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技術 感光性樹脂組成物、感光性エレメント及びタッチパネル用電極の保護膜の製造方法

出願人 日立化成株式会社
発明者 渡部和仁桐生真奈美
出願日 2016年7月7日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2016-135292
公開日 2019年9月5日 (1年1ヶ月経過) 公開番号 2019-148614
状態 未査定
技術分野 フォトリソグラフィー用材料 位置入力装置 ホトレジスト感材への露光・位置合せ
主要キーワード タッパ 酸素遮蔽層 JIS規格 光源設定 電極腐食 センシング領域 スパッタ銅 試験槽内
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重要な関連分野

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図面 (4)

課題

防錆性及びインデックスマッチング層に対する接着性に優れるタッチパネル用電極の保護膜を形成できる感光性樹脂組成物感光性エレメント、及びタッチパネル電極用の保護膜の製造方法を提供すること。

解決手段

バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物であって、バインダーポリマーがカルボキシル基を有し、かつバインダーポリマーの酸価が85〜100mgKOH/gであり、光重合開始剤がベンジルジメチルケタールを含有する、感光性樹脂組成物。

概要

背景

パソコンテレビの大型電子機器カーナビゲーション携帯電話電子辞書等の小型電子機器及びOAFA機器等の表示機器には、液晶表示素子タッチパネルタッチセンサー)が用いられている。これら液晶表示素子やタッチパネルでは、基板上に透明導電電極材からなる電極が設けられている。透明導電電極材としては、ITO(Indium−Tin−Oxide)、酸化インジュウム、酸化スズ等が知られている。これらの材料は高い可視光透過率を示すことから液晶表示素子等に用いられる電極材として主流になっている。

タッチパネルはすでに各種の方式で実用化されているが、近年、静電容量方式のタッチパネルの利用が進んでいる。静電容量方式タッチパネルでは、導電体である指先タッチ入力面に接触すると、指先と導電膜とが静電容量結合し、コンデンサを形成する。このように、静電容量方式タッチパネルは、指先の接触位置における電荷の変化を捉えることによって、その座標を検出している。

特に、投影型静電容量方式のタッチパネルは、指先の多点検出が可能なため、複雑な指示を行うことができるという良好な操作性を備え、その操作性の良さから、携帯電話や携帯型音楽プレーヤなどの小型の表示装置を有する機器における表示面上の入力装置として利用が進んでいる。

ところで、タッチパネルの額縁領域タッチ位置を検出できない領域であるから、その額縁領域の面積を狭くすることが製品価値を向上させるための重要な要素である。額縁領域には、タッチ位置の検出信号を伝えるために、金属配線が必要となるが、額縁面積狭小化を図るためには、金属配線の幅を狭くする必要がある。

しかしながら、上述のようなタッチパネルでは、指先に接触される際に水分や塩分などの腐食成分センシング領域から内部に侵入することがある。タッチパネルの内部に腐食成分が侵入すると、一般的には銅で形成されている金属配線は腐食し、電極と駆動用回路間電気抵抗の増加や、断線のおそれがあった。

このような金属配線の腐食を防ぐこと(防錆)を目的として、基板上に特定の感光性樹脂組成物から形成される感光性樹脂層(「感光層」ともいう)を設け、この感光性樹脂層を露光現像することで基板上の金属配線を保護する保護膜を形成することが知られている(例えば、特許文献1参照)。

ところで、一般に、投影型静電容量方式のタッチパネルでは、X軸とY軸による2次元座標表現するために、複数のX電極と、当該X電極に直交する複数のY電極とが、2層構造透明電極パターンを形成しており、該電極としてはITOが用いられる。このような透明電極パターンが形成されたタッチパネルでは、透明電極パターンが形成された部分と形成されていない部分とで、光学的な反射特性の違いにより色差が大きくなり、モジュール化した際に透明導電パターン画面上に映りこむ、いわゆる「骨見え現象」の問題が生じ得る。この問題を解決するために、透明電極下部に光学調整層(「インデックスマッチング層」ともいう)を設け、透明電極パターンが形成された部分と形成されていない部分との光学特性の差を小さくすることが一般的である。

概要

防錆性及びインデックスマッチング層に対する接着性に優れるタッチパネル用電極の保護膜を形成できる感光性樹脂組成物、感光性エレメント、及びタッチパネル電極用の保護膜の製造方法を提供すること。バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物であって、バインダーポリマーがカルボキシル基を有し、かつバインダーポリマーの酸価が85〜100mgKOH/gであり、光重合開始剤がベンジルジメチルケタールを含有する、感光性樹脂組成物。なし

目的

本発明は、防錆性及びインデックスマッチング層に対する接着性に優れるタッチパネル用電極の保護膜を形成できる感光性樹脂組成物、感光性エレメント、及びタッチパネル電極用の保護膜の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物であって、前記バインダーポリマーがカルボキシル基を有し、かつ前記バインダーポリマーの酸価が85〜100mgKOH/gであり、前記光重合開始剤がベンジルジメチルケタールを含有する、感光性樹脂組成物。

請求項2

前記光重合性化合物が、ペンタエリスリトール由来骨格を有する(メタアクリレート化合物ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、及びグリセリン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物からなる群より選択される、少なくとも3つのエチレン性不飽和基を有する化合物の少なくとも1種を含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。

請求項3

トリアゾール化合物チアジアゾール化合物、及びテトラゾール化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を更に含有する、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。

請求項4

支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層と、を備える感光性エレメント

請求項5

前記感光層の400〜700nmにおける光透過率最小値が90%以上である、請求項4に記載の感光性エレメント。

請求項6

前記感光層のCIELAB表色系でのb*が−0.2〜1.0である、請求項4又は5に記載の感光性エレメント。

請求項7

前記感光層の厚みが10μm以下である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の感光性エレメント。

請求項8

電極が設けられた基板上に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層を設ける第1工程と、前記感光層の所定部分を活性光線照射により硬化させる第2工程と、を備える、タッチパネル用電極の保護膜の製造方法。

請求項9

前記所定部分が前記感光層の一部であり、前記第2工程の後に、前記所定部分以外の前記感光層を除去する第3工程を更に備える、請求項8に記載のタッチパネル用電極の保護膜の製造方法。

請求項10

請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる感光層を硬化してなる保護膜。

技術分野

0001

本発明は、感光性樹脂組成物感光性エレメント及びタッチパネル用電極の保護膜の製造方法に関する。

背景技術

0002

パソコンテレビの大型電子機器カーナビゲーション携帯電話電子辞書等の小型電子機器及びOAFA機器等の表示機器には、液晶表示素子タッチパネルタッチセンサー)が用いられている。これら液晶表示素子やタッチパネルでは、基板上に透明導電電極材からなる電極が設けられている。透明導電電極材としては、ITO(Indium−Tin−Oxide)、酸化インジュウム、酸化スズ等が知られている。これらの材料は高い可視光透過率を示すことから液晶表示素子等に用いられる電極材として主流になっている。

0003

タッチパネルはすでに各種の方式で実用化されているが、近年、静電容量方式のタッチパネルの利用が進んでいる。静電容量方式タッチパネルでは、導電体である指先タッチ入力面に接触すると、指先と導電膜とが静電容量結合し、コンデンサを形成する。このように、静電容量方式タッチパネルは、指先の接触位置における電荷の変化を捉えることによって、その座標を検出している。

0004

特に、投影型静電容量方式のタッチパネルは、指先の多点検出が可能なため、複雑な指示を行うことができるという良好な操作性を備え、その操作性の良さから、携帯電話や携帯型音楽プレーヤなどの小型の表示装置を有する機器における表示面上の入力装置として利用が進んでいる。

0005

ところで、タッチパネルの額縁領域タッチ位置を検出できない領域であるから、その額縁領域の面積を狭くすることが製品価値を向上させるための重要な要素である。額縁領域には、タッチ位置の検出信号を伝えるために、金属配線が必要となるが、額縁面積狭小化を図るためには、金属配線の幅を狭くする必要がある。

0006

しかしながら、上述のようなタッチパネルでは、指先に接触される際に水分や塩分などの腐食成分センシング領域から内部に侵入することがある。タッチパネルの内部に腐食成分が侵入すると、一般的には銅で形成されている金属配線は腐食し、電極と駆動用回路間電気抵抗の増加や、断線のおそれがあった。

0007

このような金属配線の腐食を防ぐこと(防錆)を目的として、基板上に特定の感光性樹脂組成物から形成される感光性樹脂層(「感光層」ともいう)を設け、この感光性樹脂層を露光現像することで基板上の金属配線を保護する保護膜を形成することが知られている(例えば、特許文献1参照)。

0008

ところで、一般に、投影型静電容量方式のタッチパネルでは、X軸とY軸による2次元座標表現するために、複数のX電極と、当該X電極に直交する複数のY電極とが、2層構造透明電極パターンを形成しており、該電極としてはITOが用いられる。このような透明電極パターンが形成されたタッチパネルでは、透明電極パターンが形成された部分と形成されていない部分とで、光学的な反射特性の違いにより色差が大きくなり、モジュール化した際に透明導電パターン画面上に映りこむ、いわゆる「骨見え現象」の問題が生じ得る。この問題を解決するために、透明電極下部に光学調整層(「インデックスマッチング層」ともいう)を設け、透明電極パターンが形成された部分と形成されていない部分との光学特性の差を小さくすることが一般的である。

先行技術

0009

国際公開第2013/084873号

発明が解決しようとする課題

0010

インデックスマッチング層は、ZrO2、TiO2、SiO2などの金属ナノ粒子を含有する樹脂組成物で構成されるが、インデックスマッチング層表層には、保護膜との接着に寄与する水酸基などの活性基が少ないことから、インデックスマッチング層と保護膜との接着力が低いという課題がある。

0011

そこで、本発明は、防錆性及びインデックスマッチング層に対する接着性に優れるタッチパネル用電極の保護膜を形成できる感光性樹脂組成物、感光性エレメント、及びタッチパネル電極用の保護膜の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討した結果、特定のバインダーポリマー、及び特定の光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物によって、防錆性及びインデックスマッチング層に対する接着性に優れる保護膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0013

すなわち、本発明は、バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物であって、バインダーポリマーがカルボキシル基を有し、かつバインダーポリマーの酸価が85〜100mgKOH/gであり、光重合開始剤がベンジルジメチルケタールを含有する、感光性樹脂組成物を提供する。

0014

この感光性樹脂組成物によれば、インデックスマッチング層との接着性に優れ、且つ解像性に優れるパターンで透明性が高い薄膜の保護膜を形成することが可能となる。また、得られる保護膜は、薄膜であっても充分な防錆性を有する。

0015

光重合性化合物は、好ましくは、ペンタエリスリトール由来骨格を有する(メタアクリレート化合物ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、及びグリセリン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物からなる群より選択される、少なくとも3つのエチレン性不飽和基を有する化合物の少なくとも1種を含む。この場合、感光性樹脂組成物で形成された保護膜は、防錆性により優れる。

0016

感光性樹脂組成物は、好ましくは、トリアゾール化合物チアジアゾール化合物、及びテトラゾール化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を更に含有する。この場合、現像性と防錆性とを両立することができ、良好なパターンで防錆性を有する保護膜を形成することができる。

0017

本発明はまた、支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた上記感光性樹脂組成物からなる感光層と、を備える感光性エレメントを提供する。

0018

本発明の感光性エレメントは、上記感光性樹脂組成物を用いることにより、所定のタッチパネル用電極上に、防錆性に優れる保護膜を形成することができる。また、上記感光性エレメントを用いることにより、ロールツーロールプロセスを容易に実現できる、溶媒乾燥工程を短縮できるなど、製造工程の短縮及びコスト低減に大きく貢献することができる。

0019

感光層の400〜700nmにおける光透過率最小値は、好ましくは90%以上である。この場合、タッチパネルの視認性を充分に確保することができる。

0020

感光層のCIELAB表色系でのb*は、好ましくは−0.2〜1.0である。この場合、タッチパネルの視認性を更に向上させることができる。

0021

感光層の厚みは、好ましくは10μm以下である。この場合、感光層の硬化物からなる保護膜を形成したときに、保護膜が形成された領域と形成されていない領域との間での、タッチパネル(タッチセンサー)表面の段差が小さくなる。

0022

本発明はまた、電極が設けられた基板上に、上記感光性樹脂組成物からなる感光層を設ける第1工程と、当該感光層の所定部分を活性光線照射により硬化させる第2工程と、を備える、タッチパネル用電極の保護膜の製造方法を提供する。

0023

本発明のタッチパネル用電極の保護膜の製造方法によれば、上記特定の感光性樹脂組成物を用いることにより、現像性及び基板への密着性(接着性)を確保しつつ、例えば10μm以下の厚みであっても防錆性に優れる保護膜を形成することができる。

0024

上記タッチパネル用電極の保護膜の製造方法は、好ましくは、上記所定部分が感光層の一部であり、上記第2工程の後に、上記所定部分以外の感光層を除去する第3工程を更に備える。この場合、上記感光性樹脂組成物で形成された感光層を現像することにより、美観と防錆性の双方に優れる保護膜を形成できることから、タッチパネルの製造における製造コストの低減を図ることが可能となる。

0025

本発明はまた、上記感光性樹脂組成物からなる感光層を硬化してなる保護膜を提供する。

発明の効果

0026

本発明によれば、防錆性及びインデックスマッチング層に対する接着性に優れるタッチパネル用電極の保護膜を形成できる感光性樹脂組成物、感光性エレメント、及びタッチパネル電極用の保護膜の製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0027

(a),(b)は、それぞれ本発明の一実施形態に係る感光性エレメントを示す模式断面図である。
(a)は、静電容量式のタッチパネルの一例を示す模式上面図である。(b)は、図2(a)に示されるC部分のV−V線に沿った部分断面図である。
図2に示すタッチパネルに設けられている保護膜の製造方法(形成方法)を説明するための模式断面図である。
静電容量式のタッチパネルの別の例を示す模式上面図である。

0028

以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。

0029

本明細書においてタッチパネル用電極とは、タッチパネルのセンシング領域にある電極だけでなく額縁領域の金属配線も含む。保護膜で保護される電極は、センシング領域にある電極及び額縁領域の金属配線のいずれか一方であってもよく、両方であってもよい。

0030

本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。

0031

本明細書において「工程」との語には、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、当該工程も含まれる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。

0032

本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。

0033

本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、バインダーポリマー(以下、(A)成分ともいう)と、光重合性化合物(以下、(B)成分ともいう)と、光重合開始剤(以下、(C)成分ともいう)とを含有する。

0034

バインダーポリマーは、カルボキシル基を有する。カルボキシル基を有するバインダーポリマーは、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体及びその他の重合性単量体をモノマー単位として有する共重合体であり、好ましくは(a)(メタ)アクリル酸及び(b)(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー単位として有する共重合体である。

0035

(b)(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステルが挙げられる。

0036

上記共重合体は、上記の(a)成分及び(b)成分の少なくとも一方と共重合しうるその他のモノマーをモノマー単位として更に有してよい。その他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリルジアセトン(メタ)アクリルアミド、スチレン、及びビニルトルエンが挙げられる。上記共重合体は、その他のモノマーの1種又は2種以上をモノマー単位として有してよい。

0037

バインダーポリマーを構成する全モノマー単位に対するカルボキシル基を有するモノマー単位の割合は、バインダーポリマーが後述の酸価を有するように適宜調整されればよく、例えば10〜20質量%であってよい。

0038

バインダーポリマーの酸価は、インデックスマッチング層との密着性(接着性)及び防錆性の観点から、85〜100mgKOH/g、好ましくは85〜96mgKOH/g、より好ましくは85〜93mgKOH/g、さらに好ましくは85〜91mgKOH/gである。バインダーポリマーの酸価が85mgKOH/g以上であると、感光性樹脂組成物を用いて得られる保護膜とインデックスマッチング層との接着力が向上する。バインダーポリマーの酸価が100mgKOH/g以下であると、当該保護膜は防錆性に優れる。

0039

バインダーポリマーの酸価は、次のようにして測定することができる。すなわち、まず、酸価の測定対象であるバインダーポリマー1gを精する。上記精秤したバインダーポリマーにアセトンを30g添加し、これを均一に溶解する。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその溶液に適量添加して、0.1NのKOH水溶液を用いて滴定を行う。そして、次式により酸価を算出する。
酸価=0.1×Vf×56.1/(Wp×I/100)
式中、VfはKOH水溶液の滴定量(mL)を示し、Wpは測定したバインダーポリマーを含有する溶液の質量(g)を示し、Iは測定したバインダーポリマーを含有する溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。なお、バインダーポリマーが合成溶媒希釈溶媒などの揮発分と混合された状態である場合には、精秤前に予め、揮発分の沸点よりも10℃以上高い温度で1〜4時間加熱し、揮発分を除去してから酸価を測定する。

0040

バインダーポリマーの重量平均分子量は、特に制限はないが、塗布性塗膜強度及び現像性の見地から、好ましくは10,000〜200,000、より好ましくは30,000〜150,000、更に好ましくは50,000〜100,000である。本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定され、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により換算された値である。

0041

バインダーポリマーのガラス転移温度は、好ましくは65〜80℃、より好ましくは70〜80℃、更に好ましくは70〜75℃である。本明細書において、バインダーポリマーのガラス転移温度は、次のFoxの式により算出される温度である。
Foxの式:1/Tg=Σ(Wi/Tgi)
式中、Tgはバインダーポリマーのガラス転移温度を示し、Wiはバインダーポリマーを構成する各モノマーの重量分率を示し、Tgiはバインダーポリマーを構成する各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度を示す。

0042

(B)成分は、好ましくはエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物である。

0043

エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、例えば一官能ビニルモノマー、二官能ビニルモノマー、及び少なくとも3つのエチレン性不飽和基を有する多官能ビニルモノマーが挙げられる。

0044

一官能モノマーとしては、例えば、上記バインダーポリマーがモノマー単位として有するのに好適なモノマーとして例示した、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及びそれらと共重合可能なモノマーが挙げられる。

0045

二官能ビニルモノマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールポリオキシエチレンポリオキシプロピレンジ(メタ)アクリレート(すなわち、2,2−ビス(4−アクリロキシポリエトキシポリプロポキシフェニルプロパン)、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等;多価カルボン酸無水フタル酸等)と水酸基及びエチレン性不飽和基を有する物質(β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート等)とのエステル化物等が挙げられる。

0046

少なくとも3つのエチレン性不飽和基を有する多官能ビニルモノマー、すなわち、少なくとも3つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、例えば、多価アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とを反応させて得られる化合物及びグリシジル基を有する化合物とα,β−不飽和カルボン酸とを付加反応させて得られる化合物が挙げられる。

0047

多価アルコールとα,β−不飽和カルボン酸とを反応させて得られる化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等が挙げられる。

0048

グリシジル基を有する化合物とα,β−不飽和カルボン酸とを付加反応させて得られる化合物としては、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート等が挙げられる。

0049

(B)成分は、好ましくは少なくとも3つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物を含有する。少なくとも3つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物は、電極の腐食を抑制し、かつ現像を容易にする観点から、好ましくは、ペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、及びグリセリン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種、より好ましくはジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物及びトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種である。

0050

本明細書において、ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレートとは、ジペンタエリスリトールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物を意味し、当該エステル化物には、アルキレンオキシ基変性された化合物も包含される。ジペンタエリスリトールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物においては、一分子中におけるエステル結合の数は好ましくは6であるが、ジペンタエリスリトールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物は、一分子中におけるエステル結合の数が1〜5の化合物の混合物であってもよい。

0051

トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物とは、トリメチロールプロパンと(メタ)アクリル酸とのエステル化物を意味し、当該エステル化物には、アルキレンオキシ基で変性された化合物も包含される。トリメチロールプロパンと(メタ)アクリル酸とのエステル化物においては、一分子中におけるエステル結合の数は好ましくは3であるが、トリメチロールプロパンと(メタ)アクリル酸とのエステル化物は、エステル結合の数が1〜2の化合物の混合物であってもよい。

0052

ペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、及びグリセリン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種は、電極の腐食を抑制し、かつ現像を容易にする観点から、好ましくは、アルキレンオキサイド変性トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート化合物、アルキレンオキサイド変性テトラメチロールメタン(メタ)アクリレート化合物、アルキレンオキサイド変性ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート化合物、アルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート化合物、アルキレンオキサイド変性グリセリン(メタ)アクリレート化合物、及びアルキレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(メタ)アクリレートから選択される少なくとも1種、より好ましくは、アルキレンオキサイド変性ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート化合物及びアルキレンオキサイド変性トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種である。

0053

アルキレンオキサイド変性テトラメチロールメタン(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートが挙げられる。EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートは、例えば、日本化薬(株)から製品(製品名:RP−1040)として入手可能である。

0054

(B)成分は、上記化合物の1種であってもよく、2種以上の混合物であってもよい。

0055

(B)成分として少なくとも3つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物を用いる場合、少なくとも3つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物のみを用いてもよく、一官能ビニルモノマー又は二官能ビニルモノマーと組み合わせて用いてもよい。光硬化性及び電極腐食の抑制力を得る観点から、少なくとも3つのエチレン性不飽和基を有する光重合性化合物の含有割合は、感光性樹脂組成物に含まれる(B)成分の合計量100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上、更に好ましくは75質量部以上である。

0056

(B)光重合性化合物の酸価は、防錆性の点で更に優れる観点から、好ましくは5mgKOH/g以下である。

0057

(A)成分及び(B)成分の含有量はそれぞれ、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、好ましくは、(A)成分が40〜80質量部かつ(B)成分が20〜60質量部、より好ましくは、(A)成分が50〜70質量部かつ(B)成分が30〜50質量部、更に好ましくは、(A)成分が55〜65質量部かつ(B)成分が35〜45質量部である。

0058

本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、(A)成分及び(B)成分の含有量を上記範囲内とすることにより、塗布性及び後述の感光性エレメントを形成した際のフィルム性を充分に確保しつつ、感度、光硬化性、現像性、及び電極腐食の抑制力を充分に確保することができる。

0059

(C)成分は、ベンジルジメチルケタールを含有する。(C)成分がベンジルジメチルケタールを含有することにより、本実施形態に係る感光性樹脂組成物で形成される保護膜は、インデックスマッチング層への密着性(接着性)に優れる。ベンジルジメチルケタールは、下記式(1)で表される化合物である。

0060

(C)成分は、ベンジルジメチルケタール以外の光重合開始剤を更に含有していてもよい。ベンジルジメチルケタール以外の光重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトンベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン化合物、オキシムエステル化合物、ベンジルジメチルケタール以外のベンジル誘導体アクリジン誘導体N−フェニルグリシン誘導体クマリン化合物オキサゾール化合物、及びホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。芳香族ケトンは、好ましくは、ベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N,N’,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1等である。ベンゾインエーテル化合物は、好ましくは、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等である。ベンゾイン化合物は、好ましくは、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等である。オキシムエステル化合物は、好ましくは、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等である。アクリジン誘導体は、好ましくは、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニルヘプタン等である。N−フェニルグリシン誘導体は、好ましくは、N−フェニルグリシン等である。ホスフィンオキサイド化合物は、好ましくは、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等である。

0061

(C)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、好ましくは、0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜15質量部、更に好ましくは1〜10質量部である。

0062

(C)成分の含有量を上記範囲内とすることにより、感光性樹脂組成物の光感度が充分になるとともに、感光性樹脂組成物で形成された感光層に活性光線を照射した場合に、当該感光層の表面における活性光線の吸収量の増大に起因して当該感光層の内部における光硬化が不充分となること、及び感光層の可視光透過率が低下するなどの不具合を抑制することができる。

0063

本実施形態の感光性樹脂組成物では、特に、所定の酸価を有する(A)成分と、ベンジルジメチルケタールを含有する(C)成分とを組み合わせて用いることにより、現像性及びインデックスマッチング層に対する密着性(接着性)を確保しつつ、例えば10μm以下の厚みであっても充分な防錆性を有する保護膜の形成が可能となる。よって、本実施形態に係る感光性樹脂組成物によれば、防錆性とインデックスマッチング層に対する密着性(接着性)とを両立できる保護膜を形成することができ、また、得られる保護膜は美観に優れる。

0064

本実施形態の感光性樹脂組成物は、防錆性及び現像性を両立する観点から、好ましくは、トリアゾール化合物、チアジアゾール化合物、及びテトラゾール化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(以下、「(D)成分」ともいう)を更に含有する。

0065

トリアゾール化合物としては、例えば、ベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−1−アセトニトリル、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、1H−ベンゾトリアゾール−1−メタノールカルボキシベンゾトリアゾール、3−メルカプトトリアゾール等のメルカプト基を有するトリアゾール化合物、3−アミノ−5−メルカプトトリアゾール等のアミノ基を有するトリアゾール化合物が挙げられる。

0066

チアジアゾール化合物としては、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,1,3−ベンゾチアジアゾール等が挙げられる。

0067

テトラゾール化合物としては、例えば、下記一般式(D−1)で表わされる化合物が挙げられる。

0068

一般式(D−1)中のR1及びR2は、各々独立に、水素原子炭素数1〜20のアルキル基、アミノ基、メルカプト基、又はカルボキシメチル基を示す。炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基エチル基プロピル基等が挙げられる。

0069

上記一般式(D−1)で表されるテトラゾール化合物としては、例えば、1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、1−メチル−5−エチル−テトラゾール、1−メチル−5−メルカプト−テトラゾール、1−カルボキシメチル−5−メルカプト−テトラゾール等が挙げられる。

0070

(D)成分は、上記一般式(D−1)で表されるテトラゾール化合物の水溶性塩であってもよい。一般式(D−1)で表されるテトラゾール化合物の水溶性塩としては、1−カルボキシメチル−5−メルカプト−テトラゾールのナトリウムカリウムリチウム等のアルカリ金属塩などが挙げられる。

0071

(D)成分は、これらの中でも、電極腐食の抑制性、感光性樹脂組成物で形成された保護膜と金属電極との密着性(接着性)、現像の容易性、及び感光性樹脂組成物で形成された保護膜の透明性の観点から、特に好ましくは、1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、及び1−メチル−5−メルカプト−1H−テトラゾールである。

0072

(D)成分は、これらのテトラゾール化合物及びその水溶性塩の1種でもよく、2種以上の混合物であってもよい。

0073

また、保護膜で保護する電極の表面が銅、銀、ニッケルなどの金属成分を有している場合に、後述する感光層の現像性を更に向上させる観点から、(D)成分は、上記化合物の中でも、好ましくはアミノ基を有するテトラゾール化合物を更に含有する。この場合、現像残渣を低減することができ、良好なパターンで保護膜を形成することが容易となる。この理由としては、アミノ基を有するテトラゾール化合物の配合によって、感光性樹脂組成物の現像液に対する溶解性、及び感光層と金属成分との密着力(接着性)のバランスが良好となることが考えられる。

0074

(D)成分が、アミノ基を有するテトラゾール化合物を含有する場合、上記の効果が得られることから、本実施形態に係る感光性樹脂組成物及び後述する感光性エレメントは、銅層などの金属配線を形成して導電性を向上させたタッチパネルの額縁領域における電極を保護するための保護膜の形成に好適である。

0075

本実施形態の感光性樹脂組成物における(D)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、好ましくは0.05〜10.0質量部、より好ましくは0.1〜2.0質量部、更に好ましくは0.2〜1.0質量部である。

0076

(D)成分の含有量を上記範囲内とすることにより、現像性や解像度が低下するなどの不具合を抑制しつつ、電極腐食の抑制力及び金属電極との密着性(接着性)を向上させる効果を充分に得ることができる。

0077

本実施形態の感光性樹脂組成物は、その他、必要に応じて、シランカップリング剤等の密着性付与剤レベリング剤可塑剤充填剤消泡剤難燃剤、安定剤、酸化防止剤香料熱架橋剤重合禁止剤などを、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、各々0.01〜20質量部程度含有してよい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用してよい。

0078

本実施形態の感光性樹脂組成物の400〜700nmにおける光透過率の最小値は、好ましくは90%以上、より好ましくは92%以上、更に好ましくは95%以上である。

0079

ここで、感光性樹脂組成物の400〜700nmにおける光透過率の最小値は以下のようにして求められる。
まず、支持フィルム上に感光性樹脂組成物を含有する塗布液を乾燥後の厚みが10μm以下となるように塗布し、これを乾燥することにより、感光性樹脂組成物層(「感光層」ともいう)を形成する。次に、ガラス基板上に、感光層が接するようにラミネータを用いてラミネートする。こうして、ガラス基板上に、感光層及び支持フィルムが積層された測定用試料を得る。次に、得られた測定用試料に紫外線を照射して感光層を光硬化した後、紫外可視分光光度計を用いて、測定波長域400〜700nmにおける光透過率を測定する。

0080

一般的な可視光波長域光線である400〜700nmの波長域における光透過率が90%以上であれば、例えば、タッチパネル(タッチセンサー)のセンシング領域の透明電極を保護する場合、及びタッチパネル(タッチセンサー)の額縁領域の金属配線(例えば、ITO電極上に形成された銅層など)を保護したときにセンシング領域の端部から保護膜が見える場合において、センシング領域での画像表示品質色合い、及び輝度が低下することを充分に抑制することができる。

0081

タッチパネルの視認性を更に向上させる観点から、本実施形態の感光性樹脂組成物のCIELAB表色系でのb*は、好ましくは−0.2〜1.0、より好ましくは0.0〜0.7、更に好ましくは0.1〜0.5である。400〜700nmにおける光透過率の最小値が90%以上である場合と同様に、センシング領域の画像表示の品質、及び色合いの低下を防止する観点からも、CIELAB表色系でのb*は、好ましくは−0.2〜1.0である。なお、本明細書において、CIELAB表色系でのb*は、例えばコニカミノルタ製分光測色計「CM−5」を使用して、感光性樹脂組成物から形成される感光層のD65光源視野角2°の条件で測定することにより得られる値を意味する。感光層は、厚み0.7mmのガラス基板に感光性樹脂組成物を塗布し、厚みが10μm以下の層を形成した後、この層に紫外線を照射して光硬化させることにより形成される。

0082

本実施形態の感光性樹脂組成物は、後述するように、タッチパネル用電極を有する基板上に感光層を形成するために用いることができ、インデックスマッチング層及びタッチパネル用電極を有する基板上に感光層を形成するために特に好適に用いることができる。本実施形態の感光性樹脂組成物は、防錆性に優れるものであるため、タッチパネル(タッチセンサー)の電極を保護する目的であれば、タッチパネルを有する液晶表示装置の構成によらず好適に用いられる。具体的には、液晶表示装置が、カバーガラス、タッチパネル、及び液晶パネルの3枚の構成要素を有する場合、カバーガラス一体型である場合(カバーガラスとタッチパネルとが一体である場合)、及びオンセル型である場合(タッチパネルと液晶パネルとが一体である場合)のいずれであっても、本実施形態の感光性樹脂組成物は、タッチパネル(タッチセンサー)の電極を保護する目的であれば好適に用いられる。

0083

本実施形態の感光性樹脂組成物は、好ましくは、後述する感光性エレメントのように、フィルム状に製膜して感光性フィルムとして用いられる。感光性フィルムを、タッパネル用電極を有する基板上に積層することにより、ロールツーロールプロセスが容易に実現できる、溶媒乾燥工程が短縮できるなど、製造工程の短縮やコスト低減に大きく貢献することができる。

0084

図1は、本発明の一実施形態に係る感光性エレメントを示す模式断面図である。図1(a)に示されるように、感光性エレメント1Aは、支持フィルム2と、支持フィルム2上に設けられた上記感光性樹脂組成物からなる感光層3と、を備える。

0085

感光性エレメント1Aは、例えば、本実施形態の感光性樹脂組成物を含有する塗布液を調製し、当該塗布液を支持フィルム2上に塗布して塗膜を形成し、さらに当該塗膜を乾燥して溶媒を揮発させることで感光層3を形成することにより得られる。塗布液は、上述した本実施形態の感光性樹脂組成物を構成する各成分を、溶媒に均一に溶解又は分散することにより得られる。

0087

溶媒は、上記溶媒の中でも、好ましくは、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等である。これら溶媒は、1種単独で用いられてもよく、2種以上の溶媒からなる混合溶媒として用いられてもよい。

0089

乾燥条件に特に制限はないが、乾燥温度は、好ましくは60〜130℃であり、乾燥時間は、好ましくは30秒間〜30分間である。

0090

支持フィルム2としては、重合体フィルムを用いることができる。重合体フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートポリカーボネートポリエチレンポリプロピレン、及びポリエーテルサルフォン等からなるフィルムが挙げられる。

0091

支持フィルム2の厚みは、被覆性の確保、及び支持フィルム2を介して、感光層3に活性光線を照射する際の解像度の低下を抑制する観点から、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜70μm、更に好ましくは15〜40μm、特に好ましくは20〜35μmである。

0092

感光層3の厚みは、防錆性など電極の保護に充分な効果を発揮し、かつ部分的な電極保護膜の形成により生じるタッチパネル(タッチセンサー)表面の段差が極力小さくなるよう、乾燥後(溶媒を揮発させた後)の厚みで、好ましくは1μm以上10μm以下、より好ましくは1μm以上9μm以下、更に好ましくは1μm以上8μm以下、特に好ましくは2μm以上8μm以下、極めて好ましくは3μm以上8μm以下である。

0093

本実施形態においては、感光層3の400〜700nmにおける光透過率の最小値は、好ましくは90%以上、より好ましくは92%以上、特に好ましくは95%以上である。感光層の400〜700nmにおける光透過率の最小値の測定方法は、上述の感光性樹脂組成物の400〜700nmにおける光透過率の最小値の測定方法と同様である。

0094

感光層3のCIELAB表色系でのb*は、好ましくは−0.2〜1.0、より好ましくは−0.2〜0.7、更に好ましくは−0.2〜0.4である。感光層のCIELAB表色系でのb*の測定方法は、上述の感光性樹脂組成物のCIELAB表色系でのb*の測定方法と同様である。

0095

30℃における感光層3の粘度は、感光性エレメント1Aをロール状とした場合に、感光性エレメント1Aの端面から感光性樹脂組成物がしみ出すことを1カ月以上防止する観点、及び感光性エレメント1Aを切断する際に感光性樹脂組成物の破片が基板に付着して引き起こされる、活性光線を照射する際の露光不良や現像残り等を防止する点から、好ましくは15〜100mPa・s、より好ましくは20〜90mPa・s、更に好ましくは25〜80mPa・sである。

0096

感光性エレメント1Aは、ロール状に巻いて、保管又は使用されてもよい。

0097

なお、上記の粘度は、感光性樹脂組成物で形成された、直径7mm、厚み2mmの円形の膜を測定用試料とし、当該試料の厚み方向に、30℃及び80℃のそれぞれにおいて、1.96×10−2Nの荷重を加えたときの厚みの変化速度を測定し、この変化速度からニュートン流体仮定して粘度に換算した値である。

0098

本実施形態の感光性エレメントは、本発明の効果が得られる範囲で、感光層の他に適宜選択した他の層を有してもよい。前記他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、光学調整層、クッション層酸素遮蔽層剥離層、接着層等が挙げられる。前記感光性エレメントは、これらの層を1種単独で有していてもよく、2種以上を有してもよい。また、同種の層を2以上有していてもよい。

0099

図1(b)に示すように、感光性エレメント1Bは、支持フィルム2とは反対側の感光層3上に設けられた保護フィルム4を、更に備えてよい。

0100

保護フィルム(カバーフィルム)4としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、及びポリエチレン−酢酸ビニル共重合体とポリエチレンの積層フィルム等からなるフィルムが挙げられる。

0101

保護フィルム4の厚みは、好ましくは5〜100μm程度である。保護フィルム4の厚みは、ロール状に巻いて保管する観点から、好ましくは70μm以下、より好ましくは60μm以下、更に好ましくは50μm以下、特に好ましくは40μm以下である。

0102

本実施形態の感光性エレメント1A,1Bは、上記感光性樹脂組成物により形成された感光層3を備えることにより、タッチパネル用電極の保護膜の形成に好適に用いることができる。

0103

図2は、静電容量式のタッチパネルの一例を示す模式図である。図2(a)は、該タッチパネルの模式上面図であり、図2(b)は、図2(a)に示されるC部分のV−V線に沿った部分断面図である。

0104

図2(a),(b)に示すように、タッチパネル5Aは、基板(透明基板)6と、基板6上に設けられたインデックスマッチング層7と、インデックスマッチング層7上に設けられたタッチパネル用電極とを備える。タッチパネル5Aの中央部には、タッチ位置座標を検出するためのセンシング領域(タッチ画面領域)8が形成されている。タッチパネル用電極としては、第1の透明電極9、第2の透明電極10、金属配線11、接続電極12及び接続端子13が設けられている。

0105

基板6としては、一般にタッチパネル(タッチセンサー)用として用いられる、ガラス板プラスチック板(例えば、PETフィルム)、セラミック板等の基板が挙げられる。インデックスマッチング層7は、例えば、ZrO2、TiO2、SiO2等の金属ナノ粒子を含有する樹脂組成物で形成されている。タッチパネル用電極としては、ITO、Ag、Cu、Al、Mo等の電極等が挙げられる。

0106

第1の透明電極9及び第2の透明電極10は、センシング領域8の静電容量変化を検出するために、センシング領域8内に設けられている。第1の透明電極9及び第2の透明電極10は、それぞれタッチ位置のX位置座標及びY位置座標を検出する。

0107

金属配線11は、第1の透明電極9及び第2の透明電極10からタッチ位置の検出信号を外部回路に伝える。金属配線11と、第1の透明電極9及び第2の透明電極10とは、図2(a)に示すように、第1の透明電極9及び第2の透明電極10上に設けられた接続電極12により互いに電気的に接続されている。他の態様においては、金属配線11と、第1の透明電極9及び第2の透明電極10とは、互いに直接接続されていてもよい。金属配線11の一端は、第1の透明電極9及び第2の透明電極10と接続されており、金属配線11の他端には、外部回路との接続端子13が設けられている。

0108

第1の透明電極9、第2の透明電極10及び接続端子13それぞれの一部、並びに、金属配線11及び接続電極12の全部には、これらを覆うように保護膜14が配置されている。保護膜14は、本実施形態の感光性樹脂組成物及び感光性エレメントを用いて好適に形成される。

0109

図3は、図2に示したタッチパネル5Aに設けられた保護膜14の製造方法(形成方法)を説明するための模式断面図である。この方法では、まず、図3(a)に示すように、インデックスマッチング層7、及び金属配線11等の電極(タッチパネル用電極)が設けられた基板6上に、上記感光性樹脂組成物からなる感光層3を設ける(第1工程)。

0110

インデックスマッチング層7及びタッチパネル用電極は、公知の方法によって形成される。なお、他の態様においては、基板6とインデックスマッチング層7との間には、絶縁層が更に設けられていてもよい。

0111

第1の透明電極9及び第2の透明電極10は、例えば、インデックスマッチング層7の全面に透明電極を形成した後、該透明電極をエッチングする方法などにより、第1の透明電極、第2の透明電極の順で形成される

0112

金属配線11及び接続電極12は、第1の透明電極9及び第2の透明電極10の形成後に形成しても、各透明電極形成時に同時に形成してもよい。金属配線11及び接続電極12は、金属スパッタリングにより金属膜を形成した後、エッチング法などを用いて形成することができる。金属配線11は、例えば、フレーク状の銀を含有する導電ペースト材料を使って、スクリーン印刷法を用いて、接続電極12の形成時に同時に形成してもよい。接続端子13は、例えば金属配線11及び接続電極12の形成後に形成される。

0113

タッチパネル用電極の他の形成方法としては、ITO、Cuの順にスパッタより金属膜を形成した後、金属膜上にエッチング用感光性フィルムを貼り付け、所望のレジストパターンを形成し、不要なCuを塩化鉄水溶液等のエッチング液で除去した後、レジストパターンをはく離除去する方法が挙げられる。

0114

第1工程においては、より具体的には、金属配線11等のタッチパネル用電極を覆うように、インデックスマッチング層7上に、感光性エレメント1Aを、感光層3がインデックスマッチング層7側になるように配置し、加熱しながら感光層3(感光性エレメント1A)を圧着することにより転写し、積層する。なお、感光性エレメントとして、保護フィルム4を備える感光性エレメント1Bを用いる場合、圧着前に保護フィルム4を除去する。

0115

圧着手段としては、圧着ロールが挙げられる。圧着ロールは、加熱圧着できるように加熱手段を備えたものであってもよい。

0116

加熱圧着する場合の加熱温度は、感光層3とインデックスマッチング層7との密着性(接着性)、及び感光層3と金属配線11等のタッチパネル用電極との密着性(接着性)を充分確保しながら、感光層3の構成成分が熱硬化あるいは熱分解されにくいよう、好ましくは10〜180℃、より好ましくは20〜160℃、更に好ましくは30〜150℃である。

0117

加熱圧着時の圧着圧力は、感光層3とインデックスマッチング層7との密着性(接着性)を充分確保しながら、基板6の変形を抑制する観点から、線圧で、好ましくは50〜1×105N/m、より好ましくは2.5×102〜5×104N/mと、更に好ましくは5×102〜4×104N/mである。

0118

感光性エレメント1Aを上記のように加熱すれば、基板6及びインデックスマッチング層7を予熱処理することは必要ではないが、感光層3とインデックスマッチング層7との密着性(接着性)を更に向上させる点から、好ましくはインデックスマッチング層7を予熱処理する。このときの予熱温度は、好ましくは30〜180℃である。

0119

他の実施形態においては、感光性エレメント1Aを用いる代わりに、感光性樹脂組成物及び溶媒を含有する塗布液を調製してインデックスマッチング層7のタッチパネル用電極(金属配線11等)が設けられている表面に塗布し、乾燥して(溶媒を揮発させて)感光層を形成することができる。

0120

感光層3は、好ましくは、上述した厚み、400〜700nmにおける光透過率の最小値、CIELAB表色系でのb*の条件を満たす。

0121

第1工程に続いて、図3(b)に示すように、所定の開口パターンを有するフォトマスク15を介して、感光層3の所定部分に活性光線Lを照射して硬化させる(第2工程)。

0122

活性光線Lを照射する際、感光層3上の支持フィルム2が透明の場合には、そのまま活性光線Lを照射することができ、不透明の場合には支持フィルム2を除去してから活性光線Lを照射する。感光層3の保護という点からは、好ましくは、支持フィルム2として透明な重合体フィルムを用い、この重合体フィルムを残存させたまま、それを通して活性光線Lを照射する。この場合、支持フィルム2は、活性光線Lの照射後、後述の第3工程が行われる前に除去される。

0123

活性光線Lの照射に用いられる光源としては、公知の活性光源が使用でき、紫外線を有効に放射するものであれば特に制限されない。当該光源としては、例えば、カーボンアーク灯超高圧水銀灯高圧水銀灯及びキセノンランプが挙げられる。

0124

このときの活性光線Lの照射量は、通常、1×102〜1×104J/m2である。照射の際に、加熱を伴うこともできる。この活性光線Lの照射量が1×102J/m2以上であると光硬化の効果が充分となる傾向にあり、1×104J/m2以下であると感光層3が変色することを抑制できる傾向にある。

0125

第2工程を経ることにより、図2(c)に示すように、感光層3には、活性光線Lを照射した所定部分に対応し、活性光線Lの照射によって硬化した硬化領域R1と、当該所定部分以外の部分に対応し、活性光線Lが照射されずに硬化しなかった未硬化領域R2とが存在する。そして、第2工程に続いて、感光層3を現像液で現像して未硬化領域R2を除去することにより、タッチパネル用電極の一部を被覆する保護膜14を形成する(第3工程)。形成される保護膜14は、感光層3の硬化物からなっており、フォトマスク15の開口パターンに対応した、図2に示すような所定のパターンを有している。

0126

なお本明細書において「パターン」とは、回路を形成する微細配線の形状にとどまらず、他基板との接続部のみを矩形に除去した形状や基板の額縁部以外を除去した形状等も含む。

0127

現像方法としては、アルカリ水溶液水系現像液有機溶媒等の公知の現像液を用いて、スプレーシャワー揺動浸漬、ブラッシングスクラッビング等の公知の方法により現像を行い、未硬化領域R2を除去する方法等が挙げられ、中でも、環境及び安全性の観点から、好ましくはアルカリ水溶液を用いる方法が挙げられる。

0128

アルカリ水溶液は、好ましくは炭酸ナトリウムの水溶液である。例えば、20〜50℃の炭酸ナトリウムの希薄溶液(0.5〜5質量%水溶液)が好適に用いられる。また、アルカリ水溶液には、界面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶媒等を混入させることができる。

0129

現像温度及び時間は、本実施形態の感光性樹脂組成物の現像性に合わせて調整することができる。

0130

また、現像後、光硬化後の感光層に残存したアルカリ水溶液の塩基を、有機酸無機酸又はこれらの酸水溶液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッビング等の公知方法により酸処理中和処理)することができる。さらに、酸処理(中和処理)の後、水洗する工程を行うこともできる。

0131

現像後、必要に応じて、活性光線の照射(例えば、5×103〜2×104J/m2)により、感光層3の硬化物を更に硬化させてもよい。なお、本実施形態の感光性樹脂組成物は、現像後の加熱工程なしでもインデックスマッチング層7及びタッチパネル用電極に対して優れた密着性(接着性)を示すが、必要に応じて、現像後の活性光線の照射の代わりに、又は活性光線の照射と合わせて、加熱処理(80〜250℃)を施してもよい。

0132

他の実施形態においては、保護膜14を設ける箇所は、適宜変更してもよい。図4は、静電容量式のタッチパネルの別の例を示す模式上面図である。図4に示すように、保護膜14は、センシング領域8にある透明電極9,10をすべて覆うように設けられていてもよい。この場合、第2工程において、フォトマスク15を介さずに、感光層3の全面に活性光線Lを照射してもよく、後続の第3工程を省略してもよい。

0133

以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0134

[バインダーポリマー溶液の作製]
撹拌機還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、表1に示す(1)を仕込み窒素ガス雰囲気下で80℃に昇温し、反応温度を80℃±2℃に保ちながら、表1に示す(2)を4時間かけて均一に滴下した。(2)の滴下後、80℃±2℃で6時間撹拌を続け、固形分が45質量%であるバインダーポリマー溶液(A1)〜(A5)を得た。バインダーポリマーの特性(重量平均分子量、酸価及びガラス転移温度)を表1に示す。

0135

0136

作製したポリマーの特性は、以下の方法で測定した。

0137

[重量平均分子量の測定方法]
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。GPCの条件を以下に示す。
GPC条件
ポンプ日立L−6000型((株)日立製作所製、製品名)
カラム:Gelpack GL−R420、Gelpack GL−R430、GelpackGL−R440(以上、日立化成(株)製、製品名)
溶離液テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI((株)日立製作所製、製品名)

0138

[酸価の測定方法]
酸価は、次のようにして測定した。まず、バインダーポリマーの溶液を、130℃で1時間加熱し、揮発分を除去して、固形分を得た。そして、酸価を測定すべき、固形のポリマー1gを精秤した後、精秤したポリマーを三角フラスコに入れ、このポリマーにアセトンを30g添加し、ポリマーを均一に溶解した。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその溶液に適量添加して、0.1NのKOH水溶液を用いて滴定を行った。そして、次式により酸価を算出した。
酸価=0.1×Vf×56.1/(Wp×I/100)
式中、VfはKOH水溶液の滴定量(mL)を示し、Wpは測定した樹脂溶液の重量(g)を示し、Iは測定した樹脂溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。

0139

[ガラス転移温度(Tg)の算出方法
Foxの式を用いて、各バインダーポリマーのガラス転移温度(Tg)を以下の計算により求めた。
1/Tg=(W1/Tg1)+(W2/Tg2)+(W3/Tg3)
式中、Tg1、Tg2及びTg3はそれぞれ、各モノマー成分(メタクリル酸,メタクリル酸メチル及びアクリル酸エチル)のホモポリマーのガラス転移温度を示し、W1、W2及びW3は各モノマー成分(メタクリル酸,メタクリル酸メチル及びアクリル酸エチル)の重量分率を示す。

0140

(実施例1)
[感光性樹脂組成物を含有する塗布液(V−1)の作製]
表2に示す材料を、表2に示す配合量で、攪拌機を用いて15分間混合し、保護膜を形成するための感光性樹脂組成物を含有する塗布液(V−1)を作製した。(A)成分の配合量は、固形分の質量である。

0141

[感光性エレメント(E−1)の作製]
支持フィルムとして厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、この支持フィルム上に、上記で作製した感光性樹脂組成物を含有する塗布液(V−1)をコンマコーターを用いて均一に塗布した。その後、100℃の熱風対流式乾燥機で3分間乾燥して溶媒を除去し、感光性樹脂組成物からなる感光層(感光性樹脂組成物層)を形成した。得られた感光層の厚さは5μmであった。

0142

次いで、得られた感光層の上に、カバーフィルムとして、厚み25μmのポリエチレンフィルムを貼り、感光性エレメント(E−1)を得た。

0143

[保護膜の塩水噴霧試験人工汗液耐性評価試験)]
得られた感光性エレメント(E−1)のカバーフィルムであるポリエチレンフィルムをはがしながら、スパッタ銅付きポリイミドフィルム(東レフィルム加工(株)製)上に、感光層が接するようにラミネータ(日立化成(株)製、商品名HLM−3000型)を用いて、ロール温度120℃、基板送り速度1m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×105Pa(厚みが1mm、縦10cm×横10cmの基板を用いたため、この時の線圧は9.8×103N/m)の条件でラミネートして、スパッタ銅付きポリイミドフィルム上に、感光層及び支持フィルムが積層された積層体を作製した。

0144

次いで、平行光線露光機((株)オーク製作所製、EXM1201)を使用して、得られた積層体の感光層に対して支持フィルム側(感光層側上方)より、露光量5×102J/m2で(i線(波長365nm)における測定値)、紫外線を照射した。その後、支持フィルムを除去し、さらに感光層側上方より露光量1×104J/m2で(i線(波長365nm)における測定値)紫外線を照射した。これにより、厚み5.0μmの、感光層の硬化物からなる保護膜を有する塩水噴霧試験(人工汗液耐性評価試験)用試料を得た。

0145

次いで、JIS規格(Z 2371)を参考に、塩水噴霧試験機(スガ試験機(株)製STP−90V2)を用いて、試験槽内に前述の試料(人工汗液耐性評価試験用試料)を載置し、濃度50g/Lの塩水(pH=6.7)を試験槽温度35℃、噴霧量1.5mL/hで48時間噴霧した。噴霧終了後、塩水を拭き取って、評価用試料表面状態肉眼で観察し、以下の評点に従って評価した。
A :保護膜表面に全く変化なし。
B : 保護膜表面にごくわずかな痕跡が見えるが、銅は変化なし。
C : 保護膜表面に痕跡が見えるが、銅は変化なし。
D : 保護膜表面に痕跡があり、かつ銅が変色する。
評価用試料の表面状態を観察したところ、保護膜表面、銅に変化なく評価はAであった。

0146

[保護膜のクロスカット密着性(接着性)試験]
得られた感光性エレメント(E−1)のカバーフィルムであるポリエチレンフィルムをはがしながら、PETフィルムの一方の面にインデックスマッチング層とITO層が順に積層された透明導電性フィルムELECRYSTA V100−G2YC5B(日東電工(株)製)のITO層をエッチングにより除去し、インデックスマッチング層を露出させたPETフィルム上に、感光層が接するようにラミネータ(日立化成(株)製、商品名HLM−3000型)を用いて、ロール温度120℃、基板送り速度1m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×105Pa(厚みが1mm、縦10cm×横10cmのPETフィルムを用いたため、この時の線圧は9.8×103N/m)の条件でラミネートして、インデックスマッチング層付きPETフィルム上に、感光層及び支持フィルムが積層された積層体を作製した。

0147

次いで、平行光線露光機((株)オーク製作所製、EXM1201)を使用して、得られた積層体の感光層に対して支持フィルム側(感光層側上方)より、露光量5×102J/m2で(i線(波長365nm)における測定値)、紫外線を照射した。その後、支持フィルムを除去し、さらに感光層側上方より露光量1×104J/m2で(i線(波長365nm)における測定値)紫外線を照射した。これにより、厚み5.0μmの、感光層の硬化物からなる保護膜を有するクロスカット密着性試験用試料を得た。

0148

次いで、JIS規格(K5400)を参考に、100マスのクロスカット試験を実施した。試験面カッターナイフを用いて、1×1mm四方碁盤目の切り傷を入れ、碁盤目部分にメンディングテープ#810(スリエムジャパン(株)製)を強く圧着させ、テープの端をほぼ180°の角度でゆっくりと引き剥がした後、碁盤目の状態を肉眼で観察し、以下の評点に従ってクロスカット密着性(接着性)を評価した。(渡部)に直接確認済み
A :全面積のほぼ100%が密着している。
B :全面積のうち95%以上100%未満が密着し残っている。
B〜C:全面積のうち85%以上95%未満が密着し残っている。
C :全面積のうち65%以上85%未満が密着し残っている。
C〜D:全面積のうち35%以上65%未満が密着し残っている。
D :全面積のうち0%以上35%未満が密着し残っている。
評価用試料の碁盤目の状態を観察したところ、インデックスマッチング層上に全面積のうち95%以上が密着し残っている状態で、評価はBであった。

0149

[感光層の光透過率及びHaze(ヘーズ)の測定]
得られた感光性エレメント(E−1)のカバーフィルムであるポリエチレンフィルムをはがしながら、厚み1mmのガラス基板上に、感光層が接するようにラミネータ(日立化成(株)製、商品名HLM−3000型)を用いて、ロール温度120℃、基板送り速度1m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×105Pa(厚みが1mm、縦10cm×横10cmの基板を用いたため、このときの線圧は9.8×103N/m)の条件でラミネートして、ガラス基板上に、感光層及び支持フィルムが積層された積層体を作製した。

0150

次いで、平行光線露光機((株)オーク製作所製、EXM1201)を使用して、得られた積層体の感光層に対して支持フィルム側(感光層側上方)より露光量5×102J/m2で(i線(波長365nm)における測定値)、紫外線を照射した。その後、支持フィルムを除去し、厚み5.0μmの、感光層の硬化物を有する光透過率及びヘーズの測定用試料を得た。

0151

次いで、得られた光透過率及びヘーズの測定用試料について、ヘーズメーター(日本電色工業(株)製、製品名:NDH 7000)を使用して、測定波長域400〜700nmにおける光透過率及びヘーズを測定した。結果を表2に示す。

0152

[感光層のb*の測定]
得られた感光性エレメント(E−1)のポリエチレンフィルムをはがしながら、厚み0.7mmのガラス基板上に、感光層が接するようにラミネータ(日立化成(株)製、商品名HLM−3000型)を用いて、ロール温度120℃、基板送り速度1m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×105Pa(厚みが1mm、縦10cm×横10cmの基板を用いたため、この時の線圧は9.8×103N/m)の条件でラミネートして、ガラス基板上に、感光層及び支持体フィルムが積層された積層体を作製した。

0153

次いで、平行光線露光機((株)オーク製作所製、EXM1201)を使用して、得られた積層体の感光層に対して支持フィルム側(感光層側上方)より、露光量5×102J/m2で(i線(波長365nm)における測定値)、紫外線を照射した。その後、支持体フィルムを除去し、さらに感光層側上方より露光量1×104J/m2で(i線(波長365nm)における測定値)紫外線を照射した。これにより、厚み5.0μmの、感光層の硬化物を有するb*測定用試料を得た。

0154

次いで、得られたb*測定用試料について、コニカミノルタ(株)製、分光測色計(CM−5)を使用して、光源設定D65、視野角2°でCIELAB表色系でのb*を測定した。

0155

感光層のCIELAB表色系でのb*は0.21であり、良好なb*を有していることが確認された。

0156

[感光層の現像残渣試験]
得られた感光性エレメント(E−1)のカバーフィルムであるポリエチレンフィルムをはがしながら、インデックスマッチング層付きPETフィルム上に、感光層が接するようにラミネータ(日立化成(株)製、商品名HLM−3000型)を用いて、ロール温度120℃、基板送り速度1m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×105Pa(厚みが1mm、縦10cm×横10cmの基板を用いたため、この時の線圧は9.8×103N/m)の条件でラミネートして、インデックスマッチング層付きPETフィルム上に、感光層及び支持フィルムが積層された積層体を得た。

0157

上記で得られた積層体を、23℃、60%の条件で24時間保管した後、活性光線透過部と活性光線遮光部とが交互にパターニングされた、ライン幅スペース幅が300μm/300μmであるフォトマスクを、積層体の支持フィルム上に載置した。平行光線露光機((株)オーク製作所製、EXM1201)を使用して、フォトマスク面垂直上方より露光量5×102J/m2で(i線(波長365nm)における測定値)、紫外線を像的に照射した。

0158

次いで、感光層上に積層されている支持フィルムを除去し、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、30℃で40秒間スプレー現像して、感光層を選択的に除去し、保護膜パターンを形成した。得られた保護膜パターン付き基板の、選択的に感光層を除去した部分の基板表面状態を顕微鏡で観察し、以下の評点に従って現像残渣を評価した。
A : 基板表面に全く変化なし。
B : 基板表面に現像残渣がわずかに発生する。
C : 基板表面に現像残渣が発生する。
評価用試料の表面状態を観察したところ、基板表面に全く変化はなく、評価はAであった。

0159

(実施例2〜4)
表2に示す感光性樹脂組成物を含有する塗布液を用いたこと以外は、実施例1と同様に感光性エレメントを作製し、塩水噴霧試験、クロスカット密着性(接着性)試験、光透過率及びヘーズの測定、CIELAB表色系でのb*の測定、並びに現像残渣試験を行った。表2に示すように、実施例1〜4においては、塩水噴霧試験、クロスカット密着性(接着性)試験、光透過率及びヘーズの測定、CIELAB表色系でのb*の測定、並びに現像残渣試験のいずれも良好な結果であった。

0160

(比較例1〜6)
表3,4に示す感光性樹脂組成物を含有する塗布液を用いたこと以外は、実施例1と同様に感光性エレメントを作製し、塩水噴霧試験、クロスカット密着性(接着性)試験、光透過率及びヘーズの測定、CIELAB表色系でのb*の測定、並びに現像残渣試験を行った。

0161

0162

実施例

0163

なお、表2及び表3中の成分の記号は以下の意味を示す。
(B)成分
TMPTAトリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬(株)製)
T−1420(T):ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(日本化薬(株)製)
(C)成分
IRGACURE 651:ベンジルジメチルケタール(BASFジャパン(株)製)
IRGACURE OXE 01:1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASFジャパン(株)製)
(D)成分
HAT:5−アミノ−1H−テトラゾール(東洋紡(株)製)
(E)成分
PM−21:2−ヒドロキシエチルメタクリレートの6−ヘキサノリ付加重合物無水リン酸との反応生成物(日本化薬(株)製)
その他の成分
Antage W−500:2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)(川口化学工業(株)製)
SH−30:シリコーンレベリング剤(東レ・ダウコーニング(株)製)
メチルエチルケトン:東燃化学合同(株)製

0164

1A,1B…感光性エレメント、2…支持フィルム、3…感光層、4…保護フィルム、5A,5B…タッチパネル、6…基板、7…インデックスマッチング層、8…センシング領域(タッチ画面領域)、9…第1の透明電極、10…第2の透明電極、11…金属配線、12…接続電極、13…接続端子、14…保護膜、15…フォトマスク、L…活性光線、R1…硬化領域、R2…未硬化領域。

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