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技術 射出成形機及び産業機械用モータ駆動装置

出願人 住友重機械工業株式会社
発明者 加藤敦
出願日 2018年3月2日 (2年7ヶ月経過) 出願番号 2018-037027
公開日 2019年9月12日 (1年1ヶ月経過) 公開番号 2019-150998
状態 未査定
技術分野 電動機の制御一般 プラスチック等の射出成形 チル鋳造・ダイキャスト
主要キーワード 監視速度 メンテナンス運転 テスト運転 相関電圧 モータ停止後 ポール数 速度監視 検出用途
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月12日)のものです。
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図面 (8)

課題

予期しない速度で可動部が動作することを信頼性高く検知することのできる射出成形機及び産業機械用モータ駆動装置を提供する。

解決手段

この射出成形機あるいと産業機械用モータ駆動装置は、可動部を駆動する三相モータの何れかの相の電圧計測する計測部(111a、111b)と、計測された電圧をパルス波に整形する整形部(112a、112b)と、整形されたパルス波を計数して三相モータの回転速度を検出し、検出された回転速度が所定値を超えた場合に異常を示す信号を出力する監視部(113a、113b、115a、115b)とを備える。

概要

背景

産業機械として、射出成形機産業用ロボットプレス成形機などがある。これらの産業機械は、可動部を扉で覆ったり、を設置したりして、作動中に人が可動部に近づかないように管理される。

特許文献1には、研削盤研削砥石を回転させる三相モータに関して、その電源入力端子電圧を検出し、三相モータの回転停止を検出する装置が開示されている。

概要

予期しない速度で可動部が動作することを信頼性高く検知することのできる射出成形機及び産業機械用モータ駆動装置を提供する。この射出成形機あるいと産業機械用モータ駆動装置は、可動部を駆動する三相モータの何れかの相の電圧を計測する計測部(111a、111b)と、計測された電圧をパルス波に整形する整形部(112a、112b)と、整形されたパルス波を計数して三相モータの回転速度を検出し、検出された回転速度が所定値を超えた場合に異常を示す信号を出力する監視部(113a、113b、115a、115b)とを備える。

目的

本発明は、予期しない速度で可動部が動作することを信頼性高く検知することのできる射出成形機及び産業機械用モータ駆動装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

可動部と、前記可動部を駆動する三相モータと、前記三相モータの何れかの相の電圧計測する計測部と、計測された前記電圧をパルス波に整形する整形部と、整形された前記パルス波を計数して前記三相モータの回転速度を検出し、検出された前記回転速度が所定値を超えた場合に異常を示す信号を出力する監視部と、を備える射出成形機

請求項2

前記三相モータの第1相の電圧に基づき検出された前記回転速度と、前記三相モータの第2相の電圧に基づき検出された前記回転速度との差に基づいて故障を検出する故障検出部を更に備える、請求項1記載の射出成形機。

請求項3

前記三相モータの第1相の電圧の前記パルス波と前記三相モータの第2相の電圧の前記パルス波とに基づいて前記三相モータの回転方向を検出する方向検出部を更に備え、前記監視部は、検出された前記回転速度及び前記回転方向に基づいて異常を示す信号を出力する、請求項1又は請求項2に記載の射出成形機。

請求項4

前記計測部が計測した電圧の大きさに基づいて前記三相モータが停止したことを検出する停止検出部を更に備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の射出成形機。

請求項5

産業機械の可動部を駆動する三相モータの何れかの相の電圧を計測する計測部と、計測された前記電圧をパルス波に整形する整形部と、整形された前記パルス波を計数して前記三相モータの回転速度を検出し、検出された回転速度が所定値を超えた場合に異常を示す信号を出力する監視部と、を備える産業機械用モータ駆動装置

請求項6

前記三相モータの第1相の電圧に基づき検出された前記回転速度と、前記三相モータの第2相の電圧に基づき検出された前記回転速度との差に基づいて故障を検出する故障検出部を更に備える、請求項5記載の産業機械用モータ駆動装置。

請求項7

前記三相モータの第1相の電圧の前記パルス波と前記三相モータの第2相の電圧の前記パルス波とに基づいて前記三相モータの回転方向を検出する方向検出部を更に備え、前記監視部は、検出された前記回転速度及び前記回転方向に基づいて異常を示す信号を出力する、請求項5又は請求項6に記載の産業機械用モータ駆動装置。

請求項8

前記計測部が計測した電圧の大きさに基づいて前記三相モータが停止したことを検出する停止検出部を更に備える請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の産業機械用モータ駆動装置。

技術分野

0001

本発明は、射出成形機及び産業機械用モータ駆動装置に関する。

背景技術

0002

産業機械として、射出成形機、産業用ロボットプレス成形機などがある。これらの産業機械は、可動部を扉で覆ったり、を設置したりして、作動中に人が可動部に近づかないように管理される。

0003

特許文献1には、研削盤研削砥石を回転させる三相モータに関して、その電源入力端子電圧を検出し、三相モータの回転停止を検出する装置が開示されている。

先行技術

0004

特許第4820053号公報

発明が解決しようとする課題

0005

産業機械のメンテナンス時など、保守員が近くで可動部を観察しながら可動部を動作できると好ましいことがある。このような場合、可動部を通常時よりも低速に動作させることで、メンテナンスの作業性を確保することができる。また、人と機械とが協調して作業を行うことのできる協調型産業機械においては、人と協働しないときよりも可動部を低速に動作させることで、人との協働が可能となる場合がある。

0006

しかしながら、メンテナンス用に可動部を低速に動作させる場合でも、ソフトウェアあるいはハードウェアエラーにより可動部が高速に動作してしまう可能性がある。また、協調型産業機械において人との協働時に可動部を低速に動作させる場合でも、ソフトウェアあるいはハードウェアのエラーにより可動部が高速に動作してしまう可能性がある。予期せずに保守員あるは協働する人の近くで可動部が高速に動作するような事態は、高い信頼性を持って防止されることが望まれる。

0007

本発明は、予期しない速度で可動部が動作することを信頼性高く検知することのできる射出成形機及び産業機械用モータ駆動装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明に係る射出成形機は、
可動部と、
前記可動部を駆動する三相モータと、
前記三相モータの何れかの相の電圧を計測する計測部と、
計測された前記電圧をパルス波に整形する整形部と、
整形された前記パルス波を計数して前記三相モータの回転速度を検出し、検出された前記回転速度が所定値を超えた場合に異常を示す信号を出力する監視部と、
を備える構成とした。

0009

本発明に係る産業機械用モータ駆動装置は、
産業機械の可動部を駆動する三相モータの何れかの相の電圧を計測する計測部と、
計測された前記電圧をパルス波に整形する整形部と、
整形された前記パルス波を計数して前記三相モータの回転速度を検出し、検出された回転速度が所定値を超えた場合に異常を示す信号を出力する監視部と、
を備える構成とした。

発明の効果

0010

本発明によれば、予期しない速度で可動部が動作することを信頼性高く検知することができる。

図面の簡単な説明

0011

本発明の実施形態に係る射出成形機を示す構成図である。
図1速度監視部の詳細を示す構成図である。
図1ゲートブロック部の詳細を示す図である。
速度監視部内の信号を示す波形図であり、(A)は計測部の出力電圧を示し、(B)は整形部の出力電圧を示す。
(A1)と(A2)はそれぞれモータ正転時における2つの計測部の出力電圧と2つの整形部の出力電圧とを示し、(B1)と(B2)はそれぞれモータ逆転時における2つの計測部の出力電圧と2つの整形部の出力電圧とを示す。
停止検出部の動作を説明する波形図である。
モータ駆動装置の動作を説明するタイムチャートである。

実施例

0012

以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。

0013

図1は、本発明の実施形態に係る射出成形機を示す構成図である。

0014

本実施形態の射出成形機1は、成形材料を溶解及び射出する射出装置11と、射出装置11を搬送する可塑化移動装置20と、成形材料が充填される金型装置を動かす型締装置12と、固化した成形品を金型装置43から押し出すエジェクタ装置71を備える。

0015

金型装置43は、固定プラテン51に保持される固定金型44と、可動プラテン54に保持される可動金型45とを含む。型締装置12には、三相モータである型締用の第1モータ57が設けられ、第1モータ57が駆動することで、可動金型45を保持した可動プラテン54が動いて金型装置43の開閉と型締とが行われる。可動プラテン54は、本発明に係る可動部の一例に相当する。

0016

射出装置11には射出用の三相モータである第2モータ86が設けられ、第2モータ86の駆動によりスクリュ26が並進移動して加熱シリンダ15から成形材料が射出される。また、射出装置11には、三相モータである計量用モータ83が設けられ、計量用モータ83の駆動によりスクリュ26が回転してホッパ17から加熱シリンダ15に成形材料を供給する。スクリュ26は、本発明に係る可動部の一例に相当する。

0017

可塑化移動装置20及びエジェクタ装置71にはそれぞれ三相モータである可塑化移動用モータ22及びエジェクト用モータ72が設けられ、これらの駆動により可動部が動作する。

0018

射出成形機1は、さらに、型締用の第1モータ57を駆動するモータ駆動装置100Aと、射出用の第2モータ86を駆動するモータ駆動装置100Bとを備える。また、射出成形機1は、可塑化移動用モータ22、エジェクト用モータ72及び計量用モータ83をそれぞれ駆動する図示略のモータ駆動装置を備える。これらの各モータ駆動装置が、本発明に係る産業機械用モータ駆動装置の一例に相当する。

0019

さらに、射出成形機1は、各モータ駆動装置100A、100Bに速度指令を出力するモーション制御部201と、各モータ駆動装置100A、100Bに所定の監視動作を行わせるための保守制御部202とを備える。

0020

モーション制御部201は、所定の動作プログラムに従って射出成形機1の複数のモータ駆動装置100A、100B(図示略のモータ駆動装置を含む。)に速度指令を出力する。これにより、射出成形機1の各部は連携して動作し、所定の成形処理が実行される。また、モーション制御部201に、各可動部の動作速度を低速に設定したメンテナンス用の動作プログラムを外部から入力し、実行させることで、射出成形機1の各部が低速に動作するメンテナンス用の制御を実現できる。

0021

保守制御部202は、各モータ駆動装置100A、100Bに、所定の速度以上で射出成形機1の各可動部が動作しないよう監視処理を実行させるか、あるいは、監視処理を非実行とするかを制御する。具体的には、保守制御部202は、図示略の上位の制御装置から通常運転時か否かを示す情報を受け取って、通常運転時であれば運転信号を有効(ハイレベル)にし、メンテナンス時などの通常運転時でなければ運転信号を無効(ローレベル)にする。この運転信号の切り替えにより、各モータ駆動装置100A、100Bで監視処理の実行と非実行とが切り替えられる。

0022

モータ駆動装置100Aは、複数の半導体スイッチのオンオフにより第1モータ57に三相駆動電流を出力するインバータ部105と、インバータ部105の複数の半導体スイッチのゲートを制御するゲート制御部101とを備える。さらに、モータ駆動装置100Aは、ゲート制御部101によるゲートの制御を遮断ブロック)するゲートブロック部103と、第1モータ57のモータ回転速度を監視してゲートブロック部103の作動を制御する速度監視部107とを備える。モータ駆動装置100Bは、駆動対象が第2モータ86である点が異なり、上述のモータ駆動装置100Aと同一の構成要素を有する。

0023

インバータ部105は、uvwの三相の出力線Lを介して第1モータ57に駆動電流を出力する。また、インバータ部105は、第1モータ57に設けられた回転位置を検出するエンコーダからの信号(エンコーダ信号)を入力し、第1モータ57の回転位置に応じた電流を出力する。

0024

図2は、図1の速度監視部の詳細を示す構成図である。図4は、速度監視部内の信号を示す波形図であり、(A)は計測部の出力電圧を示し、(B)は整形部の出力電圧を示す。図5(A1)及び図5(A2)はそれぞれモータ正転時における2つの計測部の出力電圧と2つの整形部の出力電圧とを示し、図5(B1)及び図5(B2)はそれぞれモータ逆転時における2つの計測部の出力電圧と2つの整形部の出力電圧とを示す。図5においては、実線によりu−v相間の波形を、一点鎖線によりw−v相間の波形を示す。図6は、停止検出部の動作を説明する波形図である。

0025

速度監視部107は、主に、モータ回転速度が予期せずに高速にならないか監視する機能を有する。速度監視部107は、計測部111a、111b、整形部112a、112b、速度検出部113a、113b、方向検出部114a、114b、監視部115a、115b、故障検出部116a、116b及び停止検出部117a、117bを備える。速度監視部107は、保守制御部202からの運転信号が有効(ハイレベル)のときには動作を停止し、運転信号が無効(ローレベル)のときに動作する。具体的には、速度監視部107の監視部115a、115bに運転信号が入力され、運転信号に応じて監視部115a、115bが動作状態又は停止状態に切り替わる。速度検出部113a、113bと監視部115a、115bとを組み合わせた構成が、本発明に係る監視部の一例に相当する。

0026

速度監視部107は、CPU(Central Processing Unit)、CPUが実行する制御プログラム及び制御データを記憶した記憶装置メモリ、及び、信号を入出力するインターフェースを備えたコンピュータである。図2に示した速度監視部107の各ブロックは、CPUが制御プログラムを実行して実現される機能モジュール、あるいは、アナログ回路とCPUとの協働により実現される機能モジュールである。さらに、速度監視部107は、2つのCPUと2組の周辺回路(アナログ回路等)とを有するコンピュータである。そして、一方のCPUあるいは一方のCPU及びその周辺回路との動作により、計測部111a、整形部112a、速度検出部113a、方向検出部114a、監視部115a、故障検出部116a及び停止検出部117aの各機能モジュールが実現される。他方のCPUあるいはCPU及びその周辺回路の動作により、計測部111b、整形部112b、速度検出部113b、方向検出部114b、監視部115b、故障検出部116b及び停止検出部117bの各機能モジュールが実現される。このように、速度監視部107の2系統の構成を、それぞれ独立したCPU及びその周辺回路が実現することで、一方に異常が生じて1系統の構成が正常に動作しなくなっても、他方の動作によりもう1系統の構成により正常な動作を得ることができる。なお、速度監視部107の2系統の構成に合わせて2つのCPUを設ける場合、記憶装置、メモリ、インターフェースも2系統設けてもよい。また、計測部111a、111b、整形部112a、112bなどをハードウェアのみから構成する場合には、各々が独立したハードウェアから構成してもよい。これにより、1系統に異常が生じても、もう1系統で正常な動作を得ることができる。

0027

計測部111aは、三相のうちu相とv相の出力線Lからu−v相間の電圧Vuvを計測する。もう一方の計測部111bは、三相のうちw相とv相の出力線Lからw−v相間の電圧Vwvを計測する。電圧Vuv、Vwvは、例えば図4(A)に示すように正弦波状であったり山谷の高さが変化したりする波形を有する。電圧Vuvは、本発明に係る第1相の電圧の一例に相当し、電圧Vwvは、本発明に係る第2相の電圧の一例に相当する。

0028

整形部112aは、計測部111aの計測した電圧Vuvの電圧波形を、パルス波形に整形する。整形部112aは、例えば0V付近閾値を有するヒステリシスコンパレータを有し、計測部111aの計測結果の信号をヒステリシスコンパレータに入力することで、電圧波形をパルス波形に整形できる。もう一方の整形部112bは、処理対象が電圧Vwvの電圧波形である以外は、上記の整形部112aと同様である。整形部112a、112bにより、図4(B)に示すように、山谷の電圧値が大きく変化しない安定したパルス波形が得られる。

0029

速度検出部113aは、整形部112aから送られるパルス波形を計数することで、モータ回転速度ωを検出する。モータ回転速度ωは、モータ(第1モータ57又は第2モータ86)のポール数磁極数)p、パルス数N及びパルス数の計測時間Tから、ω=p×N/Tのように求めることができる。もう一方の速度検出部113bも同様に構成される。2つの速度検出部113a、113bの出力は、正常であれば等しくなる。

0030

方向検出部114a、114bは、u−v相間の電圧Vuvとw−v相間の電圧Vwvとを比較してモータ(第1モータ57又は第2モータ86)の回転方向を検出する。モータの正転時には、図5(A1)及び図5(A2)に示すように、2つの電圧Vuv、Vwvのうち前者が先に立ち上り、モータの逆転時には、図5(B1)及び図5(B2)に示すように、2つの電圧Vuv、Vwvのうち後者が先に立ち上がる。方向検出部114a、114bは、整形部112a、112bの両方からパルス波形を入力し、どちらが先に立ち上るかを判別することで、モータの回転方向を検出する。

0031

停止検出部117aは、計測部111aの計測結果の信号を入力し、インバータ部105からの駆動電流が停止された後、モータ(第1モータ57又は第2モータ86)の惰性回転による誘起電圧を検出して、モータが実際に停止されたか否かを判断する。図6に示すように、インバータ部105から駆動電流が停止されたタイミングt11の後にも、モータは惰性により回転し、この回転により三相の出力線Lにモータから誘起電圧E1が加えられる。そして、モータの惰性回転の速度が低くなるに従って誘起電圧E1の大きさが小さくなる。停止検出部117aは、計測部111aにより計測された電圧Vuvと閾値Ethとを比較することで、モータが所定の回転速度以下になったことを判別し、この判別により監視部115aに停止信号を出力する。もう一方の停止検出部117bは、計測部111bの計測結果の信号を用いて、同様にモータが所定の回転速度以下になったことを判別し、この判別により監視部115bに停止信号を出力する。なお、停止信号は、例えば、モーション制御部201に送られて、モータ停止後の制御を行うトリガーとして利用されてもよい。

0032

監視部115aは、速度検出部113aが検出したモータ回転速度ωが所定の閾値以上であるか否かを判別し、閾値以上になったら、異常を示すゲートブロック信号SAを出力する。所定の閾値は、外部から書き替え可能に構成されてもよい。また、監視部115aは、一度、異常を示すゲートブロック信号SAを出力したら、モータ回転速度ωが閾値以下に低下しても、ゲートブロック信号SAを出力し続けるホールド機能を有していてもよい。

0033

また、監視部115aは、方向検出部114aから回転方向を示す信号を入力し、回転方向とモータ回転速度ωとから異常を示すゲートブロック信号SAを出力するように構成されてもよい。この場合、監視部115aは、回転方向に応じて異常と判別するモータ回転速度ωの閾値を異なる値に設定可能に構成する。これにより、例えば、金型装置43が開く方向の回転に対しては、第1の低速度以上で異常と判別する一方、金型装置43が閉じる方向の回転に対しては第1の低速度よりも低い第2の低速度以上で異常と判別するような設定が可能となる。同様に、射出装置11が成形材料を射出する方向の回転に対しては第1の低速度以上で異常と判別する一方、これの逆回転に対しては第1の低速度よりも大きい第2の低速度以上で異常と判別するような設定が可能となる。このような設定により、回転方向に適したモータ回転速度の異常の判別を行うことができる。

0034

さらに、監視部115aは、停止検出部117aから停止信号に基づき異常が否かを判定し、異常の場合にゲートブロック信号SAを出力するように構成されてもよい。例えば、監視部115aは、停止信号を入力して、惰性回転が長く続いているような場合、あるいは、外部から停止制御が行われたことの通知を受けて、停止制御の後も停止信号が所定時間内に入力されない場合に、異常と判別する。

0035

また、監視部115aは、故障検出部116aから故障信号を入力した場合に、異常を示すゲートブロック信号SAを出力するように構成されてもよい。

0036

もう一方の監視部115bは、もう一系統の速度検出部113b、方向検出部114b、停止検出部117b、故障検出部116bから信号を入力し、上記の監視部115aと同様に異常を判別し、異常の場合にゲートブロック信号SBを出力する。

0037

故障検出部116aは、2つの速度検出部113a、113bの出力を比較し、これらの差が所定の閾値以上に大きくなったら、速度監視部107自体が故障したことを示す故障信号を監視部115aに出力する。先に述べたように、2つの速度検出部113a、113bの出力は、正常であれば略等しくなるため、これらの差が大きくなった場合に、速度監視部107の故障であると判断できる。同様に、故障検出部116aは、2つの方向検出部114a、114bの出力を比較し、これらが所定時間以上異なっていたら、故障信号を出力する。また、故障検出部116aは、2つの停止検出部117a、117bの出力を比較し、これらか所定時間以上異なっていたら、故障信号を出力する。故障信号は、例えば上位の制御部へ出力されて、射出成形機1の動作を停止し、故障ランプ点灯する等の警告制御に使用されてもよい。もう一方の故障検出部116bも同様に動作し、故障と判別したときに故障信号を監視部115bに出力する。

0038

図3は、図1のゲートブロック部の詳細を示す図である。ゲートブロック部103は、ゲート制御部101からインバータ部105へ出力されるPWM信号伝送路縦続された2つのブロック回路103a、103bを有する。一方のブロック回路103aは、速度監視部107から送られる一方のゲートブロック信号SAによりPWM信号を遮断し、他方のブロック回路103bは、速度監視部107から送られる他方のゲートブロック信号SBによりPWM信号を遮断する。このような構成により、ブロック回路103a、103bの片方が故障した場合でも、もう片方が正常に動作することで必要なときにPWM信号を遮断することができる。

0039

制御動作
図7は、モータ駆動装置の動作を説明するタイムチャートである。

0040

射出成形を行う通常運転期間T1には、保守制御部202は、運転信号を有効(ハイレベル)にする。また、モーション制御部201は、射出成形用の動作プログラムに従って、複数のモータ駆動装置100A、100B(図示略のものも含む)に速度指令を出力する。

0041

通常運転期間T1では、モータ駆動装置100Aは、速度指令に応じてゲート制御部101がPWM信号を出力し、それにより速度指令に応じたモータ回転速度で第1モータ57が動作する。第1モータ57は、そのモータ回転速度が後述する監視速度ωthを超えるか否かに拘らず、運転指令に応じたモータ回転速度で動作する。

0042

また、通常運転期間T1では、運転信号が有効とされるので、速度監視部107は動作しない。それ故、ゲートブロック信号SA、SBは無効(ローレベル)に維持され、ゲートブロック部103がPWM信号を遮断することもない。

0043

もう一方のモータ駆動装置100B及び不図示のモータ駆動装置も同様に動作する。

0044

保守員が近くで可動部を観察しながら射出成形機1を動かすメンテナンス運転期間T2には、保守制御部202は、運転信号を無効(ローレベル)にする。また、モーション制御部201は、保守用の動作プログラムに従って、複数のモータ駆動装置100A、100B(図示略のものも含む)に、モータ回転速度が制限された速度指令を出力する。制限されたモータ回転速度とは、保守員の作業性を確保できる速度であり、監視部115が異常と判別する監視速度ωth以下に設定される。保守用の動作プログラムは、このような各モータ回転速度の条件を満たすように作成される。

0045

メンテナンス運転期間T2では、モータ駆動装置100Aは、速度指令に応じてゲート制御部101がPWM信号を出力し、それにより速度指令に応じたモータ回転速度で第1モータ57が動作する。このとき、運転信号が無効とされて速度監視部107が動作するので、速度検出部113a、113bがモータ回転速度を検出し、監視部115a、115bがモータ回転速度が監視速度ωthを超えないか監視する。

0046

正常な保守用の動作プログラムに従って射出成形機1が動作していれば、モータ回転速度は監視速度ωthを超えないので、監視部115a、115bが異常を判別し、ゲートブロック信号SA、SBが有効(ハイレベル)となることもない。一方、保守用の動作プログラムにエラーがあったり、あるいは、ゲート制御部101又はインバータ部105などのハードウェアにエラーがあったりすると、図7のタイミングt1に示すように、第1モータ57が監視速度ωthを超えて動作する可能性がある。この場合、監視部115a、115bがモータ回転速度が監視速度ωthを超えたことを検出し、ゲートブロック信号SA、SBを有効(ハイレベル)にする。ゲートブロック信号SA、SBが有効になると、ゲートブロック部103がゲート制御部101からのPWM信号を遮断し、これにより第1モータ57は回転を停止する。このような制御により、保守員の近くで可動部が高速に動作することが防止される。

0047

さらに、モータ回転速度が監視速度ωthを超えたときだけでなく、停止信号、回転方向を示す信号及び故障信号に基づいて、監視部115a、115bの両方又は一方が異常を判別した場合でも、ゲートブロック信号SA、SBの両方又は一方が有効とされる。そして、第1モータ57の回転が停止し、保守員の近くで可動部が予期せず動作することが防止される。

0048

なお、ゲートブロック信号SA、SBのいずれかが有効になった場合に、このことがモーション制御部201に通知される機能を備えてもよい。さらに、モーション制御部201は、ゲートブロック信号SA、SBのいずれかが有効となった場合に、動作プログラムの実行を停止して、射出成形機1の全ての動作を停止させるように制御してもよい。

0049

以上のように、本実施形態の射出成形機1及びモータ駆動装置100A、100Bによれば、速度検出部113aが、計測部111aと整形部112aを経て得られたパルス波形を計数してモータ回転速度を検出する。そして、監視部115a、115bが、モータ回転速度が監視速度を超えていないか監視し、超えていれば、異常を示すゲートブロック信号SA、SBを出力する。このような構成により、メンテナンス時などに、保守員が近くで可動部を観測しながら射出成形機1を低速で動かす際に、誤って可動部が高速に動いてしまうことを信頼性高く防止することができる。

0050

また、本実施形態の射出成形機1及びモータ駆動装置100A、100Bによれば、故障検出部116a、116bが、2つの相間電圧Vuv、Vwvから求められたモータ回転速度の差に基づいて故障を検出する。これにより、例えば、u−v相間あるいはw−v相間の電圧Vuv、Vwvからモータ回転速度を検出する構成のいずれかの要素が故障しても、この故障を判別できる。したがって、より高い信頼性を持ってモータ回転速度の監視を実現できる。

0051

また、本実施形態の射出成形機1及びモータ駆動装置100A、100Bによれば、速度監視部107には、整形部112a、112bの2つの出力に基づき回転方向を検出する方向検出部114a、114bが設けられている。そして、監視部115a、115bは、回転方向とモータ回転速度とに基づいて異常を示すゲートブロック信号SA、SBを出力できる。したがって、例えば、メンテナンス時に、保守の作業性を阻害しない回転方向の動作は比較的に高速の領域まで動作を許可し、保守の作業性を阻害しやすい回転方向の動作は低速の領域までしか動作を許可しないような設定が可能となる。これにより、回転方向に応じたモータ回転速度の監視を実現できる。

0052

また、本実施形態の射出成形機1及びモータ駆動装置100A、100Bの変形例によれば、停止検出部117a、117bが、計測部111a、111bの出力から第1モータ57又は第2モータ86の停止を検出できる。これにより、速度監視部107の計測部111a、111bが、モータ停止検出用途と、モータ回転速度の監視用途とに流用でき、コストの低減を図ることができる。また、モータ停止の検出結果を、射出成形機1のモータ停止後の制御のトリガーとして利用できる。

0053

以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は上記の実施形態に限られない。例えば、上記実施形態では、三相モータの第1相及び第2相の電圧として、2種類の相関電圧を示した。しかし、本発明に係る三相モータの第1相及び第2相の電圧としては、各相の出力線と中性点との間の電圧である2種類の相電圧が適用されてもよい。また、上記実施形態では、監視部が出力する異常を示す信号が、ゲートブロック信号である例を示した。しかし、本発明に係る監視部が出力する異常を示す信号は、これに限られず、例えばシャットダウン制御装置に送られて射出成形機1の動作を停止する制御に使用されてもよいなど、種々の態様が適用されてもよい。また、上記実施形態では、速度監視部107内の機能ブロックを2系統設けた例を示したが、例えば、監視部、方向検出部及び故障検出部のうちの1つ又は複数は、1系統のみ設けてもよい。

0054

また、上記実施形態では、産業機械として射出成形機を示したが、本発明に係る産業機械は、プレス機搬送装置、又は産業用ロボットなど、種々の産業機械であってもよい。また、上記実施形態では、メンテナンス時にモータ回転速度の監視を行う例を示したが、例えば装置のテスト運転時、調整時、協調型産業機械が人と協調して作業を行う時などに、同様のモータ回転速度の監視を行うようにしてもよい。その他、実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。

0055

1射出成形機
26スクリュ(可動部)
54可動プラテン(可動部)
57 第1モータ(三相モータ)
86 第2モータ(三相モータ)
100A、100Bモータ駆動装置
101ゲート制御部
103ゲートブロック部
103a、103bブロック回路
105インバータ部
107速度監視部
111a、111b計測部
112a、112b 整形部
113a、113b速度検出部
114a、114b方向検出部
115a、115b監視部
116a、116b故障検出部
117a、117b停止検出部
201モーション制御部
202保守制御部

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