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技術 構造解析装置及び構造解析プログラム

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 玉置斉姫野太充
出願日 2018年2月26日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-031829
公開日 2019年9月5日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-148869
状態 未査定
技術分野 CAD
主要キーワード 初期降伏 直交異方性 代表方向 成分パラメータ 構造解析プログラム ミクロモデル 材料試験結果 応答曲面
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

繊維の配向パターンランダム構造物であっても繊維の配向パターンを考慮した構造解析を実現すること。

解決手段

構造解析装置1は、繊維の配向パターンがそれぞれ異なるミクロモデルを複数作成するミクロモデル作成部21と、各ミクロモデルを対象に数値材料試験を行い、各ミクロモデルの材料物性値を得る材料物性値取得部22と、ミクロモデル毎に得られた複数の材料物性値を用いて、繊維の配向パターンと材料物性値とが関連付けられた材料物性情報を作成する材料物性情報作成部23と、構造物解析の対象となる構造物の各領域における繊維の配向パターンを推定する配向推定部32と、各領域の繊維配向パターンに基づいて、各領域に対応する材料物性値を材料物性情報から取得し、取得した材料物性値を各領域に与えるマクロモデル作成部33と、マクロモデルを使用して構造解析を行う解析部34とを備える。

概要

背景

航空宇宙業界や自動車業界を中心に、金属材料代替材料として繊維と樹脂とを用いた複合材料が用いられることが多くなってきている。これは、繊維強化樹脂が金属材料に比べて比強度に優れており、軽量化による燃費向上が期待されるためである。
繊維強化樹脂は、繊維の配向状態によりその剛性及び強度が大きく変化する。そのため、材料特性を詳細に把握するためには配向状態を変化させた供試体各々での材料試験が必要となるが、その試験数等は膨大となり多くの計算時間を費やす。このため、製品設計時繊維配向の影響を反映させるのは非常に難しいものとされている。

従来、繊維の配向状態が不均一な構造物構造解析を簡素化する方法として例えば、特許文献1に開示される均質化法を用いた構造解析方法が知られている。特許文献1には、ミクロ構造が一方向にのみ周期的に配置されるマクロ構造物の構造解析方法が開示されている。

概要

繊維の配向パターンランダムな構造物であっても繊維の配向パターンを考慮した構造解析を実現すること。構造解析装置1は、繊維の配向パターンがそれぞれ異なるミクロモデルを複数作成するミクロモデル作成部21と、各ミクロモデルを対象に数値材料試験を行い、各ミクロモデルの材料物性値を得る材料物性値取得部22と、ミクロモデル毎に得られた複数の材料物性値を用いて、繊維の配向パターンと材料物性値とが関連付けられた材料物性情報を作成する材料物性情報作成部23と、構造物解析の対象となる構造物の各領域における繊維の配向パターンを推定する配向推定部32と、各領域の繊維配向パターンに基づいて、各領域に対応する材料物性値を材料物性情報から取得し、取得した材料物性値を各領域に与えるマクロモデル作成部33と、マクロモデルを使用して構造解析を行う解析部34とを備える。

目的

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、繊維の配向パターンがランダムな構造物であっても繊維の配向パターンを考慮した構造解析を実現することのできる構造解析装置及び構造解析プログラムを提供する

効果

実績

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請求項1

繊維を含む複合材料を用いて形成された構造物構造解析を行う構造解析装置であって、繊維の配向パターンがそれぞれ異なるミクロモデルを複数作成するミクロモデル作成部と、各前記ミクロモデルを対象に数値材料試験を行い、各前記ミクロモデルの材料物性値を得る材料物性値取得部と、前記ミクロモデル毎に得られた複数の前記材料物性値を用いて、前記繊維の配向パターンと材料物性値とが関連付けられた材料物性情報を作成する材料物性情報作成部と、構造物解析の対象となる構造物の各領域における繊維の配向パターンを推定する配向推定部と、前記配向推定部によって推定された各前記領域における繊維の配向パターンに基づいて、各前記領域に対応する前記材料物性値を前記材料物性情報から取得し、取得した前記材料物性値を各前記領域に与えるマクロモデル作成部と、前記領域毎に繊維配向に応じた材料物性値が与えられたマクロモデルを使用して構造解析を行う解析部とを具備する構造解析装置。

請求項2

前記材料物性値取得部は、各前記ミクロモデルについて複数の材料物性値を取得し、前記材料物性情報作成部は、各前記ミクロモデルについて取得された複数の材料物性値と、複数の前記ミクロモデルの配向パターンとから、各材料物性に関する応答曲面を前記材料物性情報として作成する請求項1に記載の構造解析装置。

請求項3

前記配向推定部は、樹脂流動解析結果を用いて前記領域毎の繊維の配向パターンを推定する請求項1または2に記載の構造解析装置。

請求項4

繊維を含む複合材料を用いて形成された構造物の構造解析をコンピュータに実行させるための構造解析プログラムであって、繊維の配向パターンがそれぞれ異なるミクロモデルを複数作成するミクロモデル処理と、各前記ミクロモデルを対象に数値材料試験を行い、各前記ミクロモデルの材料物性値を得る材料物性値取得処理と、前記ミクロモデル毎に得られた複数の前記材料物性値を用いて、前記繊維の配向パターンと材料物性値とが関連付けられた材料物性情報を作成する材料物性情報作成処理と、構造物解析の対象となる構造物の各領域における繊維の配向パターンを推定する配向推定処理と、前記配向推定処理によって推定された各前記領域における繊維の配向パターンに基づいて、各前記領域に対応する前記材料物性値を前記材料物性情報から取得し、取得した前記材料物性値を各前記領域に与えるマクロモデル作成処理と、前記領域毎に繊維配向に応じた材料物性値が与えられたマクロモデルを使用して構造解析を行う解析処理とを含む構造解析プログラム。

技術分野

0001

本発明は、構造解析装置及び構造解析プログラムに関するものである。

背景技術

0002

航空宇宙業界や自動車業界を中心に、金属材料代替材料として繊維と樹脂とを用いた複合材料が用いられることが多くなってきている。これは、繊維強化樹脂が金属材料に比べて比強度に優れており、軽量化による燃費向上が期待されるためである。
繊維強化樹脂は、繊維の配向状態によりその剛性及び強度が大きく変化する。そのため、材料特性を詳細に把握するためには配向状態を変化させた供試体各々での材料試験が必要となるが、その試験数等は膨大となり多くの計算時間を費やす。このため、製品設計時繊維配向の影響を反映させるのは非常に難しいものとされている。

0003

従来、繊維の配向状態が不均一な構造物構造解析を簡素化する方法として例えば、特許文献1に開示される均質化法を用いた構造解析方法が知られている。特許文献1には、ミクロ構造が一方向にのみ周期的に配置されるマクロ構造物の構造解析方法が開示されている。

先行技術

0004

特許第4682801号公報

発明が解決しようとする課題

0005

実際に使用される複合材の繊維のミクロ構造の配列は様々であり、特許文献1に開示されているように、一方向に周期性を持つものだけではない。このため、特許文献1に開示された構造解析方法では、繊維の配向パターンランダムに変化するようなマクロ構造物についての構造解析を高い精度で実現することができなかった。

0006

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、繊維の配向パターンがランダムな構造物であっても繊維の配向パターンを考慮した構造解析を実現することのできる構造解析装置及び構造解析プログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の第一態様は、繊維を含む複合材料を用いて形成された構造物の構造解析を行う構造解析装置であって、繊維の配向パターンがそれぞれ異なるミクロモデルを複数作成するミクロモデル作成部と、各前記ミクロモデルを対象に数値材料試験を行い、各前記ミクロモデルの材料物性値を得る材料物性値取得部と、前記ミクロモデル毎に得られた複数の前記材料物性値を用いて、前記繊維の配向パターンと材料物性値とが関連付けられた材料物性情報を作成する材料物性情報作成部と、構造物解析の対象となる構造物の各領域における繊維の配向パターンを推定する配向推定部と、前記配向推定部によって推定された各前記領域における繊維の配向パターンに基づいて、各前記領域に対応する前記材料物性値を前記材料物性情報から取得し、取得した前記材料物性値を各前記領域に与えるマクロモデル作成部と、前記領域毎に繊維配向に応じた材料物性値が与えられたマクロモデルを使用して構造解析を行う解析部とを具備する構造解析装置である。

0008

上記構造解析装置によれば、繊維の配向パターンがそれぞれ異なる複数のミクロモデルがミクロモデル作成部によって作成され、これらミクロモデルのそれぞれについて数値材料試験を行うことにより、各ミクロモデルについての材料物性値が材料物性値取得部によって取得される。そして、各ミクロモデルについて取得された複数の材料物性値と各ミクロモデルにおける繊維の配向パターンとから、繊維の配向パターンと材料物性値とが関連付けられた材料物性情報が材料物性情報作成部によって作成される。
一方、構造解析の対象となる構造物について、各領域における繊維の配向パターンが配向推定部によって推定される。そして、マクロモデル作成部によって、各領域の配向パターンに対応する材料物性値が材料物性情報から取得され、取得された材料物性値が各領域に与えられることによりマクロモデルが作成される。そしてこのマクロモデルを用いた構造解析が解析部によって行われる。
このように、本態様に係る構造解析装置によれば、繊維の配向パターンに応じた材料物性値がマクロモデルの各領域に与えられるので、配向パターンが一方向に周期性を持たない複合材料で形成された構造物でもその繊維の配向パターンを考慮した解析結果を得ることができる。

0009

上記構造解析装置において、前記材料物性値取得部は、各前記ミクロモデルについて複数の材料物性値を取得し、前記材料物性情報作成部は、各前記ミクロモデルについて取得された複数の材料物性値と、複数の前記ミクロモデルの配向パターンとから、各材料物性に関する応答曲面を前記材料物性情報として作成することとしてもよい。

0010

上記構造解析装置によれば、各ミクロモデルの配向パターンと、各ミクロモデルにおいて得られた複数の材料物性値とから各材料物性に関する応答曲面が作成されるので、限られたミクロモデルから広範な配向パターンに対応可能な物性特性情報を作成することが可能となる。

0011

上記構造解析装置において、前記配向推定部は、樹脂流動解析結果を用いて前記領域毎の繊維の配向パターンを推定することとしてもよい。

0012

上記構造解析装置によれば、領域毎の繊維の配向パターンを容易に推定することができる。

0013

本発明の第2態様は、繊維を含む複合材料を用いて形成された構造物の構造解析をコンピュータに実行させるための構造解析プログラムであって、繊維の配向パターンがそれぞれ異なるミクロモデルを複数作成するミクロモデル処理と、各前記ミクロモデルを対象に数値材料試験を行い、各前記ミクロモデルの材料物性値を得る材料物性値取得処理と、前記ミクロモデル毎に得られた複数の前記材料物性値を用いて、前記繊維の配向パターンと材料物性値とが関連付けられた材料物性情報を作成する材料物性情報作成処理と、構造物解析の対象となる構造物の各領域における繊維の配向パターンを推定する配向推定処理と、前記配向推定処理によって推定された各前記領域における繊維の配向パターンに基づいて、各前記領域に対応する前記材料物性値を前記材料物性情報から取得し、取得した前記材料物性値を各前記領域に与えるマクロモデル作成処理と、前記領域毎に繊維配向に応じた材料物性値が与えられたマクロモデルを使用して構造解析を行う解析処理とを含む構造解析プログラムである。

発明の効果

0014

本発明によれば、繊維の配向パターンがランダムな構造物であっても繊維の配向パターンを考慮した構造解析を実現することができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0015

本発明の一実施形態に係る構造解析装置のハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。
本発明の一実施形態に係る構造解析装置が有する機能の一例を示した機能ブロック図である。
本発明の一実施形態に係る構造解析装置によって解析される構造物の形状の一例を示した図である。
本発明の一実施形態に係る構造解析装置によって作成されるミクロモデルの一例を示した図である。
ミクロモデルにおける配向パターンの定義について説明するための図である。
ミクロモデルを用いた数値材料試験の試験結果の一例を示した図である。
x方向弾性率に関する応答曲面の一例を示した図である。
せん断弾性率の応答曲面の一例を示した図である。
初期降伏応力の応答曲面の一例を示した図である。
x方向降伏応力比の応答曲面の一例を示した図である。
本発明の一実施形態に係る構造解析方法の手順を示したフローチャートである。

実施例

0016

以下に、本発明に係る構造解析装置及び構造解析プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る構造解析装置1のハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。構造解析装置1は、図1に示すように、コンピュータ(計算機システム)を有し、例えば、CPU11、CPU11が実行するプログラム及びこのプログラムにより参照されるデータ等を記憶するための補助記憶装置12、各プログラム実行時のワーク領域として機能する主記憶装置13、ネットワークに接続するための通信インターフェース14、キーボードマウス等からなる入力部15、及びデータを表示する液晶表示装置等からなる表示部16等を備えている。これら各部は、例えば、バス18を介して接続されている。補助記憶装置12は、例えば、磁気ディスク光磁気ディスク半導体メモリ等が一例として挙げられる。

0017

後述する説明する各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で補助記憶装置12に記憶されており、このプログラムをCPU11が主記憶装置13に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、補助記憶装置12に予めインストールされている形態や、他のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。

0018

図2は、本実施形態に係る構造解析装置1が有する機能の一例を示した機能ブロック図である。図2に示すように、構造解析装置1は、主にミクロ解析部20とマクロ解析部30とに大別される。ミクロ解析部20は、構造解析を行う対象となる構造物のミクロの分析を行うものであり、マクロ解析部30はミクロ解析部の解析結果をマクロ展開することにより構造物全体の解析を行うものである。
以下、構造解析の対象として図3に示した構造物100を想定した場合について具体的に説明する。構造物100は、例えば、繊維と樹脂とを用いた複合材料、具体的には、熱可塑性短繊維複合材を用いて形成されている。

0019

ミクロ解析部20は、主に、ミクロモデル作成部21、材料物性値取得部22、及び材料物性情報作成部23を備えている。
ミクロモデル作成部21は、繊維の配向パターンがそれぞれ異なる複数のミクロモデルを作成する。例えば、ミクロモデル作成部21は、立方体の形状とされたユニットセル内における繊維の含有率、繊維の長さ、繊維の径、及び繊維の配向パターンをそれぞれ規定することにより、ミクロモデルを作成する。ここで、繊維の配向は任意に選定することが可能だが、できるだけミクロモデル間でばらつきを持たせることが好ましい。ミクロモデルの配向にばらつきを持たせることにより、後述する応答曲面の精度を向上させることができる。また、ミクロモデルの単位立方体一辺は構造物100の複合材料に用いられる繊維の長さよりも長く設定される。また、ミクロモデルを規定するための各種情報、例えば、ユニットセル内における繊維の含有率、繊維の長さ、繊維の径、及び繊維の配向パターンは、入力部15からユーザが入力可能とされており、入力情報に基づいてミクロモデルが作成されることとしてもよいし、ミクロモデルの繊維の配向パターンについては、所定のアルゴリズムに従って自動的に作成されるものとしてもよい。
また、繊維の含有率、繊維の長さ、繊維の径については、構造物100を形成する複合材の特性に合わせて決定されることが好ましい。

0020

図4にミクロモデルの一例を示す。図4では、配向パターンの異なる5つのミクロモデルが例示されている。なお、本実施形態では、繊維と樹脂との複合材料を想定しているので、ミクロモデルにおける繊維以外の領域は樹脂が充填されているものとする。

0021

ミクロモデルにおける単一繊維配向は、例えば、図5に示すような球面座標系における角度φ及び角度θによって規定される。角度φはXY平面上におけるX軸からの回転角度であり、角度θはYZ平面上におけるY軸からの回転角である。
ミクロモデルにおける配向パターンは、繊維配向の向きとばらつき度を示すパラメータによって規定することができ、例えば、上記角度φ及びθを用いた配向関数Jφ、Jθ(0≦Jφ≦1,0≦Jθ≦1)により規定することができる。

0022

配向関数JφはXY平面上における繊維配向の傾向を設定するためのパラメータであり、Jφ=1のときに全ての繊維配向がXY平面上にあることを意味し、Jφの値がゼロに近づくほど繊維配向のばらつきが大きくなる、換言すると、YZ平面上またはXZ平面上にばらつくことを意味する。そして、Jφ=0の場合にはXY平面上における配向の傾向がなく完全にランダムとなることを意味する。同様に、配向関数JθはYZ平面上における繊維配向のばらつきを設定するためのパラメータであり、Jθ=1のときに全ての繊維配向がYZ平面上にあることを示し、Jφの値がゼロに近づくほど繊維配向のばらつきが大きくなる、換言すると、XY平面上へもばらつきを有することを意味する。そして、Jθ=0の場合にはXY平面上における繊維配向の傾向がなく完全にランダムとなることを意味する。なお、配向関数Jφ=Jθ=1の場合には、全ての繊維配向がX軸方向を向いていることを意味する。なお、図5に示した球面座標系の角度φ、θに基づく配向関数Jθ、Jθの場合、第1主方向がX軸に固定されてしまう。したがって、配向関数Jθ、Jθに加えて、配向の主要方向を規定するようにしてもよい。
また、配向関数Jφ、Jθについては、例えば、山田 国広、堀川 明、「二次元繊維集合体の確率幾何」、繊維機械学会誌、Vol.37, pp.201-215, 1984に解説されており、例えば、この文献を参照し、適用することが可能である。

0023

図4に示したミクロモデルにおいて、No.1、No.4のミクロモデルは比較的ランダムな繊維配向を想定したモデルであり、No.3のミクロモデルは繊維配向が略X軸方向に沿って並んでいる場合を想定したモデルである。
なお、本実施形態では、一例として、球面座標系における角度φ、θを用いた配向関数Jφ、Jθによって配向パターンを規定した場合について説明したが、配向パターンの規定方法はこの例に限定されない。すなわち、各ミクロモデルにおける繊維配向の向きやばらつきを規定できるパラメータであれば、どのようなパラメータを用いても良い。例えば、繊維配向テンソルを用いて配向パターンを規定してもよい。この場合には、例えば、第1主方向、第2主方向におけるテンソル成分を設定すればよい。

0024

材料物性値取得部22は、ミクロモデル作成部21によって作成された各ミクロモデルを用いて数値材料試験を行い、ミクロモデル毎に数値材料試験結果を得る。以下、材料物性値取得部22によって実行される処理について具体的に説明する。

0025

まず、材料物性値取得部22は、ミクロモデルを用いて数値材料解析を行うに当たり、ミクロモデルに使用されている樹脂及び繊維に関する物理的特性を入力データとして与える。これら入力データは、例えば、ユーザが入力部15から入力可能とされている。

0026

一例として、繊維を面内等方性を有する直交異方性弾性体、樹脂を等方性弾塑性体とし、両者が完全に固着していることを条件とし、繊維の諸元として、繊維径、長さ、ミクロモデルにおける含有率、及び配向パターン(例えば、上述した配向関数Jφ、Jθの値、または、繊維配向テンソルの第1主方向、第2主方向における成分パラメータ)を入力データとして与えるとともに、繊維自体の材料物性特性としてヤング率及びポアソン比を入力データとして与える。また、樹脂自体の材料物性特性として、ヤング率及びポアソン比を入力データとして与える。
そして、これらの入力データを用いた周期境界条件のもとで、各軸垂直方向に一軸引張、各面内にせん断を与え、6つの応力ひずみ特性を得る。すなわち、xx方向、yy方向、zz方向にそれぞれ一軸引張を与えた時の応力ひずみ特性、及び、xy方向、yz方向、zx方向にせん断を与えた場合の応力ひずみ特性からなる6つの応力ひずみ特性を得る。例えば、図6に、ミクロモデルNo.4の数値材料解析結果の一例を示す。

0027

続いて、数値材料試験の結果から各ミクロモデルについての各種材物性値を得る。材料物性の一例として、例えば、線形特性塑性特性、塑性特性の異方性が挙げられる。線形特性の一例として、弾性率Ex、Ey、Ez、ポアソン比νx、νy、νz、せん断弾性率Gxy、Gyz、Gzx等が挙げられる。塑性特性の一例として、代表方向に関する塑性特性が挙げられる。ここで、代表方向は任意に選定可能であるが、繊維配向の傾向が最も弱い軸、換言すると、配向テンソルにおける第3主方向に設定するとよい。代表方向を第3主方向に設定することにより、有限要素法等を用いた解析での収束率が高く、良好な結果を得ることができる。
例えば、代表方向をz軸とした場合には、図6に示した試験結果のうち、zz軸の引っ張りに対する応力ひずみ特性を用いて、以下の(1)式で表されるボーチェ則の各種パラメータを同定する。

0028

0029

また、塑性特性の異方性としては、代表方向に対する6方向(xx方向、yy方向、zz方向の引っ張り、xy、yz、zx方向のせん断)の降伏応力の比を算出する。例えば、Hillの異方性パラメータ図6に示した試験結果から同定する。
このようにして材料物性値取得部22によって取得された各ミクロモデルの各種材料物性値は、材料物性情報作成部23に出力される。

0030

材料物性情報作成部23は、ミクロモデル毎に得られた複数の材料物性値を用いて、繊維の配向パターンと材料物性値とが関連付けられた材料物性情報を作成する。例えば、各ミクロモデルで得られた弾性率Exの値と各ミクロモデルの配向パターン(Jθ、Jφ)とから近似法内挿補間法を用いて応答曲面(材料物性情報)を作成する。なお、限られた出力値から応答曲面を作成する応答曲面法については公知であるから、公知の技術を適宜採用すればよい。

0031

図7図10に応答曲面の一例を示す。図7はx方向弾性率Exに関する応答曲面の一例、図8はせん断弾性率Gxyの応答曲面の一例、図9は初期降伏応力σ0の応答曲面の一例、図10はx方向降伏応力比R11の応答曲面の一例を示した図である。
図7図10に示すように、JθとJφとの組み合わせで特定される座標から材料物性値が一意に特定される。

0032

材料物性情報作成部23によって作成された各種材料物性の応答曲面は、例えば、所定の記憶領域に記憶され、後述のマクロ解析部30において用いられる。

0033

マクロ解析部30は、主に、分割部31、配向推定部32、マクロモデル作成部33、及び解析部34を備えている。
分割部31は、構造解析の対象となる構造物100を少なくとも2つの領域に分割する。ここで、分割部31によって分割される領域は、それぞれ異なる大きさであってもよいし、同じ大きさであってもよい。
例えば、分割部31は、構造物100を所定の大きさのメッシュに分割する。この場合のメッシュの大きさは、例えば、ミクロモデルの大きさに基づいて決定される。また、分割部31は、構造物100を繊維配向に応じて複数の領域に分割することとしてもよい。例えば、構造物100の繊維配向をX線CT観察によって把握し、その観察結果から同様の繊維配向を有する領域が1つの領域となるように構造物100を分割することとしてもよい。また、分割部31によって複数の領域に分割することに代えて、構造物100に複数の領域を設定することとしてもよい。この場合、複数の領域は連続的でも良いし、間隔をあけて離散的に領域を設定してもよい。

0034

配向推定部32は、各領域における繊維の配向パターンを推定する。例えば、配向推定部32は、樹脂流動解析等を行うことにより、領域毎の繊維配向テンソルを推定する。なお、上述のように、構造物100をX線CT観察することにより、各領域の配向パターンを解析することとしてもよい。

0035

マクロモデル作成部33は、配向推定部32によって推定された各領域における繊維の配向パターンに基づいて、各領域に対応する材料物性値を各種材料物性の応答曲面(材料物性情報)から取得し、取得した材料物性値を各領域に与える。なお、配向推定部32によって推定された配向パターンが繊維配向テンソルとして与えられていた場合には、そのままの値では図7図10に示した応答曲面に採用できないため、繊維配向テンソルとして表された各種パラメータを配向関数Jθ、Jθのパラメータに変換する変換処理が必要となる。

0036

解析部34は、マクロモデル作成部33によって作成された構造物のマクロモデル、すなわち、領域毎に繊維配向に応じた材料物性値が与えられたマクロモデルを使用して構造解析を行う。例えば、マクロモデルを用いた有限要素法による構造解析を行う。

0037

次に、上述した構造解析装置1によって実行される構造解析方法について図11を参照して説明する。図11は、本発明の一実施形態に係る構造解析方法の手順を示したフローチャートである。なお、図11に示した各種処理は、CPU11が補助記憶装置12に記憶されている構造解析プログラムを主記憶装置13に読み出して実行することにより実現されるものである。

0038

まず、配向パターンがそれぞれ異なる複数のミクロモデルを作成する(SA1)。続いて、各ミクロモデルに対して数値材料試験を行い(SA2)、ミクロモデル毎に各種材料物性値(例えば、線形特性、塑性特性、塑性特性の異方性等)を取得する(SA3)。
続いて、ミクロモデル毎に得られた複数の材料物性値を用いて、繊維の配向パターンと材料物性値とが関連付けられた応答曲面(材料物性情報)を作成する(SA4)。

0039

次に、構造物100を複数の領域に分割し(SA5)、各領域の配向テンソルを推定する(SA6)。続いて、各領域に配向パターンに応じた材料物性値を与え、構造物100のマクロモデルを作成する(SA7)。そして、各領域に材料物性値が与えられたマクロモデルを用いて構造解析を行う(SA8)。

0040

以上説明してきたように、本発明の一実施形態に係る構造解析装置1及び構造解析プログラムによれば、繊維の配向パターンに応じた材料物性値がマクロモデルの各領域に与えられるので、配向パターンが一方向に周期性を持たない複合材料で形成された構造物でもその繊維の配向パターンを考慮した解析結果を得ることができる。これにより、構造物の構造解析の解析精度を向上させることができる。
また、構造物100の構造解析の解析精度が向上することにより、構造物の更なる薄肉化を図ることが可能となる。また、構造物100の解析結果を考慮して繊維の配列パターンを変化させることにより、強度の調整を検討することが可能となる。

0041

また、上記構造解析装置1によれば、各ミクロモデルの配向パターンと、各ミクロモデルにおいて得られた複数の材料物性値とから各材料物性に関する応答曲面が作成されるので、限られたミクロモデルから広範な配向パターンに対応可能な物性特性情報を作成することが可能となる。

0042

また、上記構造解析装置1によれば、配向推定部32が樹脂流動解析結果を用いて領域毎の繊維の配向パターンを推定するので、領域毎の繊維の配向パターンを容易に推定することが可能となる。

0043

以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、上記実施形態で説明した構造解析方法の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序入れ替えたりしてもよい。

0044

1構造解析装置
20ミクロ解析部
21ミクロモデル作成部
22材料物性値取得部
23材料物性情報作成部
30マクロ解析部
31 分割部
32配向推定部
33マクロモデル作成部
34 解析部
100 構造物

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