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技術 摩擦部材およびブレーキパッド

出願人 株式会社シマノ
発明者 岩井亨樫本祥和
出願日 2018年2月27日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-033756
公開日 2019年9月5日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-148304
状態 未査定
技術分野 ブレーキ装置 抗スリップ物質
主要キーワード 摩擦物 しんちゅう 摩擦面積 形状的特徴 ロードバイク グロー放電発光分析装置 ディスクブレーキロータ 結束性
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重要な関連分野

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図面 (5)

課題

高い耐摩耗性を有する摩擦部材およびブレーキパッドを提供する。

解決手段

摩擦部材は、回転体と接する摩擦面を有する摩擦部材であって、亜鉛繊維を含み、前記摩擦面の面積は、150mm2以上600mm2以下である。

概要

背景

特許文献1は、自動車等に用いられるディスクブレーキパッド摩擦材組成物を開示する。特許文献1に記載の摩擦材組成物は、銅ファイバー亜鉛ファイバー、および、しんちゅうファイバー、の一種または二種以上を含む。この摩擦材組成物は、制動時に発生する異音を抑制する。一方、自転車用のディスクブレーキパッドの摩擦材組成物として、黄銅繊維を用いることが知られている。

概要

高い耐摩耗性を有する摩擦部材およびブレーキパッドを提供する。摩擦部材は、回転体と接する摩擦面を有する摩擦部材であって、亜鉛繊維を含み、前記摩擦面の面積は、150mm2以上600mm2以下である。

目的

本発明の目的は、高い耐摩耗性を有する摩擦部材およびブレーキパッドを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

回転体と接する摩擦面を有する摩擦部材であって、亜鉛繊維を含み、前記摩擦面の面積は、150mm2以上600mm2以下である摩擦部材。

請求項2

前記摩擦面に対して平行な前記第1方向における前記摩擦面の第1寸法は、15mm以上30mm以下である請求項1に記載の摩擦部材。

請求項3

前記摩擦面に対して平行かつ前記第1方向に対して垂直な第2方向における前記摩擦面の第2寸法は、10mm以上20mm以下である請求項2に記載の摩擦部材。

請求項4

回転体と接する摩擦面を有する摩擦部材であって、亜鉛繊維を含み、前記摩擦面に対して平行な第1方向における前記摩擦面の第1寸法は、15mm以上30mm以下であり、前記摩擦面に対して平行かつ前記第1方向に対して垂直な第2方向における前記摩擦面の第2寸法は、10mm以上20mm以下である摩擦部材。

請求項5

前記第2寸法は、前記第1寸法よりも小さい請求項3または4に記載の摩擦部材。

請求項6

前記第1方向に凹凸を形成するように湾曲する請求項2〜5のいずれか一項に記載の摩擦部材。

請求項7

前記摩擦面に対して垂直な第3方向における前記摩擦部材の寸法は、1.5mm以上5mm以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載の摩擦部材。

請求項8

結合剤をさらに含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の摩擦部材。

請求項9

摩擦調整剤をさらに含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の摩擦部材。

請求項10

研削剤をさらに含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の摩擦部材。

請求項11

補強剤をさらに含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の摩擦部材。

請求項12

体積調整剤をさらに含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の摩擦部材。

請求項13

さび付着防止剤をさらに含む請求項1〜12のいずれか一項に記載の摩擦部材。

請求項14

摺接低減剤をさらに含む請求項1〜13のいずれか一項に記載の摩擦部材。

請求項15

前記亜鉛繊維の平均径は、40μm以上140μm以下である請求項1〜14のいずれか一項に記載の摩擦部材。

請求項16

前記亜鉛繊維の平均長は、0.8mm以上2.8mm以下である請求項1〜15のいずれか一項に記載の摩擦部材。

請求項17

前記摩擦部材における前記亜鉛繊維の質量比率は、15%以上40%以下である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の摩擦部材。

請求項18

前記摩擦部材における前記亜鉛繊維の体積比率は、5%以上30%以下である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の摩擦部材。

請求項19

請求項1〜18のいずれか一項に記載の摩擦部材と、前記摩擦部材を支持するバックプレートと、を含むブレーキパッド

請求項20

前記摩擦部材は、前記バックプレートに接着される請求項19に記載のブレーキパッド。

請求項21

前記バックプレートは、鉄合金チタンチタン合金、及びアルミニウム合金のいずれかによって形成される請求項19または20に記載のブレーキパッド。

請求項22

前記バックプレートは、前記摩擦部材を支持する支持部と、放熱構造を有する放熱部とを含む請求項19〜21のいずれか一項に記載のブレーキパッド。

請求項23

前記放熱構造は、フィンを含む請求項22に記載のブレーキパッド。

技術分野

0001

本発明は、摩擦部材およびブレーキパッドに関する。

背景技術

0002

特許文献1は、自動車等に用いられるディスクブレーキパッド摩擦材組成物を開示する。特許文献1に記載の摩擦材組成物は、銅ファイバー亜鉛ファイバー、および、しんちゅうファイバー、の一種または二種以上を含む。この摩擦材組成物は、制動時に発生する異音を抑制する。一方、自転車用のディスクブレーキパッドの摩擦材組成物として、黄銅繊維を用いることが知られている。

先行技術

0003

特開昭59−64687号公報

発明が解決しようとする課題

0004

本発明の目的は、高い耐摩耗性を有する摩擦部材およびブレーキパッドを提供することである。

課題を解決するための手段

0005

本発明の第1側面に従う摩擦部材は、回転体と接する摩擦面を有する摩擦部材であって、亜鉛繊維を含み、前記摩擦面の面積は、150mm2以上600mm2以下である。
前記第1側面の摩擦部材によれば、摩擦剤として主として黄銅繊維を含む摩擦部材に比べて、耐摩耗性を向上できる。

0006

前記第1側面に従う第2側面の摩擦部材において、前記摩擦面に対して平行な前記第1方向における前記摩擦面の第1寸法は、15mm以上30mm以下である。
前記第2側面の摩擦部材によれば、第1寸法が15mm以上に設定されることによって制動性を維持しつつ、第1寸法が30mm以下に設定されることによってコンパクトに構成できる。

0007

前記第2側面に従う第3側面の摩擦部材において、前記摩擦面に対して平行かつ前記第1方向に対して垂直な第2方向における前記摩擦面の第2寸法は、10mm以上20mm以下である。
前記第3側面の摩擦部材によれば、第2寸法が10mm以上に設定されることによって制動性を維持しつつ、第2寸法が20mm以下に設定されることによってコンパクトに構成できる。

0008

本発明の第4側面に従う摩擦部材は、回転体と接する摩擦面を有する摩擦部材であって、亜鉛繊維を含み、前記摩擦面に対して平行な第1方向における前記摩擦面の第1寸法は、15mm以上30mm以下であり、前記摩擦面に対して平行かつ前記第1方向に対して垂直な第2方向における前記摩擦面の第2寸法は、10mm以上20mm以下である。
前記第4側面の摩擦部材によれば、第1寸法が15mm以上かつ第2寸法が10mm以上に設定されることによって制動性を維持しつつ、第1寸法が30mm以下かつ第2寸法が20mm以下に設定されることによってコンパクトに構成できる。

0009

前記第3または第4側面に従う第5側面の摩擦部材において、前記第2寸法は、前記第1寸法よりも小さい。
前記第5側面の摩擦部材によれば、回転体の回転方向に沿って第1寸法を大きくすることによって、回転体に好適に接触できる。

0010

前記第2〜第5側面のいずれか1つに従う第6側面の摩擦部材において、前記第1方向に凹凸を形成するように湾曲する。
前記第6側面の摩擦部材によれば、回転体の回転方向に沿って摩擦面を配置でき、制動性を向上できる。

0011

前記第1〜第6側面のいずれか1つに従う第7側面の摩擦部材において、前記摩擦面に対して垂直な第3方向における前記摩擦部材の寸法は、1.5mm以上5mm以下である。
前記第7側面の摩擦部材によれば、第3寸法が1.5mm以上に設定されることによって強度を確保しつつ、第3寸法が5mm以下に設定されることによってコンパクトに構成できる。

0012

前記第1〜第7側面のいずれか1つに従う第8側面の摩擦部材において、結合剤をさらに含む。
前記第8側面の摩擦部材によれば、好適な強度が得られる。

0013

前記第1〜第8側面のいずれか1つに従う第9側面の摩擦部材において、摩擦調整剤をさらに含む。
前記第9側面の摩擦部材によれば、回転体に対する摩擦力を好適に調整できる。

0014

前記第1〜第9側面のいずれか1つに従う第10側面の摩擦部材において、研削剤をさらに含む。
前記第10側面の摩擦部材によれば、制動性を向上できる。

0015

前記第1〜第10側面のいずれか1つに従う第11側面の摩擦部材において、補強剤をさらに含む。
前記第11側面の摩擦部材によれば、形状を好適に保持できる。

0016

前記第1〜第11側面のいずれか1つに従う第12側面の摩擦部材において、体積調整剤をさらに含む。
前記第12側面の摩擦部材によれば、好適な体積が得られる。

0017

前記第1〜第12側面のいずれか1つに従う第13側面の摩擦部材において、さび付着防止剤をさらに含む。
前記第13側面の摩擦部材によれば、さびの付着を抑制できる。

0018

前記第1〜第13側面のいずれか1つに従う第14側面の摩擦部材において、摺接低減剤をさらに含む。
前記第14側面の摩擦部材によれば、摩擦部材と回転体との摺動において発生する音を低減できる。

0019

前記第1〜第14側面のいずれか1つに従う第15側面の摩擦部材において、前記亜鉛繊維の平均径は、40μm以上140μm以下である。
前記第15側面の摩擦部材によれば、回転体と摩擦部材との間に好適な摩擦力を発生できる。

0020

前記第1〜第15側面のいずれか1つに従う第16側面の摩擦部材において、前記亜鉛繊維の平均長は、0.8mm以上2.8mm以下である。
前記第16側面の摩擦部材によれば、亜鉛繊維の平均長が0.8mm以上に設定されることによって回転体と摩擦部材との間に好適な摩擦力を発生させつつ、亜鉛繊維の平均長が2.8mm以下に設定されることによって成形性を向上できる。

0021

前記第1〜第16側面のいずれか1つに従う第17側面の摩擦部材において、前記摩擦部材における前記亜鉛繊維の質量比率は、15%以上40%以下である。
前記第17側面の摩擦部材によれば、回転体と摩擦部材との間に好適な摩擦力を発生できる。

0022

前記第1〜第17側面のいずれか1つに従う第18側面の摩擦部材において、前記摩擦部材における前記亜鉛繊維の体積比率は、5%以上30%以下である。
前記第18側面の摩擦部材によれば、回転体と摩擦部材との間に好適な摩擦力を発生できる。

0023

第19側面のブレーキパッドは、前記第1〜第18側面のいずれか1つに従う摩擦部材と、前記摩擦部材を支持するバックプレートと、を含む。
前記第19側面のブレーキパッドによれば、自転車ブレーキキャリパに容易に取付できる。

0024

前記第19側面に従う第20側面のブレーキパッドにおいて、前記摩擦部材は、前記バックプレートに接着される。
前記第20側面のブレーキパッドによれば、摩擦部材をバックプレートに容易に結合できる。

0025

前記第19または第20側面に従う第21側面のブレーキパッドにおいて、前記バックプレートは、鉄合金チタンチタン合金、及びアルミニウム合金のいずれかによって形成される。
前記第21側面のブレーキパッドによれば、高い剛性が得られる。

0026

前記第19〜第21側面のいずれか1つに従う第22側面のブレーキパッドにおいて、前記バックプレートは、前記摩擦部材を支持する支持部と、放熱構造を有する放熱部とを含む。
前記第22側面のブレーキパッドによれば、制動時の発熱を抑制できる。

0027

前記第22に従う第23側面のブレーキパッドにおいて、前記放熱構造は、フィンを含む。
前記第23側面のブレーキパッドによれば、放熱構造が簡潔であるため、容易に製造できる。

発明の効果

0028

本発明の摩擦部材およびブレーキパッドは、耐摩耗性を向上できる。

図面の簡単な説明

0029

ブレーキパッドの平面図。
ブレーキパッドの側面図。
ブレーキパッドの変形例の斜視図。
図3視点と別の視点からみたブレーキパッドの変形例の斜視図。

実施例

0030

(実施形態)
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態のブレーキパッド10について説明する。
ブレーキパッド10は、例えば、人力駆動車に取り付けられる。ここで、人力駆動車は、走行のための原動力に関して、少なくとも部分的に人力を用いる車両を意味し、電動で人力を補助する車両を含む。人力以外の原動力のみを用いる車両は、人力駆動車には含まれない。特に、内燃機関のみを原動力に用いる車両は、人力駆動車には含まれない。通常、人力駆動車には、小型軽車両が想定され、公道での運転免許を要しない車両が想定される。人力駆動車は、人力のみで推進する自転車、電気エネルギーを用いて人力を補助する自転車(e−bike)、電気エネルギーのみを用いて推進する一輪車二輪車三輪車を含む。ブレーキパッド10は、車輪回転軸に取り付けられて、車輪と同期して回転する回転体を制動する。回転体は、一例として、ディスクブレーキロータを含む。ブレーキパッド10は、回転体の回転中心軸線に交差する少なくとも一方の面である制動面に接触する摩擦面12A(後述参照)を有する。ブレーキパッド10は、ブレーキパッド10の摩擦面12Aと、回転体の制動面との接触により、回転体の回転速度を低下させる。なお、実施形態における「回転体」は、ディスクブレーキロータ(不図示)を意味する。

0031

図1に示されるように、ブレーキパッド10は、摩擦部材12と、摩擦部材12を支持するバックプレート14と、を含む。ブレーキパッド10において、摩擦部材12は、バックプレート14に接着される。例えば、摩擦部材12は、熱圧着によってバックプレート14に接着される。また、摩擦部材12は、接着材によってバックプレート14に接着される。

0032

バックプレート14は、摩擦部材12を支持する支持部16と、支持部16から延びてブレーキキャリパに連結され連結部18とを含む。支持部16は、バックプレート14が人力駆動車のブレーキキャリパに取り付けられた状態で、回転体対向する第1面16Aと、第1面16Aとは反対側の第2面16Bを有する。摩擦部材12は、第1面16Aに接着される。好ましくは、第1面16Aは、後述の摩擦面12Aに平行である。連結部18は、貫通孔18Aを有する。貫通孔18Aにブレーキキャリパ(不図示)のピンを通すことによって、ブレーキパッド10がブレーキキャリパに取り付けられる。バックプレート14は、鉄合金、チタン、チタン合金、及びアルミニウム合金のいずれかによって形成される。好ましくは、バックプレート14の支持部16において、第1面16Aに垂直な方向における寸法L1は、摩擦部材12の摩擦面12Aに対して垂直な第3方向D3における摩擦部材12の寸法L2よりも小さい(図2参照)。好ましくは、摩擦部材12において、摩擦面12Aに対して垂直な第3方向D3における摩擦部材12の寸法L2は、1.5mm以上5mm以下である。

0033

次に摩擦部材12について説明する。摩擦部材12は、回転体と接する摩擦面12Aを有する摩擦部材12であって、亜鉛繊維を含む。好ましくは、摩擦面12Aの面積は、150mm2以上600mm2以下である。より好ましくは、摩擦面12Aの面積は、250mm2以上500mm2以下である。好ましくは、摩擦面12Aに対して平行な第1方向D1における摩擦面12Aの第1寸法L3は、15mm以上30mm以下である。さらに、好ましくは、摩擦面12Aに対して平行かつ第1方向D1に対して垂直な第2方向D2における摩擦面12Aの第2寸法L4は、10mm以上20mm以下である。さらに、摩擦部材12において、好ましくは、第2寸法L4は、第1寸法L3よりも小さい。

0034

摩擦部材12は、バックプレート14が人力駆動車のブレーキキャリパに取り付けられた状態で摩擦部材12の第2方向D2が回転体の回転中心軸線に垂直な径方向に沿うように、配置される。これにより、摩擦部材12の長手方向である第1方向D1を回転体の回転方向に概ね沿うようにできる。さらに、好ましくは、摩擦部材12は、第1方向D1に凹凸を形成するように湾曲する。これにより、摩擦部材12が、さらに、回転体の回転方向に沿うようになる。

0035

摩擦部材12は、さらに、テーパ面12Bを含む。テーパ面12Bは、摩擦面12Aに連続して設けられる。テーパ面12Bは、摩擦面12Aからバックプレート14の支持部16に向かうように傾斜する。好ましくは、テーパ面12Bは、摩擦面12Aにおいて、第2方向D2で連結部18とは反対の端縁から延びる。

0036

摩擦部材12は、上述のように、亜鉛繊維を含む。亜鉛繊維は、摩擦剤である。好ましくは、亜鉛繊維の平均径は、40μm以上140μm以下である。より好ましくは、亜鉛繊維の平均径は、50μm以上130μm以下である。ここでの平均径は、メジアン径を示す。なお、以降に示される各種繊維の平均径は、いずれもメジアン径を示す。

0037

好ましくは、亜鉛繊維の平均長は、0.8mm以上2.8mm以下である。より好ましくは、亜鉛繊維の平均長は、1.0mm以上2.6mm以下である。亜鉛繊維の長さとは、亜鉛繊維を直線状にしたときの長さを示し、亜鉛繊維が折れ曲がっている場合は、折れ曲がった亜鉛繊維を直線状に延ばしたときの長さを示す。平均長さは、長さの算術平均値を示す。

0038

好ましくは、摩擦部材12における亜鉛繊維の質量比率は、15%以上40%以下である。より好ましくは、摩擦部材12における亜鉛繊維の質量比率は、18%以上38%以下である。また、好ましくは、摩擦部材12における亜鉛繊維の体積比率は、5%以上30%以下である。より好ましくは、摩擦部材12における亜鉛繊維の体積比率は、7%以上28%以下である。

0039

摩擦部材12は、さらに、亜鉛繊維の加えて、次の材料を少なくとも一種を含むことが好ましい。摩擦部材12は、結合剤をさらに含む。結合剤は、摩擦部材12を構成する材料を結合する。結合剤は、接着性および耐熱性を有する樹脂である。結合剤として、フェノール樹脂メラニン樹脂、およびエポキシ樹脂が挙げられる。これら物質の1または複数が選択されて、結合剤として用いられる。摩擦部材12を構成する材料の結束性を維持するために、摩擦部材12において結合剤の質量比率は、5%以上15%以下であることが好ましい。また、同様の理由で、摩擦部材12において結合剤の体積比率は、15%以上25%以下であることが好ましい。

0040

摩擦部材12は、摩擦調整剤をさらに含む。摩擦調整剤は、摩擦部材12と回転体との間の動摩擦係数を調整する。摩擦調整剤は、回転体に対する摩擦部材12の摩擦力を調整する。摩擦調整剤として、グラファイトコークス二硫化モリブデン、および、三流化アンチモンが挙げられる。これら物質の1または複数が選択されて、摩擦調整剤として用いられる。回転体に対する摩擦部材12の摺動性を適度なものとするために、摩擦部材12において摩擦調整剤の質量比率は、2%以上7%以下であることが好ましい。また、同様の理由で、摩擦部材12において摩擦調整剤の体積比率は、3%以上10%以下であることが好ましい。

0041

摩擦部材12は、研削剤をさらに含む。研削剤は、摩擦部材12と回転体との接触による制動性を向上させる。摩擦部材12のビッカース硬度は、回転体のビッカース硬度よりも高い。研削剤として、炭化ケイ素アルミナ酸化クロム(Cr2O3)が挙げられる。これら物質の1または複数が選択されて、研削剤として用いられる。自転車用では、炭化ケイ素および酸化クロム(Cr2O3)が好適に用いられる。摩擦部材12の制動性を適度なものとするために、摩擦部材12において研削剤の質量比率は、10%以上30%以下であることが好ましい。また、同様の理由で、摩擦部材12において研削剤の体積比率は、10%以上30%以下であることが好ましい。上記に挙げた研削剤のうち、摩擦部材12は、炭化ケイ素を含むことが好ましい。炭化ケイ素の平均径は、1μm以上20μm以下であることが好ましい。また、好ましくは、摩擦部材12は、酸化クロム(Cr2O3)を含むことが好ましい。酸化クロムの平均径は、0.1μm以上5μm以下であることが好ましい。より好ましくは、摩擦部材12は、炭化ケイ素および酸化クロムの両物質を含むことが好ましい。

0042

摩擦部材12は、補強剤をさらに含む。補強剤は、摩擦部材12を好適に保持する。形状維持性が高いとは、摩擦部材12と回転体とが接触する状態で、摩擦部材12の変形が小さいことを示す。補強剤は、繊維状物質であることが好ましい。補強剤として、アラミド繊維アクリル繊維、および、カーボン繊維、が挙げられる。これら物質の1または複数が選択されて、補強剤として用いられる。摩擦部材12の形状維持性と制動性とを両立させるために、摩擦部材12において補強剤の質量比率は、3%以上7%以下であることが好ましい。また、同様の理由で、摩擦部材12において補強剤の体積比率は、5%以上15%以下であることが好ましい。補強剤として用いられる繊維は、平均径は、1μm以上10μm以下であることが好ましい。また、繊維の平均長は、0.5mm以上3mm以下であることが好ましい。

0043

摩擦部材12は、体積調整剤をさらに含む。体積調整剤は、摩擦部材12の体積を調整する。体積調整剤の添加により、摩擦部材12の体積および摩擦面12Aの大きさを調整できる。体積調整剤として、硫酸バリウム炭化カルシウム、および、炭酸マグネシウム、が挙げられる。これら物質の1または複数が選択されて、体積調整剤として用いられる。摩擦部材12の小型化と制動性とを両立させるために、摩擦部材12において体積調整剤の質量比率は、10%以上50%以下であることが好ましい。同様の理由で、摩擦部材12において体積調整剤の体積比率は、10%以上50%以下であることが好ましい。

0044

摩擦部材12は、さび付着防止剤をさらに含む。さび付着防止剤は、さび要因材料が回転体に移ることを抑制する。さび要因材料とは、回転体をさびさせる材料を示す。さび付着防止剤として、消石灰水酸化カルシウム)、水酸化マグネシウム酸化マグネシウム酸化カルシウム等の、アルカリ性物質が挙げられる。これら物質の1または複数が選択されて、さび付着防止剤として用いられる。摩擦部材12の制動性とさび付着防止性の向上とを両立させるために、摩擦部材12においてさび付着防止剤の質量比率は、0.1%以上2%以下であることが好ましい。同様の理由で、摩擦部材12においてさび付着防止剤の体積比率は、0.1%以上2%以下であることが好ましい。

0045

摩擦部材12は、摺接音低減剤をさらに含む。摺接音低減剤は、摩擦部材12と回転体との接触における異音を低減する。特に、摺接音低減剤は、高周波の音を低減する。摺接音低減剤として、カシューダスト、および、チタン酸カリウム繊維、が挙げられる。これら物質の1または複数が選択されて、摺接音低減剤として用いられる。摩擦部材12の制動性と異音の低減との両立を図るために、摩擦部材12において摺接音低減剤の質量比率は、10%以上20%以下であることが好ましい。同様の理由で、摩擦部材12において摺接音低減剤の体積比率は、10%以上30%以下であることが好ましい。

0046

<実施例>
以下、摩擦部材12の実施例について、参考例と比較して説明する。
表1は、実施例および参考例の成分を示す。

0047

実施例の摩擦部材12は、摩擦剤として亜鉛繊維(Zinc fiber)を含み、結合剤としてフェノール樹脂(phenolic resin)を含み、摩擦調整剤としてグラファイト(graphite)を含み、研削剤として炭化ケイ素(SiC)および酸化クロム(Cr2O3)を含み、補強剤としてアラミド繊維(aramid fiber)を含み、体積調整剤として硫酸バリウム(BaSO4)を含み、さび付着防止剤として水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を含み、摺接音防止剤としてカシューダスト(Cashew dust)およびチタン酸カリウム繊維(pottasium titanate fibers)を含む。摩擦部材12の全体の質量に対する、これら物質の質量比および体積比は、表1のとおりである。

0048

参考例の摩擦部材の組成は、摩擦剤として、実施例の亜鉛繊維に代えて黄銅繊維(Brass fiber)を含む点を除き、実施例と同じ成分を含む(表1参照)。

0049

0050

実施例および参考例で用いた各種物質の形状的特徴は次のとおりである。亜鉛繊維の平均径は、90μmであり、平均長は、1.8mm(伸ばした状態での長さ)である。黄銅繊維の平均径は、80μmであり、平均長は、1mm以上2mm以下である。フェノール樹脂の平均径(混合時)は、10μm以上50μm以下である。グラファイトは鱗片状であり、グラファイトの平均径は、0.1mm以上0.2mm以下である。炭化ケイ素(SiC)の平均径は、10μmである。酸化クロム(Cr2O3)の平均径は、1μm以上2μm以下である。アラミド繊維の平均径は、5μmであり、平均長は、1mm以上2mm以下である。硫酸バリウムの平均径は、10μmである。水酸化カルシウムの平均径は、10μm以上50μm以下である。カシューダストの平均径は、0.5mmである。チタン酸カリウム繊維は、板状であり、短辺の平均長が13μmであり、長辺の平均長が65μm以下である。

0051

実施例および参考例の摩擦部材12は、次の条件で形成される。摩擦部材12を構成する上述の物質を室温で混合し、その混合物を型に入れて所定の形状にする。そして、その混合物を熱加圧成形した後に、所定時間にわたって熱処理する。以上のようにして、摩擦部材12が形成される。

0052

次に、実施例の効果を示す。実施例と参考例とを、摩耗量、動摩擦係数、回転体の摩摩耗量、および、回転体に形成される移着層の厚さで比較した。移着層とは、摩擦部材12を回転する回転体に接触させたとき、摩擦部材12から回転体に移動する物質により形成される層を示す。

0053

摩耗量および動摩擦係数について次の条件で測定した。実施例および参考例の摩擦部材12の摩擦面積は、382mm2である。回転体としてシマノ製(RT99S)を用いた。回転速度は155rpm(20km/h相当)、回転体の接線力が607Nとなるように設定し、30分にわたって引きずりテストを行った。高温環境下で、引きずりテストを行った。具体的には、200℃付近の温度と、300℃付近の温度と、400℃付近の温度と、500℃付近の温度とで、引きずりテストを行った。

0054

上記試験の結果、実施例の摩擦部材12の摩耗量は、上記何れの温度においても、参考例の摩擦部材の摩耗量よりも少なかった。実施例の摩擦部材12の制動による回転体の摩耗量は、300℃付近を除く各温度において、参考例の摩耗量よりも少なかった(以下、回転体摩耗量低減効果)。また、上記試験における実施例の摩擦部材12の動摩擦係数は、上記何れの温度においても、参考例の摩擦部材の動摩擦係数よりも高かった。
また、参考例の摩擦部材の回転体への移着層の厚さは、高温ほど薄くなることに対して、実施例の摩擦部材12の回転体への移着層の厚さは、高温ほど厚くなった。なお、各温度において、実施例の摩擦部材12の回転体への移着層の厚さは、参考例の摩擦部材の回転体への移着層の厚さよりも、小さい。回転体への移着層の厚さは、グロー放電発光分析装置GD−OES)により測定した。

0055

(変形例)
上記実施形態に関する説明は、本発明に従う摩擦部材およびブレーキパッドが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う摩擦部材およびブレーキパッドは、例えば以下に示される上記実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。

0056

図3および図4を参照して、放熱構造を有するブレーキパッド20の一例を説明する。ブレーキパッド20は、摩擦部材22と、バックプレート24とを含む。摩擦部材22は、実施形態の摩擦部材12に準じた構造および組成を有する。バックプレート24は、摩擦部材22を支持する支持部26と、放熱構造を有する放熱部28とを含む。

0057

支持部26および放熱部28は、本体30に設けられる。本体30は、バックプレート24が人力駆動車のブレーキキャリパに取り付けられた状態で、回転体に対向する第1面30Aと、第1面30Aとは反対側の第2面30Bを有する。摩擦部材22は、本体30の支持部26において、第1面30Aに接着される。放熱部28は、摩擦部材22の反対側に位置しないように、本体30において第2面30Bに設けられる。言い換えれば、放熱部28は、本体30を介して摩擦部材22と対向しないように本体30に設けられる。放熱部28は、本体30に対して一体に形成されてもよく、別体に形成されてもよい。本実施形態では、放熱部28は、本体30に一体形成される。

0058

放熱部28は、上述のように、放熱構造を有する。放熱構造は、フィン32を含む。フィン32は本体30の第2面30Bに複数設けられる。複数のフィン32はそれぞれ、第2面30Bから摩擦部材22とは反対側に延びるように設けられる。フィン32は、本体30に対して一体に形成されてもよく、別体に形成されてもよい。本実施形態では、フィン32は、本体30に一体形成される。フィン32を別体に形成する場合、例えば、フィン32を挿入するための孔を本体30に設け、その孔に圧入または接着などの方法でフィン32を固定すればよい。また、本体30には、ブレーキキャリパのピンを通すための貫通孔30Cが支持部26と放熱部28との間に設けられる。

0059

・摩擦部材12は、次のように構成されてもよい。摩擦部材12は、回転体と接する摩擦面12Aを有する摩擦部材12であって、亜鉛繊維を含み、摩擦面12Aに対して平行な第1方向D1における摩擦面12Aの第1寸法L3は、15mm以上30mm以下であり、摩擦面12Aに対して平行かつ第1方向D1に対して垂直な第2方向D2における摩擦面12Aの第2寸法L4は、10mm以上20mm以下である。

0060

・上記実施形態において、摩擦面12Aは、複数に分割されていてもよい。例えば、摩擦面12Aは2つに分割される。摩擦面12Aを構成する2つの摩擦面との間には隙間が形成される。この場合、摩擦面積は、2つの摩擦面の面積の合計により算出される。また、摩擦部材12の第1寸法L3および第2寸法L4は、複数の摩擦面を連続した面と看做したときの外形に対して設定される。

0061

・上記実施形態では、摩擦部材12は、亜鉛繊維以外の摩擦物質を含まないが、亜鉛繊維以外の摩擦物質を含んでもよい。例えば、摩擦部材12は、亜鉛繊維に加えて、さらに、黄銅繊維を含み得る。この場合、亜鉛繊維は、体積比で、黄銅繊維よりも多いことが好ましい。

0062

・実施形態に係るブレーキパッド10,20が取り付けられる人力駆動車は、限定されない。人力駆動車は、ロードバイクマウンテンバイククロスバイク、シティサイクルカーゴバイクリカベントキックスケータを含む。

0063

D1…第1方向、D2…第2方向、D3…第3方向、L3…第1寸法、L4…第2寸法、10,20…ブレーキパッド、12,22…摩擦部材、12A…摩擦面、14,24…バックプレート、26…支持部、28…放熱部、32…フィン。

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