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技術 酒類の製造方法、清酒の製造方法及び低アルコール生成能清酒酵母の取得方法

出願人 新潟県
発明者 栗林喬金桶光起青木俊夫鍋倉義仁佐藤圭吾菅原雅通
出願日 2018年2月28日 (2年10ヶ月経過) 出願番号 2018-035320
公開日 2019年9月12日 (1年3ヶ月経過) 公開番号 2019-149937
状態 未査定
技術分野 微生物、その培養処理
主要キーワード 導入費用 アルコール感 成分分析結果 消費者ニーズ 胞子形成率 発酵管 取得率 酵素材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

低アルコール生成能清酒酵母を簡便に取得し、この低アルコール生成能清酒酵母を用いて常法と殆ど差が無い製法低アルコール清酒を安定的に製造することができる清酒の製造方法を提供することを目的とする。

解決手段

親株の清酒酵母を変異処理せずにCAO培地を用いて培養することでアルギナーゼ欠損株を取得し、このアルギナーゼ欠損株及び前記親株を用いて製成酒を作製し、この製成酒のアルコール濃度を確知し前記親株の製成酒よりもアルコール濃度が低い製成酒のアルギナーゼ欠損株をアルコール生成能が低い低アルコール生成能清酒酵母として選抜取得し、この低アルコール生成能清酒酵母を用いて得た酒母で醪を作製し、この醪を発酵させて低アルコール清酒を製造する。

概要

背景

近年、酒類は、消費者ニーズ多様化に伴って低アルコール嗜好が進んでおり、清酒業界においてもこの傾向に対応すべく、様々な低アルコール清酒の開発が行われてきた。

具体的には、この低アルコール清酒の製造方法として、従来、例えば、逆浸透膜法パーベーパレーション法を用いてアルコール分を除去する方法(特許文献1,2)や、発酵を途中で停止させたり、酵素材を添加したり、或いは特殊な微生物を利用する特別な仕込み方法を用いる方法(特許文献3〜5)、更には低アルコール発酵性酵母を用いる方法(特許文献6及び非特許文献1,2)などが提案されている。

概要

低アルコール生成能清酒酵母を簡便に取得し、この低アルコール生成能清酒酵母を用いて常法と殆ど差が無い製法で低アルコール清酒を安定的に製造することができる清酒の製造方法を提供することを目的とする。親株の清酒酵母を変異処理せずにCAO培地を用いて培養することでアルギナーゼ欠損株を取得し、このアルギナーゼ欠損株及び前記親株を用いて製成酒を作製し、この製成酒のアルコール濃度を確知し前記親株の製成酒よりもアルコール濃度が低い製成酒のアルギナーゼ欠損株をアルコール生成能が低い低アルコール生成能清酒酵母として選抜取得し、この低アルコール生成能清酒酵母を用いて得た酒母で醪を作製し、この醪を発酵させて低アルコール清酒を製造する。

目的

本発明は、このような従来の低アルコール清酒の製造方法の問題点に鑑みなされたもので、低アルコール生成能酵母を簡便に取得し、この低アルコール生成能酵母を用いて常法と殆ど差が無い製法で清酒などの酒類を安定的に製造することができる酒類の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

酒類の製造方法であって、親株となる酵母カナバニンアルギニン及びオルニチンを含む選択培地を用いて培養することでアルギナーゼ欠損株を取得し、このアルギナーゼ欠損株及び前記親株を用いて発酵試験を行い、前記アルギナーゼ欠損株の中から前記親株よりもアルコール生成能が低いアルギナーゼ欠損株を低アルコール生成能酵母として選抜取得し、この選抜取得した低アルコール生成能酵母を用いて酒類を製造することを特徴とする酒類の製造方法。

請求項2

清酒の製造方法であって、親株となる清酒酵母変異処理せずにカナバニン、アルギニン及びオルニチンを含む選択培地を用いて培養することでアルギナーゼ欠損株を取得し、このアルギナーゼ欠損株及び前記親株を用いて製成酒を作製し、この製成酒のアルコール濃度を確知し前記親株の製成酒よりもアルコール濃度が低い製成酒のアルギナーゼ欠損株をアルコール生成能が低い低アルコール生成能清酒酵母として選抜取得し、この低アルコール生成能清酒酵母を用いて得た酒母で醪を作製し、この醪を発酵させて清酒を製造することを特徴とする清酒の製造方法。

請求項3

請求項2記載の清酒の製造方法において、前記親株の製成酒よりもアルコール濃度が15%以上低い製成酒のアルギナーゼ欠損株を前記低アルコール生成能清酒酵母として選抜取得することを特徴とする清酒の製造方法。

請求項4

アルコール生成能が低い清酒酵母の取得方法であって、親株となる清酒酵母を変異処理せずにカナバニン、アルギニン及びオルニチンを含む選択培地を用いて培養することでアルギナーゼ欠損株を取得し、このアルギナーゼ欠損株及び前記親株を用いて製成酒を作製し、この製成酒のアルコール濃度を確知し前記親株の製成酒よりもアルコール濃度が15%以上低い製成酒のアルギナーゼ欠損株をアルコール生成能が低い低アルコール生成能清酒酵母として選抜取得することを特徴とする低アルコール生成能清酒酵母の取得方法。

技術分野

0001

本発明は、酒類の製造方法、清酒の製造方法及び低アルコール生成能清酒酵母取得方法に関するものである。

背景技術

0002

近年、酒類は、消費者ニーズ多様化に伴って低アルコール嗜好が進んでおり、清酒業界においてもこの傾向に対応すべく、様々な低アルコール清酒の開発が行われてきた。

0003

具体的には、この低アルコール清酒の製造方法として、従来、例えば、逆浸透膜法パーベーパレーション法を用いてアルコール分を除去する方法(特許文献1,2)や、発酵を途中で停止させたり、酵素材を添加したり、或いは特殊な微生物を利用する特別な仕込み方法を用いる方法(特許文献3〜5)、更には低アルコール発酵性酵母を用いる方法(特許文献6及び非特許文献1,2)などが提案されている。

0004

特開昭62−61579号公報
特開平4−222585号公報
特開平5−56774号公報
特開2001−224353号公報
特開2004−290015号公報
特開2002−253210号公報

先行技術

0005

原昌道,嶋崎孝行,野一好,&飯穣.(1983).ハプロイド酵母による低アルコール清酒の製造.日本醸造協會雑誌,78(5),390-393.
邦康,武藤彰宣,&本裕子.(1995).温度感受性酵母を利用した低アルコール清酒.日本醸造協會雑誌,90(6),479-484.

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1,2に示されるアルコール分を除去する方法は、アルコールを除去するための装置が必要となり、装置の導入費用ランニングコストが発生し製造コストが高くなるうえに、製造工程が増えて生産性が低下する問題点がある。

0007

また、発酵を途中で停止させたり、酵素材を添加したり、或いは特殊な微生物を利用するなどの特別な仕込み方法を用いる方法は、通常の仕込みに比べて高度な発酵管理や操作が必要となり、作業者の負担が大きくなる問題点や、オフフレーバーの発生の可能性があり清酒の品質の低下の懸念が生じる問題点がある。

0008

また、非特許文献1に示されるハプロイド株を利用する方法は、清酒酵母の胞子形成率やその胞子発芽率が低く効率よくハプロイド株を分離することが難しく実用的ではない。

0009

また、特許文献6に示されるアルコール感受性酵母や非特許文献2に示される温度感受性酵母などの変異体を用いる方法は、酵母の育種に高度な技術と多大な労力を要するため、これらも実用的なものではないという問題点がある。

0010

本発明は、このような従来の低アルコール清酒の製造方法の問題点に鑑みなされたもので、低アルコール生成能酵母を簡便に取得し、この低アルコール生成能酵母を用いて常法と殆ど差が無い製法で清酒などの酒類を安定的に製造することができる酒類の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。

0012

酒類の製造方法であって、親株となる酵母をカナバニンアルギニン及びオルニチンを含む選択培地を用いて培養することでアルギナーゼ欠損株を取得し、このアルギナーゼ欠損株及び前記親株を用いて発酵試験を行い、前記アルギナーゼ欠損株の中から前記親株よりもアルコール生成能が低いアルギナーゼ欠損株を低アルコール生成能酵母として選抜取得し、この選抜取得した低アルコール生成能酵母を用いて酒類を製造することを特徴とする酒類の製造方法に係るものである。

0013

また、清酒の製造方法であって、親株となる清酒酵母を変異処理せずにカナバニン、アルギニン及びオルニチンを含む選択培地を用いて培養することでアルギナーゼ欠損株を取得し、このアルギナーゼ欠損株及び前記親株を用いて製成酒を作製し、この製成酒のアルコール濃度を確知し前記親株の製成酒よりもアルコール濃度が低い製成酒のアルギナーゼ欠損株をアルコール生成能が低い低アルコール生成能清酒酵母として選抜取得し、この低アルコール生成能清酒酵母を用いて得た酒母で醪を作製し、この醪を発酵させて清酒を製造することを特徴とする清酒の製造方法に係るものである。

0014

また、請求項2記載の清酒の製造方法において、前記親株の製成酒よりもアルコール濃度が15%以上低い製成酒のアルギナーゼ欠損株を前記低アルコール生成能清酒酵母として選抜取得することを特徴とする清酒の製造方法に係るものである。

0015

また、アルコール生成能が低い清酒酵母の取得方法であって、親株となる清酒酵母を変異処理せずにカナバニン、アルギニン及びオルニチンを含む選択培地を用いて培養することでアルギナーゼ欠損株を取得し、このアルギナーゼ欠損株及び前記親株を用いて製成酒を作製し、この製成酒のアルコール濃度を確知し前記親株の製成酒よりもアルコール濃度が15%以上低い製成酒のアルギナーゼ欠損株をアルコール生成能が低い低アルコール生成能清酒酵母として選抜取得することを特徴とする低アルコール生成能清酒酵母の取得方法に係るものである。

発明の効果

0016

本発明は上述のようにするから、低アルコール生成能酵母を簡便に取得し、この低アルコール生成能酵母を用いて常法と殆ど差が無い製法で清酒などの酒類を安定的に製造することができる画期的な酒類の製造方法となる。

図面の簡単な説明

0017

実施例1の清酒小仕込試験における醪の発酵経過を示す図である。
実施例2の清酒小仕込試験における醪の発酵経過を示す図である。

0018

好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。

0019

本発明の酒類、例えば清酒の製造方法は、清酒酵母を変異処理せずにカナバニン、アルギニン及びオルニチンを含む選択培地(CAO培地)を用いて培養することでアルギナーゼ欠損株を取得し、このアルギナーゼ欠損株から低アルコール生成能清酒酵母を選抜取得し、この低アルコール生成能清酒酵母を用いる点に特徴がある。

0020

このCAO培地を用いるアルギナーゼ欠損株の取得方法は、例えば、J.Brew.Soc.Japan.Vol.87,No.8,p589-601(1992)に記載される北本らの変異処理を行わないウレア非生産性主酵母の単離に関する論文や、本出願人が特許出願した特開2015-228849号に開示されているが、本発明者は、このCAO培地を用いてアルギナーゼ欠損株を取得する技術に関し、様々な研究、実験を行う中で、このCAO培地を用いて得られたアルギナーゼ欠損株の中に、その親株に比べて発酵力が低下した変異株が含まれることを見出した。

0021

即ち、前述のように、従来、CAO培地を用いて取得したアルギナーゼ欠損株は、ウレアやカルバミン酸エチル生産しない酵母であることや、カプリル酸カプロン酸などの遊離脂肪酸を多く生産する酵母であることは知られているが、このCAO培地を用いて得られたアルギナーゼ欠損株から低アルコール生成能酵母が取得できることは、これまで知られていない。

0022

本発明者は、この親株よりも発酵力が低下したアルギナーゼ欠損株について更なる研究、検討を行い、この親株よりも発酵力が低下したアルギナーゼ欠損株を、低アルコール生成能清酒酵母として用いることで、親株を用いた場合よりもアルコール度数が低い低アルコール清酒を簡易に製造できることを確認した。

0023

即ち、前述したように、従来の低アルコール生成能清酒酵母は、清酒酵母の胞子形成率やその胞子の発芽率が低く効率よくハプロイド株を分離することが難しかったり、酵母の育種に高度な技術と多大な労力を要するなど、容易に取得できるものではなく、実際の清酒製造に利用することは現実的ではなかったが、本発明によれば、この低アルコール生成能清酒酵母を容易に且つ確実に取得することができ、この低アルコール生成能清酒酵母を用いることで、低アルコール清酒を安定的に容易に製造することができる。

0024

このように、本発明は、煩雑な操作であるナイスタチン濃縮方法細胞融合法、或いは取得率が極めて低いハプロイド株を利用することなく、CAO培地によるポジティブセレクション法により低アルコール生成能清酒酵母を容易に選抜取得することができ、また、このCAO培地によるポジティブセレクション法では、紫外線薬剤による変異処理を施さないので、取得される低アルコール生成能清酒酵母は、親株の特徴(酸度アミノ酸香気成分など)が大きく変わることがないので、品質低下心配がなく、更に、尿素非生産であるため、清酒の安全性も向上する。

0025

更に、本発明の低アルコール生成能清酒酵母を用いれば、常法の清酒の製造方法により低アルコール清酒を製造することができるため、特別な装置や仕込み配合や格別高度な技術を必要とせず、大幅なコストアップ作業負担の増加を懸念しなくてもよいことになる。

0026

以上、本発明は、低アルコール生成能酵母を簡便に取得し、この低アルコール生成能清酒酵母を用いて常法と殆ど差が無い製法により低アルコール清酒を容易に且つ安定的に製造することができる画期的な低アルコール清酒の製造方法となる。

0027

本発明の具体的な実施例について説明する。

0028

本実施例は、親株となる清酒酵母を変異処理せずにカナバニン、アルギニン及びオルニチンを含む選択培地を用いて培養することでアルギナーゼ欠損株を取得し、このアルギナーゼ欠損株及び前記親株を用いて製成酒を作製し、この製成酒のアルコール濃度を確知し前記親株の製成酒よりもアルコール濃度が低い製成酒に用いられたアルギナーゼ欠損株をアルコール生成能が低い低アルコール生成能清酒酵母として選抜取得し、この低アルコール生成能清酒酵母を用いて得た酒母で醪を作製し、常法により、この醪を発酵させてアルコール度数が低い清酒を製造する低アルコール清酒の製造方法である。

0029

以下、本実施例について詳述する。

0030

先ず、アルギナーゼ欠損株を取得する。このアルギナーゼ欠損株の取得には、特公平6−97993号に開示の北本らの方法を用いる。

0031

具体的には、親株となる清酒酵母を、YPD液培地(1%酵母エキス、2%ポリペプトン、2%グルコース)5mLに植菌し、30℃で3日間、静置培養した後、変異処理をせずに直接CAO平板培地(0.17% Difco社製イーストニトゲンベースw/o amino acid and ammonium sulfate、20ppmカナバニン、1mMアルギニン塩酸塩、5mMオルニチン塩酸塩、2%グルコース、2%寒天)に塗布し、30℃で培養し、出現したコロニーの中で比較的大きなコロニーを釣菌し、アルギニン平板培地(0.17% Difco社製イーストニトロゲンベース w/o amino acid and ammonium sulfate、5mMアルギニン塩酸塩、2%グルコース、2%寒天)に生育できず、オルニチン平板培地(0.17% Difco社製イーストニトロゲンベース w/o amino acid and ammonium sulfate、5mMオルニチン塩酸塩、2%グルコース、2%寒天)に生育できるものをアルギナーゼ欠損株として選抜し、この選抜したアルギナーゼ欠損株を、再度CAO平板培地を用いてシングルコロニー単離を行い、アルギナーゼ欠損株を取得する。

0032

次に、この取得したアルギナーゼ欠損株と親株を用いて製成酒を作製し、この製成酒の成分分析結果に基づき、低アルコール生成能清酒酵母を取得する。

0033

具体的には、各製成酒のアルコール濃度を確知し、親株の製成酒よりもアルコール濃度が低い製成酒を選抜し、このアルコール濃度が低い製成酒に用いられたアルギナーゼ欠損株を、発酵力が弱い低アルコール生成能清酒酵母として選抜取得する。

0034

より具体的には、親株の製成酒よりもアルコール濃度が15%以上低い製成酒に用いられたアルギナーゼ欠損株を、低アルコール生成能清酒酵母として選抜取得する。

0035

以上のように選抜取得した低アルコール生成能清酒酵母を用いて常法により清酒を製造することで(この低アルコール生成能清酒酵母を用いて得た酒母で醪を作製し、この醪を発酵させて清酒を製造することで)、親株と同様の醸造特性(酸度やアミノ酸、香気成分等)を有する低アルコール清酒を製造することができる。

0036

本実施例では、製成酒のアルコール濃度を、低アルコール生成能清酒酵母を選抜取得する際の指標としたが、例えば、炭酸ガス減量や日本酒度を指標としても良いし、これらを組み合わせた複数項目を指標にしても良い。

0037

例えば、炭酸ガス減量を指標とする場合は、親株及びこの親株から取得したアルギナーゼ欠損株を用いて清酒小仕込試験を行い、この清酒小仕込試験における醪の発酵経過(具体的には、炭酸ガス減量の推移)を確知し、親株よりも炭酸ガス減量が低い(例えば親株に比べて炭酸ガス減量が15%以上低い)ものを選抜することで、低アルコール生成能清酒酵母を取得することができる。

0038

また、日本酒度を指標とする場合は、アルコール濃度を指標とする場合と同様、親株及びこの親株から取得したアルギナーゼ欠損株を用いて製成酒を作製し、親株の製成酒よりも日本酒度が50%以上低い製成酒に用いられたものを選抜することで、低アルコール生成能清酒酵母を取得することができる。

0039

また、上述した本実施例の低アルコール清酒の製造方法において、具体的な清酒酵母を用いて低アルコール生成能清酒酵母を取得した具体例1,2を以下に示す。

0040

[具体例1]
本具体例は、親株として新吟醸酵母S9株(以下、単にS9株と称す。)を使用した場合である。

0041

先ず、親株のS9株を、YPD液体培地5mLに植菌し、30℃で3日間、静置培養した後、変異処理をせずに直接CAO平板培地に塗布し、30℃で培養し、出現したコロニーの中で比較的大きなコロニーを釣菌し、アルギニン平板培地に生育できず、オルニチン平板培地に生育できるものをアルギナーゼ欠損株として選抜し、この選抜したアルギナーゼ欠損株を、再度CAO平板培地を用いてシングルコロニー単離を行い、アルギナーゼ欠損株を取得した。

0042

次に、この取得したアルギナーゼ欠損株をType2−3株とし、このType2−3株、及びS9株と同等の発酵力を有する尿素非生産性清酒酵母S9arg株(Kuribayashi,takashi,et al."Breeding of a non-urea-producing sake yeast carrying aFAS2 mutation."Mycoscience 58.4(2017):302-306)を用いて、総米1kgの三段仕込による清酒小仕込試験を行うと共に、この清酒小仕込試験により各株の製成酒を取得した。尚、発酵は15℃一定で行い、炭酸ガス減量が総米重量の30%に達した時点を上槽時期とし、上槽は遠心分離で行った。また、製成酒(小仕込酒)の一般成分及び香気成分の分析は、国所定分析法に従い、尿素分析はジアセチルモノオキシム法(Coulombe,J.J.,and L.Favreau."A new simple semimicro method for colorimetric determination of urea."Clinical chemistry 9.1(1963):102-108)を用いた。

0043

図1に、清酒小仕込試験における醪の発酵経過を示す。また、表1に、清酒小仕込試験により得られたS9arg株及びType2−3株の製成酒の成分分析結果を示す。

0044

0045

図1に示すように、Type2−3株の醪は、対照であるS9arg株に比べ、炭酸ガス減量が約15%低下し、発酵経過に遅れが見られた。

0046

また、製成酒の分析結果から、Type2−3株の製成酒は、S9arg株の製成酒に比べ、日本酒度が26.9低下し、アルコール濃度が3.3%(低下率約18%)低下していたが、酸度、アミノ酸度、尿素、香気成分等の他の成分には、大きな差は認められなかった。

0047

以上の結果から、CAO培地を用いてアルギナーゼ欠損株を取得することで、親株よりもアルコール生成能が低下した低アルコール生成能清酒酵母を取得することができることが確認された。

0048

[具体例2]
本具体例は、親株として清酒酵母きょうかい701号(以下、単にきょうかい701号と称す。)を使用した場合である。

0049

先ず、親株のきょうかい701号を、YPD液体培地5mLに植菌し、30℃で3日間、静置培養した後、変異処理をせずに直接CAO平板培地に塗布し、30℃で培養し、出現したコロニーの中で比較的大きなコロニーを釣菌し、アルギニン平板培地に生育できず、オルニチン平板培地に生育できるものをアルギナーゼ欠損株として選抜し、この選抜したアルギナーゼ欠損株を、再度CAO平板培地を用いてシングルコロニー単離を行い、アルギナーゼ欠損株を取得した。

0050

次に、この取得したアルギナーゼ欠損株を701−M5株とし、この701−M5株、及びきょうかい701号を用いて、総米200gの一段仕込による清酒小仕込試験を行うと共に、この清酒小仕込試験により各株の製成酒を取得した。尚、発酵条件、上槽時期、分析方法については、具体例1と同様である。

0051

図2に、清酒小仕込試験における醪の発酵経過を示す。また、表2に、清酒小仕込試験により得られたきょうかい701号及び701−M5株の製成酒の成分分析結果を示す。

0052

0053

図2に示すように、701−M5株の醪は、対照であるきょうかい701号に比べ、炭酸ガス減量が約23%低下し、発酵経過に遅れが見られた。

0054

また、製成酒の分析結果から、701−M5株の製成酒は、きょうかい701号の製成酒に比べ、日本酒度が31.9低下し、アルコール濃度が3.7%(低下率約24%)低下していたが、酸度、アミノ酸度、尿素、香気成分等の他の成分には、大きな差は認められなかった。

0055

以上の結果から、CAO培地を用いてアルギナーゼ欠損株を取得することで、親株よりもアルコール生成能が低下した低アルコール生成能清酒酵母を取得することができることが確認された。

0056

尚、低アルコール生成能清酒酵母の取得は、上述した具体例1,2の清酒酵母(S9株及びきょうかい701号)を用いた場合に限定されるものではなく、他の清酒酵母を親株として用いても、同様に低アルコール生成能清酒酵母を取得することができる。

0057

このように、本実施例の低アルコール清酒の製造方法は、CAO培地を用いて親株となる清酒酵母からアルギナーゼ欠損株を取得することで、この親株よりもアルコール生成能が低下した低アルコール生成能清酒酵母を容易に且つ安定的に取得することができ、この低アルコール生成能清酒酵母を用いることにより、親株の特徴を引き継いだ低アルコール清酒を、常法の製法により製造することができるものであり、これにより、従来のような、特別な装置や煩雑或いは高度な管理方法を導入することなく、簡易且つ安定的に低コストで低アルコール清酒を製造することができる従来にない画期的な低アルコール清酒の製造方法となる。

実施例

0058

尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。

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