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技術 ハニカム構造体の製造方法

出願人 イビデン株式会社
発明者 長谷川純碓氷豊浩
出願日 2018年3月1日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-036490
公開日 2019年9月12日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-150754
状態 未査定
技術分野 触媒 排気の後処理 多孔質人造石または多孔質セラミック製品
主要キーワード 丸面取り 通気機構 飽水重量 長円柱 水中重量 仕切り材 楕円柱状 酸素貯蔵材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月12日)のものです。
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図面 (2)

課題

割れクラックの発生しにくいハニカム構造体を製造する方法を提供すること。

解決手段

セリアジルコニア複合酸化物粒子アルミナ粒子アルミナバインダを含む原料ペースト押出成形して、複数の貫通孔隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム成形体を得る成形工程と、上記ハニカム成形体を脱脂してハニカム脱脂体を得る脱脂工程と、上記ハニカム脱脂体を焼成する焼成工程と、を含むハニカム構造体の製造方法であって、上記脱脂工程では、酸素濃度0〜21体積%で、上記ハニカム成形体の貫通孔内に雰囲気ガスガス速度V[m/s]で流通させながら昇温速度T[℃/min]で加熱を行い、上記脱脂工程における上記昇温速度Tは0.5℃/min以上であり、上記脱脂工程における上記ガス速度V[m/s]を上記昇温速度T[℃/min]よりも大きくすることを特徴とするハニカム構造体の製造方法。

概要

背景

自動車等の内燃機関から排出される排ガスには、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)等の有害ガスが含まれている。そのような有害ガスを分解する排ガス浄化触媒三元触媒とも称され、コージェライト等からなるハニカム状モノリス基材触媒活性を有する貴金属粒子を含むスラリーウォッシュコートして触媒層を設けたものが一般的である。

一方、特許文献1には、モノリス基材がセリアジルコニア複合酸化物粒子とθ相のアルミナ粒子とを含み、上記モノリス基材に貴金属粒子が担持された排ガス浄化触媒が開示されている。そして、上記モノリス基材を製造する方法として、セリア−ジルコニア複合酸化物粒子とθ相のアルミナ粒子との混合物に水とバインダーを加え、混練した後に押出し機により成形し、乾燥及び焼成する方法が開示されている。

概要

割れクラックの発生しにくいハニカム構造体を製造する方法を提供すること。セリア−ジルコニア複合酸化物粒子とアルミナ粒子とアルミナバインダを含む原料ペースト押出成形して、複数の貫通孔隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム成形体を得る成形工程と、上記ハニカム成形体を脱脂してハニカム脱脂体を得る脱脂工程と、上記ハニカム脱脂体を焼成する焼成工程と、を含むハニカム構造体の製造方法であって、上記脱脂工程では、酸素濃度0〜21体積%で、上記ハニカム成形体の貫通孔内に雰囲気ガスガス速度V[m/s]で流通させながら昇温速度T[℃/min]で加熱を行い、上記脱脂工程における上記昇温速度Tは0.5℃/min以上であり、上記脱脂工程における上記ガス速度V[m/s]を上記昇温速度T[℃/min]よりも大きくすることを特徴とするハニカム構造体の製造方法。

目的

本発明は、上記課題を解決するためになされた発明であり、本発明の目的は、割れやクラックの発生しにくいハニカム構造体を製造する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

セリアジルコニア複合酸化物粒子アルミナ粒子アルミナバインダを含む原料ペースト押出成形して、複数の貫通孔隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム成形体を得る成形工程と、前記ハニカム成形体を脱脂してハニカム脱脂体を得る脱脂工程と、前記ハニカム脱脂体を焼成する焼成工程と、を含むハニカム構造体の製造方法であって、前記脱脂工程では、酸素濃度0〜21体積%で、前記ハニカム成形体の貫通孔内に雰囲気ガスガス速度V[m/s]で流通させながら昇温速度T[℃/min]で加熱を行い、前記脱脂工程における前記昇温速度Tは0.5℃/min以上であり、前記脱脂工程における前記ガス速度V[m/s]を前記昇温速度T[℃/min]よりも大きくすることを特徴とするハニカム構造体の製造方法。

請求項2

前記脱脂工程において、昇温時の酸素濃度が0〜15体積%であり、最高温度での加熱時の酸素濃度が3.7〜21体積%であり、最高温度での加熱時の前記酸素濃度が、昇温時の前記酸素濃度よりも高い請求項1に記載のハニカム構造体の製造方法。

請求項3

前記脱脂工程における前記ガス速度V[m/s]は、3.5m/s以下である請求項1又は2に記載のハニカム構造体の製造方法。

請求項4

前記脱脂工程における前記昇温速度T[℃/min]は、3℃/min以下である請求項1〜3のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。

請求項5

前記脱脂工程における最高温度での加熱時間は、60分以下である請求項1〜4のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ハニカム構造体の製造方法に関する。

背景技術

0002

自動車等の内燃機関から排出される排ガスには、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)等の有害ガスが含まれている。そのような有害ガスを分解する排ガス浄化触媒三元触媒とも称され、コージェライト等からなるハニカム状モノリス基材触媒活性を有する貴金属粒子を含むスラリーウォッシュコートして触媒層を設けたものが一般的である。

0003

一方、特許文献1には、モノリス基材がセリアジルコニア複合酸化物粒子とθ相のアルミナ粒子とを含み、上記モノリス基材に貴金属粒子が担持された排ガス浄化触媒が開示されている。そして、上記モノリス基材を製造する方法として、セリア−ジルコニア複合酸化物粒子とθ相のアルミナ粒子との混合物に水とバインダーを加え、混練した後に押出し機により成形し、乾燥及び焼成する方法が開示されている。

先行技術

0004

特開2015−85241号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1に記載されたようなモノリス基材を製造する方法では、モノリス基材となる成形体から有機分を除去する工程(脱脂工程ともいう)において、成形体にクラック割れなどが発生しやすいという問題があった。

0006

発明者らが上記問題について鋭意検討した結果、セリア−ジルコニア複合酸化物の酸素吸蔵能(以下、OSCともいう)によって有機分の脱脂反応が局所的に起こることが、クラックや割れの原因となっていることが推察された。
すなわち、モノリス基材となる成形体を脱脂する際、有機分が温度の上昇に伴って周囲の酸素と結合して燃焼することによって発熱を伴って除去される。この時、OSCを有するセリア−ジルコニア複合酸化物から酸素が供給されるため、燃焼により有機分が除去された領域の周囲には、熱と酸素の両方が存在することとなり、有機分の燃焼が局所的に起こる。その結果、モノリス基材となる成形体の一部が局所的に加熱されて温度ムラが生じ、クラックや割れが発生すると考えられる。

0007

本発明は、上記課題を解決するためになされた発明であり、本発明の目的は、割れやクラックの発生しにくいハニカム構造体を製造する方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明のハニカム構造体の製造方法は、セリア−ジルコニア複合酸化物粒子とアルミナ粒子とアルミナバインダを含む原料ペースト押出成形して、複数の貫通孔隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム成形体を得る成形工程と、上記ハニカム成形体を脱脂してハニカム脱脂体を得る脱脂工程と、上記ハニカム脱脂体を焼成する焼成工程と、を含むハニカム構造体の製造方法であって、上記脱脂工程では、酸素濃度0〜21体積%で、上記ハニカム成形体の貫通孔内に雰囲気ガスガス速度V[m/s]で流通させながら昇温速度T[℃/min]で加熱を行い、上記脱脂工程における上記昇温速度Tは0.5℃/min以上であり、上記脱脂工程における上記ガス速度V[m/s]を上記昇温速度T[℃/min]よりも大きくすることを特徴とする。

0009

本発明のハニカム構造体の製造方法では、脱脂工程において、酸素濃度を0〜21体積%とし、ハニカム脱脂体の貫通孔(セルともいう)内に雰囲気ガスをガス速度V[m/s]で流通させながら昇温速度T[℃/min]で加熱を行う。このとき、ガス速度V[m/s]を昇温速度T[℃/min]よりも大きく設定することにより、ハニカム脱脂体全体の温度にムラが生じにくくなるため、OSCを有するセリア−ジルコニア複合酸化物から酸素が供給された場合であっても、ハニカム脱脂体が局所的に加熱されることがなく、クラックや割れが抑制される。

0010

本発明のハニカム構造体の製造方法においては、上記脱脂工程において、昇温時の酸素濃度が0〜15体積%であり、最高温度での加熱時の酸素濃度が3.7〜21体積%であり、最高温度での加熱時の上記酸素濃度が、昇温時の上記酸素濃度よりも高いことが好ましい。
昇温時の酸素濃度を0〜15体積%とすることで、昇温速度を速くした場合であってもハニカム成形体にクラックが発生することが抑制される。また最高温度での加熱時の酸素濃度を3.7〜21体積%とすることで、短時間で脱脂が進行する。
最高温度での加熱時の酸素濃度を、昇温時の酸素濃度よりも高くすることで、昇温速度を上げてもクラックが発生しにくくなる。

0011

本発明のハニカム構造体の製造方法において、上記脱脂工程における上記ガス速度V[m/s]は、3.5m/s以下であることが好ましい。
脱脂工程におけるガス速度V[m/s]が3.5m/sを超えたとしても、ハニカム脱脂体の温度ムラを抑制する効果は向上しないため、製造コストの観点から不要である。

0012

本発明のハニカム構造体の製造方法において、上記脱脂工程における上記昇温速度T[℃/min]は、3℃/min以下であることが好ましい。
脱脂工程における昇温速度T[℃/min]が3℃/minを超えると、OSCを有するセリア−ジルコニア複合酸化物から酸素が供給された場合に有機分の脱脂反応が局所的に進行することによって温度ムラが発生してしまうことがある。

0013

本発明のハニカム構造体の製造方法において、上記脱脂工程における最高温度での加熱時間は、60分以下であることが好ましい。
脱脂工程において最高温度での加熱時間が60分を超える場合、ハニカム構造体を製造するための時間が長くなりすぎてしまい、製造コストの観点から好ましくない。
脱脂工程における最高温度とは、昇温が止まった後の温度を指し、焼成工程に移行するための加熱による温度上昇は無視する。

図面の簡単な説明

0014

図1は、本発明のハニカム構造体の製造方法により製造されるハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。

0015

(発明の詳細な説明)
[ハニカム構造体]
まず、本発明のハニカム構造体の製造方法により製造する対象物であるハニカム構造体について説明する。

0016

図1は、本発明のハニカム構造体の製造方法により製造されるハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。
図1に示すハニカム構造体10は、複数の貫通孔12が隔壁13を隔てて長手方向に並設された単一のハニカム焼成体11を備えている。ハニカム焼成体11は、セリア−ジルコニア複合酸化物粒子(以下、CZ粒子ともいう)とアルミナとを含み、押出成形体の形状を有している。
図1に示すように、ハニカム構造体10が単一のハニカム焼成体11からなる場合、ハニカム焼成体11はハニカム構造体そのものでもある。

0017

ハニカム構造体は、CZ粒子、アルミナ粒子及びアルミナバインダを含む押出成形体からなる。ハニカム構造体は、CZ粒子、アルミナ粒子及びアルミナバインダを含む原料ペーストを押出成形して得られたハニカム成形体を焼成することにより作製されたハニカム焼成体により構成される。
ハニカム構造体が上記した成分を有していることは、X線回折(XRD)にて確認することができる。

0018

ハニカム構造体は、単一のハニカム焼成体を備えていてもよいし、複数個のハニカム焼成体を備えていてもよく、複数個のハニカム焼成体が接着剤層により結合されていてもよい。

0019

ハニカム構造体に含まれるアルミナとしては、原料ペーストに含まれるアルミナ粒子由来のアルミナと、アルミナバインダ由来のアルミナがある。また、アルミナ繊維を含む場合にはアルミナ繊維に含まれるアルミナもある。
アルミナバインダがベーマイトであり、ハニカム構造体にはベーマイト由来のアルミナが含まれることが望ましい。また、θ相のアルミナ粒子(以下、θ−アルミナ粒子ともいう)に由来するアルミナが含まれることが望ましい。
また、ハニカム構造体に含まれるアルミナ中の、θ相のアルミナの割合が15重量%以上であることが望ましい。

0020

ハニカム構造体におけるセリア−ジルコニア複合酸化物の含有割合は、25〜75重量%であることが望ましい。
ハニカム構造体におけるセリア−ジルコニア複合酸化物の占める割合が25〜75重量%であると、セリウムの酸素吸蔵能(OSC)を高めることができる。

0021

ハニカム構造体におけるアルミナの含有割合は、15〜35重量%であることが望ましい。

0022

ハニカム構造体の形状としては、円柱状に限定されず、角柱状楕円柱状長円柱状、丸面取りされている角柱状(例えば、丸面取りされている三角柱状)等が挙げられる。

0023

ハニカム構造体において、ハニカム焼成体の隔壁の厚さは、均一であることが望ましい。具体的には、ハニカム焼成体の隔壁の厚さは、0.05〜0.50mmであることが望ましく、0.05〜0.30mmであることがより望ましい。

0024

ハニカム構造体において、ハニカム焼成体の貫通孔の形状としては、四角柱状に限定されず、三角柱状、六角柱状等が挙げられる。

0025

ハニカム構造体において、ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面の貫通孔の密度は、31〜155個/cm2であることが望ましい。

0026

ハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の気孔率は、40〜70%であることが望ましい。ハニカム構造体の気孔率を上記範囲とすることにより、ハニカム構造体の強度を維持しつつ、高い排ガス浄化性能を発揮することができる。

0027

ハニカム構造体の気孔率は、以下に説明する重量法にて測定することができる。
(1)ハニカム構造体を10セル×10セル×10mmの大きさに切断して、測定試料とする。この試料イオン交換水中およびアセトンを用いて超音波洗浄した後、オーブンにて100℃で乾燥する。
(2)測定顕微鏡(Nikon製 Measuring Microscope MM−40倍率100倍)を用いて、試料の断面形状の寸法を計測し、幾何学的な計算から体積を求める(なお、幾何学的な計算から体積を求めることができない場合は、飽水重量水中重量を実測して、体積を計測する)。
(3)計算上求められた体積およびピクノメーターで測定した試料の真密度から、試料が完全な緻密体であったと仮定した場合の重量を計算する。なお、ピクノメーターでの測定手順は以下の通りである。
(4)ピクノメーターによる真密度の測定方法
ハニカム構造体を粉砕し、23.6ccの粉末を調整し、得られた粉末を200℃で8時間乾燥させる。その後、Auto Pycnometer 1320(Micromeritics社製)を用いて、JIS−R−1620(1995)に準拠し真密度を測定する。なお、この時の排気時間は40分とする。
(5)次に、試料の実際の重量を電子天秤(A&D製 HR202i)にて測定する。
(6)気孔率は、以下の計算式(1)にて計算する。
100−(実際の重量/緻密体としての重量)×100(%)・・・(1)

0028

本発明のハニカム構造体の製造方法で得られるハニカム構造体の比表面積は、20〜50m2/gであることが望ましい。
ハニカム構造体の比表面積はN2を使用したBET比表面積測定により測定することができる。

0029

ハニカム構造体には、貴金属が担持されていてもよい。
貴金属としては、例えば、白金パラジウムロジウムなどの白金族金属が挙げられる。
貴金属の担持量は、0.1〜15g/Lであることが望ましく、0.5〜10g/Lであることがより望ましい。
本明細書において、貴金属の担持量とは、ハニカム構造体の見掛け体積当たりの貴金属の重量をいう。なお、ハニカム構造体の見掛けの体積は、空隙の体積を含む体積であり、接着層を含む場合は接着層の体積を含むこととする。

0030

[ハニカム構造体の製造方法]
次に、本発明のハニカム構造体の製造方法について説明する。

0031

(成形工程)
本発明のハニカム構造体の製造方法を構成する成形工程について説明する。
成形工程では、まず、セリア−ジルコニア複合酸化物粒子、アルミナ粒子及びアルミナバインダを混合して原料ペーストを調製する。
原料ペーストには、さらに無機繊維有機バインダ造孔剤成形助剤分散媒等が含まれていてもよい。

0032

CZ粒子を構成するセリア−ジルコニア複合酸化物は、排ガス浄化触媒の助触媒酸素貯蔵材)として用いられている材料である。セリア−ジルコニア複合酸化物としては、セリアとジルコニアとが固溶体を形成したものが望ましい。

0033

セリア−ジルコニア複合酸化物は、セリウム以外の希土類元素をさらに含んでいてもよい。希土類元素としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、イッテルビウム(Yb)、ルテニウム(Lu)等が挙げられる。

0034

セリア−ジルコニア複合酸化物は、セリアを30重量%以上含むことが好ましく、40重量%以上含むことがより好ましく、一方、セリアを90重量%以下含むことが好ましく、80重量%以下含むことがより望ましい。また、セリア−ジルコニア複合酸化物は、ジルコニアを60重量%以下含むことが好ましく、50重量%以下含むことがより望ましい。このようなセリア−ジルコニア複合酸化物は熱容量が小さいため、ハニカム構造体の温度が上昇しやすくなり、暖機性能を高めることができる。

0035

CZ粒子の平均粒子径耐熱衝撃性を向上させる観点から、1〜50μmであることが望ましい。また、CZ粒子の平均粒子径は1〜30μmであることがより望ましい。CZ粒子の平均粒子径が1〜50μmであると、ハニカム構造体とした際に、表面積が大きくなるため、酸素吸蔵能を高くすることができる。

0036

アルミナ粒子の種類は特に限定されないが、θ相のアルミナ粒子(以下、θ−アルミナ粒子ともいう)であることが望ましい。
θ相のアルミナ粒子をセリア−ジルコニア複合酸化物の仕切り材として用いることにより、アルミナ粒子が使用中に熱によって互いに焼結することを抑制できるため、触媒機能を維持することが可能となる。さらに、アルミナ粒子をθ相とすることにより、耐熱性を高くすることができる。

0037

アルミナ粒子の平均粒子径は特に限定されないが、ガス浄化性能及び暖機性能を向上させる観点から、1〜10μmであることが望ましく、1〜5μmであることがより望ましい。

0038

製造されたハニカム構造体において、CZ粒子及びアルミナ粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM日立ハイテク社製 S−4800)を用いて、ハニカム構造体のSEM写真撮影することにより求めることができる。
また、ハニカム構造体の原料となるCZ粒子及びアルミナ粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(MALVERN社製 MASTERSIZER2000)により求めることができる。

0039

アルミナバインダとしては、ベーマイトが望ましい。
ベーマイトは、AlOOHの組成で示されるアルミナ1水和物であり、水等の媒体に良好に分散するので、ベーマイトをアルミナバインダとして用いることが望ましい。
また、ベーマイトを用いることで原料ペースト中の水分率を低くし、成形性を高めることができる。

0040

無機繊維を構成する材料としては、特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカ炭化ケイ素シリカアルミナガラスチタン酸カリウムホウ酸アルミニウム等が挙げられ、二種以上併用してもよい。これらの中では、アルミナ繊維が望ましい。

0041

無機繊維のアスペクト比は、5〜300であることが望ましく、10〜200であることがより望ましく、10〜100であることがさらに望ましい。
なお、無機繊維とは、アスペクト比が5以上のものをいう。

0042

有機バインダとしては、特に限定されないが、メチルセルロースカルボキシメチルセルロースヒドロキシエチルセルロースポリエチレングリコールフェノール樹脂エポキシ樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。

0043

造孔剤としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂コークスデンプン等が挙げられる、本発明では、アクリル樹脂、コークス及びデンプンのうち2種類以上を用いることが望ましい。
造孔剤とは、焼成体を製造する際、焼成体の内部に気孔を導入するために用いられるものをいう。

0044

成形助剤としては、特に限定されないが、エチレングリコールデキストリン脂肪酸脂肪酸石鹸ポリアルコール等が挙げられ、二種以上併用してもよい。

0045

分散媒としては、特に限定されないが、水、ベンゼン等の有機溶媒メタノール等のアルコール等が挙げられ、二種以上併用してもよい。

0046

上記した原料としてCZ粒子、アルミナ粒子、アルミナ繊維及びアルミナバインダを使用した際、これらの配合割合は、原料中の焼成工程後に残存する全固形分に対し、CZ粒子:25〜75重量%、アルミナ粒子:15〜35重量%、アルミナ繊維:5〜15重量%、アルミナバインダ:5〜20重量%が望ましい。

0047

原料ペーストを調製する際には、混合混練することが望ましく、ミキサーアトライタ等を用いて混合してもよく、ニーダー等を用いて混練してもよい。

0048

成形工程では、セリア−ジルコニア複合酸化物粒子とアルミナ粒子とアルミナバインダを含む上記原料ペーストを押出成形することにより、複数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設されたハニカム成形体を得る。

0049

ハニカム成形体の形状は特に限定されるものではないが、円柱形状が望ましい。また、円柱形状の場合の直径が150mm以下であることが望ましい。
また、ハニカム成形体の形状は角柱形状であってもよく、角柱形状である場合は、四角柱形状であることが望ましい。

0050

続いて、ハニカム成形体を脱脂してハニカム脱脂体を得る脱脂工程を行う。
脱脂工程の前に、必要により、マイクロ波乾燥機熱風乾燥機誘電乾燥機減圧乾燥機真空乾燥機凍結乾燥機等の乾燥機を用いて、ハニカム成形体を乾燥してハニカム乾燥体を作製する。
本明細書においては、脱脂工程を行う前のハニカム成形体及びハニカム乾燥体をまとめてハニカム成形体とも呼ぶ。

0051

(脱脂工程)
脱脂工程では、酸素濃度0〜21体積%で、ハニカム成形体の貫通孔内に雰囲気ガスをガス速度V[m/s]で流通させながら昇温速度T[℃/min]で加熱を行う。
このとき、昇温速度T[℃/min]を0.5℃/min以上とし、さらに、ガス速度V[m/s]を昇温速度T[℃/min]よりも大きく設定する。
上記条件で脱脂を行うことにより、ハニカム脱脂体全体の温度にムラが生じにくくなるため、OSCを有するセリア−ジルコニア複合酸化物から酸素が供給された場合であっても、ハニカム脱脂体が局所的に加熱されることがなく、クラックや割れが抑制される。

0052

脱脂工程におけるガス速度V[m/s]は、昇温速度T[℃/min]よりも大きければ特に限定されないが、3.5m/s以下であることが好ましい。
脱脂工程におけるガス速度V[m/s]が3.5m/sを超えたとしても、ハニカム脱脂体の温度ムラを抑制する効果は向上しないため、製造コストの観点から不要である。
なお、脱脂工程における貫通孔内のガス速度は、風速計により測定することができる。

0053

脱脂工程における昇温速度T[℃/min]は、0.5℃/min以上であり、かつ、ガス速度V[m/s]よりも小さければよいが、3℃/min以下であることが好ましい。
脱脂工程における昇温速度T[℃/min]が3℃/minを超えると、OSCを有するセリア−ジルコニア複合酸化物から酸素が供給された場合に有機分の脱脂反応が局所的に進行することによって温度ムラが発生してしまうことがある。

0054

脱脂工程においてハニカム成形体を加熱する際の最高温度は800℃未満であることが望ましく、350〜700℃であることがより望ましい。また最高温度での加熱時間は60分以下であることが望ましい。

0055

脱脂工程における酸素濃度は、0〜21体積%である。
酸素濃度が21体積%を超えるような条件での加熱は、酸素濃度を空気よりも高くする必要があるため、製造コストの観点から好ましくない。
昇温時の酸素濃度は0〜15体積%であることが好ましい。
最高温度での加熱時の酸素濃度は3.7〜21体積%であることが好ましい。
さらに、最高温度での加熱時の酸素濃度は、昇温時の酸素濃度よりも高いことが好ましい。
昇温時の酸素濃度を0〜15体積%とすることで、昇温速度を速くした場合であってもハニカム成形体にクラックが発生することが抑制される。また最高温度での加熱時の酸素濃度を3.7〜21体積%とすることで、短時間で脱脂が進行する。
最高温度での加熱時の酸素濃度を、昇温時の酸素濃度よりも高くすることで、昇温速度を上げてもクラックが発生しにくくなる。

0056

脱脂工程において、ハニカム成形体を構成する貫通孔内に雰囲気ガスを流通させる方法は特に限定されないが、例えば、焼成炉内におけるガス流入口付近にハニカム成形体の一方の端部を接近させ、焼成炉内におけるガス排出付近にハニカム成形体の他方の端部を接近させる方法や、焼成炉内に静置したハニカム成形体の一方の端部に向かって直接、雰囲気ガスを送風する方法等が挙げられる。

0057

(焼成工程)
続いて、ハニカム脱脂体を焼成してハニカム焼成体を得る焼成工程を行う。
焼成工程の温度は、800〜1300℃であることが望ましく、900〜1200℃であることがより望ましい。また、焼成工程の時間は、1〜24時間であることが望ましく、3〜18時間であることがより望ましい。焼成工程の雰囲気は特に限定されないが、酸素濃度が1〜21体積%であることが望ましい。

0058

焼成工程は脱脂工程から連続して行ってもよいし、脱脂工程の完了後に別途行ってもよい。
脱脂工程から連続して焼成工程を行う場合、脱脂炉として用いた炉を焼成炉として用いてもよい。
なお、脱脂工程においてハニカム成形体の脱脂が完了したかどうかは、重量変化率により確認する。具体的には、原料中に含まれる有機物重量分だけ、成形体の重量に対して脱脂体の重量が変化していることを確認して、脱脂が完了したものとする。

0059

以上の工程により、ハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造することができる。

0060

(担持工程)
続いて、該ハニカム構造体の隔壁に対して貴金属を担持させる担持工程について説明する。ハニカム構造体の隔壁に貴金属を担持させることによりハニカム触媒とすることができる。

0061

隔壁に貴金属を担持する方法としては、例えば、貴金属もしくは錯体を含む溶液にハニカム焼成体又はハニカム構造体を浸漬した後、引き上げて加熱する方法等が挙げられる。
上記担持工程では、貴金属の担持量が0.1〜15g/Lであることが望ましく、0.5〜10g/Lであることがより望ましい。

0062

(その他の工程)
本発明のハニカム構造体の製造方法において、ハニカム焼成体の外周面外周コート層を形成する場合、外周コート層は、ハニカム焼成体の両端面を除く外周面に外周コート層用ペーストを塗布した後、乾燥固化することにより形成することができる。外周コート層用ペーストとしては、原料ペーストと同じ組成のものが挙げられる。

0063

複数個のハニカム焼成体が接着層を介して接着されてなるハニカム構造体は、複数個のハニカム焼成体の両端面を除く外周面に接着層用ペーストを塗布して、接着させた後、乾燥固化することにより作製することができる。接着層用ペーストとしては、原料ペーストと同じ組成のものが挙げられる。

0064

(実施例)
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。

0065

[ハニカム構造体の作製]
(実施例1)
CZ粒子(平均粒子径:2μm)を26.4重量%、θ−アルミナ粒子(平均粒子径:2μm)を13.2重量%、アルミナ繊維(平均繊維径:3μm、平均繊維長:60μm)を5.3重量%、アルミナバインダとしてベーマイトを11.3重量%、有機バインダとしてメチルセルロースを5.3重量%、造孔剤としてアクリル樹脂を2.1重量%、同じく造孔剤としてコークスを2.6重量%、成形助剤として界面活性剤であるポリオキシエチレンオレイルエーテルを4.2重量%、及び、イオン交換水を29.6重量%混合混練して、原料ペーストを調製した。

0066

押出成形機を用いて、原料ペーストを押出成形して、円柱状のハニカム成形体を作製した。そして、減圧マイクロ波乾燥機を用いて、ハニカム成形体を出力1.74kW、減圧6.7kPaで12分間乾燥させた。

0067

乾燥させたハニカム成形体を通気機構を有する脱脂炉内に静置し、ハニカム成形体を構成する貫通孔にガス速度1.5m/sで雰囲気ガスが流通するように、雰囲気ガス(酸素濃度3.7体積%)をハニカム成形体の一方の端面に向かって送風しながら、昇温速度1℃/minで600℃まで加熱し、600℃で60分保持してハニカム脱脂体を得た。
なお、ハニカム成形体の脱脂が完了したかどうかは、事前に準備した同組成のハニカム成形体(別サンプル)を同条件で加熱して、その重量変化率を測定することにより確認した。
なお、得られたハニカム脱脂体は脱脂炉から出さずにそのまま焼成工程を行うため、脱脂炉は焼成炉を兼ねており、脱脂工程では脱脂炉、焼成工程では焼成炉と呼ぶ。

0068

続いて、焼成炉内に空気(酸素濃度約21体積%)を流通させながら、最高温度1100℃まで5℃/minの昇温速度で加熱して2.5時間保持することにより、ハニカム脱脂体を焼成して実施例1に係るハニカム焼成体(ハニカム構造体)を作製した。作製したハニカム焼成体は直径が124mm、長さが120mmの円柱状であり、貫通孔の密度が77.5個/cm2(500cpsi)、隔壁の厚さが0.127mm(5mil)であった。
得られた実施例1に係るハニカム構造体の外見目視で観察したところ、クラックはみられなかった。

0069

(実施例2)
脱脂工程におけるガス速度を2.5m/sに変更したほかは、実施例1と同様の方法で実施例2に係るハニカム構造体を得た。実施例2に係るハニカム構造体の外見を目視で観察したところ、クラックはみられなかった。

0070

(実施例3)
脱脂工程におけるガス速度を2.5m/s、昇温速度を2℃/minに変更したほかは実施例1と同様の方法で実施例3に係るハニカム構造体を得た。実施例3に係るハニカム構造体の外見を目視で観察したところ、クラックはみられなかった。

0071

(実施例4)
脱脂工程における酸素濃度を21体積%、ガス速度を2.5m/s、昇温速度を2℃/minに変更したほかは実施例1と同様の方法で実施例4に係るハニカム構造体を得た。実施例4に係るハニカム構造体の外見を目視で観察したところ、クラックはみられなかった。

0072

(実施例5)
脱脂工程におけるガス速度を3.5m/s、昇温速度を3℃/minに変更し、昇温時の酸素濃度を0.5体積%、600℃での酸素濃度を3.7体積%にしたほかは実施例1と同様の方法で実施例5に係るハニカム構造体を得た。実施例5に係るハニカム構造体の外見を目視で観察したところ、クラックはみられなかった。

0073

(比較例1)
脱脂工程におけるガス速度を0m/s、昇温速度を0.1℃/minに変更したほかは、実施例1と同様の方法で比較例1に係るハニカム構造体を得た。比較例1に係るハニカム構造体の外見を目視で観察したところ、クラックがみられた。

0074

(比較例2)
脱脂工程におけるガス速度を1m/sに変更したほかは実施例1と同様の方法で比較例2に係るハニカム構造体を得た。比較例2に係るハニカム構造体の外見を目視で観察したところ、クラックがみられた。

0075

(比較例3)
脱脂工程における昇温速度を2℃/minに変更したほかは実施例1と同様の方法で比較例3に係るハニカム構造体を得た。比較例3に係るハニカム構造体の外見を目視で観察したところ、クラックがみられた。

0076

(比較例4)
脱脂工程におけるガス速度を2.5m/s、昇温速度を3℃/minに変更したほかは実施例1と同様の方法で比較例4に係るハニカム構造体を得た。比較例4に係るハニカム構造体の外見を目視で観察したところ、クラックがみられた。

0077

以上の結果より、本発明のハニカム構造体の製造方法により製造されたハニカム構造体はクラックが発生せず、耐熱衝撃性に優れることがわかった。
比較例1では、ガス速度が0m/sであったため、局所的な発熱が起こってクラックが発生したと考えられる。比較例2−4では、ガス速度に対して昇温速度が大きすぎたために、貫通孔内を流通するガスによっては局所的な発熱を解消することができず、温度ムラが生じてクラックが発生したものと考えられる。

0078

10ハニカム構造体
11ハニカム焼成体
12貫通孔
13 隔壁

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