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技術 一組の弓状ロッドおよび一組のS字状ロッド

出願人 国立大学法人北海道大学株式会社ロバート・リード商会
発明者 須藤英毅金井理小甲晃史安倍雄一郎瀬川剛
出願日 2019年3月20日 (1年1ヶ月経過) 出願番号 2019-052987
公開日 2019年9月12日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-150583
状態 未査定
技術分野 手術用機器
主要キーワード ロッド群 中心曲線 取付要素 弯曲部 変形矯正 身体構造体 曲線パターン 曲げ工具
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月12日)のものです。
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図面 (20)

課題

脊柱変形矯正固定術において、解剖学的に正常な脊柱配列を獲得する目的に使用する一組のロッドおよび一組のS字状ロッドを提供する。

解決手段

一組の弓状ロッドは、同一の弓状のカーブおよび同一のロッド長を有する。弓状ロッドは、解剖学的に正常な脊柱配列の胸椎後弯に沿う形状であって、胸椎後弯に取り付けられる弯曲部101および直線部102、または解剖学的に正常な脊柱配列の胸椎後弯に沿う形状であって、胸椎後弯に取り付けられる弯曲部および逆そり部を有する。弓状ロッドは、脊柱変形矯正固定術による脊柱側弯症治療に用いられ、患者の脊柱の長さに応じたロッド長を有し、手術後の胸椎後弯の頂を胸椎に誘導し、且つ手術後の胸椎後弯の頂椎を手術前脊椎側弯の頂椎と異なる位置に誘導する形状を有する。

概要

背景

脊柱は、概ね、複数の椎骨(7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎仙椎尾骨)、各椎骨の間を接続する椎間板などから構成される。脊柱は、正常な状態では、前方から見ると概ね真っ直ぐであり、側方から見ると頚椎と腰椎とが前弯するとともに胸椎と仙椎とが後弯して概ねS字状をなす。

脊柱変形矯正固定術は、変形した脊柱を矯正して固定する手術であり、特発性側弯症治療のために一般的に行われている。特発性側弯症は、脊柱が変形した状態となる疾患であり、例えば、脊柱側弯症脊柱後弯症などがある。脊柱側弯症は、脊柱が側方へ弯曲した状態となったり、脊柱がじれた状態となったりする疾患である。脊柱後弯症は、胸椎後弯の角度が極端に大きくなった状態となったり、腰椎の前弯が失われて後弯した状態となったりする疾患である。

脊柱変形矯正固定術では、チタン合金コバルトクロム合金などを主たる材料として作られたロッドを、椎骨にねじ込ませたスクリューなどで保持することによって、脊柱を矯正して固定する。ロッドは、通常、手術中に種々の工具を利用して、医師の手によって曲げられる。曲げられたロッドの形状によって、矯正後の脊柱の状態は概ね決定する。そのため、ロッドをどのように曲げるかは、脊柱変形矯正固定術において重要な要素であり、術者の経験やに左右されるという課題がある。

引用文献1に記載の外科用インプラントを設計および形成するためのシステムは、身体構造体に設置された連結装置取付要素(例えば、スクリュー)の空間関係を決定し、ロッドの曲げパラメータなどを決定する。決定された曲げパラメータに基づいて曲げ工具を用いてストレート形状ロッドを曲げ加工して、脊柱変形矯正固定術に使用するロッドを得る。

概要

脊柱変形矯正固定術において、解剖学的に正常な脊柱配列を獲得する目的に使用する一組の状ロッドおよび一組のS字状ロッドを提供する。一組の弓状ロッドは、同一の弓状のカーブおよび同一のロッド長を有する。弓状ロッドは、解剖学的に正常な脊柱配列の胸椎後弯に沿う形状であって、胸椎後弯に取り付けられる弯曲部101および直線部102、または解剖学的に正常な脊柱配列の胸椎後弯に沿う形状であって、胸椎後弯に取り付けられる弯曲部および逆そり部を有する。弓状ロッドは、脊柱変形矯正固定術による脊柱側弯症の治療に用いられ、患者の脊柱の長さに応じたロッド長を有し、手術後の胸椎後弯の頂を胸椎に誘導し、且つ手術後の胸椎後弯の頂椎を手術前脊椎側弯の頂椎と異なる位置に誘導する形状を有する。A

目的

本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、脊柱変形矯正固定術において、解剖学的に正常な脊柱配列を獲得する目的に使用する一組の弓状ロッドおよび一組のS字状ロッドを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

同一の状のカーブおよび同一のロッド長を有する一組の弓状ロッドであって、前記弓状ロッドは、解剖学的に正常な脊柱配列の胸椎後弯に沿う形状であって、胸椎後弯に取り付けられる弯曲部および直線部、または解剖学的に正常な脊柱配列の胸椎後弯に沿う形状であって、胸椎後弯に取り付けられる弯曲部および逆そり部を有し、前記弓状ロッドは、脊柱変形矯正固定術による脊柱側弯症治療に用いられ、患者の脊柱の長さに応じたロッド長を有し、手術後の胸椎後弯の頂を胸椎T6〜T8に誘導し、且つ手術後の胸椎後弯の頂椎を手術前脊椎側弯の頂椎と異なる位置に誘導する形状を有する、ことを特徴とする一組の弓状ロッド。

請求項2

同一のS字状のカーブおよび同一のロッド長を有する一組のS字状ロッドであって、前記S字状ロッドは、解剖学的に正常な脊柱配列の胸椎後弯に沿う形状であって、胸椎後弯に取り付けられる第1の弯曲部と、解剖学的に正常な脊柱配列の腰椎前弯に沿う形状であって、腰椎前弯に取り付けられる第2の弯曲部と、を含み、前記S字状ロッドは、脊柱変形矯正固定術による脊柱側弯症の治療に用いられ、患者の脊柱の長さに応じたロッド長を有し、手術後の胸椎後弯の頂椎を胸椎T6〜T8に誘導し、且つ手術後の胸椎後弯の頂椎を手術前の脊椎側弯の頂椎と異なる位置に誘導する形状を有する、ことを特徴とする一組のS字状ロッド。

技術分野

0001

本発明は、一組のロッドおよび一組のS字状ロッド、詳細には解剖学的に正常な脊柱配列を獲得する目的に使用する一組の弓状ロッドおよび一組のS字状ロッドに関する。

背景技術

0002

脊柱は、概ね、複数の椎骨(7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎仙椎尾骨)、各椎骨の間を接続する椎間板などから構成される。脊柱は、正常な状態では、前方から見ると概ね真っ直ぐであり、側方から見ると頚椎と腰椎とが前弯するとともに胸椎と仙椎とが後弯して概ねS字状をなす。

0003

脊柱変形矯正固定術は、変形した脊柱を矯正して固定する手術であり、特発性側弯症治療のために一般的に行われている。特発性側弯症は、脊柱が変形した状態となる疾患であり、例えば、脊柱側弯症脊柱後弯症などがある。脊柱側弯症は、脊柱が側方へ弯曲した状態となったり、脊柱がじれた状態となったりする疾患である。脊柱後弯症は、胸椎後弯の角度が極端に大きくなった状態となったり、腰椎の前弯が失われて後弯した状態となったりする疾患である。

0004

脊柱変形矯正固定術では、チタン合金コバルトクロム合金などを主たる材料として作られたロッドを、椎骨にねじ込ませたスクリューなどで保持することによって、脊柱を矯正して固定する。ロッドは、通常、手術中に種々の工具を利用して、医師の手によって曲げられる。曲げられたロッドの形状によって、矯正後の脊柱の状態は概ね決定する。そのため、ロッドをどのように曲げるかは、脊柱変形矯正固定術において重要な要素であり、術者の経験やに左右されるという課題がある。

0005

引用文献1に記載の外科用インプラントを設計および形成するためのシステムは、身体構造体に設置された連結装置取付要素(例えば、スクリュー)の空間関係を決定し、ロッドの曲げパラメータなどを決定する。決定された曲げパラメータに基づいて曲げ工具を用いてストレート形状ロッドを曲げ加工して、脊柱変形矯正固定術に使用するロッドを得る。

先行技術

0006

特許第5572898号公報

発明が解決しようとする課題

0007

引用文献1に記載の外科用インプラントを設計および形成するためのシステムは、手術中に医師が曲げ工具を用いてストレート形状ロッドに曲げ加工を実施するため、曲げ加工したロッドが患者の脊柱に適合していない形状の場合には本来の解剖学的な脊柱配列を獲得できないという課題がある。

0008

本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、脊柱変形矯正固定術において、解剖学的に正常な脊柱配列を獲得する目的に使用する一組の弓状ロッドおよび一組のS字状ロッドを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る一組の弓状ロッドは、
同一の弓状のカーブおよび同一のロッド長を有する一組の弓状ロッドであって、
前記弓状ロッドは、解剖学的に正常な脊柱配列の胸椎後弯に沿う形状であって、胸椎後弯に取り付けられる弯曲部および直線部、または解剖学的に正常な脊柱配列の胸椎後弯に沿う形状であって、胸椎後弯に取り付けられる弯曲部および逆そり部を有し、
前記弓状ロッドは、脊柱変形矯正固定術による脊柱側弯症の治療に用いられ、患者の脊柱の長さに応じたロッド長を有し、手術後の胸椎後弯の頂を胸椎T6〜T8に誘導し、且つ手術後の胸椎後弯の頂椎を手術前脊椎側弯の頂椎と異なる位置に誘導する形状を有する、
ことを特徴とする。

0010

上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る一組のS字状ロッドは、
同一のS字状のカーブおよび同一のロッド長を有する一組のS字状ロッドであって、
前記S字状ロッドは、解剖学的に正常な脊柱配列の胸椎後弯に沿う形状であって、胸椎後弯に取り付けられる第1の弯曲部と、解剖学的に正常な脊柱配列の腰椎前弯に沿う形状であって、腰椎前弯に取り付けられる第2の弯曲部と、を含み、
前記S字状ロッドは、脊柱変形矯正固定術による脊柱側弯症の治療に用いられ、患者の脊柱の長さに応じたロッド長を有し、手術後の胸椎後弯の頂椎を胸椎T6〜T8に誘導し、且つ手術後の胸椎後弯の頂椎を手術前の脊椎側弯の頂椎と異なる位置に誘導する形状を有する、
ことを特徴とする。

発明の効果

0011

本発明によれば、脊柱変形矯正固定術において、解剖学的に正常な脊柱配列を獲得することができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の実施の形態に係る脊柱変形矯正固定術に使用する第1のロッドを示す図である。
本発明の実施の形態に係る脊柱変形矯正固定術に使用する第1のロッドを示す図である。
本発明の実施の形態に係る脊柱変形矯正固定術に使用する第2のロッドを示す図である。
本発明の実施の形態に係る脊柱変形矯正固定術に使用する第1のロッドを脊柱に取り付けた状態を示す図である。
本発明の実施の形態に係る脊柱変形矯正固定術に使用する第2のロッドを脊柱に取り付けた状態を示す図である。
図2のA−A断面図である。
本発明の実施の形態に係るロッドの製造方法を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態に係るロッド長が200−230mmである第1のロッドのデータ点集合ベストフィット曲線を示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が230−260mmである第1のロッドのデータ点集合とベストフィット曲線を示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が230−260mmである第2のロッドのデータ点集合とベストフィット曲線を示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が260−290mmである第1のロッドのデータ点集合とベストフィット曲線を示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が260−290mmである第2のロッドのデータ点集合とベストフィット曲線を示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が290−320mmである第1のロッドのデータ点集合とベストフィット曲線を示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が290−320mmである第2のロッドのデータ点集合とベストフィット曲線を示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が320−350mmである第1のロッドのデータ点集合とベストフィット曲線を示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が320−350mmである第2のロッドのデータ点集合とベストフィット曲線を示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が350−380mmである第2のロッドのデータ点集合とベストフィット曲線を示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が380−410mmである第2のロッドのデータ点集合とベストフィット曲線を示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が200−230mmである第1のロッドを示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が230−260mmである第1のロッドを示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が260−290mmである第1のロッドを示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が290−320mmである第1のロッドを示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が320−350mmである第1のロッドを示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が230−260mmである第2のロッドを示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が260−290mmである第2のロッドを示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が290−320mmである第2のロッドを示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が320−350mmである第2のロッドを示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が350−380mmである第2のロッドを示す図である。
本発明の実施の形態に係るロッド長が380−410mmである第2のロッドを示す図である。
本発明の変形例に係る側弯症を治療する方法を示すフローチャートである。
胸椎特発性側弯症を発症した患者を撮影したX線写真である。
本発明の実施例に係る第1のロッドを椎弓根スクリューで患者の脊柱に取り付ける手術を撮像した写真である。
本発明の実施例に係る第1のロッドを椎弓根スクリューで患者の脊柱に取り付ける手術を撮像した写真である。
本発明の実施例に係る第1のロッドを同時に回旋させた状態を示す写真である。
本発明の実施例に係る第1のロッドを取り付けた患者を手術後2年目に撮影したX線写真である。
胸椎特発性側弯症を発症した患者を撮影したX線写真である。
対照例に係るロッドを取り付けた患者を手術後に撮影したX線写真である。

0013

以下、本発明を実施するための形態に係る脊柱変形矯正固定術に使用するロッド群および脊柱安定化システムを図面を参照しながら説明する。

0014

本実施の形態に係る脊柱変形矯正固定術に使用するロッド群は、図1Aおよび図1Bに示す弓状の第1のカーブを有する第1のロッド(弓状ロッド)100と、図1Cに示すS字状の第2のカーブを有する第2のロッド(S字状ロッド)200と、を含む。第1のロッド100および第2のロッド200は、解剖学的に正常な脊柱配列に沿う形状を有するものである。脊柱安定化システム1は、図3に示すように、第1のロッド100または第2のロッド200と椎弓根スクリュー(連結装置取付要素)300とを備える。脊柱安定化システム1は、第1または第2のロッド100、200を椎骨にねじ込ませた椎弓根スクリュー300で患者の脊柱に取り付け、正常な状態或いはそれに近い状態に脊柱を矯正し、術後に解剖学的に正常な脊柱配列を付与するものである。なお、解剖学的に正常な脊柱配列とは、胸椎後弯(Thoracic Kyphosis:TK)と腰椎前弯(Lumbar Lordosis)を有し、TKの頂椎(Apex)が胸椎T6〜T8に位置することをいう。

0015

第1のロッド100は、図1Aに示すように、弯曲部101と直線部102とを有する、または図1Bに示すように、弯曲部103と、弯曲部103と逆向きの弯曲を有する逆そり部104と、を備え、解剖学的に正常な脊柱配列のTKに沿う形状を有する。なお、直線部102は、僅かに弯曲しているものも含む。第1のロッド100のロッド長L10は、200〜230mm、230〜260mm、260〜290mm、290〜320mmおよび320〜350mmの5種類のバリエーションを含む。ロッド長L10は、第1のロッド100の中心線に沿って両端部を結んだ長さである。弯曲部101、103の曲率半径は、180mm以上430mm以下であるとよい。直線部102の長さL11は、ロッド長L10の4分の1以上2分の1以下であるとよい。また、逆そり部104の長さL12は、ロッド長L10の10分の1以上5分の1以下であるとよい。逆そり部104の曲率半径は、110mm以上220mm以下であるとよい。このようにすることで、脊柱変形矯正固定術において、解剖学的に正常な脊柱配列を獲得することができる。これらの値は、後述する臨床データにより得られた値である。第1のロッド100の第1のロッド径D1は、好ましくは4〜6mmである。第1のロッド100は、チタン合金粉末またはコバルトクロム合金粉末電子ビーム積層造形法により積層成形され、積層成形された積層体を積層方向による残留応力消失させるために、熱処理されたものである。

0016

第2のロッド200は、図1Cに示すように、胸椎に取り付けられる第1の弯曲部201と、腰椎に取り付けられる第2の弯曲部202とを有する。第1の弯曲部201と第2の弯曲部202とは、変曲点Iで接続されている。第1の弯曲部201は、解剖学的に正常な脊柱配列のTKに沿う形状を有する。第2の弯曲部202は、第1の弯曲部201と逆向きに弯曲し、解剖学的に正常な脊柱配列の腰椎前弯に沿う形状を有する。第2のロッド200のロッド長L20は、230〜260mm、260〜290mm、290〜320mm、320〜350mm、350〜380mmおよび380mm〜410mmの6種類のバリエーションを含む。ロッド長L20は、第2のロッド200の中心線に沿って両端部を結んだ長さである。第2のロッド200の第1の弯曲部201の曲率半径は280mm以下であり、第2の弯曲部202の曲率半径は280mm以下であるとよい。また、第1の弯曲部201の長さL21は、ロッド長L20の2分の1以上3分の2以下であるとよい。このようにすることで、脊柱変形矯正固定術において、解剖学的に正常な脊柱配列を獲得することができる。これらの値は、後述する臨床データにより得られた値である。第2のロッド200の第2のロッド径D2は、好ましくは4〜6mmである。第2のロッド200は、第1のロッド100と同様に、チタン合金粉末またはコバルトクロム合金粉末を電子ビーム積層造形法により積層成形され、積層成形された積層体を積層方向による残留応力を消失させるために、熱処理されたものである。

0017

第1のロッド100は、例えば、図2に示すように、椎弓根スクリュー300により患者の12個の胸椎T1〜T12を含む脊柱に取り付けて用いられる。第2のロッド200は、例えば、図3に示すように、椎弓根スクリュー300により患者の12個の胸椎T1〜T12と5個の腰椎L1〜L5を含む脊柱に取り付けて用いられる。詳細には、第1と第2のロッド100、200は、図4に示すように、椎弓根スクリュー300により左右に1本ずつ取り付けられる。椎弓根スクリュー300は、骨ネジ部分301と、チューリップ状ヘッド302と、固定ネジ303と、を備える。チューリップ状ヘッド302は、骨ネジ部分301に対して多軸運動可能に取り付けられ、第2のロッド200を受け入れ受入部304を有する。固定ネジ303は、チューリップ状ヘッド302に第2のロッド200を固定するものである。左右に1本ずつ用いる第2のロッド200は、互いに同じ大きさ同じ形状のものを用いる。

0018

つぎに、第1と第2のロッド100、200の製造方法について説明する。第1と第2のロッド100、200の製造方法は、図5に示すように、解剖学的に正常な脊柱配列に沿う形状に曲げ加工された複数のロッド形状を示すデータを得るロッドデータ取得工程(ステップS101)と、ロッドデータ取得工程(ステップS101)で得られたロッド形状を示すデータをロッド長の基準長さ毎の群に分類する長さ分類工程(ステップS102)と、長さ分類工程(ステップS102)で分類された群に含まれるロッド形状からベストフィット曲線を示すデータを得るロッド形状取得工程(ステップS103)と、ロッド形状取得工程(ステップS103)で得られたベストフィット曲線に基づいて、ロッドを作成するロッド作成工程(ステップS104)と、を備える。ロッドデータ取得工程(ステップS101)と、長さ分類工程(ステップS102)と、ロッド形状取得工程(ステップS103)とは、CPU(Central Processing Unit)と記憶部とを備えるコンピュータにより実行される。

0019

まず、胸椎特発性側弯症に対して、胸椎特発性側弯症を発症していなかったとした場合の解剖学的に正常な脊柱配列を予測した。予測した脊柱配列に沿う形状にロッドを曲げ加工した。

0020

つぎに、ロッドデータ取得工程(ステップS101)を実施した。詳細には、曲げ加工を行ったロッドを用いて後方矯正固定術を行った47例を対象として左側ロッド形状を体内設置前にトレースし2D−CAD(Computer-Aided Design)データを得た。得られた左側ロッド形状を示す2D−CADデータをコンピュータの記憶部に格納した。なお、後方矯正固定術を行った47例では、解剖学的に正常な脊柱配列が得られた。記憶部に格納した2D−CADデータからロッド中心曲線を抽出し、中心曲線間の形状差分値評価をICP(Iterative Closest Point)法により行った。

0021

つぎに、長さ分類工程(ステップS102)では、曲げ加工前のロッド長(200〜410mm)を基に基準長さ30mm毎に7群に分類した。ここでは基準長さを30mmとしたが、この長さは適宜変更してもよく、例えば、20mm、25mm、40mm、50mmであってもよい。

0022

ロッド形状取得工程(ステップS103)では、各群における中心曲線群の階層クラスタ分析を実施し、各クラスタ内における最大長のロッドを基準にして最も差分値の小さいベストフィット曲線を算出した。曲げ加工前のストレートロッド長は平均279mmであり、曲げ加工後のロッド中心曲線に対するICP法による全組合せは1018通りであった。それぞれの長さ間での中心曲線群の階層クラスタ分析により、最長差分値が5mm以内で計11種類のベストフィット曲線を算出した。これによりロッドとして使用可能なベストフィット曲線群の2D−CADデータを取得した。

0023

ロッド作成工程(ステップS104)では、このベストフィット曲線を示す2D−CADデータと第1と第2のロッド長L10、L20、第1と第2のロッド径D1、D2と組み合わせた3D形状データを用いて、チタン合金粉末またはコバルトクロム合金粉末を電子ビーム積層造形法により積層成形し、積層成形された積層体を積層方向による残留応力を消失させるために、熱処理し、第1と第2のロッド100、200を作成する。

0024

つぎに、ベストフィット曲線を生成するアルゴリズムをロッド長L10範囲200−230mmである第1のロッド100を例に更に詳細に説明する。

0025

まず、長さ分類工程(ステップS102)において、体内設置前にトレースした左側ロッド形状の2D−CADデータから、ロッド長L10が200−230mmであり、第1のロッド100のクラスタに分類される2D−CADデータを抽出する。つぎに、2D−CADデータからロッド中心曲線データを抽出する。つぎに、ロッド形状取得工程(ステップS103)において、図6に示すように、ロッド中心曲線上のサンプリング点群を生成する。クラスタ内でロッド中心曲線長が最大の曲線を基準曲線として選択する。つぎに、基準曲線以外の各曲線のサンプリング点群を基準曲線のサンプリング点群に対してICPにより位置あわせし、位置あわせ後の点群を生成する。基準曲線のサンプリング点群と、基準曲線以外の曲線の位置あわせ後の点群からなるデータ点集合(図6に示す点線部分)を生成する。データ点集合に対するフィット誤差二乗和が最小となるベストフィット曲線を「次数6の最小二乗ユニフォームB−Spline曲線」(図6に示す実線部分)としてMathWorks社製Matlab(登録商標)Curve fitting toolbox(商標)の関数spap2()で算出する。ベストフィット曲線を中心軸とした直径5.5mmの円断面スイープ面離散近似するポリゴン形状を生成し、Matlab内よりSTL(Standard Template Library)ファイル形式で出力する。(中心軸/円周方向の直線分割数プログラム内で指定可能であり、中心軸300分割、円周方向72分割に設定するとよい。)左側ロッド形状の2D−CADデータからベストフィット曲線を得る例について説明したが、左側ロッドと右側ロッドの大きさおよび形状は同じであるので、左側ロッド形状の2D−CADデータから得たベストフィット曲線は、右側ロッドにも用いることができると解される。

0026

同様に、ロッド長L10範囲230−260mmである第1のロッド100のクラスタでは、図7に示すように、点線で示されるデータ点集合から実線で示されるベストフィット曲線が得られる。ロッド長L20範囲230−260mmである第2のロッド200のクラスタでは、図8に示すように、点線で示されるデータ点集合から実線で示されるベストフィット曲線が得られる。ロッド長L10範囲260−290mmである第1のロッド100のクラスタでは、図9に示すように、点線で示されるデータ点集合から実線で示されるベストフィット曲線が得られる。ロッド長L20範囲260−290mmである第2のロッド200のクラスタでは、図10に示すように、点線で示されるデータ点集合から実線で示されるベストフィット曲線が得られる。ロッド長L10範囲290−320mmである第1のロッド100のクラスタでは、図11に示すように、点線で示されるデータ点集合から実線で示されるベストフィット曲線が得られる。ロッド長L20範囲290−320mmである第2のロッド200のクラスタでは、図12に示すように、点線で示されるデータ点集合から実線で示されるベストフィット曲線が得られる。ロッド長L10範囲320−350mmである第1のロッド100のクラスタでは、図13に示すように、点線で示されるデータ点集合から実線で示されるベストフィット曲線が得られる。ロッド長L20範囲320−350mmである第2のロッド200のクラスタでは、図14に示すように、点線で示されるデータ点集合から実線で示されるベストフィット曲線が得られる。ロッド長L20範囲350−380mmである第2のロッド200のクラスタでは、図15に示すように、点線で示されるデータ点集合から実線で示されるベストフィット曲線が得られる。ロッド長L20範囲380−410mmである第2のロッド200のクラスタでは、図16に示すように、点線で示されるデータ点集合から実線で示されるベストフィット曲線が得られる。

0027

上述のように得られたベストフィット曲線から得られた、ロッド長L10範囲200−230mmである第1のロッド100は、図17に示すように、連続して接続された部分111〜113を有する。第1のロッド100の全長L110=225mm、部分111の長さL111=106mm、部分112の長さL112=77mm、部分113の長さL113=42mm、部分111の曲率半径R111=236mm、部分112の曲率半径R112=376mm、部分113の曲率半径R113=218mmである。部分111と部分112は同じ向きに湾曲し、部分113は、部分111と部分112と逆向き湾曲する。部分113は、逆そり部104を構成する。

0028

ロッド長L10範囲230−260mmである第1のロッド100は、図18に示すように、連続して接続された部分121〜123を有する。第1のロッド100の全長L120=259mm、部分121の長さL121=116mm、部分122の長さL122=102mm、部分123の長さL123=41mm、部分121の曲率半径R121=194mm、部分122の曲率半径R122=428mm、部分123の曲率半径R123=118mmである。部分121と部分122は同じ向きに弯曲し、部分123は、部分121と部分122と逆向きに湾曲する。部分123は、逆そり部104を構成する。

0029

ロッド長L10範囲260−290mmである第1のロッド100は、図19に示すように、連続して接続された部分131〜133を有する。第1のロッド100の全長L130=285mm、部分131の長さL131=126mm、部分132の長さL132=29mm、部分133の長さL133=130mm、部分131の曲率半径R131=183mm、部分132の曲率半径R132=201mm、部分133の曲率半径R133=7543mmである。部分131と部分132は同じ向きに湾曲し、部分133は、部分131と部分132と逆向きに弯曲する。部分133は、直線部102を構成する。

0030

ロッド長L10範囲290−320mmである第1のロッド100は、図20に示すように、連続して接続された部分141〜143を有する。第1のロッド100の全長L140=313mm、部分141の長さL141=126mm、部分142の長さL142=97mm、部分143の長さL143=90mm、部分141の曲率半径R141=266mm、部分142の曲率半径R142=309mm、部分143の曲率半径R143=700mmである。部分141と部分142は同じ向きに湾曲し、部分143は、部分141と部分142と逆向きに弯曲する。部分143は、直線部102を構成する。

0031

ロッド長L10範囲320−350mmである第1のロッド100は、図21に示すように、連続して接続された部分151〜153を有する。第1のロッド100の全長L150=329mm、部分151の長さL151=110mm、部分152の長さL152=70mm、部分153の長さL153=86mm、部分154の長さL154=63mm、部分151の曲率半径R151=274mm、部分152の曲率半径R152=250mm、部分153の曲率半径R153=2361mm、部分154の曲率半径R154=217mmである。部分151〜153は同じ向きに弯曲し、部分154は、部分151から部分153と逆向きに弯曲する。部分154は、逆そり部104を構成する。

0032

ロッド長L20範囲230−260mmである第2のロッド200は、図22に示すように、連続して接続された部分211〜214を有する。第2のロッド200の全長L210=264mm、部分211の長さL211=77mm、部分212の長さL212=64mm、部分213の長さL213=57mm、部分214の長さL214=66mm、部分211の曲率半径R211=160mm、部分212の曲率半径R212=311mm、部分213の曲率半径R213=570mm、部分214の曲率半径R214=140mmである。部分211、212は同じ向きに湾曲し、部分213、214は、部分211、212と逆向きに弯曲する。部分211、212は、第1の弯曲部201を構成し、部分213、214は、第2の弯曲部202を構成する。

0033

ロッド長L20範囲260−290mmである第2のロッド200は、図23に示すように、連続して接続された部分221〜224を有する。第2のロッド200の全長L220=295mm、部分221の長さL221=101mm、部分222の長さL222=51mm、部分223の長さL223=39mm、部分224の長さL224=104mm、部分221の曲率半径R221=147mm、部分222の曲率半径R222=249mm、部分223の曲率半径R223=3947mm、部分224の曲率半径R224=247mmである。部分221、222は同じ向きに湾曲し、部分223、224は、部分221、222と逆向きに弯曲する。部分221、222は、第1の弯曲部201を構成し、部分223、224は、第2の弯曲部202を構成する。

0034

ロッド長L20範囲290−320mmである第2のロッド200は、図24に示すように、連続して接続された部分231〜235を有する。第2のロッド200の全長L230=326mm、部分231の長さL231=28mm、部分232の長さL232=90mm、部分233の長さL233=45mm、部分234の長さL234=72mm、部分235の長さL235=91mm、部分231の曲率半径R231=468mm、部分232の曲率半径R232=219mm、部分233の曲率半径R233=149mm、部分234の曲率半径R234=510mm、部分235の曲率半径R235=173mmである。部分232、233は同じ向きに湾曲し、部分231、234、235は、部分232、233と逆向きに弯曲する。部分231〜233は、第1の弯曲部201を構成し、部分234、235は、第2の弯曲部202を構成する。

0035

ロッド長L20範囲320−350mmである第2のロッド200は、図25に示すように、連続して接続された部分241〜245を有する。第2のロッド200の全長L240=354mm、部分241の長さL241=40mm、部分242の長さL242=115mm、部分243の長さL243=56mm、部分244の長さL244=32mm、部分245の長さL245=111mm、部分241の曲率半径R241=497mm、部分242の曲率半径R242=202mm、部分243の曲率半径R243=497mm、部分244の曲率半径R244=497mm、部分245の曲率半径R245=264mmである。部分242、243は同じ向きに湾曲し、部分241、244、245は、部分242、243と逆向きに弯曲する。部分241〜243は、第1の弯曲部201を構成し、部分244、245は、第2の弯曲部202を構成する。

0036

ロッド長L20範囲350−380mmである第2のロッド200は、図26に示すように、連続して接続された部分251〜255を有する。第2のロッド200の全長L250=362mm、部分251の長さL251=66mm、部分252の長さL252=72mm、部分253の長さL253=63mm、部分254の長さL254=108mm、部分255の長さL255=53mm、部分251の曲率半径R251=167mm、部分252の曲率半径R252=203mm、部分253の曲率半径R253=464mm、部分254の曲率半径R254=482mm、部分255の曲率半径R255=279mmである。部分251〜253は同じ向きに湾曲し、部分254、255は、部分251〜253と逆向きに弯曲する。部分251〜253は、第1の弯曲部201を構成し、部分254、255は、第2の弯曲部202を構成する。

0037

ロッド長L20範囲380−410mmである第2のロッド200は、図27に示すように、連続して接続された部分261〜265を有する。第2のロッド200の全長L260=392mm、部分261の長さL261=16mm、部分262の長さL262=147mm、部分263の長さL263=83mm、部分264の長さL264=57mm、部分265の長さL265=89mm、部分261の曲率半径R261=118mm、部分262の曲率半径R262=271mm、部分263の曲率半径R263=486mm、部分264の曲率半径R264=351mm、部分265の曲率半径R265=204mmである。部分262、263は同じ向きに湾曲し、部分261、264、265は、部分262、263と逆向きに弯曲する。部分261〜263は、第1の弯曲部201を構成し、部分264、265は、第2の弯曲部202を構成する。なお、図17から図27に示した第1と第2のロッド100、200の長さおよび曲率半径は、±5mmの誤差範囲を含む物とする。

0038

以上のように、本実施の形態の脊柱変形矯正固定術に使用するロッド群によれば、第1と第2のロッド100、200は、ロッドを用いて後方矯正固定術を行った47例を対象として左側ロッド形状を体内設置前にトレースしたデータに基づいて、形状および大きさが決定されている。このため、第1のロッド100および第2のロッド200のいずれかを用いれば、胸椎T6〜T8がTKの頂椎となり、解剖学的に正常な脊柱配列を容易に獲得することができる。さらに、第2のロッド200を用いた場合、腰椎L1〜L5における腰椎前弯も得られる。また、第1と第2のロッド100、200は、チタン合金粉末またはコバルトクロム合金粉末を電子ビーム積層造形法により積層成形された積層体を、積層方向による残留応力を消失させるために、熱処理されたものである。このため、第1と第2のロッド100、200の折損リスクを小さくできる。また、第1と第2のロッド100、200は、予め成型されたものであるため、脊柱に取り付けられる左右の第1ロッド100または第2のロッド200の形状を同じにできる。

0039

なお、本願発明者らは、ロッド曲げ角とTK角の有意な相関から脊柱変形矯正固定術におけるロッド形状の重要性を示している。椎間関節切除数を増やし凹側に可能な限りスクリューを刺入することでロッドのスプリングバックを抑制可能なことも開示している(PLOS ONE 2016)。これらの力学的分析に基づき左右のロッド形状を一致させ、解剖学的に正常な脊柱配列の獲得を目指した思春期特発性側弯症(Adolescent Idiopathic Scoliosis:AIS)に対する3次元変形矯正後方固定術(Simultaneous Double Rod Rotation Technique:SDRRT)を実施している(Spine 2018)。さらに、上述のように、中心曲線群の階層クラスタ分析により、最長差分値が5mm以内で計11種類のロッド形状が算出され、合理的なロッド形状バリエーションの導出が可能であることが示される。

0040

これに対して、手術中に医師が曲げ工具を用いてストレート形状ロッドに曲げ加工を実施すると、曲げ工具により付けられた傷または残留応力による折損のリスクがある。また、曲げ加工したロッドが患者の脊柱に適合していない形状の場合には、解剖学的に正常な脊柱配列を獲得できないという問題がある。通常の手術では、側弯のカーブに合わせてロッドを曲げ加工し、曲げ加工したロッドを胸椎に取り付ける。取り付けたロッドを回旋させて胸椎の後弯を得る。AISにより、胸椎T9〜T11が側弯頂椎となっている場合、術後は胸椎T9〜T11がTKの頂椎となり、解剖学的に正常な脊柱配列を得ることが困難であり、例えば亀背様症例となる。

0041

(変形例)
上述の実施の形態では、第1と第2のロッド100、200は、ロッド作成工程(ステップS104)において、チタン合金粉末またはコバルトクロム合金粉末を電子ビーム積層造形法により積層成形されたものである例について説明した。第1と第2のロッド100、200は、ロッド作成工程(ステップS104)において、上述した形状に成形されればよく、チタン合金粉末またはコバルトクロム合金粉末以外の医療用金属粉末であってもよい。また、ロッド作成工程(ステップS104)において、電子ビーム積層造形法以外の方法で製造してもよく、鍛造で製造されたストレート形状ロッドを曲げ型などを用いて曲げ加工してもよく、曲げ加工後に熱処理などにより残留応力を除去してもよい。

0042

上述の実施の形態では、ロッド群が11種類のロッド形状を含む例について説明した。ロッド群は、第1と第2のロッド100、200を含めばよく、2種類以上の形状を含むものであればよい。

0043

上述の実施の形態では、AISに対するSDRRTを実施例について説明した。第1と第2のロッド100、200および脊柱安定化システム1は、AISに対するSDRRTに限らず、側弯症を治療するために用いることができるものも含まれる。

0044

上述の実施の形態では、連結装置取付要素が椎弓根スクリュー300である例について説明したが、連結装置取付要素は、第1ロッド100または第2のロッド200を脊柱に取り付けることができればよい。例えば、連結装置取付要素は、脊柱に第1のロッド100または第2のロッド200を取り付けるフックワイヤーであってもよい。

0045

上述の実施の形態では、第1のロッド100は、図2に示すように、患者の12個の胸椎T1〜T12を含む脊柱に取り付けて用いる例について説明した。第1のロッド100は、患者の症状により、胸椎T1〜T12のうち何れか複数に取り付けられればよく、胸椎T2またはT3から胸椎T12に取り付けられてもよい。また、腰椎L1やL2を含んで取り付けられてもよい。また、第2のロッド200は、図3に示すように、患者の胸椎T1〜T12と腰椎L1〜L5を含む脊柱に取り付けられる例について説明した。第2のロッド200は、患者の症状により、患者の胸椎T1〜T12のうち何れかと腰椎L1〜L5のうち何れかに取り付けられればよく、例えば、胸椎T2またはT3から腰椎L3またはL4までに取り付けられてもよい。

0046

上述の実施の形態では、第1と第2のロッド100、200が、後方矯正固定術を行った症例を対象として体内設置前にロッド形状をトレースしたデータに基づいて、形状および大きさが決定されている例について説明した。第1と第2のロッド100、200は、解剖学的に正常な脊柱配列を容易に獲得することができる形状であればよい。例えば、胸椎特発性側弯症に対して、胸椎特発性側弯症を発症していなかったとした場合の解剖学的に正常な脊柱配列を予測する。予測した脊柱配列に沿う形状にロッドを曲げ加工し、第1と第2のロッド100、200を得てもよい。この場合、側弯症を治療する方法は、図28に示すように、側弯症を発症した患者に対して、側弯症を発症していなかったとした場合の解剖学的に正常な脊柱配列を予測する予測工程(ステップS201)と、予測工程(ステップS201)により予測した脊柱配列に沿う形状に一組のロッドを曲げ加工するロッド加工工程(ステップS202)と、ロッド加工工程(ステップS202)で曲げ加工された一組のロッドを患者の脊柱に取り付けるロッド取付工程(ステップS203)と、取り付けた一組のロッドを回旋させるロッド回旋工程(ステップS204)と、を備える。側弯症を治療する方法によれば、予測工程(ステップS201)で予測した形状に曲げ加工したロッドを用いることで、胸椎T6〜T8がTKの頂椎となり、解剖学的に正常な脊柱配列を容易に獲得することができる。

0047

以下、本発明の実施例を対照例と対比しながら説明し、本発明の効果を実証する。この実施例は、本発明の一実施態様を示すものであり、本発明は何らこれらに限定されるものではない。

0048

脊柱変形矯正固定術により上述した第1のロッド100を椎骨にねじ込ませた椎弓根スクリュー300で保持することによって、正常な状態或いはそれに近い状態に脊柱を矯正して固定する実施例について図面を参照しながら説明する。

0049

患者は、14少女であり、図29に示すように、胸椎AISを発症し、単一の右側凸胸椎側弯(single right-sided convex thoracic curve)を示していた。この患者の胸椎T6から腰椎L3までの主カーブ(main thoracic、MT)曲線は54°であり、TKは1°であった。患者の曲線パターンは、レンケタイプ1A(Lenke type 1A)であった。MT脊柱側弯の頂椎はT11にあった。手術では、図30および図31に示すように、上述した一組の第1のロッド100を椎骨にねじ込ませた椎弓根スクリュー300で患者の脊柱に取り付けた。つぎに、図32に示すように、取り付けた一組の第1のロッド100を同時に回旋させた。第1のロッド100は、上述した形状を有し、術後に解剖学的に正常な脊柱配列(TKの頂椎が胸椎T6〜T8に位置する)に誘導した。

0050

手術後2年目では、図33に示すように、患者のMT側弯角は6°、TKは23°であった。TKの頂椎は胸椎T6にあった。このように、第1のロッド100を用いることにより、胸椎T6がTKの頂椎となり、解剖学的に正常な脊柱配列を容易に獲得することができた。

0051

これに対して、対照例では、患者は、図34に示すように、胸椎AISを発症し、MT脊柱側弯症の頂椎はT9にあった。手術後、患者のTKの頂椎は、図35に示すように、T9にあり、術前の側弯の頂椎(T9)とほぼ同一であった。この手術後の「非解剖学的」TKは、矯正前の脊柱の側弯カーブにロッドの曲率を近似させるようにロッドを曲げ加工し、このロッドを患者の脊柱に取り付け回旋させたためと考えられる。なお、ここで用いられたロッドの形状は、上述した第1と第2のロッド100、200形状と異なる。このように、矯正前の脊柱の側弯カーブにロッドの曲率を近似させるように曲げたロッドを用いると、患者のTKの頂椎が術前の胸椎側弯の頂椎(T9)とほぼ同一のT9となり、解剖学的に正常な脊柱配列を得ることができず亀背様症例となった。

0052

本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。

実施例

0053

なお、本願については、2018年2月28日に出願された日本国特許出願2018−34840号を基礎とする優先権を主張し、本明細書中に日本国特許出願2018−34840号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。

0054

本発明は、脊柱変形矯正固定術において、解剖学的に正常な脊柱配列を獲得する目的に使用するロッドを提供することができる。

0055

1脊柱安定化システム
100 第1のロッド
101弯曲部
102 直線部
200 第2のロッド
201 第1の弯曲部
202 第2の弯曲部
300椎弓根スクリュー
301骨ネジ部分
302チューリップ状ヘッド
303固定ネジ
304受入部

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