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技術 熱処理方法および熱処理装置

出願人 株式会社SCREENホールディングス
発明者 秋吉克一大森麻央池田真一
出願日 2018年2月28日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-035062
公開日 2019年9月5日 (8ヶ月経過) 公開番号 2019-149526
状態 未査定
技術分野 アニール
主要キーワード 温度算定 温度変換回路 温度測定ユニット 予備加熱段階 コイル定数 温度積算値 反射リング 内側空
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

フラッシュ光照射時における基板割れ簡易な構成にて検出することができる熱処理方法および熱処理装置を提供する。

解決手段

半導体ウェハーハロゲンランプによって予備加熱された後、フラッシュランプからのフラッシュ光照射によって加熱される。放射温度計は所定のサンプリング間隔で半導体ウェハーWの裏面温度を測定して複数の温度測定値を取得する。それら複数の温度測定値のうちフラッシュ光照射開始時以降の積算開始時点から取得された設定数温度積算値を積算して温度積算値を算定する。算定した温度積算値が予め設定された上限値と下限値との間の範囲から外れているときには、フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWの割れたと判定する。

概要

背景

半導体デバイスの製造プロセスにおいて、不純物導入半導体ウェハー内にpn接合を形成するための必須の工程である。現在、不純物導入は、イオン打ち込み法とその後のアニール法によってなされるのが一般的である。イオン打ち込み法は、ボロン(B)、ヒ素(As)、リン(P)といった不純物元素イオン化させて高加速電圧で半導体ウェハーに衝突させて物理的に不純物注入を行う技術である。注入された不純物はアニール処理によって活性化される。この際に、アニール時間が数秒程度以上であると、打ち込まれた不純物が熱によって深く拡散し、その結果接合深さが要求よりも深くなり過ぎて良好なデバイス形成に支障が生じるおそれがある。

そこで、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するアニール技術として、近年フラッシュランプアニールFLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光照射することにより、不純物が注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。

キセノンフラッシュランプの放射分光分布紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。このため、キセノンフラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。

このようなフラッシュランプを使用した熱処理装置においては、極めて高いエネルギーを有するフラッシュ光を瞬間的に半導体ウェハーの表面に照射するため、一瞬で半導体ウェハーの表面温度が急速に上昇する一方で裏面温度はそれ程には上昇しない。このため、半導体ウェハーの表面のみに急激な熱膨張が生じて半導体ウェハーが上面を凸として反るように変形する。そして、次の瞬間には反動で半導体ウェハーが下面を凸として反るように変形していた。

半導体ウェハーが上面を凸とするように変形したときには、ウェハー端縁部がサセプタに衝突する。逆に、半導体ウェハーが下面を凸とするように変形したときには、ウェハーの中央部がサセプタに衝突することとなっていた。その結果、サセプタに衝突した衝撃によって半導体ウェハーが割れるという問題があった。

フラッシュ加熱時にウェハー割れが生じたときには、その割れを迅速に検出して後続の半導体ウェハーの投入を停止するとともに、チャンバー内の清掃を行う必要がある。また、ウェハー割れによって発生したパーティクルチャンバー外飛散して後続の半導体ウェハーに付着する等の弊害を防止する観点からも、フラッシュ加熱直後のチャンバーの搬出入口開放する前にチャンバー内にて半導体ウェハーの割れを検出するのが好ましい。

このため、例えば特許文献1には、フラッシュ加熱処理を行うチャンバーにマイクロフォンを設け、半導体ウェハーが割れたときの音を検知することによってウェハー割れを判定する技術が開示されている。また、特許文献2には、半導体ウェハーからの反射光導光ロッドによって受光し、その反射光の強度からウェハー割れを検出する技術が開示されている。

概要

フラッシュ光照射時における基板の割れを簡易な構成にて検出することができる熱処理方法および熱処理装置を提供する。半導体ウェハーはハロゲンランプによって予備加熱された後、フラッシュランプからのフラッシュ光照射によって加熱される。放射温度計は所定のサンプリング間隔で半導体ウェハーWの裏面温度を測定して複数の温度測定値を取得する。それら複数の温度測定値のうちフラッシュ光の照射開始時以降の積算開始時点から取得された設定数温度積算値を積算して温度積算値を算定する。算定した温度積算値が予め設定された上限値と下限値との間の範囲から外れているときには、フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWの割れたと判定する。

目的

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、フラッシュ光照射時における基板の割れを簡易な構成にて検出することができる熱処理方法および熱処理装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

基板フラッシュ光照射することによって該基板を加熱する熱処理方法であって、連続点灯ランプから光を照射して基板を予備加熱温度に加熱する予備加熱工程と、フラッシュランプから前記基板の表面にフラッシュ光を照射するフラッシュ光照射工程と、前記基板の温度を所定のサンプリング間隔で測定して複数の温度測定値を取得する温度測定工程と、前記複数の温度測定値のうち前記フラッシュ光の照射開始時以降の積算開始時点から取得された設定数の温度測定値を積算して温度積算値算定する積算工程と、前記温度積算値に基づいて前記基板の割れを判定する判定工程と、を備えることを特徴とする熱処理方法。

請求項2

請求項1記載の熱処理方法において、前記温度測定工程では、前記基板の裏面の温度を測定することを特徴とする熱処理方法。

請求項3

基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法であって、サセプタに保持された基板に連続点灯ランプから光を照射して前記基板を予備加熱温度に加熱する予備加熱工程と、フラッシュランプから前記基板の表面にフラッシュ光を照射するフラッシュ光照射工程と、前記サセプタの温度を所定のサンプリング間隔で測定して複数の温度測定値を取得する温度測定工程と、前記複数の温度測定値のうち前記フラッシュ光の照射開始時以降の積算開始時点から取得された設定数の温度測定値を積算して温度積算値を算定する積算工程と、前記温度積算値に基づいて前記基板の割れを判定する判定工程と、を備えることを特徴とする熱処理方法。

請求項4

請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱処理方法において、前記判定工程では、前記温度積算値が予め設定された上限値および下限値の範囲から外れているときには前記基板が割れていると判定することを特徴とする熱処理方法。

請求項5

請求項4記載の熱処理方法において、前記上限値および前記下限値を設定する設定工程をさらに備えることを特徴とする熱処理方法。

請求項6

請求項1から請求項5のいずれかに記載の熱処理方法において、前記積算開始時点は、前記基板の温度が前記予備加熱温度よりも設定温度昇温した時点であることを特徴とする熱処理方法。

請求項7

基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバー内にて基板を保持するサセプタと、前記サセプタに保持された前記基板に光を照射して予備加熱温度に加熱する連続点灯ランプと、前記基板の表面にフラッシュ光を照射するフラッシュランプと、前記基板の温度を所定のサンプリング間隔で測定して複数の温度測定値を取得する放射温度計と、前記複数の温度測定値のうち前記フラッシュ光の照射開始時以降の積算開始時点から取得された設定数の温度測定値を積算して温度積算値を算定する積算部と、前記温度積算値に基づいて前記基板の割れを判定する判定部と、を備えることを特徴とする熱処理装置。

請求項8

請求項7記載の熱処理装置において、前記放射温度計は、前記基板の裏面の温度を測定することを特徴とする熱処理装置。

請求項9

基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバー内にて基板を保持するサセプタと、前記サセプタに保持された前記基板に光を照射して予備加熱温度に加熱する連続点灯ランプと、前記基板の表面にフラッシュ光を照射するフラッシュランプと、前記サセプタの温度を所定のサンプリング間隔で測定して複数の温度測定値を取得する放射温度計と、前記複数の温度測定値のうち前記フラッシュ光の照射開始時以降の積算開始時点から取得された設定数の温度測定値を積算して温度積算値を算定する積算部と、前記温度積算値に基づいて前記基板の割れを判定する判定部と、を備えることを特徴とする熱処理装置。

請求項10

請求項7から請求項9のいずれかに記載の熱処理装置において、前記判定部は、前記温度積算値が予め設定された上限値および下限値の範囲から外れているときには前記基板が割れていると判定することを特徴とする熱処理装置。

請求項11

請求項10記載の熱処理装置において、前記上限値および前記下限値を設定する設定部をさらに備えることを特徴とする熱処理装置。

請求項12

請求項7から請求項11のいずれかに記載の熱処理装置において、前記積算開始時点は、前記基板の温度が前記予備加熱温度よりも設定温度昇温した時点であることを特徴とする熱処理装置。

技術分野

0001

本発明は、半導体ウェハー等の薄板状精密電子基板(以下、単に「基板」と称する)にフラッシュ光照射することによって該基板を加熱する熱処理方法および熱処理装置に関する。

背景技術

0002

半導体デバイスの製造プロセスにおいて、不純物導入は半導体ウェハー内にpn接合を形成するための必須の工程である。現在、不純物導入は、イオン打ち込み法とその後のアニール法によってなされるのが一般的である。イオン打ち込み法は、ボロン(B)、ヒ素(As)、リン(P)といった不純物元素イオン化させて高加速電圧で半導体ウェハーに衝突させて物理的に不純物注入を行う技術である。注入された不純物はアニール処理によって活性化される。この際に、アニール時間が数秒程度以上であると、打ち込まれた不純物が熱によって深く拡散し、その結果接合深さが要求よりも深くなり過ぎて良好なデバイス形成に支障が生じるおそれがある。

0003

そこで、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するアニール技術として、近年フラッシュランプアニールFLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、不純物が注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。

0004

キセノンフラッシュランプの放射分光分布紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。このため、キセノンフラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。

0005

このようなフラッシュランプを使用した熱処理装置においては、極めて高いエネルギーを有するフラッシュ光を瞬間的に半導体ウェハーの表面に照射するため、一瞬で半導体ウェハーの表面温度が急速に上昇する一方で裏面温度はそれ程には上昇しない。このため、半導体ウェハーの表面のみに急激な熱膨張が生じて半導体ウェハーが上面を凸として反るように変形する。そして、次の瞬間には反動で半導体ウェハーが下面を凸として反るように変形していた。

0006

半導体ウェハーが上面を凸とするように変形したときには、ウェハー端縁部がサセプタに衝突する。逆に、半導体ウェハーが下面を凸とするように変形したときには、ウェハーの中央部がサセプタに衝突することとなっていた。その結果、サセプタに衝突した衝撃によって半導体ウェハーが割れるという問題があった。

0007

フラッシュ加熱時にウェハー割れが生じたときには、その割れを迅速に検出して後続の半導体ウェハーの投入を停止するとともに、チャンバー内の清掃を行う必要がある。また、ウェハー割れによって発生したパーティクルチャンバー外飛散して後続の半導体ウェハーに付着する等の弊害を防止する観点からも、フラッシュ加熱直後のチャンバーの搬出入口開放する前にチャンバー内にて半導体ウェハーの割れを検出するのが好ましい。

0008

このため、例えば特許文献1には、フラッシュ加熱処理を行うチャンバーにマイクロフォンを設け、半導体ウェハーが割れたときの音を検知することによってウェハー割れを判定する技術が開示されている。また、特許文献2には、半導体ウェハーからの反射光導光ロッドによって受光し、その反射光の強度からウェハー割れを検出する技術が開示されている。

先行技術

0009

特開2009−231697号公報
特開2015−130423号公報

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、特許文献1に開示の技術では、半導体ウェハーが割れた音響のみを抽出するためのフィルタリングが困難であるという問題があった。また、特許文献2に開示の技術では、導光ロッドを回転させる工程がフラッシュ光照射の前後で2回必要となるため、スループットが悪化するという問題があった。

0011

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、フラッシュ光照射時における基板の割れを簡易な構成にて検出することができる熱処理方法および熱処理装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法において、連続点灯ランプから光を照射して基板を予備加熱温度に加熱する予備加熱工程と、フラッシュランプから前記基板の表面にフラッシュ光を照射するフラッシュ光照射工程と、前記基板の温度を所定のサンプリング間隔で測定して複数の温度測定値を取得する温度測定工程と、前記複数の温度測定値のうち前記フラッシュ光の照射開始時以降の積算開始時点から取得された設定数の温度測定値を積算して温度積算値算定する積算工程と、前記温度積算値に基づいて前記基板の割れを判定する判定工程と、を備えることを特徴とする。

0013

また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理方法において、前記温度測定工程では、前記基板の裏面の温度を測定することを特徴とする。

0014

また、請求項3の発明は、基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法において、サセプタに保持された基板に連続点灯ランプから光を照射して前記基板を予備加熱温度に加熱する予備加熱工程と、フラッシュランプから前記基板の表面にフラッシュ光を照射するフラッシュ光照射工程と、前記サセプタの温度を所定のサンプリング間隔で測定して複数の温度測定値を取得する温度測定工程と、前記複数の温度測定値のうち前記フラッシュ光の照射開始時以降の積算開始時点から取得された設定数の温度測定値を積算して温度積算値を算定する積算工程と、前記温度積算値に基づいて前記基板の割れを判定する判定工程と、を備えることを特徴とする。

0015

また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る熱処理方法において、前記判定工程では、前記温度積算値が予め設定された上限値および下限値の範囲から外れているときには前記基板が割れていると判定することを特徴とする。

0016

また、請求項5の発明は、請求項4の発明に係る熱処理方法において、前記上限値および前記下限値を設定する設定工程をさらに備えることを特徴とする。

0017

また、請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれかの発明に係る熱処理方法において、前記積算開始時点は、前記基板の温度が前記予備加熱温度よりも設定温度昇温した時点であることを特徴とする。

0018

また、請求項7の発明は、基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバー内にて基板を保持するサセプタと、前記サセプタに保持された前記基板に光を照射して予備加熱温度に加熱する連続点灯ランプと、前記基板の表面にフラッシュ光を照射するフラッシュランプと、前記基板の温度を所定のサンプリング間隔で測定して複数の温度測定値を取得する放射温度計と、前記複数の温度測定値のうち前記フラッシュ光の照射開始時以降の積算開始時点から取得された設定数の温度測定値を積算して温度積算値を算定する積算部と、前記温度積算値に基づいて前記基板の割れを判定する判定部と、を備えることを特徴とする。

0019

また、請求項8の発明は、請求項7の発明に係る熱処理装置において、前記放射温度計は、前記基板の裏面の温度を測定することを特徴とする。

0020

また、請求項9の発明は、基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバー内にて基板を保持するサセプタと、前記サセプタに保持された前記基板に光を照射して予備加熱温度に加熱する連続点灯ランプと、前記基板の表面にフラッシュ光を照射するフラッシュランプと、前記サセプタの温度を所定のサンプリング間隔で測定して複数の温度測定値を取得する放射温度計と、前記複数の温度測定値のうち前記フラッシュ光の照射開始時以降の積算開始時点から取得された設定数の温度測定値を積算して温度積算値を算定する積算部と、前記温度積算値に基づいて前記基板の割れを判定する判定部と、を備えることを特徴とする。

0021

また、請求項10の発明は、請求項7から請求項9のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記判定部は、前記温度積算値が予め設定された上限値および下限値の範囲から外れているときには前記基板が割れていると判定することを特徴とする。

0022

また、請求項11の発明は、請求項10の発明に係る熱処理装置において、前記上限値および前記下限値を設定する設定部をさらに備えることを特徴とする。

0023

また、請求項12の発明は、請求項7から請求項11のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記積算開始時点は、前記基板の温度が前記予備加熱温度よりも設定温度昇温した時点であることを特徴とする。

発明の効果

0024

請求項1から請求項6の発明によれば、基板の温度を所定のサンプリング間隔で測定して取得した複数の温度測定値のうちフラッシュ光の照射開始時以降の積算開始時点から取得された設定数の温度測定値を積算した温度積算値に基づいて基板の割れを判定するため、フラッシュ光照射時における基板の割れを簡易な構成にて検出することができる。

0025

請求項7から請求項12の発明によれば、基板の温度を所定のサンプリング間隔で測定して取得した複数の温度測定値のうちフラッシュ光の照射開始時以降の積算開始時点から取得された設定数の温度測定値を積算した温度積算値に基づいて基板の割れを判定するため、フラッシュ光照射時における基板の割れを簡易な構成にて検出することができる。

図面の簡単な説明

0026

本発明に係る熱処理装置の構成を示す縦断面図である。
保持部の全体外観を示す斜視図である。
サセプタの平面図である。
サセプタの断面図である。
移載機構の平面図である。
移載機構の側面図である。
複数のハロゲンランプの配置を示す平面図である。
放射温度計および制御部の機能ブロック図である。
半導体ウェハーの処理手順を示すフローチャートである。
放射温度計によって測定される半導体ウェハーの裏面温度の変化を示す図である。
上限値および下限値の設定画面の一例を示す図である。

実施例

0027

以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。

0028

<第1実施形態>
図1は、本発明に係る熱処理装置1の構成を示す縦断面図である。図1の熱処理装置1は、基板として円板形状の半導体ウェハーWに対してフラッシュ光照射を行うことによってその半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。処理対象となる半導体ウェハーWのサイズは特に限定されるものではないが、例えばφ300mmやφ450mmである(本実施形態ではφ300mm)。熱処理装置1に搬入される前の半導体ウェハーWには不純物が注入されており、熱処理装置1による加熱処理によって注入された不純物の活性化処理が実行される。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。

0029

熱処理装置1は、半導体ウェハーWを収容するチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するフラッシュ加熱部5と、複数のハロゲンランプHLを内蔵するハロゲン加熱部4と、を備える。チャンバー6の上側にフラッシュ加熱部5が設けられるとともに、下側にハロゲン加熱部4が設けられている。また、熱処理装置1は、チャンバー6の内部に、半導体ウェハーWを水平姿勢に保持する保持部7と、保持部7と装置外部との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う移載機構10と、を備える。さらに、熱処理装置1は、ハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6に設けられた各動作機構を制御して半導体ウェハーWの熱処理を実行させる制御部3を備える。

0030

チャンバー6は、筒状のチャンバー側部61の上下に石英製のチャンバー窓を装着して構成されている。チャンバー側部61は上下が開口された概略筒形状を有しており、上側開口には上側チャンバー窓63が装着されて閉塞され、下側開口には下側チャンバー窓64が装着されて閉塞されている。チャンバー6の天井部を構成する上側チャンバー窓63は、石英により形成された円板形状部材であり、フラッシュ加熱部5から出射されたフラッシュ光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。また、チャンバー6の床部を構成する下側チャンバー窓64も、石英により形成された円板形状部材であり、ハロゲン加熱部4からの光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。

0031

また、チャンバー側部61の内側の壁面の上部には反射リング68が装着され、下部には反射リング69が装着されている。反射リング68,69は、ともに円環状に形成されている。上側の反射リング68は、チャンバー側部61の上側から嵌め込むことによって装着される。一方、下側の反射リング69は、チャンバー側部61の下側から嵌め込んで図示省略のビスで留めることによって装着される。すなわち、反射リング68,69は、ともに着脱自在にチャンバー側部61に装着されるものである。チャンバー6の内側空間、すなわち上側チャンバー窓63、下側チャンバー窓64、チャンバー側部61および反射リング68,69によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。

0032

チャンバー側部61に反射リング68,69が装着されることによって、チャンバー6の内壁面に凹部62が形成される。すなわち、チャンバー側部61の内壁面のうち反射リング68,69が装着されていない中央部分と、反射リング68の下端面と、反射リング69の上端面とで囲まれた凹部62が形成される。凹部62は、チャンバー6の内壁面に水平方向に沿って円環状に形成され、半導体ウェハーWを保持する保持部7を囲繞する。チャンバー側部61および反射リング68,69は、強度と耐熱性に優れた金属材料(例えば、ステンレススチール)にて形成されている。

0033

また、チャンバー側部61には、チャンバー6に対して半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部(炉口)66が形設されている。搬送開口部66は、ゲートバルブ185によって開閉可能とされている。搬送開口部66は凹部62の外周面連通接続されている。このため、ゲートバルブ185が搬送開口部66を開放しているときには、搬送開口部66から凹部62を通過して熱処理空間65への半導体ウェハーWの搬入および熱処理空間65からの半導体ウェハーWの搬出を行うことができる。また、ゲートバルブ185が搬送開口部66を閉鎖するとチャンバー6内の熱処理空間65が密閉空間とされる。

0034

また、チャンバー6の内壁上部には熱処理空間65に処理ガスを供給するガス供給孔81が形設されている。ガス供給孔81は、凹部62よりも上側位置に形設されており、反射リング68に設けられていても良い。ガス供給孔81はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間82を介してガス供給管83に連通接続されている。ガス供給管83は処理ガス供給源85に接続されている。また、ガス供給管83の経路途中にはバルブ84が介挿されている。バルブ84が開放されると、処理ガス供給源85から緩衝空間82に処理ガスが送給される。緩衝空間82に流入した処理ガスは、ガス供給孔81よりも流体抵抗の小さい緩衝空間82内を拡がるように流れてガス供給孔81から熱処理空間65内へと供給される。処理ガスとしては、例えば窒素(N2)等の不活性ガス、または、水素(H2)、アンモニア(NH3)等の反応性ガス、或いはそれらを混合した混合ガスを用いることができる(本実施形態では窒素ガス)。

0035

一方、チャンバー6の内壁下部には熱処理空間65内の気体排気するガス排気孔86が形設されている。ガス排気孔86は、凹部62よりも下側位置に形設されており、反射リング69に設けられていても良い。ガス排気孔86はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間87を介してガス排気管88に連通接続されている。ガス排気管88は排気部190に接続されている。また、ガス排気管88の経路途中にはバルブ89が介挿されている。バルブ89が開放されると、熱処理空間65の気体がガス排気孔86から緩衝空間87を経てガス排気管88へと排出される。なお、ガス供給孔81およびガス排気孔86は、チャンバー6の周方向に沿って複数設けられていても良いし、スリット状のものであっても良い。

0036

また、搬送開口部66の先端にも熱処理空間65内の気体を排出するガス排気管191が接続されている。ガス排気管191はバルブ192を介して排気部190に接続されている。バルブ192を開放することによって、搬送開口部66を介してチャンバー6内の気体が排気される。

0037

図2は、保持部7の全体外観を示す斜視図である。保持部7は、基台リング71、連結部72およびサセプタ74を備えて構成される。基台リング71、連結部72およびサセプタ74はいずれも石英にて形成されている。すなわち、保持部7の全体が石英にて形成されている。

0038

基台リング71は円環形状から一部が欠落した円弧形状の石英部材である。この欠落部分は、後述する移載機構10の移載アーム11と基台リング71との干渉を防ぐために設けられている。基台リング71は凹部62の底面に載置されることによって、チャンバー6の壁面に支持されることとなる(図1参照)。基台リング71の上面に、その円環形状の周方向に沿って複数の連結部72(本実施形態では4個)が立設される。連結部72も石英の部材であり、溶接によって基台リング71に固着される。

0039

サセプタ74は基台リング71に設けられた4個の連結部72によって支持される。図3は、サセプタ74の平面図である。また、図4は、サセプタ74の断面図である。サセプタ74は、保持プレート75、ガイドリング76および複数の基板支持ピン77を備える。保持プレート75は、石英にて形成された略円形平板状部材である。保持プレート75の直径は半導体ウェハーWの直径よりも大きい。すなわち、保持プレート75は、半導体ウェハーWよりも大きな平面サイズを有する。

0040

保持プレート75の上面周縁部にガイドリング76が設置されている。ガイドリング76は、半導体ウェハーWの直径よりも大きな内径を有する円環形状の部材である。例えば、半導体ウェハーWの直径がφ300mmの場合、ガイドリング76の内径はφ320mmである。ガイドリング76の内周は、保持プレート75から上方に向けて広くなるようなテーパ面とされている。ガイドリング76は、保持プレート75と同様の石英にて形成される。ガイドリング76は、保持プレート75の上面に溶着するようにしても良いし、別途加工したピンなどによって保持プレート75に固定するようにしても良い。或いは、保持プレート75とガイドリング76とを一体の部材として加工するようにしても良い。

0041

保持プレート75の上面のうちガイドリング76よりも内側の領域が半導体ウェハーWを保持する平面状の保持面75aとされる。保持プレート75の保持面75aには、複数の基板支持ピン77が立設されている。本実施形態においては、保持面75aの外周円(ガイドリング76の内周円)と同心円の周上に沿って30°毎に計12個の基板支持ピン77が立設されている。12個の基板支持ピン77を配置した円の径(対向する基板支持ピン77間の距離)は半導体ウェハーWの径よりも小さく、半導体ウェハーWの径がφ300mmであればφ270mm〜φ280mm(本実施形態ではφ270mm)である。それぞれの基板支持ピン77は石英にて形成されている。複数の基板支持ピン77は、保持プレート75の上面に溶接によって設けるようにしても良いし、保持プレート75と一体に加工するようにしても良い。

0042

図2戻り、基台リング71に立設された4個の連結部72とサセプタ74の保持プレート75の周縁部とが溶接によって固着される。すなわち、サセプタ74と基台リング71とは連結部72によって固定的に連結されている。このような保持部7の基台リング71がチャンバー6の壁面に支持されることによって、保持部7がチャンバー6に装着される。保持部7がチャンバー6に装着された状態においては、サセプタ74の保持プレート75は水平姿勢(法線が鉛直方向と一致する姿勢)となる。すなわち、保持プレート75の保持面75aは水平面となる。

0043

チャンバー6に搬入された半導体ウェハーWは、チャンバー6に装着された保持部7のサセプタ74の上に水平姿勢にて載置されて保持される。このとき、半導体ウェハーWは保持プレート75上に立設された12個の基板支持ピン77によって支持されてサセプタ74に保持される。より厳密には、12個の基板支持ピン77の上端部が半導体ウェハーWの下面に接触して当該半導体ウェハーWを支持する。12個の基板支持ピン77の高さ(基板支持ピン77の上端から保持プレート75の保持面75aまでの距離)は均一であるため、12個の基板支持ピン77によって半導体ウェハーWを水平姿勢に支持することができる。

0044

また、半導体ウェハーWは複数の基板支持ピン77によって保持プレート75の保持面75aから所定の間隔を隔てて支持されることとなる。基板支持ピン77の高さよりもガイドリング76の厚さの方が大きい。従って、複数の基板支持ピン77によって支持された半導体ウェハーWの水平方向の位置ずれはガイドリング76によって防止される。

0045

また、図2および図3に示すように、サセプタ74の保持プレート75には、上下に貫通して開口部78が形成されている。開口部78は、放射温度計120(図1参照)が半導体ウェハーWの下面から放射される放射光赤外光)を受光するために設けられている。すなわち、放射温度計120が開口部78を介して半導体ウェハーWの下面から放射された光を受光して半導体ウェハーWの温度を測定する。さらに、サセプタ74の保持プレート75には、後述する移載機構10のリフトピン12が半導体ウェハーWの受け渡しのために貫通する4個の貫通孔79が穿設されている。

0046

図5は、移載機構10の平面図である。また、図6は、移載機構10の側面図である。移載機構10は、2本の移載アーム11を備える。移載アーム11は、概ね円環状の凹部62に沿うような円弧形状とされている。それぞれの移載アーム11には2本のリフトピン12が立設されている。移載アーム11およびリフトピン12は石英にて形成されている。各移載アーム11は水平移動機構13によって回動可能とされている。水平移動機構13は、一対の移載アーム11を保持部7に対して半導体ウェハーWの移載を行う移載動作位置(図5実線位置)と保持部7に保持された半導体ウェハーWと平面視で重ならない退避位置(図5二点鎖線位置)との間で水平移動させる。水平移動機構13としては、個別のモータによって各移載アーム11をそれぞれ回動させるものであっても良いし、リンク機構を用いて1個のモータによって一対の移載アーム11を連動させて回動させるものであっても良い。

0047

また、一対の移載アーム11は、昇降機構14によって水平移動機構13とともに昇降移動される。昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて上昇させると、計4本のリフトピン12がサセプタ74に穿設された貫通孔79(図2,3参照)を通過し、リフトピン12の上端がサセプタ74の上面から突き出る。一方、昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて下降させてリフトピン12を貫通孔79から抜き取り、水平移動機構13が一対の移載アーム11を開くように移動させると各移載アーム11が退避位置に移動する。一対の移載アーム11の退避位置は、保持部7の基台リング71の直上である。基台リング71は凹部62の底面に載置されているため、移載アーム11の退避位置は凹部62の内側となる。なお、移載機構10の駆動部(水平移動機構13および昇降機構14)が設けられている部位の近傍にも図示省略の排気機構が設けられており、移載機構10の駆動部周辺雰囲気がチャンバー6の外部に排出されるように構成されている。

0048

図1に示すように、熱処理装置1には3つの放射温度計120,130,140が設けられている。上述した通り、放射温度計120は、サセプタ74に設けられた開口部78を介して半導体ウェハーWの下面の温度を測定する。放射温度計130は、サセプタ74の中央部から放射された赤外光を検知して当該中央部の温度を測定する。一方、放射温度計140は、半導体ウェハーWの上面から放射された赤外光を検知してウェハー上面の温度を測定する。放射温度計140としては、フラッシュランプFLからフラッシュ光が照射された瞬間の半導体ウェハーWの上面の急激な温度変化に追随することが可能な高速放射温度計を採用するのが好ましい。また、熱処理装置1には温度センサー150も設けられている。温度センサー150は、チャンバー6内の熱処理空間65の雰囲気温度計測する。

0049

チャンバー6の上方に設けられたフラッシュ加熱部5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、フラッシュ加熱部5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。フラッシュ加熱部5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状の石英窓である。フラッシュ加熱部5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53が上側チャンバー窓63と相対向することとなる。フラッシュランプFLはチャンバー6の上方からランプ光放射窓53および上側チャンバー窓63を介して熱処理空間65にフラッシュ光を照射する。

0050

複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。

0051

キセノンフラッシュランプFLは、その内部にキセノンガス封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設された棒状のガラス管放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサーに電荷蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧印加して絶縁破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのキセノン原子あるいは分子励起によって光が放出される。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし100ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、ハロゲンランプHLの如き連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。すなわち、フラッシュランプFLは、1秒未満の極めて短い時間で瞬間的に発光するパルス発光ランプである。なお、フラッシュランプFLの発光時間は、フラッシュランプFLに電力供給を行うランプ電源コイル定数によって調整することができる。

0052

また、リフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を熱処理空間65の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されている。

0053

チャンバー6の下方に設けられたハロゲン加熱部4は、筐体41の内側に複数本(本実施形態では40本)のハロゲンランプHLを内蔵している。ハロゲン加熱部4は、複数のハロゲンランプHLによってチャンバー6の下方から下側チャンバー窓64を介して熱処理空間65への光照射を行って半導体ウェハーWを加熱する。

0054

図7は、複数のハロゲンランプHLの配置を示す平面図である。40本のハロゲンランプHLは上下2段に分けて配置されている。保持部7に近い上段に20本のハロゲンランプHLが配設されるとともに、上段よりも保持部7から遠い下段にも20本のハロゲンランプHLが配設されている。各ハロゲンランプHLは、長尺の円筒形状を有する棒状ランプである。上段、下段ともに20本のハロゲンランプHLは、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように配列されている。よって、上段、下段ともにハロゲンランプHLの配列によって形成される平面は水平面である。

0055

また、図7に示すように、上段、下段ともに保持部7に保持される半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域におけるハロゲンランプHLの配設密度が高くなっている。すなわち、上下段ともに、ランプ配列の中央部よりも周縁部の方がハロゲンランプHLの配設ピッチが短い。このため、ハロゲン加熱部4からの光照射による加熱時に温度低下が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部により多い光量の照射を行うことができる。

0056

また、上段のハロゲンランプHLからなるランプ群と下段のハロゲンランプHLからなるランプ群とが格子状に交差するように配列されている。すなわち、上段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向と下段に配置された20本のハロゲンランプHLの長手方向とが互いに直交するように計40本のハロゲンランプHLが配設されている。

0057

ハロゲンランプHLは、ガラス管内部に配設されたフィラメント通電することでフィラメントを白熱化させて発光させるフィラメント方式の光源である。ガラス管の内部には、窒素やアルゴン等の不活性ガスにハロゲン元素ヨウ素、臭素等)を微量導入した気体が封入されている。ハロゲン元素を導入することによって、フィラメントの折損を抑制しつつフィラメントの温度を高温に設定することが可能となる。したがって、ハロゲンランプHLは、通常の白熱電球に比べて寿命が長くかつ強い光を連続的に照射できるという特性を有する。すなわち、ハロゲンランプHLは少なくとも1秒以上連続して発光する連続点灯ランプである。また、ハロゲンランプHLは棒状ランプであるため長寿命であり、ハロゲンランプHLを水平方向に沿わせて配置することにより上方の半導体ウェハーWへの放射効率が優れたものとなる。

0058

また、ハロゲン加熱部4の筐体41内にも、2段のハロゲンランプHLの下側にリフレクタ43が設けられている(図1)。リフレクタ43は、複数のハロゲンランプHLから出射された光を熱処理空間65の側に反射する。

0059

制御部3は、熱処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行う回路であるCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用メモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えている。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって熱処理装置1における処理が進行する。

0060

図8は、放射温度計120および制御部3の機能ブロック図である。半導体ウェハーWの下面の温度を測定する放射温度計120は、赤外線センサー121および温度測定ユニット122を備える。赤外線センサー121は、サセプタ74に保持された半導体ウェハーWの下面から開口部78を介して放射された赤外光を受光する。赤外線センサー121は、温度測定ユニット122と電気的に接続されており、受光に応答して生じた信号を温度測定ユニット122に伝達する。温度測定ユニット122は、図示を省略する増幅回路、A/Dコンバータ温度変換回路等を備えており、赤外線センサー121から出力された赤外光の強度を示す信号を温度に変換する。温度測定ユニット122によって求められた温度が半導体ウェハーWの下面の温度である。なお、サセプタ74の温度を測定する放射温度計130および半導体ウェハーWの上面の温度を測定する放射温度計140も概ね放射温度計120と同様の構成を備えている。

0061

放射温度計120は、熱処理装置1全体のコントローラである制御部3と電気的に接続されており、放射温度計120によって測定された半導体ウェハーWの下面の温度は制御部3に伝達される。制御部3は、積算部31および割れ判定部32を備える。積算部31および割れ判定部32は、制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって実現される機能処理部である。積算部31および割れ判定部32の処理内容についてはさらに後述する。

0062

また、制御部3には表示部33および入力部34が接続されている。制御部3は、表示部33に種々の情報を表示する。入力部34は、熱処理装置1のオペレータが制御部3に種々のコマンドやパラメータを入力するための機器である。オペレータは、表示部33の表示内容を確認しつつ、入力部34から半導体ウェハーWの処理手順および処理条件記述した処理レシピ条件設定を行うこともできる。表示部33および入力部34としては、双方の機能を兼ね備えたタッチパネルを用いることもでき、本実施形態では熱処理装置1の外壁に設けられた液晶のタッチパネルを採用している。

0063

上記の構成以外にも熱処理装置1は、半導体ウェハーWの熱処理時にハロゲンランプHLおよびフラッシュランプFLから発生する熱エネルギーによるハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、チャンバー6の壁体には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ハロゲン加熱部4およびフラッシュ加熱部5は、内部に気体流を形成して排熱する空冷構造とされている。また、上側チャンバー窓63とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、フラッシュ加熱部5および上側チャンバー窓63を冷却する。

0064

次に、熱処理装置1における半導体ウェハーWの処理手順について説明する。図9は、半導体ウェハーWの処理手順を示すフローチャートである。ここで処理対象となる半導体ウェハーWはイオン注入法により不純物(イオン)が添加された半導体基板である。その不純物の活性化が熱処理装置1によるフラッシュ光照射加熱処理(アニール)により実行される。以下に説明する熱処理装置1の処理手順は、制御部3が熱処理装置1の各動作機構を制御することにより進行する。

0065

まず、給気のためのバルブ84が開放されるとともに、排気用のバルブ89,192が開放されてチャンバー6内に対する給排気が開始される。バルブ84が開放されると、ガス供給孔81から熱処理空間65に窒素ガスが供給される。また、バルブ89が開放されると、ガス排気孔86からチャンバー6内の気体が排気される。これにより、チャンバー6内の熱処理空間65の上部から供給された窒素ガスが下方へと流れ、熱処理空間65の下部から排気される。

0066

また、バルブ192が開放されることによって、搬送開口部66からもチャンバー6内の気体が排気される。さらに、図示省略の排気機構によって移載機構10の駆動部周辺の雰囲気も排気される。なお、熱処理装置1における半導体ウェハーWの熱処理時には窒素ガスが熱処理空間65に継続的に供給されており、その供給量は処理工程に応じて適宜変更される。

0067

続いて、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部66を介して処理対象となる半導体ウェハーWがチャンバー6内の熱処理空間65に搬入される(ステップS1)。このときには、半導体ウェハーWの搬入にともなって装置外部の雰囲気を巻き込むおそれがあるが、チャンバー6には窒素ガスが供給され続けているため、搬送開口部66から窒素ガスが流出して、そのような外部雰囲気の巻き込みを最小限に抑制することができる。

0068

搬送ロボットによって搬入された半導体ウェハーWは保持部7の直上位置まで進出して停止する。そして、移載機構10の一対の移載アーム11が退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12が貫通孔79を通ってサセプタ74の保持プレート75の上面から突き出て半導体ウェハーWを受け取る。このとき、リフトピン12は基板支持ピン77の上端よりも上方にまで上昇する。

0069

半導体ウェハーWがリフトピン12に載置された後、搬送ロボットが熱処理空間65から退出し、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖される。そして、一対の移載アーム11が下降することにより、半導体ウェハーWは移載機構10から保持部7のサセプタ74に受け渡されて水平姿勢にて下方より保持される。半導体ウェハーWは、保持プレート75上に立設された複数の基板支持ピン77によって支持されてサセプタ74に保持される。また、半導体ウェハーWは、パターン形成がなされて不純物が注入された表面を上面として保持部7に保持される。複数の基板支持ピン77によって支持された半導体ウェハーWの裏面(表面とは反対側の主面)と保持プレート75の保持面75aとの間には所定の間隔が形成される。サセプタ74の下方にまで下降した一対の移載アーム11は水平移動機構13によって退避位置、すなわち凹部62の内側に退避する。

0070

半導体ウェハーWが石英にて形成された保持部7のサセプタ74によって水平姿勢にて下方より保持された時点で放射温度計120による温度測定が開始されることとなる。すなわち、サセプタ74に保持された半導体ウェハーWの下面(裏面)から開口部78を介して放射された赤外光を放射温度計120が受光して半導体ウェハーWの裏面温度を測定する。図10は、放射温度計120によって測定される半導体ウェハーWの裏面温度の変化を示す図である。

0071

半導体ウェハーWがチャンバー6内に搬入されてサセプタ74に保持された後、時刻t1にハロゲン加熱部4の40本のハロゲンランプHLが一斉に点灯して予備加熱(アシスト加熱)が開始される(ステップS2)。ハロゲンランプHLから出射されたハロゲン光は、石英にて形成された下側チャンバー窓64およびサセプタ74を透過して半導体ウェハーWの下面に照射される。ハロゲンランプHLからの光照射を受けることによって半導体ウェハーWが予備加熱されて温度が上昇する。なお、移載機構10の移載アーム11は凹部62の内側に退避しているため、ハロゲンランプHLによる加熱の障害となることは無い。

0072

ハロゲンランプHLからの光照射によって昇温する半導体ウェハーWの温度は放射温度計120によって測定される。測定された半導体ウェハーWの温度は制御部3に伝達される。制御部3は、ハロゲンランプHLからの光照射によって昇温する半導体ウェハーWの温度が所定の予備加熱温度T1に到達したか否かを監視しつつ、ハロゲンランプHLの出力を制御する。すなわち、制御部3は、放射温度計120による測定値に基づいて、半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1となるようにハロゲンランプHLの出力をフィードバック制御する。予備加熱温度T1は、半導体ウェハーWに添加された不純物が熱により拡散する恐れのない、200℃ないし800℃程度、好ましくは350℃ないし600℃程度とされる(本実施の形態では600℃)。このように放射温度計120は、予備加熱段階においてハロゲンランプHLの出力を制御するためのセンサーである。なお、放射温度計120は半導体ウェハーWの裏面の温度を測定しているが、ハロゲンランプHLによる予備加熱の段階では半導体ウェハーWの表裏面に温度差が生じることはなく、放射温度計120によって測定される裏面温度は半導体ウェハーW全体の温度であるとみなせる。

0073

半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した後、制御部3は半導体ウェハーWをその予備加熱温度T1に暫時維持する。具体的には、放射温度計120によって測定される半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達した時点にて制御部3がハロゲンランプHLの出力を調整し、半導体ウェハーWの温度をほぼ予備加熱温度T1に維持している。

0074

このようなハロゲンランプHLによる予備加熱を行うことによって、半導体ウェハーWの全体を予備加熱温度T1に均一に昇温している。ハロゲンランプHLによる予備加熱の段階においては、より放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部の温度が中央部よりも低下する傾向にあるが、ハロゲン加熱部4におけるハロゲンランプHLの配設密度は、基板Wの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域の方が高くなっている。このため、放熱が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部に照射される光量が多くなり、予備加熱段階における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一なものとすることができる。

0075

半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達して所定時間が経過した時刻t2にフラッシュ加熱部5のフラッシュランプFLがサセプタ74に保持された半導体ウェハーWの表面にフラッシュ光照射を行う(ステップS3)。このとき、フラッシュランプFLから放射されるフラッシュ光の一部は直接にチャンバー6内へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてからチャンバー6内へと向かい、これらのフラッシュ光の照射により半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。

0076

フラッシュ加熱は、フラッシュランプFLからのフラッシュ光(閃光)照射により行われるため、半導体ウェハーWの表面温度を短時間で上昇することができる。すなわち、フラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光は、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリセカンド以上100ミリセカンド以下程度の極めて短く強い閃光である。そして、フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射によりフラッシュ加熱される半導体ウェハーWの表面温度は、瞬間的に1000℃以上の処理温度T2まで上昇し、半導体ウェハーWに注入された不純物が活性化された後、表面温度が急速に下降する。このように、熱処理装置1では、半導体ウェハーWの表面温度を極めて短時間で昇降することができるため、半導体ウェハーWに注入された不純物の熱による拡散を抑制しつつ不純物の活性化を行うことができる。なお、不純物の活性化に必要な時間はその熱拡散に必要な時間に比較して極めて短いため、0.1ミリセカンドないし100ミリセカンド程度の拡散が生じない短時間であっても活性化は完了する。

0077

極めて照射時間の短いフラッシュ光を照射することによって半導体ウェハーWの表面を急激に昇温するフラッシュ加熱では、半導体ウェハーWの表裏面に温度差が生じる。すなわち、フラッシュ光が照射された半導体ウェハーWの表面が先行して昇温し、その表面からの熱伝導によって裏面が遅れて昇温する。また、フラッシュ加熱時に半導体ウェハーWの裏面が到達する最高温度T3は表面が到達する最高温度(処理温度T2)よりも低い。よって、フラッシュ加熱時における半導体ウェハーWの裏面の温度変化は表面の温度変化に比較すると緩やかなものとなる。

0078

フラッシュ光照射が開始された時刻t2以降も放射温度計120によって半導体ウェハーWの裏面の温度は測定されている。放射温度計120のサンプリング間隔は、例えば10ミリセカンドである。上述の通り、フラッシュ光の照射時間は極めて短時間なのであるが、フラッシュ加熱時における半導体ウェハーWの裏面の温度変化は比較的長期にわたる緩やかなものなので、10ミリセカンドのサンプリング間隔であってもその温度変化に追随することができる。そして、時刻t2以降も放射温度計120によって半導体ウェハーWの裏面温度を10ミリセカンドのサンプリング間隔で測定することにより、図10に示すような温度プロファイルを取得することができる。

0079

本実施形態においては、放射温度計120が10ミリセカンドのサンプリング間隔で半導体ウェハーWの裏面温度を測定して取得した複数の温度測定値のうち、積算開始時点である時刻t3以降に取得された設定数の温度測定値を積算部31(図8)が積算して温度積算値を算定している(ステップS4)。積算開始時点である時刻t3は、フラッシュ加熱時に半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1よりも設定温度ΔTだけ昇温した積算開始トリガー温度T4に到達した時点である。よって、必然的に積算開始時点(時刻t3)はフラッシュ光の照射開始時(時刻t2)以降となる。設定温度ΔTは、予め設定されている熱処理装置1の装置パラメータである。装置パラメータとは熱処理装置1の制御部3に対して設定される制御用のパラメータである。設定温度ΔTとして0℃を設定することも可能である。設定温度ΔTが0℃の場合、積算開始時点がフラッシュ光の照射開始時と一致する。

0080

また、積算部31は、積算開始時点以降に取得された設定数Nの温度測定値を積算する。すなわち、設定数Nは温度積算値を積算する個数である。この設定数Nも予め設定されている熱処理装置1の装置パラメータである。本実施形態では、設定数Nとして300が設定されている。10ミリセカンドのサンプリング間隔で取得された300個の温度測定値を積算することは、積算開始時点から3秒間にわたる半導体ウェハーWの温度測定値を積算することを意味する。なお、設定温度ΔTおよび設定数Nに加えて放射温度計120のサンプリング間隔も装置パラメータとして予め設定されている値である。

0081

積算部31による温度測定値の積算は次の式(1)によって表される。式(1)において、Sは温度積算値であり、Tiは放射温度計120による半導体ウェハーWの温度測定値である。すなわち、積算部31は、積算開始時点以降のN個(本実施形態では300個)の温度測定値を順次に加算して温度積算値Sを求めているのである。

0082

0083

次に、割れ判定部32は、温度積算値Sに基づいて半導体ウェハーWの割れを判定する(ステップS5)。フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWが割れたときには、放射温度計120による温度測定に支障をきたし、異常な温度測定値が得られることとなる。そして、そのような異常な温度測定値を積算して求められた温度積算値Sも異常な値となる。よって、温度積算値Sが適正な範囲内に収まっているか否かを判定することによって、半導体ウェハーWの割れを判定することができる。具体的には、割れ判定部32は次の式(2)によって半導体ウェハーWの割れを判定する。式(2)において、LLおよびULはそれぞれ割れ判定のための下限値および上限値である。割れ判定部32は、式(2)が満たされるときには半導体ウェハーWが割れていないと判定し、満たされないときには半導体ウェハーWが割れていると判定する。すなわち、割れ判定部32は、温度積算値Sが予め設定された上限値ULと下限値LLとの間の範囲から外れているときには半導体ウェハーWが割れていると判定するのである。

0084

0085

上述の設定温度ΔT、設定数Nおよびサンプリング間隔が装置パラメータとして設定されていたのに対して、上限値ULおよび下限値LLはレシピパラメータとして設定される値である。レシピパラメータとは、半導体ウェハーWの処理手順や処理条件を記述した処理レシピに設定されるパラメータである。処理レシピは処理対象となる半導体ウェハーW毎に制御部3に渡されるものであるため、レシピパラメータも半導体ウェハーW毎に設定することが可能である。

0086

図11は、上限値ULおよび下限値LLの設定画面の一例を示す図である。図11の設定画面は、表示部33および入力部34として機能する制御部3のタッチパネルに表示された画面である。熱処理装置1のオペレータは、図11に示すような設定画面のテキストボックス35aから上限値ULの数値を入力するとともに、テキストボックス35bから下限値LLの数値を入力して設定することができる。上限値ULおよび下限値LLとしては、例えば割れが発生しなかったときに式(1)によって求められた温度積算値を標準値とし、その標準値に所定の閾値を加算および減算した値を採用するのが好ましい。上限値ULと下限値LLとの間の範囲が狭くなるほど厳しい割れ判定がなされることとなる。

0087

図9に戻り、割れ判定部32がフラッシュ光照射開始後に半導体ウェハーWが割れていると判定したときには、ステップS6からステップS7に進み、制御部3が熱処理装置1における処理を中断し、チャンバー6に半導体ウェハーWを搬出入する搬送系の動作も停止する。また、制御部3が表示部33にウェハー割れ発生の警告を発報するようにしても良い。半導体ウェハーWの割れが発生したときには、チャンバー6内にパーティクルが発生しているため、チャンバー6を開放して清掃作業を行う。

0088

一方、割れ判定部32がフラッシュ光照射開始後に半導体ウェハーWが割れていないと判定したときには、ステップS6からステップS8に進み、半導体ウェハーWの搬出処理が行われる。具体的には、フラッシュ加熱処理が終了した後、所定時間経過後にハロゲンランプHLが消灯する。これにより、半導体ウェハーWが予備加熱温度T1から急速に降温する。降温中の半導体ウェハーWの温度は放射温度計120によって測定され、その測定結果は制御部3に伝達される。制御部3は、放射温度計120の測定結果より半導体ウェハーWの温度が所定温度まで降温したか否かを監視する。そして、半導体ウェハーWの温度が所定以下にまで降温した後、移載機構10の一対の移載アーム11が再び退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12がサセプタ74の上面から突き出て熱処理後の半導体ウェハーWをサセプタ74から受け取る。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、リフトピン12上に載置された半導体ウェハーWが装置外部の搬送ロボットにより搬出され、熱処理装置1における半導体ウェハーWの加熱処理が完了する。

0089

本実施形態においては、放射温度計120が10ミリセカンドのサンプリング間隔で半導体ウェハーWの裏面温度を測定して複数の温度測定値を取得している。積算部31は、それら複数の温度測定値のうち積算開始時点以降に取得された設定数Nの温度積算値を積算して温度積算値Sを算定し、その温度積算値Sに基づいて割れ判定部32がフラッシュ光照射開始後の半導体ウェハーWの割れを判定している。放射温度計120は、本来は予備加熱段階におけるハロゲンランプHLの出力を制御するための構成である。すなわち、ハロゲンランプHLの出力制御用の放射温度計120を割れ判定にも用いており、熱処理装置1にウェハー割れ検出のための特別なハードウェア構成を追加することなく、フラッシュ光照射時における半導体ウェハーWの割れを簡易な構成にて検出しているのである。また、簡単な演算処理によって半導体ウェハーWの割れを検出しているため、スループットを低下させる懸念も無い。

0090

また、本実施形態においては、フラッシュ光の照射開始時以降の積算開始時点から取得された温度積算値を積算して温度積算値Sを算定している。このため、フラッシュ光照射中に半導体ウェハーWに割れが発生したときには、異常な温度積算値が積算されて温度積算値Sも異常な値となるため、半導体ウェハーWの割れを的確に検出することができる。

0091

<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の熱処理装置1の構成は第1実施形態と全く同じである。また、第2実施形態の熱処理装置1における半導体ウェハーWの処理手順も第1実施形態と概ね同様である。第2実施形態が第1実施形態と相違するのは、サセプタ74の温度測定値を積算して割れ判定のための温度積算値Sを算定している点である。

0092

第2実施形態においては、放射温度計130が所定のサンプリング間隔(例えば10ミリセカンド)でサセプタ74の中央部の温度を測定している。放射温度計130が所定のサンプリング間隔で石英のサセプタ74の温度を測定して取得した複数の温度測定値のうち、フラッシュ光の照射開始時以降の積算開始時点から取得された設定数Nの温度測定値を積算部31が積算して温度積算値Sを算定する。そして、割れ判定部32は、サセプタ74の温度積算値Sが適正な範囲内に収まっているか否かを判定することによって、半導体ウェハーWの割れを判定する。割れ判定に関する演算処理は、第1実施形態の式(1)(2)と同じである。

0093

透明なサセプタ74はハロゲンランプHLからの光照射によってはほとんど加熱されないものの、昇温している半導体ウェハーWからの熱伝導および熱輻射によってサセプタ74も加熱される。よって、フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWが割れたときには、半導体ウェハーWによるサセプタ74の加熱が中断され、サセプタ74の温度変化も異常な挙動を示すようになる。そして、異常なサセプタ74の温度測定値が取得された結果、温度算定値Sも異常な値となる。従って、サセプタ74の温度積算値Sが適正な範囲内に収まっているか否かを判定することによって、半導体ウェハーWの割れを判定することができるのである。

0094

<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、第1実施形態では半導体ウェハーWの裏面の温度積算値に基づいて、第2実施形態ではサセプタ74の温度積算値に基づいて半導体ウェハーWの割れを判定していたが、それら以外の温度測定値を積算した温度積算値に基づいて半導体ウェハーWの割れ判定を行うようにしても良い。例えば、放射温度計140によって測定した半導体ウェハーWの表面温度を積算した温度積算値に基づいて半導体ウェハーWの割れを判定するようにしても良い。或いは、温度センサー150によって測定したチャンバー6内の雰囲気温度を積算した温度積算値に基づいて半導体ウェハーWの割れを判定するようにしても良い。フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWが割れたときには、その影響によってチャンバー6内の雰囲気温度も異常な挙動を示すため、雰囲気温度の温度積算値に基づいて割れ判定を行うことが可能である。要するに、フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWが割れたときに、通常とは異なる異常な温度変化を示す要素の温度を積算した温度積算値に基づいて半導体ウェハーWの割れ判定を行うようにすれば良い。

0095

また、第1実施形態における半導体ウェハーWの温度積算値に基づく割れ判定と、第2実施形態におけるサセプタ74の温度積算値に基づく割れ判定との「OR判定」を行うようにしても良い。すなわち、割れ判定部32は、半導体ウェハーWの温度積算値が適正範囲内に収まっていないとき、または、サセプタ74の温度積算値が適正範囲内に収まっていないときに半導体ウェハーWが割れていると判定するようにしても良い。このようにすれば、より確実に半導体ウェハーWの割れを判定することが可能となる。或いは、半導体ウェハーWの温度積算値に基づく割れ判定と、サセプタ74の温度積算値に基づく割れ判定との他の論理演算(例えば、AND、XOR等)を用いた判定を行うようにしても良い。

0096

また、上記実施形態においては、フラッシュ加熱部5に30本のフラッシュランプFLを備えるようにしていたが、これに限定されるものではなく、フラッシュランプFLの本数は任意の数とすることができる。また、フラッシュランプFLはキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。また、ハロゲン加熱部4に備えるハロゲンランプHLの本数も40本に限定されるものではなく、任意の数とすることができる。

0097

また、上記実施形態においては、1秒以上連続して発光する連続点灯ランプとしてフィラメント方式のハロゲンランプHLを用いて半導体ウェハーWの予備加熱を行っていたが、これに限定されるものではなく、ハロゲンランプHLに代えて放電型のアークランプ(例えば、キセノンアークランプ)を連続点灯ランプとして用いて予備加熱を行うようにしても良い。

0098

また、熱処理装置1によって処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではなく、液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板太陽電池用の基板であっても良い。また、本発明に係る技術は、高誘電率ゲート絶縁膜(High-k膜)の熱処理、金属とシリコンとの接合、或いはポリシリコン結晶化に適用するようにしても良い。

0099

1熱処理装置
3 制御部
4ハロゲン加熱部
5フラッシュ加熱部
6チャンバー
7 保持部
10 移載機構
31 積算部
32割れ判定部
33 表示部
34 入力部
63 上側チャンバー窓
64 下側チャンバー窓
65熱処理空間
74サセプタ
75保持プレート
77基板支持ピン
120,130,140放射温度計
150温度センサー
FLフラッシュランプ
HLハロゲンランプ
W 半導体ウェハー

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