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課題

透過流量が大きくかつ分画特性に優れ、更に親水性が高く耐汚染性に優れた表面修飾多孔質膜を提供する。

解決手段

多孔質膜と該多孔質膜表面に形成された機能性ポリマー層とからなる表面修飾多孔質膜であって、表面がノードフィブリルを含む微細構造を有し、開口率が30〜60%、平均細孔径が0.05〜0.5μm、平均細孔径の変動係数が0.2〜0.6であることを特徴とする、表面修飾多孔質膜を提供する。

概要

背景

多孔質膜の製造方法としては、膜素材となる高分子溶媒に溶解させたキャスト液を非溶媒からなる凝固液中投入し、相分離により多孔構造を形成させる非溶媒誘起相分離法(NIPS法)や、加熱したキャスト液を冷却することで相分離させ、多孔構造を形成させる熱誘起相分離法(TIPS法)、フィルム延伸することで多孔構造を形成させる延伸法等が知られている。多孔質膜への要求特性としては、透過流量が大きくかつ分画特性に優れることが挙げられるが、これらの特性を両立することは困難である。その理由は、透過流量を大きくするためには開口率膜内部の空隙率を高くする必要があるが、開口率や空隙率の増加は膜構造不均一性を招きやすく、分画特性が低下してしまう。一方、分画特性を高めるためには、開口率や空隙率の均一性を高める必要があるが、均一性を高めるためには開口率や空隙率を小さくする必要があり、透過流量は減少してしまう。このように、従来の技術では、透過流量が大きく分画特性にも優れた多孔質膜を製造することは困難であった。

上記従来の修飾方法の欠点を改善する方法として、キャスト液と凝固液の温度を調整して多孔質膜を製造したり、キャスト液の溶液粘度を調整することで、透過流量と分画特性を両立させた多孔質膜の製造方法が特許文献1、2に記載されている。しかし、これらの方法による改良は限定的であり、問題点の全面的な解決には至っていない。

一方、多孔質膜表面の修飾方法としては、膜表面に機能性ポリマーコーティングする方法、膜素材に機能性ポリマーをブレンドした後多孔質膜に製膜する方法、プラズマコロナで処理する方法、膜表面に重合開始基を導入しグラフト重合する方法等が提案されている。機能性ポリマーをコーティングする方法は簡便であり幅広く用いられているが、コーティングした機能性ポリマーが多孔質膜から剥離しやすく、長期間安定して機能を維持することが難しかった。膜素材に機能性ポリマーをブレンドした後、分離多孔質膜に製膜する方法は特別な設備が不要で簡便な方法ではあるが、膜表面を機能性ポリマーで十分被覆するためには機能性ポリマー添加量をかなり多くしなければならず、膜の機械的特性の低下や耐薬品性の低下を招きやすく、更に機能性ポリマーの大量添加によるコストアップも問題となる。一方、プラズマ処理コロナ処理による方法は大掛かりな装置が必要であり、処理の過程基材を損傷しやすいといった欠点があった。表面に重合開始基を導入しグラフト重合する方法は長期安定性に優れ、基材の損傷もないことから優れた修飾方法であるが、基材の種類ごとに重合開始基導入方法が異なり、複雑な導入反応を必要とする点が欠点であった。

上記従来の修飾方法の欠点を改善する方法として、ニトレン挿入反応を利用した機能性ポリマーの基材表面への導入方法が特許文献3、4に記載されている。この方法は機能性ポリマーのコーティングとUV照射といった簡便な方法で機能性ポリマーを共有結合を介して基材表面に導入できる点で優れた方法である。しかし、前記ニトレンの挿入反応が、基材界面での基材との反応のみならず、機能性ポリマーの内部架橋にも消費されてしまうためか、導入・固定化された機能性ポリマーが多いにもかかわらず機能が発現しないということがあった。

概要

透過流量が大きくかつ分画特性に優れ、更に親水性が高く耐汚染性に優れた表面修飾多孔質膜を提供する。多孔質膜と該多孔質膜表面に形成された機能性ポリマー層とからなる表面修飾多孔質膜であって、表面がノードフィブリルを含む微細構造を有し、開口率が30〜60%、平均細孔径が0.05〜0.5μm、平均細孔径の変動係数が0.2〜0.6であることを特徴とする、表面修飾多孔質膜を提供する。

目的

本発明は、透過流量が大きくかつ分画特性に優れ、更に親水性が高く耐汚染性に優れた表面修飾多孔質膜を製造し提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

多孔質膜と該多孔質膜表面に形成された機能性ポリマー層とからなる表面修飾多孔質膜であって、表面がノードフィブリルを含む微細構造を有し、開口率が30〜60%、平均細孔径が0.05〜0.5μm、平均細孔径の変動係数が0.2〜0.6であることを特徴とする、表面修飾多孔質膜。

請求項2

前記機能性ポリマー層が、親水性基を含む機能性単位と5〜30モル%の二級アミノ基単位を含み、厚みが5〜100nmであることを特徴とする、請求項1に記載の表面修飾多孔質膜。

請求項3

前記機能性ポリマー層が、下記一般式(1)で示される構造を有する重合体であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の表面修飾多孔質膜。(式中、m及びnは互いに独立して1以上の整数を表し、Xは置換基を有しても良いフェニレン基、又はエステル結合若しくはアミド結合で示される基を表し、Yはベタイン性基アルコキシアルキル基アルコキシポリオキシエチレン基ヒドロキシポリオキシエチレン基から選ばれた親水性基を表し、Zは−O−又は−N(R3)−で示される基を表し、Aは−O−又は−CH2−で示される基を表し、R1、R2及びR3は互いに独立して水素原子又はC1〜C6の炭化水素基を表し、R4はC3〜C6の2価の炭化水素基を表し、R5はフッ素原子を表し、pは0〜4の整数を表す。)

請求項4

請求項1〜3のいずれかに記載の表面修飾多孔質膜からなる水処理分離膜

請求項5

少なくとも下記二工程を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の表面修飾多孔質膜の製造方法。(i)多孔質膜表面にコロナ処理またはプラズマ処理を施す工程。(ii)機能性単位と5〜30モル%のニトレン前駆体官能基を有する単位からなる機能性ポリマーを多孔質膜表面に存在させ、光照射により多孔質膜表面に機能性ポリマー層を形成する工程。

技術分野

0001

本発明は、表面修飾多孔質膜およびその製造方法に関する。本発明を用いることで、透過流量が大きくかつ分画特性に優れ、更に親水性が高く耐汚染性に優れた多孔質膜が得られ、水処理分野や食品医薬品の分離精製分野で用いられる精密ろ過膜や、電池用セパレータ等に用いることができる。

背景技術

0002

多孔質膜の製造方法としては、膜素材となる高分子溶媒に溶解させたキャスト液を非溶媒からなる凝固液中投入し、相分離により多孔構造を形成させる非溶媒誘起相分離法(NIPS法)や、加熱したキャスト液を冷却することで相分離させ、多孔構造を形成させる熱誘起相分離法(TIPS法)、フィルム延伸することで多孔構造を形成させる延伸法等が知られている。多孔質膜への要求特性としては、透過流量が大きくかつ分画特性に優れることが挙げられるが、これらの特性を両立することは困難である。その理由は、透過流量を大きくするためには開口率膜内部の空隙率を高くする必要があるが、開口率や空隙率の増加は膜構造不均一性を招きやすく、分画特性が低下してしまう。一方、分画特性を高めるためには、開口率や空隙率の均一性を高める必要があるが、均一性を高めるためには開口率や空隙率を小さくする必要があり、透過流量は減少してしまう。このように、従来の技術では、透過流量が大きく分画特性にも優れた多孔質膜を製造することは困難であった。

0003

上記従来の修飾方法の欠点を改善する方法として、キャスト液と凝固液の温度を調整して多孔質膜を製造したり、キャスト液の溶液粘度を調整することで、透過流量と分画特性を両立させた多孔質膜の製造方法が特許文献1、2に記載されている。しかし、これらの方法による改良は限定的であり、問題点の全面的な解決には至っていない。

0004

一方、多孔質膜表面の修飾方法としては、膜表面に機能性ポリマーコーティングする方法、膜素材に機能性ポリマーをブレンドした後多孔質膜に製膜する方法、プラズマコロナで処理する方法、膜表面に重合開始基を導入しグラフト重合する方法等が提案されている。機能性ポリマーをコーティングする方法は簡便であり幅広く用いられているが、コーティングした機能性ポリマーが多孔質膜から剥離しやすく、長期間安定して機能を維持することが難しかった。膜素材に機能性ポリマーをブレンドした後、分離多孔質膜に製膜する方法は特別な設備が不要で簡便な方法ではあるが、膜表面を機能性ポリマーで十分被覆するためには機能性ポリマー添加量をかなり多くしなければならず、膜の機械的特性の低下や耐薬品性の低下を招きやすく、更に機能性ポリマーの大量添加によるコストアップも問題となる。一方、プラズマ処理コロナ処理による方法は大掛かりな装置が必要であり、処理の過程基材を損傷しやすいといった欠点があった。表面に重合開始基を導入しグラフト重合する方法は長期安定性に優れ、基材の損傷もないことから優れた修飾方法であるが、基材の種類ごとに重合開始基導入方法が異なり、複雑な導入反応を必要とする点が欠点であった。

0005

上記従来の修飾方法の欠点を改善する方法として、ニトレン挿入反応を利用した機能性ポリマーの基材表面への導入方法が特許文献3、4に記載されている。この方法は機能性ポリマーのコーティングとUV照射といった簡便な方法で機能性ポリマーを共有結合を介して基材表面に導入できる点で優れた方法である。しかし、前記ニトレンの挿入反応が、基材界面での基材との反応のみならず、機能性ポリマーの内部架橋にも消費されてしまうためか、導入・固定化された機能性ポリマーが多いにもかかわらず機能が発現しないということがあった。

先行技術

0006

特開2013−202461号公報
WO2014/054658号公報
特表平3−505979号公報
特開2010−59346号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、透過流量が大きくかつ分画特性に優れ、更に親水性が高く耐汚染性に優れた表面修飾多孔質膜を製造し提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するため、本発明者らが鋭意検討を行った結果、多孔質膜表面にコロナ処理および/またはプラズマ処理を施し、次いで多孔質膜表面に機能性ポリマー層を固定化することで、開口率が大きくかつ平均細孔径が揃っており、親水性の高い表面修飾多孔質膜を製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。

0009

即ち本発明は、
[1]多孔質膜と該多孔質膜表面に形成された機能性ポリマー層とからなる表面修飾多孔質膜であって、表面がノードフィブリルを含む微細構造を有し、開口率が30〜60%、平均細孔径が0.05〜0.5μm、平均細孔径の変動係数が0.2〜0.6であることを特徴とする、表面修飾多孔質膜。
[2]前記機能性ポリマー層が、親水性基を含む機能性単位と5〜30モル%の二級アミノ基単位を含み、厚みが5〜100nmであることを特徴とする、[1]に記載の表面修飾多孔質膜。
[3]前記機能性ポリマー層が、下記一般式(1)で示される構造を有する重合体であることを特徴とする、[1]または[2]に記載の表面修飾多孔質膜。

0010

0011

(式中、m及びnは互いに独立して1以上の整数を表し、Xは置換基を有しても良いフェニレン基、又はエステル結合若しくはアミド結合で示される基を表し、Yはベタイン性基アルコキシアルキル基アルコキシポリオキシエチレン基ヒドロキシポリオキシエチレン基から選ばれた親水性基を表し、Zは−O−又は−N(R3)−で示される基を表し、Aは−O−又は−CH2−で示される基を表し、R1、R2及びR3は互いに独立して水素原子又はC1〜C6の炭化水素基を表し、R4はC3〜C6の2価の炭化水素基を表し、R5はフッ素原子を表し、pは0〜4の整数を表す。)
[4][1]〜[3]のいずれかに記載の表面修飾多孔質膜からなる水処理分離膜
[5]少なくとも下記二工程を含むことを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の表面修飾多孔質膜の製造方法。
(i)多孔質膜表面にコロナ処理またはプラズマ処理を施す工程。
(ii)機能性単位と5〜30モル%のニトレン前駆体官能基を有する単位からなる機能性ポリマーを多孔質膜表面に存在させ、光照射により多孔質膜表面に機能性ポリマー層を形成する工程。

0012

以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。

0013

本発明の表面修飾多孔質膜は、多孔質膜と該多孔質膜表面に形成された機能性ポリマー層とからなる。表面修飾多孔質膜表面は図1に示すように多孔質膜の基材ポリマー凝集体であるノード(結節部分)と、これを連結するフィブリルから構成された微細構造を有しており、フィブリルとフィブリルの間隙が細孔を形成している。前記ノードの直径の平均値が0.05〜0.5μmで前記フィブリルの長さの平均値が0.06〜1.0μmであると、平均細孔径が揃った分画特性に優れた多孔質膜となるため好ましい。平均細孔径の分布は平均細孔径の変動係数で表すことができる。ここで、変動係数とは、標準偏差を平均値で割った値のことである。本発明の多孔質膜では、平均細孔径の変動係数が0.2〜0.6と小さいことが特長である。また、本発明の表面修飾膜は、その開口率が30〜60%と従来の多孔質膜に比べ格段に大きいことも特長である。本発明で言う開口率とは、膜表面単位面積当たりの細孔開口部の面積の割合を指す。開口率が大きいと、低い操作圧力にて被処理流体の透過流量を大きくすることができるため好ましい。なお、本発明で記載されている開口率や平均細孔径は、多孔質膜表面を走査型電子顕微鏡で観察し、得られた画像を画像処理ソフトにより画像解析して測定した値である。

0014

本発明で用いられる多孔質膜は、ノードとフィブリルからなる微細構造を有していることが好ましい。上記微細構造は、コロナ処理やプラズマ処理によりフィブリルが損傷しやすく、本発明の構造を発現しやすい。このような構造の多孔質膜基材は、NIPS法や延伸法で製造された膜に発現しやすい。

0016

多孔質膜の形状としては平膜状多孔質膜や中空糸状多孔質膜が挙げられ、特に、精密ろ過膜として用いられている多孔質膜が本発明において好ましく用いられる。ここで言う精密ろ過膜とは、0.05〜10μm程度の孔径を有する多孔質膜であり、膜の厚み方向の構造としては均一多孔構造でもよいが、流体透過時の膜間差圧を低減可能な表面の緻密層と内部の支持層で多孔構造が異なる非対称膜構であることが好ましい。更に、二種類以上の材質を複合化した複合膜を用いても良い。複合膜としては、分離機能層である多孔質層とそれを補強するための基材とが複合化された膜が好適に用いられる。ここで言う補強に用いられる基材としては、ポリエチレン繊維ポリプロピレン繊維ポリエステル繊維ナイロン繊維ポリウレタン繊維アクリル繊維レーヨン繊維、綿、などの有機繊維及びそれらの織物編物、不織布等や、ガラス繊維金属繊維などの無機繊維及びそれらの織物、編物等が挙げられる。複合膜の若干の例としては、ポリフッ化ビニリデン製多孔質膜にポリエステル不織布を組み合わせた平膜状精密ろ過膜、ポリフッ化ビニリデン製多孔質膜にポリエステル組紐を組み合わせた中空糸状精密ろ過膜等が挙げられる。

0017

また、電池セパレータも本発明で用いられる多孔質膜として好ましく用いられる。電池セパレータとしては、電池の中で正極と負極を隔離し、かつ電解液を保持して正極と負極との間のイオン伝導性を確保する多孔質膜であり、孔径は0.05〜1μμm程度である。

0018

膜の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、芳香族ポリアミド等が挙げられ、これら素材の積層化やコーティングによる複合化も行われている。

0019

多孔質膜の膜厚は、使用時の圧力損失に耐え得る機械的強度を有していれば特に制約はなく、1〜500μmの範囲で選択することができる。

0020

本発明で用いられる機能性ポリマー層とは、多孔質膜表面に形成されたポリマー層であり、電気的に中性見かけ電荷を持たない)の親水性基を含む機能性成分、例えばアルコキシアルキル基、モノアルコキシポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレン基、ベタイン性基を有する機能性単位と、5〜30モル%の二級アミノ基単位を含むことが好ましい。機能性成分であるアルコキシアルキル基の具体例としては、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシエチル基等が挙げられる。また、モノアルコキシポリオキシエチレン基の具体例としては、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基、2−{2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ}エチル基、メトキシポリオキシエチレン基、エトキシポリオキシエチレン基等が挙げられ、ポリオキシエチレン基の具体例としては、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基、2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル基、ω−ヒドロキシポリオキシエチレン基等が挙げられる。また、ベタイン性基とは、電離状態正電荷を持つ部分と負電荷を持つ部分を同一基内の隣り合わない位置に有し、正電荷を有する原子には解離し得る水素原子が結合しておらず、全体としては電気的に中性(見かけ上電荷を持たない)である基を指す。このベタイン性基の具体例としては、スルホベタイン基、カルボキシベタイン基、ホスホベタイン基を例示することができる。

0021

本発明において「機能性単位」とは、親水性や電解質溶液に対するぬれ性の付与、タンパク質吸着抑制バイオファウリングの発生防止、抗血栓性生体親和性帯電防止等の機能を多孔質膜に付与するための単位であり、電気的に中性(見かけ上電荷を持たない)の親水性基を含むものである。

0022

本発明において「二級アミノ基単位」とは、ニトレン前駆体官能基を有する単位が光照射によってニトレンを生成し、そのニトレンが炭素−水素結合や窒素−水素結合に挿入して架橋し共有結合を形成する際に生成する単位である。この二級アミノ基単位が機能性ポリマー層中に5〜30モル%の割合で含まれることが、本発明の効果を発現する上で重要である。二級アミノ基単位が5モル%未満であると、機能性ポリマー層の多孔質膜表面への固定化が不十分となるため好ましくなく、一方、30モル%を超えると、タンパク質の吸着抑制、バイオファウリングの発生防止、抗血栓性等の機能の低下が生じるため好ましくない。

0023

本発明において「機能性ポリマー層」とは、前記「機能性単位」と「二級アミノ基単位」を含み、多孔質膜表面に形成されたポリマー層を指す。機能性ポリマー層を多孔質膜表面に形成することで、機能性単位由来の各種機能を多孔質膜表面に固定化・導入することができる。

0024

多孔質膜表面に形成される機能性ポリマー層の厚みは、5〜100nmであることが好ましい。ポリマー層の厚みが5nm以上であれば、付与する機能の発現が十分となり、一方、ポリマー層の厚みが100nm以下であれば、多孔質膜の細孔が閉塞してしまう恐れがないため好ましい。なお、ポリマー層の厚みが5nm以上の場合、親水性や電解質溶液に対するぬれ性の付与、タンパク質の吸着抑制、バイオファウリングの発生防止、抗血栓性、生体親和性、帯電防止性等の機能は発現する上、過酷な条件下で長期間使用する場合であっても耐久性に優れる。

0025

本発明の表面修飾多孔質膜の製造方法は、少なくとも下記二工程を含むことを特徴とする。
(i)多孔質膜表面にコロナ処理またはプラズマ処理を施す工程。
(ii)機能性単位と5〜30モル%のニトレン前駆体官能基を有する単位からなる機能性ポリマーを多孔質膜表面に存在させ、光照射により多孔質膜表面に機能性ポリマー層を形成する工程。

0026

多孔質膜表面にコロナ処理またはプラズマ処理を施す工程は、多孔質膜基材表面のフィブリルを部分的に切断もしくは脆化させる工程であり、この工程のみでは多孔質膜の開口率や平均孔径が劇的に拡大するわけではない。ここで言うコロナ処理とは、多孔質膜基材表面をコロナ放電照射により改質させる表面処理技術であり、コロナ放電により生じた高エネルギー電子が基材ポリマーの主鎖や側鎖を切断、ポリマーラジカルを生成させ、それと酸素ラジカルやオゾンが反応し、極性官能基多孔質基材表面に導入される。一方、コロナ放電は低温プラズマを発生させるため、それが膜基材表面のフィブリルを切断する。コロナ処理の最適条件は、膜基材の材質により大きく異なるため一概には言えないが、放電量として50〜2000W・min./m2の範囲で処理することが好ましい。一方、本発明で言うプラズマ処理とは、大気圧下で放電電極ノズル内部に設置して電極間に種々のガスを流し、ノズルからプラズマ化したガスを噴出させる方法でプラズマジェット法とも呼ばれている。この方法はガスを連続して流しているため電極が冷却され、また、試料放電極から離れているため膜基材の損傷が低減される点がコロナ処理と異なる。プラズマ処理の条件もコロナ処理条件と同様、膜基材の材質により条件が異なるため一概には言えないが、作動距離基材膜ノズル間距離)5〜50mm、ライン速度10〜100mm/秒の範囲内で適宜選択すれはよい。

0027

次に、多孔質膜表面に機能性ポリマー層を形成する工程であるが、本工程はコロナ処理またはプラズマ処理で切断されずに残ったフィブリルを機能性コート層が取り込み、新たな細孔構造を形成する工程である。

0028

機能性ポリマーを多孔質膜表面に存在させる方法としては特に限定はなく、機能性ポリマーをそのままもしくは溶媒で希釈して多孔質膜にコーティングする方法等を用いることができる。コーティング方法も特に制約はなく、多孔質膜の形状やコーティングする機能性ポリマー(溶液)の粘性に応じてディップコーティングスピンコーティンググラビアコーティング、バーコーティング、ダイコーティングナイフコーティング等から選択すれば良い。機能性ポリマーを溶媒で希釈してコーティングに用いた場合は、光照射の前に乾燥等により溶媒を除去することが好ましい。乾燥条件については特に限定されないが、多孔質膜の構造を維持するため、低温で短時間乾燥することが好ましく、室温〜60℃にて1〜10分程度で乾燥することが好ましい。

0029

上記方法により機能性ポリマーを多孔質膜表面に存在させた後、光を照射する。光は用いる光反応性基がニトレンを発生できる波長の光である必要があり、光反応性基としてアジド基を用いる場合には波長が10〜400nm、好ましくは250〜380nm付近紫外線を照射する。照射する紫外線の強度は特に限定されないが、1〜1000mW/cm2の範囲で適宜選択できる。

0030

本発明で用いられる機能性ポリマーの分子量は1,000〜1,000,000の範囲で選択することが好ましいが、コーティング時の粘度や溶解性、ポリマー層の機械的強度の観点から5,000〜500,000の範囲が好ましい。該機能性ポリマーは機能性単位を構成するモノマーとニトレン前駆体官能基を有するモノマーとの共重合体であるが、それらはランダム状に配列していてもブロック状に配列していてもかまわない。また、該機能性ポリマーの水への溶解性であるが、水溶性であっても水不溶性であってもかまわない。例えば、機能性単位が水溶性でニトレン前駆体官能基を有するモノマー由来成分の割合が低い場合は水溶性となるが、機能性単位が水に不溶でニトレン前駆体官能基を有するモノマー由来成分の割合が高い場合は水には溶解しない。

0031

本発明の機能性ポリマーを構成する機能性単位としては、アルコキシアルキル基、モノアルコキシポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレン基、スルホベタイン基、カルボキシベタイン基、ホスホベタイン基から選ばれた官能基とビニル基とを有するモノマーの重合体を用いることができる。上記ビニル基としては、ビニル基、アリル基メタリル基イソプレニル基、メタクリルオキシ基、メタクリルアミド基、アクリルオキシ基アクリルアミド基スチリル基等が挙げられるが、ポリマーの機械的強度の高さや多孔質膜との親和性に優れる点でメタクリルオキシ基、アクリルオキシ基、アクリルアミド基、スチリル基が好ましい。

0032

上記モノマーの具体例としては、メトキシエチルメタクリレートメトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリルアミド、メトキシエチルアクリルアミド、2−メトキシエトキシスチレン、2−(2−メトキシエトキシ)エチルメタクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルメタクリルアミド、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアクリルアミド、2−(2−メトキシエトキシ)エトキシスチレン、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリルアミド、ポリエチレングリコールメチルエーテルアクリルアミド、ポリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート、ポリエチレングリコールエチルエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールエチルエーテルメタクリルアミド、ポリエチレングリコールエチルエーテルアクリルアミド、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルメタクリレート、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアクリレート、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルメタクリルアミド、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアクリルアミド、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシスチレン、ポリエチレングリコールモノメタクリレートポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリルアミド、ポリエチレングリコールモノアクリルアミド、N−メタクリロイル−L−ヒスチジン、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−(N−3−スルホプロピル−N,N−ジメチルアンモニウム)エチルメタクリレート、2−(N−カルボメトキシ−N,N−ジメチルアンモニウム)エチルメタクリレート等が挙げられる。

0033

本発明の機能性ポリマー層を構成する「二級アミノ基単位」は、ニトレン前駆体官能基とビニル基とを有するモノマーの重合体を成分とする機能性ポリマーを光照射により架橋させて得ることができる。上記ニトレン前駆体官能基はアジド基であり、具体的にはフェニルアジドテトラフルオロフェニルアジド等のアリールアジド;ベンゾイルアジドメチルベンゾイルアジド等のアシルアジド;エチルアジドホルメート、フェニルアジドホルメート等のアジドホルメート;ベンゼンスルホニルアジド等のスルホニルアジドが挙げられるが、好ましくはアリールアジドが用いられる。上記ビニル基としては、メタクリルオキシ基、メタクリルアミド基、アクリルオキシ基、アクリルアミド基、スチリル基等が挙げられるが、機能性成分と同じ種類のビニル基を用いると共重合が良好に進行するため、同じ種類のビニル基を用いることが好ましい。

0034

上記モノマーの具体例としては、メタクリロイルオキシプロピルオキシ4−フェニルアジド、アクリロイルオキシプロピルオキシ4−フェニルアジド、メタクリルアミドプロピルオキシ4−フェニルアジド、アクリルアミドプロピルオキシ4−フェニルアジド、メタクリロイルオキシエチルオキシ4−フェニルアジド、アクリロイルオキシエチルオキシ4−フェニルアジド、メタクリルアミドエチルオキシ4−フェニルアジド、アクリルアミドエチルオキシ4−フェニルアジド、メタクリロイルオキシエチルオキシカルボキシ4−フェニルアジド、アクリロイルオキシエチルオキシカルボキシ4−フェニルアジド、メタクリルアミドエチルオキシカルボキシ4−フェニルアジド、アクリルアミドエチルオキシカルボキシ4−フェニルアジド、メタクリロイルオキシエチル4−フェニルアジド、アクリロイルオキシエチル4−フェニルアジド、メタクリルアミドエチル4−フェニルアジド、アクリルアミドエチル4−フェニルアジド、メタクリロイルオキシプロピル4−フェニルアジド、アクリロイルオキシプロピル4−フェニルアジド、メタクリルアミドプロピル4−フェニルアジド、アクリルアミドプロピル4−フェニルアジド、メタクリロイルオキシブチル4−フェニルアジド、アクリロイルオキシブチル4−フェニルアジド、メタクリルアミドブチル4−フェニルアジド、アクリルアミドブチル4−フェニルアジド、メタクリロイルオキシエチルオキシカルボキシ2,3,5,6−テトラフルオロ−4−フェニルアジド、アクリロイルオキシエチルオキシカルボキシ2,3,5,6−テトラフルオロ−4−フェニルアジド、メタクリルアミドエチルオキシカルボキシ2,3,5,6−テトラフルオロ−4−フェニルアジド、アクリルアミドエチルオキシカルボキシ2,3,5,6−テトラフルオロ−4−フェニルアジド、メタクリロイルオキシプロピルオキシ2,3,5,6−テトラフルオロ−4−フェニルアジド、アクリロイルオキシプロピルオキシ2,3,5,6−テトラフルオロ−4−フェニルアジド、メタクリルアミドプロピルオキシ2,3,5,6−テトラフルオロ−4−フェニルアジド、アクリルアミドプロピルオキシ2,3,5,6−テトラフルオロ−4−フェニルアジド、メタクリルアミド4−フェニルアジド、アクリルアミド4−フェニルアジド、メタクリルアミド2,3,5,6−テトラフルオロ−4−フェニルアジド、アクリルアミド2,3,5,6−テトラフルオロ−4−フェニルアジド等が挙げられる。

0035

本発明で用いられる機能性ポリマーは、上記例示のモノマーのコポリマーであるが、好ましくは一般式(2)で示される構造を有するポリマーである。

0036

0037

(式中、m及びnは互いに独立して1以上の整数を表し、Xは置換基を有しても良いフェニレン基、又はエステル結合若しくはアミド結合で示される基を表し、Yはベタイン性基、アルコキシアルキル基、アルコキシポリオキシエチレン基、ヒドロキシポリオキシエチレン基から選ばれた親水性基を表し、Zは−O−又は−N(R3)−で示される基を表し、Aは−O−又は−CH2−で示される基を表し、R1、R2及びR3は互いに独立して水素原子又はC1〜C6の炭化水素基を表し、R4はC3〜C6の2価の炭化水素基を表し、R5はフッ素原子を表し、pは0〜4の整数を表す。)
Xで表される置換基を有しても良いフェニレン基の置換基としては、特に限定されないが、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基エトキシ基プロポキシ基、イソプロポキシ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子臭素原子ヨウ素原子)、カルボキシ基アミノ基、ヒドロキシ基等が例示される。Xとしては、エステル結合が好ましい。

0038

Yで示される親水性基としては、ベタイン性基、アルコキシアルキル基、アルコキシポリオキシエチレン基、ヒドロキシポリオキシエチレン基を挙げることができる。なお、本発明において「ベタイン性」とは、電離状態で正電荷を持つ部分と負電荷を持つ部分を同一基内の隣り合わない位置に有し、正電荷を有する原子には解離し得る水素原子が結合しておらず、全体としては中性である(電荷を持たない)ことをいうものとする。ベタイン性基としては特に限定されないが、カルボキシベタイン性基、スルホベタイン性基、ホスホベタイン性基、アミドベタイン性基等が例示される。アルコキシアルキル基としては特に限定されないが、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基が例示される。アルコキシポリオキシエチレン基としては特に限定されないが、例えば、メトキシポリオキシエチレン基、エトキシポリオキシエチレン基、ノルマルプロポキシポリオキシエチレン基、イソプロポキシポリオキシエチレン基が挙げられ、親水性の点でメトキシポリオキシエチレン基、カルボキシベタイン性基、スルホベタイン性基、ホスホベタイン性基が好ましい。

0039

R1、R2及びR3で表されるC1〜C6の炭化水素基としては特に限定されないが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基ネオペンチル基、イソペンチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、1−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基フェニル基が例示される。

0040

R4で表されるC3〜C6の2価の炭化水素基としては特に限定されないが、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−(CH2)5−、−(CH2)6−、フェニレン基等が例示される。R4で示される2価の炭化水素基の炭素数が3〜6であると、光反応性ポリマーガラス転移温度が低く維持されて側鎖の分子運動性が良好であるためか、アジド基から生成するニトレンが基材との反応に効率良く働き、基材表面への光反応性ポリマー固定化率が向上するため好ましい。また、R4で示される2価の炭化水素基の炭素数が3〜6であると、光反応性ポリマー中のアジド基濃度が高濃度に維持されるため、架橋点が増加して基材表面への光反応性ポリマー固定化率が向上するため好ましい。

0041

上記一般式(2)で示される構造を有する機能性ポリマーにおいて、m及びnは互いに独立して1以上の整数を表す。ここで、m/(m+n)の値は、0.02〜0.7であることが好ましく、より好ましくは、0.05〜0.5である。この範囲であれば、基材への接着性とタンパク質の吸着抑制効果の両立という点で優れる。

0042

一般式(2)中に含まれる、下記一般式(3)

0043

0044

(式中、R1、X、Y及びnは前記と同じ意味を表す。)で表される機能性単位としては、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチル−(3−スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン等のモノマーに由来する機能性単位が例示され、親水性が高くタンパク質吸着抑制効果に優れる点から、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレートや2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチル−(3−スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタインに由来する機能性単位が好ましく用いられる。

0045

一般式(2)中に含まれる、下記一般式(4)

0046

0047

(式中、R2、R4、R5、A、Z、m及びpは前記と同じ意味を表す。)で表されるニトレン前駆体官能基を有する単位としては、3−(4−アジドフェノキシ)プロピルメタクリレート、4−(4−アジドフェノキシ)ブチルメタクリレート、5−(4−アジドフェノキシ)ペンチルメタクリレート、6−(4−アジドフェノキシ)ヘキシルメタクリレート、3−(4−アジド−2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)プロピルメタクリレート、4−(4−アジドフェニル)ブチルメタクリレート、4−(4−アジド−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ブチルメタクリレート、3−(4−アジドフェノキシ)プロピルアクリレート、4−(4−アジドフェニル)ブチルアクリレート、3−(4−アジドフェノキシ)プロピルメタクリルアミド、3−(4−アジド−2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)プロピルメタクリルアミド、3−(4−アジドフェノキシ)プロピルアクリルアミド、4−(4−アジドフェニル)ブチルメタクリルアミド、4−(4−アジドフェニル)ブチルアクリルアミド等のモノマーが重合した単位が例示される。これらのうち、アジドの光分解速度が速い3−(4−アジドフェノキシ)プロピルメタクリレートが重合した単位が好ましく用いられる。

0048

一般式(3)で表される機能性単位と一般式(4)で表されるニトレン前駆体官能基を有する単位との配列は特に限定されず、ランダム、ブロック、交互のいずれの順序であっても良い。

0049

一般式(2)で示される構造を有する機能性ポリマーは1,000〜1,000,000の数平均分子量を有することが好ましく、コーティング時の粘度や溶解性、機能性ポリマー層の機械的強度の観点から10,000〜500,000の範囲であることが更に好ましい。また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される多分散度(Mw/Mn)は、特に限定されるものではないが、例えば疎水性基材への接着性や塗膜の安定性の観点から1〜5程度が好ましい。

0050

一般式(2)で示される機能性ポリマーの例としては、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート/メタクリロイルオキシプロピルオキシ4−フェニルアジド共重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン/メタクリロイルオキシプロピルオキシ4−フェニルアジド共重合体、2−(N−3−スルホプロピル−N,N−ジメチルアンモニウム)エチルメタクリレート/メタクリロイルオキシプロピルオキシ4−フェニルアジド共重合体、2−(N−カルボメトキシ−N,N−ジメチルアンモニウム)エチルメタクリレート/メタクリロイルオキシプロピルオキシ4−フェニルアジド共重合体、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート/メタクリロイルオキシブチル4−フェニルアジド共重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン/メタクリロイルオキシブチル4−フェニルアジド共重合体、2−(N−3−スルホプロピル−N,N−ジメチルアンモニウム)エチルメタクリレート/メタクリロイルオキシブチル4−フェニルアジド共重合体、2−(N−カルボメトキシ−N,N−ジメチルアンモニウム)エチルメタクリレート/メタクリロイルオキシブチル4−フェニルアジド共重合体等が挙げられる。

0051

本発明で用いられる機能性ポリマーは、本発明の効果を逸脱しない範囲において、他のモノマー由来の構造単位を有してもかまわない。他のモノマー由来の構造単位としては、特に限定されないが、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン)、ポリビニルベンジルクロライド、ポリビニルアニリンポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニル安息香酸、ポリビニルリン酸ポリビニルピリジン、ポリジメチルアミノメチルスチレン、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等のスチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエンポリブテンポリイソプレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のポリ(ハロゲン化オレフィン);ポリ酢酸ビニルポリプロピオンビニル等のポリビニルエステルやそのケン化物であるポリビニルアルコール;ポリアクリロニトリル等のニトリル系ポリマー;ポリメタクリル酸、ポリパーフルオロアルキルメタクリレートポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリジメチルアミノエチルアクリレート等の(メタアクリル系ポリマーポリアクリルアミドポリメタクリルアミド、ポリジメチルアミノプロピルアクリルアミド、等の(メタ)アクリルアミド系ポリマー等が例示される。

0052

本発明で用いられる機能性ポリマーは、モノマー化合物の調製及びそれらの重合を含め、基本的には当業者技術水準に基づき、常法により製造することができる。例えば、使用するモノマーとしては特に限定されないが、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメチルエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−(N−3−スルホプロピル−N,N−ジメチルアンモウム)エチルメタクリレート、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン等の親水性基を有するモノマーと、3−(4−アジドフェノキシ)プロピルメタクリレート、4−(4−アジドフェノキシ)ブチルメタクリレート、5−(4−アジドフェノキシ)ペンチルメタクリレート、6−(4−アジドフェノキシ)ヘキシルメタクリレート、3−(4−アジド−2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)プロピルメタクリレート、4−(4−アジドフェニル)ブチルメタクリレート、4−(4−アジド−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ブチルメタクリレート、3−(4−アジドフェノキシ)プロピルアクリレート、4−(4−アジドフェニル)ブチルアクリレート、3−(4−アジドフェノキシ)プロピルメタクリルアミド、3−(4−アジド−2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)プロピルメタクリルアミド、3−(4−アジドフェノキシ)プロピルアクリルアミド、4−(4−アジドフェニル)ブチルメタクリルアミド、4−(4−アジドフェニル)ブチルアクリルアミド等のニトレン前駆体官能基を有するモノマーを用いる。

0053

重合については特に制約はなく、例えば、ラジカル重合イオン重合配位重合例示され、操作の簡便性の点から、ラジカル重合、特にフリーラジカル重合または、リビングラジカル重合が好ましく用いられる。重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルAIBN)、過酸化ベンゾイルジイソプロピルペルオキシジカーボネート、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルペルオキシピバレート、tert−ブチルペルオキシジイソブチレート過硫酸塩または過硫酸亜硫酸水素塩等の公知のラジカル開始剤を用いることができる。重合溶媒としては、例えば、水、THF、ジオキサンアセトン2−ブタノン酢酸エチル酢酸イソプロピルベンゼントルエンDMFDMSO、メタノールエタノールイソプロパノールやその混合物等の公知のラジカル重合溶媒を使用すればよく、例えば、モノマー濃度が0.01〜5mol/L、重合開始剤濃度が1〜100mmol/Lになるように希釈し、0〜80℃で1〜72時間反応を行うことにより製造できる。また、重合形態としては特に制約はなく、例えば、バルク重合溶液重合懸濁重合乳化重合分散重合沈殿重合が例示され、操作の簡便性から溶液重合が好ましく用いられる。

0054

機能性単位を構成するモノマーとニトレン前駆体官能基を有するモノマーの共重合性が良好な場合、モノマーの仕込比はニトレン前駆体官能基を有するモノマーが全モノマー中5〜30モル%となるように仕込んで重合すれば良い。一方、ニトレン前駆体官能基を有するモノマーの共重合性が低い場合には、ニトレン前駆体官能基を有するモノマーを過剰量仕込む必要がある。なお、本発明の効果を逸脱しない範囲において、他のモノマーを共重合してもかまわない。重合については特に制約はなく、ラジカル重合を用いてもイオン重合を用いても良いし、バルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、分散重合、沈殿重合等いずれの方式を用いてもかまわない。操作の簡便性の点から、ラジカル重合、特にフリーラジカル重合が好ましく用いられる。

発明の効果

0055

本発明によれば、従来実現が困難であった透過流量が大きくかつ分画特性に優れた分離膜が提供可能となった。コロナ処理またはプラズマ処理とコーティングによる表面修飾を組み合わせることで、従来にない細孔構造が発現し、多孔質膜の高性能化が実現した。また、本発明の表面修飾膜は親水性が高く、耐汚染性が高い、電解質溶液に対するぬれ性が良好、タンパク質非吸着特性の付与、バイオファウリングの抑制、抗血栓性、生体親和性、帯電防止等の機能有しており、長期間高い安定した性能を維持できる耐久性が要求される水処理分離膜や精密な分画特性を要求される血漿用分離膜ワイン日本酒清澄化用分離膜、発酵培養液精製用分離膜、半導体製造用薬液分離膜、二次電池用電池セパレータとして有用であり、本用途分野において幅広く用いることができる。

図面の簡単な説明

0056

本発明の表面修飾多孔質膜の表面のSEM画像を示した図である。
実施例1の多孔質膜表面のSEM画像を示した図である。
実施例2の多孔質膜表面のSEM画像を示した図である。
実施例3の多孔質膜表面のSEM画像を示した図である。
実施例4の多孔質膜表面のSEM画像を示した図である。
実施例5の多孔質膜表面のSEM画像を示した図である。
比較例1の多孔質膜表面のSEM画像を示した図である。
比較例2の多孔質膜表面のSEM画像を示した図である。
比較例3の多孔質膜表面のSEM画像を示した図である。

0057

以下に、本発明を更に詳細に実施例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0058

実施例1
(アジド基含有量が9モル%である機能性ポリマーAの製造)
ガラス製のシュレンクフラスコポリエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート(アルドリッチ製、数平均分子量300、以下PEGMAと略す)(18mmol)およびメタクリロイルオキシプロピルオキシ4−フェニルアジド(2mmol)、開始剤として、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(0.09mmol)を量した。THF25mlを用いてモノマー、開始剤を溶解させ、均一溶液を調製した。十分に溶液中の酸素を窒素で除去後、60℃で8時間重合を行った。重合終了後、ヘキサンを用いて再沈殿法により未反応のモノマーを除去し、減圧乾燥して褐色の水飴状のPEGMAコポリマーを得た。得られたポリマーは、数平均分子量72,000、重量平均分子量253,000、アジド基含有量は9mol%であった。
(多孔質膜のコロナ処理)
多孔質膜として公称孔径0.22μmのポリフッ化ビニリデン(PVDF)複合膜(MF022、ポリエステル不織布と多孔質PVDF膜より構成、ライジングサンメンブレン製)を用い、コロナ処理ステーション春日電機製)でコロナ処理を放電量780W・min./m2で行った。

0059

(多孔質膜表面への機能性ポリマーAの固定化)
コロナ処理を施したPVDF多孔質膜に、卓上コーター(TC−1、三井電気精機製)を用いベーカアプリケータ(BAP−05、井元製作所製)にて機能性ポリマーAの1.3%メタノール溶液を1m/min.でコートし、40℃で2分間乾燥させた後、コンベアUV照射装置(GSユアサ製、光源高圧水銀灯)を用いてランプ出力4kW、ライン速度5m/min.でUV照射(積算光量700mJ/cm2)を行って、膜表面にPEGMAコポリマーを固定化したPVDF製多孔質膜を得た。膜表面のPEGMAコポリマー層の厚みを算出するため、ATR/FT−IRを用いてPEGMAコポリマー由来のカルボニル吸収強度(1720cm−1)をPVDF由来の870cm−1の吸収強度で規格化して相対強度を求めたところ、相対強度は0.035であった。また、コート前後の重量増加率と膜の比表面積からコート層の膜厚を算出し、カルボニル相対強度に対してプロットすることで検量線を作成した。この検量線を用い、上記カルボニル相対強度からコート層厚み見積もったところ、膜厚は6nmであった。
(膜表面の多孔構造の解析
上記表面修飾膜の表面を走査型電子顕微鏡(SU8230、日立ハイテクノロジー製)を用いて観察し、倍率20000倍にて画像を得た。得られた画像を図2に示す。得られた画像を画像解析ソフト(WinRoof、三谷商事製)で解析し、開口率や平均細孔径を算出した。開口率は46%、平均細孔径は0.16μm、平均細孔径の変動係数は0.57であった。結果を表1にまとめて示す。
透水量の測定)
ステンレス製フィルターホルダー(有効ろ過面積2.2cm2、メルクミリポア製)に上記表面修飾膜を装填し、純水を70kPaで5分間通水した後、透水量を測定した。透水量は57ml/min./cm2であった。
(タンパク質吸着特性の評価)
上記の表面修飾膜をステンレス製フィルターホルダーに装填し、70kPaで5分間純水を通液した。5分経過時点の透水量(A)を測定したところ、57ml/min./cm2であった。透水量測定後、供給液ラインを切り替えウシ血清アルブミン和光純薬製)を純水に溶解した溶液(濃度:1000mg/mL、以下BSA溶液と略す)を70kPaで通液した。BSA溶液を10分間通液し通液量(B)を測定した。通液量は39ml/min./cm2に減少していた。通液量測定後、供給液ラインを切り替えて純水を10分間通水した。タンパク質吸着特性の指標である流量維持率は下記式(5)より求めた。

0060

流量維持率(%)={(B)/(A)}×100 (5)
流量維持率は69%であった。

0061

実施例2
(機能性ポリマーの製造、多孔質膜のコロナ処理、多孔質膜表面への機能性ポリマーAの固定化)
コロナ処理時の放電量を310W・min./m2とした以外は、実施例1と同様にコロナ処理を行い、機能性ポリマーAを用いてコロナ処理後の多孔質膜にコート層を形成した。ATR/FT−IRを用いて求めたPEGMAコポリマー由来のカルボニル吸収強度の相対値は0.048であり、コート層厚みは8nmであった。
(膜表面の多孔構造の解析)
実施例1と同様の方法で、多孔構造の解析を行った。開口率は32%、平均細孔径は0.28μm、平均細孔径の変動係数は0.47であった。結果を表1にまとめて示す。
(透水量の測定、タンパク質吸着特性の評価)
実施例1と同様の方法で、透水量の測定、タンパク質吸着特性の評価を行った。透水量は48ml/min./cm2、流量維持率は69%であった。結果を表1にまとめて示す。

0062

実施例3
(機能性ポリマーの製造、多孔質膜のコロナ処理、多孔質膜表面への機能性ポリマーAの固定化)
コロナ処理時の放電量を1560W・min./m2とした以外は、実施例1と同様にコロナ処理を行い、機能性ポリマーAを用いてコロナ処理後の多孔質膜にコート層を形成した。ATR/FT−IRを用いて求めたPEGMAコポリマー由来のカルボニル吸収強度の相対値は0.037であり、コート層厚みは6nmであった。
(膜表面の多孔構造の解析)
実施例1と同様の方法で、多孔構造の解析を行った。開口率は49%、平均細孔径は0.32μm、平均細孔径の変動係数は0.52であった。結果を表1にまとめて示す。(透水量の測定、タンパク質吸着特性の評価)
実施例1と同様の方法で、透水量の測定、タンパク質吸着特性の評価を行った。透水量は70ml/min./cm2、流量維持率は64%であった。結果を表1にまとめて示す。

0063

実施例4
(アジド基含有量が12モル%である機能性ポリマーBの製造)
ガラス製のシュレンクフラスコに2−(N−3−スルホプロピル−N,N−ジメチルアンモウム)エチルメタクリレート(アルドリッチ製、以下SBMAと略す)(21mmol)およびメタクリロイルオキシプロピルオキシ4−フェニルアジド(10mmol)、開始剤として、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(0.14mmol)を秤量した。メタノール80mlを用いてモノマー、開始剤を溶解させ、均一溶液を調製した。窒素バブリングを30分間行って十分に溶液中の酸素を窒素で除去後、60℃で8.5時間重合を行った。重合終了後上澄み液を除去し、メタノール、THFを用いてデカンテーションによりポリマーを洗浄して未反応のモノマーを除去し、減圧乾燥して淡黄白色固体状のSBMAコポリマーを得た。得られたポリマーは、数平均分子量72,000、重量平均分子量137,000、アジド基含有量は12mol%であった。
(多孔質膜のコロナ処理、多孔質膜表面への機能性ポリマーBの固定化)
機能性ポリマーAに代えて機能性ポリマーBを用いたこと、コート溶媒としてメタノールの代わりに水/メタノール(2/1)混合溶媒を用いたことを除いて、実施例1と同様にコロナ処理を行い、コロナ処理後の多孔質膜にコート層を形成した。ATR/FT−IRを用いて求めたSBMAコポリマー由来のカルボニル吸収強度の相対値は0.089であり、コート層厚みは15nmであった。
(膜表面の多孔構造の解析)
実施例1と同様の方法で、多孔構造の解析を行った。開口率は33%、平均細孔径は0.18μm、平均細孔径の変動係数は0.48であった。結果を表1にまとめて示す。
(透水量の測定、タンパク質吸着特性の評価)
実施例1と同様の方法で、透水量の測定、タンパク質吸着特性の評価を行った。透水量は44ml/min./cm2、流量維持率は80%であった。結果を表1にまとめて示す。

0064

実施例5
(機能性ポリマーの製造、多孔質膜のプラズマ処理、多孔質膜表面への機能性ポリマーAの固定化)
コロナ処理に代えてプラズマ処理を行ったこと以外は、実施例1と同様に機能性ポリマーAを用いて多孔質膜にコート層を形成した。多孔質膜へのプラズマ処理は、大気圧プラズマ装置FPE20、富士機械製造製)を用い、膜−ノズル間の距離である作動距離を20mm、ライン速度50mm/sで処理を行った。ATR/FT−IRを用いて求めたPEGMAコポリマー由来のカルボニル吸収強度の相対値は0.042であり、コート層厚みは7nmであった。
(膜表面の多孔構造の解析)
実施例1と同様の方法で、多孔構造の解析を行った。開口率は45%、平均細孔径は0.17μm、平均細孔径の変動係数は0.56であった。結果を表1にまとめて示す。
(透水量の測定、タンパク質吸着特性の評価)
実施例1と同様の方法で、透水量の測定、タンパク質吸着特性の評価を行った。透水量は58ml/min./cm2、流量維持率は70%であった。結果を表1にまとめて示す。

0065

比較例1
(膜表面の多孔構造の解析)
実施例1で用いたのと同じ公称孔径0.22μmのPVDF多孔質膜(MF022、ライジングサンメンブレン製)について、実施例1と同様の方法で、多孔構造の解析を行った。開口率は25%と実施例に比べ小さかった。また、平均細孔径は0.04μm、平均細孔径の変動係数は0.58であった。結果を表1にまとめて示す。
(透水量の測定、タンパク質吸着特性の評価)
実施例1と同様の方法で、透水量の測定、タンパク質吸着特性の評価を行った。透水量は15ml/min./cm2と実施例に比べ低い値であった。また、流量維持率も30%と実施例に比べ低い値であった。結果を表1にまとめて示す。

0066

比較例2
(多孔質膜のコロナ処理、膜表面の多孔構造の解析)
実施例1で用いたのと同じ公称孔径0.22μmのPVDF多孔質膜(MF022、ライジングサンメンブレン製)について、実施例1と同様の方法でコロナ処理を行い、多孔構造を解析した。開口率は24%と実施例に比べ小さく比較例1(コロナ処理前)の値とほぼ同じだった。また、平均細孔径は0.06μmで比較例1より若干拡大しているが、実施例よりはるかに小さな値であった。なお、平均細孔径の変動係数は0.72とコロナ処理前より大きくなっており、細孔径のばらつきが拡大していることがわかる。結果を表1にまとめて示す。
(透水量の測定、タンパク質吸着特性の評価)
実施例1と同様の方法で、透水量の測定、タンパク質吸着特性の評価を行った。透水量は29ml/min./cm2と比較例1より大きくなってはいるが、実施例に比べ小さかった。また、流量維持率も45%と実施例に比べ低い値であった。結果を表1にまとめて示す。

0067

比較例3
(多孔質膜表面への機能性ポリマーAの固定化)
コロナ処理を行わなかったことを除いて、実施例1と同様に機能性ポリマーAを用いて多孔質膜にコート層を形成した。ATR/FT−IRを用いて求めたPEGMAコポリマー由来のカルボニル吸収強度の相対値は0.034であり、コート層厚みは6nmであった。
(膜表面の多孔構造の解析)
実施例1と同様の方法で、多孔構造の解析を行った。開口率は23%と実施例に比べ小さかった。平均細孔径は0.09μmで比較例1より拡大しているが、実施例より小さな値であった。なお、平均細孔径の変動係数は0.81と大きくなっており、細孔径のばらつきが拡大していることがわかる。結果を表1にまとめて示す。
(透水量の測定、タンパク質吸着特性の評価)
実施例1と同様の方法で、透水量の測定、タンパク質吸着特性の評価を行った。透水量は18ml/min./cm2と比較例1と同程度であり、実施例に比べ小さかった。また、流量維持率も46%と実施例に比べ低い値であった。

0068

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