び燃料として使用される種々のガス類等が挙げられる。
絶縁性の粉粒体の例としては、有機化成品粉末樹脂ペレットガラス繊維ガラス粉末セラミック粉末穀物小麦粉等の穀粉末、動物用飼料デンプン等の多糖類ショ糖等の低分子の糖類、及び木質粉等が挙げられる。
なお、絶縁性物質は、上記の具体例になんら限定されない。

0041

絶縁性物質は、特に好ましくは、半導体製品の製造用の薬液である。かかる薬液としては、典型的には超純水や過酸化水素水や有機溶剤である。半導体製品の製造に用いられる有機溶剤の具体例については、詳細に後述する。

0042

<導電性材料>
導電性材料は、一般的に導電性を有すると認識されている材料であれば特に限定されない。導電性材料は、有機材料であっても、無機材料であってもよい。
マトリックス樹脂中に、導電性材料を分散させることにより、体積抵抗率の低い部材を与える樹脂組成物が得られる。
マトリックス樹脂と、導電性材料とを含む樹脂組成物からなる部材の体積抵抗率は典型的には、107Ω・cm以下が好ましく、106Ω・cm以下がより好ましく、104Ω・cm以下がさらに好ましく、103Ω・cm以下がさらにより好ましく、102Ω・cm以下が特に好ましい。部材の体積抵抗率の下限は特に限定されないが、例えば、0Ω・cm超であり、10Ω・cm超であってもよい。

0043

無機材料としては、例えば、金属粉や、金属繊維を用いることができる。
金属粉としては、例えばアトマイズ法により製造される、平均粒子径100μm以下、好ましくは平均粒子径50μm以下の金属微粉末が好ましい。
金属繊維としては、銀ナノワイヤー等に代表される金属ナノ繊維材料が好ましい。
金属ナノワイヤー繊維径は、例えば、200nm以下が好ましく、10〜100nmがより好ましい。金属ナノワイヤーの繊維長は、5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。

0044

ただし、部材と接触する絶縁性材料の種類によっては、絶縁性材料への金属の溶出や、付着を避ける必要がある場合がある。典型的には、絶縁性材料が半導体製品の製造用の有機溶剤或いは超純水、過酸化水素水である場合、有機溶剤或いは超純水、過酸化水素水への金属の溶出を避ける必要がある。
このため、絶縁性材料は、金属、又は金属化合物を含まない材料であるのが好ましい。

0045

また、無機材料としては、導電性の炭素材料も好ましい、なお、炭素材料の中には、少量の有機基を含むものもあるが、主骨格に有機基を含まない炭素材料については、本明細書では無機材料として記載する。
かかる炭素材料としては、カーボンブラック炭素繊維グラファイトや、カーボンナノ材料が挙げられる。

0046

炭素材料の中では、少量の使用で部材の体積抵抗値を所望する程度に下げやすいことや、金属をほとんど含まず、絶縁性物質に金属を溶出させたり付着させたりしにくいことから、ナノカーボン材料が好ましい。
ナノカーボン材料としては、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーングラフェンナノグラファイトフラーレン、及びカーボンナノコイルからなる群より選択される1種以上が好ましい。これらの中では、入手が容易であることや、部材表面からの脱落しにくいことからカーボンナノチューブが好ましい。カーボンナノチューブは多層カーボンナノチューブでも、単層カーボンナノチューブでもよい。
カーボンナノチューブの短径(繊維径)は特に限定されないが、1〜50nmが好ましく、3〜30nmがより好ましく、5〜20nmが特に好ましい。カーボンナノチューブの長径としては、例えば、5nm〜10μmや、7nm〜5μmや、10nm〜1μmが挙げられる。
カーボンナノチューブは、例えば100〜1000μm程度、好ましくは150〜600μmや、200〜500μmの繊維長を有する繊維状であってもよい。

0047

有機材料としては、例えば、導電性の高分子材料を用いることができる。高分子材料を導電性材料として用いる場合、マトリックス樹脂が海成分であり、導電性の高分子材料が島成分である海島構造の樹脂組成物を、部材の材料として用いる。

0048

部材として用いられる樹脂組成物における導電性材料の含有量は、本発明の目的が阻害されない限り、特に限定されない。
樹脂組成物中の導電性材料の含有量は、20質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、3質量%以下、2質量%以下、1質量%以下、0.7質量%以下、及び0.5質量%以下が好ましい。半導体製品の製造用の薬液のような流動性の絶縁性物質への導電性材料の脱落の抑制の観点からは、導電性材料の含有量が少ないほど好ましい。
樹脂組成物中の導電性材料の含有量の下限は、所望する性能の部材が得られる限り特に限定されない。含有量の下限は、部材の体積抵抗率が十分に低い点から、例えば、0.01質量%が好ましく、0.03質量%がより好ましく、0.05質量%が特に好ましい。

0049

<マトリックス樹脂>
マトリックス樹脂は、部材中において、流動する絶縁性物質との接触から、部材を備える物品を保護する機能を奏する。

0050

マトリックス樹脂は、熱可塑性樹脂であっても、硬化性樹脂であってもよい。硬化性樹脂については、硬化性化合物硬化物であれば特に限定されない。硬化性化合物を硬化させる方法は、熱硬化であっても光硬化であってもよい。
マトリックス樹脂は、2種以上の樹脂の混合物ポリマーアロイ)であってもよい。

0051

マトリックス樹脂の引張強度は、部材の強度の観点から、12.5MPa以上が好ましく、14.5MPa以上が好ましい。また、マトリックス樹脂の引張伸びは、200%以上が好ましく、250%以上がより好ましい。これらの値は、ASTMD638に準拠して測定される値である。

0054

なお、マトリックス樹脂が硬化性化合物の硬化物である場合、マトリックス樹脂は、通常、硬化性化合物と、硬化剤又は光重合開始剤とを含む組成物を、加熱又は露光して形成される。
このため、マトリックス樹脂が硬化性化合物である場合、未反応の硬化剤や光重合開始剤等が、絶縁性物質に溶出する場合がある。
また、硬化性樹脂については、硬化物が可撓性に乏しいことが多く、導電性物質を含む部材を用いる施工や、加工が難しい場合もある。
このような点から、マトリックス樹脂としては、硬化性の樹脂よりも、熱可塑性樹脂が好ましい。

0055

以上説明したマトリックス樹脂の中では、耐化学薬品性耐溶剤性、引張強度等の機械的特性潤滑性等の種々の優れた性質を備えることから、フッ素樹脂が好ましい。
フッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン樹脂)、変性PTFE(1−パーフルオロアルコキシ−1,2,2−トリフルオロエチレンで変性されたポリテトラフルオロエチレン樹脂)、PFAテトラフルオロエチレンと1−パーフルオロアルコキシ−1,2,2−トリフルオロエチレンとの共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体)、ETFE(テトラフルオロエチレンとエチレンとの共重合体)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂)、及びPVdF(ポリフッ化ビニリデン樹脂)が挙げられる。
これらのフッ素樹脂の中では、耐熱性耐薬品性、潤滑性、電気特性等の点から、PTFE、変性PTFE及びPFAが好ましく、変性PTFEがより好ましい。

0056

以上説明した部材としては、半導体製品の製造用の薬液を流動させる際に、薬液と接触する部材であり、
マトリックス樹脂と、マトリックス樹脂中に分散された導電性材料とを、含む樹脂組成物からなり、
マトリックス樹脂がフッ素樹脂であり、
導電性材料がナノカーボン材料であり、
樹脂組成物中の、導電性材料の含有量が1質量%以下であり、
前記部材の体積抵抗率が,106Ω・cm未満であり、
300℃以上の熱風を吹き付け、テトラフルオロエチレンと1−パーフルオロアルコキシ−1,2,2−トリフルオロエチレンとの共重合体(PFA)からなる溶接材溶融させることにより部材の溶接を行う場合に、溶接速度50mm/分以上300mm/分以下で溶接可能である、部材が好ましい。
本願明細書では、以下、フッ素樹脂と、ナノカーボン材料とを含み、上記の所定の特性を示す部材について、「導電性フッ素樹脂部材」と記す。

0057

マトリックス樹脂がフッ素樹脂である場合、フッ素樹脂と導電性材料の親和性が乏しいため、部材を半導体製品製造用の薬液と接触させる際に、導電性材料がマトリックス樹脂から脱落しやすい。
しかし、導電材料としてナノカーボン材料を用い、樹脂組成物中の、導電性材料の含有量が1質量%以下である場合、部材について、所望する導電性(低体積抵抗率)を達成しつつ、フッ素樹脂からなるマトリックスから導電材料の脱落を抑制することができる。

0058

また、部材について、部材同士接合を行う場合等に、溶接による接合が適用可能であることが求められる場合もある。
この点、マトリックス材料に導電性材料を加えると、部材の伝熱性過度に高くなることが多い。この場合、材料に加えられた熱が逃げやすいことから、部材の良好な溶接が困難である。
他方、上記の導電性フッ素樹脂部材は、300℃以上の熱風を吹き付け、PFAからなる溶接材を溶融させることにより部材の溶接を行う場合に、溶接速度50mm/分以上300mm/分以下で溶接可能である。
ここで溶接可能であるとは、溶接された接合体接合箇所以外の箇所を把持した場合に、溶接された部材の自重により、接合体が溶接面の剥離によって分離しないことを意味する。
溶接後の状態としては、溶接された面の間に、外れや浮きが観察されないのが好ましい。
なお、上記の部材の用途は、溶接が必要な用途のみに限定されるものではない。
また、溶接材としてのPFAの使用について前述したが、前述の記載においては、300℃以上の熱風を吹き付けて溶接を行う場合に、上記の所定の溶接速度で部材を溶接可能か否かを確認するための、試験条件の1つとして、便宜的に、PFAの使用が特定されているにすぎない。このため、上記の部材を溶接する場合に使用される溶接材の材質は、PFAには限定されない。

0059

導電性フッ素樹脂部材を溶接する場合、例えば、単一の部材が有する複数の面の間を、溶接してもよいし2以上の複数の部材同士を溶接してもよい。単一の部材が有する複数の面の間を溶接する場合の具体例としては、シート状の単一の部材を、円筒状に丸めた状態で継ぎ目を溶接する場合等が挙げられる。

0060

導電性フッ素樹脂部材についての溶接条件は、所望する状態に溶接可能であれば、特に限定されない。
熱風温度の下限は、300℃以上であり、溶接速度を速めつつ強固に溶接を行いやすいことから400℃以上が好ましく、500℃以上がより好ましい。熱風温度の上限は、導電性フッ素樹脂部材が含む材料の種類や組成によって異なるが、溶接時に、導電性フッ素樹脂部材が所望しない程度に変形しない範囲で自ずと定まる。
溶接作業の安全性や、溶接作業において消費されるエネルギー量の低減の観点から、熱風温度が、300℃以上500℃以下の範囲や、300℃以上400℃以下の範囲であるのも好ましい。
熱風温度が300℃以上であれば、通常、溶接材が十分に軟化又は溶融するため、良好に溶接を行うことができる。
溶接速度としては、より強固に溶接を行える点からは、50mm/分以上400mm/分以下が好ましく、100mm/分以上300mm/分以下がより好ましい。
また、溶接作業の効率の点からは、200mm/分以上500mm/分以下が好ましく、300mm/分以上500mm/分以下がより好ましい。

0061

<樹脂組成物の調製方法
以上説明したマトリックス樹脂と、導電性材料とを含む樹脂組成物を調製する方法は、両者を均一に混合できる方法であれば特に限定されない。
樹脂組成物の調製方法の好適な具体例について以下説明する。

0062

マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂である場合、一軸押出機二軸押出機等を用いる一般的な溶融混練法によって、マトリックス樹脂と導電性材料とを混合して、マトリックス樹脂中に導電性材料が分散された樹脂組成物を製造することができる。
また、マトリックス樹脂が熱可塑性を示すものの、溶融粘度等の問題で溶融加工が困難である場合には、マトリックス樹脂の粉体と、導電性材料の粉体とを均一に混合した後に、得られた混合物を圧縮成形し、次いで圧縮成形物焼成して樹脂組成物を得てもよい。

0063

マトリックス樹脂が溶媒に可溶である場合、以下の方法によって、マトリックス樹脂中に導電性材料が分散された樹脂組成物を製造することができる。
まず、マトリックス樹脂の有機溶媒溶液中に、導電性材料を分散させた分散液を調製する。得られた分散液を、塗布、注型等の方法によって所望する形状に成形した後、加熱や減圧等の方法によって有機溶剤を除去することで、マトリックス樹脂中に導電性材料が分散された樹脂組成物が得られる。

0064

また、導電性材料によって重合反応が阻害されない場合には、所定量の導電性材料の存在下に重合反応を行って、マトリックス樹脂中に導電性材料が分散された樹脂組成物を製造してもよい。

0065

マトリックス樹脂が硬化性樹脂である場合、硬化性化合物と、導電性材料と、必要に応じて硬化剤や光重合開始剤とを混合して前駆体組成物を調製した後、得られた前駆体組成物を所望の形状に成形し、次いで、加熱、又は露光等の方法により前駆体組成物を硬化させることによって、マトリックス樹脂中に導電性材料が分散された樹脂組成物を製造できる。

0066

以上説明した樹脂組成物からなる部材を、種々の物品における流動性の絶縁性材料と接触する部分に適用することによって、静電気の蓄積が抑制され、物品の表面での部材の絶縁破壊が抑制される。

0067

成形品
以上説明した部材は、当該部材のみからなる成形品の形態で好適に用いられる。かかる成形品は、半導体製品の製造用の薬液を流動させる際に、薬液と接触する用途において好適に用いられる。
部材としては、前述の導電性フッ素樹脂部材が好ましい。
かかる成形品の具体例としては、連結管、管末端アダプター、及びガスケット等が挙げられる。

0068

連結管は、2つの配管の間、配管と装置の間、2つの装置間の間等を接続するために使用されたり、2以上の連結管を連結することによって、配管と同様に使用されたりする。
連結管は、真っ直ぐな管であってもよく、円弧状、略直角状、S字状等に曲げられた管であってもよい。また、連結管は、Y字型十字型等の分岐を有する管であってもよい。
連結管の断面形状は、特に限定されない。連結管の断面形状は通常円形であるが、正方形長方形等の四角形や、正六角形正八角形等の多角形であってもよい。

0069

連結管の少なくとも1つの端部には、嵌合用の凸部が、管本体と一体に形成されていてもよい。嵌合用の凸部には、連結管の一端から他端に向けて、流体が自由に流通可能であるように、管本体の内部の空間と連通する穴(空洞)が設けられる。
連結管の具体的な態様としては、両端に嵌合用の凸部を有する連結管と、一方の端部のみに嵌合用の凸部を有する連結管と、両端に嵌合用の凸部を有さない連結管とが挙げられる。

0070

嵌合用の凸部は、他の連結管における嵌合用の凸部が形成されていない端部の開口にはめ込まれる。そうすることで、2つの連結管同士が連結される。この場合、嵌合用の凸部は、当該凸部がはめ込まれる連結管の端部の開口よりも若干大きめに構成されるのが好ましい。この場合、連結管が備える嵌合用の凸部を、他の連結管の端部の開口に外力によって押し込むことにより、連結管同士が強固に結合される。

0071

また、嵌合用の凸部にネジ山を設け、当該凸部がはめ込まれる連結管の端部の開口内に、嵌合用の凸部のネジ山の形状に応じた形状のネジ山を設けるのも好ましい。
そうすることで、ネジ山を有する嵌合用の凸部を、他の連結管のネジ山を有する端部の開口にねじ込むことができる。

0072

管末端アダプターについては、配管の開口を有する末端に取り付けられる部品である。配管から流動性の絶縁性材料が吐出される場合、配管の末端の開口部付近で特に静電気が発生しやすい。しかし、配管の末端に管末端アダプターが取り付けられて入れば、配管の末端で発生した静電気が良好に除去させる。

0073

管末端アダプターの形状は特に限定されず、管末端アダプターが取り付けられる配管の端部の形状に応じて適宜設計される。例えば、配管が円筒状である場合、典型的には、管末端アダプターの形状は、配管の外径よりもやや大きな外径と、配管の内径と同等の内径か、配管の内径よりもやや小さな内径とを有するリング状の形状である。

0074

管末端アダプターは、外力により、物理的に嵌め込まれることで配管の端部に取り付けられてもよい。この場合、管末端アダプターの、配管の端部に接する面に、配管の端部の肉厚よりもやや狭い幅の、環状の溝が設けられる。かかる溝に、配管の端部を押し込むことにより、管末端アダプターが、配管の端部に固定される。
また、管末端アダプターと、配管の端部とにネジ山を設けたうえで、管末端アダプターが配管の端部にねじ込まれてもよい。
さらに、管末端アダプターは、配管の端部に接着剤で固定されてもよい。配管が樹脂材料である場合、配管の端部と、管末端アダプターとが、溶接等の方法により溶着されてもよい。

0075

ガスケットについては、典型的には、配管や槽が備えるフランジ間に挟み込まれて使用されるリング状のシートである。ガスケットについては、当業者に「パッキン」、「パッキンシート」等と称されることも多い。
ガスケットの形状、サイズ等は特に限定されず、ガスケットが配置される、配管等の接合面の形状、サイズに応じて適宜設定される。例えば、配管端部のフランジの形状等についてはJIS等の規格により定められる

0076

複合成形品
前述の部材を含む成形品としては、前述の部材からなる導電部と、導電性材料を含まない熱可塑性樹脂、又は熱可塑性樹脂組成物からなる溶接部とを備える、複合成形品も好ましく用いることができる。
導電性材料を含む前述の部材は、導電性材料を含むことに起因して、溶接可能であっても、導電性材料を含まない熱可塑性樹脂、又は熱可塑性樹脂組成物よりも、溶接のしやすさや、溶接後の接合部の強度が若干劣る場合がある。
しかし、上記の複合成形品は、導電性材料を含まない熱可塑性樹脂、又は熱可塑性樹脂組成物からなる溶接部を備えるため、溶接部に対して溶接を施すことにより、容易且つ強固に溶接部同士を接合することができる。
ここで、部材としては、前述の導電性フッ素樹脂部材が好ましい。

0077

複合成形品の具体例としては、少なくとも1つの端部において、端部と、端部の近傍の部分とが溶接部であり、溶接部以外の部分が導電部である管が挙げられる。複合成形品である管において、全ての端部において、端部と、端部の近傍の部分とが溶接部であるのが好ましい。
かかる管は、真っ直ぐな管(直管)であってもよく、円弧状、略直角状、S字状等に曲げられた管であってもよい。また、かかる管は、Y字型、十字型等の分岐を有する管であってもよい。
かかる管の断面形状は、特に限定されない。管の断面形状は通常円形であるが、正方形や長方形等の四角形や、正六角形や正八角形等の多角形であってもよい。

0078

このような管の好ましい具体例としては、2つの開口端を有する線状の管であって、2つの端部において、端部と、端部の近傍の部分とが溶接部であり、2つの溶接部間が導電部である管が挙げられる。このような線状の管は、好ましくは、直管(直線状の管)、又は略直角に曲げられた管(所謂エルボーパイプ)である。
以上説明した管は、典型的には、溶接部同士を溶接することにより、他の管と接合して用いられる。

0079

複合成形品の他の好ましい例としては、槽の外部に向けて突出する管状のノズル内に嵌めこまれて使用されるノズルライナーが挙げられる。
ノズルライナーの形状は、概略として、両端に開口を有する直管の一方の端部に、リング状のシートが一体化された形状である。リング状のシートは、リング状のシートが有する開口と、直管の端部の開口との位置が合った状態で、直管と一体化されている。ここで、直管の内径と、リング状のシートの開口径とは、概ね同等である。
かかるノズルライナーでは、典型的には、直管のリング状のシートに接していない側の端部及び端部の近傍と、リング状のシートの外縁部とに溶接部が設けられ、溶接部以外の部分に導電部が設けられる。
このようなノズルライナーの製造方法は特に限定されない。例えば、ノズルライナーは、両端に溶接部を有し、両端の溶接部間に導電部を有する直管の一方の端部を、加熱下に押し広げて変形させることにより製造することができる。

0080

このようなノズルライナーは、槽の外部に向けて突出する管状のノズル内に、槽の内側から差し込まれた状態で、リング状のシートの外縁部に設けられた溶接部を、槽内に設けられるライニング材と溶接した状態で使用される。
槽に、このようなノズルライナーを取り付けることにより、ノズルから、流動性の絶縁性物質を吐出する際に、ノズルライナーの内面で生じる静電気を良好に除去することができる。

0081

複合成形品のさらに他の好ましい例としては、導電部と、溶接部とを有するシートが挙げられる。かかるシートは、導電部を備えることにより除電性能を有する。このようなシートは、典型的には、後述するライニング用のシートとして好ましく用いられる。

0082

かかるシートについて、溶接による接合が容易であることから、シートの外縁部の少なくとも一部が溶接部からなり、溶接部以外の部分が導電部からなるのが好ましい。また、複合成形品としてのシートは、シートの外縁部全体が溶接部からなり、溶接部以外の部分が導電部からなるのが好ましい。なお、導電部は、シートの主面において、2以上の複数の部分に分割して設けられてもよい。

0083

≪ライニング用のシート≫
以上説明した部材は、配管、及び槽等の内部をライニングするためのシートの材料として好適に使用される。
シートについて、全体が、前述の部材(好ましくは前述の導電性フッ素樹脂部材)からなってもよく、一部が前述の部材からなってもよい。シートに用いられる部材としては、前述の導電性フッ素樹脂部材が好ましい。
シートの一部が、前述の部材からなる場合、かかるシートとしては、複合成形品について説明した、導電部と溶接部とを備えるシートと同様である。

0084

ライニング用のシートを用いて、配管、及び槽等の内部をライニングする場合、CAE解析等の手法により、配管内や槽内における、流動性の絶縁性材料(特には半導体製品の製造用の薬液)の乱流が生じやすい箇所や、流動性材料の流速が速い箇所を特定したうえで、ライニング材におけるこれらの箇所のみを、前述の部材、好ましくは前述の導電性フッ素樹脂部材で構成するのも好ましい。
乱流が生じやすい箇所や、流速が速い箇所では、静電気が発生しやすいためである。このようにして、静電気が発生しやすい個所のみを、導電性材料を含む部材で構成することにより、ライニングのコストを抑制することができる。

0085

シートの形状は、平面上であってもよく、配管や層の形状に合わせた曲面上であってもよい。かかるシートは、配管内面や、槽内に貼り付けられ、配管や槽からの不純物の溶出や、配管や槽自体を保護するためのライニング材として使用される。

0086

なお、ライニングの施工の際には複数のシート間に継ぎ目が生じる場合がある。この場合、易溶融性の樹脂からなるロッドや、短冊状のシートを、継ぎ目に当てた後、ロッド又はシートを加熱により溶融させて継ぎ目を埋める。継ぎ目を埋めるために使用されるロッドやシートにも、前述の導電性材料を含有させてもよい。

0087

シート間の溶接による接合が容易であることから、ライニングには、前述の部材(好ましくは、前述の導電性フッ素樹脂部材)からなる導電部と、導電性材料を含まない熱可塑性樹脂、又は熱可塑性樹脂組成物からなる溶接部とからなり、外縁部の少なくとも一部が溶接部である、ライニング用のシートを用いるのが好ましい。
かかるシートを用いる場合、シートが有する溶接部同士を容易且つ強固に接合でき、その結果、ライニングの作業が容易である。

0088

シートの厚さは、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない、シートの厚さは、典型的には0.5〜50mmが好ましく、1.0〜6.0mmがより好ましく、2.0〜3.0mmがさらに好ましい。

0089

また、上記の部材からなる層を少なくとも含む積層体も、ライニング用のシートとして好適に用いることができる。
好適な積層体の例としては、前述の部材からなる層を下層として備え、導電性材料を含まない樹脂層上層として備える積層シートや、前述の部材からなる層を中間層として備え、導電性材料を含まない樹脂層を上層及び下層として備える積層シートが挙げられる。
導電性材料を含まない樹脂層の好ましい材料としては、前述のマトリックス樹脂と同様の材料が挙げられる。

0090

絶縁性物質に接触する表面が、導電性材料を含まない樹脂層であれば、導電性材料の脱落による、絶縁性物資への導電性材料の混入を防ぐことができる。他方で、下層、又は中間層に前述の部材からなる層が存在すれば、積層シートの絶縁性物質と接触する面において絶縁破壊が生じたとしても、前述の部材からなる層では絶縁破壊が生じにくいので、積層シートを貫通するような欠陥が生じにくい。

0091

以上説明したシートによりライニングされた配管、又は槽を用いて、液体、気体、又は粉粒体である絶縁性物質を流通、撹拌、又は貯留する場合、配管、又は槽の内面のライニングにおける絶縁破壊の発生を顕著に抑制できる。

0092

≪流通機構≫
流通機構は、液体、気体、又は粉粒体である絶縁性物質を流通させる流通機構である。かかる流通機構において、絶縁性物質と接触する面の少なくとも一部が、前述の部材からなる。特に、絶縁性物質が、半導体製品の製造用の薬液を流通させる流通機構であり、前述の部材が導電性フッ素樹脂部材であるのが好ましい。

0093

流通機構は、流動性の絶縁性物質を移動させることが可能であれば特に限定されない。
流通機構の典型例としては、典型的には、配管と、ポンプ、ブロワ—、又は吸引装置とを備える流動性材料の輸送装置が挙げられる。他の、具体例としては、スクリューコンベアーバケットコンベアー等が挙げられる。
また、高所から低所へ、流動性材料を落下させる配管、シュート等も流通機構に含まれる。
絶縁性物質が、半導体製品の製造用の薬液である場合、典型的には流通機構は、配管と、ポンプとを備える。

0094

流通機構の具体例としては、
半導体基板、加工中の半導体基板、又は半導体製品等に、加工、及び洗浄等の目的で半導体製品の製造用の訳を供給するための供給システム
化学反応装置、冷蔵装置冷凍装置、及び空調装置等における冷媒熱媒循環ステム
熱交換器を用いる流動性材料の加熱又は冷却システムや、化学反応装置へ、反応試薬や溶媒として流動性材料を供給するための供給システム、
流動性材料を小分け包装するために、流動性材料の貯槽から分注装置へ流動性材料を供給する供給システム、
貯槽において貯留される流動性材料を、貯槽内へ供給する供給システム、
ガソリン軽油等の油類の貯槽から自動車燃料タンクへ油類を供給する、ガソリンスタンドにおける給油システム、及び
洗浄等の目的で半導体製造装置に有機溶剤を供給する供給システム、
等が挙げられる。

0095

上記の流通機構において、好ましくは配管の内部の少なくとも一部、好ましくは全面が前述の部材で構成される。より好ましくは、配管の内部全体が前述の部材からなるシートでライニングされる。

0096

また、ポンプの流動性材料と接触する部分の表面も、前述の部材で構成するのが好ましい。ポンプの種類は特に限定されず、ピストンポンププランジャーポンプダイヤフラムポンプギアポンプベーンポンプ、及びねじポンプ等が挙げられる。

0097

上述の種々のポンプにおいて、少なくとも、ケーシングの流動性材料と接する面が、前述の部材により構成されるのが好ましい。
また、ポンプ内において、前述の部材が適用される部品は特に限定されず、ポンプの種類に応じて適宜選択される。例えば、ピストンポンプ内のピストン、プランジャーポンプ内のプランジャー、ダイヤフラムポンプ内のダイヤフラム、ギアポンプ内のギヤ、ベーンポンプ内の羽根、ねじポンプ内のねじ等の表面を、前述の部材により構成するのが好ましい。
ポンプを構成する部品を留める、ボルトナット、ねじ等の表面が絶縁性物質に接触する場合には、これらの表面を、前述の部材を用いて形成してもよい。
また、これらのポンプの部品は、流動性材料の移送時に破損が生じない限りにおいて、全体を前述の部材で構成してもよい。

0098

流通機構が、スクリューコンベアーやバケットコンベアーである場合、スクリューの表面やバケットの表面が前述の部材により構成される。なお、材料の移送による破損が生じない限りにおいて、スクリュー全体や、バケット全体を前述の材料で構成してもよい。

0099

≪槽≫
槽は、液体、気体、又は粉粒体である絶縁性物質を貯留、又は撹拌する槽である。かかる層において、絶縁性物質と接触する面の少なくとも一部が、前述の部材からなる。
上記の槽は、典型的には、貯槽、又は撹拌槽である。撹拌槽の典型例は、反応槽リアクター)である。
なお、絶縁性の液体を貯留するための貯槽については、より詳細に後述する。

0100

(貯槽)
絶縁性物質を貯留する貯槽としては、有機溶剤や超純水や過酸化水素水やガスを貯留するための、タンク、ボンベが挙げられる。また、粉粒体を貯留する貯槽としては、例えば、飼料を貯留するサイロ等が挙げられる。
これらの貯槽は、貯留された絶縁性物質を抜き出すためのバルブを、貯槽の任意の箇所に備えていてもよい。

0101

上記の貯槽において、好ましくは貯槽本体の内表面の少なくとも一部、好ましくは全面が前述の部材で構成される。より好ましくは、貯槽の内表面の全体が前述の部材からなるシートでライニングされる。
また、絶縁性物質が、半導体製品の製造用の薬液を流通させる流通機構であり、ライニングに用いられるシートの部材が導電性フッ素樹脂部材であるのが好ましい。

0102

また、前述のバルブの内部や、貯槽とバルブとの間の管内部が前述の部材で構成されるのも好ましい。

0103

バルブの種類は特に限定されない。バルブの具体例としては、例えば、ゲートバルブグローブバルブボールバルブニードルバルブバタフライバルブ、及びピストンバルブが挙げられる。
これらのバルブについて、バルブ内の流路や、パッキン、ジスクディスク弁体))、ジスクを支持するステム(弁棒)、ピストン等の表面を前述の部材を用いて形成するのが好ましい。

0104

バルブを構成する部品を留める、ボルト、ナット、ねじ等の表面が絶縁性物質に接触する場合には、これらの表面を、前述の部材を用いて形成してもよい。

0105

例えば、パッキン、ジスク、ピストン、ボルト、ナット、ねじ等については、全体を前述の部材を用いて形成してもよい。
また、バルブのサイズが小さい場合や、バルブに過度の圧力がかからない場合等は、バルブ本体(ボディ)の全体を、前述の部材を用いて形成してもよい。

0106

(撹拌槽)
絶縁性物質を撹拌する槽としては、撹拌機能を備える撹拌槽であれば特に限定されない。撹拌槽の典型例としては、所謂、反応槽(リアクター)や、粉体混合装置が挙げられる。撹拌は、通常、撹拌羽根や、スクリューを用いて行われる。
また、槽の少なくとも一カ所から抜き出された絶縁性物質を、槽の少なくとも一カ所から槽内に戻す循環操作を行うことによって、撹拌羽根等の攪拌装置を用いることなく、絶縁性物質を撹拌する槽であってもよい。

0107

絶縁性物質と接触する面としては、槽本体の内面、槽本体内部に設けられる邪魔板の表面、撹拌羽根の表面、撹拌羽根を支持するシャフトの表面、熱媒や冷媒を循環させるためのコイルの内表面、又は外表面、熱電対等の温度センサーを保持するための封管の表面、気体や液体を槽内に供給するための滴下管の内表面、又は外表面等が挙げられる。
なお、槽は、必ずしも、上記の撹拌羽根、シャフト、コイル、封管、滴下管等を備えている必要はない。

0108

また、撹拌槽は、槽内部で撹拌された絶縁性物質を槽内から抜き出すためのバルブを備えていてもよい。かかるバルブは、通常、槽の底部、又は底部付近に設けられる。バルブの種類等については、貯槽について前述した通りである。

0109

なお、槽のサイズが小さい場合には、熱媒や冷媒を循環させるためのコイル、熱電対等の温度センサーを保持するための封管、及び滴下管等の全体を、前述の部材を用いて形成してもよい。

0110

≪流通機構、及び槽の少なくとも一方を備える装置≫
前述の流通機構、及び槽の少なくとも一方を備える装置は、絶縁破壊を起こしにくい耐久性に優れる部材でライニングされているため、種々の目的で好適に使用される。
また、ライニングの少なくとも一部が、前述の導電性フッ素樹脂部材からなる場合、低抵抗であることによる絶縁破壊の良好な抑制と、ナノカーボン材料の部材からの脱諾の抑制とを両立できる。

0111

かかる装置としては、例えば、種々の化学製品を製造するための化学プラント、流動性の絶縁材料を小分け包装するための包装プラント、冷媒の循環装置を備える、空調装置、冷蔵装置及び冷凍装置、流動性材料を内部に流通させて加熱又は冷却する熱交換器、洗浄等の目的で有機溶剤や超純水や過酸化水素水を供給する装置を備える種々の電気電子部品、半導体装置等の製造装置が挙げられる。

0112

≪絶縁性の液体を貯留する貯槽≫
以下、絶縁性の液体を貯留する貯槽の好ましい態様について、図1を参照しつつ説明する。図1は、貯槽の断面を模式的に示す図である。
かかる貯槽10は、タンク本体1と、ピット2と、前記タンク本体に挿入される滴下管3とを備える。
ピット2は、タンク本体1の内側に配置される。
滴下管3は、滴下管3の一端が、ピット2が備える開口部に近接して位置するように配置される。このため、ピット2は、通常、タンク本体1の底部側に設けられる。
つまり、図1に示される態様の貯槽10は、通常、ピット2が地上面に近い側に位置するように設置される。
ピット2は、滴下管3の端部から吸入又は吐出される絶縁性の液体を整流する。

0113

そして、タンク本体1、ピット2、及び滴下管3から選択される少なくとも1つの、絶縁性の液体と接触する表面の少なくとも一部が前述の部材により構成される。ここで、絶縁性の液体としては、半導体製品の製造用の薬液であるのが好ましい。
滴下管3の端部で絶縁性の液体が吸入又は吐出される際の、絶縁性の液体の流れが激しく静電気が発生・蓄積しやすいことから、少なくともピット2の表面の少なくとも一部が前述の部材で構成されるのが好ましい。ピット2は、底部が導電部からなり、その他の部分が溶接部からなる複合成形品であってもよい。ピット2の底部は、常に、絶縁性の液体と接触するが、ピット2の底部が導電部であれば、ピット2と絶縁性の液体との接触により生じる静電気を良好に除去することができる。

0114

タンク本体1、ピット2、及び滴下管3から選択される少なくとも1つの、絶縁性の液体と接触する表面を構成する部材としては、絶縁性の液体に対する耐久性に優れるとともに絶縁破壊を特に抑制しやすいことから、フッ素樹脂と、カーボンナノチューブとを含む樹脂組成物からなる部材が好ましい。

0115

滴下管3には、ホース4や配管(不図示)が接続される。ホース3の端部にはカプラー5が設けられ、カプラー5を、有機溶剤等の絶縁性の液体の輸送車(不図示)や、ポンプ(不図示)等と接続することにより、貯槽10からの給液や、貯槽10への給液が行なわれる。ホース4やカプラー5の接液面も、前述の部材で構成されるのが好ましい。

0116

貯槽10に貯留される絶縁性の液体としては、有機溶剤や超純水や過酸化水素水が好ましい。また、有機溶剤としては、貯槽10内のライニングの絶縁破壊による金属等の不純物の溶出が防がれることから、半導体製品の製造用の有機溶剤が好ましい。

0117

以上説明した貯槽10で貯留された有機溶剤や超純水や過酸化水素水は、金属等の不純物の溶出のリスクが極めて低い。このため、貯槽10で貯留された有機溶剤や超純水や過酸化水素水を用いると、不純物に起因する不良品の発生等を抑制しつつ、良好な品質の半導体製品を製造できる。

0118

半導体製品の製造に用いられる有機溶剤の好適な具体例としては、メタノールエタノールイソプロパノールn−プロパノールn−ブタノールイソブタノール、n−ペンタノールn−ヘキサノール等のアルカノール類エチレングリコールプロピレングリコールジエチレングリコールジプロピレングリコールトリエチレングリコールトリプロピレングリコールポリエチレングリコールポリプロピレングリコール等のグリコール類エチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルトリエチレングリコールモノエチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピレングリコールモノエチルエーテルプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル類エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルジエチレングリコールジエチルエーテルテトラヒドロフラン等の他のエーテル類アセトンメチルエチルケトンシクロヘキサノン2−ヘプタノン3−ヘプタノン等のケトン類2−ヒドロキシプロピオン酸メチル2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチルヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル部炭酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル酢酸イソプロピル酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル蟻酸n−ペンチル、酢酸イソペンチルプロピオン酸n−ブチル酪酸エチル酪酸n−プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、乳酸エチル乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル、乳酸n−ブチル、ピルビン酸メチルピルビン酸エチルピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチルアセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類
トルエンキシレン等の芳香族炭化水素類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。

0119

以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。

0120

〔実施例1〕
抵抗率測定試験片作成方法測定方法
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)に、カーボンナノチューブ(CNT)を0.05質量%混合したパウダー500gを、直径150mmの下蓋のある金型に均一に充填し上蓋をした。
その金型をプレス成形機に設置し、常温で上蓋を19.6MPaの圧力で押し圧縮成形を行った。その金型から圧縮成形品を取り出し、熱風循環式焼成炉内で380℃5時間焼成した。得られた焼成成形品切削加工し、厚さ2.4mmの円板状の成形品を作製した。
電気抵抗測定装置を用いて、得られた試験片の表面抵抗率と体抵抗率とをJIS K 6911に準拠した方法で測定し表1に記載のデータを得た。

0121

〔比較例1〕
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)のパウダー500gを、直径150mmの下蓋のある金型に均一に充填し上蓋をした。
その金型をプレス成形機に設置し、常温で上蓋を19.6MPaの圧力で押し圧縮成形を行った。その金型から圧縮成形品を取り出し、熱風循環式焼成炉内で380℃5時間焼成した。得られた焼成成形品を切削加工し、厚さ2.4mmの円板状の成形品を作製した。
電気抵抗測定装置を用いて、得られた試験片の表面抵抗率と体積抵抗率とをJIS K 6911に準拠した方法で測定し表1に記載のデータを得た。

0122

0123

実施例1と、比較例1との比較によれば、実施例1の部材の表面抵抗率、及び体積抵抗率が、比較例1の部材の体積抵抗率よりも顕著に低いことが分かる。
この結果によれば、実施例1の部材には静電気が蓄積しにくく、絶縁破壊が生じにくいことが分かる。

0124

溶出試験
以下の方法に従って、実施例1の部材、比較例1の部材について金属の溶出試験を行った。

0125

(実施例1)
実施例1で調整された成形品を長さ30mm幅10mm厚み2.4mmに加工した試験片をクリーンベンチ内で0.1N硝酸(ELグレード)で洗浄後、超純水で洗浄し風乾させた。
PFA製クリーンボトルの中にその試験片とELグレードのIPA(イソプロピルアルコール)250gを入れ密封し、室温で7日間浸漬した。
0.1N硝酸(ELグレード)と超純水で洗浄した白金皿上で、浸漬後のIPAを蒸発させたのち、0.1N硝酸(ELグレード)で抽出し測定サンプルを測定専用容器採取した。
サンプル採取までの作業はすべて、クリーンベンチ内で行い環境からの汚染を防いだ。測定サンプルをICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析計)で主要な微量金属質量を計測し、浸漬液中の濃度に換算し表2に記載のデータを得た。

0126

(比較例1)
実施例1同様に、比較例1で調整された成形品を長さ30mm幅10mm厚み2.4mmに加工した試験片をクリーンベンチ内で0.1N硝酸(ELグレード)で洗浄後、超純水で洗浄し風乾させた。
PFA製クリーンボトルの中にその試験片とIPA(ELグレード)250gを入れ密封し、室温で7日間浸漬した。
0.1N硝酸(ELグレード)と超純水で洗浄した白金皿上で、浸漬後のIPAを蒸発させたのち、0.1N硝酸(ELグレード)で抽出し測定サンプルを測定専用容器に採取した。
サンプル採取までの作業はすべて、クリーンベンチ内で行い環境からの汚染を防いだ。測定サンプルをICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析計)で主要な微量金属質量を計測し、浸漬液中の濃度に換算し表2に記載のデータを得た。

0127

ブランク
クリーンベンチ内でIPA(ELグレード)250gを0.1N硝酸(ELグレード)と超純水で洗浄した白金皿上で蒸発させ、0.1N硝酸(ELグレード)で抽出しICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析計)で主要な微量金属質量を計測し、液中の濃度に換算し表のデータを得た。

0128

0129

表2によれば、マトリックス樹脂(PTFE)に導電性材料(CNT)を加えても、有機溶剤への金属の溶出はほとんどないことが分かる。

0130

〔比較例2〕
樹脂組成物中の導電性材料(CNT)の含有量15質量%に変更することの他は、実施例1と同様に成形品を製造した。得られた成形品を、長さ30mm幅10mm厚み2.4mmに加工した試験片を作成した。

0131

〔比較例3〕
導電性材料としてカーボンブラック(CB)を用いることと、樹脂組成物中の導電性材料(CNT)の含有量15質量%に変更することとの他は、実施例1と同様に成形品を製造した。得られた成形品を、長さ30mm幅10mm厚み2.4mmに加工した試験片を作成した。

0132

〔脱落試験
実施例1で得られた成形品を用いて、溶出試験に使用された試験片と同じ形状(長さ30mm幅10mm厚み2.4mm)の試験片を作成した。
実施例1の部材からなる試験片と、比較例2の部材からなる試験片と、比較例3の部材からなる試験片とを用いて、脱落試験を行った。
試験片と、回転子とを、容量500mLの清浄ガラス容器に入れ、超純水500mLを注いだ。試験片は、ガラス容器の側壁に立て掛けるように配置した。
次いで、導電性材料の脱落を促進させるために、容器中の超純水を、マグネチックスターラーにより、室温にて二週間撹拌した。
二週間撹拌後の超純水に含まれる炭素量を全有機炭素計により測定し、導電性材料(カーボンナノチューブ、又はカーボンブラック)の脱落の指標とした。炭素量の測定結果TOC)を下表に記す。

0133

0134

表3によれば、フッ素樹脂と、導電性材料とからなる樹脂組成物について、樹脂組成物中の導電性材料(CNT)の含有量が1質量%以下であることにより、試験片に接触する流体への、導電性材料の脱落が極めて低い水準に抑えられることが分かる。
他方で、比較例2、及び比較例3から、樹脂組成物中の導電性材料含有量が15質量%のような多量である、試験片に接触する流体への、導電性材料の脱落が顕著であることが分かる。

0135

〔実施例2〕
以下、実施例2において、シート状の複合成形品と、複合成形品の溶接について示す。
まず、金型内に、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)のパウダーが充填された領域と、PTFEのパウダーにCNTを0.025質量%混合したCNT含有パウダーが充填された領域とを設け、金型内のパウダーを圧縮成形した。金型から、圧縮成形品を取出し、熱風循環式焼成炉内で380℃5時間焼成した。得られた焼成成形品を切削加工し、50mm×50mm×厚さ2.4mmの正方形型のシートを得た。同様の作業を繰り返し、シートを2枚作製した。

0136

シートは、PTFEのみからなる幅20mmの溶接部と、PTFEとCNTとからなる幅30mmの導電部とを含んでいた。シートにおける、溶接部側の端面は、傾斜面とした。

0137

得られた2枚のシートを、溶接部の端面同士が対向し、且つ接するとともに、2つの端面(傾斜面)によりV字型の断面形状の溝が形成されるように、配置した。
溶接部の端面間に形成された溝に、480℃の熱風を吹き付けながら、PFA(テトラフルオロエチレンと1−パーフルオロアルコキシ−1,2,2−トリフルオロエチレンとの共重合体)製の溶接棒を、0.3〜0.5MPaの圧力で溝に押し付け、溝内にPFAを充填した。

0138

次いで、幅14mm×厚さ2.4mmのPFA製の溶接被覆材被覆シート)に580℃の熱風を吹き付けながら、0.3〜0.5MPaの圧力で押え付け、2枚のシートの継ぎ目上を被覆シートの中心線が通るように溶接により密着させた。

0139

2枚のシートの継ぎ目上を溶接被覆材の中心線が通るように溶接走行させることにより密着させた。
この時の溶接速度は、160〜200mm/分であった。

0140

2つの短辺の位置が、2枚のシートの継ぎ目からそれぞれ25mmの位置であるように、溶接された接合体から、短辺幅10mm×長辺幅50mmの試験片を切り出した。切り出した試験片について、2枚のシートの継ぎ目に対して垂直な方向についての引張強度を測定した結果、引張強度は30kN/mであった。
また、溶接被覆材は、2枚のシートに対して、浮きや剥がれ等が無い状態で良好に密着していた。

0141

〔実施例3〕
50mm×50mm×厚さ2.4mmの正方形型のシート全体を、PTFEのパウダーにCNTを0.025質量%混合したCNT含有パウダーを用いて形成したことの他は、実施例2と同様にして、溶接による接合体を作成した。
実施例3での溶接速度は100〜150mm/分であった。
実施例2と同様にして接合体から切り出された試験片についての引張強度を測定した結果、引張強度は29kN/mであった。
ただし、溶接被覆材の、2枚のシートの継ぎ目と平行な辺の付近を観察したところ、溶接被覆材と、シートとの間に、わずかに浮きや剥がれがあることが分かった。

実施例

0142

〔比較例3〕
50mm×50mm×厚さ2.4mmの正方形型のシート全体を、PTFEのパウダーにCNTを15質量%混合したCNT含有パウダーを用いて形成したことの他は、実施例2と同様にして、溶接による接合体を作成した。
しかしながら、作成された接合体は、接合体を持ち上げた場合に、接合面から容易に分解されるものであった。

0143

10貯槽
1タンク本体
2ピット
3滴下管
4ホース
5 カプラー

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