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技術 転写フィルム

出願人 王子ホールディングス株式会社
発明者 中川卓治池田一雄
出願日 2018年3月5日 (2年1ヶ月経過) 出願番号 2018-038543
公開日 2019年9月12日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-151035
状態 未査定
技術分野 積層体(2)
主要キーワード 各転写フィルム シート被覆材 シャフト直径 塗工面積 熱転写用フィルム 無機有機複合粒子 略図的断面図 含有量割合
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月12日)のものです。
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図面 (5)

課題

被転写体に低光沢の意匠を付与することができ、中間層と表面層の優れた剥離性を発揮し、さらに、表面層が優れた耐溶剤性を備える、転写フィルムを提供する。

解決手段

少なくとも、基材層と、中間層と、転写層とをこの順に備える積層体からなり、 前記転写層は、少なくとも、前記中間層と接面している表面層を備えており、 前記表面層は、前記中間層から剥離可能であり、 前記表面層は、アクリル樹脂を含み、 前記中間層は、粒子と、被架橋性アクリル樹脂と、多官能アミ化合物とを含む樹脂組成物硬化物である、転写フィルム。

概要

背景

従来、布地などの被転写体に図柄や文字などの意匠を施す用途に用いられる転写フィルムが知られている。

例えば、特許文献1には、基材剥離層及び熱接着性樹脂からなる印字形成層が積層された熱転写用フィルムが開示されている。当該熱転写用フィルムは、基材と剥離層との間で剥離され、剥離層及び印字形成層は被転写体に転写される。

また、例えば特許文献2には、ポリエステルフィルムで構成された基材フィルム離型層転写層(当該転写層は剥離層を含み、当該剥離層は前記離型層と接する)が順に積層された転写フィルムが開示されている。当該転写フィルムは、離型層と剥離層との間で剥離されるように転写層が被転写体に転写される。

概要

被転写体に低光沢の意匠を付与することができ、中間層と表面層の優れた剥離性を発揮し、さらに、表面層が優れた耐溶剤性を備える、転写フィルムを提供する。 少なくとも、基材層と、中間層と、転写層とをこの順に備える積層体からなり、 前記転写層は、少なくとも、前記中間層と接面している表面層を備えており、 前記表面層は、前記中間層から剥離可能であり、 前記表面層は、アクリル樹脂を含み、 前記中間層は、粒子と、被架橋性アクリル樹脂と、多官能アミ化合物とを含む樹脂組成物硬化物である、転写フィルム。なし

目的

本発明は、被転写体に低光沢の意匠を付与することができ、中間層と表面層の優れた剥離性を発揮し、さらに、表面層が優れた耐溶剤性を備える、転写フィルムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

少なくとも、基材層と、中間層と、転写層とをこの順に備える積層体からなり、前記転写層は、少なくとも、前記中間層と接面している表面層を備えており、前記表面層は、前記中間層から剥離可能であり、前記表面層は、アクリル樹脂を含み、前記中間層は、粒子と、被架橋性アクリル樹脂と、多官能アミ化合物とを含む樹脂組成物硬化物である、転写フィルム

請求項2

前記中間層と前記表面層との剥離力が、0.05〜0.6N/25mmである、請求項1に記載の転写フィルム。

請求項3

前記表面層に含まれる前記アクリル樹脂の最低造膜温度が、5℃以下である、請求項1又は2に記載の転写フィルム。

請求項4

前記粒子が、無機粒子である、請求項1〜3のいずれかに記載の転写フィルム。

請求項5

前記表面層が、帯電防止剤をさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の転写フィルム。

請求項6

前記表面層の前記中間層側とは反対側の表面粗さSaが、0.1μm以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の転写フィルム。

請求項7

前記表面層の前記中間層側とは反対側の60度鏡面光沢度が、60%以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の転写フィルム。

請求項8

前記表面層の表面抵抗が、1.0×1013Ω/sq以下である、請求項1〜7のいずれかに記載の転写フィルム。

請求項9

前記転写層を布地転写する用途に用いられる、請求項1〜8のいずれかに記載の転写フィルム。

技術分野

0001

本発明は、転写フィルムに関する。

背景技術

0002

従来、布地などの被転写体に図柄や文字などの意匠を施す用途に用いられる転写フィルムが知られている。

0003

例えば、特許文献1には、基材剥離層及び熱接着性樹脂からなる印字形成層が積層された熱転写用フィルムが開示されている。当該熱転写用フィルムは、基材と剥離層との間で剥離され、剥離層及び印字形成層は被転写体に転写される。

0004

また、例えば特許文献2には、ポリエステルフィルムで構成された基材フィルム離型層転写層(当該転写層は剥離層を含み、当該剥離層は前記離型層と接する)が順に積層された転写フィルムが開示されている。当該転写フィルムは、離型層と剥離層との間で剥離されるように転写層が被転写体に転写される。

先行技術

0005

特開平9−300893号公報
特開2007−320147号公報

発明が解決しようとする課題

0006

布地などの被転写体に転写される転写フィルムには、例えば、転写用基材と転写層とが設けられ、転写層が被転写体に転写されると共に、転写用基材が転写層から剥離される。転写層には、転写後に表面に位置する表面層が含まれており、さらに、表面層の上(転写用基材とは反対側)には、着色インクなどによって形成された印刷層等が設けられることがある。

0007

転写フィルムは、被転写体に転写層を適切に転写するために、転写用基材と転写層との優れた剥離性が要求される。

0008

ところが、前述の特許文献1の熱転写用フィルムは、剥離される剥離層と接面している層が基材であるため、必要な剥離力が非常に高く、転写フィルムとして実用に耐えられるものではない。また、特許文献2の転写フィルムは、離型層の成分としてアクリル系樹脂などが使用できると記載されている。離型層の成分がかかるアクリル系樹脂では、必要な剥離力は非常に高い。そのため、特許文献2に開示された転写フィルムも、実用に耐えられるものではない。

0009

また、近年、転写フィルムを用いて、布地などに様々な意匠を施すことが求められており、例えば、布地と転写層との質感ギャップを小さくする観点から、転写層の光沢を低減したものが要求されている。しかしながら、例えば特許文献1の熱転写用フィルムは、転写後の当該剥離層の光沢度は高いものとなる。

0010

また、転写フィルムの転写層において、表面層の上(転写用基材とは反対側)に、さらに印刷層などのインクによって形成される層を積層すると、インクに含まれる溶剤によって、転写フィルムの表面層や中間層が基材層から剥がれやすくなり、転写層が適切に転写できない問題が生じる場合がある。このため、表面層には優れた耐溶剤性も要求される。

0011

このような状況下、本発明は、被転写体に低光沢の意匠を付与することができ、中間層と表面層の優れた剥離性を発揮し、さらに、表面層が優れた耐溶剤性を備える、転写フィルムを提供することを主な目的とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、少なくとも、基材層と、中間層と、転写層とをこの順に備える積層体からなり、転写層は、少なくとも、前記中間層と接面している表面層を備えており、表面層は、中間層から剥離可能であり、前記表面層は、アクリル樹脂を含み、前記中間層は、粒子と被架橋性アクリル樹脂と多官能アミ化合物とを含む樹脂組成物硬化物である転写フィルムは、布地などの被転写体に低光沢の意匠を付与することができ、中間層と表面層の優れた剥離性を発揮し、さらに、表面層が優れた耐溶剤性を備えることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいてさらに検討を重ねることにより完成したものである。

0013

すなわち、本発明には、以下のものが含まれる。
[1] 少なくとも、基材層と、中間層と、転写層とをこの順に備える積層体からなり、
前記転写層は、少なくとも、前記中間層と接面している表面層を備えており、
前記表面層は、前記中間層から剥離可能であり、
前記表面層は、アクリル樹脂を含み、
前記中間層は、粒子と、被架橋性アクリル樹脂と、多官能アミノ化合物とを含む樹脂組成物の硬化物である、転写フィルム。
[2] 前記中間層と前記表面層との剥離力が、0.05〜0.6N/25mmである、項1に記載の転写フィルム。
[3] 前記表面層に含まれる前記アクリル樹脂の最低造膜温度が、5℃以下である、項1又は2に記載の転写フィルム。
[4] 前記粒子が、無機粒子である、項1〜3のいずれかに記載の転写フィルム。
[5] 前記表面層が、帯電防止剤をさらに含む、項1〜4のいずれかに記載の転写フィルム。
[6] 前記表面層の前記中間層側とは反対側の表面粗さSaが、0.1μm以上である、項1〜5のいずれかに記載の転写フィルム。
[7] 前記表面層の前記中間層側とは反対側の60度鏡面光沢度が、60%以下である、項1〜6のいずれかに記載の転写フィルム。
[8] 前記表面層の表面抵抗が、1.0×1013Ω/sq以下である、項1〜7のいずれかに記載の転写フィルム。
[9] 前記転写層を布地に転写する用途に用いられる、項1〜8のいずれかに記載の転写フィルム。

発明の効果

0014

本発明によれば、少なくとも、基材層と、中間層と、転写層とをこの順に備える積層体からなる転写フィルムであって、被転写体に低光沢の意匠を付与することができ、中間層と表面層の優れた剥離性を発揮し、さらに、表面層が優れた耐溶剤性を備える転写フィルムを提供することができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の転写フィルムの一例の略図的断面図である。
本発明の転写フィルムの一例の略図的断面図である。
図1の転写フィルムが被転写体に転写された積層体(基材層及び中間層付き転写体)の一例の略図的断面図である。
図3の転写体から基材層及び中間層を剥離して得られた転写体の一例の略図的断面図である。
図2の転写フィルムが被転写体に転写され、基材層及び中間層を剥離して得られた転写体の一例の略図的断面図である。

0016

本実施形態に係る転写フィルムは、少なくとも、基材層と、中間層と、転写層とをこの順に備える積層体からなり、前記転写層は、少なくとも、前記中間層と接面している表面層を備えており、前記表面層は、前記中間層から剥離可能であり、前記表面層は、アクリル樹脂を含み、前記中間層は、粒子と被架橋性アクリル樹脂と多官能アミノ化合物とを含む樹脂組成物の硬化物であることを特徴としている。以下、本実施形態に係る転写フィルムについて詳述する。

0017

なお、本明細書において、数値範囲の「〜」とは、以上と以下とを意味する。即ち、α〜βという表記は、α以上β以下、或いは、β以上α以下を意味し、範囲としてα及びβを含む。また、「(メタアクリル」とは「アクリル又はメタクリル」を意味し、他の類似するものも同様の意である。本明細書において、「アクリル樹脂」との表記には、「アクリル樹脂及びメタクリル樹脂」が含まれている。

0018

[転写フィルムの積層構成
図1及び図2に示されるように、本実施形態に係る転写フィルム10は、少なくとも、基材層1と、中間層2と、転写層11とをこの順に備える積層構成を有している。図2に示されるように、基材層1と中間層2との間には、アンカー層8などが設けられていてもよい。転写層11は、布地などの被転写体に転写される層であり、後述の表面層3、さらには必要に応じて、平滑化層4、印刷層5、接着層6などを含んでいてもよい。図1には、転写層11が表面層3のみを有する転写フィルム10を図示している。また、図2には、転写層11が、表面層3、平滑化層4、印刷層5、及び接着層6を有する転写フィルム10を図示している。転写層11において、表面層3は中間層2と接面している。また、表面層3は中間層2から剥離可能である。

0019

転写フィルム10は、転写層11側が被転写体7に転写され、中間層2及び基材層1が転写層11から剥離されて、転写体20が得られる。例えば、図1の転写フィルム10を被転写体7に転写する場合であれば、まず、転写フィルム10が被転写体7に転写されて、図3に示されるような基材層1及び中間層2付きの転写体21を得る。次に、基材層1及び中間層2付きの転写体21から、基材層1及び中間層2を剥離することにより、図4に示されるような転写体20(表面層3と被転写体7との積層体)が得られる。同様に、図2の転写フィルム10を被転写体7に転写すると、図5に示されるような転写体20(表面層3、平滑化層4、印刷層5、接着層6、及び被転写体7の積層体)が得られる。

0020

本実施形態に係る転写フィルムの積層構成の具体例としては、基材層1/中間層2/表面層3が順に積層された積層構成;基材層1/中間層2/表面層3/平滑化層4が順に積層された積層構成;基材層1/中間層2/表面層3/平滑化層4/印刷層5が順に積層された積層構成;基材層1/中間層2/表面層3/平滑化層4/印刷層5/接着層6が順に積層された積層構成;基材層1/中間層2/表面層3/印刷層5が順に積層された積層構成;基材層1/中間層2/表面層3/印刷層5/接着層6が順に積層された積層構成;基材層1/中間層2/表面層3/平滑化層4/印刷層5が順に積層された積層構成;基材層1/中間層2/表面層3/平滑化層4/接着層6が順に積層された積層構成;基材層1/中間層2/表面層3/接着層6が順に積層された積層構成;基材層1/アンカー層8/中間層2/表面層3が順に積層された積層構成;基材層1/アンカー層8/中間層2/表面層3/平滑化層4が順に積層された積層構成;基材層1/アンカー層8/中間層2/表面層3/平滑化層4/印刷層5が順に積層された積層構成;基材層1/アンカー層8/中間層2/表面層3/平滑化層4/印刷層5/接着層6が順に積層された積層構成;基材層1/アンカー層8/中間層2/表面層3/印刷層5が順に積層された積層構成;基材層1/アンカー層8/中間層2/表面層3/印刷層5/接着層6が順に積層された積層構成;基材層1/アンカー層8/中間層2/表面層3/平滑化層4/印刷層5が順に積層された積層構成;基材層1/アンカー層8/中間層2/表面層3/平滑化層4/接着層6が順に積層された積層構成;基材層1/アンカー層8/中間層2/表面層3/接着層6が順に積層された積層構成などが挙げられる。図1に、本実施形態の転写フィルム10の積層構造の一態様として、基材層1/中間層2/表面層3がこの順に積層された転写フィルム10の一形態の断面構造の模式図を示す。また、図2に、本実施形態の転写フィルム10の積層構造の一態様として、基材層1/アンカー層8/中間層2/表面層3/平滑化層4/印刷層5/接着層6がこの順に積層された転写フィルム10の一形態の断面構造の模式図を示す。

0021

なお、図1図5の略図的断面図に関して、中間層2と表面層3の界面、および表面層3と平滑化層4の界面等は大きさの揃った半円と直線が規則的に並んだ形状で記載されているが、これは界面が粗面化されていることを模式的に表すものであり、必ずしも図通りの規則的な形状であることを意味しない。また上記二つの界面の形状が同一であることも意味しない。

0022

[転写フィルムの各層]
(基材層1)
基材層1は、転写フィルム10において、支持体としての役割を果たす樹脂シート樹脂フィルム)により形成されている。

0023

基材層1に使用される樹脂成分については、支持体としての役割を果たし、かつ、例えば転写によって転写層を被転写体7に転写可能なものであれば、特に制限されない。基材層1に使用される樹脂成分としては、例えば、熱可塑性樹脂熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートポリプロピレンテレフタレートポリプロピレンナフタレートポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂ポリエチレン、ポリプロピレン、4−メチルペンテン−1系重合体系樹脂環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂非晶性ポリスチレン系樹脂結晶性ポリスチレン系樹脂等のポリスチレン系樹脂セルローストリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂;ポリメタクリレートポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系等の熱可塑性ポリウレタン樹脂ポリカーボネート樹脂ナイロン66等のポリアミド系樹脂ポリイミドポリエーテルイミド等の熱可塑性イミド系樹脂ポリサルフォンポリエーテルサルフォン等のサルフォン系樹脂;ポリフェニレンサルフィド系樹脂ポリエーテルエーテルケトン系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂ポリ酢酸ビニルポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂ポリ乳酸系樹脂ブタジエン系樹脂スチレンブタジエン系樹脂、シリコーン系樹脂等のゴム系樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂としてはエポキシ系樹脂フェノール系樹脂ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、シリコーン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂熱硬化性ポリウレタン系樹脂熱硬化性イミド系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、強度や耐熱性が高いという観点からポリエチレンテレフタレートが好ましい。

0024

基材層1を形成する樹脂成分としては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。また、基材層1は、これら樹脂の単層シートで形成されていてもよく、また同種又は異種樹脂による複層シートで形成されていてもよい。

0025

基材層1は、無延伸フィルム一軸延伸フィルム又は二軸延伸フィルムのいずれから形成される層であってもよい。耐熱性、強度の観点から、基材層は二軸延伸フィルムから形成される層であることが好ましい。

0026

基材層1には所望により表面処理を施してもよい。表面処理としては例えば、後述するアンカー層や中間層との密着性を高めるための表面酸化処理や、基材層の裏面(後述の中間層や転写層等を設けるのとは反対側の面)側のブロッキングを防止するための凹凸化処理等が挙げられる。表面酸化処理としては、例えば、コロナ放電処理プラズマ処理酸処理火炎処理熱風処理オゾン処理紫外線照射処理、又は電子線処理などが挙げられる。凹凸化処理等としては、例えば、サンドブラスト処理溶剤処理などが挙げられる。

0027

基材層1の厚みは、特に制限されずに適宜設定されるが、好ましくは10〜200μm程度、より好ましくは20〜150μm程度、さらに好ましくは35〜120μm程度が挙げられる。基材層の厚みは、マイクロメーター(JIS B 7502:1994)を用いて、JIS C 2151:2006に準拠して測定される。

0028

(アンカー層8)
本実施形態の転写フィルムでは、中間層2と基材層1の接着性を高めて、転写の際に中間層の一部が基材層から剥がれることを防止しやすいという目的で、必要に応じて、基材層1と中間層2との間に、アンカー層8が設けられていてもよい。アンカー層8は、1層又は2層以上であってもよい。

0029

アンカー層8を構成する成分としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂セルロース系樹脂、シリコーン系樹脂、ビニルアルコール系樹脂エチレンビニルアルコール系樹脂、イソシアネート基含有樹脂、カルボジイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、オキサゾリン基含有樹脂等が挙げられる。アンカー層8を構成する成分は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。これら樹脂は、基材層や中間層との接着性を高める目的で、カルボキシル基ヒドロキシ基を導入して良い。

0030

アンカー層8の厚みは、特に限定されないが、0.1〜3μmが好ましい。アンカー層8の塗工量は、特に限定されないが、0.1〜3g/m2が好ましい。

0031

アンカー層8は、例えば、上記アンカー層8の成分をそのまま、あるいは上記アンカー層8の成分に加えて溶剤を含む塗工液を、基材層1の表面に押出あるいは塗工した後、加熱、乾燥、エネルギー線照射等の固化手段を単独または組み合わせて用いて固化して形成することができる。溶剤はとしては、後述する中間層2および表面層3で例示列挙された溶剤と同様の溶剤を使用することができる。

0032

(中間層2)
中間層2は、基材層1と表面層3との間に設けられている。中間層2は表面層3と接面しており、表面層3から実質的に剥離可能である。ここで実質的に剥離とは、剥離後の中間層2の表面に微量の表面層3の成分が付着していること、および、剥離後の表面層3の表面に微量の中間層2の成分が付着していることを許容する。微量の中間層2の成分の質量割合および微量の表面層3の成分の質量割合は、それぞれ、好ましくは、剥離する前の上記各層の全質量の20質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。

0033

中間層2は、粒子と、被架橋性アクリル樹脂と、多官能アミノ化合物とを含む樹脂組成物の硬化物であることを特徴としている。転写フィルム10においては、中間層2が粒子と被架橋性アクリル樹脂と多官能アミノ化合物とを含む樹脂組成物の硬化物であり、かつ、中間層2に接面している表面層3が、後述の通り、アクリル樹脂を含むことにより、被転写体7に低光沢の意匠を付与することができ、中間層2と表面層3の優れた剥離性が発揮され、さらに、表面層3が優れた耐溶剤性を発揮することができる。

0034

中間層2に含まれる粒子は、粒子の形態を保持した状態で存在する。これに対して、被架橋性アクリル樹脂は、前記樹脂組成物中において、前記多官能アミノ化合物と共に、前記粒子の母材マトリックス)を構成している。従って、前記樹脂組成物中において、被架橋性アクリル樹脂は、粒子の形態ではない。中間層2に含まれる粒子としては、中間層2の表面層3側の表面を粗面化することができるものであれば、特に制限されず、無機粒子及び有機粒子がいずれも使用可能であり、また無機有機複合粒子であってもよい。転写時に熱や圧が加えられた際に変形を抑制して所望の粗さを維持しやすい観点、および、耐溶剤性の観点からは、無機粒子が好ましく、粒子径分布が揃っており所望の表面粗さを得られ易い観点からは、有機粒子が好ましい。粒子は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。

0035

無機粒子の具体例としては、白色顔料有色顔料等の顔料が挙げられる。例えば、軽質炭酸カルシウム重質炭酸カルシウムカオリン焼成カオリンタルク硫酸カルシウム硫酸バリウム二酸化チタン酸化亜鉛硫化亜鉛炭酸亜鉛サチンホワイト珪酸アルミニウムケイソウ土珪酸カルシウム珪酸マグネシウム合成非晶質シリカコロイダルシリカアルミナコロイダルアルミナベーマイト擬ベーマイト水酸化アルミニウム炭酸マグネシウム水酸化マグネシウムゼオライトスメクタイトなどである。これらのなかでも、粒子径が揃っており、前記及び後記の被架橋性アクリル樹脂と多官能アミノ化合物との親和性が良好であることから、合成非晶質シリカが好ましい。合成非晶質シリカの製造法は、特に限定されず、燃焼法アーク法等の乾式法沈殿法ゲル法等の湿式法等を用いて製造することができる。なかでも湿式法で製造されたシリカは、乾式法で製造されたものと比較して、表面シラノール基が多いため、塗膜強度や耐溶剤性に優れる層を形成しやすいため好ましい。

0036

合成非晶質シリカは、表面を改質したものであってもよい。表面を改質した合成非晶質シリカとしては、例えば、塗膜強度や耐溶剤性を損なわない範囲内で、塗工時の溶剤への分散性を高めて塗工適性を良化させる等の目的で、シラン類シリコーン類、各種ワックス、各種界面活性剤無機塩類等で表面を処理したもの等を使用できる。

0037

合成非晶質シリカとしては、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば水澤化学工業(株)製ミズカシル登録商標シリーズ、富士シリシア化学(株)製サイリシア(登録商標)シリーズ、東ソーシリカ(株)製ニップシール(登録商標)シリーズ等が好適に使用できる。

0038

有機粒子としては、ポリアミド樹脂ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂ポリオレフィン樹脂ポリスルホン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂ポリアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂ポリ塩化ビニリデン系樹脂エチレン酢酸ビニル共重合樹脂スチレン共重合樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂などの有機物球状粒子を挙げることができる。有機粒子を構成する樹脂としては、転写時に熱や圧が加えられた際に変形を抑制して所望の粗さを維持しやすい観点から、熱硬化性樹脂や、ガラス転移温度が転写時に加えられる温度よりも高い樹脂が好ましい。また、有機粒子としては、中空粒子中実粒子のいずれも使用できるが、同様の理由から中実粒子が好ましい。また、有機粒子の成分は、耐溶剤性の観点からは架橋性樹脂が好ましい。

0039

粒子の平均粒子径としては、中間層2の表面層3側の表面を粗面化することができるものであれば、特に制限されない。中間層2と表面層3との優れた剥離性を発揮しつつ、表面層3の低光沢の意匠を好適に付与する観点から、粒子の平均粒子径としては、好ましくは2〜12μm程度、より好ましくは4〜10μm程度、さらに好ましくは5〜7μm程度が挙げられる。なお合成非晶質シリカ等の無機粒子は1次粒子凝集体(2次粒子)を形成した構造を有するが、ここで平均粒子径とは2次粒子径を指す。

0040

なお、本発明において、中間層2に含まれる粒子の平均粒子径は、中間層2の断面を電子顕微鏡で観察して取得される画像中の粒子を無作為に20個以上選択し、それぞれの粒子について測定した最大径平均値である。

0041

中間層2における粒子の含有量割合は、中間層2の表面層3側の表面を粗面化することができる程度であれば、特に制限されない。中間層2と表面層3との優れた剥離性を発揮しつつ、表面層3の低光沢の意匠を好適に付与する観点から、中間層2における粒子の含有量は、粒子と被架橋性アクリル樹脂と多官能アミノ化合物の合計質量を100質量部として、好ましくは5〜30質量部程度、より好ましくは8〜25質量部程度、さらに好ましくは10〜22質量部程度が挙げられる。

0042

被架橋性アクリル樹脂は、中間層2の主成分となる樹脂である。ここで、本明細書において、主成分とは、各層の中で最も含有質量の多い成分であることを意味する。被架橋性アクリル樹脂は、後述の多官能アミノ化合物と反応することで架橋構造を形成する官能基を備えるアクリル樹脂である。このような官能基としては、ヒドロキシ基(水酸基、あるいはヒドロキシル基呼称されることもある)、カルボキシ基アミノ基、アミド基などが挙げられる。

0043

被架橋性アクリル樹脂としては、多官能アミノ化合物と反応して架橋構造を形成できるものであれば特に制限されず、酸変性アクリル樹脂、ポリオール型アクリル樹脂、ポリアクリルアミンなどが挙げられる。

0044

酸変性アクリル樹脂は、アクリル樹脂をカルボン酸などの酸成分でブロック重合又はグラフト重合することにより変性したポリマーである。変性に使用される酸成分としては、例えば、マレイン酸アクリル酸イタコン酸クロトン酸無水マレイン酸無水イタコン酸などのカルボン酸又はその無水物が挙げられる。また、変性されるアクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステル単独重合体、2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマー共重合体、又は(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。酸変性されるアクリル樹脂として、より具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。

0045

また、ポリオール型のアクリル樹脂は、複数のヒドロキシ基を備えるアクリル樹脂である。ポリオール型のアクリル樹脂としては、例えば、メチル(メタ)アクリレートエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等の分子中に水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルとを共重合させて得られるものが挙げられる。

0046

アクリル樹脂の塗工前の形態としては、水や有機溶媒等に溶解したものでも、界面活性剤等の分散剤を用いて分散したもの(エマルジョン)であっても、それらを混合したものであってもよい。アクリル樹脂は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。

0047

被架橋性アクリル樹脂としては、市販品を使用することもできる。被架橋性アクリル樹脂の好ましい市販品としては、被架橋性の酸変性アクリル樹脂である、DIC(株)製アクディック(登録商標)シリーズ(例えば、A−452)、被架橋性のポリオール型アクリル樹脂であるYL−455(東洋インキ(株)製)、などが挙げられる。

0048

中間層2における被架橋性アクリル樹脂の含有量は、中間層2と表面層3との優れた剥離性を発揮しつつ、表面層3の低光沢の意匠を好適に付与する観点から、粒子と被架橋性アクリル樹脂と多官能アミノ化合物の合計質量を100質量部として、好ましくは55〜90質量部程度、より好ましくは60〜85質量部程度、さらに好ましくは65〜80質量部程度が挙げられる。なお、中間層2は、粒子と被架橋性アクリル樹脂と多官能アミノ化合物を含む樹脂組成物の硬化物であり、中間層2において、被架橋性アクリル樹脂は、多官能アミノ化合物と架橋反応した状態で含有されている。

0049

多官能アミノ化合物は、被架橋性アクリル樹脂と架橋反応する官能基を複数備えたアミノ化合物である。多官能アミノ化合物としては、メラミン樹脂尿素樹脂ベンゾグアナミン樹脂ジアミン類などが挙げられる。メラミン樹脂としては、メチル化メラミン樹脂ブチル化メラミン樹脂等が挙げられる。尿素樹脂としては、メチル化尿素樹脂ブチル化尿素樹脂等が挙げられる。ベンゾグアナミン樹脂としては、メチル化ベンゾグアナミン樹脂、ブチル化ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。ジアミン類としては、エチレンジアミンテトラメチレンジアミンヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジフェニルエチレンジアミン、p−キシリレンジアミン等が挙げられる。これらの中でも、メチル化メラミンが特に好ましい。

0050

多官能アミノ化合物としては、市販品を使用することもできる。多官能アミノ化合物の好ましい市販品としては、ニカラック(登録商標)MW−30MLF(日本カーバイド(株)製(フルエーテルタイプの多官能アミノ化合物))、ニカラック(登録商標)MS−001(日本カーバイド(株)製(イミノ基メチロール基を有するメチル化メラミン多官能アミノ化合物))などが挙げられる。

0051

中間層2における多官能アミノ化合物の含有量は、中間層2と表面層3との優れた剥離性を発揮しつつ、表面層3の低光沢の意匠を好適に付与する観点から、粒子と被架橋性アクリル樹脂と多官能アミノ化合物の合計質量を100質量部として、好ましくは5〜20質量部程度、より好ましくは8〜18質量部程度、さらに好ましくは10〜16質量部程度が挙げられる。なお、中間層2は、粒子と被架橋性アクリル樹脂と多官能アミノ化合物を含む樹脂組成物の硬化物であり、中間層2において、多官能アミノ化合物は、被架橋性アクリル樹脂と架橋反応した状態で含有されている。

0052

中間層2を形成する樹脂組成物は、粒子、被架橋性アクリル樹脂、及び多官能アミノ化合物に加えて、さらに触媒を含むことが好ましい。触媒としては、被架橋性アクリル樹脂と多官能アミノ化合物の硬化を促進させるものであれば、特に制限されず、公知の触媒を使用することができる。触媒としては、例えばパラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸nブチル、ベンゼンスルホン酸スルホン酸メタンスルホン酸等の酸性触媒が挙げられる。

0053

中間層2における触媒の含有量は、中間層2と表面層3との優れた剥離性を発揮しつつ、表面層3の耐溶剤性を高めて表面層等を塗工する際の塗工適性を良化させる観点から、粒子と被架橋性アクリル樹脂と多官能アミノ化合物の合計質量を100質量部として、好ましくは0.1〜5.0質量部程度、より好ましくは1.0〜4.0質量部程度が挙げられる。

0054

中間層2は、粒子と被架橋性アクリル樹脂と多官能アミノ化合物と、必要に応じて添加される触媒などに加えて、さらに溶剤を含む塗工液(中間層用塗工液)を基材層1又はアンカー層8の表面に塗工して形成することができる。溶剤としては、特に制限されず、例えば、ヘキサンヘプタンオクタントルエンキシレンエチルベンゼンシクロヘキサンメチルシクロヘキサン等の炭化水素類ジクロロメタントリクロロエタントリクロロエチレンテトラクロロエチレンジクロロプロパン等のハロゲン化炭化水素類;メタノールエタノールプロパノールイソプロピルアルコールブタノールイソブチルアルコールジアセトンアルコール等のアルコール類ジエチルエーテルジイソプロピルエーテルジオキサンテトラヒドロフラン等のエーテル類アセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンイソホロンシクロヘキサノン等のケトン類酢酸メチル酢酸エチル酢酸ブチル酢酸イソブチル酢酸アミル酪酸エチル等のエステル類エチレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタートプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート等のポリオール及びその誘導体などの有機溶剤を使用することができる。溶剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。

0055

溶剤は、25℃における表面張力が、20mN/m以上40mN/m未満であることが好ましく、22mN/m以上36N/m未満であることがより好ましい。表面張力が上記範囲の下限値以上であれば、ゆず肌オレンジピール)といった塗布欠陥が起こりにくく、上記範囲の上限値未満であれば、厚肉端部(フレーミング)といった塗布欠陥が起こりにくい。

0056

溶剤の沸点は、塗工液のハンドリング性製造効率を高めやすい観点から、好ましくは10〜150℃であり、より好ましくは20〜120℃である。好ましい溶剤としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、エタノール、イソプロピルアルコール、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル等が挙げられる。

0057

また、中間層用塗工液の全固形分濃度としては、特に制限されないが、中間層用塗工液中に粒子などの成分を好適に分散させて、中間層2を均一に塗工する観点から、好ましくは10〜30質量%程度が挙げられる。

0058

〔分散剤〕
中間層2は、分散剤を含有してもよい。分散剤は、粒子の溶媒中での分散を良くして塗工適性を良化させたり、樹脂組成物中において粒子のなじみを良くして塗膜強度や耐溶剤性を良化させるため好ましい。分散剤としては例えば、ポリカルボン酸部分アルキルエステル系等のアニオン性高分子型分散剤、ポリエーテル系等の非イオン性高分子型分散剤、ポリアルキレンポリアミン系等のカチオン性高分子型分散剤、多価アルコールエステル系等の非イオン性界面活性剤型分散剤、アルキルポリアミン系等のカチオン性界面活性剤型分散剤等が挙げられる。市販の分散剤としては例えば、サンノプコ(株)製のSNディスパーサント(登録商標)シリーズ、ノプコスパース(登録商標)シリーズ、SNスパース(登録商標)シリーズ等が挙げられる。分散剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。中間層2における分散剤の含有量は、良好な分散性を得られ易い観点から、粒子と被架橋性アクリル樹脂と多官能アミノ化合物の合計質量を100質量部として、好ましくは0.01〜5.0質量部程度、より好ましくは0.1〜3.0質量部程度が挙げられる。

0059

添加剤
中間層2は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲内で、少なくとも1種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、接着剤酸化防止剤紫外線吸収剤等、滑剤可塑剤難燃化剤着色剤粘度調整剤消泡剤、帯電防止剤等が挙げられる。添加剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。

0060

接着剤としては、特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等が挙げられる。接着剤は一種又は二種以上を組み合わせて使用することができる。

0061

接着剤の熱可塑性樹脂としては、ポリアミドポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリカーボネート、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリスチレンポリフェニレンサルファイド、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリルブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂ポリアセタールポリビニルアルコールポリ塩化ビニリデン、ポリエーテルイミド、アセチルセルロース、ニトロセルロースプロピオン酸セルロースエチルセルロースなどが挙げられる。

0062

接着剤の熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂ユリア樹脂不飽和ポリエステル樹脂熱硬化性ポリウレタン樹脂シリコーン樹脂ジアリルフタレート樹脂などが挙げられる。

0063

酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール一般名称:BHT)や、フェノール系、ヒンダードアミン系、ホスファイト系、ラクトン系及びトコフェロール系の酸化防止剤が挙げられる。具体的には、ジブチルヒドロキシトルエンペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート]、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシ)ベンゼン及びトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等を挙げることができる。

0064

紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾトリアゾール(BASF製Tinuvin328等)、ベンゾフェノン(Cytec製Cysorb UV−531等)及びハイドロキシベンゾエート(Ferro製UV−CHEK−AM−340等)等が挙げられる。

0066

可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、クエン酸エステルフタル酸ジブチルポリエチレングリコール類プロピレングリコール類グリセリンなどが挙げられる。

0067

着色剤としては、各種有色染料や有色顔料、蛍光染料が挙げられる。

0068

難燃化剤としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、リン酸塩ボレート及びアンチモン酸化物等が挙げられる。

0069

粘度調整剤としては、特に限定されないが、例えば、澱粉、セルロース、変性セルロースペクチンカラギナングァーガムローカストビーンガムタマリンドガムキサンタンガムカードラン等が挙げられる。

0070

消泡剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系消泡剤ポリエーテル系消泡剤脂肪酸エステル消泡剤、フッ素系消泡剤等が挙げられる。

0071

帯電防止剤としては、表面層3に用いるものと同様のものが使用可能である。

0072

中間層2の塗工量としては、特に制限されないが、中間層2と表面層3との優れた剥離性を発揮しつつ、表面層3の低光沢の意匠が好適に奏される観点から、好ましくは0.5〜3.0g/m2程度、より好ましくは0.7〜2.5g/m2程度、さらに好ましくは1.0〜2.0g/m2程度が挙げられる。

0073

また、中間層2の厚みとしては、特に制限されないが、中間層2と表面層3との優れた剥離性を発揮しつつ、表面層3の低光沢の意匠が好適に奏される観点から、好ましくは0.5〜3.0μm程度、より好ましくは0.7〜2.5μm程度、さらに好ましくは1.0〜2.0μm程度が挙げられる。ここで厚みは、フィルムの断面を電子顕微鏡にて観察した際の塗工層厚みである。なお、塗工層は粗面化されているので、その塗工面は平坦ではない。そのため塗工層厚みは、視野中で無作為に選択した任意の10か所について測定した厚みの平均値として算出する。

0074

中間層2と後述の表面層3との剥離力は、中間層2と表面層3との優れた剥離性を発揮する観点から、好ましくは0.05〜0.6N/25mm程度、より好ましくは0.1〜0.55N/25mm程度、さらに好ましくは0.2〜0.50N/25mm程度、特に好ましくは0.25〜0.45N/25mm程度が挙げられる。

0075

また、中間層2を形成する樹脂組成物の硬化条件としては、硬化温度70〜170℃程度、硬化時間0.1〜10分間程度が挙げられる。

0076

転写フィルム10の中間層2と表面層3との剥離力は、剥離試験機を用いて測定される値であり、具体的には実施例に記載の方法により測定される。

0077

<転写層11>
転写層11は、転写フィルム10から被転写体7に転写される層である。被転写体7に転写層11を転写することにより、例えば転写層11が備える絵柄や形状などの意匠を被転写体7に施して、転写体20を製造することができる。前記のとおり、転写層11は、中間層2に接面するようにして設けられた表面層3を備えており、さらに、必要に応じて、平滑化層4、印刷層5、接着層6などを有していてもよい。以下、転写層11の各層について詳述する。

0078

(表面層3)
表面層3は、中間層2の基材層1側とは反対側に設けられている。表面層3は中間層2と接面しており、中間層2から剥離可能である。

0079

表面層3は、アクリル樹脂を含むことを特徴としている。前記の通り、転写フィルム10においては、中間層2が粒子と被架橋性アクリル樹脂と多官能アミノ化合物とを含む樹脂組成物の硬化物であり、かつ、中間層2に接面している表面層3が、アクリル樹脂を含むことにより、被転写体7に低光沢の意匠を付与することができ、中間層2と表面層3の優れた剥離性が発揮され、さらに、表面層3が優れた耐溶剤性を発揮することができる。

0080

被転写体7に低光沢の意匠を付与することができるのは、粒子を含む中間層2の表面層3側の表面が、粒子の凹凸形状によって粗面化されており、この粗面の上に表面層3が形成されるため、中間層2の凹凸形状に対応する凹凸形状が、表面層3の中間層2側の表面(すなわち、転写後には転写体20の最表面)に形成されているためである。表面層3の当該凹凸形状により、転写体20が低光沢の意匠を奏することができる。

0081

また、転写フィルム10においては、中間層2が粒子と被架橋性アクリル樹脂と多官能アミノ化合物とを含む樹脂組成物の硬化物であり、かつ、中間層2に接面している表面層3が、アクリル樹脂を含むことにより、中間層2と表面層3との接着強度が適度に調整され、中間層2と表面層3の優れた剥離性が発揮される(具体的には、前記の剥離力(N/25mm)を有する)。

0082

さらに、表面層3が、アクリル樹脂を含むことにより、表面層3の上に後述の印刷層5などが積層された場合にも、印刷層5などの形成に用いられるインクに含まれる溶剤の作用によって、表面層3が中間層2から意図せずに剥がれてしまうこと(転写層11を転写させる時以外に剥がれてしまうこと)が効果的に抑制される。また、表面層3から中間層2に溶剤が浸透することも抑制して、溶剤の浸透による中間層2の基材層1からの意図しない剥がれ(転写層11を転写させる時以外の剥がれ)も効果的に抑制される。すなわち、表面層3が、アクリル樹脂を含むことにより、中間層2と表面層3の優れた剥離性が発揮され、かつ、表面層3の耐溶剤性が好適に高められている。

0083

アクリル樹脂の最低造膜温度は、前記の剥離性と耐溶剤性をさらに向上させる観点から、好ましくは5℃以下、より好ましくは2℃以下が挙げられる。また、アクリル樹脂の最低造膜温度は、下限に関して、好ましくは−10℃以上が挙げられる。

0084

本発明において、最低造膜温度とは分散溶媒蒸発したときにエマルジョン状のポリマーが融着してフィルム化造膜)する最低温度を言う。最低造膜温度は、ISO2115に準拠した方法で測定し、測定機として例えば(株)井元製作所の造膜温度MFT)試験装置を使用することができる。

0085

アクリル樹脂としては、特に制限されず、例えば、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体、又は(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。アクリル樹脂として、より具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。アクリル樹脂の塗工前の形態としては、水や有機溶媒等に溶解したものでも、界面活性剤等の分散剤を用いて分散したもの(エマルジョン)であっても、それらを混合したものであってもよい。アクリル樹脂は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。

0086

表面層3におけるアクリル樹脂の含有量は、中間層2と表面層3との優れた剥離性を発揮しつつ、表面層3の低光沢の意匠を好適に付与し、さらに優れた耐溶剤性を発揮する観点から、表面層3に含まれる全成分を100質量部として、好ましくは80〜97質量部程度、より好ましくは82〜95質量部程度、さらに好ましくは86〜93質量部程度である。

0087

転写フィルム10において、表面層3の低光沢の意匠を好適に付与する観点から、表面層3の中間層2側とは反対側の表面粗さSaとしては、好ましくは0.1μm以上程度、より好ましくは0.14〜0.5μm程度、さらに好ましくは0.17〜0.4μm程度、特に好ましくは0.19〜0.35μm程度が挙げられる。

0088

転写フィルム10において、表面層3の中間層2側とは反対側の表面粗さSaは、光干渉式非接触表面形状測定器を用いて測定された値であり、具体的には、実施例に記載の方法により測定された値である。

0089

また、転写フィルム10において、表面層の低光沢の意匠を好適に付与する観点から、表面層3の中間層2側とは反対側の60度鏡面光沢度としては、好ましくは60%以下程度、より好ましくは1〜60%程度、さらに好ましくは5〜50%程度、特に好ましくは10〜40%程度が挙げられる。

0090

転写フィルム10において、表面層3の中間層2側とは反対側の60度鏡面光沢度は、JIS−Z8741:1997(方法3)の規定に準拠した方法により測定された値であり、具体的には、実施例に記載の方法により測定された値である。

0091

さらに、転写フィルム10を被転写体7に転写した後の表面層3の60度鏡面光沢度(すなわち、中間層2側の60度鏡面光沢度)としては、好ましくは20%以下程度、より好ましくは1〜20%程度、さらに好ましくは1〜15%程度、特に好ましくは2〜10%程度が挙げられる。

0092

転写フィルム10を被転写体7に転写した後の表面層3の60度鏡面光沢度(すなわち、中間層2側の60度鏡面光沢度)は、JIS−Z8741:1997(方法3)の規定に準拠した方法により測定された値であり、具体的には、実施例に記載の方法により測定された値である。

0093

表面層3は、アクリル樹脂に加えて、さらに、帯電防止剤を含むことが好ましい。表面層3が帯電防止剤を含むことにより、転写後の転写体20の表面抵抗が低下し、静電気の発生を抑制することができ、転写時の作業性や、転写層11が転写されている転写体20(例えば布地)の使用感を向上させることができる。

0094

帯電防止剤としては、特に制限されず、公知のものを使用することができる。塗工適性に優れ、かつ表面層3の表面抵抗を効果的に抑制する観点から、好ましくは陰イオン性界面活性剤陽イオン性界面活性剤両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などの界面活性剤が好ましく、陰イオン性界面活性剤がより好ましい。帯電防止剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。また帯電防止剤の層内での凝集を防止して優れた帯電防止性発現するために、帯電防止剤と補助成分を併用してもよい。補助成分としては例えばラウリルアルコールオクタデシルアルコール等の高級アルコールが挙げられる。

0095

陰イオン性界面活性剤を、その疎水基親水基の連結部分に着目して分類すると、脂肪酸塩型、スルホン酸型(スルホネート型)、硫酸エステル型(サルフェート型)、リン酸エステル型(ホスフェート型)等に分類できる。脂肪酸塩型の具体例としては、例えば、ラウリン酸塩ステアリン酸塩が挙げられる。スルホン酸型の具体例としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、αスルホ脂肪酸メチルエステル塩、αオレフィンスルホン酸塩アルカンスルホン酸塩等が提示できる。硫酸エステル型としては、アルキル硫酸エステル塩アルキルエーテル硫酸エステル塩等が提示できる。リン酸エステル型としては、モノアルキルリン酸エステル塩等が例示できる。上記の塩としてはナトリウム塩カリウム塩が例示できる。なかでも、硫酸エステル型およびリン酸エステル型が帯電防止性に優れて好ましく、特にリン酸エステル型が好ましい。

0097

非イオン性界面活性剤としては、アルキルポリオキシエチレンエーテル、p−アルキルフェニルポリオキシエチレンエーテルなどのエーテル形;脂肪酸ソルビタンポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸ソルビトールポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸グリセリンポリオキシエチレンエーテルなどのエーテルエステル形;脂肪酸ポリオキシエチレンエステルモノグリセリドジグリセリドソルビタンエステルショ糖エステル、2価アルコールエステル、ホウ酸エステルなどのエステル形;脂肪酸アルカノールアミド、N,N−ジ(ポリオキシエチレン)アルカンアミド等が例示できる。

0098

両性界面活性剤としては、モノアミノカルボン酸塩ポリアミノカルボン酸塩などのアミノ酸形;N−アルキルアミノプロピオン酸塩、N,N−ジ(カルボキシエチルアルキルアミン塩などのN−アルキル−β−アラニン形;N−アルキルベタイン、N−アルキルアミドベタイン、N−アルキルスルホベタイン、N,N−ジ(ポリオキシエチレン)アルキルベタイン、イミダゾリニウムベタインなどのベタイン形;1−カルボキシメチル−1−ヒドロキシ−1−ヒドロキシエチル−2−アルキル−2−イミダゾリン、1−スルホエチル−2−アルキル−2−イミダゾリンなどのアルキルイミダゾリン誘導体などが挙げられる。

0099

帯電防止剤としては、市販品を使用することができ、例えば、エレクトロストリッパー(登録商標)ME−2(花王(株)製硫酸エステル型陰イオン性界面活性剤)、エレクトロストリッパー(登録商標)F(花王株式会社製リン酸エステル型陰イオン性界面活性剤)、エレクトロストリッパー(登録商標)QN(花王株式会社製陽イオン性界面活性剤)、エレクトロストリッパー(登録商標)AC(花王株式会社製両性イオン性界面活性剤)などが挙げられる。

0100

表面層3における帯電防止剤の含有量としては、中間層2と表面層3との優れた剥離性を発揮しつつ、表面層3の低光沢の意匠を好適に付与し、優れた耐溶剤性を発揮し、さらに、表面層3の表面抵抗を効果的に低減する観点から、表面層3に含まれる全成分を100質量部として、好ましくは2〜15質量部程度、より好ましくは3〜12質量部程度、さらに好ましくは5〜11質量部程度が挙げられる。

0101

転写フィルム10において、表面層3の表面の表面抵抗としては、好ましくは1.0×1013Ω/sq以下程度、より好ましくは1.0×1012Ω/sq以下程度、さらに好ましくは1.0×1011Ω/sq以下程度が挙げられる。また、当該表面抵抗は、好ましくは、1.0×109Ω/sq以上程度が挙げられる。なお、表面層3の表面抵抗は、表面層3のいずれの面を測定しても良い。つまり、表面層3の、中間層2側とは反対側の表面について測定してもよく、転写層を布地等に転写して基材層1および中間層2を剥離して露出する、表面層3の中間層2側の表面を測定してもよい。両者の測定値はほぼ同一の値を示す。

0102

転写フィルム10において、表面層3の中間層2側とは反対側の表面の表面抵抗は、実施例に記載の方法により測定された値である。

0103

表面層3は、アクリル樹脂と、必要に応じて添加される帯電防止剤などに加えて、さらに溶剤を含む塗工液(表面層用塗工液)を中間層2の表面に塗布して形成することができる。溶剤としては、特に制限されず、使用するアクリル樹脂等の成分に応じて選択される。例えば、アクリル樹脂として水不溶性のものを使用する場合は、中間層2に例示のものと同様のものを用いることができる。アクリル樹脂として水溶性の物もしくは水分散性の物を用いた場合は、水;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;アセトンなどの溶剤を使用することができる。溶剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。また、表面層用塗工液の全固形分濃度としては、特に制限されないが、表面層3を均一に塗工する観点から、好ましくは5〜25質量%程度が挙げられる。

0104

表面層3の塗工量としては、特に制限されないが、中間層2と表面層3との優れた剥離性を発揮しつつ、表面層3の低光沢の意匠を好適に付与し、さらに、優れた耐溶剤性を発揮する観点から、好ましくは0.5〜3.0g/m2程度、より好ましくは0.7〜2.5g/m2程度、さらに好ましくは1.0〜2.0g/m2程度が挙げられる。

0105

表面層3の厚みとしては、特に制限されないが、中間層2と表面層3との優れた剥離性を発揮しつつ、表面層3の低光沢の意匠を好適に付与し、さらに、優れた耐溶剤性を発揮する観点から、好ましくは0.5〜3.0μm程度、より好ましくは0.7〜2.5μm程度、さらに好ましくは1.0〜2.0μm程度が挙げられる。ここで、表面層3の厚みは、フィルムの断面を電子顕微鏡にて観察した際の塗工層厚みである。なお塗工層は粗面化されているので、その塗工面は平坦ではない。そのため塗工層厚みは、視野中で無作為に選択した任意の10か所について測定した厚みの平均値として算出する。

0106

表面層3の厚みをTS(μm)、中間層2の厚みをTM(μm)とすると、0.5≦TS/TM≦2が好ましく、0.8≦TS/TM≦1.5がより好ましい。また表面層3の塗工量をQS(g/m2)、中間層2の塗工量をQM(g/m2)とすると、0.5≦QS/QM≦2が好ましく、0.8≦QS/QM≦1.5がより好ましい。表面層3の厚みと中間層2の厚みの比率TS/TM、および/または、表面層3の厚みと中間層2の塗工量の比率QS/QMが上記範囲内であると、中間層2に含まれる粒子に起因する凹凸形状が、表面層3の中間層2側の表面に良好に追従して形成されるので、転写体20の低光沢意匠性、及び、中間層2と表面層3との層間剥離の際の剥離力のいずれも良好となる。

0107

〔添加剤〕
表面層3は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲内で、少なくとも1種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、中間層2と同様の、接着剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等、滑剤、可塑剤、難燃化剤、着色剤、粘度調整剤、消泡剤等が挙げられる。

0108

表面層3は、必要に応じて、転写フィルムが積層された際等にブロッキングを発生することを抑制することなどを目的に、アンチブロッキング剤を含有してもよい。アンチブロッキング剤としては例えば、中間層に用いられる粒子が挙げられる。アンチブロッキング剤は表面層の透明性を高めて印刷層等の視認性をよくする観点から、表面層3に含まれる全成分を100質量部として、好ましくは10質量部以下程度、より好ましくは5質量部以下程度、更に好ましくは1質量部以下程度、特に好ましくは0.5質量部以下程度である。

0109

(平滑化層4)
転写層11において、平滑化層4は、表面層3の中間層2側とは反対側に、必要に応じて設けられる。表面層3の中間層2側とは反対側に平滑化層4を備えることにより、例えば、さらにその上に印刷層5などを形成する場合に、平滑な表面に印刷層5を形成することができ、高繊細な印刷を施すことが可能となる。平滑層は、印刷層5を擦れ傷等、太陽光紫外線、あるいは亜硫酸ガスやオゾン等の大気中の成分から保護する役割を兼ね備えてもよい。

0110

平滑化層4は、表面層3の中間層2側の粗面を埋めて、後述の印刷層の印刷ドット抜けを抑制できる程度に平滑な表面を形成できれば、その素材等については等に制限されない。平滑化層4は、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂などの熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂により形成することができる。平滑化層は後述の印刷層のとの密着性を改善する等の目的で粒子を含有してもよい。具体的には、例えば、熱可塑性樹脂を含む塗工液を表面層3の表面に平滑に塗工することによって形成することができる。

0111

平滑化層4の厚みについては、表面層3の中間層2側の粗面を埋めて、平滑な表面を形成できれば、特に制限されず、例えば1〜100μm程度、好ましくは3〜80μm程度、さらに好ましくは5〜60μm程度が挙げられる。

0112

(印刷層5)
転写層11において、印刷層5は、表面層3の中間層2側とは反対側に、必要に応じて設けられる。表面層3の中間層2側とは反対側に印刷層5を備えることにより、被転写体7に図柄や文字などの意匠を付与することができる。

0113

印刷層5は、例えば、着色剤と、バインダー樹脂と、溶剤を含むインク(塗工液)を用いて形成される。前述の通り、転写フィルム10は、表面層3がアクリル樹脂を含んでいるため、前記の中間層2との間で適切な剥離力を有しており、かつ、印刷層5の形成に用いられるインクの溶剤に対する耐性に優れており、好適に印刷層5を形成することができる。

0114

印刷層5の形成に用いられるインクの着色剤としては、特に制限されないが、例えば、アルミニウムクロムニッケル、錫、チタンリン化鉄、銅、金、銀、真鍮等の金属、合金、又は金属化合物鱗片状箔粉からなるメタリック顔料マイカ酸化鉄二酸化チタン被覆雲母二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、二酸化チタン被覆タルク魚鱗箔、着色二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢パール)顔料;アルミン酸ストロンチウムアルミン酸カルシウムアルミン酸バリウム、硫化亜鉛、硫化カルシウム等の蛍光顔料;二酸化チタン、亜鉛白三酸化アンチモン等の白色無機顔料亜鉛華弁柄群青コバルトブルーチタン黄黄鉛カーボンブラック等の有色無機顔料イソインドリノンイエロー、ハンザイエローA、キナクリドンレッドパーマネントレッド4Rフタロシアニンブルー、インダスレブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料染料も含む)等が挙げられる。これらの着色剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0115

また、印刷層5の形成に用いられるインクのバインダー樹脂としては、特に制限されないが、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂ポリビニルブチラール樹脂アルキド系樹脂石油系樹脂ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0116

また、印刷層5の形成に用いられるインクの溶剤としては、特に制限されないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤メチルアルコールエチルアルコールノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコールプロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等が挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0117

また、印刷層5の形成に使用されるインクに、必要に応じて、沈降防止剤硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤増粘剤、消泡剤、滑剤等が含まれていてもよい。

0118

印刷層5は、例えば、印刷層5を形成する層の上に、グラビア印刷フレキソ印刷シルクスクリーン印刷オフセット印刷等の公知の印刷法によって形成することができる。

0119

印刷層5の厚さについては、特に制限されないが、例えば3〜100μm程度、好ましくは5〜50μm程度、さらに好ましくは8〜30μm程度が挙げられる。

0120

(接着層6)
転写層11において、接着層6は、表面層3の中間層2側とは反対側に、必要に応じて設けられる。表面層3の中間層2側とは反対側に接着層6を備えることにより、被転写体7に転写層11を好適に転写させることができる。転写としては、圧力転写(圧力による転写)、熱転写(熱及び圧力による転写)等が挙げられる。圧力転写としては、粘着、接着等が挙げられる。熱転写としては、熱接着溶着等が挙げられる。

0121

接着層6を形成する樹脂としては、転写フィルム10と被転写体7との接着性や粘着性を向上させることができるものであれば、特に制限されず、例えば、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体熱可塑性ウレタン樹脂熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド、ゴム系樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、熱硬化性ポリウレタン、エポキシ樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。

0122

接着層6の厚さについては、特に制限されないが、例えば5〜200μm程度、好ましくは10〜150μm程度、さらに好ましくは20〜100μm程度が挙げられる。

0123

[転写フィルムの製造方法]
本実施形態に係る転写フィルム10の製造方法について説明する。当該製造方法によれば、好適に上記の転写フィルム10を製造することができる。但し、転写フィルム10の製造方法は、下記の製造方法に限定されない。

0124

転写フィルム10は、少なくとも、基材層1と、中間層2と、転写層11とをこの順に備える積層体が得られるように、各層を積層することによって得られる。基材層1、中間層2、及び転写層11の詳細については、前述の通りである。

0125

転写フィルム10の製造方法の具体例としては、まず、基材層1の一方面に、中間層2を積層する。このとき、中間層2を形成する前記の中間層用塗工液を基材層1の表面に塗工することによって、中間層2を形成することができる。次に、中間層2の上に、表面層3を積層する。このとき、表面層3を形成する前記の表面層用塗工液を中間層2の表面に塗工することによって、表面層3を形成することができる。以上の工程により、少なくとも、基材層1と、中間層2と、転写層11とをこの順に備える積層体が得られる。

0126

転写層11に表面層3に加えて、さらに、前記の平滑化層4、印刷層5、接着層6などを設ける場合には、表面層3の上に、さらにこれらの層を積層すればよい。

0127

(被転写体7)
本実施形態において、転写フィルム10の転写層11を被転写体7に転写することにより、転写体20が得られる。

0128

被転写体7としては、転写などによって転写層11を転写できるものであれば、特に制限されない。被転写体7としては、例えば、布地、紙、樹脂、木材、石材、金属などを表面に備えるものが挙げられる。

0129

例えば、布地を表面に備える被転写体7としては、衣服、鞄、敷物寝具椅子、室内装品(壁紙、カーテン等)、車内装品(シート被覆材天井被覆材、コンソール被覆材ピラーガーニッシュ被覆材、サンバイザ被覆材、フロアマット等)、など、意匠を施すことが求められる広範なものが挙げられる。

0130

また、布地を構成する繊維の素材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ビニロンレーヨン、アクリル、アセテート、ポリ塩化ビニル等の合成繊維;綿、、紙等の天然繊維;これらの混合繊維等が挙げられる。また、布地は、織物であってもよいし、不織布であってもよい。

0131

(転写体20)
転写体20は、前記のとおり、転写層11と被転写体7との積層体である。転写層11及び被転写体7の詳細については、前述の通りである。

0132

転写フィルム10の転写層11を被転写体7に転写する際の温度及び圧力としては、それぞれ、転写層11及び被転写体7の素材などに応じて適宜調整すればよいが、例えば、温度10〜200℃程度、圧力0.1KPa〜10MPa程度が挙げられる。

0133

転写フィルム10を積層した被転写体7(基材層1及び中間層2付き転写体21)から、基材層1及び中間層2を剥離することにより、転写層11と被転写体7とが積層された転写体20が得られる。

0134

以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。

0135

表1に示す各材料は、以下の通りである。
(顔料)
・合成非晶質シリカA:サイリシア(登録商標)370 富士シリシア化学(株)製平均粒子径6.7μm
・合成非晶質シリカB:サイリシア(登録商標)450 富士シリシア化学(株)製 平均粒子径8.0μm
・合成非晶質シリカC:サイリシア(登録商標)310 富士シリシア化学(株)製 平均粒子径2.7μm

0136

(中間層の樹脂)
・酸変性アクリル樹脂(被架橋性):アクリディック(登録商標)A−452DIC(株)製
・ポリオール型アクリル樹脂(被架橋性):YL−455 東洋インキ(株)製
長鎖アルキル基含有樹脂(非被架橋性):ピーロイル1010Sライオンスペシャリティケミカルズ(株)製

0137

(中間層の硬化剤
・メチル化メラミンA:ニカラック(登録商標)MW−30MLF日本カーバイド(株)製 フルエーテルタイプの多官能アミノ化合物
・メチル化メラミンB:ニカラック(登録商標)MS−001 日本カーバイド(株)製イミノ基とメチロール基を有するメチル化メラミン 多官能アミノ化合物
ポリイソシアネートタケネート(登録商標)D110N 三井化学(株)製

0138

(中間層の酸性触媒)
p−トルエンスルホン酸ドライヤー(登録商標)900日立化成(株)製

0139

(表面層の樹脂)
・アクリル樹脂A:ボンロン(登録商標)XHS−50 三井化学(株)製アクリル樹脂エマルジョン最低造膜温度0℃
・アクリル樹脂B:KE−1062 星光PMC(株)製スチレンアクリル樹脂エマルジョン最低造膜温度55℃

0140

(表面層の帯電防止剤)
・リン酸エステル型陰イオン性界面活性剤:エレクトロストリッパー(登録商標)F 花王(株)製
・硫酸エステル型陰イオン性界面活性剤:エレクトロストリッパー(登録商標)ME−2 花王(株)製
・両性イオン性界面活性剤:エレクトロストリッパー(登録商標)AC 花王(株)製
・陽イオン性界面活性剤:エレクトロストリッパー(登録商標)QN 花王(株)製

0141

<実施例1>
以下の手順により、中間層を形成するための塗工液と、表面層を形成するための塗工液をそれぞれ調製して、転写フィルムを製造した。中間層及び表面層の組成は表1に示す通りである。

0142

(中間層を形成するための塗工液の調製)
トルエン:メチルエチルケトン(MEK)=1:1(質量比)の混合溶媒に、無機粒子として合成非晶質シリカA(富士シリシア化学(株)製サイリシア(登録商標)370(平均粒子径=6.7μm))12質量部、樹脂として酸変性アクリル樹脂(アクリディック(登録商標)A−452DIC(株)製)75質量部、硬化剤として多官能アミノ化合物であるメチル化メラミンA(ニカラック(登録商標)MW−30MLF日本カーバイド(株)製 フルエーテルタイプ)13質量部、酸性触媒(日立化成(株)製ドライヤー900、p−トルエンスルホン酸50質量%溶液)1.5質量部を混合し、撹拌機(新東科学(株)製スリーワンモーターBL3000)を用いて、回転数1500rpmにて30分間撹拌して分散液を得た。次に、分散液の固形分濃度を測定し、前記の混合溶媒を分散液に添加して、全固形分濃度を20質量%に調整した中間層用塗工液を得た。なお、分散液および中間層塗工液の全固形分濃度は、前記分散液および中間層塗工液をそれぞれ約5g量し、次いで100℃の防爆型乾燥機中にて30分間乾燥して秤量し、乾燥前後の秤量値から算出した。

0143

(表面層を形成するための塗工液の調製)
水:イソプロピルアルコール(IPA)=8:2(質量比)の混合溶媒に、アクリル系樹脂として最低造膜温度0℃のアクリル樹脂A(ボンロン(登録商標)XHS−50 三井化学株式会社製アクリル樹脂エマルジョン)90質量部、帯電防止剤(リン酸エステル型陰イオン性界面活性剤:エレクトロストリッパー(登録商標)F 花王(株)製)10質量部を混合し、撹拌機(新東科学(株)製スリーワンモーターBL3000)を用いて、回転数800rpmにて15分間撹拌して混合液を得た。次に、混合液の固形分濃度を測定し、前記の混合溶媒を混合液に添加して、固形分濃度を15質量%に調整した表面層用塗工液を得た。なお、混合液および表面層用塗工液の固形分濃度は、中間層用塗工液と同様にして測定した。

0144

(転写フィルムの製造)
基材層として、厚さ100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム東洋紡(株)製 E5100)を用意した。次に、基材層の一方の面上に、マイヤーバー((株)安田精機製作所製シャフト直径:6.35mmφ)を用いて、中間層用塗工液を、塗工量(乾燥質量)が1.2g/m2となるように塗工し、防爆型乾燥機中150℃で60秒間乾燥させて、基材層と中間層との積層体を得た。なお、中間層用の塗工量(乾燥質量)は、23℃50%環境下で6時間以上調湿した状態の、塗工前の基材及び塗工後の積層体の質量差(g)、および塗工面積(m2)より、「質量差÷塗工面積」にて計算される値である。

0145

次いで、得られた積層体の中間層の表面に、マイヤーバー((株)安田精機製作所製シャフト直径:6.35mmφ)を用いて、表面層用塗工液を、塗工量(乾燥質量)が1.2g/m2となるように塗工し、防爆型乾燥機中150℃で60秒間乾燥させ、転写フィルムを得た。なお、表面層の塗工量(乾燥質量)は、23℃50%環境下で6時間以上調湿した状態の、塗工前の積層体及び塗工後の転写フィルムの質量差(g)、および塗工面積(m2)より、「質量差÷塗工面積」にて計算される値である。

0146

<実施例2〜9及び比較例1〜7>
それぞれ、表1に記載の中間層及び表面層の組成、全固形分濃度(%)及び塗工量(g/m2)となるようにして中間層用塗工液及び表面層用塗工液を調製し、実施例1と同様にして、転写フィルムを製造した。基材層は、実施例1と同じである。

0147

[光沢度]
上記で得られた各転写フィルムについて、株式会社色彩技術研究所製の変角光沢計GM−3D型を用い、JIS−Z8741:1997(方法3)に準拠して、表面層の60度鏡面光沢度を測定した。なお、光沢度の測定は、表面層の表面(中間層側とは反対側)の任意の3か所について、それぞれ、転写フィルムの縦方向および横方向の2方向について測定して得られた合計6つの測定値の平均値である。結果を表1に示す。

0148

[転写後の光沢度]
上記で得られた各転写フィルムを裁断して、幅8cm×長さ10cmのサイズに切り出した。次に、転写フィルムの表面層の上に、アクリル系ドライラミ接着剤(東洋モートン(株)製 TM−550固形分濃度70質量%)、硬化剤(東洋モートン(株)製CATRT37−2K 固形分濃度95質量%)、酢酸エチル(和光純薬(株)製、特級)を有姿の質量比18/2/21.5の割合で混合した平滑化層塗料を、マイヤーバー((株)安田精機製作所製シャフト直径:6.35mmφ)を用いて、塗工量(乾燥質量)が4g/m2となるように塗工し、防爆型乾燥機中130℃で60秒間乾燥させ、室温にて1分放置冷却し平滑化層を設けた。冷却後の平滑化層塗工面上に、接着層として幅8cm×長さ10cmのポリエチレンフィルムサーモ(株)製 PEダストパック(黒)、30μm厚)を重ね、2kgのローラーを2往復させることにより貼付した。次に、白綿布(JIS−L−0803:2011準拠)上に、上記転写フィルムの接着層(ポリエチレンフィルム)側を重ね、転写フィルムの基材層側に、表面温度155℃に加熱した鉄板(質量2kg)を乗せて20秒間静置し、加熱・加圧した。加熱・加圧終了後、白綿布と転写フィルムの積層体(白綿布/接着層/平滑化層/表面層/中間層/基材層が順に積層された積層体)を室温にて10分間放置冷却し、冷却後の積層体から、中間層と基材層を剥離し、表面層の平滑化層側とは反対側の表面を露出させて、試験サンプルを得た。実施例1〜9及び比較例1〜7について、試験サンプルを3つずつ作製し、露出した表面層の光沢度(転写後の光沢度)を、前記の光沢度と同じ測定装置を用いて、試験サンプルの縦方向および横方向の2方向について測定して得られた合計6つの測定値の平均値を、転写後の光沢度とした。結果を表1に示す。

0149

[表面粗さ]
光干渉式非接触表面形状測定器((株)菱化システム製、非接触表面・層断面形状測定システム、VertScan(登録商標)2.0(型式:R5500GML))により、以下の条件にて測定した。結果を表1に示す。
測定モード: WAVE
フィルタ: 530white
対物レンズ倍率: ×10
視野: 470.92μm×353.16μm(640×480pixel)
測定数:フィルム表面の任意の5箇所について測定

0150

画像処理
上記5箇所の測定データにつき、解析ソフトウェア「VS−Viewer」を用いて、以下の画像処理を行った。
補完:完全
ノイズ除去処理メディアンフィルタ処理(5×5画素
粗さ成分の抽出処理ガウシアンフィルタ処理カットオフ値30μm以上)
上述のように画像処理して得られた5箇所の表面形状データの各画像それぞれについて、解析ソフトウェア「VS−Viewer」を用いて、表面粗さ(Sa:高さデータの絶対値の算術平均の値)を測定した。

0151

[剥離力]
上記で得られた各転写フィルムを裁断して、幅8cm×長さ15cmのサイズに切り出した。次に、表面層の上に、アクリル系粘着剤(東洋モートン(株)製オリバインBPS6163、固形分濃度37質量%)を、マイヤーバー((株)安田精機製作所製シャフト直径:6.35mmφ)を用いて、塗工量(乾燥質量)が4g/m2となるように塗工し、防爆型乾燥機中130℃で60秒間乾燥させた。室温にて1分放置冷却し、冷却後の粘着剤塗工面上に、幅8cm×長さ15cm、厚さ100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製 E5100)を重ね、質量2kgのローラーを2往復させることにより貼付した。次いで、5kPaの荷重となるようにを載せ、70℃で20時間静置し加熱処理をした。なお、当該加熱処理には熱風乾燥機を使用した。加熱処理後、23℃で湿度50%の環境下で30分静置して試験サンプルを得た。実施例1〜9及び比較例1〜7について、試験サンプルをそれぞれ2枚ずつ作製した。得られた試験サンプルの端部が含まれないようにして、それぞれ2枚の試験サンプルについて、幅25mm長さ120mmに試験片を2つ切り出して、合計4つの試験片を得た。次に、試験片の上端20mmを剥離(実質的に中間層と表面層の間で剥離する)して掴み部とし、剥離試験機(協和界面科学(株)製粘着・皮膜剥離解析装置VPA−2)にセットした。1000mm/分の速度でT字ピール剥離試験を行い、70mmの長さを剥離(実質的に中間層と表面層の間で剥離する)してその際の剥離力を測定した。開始点から25mm〜70mmの剥離力の平均値を測定した。上記測定を4つの試験片について行い、その平均値を剥離力とした。結果を表1に示す。

0152

表面抵抗値
上記で得られた各転写フィルムを裁断して、幅10cm×長さ10cmのサイズに切り出した。次に、転写フィルムを23℃で湿度50%の環境下で24時間静置した。静置後の転写フィルムの表面層側について、デジタル絶縁計(東亞ディーケーケー(株)製 DSM−8103)を用いて表面抵抗値(Ω/sq)を測定した。測定は3回行い、その平均値を表面抵抗値とした。sqは□とも表現される。(表面抵抗値単位は、電気抵抗との混同を避けるために、慣例的にΩ毎スクウェア(Ω/sq または Ω/□, ohms per square)を使用する。)
測定条件
測定電圧:100V
積分時間:160ミリ秒
チャージ:40秒
測定時間:20秒

0153

[耐溶剤性]
上記で得られた各転写フィルムを、23℃で湿度50%の環境下で24時間静置した。静置後の転写フィルムの表面層側を、JIS L 0849:2013準拠の摩擦試験機(学振形)を用いて、摩擦用白綿布を常に湿潤状態を保つようにトルエンを適宜供給しながら200g荷重にて50回擦過した。擦過後の表面層及び中間層の状態を、下記のように判定した。
AA:中間層及び表面層に剥がれは見られず、良好に使用可能
A:擦過部面積の5%未満の面積の中間層及び表面層に剥がれが見られるが、使用可能
B:擦過部面積の5%以上90%未満の面積の中間層及び表面層に剥がれが見られ、使用不可
C:擦過部面積の90%以上の面積の中間層及び表面層に剥がれが見られ、使用不可

0154

実施例

0155

表1において、例えば実施例1の表面抵抗値の「7.4E+10Ω/sq」とは「7.4×1010Ω/sq」を意味しており、他の実施例及び比較例での表記も同様である。

0156

1基材層
2 中間層
3表面層
4平滑化層
5印刷層
6接着層
7被転写体
10転写フィルム
11転写層
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