図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2019年9月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

良好な風味発現が得られる、且つ異味を有しない油中水型乳化組成物用の乳化素材を提供すること。

解決手段

下記条件(1)〜(5)を満たす、油中水型乳化油脂組成物乳化材。(1)蛋白質と脂質との脂質蛋白質複合体を含有する。(2)脂質蛋白質複合体を構成する蛋白質として乳蛋白質を含有する。(3)上記乳蛋白質中のカゼイン蛋白質含有量が40〜95質量%である。(4)上記乳蛋白質中のカゼイン蛋白質がミセル態カゼイン蛋白質を含有する。(5)脂質蛋白質複合体を構成する脂質としてリン脂質を含有する。

概要

背景

油中水型乳化油脂組成物水中油型乳化油脂組成物と比較して、連続相油相であるために、口溶けが悪くなりやすく、そのため風味発現性が乏しくなりやすい。
油中水型乳化油脂組成物の風味発現性を改良する手法の一として、従来、乳化剤を含有する油中水型乳化油脂組成物が提案されてきた。

例えば、特許文献1では、HLB7以上のポリグリセリン脂肪酸エステル等を解乳化剤として含有する油中水型乳化油脂組成物が開示されている。特許文献2では脂肪酸基が不飽和である高HLB(好ましくはHLB9以上)のグリセリン脂肪酸エステルを含有する油脂組成物が開示されている。更に、これらと同様の技術として、特許文献3では、高HLBのショ糖脂肪酸エステルエタノール等のアルコール可溶化剤を含有する油脂組成物が開示されている。

しかし、昨今、消費者ニーズ合成乳化剤のような食品添加物の含量を低減する方向にあるため、これらの技術では消費者のニーズに応えにくいという問題があった。
また、合成乳化剤を含有する油中水型乳化油脂組成物は、使用する食品の種類や、その使用量によって、食品本来の風味が阻害されたり、食品中の呈味素材の風味が感じにくくなる場合があった。更に合成乳化剤由来異味を食品に付与してしまう場合があった。
これらの傾向は、ベーカリー食品の場合や、バタークリームのような、油中水型乳化油脂組成物等の油脂組成物を主体とする食品の場合において、特に顕著であった。

これらの問題を解決するための手法の一が、乳化剤の代わりに、脂質と蛋白質とを複合化処理して得られる脂質蛋白質複合体(以下、単に「複合体」ということがある)を油中水型乳化油脂組成物に用いる方法である。

従来開示されている、脂質蛋白質複合体を含有する油中水型乳化油脂組成物としては、例えば、植物ステロール類卵黄リポ蛋白質との複合体が配合された油中水型乳化食品(特許文献4)や、有機酸モノグリセリド乳蛋白質との複合体、油脂、乳固形分、糖類及び水を含有してなる混合物脂肪酸分解酵素で分解することを特徴とする油脂乳化組成物(特許文献5)が開示されている。

特許文献4には、同文献の記載の技術によれば、なめらかな口溶けのよい油中水型乳化食品が得ることができると記載されている。しかしながら、同文献の記載の技術は、植物ステロールを、食感を低減させることなく油中水型乳化食品中に分散させるためのものである。
また特許文献5に記載の油脂乳化組成物は、有機酸モノグリセリド由来の異味が生じやすいことや、脂肪酸分解酵素による分解の工程を経る必要があり、風味面や製造面に課題を有していた。

特許文献6には、バタークリームの風味改良を行う観点から、脂質蛋白質複合体を乳化シロップに用いることが開示されている。しかし、この手法は、脂質蛋白質複合体を用い、水中油型乳化の乳化シロップを得ることを特徴とするものであり、油中水型乳化油脂組成物自体の物性を改良することについては、記載も示唆もなかった。

ここで、本発明者らは、特定の脂質蛋白質複合体が水中油型乳化脂用の乳化材として好適に使用されることを開示している。(特許文献7)
しかしながら、同文献には、乳化材を乳化形態の異なる油中水型乳化油脂組成物に用いることについては記載も示唆もない。

概要

良好な風味発現が得られる、且つ異味を有しない油中水型乳化組成物用の乳化素材を提供すること。下記条件(1)〜(5)を満たす、油中水型乳化油脂組成物用乳化材。(1)蛋白質と脂質との脂質蛋白質複合体を含有する。(2)脂質蛋白質複合体を構成する蛋白質として乳蛋白質を含有する。(3)上記乳蛋白質中のカゼイン蛋白質含有量が40〜95質量%である。(4)上記乳蛋白質中のカゼイン蛋白質がミセル態カゼイン蛋白質を含有する。(5)脂質蛋白質複合体を構成する脂質としてリン脂質を含有する。なし

目的

(1)良好な風味発現が得られる、油中水型乳化組成物用の乳化素材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

下記条件(1)〜(5)を満たす、油中水型乳化油脂組成物乳化材。(1)蛋白質と脂質との脂質蛋白質複合体を含有する。(2)脂質蛋白質複合体を構成する蛋白質として乳蛋白質を含有する。(3)上記乳蛋白質中のカゼイン蛋白質含有量が40〜95質量%である。(4)上記乳蛋白質中のカゼイン蛋白質がミセル態カゼイン蛋白質を含有する。(5)脂質蛋白質複合体を構成する脂質としてリン脂質を含有する。

請求項2

上記カゼイン蛋白質中のミセル態カゼイン蛋白質の含有量が、60〜100質量%である、請求項1記載の油中水型乳化油脂組成物用乳化材。

請求項3

請求項1又は2記載の油中水型乳化油脂組成物用乳化材を含有する、油中水型乳化油脂組成物。

請求項4

請求項3の油中水型乳化油脂組成物を用いてなるベーカリー食品

請求項5

請求項3の油中水型乳化油脂組成物を用いてなるフィリング類

請求項6

請求項1又は2記載の油中水型乳化油脂組成物用乳化材の製造方法であって、蛋白質と脂質とを含有する水溶液均質化する工程を含む、油中水型乳化油脂組成物用乳化材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、風味発現性が良好な油中水型乳化油脂組成物を製造することができる油中水型乳化油脂組成物用乳化材に関する。

背景技術

0002

油中水型乳化油脂組成物は水中油型乳化油脂組成物と比較して、連続相油相であるために、口溶けが悪くなりやすく、そのため風味発現性が乏しくなりやすい。
油中水型乳化油脂組成物の風味発現性を改良する手法の一として、従来、乳化剤を含有する油中水型乳化油脂組成物が提案されてきた。

0003

例えば、特許文献1では、HLB7以上のポリグリセリン脂肪酸エステル等を解乳化剤として含有する油中水型乳化油脂組成物が開示されている。特許文献2では脂肪酸基が不飽和である高HLB(好ましくはHLB9以上)のグリセリン脂肪酸エステルを含有する油脂組成物が開示されている。更に、これらと同様の技術として、特許文献3では、高HLBのショ糖脂肪酸エステルエタノール等のアルコール可溶化剤を含有する油脂組成物が開示されている。

0004

しかし、昨今、消費者ニーズ合成乳化剤のような食品添加物の含量を低減する方向にあるため、これらの技術では消費者のニーズに応えにくいという問題があった。
また、合成乳化剤を含有する油中水型乳化油脂組成物は、使用する食品の種類や、その使用量によって、食品本来の風味が阻害されたり、食品中の呈味素材の風味が感じにくくなる場合があった。更に合成乳化剤由来異味を食品に付与してしまう場合があった。
これらの傾向は、ベーカリー食品の場合や、バタークリームのような、油中水型乳化油脂組成物等の油脂組成物を主体とする食品の場合において、特に顕著であった。

0005

これらの問題を解決するための手法の一が、乳化剤の代わりに、脂質と蛋白質とを複合化処理して得られる脂質蛋白質複合体(以下、単に「複合体」ということがある)を油中水型乳化油脂組成物に用いる方法である。

0006

従来開示されている、脂質蛋白質複合体を含有する油中水型乳化油脂組成物としては、例えば、植物ステロール類卵黄リポ蛋白質との複合体が配合された油中水型乳化食品(特許文献4)や、有機酸モノグリセリド乳蛋白質との複合体、油脂、乳固形分、糖類及び水を含有してなる混合物脂肪酸分解酵素で分解することを特徴とする油脂乳化組成物(特許文献5)が開示されている。

0007

特許文献4には、同文献の記載の技術によれば、なめらかな口溶けのよい油中水型乳化食品が得ることができると記載されている。しかしながら、同文献の記載の技術は、植物ステロールを、食感を低減させることなく油中水型乳化食品中に分散させるためのものである。
また特許文献5に記載の油脂乳化組成物は、有機酸モノグリセリド由来の異味が生じやすいことや、脂肪酸分解酵素による分解の工程を経る必要があり、風味面や製造面に課題を有していた。

0008

特許文献6には、バタークリームの風味改良を行う観点から、脂質蛋白質複合体を乳化シロップに用いることが開示されている。しかし、この手法は、脂質蛋白質複合体を用い、水中油型乳化の乳化シロップを得ることを特徴とするものであり、油中水型乳化油脂組成物自体の物性を改良することについては、記載も示唆もなかった。

0009

ここで、本発明者らは、特定の脂質蛋白質複合体が水中油型乳化脂用の乳化材として好適に使用されることを開示している。(特許文献7)
しかしながら、同文献には、乳化材を乳化形態の異なる油中水型乳化油脂組成物に用いることについては記載も示唆もない。

先行技術

0010

特開2001−008617号公報
特開平6−209706号公報
特開昭52−021006号公報
特開2008−072943号公報
特開2002−003882号公報
特開2003−180267号公報
特開2017−029022号公報

発明が解決しようとする課題

0011

本発明の課題は、次のとおりである。
(1)良好な風味発現が得られる、油中水型乳化組成物用の乳化素材を提供すること
(2)異味を有しない、油中水型乳化組成物用の乳化素材を提供すること

課題を解決するための手段

0012

上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、特定の形態のカゼイン蛋白質を構成成分として含む複合体により、上記課題を解決できることが明らかとなった。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、下記条件(1)〜(5)を満たす、油中水型乳化油脂組成物用乳化材を提供するものである。
(1)蛋白質と脂質との脂質蛋白質複合体を含有する。
(2)脂質蛋白質複合体を構成する蛋白質として乳蛋白質を含有する。
(3)上記乳蛋白質中のカゼイン蛋白質の含有量が40〜95質量%である。
(4)上記乳蛋白質中のカゼイン蛋白質がミセル態カゼイン蛋白質を含有する。
(5)脂質蛋白質複合体を構成する脂質としてリン脂質を含有する。

0013

また、本発明は前記油中水型乳化油脂組成物用乳化材を含有する油中水型乳化油脂組成物を提供するものである。
また、本発明は前記油中水型乳化油脂組成物を用いてなるベーカリー食品を提供するものである。
また、本発明は該油中水型乳化油脂組成物を用いてなるフィリング類を提供するものである。

発明の効果

0014

本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材を用いることにより得られる効果は、次のとおりである。
(1)本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材を含有する油中水型乳化油脂組成物、及び該油中水型乳化油脂組成物を用いてなる食品の風味発現性が良好である
(2)本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材を含有する油中水型乳化油脂組成物を用いてなる食品に対して異味を付与しない

0015

本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材は、下記条件(1)〜(5)を満たすものである。
(1)蛋白質と脂質との脂質蛋白質複合体を含有する。
(2)脂質蛋白質複合体を構成する蛋白質として乳蛋白質を含有する。
(3)上記乳蛋白質中のカゼイン蛋白質の含有量が40〜95質量%である。
(4)上記乳蛋白質中のカゼイン蛋白質がミセル態カゼイン蛋白質を含有する。
(5)脂質蛋白質複合体を構成する脂質としてリン脂質を含有する。
以下、本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材について、好ましい実施形態に基づき、各条件毎に詳述する。

0016

本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材は、必須成分として蛋白質と脂質との複合体を含有する。(条件(1))
本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材は、後述の各条件を満たす、蛋白質と脂質との複合体を含有するものである。本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材は、必要に応じ、後述するその他の成分を含有する場合がある。
本発明における複合体とは、蛋白質と脂質とを含有し、且つ蛋白質と脂質との間に働く強い親和力により形成される高次構造を持つものである。単に蛋白質と脂質とを含有するものは、本発明の複合体には包含されない。

0017

本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材は、以下に詳述する複合体を少なくとも含有するものである。本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材における複合体の含有量は、本発明の効果を十分に得る観点から油中水型乳化油脂組成物用乳化材の固形分中の60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが最も好ましい。また、複合体の含有量の上限は100質量%である。

0018

本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材に含有される、複合体の構成成分について述べる。
上記複合体を構成する蛋白質としては、特に限定されず任意の蛋白質を使用することが可能である。蛋白質としては、例えば、ホエイ蛋白質、カゼイン蛋白質等の乳蛋白質、低密度リポ蛋白質、高密度リポ蛋白質、ホスビチンリベチンリン糖蛋白質、オボアルブミンコンアルブミンオボムコイド等の卵蛋白質グリアジングルテニンプロラミングルテリン等の小麦蛋白質大豆蛋白質エンドウ豆蛋白質、その他動物性微生物性及び植物性蛋白質等の蛋白質が挙げられる。これらの蛋白質は、目的に応じて1種ないし2種以上の蛋白質として、あるいは1種ないし2種以上の蛋白質を含有する食品素材の形で使用することもできる。

0019

本発明に使用される複合体は、構成する蛋白質中に乳蛋白質を含有することを必須とする。(条件(2))
具体的には、複合体を構成する蛋白質中の乳蛋白質の含有量が、好ましくは40質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
複合体を構成する蛋白質における乳蛋白質の含有量が40質量%以上であると、本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材を含有する油中水型乳化油脂組成物や、該油中水型乳化油脂組成物を用いてなる食品の風味発現性が高まるため好ましい。

0020

本発明では、複合体を構成する乳蛋白質中のカゼイン蛋白質の含有量が40〜95質量%であることを必須とする。(条件(3))
複合体を構成する乳蛋白質中におけるカゼイン蛋白質の量は、好ましくは50〜95質量%、より好ましくは55〜90質量%、最も好ましくは55〜85質量%である。
複合体を構成する乳蛋白質中のカゼイン蛋白質の比率が上記範囲内であると、本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材を用いた油中水型乳化油脂組成物の風味発現性が良好なものとなり、該油中水型乳化油脂組成物を用いてなる食品の喫食後、ミドルからラストにかけて、強く風味が感じられるようになるため好ましい。

0021

上記乳蛋白質は、カゼイン蛋白質以外のその他の乳蛋白質を含有する。その他の乳蛋白質の種類については特に制限はなく、公知のものを用いることができる。本発明においては、その他の乳蛋白質が、ホエイ蛋白質であることが好ましい。ホエイ蛋白質の含有量は、本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材を用いて得られる油中水型乳化油脂組成物の乳化安定性と風味発現性との両立の観点から、カゼイン蛋白質1質量部に対して0.05〜1.5であることが好ましく、0.2〜0.8であることがより好ましい。

0022

本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材に使用される複合体は、上記カゼイン蛋白質としてミセル態カゼイン蛋白質を含有することを必須とする。(条件(4))
本発明では、ミセル態カゼイン蛋白質そのものを使用することもできるが、通常はこのミセル態カゼイン蛋白質を含有する乳蛋白質、あるいはミセル態カゼイン蛋白質を含有する乳製品を使用する。

0023

上記ミセル態カゼイン蛋白質を含有する乳蛋白質としては、ミセルカゼインアイソレート(MCI濃縮ミセラカゼイン(MCC)ともいう)、ミルクプロテインコンセントレートMPC)、トータルミルクプロテイン(TMP)などが挙げられ、上記ミセル態カゼイン蛋白質を含有する乳製品としては脱脂粉乳、全粉乳バターミルクパウダーなどが挙げられる。
本発明では、上述したミセル態カゼイン蛋白質を含有する乳蛋白質・乳製品の中でも、とりわけミセル態カゼイン蛋白質を多く含有している点でミセルカゼインアイソレート、及び/又は、ミルクプロテインコンセントレートを使用することが好ましい。
尚、本発明では、風味発現性の向上の観点から、カゼイン蛋白質中の上記ミセル態カゼイン蛋白質の含有量が60〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることがより好ましい。また、カゼイン蛋白質中の上記ミセル態カゼイン蛋白質が上記の範囲であると、本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材を用いてなるフィリング類の口溶け性が向上するため好ましい。

0024

本発明においてミセル態カゼイン蛋白質とは、カルシウム−カゼイン−リン酸架橋により構成されるカゼインミセル構造を有するカゼイン蛋白質である。すなわち、ミセル態カゼイン蛋白質とは、カルシウム−カゼイン−リン酸の架橋により構成されるカゼインミセル構造が破壊されることなく得られたカゼイン蛋白質である。

0025

カゼイン蛋白質がこのようなミセル構造をとる場合、平均粒径が0.1μm程度の直径を有することが知られており、0.03〜0.3μmの範囲の粒径をとることが知られている。(日暖畜報53(1):9−16,2010、MilkScienceVol.54,No.12005など)
このことから、ミセル態カゼイン蛋白質を簡易的に定量化する手法として、レーザー回折平均粒度分布測定装置(例えばSALD−2300((株)島津製作所))により平均粒度分布を測定することが挙げられる。

0026

上記複合体を構成する脂質としては、特に限定されず、任意の脂質を使用することが可能であり、例えばトリグリセリドジグリセリドモノグリセリド、リン脂質、ソルビタン脂肪酸エステルプロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。

0027

本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材は、複合体を構成する脂質として、リン脂質を含有することを必須とする。(条件(5))
上記脂質におけるリン脂質の含有量は、リン脂質とリン脂質以外の脂質との質量比率が、前者:後者で、30:70〜100:0の範囲が好ましく、60:40〜100:0の範囲がより好ましく、80:20〜100:0の範囲が最も好ましい。
リン脂質をレシチンの形で使用する場合は、リン脂質と、レシチンに含有されるその他の脂質との質量比率が、前者:後者で、30:70〜100:0の範囲にある任意のレシチンを使用することができ、好ましくは60:40〜100:0のレシチンを、より好ましくは80:20〜100:0のレシチンを使用するとよい。

0028

本発明においては、上記リン脂質の由来は特に限定されるものではなく、大豆由来ヒマワリ由来、紅花由来、菜種由来、卵黄由来魚卵由来、乳由来等の動物性、植物性あるいは微生物性のリン脂質を使用することができる。
また、その場合、抽出物精製物あるいは酵素処理品等として使用することも可能である。尚、具体的なリン脂質としてはホスファチジン酸ホスファチジルコリンホスファチジルエタノールアミンホスファチジルイノシトールホスファチジルセリンスフィンゴミエリン等が挙げられ、これらの内の1種又は2種以上を使用することができる。
尚、リゾ化されたリン脂質については、本発明品を用いて得られる油中水型乳化油脂組成物の物性を損ねる場合があるため、用いないことが好ましい。

0029

本発明において、複合体を構成する蛋白質と脂質との質量比は、風味発現性が良好な油中水型乳化油脂組成物を得る観点から、蛋白質と脂質との割合の和を100とした場合に、蛋白質:脂質=60〜85:15〜40となることが好ましく、65〜80:20〜35となることがより好ましい。
上記蛋白質として、蛋白質を含有する食品素材を使用した場合、また、脂質として、脂質を含有する食品素材を使用した場合は、上述の割合は、それぞれの食品素材に含まれる純蛋白質含量と純脂質含量を用いて算出するものとする。

0030

本発明に使用される複合体は任意の手法により製造することができるが、蛋白質と脂質とを高効率で複合化させる観点から、次の方法で製造することが好ましい。すなわち、水に、好ましくは乳蛋白質を含有する蛋白質とリン脂質を含有する脂質との質量比が上述の範囲となるように、蛋白質や蛋白質を含有する食品素材及び脂質や脂質を含有する食品素材、必要に応じその他成分を添加し、蛋白質と脂質とを含有する水溶液を調製し、調製した水溶液を均質化する工程を経ることにより、製造される。

0031

以下、本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材に含有される複合体の好ましい製造方法について述べる。
まず、蛋白質や蛋白質を含有する食品素材、及び脂質や脂質を含有する食品素材を水中に分散・混合し、蛋白質と脂質とを含有する水溶液を得て、これを均質化する。本発明において均質化とは、配合された各成分を十分混合することにより均質にし、脂肪球等の粗大粒子を機械的に微細化して脂質や蛋白質等の浮上・沈殿凝集を防止するとともに、均一な懸濁状態にすることをいう。
上記水溶液調製する際、水溶液中に上記蛋白質及び脂質以外の、その他成分を含有させることができるが、高効率で蛋白質と脂質を複合化させる観点から、その他成分を含有させないことが好ましい。水溶液中にその他成分を含有させる場合には、蛋白質と脂質との合計量の、60質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、最も好ましくは10質量%以下とする。

0032

上記のその他の成分としては、例えば、アルギン酸アルギン酸塩ペクチンLMペクチン、HMペクチン、海藻抽出物海藻エキス寒天グルコマンナンローカストビーンガムグアーガムジェランガムタラガンガムキサンタンガムカラギーナンカードランタマリンドシードガムカラヤガムタラガムトラガントガムアラビアガムカシアガムメチルセルロースカルボキシメチルセルロースポリデキストロース等のゲル化剤や安定剤、食塩岩塩等の塩味剤、無機塩有機酸塩無機酸、有機酸、直鎖デキストリン分枝デキストリン環状デキストリン難消化性デキストリン等のデキストリン類蔗糖液糖はちみつブドウ糖果糖麦芽糖乳糖シクロデキストリン酵素糖化水飴、酸糖化水飴、還元澱粉糖化物還元糖ポリデキストロース、還元乳糖ソルビトールキシリトールマルチトールエリスリトールマンニトール異性化液糖ショ糖結合水飴、オリゴ糖キシローストレハロースフラクトオリゴ糖大豆オリゴ糖ガラクトオリゴ糖キシロオリゴ糖アラビノースパラチノースオリゴ糖アガロオリゴ糖キチンオリゴ糖乳果オリゴ糖ヘミセルロースモラセスイソマルトオリゴ糖マルトオリゴ糖ラフィノースラクチュローステアンデオリゴ糖、ゲンチオリゴ糖、アセスルファムカリウムスクラロースステビアアスパルテームサッカリンネオテーム甘草羅漢果グリチルリチングリチルリチン酸塩ジヒドロカルコンソーマチンモネリン等の甘味料、アルコール、プロピレングリコール着香料苦味料調味料等の呈味成分着色料保存料酸化防止剤pH調整剤強化剤酵素賦形剤、固結防止剤分散剤光沢剤ビタミン剤などが挙げられる。

0033

また、脂質蛋白質複合体の製造する際、蛋白質と脂質とを含有する水溶液を均質化する前又は均質化した後に加熱殺菌することが好ましい。均質化の後に加熱殺菌する場合は、加熱殺菌の後に再度均質化することができる。

0034

上記均質化に用いる装置としては、ケトルチーズ乳、ステファンミキサーのような高速せん断乳化釜、スタティックミキサーインラインミキサーホモゲナイザーコロイドミルディスパーミル等があげられる。この均質化処理は、2段式ホモゲナイザーを用いて、例えば、1段目3〜100MPa、2段目0〜5MPaの均質化圧力にて行われる。
また、上記加熱殺菌の方法としては、インジェクション式、インフュージョン式、マイクロ波等の直接加熱方式、又は、バッチ式プレート式チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式があり、UHT、HTST、LTLT等の60〜160℃の加熱処理を行なえば良い。

0035

均質化・加熱殺菌を行った後、蛋白質と脂質の複合化の度合いを高める観点から、複合体を含有する水溶液を冷却することが好ましく、冷凍することがより好ましい。冷却方法は例えば、チューブラー式、掻取式等の熱交換機によって冷却する方法でも良い。また、別の方法として、適当な容器充填した後に、水浴氷浴冷蔵庫冷凍庫等で冷却する方法も挙げられる。尚、冷却に要する時間としては30分以上であることが好ましく、より好ましくは3時間以上とする。
冷凍する際の冷却速度については緩慢な冷却とすることができ、急速な冷却とすることができるが、緩慢に冷却することが好ましい。
本発明における緩慢な冷却とは、2.0℃/h以下、好ましくは0.1〜1.5℃/hを指し、急速な冷却とは2.0℃/h超を指す。
複合体を含有する水溶液を冷凍する場合、最大氷結晶生成温度帯(−1〜−5℃)を2時間以上かけて通過することが好ましい。
上記のとおり、蛋白質と脂質とを含有する水溶液に対し、均質化、好ましくは更に加熱殺菌、冷却を施すことによって、複合体を含有する水溶液を得ることができる。
また、上記操作の後、必要に応じて濃縮操作を行ってもよい。
また、本発明においては、良好な食味を得る観点から、複合化工程又は濃縮の工程は、加熱を伴う乾燥工程等を含まないことが好ましい。

0036

本発明では、上記工程を経て得られた、複合体を含有する水溶液をそのまま油中水型乳化油脂組成物用乳化材として用いることができる。
本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材の形態としては、特に制限されず、固形、顆粒状、粉末状、ペースト状、流動状、液状のいずれの形態とすることができるが、本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材を含有する油中水型乳化油脂を製造する際に、均質に分散させるのが容易である点で、流動状、ペースト状、又は液状であることが好ましい。

0037

次に、本発明の油中水型乳化油脂組成物用乳化材を含有する、油中水型乳化油脂組成物について述べる。
本発明の油中水型乳化油脂組成物は、上記条件(1)〜(5)を満たす油中水型乳化油脂組成物用乳化材を含有するものである。本発明の油中水型乳化油脂組成物における上記条件(1)〜(5)を満たす油中水型乳化油脂組成物用乳化材の含有量は、油中水型乳化油脂組成物における上記複合体の含有量が、好ましくは0.1〜3.5質量%、より好ましくは0.2〜2質量%となる量である。油中水型乳化油脂組成物中の複合体の含有量が上述の範囲である場合、本発明の効果がより顕著に奏され、また、風味発現性がより良好になるため好ましい。

0038

本発明の油中水型乳化油脂組成物は油脂を含有する。本発明の油中水型乳化油脂組成物に用いられる油脂は特に制限されず、例えば、パーム油パーム核油ヤシ油コーン油オリーブ油綿実油大豆油ナタネ油米油ヒマワリ油サフラワー油カカオバターシア脂マンゴー核油、サル脂及びイリッペ脂等の植物油脂牛脂乳脂豚脂魚油及び鯨油等の動物油脂、これらの各種動植物油脂に必要に応じてエステル交換水素添加異性化水添分別等の処理のうち、1種又は2種以上の処理を行って得られる加工油脂脂肪酸及び/または脂肪酸低級アルコールエステルを用いて製造したエステル交換油が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を使用することができる。

0039

本発明の油中水型乳化油脂組成物中の油分含量は、好ましくは10〜99質量%、より好ましくは50〜95質量%、更に好ましくは60〜90質量%である。
本発明の油中水型乳化油脂組成物中が下記のその他の成分を含有し、且つその他の成分が油脂を含有する場合、その他の成分に由来する油脂も、上記の油分含量に含めるものとする。

0040

本発明の油中水型乳化油脂組成物は水分を含有する。本発明の油中水型乳化油脂組成物中の水分含有量は、油中水型乳化油脂組成物基準で、好ましくは1〜35質量%、より好ましくは1〜30質量%、最も好ましくは10〜25質量%である。
本発明の油中水型乳化油脂組成物中が下記のその他の成分を含有し、且つその他の成分が水分を含有する場合には、それらの副原料に含まれる水分も、上記の水分含有量に含めるものとする。

0041

本発明の油中水型乳化油脂組成物は、食用油脂や水、油中水型乳化油脂組成物用乳化材以外に、下記のその他の成分を含むことができる。
その他の成分としては、例えば、乳化剤、酵素、澱粉類、デキストリン、デキストラン食物繊維、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、酢酸乳酸グルコン酸等の酸味料、脱脂粉乳・カゼイン・ホエーパウダー脱脂濃縮乳等の乳や乳製品、甘味料、β−カロチンカラメル紅麹色素等の着色料、トコフェロール茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白大豆蛋白等の植物蛋白、全卵黄酵素処理卵黄卵白・卵蛋白質等の卵及び各種卵加工品、着香料、調味料、pH調整剤、食品保存料日持ち向上剤果実果汁コーヒーナッツペースト香辛料カカオマスココアパウダー穀類豆類野菜類肉類魚介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
上記その他の原料は、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができるが、本発明油中水乳化油脂組成物中、合計で好ましくは50質量%以下となる範囲で使用することが好ましい。

0042

ここで本発明の油中水型乳化油脂組成物の好ましい製造方法について以下に説明する。
本発明の油中水型乳化油脂組成物の製造方法は、上記条件(1)〜(5)を満たす油中水型乳化油脂組成物用乳化材が含有させるのであれば、その製造方法が特に制限されるものではない。上記乳化材は、油相に分散させるか、あるいは、水相に分散させ、公知の方法で製造することができる。
本発明の油中水型乳化油脂組成物の製造に用いる油中水型乳化油脂組成物用乳化材の形態が液状である場合には、油中水型乳化油脂組成物用乳化材をそのまま水相とすることができる。
好ましくは、油相を溶解し、溶解した油相と、上記条件(1)〜(5)を満たす油中水型乳化油脂組成物用乳化材を含有する水相とを混合・乳化して混合液を調製し、得られた混合液を冷却することにより、油中水型乳化油脂組成物を得ることができる。

0043

具体的には、まず油相を溶解し、溶解した油相と上記条件(1)〜(5)を満たす油中水型乳化油脂組成物用乳化材を含有する水相とを混合乳化し、乳化液を調製する。
そして、調製した乳化液を調製を殺菌処理をすることが望ましい。殺菌方式は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続方式でも構わない。また殺菌温度は好ましくは80〜100℃、更に好ましくは80〜95℃、最も好ましくは80〜90℃とする。その後、必要により油脂結晶析出しない程度に予備冷却を行なう。予備冷却の温度は好ましくは40〜60℃、更に好ましくは40〜55℃、最も好ましくは40〜50℃とする。

0044

次に、殺菌処理した乳化液を冷却、好ましくは急冷可塑化する。この急冷可塑化は、コンビネーターボテーター、パーフェクター、ケムテーターなどの密閉型連続式掻き取りチューブチラー冷却機(Aユニット)、プレート型熱交換機等、または、開放型冷却機のダイヤクーラーコンプレクターの組み合わせを用いて行うことができる。この急冷可塑化を行なうことにより、可塑性を有する油脂組成物となる。急冷可塑化の際に、ピンマシン等の捏和装置(Bユニット)やレスティングチューブホールディングチューブを使用することができる。
上記の油中水型乳化油脂組成物の製造工程において、窒素、空気等を含気させても、含気させなくても構わない。

0045

このようにして得られた本発明の油中水型乳化油脂組成物は、各種食品に用いることができるが、風味発現性が良好であることから、ベーカリー食品に用いることが好ましい。ベーカリー食品に用いる場合は、ロールイン用、練り込み用サンド用、トッピング用、フィリング用、スプレッド用、スプレーコーティング用、フライ用として使用することができるが、とりわけ、ロールイン用、練り込み用、サンド用、トッピング用、フィリング用、スプレッド用として使用することが好ましい。

0046

本発明の油中水型乳化油脂組成物をロールイン用油脂組成物として用いる場合は、急冷可塑化後にシート状、ブロック状、円柱状、直方体等の形状とする。各々の形状についての好ましいサイズは、シート状:縦50〜1000mm、横50〜1000mm、厚さ1〜50mm、ブロック状:縦50〜1000mm、横50〜1000mm、厚さ50〜500mm、円柱状:直径1〜25mm、長さ5〜100mm、直方体:縦5〜50mm、横5〜50mm、高さ5〜100mmである。
本発明の油中水型乳化油脂組成物を練り込み用油脂組成物として用いる場合は、急冷可塑化後にケースカップなどの容器に流し込む

0047

以下、本発明のベーカリー食品について述べる。
本発明のベーカリー食品は、上記本発明の油中水型乳化油脂組成物を用いてなるものであるが、好ましくは、本発明の油中水型乳化油脂組成物を練込及び/又はロールインして得られたベーカリー生地を加熱処理して得られるものである。
上記ベーカリー生地としては、特に限定されず、任意のパン類生地菓子類の生地が挙げられ、例えば食パン生地菓子パン生地バラエティーブレッド生地、バターロール生地、ソフトロール生地、ハードロール生地、スイートロール生地、デニッシュ生地ペストリー生地フランスパン生地、パイ生地シュー生地ドーナツ生地スポンジケーキ生地バターケーキ生地パウンドケーキ生地、クッキー生地ハードビスケット生地、ワッフル生地スコーン生地等が挙げられる。

0048

上記ベーカリー生地中における油中水型乳化油脂組成物の含有量は、従前知られた油脂組成物の含有量と同様であり、ベーカリー生地の種類等によっても異なるため、特に限定されないが、例えばパン類の生地に本発明の油中水型乳化油脂組成物を練りこむ場合、ベーカリー生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、最も好ましくは15質量部以下である。尚、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、最も好ましくは1.5質量部以上である。

0049

また、本発明の油中水型乳化油脂組成物をロールインする場合においても同様に、特に限定されないが、ベーカリー生地に含まれる穀粉類100質量部に対して、好ましくは120質量部以下、であり、より好ましくは100質量部以下となるようにロールインする。 尚、好ましくはベーカリー生地中の穀粉類100質量部に対して、20質量部以上、より好ましくは30質量部以上ロールインする。

0050

本発明の油中水型乳化油脂組成物は異味を有しておらず、風味発現性が良好である。そのため、本発明のベーカリー食品は、ベーカリー食品本来の風味及び呈味素材の風味の発現が阻害されず、良好な風味のベーカリー食品となる。

0051

上記穀粉類としては、小麦粉薄力粉、中力粉、準強力粉強力粉)をはじめ、小麦胚芽全粒粉小麦ふすまデュラム粉大麦粉、米粉ライ麦粉ライ麦全粒粉、大豆粉ハトムギ粉等を挙げることができ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、これらの中でも、小麦粉を、穀粉類中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは100質量%使用する。
上記ベーカリー生地のうち、パン類の生地を調製する場合に、小麦粉以外の穀粉類を使用する際、グルテン別途添加することが好ましい。その添加量は、穀粉類とグルテンをあわせた合計量に対し、タンパク質含量が好ましくは5〜20質量%、より好ましくは10〜18質量%となる量である。

0052

上記ベーカリー生地においては、必要に応じ、一般の製菓製パン材料として使用することのできる、その他の原料を配合することができる。該その他の原料としては、例えば、水、油脂、イースト、甘味料、増粘安定剤、着色料、酸化防止剤、デキストリン、乳や乳製品、澱粉類、チーズ類蒸留酒醸造酒、各種リキュール、乳化剤、膨張剤無機塩類、食塩、ベーキングパウダーイーストフードカカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品ハーブ、豆類、蛋白質、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、果実、果汁、ジャムフルーツソース、調味料、香辛料、香料、各種食品素材や食品添加物等を挙げることができる。

0053

上記その他の原料は、本発明の効果を損なわない限り、任意に使用することができるが、水については、例えばパン類の場合、上記穀粉類100質量部に対して、好ましくは30〜100質量部、より好ましくは30〜70質量部となる範囲で使用する。また、水以外のその他の原料については、上記穀粉類100質量部に対して、合計で好ましくは100質量部以下、より好ましくは50質量部以下となる範囲で使用する。
尚、その他の原料として、水分を含有する原料を使用した場合は、上記の水には、その他の原料に含まれる水分も含めるものとする。

0054

上記ベーカリー生地の製造方法としては、パン類の製造方法としては中種法、直捏法、液種法、中麺法、湯種法等をとることができ、菓子類の製造方法としてはシュガーバッター法フラワーバッター法オールインミックス法、共立て法、別立て法等をとることができ、通常製菓製パン法として使用されている、あらゆる製菓製パン法を採ることができる。

0055

本発明のベーカリー食品のうち、とりわけパン類を中種法で製造する場合は、本発明の油中水型乳化油脂組成物を中種生地及び/又は本捏生地に練り込み、含有させることにより製造することができるが、本捏生地に練り込み、含有させることが好ましい。
次に、本発明のベーカリー食品、及びその製造方法について説明する。
上記加熱処理としては、上記ベーカリー生地を焼成したり、フライしたり、蒸したり、電子レンジ処理したりすることが挙げられる。また、得られた本発明のベーカリー食品を、冷蔵冷凍保存したり、該保存後に電子レンジ加熱することも可能である。
尚、得られたベーカリー生地は、冷蔵、冷凍保存することが可能である。

0056

次に、本発明のフィリング類について述べる。
本発明のフィリング類は、上記油中水型乳化油脂組成物を使用して得られるものであり、特に良好なクリーミング性と風味発現性が要求されるバタークリームが好ましいフィリング類として挙げられる。
そこで、以下、本発明のフィリング類について、バタークリームを例にとって説明する。

0057

バタークリームとは、油脂を連続相とするクリームの総称であり、主にサンド用、トッピング用、フィリング用、スプレッド用等の用途に用いられる。バタークリームとしては、例えば、マーガリン等の油脂組成物をクリーミングする前後に、糖液等の甘味料や、卵類等を配合して製造される油中水型あるいは油中水中油型の乳化形態を持つクリームや、糖液等の甘味料や卵類が配合されたマーガリン等の油脂組成物をクリーミングすることにより得られる油中水型あるいは油中水中油型の乳化形態を持つクリーム等が挙げられる。

0058

従来のバタークリームは、油分含量が高く、また、糖液等の比重の大きい原材料を多く配合するため、食感が重いものとなりやすかった。本発明のフィリング類の1種であるバタークリームは、本発明の油中水型乳化油脂組成物を使用することにより、油性感が低減され、口溶けが良好なものとなるので、軽い食感と良好な風味発現性を有する。
本発明のフィリング類であるバタークリームにおいて、本発明の油中水型乳化油脂組成物の使用量は、バタークリームの用途や乳化形態、油中水型乳化油脂組成物の組成等により異なるものであり、特に限定されるものではないが、おおよそバタークリーム中に40〜100質量%である。

0059

上記バタークリームで使用することのできる甘味料としては、特に限定されないが、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース等が挙げられる。これらの甘味料は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。尚、果汁、野菜汁フルーツピューレフルーツペースト、ジャム、清涼飲料水などの上記甘味料を含有する飲食品を使用してもよい。
また、本発明のフィリング類であるバタークリームにおける甘味料の含有量は、特に制限されるものではなく、求められる甘味度に応じて適宜設定可能であるが、固形分として水相中の85質量%以下、より好ましくは75質量%以下、より好ましくは65質量%以下、更に好ましくは50質量%以下とすることが好ましい。

0060

上記卵類としては、全卵、卵黄、卵白、加塩全卵、加塩卵黄、加塩卵白、加糖全卵、加糖卵黄加糖卵白乾燥全卵乾燥卵黄凍結全卵凍結卵黄凍結卵白凍結加糖全卵、凍結加糖卵黄、凍結加糖卵白、酵素処理全卵、酵素処理卵黄などを用いることができ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。

0061

また、本発明のフィリング類であるバタークリームには、必要により、上記以外の原材料、例えば、水、乳化剤、澱粉類、繊維類、増粘多糖類等の安定剤、乳原料、果実、果汁、カカオ及びカカオ製品、ナッツペースト、香辛料、酒類、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類、コーヒー及びコーヒー製品等の呈味成分、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、調味料、酵素、着香料、着色料、食品保存料、日持ち向上剤、酸化防止剤、pH調整剤等の食品素材や食品添加物を配合してもよい。

0062

上記乳化剤としては、特に制限されないが、例えば、大豆レシチン卵黄レシチン大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステルグリセリン乳酸脂肪酸エステルグリセリンコハク酸脂肪酸エステルグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウムステアロイル乳酸ナトリウムポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等が挙げられる。これらの乳化剤は単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記乳化剤の含有量は、本発明のフィリング類であるバタークリーム中、好ましくは0〜10質量%、更に好ましくは0〜1質量%である。

0063

上記安定剤としては、リン酸塩メタリン酸塩ポリリン酸塩ピロリン酸塩有機酸塩類クエン酸塩酒石酸塩等)、無機塩類(炭酸塩等)、グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸塩、ファーセルラン、ローカストビーンガム、ペクチン、カードラン、澱粉化工澱粉結晶セルロースゼラチン、デキストリン、寒天、デキストラン等が挙げられる。これらの安定剤は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。

0064

上記の乳原料としては、生乳牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、バター、クリーム、チーズクリームチーズ、冷凍変成したクリームチーズ、濃縮ホエイ、蛋白質濃縮ホエイ、アイスクリーム類濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れん乳、加糖脱脂れん乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料乳飲料、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダーホエイパウダー、蛋白質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳調製粉乳カゼインカルシウムホエープロテインコンセントレート、トータルミルクプロテイン、乳清ミネラルなどが挙げられる。
本発明のバタークリームの比重は、0.4〜0.9、より好ましくは0.5〜0.8である。バタークリームの比重が0.4未満であると軽すぎてバタークリーム特有コクのある風味が感じられなくなってしまう。また、バタークリームの比重が0.9を超えると、口溶けが十分に得られない場合があり、風味発現性が低下する場合がある。

0065

次に、本発明のフィリング類であるバタークリームの製造方法について以下に説明する。
上記バタークリームは、本発明の油中水型乳化油脂組成物を用いる以外は、一般的なバタークリームの製造方法によって得ることができる。
そのため、本発明の油中水型乳化油脂組成物に甘味料等を添加しクリーミングすることにより製造しても良く、又はクリーミングした本発明の油中水型乳化油脂組成物に甘味料等を添加することにより製造しても良く、その他の成分として甘味料等を含有した本発明の油中水型乳化油脂組成物をクリーミングすることにより製造しても良い。
尚、上記の油中水型乳化油脂組成物用乳化材を含有しない油脂組成物をクリーミングの前後で、上記の油中水型乳化油脂組成物用乳化材を含有させ混合することにより、バタークリームを得ることもできるが、上記の油中水型乳化油脂組成物用乳化材を含有する油脂組成物、即ち本発明の油中水型乳化油脂組成物を用いる方が、良好な風味発現性が得られやすい。

0066

以上のようにして得られた本発明のフィリング類であるバタークリームは、良好な口溶けを有し、優れた風味発現性を有している。
本発明のフィリング類であるバタークリームの上記用途における使用量は、各用途により異なるものであり、特に制限されるものではない。

0067

以下、実施例に基づいて、更に詳細な説明を行う。しかしながら、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。

0068

〔実施例1〕
ミルクプロテインコンセントレート(インレディア社「Promilk85」、蛋白質含量81質量%、該蛋白質中の内ミセル態のカゼイン蛋白質含量が80質量%、ホエイ蛋白質含量が20質量%)16質量部、を、60℃に加温した水78.4質量部に加え、スリーワンモーターを使用して撹拌して十分に分散させた。ここに大豆由来のレシチン製剤理研ビタミン社「レシオLP−1」、脂質含量70質量%、脂質中のリン脂質含量80質量%超)を5.6質量部添加し、よく撹拌して十分に分散させ、混合液を得た。
この混合液をバルブホモジナイザーを用いて30MPaの圧力で均質化した後、プレート式UHT殺菌機で加熱殺菌した後、25℃まで冷却した。これを−0.5℃/hで徐冷し、冷凍させ、上記条件(1)〜(5)を全て満たす油中水型乳化油脂組成物用乳化材Aを得た。
尚、油中水型乳化油脂組成物用乳化材A100質量部中、脂質蛋白質複合体が16.9質量部含有されていた。
尚、下述の油中水型乳化油脂組成物を製造する際は、得られた油中水型乳化油脂組成物用乳化材Aを解凍した後に使用した。下述の油中水型乳化油脂組成物用乳化材B〜Fにおいても同様である。

0069

〔実施例2〕
ミルクプロテインコンセントレートの量を20質量部に、レシチン製剤の量を7.2質量部に、水の量を72.8質量部に変更した他は実施例1と同様に製造し、上記条件(1)〜(5)を全て満たす油中水型乳化油脂組成物用乳化材Bを得た。
尚、油中水型乳化油脂組成物用乳化材B100質量部中、脂質蛋白質複合体が21.2質量部含有されていた。

0070

〔実施例3〕
ミセルカゼインアイソレート(イングレディア社「Prodiet87B」、蛋白質含量84質量%、蛋白質組成中ミセル態のカゼイン蛋白質含量が92質量%、ホエイ蛋白質含量が8質量%)19質量部、ホエイプロテインコンセントレート(アーラフーズ社「ラクプロダン80」、蛋白質含量76質量%、蛋白質組成におけるホエイ蛋白質含量が100質量%)4.8質量部を60℃に加温した水72.5質量部に加え、スリーワンモーターを使用して撹拌して十分に分散させた。大豆由来のレシチン製剤(理研ビタミン社「レシオンLP−1」、脂質含量70質量%、脂質中のリン脂質含量80質量%超)を8.5質量部添加し、よく撹拌して十分に分散させ、混合液を得た。
この混合液をバルブ式ホモジナイザーを用いて30MPaの圧力で均質化した後、プレート式UHT殺菌機で加熱殺菌した後、25℃まで冷却した。これを−0.5℃/hで徐冷し、冷凍させ、上記条件(1)〜(5)を全て満たす油中水型乳化油脂組成物用乳化材Cを得た。
尚、油中水型乳化油脂組成物用乳化材C100質量部中、脂質蛋白質複合体が25.6質量部含有されていた。

0071

〔実施例4〕
ミセルカゼインアイソレートの量を16質量部に、ホエイプロテインコンセントレートの量を4.0質量部に、レシチン製剤の量を7.2質量部に、水の量を76.8質量部に変更した他は実施例3と同様に製造し、上記条件(1)〜(5)を全て満たす油中水型乳化油脂組成物用乳化材Dを得た。
尚、油中水型乳化油脂組成物用乳化材D100質量部中、脂質蛋白質複合体が21.5質量部含有されていた。

0072

〔実施例5〕
ミセルカゼインアイソレートの量を12.5質量部に、ホエイプロテインコンセントレートの量を7.5質量部に、レシチン製剤の量を7.2質量部に、水の量を80.3質量部に変更した他は実施例3と同様に製造し、上記条件(1)〜(5)を全て満たす油中水型乳化油脂組成物用乳化材Eを得た。
尚、油中水型乳化油脂組成物用乳化材E100質量部中、脂質蛋白質複合体が21.2質量部含有されていた。

0073

〔比較例1〕
カゼインカルシウム(フォンテラ社「CALCIUMCASEINATE385」、蛋白質含量91質量%、蛋白質組成中の非ミセル態のカゼイン蛋白質が100質量%)13.5質量部、ホエイプロテインコンセントレート(アーラフーズ社「ラクプロダン80」)5.2質量部を60℃に加温した水79.3質量部に加え、スリーワンモーターを使用して撹拌して十分に分散させた。大豆由来のレシチン製剤(理研ビタミン社「レシオンLP−1」、脂質含量70質量%、脂質中のリン脂質含量80質量部超)を7.2質量部添加し、よく撹拌して十分に分散させ、混合液を得た。
この混合液をバルブ式ホモジナイザーを用いて30MPaの圧力で均質化した後、プレート式UHT殺菌機で加熱殺菌した後、25℃まで冷却した。これを−0.5℃/hで徐冷し、冷凍させ、ミセル態カゼインを含まない脂質蛋白質複合体を含有する油中水型乳化油脂組成物用乳化材Fを得た。
尚、油中水型乳化油脂組成物用乳化材F100質量部中、ミセル態カゼインを含まない脂質蛋白質複合体が21.2質量部含有されていた。

0074

〔比較例2〕
ホエイプロテインコンセントレート(アーラフーズ社「ラクプロダン80」)21.5質量部を60℃に加温した水71.3質量部に加え、スリーワンモーターを使用して撹拌して十分に分散させた。大豆由来のレシチン製剤(理研ビタミン社「レシオンLP−1」、脂質含量70質量%、脂質中のリン脂質含量80質量%超)を7.2質量部添加し、よく撹拌して十分に分散させ、混合液を得た。
この混合液をバルブ式ホモジナイザーを用いて30MPaの圧力で均質化した後、プレート式UHT殺菌機で加熱殺菌した後、25℃まで冷却した。これを−0.5℃/hで徐冷し、冷凍させ、ホエイ蛋白質のみからなる脂質蛋白質複合体を含有する油中水型乳化油脂組成物用乳化材Gを得た。
尚、油中水型乳化油脂組成物用乳化材G100質量部中、ホエイ蛋白質のみからなる脂質蛋白質複合体が21.3質量部含有されていた。

0075

<検討1:ベーカリー食品>
上記の製造例1〜7で得られた油中水型乳化油脂組成物用乳化材A〜Gを用いて、油中水型乳化油脂組成物A〜Gを製造した。尚、以下では、ヨウ素価60のパームスーパーオレインランダムエステル交換油脂95質量部と、パーム油5質量部を、それぞれ60℃に加熱し、溶解・混合したものを、単に「油脂配合物(1)」と記載する場合がある。
油中水型乳化油脂組成物A〜Gにおける油中水型乳化油脂組成物用乳化材A〜Gの配合量については、油中水型乳化油脂組成物A〜G中の脂質蛋白質複合体含量が同一となるように調整した。具体的には、油中水型乳化油脂組成物用乳化材Aの配合量を2質量部、油中水型乳化油脂組成物用乳化材Cの配合量を1.3質量部、油中水型乳化油脂組成物用乳化材B及びD〜Gの配合量を1.6質量部とし、残部を水として水相を構成した。
尚、検討1において、油中水型乳化油脂組成物用乳化材Aを含有するものを油中水型乳化油脂組成物Aと表記するものとし、他も同様である。

0076

<実施例6>
まず油脂配合物(1)79質量部と無塩バター5質量部とを溶解し、混合したものを油相とした。次に、水と油中水型乳化油脂組成物用乳化材Aをあわせて16質量部となるように混合して、これを水相とした。
得られた油相と水相とを混合し、予備乳化液とし、常法に従って加熱殺菌及び冷却・可塑化を行って、油中水型乳化油脂組成物Aを得た。
脂質蛋白質複合体は油中水型乳化油脂組成物A100質量部中、0.34質量部含有されていた。

0077

<実施例7>
油中水型乳化油脂組成物用乳化材Aの代わりに油中水型乳化油脂組成物用乳化材Bを用いた他は実施例6と同様に製造し、油中水型乳化油脂組成物Bを得た。
<実施例8>
油中水型乳化油脂組成物用乳化材Aの代わりに油中水型乳化油脂組成物用乳化材Cを用いた他は実施例6と同様に製造し、油中水型乳化油脂組成物Cを得た。
<実施例9>
油中水型乳化油脂組成物用乳化材Aの代わりに油中水型乳化油脂組成物用乳化材Dを用いた他は実施例6と同様に製造し、油中水型乳化油脂組成物Dを得た。
<実施例10>
油中水型乳化油脂組成物用乳化材Aの代わりに油中水型乳化油脂組成物用乳化材Eを用いた他は実施例6と同様に製造し、油中水型乳化油脂組成物Eを得た。

0078

<比較例3>
油中水型乳化油脂組成物用乳化材Aの代わりに油中水型乳化油脂組成物用乳化材Fを用いた他は実施例6と同様に製造し、油中水型乳化油脂組成物Fを得た。
<比較例4>
油中水型乳化油脂組成物用乳化材Aの代わりに油中水型乳化油脂組成物用乳化材Gを用いた他は実施例6と同様に製造し、油中水型乳化油脂組成物Gを得た。

0079

油脂配合物(1)78.8質量部と無塩バター5質量部を溶解し、混合したものに対して大豆レシチン0.20質量部を溶解させ、これを油相とした。次に、水16質量部を混合して、これを水相として、得られた油相と水相とを混合し、常法に従って加熱殺菌及び冷却・可塑化を行い得られた油中水型乳化油脂組成物をブランク(以下、単にブランク品(1)と記載する場合がある)とした。

0080

得られた油中水型乳化油脂組成物A〜G、及びブランク品(1)を用いて、下記の製法ロールパンを製造した。
<ロールパン(バターロール成型)の製法>
まず、表1の中種生地配合の全原料を、縦型ミキサーにて低速で3分、中速で2分ミキシングし、中種生地(捏ね上げ温度26℃)を得た。得られた中種生地は、28℃、相対湿度80%にて120分の中種発酵を取った。
次に、この中種生地、並びに本捏生地配合の強力粉、砂糖、食塩、脱脂粉乳、全卵及び水を、縦型ミキサーにて低速で3分、中速で3分ミキシングした後、上記ベーカリー用油中水型乳化油脂組成物A〜Gを加えて、更に低速で3分、中速で4分ミキシングし、本捏生地(捏ね上げ温度28℃)を得た。
得られた本捏生地は、30分フロアタイムをとり、分割(45g)、丸めし、30分ベンチタイムを取った後、バターロール成型した。これを天板に乗せ、38℃、相対湿度80%、50分のホイロを取った後、190℃のオーブンで13分焼成して、ロールパン(blank)、及びロールパンA〜Gを得た。

0081

<ロールパンの評価>
得られたロールパンについて、下記の評価基準にしたがって、同一の品を喫食した際に同一の評価が得られるように訓練されたパネラー10名で、無塩バター由来の乳風味の風味発現性について官能評価を行った。その結果を◎+:45点以上、◎ :41〜44点、○:31〜40点、△:21〜30点、×:20点未満として、表1に示した。

0082

(風味発現性)各ロールパンを喫食した際の風味発現性について評価した。
5点:乳風味の発現が良好である。
4点:乳風味の発現がやや良好である。
3点:乳風味の発現が普通である。
2点:乳風味の発現がやや悪い。
1点:乳風味の発現が悪い。

0083

0084

0085

検討1において、実施例と比較例を比較すると、油中水型乳化油脂組成物A〜Eを用いてなるロールパンにおいては、blankに比べて、異味がなく、風味発現性が良好なものとなったが、油中水型乳化油脂組成物F、Gを用いてなるロールパンにおいては風味発現性が改善されなかった。
これはカゼイン蛋白質の有無や、ミセル態カゼイン蛋白質が含まれなかったためであると考えられる。
また、ロールパンEにおいてはロールパンA〜Dと比較して、風味発現性がやや低下する結果となった。これは、油中水型乳化油脂組成物用乳化材Eを構成する蛋白質中の、カゼイン蛋白質とホエイ蛋白質の質量比が異なるためであると考えられる。

0086

<検討2:バタークリーム>
上記の製造例1〜7で得られた、油中水型乳化油脂組成物用乳化材A〜Gを用いて、油中水型乳化油脂組成物A2〜G2を製造した。
尚、以下では、パーム核油とパーム極度硬化油を70:30で混合した配合油のランダムエステル交換油脂と、コーン油を、それぞれ60℃に加熱し、60:40の質量比で混合したものを、単に「油脂配合物(2)」と記載する場合がある。
油中水型乳化油脂組成物A2〜G2における油中水型乳化油脂組成物用乳化材A〜Gの配合量については、油中水型乳化油脂組成物A2〜G2中の脂質蛋白質複合体含量が同一となるように調整した。具体的には、油中水型乳化油脂組成物用乳化材Aの配合量を3質量部、油中水型乳化油脂組成物用乳化材Cの配合量を2.0質量部、油中水型乳化油脂組成物用乳化材B及びD〜Gの配合量を2.4質量部とし、残部を水として水相を構成した。
尚、検討2において、油中水型乳化油脂組成物用乳化材Aを含有するものを油中水型乳化油脂組成物A2と表記するものとし、他も同様である。

0087

<実施例11>
まず油脂配合物(2)70質量部を溶解したものを油相とした。次に、水と油中水型乳化油脂組成物用乳化材Aをあわせて30質量部となるように混合して、これを水相とした。
得られた油相と水相とを混合し、予備乳化液とし、常法に従って加熱殺菌及び冷却・可塑化を行って、油中水型乳化油脂組成物A2を得た。
尚、脂質蛋白質複合体は油中水型乳化油脂組成物A2の100質量部中、0.51質量部含有されていた。

0088

<実施例12>
油中水型乳化油脂組成物用乳化材Aの代わりに油中水型乳化油脂組成物用乳化材Bを用いた他は実施例11と同様に製造し、油中水型乳化油脂組成物B2を得た。
<実施例13>
油中水型乳化油脂組成物用乳化材Aの代わりに油中水型乳化油脂組成物用乳化材Cを用いた他は実施例11と同様に製造し、油中水型乳化油脂組成物C2を得た。
<実施例14>
油中水型乳化油脂組成物用乳化材Aの代わりに油中水型乳化油脂組成物用乳化材Dを用いた他は実施例11と同様に製造し、油中水型乳化油脂組成物D2を得た。
<実施例15>
油中水型乳化油脂組成物用乳化材Aの代わりに油中水型乳化油脂組成物用乳化材Eを用いた他は実施例11と同様に製造し、油中水型乳化油脂組成物E2を得た。

0089

<比較例5>
油中水型乳化油脂組成物用乳化材Aの代わりに油中水型乳化油脂組成物用乳化材Fを用いた他は実施例11と同様に製造し、油中水型乳化油脂組成物F2を得た。
<比較例6>
油中水型乳化油脂組成物用乳化材Aの代わりに油中水型乳化油脂組成物用乳化材Gを用いた他は実施例11と同様に製造し、油中水型乳化油脂組成物G2を得た。

0090

油脂配合物(2)70質量部に対して大豆レシチン0.30質量部を溶解させ、これを油相とした。次に、水30質量部を混合して、これを水相として、得られた油相と水相とを混合し、常法に従って加熱殺菌及び冷却・可塑化を行い得られた油中水型乳化油脂組成物をブランク(以下、単にブランク品(2)と記載する場合がある)とした。

0091

ミルク風味バタークリームの作成>
上記実施例11で得られた油中水型乳化油脂組成物A2を室温で1時間調温した後、50質量部をミキサーボウル投入し、卓上ミキサーにセットし、ビーターを使用して低速1分混合し、最高速で比重が0.45となるまでクリーミングした。ここに、転化糖シロップ(糖の固形分の含有量は70質量%)50質量部とミルクフレーバー0.3質量部を添加し、十分に混合し、比重が0.6である、本発明の菓子類であるバタークリームAを得た。
尚、実施例7〜10、比較例5、比較例6、ブランク品(2)を用いて、同様に製造し、バタークリームB〜G、バタークリーム(blank)を得た。

0092

<バタークリームの評価>
得られたバタークリームについて、下記の評価基準に従って、同一の品を喫食した際に同一の評価が得られるように訓練されたパネラー10名で、「口溶け」「風味発現性」「異味」の3点について官能評価を行った。その結果を◎+:45点以上、◎:41〜44点、○:31〜40点、△:21〜30点、×:20点未満として、表3に示した。

0093

(評価基準)
(口溶け)各バタークリームを口に含んだ時の口溶けについて評価した。
5点:極めて良好な口溶け
4点:良好な口溶け
3点:やや良好な口溶け
2点:やや油っぽさを感じる
1点:油っぽく、キレが悪い
(風味発現性)各バタークリームを口に含んだ時の風味発現性について評価した。
5点:風味の発現が良好である。
4点:風味の発現がやや良好である。
3点:風味の発現が普通である。
2点:風味の発現がやや悪い。
1点:風味の発現が悪い。
(異味)各バタークリームを口に含んだ時の異味について評価した。
5点:全く異味が感じられない
4点:ほとんど異味が感じられない
3点:わずかに異味を感じる
2点:やや異味を感じる
1点:強く異味を感じる

実施例

0094

検討2において、バタークリームA〜Eにおいては、blankに比べて、異味なく、風味発現性が良好なものとなった。また、バタークリームF,Gにおいては風味発現性が十分改善されなかった。これは、油中水型乳化油脂組成物用乳化材を構成する蛋白質の組成の寄与が大きいものと推定された。
口溶け性については、例えばバタークリームE〜Gを比較して、カゼイン蛋白質の存在の有無や、その形態が関与するものと考えられた。
また、これらのバタークリームでは、勿論合成乳化剤由来の異味は確認されなかったが、バタークリームFやGでは、バタークリームA〜Eと比較して、わずかに異味が感じられた。
これは、非ミセル態のカゼイン蛋白質が濃縮されたカゼインカルシウムや、ホエイ蛋白質が濃縮されたホエイプロテインコンセントレートを多く含有する油中水型乳化油脂組成物用乳化材を用いたためであると推察され、油中水型乳化油脂組成物用乳化材を構成する蛋白質の組成によっても、得られる食品の風味に差が生じることが示唆された。
更に、バタークリームA〜Eの比較から、カゼイン蛋白質とホエイ蛋白質の質量比についても、バタークリームの口溶けや風味発現性に関与するものと考えられた。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ