図面 (/)

技術 液体吐出装置

出願人 キヤノン株式会社
発明者 根津祐志小寺泰人田村泰之
出願日 2018年3月6日 (2年1ヶ月経過) 出願番号 2018-039305
公開日 2019年9月12日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-151061
状態 未査定
技術分野 インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード 一次共鳴 圧電電圧 液体経路 共鳴振動 定在波振動 電圧発生源 電子回路印刷 共鳴管
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

本発明は、液体経路に連結されている吐出ヘッドを備える液体吐出装置において、液体の物性を高精度に検出することができる液体吐出装置の提供を目的とする。

解決手段

本発明の液体吐出装置は、液体を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドに連結され、液体が流れる液体経路と、液体が入っている状態の前記液体経路の一部の共鳴周波数を測定して、液体の物性を検出する検出部とを備えることを特徴とする。

概要

背景

液体吐出装置吐出ヘッド吐出口は大気と接する構造であるため、吐出口におけるインク中の溶媒は大気中に蒸発し、インク中の色材の濃度が上昇することが知られている。インク中の色材の濃度の上昇に伴い液体粘性が上昇するため、色材の濃度の上昇は、吐出口から吐出される液滴の速度の変化、体積の変化、サテライト滴の発生等、吐出性能に影響を及ぼす。その結果、印刷物色濃度要因となる。
この対策の一つとして、吐出ヘッドと外部の間にインクを循環させる循環経路とを設け、吐出口に繋がる吐出ヘッド内インク流路中のインクを流し、インク循環させる方法が提案されている。この方法では、循環経路を循環するインクに高濃度化した吐出口の内部のインクを拡散させることで、インク中の色材の濃度の上昇を抑制している。この方法では、吐出口の内部の高濃度化したインクが循環経路を循環するインクと混ざり合うため、インクタンク中のインク組成が変化するという問題が存在する。
特許文献1には、吐出ヘッドの吐出口に連通する圧力室圧電素子に吐出に至らない振動を与え、その後の圧力室の残留振動により圧電素子に発生する電圧波形分析することにより、インクの粘度を測定する方法が開示されている。

概要

本発明は、液体経路に連結されている吐出ヘッドを備える液体吐出装置において、液体の物性を高精度に検出することができる液体吐出装置の提供を目的とする。 本発明の液体吐出装置は、液体を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドに連結され、液体が流れる液体経路と、液体が入っている状態の前記液体経路の一部の共鳴周波数を測定して、液体の物性を検出する検出部とを備えることを特徴とする。

目的

本発明は、液体経路に連結されている吐出ヘッドを備える液体吐出装置において、液体の物性を高精度に検出することができる液体吐出装置の提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

液体吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドに連結され、液体が流れる液体経路と、液体が入っている状態の前記液体経路の一部の共鳴周波数を測定して、液体の物性を検出する検出部と、を備えることを特徴とする液体吐出装置

請求項2

前記検出部は、液体が流れている状態の前記液体経路の一部の共鳴周波数を測定して、液体の物性を検出することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。

請求項3

前記液体経路は、両端が開口し、前記両端で音響インピーダンスが変化する共鳴管を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。

請求項4

前記共鳴管のコンプライアンスは、前記液体経路における前記共鳴管に隣接する前記共鳴管の両端側の部分のコンプライアンスよりも低いことを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。

請求項5

前記共鳴管の横断面積は、前記液体経路における前記共鳴管に隣接する前記共鳴管の両端側の部分の横断面積と異なることを特徴とする請求項3又は4に記載の液体吐出装置。

請求項6

前記共鳴管の横断面積は、前記液体経路における前記共鳴管に隣接する前記共鳴管の両端側の部分の横断面積よりも広いことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。

請求項7

前記共鳴管の横断面積は、前記液体経路における前記共鳴管に隣接する前記共鳴管の両端側の部分の横断面積よりも狭いことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。

請求項8

前記共鳴管の横断面積は、前記液体経路における前記共鳴管に隣接する前記共鳴管の一端側の部分の横断面積よりも狭く、かつ、他端側の部分の横断面積よりも広いことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。

請求項9

前記検出部は、振動子としての圧電素子を有し、前記検出部は、前記圧電素子により前記液体経路の一部を振動させて、前記共鳴周波数を測定することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の液体吐出装置。

請求項10

前記検出部は、前記圧電素子に加える周波数に対するインピーダンス特性を測定して前記共鳴周波数を測定することを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。

請求項11

前記検出部は、前記圧電素子の残留振動電気的に検出し、前記残留振動の振動周期又は振動周波数に基づいて前記共鳴周波数を測定することを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。

請求項12

前記検出部は、前記液体経路の一部に配置された圧力検出素子を有し、前記検出部は、前記圧電素子に加える周波数を変化させ、前記圧力検出素子の振幅変化に基づいて前記共鳴周波数を測定することを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。

請求項13

前記検出部は、前記液体経路の一部に配置され、液体の振動によって電圧を発生する電圧発生源と、前記電圧発生源が発生する電圧を増幅する増幅器とを有し、前記圧電素子は、前記液体経路の一部に配置され、前記検出部は、前記電圧発生源が発生した電圧を前記増幅器で増幅し、増幅した電圧を前記圧電素子に印加することで前記液体経路の一部を入っている液体を自励発振させて、前記共鳴周波数を測定することを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。

請求項14

前記検出部は、前記電圧発生源と、前記圧電素子との間に接続され、前記液体経路の一部の共鳴周波数の近傍以外の信号を減衰させるフィルタを有し、前記フィルタは、前記電圧発生源と前記圧電素子との間のループゲインが前記共鳴周波数の近傍以外の場合に、前記ループゲインを1以下とすることを特徴とする請求項13に記載の液体吐出装置。

請求項15

前記吐出ヘッドが吐出する液体を収容する収容部を備え、前記液体経路は、前記収容部に連結されて、前記吐出ヘッドと前記収容部との間で液体を循環させる循環経路とされていることを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載の液体吐出装置。

請求項16

前記循環経路に連結され、前記循環経路の内部を循環する液体の色材の濃度を調整するための調整液を収容する調整液収容部を備え、前記調整液収容部は、前記検出部が検出した前記物性に基づき、前記循環経路を循環する液体の色材の濃度が所定範囲の濃度となるように、前記循環経路の内部に前記調整液を送ることを特徴とする請求項15に記載の液体吐出装置。

技術分野

0001

本発明は、液体吐出装置に関する。

背景技術

0002

液体吐出装置の吐出ヘッド吐出口は大気と接する構造であるため、吐出口におけるインク中の溶媒は大気中に蒸発し、インク中の色材の濃度が上昇することが知られている。インク中の色材の濃度の上昇に伴い液体粘性が上昇するため、色材の濃度の上昇は、吐出口から吐出される液滴の速度の変化、体積の変化、サテライト滴の発生等、吐出性能に影響を及ぼす。その結果、印刷物色濃度要因となる。
この対策の一つとして、吐出ヘッドと外部の間にインクを循環させる循環経路とを設け、吐出口に繋がる吐出ヘッド内インク流路中のインクを流し、インク循環させる方法が提案されている。この方法では、循環経路を循環するインクに高濃度化した吐出口の内部のインクを拡散させることで、インク中の色材の濃度の上昇を抑制している。この方法では、吐出口の内部の高濃度化したインクが循環経路を循環するインクと混ざり合うため、インクタンク中のインク組成が変化するという問題が存在する。
特許文献1には、吐出ヘッドの吐出口に連通する圧力室圧電素子に吐出に至らない振動を与え、その後の圧力室の残留振動により圧電素子に発生する電圧波形分析することにより、インクの粘度を測定する方法が開示されている。

先行技術

0003

特開2015−39886号公報

発明が解決しようとする課題

0004

吐出口に繋がる吐出ヘッドの圧力室を使用して特許文献1に開示されている方法で周波数から粘度の測定を行う場合、メニスカスの状態、圧電素子と振動板とのコンプライアンスなどがインクの振動周波数を支配的に決めることになる。そのため、インクの粘度の変化に起因する振動周波数の変化は小さく、特許文献1に開示されている方法によりインクの粘度などの物性の変化を精度よく求めることは困難である。

0005

本発明は、液体経路に連結されている吐出ヘッドを備える液体吐出装置において、液体の物性を高精度に検出することができる液体吐出装置の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明の液体吐出装置は、液体を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドに連結され、液体が流れる液体経路と、液体が入っている状態の前記液体経路の一部の共鳴周波数を測定して、液体の物性を検出する検出部とを備えることを特徴とする。

発明の効果

0007

本発明は、液体経路に連結されている吐出ヘッドを備える液体吐出装置において、液体の物性を高精度に検出することができる。

図面の簡単な説明

0008

第1実施形態の液体吐出装置の模式図である。
第1実施形態の液体吐出装置の吐出部の模式図である。
第1実施形態の物性検出器の一部の拡大図である。
第1実施形態の圧電素子の周波数−インピーダンス特性の測定例である。
変形例の共鳴管の残留振動の測定回路の構成を説明する図である。
変形例の共鳴管の測定回路の構成を説明する図である。
第2実施形態及びその変形例の共鳴管の構成を示す図である。
変形例の共鳴管の構成を示す図である。

実施例

0009

<第1実施形態> 以下、第1実施形態及びその変形例について説明する。図1は、本実施形態の液体吐出装置10の模式図である。液体吐出装置10は、吐出部100と、搬送部300とを備えている。液体吐出装置10は、一例として、インク(液体の一例)を記録媒体に吐出して着弾させることにより記録媒体上に画像を形成するインクジェット方式記録装置である。ここで、液体の一例は、インク以外であってもよい。
図2は、液体吐出装置10の吐出部100の模式図である。
吐出部100は、吐出ヘッド101と、インクタンク102と、インク供給路103と、インク回収路104と、調整液タンク105と、物性検出器106と、演算回路107と、制御部108と、混合部109と、補給タンク110とを、備えている。ここで、インクタンク102は、収容部の一例である。インク回収路104は、液体経路の一例である。インク供給路103とインク回収路104との組み合せは、循環経路150である。物性検出器106又は物性検出器106と演算回路107との組み合せは、検出部の一例である。調整液タンク105は、調整液収容部の一例である。

0010

インクタンク102には、循環経路150を循環し、吐出ヘッド101により吐出されるインクが収容されている。インクタンク102に収容されているインクは、インク供給路103を通って吐出ヘッド101に供給される。
吐出ヘッド101に供給されたインクの一部は、吐出ヘッド101の吐出口から吐出される。吐出ヘッド101に供給されたインクの残りの一部は、吐出動作を行わない吐出口近傍を流れてインク回収路104に流れる。この場合、吐出動作を行わない吐出口近傍を流れるインクの溶媒の一部は、大気中に蒸発する。そのため、インク回収路104には、インク中の色材の濃度が高濃度化した吐出口の内部のインクを含んだ状態でインク回収路104を流れる。以下の説明では、吐出ヘッド101からインク回収路104に流れるインクを、回収インクという。
本実施形態の液体吐出装置10は、一例としてフルライン型ヘッドを備えた装置であるが、いわゆるシリアル型ヘッドを備えた装置であってもよい。また、液体吐出装置10は、プリンタ複写機通信ステムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサなどの装置に適用してもよい。さらには、各種処理装置複合的に組み合わせた産業記録装置に適用してもよい。例えば、バイオチップ作製、電子回路印刷半導体基板作製、3Dプリンタなどの用途としても用いてもよい。
図2に示すように、インク回収路104は、物性検出器106に連結され、さらに物性検出器106よりもインク流の下流側で混合部109に連結されて、最終的にインクタンク102に繋がっている。物性検出器106は、回収インクの物性を検出する。混合部109は、インクの組成を調整するための調整液が収容されている調整液タンク105に連結されている。すなわち、調整液タンク105は、混合部109を介して循環経路150に連結されている。
物性検出器106により測定された測定情報は、演算回路107に送られる。演算回路107は、測定情報に基づいてインクの物性を検出する。その結果、演算回路107は、回収インクのインク組成を算出する。制御部108は、演算回路107が算出したインク組成に基づき、調整液タンク105に繋がっているバルブ及びポンプを制御して、調整液タンク105の内部に収容されている調整液を混合部109に送り込む。その結果、循環経路150の内部を循環する高濃度化した回収インクは、調整液と混合されて、インクの濃度が所定範囲に調整される。
図2に示すように、インクタンク102には、補給タンク110が接続されている。補給タンク110は、吐出ヘッド101が吐出したインクの量等の状況に応じて、インクタンク102にインクを補給する。

0011

図3(a)及び(b)は、本実施形態の物性検出器106の一部の拡大図である。以下、図3(a)及び(b)を参照しながら、物性検出器106について詳細に説明する。物性検出器106は、共鳴管201と、振動素子203(振動子の一例)とを有している。
インク回収路104の一部は、共鳴管201とされている。別の見方をすると、インク回収路104は、共鳴管201を含む。共鳴管201は、両端が開口している管とされている。別の見方をすると、共鳴管201はインク回収路104の一部に配置されている。共鳴管201は、両端の壁202に挟まれた部分の流路断面積横断面積)がインク回収路104における共鳴管201の両端側に隣接する部分の流路断面積より広くなるように構成されている。そのため、共鳴管201は、その両端で音響インピーダンスが変化するようになっている。両端の壁202及び共鳴管201は、インクに接液しても吐出ヘッド101が有害な溶出物を吐出しないような、硬い材料、例えばセラミックステンレスなどで形成されている。共鳴管201の内部には、圧電体を用いた振動素子203が設置されている。振動素子203は、電圧印加されて振動することにより、共鳴管201の長さとその内部に充填されている液体の音速とに相関する音波定在波を発生する。前述のとおり、インク回収路104における、共鳴管201の両端側に隣接する部分の流路断面積は、共鳴管201の流路断面積よりも狭くなっている。そのため、発生する定在波の一番波長の長い一次共鳴周波数での振動は、図3(a)に示す楕円状の波線のように中心部分で最も大きくなる。共鳴振動を効率よく加振・検出するには、振幅が最も大きい振動の腹の部分付近に振動素子203を配置するのが好ましい。本実施形態では、図3(a)に示すように、共鳴管201の長手方向における中央部付近に振動素子203が配置されている。そのため、振動素子203の振動は、効率よく共鳴管201の内部のインクに伝わる。

0012

次に、振動素子203の構造を図3(a)のA−A切断線で切断した断面図である図3(b)を用いて説明する。
共鳴管201の内壁の一部は、電極を兼ねた薄い振動板204で形成されており、振動板204に圧電素子205が重ねられ、さらに、圧電素子205を挟んで振動板204の反対側に駆動電極206が配置されている。振動板204と駆動電極206とは、電気接続された配線207で引き出され、演算回路107に接続されている。
共鳴管201の共鳴周波数は、振動素子203の周波数−インピーダンス特性(振動素子203を構成する圧電素子205に加えられる周波数に対する音響インピーダンス特性)を測定することで測定される。
図4(a)及び(b)は、本実施形態の圧電素子205の周波数−インピーダンス特性の測定例である。図4(a)及び(b)の測定例に示すように、共鳴管201と振動素子203との様々な振動モードの共振によるインピーダンス変化が測定されるが、そのうちの共鳴管201の共鳴周波数からインク中の音速が算出される。例えば、共鳴管201の長さを20mm、インクの音速を水と同じ約1500m/sとすると、共鳴管201の一次共鳴周波数は概略37.5kHzとなる。インク中の音速は、インク組成により変化する。そのため、本実施形態では、インクが充填されている状態、すなわちインクが入っている状態の共鳴管201の共鳴周波数を測定することにより、インク組成を検出することができる。インク中の音速は温度依存性があるため、共鳴周波数の測定と同時に熱電対等で物性検出器106の近傍の温度を測定することが望ましい。また。図3(a)及び(b)に示すように、共鳴管201はその両端が完全に密閉されていないため、共鳴管201の長さと定在波長とが一致しない。そのため、例えば、事前に物性検出器106を用いて、共鳴周波数に対するインク組成、温度等の依存性を測定してそのデータテーブルを演算回路107に保持し、その保持したデータを用いてインク組成を算出し、組成の調整を行うのが望ましい。

0013

共鳴管201の共鳴周波数を検出する方法として残留振動を電気的に測定する方法(変形例)がある。具体的には、図5に示す回路構成において、振動素子203の圧電素子205に波形発生器208から共鳴管201の共鳴周波数に近い周波数の電圧波形を加える。次いで、共鳴管201の内部に共鳴振動を発生させる。次いで、スイッチ209を切り替えて圧電素子205をアンプ210に接続し、共鳴管201の内部のインクの残留振動で圧電素子205に発生する圧電電圧波形周期振動周期)又は振動周波数を電気的に測定する。その結果、本変形例によれば、残留振動の振動周期又は振動周波数に基づいて共鳴周波数を測定することができる。

0014

共鳴管201の共鳴周波数を検出するさらに他の方法として、振動素子203を用いて自励発振回路を形成しその発振周波数を測定する方法(変形例)がある。具体的には、図6に示す回路構成において、振動素子203の圧電素子205に検出電極211を追加する。振動素子203の振動によって圧電素子205(電圧発生源の一例)から発生した圧電電圧を検出電極211により取り出し、アンプ213(増幅器の一例)で圧電電圧を増幅し、駆動電極206に印加して、共鳴管201の共鳴周波数で自励発振させる。そうすると、アンプ213の出力波形の周波数は、共鳴管201の共鳴周波数となる。
この場合、図4に示すように、共鳴管201及び振動素子203の様々な振動モードの共振がある。そのため、本変形例では、共鳴管201の共鳴周波数のみで発振が起こるように、共鳴管201の共鳴周波数の近傍以外の周波数で信号が減衰するフィルタ212を帰還回路内に組み込む。この場合、共鳴管201の共鳴周波数の近傍のみで検出電極211−フィルタ212−アンプ213−駆動電極206の間のループゲインが1以上になるように増幅率を調整することで、共鳴管201の共鳴周波数のみで自励発振が起きる。すなわち、ループゲインは、共鳴管201の共鳴周波数の近傍以外は1以下とする。本変形例によれば、第1実施形態と比較して、測定回路の規模が小さくて済む。また、前述の特許文献1の技術で行っているFFTによる周波数分析では、分析結果を離散的な値でしか得ることができない。この場合に比べて、本実施形態では、連続した発振波形の測定を複雑な演算をすることなく高分解能での周波数測定が可能となる。一般的に、周波数の測定は、電気抵抗透過光の減衰の測定に比べて、測定の桁数や精度を高くすることが容易である。そのため、本実施形態のように共鳴管201の共鳴周波数を測定することによりインクの物性を測定する方法は、簡易電気回路で高い分解能を得ることができる。
なお、共鳴管201に泡が混入すると共振周波数が変わり誤測定が起こり得るため、循環経路150における共鳴管201より前の部分(図2のインク回収路104A)にフィルタ(図示省略)などの泡をトラップできる機構を設けるのが好ましい。また、比較的小さい泡の混入により共振周波数が高くなるので、定期的に共振周波数の周波数変化を調べて高い周波数に大きくばらつく測定データを排除するなどの処置を行うことが好ましい。
以上の構成により、本実施形態及びその変形例は、インクの物性を高精度に検出することができる。これに伴い、本実施形態及びその変形例によれば、吐出ヘッド101の吐出口の内部のインクの高濃度化を抑制し吐出不良を防止することができる。

0015

<第2実施形態> 次に、第2実施形態及びその変形例について説明する。以下、本実施形態について第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態は、図7(a)に示すように、第1実施形態の物性検出器106(共鳴管201)に換えて、物性検出器106A(共鳴管201A)を備えている。
本実施形態の共鳴管201Aの流路断面積(横断面積)は、その両端側に隣接するインク回収路104の流路断面積より狭くなるように構成されている。そのため、共鳴管201Aは、その両端で音響インピーダンスが変化するようになっている。本実施形態の構成によれば、第1実施形態の形態に比べて、共鳴管201Aの内部に泡が滞留することが少なくなる。これに伴い、本実施形態は、泡による誤測定の防止に有利である。
前述のとおり、インク回収路104における共鳴管201Aの両端側に隣接する部分の流路断面積は、共鳴管201Aの流路断面積よりも広くなっている。そのため、発生する定在波の一番波長の長い一次共鳴の振動は、図7(a)に示すX字状の波線のように共鳴管201Aの両端での振幅が大きくなる。振動素子203は、この振幅が最も大きい両端の何れか一方の振動の腹の部分付近に配置されている。共鳴管201Aの共鳴周波数を求める方法は、第1実施形態及びその変形例と同じ方法で行うことができる。

0016

図7(a)に示す共鳴管201Aの共鳴周波数を検出する他の方法として、以下の方法がある(変形例)。共鳴管201Aの定在波振動音圧は、図7(b)の実線で示した様に共鳴管201Aの長手方向の中央部で最も大きくなる。そこで、本変形例では、図7(b)に示すように、共鳴管201Aの長手方向の中央付近に振動素子203とほぼ同じ構造のマイクロフォン214(圧力検出素子の一例)を配置して共鳴管201Aの内部のインク中の音圧を測定する。この場合、圧電素子205に加える電圧波形の周波数を変化させながらマイクロフォン214で検出される電圧の振幅変化を測定し、共鳴時に検出電圧が高くなることを利用して共鳴周波数を検出することができる。

0017

図7(c)は、共鳴管201A(物性検出器106A)の変形例である共鳴管201B(物性検出器106B)を示している。共鳴管201Bでは、共鳴管201Bの長手方向の中央部分に穴が開いた隔壁215が配置されている。本変形例によれば、隔壁215が配置されていることにより、共鳴管201Bの長手方向の中央部分が振動の腹になる二次の定在波の発生を抑制することができる。すなわち、本変形例によれば、共鳴管201Bの一次共鳴以外の定在波の発生を抑制することができる。

0018

図8(a)は、共鳴管201A(物性検出器106A)の他の変形例である共鳴管201C(物性検出器106C)を示している。本変形例では、共鳴管201C(循環経路の一部の一例)は、インク回収路104から分岐して連結されている。そのため、共鳴管201Cは、その両端で音響インピーダンスが変化するようになっている。本変形例では、図中の波線で示すように共鳴管201Cのインク回収路104と接続する側に近いほど振動の振幅が大きくなっており、当該接続する側と反対側は固定端となっている。また、本変形例では、インク組成の変化に速やかに追従させるため及び泡の滞留を防止するため、共鳴管201Cの固定端側の部分は細い流路(流路断面積が狭い)によりインク回収路104と連結されている。
以上の構成により、本変形例では、共鳴管201Cの長さが共鳴周波数の波長の1/4に相当することになるため、流路構造コンパクトにすることができる。

0019

図8(b)は、共鳴管201A(物性検出器106A)の他の変形例である共鳴管201D(物性検出器106D)を示している。本変形例では、共鳴管201Dの流路断面積と、インク回収路104における共鳴管201Dの両端に連結される部分の流路断面積とは、同じである。共鳴管201Dはセラミックやステンレスなどの固い材料で構成しつつ、インク回収路104における共鳴管201Dの両端に連結される部分はシリコンチューブなどの柔らかい材料で構成されている。そのため、共鳴管201Dは、その両端で音響インピーダンスが変化するようになっている。本変形例では、共鳴管201Dのコンプライアンスは、共鳴管201Aの両端側に隣接する部分のコンプライアンスよりも低い。
本変形例の場合、前述の第2実施形態の場合(図7(a)参照)と同様に、共鳴管201Dの両端で振幅が大きい定在波が発生する。本変形例の場合、前述のとおり、共鳴管201D及びその両端側の部分の流路断面積が一定である。したがって、本実施形態によれば、インク回収路104の内部に泡が滞留し難い。

0020

以上のとおり、本発明について特定の実施形態を例示して説明したが、本発明は前述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、第1実施形態と第2実施形態とを組み合せた形態であってもよい。具体的には、共鳴管201の横断面積が、インク回収路104における共鳴管201に隣接する共鳴管201の一端側の部分の横断面積よりも狭く、かつ、他端側の部分の横断面積よりも広い形態であってもよい。
また、共鳴管201、201A〜Dの共鳴周波数の測定及び当該測定に基づくインクの濃度調整は、液体吐出ヘッド101の吐出動作に並行して行ってもよく、吐出動作時とは別に行ってもよい。なお、上記測定及び上記濃度調整を吐出動作に並行して行うことにより、リアルタイムにインクの濃度調整が可能となる。この場合、リアルタイムにインクの吐出不良を抑制できる点で有効である。

0021

10液体吐出装置
101吐出ヘッド
102インクタンク(収容部の一例)
106物性検出器(検出部の一例)
104インク回収路(液体経路の一例)

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • ブラザー工業株式会社の「 液体吐出ヘッド」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】複数の個別流路に加わる圧力のばらつきを抑制する。【解決手段】ヘッド1は、複数の供給流路31を連結し、複数の供給流路31の第1入口31aに連通する第1供給連結流路41と、複数の供給流路31を連結... 詳細

  • キヤノンファインテックニスカ株式会社の「 画像記録装置」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】記録媒体の停止後に搬送を再開して記録媒体に画像を記録する際に、記録画像の品質の低下を防ぐこと。【解決手段】画像記録装置101は、記録媒体911を搬送する給送ローラ109及び搬送ローラ908と、... 詳細

  • ブラザー工業株式会社の「 画像処理装置、および、コンピュータプログラム」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】往路印刷と復路印刷とを用いる印刷の印刷速度を向上する。【解決手段】往路用のプロファイルと復路用のプロファイルとは、往路用のプロファイルを用いて往路方向にて印刷される画像の色と、復路用のプロファ... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ