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技術 レーザーピーニング装置

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 栗原康行
出願日 2019年2月28日 (1年4ヶ月経過) 出願番号 2019-035203
公開日 2019年9月12日 (9ヶ月経過) 公開番号 2019-150877
状態 未査定
技術分野
  • -
主要キーワード レーザー照射ヘッド 金属製機械部品 レーザー発信器 予防保全対策 送信ケーブル 液体供給用 電動作動 レーザーピーニング
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図面 (3)

課題

様々な場所へ搬送して設置することが容易であり、且つ、レーザー光鋼構造物所定位置へ精度良く且つ迅速に照射できるレーザーピーニング装置を提供する。

解決手段

本発明のレーザーピーニング装置1は、レーザー発信器6と、被照射金属材料パルスレーザー光を照射するレーザー照射ヘッド3と、被照射金属材料に液体噴射する液体噴射ノズル4と、液体噴射ノズルに液体を供給する液体供給ユニット7と、パルスレーザー光の照射位置計測する位置計測装置5と、レーザー照射ヘッドを取り付ける多関節ロボットアーム2と、位置計測装置から送信される照射位置の情報に基づいて多関節ロボットアームの動作を制御する動作制御装置8と、を有するレーザーピーニング装置であって、動作制御装置は、予め設定されたレーザーピーニングの全領域を照射するように多関節ロボットアームの動作を制御する。

概要

背景

鋼構造物金属製機械部品では、繰り返し加わる応力または繰り返し加わる熱に起因して金属疲労が発生することから、金属疲労による破損事故が懸念されてきた。近年、鋼構造物や金属製機械部品の長期化使用が試みられ、より一層金属疲労による破損事故が懸念されている。特に、鋼構造物の溶接部近傍は、溶接入熱によって引張応力残留し、潜在的な割れ発生の危険性を有している。

このような状況のなか、金属材料予防保全対策として、種々の金属材料表面の改良技術の開発が行われている。その一環として、金属材料表面の残留応力を引張応力から圧縮応力に積極的に変えることによって破損事故を未然に防止する対策が検討され、例えば、ショットピーニングハンマーピーニングレーザーピーニングなどの方法が開発されている。そのなかで、特に、レーザーピーニング技術は、高強度の鋼材への効果も優れているため、近年注目の技術である。

レーザーピーニング技術は、例えば特許文献1に記載されるように、液体で覆われている金属材料の表面にパルスレーザー光照射し、パルスレーザー光を金属材料表面に照射した際に発生する高圧プラズマで金属材料の表面を叩き、その際に発生する強力な衝撃波が金属材料の内部に伝播して塑性変形を引き起こし、金属材料の引張残留応力を低減または圧縮応力に変換するという技術である。これは、プラズマの周囲が液体で覆われているので、プラズマの膨張が妨げられ、生成したプラズマの内部圧力が数GPa程度に達し、このプラズマが金属材料の表面を叩き、その際に強力な衝撃波が誘起されるという現象を利用した技術である。

概要

様々な場所へ搬送して設置することが容易であり、且つ、レーザー光を鋼構造物の所定位置へ精度良く且つ迅速に照射できるレーザーピーニング装置を提供する。 本発明のレーザーピーニング装置1は、レーザー発信器6と、被照射金属材料にパルスレーザー光を照射するレーザー照射ヘッド3と、被照射金属材料に液体を噴射する液体噴射ノズル4と、液体噴射ノズルに液体を供給する液体供給ユニット7と、パルスレーザー光の照射位置計測する位置計測装置5と、レーザー照射ヘッドを取り付ける多関節ロボットアーム2と、位置計測装置から送信される照射位置の情報に基づいて多関節ロボットアームの動作を制御する動作制御装置8と、を有するレーザーピーニング装置であって、動作制御装置は、予め設定されたレーザーピーニングの全領域を照射するように多関節ロボットアームの動作を制御する。

目的

本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、様々な場所へ搬送して設置することが容易であり、且つ、レーザー光を鋼構造物の複数の所定位置へ精度良く且つ迅速に照射することのできるレーザーピーニング装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

レーザー発信器と、該レーザー発信器から出射されたパルスレーザー光を被照射金属材料の表面に照射するレーザー照射ヘッドと、前記レーザー発信器と前記レーザー照射ヘッドとを繋ぐレーザー送信ケーブルと、前記被照射金属材料の表面を液体濡れ雰囲気に保つための液体を噴射する液体噴射ノズルと、該液体噴射ノズルに液体を供給する液体供給ユニットと、前記液体噴射ノズルと前記液体供給ユニットとを繋ぐ、液体を供給するための管と、前記パルスレーザー光の被照射金属材料での照射位置計測する位置計測装置と、前記レーザー照射ヘッドを取り付ける多関節ロボットアームと、前記位置計測装置から送信される、前記パルスレーザー光の被照射金属材料での照射位置の情報を入力し、入力した照射位置の情報に基づいて前記多関節ロボットアームの動作を制御する動作制御装置と、を有するレーザーピーニング装置であって、前記動作制御装置は、予め該動作制御装置に設定されたレーザーピーニングの全領域を、前記パルスレーザー光が照射するように、前記多関節ロボットアームの動作を制御するように構成されていることを特徴とするレーザーピーニング装置。

請求項2

前記液体噴射ノズル及び前記位置計測装置は、前記多関節ロボットアームに取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載のレーザーピーニング装置。

請求項3

前記多関節ロボットアームは、その基部に、クランプ磁気吸盤接着剤のうちのいずれか1種またはこれらの組み合わせからなる固定構造部を有し、該固定構造部によってレーザーピーニングの対象となる鋼構造物に固定されるように構成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のレーザーピーニング装置。

請求項4

前記動作制御装置は、レーザーピーニングの領域の平面形状を矩形または楕円形として、レーザーピーニングの領域を決めるための位置情報を設定する機能を有していることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のレーザーピーニング装置。

請求項5

更に、前記液体噴射ノズルから前記被照射金属材料の表面に噴射された液体を前記液体供給ユニットに回収する液体回収系統を有し、前記被照射金属材料の表面を液体に濡れた雰囲気に保つための液体を循環使用するように構成されていることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレーザーピーニング装置。

請求項6

前記液体噴射ノズルの噴出口は、被照射金属材料表面でのレーザー照射位置レーザー光焦点)から1cm以上離れた位置に設置され、且つ、液体噴射ノズルから噴射される液体がレーザー照射位置に掛かるように、液体噴射ノズルの噴出口の角度、位置、及び、液体噴射ノズルの噴出口から噴出する液体の液圧は、調整可能なように構成されていることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のレーザーピーニング装置。

請求項7

前記液体噴射ノズルから噴射される液体は、0.2MPa以下の液圧で噴射されることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレーザーピーニング装置。

技術分野

0001

本発明は、鋼構造物及び金属製機械部品などの表面の残留引張応力を、軽減するまたは圧縮応力に変換するレーザーピーニング装置に関し、特に、鋼橋補修現場などの現地でのレーザーピーニング施工に最適なレーザーピーニング装置に関する。

背景技術

0002

鋼構造物や金属製機械部品では、繰り返し加わる応力または繰り返し加わる熱に起因して金属疲労が発生することから、金属疲労による破損事故が懸念されてきた。近年、鋼構造物や金属製機械部品の長期化使用が試みられ、より一層金属疲労による破損事故が懸念されている。特に、鋼構造物の溶接部近傍は、溶接入熱によって引張応力が残留し、潜在的な割れ発生の危険性を有している。

0003

このような状況のなか、金属材料予防保全対策として、種々の金属材料表面の改良技術の開発が行われている。その一環として、金属材料表面の残留応力を引張応力から圧縮応力に積極的に変えることによって破損事故を未然に防止する対策が検討され、例えば、ショットピーニングハンマーピーニング、レーザーピーニングなどの方法が開発されている。そのなかで、特に、レーザーピーニング技術は、高強度の鋼材への効果も優れているため、近年注目の技術である。

0004

レーザーピーニング技術は、例えば特許文献1に記載されるように、液体で覆われている金属材料の表面にパルスレーザー光照射し、パルスレーザー光を金属材料表面に照射した際に発生する高圧プラズマで金属材料の表面を叩き、その際に発生する強力な衝撃波が金属材料の内部に伝播して塑性変形を引き起こし、金属材料の引張残留応力を低減または圧縮応力に変換するという技術である。これは、プラズマの周囲が液体で覆われているので、プラズマの膨張が妨げられ、生成したプラズマの内部圧力が数GPa程度に達し、このプラズマが金属材料の表面を叩き、その際に強力な衝撃波が誘起されるという現象を利用した技術である。

先行技術

0005

特開2008−49367号公報

発明が解決しようとする課題

0006

レーザーピーニング技術により、鋼構造物や金属製機械部品に効率的に圧縮残留応力を与えることが可能となり、鋼構造物や金属製機械部品の長寿命化が実現されている。

0007

ところで、レーザーピーニング装置のレーザー光照射範囲は1mm2未満の非常に小さい領域であり、鋼構造物や金属製機械部品の疲労強度を改善するためには、最低でも50mm×20mm程度の範囲の照射が必要であり、レーザー光の照射位置を精度良く決定して、素早く且つ正確にレーザー光を移動する必要がある。

0008

また、疲労強度改善が必要とされる鋼構造物は鋼橋などであり、鋼橋の補修現場などの現地で鋼構造物の複数の所定位置に素早く且つ正確にレーザー光を照射する必要がある。更に、現地の状況や対象とする鋼材の形状が様々であるので、レーザー光の照射位置を正確に制御することがより一層不可欠となる。

0009

この観点から特許文献1を検証すれば、特許文献1は、レーザーピーニング装置を様々な場所に搬送し、様々な鋼構造物にレーザーピーニングを行うことは考慮していない。つまり、特許文献1に開示されるレーザーピーニング装置では、鋼橋の補修現場などの現地で鋼構造物の複数の所定位置に素早く且つ正確にレーザー光を照射することは不可能といえる。

0010

本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、様々な場所へ搬送して設置することが容易であり、且つ、レーザー光を鋼構造物の複数の所定位置へ精度良く且つ迅速に照射することのできるレーザーピーニング装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0011

上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]レーザー発信器と、該レーザー発信器から出射されたパルスレーザー光を被照射金属材料の表面に照射するレーザー照射ヘッドと、前記レーザー発信器と前記レーザー照射ヘッドとを繋ぐレーザー送信ケーブルと、前記被照射金属材料の表面を液体に濡れ雰囲気に保つための液体を噴射する液体噴射ノズルと、該液体噴射ノズルに液体を供給する液体供給ユニットと、前記液体噴射ノズルと前記液体供給ユニットとを繋ぐ、液体を供給するための管と、前記パルスレーザー光の被照射金属材料での照射位置を計測する位置計測装置と、前記レーザー照射ヘッドを取り付ける多関節ロボットアームと、前記位置計測装置から送信される、前記パルスレーザー光の被照射金属材料での照射位置の情報を入力し、入力した照射位置の情報に基づいて前記多関節ロボットアームの動作を制御する動作制御装置と、を有するレーザーピーニング装置であって、前記動作制御装置は、予め該動作制御装置に設定されたレーザーピーニングの全領域を、前記パルスレーザー光が照射するように、前記多関節ロボットアームの動作を制御するように構成されていることを特徴とするレーザーピーニング装置。
[2]前記液体噴射ノズル及び前記位置計測装置は、前記多関節ロボットアームに取り付けられていることを特徴とする、上記[1]に記載のレーザーピーニング装置。
[3]前記多関節ロボットアームは、その基部に、クランプ磁気吸盤接着剤のうちのいずれか1種またはこれらの組み合わせからなる固定構造部を有し、該固定構造部によってレーザーピーニングの対象となる鋼構造物に固定されるように構成されていることを特徴とする、上記[1]または上記[2]に記載のレーザーピーニング装置。
[4]前記動作制御装置は、レーザーピーニングの領域の平面形状を矩形または楕円形として、レーザーピーニングの領域を決めるための位置情報を設定する機能を有していることを特徴とする、上記[1]から上記[3]のいずれかに記載のレーザーピーニング装置。
[5]更に、前記液体噴射ノズルから前記被照射金属材料の表面に噴射された液体を前記液体供給ユニットに回収する液体回収系統を有し、前記被照射金属材料の表面を液体に濡れた雰囲気に保つための液体を循環使用するように構成されていることを特徴とする、上記[1]から上記[4]のいずれかに記載のレーザーピーニング装置。
[6]前記液体噴射ノズルの噴出口は、被照射金属材料表面でのレーザー照射位置(レーザー光の焦点)から1cm以上離れた位置に設置され、且つ、液体噴射ノズルから噴射される液体がレーザー照射位置に掛かるように、液体噴射ノズルの噴出口の角度、位置、及び、液体噴射ノズルの噴出口から噴出する液体の液圧は、調整可能なように構成されていることを特徴とする、上記[1]から上記[5]のいずれかに記載のレーザーピーニング装置。
[7]前記液体噴射ノズルから噴射される液体は、0.2MPa以下の液圧で噴射されることを特徴とする、上記[1]から上記[6]のいずれかに記載のレーザーピーニング装置。

発明の効果

0012

本発明によれば、鋼橋の補修現場などのレーザーピーニングの対象とする鋼構造物に、レーザーピーニング装置を搬送して設置し、容易にレーザーピーニングを行うことが可能であり、鋼構造物の疲労強度改善効果が期待できる。また、レーザーピーニングは対象の材質を問わないので、近年増えつつある高強度鋼材に対しても、また、従来のハンマーピーニングなどの施工が困難であった対象物も施工が可能となる。また更に、初期調整を設定すれば半自動で施工を行うことができ、施工者によるばらつきが無く、安定した施工品質が確保できる。

図面の簡単な説明

0013

本発明に係るレーザーピーニング装置の1例を示す概略図である。
鋼橋の溶接継手端部のレーザーピーニング位置を示す概略図であり、図2(A)はレーザーピーニングの領域と対向する方向から見た平面図、図2(B)は図2(A)の側面図である。

0014

以下、添付図面を参照して本発明に係るレーザーピーニング装置を具体的に説明する。図1は、本発明に係るレーザーピーニング装置の1例を示す概略図である。

0015

本発明に係るレーザーピーニング装置1は、多関節ロボットアーム2と、多関節ロボットアーム2の先端部に取り付けられたレーザー照射ヘッド3、液体噴射ノズル4及び位置計測装置5と、多関節ロボットアーム2とは別の位置に設置されたレーザー発信器6、液体供給ユニット7及び動作制御装置8と、を有している。レーザー照射ヘッド3、液体噴射ノズル4及び位置計測装置5は、レーザー照射ヘッド3の照射方向、液体噴射ノズル4の噴射方向及び位置計測装置5の計測方向が或る空間の1点位置でそれぞれが重なるように配置されており、この3つの重なった位置がレーザーピーニングの施工位置となる。多関節ロボットアーム2の1つ以上の関節を電動作動させることで、レーザーピーニングの施工位置が上下左右に移動する。使用する多関節ロボットアーム2は質量が10kg程度の小型の装置で十分である。

0016

図1のレーザーピーニング装置1では、レーザー照射ヘッド3、液体噴射ノズル4及び位置計測装置5が多関節ロボットアーム2の先端部に取り付けられているが、液体噴射ノズル4及び位置計測装置5は多関節ロボットアーム2とは別の位置に設置してもよい。但し、この場合も、レーザー照射ヘッド3の照射方向、液体噴射ノズル4の噴射方向及び位置計測装置5の計測方向が或る空間の1点位置でそれぞれが重なるように、液体噴射ノズル4及び位置計測装置5を配置する必要がある。

0017

液体噴射ノズル4を、多関節ロボットアーム2の先端部に設置する場合も、また、多関節ロボットアーム2とは別の位置に設置する場合も、レーザー照射ヘッド3から照射されるレーザー光と液体噴射ノズル4から噴射される液体とが被照射金属材料へ衝突する前に合流しないようにするために、液体噴射ノズル4の噴出口4aが被照射金属材料表面でのレーザー照射位置(レーザー光の焦点)から1cm以上離れた位置になるように、液体噴射ノズル4を設置することが好ましい。また更に、液体噴射ノズル4から噴射される液体がレーザー照射位置に掛かるように、噴出口4aの角度、位置、及び、噴出口4aから噴出する液体の液圧を調整可能な構成とすることが好ましい。

0018

また、液体噴射ノズル4から噴射される液体の液圧は、レーザー照査位置に液体が届き、気泡の発生が抑えられ、跳ね返りが少なくなるように、0.2MPa以下程度とすることが好ましい。使用する液体としては、透明度が高く、つまり、実質的に透明であり、不可燃性で且つ被照射金属材料への化学的な作用が少ない物質であること,具体的には水などが好ましい。

0019

図1のように、レーザー照射ヘッド3、液体噴射ノズル4及び位置計測装置5を多関節ロボットアーム2の先端部に取り付けることで、レーザーピーニング装置1の構成を簡素化することができるので、液体噴射ノズル4及び位置計測装置5を多関節ロボットアーム2の先端部に取り付けることが好ましい。

0020

レーザー照射ヘッド3は、光ファイバーケーブルなどからなるレーザー送信ケーブル9を介してレーザー発信器6と繋がっており、レーザー発信器6から出射されたパルスレーザー光が、レーザー送信ケーブル9を介してレーザー照射ヘッド3に送られ、レーザー照射ヘッド3の先端から被照射金属材料に向けて照射されるように構成されている。液体噴射ノズル4は液体供給用の管10を介して液体供給ユニット7と繋がっており、液体供給ユニット7から供給される液体が、管10を介して液体噴射ノズル4に送られて、液体噴射ノズル4の先端から被照射金属材料に向けて噴射されるように構成されている。ここで、液体供給用の管10はフレキシブルホース状の管でも構わない。

0021

動作制御装置8は、通信電源ケーブル11を介して多関節ロボットアーム2と繋がっており、多関節ロボットアーム2は動作制御装置8から入力される信号によってその動作が制御されるように構成されている。また、動作制御装置8は、通信−電源ケーブル12を介して位置計測装置5と繋がっており、位置計測装置5で計測され、位置計測装置5から送信される位置情報が動作制御装置8に入力されるように構成されている。図1は、動作制御装置8として、市販のパーソナルコンピューターを使用した例を示している。

0022

このようにして構成されるレーザーピーニング装置1を用いて鋼構造物20の所定位置をレーザーピーニングする際には、多関節ロボットアーム2の基部に、クランプ、磁気、吸盤、接着剤のうちのいずれか1種またはこれらの組み合わせからなる固定構造部13を設け、この固定構造部13によってレーザーピーニングの対象となる鋼構造物20に多関節ロボットアーム2を固定することが好ましい。多関節ロボットアーム2を鋼構造物20に固定することで、レーザー照射ヘッド3から照射されるレーザー光を、鋼構造物20の目的とする位置に確実に且つ迅速に照射することができる。

0023

鋼構造物20は、その一部を鋼材21及び鋼材22で構成されており、鋼材21と鋼材22とは、溶接金属からなる溶接部23によって接合されている。図1では、鋼構造物20の一部を構成する鋼材21と鋼材22との溶接部23及び溶接部23の周囲の鋼材21の表面を被照射金属材料、つまり、レーザーピーニング対象位置24としている。

0024

レーザーピーニング対象位置24をレーザーピーニングするにあたり、先ず、動作制御装置8にレーザーピーニング対象位置24を設定して記憶させる。そして、位置計測装置5によって計測される位置がレーザーピーニング対象位置24であることを、位置計測装置5から送信される位置情報に基づいて動作制御装置8で確認する。位置計測装置5によって計測される位置がレーザーピーニング対象位置24と異なる場合は、動作制御装置8からの信号によって多関節ロボットアーム2の1つ以上の関節を電動作動させ、位置計測装置5で計測される位置をレーザーピーニング対象位置24と合致させる。

0025

次いで、レーザー発信器6に給電してパルスレーザー光を発生させ、このパルスレーザー光を、レーザー送信ケーブル9を介してレーザー照射ヘッド3に送り、レーザー照射ヘッド3の先端からレーザーピーニング対象位置24に向けてパルスレーザー光を照射する。このパルスレーザー光の照射と同時または前後に、液体供給ユニット7を作動させ、液体供給ユニット7から、液体供給用の管10を介して液体噴射ノズル4に液体を供給し、液体噴射ノズル4の先端からレーザーピーニング対象位置24に向けて液体を噴射する。液体噴射ノズル4から噴射される液体により、レーザーピーニング対象位置24の表面は液体に濡れた雰囲気に保たれる。液体としては、水道水などの水を使用する。

0026

パルス幅が10−8秒程度以下のパルスレーザー光を、レーザー照射ヘッド3に設けられた集光レンズ(図示せず)で直径1mm程度のスポット集光して被照射金属材料の表面に照射すると、被照射金属材料の表面がエネルギーを吸収してプラズマ化する。

0027

生成したプラズマの周囲がパルスレーザー光の波長に対して透明な液体によって覆われている場合、プラズマの膨張が妨げられてプラズマの内部圧力は数GPa程度に達し、被照射金属材料の表面を叩く。その際に強力な衝撃波が発生し、この衝撃波が被照射金属材料の内部に伝播して塑性変形を引き起こし、被照射金属材料に残留する引張応力を圧縮応力に変える。通常の施工条件での応力改善は、被照射金属材料の表面から深さ1mm程度まで可能である。

0028

レーザーピーニング対象位置24の面積は、50mm×20mm程度以上とする。また、パルスレーザー光の照射回数が増加するほど残留引張応力は圧縮応力に変化するので、少なくとも2回以上被照射金属材料表面の同一箇所をパルスレーザー光で照射することが好ましい。パルスレーザー光のパルス幅、パルスレーザー光の直径及びパルスレーザー光の移動速度を制御することで、パルスレーザー光の照射位置が重なり合い、同一箇所を2回以上照射することができる。

0029

動作制御装置8は、予め動作制御装置8に設定されたレーザーピーニング対象位置24の全領域をパルスレーザー光が照射するように、多関節ロボットアーム2の動作を制御する。

0030

その際、動作制御装置8は、レーザーピーニング対象位置24の平面形状を矩形または楕円形とする場合には、レーザーピーニング対象位置24の領域を決めるための位置情報を設定する機能を有することが好ましい。具体的には、レーザーピーニング対象位置24の平面形状が矩形の場合には、矩形の対角の2点を予め指定し、楕円形の場合には、中心位置、短軸端、長軸端の3点を予め指定する。指定した位置を動作制御装置8に記憶させ、動作制御装置8の制御によって、レーザーピーニング対象位置24の領域に隈無くパルスレーザー光が照射されるように、制御プログラムを作成して実行する。このような機能を動作制御装置8に備えることで、レーザーピーニング施工を半自動で行うことが可能となる。

0031

また、本発明に係るレーザーピーニング装置1は、液体噴射ノズル4から噴射される液体を循環使用するために、液体受け容器14、配管16、タンクフィルター付き)15、配管17で構成される液体回収系統を有することが好ましい。液体噴射ノズル4から噴射された液体は着脱可能な液体受け容器14で集められ、集められた液体は配管16を介して液体受け容器14からタンク(フィルター付き)15に送られ、更に、タンク(フィルター付き)15から配管17を介して液体供給ユニット7に回収される。

0032

上記説明のように、本発明によれば、鋼橋の補修現場などのレーザーピーニングの対象とする鋼構造物に、レーザーピーニング装置1を搬送して設置し、容易にレーザーピーニングを行うことが可能であり、鋼構造物の疲労強度改善効果が期待できる。

0033

尚、本発明は上記説明の範囲に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記説明では、レーザー照射ヘッド3とレーザー発信器6とがレーザー送信ケーブル9を介して繋がっているが、レーザー照射ヘッド3とレーザー発信器6とを一体的に構成してもよく、また、液体噴射ノズル4と液体供給ユニット7とが管10を介して繋がっているが、液体噴射ノズル4と液体供給ユニット7とを一体的に構成してもよい。

0034

更に、上記説明では、多関節ロボットアーム2と動作制御装置8とが通信−電源ケーブル11を介して繋がり、また、位置計測装置5と動作制御装置8とが、通信−電源ケーブル12を介して繋がっているが、通信−電源ケーブル11及び通信−電源ケーブル12を介することなく、無線で繋がっていてもよい。

0035

鋼橋の補修現場で、図1に示す本発明に係るレーザーピーニング装置1を用いて、図2に示すように、鋼橋の一部を構成する鋼材21と鋼材22との溶接継手端部の疲労上の弱点部の領域を指定してレーザーピーニングを行った。鋼材22の板厚は20mm、溶接ビードの幅は10mmであり、レーザーピーニングの範囲を、溶接止端部から両側に10mmの範囲として、60mmとした。図2において、符号23は溶接部、24はレーザーピーニング対象位置(面積;60mm×30mm)である。図2に示すような回し溶接の先端部は特に疲労損傷を受けやすいので、その端部を覆うような領域を指定してレーザーピーニングを行った。尚、図2は、鋼橋の溶接継手端部のレーザーピーニング位置を示す概略図であり、図2(A)はレーザーピーニングの領域と対向する方向から見た平面図、図2(B)は図2(A)の側面図である。

0036

レーザーピーニング対象位置24の平面形状を矩形とし、矩形の対角線P点及びQ点の2点を予め動作制御装置8に記憶させ、動作制御装置8の制御によって、P点を開始点、Q点を終了点とし、レーザーピーニング対象位置24の領域に隈無くパルスレーザー光が照射されるように、多関節ロボットアーム2の動作を制御した。

実施例

0037

レーザーピーニングの実施後、レーザーピーニングを施した領域の残留応力を超音波音弾性残留応力装置で測定した結果、残留応力は圧縮応力のみが測定された。

0038

1レーザーピーニング装置
2多関節ロボットアーム
3レーザー照射ヘッド
4液体噴射ノズル
5位置計測装置
6レーザー発信器
7液体供給ユニット
8動作制御装置
9レーザー送信ケーブル
10 管
11通信−電源ケーブル
12 通信−電源ケーブル
13固定構造部
14液体受け容器
15タンク(フィルター付き)
16配管
17 配管
20鋼構造物
21鋼材
22 鋼材
23溶接部
24 レーザーピーニング対象位置

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