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技術 抗CD79b抗体及びイムノコンジュゲートとその使用方法

出願人 ジェネンテック,インコーポレイテッド
発明者 チェン,イボンヌデニス,マークドーナン,デイビッドエルキンス,クリスティジュニュチュラ,ジャガス,レッディポルソン,アンドリュージェン,ビン
出願日 2019年4月18日 (1年0ヶ月経過) 出願番号 2019-079490
公開日 2019年9月12日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-150035
状態 未査定
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 突然変異または遺伝子工学 酵素、微生物を含む測定、試験 微生物、その培養処理 化合物または医薬の治療活性 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 生物学的材料の調査,分析 ペプチド又は蛋白質 医薬品製剤 微生物による化合物の製造 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬
主要キーワード スペーサユニット 部分的表面 プロット線 表面ポイント 吸収プレート ローディング値 物理的性 構造位置
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図面 (20)

課題

哺乳動物造血系腫瘍治療のために有用な組成物及び、同目的のための組成物の使用方法を提供する。

解決手段

慢性的な治療のために患者投与した際に抗原性が最小であるか又は全くないCD79b抗原、CD79bに対するヒト化及びコンジュゲート抗体と、同目的のためのこれら抗体の使用方法を開示する。

概要

背景

悪性腫瘍(癌)は、米国において心臓疾患続き第2の主要な死亡原因である(Boring et al., CA Cancel J. Clin. 43:7 (1993))。癌は、正常な組織由来腫瘍塊を形成するように増殖する異常な又は腫瘍形成性細胞の数の増加、これらの腫瘍形成性腫瘍細胞による隣接組織浸潤、及び最終的に血液やリンパ系を介して局所リンパ節や遠くの部位に転移と呼ばれる過程を介して広がる悪性細胞の生成を特徴とする。癌性状態においては、正常細胞が増殖しない条件下で細胞が増殖する。癌自体は、異なる浸潤及び攻撃性の程度で特徴付けられる広範な種々の形態で顕現する。
リンパ球白血球血小板赤血球及びナチュラルキラー細胞などの血液の細胞成分が生成される過程である造血の間に生成される細胞を伴う癌は、造血系癌と称される。血液及びリンパ組織にみられ、免疫応答に重要であるリンパ球は、2つの主要な種類のリンパ球に分類される。それは、Bリンパ球(B細胞)及びTリンパ球(T細胞)であり、それぞれ体液性及び細胞性の免疫を媒介する。

B細胞は骨髄内で成熟し、その細胞表面上に抗原結合抗体発現する骨髄を放出する。ナイーブB細胞がその膜結合性抗体が特異的である抗原と初めて遭遇すると、細胞は速やかに分離し、その子孫メモリーB細胞と「プラズマ細胞」と呼ばれるエフェクター細胞分化する。メモリーB細胞は寿命が長く、元の親細胞と同じ特異性を有する膜結合性抗体を発現し続ける。プラズマ細胞は、膜結合性抗体を発現しない代わりに、分泌型抗体を産生する。分泌された抗体は、体液性免疫の主要なエフェクター分子である。
T細胞は、未成熟なT細胞の増殖及び分化の環境を提供する胸腺で成熟する。T細胞が成熟する間、T細胞では、T細胞レセプターを産生する遺伝子再編成と、成熟T細胞の細胞表面の表現型の決定を助けるポジティブ及びネガティブ選択が行われる。成熟T細胞の特徴的な細胞表面マーカーは、CD3、即ちT細胞レセプター複合体と、コアレセプターの一つであるCD4又はCD8である。

癌治療のための有効な細胞標的を発見するために、研究者は、一又は複数の正常な非癌性細胞と比べて、一又は複数のある種の癌細胞の表面に特異的に発現される、膜貫通型あるいは膜結合性のポリペプチドの同定を試みていた。多くは、このような膜結合性のポリペプチドは、非癌性細胞の表面上と比べて、癌細胞の表面上に豊富に発現されている。このような腫瘍関連細胞表面抗原ポリペプチドの同定は、抗体ベース治療による破壊のための特異的な癌細胞標的能を引き起こした。この点で、抗体ベースの治療は特定の案の治療に非常に有効であることが明らかであることは注目すべきことである。例えば、ハーセプチン(登録商標)及びリツキサン(登録商標)(いずれもGenentech Inc., South San Francisco, California)は、それぞれ乳癌及び非ホジキンリンパ腫を治療するために成功裏に用いられている抗体である。より具体的には、ハーセプチン(登録商標)は、ヒト上皮性増殖因子レセプター2(HER2)プロトオンコジーン細胞外ドメインに選択的に結合する組換えDNA由来のヒト化モノクローナル抗体である。HER2タンパク質過剰発現原発性乳癌の25〜30%に観察される。リツキサン(登録商標)は、正常及び悪性のBリンパ球の表面に見られるCD20抗原に向けられる遺伝学的な操作を施したキメラマウスヒトモノクローナル抗体である。両方の抗体は、CHO細胞において組み換え製造される。
癌治療のための有効な細胞標的を発見するための他の試みでは、研究者は、(1) 一又は複数のある種の非癌性正常細胞と比べて、一又は複数のある種の癌細胞によって特異的に製造される非膜結合性ポリペプチド、(2) 一又は複数の正常な非癌性細胞よりも有意に高い発現レベルで癌細胞によって産生されるポリペプチド、又は(3) 癌性及び非癌性の状態(例えば正常前立腺及び前立腺腫瘍組織)の単一の(又は非常に限られた数の異なる)組織種のみに発現が特異的に限定されているポリペプチド、の同定を試みていた。このようなポリペプチドは、細胞内に位置し続けているか、又は癌細胞によって分泌されうる。さらに、このようなポリペプチドは、癌細胞自体によってではなく、むしろ癌細胞への増強作用又は増殖亢進作用を有するポリペプチドを産生する及び/又は分泌する細胞によって発現されうる。このような分泌されたポリペプチドは、正常細胞を上回る増殖利点を有する癌細胞を提供するタンパク質であることが多く、例えば血管形成因子細胞接着因子増殖因子などのものが含まれる。このような癌の治療のための有効な治療薬として役立てるために、前述の非細胞結合性ポリペプチドのアンタゴニストの同定が期待されるであろう。さらに、これらポリペプチドの発現パターンの同定は、哺乳動物の特定の癌の診断に有用であろう。

哺乳動物の癌治療において上記のような進歩があるにもかかわらず、哺乳動物の腫瘍の存在を検出することが可能な更なる治療薬及び、効果的に腫瘍細胞の増殖を阻害するための治療薬がそれぞれ求められている。したがって、癌性及び非癌性の状態の単一の(又は非常に限られた数の異なる)造血系組織のみに発現が特異的に限定されているポリペプチド、細胞膜結合性分泌性ないしは細胞内のポリペプチドを同定すること、そして、哺乳動物の造血系癌の治療的処置及び/又は検出に有用な組成物を製造するためのこれらポリペプチド及びコード核酸の使用が、本発明の目的である。
CD79は、CD79a(Igα、mb-1)及びCD79b(Igβ、B29)を含有する共有結合性ヘテロ二量体からなるB細胞レセプターのシグナル伝達構成成分である。CD79a及びCD79bは、各々細胞外イムノグロブリン(Ig)ドメイン膜貫通領域及び細胞内シグナル伝達ドメインイムノレセプターチロシンベース活性モチーフ(ITAM)ドメインを含有する。CD79はB細胞上及び非ホジキンリンパ腫細胞(NHL)において発現される(Cabezudo et al., Haematologica, 84:413-418 (1999);D'Arena et al., Am. J. Hematol., 64: 275-281 (2000);Olejniczak et al., Immunol. Invest., 35: 93-114 (2006))。CD79a及びCD79b及びsIgのすべては、CD79の表面発現に必要である(Matsuuchi et al., Curr. Opin. Immunol., 13(3): 270-7))。NHL上のCD79bの平均表面発現は、正常なB細胞上の平均表面発現と同程度であるが、範囲は広い(Matsuuchi et al., Curr. Opin. Immunol., 13(3): 270-7(2001))。

CD79bの発現があれば、特に慢性的な治療のために患者投与した際に抗原性が最小であるか又は全くないCD79b抗原に対する治療的抗体を製造することが有益である。本発明はこれ及び他の必要を満たすものである。本発明は、現在の治療的組成物の制限を克服する抗CD79b抗体を提供し、並びに以下の詳細な説明から明白となる更なる利点を示す。
細胞障害性又は細胞分裂停止性の薬剤、つまり、癌の治療において腫瘍細胞を殺す又は阻害するための薬剤の局所運搬のために抗体−薬剤コンジュゲート(ADC)を使う(Lambert, J. (2005) Curr. Opinion in Pharmacology 5:543-549;Wu et al (2005) Nature Biotechnology 23(9): 1137-1146;Payne, G. (2003) Cancer Cell 3:207-212;Syrigos and Epenetos (1999) Anticancer Research 19:605-614;Niculescu-Duvaz and Springer (1997) Adv. Drug Del. Rev. 26: 151-172;米国特許第4975278号)と、薬剤成分を腫瘍へ目的通りに運搬して、そこで細胞内蓄積させることが可能となる。コンジュゲートさせていない薬剤を全身投与すると、排除しようとする腫瘍細胞だけでなく正常な細胞に許容されないレベルの毒性が生じうる(Baldwin et al (1986) Lancet pp. (Mar. 15, 1986): 603-05;Thorpe, (1985) "Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy: A Review", Monoclonal Antibodies '84: Biological And Clinical Applications, A. Pinchera et al (ed.s), pp. 475-506)。治療的インデックス、つまりADCの最大の効率及び最小の毒性を改善するための努力は、ポリクローナル抗体(Rowland et al (1986) Cancer Immunol. Immunother., 21:183-87)及びモノクローナル抗体(mAb)の選択、並びに薬剤結合及び薬剤放出性質(Lambert, J. (2005) Curr. Opinion in Pharmacology 5:543-549)に集中していた。抗体薬剤コンジュゲートに用いられる薬剤成分には、ジフテリア毒素などの細菌性タンパク質毒素リシンなどの植物タンパク質毒素アウリスタチンゲルダナマイシン(Mandler et al (2000) J. of the Nat. Cancer Inst. 92(19): 1573-1581;Mandler et al (2000) Bioorganic & Med. Chem. Letters 10:1025-1028;Mandler et al (2002) Bioconjugate Chem. 13:786-791)、メイタンシノイド(欧州特許第1391213号;Liu et al (1996) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:8618-8623)、カリケアマイシン(Lode et al (1998) Cancer Res. 58: 2928;Hinman et al (1993) Cancer Res. 53: 3336-3342)、ダウノマイシンドキソルビシン、及びビンデシン(上掲のRowland et al (1986))などの小分子毒素が含まれる。薬剤成分は、チューブリン結合、DNA結合又はトポイソメラーゼ阻害などの細胞障害性及び細胞分裂停止性の機能に影響しうる。ある種の細胞障害性剤は、大きな抗体又はタンパク質レセプターリガンドにコンジュゲートした場合に、不活性又は活性が低減する傾向がある。

アウリスタチンペプチドである、アウリスタチンE(AE)とドラスタチン合成類似体であるモノメチルアウリスタチン(MMAE)(国際公開02/088172)は、(i)キメラモノクローナル抗体cBR96(カルチノーマ上のルイスYに特異的)、(ii)血液系悪性腫瘍上のCD30に特異的であるcAC10(Klussman, et al (2004), Bioconjugate Chemistry 15(4): 765-773;Doronina et al (2003) Nature Biotechnology 21(7): 778-784;Francisco et al (2003) Blood 102(4): 1458-1465;米国公開特許2004/0018194)、(iii) CD20発現癌及び免疫不全の治療のためのリツキサンなどの抗CD20抗体(国際公開04/032828)、(iv)結腸直腸癌の治療のための抗EphB2抗体2H9(Mao et al (2004) Cancer Research 64(3): 781-788)、(v) Eセレクチン抗体(Bhaskar et al (2003) Cancer Res. 63: 6387-6394)、(vi)トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標)、米国公開特許2005/0238649)、及び(vi)抗CD30抗体(国際公開03/043583)へ、薬剤成分としてコンジュゲートされていた。アウリスタチンEの変異体は、米国特許第5767237号及び米国特許第6124431号において開示される。モノクローナル抗体にコンジュゲートされるモノメチルアウリスタチンEは、2004年3月28日に発表されたSenter et al, Proceedings of the American Association for Cancer Research, Volume 45, Abstract Number 623において開示される。アウリスタチン類似体MMAE及びMMAFは、様々な抗体にコンジュゲートされている(米国公開特許2005/0238649)。

抗体に薬剤成分を付着させる、すなわち共有結合により結合させる従来の手段では、一般的に、薬剤成分が抗体上の多くの部位で付着している分子の不均一な混合物となる。例えば、典型的に、細胞毒性薬剤は、抗体の時に多くのリジン残基を介して抗体にコンジュゲートされ、不均一な抗体薬剤コンジュゲート混合物を生じていた。反応条件に応じて、典型的に、不均一な混合物は、0からおよそ8又はそれ以上の薬剤成分が付着している抗体の分布を含む。さらに、抗体に対する薬剤成分をある整数比で有するコンジュゲートの各サブグループ内では、薬剤成分が抗体上の様々な部位で付着している潜在的に不均一な混合物である。分析方法及び調製方法は、コンジュゲート反応により生じる不均一な混合物内の抗体−薬剤コンジュゲート種分子を分離し特徴付けるために不十分でありうる。抗体は大きく、複雑で、構造的に多様な生体分子であり、反応性官能基を多く有することが多い。リンカー試薬及び薬剤−リンカー中間生成物との反応性は、pH、濃度、塩濃度及び共存溶媒などの因子に依存している。さらに、複数の工程のコンジュゲート工程は、反応条件の調節や反応物と中間生成物の特徴付けが難しいため、再現性がないかもしれない。

システインチオールは、陽子が付加される多くのアミンとは異なり、中性pHで反応性であり、pH7付近ではほとんど求核性基でない。遊離チオール(RSH、スルフヒドリル)基は相対的に反応性であるので、システイン残基を有するタンパク質は、ジスルフィド結合オリゴマーとして酸化型で存在することが多いか、又は内部で架橋したジスルフィド基を有する。細胞外タンパク質は、一般に遊離チオールを有しない(Garman, 1997, Non-Radioactive Labelling: A Practical Approach, Academic Press, London, at page 55)。一般に、抗体システインチオール基は、求電子性コンジュゲート試薬に対して、抗体アミンやヒドロキシ基よりも反応性が高い、すなわち求核性が高い。システイン残基は、リガンドへの共有的付着を形成させるため、ないしは新たに分子内ジスルフィド結合を形成させるために、遺伝学的操作技術によりタンパク質内に導入されていた(Better et al (1994) J. Biol. Chem. 13:9644-9650;Bernhard et al (1994) Bioconjugate Chem. 5:126-132;Greenwood et al (1994) Therapeutic Immunology 1:247-255;Tu et al (1999) Proc. Natl. Acad. Sci USA 96:4862-4867;Kanno et al (2000) J. of Biotechnology, 76:207-214;Chmura et al (2001) Proc. Nat. Acad. Sci. USA 98(15): 8480-8484;米国特許第6248564号)。しかしながら、タンパク質の様々なアミノ酸残基をシステインアミノ酸に変異させることによるシステインチオール基の操作は、対になっていない(遊離Cys)残基又は相対的に反応又は酸化に接触しやすいものの場合に特に問題となりやすい。大腸菌周辺質培養物上清又は一部ないし完全に精製されたタンパク質内のタンパク質が濃縮された溶液では、タンパク質の表面上の対になっていないCys残基は対になり、酸化されて、分子内ジスルフィドを形成し、ゆえにタンパク質二量体又は多量体となることができる。ジスルフィド二量体形成は、新規のCysを、薬剤、リガンド又は他の標識へのコンジュゲートに対して非反応性にする。さらに、タンパク質が新たに操作されたCysと既存のCys残基との間で分子内ジスルフィド結合を酸化的に形成する場合、両Cysチオール基は活性部位関与にも相互作用にも利用されない。さらに、タンパク質は、三次構造欠損又はミスホールドにより、不活性化ないしは非特異的になるかもしれない(Zhang et al (2002) Anal. Biochem. 311:1-9)。

システイン-改変抗体は、Fab抗体断片(thioFab)として設定され、完全長IgGモノクローナル(thioMab)抗体として発現されていた(Junutula, J.R. et al. (2008) J Immunol Methods332:41-52;米国特許公開2007/0092940、これらの内容は出典明記により援用される)。抗体薬剤コンジュゲート(ThioADC)を調節するために、ThioFab及びThioMab抗体は、チオール反応性リンカー試薬及び薬剤−リンカー試薬によって新たに導入されたシステインチオールでリンカーによりコンジュゲートされていた。

特許公報及び出版物を含む本明細書において引用されるすべての文献は、出典明記によってその全体が援用される。

概要

哺乳動物の造血系腫瘍の治療のために有用な組成物及び、同目的のための組成物の使用方法を提供する。慢性的な治療のために患者に投与した際に抗原性が最小であるか又は全くないCD79b抗原、CD79bに対するヒト化及びコンジュゲート抗体と、同目的のためのこれら抗体の使用方法を開示する。なし

目的

このような分泌されたポリペプチドは、正常細胞を上回る増殖利点を有する癌細胞を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

(a) (i) KASQSVDYDGDSFLN (配列番号:131)である配列A1−A15を含むHVR−L1(ii)AASNLES (配列番号:132)である配列B1−B7を含むHVR−L2(iii) QQSNEDPLT(配列番号:133)である配列C1−C9を含むHVR−L3(iv)GYTFSSYWIE(配列番号:134)である配列D1−D10を含むHVR−H1(v) GEILPGGGDTNYNEIFKG (配列番号:135)である配列E1−E18を含むHVR−H2、及び、(vi)TRRVPVYFDY (配列番号:136)である配列F1−F10を含むHVR−H3からなる群から選択される少なくとも1のHVR配列と、(b) 配列番号:131、132、133、134、135又は136に示される配列の少なくとも1の残基の修飾を含む少なくとも1の変異HVRとを含む、抗CD79b抗体。

請求項2

変異体HVR−H3のF6がIであり、F7がRであり、F8がLである、請求項1に記載の抗体。

請求項3

変異体HVR−L1のA9がE又はSである、請求項1又は2に記載の抗体。

請求項4

フレームワーク配列の少なくとも一部が、ヒトのコンセンサスフレームワーク配列である、請求項1に記載の抗体。

請求項5

前記修飾が置換、挿入又は欠失である、請求項1に記載の抗体。

請求項6

HVR−L1変異体が、A4(K)、A9(E又はS)及びA10(A又はS)のいずれかに1の置換を含む、請求項1に記載の抗体。

請求項7

HVR−L2変異体が、B2(S又はG)、B3(R又はG)、B4(K、R、Y、I、H又はQ)、B5(R)、B6(G、K、A、R、S又はL)及びB7(R、N、T又はG)のいずれか1又はいずれかの組合せに1〜5(1、2、3、4又は5)の置換を含む、請求項1に記載の抗体。

請求項8

HVR−L3変異体が、C1(N又はD)、C2(N又はP)、C3(D又はR)、C5(S、K、A、Q、D、L又はG)、C6(A、E又はN)、C7(A)、C8(R)及びC9(N)のいずれか1又はいずれかの組合せに1〜4(1、2、3又は4)の置換を含む、請求項1に記載の抗体。

請求項9

HVR−H1変異体が、D1(P)、D2(F)、D3(P、S、Y、G又はN)、D4(L又はV)、D5(T、R、N、K、C、G又はP)、D6(R、T、K又はG)、D8(F)、D9(V又はL)及びD10(S、Q、N又はD)のいずれか1又はいずれかの組合せに1〜7(1、2、3、4、5、6又は7)の置換を含む、請求項1に記載の抗体。

請求項10

HVR−H3変異体が、F4(R又はI)、F6(I又はF)、F7(K、C、R、V又はF)、F8(L)及びF9(S)のいずれか1又はいずれかの組合せに1〜3(1、2又は3)の置換を含む、請求項1に記載の抗体。

請求項11

配列番号:135の配列を有するHVR−H2を含む、請求項1に記載の抗体。

請求項12

変異体HVR−H3のF6がIである、請求項1に記載の抗体。

請求項13

変異体HVR−H3のF7がRである、請求項1に記載の抗体。

請求項14

変異体HVR−H3のF8がLである、請求項1に記載の抗体。

請求項15

変異体HVR−L1のA9がEである、請求項1に記載の抗体。

請求項16

変異体HVR−L1のA9がSである、請求項1に記載の抗体。

請求項17

ヒトCD79bに対する抗体の一価性親和性が、図7A−B(配列番号:10)及び図8A−B(配列番号:14)に示される軽鎖及び重鎖可変配列を含むマウス抗体の一価性親和性と実質的に同じであるヒト化抗CD79b抗体。

請求項18

ヒトCD79bに対する抗体の一価性親和性が、図7A−B(配列番号:10)及び図8A−B(配列番号:14)に示される軽鎖及び重鎖可変配列を含むマウス抗体又はキメラ抗体の一価性親和性の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10倍であるヒト化抗CD79b抗体。

請求項19

ヒトCD79bに対する抗体の一価性親和性が、図7A−B(配列番号:10)及び図8A−B(配列番号:14)に示される軽鎖及び重鎖可変配列を含むマウス抗体又はキメラ抗体の一価性親和性の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55又は60分の1であるヒト化抗CD79b抗体。

請求項20

マウス抗体が1993年7月20日にHB11413としてATCC寄託されたハイブリドーマ細胞株によって生産される、請求項17から19のいずれか一に記載のヒト化抗体

請求項21

ヒトCD79bに対する二価の形態の抗体の親和性が二価の形態のマウス抗体の親和性と実質的に同じであり、図7A−B(配列番号:10)及び図8A−B(配列番号:14)に示される軽鎖及び重鎖可変配列を含む、ヒト化抗CD79b抗体。

請求項22

ヒトCD79bに対する二価の形態の抗体の親和性が、二価の形態のマウス抗体又はキメラ抗体の親和性の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10倍であり、図7A−B(配列番号:10)及び図8A−B(配列番号:14)に示される軽鎖及び重鎖可変配列を含む、ヒト化抗CD79b抗体。

請求項23

ヒトCD79bに対する二価の形態の抗体の親和性が、二価の形態のマウス抗体又はキメラ抗体の親和性の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55又は60分の1であり、図7A−B(配列番号:10)及び図8A−B(配列番号:14)に示される軽鎖及び重鎖可変配列を含む、ヒト化抗CD79b抗体。

請求項24

ヒトCD79bに対する二価の形態の抗体の親和性が0.4nMである、ヒト化抗CD79b抗体。

請求項25

ヒトCD79bに対する二価の形態の抗体の親和性が0.4nM±0.04である、請求項24に記載のヒト化抗CD79b抗体。

請求項26

ヒトCD79bに対する二価の形態の抗体の親和性が0.2nMである、ヒト化抗CD79b抗体。

請求項27

ヒトCD79bに対する二価の形態の抗体の親和性が0.2nM±0.02である、請求項26に記載のヒト化抗CD79b抗体。

請求項28

ヒトCD79bに対する二価の形態の抗体の親和性が0.5nMである、ヒト化抗CD79b抗体。

請求項29

ヒトCD79bに対する二価の形態の抗体の親和性が0.5nM±0.1である、請求項28に記載のヒト化抗CD79b抗体。

請求項30

結合親和性がKd値として表される、請求項17から29のいずれか一に記載の抗体。

請求項31

結合親和性がBiacore又はラジオイムノアッセイによって測定される、請求項17から29のいずれか一に記載の抗体。

請求項32

ヒトκサブグループ1コンセンサスフレームワーク配列を含む、請求項1から3のいずれか一に記載の抗体。

請求項33

重鎖ヒトサブグループIIIコンセンサスフレームワーク配列を含む、請求項1から3のいずれか一に記載の抗体。

請求項34

フレームワーク配列が位置71、73及び/又は78に置換を含む、請求項33に記載の抗体。

請求項35

前記置換がR71A、N73T及び/又はL78Aである、請求項34に記載の抗体。

請求項36

フレームワーク配列が位置48、67、69、71、73及び/又は78に置換を含む、請求項35に記載の抗体。

請求項37

前記置換がV48I、F67A、I69F、R71A、N73T及び/又はL78Aである、請求項36に記載の抗体。

請求項38

フレームワーク配列が位置48、67、69、71、73、75、78及び/又は80に置換を含む、請求項33に記載の抗体。

請求項39

前記置換がV48I、F67A、I69F、R71A、N73T、K75S、L78A及び/又はL80Mである、請求項38に記載の抗体。

請求項40

フレームワーク配列が位置4に置換を含む、請求項32に記載の抗体。

請求項41

前記置換がM4Lである、請求項40に記載の抗体。

請求項42

フレームワーク配列が位置47に置換を含む、請求項32に記載の抗体。

請求項43

前記置換がL47Fである、請求項42に記載の抗体。

請求項44

フレームワーク配列が位置4及び/又は位置47に置換を含む、請求項32に記載の抗体。

請求項45

前記置換がM4L及び/又はL47Fである、請求項44に記載の抗体。

請求項46

細胞障害性剤コンジュゲートされている場合に腫瘍細胞増殖阻害する、ヒト化抗CD79b抗体。

請求項47

ヒト化抗体及びキメラ抗体が一価性又は二価性である、請求項1から46のいずれか一に記載の抗体。

請求項48

ヒト化抗体及びキメラ抗体がFc領域に結合された単一のFab領域を含む、請求項1から47のいずれか一に記載の抗体。

請求項49

図15(配列番号:164−166)に示されるHVR1-HC、HVR2-HC及び/又はHVR3-HC配列を含む重鎖可変ドメインを含んでなる抗体。

請求項50

可変ドメインが図15(配列番号:160−163)に示されるFR1-HC、FR2-HC、FR3-HC及び/又はFR4-HC配列を含む、請求項49に記載の抗体。

請求項51

抗体が、図15(配列番号:167及び/又は168)に示されるCH1及び/又はFc配列を含む、請求項49又は50に記載の抗体。

請求項52

図15(配列番号:156−158)に示されるHVR1-LC、HVR2-LC及び/又はHVR3-LC配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗体。

請求項53

可変ドメインが図15(配列番号:152−155)に示されるFR1-LC、FR2-LC、FR3-LC及び/又はFR4-LC配列を含む、請求項52に記載の抗体。

請求項54

抗体が、図15(配列番号:159)に示されるCL1配列を含む、請求項52又は53に記載の抗体。

請求項55

図15(配列番号:170)に示される配列を含むポリペプチド

請求項56

図15(配列番号:169)に示される配列を含むポリペプチド。

請求項57

(a) 請求項49から51のいずれか一の重鎖可変ドメインと、請求項52から54のいずれか一の軽鎖可変ドメインとを含む抗体を発現する細胞を培養する、そして、(b) 前記の培養された細胞から抗体を単離するという工程によって作製される抗体。

請求項58

請求項49から51のいずれか一の重鎖可変ドメインと、請求項52から54のいずれか一の軽鎖可変ドメインとを含む抗体。

請求項59

抗体が一価性であり、Fc領域を含む、請求項58に記載の抗体。

請求項60

図16(配列番号:183−185)に示されるHVR1-HC、HVR2-HC及び/又はHVR3-HC配列を含む重鎖可変ドメインを含む抗体。

請求項61

可変ドメインが図16(配列番号:179−182)に示されるFR1-HC、FR2-HC、FR3-HC及び/又はFR4-HC配列を含む、請求項60に記載の抗体。

請求項62

抗体が、図16(配列番号:186及び/又は187)に示されるCH1及び/又はFc配列を含む、請求項60又は61に記載の抗体。

請求項63

図16(配列番号:175−177)に示されるHVR1-LC、HVR2-LC及び/又はHVR3-LC配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗体。

請求項64

可変ドメインが図16(配列番号:171−174)に示されるFR1-LC、FR2-LC、FR3-LC及び/又はFR4-LC配列を含む、請求項63に記載の抗体。

請求項65

抗体が、図16(配列番号:178)に示されるCL1配列を含む、請求項63又は64に記載の抗体。

請求項66

図16(配列番号:189)に示される配列を含むポリペプチド。

請求項67

図16(配列番号:188)に示される配列を含むポリペプチド。

請求項68

(a) 請求項60から62のいずれか一の重鎖可変ドメインと、請求項63から65のいずれか一の軽鎖可変ドメインとを含む抗体を発現する細胞を培養する、そして、(b) 前記の培養された細胞から抗体を単離するという工程によって作製される抗体。

請求項69

請求項60から62のいずれか一の重鎖可変ドメインと、請求項63から65のいずれか一の軽鎖可変ドメインとを含む抗体。

請求項70

抗体が一価性であり、Fc領域を含む、請求項69に記載の抗体。

請求項71

図17(配列番号:202−204)に示されるHVR1-HC、HVR2-HC及び/又はHVR3-HC配列を含む重鎖可変ドメインを含む抗体。

請求項72

可変ドメインが図17(配列番号:198-201)に示されるFR1-HC、FR2-HC、FR3-HC及び/又はFR4-HC配列を含む、請求項71に記載の抗体。

請求項73

抗体が、図17(配列番号:205及び/又は206)に示されるCH1及び/又はFc配列を含む、請求項71又は72に記載の抗体。

請求項74

図17(配列番号:194−196)に示されるHVR1-LC、HVR2-LC及び/又はHVR3-LC配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗体。

請求項75

可変ドメインが図17(配列番号:190−193)に示されるFR1-LC、FR2-LC、FR3-LC及び/又はFR4-LC配列を含む、請求項74に記載の抗体。

請求項76

抗体が、図17(配列番号:197)に示されるCL1配列を含む、請求項74又は75に記載の抗体。

請求項77

図8A−B(配列番号:208)に示される配列を含むポリペプチド。

請求項78

図7A−B(配列番号:207)に示される配列を含むポリペプチド。

請求項79

(a) 請求項71から73のいずれか一の重鎖可変ドメインと、請求項74から76のいずれか一の軽鎖可変ドメインとを含む抗体を発現する細胞を培養する、そして、(b) 前記の培養された細胞から抗体を単離するという工程によって作製される抗体。

請求項80

請求項71から73のいずれか一の重鎖可変ドメインと、請求項74から76のいずれか一の軽鎖可変ドメインとを含む抗体。

請求項81

抗体が一価性であり、Fc領域を含む、請求項80に記載の抗体。

請求項82

図18(配列番号:221−223)に示されるHVR1-HC、HVR2-HC及び/又はHVR3-HC配列を含む重鎖可変ドメインを含む抗体。

請求項83

可変ドメインが図18(配列番号:217−220)に示されるFR1-HC、FR2-HC、FR3-HC及び/又はFR4-HC配列を含む、請求項82に記載の抗体。

請求項84

抗体が、図18(配列番号:224及び/又は225)に示されるCH1及び/又はFc配列を含む、請求項82又は83に記載の抗体。

請求項85

図18(配列番号:213−215)に示されるHVR1-LC、HVR2-LC及び/又はHVR3-LC配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗体。

請求項86

可変ドメインが図18(配列番号:209−212)に示されるFR1-LC、FR2-LC、FR3-LC及び/又はFR4-LC配列を含む、請求項85に記載の抗体。

請求項87

抗体が、図18(配列番号:216)に示されるCL1配列を含む、請求項85又は86に記載の抗体。

請求項88

図18(配列番号:227)に示される配列を含むポリペプチド。

請求項89

図18(配列番号:226)に示される配列を含むポリペプチド。

請求項90

(a) 請求項82から84のいずれか一の重鎖可変ドメインと、請求項85から87のいずれか一の軽鎖可変ドメインとを含む抗体を発現する細胞を培養する、そして、(b) 前記の培養された細胞から抗体を単離するという工程によって作製される抗体。

請求項91

請求項82から84のいずれか一の重鎖可変ドメインと、請求項85から87のいずれか一の軽鎖可変ドメインとを含む抗体。

請求項92

抗体が一価性であり、Fc領域を含む、請求項91に記載の抗体。

請求項93

配列番号:169から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する軽鎖可変ドメインを含む、請求項:1に記載の抗体。

請求項94

配列番号:170から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する重鎖可変ドメインを含む、請求項1に記載の抗体。

請求項95

配列番号:188から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する軽鎖可変ドメインを含む、請求項1に記載の抗体。

請求項96

配列番号:189から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する重鎖可変ドメインを含む、請求項1に記載の抗体。

請求項97

配列番号:207から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する軽鎖可変ドメインを含む、請求項1に記載の抗体。

請求項98

配列番号:208から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する重鎖可変ドメインを含む、請求項1に記載の抗体。

請求項99

配列番号:226から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する軽鎖可変ドメインを含む、請求項1に記載の抗体。

請求項100

配列番号:227から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する重鎖可変ドメインを含む、請求項1に記載の抗体。

請求項101

配列番号:143、144、145及び146から選択される1、2、3又は4のフレームワークアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、請求項1に記載の抗体。

請求項102

配列番号:139、140、141及び142から選択される1、2、3又は4のフレームワークアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む、請求項1に記載の抗体。

請求項103

配列番号:143、144、145及び146から選択されるアミノ酸に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する1、2、3又は4のフレームワークアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、請求項1に記載の抗体。

請求項104

配列番号:139、140、141及び142から選択されるアミノ酸に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する1、2、3又は4のフレームワークアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む、請求項1に記載の抗体。

請求項105

配列番号:170から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する重鎖可変ドメインを含む、請求項93に記載の抗体。

請求項106

配列番号:169から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する軽鎖可変ドメインを含む、請求項94の抗体。

請求項107

配列番号:189から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する重鎖可変ドメインを含む、請求項95に記載の抗体。

請求項108

配列番号:188から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する軽鎖可変ドメインを含む、請求項96に記載の抗体。

請求項109

配列番号:208から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する重鎖可変ドメインを含む、請求項97に記載の抗体。

請求項110

配列番号:207から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する軽鎖可変ドメインを含む、請求項98に記載の抗体。

請求項111

配列番号:227から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する重鎖可変ドメインを含む、請求項99に記載の抗体。

請求項112

配列番号:226から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する軽鎖可変ドメインを含む、請求項100に記載の抗体。

請求項113

CD79bに結合する抗体であって、配列番号:170のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変ドメインを含む抗体。

請求項114

CD79bに結合する抗体であって、配列番号:169のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメインを含む抗体。

請求項115

CD79bに結合する抗体であって、配列番号:170のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変ドメインと、配列番号:169のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメインとを含む抗体。

請求項116

CD79bに結合する抗体であって、配列番号:189のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変ドメインを含む抗体。

請求項117

CD79bに結合する抗体であって、配列番号:188のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメインを含む抗体。

請求項118

CD79bに結合する抗体であって、配列番号:189のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変ドメインと、配列番号:188のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメインとを含む抗体。

請求項119

CD79bに結合する抗体であって、配列番号:208のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変ドメインを含む抗体。

請求項120

CD79bに結合する抗体であって、配列番号:207のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメインを含む抗体。

請求項121

CD79bに結合する抗体であって、配列番号:208のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変ドメインと、配列番号:207のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメインとを含む抗体。

請求項122

CD79bに結合する抗体であって、配列番号:227のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変ドメインを含む抗体。

請求項123

CD79bに結合する抗体であって、配列番号:226のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメインを含む抗体。

請求項124

CD79bに結合する抗体であって、配列番号:227のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変ドメインと、配列番号:226のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメインとを含む抗体。

請求項125

請求項1、6−10、58、69、80、91、115、118、121、124、251及び258のいずれか一に記載の抗体をコードするポリヌクレオチド

請求項126

請求項125に記載のポリヌクレオチドを含むベクター

請求項127

請求項126に記載のベクターを含む宿主細胞

請求項128

抗CD79b抗体の製造方法であって、(a) 抗体をコードするポリヌクレオチドの発現に適切な条件下で真核細胞及びCHO細胞を含む群から選択される宿主細胞を培養し、そして(b) 抗体を単離する方法。

請求項129

配列番号:2のアミノ酸29−39及び配列番号:16のアミノ酸1−11のCD79bの領域内のエピトープに結合する、請求項1、6−10、58、69、80、91、115、118、121、124、251及び258のいずれか一に記載の抗体。

請求項130

CD79bが細胞の表面上に発現される、請求項1、6−10、58、69、80、91、115、118、121、124、251及び258のいずれか一に記載の抗体。

請求項131

細胞がB細胞である、請求項130に記載の抗体。

請求項132

B細胞がB細胞増殖性疾患と関係している、請求項131に記載の抗体。

請求項133

B細胞増殖性疾患が癌である、請求項132に記載の抗体。

請求項134

B細胞増殖性疾患が、リンパ腫非ホジキンリンパ腫(NHL)、高悪性度NHL、再発性高悪性度NHL、再発性低悪性度NHL、難治性NHL、難治性低悪性度NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病毛様細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、及びマントル細胞リンパ腫から選択される、請求項133に記載の抗体。

請求項135

抗体がモノクローナル抗体である、請求項1、6−10、58、69、80、91、115、118、121、124、251及び258のいずれか一に記載の抗体。

請求項136

抗体がFab、Fab’-SH、Fv、scFv又は(Fab’)2の断片から選択される抗体断片である、請求項135に記載の抗体。

請求項137

抗体がヒト化される、請求項135に記載の抗体。

請求項138

1993年7月20日に寄託されたHB11413としてATCCから選択された抗体;配列番号:170の重鎖可変ドメインと配列番号:169の軽鎖可変ドメインとを含む抗体;配列番号:189の重鎖可変ドメインと配列番号:188の軽鎖可変ドメインとを含む抗体;配列番号:208の重鎖可変ドメインと配列番号:207の軽鎖可変ドメインとを含む抗体;そして、配列番号:227の重鎖可変ドメインと配列番号:226の軽鎖可変ドメインとを含む抗体と同じエピトープに結合する、請求項1、6-10、58、69、80、91、115、118、121、124、251及び258のいずれか一に記載の抗体。

請求項139

細胞障害性剤に共有結合的に付着している、請求項1、6−10、58、69、80、91、115、118、121、124、251及び258のいずれか一に記載の抗体を含むイムノコンジュゲート

請求項140

細胞障害性剤が、毒素化学療法剤薬剤部分抗生物質放射性同位体及び核酸溶解性酵素から選択される、請求項139に記載のイムノコンジュゲート。

請求項141

式Ab−(L−D)pを有し、(a) Abが請求項1、6−10、58、69、80、91、115、118、121、124、251及び258のいずれか一に記載の抗体であり、(b) Lはリンカーであり、(c) Dは薬剤部分である、請求項140に記載のイムノコンジュゲート。

請求項142

Lが、6-マレイミドカプロイル(MC)、マレイミドプロパノイル(MP)、バリン-シトルリン(val-cit)、アラニン-フェニルアラニン(ala-phe)、p-アミノベンジルオキシカルボニル(PAB)、N-スクシンイミジル4-(2-ピリジルチオ)ペンタノエート(SPP)、N-スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1カルボキシレート(SMCC)、及びN-スクシンイミジル(4-イオド-アセチル)アミノ安息香酸エステル(SIAB)から選択される、請求項141に記載のイムノコンジュゲート。

請求項143

Dがアウリスタチン及びドラスタチンから選択される、請求項141に記載のイムノコンジュゲート。

請求項144

請求項141に記載のイムノコンジュゲートと薬学的に許容可能な担体とを含有する医薬組成物

請求項145

CD79bを発現する細胞の増殖の阻害方法であって、請求項1、6−10、58、69、80、91、115、118、121、124、251及び258のいずれか一に記載の抗体と該細胞を接触させることを含み、このことにより該細胞の増殖が阻害される方法。

請求項146

前記抗体が細胞障害性剤にコンジュゲートされている、請求項145に記載の方法。

請求項147

前記抗体が増殖阻害性剤にコンジュゲートされている、請求項145に記載の方法。

請求項148

癌を有する被検体治療方法であって、請求項1、6−10、58、69、80、91、115、118、121、124、251及び258のいずれか一に記載の抗体の有効量を被検体に投与することを含む方法。

請求項149

癌が、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、高悪性度NHL、再発性高悪性度NHL、再発性低悪性度NHL、難治性NHL、難治性低悪性度NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病、毛様細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、及びマントル細胞リンパ腫から選択される、請求項148に記載の方法。

請求項150

前記抗体が細胞障害性剤にコンジュゲートされている、請求項148に記載の方法。

請求項151

前記抗体が増殖阻害性剤にコンジュゲートされている、請求項148に記載の方法。

請求項152

被検体の増殖性疾患の治療方法であって、請求項1、6−10、58、69、80、91、115、118、121、124、251及び258のいずれか一に記載の抗体の有効量を被検体に投与することを含む方法。

請求項153

前記増殖性疾患が癌である、請求項152に記載の方法。

請求項154

癌が、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、高悪性度NHL、再発性高悪性度NHL、再発性低悪性度NHL、難治性NHL、難治性低悪性度NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病、毛様細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、及びマントル細胞リンパ腫から選択される、請求項153に記載の方法。

請求項155

前記抗体が細胞障害性剤にコンジュゲートされている、請求項152の方法。

請求項156

前記抗体が増殖阻害性剤にコンジュゲートされている、請求項152の方法。

請求項157

細胞の増殖の阻害方法であって、該細胞の増殖がCD79bの増殖促進効果に少なくともある程度依存しており、請求項1、6−10、58、69、80、91、115、118、121、124、251及び258のいずれか一に記載の抗体の有効量と該細胞を接触させることを含み、このことにより該細胞の増殖が阻害される方法。

請求項158

前記抗体が細胞障害性剤にコンジュゲートされている、請求項157に記載の方法。

請求項159

前記抗体が増殖阻害性剤にコンジュゲートされている、請求項157に記載の方法。

請求項160

哺乳動物腫瘍治療的な処置方法であって、該腫瘍の増殖がCD79bの増殖促進効果に少なくともある程度依存しており、請求項1、6−10、58、69、80、91、115、118、121、124、251及び258のいずれか一に記載の抗体の有効量と該細胞を接触させることを含む方法。

請求項161

前記腫瘍が、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、高悪性度NHL、再発性高悪性度NHL、再発性低悪性度NHL、難治性NHL、難治性低悪性度NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病、毛様細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、及びマントル細胞リンパ腫と関係している、請求項160に記載の方法。

請求項162

前記抗体が細胞障害性剤にコンジュゲートされている、請求項160に記載の方法。

請求項163

前記抗体が増殖阻害性剤にコンジュゲートされている、請求項160に記載の方法。

請求項164

CD79bへのイムノコンジュゲートの結合のために許容される条件下において細胞を請求項142に記載のイムノコンジュゲートにさらすことを含む、B細胞増殖の阻害方法。

請求項165

B細胞増殖が、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、高悪性度NHL、再発性高悪性度NHL、再発性低悪性度NHL、難治性NHL、難治性低悪性度NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病、毛様細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、及びマントル細胞リンパ腫から選択される、請求項164に記載の方法。

請求項166

B細胞が異種移植片である、請求項164に記載の方法。

請求項167

曝露インビトロで起こる、請求項164に記載の方法。

請求項168

曝露がインビボで起こる、請求項164に記載の方法。

請求項169

CD79bを含むことが疑われる生体試料中におけるCD79bの存在の決定方法であって、請求項1、6−10、58、69、80、91、115、118、121、124、251及び258のいずれか一に記載の抗体に該試料をさらし、該試料におけるCD79bへの該抗体の結合を決定することを含み、このとき該試料中のCD79bへの該抗体の結合が該試料中の該タンパク質の存在を表す方法。

請求項170

生体試料が、B細胞増殖性疾患を有すると思われる患者からのものである、請求項169に記載の方法。

請求項171

B細胞増殖性疾患が、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、高悪性度NHL、再発性高悪性度NHL、再発性低悪性度NHL、難治性NHL、難治性低悪性度NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病、毛様細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、及びマントル細胞リンパ腫から選択される、請求項170に記載の方法。

請求項172

請求項1、6−10、58、69、80、91、115、118、121、124、251及び258のいずれか一に記載の抗体を、CD79bを発現する細胞に結合させる方法であって、請求項1、6−10、58、69、80、91、115、118、121、124、251及び258のいずれか一に記載の抗体を該細胞と接触させることを含む方法。

請求項173

前記抗体が細胞障害性剤にコンジュゲートされている、請求項172に記載の方法。

請求項174

前記抗体が増殖阻害性剤にコンジュゲートされている、請求項172に記載の方法。

請求項175

一又は複数の遊離システインアミノ酸を含むシステイン改変抗体であって、親抗体の一又は複数のアミノ酸残基を遊離システインアミノ酸によって置換することを含む方法によって調製されるものであり、このとき親抗体が請求項1、6−10、58、69、80、91、115、118、121、124、251及び258のいずれか一に記載の抗体である、システイン改変抗体。

請求項176

一又は複数の遊離システインアミノ酸が0.6〜1.0の範囲のチオ反応値を有する、請求項175に記載の抗体。

請求項177

thio反応試薬との反応性が親抗体よりも高い、請求項175に記載のシステイン改変抗体。

請求項178

前記方法が、チオール反応性試薬とシステイン改変抗体を反応させることによってシステイン改変抗体のチオール反応性を決定することをさらに含み、このとき該システイン改変抗体がチオール反応試薬との反応性において親抗体よりも高い、請求項175に記載のシステイン改変抗体。

請求項179

一又は複数の遊離システインアミノ酸残基が軽鎖に位置している、請求項175に記載のシステイン改変抗体。

請求項180

抗体が、細胞障害性剤に共有結合的に付着したシステイン改変抗体を含むイムノコンジュゲートである、請求項175に記載のシステイン改変抗体。

請求項181

細胞障害性剤が、毒素、化学療法剤、薬剤部分、抗生物質、放射性同位体及び核酸分解性酵素から選択される、請求項180に記載のシステイン改変抗体。

請求項182

抗体がキャプチャ標識、検出標識又は固形支持体に共有結合的に付着されている、請求項175に記載のシステイン改変抗体。

請求項183

抗体がビオチンキャプチャ標識に共有結合的に付着されている、請求項182に記載のシステイン改変抗体。

請求項184

抗体が蛍光色素検出標識に共有結合的に付着されている、請求項182に記載のシステイン改変抗体。

請求項185

蛍光色素が、フルオレセインタイプ、ローダミンタイプ、ダンシル、リサミンシアニンフィコエリトリンテキサスレッド及びこれらの類似体から選択される、請求項184に記載のシステイン改変抗体。

請求項186

抗体が、3H、11C、14C、18F、32P、35S、64Cu、68Ga、86Y、99Tc、111In、123I、124I、125I、131I、133Xe、177Lu、211At、及び213Biから選択される放射性核種検出標識に共有結合的に付着している、請求項182に記載のシステイン改変抗体。

請求項187

抗体がキレートリガンドによって検出標識に共有結合的に付着されている、請求項182に記載のシステイン改変抗体。

請求項188

キレートリガンドがDOTA、DOTP、DOTMA、DTPA及びTETAから選択される、請求項187に記載のシステイン改変抗体。

請求項189

アルブミン結合ペプチドを含む、請求項1、6−10、58、69、80、91、115、118、121、124、251及び258のいずれか一に記載の抗体。

請求項190

アルブミン結合ペプチドが配列番号:246−250から選択される、請求項188に記載の抗体。

請求項191

親抗体のカバット番号付け表現法に従うところの軽鎖の15、110、114、121、127、168及び205と、カバット番号付け表現法に従うところの重鎖の5、23、84及び112と、EU番号付け表現法に従うところの重鎖の118、120、282、375及び400から選択される一又は複数の位置に一又は複数の遊離システインアミノ酸を含み、このとき親抗体が請求項1、6−10、58、69、80、91、115、118、121、124、251及び258のいずれか一に記載の抗体である、システイン改変抗体。

請求項192

システインが軽鎖の位置205にある、請求項191に記載の抗体。

請求項193

システインが重鎖の位置118にある、請求項191に記載の抗体。

請求項194

システインが重鎖の位置400にある、請求項191に記載の抗体。

請求項195

抗体がモノクローナル抗体、二重特異性抗体、キメラ抗体、ヒト抗体及びヒト化抗体から選択される、請求項191に記載の抗体。

請求項196

抗体断片である、請求項191に記載の抗体。

請求項197

抗体断片がFab断片である、請求項196に記載の抗体。

請求項198

キメラ抗体、ヒト抗体又はヒト化抗体から選択される、請求項191に記載の抗体。

請求項199

細菌において製造される、請求項191に記載の抗体。

請求項200

CHO細胞において製造される、請求項191に記載の抗体。

請求項201

CD79bタンパク質を含むことが疑われる試料においてCD79bタンパク質の存在を決定する方法であって、該試料を請求項187に記載の抗体にさらし、該試料中の該CD79bタンパク質への該抗体の結合を決定することを含み、このとき該タンパク質に対する抗体の結合が該試料中の該タンパク質の存在を表すものである、方法。

請求項202

前記試料は、前記CD79bタンパク質を発現することが疑われる細胞を含む、請求項201に記載の方法。

請求項203

前記細胞がB細胞である、請求項201に記載の方法。

請求項204

抗体が、蛍光色素、放射性同位体、ビオチン又は金属-錯体形成リガンドから選択される標識に共有結合的に付着している、請求項201に記載の方法。

請求項205

請求項191に記載の抗CD79b抗体と薬学的に許容可能な希釈液、担体又は賦形剤とを含有する薬学的製剤

請求項206

抗体がアウリスタチン又はメイタンシノイド薬剤部分に共有結合的に付着しており、それによって抗体薬剤コンジュゲートが形成される、請求項191に記載の抗体。

請求項207

抗体(Ab)とアウリスタチン又はメイタンシノイド薬剤部分(D)とを含み、このときシステイン改変抗体がリンカー部分(L)によって一又は複数の遊離システインアミノ酸によってDに付着しており、化合物が以下の式Iを有し、ここで、pが1、2、3又は4である、請求項206に記載の抗体−薬剤コンジュゲート。

請求項208

pが2である、請求項207に記載の抗体−薬剤コンジュゲート。

請求項209

Lが以下の式を有し、そこで:Aがシステイン改変抗体(Ab)のシステインチオールに共有結合的に付着したストレッチャーユニットであり、aが0又は1であり、各々のWが独立したアミノ酸ユニットであり、wが0から12までの整数であり、Yが、薬剤部分に共有結合的に付着したスペーサーユニットであり、そして、yが0、1又は2である、請求項207に記載の抗体−薬剤コンジュゲート。

請求項210

以下の式を有し、ここで、PABがパラ-アミノベンジルカルバモイルであり、そして、R17が、(CH2)-r、C3−C8カルボシクリル、O-(CH2)r、アリーレン、(CH2)r-アリーレン、-アリーレン-(CH2)r-、(CH2)r-(C3−C8-カルボシクリル)、(C3−C8カルボシクリル)-(CH2)r、C3−C8ヘテロシクリル、(CH2)r-(C3−C8ヘテロシクリル)、(C3−C8ヘテロシクリル)-(CH2)r-、-(CH2)rC(O)NRb(CH2)r-、-(CH2CH2O)r-、-(CH2CH2O)r-CH2-、-(CH2)rC(O)NRb(CH2CH2O)r-、-(CH2)rC(O)NRb(CH2CH2O)r-CH2-、-(CH2CH2O)rC(O)NRb(CH2CH2O)r-、-(CH2CH2O)rC(O)NRb(CH2CH2O)r-CH2-、及び-(CH2CH2O)rC(O)NRb(CH2)r-から選択される二価のラジカルであり、このときRbがH、C1−C6アルキルフェニル又はベンジルであり、そして、rがそれぞれ1から10までの整数である、請求項209に記載の抗体−薬剤コンジュゲート化合物

請求項211

Wwがバリン-シトルリンである、請求項209に記載の抗体-薬剤コンジュゲート化合物。

請求項212

R17が(CH2)5又は(CH2)2である、請求項209に記載の抗体-薬剤コンジュゲート化合物。

請求項213

以下の式を有する、請求項209に記載の抗体-薬剤コンジュゲート化合物。

請求項214

R17が(CH2)5又は(CH2)2である、請求項213に記載の抗体-薬剤コンジュゲート化合物。

請求項215

以下の式を有する、請求項209に記載の抗体-薬剤コンジュゲート化合物。

請求項216

LがSMCC、SPP、SPDB又はBMPEOである、請求項207に記載の抗体-薬剤コンジュゲート化合物。

請求項217

DがMMAEであり、以下の構造を有し、ここで、波形の線がリンカーLへの付着部位を示す、請求項207に記載の抗体−薬剤コンジュゲート化合物。

請求項218

DがMMAFであり、以下の構造を有し、ここで、波形の線がリンカーLへの付着部位を示す、請求項207に記載の抗体−薬剤コンジュゲート化合物。

請求項219

DがDM1又はDM4であり、以下の構造を有し、ここで、波形の線がリンカーLへの付着部位を示す、請求項207に記載の抗体−薬剤コンジュゲート化合物。

請求項220

抗体が、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、キメラ抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体及び抗体断片から選択される、請求項206に記載の抗体-薬剤コンジュゲート化合物。

請求項221

抗体断片がFab断片である、請求項206に記載の抗体-薬剤コンジュゲート化合物。

請求項222

以下の構造:から選択され、このとき、Valがバリンであり、Citがシトルリンであり、pが1、2、3又は4であり、Abが請求項191に記載の抗体である、抗体−薬剤コンジュゲート。

請求項223

アウリスタチンがMMAE又はMMAFである、請求項206に記載の抗体薬剤コンジュゲート。

請求項224

LがMC−val−cit−PAB又はMCである、請求項207に記載の抗体−薬剤コンジュゲート。

請求項225

B細胞を検出するためのアッセイであり、(a)細胞を請求項206に記載の抗体−薬剤コンジュゲート化合物にさらし、そして、(b) 抗体−薬剤コンジュゲート化合物の細胞への結合の程度を決定することを含むアッセイ。

請求項226

請求項206に記載の抗体−薬剤コンジュゲート化合物にて、細胞培養培地中哺乳類癌性B細胞を処置することを含み、これによって癌性B細胞の増殖が抑制される、細胞増殖の阻害方法。

請求項227

請求項206に記載の抗体−薬剤コンジュゲートと、薬学的に許容可能な希釈液、担体又は賦形剤とを含有する、薬学的製剤。

請求項228

請求項227に記載の薬学的製剤を患者に投与することを含む、癌の治療方法。

請求項229

癌が、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、高悪性度NHL、再発性高悪性度NHL、再発性低悪性度NHL、難治性NHL、難治性低悪性度NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病、毛様細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、及びマントル細胞リンパ腫からなる群から選択される、請求項228に記載の方法。

請求項230

患者が、抗体−薬剤コンジュゲート化合物と組み合わせて細胞障害性剤が投与される、請求項228に記載の方法。

請求項231

請求項227に記載の薬学的製剤と、容器と、化合物がCD79bポリペプチドの過剰発現に特徴がある癌の治療に用いられることを示すパッケージ挿入物又はラベルとを具備する製造品

請求項232

癌が、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、高悪性度NHL、再発性高悪性度NHL、再発性低悪性度NHL、難治性NHL、難治性低悪性度NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病、毛様細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)、及びマントル細胞リンパ腫からなる群から選択される、請求項231に記載の製造品。

請求項233

請求項191に記載の抗CD79b抗体(Ab)とアウリスタチン又はメイタンシノイド薬剤部分(D)とを含む抗体薬剤コンジュゲート化合物の製造方法であって、このとき該抗体がリンカー部分(L)によって一又は複数の改変システインアミノ酸によってDに付着しており、該化合物が以下の式Iを有し、Ab−(L−D)pIここで、pが41、2、3又は4であるものであり、(a) 抗体の改変システイン基をリンカー試薬と反応させ、抗体−リンカー中間生成物Ab−Lを形成させ、そして、(b)活性化された薬剤部分DとAb−Lを反応させ、これによって、抗体−薬剤コンジュゲートが形成される工程を含むか、又は、(c) 薬剤部分の求核基をリンカー試薬と反応させ、薬剤−リンカー中間生成物D−Lを形成させ、そして、(d) D−Lを抗体の改変システイン基と反応させ、これによって、抗体−薬剤コンジュゲートが形成される工程を含む方法。

請求項234

さらに、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞において抗体を発現させる工程を含む、請求項233に記載の方法。

請求項235

さらに、発現された抗体を還元剤にて処理する工程を含む、請求項233に記載の方法。

請求項236

還元剤がTCEP及びDTTから選択される、請求項235に記載の方法。

請求項237

さらに、還元剤にて処理した後に、発現された抗体を酸化剤にて処理する工程を含む、請求項235に記載の方法。

請求項238

酸化剤が硫酸銅デヒドロアスコルビン酸及び空気から選択される、請求項237に記載の方法。

請求項239

配列番号:304又は228のいずれか一から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖配列を含む、請求項191に記載の抗体。

請求項240

配列番号:303のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖配列と、配列番号:228のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖配列とを含む、請求項191に記載の抗体。

請求項241

配列番号:306又は230のいずれか一から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖配列を含む、請求項191に記載の抗体。

請求項242

配列番号:305のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖配列と、配列番号:230のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖配列とを含む、請求項191に記載の抗体。

請求項243

配列番号:308又は232のいずれか一から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖配列を含む、請求項191に記載の抗体。

請求項244

配列番号:307のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖配列と、配列番号:232のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖配列とを含む、請求項191に記載の抗体。

請求項245

配列番号:6又は236のいずれか一から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖配列を含む、請求項191に記載の抗体。

請求項246

配列番号:4又は235のいずれか一から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖配列を含む、請求項191に記載の抗体。

請求項247

配列番号:4のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖配列と、配列番号:236のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖配列とを含む、請求項191に記載の抗体。

請求項248

配列番号:235のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖配列と、配列番号:6のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖配列とを含む、請求項191に記載の抗体。

請求項249

CD79bに結合する抗体であって、配列番号:301から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変ドメインを含む抗体。

請求項250

CD79bに結合する抗体であって、配列番号:302から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメインを含む抗体。

請求項251

CD79bに結合する抗体であって、配列番号:301から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変ドメインと、配列番号:302から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメインとを含む抗体。

請求項252

配列番号:243又は244のいずれか一から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖配列を含む、請求項191に記載の抗体。

請求項253

配列番号:241又は300のいずれか一から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖配列を含む、請求項191に記載の抗体。

請求項254

配列番号:241のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖配列と、配列番号:244のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖配列とを含む、請求項191に記載の抗体。

請求項255

配列番号:300のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖配列と、配列番号:243のアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖配列とを含む、請求項191に記載の抗体。

請求項256

請求項1、6−10、58、69、80、91、115、118、121、124、251又は258のいずれか一に記載の抗体を含有する組成物

請求項257

組成物が担体を含有する、請求項256に記載の組成物。

請求項258

CD79bに結合する抗体であって、配列番号:14から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する重鎖可変ドメインと、配列番号:10から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメインとを含む抗体。

技術分野

0001

(関連出願の説明)
米国特許法施行規則1.53(b)の下に出願された本非仮出願は、米国特許法第119条(e)の下に、2008年1月31日に出願の米国仮出願番号第61/025137号、2008年2月29日に出願の米国仮出願番号第61/032790号及び2008年5月20日に出願の米国仮出願番号第61/054709号の優先権を主張するものであり、これらは出典明記によって全体に援用される。

0002

(技術分野)
本発明は、哺乳動物造血系腫瘍治療のために有用な組成物及び、同目的のための組成物の使用方法に関する。

背景技術

0003

悪性腫瘍(癌)は、米国において心臓疾患続き第2の主要な死亡原因である(Boring et al., CA Cancel J. Clin. 43:7 (1993))。癌は、正常な組織由来腫瘍塊を形成するように増殖する異常な又は腫瘍形成性細胞の数の増加、これらの腫瘍形成性腫瘍細胞による隣接組織浸潤、及び最終的に血液やリンパ系を介して局所リンパ節や遠くの部位に転移と呼ばれる過程を介して広がる悪性細胞の生成を特徴とする。癌性状態においては、正常細胞が増殖しない条件下で細胞が増殖する。癌自体は、異なる浸潤及び攻撃性の程度で特徴付けられる広範な種々の形態で顕現する。
リンパ球白血球血小板赤血球及びナチュラルキラー細胞などの血液の細胞成分が生成される過程である造血の間に生成される細胞を伴う癌は、造血系癌と称される。血液及びリンパ組織にみられ、免疫応答に重要であるリンパ球は、2つの主要な種類のリンパ球に分類される。それは、Bリンパ球(B細胞)及びTリンパ球(T細胞)であり、それぞれ体液性及び細胞性の免疫を媒介する。

0004

B細胞は骨髄内で成熟し、その細胞表面上に抗原結合抗体発現する骨髄を放出する。ナイーブB細胞がその膜結合性抗体が特異的である抗原と初めて遭遇すると、細胞は速やかに分離し、その子孫メモリーB細胞と「プラズマ細胞」と呼ばれるエフェクター細胞分化する。メモリーB細胞は寿命が長く、元の親細胞と同じ特異性を有する膜結合性抗体を発現し続ける。プラズマ細胞は、膜結合性抗体を発現しない代わりに、分泌型抗体を産生する。分泌された抗体は、体液性免疫の主要なエフェクター分子である。
T細胞は、未成熟なT細胞の増殖及び分化の環境を提供する胸腺で成熟する。T細胞が成熟する間、T細胞では、T細胞レセプターを産生する遺伝子再編成と、成熟T細胞の細胞表面の表現型の決定を助けるポジティブ及びネガティブ選択が行われる。成熟T細胞の特徴的な細胞表面マーカーは、CD3、即ちT細胞レセプター複合体と、コアレセプターの一つであるCD4又はCD8である。

0005

癌治療のための有効な細胞標的を発見するために、研究者は、一又は複数の正常な非癌性細胞と比べて、一又は複数のある種の癌細胞の表面に特異的に発現される、膜貫通型あるいは膜結合性のポリペプチドの同定を試みていた。多くは、このような膜結合性のポリペプチドは、非癌性細胞の表面上と比べて、癌細胞の表面上に豊富に発現されている。このような腫瘍関連細胞表面抗原ポリペプチドの同定は、抗体ベースの治療による破壊のための特異的な癌細胞標的能を引き起こした。この点で、抗体ベースの治療は特定の案の治療に非常に有効であることが明らかであることは注目すべきことである。例えば、ハーセプチン(登録商標)及びリツキサン(登録商標)(いずれもGenentech Inc., South San Francisco, California)は、それぞれ乳癌及び非ホジキンリンパ腫を治療するために成功裏に用いられている抗体である。より具体的には、ハーセプチン(登録商標)は、ヒト上皮性増殖因子レセプター2(HER2)プロトオンコジーン細胞外ドメインに選択的に結合する組換えDNA由来のヒト化モノクローナル抗体である。HER2タンパク質過剰発現原発性乳癌の25〜30%に観察される。リツキサン(登録商標)は、正常及び悪性のBリンパ球の表面に見られるCD20抗原に向けられる遺伝学的な操作を施したキメラマウスヒトモノクローナル抗体である。両方の抗体は、CHO細胞において組み換え製造される。
癌治療のための有効な細胞標的を発見するための他の試みでは、研究者は、(1) 一又は複数のある種の非癌性正常細胞と比べて、一又は複数のある種の癌細胞によって特異的に製造される非膜結合性ポリペプチド、(2) 一又は複数の正常な非癌性細胞よりも有意に高い発現レベルで癌細胞によって産生されるポリペプチド、又は(3) 癌性及び非癌性の状態(例えば正常前立腺及び前立腺腫瘍組織)の単一の(又は非常に限られた数の異なる)組織種のみに発現が特異的に限定されているポリペプチド、の同定を試みていた。このようなポリペプチドは、細胞内に位置し続けているか、又は癌細胞によって分泌されうる。さらに、このようなポリペプチドは、癌細胞自体によってではなく、むしろ癌細胞への増強作用又は増殖亢進作用を有するポリペプチドを産生する及び/又は分泌する細胞によって発現されうる。このような分泌されたポリペプチドは、正常細胞を上回る増殖利点を有する癌細胞を提供するタンパク質であることが多く、例えば血管形成因子細胞接着因子増殖因子などのものが含まれる。このような癌の治療のための有効な治療薬として役立てるために、前述の非細胞結合性ポリペプチドのアンタゴニストの同定が期待されるであろう。さらに、これらポリペプチドの発現パターンの同定は、哺乳動物の特定の癌の診断に有用であろう。

0006

哺乳動物の癌治療において上記のような進歩があるにもかかわらず、哺乳動物の腫瘍の存在を検出することが可能な更なる治療薬及び、効果的に腫瘍細胞の増殖を阻害するための治療薬がそれぞれ求められている。したがって、癌性及び非癌性の状態の単一の(又は非常に限られた数の異なる)造血系組織のみに発現が特異的に限定されているポリペプチド、細胞膜結合性分泌性ないしは細胞内のポリペプチドを同定すること、そして、哺乳動物の造血系癌の治療的処置及び/又は検出に有用な組成物を製造するためのこれらポリペプチド及びコード核酸の使用が、本発明の目的である。
CD79は、CD79a(Igα、mb-1)及びCD79b(Igβ、B29)を含有する共有結合性ヘテロ二量体からなるB細胞レセプターのシグナル伝達構成成分である。CD79a及びCD79bは、各々細胞外イムノグロブリン(Ig)ドメイン膜貫通領域及び細胞内シグナル伝達ドメインイムノレセプターチロシンベース活性モチーフ(ITAM)ドメインを含有する。CD79はB細胞上及び非ホジキンリンパ腫細胞(NHL)において発現される(Cabezudo et al., Haematologica, 84:413-418 (1999);D'Arena et al., Am. J. Hematol., 64: 275-281 (2000);Olejniczak et al., Immunol. Invest., 35: 93-114 (2006))。CD79a及びCD79b及びsIgのすべては、CD79の表面発現に必要である(Matsuuchi et al., Curr. Opin. Immunol., 13(3): 270-7))。NHL上のCD79bの平均表面発現は、正常なB細胞上の平均表面発現と同程度であるが、範囲は広い(Matsuuchi et al., Curr. Opin. Immunol., 13(3): 270-7(2001))。

0007

CD79bの発現があれば、特に慢性的な治療のために患者投与した際に抗原性が最小であるか又は全くないCD79b抗原に対する治療的抗体を製造することが有益である。本発明はこれ及び他の必要を満たすものである。本発明は、現在の治療的組成物の制限を克服する抗CD79b抗体を提供し、並びに以下の詳細な説明から明白となる更なる利点を示す。
細胞障害性又は細胞分裂停止性の薬剤、つまり、癌の治療において腫瘍細胞を殺す又は阻害するための薬剤の局所運搬のために抗体−薬剤コンジュゲート(ADC)を使う(Lambert, J. (2005) Curr. Opinion in Pharmacology 5:543-549;Wu et al (2005) Nature Biotechnology 23(9): 1137-1146;Payne, G. (2003) Cancer Cell 3:207-212;Syrigos and Epenetos (1999) Anticancer Research 19:605-614;Niculescu-Duvaz and Springer (1997) Adv. Drug Del. Rev. 26: 151-172;米国特許第4975278号)と、薬剤成分を腫瘍へ目的通りに運搬して、そこで細胞内蓄積させることが可能となる。コンジュゲートさせていない薬剤を全身投与すると、排除しようとする腫瘍細胞だけでなく正常な細胞に許容されないレベルの毒性が生じうる(Baldwin et al (1986) Lancet pp. (Mar. 15, 1986): 603-05;Thorpe, (1985) "Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy: A Review", Monoclonal Antibodies '84: Biological And Clinical Applications, A. Pinchera et al (ed.s), pp. 475-506)。治療的インデックス、つまりADCの最大の効率及び最小の毒性を改善するための努力は、ポリクローナル抗体(Rowland et al (1986) Cancer Immunol. Immunother., 21:183-87)及びモノクローナル抗体(mAb)の選択、並びに薬剤結合及び薬剤放出性質(Lambert, J. (2005) Curr. Opinion in Pharmacology 5:543-549)に集中していた。抗体薬剤コンジュゲートに用いられる薬剤成分には、ジフテリア毒素などの細菌性タンパク質毒素リシンなどの植物タンパク質毒素アウリスタチンゲルダナマイシン(Mandler et al (2000) J. of the Nat. Cancer Inst. 92(19): 1573-1581;Mandler et al (2000) Bioorganic & Med. Chem. Letters 10:1025-1028;Mandler et al (2002) Bioconjugate Chem. 13:786-791)、メイタンシノイド(欧州特許第1391213号;Liu et al (1996) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:8618-8623)、カリケアマイシン(Lode et al (1998) Cancer Res. 58: 2928;Hinman et al (1993) Cancer Res. 53: 3336-3342)、ダウノマイシンドキソルビシン、及びビンデシン(上掲のRowland et al (1986))などの小分子毒素が含まれる。薬剤成分は、チューブリン結合、DNA結合又はトポイソメラーゼ阻害などの細胞障害性及び細胞分裂停止性の機能に影響しうる。ある種の細胞障害性剤は、大きな抗体又はタンパク質レセプターリガンドにコンジュゲートした場合に、不活性又は活性が低減する傾向がある。

0008

アウリスタチンペプチドである、アウリスタチンE(AE)とドラスタチン合成類似体であるモノメチルアウリスタチン(MMAE)(国際公開02/088172)は、(i)キメラモノクローナル抗体cBR96(カルチノーマ上のルイスYに特異的)、(ii)血液系悪性腫瘍上のCD30に特異的であるcAC10(Klussman, et al (2004), Bioconjugate Chemistry 15(4): 765-773;Doronina et al (2003) Nature Biotechnology 21(7): 778-784;Francisco et al (2003) Blood 102(4): 1458-1465;米国公開特許2004/0018194)、(iii) CD20発現癌及び免疫不全の治療のためのリツキサンなどの抗CD20抗体(国際公開04/032828)、(iv)結腸直腸癌の治療のための抗EphB2抗体2H9(Mao et al (2004) Cancer Research 64(3): 781-788)、(v) Eセレクチン抗体(Bhaskar et al (2003) Cancer Res. 63: 6387-6394)、(vi)トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標)、米国公開特許2005/0238649)、及び(vi)抗CD30抗体(国際公開03/043583)へ、薬剤成分としてコンジュゲートされていた。アウリスタチンEの変異体は、米国特許第5767237号及び米国特許第6124431号において開示される。モノクローナル抗体にコンジュゲートされるモノメチルアウリスタチンEは、2004年3月28日に発表されたSenter et al, Proceedings of the American Association for Cancer Research, Volume 45, Abstract Number 623において開示される。アウリスタチン類似体MMAE及びMMAFは、様々な抗体にコンジュゲートされている(米国公開特許2005/0238649)。

0009

抗体に薬剤成分を付着させる、すなわち共有結合により結合させる従来の手段では、一般的に、薬剤成分が抗体上の多くの部位で付着している分子の不均一な混合物となる。例えば、典型的に、細胞毒性薬剤は、抗体の時に多くのリジン残基を介して抗体にコンジュゲートされ、不均一な抗体薬剤コンジュゲート混合物を生じていた。反応条件に応じて、典型的に、不均一な混合物は、0からおよそ8又はそれ以上の薬剤成分が付着している抗体の分布を含む。さらに、抗体に対する薬剤成分をある整数比で有するコンジュゲートの各サブグループ内では、薬剤成分が抗体上の様々な部位で付着している潜在的に不均一な混合物である。分析方法及び調製方法は、コンジュゲート反応により生じる不均一な混合物内の抗体−薬剤コンジュゲート種分子を分離し特徴付けるために不十分でありうる。抗体は大きく、複雑で、構造的に多様な生体分子であり、反応性官能基を多く有することが多い。リンカー試薬及び薬剤−リンカー中間生成物との反応性は、pH、濃度、塩濃度及び共存溶媒などの因子に依存している。さらに、複数の工程のコンジュゲート工程は、反応条件の調節や反応物と中間生成物の特徴付けが難しいため、再現性がないかもしれない。

0010

システインチオールは、陽子が付加される多くのアミンとは異なり、中性pHで反応性であり、pH7付近ではほとんど求核性基でない。遊離チオール(RSH、スルフヒドリル)基は相対的に反応性であるので、システイン残基を有するタンパク質は、ジスルフィド結合オリゴマーとして酸化型で存在することが多いか、又は内部で架橋したジスルフィド基を有する。細胞外タンパク質は、一般に遊離チオールを有しない(Garman, 1997, Non-Radioactive Labelling: A Practical Approach, Academic Press, London, at page 55)。一般に、抗体システインチオール基は、求電子性コンジュゲート試薬に対して、抗体アミンやヒドロキシ基よりも反応性が高い、すなわち求核性が高い。システイン残基は、リガンドへの共有的付着を形成させるため、ないしは新たに分子内ジスルフィド結合を形成させるために、遺伝学的操作技術によりタンパク質内に導入されていた(Better et al (1994) J. Biol. Chem. 13:9644-9650;Bernhard et al (1994) Bioconjugate Chem. 5:126-132;Greenwood et al (1994) Therapeutic Immunology 1:247-255;Tu et al (1999) Proc. Natl. Acad. Sci USA 96:4862-4867;Kanno et al (2000) J. of Biotechnology, 76:207-214;Chmura et al (2001) Proc. Nat. Acad. Sci. USA 98(15): 8480-8484;米国特許第6248564号)。しかしながら、タンパク質の様々なアミノ酸残基をシステインアミノ酸に変異させることによるシステインチオール基の操作は、対になっていない(遊離Cys)残基又は相対的に反応又は酸化に接触しやすいものの場合に特に問題となりやすい。大腸菌周辺質培養物上清又は一部ないし完全に精製されたタンパク質内のタンパク質が濃縮された溶液では、タンパク質の表面上の対になっていないCys残基は対になり、酸化されて、分子内ジスルフィドを形成し、ゆえにタンパク質二量体又は多量体となることができる。ジスルフィド二量体形成は、新規のCysを、薬剤、リガンド又は他の標識へのコンジュゲートに対して非反応性にする。さらに、タンパク質が新たに操作されたCysと既存のCys残基との間で分子内ジスルフィド結合を酸化的に形成する場合、両Cysチオール基は活性部位関与にも相互作用にも利用されない。さらに、タンパク質は、三次構造欠損又はミスホールドにより、不活性化ないしは非特異的になるかもしれない(Zhang et al (2002) Anal. Biochem. 311:1-9)。

0011

システイン-改変抗体は、Fab抗体断片(thioFab)として設定され、完全長IgGモノクローナル(thioMab)抗体として発現されていた(Junutula, J.R. et al. (2008) J Immunol Methods332:41-52;米国特許公開2007/0092940、これらの内容は出典明記により援用される)。抗体薬剤コンジュゲート(ThioADC)を調節するために、ThioFab及びThioMab抗体は、チオール反応性リンカー試薬及び薬剤−リンカー試薬によって新たに導入されたシステインチオールでリンカーによりコンジュゲートされていた。

0012

特許公報及び出版物を含む本明細書において引用されるすべての文献は、出典明記によってその全体が援用される。

0013

本発明は、抗CD79b抗体又はその機能的な断片、及び造血系腫瘍の治療における使用方法を提供する。
一態様では、本発明は、上記又は下記のいずれかのポリペプチドに結合する、好ましくは特異的に結合する抗体を提供する。場合によって、抗体は、モノクローナル抗体、Fab、Fab'、F(ab')2、及びFv断片を含む抗体断片、ダイアボディ単一ドメイン抗体キメラ抗体ヒト化抗体単鎖抗体、又はそのそれぞれの抗原エピトープに対する抗CD79bポリペプチド抗体の結合を競合的に阻害する抗体である。本発明の抗体は、場合によって、例えばアウリスタチン、メイタンシノイド、ドラスタチン類似体又はカリケアマイシンを含む毒素、抗生物質放射性同位体、核酸溶解酵素などの増殖阻害剤ないし細胞障害剤にコンジュゲートされてもよい。本発明の抗体は、場合によって、CHO細胞又は細菌で生産されてもよく、好ましくは、それらが結合する細胞の死を誘導してもよい。検出目的のために、本発明の抗体は、検出可能に標識されても、固形支持体等に付着されてもよい。
一態様では、本発明は、CD79bに対する抗体の一価の親和性(例えばCD79bに対するFab断片としての抗体の親和性)又は二価の形態での親和性(例えばCD79bに対するIgG断片としての抗体の親和性)が、マウス抗体(例えばCD79bに対するFab断片又はIgG断片としてのマウス抗体の親和性)又はキメラ抗体(例えばCD79bに対するFab断片又はIgG断片としてのキメラ抗体の親和性)のそれぞれの一価の親和性又は二価の形態での親和性と実質的に同じであるか、よりも低いか、又はよりも高い、ヒト化抗CD79b抗体であって、図7A−B(配列番号:10)及び図8A−B(配列番号:14)に示す軽鎖及び重鎖可変ドメイン配列を含むか、からなるか、基本的にからなるものを提供する。

0014

他の態様では、本発明は、CD79bに対する二価の形態の抗体の親和性(例えばCD79bに対するIgGとしての抗体の親和性)が0.4nM、0.2nM又は0.5nMであるヒト化抗CD79b抗体を提供する。
一態様では、
(i) KASQSVDYDGDSFLN (配列番号:131)である配列A1−A15を含むHVR−L1
(ii) AASNLES (配列番号:132)である配列B1−B7を含むHVR−L2
(iii) QQSNEDPLT(配列番号:133)である配列C1−C9を含むHVR−L3
(iv) GYTFSSYWIE(配列番号:134)である配列D1−D10を含むHVR−H1
(v) GEILPGGGDTNYNEIFKG (配列番号:135)である配列E1−E18を含むHVR−H2、及び、
(vi) TRRVPVYFDY (配列番号:136)である配列F1−F10を含むHVR−H3
からなる群から選択される少なくとも1、2、3、4、5又は6のHVRを含む、CD79bに結合する抗体が提供される。

0015

一態様では、少なくとも1の変異HVRを含み、この変異HVRが配列番号:131、132、133、134、135又は136に示される配列の少なくとも1の残基の修飾を含む、CD79bに結合する抗体が提供される。
一態様では、本発明は、図15(配列番号:164−166)に示されるHVR1-HC、HVR2-HC及び/又はHVR3-HC配列を含む重鎖可変ドメインを含む抗体を提供する。
一態様では、本発明は、図15(配列番号:156−158)に示されるHVR1-LC、HVR2-LC及び/又はHVR3-LC配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗体を提供する。
一態様では、本発明は、図16(配列番号:183−185)に示されるHVR1-HC、HVR2-HC及び/又はHVR3-HC配列を含む重鎖可変ドメインを含む抗体を提供する。
一態様では、本発明は、図16(配列番号:175−177)に示されるHVR1-LC、HVR2-LC及び/又はHVR3-LC配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗体を提供する。
一態様では、本発明は、図17(配列番号:202−204)に示されるHVR1-HC、HVR2-HC及び/又はHVR3-HC配列を含む重鎖可変ドメインを含む抗体を提供する。
一態様では、本発明は、図17(配列番号:194−196)に示されるHVR1-LC、HVR2-LC及び/又はHVR3-LC配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗体を提供する。
一態様では、本発明は、図18(配列番号:221−223)に示されるHVR1-HC、HVR2-HC及び/又はHVR3-HC配列を含む重鎖可変ドメインを含む抗体を提供する。
一態様では、本発明は、図18(配列番号:213−215)に示されるHVR1-LC、HVR2-LC及び/又はHVR3-LC配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗体を提供する。

0016

一態様では、本発明は、配列番号:170、189、208又は227から選択される重鎖可変ドメインを含む抗CD79b抗体を包含する。他の態様では、本発明は、配列番号:169、188、207又は226から選択される軽鎖可変ドメインを含む抗CD79b抗体を含む。
一態様では、本発明は、配列番号:251−298から選択される配列と一又は複数の遊離システインアミノ酸とを含むシステイン改変抗CD79b抗体を包含する。システイン改変抗CD79b抗体は、CD79bポリペプチドに結合してもよい。システイン改変抗CD79b抗体は、親抗CD79b抗体の一又は複数のアミノ酸残基をシステインに置換することを含む方法によって調製されてもよい。

0017

一態様では、本発明は、一又は複数の遊離システインアミノ酸を含有するシステイン改変抗CD79b抗体であって、CD79bポリペプチドに結合し、親抗CD79b抗体の一又は複数のアミノ酸残基をシステインに置換することを含む方法によって調製され、このときの親抗体は、
(a) KASQSVDYDGDSFLN (配列番号:131)又はKASQSVDYEGDSFLN (配列番号:137)である配列A1−A15を含むHVR−L1、
(b) AASNLES (配列番号:132)である配列B1−B7を含むHVR−L2、
(c) QQSNEDPLT(配列番号:133)である配列C1−C9を含むHVR−L3、
(d) GYTFSSYWIE(配列番号:134)である配列D1−D10を含むHVR−H1、
(e) GEILPGGGDTNYNEIFKG (配列番号:135)である配列E1−E18を含むHVR−H2、及び、
(f) TRRVPVYFDY (配列番号:136)又はTRRVPIRLDY (配列番号:138)である配列F1−F10を含むHVR−H3
から選択される少なくとも1のHVR配列を含むものであるシステイン改変抗CD79b抗体を包含する。

0018

システイン改変抗CD79b抗体は、モノクローナル抗体、抗体断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体、又はそのそれぞれの抗原エピトープに対する抗CD79bポリペプチド抗体の結合を競合的に阻害する抗体であってもよい。本発明の抗体は、場合によって、例えばアウリスタチン又はメイタンシノイドを含む毒素などの増殖阻害剤ないし細胞障害剤にコンジュゲートされてもよい。本発明の抗体は、場合によって、CHO細胞又は細菌で生産されてもよく、好ましくは、それらが結合する細胞の成長ないしは増殖を阻害するか、又は細胞の死を誘導してもよい。診断のために、本発明の抗体は、検出可能に標識されても、固形支持体等に付着されてもよい。
一態様では、本発明は、本発明の抗体の製造方法を提供する。例えば、本発明は、CD79b抗体(本明細書で定義されるように、完全長及びその断片を含む)の製造方法であって、適切な宿主細胞において該抗体(又はその断片)をコードする本発明の組み換えベクターを発現させ、該抗体を回収することを含む方法を提供する。

0019

一態様では、本発明は、本発明の抗体又は本発明の抗体−薬剤コンジュゲートと薬学的に許容可能な希釈液担体又は賦形剤とを含有する薬学的製剤である。
一態様では、本発明は、容器と、容器内に内包される組成物とを具備し、該組成物が一又は複数の本発明のCD79b抗体を含むものである製造品を提供する。
一態様では、本発明は、本発明の一又は複数のCD79b抗体を含む組成物を含む第一容器と、バッファを含む第二容器とを具備するキットを提供する。
一態様では、本発明は、癌、腫瘍及び/又は細胞増殖性疾患などの疾患の治療的及び/又は予防的処置のための医薬の調製における本発明のCD79b抗体の使用を提供する。
一態様では、本発明は、癌、腫瘍及び/又は細胞増殖性疾患などの疾患の治療的及び/又は予防的処置のための医薬の調製における本発明の製造品の使用を提供する。
一態様では、本発明は、癌、腫瘍及び/又は細胞増殖性疾患などの疾患の治療的及び/又は予防的処置のための医薬の調製における本発明のキットの使用を提供する。

0020

一態様では、本発明は、CD79bを発現する細胞の増殖を阻害する方法であって、該細胞を本発明の抗体と接触させることを含み、これによって該細胞の増殖の阻害が生じる方法を提供する。一実施態様では、抗体は細胞障害性剤にコンジュゲートされる。一実施態様では、抗体は増殖阻害性剤にコンジュゲートされる。
一態様では、本発明は、CD79bを発現する細胞を含む癌性の腫瘍を有する哺乳動物を治療的に処置する方法であって、該哺乳動物に本発明の抗体の治療上有効量を投与することを含み、それによって、該哺乳動物を効果的に処置される方法を提供する。一実施態様では、抗体は細胞障害性剤にコンジュゲートされる。一実施態様では、抗体は増殖阻害性剤にコンジュゲートされる。
一態様では、本発明は、CD79bの発現増加と関連する細胞増殖性疾患の治療又は予防方法であって、本発明の抗体の有効量を該処置が必要な被検体に投与することを含み、これによって該細胞増殖性疾患が効果的に治療又は予防される方法を提供する。一実施態様では、前記増殖性疾患は癌である。一実施態様では、抗体は細胞障害性剤にコンジュゲートされる。一実施態様では、抗体は増殖阻害性剤にコンジュゲートされる。

0021

一態様では、本発明は、細胞の増殖の阻害方法であって、この細胞の増殖の少なくとも一部はCD79bの増殖亢進作用に依存しているものであり、該細胞を有効量の本発明の抗体と接触させることを含み、これによって該細胞の増殖が阻害される方法を提供する。一実施態様では、抗体は細胞障害性剤にコンジュゲートされる。一実施態様では、抗体は増殖阻害性剤にコンジュゲートされる。
一態様では、本発明は、哺乳動物の腫瘍を治療的に処置する方法であって、この腫瘍の増殖の少なくとも一部はCD79bの増殖亢進作用に依存しているものであり、該細胞を有効量の本発明の抗体と接触させることを含み、これによって該腫瘍が効果的に処置される方法を提供する。一実施態様では、抗体は細胞障害性剤にコンジュゲートされる。一実施態様では、抗体は増殖阻害性剤にコンジュゲートされる。
一態様では、本発明は、本明細書中に記載のイムノコンジュゲートと薬学的に許容可能な希釈液、担体又は賦形剤とを含有する薬学的製剤を患者に投与することを含む、癌の治療方法を提供する。
一態様では、本発明は、B細胞増殖の阻害方法であって、CD79bに対するイムノコンジュゲートの結合に許容される条件下で本発明の抗体を含むイムノコンジュゲートに細胞をさらすことを含む方法を提供する。

0022

一態様では、本発明は、CD79bを含有することが疑われる試料においてCD79bの存在を決定する方法であって、該試料を本発明の抗体にさらし、該試料においてCD79bに対する該抗体の結合を決定することを含み、このとき該試料におけるCD79bへの該抗体の結合が該試料における該タンパク質の存在を表す方法を提供する。
一態様では、本発明は、CD79bを発現する、B細胞などの細胞の増加と関連する細胞増殖性疾患の診断方法であって、生体試料中試験細胞を上記いずれかの抗体と接触させ、CD79bに対する抗体の結合を検出することによって、試料において試験細胞に結合した抗体のレベルを決定し、そして、コントロール試料において細胞に結合した抗体のレベルを比較することを含み、このとき、結合した抗体のレベルが試験試料及びコントロール試料におけるCD79b発現細胞の数に正規化され、コントロール試料と比較して試験試料において結合した抗体のレベルが高い場合に、CD79bを発現する細胞と関連する細胞増殖性疾患の存在を示す方法を提供する。

0023

一態様では、本発明は、血液又は血清における可溶性CD79bの検出方法であって、B細胞増殖性疾患の発症の疑いのある哺乳動物からの血液又は血清の試験試料を本発明の抗CD79b抗体と接触させ、正常な哺乳動物からの血液又は血清のコントロール試料と比較して試験試料における可溶性CD79bの増加を検出することを含む方法を提供する。
一態様では、本発明は、CD79bを発現する細胞に本発明の抗体を結合させる方法であって、該細胞を本発明の抗体と接触させることを含む方法を提供する。一実施態様では、抗体は細胞障害性剤にコンジュゲートされる。一実施態様では、抗体は増殖阻害性剤にコンジュゲートされる。

図面の簡単な説明

0024

PRO36249cDNAヌクレオチド配列(配列番号:1)を示し、配列番号:1は本明細書中では「DNA225786」として称されるクローンである(本明細書中では「CD79b」とも称される)。ヌクレオチド配列はCD79bをコードし、その開始コドン停止コドン太字下線で示す。
図1に示す配列番号:1のコード配列から得られるアミノ酸配列(配列番号:2)を示す。
キメラCD79bマウス抗体(chMA79b)IgG1の軽鎖のヌクレオチド配列(配列番号:3)を示す(MA79bはマウスモノクローナル抗CD79b抗体である)。ヌクレオチド配列はchMA79bの軽鎖をコードし、その開始コドンと停止コドンを太字と下線で示す。
図3に示す配列番号:3のコード配列から得られるアミノ酸配列(配列番号:4)を示す(初めの18のアミノ酸シグナル配列欠く)。可変領域は下線を付していない領域である。
キメラマウス抗体(chMA79b)IgG1の重鎖のヌクレオチド配列(配列番号:5)を示す(MA79bはマウスモノクローナル抗CD79b抗体である)。ヌクレオチド配列はchMA79bの重鎖をコードし、その開始コドンと停止コドンを太字と下線で示す。
図5に示す配列番号:5のコード配列から得られるアミノ酸配列(配列番号:6)を示す(初めの18のアミノ酸シグナル配列と停止コドン前の最後のリジン(K)を欠く)。可変領域は下線を付していない領域である。
以下の可変軽鎖の配列のアラインメントを示す。VL−FR1、VL−FR2、VL−FR3、VL−FR4を有する軽鎖ヒトκコンセンサス配列(「huKI」と表示;配列番号:9)(それぞれ配列番号:139−142)、マウス抗CD79b抗体(「MA79b」と表示;配列番号:10)、MA79b−グラフト「ヒト化」抗体(「huMA79bグラフト」と表示;配列番号:11)、MA79b−グラフト「ヒト化」抗体変異体17(「huMA79b.v17」と表示;配列番号:169)、MA79b−グラフト「ヒト化」抗体変異体18(「huMA79b.v18」と表示;配列番号:188)、MA79b−グラフト「ヒト化」抗体変異体28(「huMA79b.v28」と表示;配列番号:207)及びMA79b−グラフト「ヒト化」抗体変異体32(「huMA79b.v32」と表示;配列番号:226)。位置はカバットに従って番号付けし、MA79bから可変軽鎖κIコンセンサスフレームワークへの移植された高頻度可変領域(HVR)を囲みで表す。
以下の可変重鎖の配列のアラインメントを示す。VH−FR1、VH−FR2、VH−FR3及びVH−FR4を有する重鎖ヒトサブグループIIIコンセンサス配列(「humIII」と表示;配列番号:13)(配列番号:143−146)、マウス抗CD79b抗体(「MA79b」と表示;配列番号:14)、MA79b−グラフト「ヒト化」抗体(「huMA79bグラフト」と表示;配列番号:15)(71A、73T及び78Aを含む)、MA79b−グラフト「ヒト化」抗体変異体17(「huMA79b.v17」と表示;配列番号:170)(71A、73T及び78Aを含む)、MA79b−グラフト「ヒト化」抗体変異体18(「huMA79b.v18」と表示;配列番号:189)(71A、73T及び78Aを含む)、MA79b−グラフト「ヒト化」抗体変異体28(「huMA79b.v28」と表示;配列番号:208)(71A、73T及び78Aを含む)、及びMA79b−グラフト「ヒト化」抗体変異体32(「huMA79b.v32」と表示;配列番号:227)(71A、73T及び78Aを含む)。位置はカバットに従って番号付けし、MA79bから可変重鎖サブグループIIIコンセンサスフレームワークへの移植された高頻度可変領域(HVR)を囲みで表す。
選択されたMA79b−グラフト「ヒト化」抗体変異体(配列番号:17−21)の様々なHVR配列を示し、各変異体は、MA79b−グラフト「ヒト化」抗体の単一のHVR(HVR-L1(配列番号:131);HVR-L2(配列番号:132);HVR-L3(配列番号:133))内に単一のアミノ酸変化を有する。示した単一のアミノ酸変化を除いて可変軽鎖及び可変重鎖の配列は、huMA79bグラフトと同じであり、示していない。MA79b−グラフト「ヒト化」抗体のHVR-H1(配列番号:134)、HVR-H2(配列番号:135)又はHVR-H3(配列番号:136)には変化は観察されなかった。
huMA79b L2−2(本明細書中では「L2」とも称される)及びhuMA79b H3−10(本明細書中では「H3」とも称される)を含む、選択されたMA79b−グラフト「ヒト化」抗体変異体の様々なHVR配列(配列番号:22−106)を示し、各変異体は、MA79b−グラフト「ヒト化」抗体の単一のHVR領域(HVR-L2(配列番号:132);HVR-L3(配列番号:133);HVR-H1(配列番号:134);HVR-H3(配列番号:136)の一部が配列番号:107として図10に示される)内に複数のアミノ酸変化を有する。示したアミノ酸変化を除いて可変軽鎖及び可変重鎖の配列は、huMA79bグラフトと同じであり、示していない。MA79b−グラフト「ヒト化」抗体のHVR-L1(配列番号:131)又はHVR-H2(配列番号:135)には変化は観察されなかった。
マウスCD79b抗体(「MA79b」と表示)と、MA79b−グラフト「ヒト化」抗体(「huMA79bグラフト」と表示)と、ヒトCD79bの細胞外ドメイン(huCD79becd)、Fcに融合させたヒトCD79bの細胞外ドメイン(huCD79becd−Fc)及びMA79b及びchMA79bのためのエピトープを含有する16アミノ酸ペプチド(配列番号:16)を含む所定の抗原に対する、huMA79b L2-2(52R、53K、55G、56R;配列番号:22)、huMA79b H3-10 (98I、99R、100L;配列番号:94)、huMA79b H1-6 (28P、30T、31R、35N;配列番号:57)及びhuMA79b L2/H3 (下記のL2-2及びH3-10変異)を含むMA79b−グラフト「ヒト化」抗体変異体とを含む、選択された抗CD79b抗体のBiacore分析を示す。
MA79b−グラフト「ヒト化」抗体(「huMA79bグラフト」と表示)と、ヒトCD79bの細胞外ドメイン(huCD79b-ecd抗原)に対する、MA79b−グラフト「ヒト化」抗体変異体(第一列の1−34又は第一列の「すべてのフレームワーク」と表示)を含む、選択された抗CD79b抗体のBiacore分析を示す。MA79b−グラフト「ヒト化」抗体変異体には、潜在的に重要なマウスフレームワーク残基が存在する「すべてのフレームワーク」変異体と、表される可変軽鎖及び可変重鎖内のHVR変異の有無にかかわらず、フレームワーク突然変異組合せを有する変異体(1−34と表示)が含まれる。MA79b−グラフト「ヒト化」抗体変異体17(本明細書中では「huMA79b.v17」と称される)は第一列の17と表示され、MA79b−グラフト「ヒト化」抗体変異体18(本明細書中では「huMA79b.v18」と称される)は第一列の18と表示され、MA79b−グラフト「ヒト化」抗体変異体28(本明細書中では「huMA79b.v28」と称される)は第一列の28と表示され、MA79b−グラフト「ヒト化」抗体変異体32(本明細書中では「huMA79b.v32」と称される)は第一列の32と表示される。二価の結合倍数は、特定のMA79b−グラフト「ヒト化」抗体変異体のKd(「Kd変異体」と表示)/キメラMA79b抗体(chMA79b)のKd(「Kdキメラ」と表示)として表され、「二価の結合倍数」と表示した列の値はKd変異体/Kdキメラを表す。検出されない結合は「NDB」として図に表される。
以下のように配列識別子を用いて本発明を実施する際に使用するための、例示的なアクセプタートコンセンサスフレームワーク配列を示す(可変重鎖(VH)コンセンサスフレームワーク)。ヒトVHサブグループIコンセンサスフレームワークマイナスカバットCDR(配列番号:108)、ヒトVHサブグループIコンセンサスフレームワークマイナス伸展した高頻度可変領域(配列番号:109−111)、ヒトVHサブグループIIコンセンサスフレームワークマイナスカバットCDR(配列番号:112)、ヒトVHサブグループIIコンセンサスフレームワークマイナス伸展した高頻度可変領域(配列番号:113−115)、ヒトVHサブグループIIIコンセンサスフレームワークマイナスカバットCDR(配列番号:116)、ヒトVHサブグループIIIコンセンサスフレームワークマイナス伸展した高頻度可変領域(配列番号:117−119)、ヒトVHアクセプターフレームワークマイナスカバットCDR(配列番号:120)、ヒトVHアクセプターフレームワークマイナス伸展した高頻度可変領域(配列番号:121−122)、ヒトVHアクセプター2フレームワークマイナスカバットCDR(配列番号:123)、及びヒトVHアクセプター2フレームワークマイナス伸展した高頻度可変領域(配列番号:124−26)。
以下のように配列識別子を用いて本発明を実施する際に使用するための、例示的なアクセプターヒトコンセンサスフレームワーク配列を示す(可変軽鎖(VL)コンセンサスフレームワーク)。ヒトVLκサブグループIコンセンサスフレームワーク(配列番号:127)、ヒトVLκサブグループIIコンセンサスフレームワーク(配列番号:128)、ヒトκサブグループIIIコンセンサスフレームワーク(配列番号:129)、及びヒトκサブグループIVコンセンサスフレームワーク(配列番号:130)。
本発明の抗体(huMA79b.v17)のアミノ酸配列を示す(A:軽鎖、B:重鎖)。図15A(軽鎖)及び15B(重鎖)は、本発明の抗体(huMA79b.v17)の一実施態様のフレームワーク(FR)、高頻度変異領域(HVR)、第一定常ドメイン(CL又はCH1)及びFc領域(Fc)のアミノ酸配列を示す(配列番号:152−159(図15A)及び配列番号:160−168(図15B))。huMA79b.v17の軽鎖及び重鎖の完全長アミノ酸配列(可変及び定常領域)が示され(それぞれ配列番号:303(図15A)及び304(図15B))、定常ドメインを下線で示す。可変ドメインのアミノ酸配列が示される(配列番号:169(軽鎖について図15A)及び配列番号:170(重鎖について図15B))。
本発明の抗体(huMA79b.v18)のアミノ酸配列を示す(A:軽鎖、B:重鎖)。図16A(軽鎖)及び16B(重鎖)は、本発明の抗体(huMA79b.v18)の一実施態様のフレームワーク(FR)、高頻度変異領域(HVR)、第一定常ドメイン(CL又はCH1)及びFc領域(Fc)のアミノ酸配列を示す(配列番号:171−178(図16A)及び配列番号:179−187(図16B))。huMA79b.v18の軽鎖及び重鎖の完全長アミノ酸配列(可変及び定常領域)が示され(それぞれ配列番号:305(図16A)及び306(図16B))、定常ドメインを下線で示す。可変ドメインのアミノ酸配列が示される(配列番号:188(軽鎖について図16A)及び配列番号:189(重鎖について図16B))。
本発明の抗体(huMA79b.v28)のアミノ酸配列を示す(A:軽鎖、B:重鎖)。図17A(軽鎖)及び17B(重鎖)は、本発明の抗体(huMA79b.v28)の一実施態様のフレームワーク(FR)、高頻度変異領域(HVR)、第一定常ドメイン(CL又はCH1)及びFc領域(Fc)のアミノ酸配列を示す(配列番号:190−197(図17A)及び配列番号:198−206(図17B))。huMA79b.v28の軽鎖及び重鎖の完全長アミノ酸配列(可変及び定常領域)が示され(それぞれ配列番号:307(図17A)及び308(図17B))、定常ドメインを下線で示す。可変ドメインのアミノ酸配列が示される(配列番号:207(軽鎖について図17A)及び配列番号:208(重鎖について図17B))。
本発明の抗体(huMA79b.v32)のアミノ酸配列を示す(A:軽鎖、B:重鎖)。図18A(軽鎖)及び18B(重鎖)は、本発明の抗体(huMA79b.v32)の一実施態様のフレームワーク(FR)、高頻度変異領域(HVR)、第一定常ドメイン(CL又はCH1)及びFc領域(Fc)のアミノ酸配列を示す(配列番号:209−216(図18A)及び配列番号:217−225(図18B))。huMA79b.v32の軽鎖及び重鎖の完全長アミノ酸配列(可変及び定常領域)が示され(それぞれ配列番号:309(図18A)及び310(図18B))、定常ドメインを下線で示す。可変ドメインのアミノ酸配列が示される(配列番号:226(軽鎖について図18A)及び配列番号:227(重鎖について図18B))。
ヒト(配列番号:2)、カニクイザル(cyno)(配列番号:7)及びマウス(配列番号:8)からのCD79bのアミノ酸配列のアラインメントを示す。ヒト及びcyno-CD79bは85%のアミノ酸同一性を有する。シグナル配列、試験ペプチド(実施例1に記載のMA79b、chMA79b及び抗cyno CD79b抗体に対する11のアミノ酸エピトープ;ARSEDRYRNPK(配列番号:12))、膜貫通(TM)ドメイン及びイムノレセプターチロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)ドメインを示す。囲みで示す領域は、CD79bのスプライス変異体には存在しないCD79bの領域である(実施例1に記載)。
BJAB−ルシフェラーゼ異種移植片モデルにおけるインビボ腫瘍増殖の阻害のグラフであり、これは、ヒトB細胞腫瘍を有するSCIDマウスへの抗CD79b抗体((a) chMA79b-SMCC-DM1、薬剤負荷はおよそ2.9(表9)、(b) huMA79b L2/H3-SMCC-DM1、薬剤負荷はおよそ2.4(表9))の投与が腫瘍増殖を有意に阻害したことを示す。コントロールは、ハーセプチン(登録商標)(トラスツズマブ)-SMCC-DM1(抗HER2-SMCC-DM1)を含んだ。
Granta−519(ヒトマントル細胞リンパ腫)異種移植片モデルにおけるインビボ腫瘍増殖の阻害のグラフであり、これは、ヒトB細胞腫瘍を有するSCIDマウスへの抗CD79b抗体((a) chMA79b-SMCC-DM1、薬剤負荷はおよそ3.6(表10)、(b) huMA79b.v17-SMCC-DM1、薬剤負荷はおよそ3.4(表10)、(c) huMA79b.v28-SMCC-DM1、薬剤負荷はおよそ3.3又は3.4(表10)、(d) huMA79b.v18-SMCC-DM1、薬剤負荷はおよそ3.4(表10)、(e) huMA79b.v32-SMCC-DM1、薬剤負荷はおよそ2.9(表10))の投与が腫瘍増殖を有意に阻害したことを示す。コントロールは、ハーセプチン(登録商標)(トラスツズマブ)-SMCC-DM1(抗HER2-SMCC-DM1)を含んだ。
Granta−519異種移植片試験(図21A及び表10)からのマウスの体重変化の割合のプロットである。これは、試験開始の7日間は有意な変化がなかったことを示す。「hu」はヒト化抗体を指し、「ch」はキメラ抗体を指す。
システイン改変抗CD79b抗体薬剤コンジュゲート(ADC)を描写する。ここでは、軽鎖(LC-ADC);重鎖(HC-ADC);及びFc領域(Fc-ADC)内の改変システイン基に薬剤成分が付着されている。
(i)還元剤TCEP(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンヒドロクロライド)による、システイン改変抗CD79b抗体(ThioMab)の鎖内及び鎖間のジスルフィドとシステインジスルフィド付加物還元する、(ii) dhAA(デヒドロアスコルビン酸)により部分的に酸化させる、すなわち、再酸化させて鎖内及び鎖間のジスルフィドを再形成させる、そして、(iii) 再酸化させた抗体を薬剤−リンカー中間生成物とコンジュゲートさせ、システイン抗CD79b薬剤コンジュゲート(ADC)を形成させる、という工程を示す。
ヒト化システイン改変抗CD79b抗体(thio−huMA79b.v17-HC-A118C)の(A)軽鎖配列(配列番号:229)及び(B)重鎖配列(配列番号:228)を示す。ここでは、重鎖のEu位置118のアラニン(連続的な位置アラニン118;カバット位置114)はシステインに変えられている。薬剤成分は、重鎖の改変されたシステイン基に付着されてもよい。各々の図において、変えられたアミノ酸は、二重下線と共に太字で示す。一重下線は定常領域を示す。可変領域は下線を付していない領域である。Fc領域は斜体で示す。「Thio」はシステイン改変抗体を指し、「hu」はヒト化抗体を指す。
ヒト化システイン改変抗CD79b抗体(thio−huMA79b.v18-HC-A118C)の(A)軽鎖配列(配列番号:231)及び(B)重鎖配列(配列番号:230)を示す。ここでは、重鎖のEu位置118のアラニン(連続的な位置アラニン118;カバット位置114)はシステインに変えられている。薬剤成分は、重鎖の改変されたシステイン基に付着されてもよい。各々の図において、変えられたアミノ酸は、二重下線と共に太字で示す。一重下線は定常領域を示す。可変領域は下線を付していない領域である。Fc領域は斜体で示す。「Thio」はシステイン改変抗体を指し、「hu」はヒト化抗体を指す。
ヒト化システイン改変抗CD79b抗体(thio−huMA79b.v28-HC-A118C)の(A)軽鎖配列(配列番号:233)及び(B)重鎖配列(配列番号:232)を示す。ここでは、重鎖のEu位置118のアラニン(連続的な位置アラニン118;カバット位置114)はシステインに変えられている。薬剤成分は、重鎖の改変されたシステイン基に付着されてもよい。各々の図において、変えられたアミノ酸は、二重下線と共に太字で示す。一重下線は定常領域を示す。可変領域は下線を付していない領域である。Fc領域は斜体で示す。「Thio」はシステイン改変抗体を指し、「hu」はヒト化抗体を指す。
システイン改変抗CD79b抗体(thio−MA79b-LC-V205C)の(A)軽鎖配列(配列番号:235)及び(B)重鎖配列(配列番号:234)を示す。ここでは、軽鎖のカバット位置205のバリン(連続的な位置バリン209)はシステインに変えられている。薬剤成分は、軽鎖の改変されたシステイン基に付着されてもよい。各々の図において、変えられたアミノ酸は、二重下線と共に太字で示す。一重下線は定常領域を示す。可変領域は下線を付していない領域である。Fc領域は斜体で示す。「Thio」はシステイン改変抗体を指す。
システイン改変抗CD79b抗体(thio−MA79b-HC-A118C)の(A)軽鎖配列(配列番号:237)及び(B)重鎖配列(配列番号:236)を示す。ここでは、重鎖のEu位置118のアラニン(連続的な位置アラニン118;カバット位置114)はシステインに変えられている。薬剤成分は、重鎖の改変されたシステイン基に付着されてもよい。各々の図において、変えられたアミノ酸は、二重下線と共に太字で示す。一重下線は定常領域を示す。可変領域は下線を付していない領域である。Fc領域は斜体で示す。「Thio」はシステイン改変抗体を指す。
FACSプロット。これは、BJAB-ルシフェラーゼ細胞の表面に発現されるCD79bに対する本発明の抗CD79b thioMAb薬剤コンジュゲート(TDC)の結合が、コンジュゲートされたMMAFを有するchMA79bの(A) LC(V205C) thioMAb変異体及び(B) HC(A118C) thioMAb変異体と同程度であることを示す。MS抗ヒトIgG−PEにより検出した。「Thio」はシステイン改変抗体を指す。
FACSプロット。これは、BJAB-ルシフェラーゼ細胞の表面に発現されるCD79bに対する本発明の抗CD79b thioMAb薬剤コンジュゲート(TDC)の結合が、(A)huMA79b.v18のネイキッド(コンジュゲートされていない)HC (A118C) thioMAb変異体、及び示される異なる薬剤コンジュゲート((B) MMAF、(C) MMAE及び(D) DM1)を有するhuMA79b.v18のコンジュゲートされたHC (A118C) thioMAb変異体と同程度であることを示す。MS抗ヒトIgG−PEにより検出した。「Thio」はシステイン改変抗体を指し、「hu」はヒト化抗体を指す。
FACSプロット。これは、BJAB-ルシフェラーゼ細胞の表面に発現されるCD79bに対する本発明の抗CD79b thioMAb薬剤コンジュゲート(TDC)の結合が、(A)huMA79b.v28のネイキッド(コンジュゲートされていない)HC (A118C) thioMAb変異体、及び示される異なる薬剤コンジュゲート((B) MMAE、(C) DM1及び(D) MMAF)を有するhuMA79b.v28のコンジュゲートされたHC (A118C) thioMAb変異体と同程度であることを示す。MS抗ヒト−PEにより検出した。「Thio」はシステイン改変抗体を指し、「hu」はヒト化抗体を指す。
FACSプロット。これは、cynoCD79bを発現するBJAB-細胞の表面に発現されるCD79bに対する本発明の抗cynoCD79b thioMAb薬剤コンジュゲート(TDC)の結合が、(A)抗cynoCD79b(ch10D10)のネイキッド(コンジュゲートされていない)HC (A118C) thioMAb変異体、及び示される異なる薬剤コンジュゲート((B) MMAE、(C) DM1及び(D) MMAF)を有する抗cynoCD79b(ch10D10)のコンジュゲートされたHC (A118C) thioMAb変異体と同程度であることを示す。MS抗huIgG−PEにより検出した。「Thio」はシステイン改変抗体を指す。
Granta−519(ヒトマントル細胞リンパ腫)異種移植片モデルにおけるインビボ腫瘍増殖の阻害のグラフである。これは、ヒトB細胞腫瘍を有するSCIDマウスに対する、改変したシステインの位置が異なる(LC(V205C)又はHC(A118C))及び/又は薬剤用量が異なる抗CD79b TDCの投与が、腫瘍増殖を有意に阻害したことを示す。thio chMA79b−HC(A118C)-MC−MMAF、薬剤負荷はおよそ1.9(表11)又はthio chMA79b−LC(V205C)-MC−MMAF、薬剤負荷はおよそ1.8(表11)にて処置した異種移植片モデルは、試験の間、腫瘍増殖の有意な阻害を示した。コントロールは、hu−抗HER2−MC−MMAF及びthio hu−抗HER2−HC(A118C)-MC−MMAF及びchMA79b−MC−MMAFを含んだ。
Granta−519異種移植片試験(図33A及び表11)からのマウスの体重変化の割合のプロットである。これは、試験開始の14日間に体重の有意な変化がなかったことを示す。「Thio」はシステイン改変抗体を指し、「hu」はヒト化抗体を指す。
BJAB−ルシフェラーゼ(バーキットリンパ腫)異種移植片モデルにおけるインビボ腫瘍増殖の阻害のグラフである。これは、ヒトB細胞腫瘍を有するSCIDマウスに対する、異なるリンカー薬剤成分(MCvcPAB−MMAE、BMPEO-DM1又はMC-MMAF)にコンジュゲートさせた抗CD79b TDCの投与が腫瘍増殖を有意に阻害したことを示す。thio huMA79b.v28−HC(A118C)-MCvcPAB-MMAE、薬剤負荷はおよそ1.87(表12)、thio huMA79b.v28−HC(A118C)-BMPEO-DM1、薬剤負荷はおよそ1.85(表12)、又はthio huMA79b.v28−HC(A118C)-MC−MMAF、薬剤負荷はおよそ1.95(表12)にて処置した異種移植片モデルは、試験の間、腫瘍増殖の有意な阻害を示した。コントロールは、抗HER2コントロール(thio hu−抗HER2−HC(A118C)-BMPEO-DM1、thio hu−抗HER2−HC(A118C)-MC−MMAF、thio hu−抗HER2−HC(A118C)-MCvcPAB-MMAE)、huMA79b.v28コントロール(huMA79b.v28-SMCC-DM1及びthio huMA79b.v28-HC(A118C))及び抗CD22コントロール(thio hu−抗CD22(10F4v3)-HC(A118C)-MC−MMAF)を含んだ。
BJAB−ルシフェラーゼ異種移植片試験(図34A及び表12)からのマウスの体重変化の割合のプロットである。これは、試験開始の7日間に体重の有意な変化がなかったことを示す。「Thio」はシステイン改変抗体を指し、「hu」はヒト化抗体を指す。
WSU-DLCL2(びまん性大細胞型リンパ腫)異種移植片モデルにおけるインビボ腫瘍増殖の阻害のグラフである。これは、ヒトB細胞腫瘍を有するSCIDマウスに対する、異なるリンカー薬剤成分(MCvcPAB−MMAE、BMPEO-DM1又はMC-MMAF)にコンジュゲートさせた抗CD79b TDCの投与が腫瘍増殖を有意に阻害したことを示す。thio huMA79b.v28−HC(A118C)-MCvcPAB-MMAE、薬剤負荷はおよそ1.87(表13)、thio huMA79b.v28−HC(A118C)-BMPEO-DM1、薬剤負荷はおよそ1.85(表13)、又はthio huMA79b.v28−HC(A118C)-MC−MMAF、薬剤負荷はおよそ1.95(表13)にて処置した異種移植片モデルは、試験の間、腫瘍増殖の有意な阻害を示した。コントロールは、抗HER2コントロール(thio hu−抗HER2−HC(A118C)-BMPEO-DM1、thio hu−抗HER2−HC(A118C)-MC−MMAF、thio hu−抗HER2−HC(A118C)-MCvcPAB-MMAE)、huMA79b.v28コントロール(huMA79b.v28-SMCC-DM1及びthio huMA79b.v28-HC(A118C))及び抗CD22コントロール(thio hu−抗CD22(10F4v3)-HC(A118C)-MC−MMAF)を含んだ。
WSU-DLCL2異種移植片試験(図35A及び表13)からのマウスの体重変化の割合のプロットである。これは、試験開始の7日間に体重の有意な変化がなかったことを示す。「Thio」はシステイン改変抗体を指し、「hu」はヒト化抗体を指す。
DOHH2(濾胞性リンパ腫)異種移植片モデルにおけるインビボ腫瘍増殖の阻害のグラフである。これは、ヒトB細胞腫瘍を有するSCIDマウスに対する、異なるリンカー薬剤成分(BMPEO-DM1、MC-MMAF又はMCvcPAB−MMAE)にコンジュゲートさせた抗CD79b TDCの投与が腫瘍増殖を有意に阻害したことを示す。thio huMA79b.v28-BMPEO-DM1(薬剤負荷はおよそ1.85(表14))、thio huMA79b.v28−MC−MMAF(薬剤負荷はおよそ1.95(表14))又はthio MA79b−HC(A118C)-MCvcPAB-MMAE(薬剤負荷はおよそ1.87(表14))にて処置した異種移植片モデルは、試験の間、腫瘍増殖の有意な阻害を示した。コントロールは、抗HER2コントロール(thio hu−抗HER2−HC(A118C)-BMPEO-DM1、thio hu−抗HER2−HC(A118C)-MC−MMAF、thio hu−抗HER2−HC(A118C)-MCvcPAB-MMAE)、huMA79b.v28コントロール(huMA79b.v28-SMCC-DM1及びthio huMA79b.v28-HC(A118C))及び抗CD22コントロール(thio hu−抗CD22(10F4v3)-HC(A118C)-MC−MMAF)を含んだ。「Thio」はシステイン改変抗体を指し、「hu」はヒト化抗体を指す。
BJAB-ルシフェラーゼ(バーキットリンパ腫)異種移植片モデルにおけるインビボ腫瘍増殖の阻害のグラフである。これは、ヒトB細胞腫瘍を有するSCIDマウスに対する、異なるリンカー薬剤成分(MCvcPAB−MMAE、BMPEO-DM1又はMC-MMAF)にコンジュゲートさせた、及び/又は異なる用量で投与した抗CD79b TDCの投与が腫瘍増殖を有意に阻害したことを示す。thio huMA79b.v28−HC(A118C)-BMPEO-DM1、薬剤負荷はおよそ1.85(表15)、thio huMA79b.v28−HC(A118C)-MCvcPAB-MMAE、薬剤負荷はおよそ1.9(表15)、又はthio huMA79b.v28−HC(A118C)-MC−MMAF、薬剤負荷はおよそ1.9(表15)にて処置した異種移植片モデルは、試験の間、腫瘍増殖の有意な阻害を示した。コントロールは、ベヒクル(バッファ単独)、抗HER2コントロール(thio hu−抗HER2−HC(A118C)-BMPEO-DM1、thio hu−抗HER2−HC(A118C)-MC−MMAF、thio hu−抗HER2−HC(A118C)-MCvcPAB-MMAE)、huMA79b.v28コントロール(thio huMA79b.v28-HC(A118C))及び抗CD22コントロール(thio hu−抗CD22(10F4v3)-HC(A118C)-MC−MMAF)を含んだ。「Thio」はシステイン改変抗体を指し、「hu」はヒト化抗体を指す。
Granta−619(ヒトマントル細胞リンパ腫)異種移植片モデルにおけるインビボ腫瘍増殖の阻害のグラフである。これは、ヒトB細胞腫瘍を有するSCIDマウスに対する、異なるリンカー薬剤成分(BMPEO-DM1又はMC-MMAF)にコンジュゲートさせた、及び/又は示すような異なる用量で投与した抗CD79b TDCの投与が腫瘍増殖を有意に阻害したことを示す。thio huMA79b.v28−HC(A118C)-BMPEO-DM1、薬剤負荷はおよそ1.85(表16)、又はthio huMA79b.v28−HC(A118C)-MC−MMAF、薬剤負荷はおよそ1.95(表16)にて処置した異種移植片モデルは、試験の間、腫瘍増殖の有意な阻害を示した。コントロールは、抗HER2コントロール(thio hu−抗HER2−HC(A118C)-BMPEO-DM1、thio hu−抗HER2−HC(A118C)-MC−MMAF)を含んだ。
Granta−519異種移植片試験(図38A及び表16)からのマウスの体重変化の割合のプロットである。これは、試験開始の14日間に体重の有意な変化がなかったことを示す。「Thio」はシステイン改変抗体を指し、「hu」はヒト化抗体を指す。
WSU-DLCL2(びまん性大細胞型リンパ腫)異種移植片モデルにおけるインビボ腫瘍増殖の阻害のグラフである。これは、ヒトB細胞腫瘍を有するSCIDマウスに対する、異なるリンカー薬剤成分(BMPEO-DM1、MC-MMAF又はMCvcPAB-MMAE)にコンジュゲートさせた、及び/又は示すような異なる用量で投与した抗CD79b TDCの投与が腫瘍増殖を有意に阻害したことを示す。thio huMA79b.v28−HC(A118C)-BMPEO-DM1、薬剤負荷はおよそ1.85(表17)、thio huMA79b.v28−HC(A118C)-MC−MMAF、薬剤負荷はおよそ1.9(表17)又はthio huMA79b.v28−HC(A118C)-MCvcPAB-MMAE、薬剤負荷はおよそ1.9(表17)にて処置した異種移植片モデルは、試験の間、腫瘍増殖の有意な阻害を示した。コントロールは、ベヒクル(バッファ単独)及び抗HER2コントロール(thio hu−抗HER2−HC(A118C)-BMPEO-DM1、thio hu−抗HER2−HC(A118C)-MC−MMAF、thio hu−抗HER2−HC(A118C)-MCvcPAB-MMAE)を含んだ。「Thio」はシステイン改変抗体を指し、「hu」はヒト化抗体を指す。
Granta−519(ヒトマントル細胞リンパ腫)異種移植片モデルにおけるインビボ腫瘍増殖の阻害のグラフである。これは、ヒトB細胞腫瘍を有するSCIDマウスに対する、異なるリンカー薬剤成分(BMPEO-DM1又はMCvcPAB-MMAE)にコンジュゲートさせた、及び/又は示すような異なる用量で投与した抗CD79b TDCの投与が腫瘍増殖を有意に阻害したことを示す。thio huMA79b.v28−HC(A118C)-BMPEO-DM1、薬剤負荷はおよそ1.85(表18)又はthio huMA79b.v28−HC(A118C)-MCvcPAB-MMAE、薬剤負荷はおよそ1.87(表18)にて処置した異種移植片モデルは、試験の間、腫瘍増殖の有意な阻害を示した。コントロールは、抗HER2コントロール(thio hu−抗HER2−HC(A118C)-BMPEO-DM1、thio hu−抗HER2−HC(A118C)-MCvcPAB-MMAE)を含んだ。「Thio」はシステイン改変抗体を指し、「hu」はヒト化抗体を指す。
(1)コントロールthio hu 抗gD−HC(A118C)-MCvcPAB-MMAE、2.0のMMAE/Ab負荷、(2)コントロールthio hu 抗gD−HC(A118C)-MC−MMAF、2.1のMMAF/Ab負荷、(3)コントロールthio hu 抗gD−HC(A118C)-BMPEO-DM1、2.1のDM1/Ab負荷、(4)thio huMA79b.v18−HC(A118C)-MC−MMAF、1.91のMMAF/Ab負荷、(5)thio huMA79b.v18−HC(A118C)-BMPEO-DM1、1.8のDM1/Ab負荷、及び(6)thio huMA79b.v28−HC(A118C)-MCvcPAB-MMAE、2.0のMMAE/Ab負荷を含む、1mlにつき異なる濃度0.001〜10000ngのTDCにて処置した、(A)BJAB、(B)Granta−519又は(C)WSU−DLCL2腫瘍細胞による、インビトロ細胞増殖アッセイ結果のプロットを示す。「Thio」はシステイン改変抗体を指し、「hu」はヒト化抗体を指す。「gD」は糖タンパク質Dを指す。
PRO283627 cDNAのヌクレオチド配列(配列番号:238)を示す。ここでは、配列番号:235は「DNA548455」(本明細書中では「cyno CD79b」とも称される)と称されるクローンである。ヌクレオチド配列はカニクイザルCD79bをコードし、その開始コドンと停止コドンを太字と下線で示す。
図42に示される配列番号:235のコード配列から得られるアミノ酸配列(配列番号:239)を示す。
抗cyno CD79b抗体(ch10D10)の軽鎖のヌクレオチド配列(配列番号:240)を示す。ヌクレオチド配列は、抗cyno CD79b抗体(ch10D10)の軽鎖をコードし、その開始コドンと停止コドンを太字と下線で示す。
図44に示される配列番号:240のコード配列から得られるアミノ酸配列(配列番号:241)を示す(初めの18のアミノ酸シグナル配列を欠く)。可変領域(配列番号:302)は下線を付していない領域である。
抗cyno CD79b抗体(ch10D10)の重鎖のヌクレオチド配列(配列番号:242)を示す。ヌクレオチド配列は、抗cyno CD79b抗体(ch10D10)の重鎖をコードし、その開始コドンと停止コドンを太字と下線で示す。
図46に示される配列番号:242のコード配列から得られるアミノ酸配列(配列番号:243)を示す(初めの18のアミノ酸シグナル配列と停止コドン前の最後のリジン(K)を欠く)。可変領域(配列番号:301)は下線を付していない領域である。
システイン改変抗cyno CD79b抗体(Thio−抗cyno CD79b-HC-A118C)の(A)軽鎖配列(配列番号:245)及び(B)重鎖配列(配列番号:244)を示す。ここでは、重鎖のEu位置118のアラニン(連続的な位置アラニン118;カバット位置114)はシステインに変えられている。あるいは、重鎖のEU位置6のアミノ酸D(図の影を付した部分)はEであってもよい。薬剤成分は、重鎖の改変されたシステイン基に付着されてもよい。各々の図において、変えられたアミノ酸は、二重下線と共に太字で示す。一重下線は定常領域を示す。可変領域は下線を付していない領域である。Fc領域は斜体で示す。「thio 」はシステイン改変抗体を指す。
システイン改変抗cyno CD79b抗体(Thio−抗cyno CD79b-LC-V205C)の(A)軽鎖配列(配列番号:300)及び(B)重鎖配列(配列番号:299)を示す。ここでは、軽鎖のカバット位置205のバリン(連続的な位置バリン209)はシステインに変えられている。あるいは、重鎖のEU位置6のアミノ酸D(図の影を付した部分)はEであってもよい。薬剤成分は、重鎖の改変されたシステイン基に付着されてもよい。各々の図において、変えられたアミノ酸は、二重下線と共に太字で示す。一重下線は定常領域を示す。可変領域は下線を付していない領域である。Fc領域は斜体で示す。「thio 」はシステイン改変抗体を指す。
BJAB−cynoCD79b(cynoCD79bを発現するBJAB細胞)(バーキットリンパ腫)異種移植片モデルにおけるインビボ腫瘍増殖の阻害のグラフである。これは、ヒトB細胞腫瘍を有するSCIDマウスに対する、異なるリンカー薬剤成分(BMPEO-DM1、MC-MMAF又はMCvcPAB−MMAE)にコンジュゲートさせた抗CD79b TDCの投与が腫瘍増殖を有意に阻害したことを示す。thio huMA79b.v28−HC(A118C)-BMPEO-DM1、薬剤負荷はおよそ1.85(表19)、thio huMA79b.v28−HC(A118C)-MC−MMAF、薬剤負荷はおよそ1.9(表19)、又はthio huMA79b.v28−HC(A118C)-MCvcPAB-MMAE、薬剤負荷はおよそ1.9(表19)、thio 抗cyno CD79b(ch10D10)-HC(A118C)-BMPEO-DM1、薬剤負荷はおよそ1.8(表19)、thio 抗cyno CD79b(ch10D10)-HC(A118C)-MC−MMAF、薬剤負荷はおよそ1.9(表19)又はthio 抗cyno CD79b(ch10D10)-HC(A118C)-MCvcPAB-MMAE、薬剤負荷はおよそ1.86(表19)にて処置した異種移植片モデルは、試験の間、腫瘍増殖の有意な阻害を示した。コントロールは、抗HER2コントロール(thio hu−抗HER2−HC(A118C)-BMPEO-DM1、thio hu−抗HER2−HC(A118C)-MCvcPAB-MMAE、thio hu−抗HER2−HC(A118C)-MC−MMAF)を含んだ。「thio 」はシステイン改変抗体を指し、「hu」はヒト化抗体を指す。
BJAB−cynoCD79b(cynoCD79bを発現するBJAB細胞)(バーキットリンパ腫)異種移植片モデルにおけるインビボ腫瘍増殖の阻害のグラフである。これは、ヒトB細胞腫瘍を有するSCIDマウスに対する、示されるように異なる用量で投与したBMPEO-DM1リンカー薬剤成分を有する抗CD79b TDCの投与が腫瘍増殖を有意に阻害したことを示す。thio huMA79b.v28−HC(A118C)-BMPEO-DM1、薬剤負荷はおよそ1.85(表20)又はthio 抗cyno(ch10D10)-HC(A118C)-BMPEO-DM1、薬剤負荷はおよそ1.8(表20)にて処置された異種移植片モデルは、試験の間、腫瘍増殖の有意な阻害を示した。コントロールは、抗HER2コントロール(thio hu−抗HER2−HC(A118C)-BMPEO-DM1)及びhuMA79b.v28コントロール(thio huMA79b.v28-HC(A118C)及び抗cynoCD79b(ch10D10)コントロール(thio 抗cynoCD79b(ch10D10)-HC(A118C))を含む。「thio 」はシステイン改変抗体を指し、「hu」はヒト化抗体を指す。

0025

(好ましい実施態様の詳細な説明)
本発明は、哺乳動物の造血系腫瘍の治療に有用な組成物を同定するための、方法、組成物、キット及び製造品、そして同目的のための組成物の使用方法を提供する。
これらの方法、組成物、キット及び製造品の詳細は本明細書中に示される。

0026

I. 一般的な技術
本発明の実施は、特に明記しない限り、当業者技術範囲内の分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学細胞生物学生化学及び免疫学の従来技術を使用して行う。このような技術は、例えば以下のような文献に完全に明記されている。「Molecular Cloning: A Laboratory Manual, second edition」 (Sambrook et al., 1989);「Oligonucleotide Synthesis」(M. J. Gait, ed., 1984);「Animal Cell Culture」(R. I. Freshney, ed., 1987);「Methodsin Enzymology」(Academic Press, Inc.);「Current Protocols in Molecular Biology」(F. M. Ausubel et al., eds., 1987, and periodic updates);「PCR: The Polymerase Chain Reaction」(Mullis et al., ed., 1994);「A Practical Guide to Molecular Cloning」(Perbal Bernard V., 1988);「Phage Display: A Laboratory Manual」(Barbas et al., 2001)。

0027

II.定義
本出願を理解するために、以下の定義を適用し、必要な場合はいつでも、単数で使用した用語には複数形も含まれ、その逆もそうである。以下に示すいずれかの定義が出典明記によって本明細書中に援用されるいずれかの文献と矛盾する場合、以下の定義を調節してもよい。

0028

ここで「B細胞表面上マーカー」又は「B細胞表面上抗原」とは、B細胞の表面上に発現する抗原であり、それを結合するアンタゴニスト、例えば限定するものではないが、天然に生じるB細胞抗原へのリガンドの結合をアンタゴナイズすることができるB細胞表面抗原ないしB細胞表面抗原の可溶型に対する抗体の標的となることができるものである。例示的B細胞表面上マーカーには、CD10、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD24、CD37、CD40、CD53、CD72、CD73、CD74、CDw75、CDw76、CD77、CDw78、CD79a、CD79b、CD80、CD81、CD82、CD83、CDw84、CD85及びCD86白血球表面上マーカーが含まれる。(詳しくは、The Leukocyte Antigen Facts Book, 2nd Edition. 1997, Barclay等編集, Academic Press, Harcourt Brace & Co., New Yorkを参照)。他のB細胞表面上マーカーには、RP105、FcRH2、B細胞CR2、CCR6、P2X5、HLA-DOB、CXCR5、FCER2、BR3、BAFF、BLyS、Btig、NAG14、SLGC16270、FcRH1、IRTA2、ATWD578、FcRH3、IRTA1、FcRH6、BCMA、及び239287などがある。特に対象とするB細胞表面上マーカーは、哺乳動物の他の非B細胞組織と比較してB細胞上に主にに発現しており、B細胞前駆細胞及び成熟B細胞の両方の細胞上に発現していてもよい。

0029

特に明記しない限り、本明細書において用いられる「CD79b」なる用語は、霊長類(例えばヒト、カニクイザル(cyno))及び齧歯動物(例えばマウス及びラット)のような哺乳動物を含む任意の脊椎動物供与源からの任意の天然のCD79bに関する。また、CD79bは、本明細書中で「PRO36249」(配列番号:2)と称され、本明細書中で「DNA225786」としても称されるヌクレオチド配列(配列番号:1)によってコードされる。また、カニクイザルCD79bは、本明細書中で「cynoCD79b」又は「PRO283627」(配列番号:239)と称され、本明細書中で「DNA548455」としても称されるヌクレオチド配列(配列番号:238)によってコードされる。「CD79b」なる用語は、「完全長」、プロセシングされていないCD79b、並びに細胞内のプロセシングから生じるCD79bのいずれかの形態を包含する。また、この用語は、CD79bの天然に生じる変異体、例えばスプライス変異体、対立遺伝子変異体及びアイソフォームを包含する。本明細書において記述されるCD79bポリペプチドは、ヒト組織種ないしは他の供給源のような、様々な供与源から単離されてもよいし、又は組み換え法又は合成法によって調製されてもよい。「天然配列CD79bポリペプチド」は、天然由来の対応するCD79bポリペプチドと同じアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。このような天然配列CD79bポリペプチドは、自然から単離されてもよいし、又は組み換え手段又は合成手段によって生産されてもよい。「天然配列CD79bポリペプチド」なる用語は、特に、特定のCD79bポリペプチドの自然に生じる切断形態又は分泌形態(例えば、細胞外ドメイン配列)、自然に生じる変異形態(例えば、選択的にスプライシングされた形態)及びそのポリペプチドの自然に生じる対立遺伝子変異体を包含する。本発明の特定の実施態様では、本明細書において開示される天然配列CD79bポリペプチドは、添付図に示される完全長アミノ酸配列を含む成熟又は完全長の天然配列ポリペプチドである。開始及び停止コドン(示されているならば)は、図において太字及び下線で示した。添付図に「N」で示した核酸残基は、任意の核酸残基である。しかし、添付図に開示したCD79bポリペプチドは、図面においてアミノ酸位置1としてここに表示されたメチオニン残基で始まるように示されているが、図面におけるアミノ酸位置1の上流又は下流に位置する他のメチオニン残基をCD79bポリペプチドの開始アミノ酸残基として用いることも考えられるし、可能でもある。

0030

「MA79b」又は「マウスCD79b抗体」又は「マウス抗CD79b抗体」は、特に、マウス抗CD79bモノクローナル抗体が配列番号:10(図7A-B)の軽鎖可変ドメインと配列番号:14(図8A-B)の重鎖可変ドメインとを含む、マウス抗CD79bモノクローナル抗体を指すために用いられる。マウス抗CD79bモノクローナル抗体は、Biomeda(抗ヒトCD79b抗体;FosterCity, CA)、BDbioscience(抗ヒトCD79b抗体;San Diego, CA)又はAncell(抗ヒトCD79b抗体;Bayport, MN)のような商業的な供与源から購入されてもよいし、又は1993年7月20日にアメリカ培養細胞保存機関(ATCC)に寄託番号HB11413で寄託されたハイブリドーマクローン3A2-2E7ATCCから生成されてもよい。

0031

「chMA79b」又は「キメラMA79b抗体」は、特に、キメラ抗CD79b抗体が配列番号:4(図4)の軽鎖を含むキメラ抗ヒトCD79b抗体(2006年8月3日に出願の米国特許出願第11/462336号に既に記載される)を指すために本明細書中で用いられる。配列番号:4の軽鎖は、配列番号:10(図7A−B)の可変ドメインとヒトIgG1の軽鎖定常ドメインを更に含む。キメラ抗CD79b抗体は、配列番号:6(図6)の重鎖を更に含む。配列番号:6の重鎖は、配列番号:14(図8A−B)の可変ドメインとヒトIgG1の重鎖定常ドメインを更に含む。

0032

「抗cynoCD79b」又は「抗cyno CD79b」は、cynoCD79b(図43の配列番号:239)に結合する抗体(2006年8月3日に出願の米国特許出願第11/462336号に既に記載される)を指すために本明細書中で用いられる。「抗cynoCD79b(ch10D10)」又は「ch10D10」は、cynoCD79b(図43の配列番号:239)に結合するキメラ抗cynoCD79b(2006年8月3日に出願の米国特許出願第11/462336号に既に記載される)を指すために本明細書中で用いられる。抗cynoCD79b(ch10D10)又はch10D10は、配列番号:241(図45)の軽鎖を含むキメラ抗cynoCD79b抗体である。抗cynoCD79b(ch10D10)又はch10D10は、配列番号:243(図47)の重鎖を更に含む。

0033

「MA79b−グラフト」又は「MA79b−グラフト『ヒト化』抗体」又は「huMA79bグラフト」は、特に、R71A、N73T及びL78Aを有するヒトサブグループIIIコンセンサスVH(huIII)及びアクセプターヒトコンセンサスVLκI(huKI)に、マウス抗CD79b抗体(MA79b)からの高頻度可変領域を移植することによって生成されるグラフトを指すために本明細書中で用いられる(Carter et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:4285 (1992))(実施例1A及び図7(配列番号:11)及び8(配列番号:15)を参照)。

0034

本明細書で用いるアミノ酸残基/位置の「修飾」とは、開始アミノ酸配列と比較した場合の初性のアミノ酸配列の変化であって、該アミノ酸残基/位置を伴う配列変異から生じる変化を意味する。例えば、典型的な修飾には、ある残基の(又は該位置での)他のアミノ酸への弛緩(例えば保存的置換又は非保存的置換)、該残基/位置に近接する一又は複数(一般的には5ないし3より少ない)のアミノ酸の挿入、及び該残基/位置の欠損などがある。「アミノ酸置換」又はその変異とは、予定される(開始)アミノ酸配列中に存在するアミノ酸残基の異なるアミノ酸残基への置換を意味する。一般的に及び好ましくは、前記修飾によって、開始(又は「野生型」)アミノ酸配列を含有してなるポリペプチドと比較して、変異体ポリペプチドの少なくとも一の物理生化学的な活性に変異が生じる。例えばある抗体の場合、変更された物理生化学的活性は結合親和性結合能及び/又は標的分子に対する結合効果でありうる。

0035

「抗体」なる用語は、最も広義に使用され、例えば、単一抗CD79bモノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、中和抗体、完全長又はインタクトなモノクローナル抗体を含む)、多エピトープ性特異性を有する抗CD79b抗体組成物、ポリクローナル抗体、多価抗体、少なくとも2つのインタクト抗体から形成される多重特異性抗体(例えば所望の生物学的活性を表す限りの二重特異性抗体)、単鎖抗CD79b抗体、及び抗CD79b抗体の断片(以下を参照)、例えば所望の生物学的活性又は免疫学的活性を表す限りFab、Fab'、F(ab')2及びFv断片、ダイアボディ(diabodies)、単一ドメイン抗体(sdAb)、を具体的に包含する。「イムノグロブリン」(Ig)なる用語は、本明細書において抗体と交換可能で使われる。抗体はヒト、ヒト化及び/また親和性成熟したものであってもよい。

0036

「抗CD79b抗体」又は「CD79bに結合する抗体」なる用語は、抗体がCD79bをターゲティングする際の診断用及び/又は治療用薬剤として有用である程度十分な親和性を有してCD79bを結合することができる抗体を指す。好ましくは、関連していない非CD79bタンパク質への抗CD79b抗体の結合の程度は、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定されるように、CD79bへの抗体の結合のおよそ10%未満である。ある実施態様では、CD79bに結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、1nM以下、又は0.1nM以下の解離定数(Kd)を有する。ある実施態様では、抗CD79b抗体は、異なる種からのCD79bの中で保存されるCD79bのエピトープに結合する。

0037

「単離された抗体」とは、その自然環境の成分から同定され分離され及び/又は回収されたものを意味する。その自然環境の汚染成分とは、抗体の治療への使用を妨害する物質であり、酵素ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質溶質が含まれてもよい。好ましい実施態様では、抗体は、(1)ローリー(Lowry)法によって定量して95重量%以上の、最も好ましくは99重量%以上の抗体まで、(2)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも15のN末端あるいは内部アミノ酸配列の残基を得るのに充分な程度まで、あるいは(3)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた還元又は非還元条件下でのSDS-PAGEによる均一性まで精製される。単離された抗体には、組換え体細胞内のインサイツの抗体が含まれるが、これは抗体の自然環境の少なくとも一つの成分が存在しないからである。しかしながら、通常は、単離された抗体は少なくとも一つの精製工程により調製される。

0038

基本的な4-鎖抗体ユニットは2つの同一の軽(L)鎖と2つの同一の重(H)鎖から構成されるヘテロ四量体糖タンパクである(IgM抗体は、基本的なヘテロ四量体ユニットとそれに付随するJ鎖と称される付加的なポリペプチドの5つからなり、よって10の抗原結合部位を有するが、分泌されたIgA抗体重合して、基本的4-鎖ユニットとそれ付随するJ鎖のうち2-5つを含む多価集合を形成可能である)。IgGの場合、4-鎖ユニットは一般的に約150000ダルトンである。それぞれのL鎖は1つの共有ジスルフィド結合によってH鎖に結合するが、2つのH鎖はH鎖のアイソタイプに応じて一又は複数のジスルフィド結合により互いに結合している。それぞれのH及びL鎖はまた規則的な間隔を持った鎖内ジスルフィド結合を持つ。それぞれのH鎖は、α及びγ鎖の各々に対しては3つの定常ドメイン(CH)が、μ及びεアイソタイプに対しては4つのCHドメインが続く可変ドメイン(VH)をN末端に有する。それぞれのL鎖は、その他端に定常ドメイン(CL)が続く可変ドメイン(VL)をN末端に有する。VLはVHと整列し、CLは重鎖の第一定常ドメイン(CH1)と整列している。特定のアミノ酸残基が、軽鎖及び重鎖可変ドメイン間の界面を形成すると考えられている。VLとVHは共同して対になって、単一の抗原結合部位を形成する。異なるクラスの抗体の構造及び特性は、例えばBasic and Clinical Immunology, 8版, Daniel P. Stites, Abba I. Terr and Tristram G. Parslow(編), Appleton & Lange, Norwalk, CT, 1994, 71頁及び6章を参照のこと。

0039

任意の脊椎動物種からのL鎖には、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ及びラムダと呼ばれる2つの明確に区別される型の一つを割り当てることができる。また、その重鎖の定常ドメイン(CH)のアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンには異なったクラス又はアイソタイプを割り当てることができる。IgAIgDIgE、IgG及びIgMという免疫グロブリンの5つの主要なクラスがあり、それぞれα、δ、ε、γ及びμと呼ばれる重鎖を有する。さらにγ及びαのクラスは、CH配列及び機能等の比較的小さな差異に基づいてサブクラスに分割され、例えば、ヒトにおいては次のサブクラス:IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2が発現する。

0040

抗体の「可変領域」又は「可変ドメイン」は、抗体の重鎖又は軽鎖のアミノ末端ドメインを指す。重鎖の可変ドメインは「VH」と称されうる。軽鎖の可変ドメインは「VL」と称されうる。これらのドメインは一般に、抗体の最も可変部分であり、抗原結合部位を含む。
「可変」という用語は、可変ドメインのある部分が抗体の間で配列が広範囲に異なることを意味する。Vドメインは抗原結合性を媒介し、その特定の抗原に対する特定の抗体の特異性を定める。しかし、可変性は可変ドメインの110-アミノ酸スパンを通して均等には分布されていない。代わりに、V領域は、それぞれ9−12アミノ酸長である「高頻度可変領域」と称される極度の可変性を有するより短い領域によって分離された15−30アミノ酸のフレームワーク領域(FR)と呼ばれる比較的不変の伸展からなる。天然重鎖及び軽鎖の可変ドメイン各々は、大きなβ-シート配置をとり、3つの高頻度可変領域により接続された4つのFR領域を含み、それはループ状の接続を形成し、β-シート構造の一部を形成することもある。各鎖の高頻度可変領域はFRにより他の鎖からの高頻度可変領域とともに極近傍に保持され、抗体の抗原結合部位の形成に寄与している(Kabat等, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ED. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD. (1991))。定常ドメインは抗体の抗原への結合に直接は関係ないが、種々のエフェクター機能、例えば抗体依存性細胞障害(ADCC)における抗体の寄与を示す。

0041

「インタクトな」抗体は、抗原-結合部位、並びにCL及び少なくとも重鎖定常ドメイン、CH1、CH2及びCH3を含むものである。定常ドメインは天然配列定常ドメイン(例えば、ヒト天然配列定常ドメイン)又はそれらのアミノ酸配列変異体であってよい。好ましくは、インタクトな抗体は一又は複数のエフェクター機能を有する。
本明細書の目的のための「ネイキッド抗体」は、細胞障害性部分又は放射標識にコンジュゲートされていない抗体である。
「抗体断片」は、無傷の抗体の一部、好ましくは無傷の抗体の抗原結合又は可変領域を含む。抗体断片の例は、Fab、Fab’、F(ab')2、及びFv断片;ダイアボディ(diabodies);直鎖状抗体(米国特許第5641870号、実施例2;Zapata等, Protein Eng. 8(10): 1057-1062 [1995]);単鎖抗体分子;及び抗体断片から形成された多重特異性抗体を含む。

0042

抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗体結合断片と、容易に結晶化する能力を反映して命名された残留「Fc」断片を産生する。Fab断片は全長L鎖とH鎖の可変領域ドメイン(VH)、及び一つの重鎖の第一定常ドメイン(CH1)からなる。各Fab断片は抗原結合性に関して一価である、すなわち単一の抗原-結合部位を有する。抗体のペプシン処理により、単一の大きなF(ab')2断片が生じ、これは2価の抗原結合部位を持つ2つのジスルフィド結合されたFab断片にほぼ対応し、抗原を交差結合させることができるものである。Fab'断片は、抗体ヒンジ領域からの一又は複数のシステインを含むCH1ドメインのカルボキシ末端に幾つかの残基が付加されていることによりFab断片と相違する。Fab'-SHは、ここでは定常ドメインのシステイン残基(類)が遊離のチオール基を持つFab'を表す。F(ab')2抗体断片は、通常はFab'断片の対として生成され、それらの間にヒンジシステインを有する。抗体断片の他の化学的結合も知られている。
Fc断片はジスルフィドにより一緒に保持されている双方のH鎖のカルボキシ末端部位を含む。抗体のエフェクター機能は、Fc領域の配列により決定され、その領域は、所定の型の細胞に見出されるFcレセプター(FcR)によって認識される部位である。

0043

「Fv」は、完全な抗原-認識及び-結合部位を含む最小の抗体断片である。この断片は、密接に非共有結合した1本の重鎖と1本の軽鎖の可変領域の二量体からなる。単鎖Fv(scFv)種では、一重鎖と一軽鎖の可変ドメインはフレキシブルペプチドリンカーによって共有結合され、軽鎖と重鎖は二本鎖Fv種のものと類似の「二量体」構造で結びつきうる。これら2つのドメインの折り畳みから、抗原結合のためのアミノ酸残基に寄与し、抗体に対する抗原結合特異性を付与する6つの高頻度可変ループ(H及びL鎖から、それぞれ3つのループ)が生じる。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に特異的な3つのCDRのみを含んでなるFvの半分)でさえ、結合部位全体よりは低い親和性であるが、抗原を認識し結合する能力を持つ。
「sFv」又は「scFv」とも略称される「単鎖Fv」は、単一のポリペプチド鎖内に結合したVH及びVL抗体ドメインを含む抗体断片である。好ましくは、sFvポリペプチドはVH及びVLドメイン間にポリペプチドリンカーをさらに含み、それはsFVが抗原結合に望まれる構造を形成するのを可能にする。sFvの概説については、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg及びMoore編, Springer-Verlag, New York, pp. 269-315 (1994);Borrebaeck 1995のPluckthun以下を参照のこと。

0044

「ダイアボディ」なる用語は、2つの抗原結合部位を有する抗体断片であって、この断片は同じポリペプチド鎖(VH−VL)内に軽鎖可変ドメイン(VL)に連結した重鎖可変ドメイン(VH)を含むものを指す。小さい抗体断片は、鎖間ではなく鎖内でVドメインを対形成させ、結果として二価の断片、すなわち2つの抗原-結合部位を有する断片が得られるように、VHとVLドメインとの間に、短いリンカー(約5〜10残基)を持つsFv断片(前の段落を参照)を構築することにより調製される。ダイアボディは二価でも二重特異性であってもよい。二重特異性ダイアボディは2つの「交差」sFv断片のヘテロダイマーであり、そこでは2つの抗体のVH及びVLドメインが異なるポリペプチド鎖上に存在する。ダイアボディは、例えば、欧州特許第404097号;国際公開93/11161号;Hudson et al., Nat. Med. 9:129-134 (2003);及びHollinger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90:6444-6448 (1993)により十分に記載されている。トリアディ及びテトラボディもまた、Hudson et al., Nat. Med. 9: 129-134 (2003)において記述される。
本明細書中で用いられる「モノクローナル抗体」なる用語は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団に含まれる個々の抗体は、少量で存在しうる可能性がある自然に生じる突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は非常に特異的であり、単一の抗原部位に対する。さらに、異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物と比べて、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対するものである。その特異性に加えて、モノクローナル抗体は、他の抗体によって汚染されずに合成される点で有利である。「モノクローナル」との修飾詞は、抗体を何か特定の方法で生成しなければならないことを意味するものではない例えば、本発明において有用なモノクローナル抗体は、最初にKohler et al., Nature, 256:495 (1975)により記載されたハイブリドーマ法によって作ることができ、あるいは組換えDNA法によって、細菌、真核細胞動物又は植物細胞から作ることができる(例えば、米国特許第4816567号参照)。また「モノクローナル抗体」は、例えばClackson et al., Nature, 352:624-628 (1991)、及びMarks et al., J. Mol. Biol., 222:581-597 (1991)に記載された技術を用いてファージ抗体ライブラリーから単離することもできる。

0045

本明細書中のモノクローナル抗体は、特に「キメラ」抗体を含み、それは特定の種由来又は特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体の対応する配列に相同な又は同一な重鎖及び/又は軽鎖の一部を含むものであり、残りの鎖は、所望の生物学的活性を表す限り、抗体断片のように他の種由来又は他の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体の対応する配列に相同な又は同一なものである(米国特許第4816567号;及びMorrison等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6851-6855 (1984))。ここで対象とするキメラ抗体には、非ヒト霊長類(例えば、旧世界サル、サルなど)由来の可変ドメイン抗原結合配列とヒト定常領域配列を含む「霊長類化」抗体を含む。
非ヒト(例えば齧歯類)抗体の「ヒト化」形とは、非ヒト抗体から得られた最小配列を含むキメラ抗体である。大部分において、ヒト化抗体は、レシピエントの高頻度可変領域の残基が、マウス、ラット、ウサギ又は非ヒト霊長類のような所望の抗体特異性、親和性及び能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)の高頻度可変領域の残基によって置換されたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。ある場合には、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置換される。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にもドナー抗体にも見出されない残基を含んでいてもよい。これらの修飾は抗体の特性をさらに洗練するために行われる。一般的に、ヒト化抗体は、全て又はほとんど全ての高頻度可変ループが非ヒト免疫グロブリンのものに一致し、全て又はほとんど全てのFRがヒト免疫グロブリン配列である、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含む。ヒト化抗体は、状況に応じて免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒトの免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部を含む。さらなる詳細は、Jones等, Nature 321, 522-525(1986);Riechmann等, Nature 332, 323-329(1988);及びPresta, Curr. Op. Struct. Biol. 2, 593-596(1992)を参照のこと。また、以下の総説及びここで引用する文献も参照のこと。Vaswani and Hamilton, Ann. Allergy, Asthma and Immunol., 1:105-115 (1998);Harris, Biochem. Soc. Transactions, 23:1035-1038 (1995);Hurle and Gross, Curr. Op. Biotech., 5:428-433 (1994)。

0046

本明細書中で用いられる「thio 」抗体はシステイン改変抗体を指し、本明細書中で用いられる「hu」抗体はヒト化抗体を指す。
ヒト抗体」は、ヒトによって生産される抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有するもの、及び/又はここで開示されたヒト抗体を製造するための何れかの技術を使用して製造されたものである。ヒト抗体のこの定義は、特に非ヒト抗原結合残基を含んでなるヒト化抗体を除く。ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリを含む、当該分野で知られている様々な技術を使用して生産することが可能である。Hoogenboom and Winter, J. Mol. Biol., 227:381 (1991);Marks et al., J. Mol. Biol., 222:581 (1991)。また、Cole et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, p. 77 (1985);Boerner et al., J. Immunol., 147(1): 86-95 (1991)において記述される方法は、ヒトモノクローナル抗体の調製に利用できる。また、van Dijk and van de Winkel, Curr. Opin. Pharmacol., 5: 368-74 (2001)も参照のこと。抗原刺激応答して抗体を産生するように修飾されているが、その内在性遺伝子座が無効になっているトランスジェニック動物、例えば免疫化ゼノマウスに抗原を投与することによってヒト抗体を調製することができる(例として、XENOMOUSETM技術に関する米国特許第6075181号及び同第6150584号を参照)。また、例えば、ヒトのB細胞ハイブリドーマ技術によって生成されるヒト抗体に関するLi et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 103:3557-3562 (2006)も参照のこと。

0047

本明細書中で使用される「高頻度可変領域」、「HVR」又は「HV」なる用語は、配列が高頻度に変化する、及び/又は構造的に定まったループを形成する抗体可変ドメインの領域を指す。一般に、抗体は6つの高頻度可変領域、つまり、VHに3つ(H1、H2、H3)、及びVLに3つ(L1、L2、L3)を含む。多数の高頻度可変領域の描写が使用され、ここに含まれる。カバット相補性決定領域(CDR)は配列変化に基づいており、最も一般的に使用されている(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5版 Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD. (1991))。Chothiaは、代わりに構造的ループの位置に言及している(Chothia and Lesk J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987))。カバット番号付け法を用いて番号付けされるChothia CDR−H1ループの末端は、ループの長さに応じてH32とH34との間で変化する。(これは、カバット番号付けスキームはH35AとH35Bに挿入があるからであり、)35Aも35Bもない場合、ループは32で終わり、35Aのみがある場合、ループは33で終わり、35A及び35Bがある場合には、ループは34で終わる)。AbM高頻度可変領域は、カバットCDRとChothia構造的ループとの間の妥協を表し、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアにより使用される。「接触」高頻度可変領域は、利用できる複合体結晶構造の分析に基づく。これら高頻度可変領域のそれぞれからの残基を以下に示す。
ループ カバット AbM Chothia 接触
L1 L24-L34 L24-L34 L24-L34 L30-L36
L2 L50-L56 L50-L56 L50-L56 L46-L55
L3 L89-L97 L89-L97 L89-L97 L89-L96
H1 H31-H35B H26-H35B H26-H32..34 H30-H35B (カバット番号付け)
H1 H31-H35 H26-H35 H26-H32 H30-H35 (Chothia番号付け)
H2 H50-H65 H50-H58 H52-H56 H47-H58
H3 H95-H102 H95-H102 H95-H102 H93-H101

0048

高頻度可変領域は、次のような「伸展した高頻度可変領域」を含んでもよい、即ち、VLの24−36又は24−34(L1)、46−56又は50−56(L2)及び89−97(L3)と、VHの26−35B(H1)、50−65、47−65又は49−65(H2)及び93−102、94−102、又は95−102(H3)である。可変ドメイン残基には、これら各々を規定するために、上掲のKabat等に従って番号を付した。
「フレームワーク」又は「FR」残基は、ここで定義される高頻度可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。

0049

「カバット(Kabat)による可変ドメイン残基番号付け」又は「カバットに記載のアミノ酸位番号付け」なる用語及びその異なる言い回しは、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD. (1991)の抗体の編集の軽鎖可変ドメイン又は重鎖可変ドメインに用いられる番号付けシステムを指す。この番号付けシステムを用いると、実際の線形アミノ酸配列は、可変ドメインのFR又はCDR内の短縮又は挿入に相当する2、3のアミノ酸又は付加的なアミノ酸を含みうる。例えば、重鎖可変ドメインには、重鎖FR残基82の後に挿入された残基(例えばカバットによる残基82a、82b及び82cなど)と、H2の残基52の後に単一アミノ酸の挿入(Kabatによる残基52a)を含んでもよい。残基のKabat番号は、「標準の」カバット番号付け配列によって抗体の配列の相同領域アライメントすることによって与えられる抗体について決定してもよい。
カバット番号付けシステムは一般に、可変ドメイン内の残基を指す場合に用いられる(軽鎖のおよそ残基1−107及び重鎖の残基1−113)(例えばKabat et al., Sequences of Immunological Interest. 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md. (1991))。「EU番号付けシステム」又は「EUインデックス」は一般に、イムノグロブリン重鎖定常領域を指す場合に用いられる(例えば上掲のKabat et al.において報告されたEUインデックス)。「カバットにおけるEUインデックス」はヒトIgG1 EU抗体の残基番号付けを指す。本明細書中で特に明記しない限り、抗体の可変ドメイン内の残基番号の参照は、カバット番号付けシステムによって番号付けする残基を意味する。本明細書中で特に明記しない限り、抗体の定常ドメイン内の残基番号の参照は、EU番号付けシステムによって番号付けする残基を意味する(例えば、米国特許仮出願第60/640323号のEU番号付けに関する図を参照のこと)。

0050

「親和性成熟した」抗体は、その一又は複数のHVRに一又は複数の変更を有する抗体であって、そのような変更を有しない親抗体と比較して、抗原に対する抗体の親和性を向上させる。好ましい親和性成熟抗体は、標的抗原に対して、ナノモル単位の、さらにはピコモル単位の親和性を有する。親和成熟抗体は、当技術分野において既知の方法により生産できる。Marks等は、Bio/Technology, 10:779-783(1992年)において、VHドメインとVLドメインのシャフリングによる親和成熟を開示している。HVR及び/又はフレームワーク残基のランダム突然変異誘発が、Barbas et al. Proc Nat. Acad. Sci, USA 91:3809-3813 (1994);Schier et al. Gene 169:147-155 (1995);Yelton et al. J. Immunol. 155:1994-2004 (1995);Jackson et al., J. Immunol. 154(7): 3310-9 (1995);及びHawkins et al, J. Mol. Biol. 226:889-896 (1992)に開示されている。

0051

遮断(ブロッキング)」抗体又は「アンタゴニスト」抗体は、それが結合する抗原の生物学的活性を阻害するか又は低減するものである。好適な遮断抗体又はアンタゴニスト抗体は、実質的又は完全に、抗原の生物学的活性を阻害する。
本明細書中で用いられる「アゴニスト抗体」は、対象のポリペプチドの機能的な活性の少なくとも一を擬態する抗体である。
「種依存性抗体」、例えば哺乳動物抗-ヒトIgE抗体は、二番目の哺乳動物種からの抗原のホモログに対して有している結合親和性よりも、一番目の哺乳動物種からの抗原に対してより強力な結合親和性を有するものである。通常、種依存性抗体は、ヒト抗原に「特異的に結合」する(すなわち、約1×10−7M以下、好ましくは約1×10−8M以下、最も好ましくは約1×10−9M以下の結合親和性(Kd)値を有する)が、そのヒト抗原に対する結合親和性よりも、少なくとも約50倍、又は少なくとも約500倍、又は少なくとも約1000倍弱い、二番目の非ヒト哺乳動物種からの抗原のホモログに対する結合親和性を有する。種依存性抗体は、上にて定義した種々の型の抗体のいずれでもあることが可能だが、典型的にはヒト化又はヒト抗体である。

0052

一般的に「結合親和性」は、分子(例えば抗体)の単一結合部位とその結合パートナー(例えば抗原)との間の非共有結合的な相互作用の総合的な強度を意味する。特に明記しない限り、「結合親和性」は、結合対メンバー(例えば抗体と抗原)間の1:1相互作用を反映する内因性結合親和性を意味する。一般的に、分子XのそのパートナーYに対する親和性は、解離定数(Kd)として表される。親和性は、本明細書中に記載のものを含む当業者に公知の共通した方法によって測定することができる。低親和性抗体は抗原にゆっくり結合して素早く解離する傾向があるのに対し、高親和性抗体は抗原により密接により長く結合したままとなる。結合親和性の様々な測定方法が当分野で公知であり、それらの何れかを本発明のために用いることができる。以下に具体的な例示的実施態様を記載する。
結合親和性を指すための本明細書中で用いられる「それ以上」は、分子とその結合パートナーとの間の結合がより強いことを指す。本明細書中で用いられる「それ以上」は、より小さい数値のKd値によって表される結合の強さを指す。例えば、「0.6nM以下」の抗体に対する親和性を有する抗体は、0.6nM未満、すなわち0.59nM、0.58nM、0.57nMなど又は0.6nM未満の任意の値である。

0053

一実施態様では、本発明の「Kd」又は「Kd値」は、段階的な力価非標識抗原の存在下で、最小濃度の(125I)-標識抗原にてFabを均衡化して、抗Fab抗体コートプレートと結合した抗原を捕獲することによって抗原に対するFabの溶液結合親和性を測定する、以下のアッセイで示されるような、所望の抗体のFab型(バージョン)とその抗原を用いて実行される放射性標識した抗原結合アッセイ(RIA)で測定される(Chen, et al., (1999) J. Mol Biol 293:865-881)。アッセイの条件を決めるために、ミクロタイタープレート(Dynex)を5μg/mlの捕獲抗Fab抗体(CappelLabs)を含む50mM炭酸ナトリウム(pH9.6)にて一晩コートして、その後2%(w/v)のウシ血清アルブミンを含むPBSにて室温(およそ23℃)で2〜5時間、ブロックする。非吸着プレート(Nunc#269620)に、100pM又は26pMの[125I]抗原を段階希釈した所望のFabと混合する(例えば、Presta等, (1997) Cancer Res. 57: 4593-4599の抗VEGF抗体、Fab-12の評価と一致する)。ついで所望のFabを一晩インキュベートする;しかし、インキュベーション平衡状態に達したことを確認するまでに長時間(例えば65時間)かかるかもしれない。その後、混合物を捕獲プレートに移し、室温で(例えば1時間)インキュベートする。そして、溶液を取り除き、プレートを0.1%のTween20を含むPBSにて8回洗浄する。プレートが乾燥したら、150μl/ウェル閃光物質(MicroScint-20; Packard)を加え、プレートをTopcountγ計測器(Packard)にて10分間計測する。最大結合の20%か又はそれ以下濃度のFabを選択してそれぞれ競合結合測定に用いる。
他の実施態様によると、〜10反応単位(RU)の固定した抗原CM5チップを用いて25℃のBIAcoreTM-2000又はBIAcoreTM-3000(BIAcore, Inc., Piscataway, NJ)にて表面プラズモン共鳴アッセイを行ってKd又はKd値を測定する。簡単に言うと、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサーチップ(CM5, BIAcore Inc.)を、提供者指示書に従ってN-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDC)及びN-ヒドロキシスクシニミド(NHS)で活性化した。抗原を10mM酢酸ナトリウム(pH4.8)で5μg/ml(〜0.2μM)に希釈し、結合したタンパク質の反応単位(RU)がおよそ10になるように5μl/分の流速注入した。抗原の注入後、反応しない群をブロックするために1Mのエタノールアミンを注入した。動力学的な測定のために、2倍の段階希釈したFab(0.78nMから500nM)を25℃、およそ25μl/分の流速で0.05%Tween20(PBST)を含むPBSに注入した。会合及び解離のセンサーグラムを同時にフィットさせることによる単純一対一ラングミュア結合モデル(simple one-to-one Langmuir binding model) (BIAcore Evaluationソフトウェアバージョン3.2)を用いて、会合速度(kon)と解離速度(koff)を算出した。平衡解離定数(Kd)をkoff/kon比として算出した。例として、Chen, Y.,等, (1999) J. Mol Biol 293:865-881を参照。上記の表面プラスモン共鳴アッセイによる結合速度が106M−1S−1を上回る場合、分光計、例えば、流動停止を備えた分光光度計(stop-flow equipped spectrophometer)(Aviv Instruments)又は撹拌キュベットを備えた8000シリーズSLM-Aminco分光光度計(ThermoSpectronic)で測定される、漸増濃度の抗原の存在下にて、PBS(pH7.2)、25℃の、20nMの抗抗原抗体(Fab型)の蛍光放出強度(励起=295nm;放出=340nm、帯域通過=16nm)における増加又は減少を測定する蛍光消光技術を用いて結合速度を測定することができる。
また、本発明の「結合速度」又は「会合の速度」又は「会合速度」又は「kon」は、上記のような、BIAcoreTM-2000又はBIAcoreTM-3000(BIAcore, Inc., Piscataway, NJ)を用いた前述と同じ表面プラズモン共鳴アッセイにて測定される。

0054

ここで用いる「実質的に類似」、「実質的に同じ」なる用語は、当業者が2つの数値(例えば、本発明の抗体に関連するもの、及び参照/比較抗体に関連する他のもの)の差異に、該値(例えばKd値)によって測定される生物的性質上わずかに又は全く生物学的及び/又は統計学有意差がないと認められるほど、2つの数値が有意に類似していることを意味する。前記2つの値間の差異は、参照/比較抗体についての値の好ましくは約50%以下、好ましくは約40%以下、好ましくは約30%以下、好ましくは約20%以下、及び/又は好ましくは約10%以下である。
ここで用いる「実質的に減少」、又は「実質的に異なる」というは、当業者が2つの数値(一般に、本発明の抗体に関連するもの、及び参照/比較抗体に関連する他のもの)の差異に、該値(例えばKd値、HAMA応答)によって測定される生物学的性質上統計学的に有意であると認められるほど、2つの数値が有意に異なっていることを意味する。前記2つの値間の差異は、参照/比較抗体の値の、好ましくは約10%より大きく、好ましくは約20%より大きく、好ましくは約30%より大きく、好ましくは約40%より大きく、及び/又は好ましくは約50%より大きい。
「抗原」は、抗体が選択的に結合しうる予め決められた抗原である。標的抗原は、ポリペプチド、炭水化物、核酸、脂質、ハプテン又は他の天然に生じるないしは合成される化合物であってもよい。標的抗原はポリペプチドであることが望ましい。

0055

本願明細書における目的のための「アクセプターヒトフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークから得られるVL又はVHフレームワークのアミノ酸配列を含有するフレームワークである。ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワーク「から得られる」アクセプターヒトフレームワークは、その同じアミノ酸配列を含有するか、又は既存のアミノ酸配列変化を含有してもよい。既存のアミノ酸変化の数が好ましくは5以下、好ましくは4以下、又は3以下である場合、既存のアミノ酸変化が存在する。既存のアミノ酸変化がVH中に存在する場合、好ましくは、それらの変化は位置71H、73H及び78Hの内の3つ、2つ又は1つのみ起こり、例えば、それらの位置のアミノ酸残基は、71A、73T及び/又は78Aであってよい。一実施態様では、VLアクセプターヒトフレームワークは、VLヒト免疫グロブリンフレームワーク配列又はヒトコンセンサスフレームワーク配列と配列が同一である。

0056

「ヒトコンセンサスフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンVL又はVHフレームワーク配列の選別において、最も共通して生じるアミノ酸残基を表すフレームワークである。通常、ヒト免疫グロブリンVL又はVH配列は、可変ドメイン配列のサブグループから選別する。通常、Kabat等によると、配列のサブグループはサブグループである。一実施態様では、VLについて、Kabat等によると、前記サブグループはサブグループκIである。一実施態様では、VHについて、Kabat等によると、前記サブグループはサブグループIIIである。

0057

「VHサブグループIIIコンセンサスフレームワーク」は、上掲のKabat等の可変重鎖サブグループIIIのアミノ酸配列から得られるコンセンサス配列を含有する。一実施態様では、VHサブグループIIIコンセンサスフレームワークアミノ酸配列は、以下の配列のそれぞれの少なくとも一部又は全部を含む。
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAAS(配列番号:143)-H1-WVRQAPGKGLEWV(配列番号:144)-H2−RFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYC(配列番号:145)-H3-WGQGTVTSS(配列番号:146)。
「VLサブグループIコンセンサスフレームワーク」は、Kabat等の可変軽鎖κサブグループIのアミノ酸配列から得られたコンセンサス配列を含んでなる。一実施態様では、VLサブグループIコンセンサスフレームワークアミノ酸配列は、以下の配列のそれぞれの少なくとも一部又は全部を含む。
IQMTSPSSSASVGDRVTITC(配列番号:139)-L1-WYQQKPGKAPLLIY(配列番号:140)-L2−GVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYC(配列番号:141)-L3−FGQGTKVEIKR(配列番号:142)。

0058

「修飾されていないヒトフレームワーク」は、アクセプターヒトフレームワークと同じアミノ酸配列を有するヒトフレームワーク、例えばアクセプターヒトフレームワーク内にヒトから非ヒトへのアミノ酸置換を欠いているものである。
本明細書中における「変更した高頻度可変領域」は、一又は複数(例えば1〜およそ16)のアミノ酸置換をそこに含む高頻度可変領域である。
本明細書中における「修飾していない高頻度可変領域」は、元の非ヒト抗体と同じアミノ酸配列を有する高頻度可変領域、すなわち、一又は複数のアミノ酸置換を欠いているものである。

0059

対象の抗原、例えば腫瘍関連ポリペプチド抗原標的に「結合する」抗体は、当該抗原を発現する細胞又は組織を標的とするうえで、有用な診断薬となるのに十分な親和性を持って抗原に結合するものであり、他のタンパク質に対し有意な交差反応をしない。このような実施態様では、「非標的」タンパク質への抗体の結合の範囲は、蛍光標識細胞分取(FACS)分析又は放射性免疫沈降法(RIA)によって決定した場合、特定の標的タンパク質への抗体の結合の約10%未満である。標的分子への抗体の結合に関して、特定のポリペプチド又は特定のポリペプチド標的上のエピトープ「(に対する)特異的結合」、「に特異的に結合する」又は「に特異的である」という表現は、非特異的相互作用とは測定可能に異なる結合を意味する。特定の結合は、例えば、コントロール分子と比較したある分子の結合を決定することにより測定することができ、この場合コントロール分子は結合活性を有さない同じ構造の分子である。例えば、特異的結合は、標的と類似のコントロール分子との競合、例えば、標識しない標的の過多により定量することができる。この場合、標識した標的のプローブに対する結合が、標識していない標的の過多により競合的に阻害されると、特異的結合が示唆される。本明細書中で用いる特定のポリペプチド又は特定のポリペプチド標的上のエピトープ「を特異的に結合する」又は「に特異的に結合する」又は「に特異的である」という用語は、例えば、少なくともおよそ10−4M、あるいは少なくともおよそ10−5M、あるいは少なくともおよそ10−6M、あるいは少なくともおよそ10−7M、あるいは少なくともおよそ10−8M、あるいは少なくともおよそ10−9M、あるいは少なくともおよそ10−10M、あるいは少なくともおよそ10−11M、あるいは少なくともおよそ10−12M以上の標的に対してKdを有する分子によって表されうる。一実施態様では、「特異的な結合」なる用語は、1の分子が、特定のポリペプチド又は特定のポリペプチド上のエピトープに対し、他のポリペプチド又はポリペプチドのエピトープに殆ど結合することなく結合するような結合を意味する。

0060

「CD79bポリペプチドを発現する腫瘍細胞の増殖を阻害する」抗体又は「増殖阻害」抗体とは、適切なCD79bポリペプチドを発現又は過剰発現する癌細胞の、測定可能な増殖抑制を導くものである。CD79bポリペプチドは癌細胞の表面上に発現される膜貫通型ポリペプチドでもよいし、癌細胞によって製造されて分泌されるポリペプチドであってもよい。好適な増殖阻害抗CD79b抗体は、適切なコントロールと比較して、20%を超える、好ましくは約20%〜約50%、更に好ましくは50%を超える(例えば約50%〜約100%)CD79b発現腫瘍細胞の増殖を阻害し、このコントロールは典型的に試験される抗体によって処置されていない腫瘍細胞である。一実施態様では、増殖の抑制は、細胞培養液中で約0.1〜30μg/ml又は約0.5nM〜200nMの抗体濃度において測定することができ、増殖阻害は、腫瘍細胞を抗体に曝してから1〜10日後に測定する。インビボでの腫瘍細胞の増殖阻害は、後述の実験的実施例に記載したような様々な方法で定量することができる。抗CD79b抗体を体重1kg当たり約1μg〜約100mgで投与した結果、当該抗体の初回投与から約5日〜3ヶ月、好ましくは約5〜30日以内に腫瘍の大きさ又は腫瘍細胞の増殖が低減した場合、抗体はインビボにおいて増殖阻害性である。

0061

アポトーシスを誘発する」抗体とは、アネキシンVの結合、DNAの断片化、細胞の縮み小胞体拡張細胞断片化、及び/又は膜小胞の形成(アポトーシス性本体と呼ばれる)により決定される、プログラムされた細胞死を誘発するものである。細胞は通常、CD79bポリペプチドを過剰発現する細胞である。好ましくは、細胞は腫瘍細胞、例えばB細胞、T細胞、好塩基球好酸球好中球単球、血小板又は赤血球などの造血性細胞である。様々な方法を使用して、アポトーシスに関連する細胞イベントを評価することができる。例えば、ホスファチジルセリン(PS)の転位置をアネキシン結合により測定することができ、DNA断片化をDNAラダーリングにより評価することができ、核/染色質凝縮及びDNA断片化を、低二倍体性細胞の増加により評価することができる。好ましくは、アポトーシスを誘発する抗体は、アネキシン結合アッセイにおいて、処理しない細胞に対し、約2〜50倍、好ましくは約5〜50倍、及び最も好ましくは約10〜50倍のアネキシン結合を誘発するものである。
「細胞死を誘発する」抗体は、生存可能な細胞を生存不能にするものである。このような細胞はCD79bポリペプチドを発現するものであり、CD79bポリペプチドを特異的に発現又は過剰発現する細胞種である。細胞は特定の細胞種の癌性細胞ないしは正常細胞であってもよい。CD79bポリペプチドは、癌細胞の表面上に発現される膜貫通ポリペプチドであるか、癌細胞によって産生及び分泌されるポリペプチドであり得る。細胞は癌細胞、例えばB細胞又はT細胞であってもよい。インビトロでの細胞死を補体及び免疫エフェクター細胞不在下で決定し、よって抗体依存性細胞障害(ADCC)又は補体依存性細胞障害(CDC)によって誘発された細胞死を区別することができる。つまり、細胞死のアッセイは、熱で不活性化した血清を用いて(即ち、補体の不在下において)、免疫エフェクター細胞の不在下で、実行することができる。抗体が細胞死を誘発することができるか否かを決定するために、処理しない細胞と比較して、ヨウ化プロピジウム(PI)、トリパンブルー(Moore等, Cytotechnology 17:1-11 (1995)参照)、又は7AADの取り込みによって評価される膜完全性の欠損が評価されうる。好ましい細胞死誘発抗体は、BT474細胞におけるPI取り込みアッセイにおいてPI取り込みを誘発するものである。

0062

抗体の「エフェクター機能」とは、抗体のFc領域(天然配列Fc領域又はアミノ酸配列変異体Fc領域)に帰する生物学的活性を意味し、抗体のアイソタイプにより変わる。抗体のエフェクター機能の例には、C1q結合及び補体依存性細胞障害;Fcレセプター結合性;抗体依存性細胞媒介性細胞障害(ADCC);貪食作用細胞表面レセプター(例えば、B細胞レセプター)のダウンレギュレーション;及びB細胞活性化が含まれる。

0063

本明細書中の「Fc領域」なる用語は、天然配列Fc領域及び変異体Fc領域を含む、免疫グロブリン重鎖C末端領域を定義するために使用される。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は変化するかも知れないが、通常、ヒトIgG重鎖Fc領域はCys226の位置又はPro230からの位置のアミノ酸残基からそのカルボキシル末端まで伸長すると定義される。Fc領域のC末端リジン(EU番号付けシステムによれば残基447)は、例えば、抗体の産生又は精製中に、又は抗体の重鎖をコードする核酸を組み換え遺伝子操作することによって取り除かれてもよい。したがって、インタクト抗体の組成物は、すべてのK447残基が除去された抗体群、K447残基が除去されていない抗体群、及びK447残基を有する抗体と有さない抗体の混合を含む抗体群を含みうる。
「機能的なFc領域」は、天然配列のFc領域が有するエフェクター機能を保持する。典型的なエフェクター機能は、C1q結合;補体媒介障害活性(CDC)、Fcレセプター結合、抗体依存性細胞障害活性(ADCC);貪食作用、細胞表面レセプター(例えば、B細胞レセプター;BCR)の低減下などである。このようなエフェクターの機能は、一般に、Fc領域が結合領域(例えば、抗体の可変領域)に結合するのに必要とされており、本明細書中の定義に開示されるような様々はアッセイを用いることで評価することが可能である。

0064

「天然配列のFc領域」は、天然に見出されるFc領域と同一のアミノ酸配列を包含する。天然配列ヒトFc領域には、天然配列ヒトIgG1Fc領域(非A-及びA-アロタイプ);天然配列ヒトIgG2Fc領域;天然配列ヒトIgG3Fc領域;及び、天然配列ヒトIgG4Fc領域、同様に、自然に生じるこれらの変異体が含まれる。
「変異体Fc領域」は、少なくとも1つのアミノ酸修飾、好ましくは一又は複数のアミノ酸置換により、天然配列Fc領域とは異なるアミノ酸配列を包含するものである。好ましくは、変異体Fc領域には、天然配列のFc領域もしくは親ペプチドのFc領域と比較した場合、少なくとも1つのアミノ酸置換が存在する。例えば、天然配列のFc領域又は親鎖のFc領域において、およそ1からおよそ10、好ましくは、およそ1からおよそ5のアミノ酸の置換が存在する。ここで言う変異体Fc領域は、好ましくは少なくともおよそ80%以上の相同性を天然配列のFc領域及び/又は親ペプチドのFc領域との間に有するか、より好ましくはおよそ90%以上の相同性を、最も好ましくは少なくともおよそ95%の相同性を有するものであろう。

0065

「抗体依存性細胞障害活性」又は「ADCC」は、特定の細胞障害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、及びマクロファージ)上に存在するFcレセプター(FcR)に結合した分泌型Igが細胞障害性エフェクター細胞を抗原保持標的細胞に特異的に結合させ、続いて標的細胞を細胞障害性によって標的細胞を殺傷する細胞障害性の形態を指す。抗体は細胞障害性細胞「に対するものであり」、必ず細胞の殺傷に必要である。ADCCを媒介する一次細胞であるNK細胞は、FcγRIIIのみを発現する一方、単球はFcγRI、FcγRII及びFcγRIIIを発現する。造血性細胞でのFcRの発現は、Ravetch及びKinet, Annu.Rev.Immunol., 9:457-92(1991)の464頁の表3に要約されている。対象分子ADCC活性を評価するためには、米国特許第5500362号又は第5821337号に記載されているようなインビトロADCCアッセイが実施されうる。そのようなアッセイのための有用なエフェクター細胞は、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー細胞(NK)細胞を含む。あるいは、又は付加的に、対象分子のADCC活性は、例えばClynes等 .PNAS(USA), 95:652-656(1998)に開示されたような動物モデルにおいて、インビボで評価されてもよい。

0066

「Fcレセプター」もしくは「FcR」は、抗体のFc領域に結合するレセプターを指す。好適なFcRは、天然配列ヒトFcRである。さらに、好適なFcRは、IgG抗体(ガンマレセプター)と結合するもので、FcγRI、FcγRII及びFcγRIIIサブクラスを含み、それらの対立遺伝子変異体、選択的にスプライシングされたものも含まれる。FcγRIIレセプターには、FcγRIIA(「活性型レセプター」)、FcγRIIB(「阻害型レセプター」)が含まれ、主として細胞質領域は異なるが、類似のアミノ酸配列を有するものである。活性型レセプターFcγRIIAは、細胞質領域にチロシン依存性免疫レセプター活性化モチーフ(immunoreceptor tyrosine-based activation motif ;ITAM)を含んでいる。阻害型レセプターFcγRIIBは、細胞質領域にチロシン依存性免疫受容体阻害性モチーフ(immunoreceptor tyrosine-based inhibition motif ;ITIM)を含んでいる(Daeron, Annu. Rev. immunol. 15:203-234 (1997))。FcRに関しては、 Ravetch and Kinet, Annu.Rev. Immunol. 9:457-92 (1991);Capel等, Immunomethods4:25-34 (1994);de Haas 等, J.Lab. Clin. Med. 126:330-41 (1995) に総説されている。他のFcR、ここでは、将来的に同定されるものも含めて、「FcR」という言葉によって包含される。また、また、該用語には、母性IgGsが胎児に受け継がれる要因となっている新生児受容体「FcRn」も含まれる(Guyer 等, J. Immunol. 117:587 (1976)及び Kim 等, J. Immunol.24:249 (1994))。

0067

インビボのヒトFcRnへの結合やヒトFcRn高親和性結合ポリペプチド血清半減期は、例えば、ヒトFcRnを発現するトランスジェニックマウス又は形質移入されたヒト細胞株において、又は、変異Fc領域を有するポリペプチドが投与される霊長類においてアッセイされてもよい。国際公開2000/42072(Presta)は、FcRへの結合が改善された又は低減された抗体変異体を記載している。また、例としてShieldset al. J. Biol. Chem. 9(2): 6591-6604 (2001)を参照のこと。

0068

「ヒトエフェクター細胞」とは、一又はそれ以上のFcRsを発現し、エフェクターとしての機能を発揮する白血球のことである。その細胞が少なくともFcγRIIIを発現し、ADCCエフェクター機能を発揮することが望ましい。ADCCを媒介する細胞の例として、抹消血単核細胞(PBMC)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、細胞障害性T細胞、好中球、が含まれるが、PBMCとNK細胞が好適である。エフェクター細胞は天然の材料(例えば、血液)から単離してもよい。

0069

「補体依存性細胞障害」もしくは「CDC」は、補体の存在下で標的を溶解することを意味する。古典的な補体経路の活性化は、補体活性化経路補体系(Clq)の第1補体が、同族抗原と結合した(好適なサブクラスの)抗体に結合することにより開始される。補体活性化を評価するために、例えばGazzano-Santoro et al., J. Immunol. Methods202:163 (1996)に記載されるようなCDCアッセイが行われてもよい。変化したFc領域アミノ酸配列を有し(変異Fc領域を有するポリペプチド)、C1q結合能が増加しているないしは減少しているポリペプチド変異体は、例えば米国特許第6194551号B1及び国際公開1999/51642に記載されている。また、例としてIdusogie et al. J. Immunol. 164: 4178-4184 (2000)を参照のこと。

0070

「Fc領域を含む抗体」なる用語は、Fc領域を含む抗体を指す。Fc領域のC末端リジン(EU番号付けシステムに従うと残基447)は、例えば、ポリペプチドの精製中又はポリペプチドをコードする核酸を組み換え操作することによって除去してもよい。したがって、本発明のFc領域を有する抗体を含有する組成物は、K447を有する抗体、すべてのK447が除去された抗体、又はK447残基を有する抗体とK447残基を有さない抗体の混合を含みうる。

0071

CD79bポリペプチド「細胞外ドメイン」又は「ECD」は、膜貫通及び細胞質ドメインを実質的に有しないCD79bポリペプチドの形態を意味する。通常、CD79bポリペプチドECDは、それらの膜貫通及び/又は細胞質ドメインを1%未満、好ましくはそのようなドメインを0.5%未満しか持たない。本発明のCD79bポリペプチドについて同定された任意の膜貫通ドメインは、疎水性ドメインのその型を同定するために当該分野において日常的に使用される基準に従い同定されることが理解されるであろう。膜貫通ドメインの厳密な境界は変わり得るが、最初に同定されたドメインの何れかの末端から約5アミノ酸を超えない可能性が高い。場合によっては、従って、CD79bポリペプチドの細胞外ドメインは、実施例又は明細書で同定されるように膜貫通ドメイン/細胞外ドメインの境界の何れかの側から約5を超えないアミノ酸を含んでもよく、シグナルペプチドを伴う又は伴わない、それらのポリペプチド及びそれらをコードする核酸は、本発明で考慮される。

0072

ここに開示するCD79bポリペプチドの「シグナルペプチド」のおおよその位置は、本明細書及び/又は添付図に示されうる。しかし、シグナルペプチドのC末端境界は変化しうるが、ここで最初に定義したようにシグナルペプチドC末端境界の何れかの側で約5アミノ酸未満である可能性が最も高く、シグナルペプチドのC末端境界は、そのような型のアミノ酸配列成分を同定するのに日常的に使用される基準に従って同定しうることに留意される(例えば、Nielsen等, Prot. Eng.10: 1-6 (1997)及びvon Heinje等, Nucl. Acids. Res. 14: 4683-4690 (1986))。更に、幾つかの場合には、分泌ポリペプチドからのシグナル配列の切断は完全に均一ではなく、一つ以上の分泌種をもたらすことも認められる。シグナルペプチドがここに同定されるシグナルペプチドのC末端境界の何れかの側の約5アミノ酸未満内で切断されるこれらの成熟ポリペプチド、及びそれらをコードするポリヌクレオチドは、本発明で考慮される。

0073

「CD79bポリペプチド変異体」とはCD79bポリペプチド、好ましくは、ここに開示するような完全長天然配列CD79bポリペプチド配列、ここで開示するようなシグナルペプチドを欠くCD79bポリペプチド配列、ここに開示するようなシグナルペプチドを有する又は有しないCD79bポリペプチドの細胞外ドメイン又はここに開示する完全長CD79bポリペプチド配列の任意の他の断片(例えば、完全長CD79bポリペプチドの完全なコード配列の一部のみを示す核酸によってコードされるもの)と少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有するここで定義するような活性なCD79bポリペプチドを意味する。このようなCD79bポリペプチド変異体には、例えば、完全長天然アミノ酸配列のN末端又はC末端において一又は複数のアミノ酸残基が付加、もしくは欠失されたCD79bポリペプチドが含まれる。通常、CD79bポリペプチド変異体は、ここに開示する完全長天然配列CD79bポリペプチド配列、ここに開示するシグナルペプチドを欠くCD79bポリペプチド配列、シグナルペプチドを有する又は有しないここに開示するCD79bポリペプチドの細胞外ドメイン、又はここに開示する完全長CD79bポリペプチド配列の任意の具体的に定義した他の断片に対して、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有している。通常、CD79b変異体ポリペプチドは、少なくとも約10アミノ酸長、あるいは少なくとも約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600アミノ酸長、又はそれ以上である。場合によっては、CD79b変異体ポリペプチドは、天然CD79bポリペプチド配列に比較して一つ以下の保存的アミノ酸置換、あるいは天然CD79bポリペプチド配列に比較して2、3、4、5、6、7、8、9、又は10以下の同類アミノ酸置換を有するにすぎない。

0074

ここで同定したペプチド又はポリペプチド配列、すなわちCD79bポリペプチド配列に関する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」とは、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入し、如何なる保存的置換も配列同一性の一部と考えないとした後の、特定のペプチド又はポリペプチド配列、すなわちCD79bポリペプチド配列のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当業者の技量の範囲にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST-2、ALIGN、又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することにより達成可能である。当業者であれば、比較される配列の完全長に対して最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。しかし、ここでの目的のためには、%アミノ酸配列同一性値は、ALIGN-2プログラム用の完全なソースコードが下記の表1に提供されている配列比較コンピュータプログラムALIGN-2を使用することによって得られる。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムはジェネンテック社によって作成され、下記の表1に示したソースコードは米国著作権,ワシトンD.C., 20559に使用者用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087で登録されている。ALIGN-2プログラムはジェネンテック社、サウスサンフランシスコ,カリフォルニアから公的に入手可能であり、下記の表1に提供されたソースコードからコンパイルしてもよい。ALIGN-2プログラムは、UNIX(登録商標)オペレーティングシステム、好ましくはデジタルUNIX(登録商標)V4.0Dでの使用のためにコンパイルされる。全ての配列比較パラメータは、ALIGN-2プログラムによって設定され変動しない。

0075

アミノ酸配列比較にALIGN-2が用いられる状況では、与えられたアミノ酸配列Aの、与えられたアミノ酸配列Bへの、それとの、又はそれに対する%アミノ酸配列同一性(あるいは、与えられたアミノ酸配列Bへの、それとの、又はそれに対する或る程度の%アミノ酸配列同一性を持つ又は含む与えられたアミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される:
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムALIGN-2のA及びBのプログラムアラインメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性と等しくないと認識されるであろう。

0076

「CD79b変異体ポリヌクレオチド」又は「CD79b変異体核酸配列」とは、ここで定義されるように、CD79bポリペプチド、好ましくは活性CD79bポリペプチドをコードし、ここに開示する完全長天然配列CD79bポリペプチド配列、ここに開示するシグナルペプチドを欠いた完全長天然配列CD79bポリペプチド配列、シグナルペプチドを有する又は有しないここに開示するCD79bポリペプチドの細胞外ドメイン、又はここに開示する完全長CD79bポリペプチド配列の他の任意の断片をコードする核酸配列(完全長CD79bポリペプチドの完全なコード化配列の一部分のみを表す核酸によってコードされた)と、少なくとも約80%の核酸配列同一性を有する核酸分子を意味する。通常、CD79b変異体ポリヌクレオチドは、ここに開示する完全長天然配列CD79bポリペプチド配列、ここに開示するシグナルペプチドを欠く完全長天然配列CD79bポリペプチド配列、シグナルペプチドを有する又は有しないここに開示するCD79bポリペプチドの細胞外ドメイン、又はここに開示する完全長CD79bポリペプチド配列の任意の他の断片をコードする核酸配列と、少なくとも約80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の核酸配列同一性を有している。変異体は、天然ヌクレオチド配列を含まない。

0077

通常、CD79b変異体ポリヌクレオチドは、少なくとも約5ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、又は1000ヌクレオチド長であり、この文脈の「約」という用語は、表示ヌクレオチド配列長にその表示長の10%を加えるか又は減じたものを意味する。

0078

ここで同定されるCD79bコード化核酸配列に対する「パーセント(%)核酸配列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入し、対象のCD79b核酸配列のヌクレオチドと同一である候補配列中のヌクレオチドのパーセントとして定義される。パーセント核酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当業者の知る範囲にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST-2、ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することにより達成可能である。ここでの目的のためには、%核酸配列同一性値は、ALIGN-2プログラム用の完全なソースコードが下記の表1に提供されている配列比較コンピュータプログラムALIGN-2を使用することによって得られる。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムはジェネンテック社によって作成され、下記の表1に示したソースコードは米国著作権庁,ワシントンD.C.,20559に使用者用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087の下で登録されている。ALIGN-2プログラムはジェネンテック社、サウスサンフランシスコ,カリフォルニアから公的に入手可能であり、下記の表1に提供されたソースコードからコンパイルしてもよい。ALIGN-2プログラムは、UNIX(登録商標)オペレーティングシステム、好ましくはデジタルUNIX(登録商標)V4.0Dでの使用のためにコンパイルされる。全ての配列比較パラメータは、ALIGN-2プログラムによって設定され変動しない。

0079

核酸配列比較にALIGN-2が用いられる状況では、与えられた核酸配列Cの、与えられた核酸配列Dとの、又はそれに対する%核酸配列同一性(あるいは、与えられた核酸配列Dと、又はそれに対して或る程度の%核酸配列同一性を持つ又は含む与えられた核酸配列Cと言うこともできる)は次のように計算される:
分率W/Zの100倍
ここで、Wは配列アラインメントプログラムALIGN-2のC及びDのアラインメントによって同一であると一致したスコアのヌクレオチドの数であり、ZはDの全ヌクレオチド数である。核酸配列Cの長さが核酸配列Dの長さと等しくない場合、CのDに対する%核酸配列同一性は、DのCに対する%核酸配列同一性と等しくないことは理解されるであろう。特に断らない限りは、ここでの全ての%核酸配列同一性値は、直ぐ上のパラグラフに示したようにALIGN-2コンピュータプログラムを用いて得られる。

0080

他の実施態様では、CD79b変異体ポリヌクレオチドとは、CD79bポリペプチドをコードする核酸分子であり、好ましくはストリンジェントハイブリダイゼーション及び洗浄条件下で、ここに記載の完全長CD79bポリペプチドをコードするヌクレオチド配列とハイブリダイゼーションすることができる。CD79b変異体ポリペプチドは、CD79b変異体ポリヌクレオチドによってコードされているものであり得る。
CD79bポリペプチドをコードする核酸に関して使用される場合の「完全長コード領域」という用語は、(添付図において開始及び停止コドンの間でしばしば示される)本発明の完全長CD79bポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を意味する。ATCC寄託核酸に関して使用される場合の「完全長コード領域」という用語は、(添付図において開始及び停止コドンの間でしばしば示される)ATCCに寄託されたベクター中に挿入されているcDNAのTATポリペプチドコード部分を意味する(開始コドンと終止コドンは図中で太字と下線で示す)。

0081

ここに開示される種々のCD79bポリペプチドを記載するために使用される「単離」とは、自然環境の成分から同定され及び分離及び/又は回収されたポリペプチドを意味する。その自然環境の汚染成分とは、そのポリペプチドの治療への使用を典型的には妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。好ましい実施態様では、ポリペプチドは、(1)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも15残基のN末端あるいは内部アミノ酸配列を得るのに充分なほど、あるいは、(2)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた非還元あるいは還元条件下でSDS-PAGEにより均一になるまで精製される。単離されたポリペプチドには、CD79bポリペプチドの自然環境の少なくとも一つの成分が存在しないため、組換え細胞内のインサイツのポリペプチドが含まれる。しかしながら、通常は、単離されたポリペプチドは少なくとも一つの精製工程により調製される。

0082

「単離された」CD79bポリペプチドをコードする核酸又は他のポリペプチドコード化核酸は、同定され、ポリペプチドをコードする核酸の天然源に通常付随している少なくとも一つの汚染核酸分子から分離された核酸分子である。単離されたポリペプチドをコードする核酸分子は、天然に見出される形態あるいは設定以外のものである。故に、単離されたポリペプチドをコードする核酸分子は、天然の細胞中に存在する特異的なポリペプチドをコードする核酸分子とは区別される。しかし、ポリペプチドをコードする単離された核酸分子には、例えば、核酸分子が天然細胞のものとは異なった染色体位置にあるポリペプチドを通常は発現する細胞に含まれるポリペプチドをコードする核酸分子が含まれる。
「コントロール配列」という用語は、特定の宿主生物において作用可能に結合したコード配列を発現するために必要なDNA配列を指す。例えば原核生物に好適なコントロール配列は、プロモーター、場合によってはオペレータ配列と、リボソーム結合部位を含む。真核生物の細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル及びエンハンサーを利用することが知られている。

0083

核酸は、他の核酸配列と機能的な関係にあるときに「作用可能に結合し」ている。例えば、プレ配列あるいは分泌リーダーのDNAは、ポリペプチドの分泌に参画するプレタンパク質として発現されているなら、そのポリペプチドのDNAに作用可能に結合している;プロモーター又はエンハンサーは、配列の転写に影響を及ぼすならば、コード配列に作用可能に結合している;又はリボソーム結合部位は、もしそれが翻訳を容易にするような位置にあるなら、コード配列と作用可能に結合している。一般的に、「作用可能に結合している」とは、結合したDNA配列が近接しており、分泌リーダーの場合には近接していて読みフェーズにあることを意味する。しかし、エンハンサーは必ずしも近接している必要はない。結合は簡便な制限部位でのライゲーションにより達成される。そのような部位が存在しない場合は、従来の手法に従って、合成オリゴヌクレオチドアダプターあるいはリンカーが使用される。

0084

ハイブリダイゼーション反応の「ストリンジェンシー」は、当業者によって容易に決定され、一般的にプローブ長、洗浄温度、及び塩濃度に依存する経験的な計算である。一般に、プローブが長くなると適切なアニーリングに必要な温度が高くなり、プローブが短くなるとそれに必要な温度は低くなる。ハイブリダイゼーションは、一般的に、相補鎖がその融点より低い環境に存在する場合に、変性DNAの再アニールする能力に依存する。プローブとハイブリダイゼーション配列の間で所望される相同性の程度が高くなればなるほど、用いることができる相対温度が高くなる。その結果、より高い相対温度は、反応条件をよりストリンジェントにすることになり、低い温度はストリンジェントを低下させることになる。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーの更なる詳細及び説明については、Ausubel等, Current Protocols in Molecular Biology(Wiley Interscience Publishers, 1995)を参照のこと。

0085

ここで定義される「ストリンジェント条件」又は「高度のストリンジェンシー条件」は、(1)洗浄に低イオン強度及び高温度を用いる、例えば、50℃で、0.015Mの塩化ナトリウム/0.0015Mのクエン酸ナトリウム/0.1%のドデシル硫酸ナトリウム;(2)ハイブリダイゼーション中にホルムアミド等の変性剤を用いる、例えば、42℃で、50%(v/v)ホルムアミドと0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%フィコール/0.1%のポリビニルピロリドン/50mMのpH6.5のリン酸ナトリウムバッファー、及び750mMの塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウム;又は(3)42℃で、50%ホルムアミド、5×SSC(0.75MのNaCl、0.075Mのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%のピロリン酸ナトリウム、5×デンハード液、超音波処理サケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%SDS、及び10%の硫酸デキストラン溶液中で終夜ハイブリダイゼーション、42℃で、0.2×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)中にて10分間の洗浄、ついで55℃で、EDTAを含む0.1×SSCからなる10分間の高ストリンジェンシー洗浄を用いるものによって同定される。
「中程度のストリンジェント条件」は、Sambrook等, Molecular Cloning: A Laboratory Manual (New York: Cold Spring Harbor Press, 1989)に記載されているように同定され、上記のストリンジェントより低い洗浄溶液及びハイブリダイゼーション条件(例えば、温度、イオン強度及び%SDS)の使用を含む。中程度のストリンジェント条件は、20%ホルムアミド、5×SSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハード液、10%硫酸デキストラン、及び20mg/mlの変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中にて37℃での終夜インキュベーション、次いで1×SSC中にて約37−50℃でのフィルターの洗浄といった条件である。当業者であれば、プローブ長などの因子に適合させる必要に応じて、どのようにして温度、イオン強度等を調節するかを認識する。

0086

エピトープタグ」なる用語は、ここで用いられるときは、「タグポリペプチド」と融合したCD79bポリペプチド又は抗CD79b抗体を含んでなるキメラポリペプチドを意味する。タグポリペプチドは、その抗体が産生され得るエピトープを提供するのに十分な残基を有し、その長さは融合するポリペプチドの活性を阻害しないよう充分に短い。また、タグポリペプチドは、好ましくは抗体が他のエピトープと実質的に交差反応をしないようにかなり独特である。適切なタグポリペプチドは、一般に、少なくとも6のアミノ酸残基、通常は約8〜50のアミノ酸残基(好ましくは、約10〜20の残基)を有する。
ここでの目的に対する「活性な」又は「活性」とは、天然又は天然に生じるCD79bの生物学的及び/又は免疫学的活性を保持するCD79bポリペプチドの形態を意味し、その中で、「生物学的」活性とは、天然又は天然発生CD79bが保持する抗原性エピトープに対する抗体の生成を誘発する能力以外の、天然又は天然発生CD79bによって引き起こされる生物機能(阻害又は刺激)を意味し、「免疫学的」活性とは、天然又は天然発生CD79bが保持する抗原性エピトープに対する抗体の生成を誘発する能力を意味する。

0087

「アンタゴニスト」なる用語は最も広い意味で用いられ、そして天然CD79bポリペプチドの生物学的活性を部分的又は完全にブロック、阻害、又は中和する任意の分子が含まれる。同じように、「アゴニスト」という用語は最も広い意味で用いられ、天然CD79bポリペプチドの生物学的活性を模倣する任意の分子が含まれる。適切なアゴニスト又はアンタゴニスト分子には、特にアゴニスト又はアンタゴニスト抗体又は抗体断片、断片、又は天然CD79bポリペプチドのアミノ酸配列変異体、ペプチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド小有機分子等が含まれる。CD79bポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニストを同定する方法は、CD79bポリペプチドと候補アゴニスト又はアンタゴニスト分子を接触させ、そして通常はCD79bポリペプチドに関連している一又は複数の生物学的活性の検出可能な変化を測定することが含まれ得る。

0088

「精製」とは、分子が少なくとも95重量%又は含有される試料の少なくとも98重量%の濃度で試料中に存在することを意味する。
「単離された」核酸分子は、例えば天然の環境に通常付随している少なくとも一の他の核酸分子から分離された核酸分子である。さらに、単離された核酸分子は、核酸分子を通常発現するが、その核酸分子がその天然の染色体位置と異なる染色体位置にあるか又は染色体外に存在する、細胞に含まれる核酸分子を含む。

0089

ここで使用される「ベクター」という用語は、それが結合している他の核酸を輸送することのできる核酸分子を意味するものである。一つのタイプのベクターは「プラスミド」であり、これは付加的なDNAセグメントが結合されうる円形二本鎖DNAループを意味する。他の型のベクターはファージベクターである。他の型のベクターはウイルスベクターであり、付加的なDNAセグメントをウイルスゲノムへ結合させうる。所定のベクターは、それらが導入される宿主細胞内において自己複製することができる(例えば、細菌の複製開始点を有する細菌ベクターエピソーム哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入時に宿主細胞のゲノム中に組み込まれ、宿主ゲノムと共に複製する。更に、所定のベクターは、それらが作用可能に結合している遺伝子の発現を指令し得る。このようなベクターはここでは「組換え発現ベクター」(又は単に「組み換えベクター」)と呼ぶ。一般に、組換えDNA技術で有用な発現ベクターはしばしばプラスミドの形をとる。本明細書では、プラスミドが最も広く使用されているベクターの形態であるので、「プラスミド」と「ベクター」を相互交換可能に使用する場合が多い。

0090

ここで交換可能に使用される「ポリヌクレオチド」又は「核酸」は、任意の長さのヌクレオチドのポリマーを意味し、DNA及びRNAが含まれる。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチドリボヌクレオチド、修飾されたヌクレオチド又は塩基、及び/又はそれらの類似体(アナログ)、又はDNAもしくはRNAポリメラーゼにより、もしくは合成反応によりポリマー中に取り込み可能な任意の基質とすることができる。ポリヌクレオチドは、修飾されたヌクレオチド、例えばメチル化ヌクレオチド及びそれらの類似体を含み得る。存在するならば、ヌクレオチド構造に対する修飾は、ポリマーの組み立ての前又は後になされ得る。ヌクレオチドの配列は非ヌクレオチド成分により中断されてもよい。ポリヌクレオチドは合成後に標識とコンジュゲートによるなどしてさらに修飾されてもよい。他のタイプの修飾には、例えば「キャップ(caps)」、類似体との自然に生じたヌクレオチドの一又は複数の置換、ヌクレオチド間修飾、例えば非荷電連結(例えばホスホン酸メチルホスホトリエステル、ホスホアミダートカルバマート等)及び荷電連結(ホスホロチオアート、ホスホロジチオアート等)を有するもの、ペンダント部分、例えばタンパク質(例えばヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ply-L-リジン等)を含むもの、インターカレータ(intercalators)を有するもの(例えばアクリジンソラレン等)、キレート剤(例えば金属、放射性金属ホウ素、酸化的金属等)を含むもの、アルキル化剤を含むもの、修飾された連結を含むもの(例えばアルファアノマー核酸等)、並びにポリヌクレオチド(類)の未修飾形態が含まれる。更に、糖類中に通常存在する任意のヒドロキシル基は、例えばホスホナート基、ホスファート基で置き換えられてもよく、標準的な保護基で保護されてもよく、又は付加的なヌクレオチドへのさらなる連結を調製するように活性化されてもよく、もしくは固体又は半固体担体に結合していてもよい。5'及び3'末端のOHはホスホリル化可能であり、又は1〜20の炭素原子を有する有機キャップ基部分又はアミンで置換することもできる。また他のヒドロキシルは標準的な保護基に誘導体化されてもよい。またポリヌクレオチドは当該分野で一般的に知られているリボース又はデオキシリボース糖類の類似形態のものをさらに含み得、これらには例えば2'-O-メチル-、2'-O-アリル、2'-フルオロ又は2'-アジド-リボース、炭素環式糖の類似体、アルファ-アノマー糖、エピマー糖、例えばアラビノースキシロース類又はリキソース類、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース非環式類似体、及び非塩基性ヌクレオシド類似体、例えばメチルリボシドが含まれる。一又は複数のホスホジエステル連結は代替連結基で置き換えてもよい。これらの代替の連結基には、限定されるものではないが、ホスファートがP(O)S(「チオアート」)、P(S)S(「ジチオアート」)、「(O)NR2(「アミダート」)、P(O)R、P(O)OR'、CO又はCH2(「ホルムアセタール」)と置き換えられた実施態様のものが含まれ、ここでそれぞれのR及びR'は独立して、H又は、エーテル(-O-)結合を含んでいてもよい置換もしくは未置換のアルキル(1-20C)、アリールアルケニルシクロアルキルシクロアルケニル又はアラルジル(araldyl)である。ポリヌクレオチド中の全ての結合が同一である必要はない。先の記述は、RNA及びDNAを含むここで引用される全てのポリヌクレオチドに適用される。
ここで使用される「オリゴヌクレオチド」とは、短く、一般的に単鎖であり、また必ずしもそうではないが、一般的に約200未満のヌクレオチド長さの、一般的に合成のポリヌクレオチドを意味する。「オリゴヌクレオチド」及び「ポリヌクレオチド」なる用語は、相互に排他的なものではない。ポリヌクレオチドについての上述した記載はオリゴヌクレオチドと等しく、十分に適用可能である。

0091

「癌」及び「癌性」なる用語は、一般的に制御されない細胞増殖を特徴とする哺乳動物の生理学的状態を関すか又は記述する。癌の例には、限定するものではないが、造血性癌又は血液関連の癌、例えばリンパ腫、白血病骨髄腫又はリンパ系腫瘍、しかしまた、脾臓の癌やリンパ節の癌や、更にはカルチノーマ、芽細胞腫(ブラストーマ)及び肉腫が含まれる。癌のより具体的な例には、B細胞関連の癌、例えば高、中及び低悪性度リンパ腫(例えば粘膜関連のリンパ組織B細胞リンパ腫及び非ホジキンリンパ腫(NHL)などのB細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、濾胞性リンパ腫及びホジキンリンパ腫、及びT細胞リンパ腫を含む)や、白血病(二次白血病、慢性リンパ球性白血病(CLL)、例えばB細胞白血病(CD5+Bリンパ球)、脊髄性白血病、例えば急性脊髄性白血病、慢性脊髄性白血病、リンパ白血病、例えば急性リンパ芽球性白血病(ALL)及び脊髄形成異常を含む)や、他の血液学的な及び/又はB細胞ないしT細胞関連の癌が含まれる。また、好塩基球、好酸球、好中球及び単球のような多核白血球樹状細胞、血小板、赤血球及びナチュラルキラー細胞を含む更なる造血性細胞の癌も含まれる。また、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、進行性NHL、再発性進行性NHL、再発性低悪性度NHL、難治性NHL、難治性低悪性度NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病、毛様細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)及びマントル細胞リンパ腫から選択される、癌性B細胞増殖性疾患も含まれる。B細胞癌の起源には、辺縁帯のメモリーB細胞の辺縁帯B細胞リンパ腫起源、胚中心ライトゾーン中心細胞内の濾胞性リンパ腫及びびまん性大B細胞リンパ腫起源、B1細胞(CD5+)の慢性リンパ球性白血病及び小リンパ球性白血病起源、マントルゾーンのナイーブB細胞のマントル細胞リンパ腫起源、及び胚中心のダークゾーンの中心芽細胞のバーキットリンパ腫起源が含まれる。本明細書中で「造血性細胞組織」と称される造血性細胞を含む組織には、胸腺及び骨髄及び周辺リンパ組織、例えば脾臓、リンパ節、粘膜と関連したリンパ組織、例えば腸関連のリンパ組織、扁桃腺パイエル板及び虫垂及び他の粘膜と関連するリンパ系組織、例えば気管支裏層が含まれる。このような癌のより具体的な例には、扁平細胞癌、小細胞肺癌非小細胞肺癌腺癌、肺の扁平上皮癌腹膜の癌、肝細胞性癌胃腸癌、膵癌グリオーマ子宮頸癌卵巣癌肝癌膀胱癌肝腫瘍、乳癌、大腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜又は子宮上皮癌唾液腺上皮癌、腎臓癌、肝癌、前立腺癌外陰部癌、甲状腺癌肝臓癌、白血病及び他のリンパ系増殖性疾患、及び様々なタイプの頭頸部癌が含まれる。

0092

本明細書中の「B細胞悪性腫瘍」には、非ホジキンリンパ腫(NHL)、例として軽度/濾胞性NHL、小リンパ球(SL)NHL、中程度/濾胞性NHL、中程度のびまん性NHL、高度免疫芽細胞NHL、高度リンパ芽球NHL、高度小型非切れ込み核細胞性NHL、バルキー(bulky)疾患NHL、マントル細胞リンパ腫、エイズ関連のリンパ腫、及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症、非ホジキンリンパ腫(NHL)、リンパ球優性ホジキン病(LPHD)、小リンパ球性リンパ腫(SL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、再発性低悪性度NHL及びリツキシマブ抵抗性の低悪性度NHLを含む低悪性度NHL;白血病、例として急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ヘアリー細胞白血病、慢性骨髄芽球性白血病;マントル細胞リンパ腫;及び他の血液学的な悪性腫瘍が含まれる。このような悪性腫瘍は、CD79bなどのB細胞表面マーカーに対する抗体によって治療されてもよい。このような疾患は、CD79bなどのB細胞表面マーカーに対する抗体の投与によって治療されることが本明細書において意図されるものであり、本明細書中で開示したようなコンジュゲートしていない(「ネイキッド」)抗体又は細胞障害性剤にコンジュゲートされた抗体の投与を含む。また、このような疾患は、他の抗体ないし抗体薬剤コンジュゲート、他の細胞障害性剤、放射線又は他の同時ないしは連続して施される治療と組み合わせて、本発明の抗CD79b抗体ないし抗CD79b抗体薬剤コンジュゲートを含む併用療法によって治療されることが、本願明細書において意図される。本発明の例示的な治療方法では、本発明の抗CD79b抗体は、抗CD20抗体、イムノグロブリン又はこれらのCD20結合断片と組み合わされて、ともにないしは連続して投与される。抗CD20抗体はネイキッド抗体又は抗体薬剤コンジュゲートであってもよい。併用療法の実施態様では、抗CD79b抗体は本発明の抗体であり、抗CD20抗体はリツキサン(登録商標)(リツキシマブ)である。

0093

本明細書で使用する「非ホジキンリンパ腫」又は「NHL」という用語は、ホジキンリンパ腫以外のリンパ系の癌を意味する。通常、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫とは、ホジキンリンパ腫にはリードシュテルンベルク細胞が存在し、非ホジキンリンパ腫には前記細胞が不在であることにより区別することができる。本明細書で使用する用語に含まれる非ホジキンリンパ腫の例は、従来技術に既知の分類方式、例えばColor Atlas of Clinical Hematology第3版; A. Victor Hoffbrand及びJohn E. Pettit(編)(Harcourt Publishers Limited 2000)(特に図11.57、11.58及び11.59参照)に記載の改訂版European-American Lymphoma (REAL)方式に従って当業者(腫瘍学者又は病理学者)によって認識されるあらゆるものを含む。より具体的な例としては、限定するものではないが、再発性又は抵抗性NHL、前線低悪性度NHL、第III/IV期NHL、化学療法に抵抗性のNHL、前駆体Bリンパ芽球性白血病及び/又はリンパ腫、小リンパ球リンパ腫、B細胞慢性リンパ性白血病及び/又は前リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、immunocytoma及び/又はリンパ形質細胞性リンパ腫、リンパ系質細胞性リンパ腫周辺帯B細胞リンパ腫、周辺帯リンパ腫、結節外周辺帯−MALTリンパ腫、結節周辺帯リンパ腫、有毛細胞白血病、プラズマ細胞腫及び/又は形質細胞骨髄腫、低悪性度/濾胞性リンパ腫、中悪性度/濾胞性NHL、マントル細胞リンパ腫、濾胞性中心リンパ腫(濾胞性)、中悪性度拡散性NHL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、高悪性度NHL(高悪性度前線NHL及び高悪性度再発性NHLを含む)、自己幹細胞移植後の又は自己肝細胞移植に抵抗性のNHL再発、原発性縦隔大B細胞リンパ腫、原発性浸出リンパ腫、高悪性度免疫芽細胞性NHL、高悪性度リンパ芽球性NHL、高悪性度非切断小細胞性NHL、巨大(bulky)病変NHL、バーキットリンパ腫、前駆体(周辺性)大顆粒リンパ球性白血病、菌状息肉腫及び/又はセザリー症候群、皮膚(皮膚性)リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、血管動原体リンパ腫が挙げられる。

0094

「疾患」は、本発明の物質/分子又は方法を用いた処置によって利益を得る任意の症状である。これには、問題とする疾患に哺乳動物がかかりやすくなる病理学的症状を含む慢性及び急性の疾病又は疾患を含む。限定的なものではなく、ここで処置される疾患の例には、悪性及び良性などの癌性状態;非白血病及びリンパ系腫瘍;ニューロングリアアストロサイト(astrocytal)、視床下部及び他の、マクロファージ、上皮性、間質性及びブラストコエリックの疾患;炎症性免疫性、及び他の血管形成関連の障害が含まれる。さらに、疾患には、B細胞増殖性疾患及び/又はB細胞腫瘍などの癌性状態、例えばリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、進行性NHL、再発性進行性NHL、再発性低悪性度NHL、難治性NHL、難治性低悪性度NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病、毛様細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)及びマントル細胞リンパ腫が含まれる。
「細胞増殖性疾患」及び「増殖性疾患」なる用語は、ある程度の異常な細胞増殖と関係している疾患を指す。一実施態様では、細胞増殖性疾患は癌である。
本明細書中の「腫瘍」とは、悪性か良性かにかかわらず、すべての前癌性及び癌性細胞及び組織を指す。

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