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技術 バインダー組成物、電極合剤および非水電解質二次電池

出願人 株式会社クレハ
発明者 土肥壮哉堺勇樹
出願日 2018年2月27日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-033555
公開日 2019年9月5日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-149299
状態 未査定
技術分野 電池の電極及び活物質
主要キーワード フッ素樹脂本来 自転公転ミキサー 黒鉛微粉末 クルトン 金属ケーシング 炭素物 継時的 環状アミド基
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (2)

課題

スラリー状電極合剤の保管時における不可逆的な増粘現象を抑制すると共に、そのチキソトロピー性をも抑制するバインダー組成物を提供する。

解決手段

本発明に係るバインダー組成物は、フッ化ビニリデン共重合体ポリマー添加剤とを含み、フッ化ビニリデン共重合体は、フッ化ビニリデン由来する構造単位と、クロロトリフルオロエチレンに由来する構造単位と、を含み、ポリマー添加剤は、以下の繰り返し単位:−[CH2−CHR]−を有するポリマー材料である。

概要

背景

近年、電子技術の発展はめざましく、小型携帯機器の高機能化が進んでいる。そのため、これらに使用される電源には小型化および軽量化、すなわち高エネルギー密度化が求められている。高いエネルギー密度を有する電池として、リチウムイオン二次電池などに代表される非水電解質二次電池が、広く使用されている。

また、非水電解質二次電池は、地球環境問題および省エネルギーの観点から、二次電池エンジンとを組み合わせたハイブリッド自動車、および二次電池を電源にした電気自動車などにも利用されており、その用途が拡大している。

非水電解質二次電池用電極は、集電体と集電体上に形成される電極合剤層とを有する構造となっている。電極合剤層は、一般に電極活物質バインダー組成物とを含む電極合剤が適当な溶媒中に分散されたスラリー状態で集電体上に塗布され、溶媒を揮散して形成される。バインダー結着剤)としては、ポリフッ化ビニリデンPVDF)等のフッ化ビニリデン(VDF)系ポリマーが主に使用されている。

このようなVDF系ポリマーを用いたバインダー組成物を含む電極合剤として、例えば、特許文献1には、集電体上に塗布した後の厚みを制御するために、ずり速度が0から1000[s−1]の範囲における流動曲線が、特定の流動方程式に対して特定の相関係数の条件で近似されるように調製された合剤スラリーが開示されている。

概要

スラリー状電極合剤の保管時における不可逆的な増粘現象を抑制すると共に、そのチキソトロピー性をも抑制するバインダー組成物を提供する。本発明に係るバインダー組成物は、フッ化ビニリデン共重合体ポリマー添加剤とを含み、フッ化ビニリデン共重合体は、フッ化ビニリデンに由来する構造単位と、クロロトリフルオロエチレンに由来する構造単位と、を含み、ポリマー添加剤は、以下の繰り返し単位:−[CH2−CHR]−を有するポリマー材料である。なし

目的

本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、スラリー状電極合剤の保管時における不可逆的な増粘現象を抑制すると共に、そのチキソトロピー性をも抑制するバインダー組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

電極活物質集電体結着させるために用いられるバインダー組成物であって、上記バインダー組成物は、フッ化ビニリデン重合体ポリマー添加剤とを含み、上記フッ化ビニリデン重合体は、フッ化ビニリデン由来する構造単位クロロトリフルオロエチレンに由来する構造単位とを含むフッ化ビニリデン共重合体を含み、上記ポリマー添加剤は、以下の繰り返し単位:−[CH2−CHR]−を有するポリマー材料であることを特徴とするバインダー組成物。(上記繰り返し単位において、Rは、鎖状若しくは環状アミド基ニトリル基ヒドロキシ基エステル含有基、または、炭素数1〜4のアルキル基であって、当該アルキル基の水素原子の少なくとも1つが鎖状若しくは環状アミド基、ニトリル基またはヒドロキシ基で置換されている置換基を示す。)

請求項2

上記繰り返し単位において、Rは、鎖状若しくは環状アミド基、ニトリル基またはヒドロキシ基であることを特徴とする請求項1に記載のバインダー組成物。

請求項3

上記ポリマー添加剤は、ポリビニルピロリドンポリアクリロニトリルまたはポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1または2に記載のバインダー組成物。

請求項4

上記ポリマー添加剤は、上記フッ化ビニリデン重合体と上記ポリマー添加剤との合計を100質量%としたときに、1質量%以上かつ50質量%以下含まれていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のバインダー組成物。

請求項5

上記フッ化ビニリデン共重合体は、カルボキシル基を有する単量体成分に由来する構造単位をさらに含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のバインダー組成物。

請求項6

請求項1から5のいずれか1項に記載のバインダー組成物と、溶媒と、電極活物質とを含むことを特徴とする電極合剤

請求項7

請求項6に記載の電極合剤から形成された電極合剤層を備えていることを特徴とする非水電解質二次電池

技術分野

0001

本発明は、非水電解質二次電池、特にリチウムイオン二次電池の製造に用いられるバインダー組成物、およびそれを用いた電極合剤に関する。

背景技術

0002

近年、電子技術の発展はめざましく、小型携帯機器の高機能化が進んでいる。そのため、これらに使用される電源には小型化および軽量化、すなわち高エネルギー密度化が求められている。高いエネルギー密度を有する電池として、リチウムイオン二次電池などに代表される非水電解質二次電池が、広く使用されている。

0003

また、非水電解質二次電池は、地球環境問題および省エネルギーの観点から、二次電池エンジンとを組み合わせたハイブリッド自動車、および二次電池を電源にした電気自動車などにも利用されており、その用途が拡大している。

0004

非水電解質二次電池用電極は、集電体と集電体上に形成される電極合剤層とを有する構造となっている。電極合剤層は、一般に電極活物質とバインダー組成物とを含む電極合剤が適当な溶媒中に分散されたスラリー状態で集電体上に塗布され、溶媒を揮散して形成される。バインダー結着剤)としては、ポリフッ化ビニリデンPVDF)等のフッ化ビニリデン(VDF)系ポリマーが主に使用されている。

0005

このようなVDF系ポリマーを用いたバインダー組成物を含む電極合剤として、例えば、特許文献1には、集電体上に塗布した後の厚みを制御するために、ずり速度が0から1000[s−1]の範囲における流動曲線が、特定の流動方程式に対して特定の相関係数の条件で近似されるように調製された合剤スラリーが開示されている。

先行技術

0006

特開2004−95198号公報(2004年3月25日公開
特開平11−195419号公報(1999年7月21日公開)

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、特許文献1の電極合剤は、スラリー状態での保管時に、不可逆的な増粘現象が発生し得るという問題がある。

0008

この問題に対し、バインダー組成物中の結着剤として、VDFに由来する構造単位クロロトリフルオロエチレン(CTFE)に由来する構造単位との共重合体(VDF/CTFE共重合体)を用いることにより、保管時の増粘現象を抑制することが試みられている(特許文献2)。

0009

しかしながら、VDF/CTFE共重合体を用いたバインダー組成物を含む電極合剤は、他のVDF系ポリマーに比して、チキソトロピー性せん断応力を受け続けると粘度が時間とともに低下し、静止すると粘度が上昇する性質)が高く、電極作製時における作業効率の低下、および作製される電極合剤層の厚みの不均一化等が生じる場合があり、電池性能に影響が及び得るという問題がある。

0010

本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、スラリー状電極合剤の保管時における不可逆的な増粘現象を抑制すると共に、そのチキソトロピー性をも抑制するバインダー組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは上記課題を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、VDF/CTFE共重合体と、特定の添加剤とを組み合わせることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。本発明は以下のように記載することができる。

0012

本発明に係るバインダー組成物は、上記課題を解決するために、電極活物質を集電体に結着させるために用いられるバインダー組成物であって、上記バインダー組成物は、フッ化ビニリデン重合体ポリマー添加剤とを含み、上記フッ化ビニリデン重合体は、フッ化ビニリデンに由来する構造単位とクロロトリフルオロエチレンに由来する構造単位とを含むフッ化ビニリデン共重合体を含み、上記ポリマー添加剤は、以下の繰り返し単位
−[CH2−CHR]−
を有するポリマー材料であるバインダー組成物である。
(上記繰り返し単位において、Rは、鎖状若しくは環状アミド基ニトリル基ヒドロキシ基エステル含有基、または、炭素数1〜4のアルキル基であって、当該アルキル基の水素原子の少なくとも1つが鎖状若しくは環状アミド基、ニトリル基またはヒドロキシ基で置換されている置換基を示す。)
また、本発明に係るバインダー組成物では、上記繰り返し単位において、Rは、鎖状若しくは環状アミド基、ニトリル基またはヒドロキシ基であることが好ましい。

0013

また、本発明に係るバインダー組成物では、上記ポリマー添加剤は、ポリビニルピロリドンポリアクリロニトリルまたはポリビニルアルコールであることが好ましい。

0014

また、本発明に係るバインダー組成物では、上記ポリマー添加剤は、上記フッ化ビニリデン重合体と上記ポリマー添加剤との合計を100質量%としたときに、1質量%以上かつ50質量%以下含まれていることが好ましい。

0015

また、本発明に係るバインダー組成物では、上記フッ化ビニリデン共重合体は、カルボキシル基を有する単量体成分に由来する構造単位をさらに含むことが好ましい。

0016

本発明に係る電極合剤は、上述のバインダー組成物と、溶媒と、電極活物質とを含む電極合剤である。

0017

本発明に係る非水電解質二次電池は、上述の電極合剤から形成された電極合剤層を備える非水電解質二次電池である。

発明の効果

0018

本発明は、スラリー状電極合剤の保管時における不可逆的な増粘現象を抑制すると共に、そのチキソトロピー性をも抑制するバインダー組成物を提供することができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0019

本実施形態における非水電解質二次電池における電極の断面図である。
本実施形態における非水電解質二次電池の分解斜視図である。

0020

以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。ここで、本明細書等における「電極」とは、特に断りのない限り、本実施形態におけるバインダー組成物を用いた電極合剤から形成される電極合剤層が集電体上に形成されている、非水電解質二次電池の電極を意味する。また、本明細書等における「電池」とは、「電極」を備えた非水電解質二次電池を意味する。また、本明細書等における「チキソトロピー性」とは、せん断応力を受け続けると粘度が時間とともに低下し、静止すると粘度が上昇する性質を意味しており、O.C.C. Lin “Thixotropic behavior of gel-like systems” J. Appl. Polym. Sci. Vol.19, 199-214, 1975において定義されるチキソトロピー係数λでもって表すことができる。チキソトロピー係数λが小さいほど、チキソトロピー性が抑制されているといえる。

0021

(バインダー組成物)
本実施形態に係るバインダー組成物は、電池が有する電極であって、集電体上に電極活物質を含む電極合剤層が形成されてなる電極において、電極活物質を集電体に結着させるために用いられるものである。

0022

バインダー組成物には、フッ化ビニリデン重合体と特定のポリマー添加剤とが含まれている。また、本実施形態に係るバインダー組成物においては、所望の効果を阻害しない限り、さらに別の重合体および添加剤を含んでいてもよい。

0023

[フッ化ビニリデン重合体]
本発明の一態様に係るフッ化ビニリデン重合体は、フッ化ビニリデンに由来する構造単位と、クロロトリフルオロエチレンに由来する構造単位と、を含むフッ化ビニリデン共重合体(コポリマー)を含む。フッ化ビニリデン由来単位に加えて、クロロトリフルオロエチレン由来単位を含むことにより、得られる共重合体を結着剤として用いる電極合剤は、スラリー状態での保管時に、不可逆的な増粘現象を抑制し、スラリーがゲル化することを防止することができる。

0024

本発明の一態様に係るフッ化ビニリデン重合体は、上記フッ化ビニリデン共重合体に加えて、フッ化ビニリデン共重合体による増粘現象抑制効果を阻害しない範囲で、フッ化ビニリデン単独重合体、または、クロロトリフルオロエチレンに由来する構造単位を含まないフッ化ビニリデン共重合体を含んでいてもよい。このようなクロロトリフルオロエチレンに由来する構造単位を含まないフッ化ビニリデン共重合体としては、コハク酸モノアクリロキシプロピル)(APS)に由来する構造単位を含むVDF/APS共重合体、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)に由来する構造単位を含むVDF/HFP共重合体、アクリル酸(AA)に由来する構造単位を含むVDF/AA共重合体、および、VDF/HFP/APS共重合体等が挙げられる。

0025

本発明の好ましい一態様としては、フッ化ビニリデン重合体は、フッ化ビニリデン共重合体である。

0026

本発明の一態様に係るフッ化ビニリデン共重合体は、フッ化ビニリデン由来単位を70モル%以上で含有することが好ましく、80モル%以上で含有することがより好ましく、さらには85モル%以上で含有することが特に好ましい。上限に制限はないが、99.5モル%以下とすることが好ましい。また、クロロトリフルオロエチレン由来単位は0.1〜10モル%であることが好ましく、0.3〜5モル%であることが更に好ましく、0.5〜3モル%であることが最も好ましい。CTFE量が上記の範囲であることにより、スラリーのゲル化を防止しながらも、電解液への膨張を抑制して電池性能が低下することを避けることができる。

0027

上記2種類の構造単位に加えてさらに、共重合可能な他の単量体を含めた三元以上の共重合体としてもよい。このような単量体としては、例えば、エチレンおよびプロピレン等の炭化水素系単量体、フッ化ビニルトリフルオロエチレンテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびフルオロアルキルビニルエーテル等の含フッ素単量体、またはアリルグリシジルエーテルおよびクルトングリシジルエステル等のエポキシ基含有ビニル単量体共重合体成分として含んでいてもよい。更には、フッ化ビニリデン系重合体を溶解または膨潤する溶媒中で、アミノ基またはメルカプト基等のフッ化ビニリデン系重合体と反応性基加水分解性基併有するシラン系カップリング剤あるいはチタネート系カップリング剤中で処理してなる変性フッ化ビニリデン系重合体も用いられる。

0028

特に、カルボキシル基を有する単量体成分に由来する構造単位をさらに含むことにより、本発明の効果を好適に達成することができる。カルボキシル基を有する単量体成分としては、アクリル酸、メタクリル酸マレイン酸モノメチル、アクリル酸2−カルボキシエチル、メタクリル酸(2−カルボキシエチル)、コハク酸モノ(アクリロキシエチル)、コハク酸モノ(アクリロキシプロピル)、フタル酸モノ(アクリロキシエチル)、コハク酸モノ(メタクリロキシエチル)、コハク酸モノ(メタクリロキシプロピル)、フタル酸モノ(メタクリロキシエチル)、およびトリフルオロアクリル酸等が挙げられる。これらは、一種単独で用いても、二種以上を用いてもよい。

0029

フッ化ビニリデン由来単位およびクロロトリフルオロエチレン由来単位に加えて、カルボキシル基を有する単量体成分に由来する構造単位をさらに含む場合は、該カルボキシル基含有構造単位を、0.01〜3モル%で含有することが好ましく、0.05〜1モル%であることがより好ましく、0.08〜0.5モル%であることが最も好ましい。官能基量が0.01モル%より少ないと、十分な接着性が得られないことがある。また、3モル%より多いと、フッ素樹脂本来耐薬品性等の性質が損なわれることがある。

0030

なお、各構成単位の存在量は1H NMRもしくは19F NMRによって求めることができる。

0031

本発明の一態様に係るフッ化ビニリデン共重合体は、インヘレント粘度樹脂4gを1リットルのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させた溶液の30℃における対数粘度)が、0.5〜20dL/g、特に0.8〜10dL/gの範囲内の値を有することが好ましい。

0032

本発明の一態様に係るフッ化ビニリデン共重合体を製造する方法としては、特に限定されず、懸濁重合乳化重合および溶液重合等の従来公知の方法を挙げることができる。これらの中でも、後処理の容易さ等の点から、共重合の方法としては、水系の懸濁重合または乳化重合であることが好ましく、水系の懸濁重合であることがより好ましい。

0033

水を分散媒とした懸濁重合における懸濁剤としては、メチルセルロースメトキシ化メチルセルロース、プロポキシ化メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシドおよびゼラチン等を使用することができる。

0034

また、重合開始剤としては、ジイソプロピルペルオキシジカーボネートジノルマルプロピルペルオキシジカーボネート、ジノルマルヘプタフルオロプロピルペルオキシジカーボネート、イソブチリルペルオキサイド、ジ(クロフルオロアシル)ペルオキサイド、ジ(ペルフルオロアシル)ペルオキサイド、t−ブチルペルオキシピバレート等が使用できる。

0035

また、酢酸エチル酢酸メチルアセトンエタノールn−プロパノールアセトアルデヒドプロピルアルデヒド、プロピオン酸エチル、および四塩化炭素等の連鎖移動剤を添加することにより、得られる重合体の重合度を調節することも可能である。

0036

[ポリマー添加剤]
本発明の一態様において、バインダー組成物は、フッ化ビニリデン共重合体と共に、以下の繰り返し単位:
−[CH2−CHR]−
を有するポリマー材料からなるポリマー添加剤を含有する。

0037

上記繰り返し単位において、Rは、鎖状若しくは環状アミド基、ニトリル基、ヒドロキシ基、エステル含有基、または、炭素数1〜4のアルキル基であって、当該アルキル基の水素原子の少なくとも1つが鎖状若しくは環状アミド基、ニトリル基またはヒドロキシ基で置換されている置換基を示す。

0038

本願明細書において、「鎖状または環状アミド基」は、式:−CONR1R2または−NR1COR2(式中、R1およびR2は、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子または炭素数1〜6個の低級アルキル基であるか、または、R1およびR2が一緒になって、結合する窒素原子と共に単環式複素環を形成する)で表される鎖状アミド基および環状アミド基を意味する。このような鎖状または環状アミド基としては、例えば、2−ピロリドン基、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基等が挙げられる。ここで、2−ピロリドン基、アセトアミド基、N−メチルアセトアミド基とは、それぞれ対応する化合物中のカルボニル炭素原子又は窒素原子に結合する1個の水素原子が、結合手で置換された一価の基を表す。

0039

フッ化ビニリデン共重合体と共にポリマー添加剤を含むことにより、バインダー組成物は、電極合剤としたときに、スラリーの増粘現象の抑制効果を保持しつつ、チキソトロピー性を抑制することができる。

0040

ポリマー材料は、繰り返し単位におけるRが同一であるホモポリマーであっても、Rが異なるランダムまたはブロックコポリマーであってもよい。

0041

ポリマー材料としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール等が挙げられる。

0042

なお、本願明細書において、用語「ポリビニルアルコール」は、ポリ酢酸ビニルケン化して得られるポリビニルアルコールであって、30モル%以下の範囲でアセチル基が残存しているものを包含する。

0043

本発明の一態様に係るポリマー材料を製造する方法としては、特に限定されず、上述のフッ化ビニリデン共重合体と同様にして製造することができる。

0044

[バインダー組成物]
本実施形態に係るバインダー組成物は、上記フッ化ビニリデン共重合体を含むフッ化ビニリデン重合体、および、ポリマー添加剤を含む。フッ化ビニリデン共重合体は単独で用いてもよく、2種類以上のフッ化ビニリデン共重合体を併用してもよい。同様に、ポリマー添加剤は単独のポリマー材料で用いてもよく、2種類以上のポリマー材料を併用してもよい。

0045

本実施形態に係るバインダー組成物においては、所望の効果を阻害しない限り、さらに別の重合体、および各種添加剤を含んでいてもよい。

0046

バインダー組成物におけるフッ化ビニリデン共重合体の含有量は、2.5質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%であることが更に好ましい。フッ化ビニリデン共重合体の含有量がこの範囲であることにより、バインダー組成物を電極合剤としたときに、保管時における不可逆的な増粘現象を抑制することができる。

0047

また、バインダー組成物におけるポリマー添加剤の含有量は、フッ化ビニリデン重合体とポリマー添加剤との合計を100質量%としたときに、好ましくは1〜50質量%であり、より好ましくは2〜30質量%であり、さらに好ましくは2.5〜10質量%である。ポリマー添加剤の含有量がこの範囲であることにより、バインダー組成物を電極合剤としたときに、チキソトロピー性の上昇を抑制する効果が一層高まる。

0048

バインダー組成物は、必要に応じて、さらに慣用の添加剤を含んでいてもよい。

0049

[電極合剤]
本実施形態における電極合剤は、バインダー組成物に、電極活物質と溶媒とを含ませたものである。この電極合剤を集電体上に塗布して電極合剤層を形成することにより、電極を作製することができる。電極合剤は、スラリー状であり、溶媒の量を調節することによって、所望の粘度に調整することができる。

0050

電極合剤は、塗布対象である集電体の種類等に応じて電極活物質等の種類を変更することにより、正極用の電極合剤、または負極用の電極合剤とすることができる。本実施形態における電極合剤は、正極用の電極活物質、すなわち正極活物質正極材料)を用いた正極用の電極合剤であることが好ましい。

0051

(溶媒)
本実施形態における電極合剤において用いられる溶媒としては、フッ化ビニリデン重合体およびポリマー添加剤を溶解できる溶媒であれば特に限定されるものではない。溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、水、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシドヘキサメチルホスホアミドジオキサンテトラヒドロフランテトラメチルウレアトリエチルホスフェートトリメチルホスフェート、アセトン、メチルエチルケトン、およびテトラヒドロフランなどが挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、二種類以上を混合した混合溶媒として用いてもよい。電極合剤において用いられる溶媒は、中でも、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどの含窒素系有機溶媒が好ましく、N−メチル−2−ピロリドンがより好ましい。

0052

フッ化ビニリデン重合体およびポリマー添加剤の総量を100質量部とすると、溶媒の量は400〜10000質量部であることが好ましく、600〜8000質量部であることがより好ましい。上述した溶媒の量の範囲内では適度な溶液粘度となり、ハンドリング性に優れる。

0053

(電極活物質)
本実施形態における電極合剤において用いられる電極活物質は、上述したように、本実施形態に係る電極合剤を負極用の電極合剤とする場合には、負極用の電極活物質、すなわち負極活物質を用いればよく、本実施形態に係る電極合剤を正極用の電極合剤とする場合には、正極用の電極活物質、すなわち正極活物質を用いればよい。

0054

正極活物質としては、例えば、リチウムを含むリチウム系正極活物質が挙げられる。リチウム系正極活物質としては例えば、LiCoO2およびLiCoxNi1−xO2(0≦x<1)等の一般式LiMY2で表わされる複合金属カルコゲン化合物、または複合金属酸化物、LiMn2O4などのスピネル構造をとる複合金属酸化物およびLiFePO4などのオリビン型リチウム化合物等が挙げられる。ここでMは、Co、Ni、Fe、Mn、CrおよびV等の遷移金属もしくはAlの少なくとも一種であり、YはOおよびS等のカルコゲン元素である。

0055

負極活物質としては、黒鉛などの炭素系材料をはじめとした従来公知の材料を用いることができる。

0056

本実施形態において、電極活物質は、溶媒と共に、バインダー組成物に直接添加すればよい。あるいは、電極活物質をまず溶媒に添加して、撹拌混合したものをバインダー組成物に添加するようにしてもよい。あるいは、バインダー組成物と溶媒とを混合して得られるバインダー溶液に、電極活物質を添加するようにしてもよい。

0057

導電助剤
本実施形態における電極合剤は、さらに導電助剤を含んでいてもよい。導電助剤は、LiCoO2等の電子伝導性の小さい活物質を使用する場合に、電極合剤層の導電性を向上する目的で添加するものである。導電助剤としては、例えば、カーボンブラックカーボンナノチューブ黒鉛微粉末および黒鉛繊維等の炭素物物質、ならびにニッケルおよびアルミニウム等の金属微粉末または金属繊維を用いることができる。

0058

(電極合剤の他の成分)
本実施形態における電極合剤は、上述の成分以外の他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、シュウ酸コハク酸などの有機酸分散剤等の慣用の添加剤等を挙げることができる。

0059

(電極合剤の調製)
本実施形態にかかる電極合剤は、上述のバインダー組成物、溶媒および電極活物質、並びに、必要に応じて、導電助剤、および他の各種成分等を、任意の順序で混合し、スラリー化することにより得られる。

0060

例えば、バインダー組成物と溶媒とを混合することによりバインダー溶液を調製し、得られたバインダー溶液に、電極活物質を、導電助剤等と共に添加し、撹拌混合して電極合剤を調製することができる。

0061

また、導電助剤と溶媒とを混合することにより導電助剤分散液を調製し、得られた導電助剤分散液に、バインダー組成物、および電極活物質等を添加し、撹拌混合して電極合剤を調製してもよい。

0062

また、上記バインダー溶液および上記導電助剤分散液をそれぞれ調製し、これらを電極活物質等と撹拌混合して電極合剤を調製してもよい。

0063

非水電解質二次電池用電極
図1を参照して、本実施形態に係る電極に関して以下に説明する。図1は、本実施形態における電極の断面図である。図1に示すように、電極10は、集電体11、電極合剤層12aおよび12bを有しており、集電体11上に電極合剤層12aおよび12bが形成されている。電極10は、上述したように、正極用の電極合剤を用いて電極合剤層12aおよび12bが得られる場合には正極となり、負極用の電極合剤を用いて電極合剤層12aおよび12bが得られる場合には負極となる。

0064

集電体11は、電極10の基材であり、電気を取り出すための端子である。集電体11の材質としては、鉄、ステンレス鋼、鋼、銅、アルミニウム、ニッケル、およびチタン等を挙げることができる。集電体11の形状は、箔または網であることが好ましい。電極10が正極である場合、集電体11としては、アルミニウム箔とすることが好ましい。集電体11の厚みは、5〜100μmであることが好ましく、5〜20μmがより好ましい。

0065

電極合剤層12aおよび12bは、上述した電極合剤を集電体11に塗布して、乾燥させることにより得られる層である。電極合剤の塗布方法としては、当該技術分野における公知の方法を用いることができ、バーコーターダイコーターまたはコンマコーターなどを用いる方法を挙げることができる。電極合剤層12aおよび12bを形成させるための乾燥温度としては、50〜170℃であることが好ましい。また、電極合剤層12aおよび12bの厚みは、10〜1000μmであることが好ましい。なお、図1において電極10は、集電体11の両面に電極合剤層12aおよび12bが形成されているが、もちろんこれに限定されるものではなく、集電体11のいずれか一方の面にのみに、電極合剤層が形成されているものであってもよい。

0066

電極合剤層の厚さは、通常は20〜250μmであり、好ましくは20〜150μmである。また、合剤層目付量は、通常は20〜700g/m2であり、好ましくは30〜500g/m2である。

0067

[非水電解質二次電池]
図2を参照して、本実施形態に係る電池について以下に説明する。図2は、非水電解質二次電池の分解斜視図である。電池100は、正極1、負極2、セパレータ3および金属ケーシング5を有している。具体的には、電池100は、正極1と負極2との間にセパレータ3を配置した積層体渦巻き状に巻き回した発電素子が、金属ケーシング5中に収容されている構造を有している。ここで、正極1または負極2は、図1における電極10と同様のものである。セパレータ3としては、ポリプロピレンおよびポリエチレン等の高分子物質多孔性膜などの公知の材料を用いることができる。

0068

なお、図2において、電池100を円筒形電池として図示しているが、本実施形態における電池100はこれに限定されるものではなく、コイン形角形またはペーパー形電池であってもよい。

0069

以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。

0070

後述のように、本発明に係る種々のバインダー組成物を用いて電極合剤を製造し、それを用いてチキソトロピー係数およびスラリーのゲル化評価試験を行った。なお、本明細書における「インヘレント粘度」は、以下の方法により測定される値である。

0071

(インヘレント粘度ηi)
インヘレント粘度ηiを算出するために、フッ化ビニリデン共重合体80mgを20mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解することによってフッ化ビニリデン共重合体溶液を作製する。当該溶液の粘度ηを、30℃の恒温槽内においてウベローデ粘度計を用いて測定する。インヘレント粘度ηiは、当該粘度ηを用いて下記式によって求められる。

0072

ηi=(1/C)・ln(η/η0)
上記式において、η0は溶媒であるN,N−ジメチルホルムアミドの粘度、Cは0.4g/dLである。

0073

(実施例1)
フッ化ビニリデン共重合体として、フッ化ビニリデン(VDF)およびクロロトリフルオロエチレン(CTFE)(重量比96:4)を重合し、VDF−CTFE共重合体(インヘレント粘度2.1dL/g)を使用した。また、ポリマー添加剤として、ポリビニルピロリドン(PVP K15)(数平均分子量10,000、東京化成工業(株)製P0471)を使用した。

0074

上記フッ化ビニリデン共重合体とポリマー添加剤とを、総質量に対しポリマー添加剤が5質量%となるように混合して、バインダー組成物を得た。

0075

電極活物質としてリチウム−コバルト複合酸化物(LCO;LiCoO2、セルシードC10N、日本化学工業(株)製、平均粒子径10μm)100質量部、導電助剤としてカーボンブラック(SP;Timcal Japan社製 SuperP(登録商標) Li、平均粒子径40nm、比表面積60m2/g)2質量部、および上記バインダー組成物2質量部を、N−メチル−2−ピロリドン中に均一に分散させてスラリーとし、スラリー総質量に対する、バインダー組成物、電極活物質および導電助剤の合計固形分濃度が76質量%の電極合剤を作製した。

0076

得られた電極合剤を、集電体である厚さ15μmのアルミ箔上にバーコーターで塗布し、これを恒温槽を用いて、窒素雰囲気下にて110℃で30分間乾燥を行い、電極を作製した。

0077

(実施例2)
フッ化ビニリデン共重合体として、VDF、CTFEおよびコハク酸モノ(アクリロキシプロピル)(APS)(重量比96:4:1)を重合し、VDF−CTFE−APS共重合体(インヘレント粘度2.3dL/g)を使用した以外は、実施例1と同様にして、バインダー組成物を得た。

0078

上記で得られたバインダー組成物を用いて、バインダー組成物、電極活物質および導電助剤の合計固形分濃度が74質量%である以外は、実施例1と同様にして、電極合剤および電極を作製した。

0079

(実施例3)
フッ化ビニリデン共重合体として、VDF、CTFEおよびAPS(重量比96:4:1)を重合し、VDF−CTFE−APS共重合体(モル比:VDF/CTFE/APS=96/4/1、インヘレント粘度2.5dL/g)を使用し、バインダー組成物の総質量に対しポリマー添加剤が10質量%となるようにした以外は、実施例1と同様にして、バインダー組成物を得た。

0080

上記で得られたバインダー組成物を用いて、バインダー組成物、電極活物質および導電助剤の合計固形分濃度が78質量%である以外は、実施例1と同様にして、電極合剤および電極を作製した。

0081

(実施例4)
フッ化ビニリデン共重合体としてVDF、CTFEおよびマレイン酸モノメチル(MMM)(重量比98:2:0.7)を重合し、VDF−CTFE−MMM共重合体(インヘレント粘度2.3dL/g)を使用した以外は、実施例1と同様にして、バインダー組成物を得た。

0082

上記で得られたバインダー組成物を用いて、バインダー組成物、電極活物質および導電助剤の合計固形分濃度が75質量%である以外は、実施例1と同様にして、電極合剤および電極を作製した。

0083

(実施例5)
バインダー組成物の総質量に対しポリマー添加剤が2.5質量%となるようにした以外は、実施例2と同様にして、バインダー組成物を得た。

0084

上記で得られたバインダー組成物を用いて、バインダー組成物、電極活物質および導電助剤の合計固形分濃度が73質量%である以外は、実施例1と同様にして、電極合剤および電極を作製した。

0085

(実施例6)
ポリマー添加剤として、ポリビニルピロリドン(PVP K90)(数平均分子量360,000、東京化成工業(株)製、P0473)を使用した以外は、実施例1と同様にして、バインダー組成物を得た。

0086

上記で得られたバインダー組成物を用いて、バインダー組成物、電極活物質および導電助剤の合計固形分濃度が75質量%である以外は、実施例1と同様にして、電極合剤および電極を作製した。

0087

(実施例7)
ポリマー添加剤として、ポリビニルアルコール(PVA)(日本合成化学(株)製、ゴーセノールGH−17)を使用した以外は、実施例1と同様にして、バインダー組成物を得た。

0088

上記で得られたバインダー組成物を用いて、バインダー組成物、電極活物質および導電助剤の合計固形分濃度が75質量%である以外は、実施例1と同様にして、電極合剤および電極を作製した。

0089

(実施例8)
ポリマー添加剤として、ポリアクリルニトリル(PAN)(重量平均分子量150,000、シグマアルドリッチ社製、181315)を使用した以外は、実施例1と同様にして、バインダー組成物を得た。

0090

上記で得られたバインダー組成物を用いて、バインダー組成物、電極活物質および導電助剤の合計固形分濃度が73質量%である以外は、実施例1と同様にして、電極合剤および電極を作製した。

0091

(実施例9)
実施例1と同様にして、バインダー組成物を得た。

0092

電極活物質としてニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム(NCA、平均粒径D5014.7μm)100質量部、導電助剤としてカーボンブラック(SP;Timcal Japan社製 SuperP(登録商標) Li、平均粒子径40nm、比表面積60m2/g)2質量部、および上記バインダー組成物2質量部を、N−メチル−2−ピロリドン中に均一に分散させて、バインダー組成物、電極活物質および導電助剤の合計固形分濃度が79質量%の電極合剤を作製した。

0093

得られた電極合剤を用いて、実施例1と同様にして、電極を作製した。

0094

(実施例10)
フッ化ビニリデン共重合体として、VDF、CTFEおよびAPS(重量比96:4:1)を重合し、VDF−CTFE−APS共重合体(インヘレント粘度2.3dL/g)を使用した以外は、実施例1と同様にして、バインダー組成物を得た。

0095

上記で得られたバインダー組成物を用いて、バインダー組成物、電極活物質および導電助剤の合計固形分濃度が74質量%である以外は、実施例9と同様にして、電極合剤および電極を作製した。

0096

(比較例1)
実施例1で用いたフッ化ビニリデン共重合体のみからなるバインダー組成物を得た。

0097

上記で得られたバインダー組成物を用いて、バインダー組成物、電極活物質および導電助剤の合計固形分濃度が68質量%である以外は、実施例1と同様にして、電極合剤および電極を作製した。

0098

(比較例2)
実施例2で用いたフッ化ビニリデン共重合体のみからなるバインダー組成物を得た。

0099

上記で得られたバインダー組成物を用いて、バインダー組成物、電極活物質および導電助剤の合計固形分濃度が70質量%である以外は、実施例1と同様にして、電極合剤および電極を作製した。

0100

(比較例3)
実施例3で用いたフッ化ビニリデン共重合体のみからなるバインダー組成物を得た。

0101

上記で得られたバインダー組成物を用いて、バインダー組成物、電極活物質および導電助剤の合計固形分濃度が72質量%である以外は、実施例1と同様にして、電極合剤および電極を作製した。

0102

(比較例4)
実施例4で用いたフッ化ビニリデン共重合体のみからなるバインダー組成物を得た。

0103

上記で得られたバインダー組成物を用いて、バインダー組成物、電極活物質および導電助剤の合計固形分濃度が73質量%である以外は、実施例1と同様にして、電極合剤および電極を作製した。

0104

(比較例5)
ポリマー添加剤であるポリビニルピロリドン(PVP K15)の代わりに、ポリエチレングリコール(PEG)を用いた以外は、実施例1と同様にして、バインダー組成物を得た。

0105

上記で得られたバインダー組成物を用いて、バインダー組成物、電極活物質および導電助剤の合計固形分濃度が69質量%である以外は、実施例1と同様にして、電極合剤および電極を作製した。

0106

(比較例6)
ポリマー添加剤であるポリビニルピロリドン(PVP K15)の代わりに、ポリアクリル酸(PAA)を用いた以外は、実施例1と同様にして、バインダー組成物を得た。

0107

上記で得られたバインダー組成物を用いて、バインダー組成物、電極活物質および導電助剤の合計固形分濃度が68質量%である以外は、実施例1と同様にして、電極合剤および電極を作製した。

0108

(比較例7)
実施例1で用いたフッ化ビニリデン共重合体のみからなるバインダー組成物を得た。

0109

上記で得られたバインダー組成物を用いて、バインダー組成物、電極活物質および導電助剤の合計固形分濃度が76質量%である以外は、実施例9と同様にして、電極合剤および電極を作製した。

0110

(比較例8)
実施例10で用いたフッ化ビニリデン共重合体のみからなるバインダー組成物を得た。

0111

上記で得られたバインダー組成物を用いて、バインダー組成物、電極活物質および導電助剤の合計固形分濃度が72質量%である以外は、実施例9と同様にして、電極合剤および電極を作製した。

0112

(比較例9)
フッ化ビニリデンホモポリマー(インヘレント粘度2.1dL/g、株式会社クレハ製)のみからなるバインダー組成物を調製した。

0113

上記で得られたバインダー組成物を用いて、バインダー組成物、電極活物質および導電助剤の合計固形分濃度が78質量%である以外は、実施例9と同様にして、電極合剤および電極を作製した。

0114

電極合剤スラリーのチキソトロピー係数λの測定試験
電極スラリーを、E型粘度計(東機産業(株)、RE−80)を用いて、25℃、せん断速度2s−1で300秒間測定を行った。チキソトロピー係数λは、測定開始後の最大の粘度τ0および継時的粘度変化が無くなった時点での粘度τ∞を用いて、下記式から求めることができる。

0115

λ=(τ0−τ∞)/τ∞
[ゲル化評価試験]
作成した電極スラリーを、窒素雰囲気下、40℃のオーブンで1日間保管した。1日保管後の電極スラリーを、自転公転ミキサーシンキー(株)製、AR−310)を用いて2000rpmで30秒間混練した後、目視流動性を確認し、流動性が見られなかった場合をゲル化有りとした。

0116

結果を表1に示す。

0117

0118

表1に示すように、実施例1〜10は、測定初期のせん断応力(τ0)と平衡状態のせん断応力(τ∞)との差が小さく、チキソトロピー係数λが0〜0.2であり、せん断に伴う粘度変化がほとんど生じず、チキソトロピー性が良好に抑制されていた。また、電極合剤スラリーは、一定時間経過後もゲル化が生じず、アルミニウム箔上に塗布し乾燥させることにより、平滑な電極合剤層を形成した。

0119

これに対し、比較例1〜8は、本発明のポリマー材料からなるポリマー添加剤を含まないため、せん断に伴う粘度変化が生じ、チキソトロピー係数が高値を示した。

実施例

0120

また、比較例9は、バインダー組成物として、フッ化ビニリデンホモポリマーを用いたため、電極合剤スラリーが、時間経過に伴い増粘し、流動性を失ってゲル化した。

0121

本発明は、非水系電解質二次電池において集電体と電極活物質との結着に用いられるバインダー組成物として利用することができる。

0122

1 正極
2 負極
3セパレータ
5金属ケーシング
10電極
11集電体
12a電極合剤層
12b 電極合剤層
100 電池

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