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技術 測定データ処理方法、測定データ処理装置、及び測定データ処理用プログラム

出願人 株式会社島津製作所
発明者 杉本百合菜
出願日 2018年2月26日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-032085
公開日 2019年9月5日 (9ヶ月経過) 公開番号 2019-148455
状態 未査定
技術分野 その他の電気的手段による材料の調査、分析 クロマトグラフィによる材料の調査、分析
主要キーワード 測定データ処理装置 データ処理用プログラム 測定データファイル SIM測定 スキャン測定 分子構造情報 メソッドファイル 分光スペクトルデータ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

複数の目的化合物の測定データから得られるグラフ定量値を用いた使用者解析作業の効率を高める。

解決手段

複数の目的化合物の測定データをグラフ化するとともに目的化合物を定量するために用いられる測定データ処理装置において、表示部7と、測定データの入力を受け付ける測定データ入力受付部43と、測定データに対して予め決められた処理を施すことにより定量値を算出して画面表示用数値データを作成する画面表示用数値データ作成部44と、全ての目的化合物について画面表示用数値データを作成した後に、複数の目的化合物の測定データに対して予め決められた処理を施すことにより画面表示用グラフデータを作成する画面表示用グラフデータ作成部46と、使用者による操作に応じた形式で画面表示用数値データ及び画面表示用グラフデータを表示部7に表示する表示処理部48とを備える。

概要

背景

食品等の試料に含まれる農薬等の目的化合物を定量するために、例えば液体クロマトグラフ質量分析計を組み合わせてなる液体クロマトグラフ質量分析装置が用いられている。液体クロマトグラフ質量分析装置では、多重反応モニタリングMRM: Multiple Reaction Monitoring)測定を行うことにより試料に含まれる目的化合物が定量される(例えば特許文献1)。

MRM測定では、予め目的化合物毎に、その目的化合物から生成される特徴的なプリカーサイオンと該プリカーサイオンの開裂により生成される特徴的なプロダクトイオンの組であるMRMトランジションを含むMRM測定条件を設定しておく。MRM測定時には、各目的化合物が液体クロマトグラフのカラムから流出する時間帯(保持時間)に、当該目的化合物毎について設定されたMRMトランジションを用いてプリカーサイオン及びプロダクトイオンを選別し、プロダクトイオンの強度を測定する。目的化合物毎に得られたマスクロマトグラムデータは試料毎に1つの測定データファイルにまとめられて保存される。

従来、MRM測定により得られたマスクロマトグラムデータの解析には専用の解析ソフトウェアが用いられている。使用者が解析ソフトウェアを動作させて測定データファイルを開くと、解析ソフトウェアは、各目的化合物のマスクロマトグラムデータを読み込み、各マスクロマトグラムデータからマスクロマトグラムを作成して画像化処理画面を構成する、二次元配列された画素のそれぞれに割り当てる色を決定する等により画像データを作成)する。また、マスクロマトグラムデータに予め決められた処理を施すことにより各目的化合物の定量値を求める。予め決められた処理とは、例えば、解析ソフトウェアが当該目的化合物のマスクロマトグラムデータから、測定値の変化量が予め決められた閾値以上となる位置を始点とし、測定値の変化量が別の閾値未満となる位置を終点としてピーク部分を抽出し、該ピーク部分の面積値を求め、これをコンピュータメモリに予め保存された検量線情報と照合するといった処理である。解析ソフトウェアは、全ての目的化合物についてマスクロマトグラムの作成及び画像化と定量値の算出を終えると、それらをまとめて画面表示する。使用者は画面表示されたマスクロマトグラムの形状を確認して夾雑物が含まれていないことを確認したり、定量値に異常値が含まれていないかを確認したりするなどして解析作業を進めていく。

概要

複数の目的化合物の測定データから得られるグラフと定量値を用いた使用者の解析作業の効率を高める。複数の目的化合物の測定データをグラフ化するとともに目的化合物を定量するために用いられる測定データ処理装置において、表示部7と、測定データの入力を受け付ける測定データ入力受付部43と、測定データに対して予め決められた処理を施すことにより定量値を算出して画面表示用数値データを作成する画面表示用数値データ作成部44と、全ての目的化合物について画面表示用数値データを作成した後に、複数の目的化合物の測定データに対して予め決められた処理を施すことにより画面表示用グラフデータを作成する画面表示用グラフデータ作成部46と、使用者による操作に応じた形式で画面表示用数値データ及び画面表示用グラフデータを表示部7に表示する表示処理部48とを備える。

目的

本発明が解決しようとする課題は、複数の目的化合物のそれぞれの測定データから得られるグラフと定量値を用いた使用者の解析作業の効率を高めることができる測定データの処理技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

複数の目的化合物のそれぞれの測定データをグラフ化して表示するとともに各目的化合物を定量するために用いられる測定データ処理方法であって、a) 前記複数の目的化合物のそれぞれの測定データに対して予め決められた処理を施すことにより定量値を算出して画面表示用数値データを作成し、b) 前記複数の目的化合物の全てについて前記画面表示用数値データを作成した後に、前記複数の目的化合物のそれぞれの測定データに対して予め決められた処理を施すことにより画面表示用グラフデータを作成することを特徴とする測定データ処理方法。

請求項2

複数の目的化合物のそれぞれの測定データをグラフ化して表示するとともに各目的化合物を定量するために用いられる測定データ処理装置であって、a) 表示部と、b) 前記複数の目的化合物の測定データの入力を受け付ける測定データ入力受付部と、c) 前記複数の目的化合物のそれぞれの測定データに対して予め決められた処理を施すことにより定量値を算出して画面表示用数値データを作成する画面表示用数値データ作成部と、d) 前記複数の目的化合物の全てについて前記画面表示用数値データを作成した後に、前記複数の目的化合物のそれぞれの測定データに対して予め決められた処理を施すことにより画面表示用グラフデータを作成する画面表示用グラフデータ作成部と、e)使用者による操作に応じた形式で、前記画面表示用数値データ及び前記画面表示用グラフデータの一部又は全部を前記表示部に表示する表示処理部とを備えることを特徴とする測定データ処理装置。

請求項3

さらに、f) 前記複数の目的化合物のうち、前記画面表示用グラフデータが作成された目的化合物と前記画面表示用グラフデータが作成されていない目的化合物とを識別可能に表示するグラフデータ作成状況表示部を備えることを特徴とする請求項2に記載の測定データ処理装置。

請求項4

さらに、g)使用者による、前記画面表示用グラフデータが作成されていない目的化合物のうちの1乃至複数を優先処理する操作を受け付ける優先選択操作受付部を備え、前記画面表示用グラフデータ作成部が、該選択された目的化合物を優先して前記画面表示用グラフデータを作成することを特徴とする請求項3に記載の測定データ処理装置。

請求項5

複数の目的化合物のそれぞれの測定データをグラフ化して表示するとともに各目的化合物を定量するために用いられる測定データ処理用プログラムであって、表示部を有するコンピュータを、a) 前記複数の目的化合物の測定データの入力を受け付ける測定データ入力受付部と、b) 前記複数の目的化合物のそれぞれの測定データに対して予め決められた処理を施すことにより定量値を算出して画面表示用数値データを作成する画面表示用数値データ作成部と、c) 前記複数の目的化合物の全てについて前記画面表示用数値データを作成した後に、前記複数の目的化合物のそれぞれの測定データに対して予め決められた処理を施すことにより画面表示用グラフデータを作成する画面表示用グラフデータ作成部と、d)使用者による操作に応じた形式で、前記画面表示用数値データ及び前記画面表示用グラフデータの一部又は全部を前記表示部に表示する表示処理部ととして動作させることを特徴とする測定データ処理用プログラム。

技術分野

0001

本発明は、複数の目的化合物のそれぞれについて得られた測定データをグラフ化して表示するとともに各目的化合物を定量するために用いられる、測定データの処理技術に関する。

背景技術

0002

食品等の試料に含まれる農薬等の目的化合物を定量するために、例えば液体クロマトグラフ質量分析計を組み合わせてなる液体クロマトグラフ質量分析装置が用いられている。液体クロマトグラフ質量分析装置では、多重反応モニタリングMRM: Multiple Reaction Monitoring)測定を行うことにより試料に含まれる目的化合物が定量される(例えば特許文献1)。

0003

MRM測定では、予め目的化合物毎に、その目的化合物から生成される特徴的なプリカーサイオンと該プリカーサイオンの開裂により生成される特徴的なプロダクトイオンの組であるMRMトランジションを含むMRM測定条件を設定しておく。MRM測定時には、各目的化合物が液体クロマトグラフのカラムから流出する時間帯(保持時間)に、当該目的化合物毎について設定されたMRMトランジションを用いてプリカーサイオン及びプロダクトイオンを選別し、プロダクトイオンの強度を測定する。目的化合物毎に得られたマスクロマトグラムデータは試料毎に1つの測定データファイルにまとめられて保存される。

0004

従来、MRM測定により得られたマスクロマトグラムデータの解析には専用の解析ソフトウェアが用いられている。使用者が解析ソフトウェアを動作させて測定データファイルを開くと、解析ソフトウェアは、各目的化合物のマスクロマトグラムデータを読み込み、各マスクロマトグラムデータからマスクロマトグラムを作成して画像化処理画面を構成する、二次元配列された画素のそれぞれに割り当てる色を決定する等により画像データを作成)する。また、マスクロマトグラムデータに予め決められた処理を施すことにより各目的化合物の定量値を求める。予め決められた処理とは、例えば、解析ソフトウェアが当該目的化合物のマスクロマトグラムデータから、測定値の変化量が予め決められた閾値以上となる位置を始点とし、測定値の変化量が別の閾値未満となる位置を終点としてピーク部分を抽出し、該ピーク部分の面積値を求め、これをコンピュータメモリに予め保存された検量線情報と照合するといった処理である。解析ソフトウェアは、全ての目的化合物についてマスクロマトグラムの作成及び画像化と定量値の算出を終えると、それらをまとめて画面表示する。使用者は画面表示されたマスクロマトグラムの形状を確認して夾雑物が含まれていないことを確認したり、定量値に異常値が含まれていないかを確認したりするなどして解析作業を進めていく。

先行技術

0005

特開2017-020877号公報

発明が解決しようとする課題

0006

食品等の試料に含まれる農薬等の目的化合物の分析では、1試料について数百種類の目的化合物がMRM測定される場合がある。こうした測定の結果が保存された測定データファイルには数百種類の目的化合物のマスクロマトグラムデータが含まれており、これを解析ソフトウェアで読み込むと、全ての目的化合物のそれぞれについてマスクロマトグラムを作成及び画像化して定量値を算出するまでに要する時間が長くなる。解析ソフトウェアの中には、使用者が一部の目的化合物を選択すると、選択された目的化合物のマスクロマトグラムのみを画面に表示する機能(マスクロマトグラム表示の絞り込み機能)を有するものもあるが、その場合にも使用者による目的化合物の選択に先立ち、全ての目的化合物のマスクロマトグラムの作成及び画像化処理並びに定量値の算出が行われるため、これらの処理に要する時間は上記同様である。そのため、従来技術では、目的化合物のマスクロマトグラムの作成及び画像化処理と定量値の算出が完了し、それらが表示可能な状態になるまで使用者は解析作業を開始することができず、作業効率が悪いという問題があった。

0007

ここでは1つの試料に含まれる複数の目的化合物のMRM測定により目的化合物毎に得られたマスクロマトグラムデータを処理する場合を例に挙げたが、他の測定により得られた複数の目的化合物の測定データからグラフを作成して画像化処理するとともに各目的化合物を定量する解析を行う場合にも上記同様の問題があった。また、1つの試料に含まれる複数の目的化合物を測定することにより得られた測定データに限らず、目的化合物の一部又は全部が別の試料に含まれる場合の測定データについても上記同様の問題があった。

0008

本発明が解決しようとする課題は、複数の目的化合物のそれぞれの測定データから得られるグラフと定量値を用いた使用者の解析作業の効率を高めることができる測定データの処理技術を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

上記課題を解決するために成された本発明は、複数の目的化合物のそれぞれの測定データをグラフ化して表示するとともに各目的化合物を定量するために用いられる測定データ処理方法であって、
a) 前記複数の目的化合物のそれぞれの測定データに対して予め決められた処理を施すことにより定量値を算出して画面表示用数値データを作成し、
b) 前記複数の目的化合物の全てについて前記画面表示用数値データを作成した後に、前記複数の目的化合物のそれぞれの測定データに対して予め決められた処理を施すことにより画面表示用グラフデータを作成する
ことを特徴とする。

0010

前記画面表示用数値データの作成に係る予め決められた処理は、例えば前記測定データがマスクロマトグラムデータや分光スペクトルデータである場合には、該データからピーク部分を抽出してその面積値や高さを求めて予め用意された検量線情報と照合する処理と、それにより得られた定量値から画面表示用数値データを作成する処理である。また、例えば前記測定データがマススペクトルデータである場合には、該データに含まれる予め決められた質量電荷比マスピークの強度(高さ)を求めて予め用意された検量線情報と照合する処理と、それにより得られた定量値から画面表示用数値データを作成する処理である。
前記画面表示用グラフデータの作成に係る予め決められた処理は、例えば前記測定データがマスクロマトグラムデータである場合には、該測定データを構成する測定値のそれぞれを、時間と強度を二軸とする二次元座標上の点に対応付けていくことによりグラフを作成し、これを画像化する処理である。

0011

前記画面表示用数値データを作成する、また前記画面表示用グラフデータを作成する、とは、使用者による画面操作に応じて即時に画面に表示可能なデータを作成することを意味する。目的化合物が数種類であれば、使用者により設定された(解析ソフトウェアによりデフォルトで設定される場合も含む)表示領域内にそれらを全て1つの画面に表示することが可能であるが、目的化合物が数百種類にも及ぶ場合、それらの定量値の数値データとグラフ画像を表示領域内に表示しようとすると、それぞれの画像が非常に小さくなるため、使用者による画面スクロール操作によりこれらを順に表示させることが一般的である。そのため、前記画面表示用数値データや前記画面表示用グラフデータが画面表示されるか否かは画面表示に関する使用者の画面表示の設定や操作によって異なる。

0012

本発明に係る測定データ処理方法では、まず、複数の目的化合物の測定データから目的化合物毎に定量値を算出して画面表示用数値データを作成する。上述のとおり、作成された画面表示用数値データは、使用者による操作に応じた形式で画面表示される。また、その後に、複数の目的化合物のそれぞれの測定データに対して予め決められた処理を施すことにより画面表示用グラフデータを作成する。画面表示用数値データと同様に、上述のとおり、作成された画面表示用グラフデータも、使用者による操作に応じた形式で画面表示される。

0013

画面表示用数値データを作成する処理は、主として数値計算により行われるものであり、画面表示用グラフデータを作成する処理に比べて短時間で完了する。そのため、使用者は、すぐに各目的化合物の定量値を確認し、その中に異常値が含まれていないかを確認する等の解析作業を開始することができる。また、使用者が解析作業を行っている間に、測定データから作成された画面表示用グラフデータが適宜の形式で画面に表示されていく。そのため、従来よりも使用者の解析作業の効率を高めることができる。

0014

また、解析ソフトウェアでは、使用者の操作に応じてグラフを移動・回転したり、拡大/縮小表示したりする等の操作を行うことがあり、そのような機能性を併せ持つ画面表示用グラフデータの作成には、更に長時間を要する。こうした場合でも、本発明に係る測定データ処理方法を用いると使用者は効率よく解析作業を進めることができる。

0015

また、上記課題を解決するために成された本発明の別の態様は、複数の目的化合物のそれぞれの測定データをグラフ化して表示するとともに各目的化合物を定量するために用いられる測定データ処理装置であって、
a) 表示部と、
b) 前記複数の目的化合物の測定データの入力を受け付ける測定データ入力受付部と、
c) 前記複数の目的化合物のそれぞれの測定データに対して予め決められた処理を施すことにより定量値を算出して画面表示用数値データを作成する画面表示用数値データ作成部と、
d) 前記複数の目的化合物の全てについて前記画面表示用数値データを作成した後に、前記複数の目的化合物のそれぞれの測定データに対して予め決められた処理を施すことにより画面表示用グラフデータを作成する画面表示用グラフデータ作成部と、
e)使用者による操作に応じた形式で、前記画面表示用数値データ及び前記画面表示用グラフデータの一部又は全部を前記表示部に表示する表示処理部と
を備えることを特徴とする。

0016

さらに、上記課題を解決するために成された本発明のさらに別の態様は、複数の目的化合物のそれぞれの測定データをグラフ化して表示するとともに各目的化合物を定量するために用いられる測定データ処理用プログラムであって、
表示部を有するコンピュータを、
a) 前記複数の目的化合物の測定データの入力を受け付ける測定データ入力受付部と、
b) 前記複数の目的化合物のそれぞれの測定データに対して予め決められた処理を施すことにより定量値を算出して画面表示用数値データを作成する画面表示用数値データ作成部と、
c) 前記複数の目的化合物の全てについて前記画面表示用数値データを作成した後に、前記複数の目的化合物のそれぞれの測定データに対して予め決められた処理を施すことにより画面表示用グラフデータを作成する画面表示用グラフデータ作成部と、
d)使用者による操作に応じた形式で、前記画面表示用数値データ及び前記画面表示用グラフデータの一部又は全部を前記表示部に表示する表示処理部と
として動作させることを特徴とする。

発明の効果

0017

本発明に係る測定データ処理技術を用いることにより、複数の目的化合物の測定データから得られるグラフと定量値を用いた使用者の解析作業の効率を高めることができる。

図面の簡単な説明

0018

本発明に係る測定データ処理装置の一実施例を液体クロマトグラフ質量分析装置と組み合わせてなる液体クロマトグラフ質量分析システム概略構成を示す図。
化合物データベースの例。
本実施例の液体クロマトグラフ質量分析システムにおける試料の測定に関する手順を説明するフローチャート
本実施例の液体クロマトグラフ質量分析システムにおいて得られた試料の測定データの処理に係る手順を説明するフローチャートの前半。
本実施例の液体クロマトグラフ質量分析システムにおいて得られた試料の測定データの処理に係る手順を説明するフローチャートの後半。
本実施例の液体クロマトグラフ質量分析システムにおける画面表示用数値データの表示例。
本実施例の液体クロマトグラフ質量分析システムにおける画面表示用グラフデータの表示例。
本実施例の液体クロマトグラフ質量分析システムにおける別の画面表示例。

実施例

0019

本発明に係る測定データ処理方法及び装置並びに測定データ処理プログラムの一実施例について、以下、図面を参照して説明する。本実施例の測定データ処理方法及び装置並びに測定データ処理プログラムは、液体クロマトグラフ質量分析装置を用いた測定により取得したデータを収納した測定データファイルを処理するものである。

0020

図1に、本実施例の測定データ処理装置を液体クロマトグラフ質量分析装置と組み合わせてなる液体クロマトグラフ質量分析システムの概略構成を示す。本実施例の液体クロマトグラフ質量分析システムは、大別して、液体クロマトグラフ部1、質量分析部2、及びそれらの動作を制御する制御・処理部4から構成されており、制御・処理部4が本実施例の測定データ処理装置に相当する。本実施例では、制御・処理部4が液体クロマトグラフ質量装置を用いた試料の測定等の動作を制御する機能も併せ持つ構成としているが、これは本発明に必須の要件ではなく、液体クロマトグラフ質量分析装置と別体で測定データ処理装置を構成してもよい。

0021

液体クロマトグラフ部1は、移動相貯留された移動相容器10と、移動相を吸引して一定流量で送給するポンプ11と、移動相中に所定量の試料液注入するインジェクタ12と、試料液に含まれる各種化合物を時間方向に分離するカラム13とを備えている。また、液体クロマトグラフ部1には、インジェクタ12に複数の液体試料を所定の順番及びタイミングで1つずつ導入するオートサンプラ14が接続されている。

0022

質量分析部2は、略大気圧であるイオン化室20と真空ポンプ(図示なし)により真空排気された高真空分析室23との間に、段階的に真空度が高められた第1中間真空室21と第2中間真空室22を備えた多段差動排気系の構成を有している。イオン化室20には、試料溶液電荷を付与しながら噴霧するエレクトロスプレイイオン化ESI: ElectroSpray Ionization)プローブ201が設置されている。イオン化室20と第1中間真空室21との間は細径の加熱キャピラリ202を通して連通している。第1中間真空室21と第2中間真空室22との間は頂部に小孔を有するスキマー212で隔てられ、第1中間真空室21と第2中間真空室22にはそれぞれ、イオン収束させつつ後段輸送するための第1イオンガイド211、第2イオンガイド221が設置されている。分析室23には、多重極イオンガイド(q2)233が内部に設置されたコリジョンセル232を挟み、その前段側にはイオンを質量電荷比に応じて分離する前段四重極マスフィルタ(Q1)231が設置されており、後段側には、同じくイオンを質量電荷比に応じて分離する後段四重極マスフィルタ(Q3)234及びイオン検出器235が設置されている。コリジョンセル232の内部には、測定条件に合わせてアルゴン窒素ガスなどの衝突誘起解離CID: Collision-induced dissociation)ガスが適宜に供給される。

0023

質量分析部2では、選択イオンモニタリングSIM: Selected Ion Monitoring)測定、MS/MSスキャン測定(プロダクトイオンスキャン測定)、多重反応モニタリング(MRM: Multiple Reaction Monitoring)測定等を行うことができる。SIM測定では、前段四重極マスフィルタ(Q1)231ではイオンを選別せず(マスフィルタとして機能させず)、後段四重極マスフィルタ(Q3)234を通過させるイオンの質量電荷比を固定してイオンを検出する。

0024

一方、MS/MSスキャン測定及びMRM測定では、前段四重極マスフィルタ(Q1)231及び後段四重極マスフィルタ(Q3)234の両方をマスフィルタとして機能させる。前段四重極マスフィルタ(Q1)231ではプリカーサイオンとして設定された質量電荷比のイオンのみを通過させる。また、コリジョンセル232の内部にCIDガスを供給し、プリカーサイオンを開裂させてプロダクトイオンを生成する。MS/MSスキャン測定では後段四重極マスフィルタ(Q3)234を通過させるイオンの質量電荷比を走査しつつ、MRM測定では後段四重極マスフィルタ(Q3)234を通過させるイオンの質量電荷比を固定して、プロダクトイオンを検出する。なお、本実施例ではMRM測定を行うことにより取得される複数の目的化合物のそれぞれについてマスクロマトグラムデータを用いて各目的化合物を定量するため、以降はMRM測定に関する事項についてのみ説明する。

0025

制御・処理部4は、記憶部41を有するとともに、機能ブロックとして、測定制御部42、測定データ入力受付部43、画面表示用数値データ作成部44、選択操作受付部45、画面表示用グラフデータ作成部46、グラフデータ作成状況表示部47、及び表示処理部48を備えている。制御・処理部4の実体パーソナルコンピュータであり、該コンピュータに予めインストールされた液体クロマトグラフ質量分析用プログラムを実行することによりパーソナルコンピュータのCPUが上記各部として機能する。また、制御・処理部4には、入力部6、表示部7が接続されている。記憶部41には、化合物データベース411、メソッドファイル記憶部412、及び測定データファイル記憶部413が設けられている。

0026

化合物データベース411には、各種化合物の分子構造情報、MRM測定条件、検量線情報などが保存されている。MRM測定条件は、図2に示すように、化合物名、分類、定量MRMトランジション、及び確認MRMトランジションを含む情報を関連づけたものである。メソッドファイル記憶部412には、標準的なMRM測定に対応したメソッドファイル(標準メソッドファイル)が保存されている。標準メソッドファイルは、例えば、食品に含まれる農薬の定量測定等、試料の特性等に応じて作成されており、それぞれに分類名が付されるとともに、当該測定において対象とする目的化合物の情報が含まれている。

0027

次に、図3のフローチャートを参照し、本実施例の液体クロマトグラフ質量分析システムを用いた測定について説明する。

0028

使用者は、試料に含まれる目的化合物の測定にあたり、メソッドファイル記憶部412に保存された複数の標準メソッドファイルの中から1つを選択する(ステップS1)。使用者により標準メソッドファイルが選択されると、測定制御部42は、選択された標準メソッドファイルに含まれる化合物に対応するMRM測定条件を化合物データベース411から読み出し表示部7に表示する。使用者は、表示された化合物のリストを確認し、対象の目的化合物と一致しているか否かを確認する(ステップS2)。対象外の化合物が含まれている場合は、表示された化合物リストからこれを削除し、対象の目的化合物が含まれていない場合は化合物データベース411からその化合物を読み出しメソッドファイルに追加する。使用者が測定に使用するメソッドファイルを確定させると、メソッドファイル記憶部412に保存される(ステップS3)。

0029

使用者がオートサンプラ14に試料をセットして測定開始を指示すると、制御・処理部4は、メソッドファイル記憶部412に保存されたメソッドファイルを読み出し、そこに記載された測定条件に従ってMRM測定を実行する(ステップS4)。即ち、オートサンプラ14に試料を導入し、試料に含まれる各目的化合物がカラム13から質量分析部2に流入する時間帯(保持時間)に、定量MRMトランジションと確認MRMトランジションを用いてプロダクトイオンを検出し、その強度を測定する。測定により得られたデータは順次、記憶部41に保存される。

0030

メソッドファイルに記載されたMRM測定が全て終了すると、各目的化合物の測定データは1つの測定データファイルにまとめられ、測定に使用したメソッドファイルと対応付けられて測定データファイル記憶部413に保存される(ステップS5)。

0031

次に、図4及び5のフローチャートを参照し、測定データを処理する動作について説明する。以降の各ステップが、本発明の測定データ処理方法に対応する。

0032

使用者が入力部6を通じた操作により測定データ処理の開始を指示すると、測定データ入力受付部43は、測定データファイル一覧画面を表示し、使用者に選択を促す。使用者が測定データファイルの1つを選択するとその測定データファイルに記載されている複数の目的化合物のマスクロマトグラムデータ(本発明の測定データに相当)を、そのマスクロマトグラムデータの取得時に使用したメソッドファイルとともに読み込み(ステップS11)、そのメソッドファイルの内容を表示部7に表示する。なお、ステップS11において、測定データ入力受付部43は、メソッドファイルを使用者に選択させ、そのメソッドファイルを用いて取得された測定データファイルを開くようにしても良い。

0033

次に、画面表示用数値データ作成部44は、変数Aを1とし(ステップS12)、メソッドファイルに記載されている目的化合物の数(N)を確認する。そして、メソッドファイルのA番目初回はA=1)に記載されている目的化合物の測定データのうち、定量MRMトランジションに対応するマスクロマトグラムデータを読み出し、マスクロマトグラムデータからベースラインを差し引く処理を行い、更に必要な場合にはベースラインの傾きを補正する等の処理を行う。これらの処理には従来知られた適宜の技術を用いればよい。これらの操作を行った後、マスクロマトグラムのピーク部分を確定させ、その面積値を求める。そして、その面積値を検量線情報と照合して定量値を算出する(ステップS13)。ここでは検量線情報との照合により定量値を算出するが、検量線情報に代えて、面積値と定量値の関係を表す数式を用いたり、面積値と定量値を対応付けたテーブルと照合したりするような構成を採ることもできる。

0034

1つの目的化合物の定量値を求めると、Aに1を加算し(ステップS14)、AがNよりも大きいか否かを判定する(ステップS15)。AがN以下である場合は(ステップS15でNO)、定量値を算出していない目的化合物が残っているため、ステップS13に戻って上記同様の処理を行いA番目の目的化合物の定量値を求め、再びステップS14及びステップS15の処理を繰り返す。

0035

一方、AがNよりも大きい場合は(ステップS15でYES)、全ての目的化合物の定量値の算出を終了したと判断し、算出した各目的化合物の定量値を表示部7に表示するための画面表示用定量値データ(本発明の画面表示用数値データに相当)を作成する(ステップS16)。

0036

ステップS16において作成された画面表示用定量値データは、使用者による操作に応じた形式で表示される(ステップS17)。具体的には、表示処理部48が、使用者が設定した定量値表示領域の大きさ(使用者が何も操作しない場合はソフトウェアにより初期設定された定量値表示領域の大きさ)と、所定の大きさで全ての目的化合物の定量値を表示した場合に必要な表示領域の大きさのいずれが大きいかを判定し、前者の方が大きい(即ち全ての目的化合物の定量値をを表示可能)と判定した場合には、図6(a)に示すように、それら全てをメソッドファイルの横に並べて一度に表示する。

0037

一方、表示処理部48が、後者の方が大きい(即ち、目的化合物の数が多く、使用者により設定された定量値表示領域に全ての定量値を表示することができない)と判定した場合には、図6(b)に示すように、表示可能な数の目的化合物の定量値のみをメソッドファイルの横に並べて表示部7に表示するとともにその横にスクロールバーを配置し、表示されたもの以外の目的化合物の定量値は、使用者によるスクロールバーの操作に応じて表示する。

0038

画面表示用数値データ作成部44により全ての目的化合物について定量値を表す画面表示用定量値データが作成され、表示処理部48による、使用者の画面操作に応じた画面表示用定量値データの表示を完了すると、選択操作受付部45はその表示の横に、使用者が画面表示用グラフデータの作成の要/不要や優先度を入力するための欄を追加する。なお、本実施例の選択操作受付部45は、本発明に係る除外選択操作受付部と優先選択操作受付部の両方に相当する構成要素である。

0039

続いて、画面表示用グラフデータ作成部46は、変数Aを1に戻す(ステップS18)。そして、メソッドファイルのA番目(初回はA=1)に記載されている目的化合物のマスクロマトグラムデータを元に、画面表示用マスクロマトグラムデータ(画面表示用グラフデータ)を作成する(ステップS19)。本実施例では、定量MRMトランジションと確認MRMトランジションの2つのトランジションを用いた測定が行われ、各目的化合物について2つのマスクロマトグラムデータが得られているため、それぞれに対応する画面表示用マスクロマトグラムデータが作成される。

0040

初回のマスクロマトグラムデータ作成時には、表示部7のマスクロマトグラム表示領域には何も表示されておらず十分なスペースがあるため、作成した画面表示用マスクロマトグラムデータは、表示処理部48によってそのまま表示部7に表示される(ステップS20)。図7は画面表示用マスクロマトグラムデータの表示の一例(後述のステップを経て化合物A、B、Eについて画面表示用マスクロマトグラムデータが作成及び表示された状態)であり、定量MRMトランジションに対応するマスクロマトグラムが実線で、確認MRMトランジションに対応するマスクロマトグラムが破線重畳表示されている。使用者は、例えば両者のピーク形状を比較し、定量MRMトランジションと確認MRMトランジションのそれぞれに対応するマスクロマトグラムのピーク形状の一致度強度比などから、目的化合物の定量値の妥当性を判断することができる。

0041

具体的には、化合物A及びEについては定量MRMトランジションと確認MRMトランジションから作成されたマスクロマトグラムのピーク形状が同じである(相似形である)ため、夾雑物の影響を受けておらず定量値も妥当であると判断することができる。一方、化合物Bについては、定量MRMトランジションのマスクロマトグラムのピークが非対称であり、また確認MRMトランジションのマスクロマトグラムのピーク形状と異なっていることから、夾雑物の影響を受けている可能性があり、マスクロマトグラムのピークをピーク分離する等の処理を行うとともに、そうした処理を行った上で定量値を求める必要があると判断することができる。

0042

グラフデータ作成状況表示部47は、また、画面表示用マスクロマトグラムデータが作成された目的化合物の「優先」及び「除外」欄の背景色を変更し、またチェックボックス消去する。図6の例では、化合物A及びBの画面表示用マスクロマトグラムデータが作成され、「優先」及び「除外」欄の背景色が変更されている。これにより、使用者は画面表示用マスクロマトグラムデータがどの目的化合物まで作成されているか、即ち画面表示用マスクロマトグラムデータの作成状況を確認することができる。グラフデータ作成状況表示部47はこうした表示形態のほか、別の表示領域に、画面表示用マスクロマトグラムデータの作成処理を行っている目的化合物の番号を表示する等により、その進行状況を表示するなど、種々の表示形態を採ることができる。なお、使用者が「除外」チェックボックスにチェックを入力した化合物については、背景色は変更されない。

0043

画面表示用マスクロマトグラムデータの作成及び表示処理の間に、使用者は先に表示されている各目的化合物の定量値を確認し、詳細な解析作業の要/不要を判断することができる。そして、例えば定量値が予め決められた値未満である目的化合物についてはマスクロマトグラムを確認する必要がないという判断を下すことができる。そうした判断を下した場合には、定量値とともに表示されている「除外」チェックボックスをクリックし、その目的化合物については画面表示用マスクロマトグラムデータの作成対象から除外する。本実施例では、定量値が1.0mg/L未満である化合物Cについて「除外」チェックボックスをクリックし、画面表示用マスクロマトグラムデータの作成対象から除外している。

0044

使用者が、注目する目的化合物のマスクロマトグラムを先に確認したい場合は、その目的化合物の「優先」チェックボックスをクリックし、その目的化合物について画面表示用マスクロマトグラムデータを優先的に作成させる。選択操作受付部45は、「優先」と「除外」のうちの一方のチェックボックスが使用者により選択された場合は、他方のチェックボックスの背景色を変更して入力不可とする。

0045

画面表示用グラフデータ作成部46は、最初の目的化合物の画面表示用マスクロマトグラムデータを表示部7に表示した後、その処理の間に「優先」チェックボックスに使用者からの入力があったかを確認する(ステップS21)。使用者から「優先」チェックボックスに入力があった場合には(ステップS21でYES)、その化合物の画面表示用マスクロマトグラムデータを作成し(ステップS22)、表示する(ステップS23)。本実施例では、化合物Eについて「優先」チェックボックスがクリックされ、化合物Dよりも先に画面表示用マスクロマトグラムデータが作成されるようなっているため、図7に示すように、化合物A及びBの次に化合物Eの画面表示用マスクロマトグラムデータが作成され表示されている。

0046

画面表示用マスクロマトグラムデータの作成及び表示を終えると、その目的化合物について重複した処理を行わないよう、除外処理(即ち、使用者により「除外」チェックボックスがクリックされたときと同様に処理)する。ただし、「優先」及び「除外」欄については、画面表示用マスクロマトグラムデータの作成及び表示を終えた目的化合物と同様に、背景色を変更してチェックボックスを消去する(ステップS24)。なお、ステップS21において使用者により複数の目的化合物に対して「優先」チェックボックスへの入力があった場合には、それらの目的化合物について、化合物毎に画面表示用マスクロマトグラムデータの作成(ステップS22)と表示(ステップS23)を行ったあと、ステップS24に進み、それらの除外処理を行う。

0047

作成した画面表示用マスクロマトグラムが表示部7に表示されるか否かは、上述した定量値の画面表示と同様に、使用者により設定された表示領域に所定の大きさによって異なる。即ち、多数の目的化合物についてマスクロマトグラムが作成されている場合には、使用者により画面のスクロールがなされた場合に即時にマスクロマトグラムを表示できるように画面表示用マスクロマトグラムデータが表示される。

0048

その後、画面表示用グラフデータ作成部46は、ステップS21に戻り、上記同様の処理を繰り返す。ステップS21において、使用者による「優先」チェックボックスへの入力がなかった場合(ステップS21でNO)は、Aに1を加算し(ステップS25)する。そして加算後のAに対応する目的化合物について、使用者による「除外」チェックボックスへの入力があったかを確認する。使用者による「除外」チェックボックスへの入力があった場合(ステップS26でYES)、ステップS25に戻る。使用者による「除外」ボックスへの入力がない場合には、AがNよりも大きいか否かを判定する(ステップS27)。

0049

AがN以下である場合は(ステップS27でNO)、画面表示用マスクロマトグラムデータを作成していない目的化合物が残っているため、ステップS19に戻って上記同様の処理を行いA番目の目的化合物の画面表示用マスクロマトグラムデータを作成(及び表示)する処理を繰り返す。

0050

一方、AがNよりも大きい場合は(ステップS27でYES)、全ての目的化合物の画面表示用マスクロマトグラムデータの作成(及び表示)が完了したと判断し、一連の処理を終了する。

0051

本実施例のデータ処理方法及び装置並びにプログラムでは、マスクロマトグラムの画面表示に先立ち各目的化合物の定量値が画面表示されるため、使用者はどの目的化合物について詳細な解析作業を行う必要があるか等を検討することができる。例えば、定量値がほぼ0である目的化合物は試料に含まれていなかったと考えられるため、当該目的化合物については詳細な解析作業は不要であると判断することができる。また、画面表示用数値データ作成部44により作成(及び表示)された定量値が事前予想される範囲から大きく外れた異常値となっている場合には、定量値を算出する過程で画面表示用数値データ作成部44が抽出したピークの形状に問題があった可能性があると考えられることから、その目的化合物のマスクロマトグラムのピーク形状を確認する必要があると判断することができる。

0052

なお、本発明は、時間を要する、画面表示用グラフデータ(実施例では画面表示用マスクロマトグラムデータ)の作成及び表示処理に先立ち、画面表示用数値データ(実施例では画面表示用定量値データ)を作成及び表示するという点に特徴を有する。このような順序で処理を行うことにより、使用者は画面表示用グラフデータの作成及び表示を待つことなく、各目的化合物の定量値を確認し、その後の解析作業の進め方を検討することができる。また、画面表示用グラフデータの作成及び表示についても、これを目的化合物単位で行うため、作成されたものから順にグラフ(実施例ではマスクロマトグラム等)を確認することができ、従来よりも作業効率が高くなる。なお、本発明に必須の工程及び構成要素は、上記技術的思想具現化に必要なもののみであり、上記実施例で説明した工程及び構成要素の一部(「除外」や「優先」チェックボックスの使用や、メソッドファイルの画面表示等)は好ましい形態であって必須のものではない。

0053

上記実施例は一例であって、本発明の趣旨に沿って適宜に変更することができる。上記実施例では1つの試料に含まれる複数の目的化合物をMRM測定することにより得られたマスクロマトグラムデータを処理する場合(即ち1つの測定データファイルのみを処理する場合)を例に説明したが、複数の試料のそれぞれに含まれる複数の目的化合物をMRM測定することにより得られたマスクロマトグラムデータを処理する(即ち複数の測定データファイルを一度に処理する)こともできる。そのような処理を行った場合の画面表示の一例を図8に示す。

0054

図8に示す例では、表示部7の画面の左上部に試料一覧(即ち測定データファイル一覧)が表示される。この例では多数の測定データファイルを取り扱うため、スクロール表示形式となっている。また、画面の右上部には、試料一覧で選択された1つの試料について測定した目的化合物の定量値及びメソッドファイルの一覧が示されている。この試料では対象とする目的化合物の数が少ないため、その全てが表示されている。

0055

画面の左下部はマスクロマトグラム表示領域となっており、2つの目的化合物のマスクロマトグラムが表示されている。右上欄では4つの目的化合物が選択されているが、マスクロマトグラム表示領域に表示可能なマスクロマトグラムの数が2つであることから、残りのマスクロマトグラムはスクロール操作により表示される。さらに、画面の右下部には、使用者により選択されたマスクロマトグラムに対応する目的化合物の検量線情報がグラフ表示され、実測値検量線のどの位置にあたるかがグラフに重畳表示されている。

0056

上記の実施例はいずれも、液体クロマトグラフ質量分析システムで取得されたマスクロマトグラムデータに基づき画面表示用定量値データと画面表示用マスクロマトグラムデータを作成及び表示するものであるが、本発明に係る測定データ処理方法及び装置並びにプログラムは、他の分析装置で取得された測定データの処理に用いることもできる。例えば、測定データが分光スペクトルデータである場合には、画面表示用数値データ作成部は、該データからピーク部分を抽出してその面積値や高さを求め、その面積値を予め用意された検量線情報と照合し、これに基づき画面表示用定量値データを作成及び表示する。画面表示用グラフデータ作成部は、例えば縦軸吸光度横軸波長とする画面表示用二次元スペクトルデータを作成及び表示する。また、測定データがマススペクトルデータである場合には、マスピークの強度から定量値を求めて画面表示用数値データを作成及び表示し、画面表示用グラフデータ作成部は、縦軸を強度、横軸を質量電荷比とする画面表示用マススペクトルデータを作成及び表示する。

0057

1…液体クロマトグラフ部
2…質量分析部
4…制御・処理部
41…記憶部
411…化合物データベース
412…メソッドファイル記憶部
413…測定データファイル記憶部
42…測定制御部
43…測定データ入力受付部
44…画面表示用数値データ作成部
45…選択操作受付部
46…画面表示用グラフデータ作成部
47…グラフデータ作成状況表示部
48…表示処理部
6…入力部
7…表示部

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