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技術 ジブチルヒドロキシトルエンの安定化方法

出願人 千寿製薬株式会社
発明者 根本夫規子中瀬駿佐
出願日 2019年4月3日 (1年3ヶ月経過) 出願番号 2019-071483
公開日 2019年9月5日 (10ヶ月経過) 公開番号 2019-147802
状態 未査定
技術分野 化合物または医薬の治療活性 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 医療品保存・内服装置 医薬品製剤
主要キーワード 保存開始前 参考試験 容量百分率 ウレイドヒダントイン 容器部材 遮光条 洗眼容器 閾値量
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年9月5日)のものです。
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図面 (6)

課題

本発明の目的は、ジブチルヒドロキシトルエンプラノプロフェン及び/又はその塩を含む液剤において、ジブチルヒドロキシトルエンの熱安定性を高め、その含有量の経時的な低下を抑制する技術を提供することである。

解決方法

ジブチルヒドロキシトルエンとプラノプロフェン及び/又はその塩を含む液剤に、クロモグリク酸アラントイングリチルリチン酸クロルフェニラミン、及びそれらの薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種を配合し、且つ、収容する容器として、その内壁面注出部の内部空間の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面等)を構成する樹脂として、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂を採用することにより、液剤中のジブチルヒドロキシトルエンの熱安定性を高めると共に、ジブチルヒドロキシトルエンの容器への吸着を抑制して、その含有量の経時的な低下を抑制できる。

概要

背景

近年、医薬食品香粧品等の分野において、様々な効能を有する製剤が開発されている。これらの製剤において、含有成分の酸化を防止するためには、抗酸化剤の配合が求められている。

従来、脂溶性の抗酸化剤の代表的な化合物としてジブチルヒドロキシトルエン(BHT)が知られている。脂溶性の抗酸化剤としては、トコフェロールブチルヒドロキシアニソール等も知られているが、ジブチルヒドロキシトルエンは他の脂溶性の抗酸化剤に比べて抗酸化作用が強く、医薬、食品、香粧品等の分野で広く使用されている。

また、ジブチルヒドロキシトルエンを利用した製剤技術についても報告されている。例えば、ジブチルヒドロキシトルエンによってプラノプロフェン及び/又はその塩の安定化が図られることが報告されている(特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1では、プラノプロフェン及び/又はその塩の安定性に着目されており、ジブチルヒドロキシトルエンの安定性に関しては検討されていない。また、プラノプロフェン及び/又はその塩とジブチルヒドロキシトルエンを含む水性組成物では熱安定性が低下するが、更にサルファ剤を配合することによって、黄変を抑制できることが報告されている(特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2でも、水性組成物の黄変抑制に着目されており、ジブチルヒドロキシトルエン自体の安定性については検討されていない。

一方、医薬、食品、香粧品等の分野において、製剤を収容する容器として、ポリエチレンノズルが装着されたプラスチック製容器が一般的に使用されている。しかしながら、従来汎用されているポリエチレン製の注出部(ノズル、中栓ノズル、穴あき中栓等)及び蓋部が装着されたプラスチック製容器に、ジブチルヒドロキシトルエンを含有する液剤を収容すると、液剤中のジブチルヒドロキシトルエンが前記注出部に吸着蓄積することが報告されている(特許文献3)。そして、特許文献3では、ジブチルヒドロキシトルエンを含有する液剤を収容する容器の内壁面(注出部の内部空間の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面等)を構成する樹脂として、ポリブチレンテレフタレート等の特定の樹脂を採用することにより、当該内壁面へのジブチルヒドロキシトルエンの吸着を抑制して、液剤中のジブチルヒドロキシトルエン含有量を安定に保持できることが報告されている。

概要

本発明の目的は、ジブチルヒドロキシトルエンとプラノプロフェン及び/又はその塩を含む液剤において、ジブチルヒドロキシトルエンの熱安定性を高め、その含有量の経時的な低下を抑制する技術を提供することである。ジブチルヒドロキシトルエンとプラノプロフェン及び/又はその塩を含む液剤に、クロモグリク酸アラントイングリチルリチン酸クロルフェニラミン、及びそれらの薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種を配合し、且つ、収容する容器として、その内壁面(注出部の内部空間の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面等)を構成する樹脂として、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂を採用することにより、液剤中のジブチルヒドロキシトルエンの熱安定性を高めると共に、ジブチルヒドロキシトルエンの容器への吸着を抑制して、その含有量の経時的な低下を抑制できる。なし

目的

本発明は、ジブチルヒドロキシトルエンとプラノプロフェン及び/又はその塩を含む液剤において、ジブチルヒドロキシトルエンの含有量の経時的な低下を抑制する技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

(A)ジブチルヒドロキシトルエンと、(B)プラノプロフェン及び/又はその薬学的に許容される塩と、(C)クロモグリク酸アラントイングリチルリチン酸クロルフェニラミン、及びそれらの薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種と、を含有する液剤が、容器に収容されてなるジブチルヒドロキシトルエン含有製品であって、前記容器が、前記液剤を収容する容器本体部と、前記容器本体部に収容された液剤を注出する注出口を有する注出部と、前記注出口をふさぐ蓋部とを備え、前記注出部の内部空間の壁面、及び前記蓋部において前記注出口と対向する壁面の少なくとも一方が、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されていることを特徴とする、ジブチルヒドロキシトルエン含有製品。

請求項2

前記注出部が、前記液剤を液滴状で注出するノズルであり、当該ノズルの内部空間の壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、請求項1に記載のジブチルヒドロキシトルエン含有製品。

請求項3

前記容器本体部が、ポリエチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、請求項1又は2に記載のジブチルヒドロキシトルエン含有製品。

請求項4

前記液剤が、更にホウ酸緩衝剤を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のジブチルヒドロキシトルエン含有製品。

請求項5

前記液剤において、前記(A)成分が0.00001〜0.005w/v%、前記(B)成分が0.005〜0.5w/v%、及び前記(C)成分が0.0005〜5w/v%含まれる、請求項1〜4のいずれかに記載のジブチルヒドロキシトルエン含有製品。

請求項6

前記液剤が点眼剤である、請求項1〜5のいずれかに記載のジブチルヒドロキシトルエン含有製品。

請求項7

(A)ジブチルヒドロキシトルエンと、(B)プラノプロフェン及び/又はその薬学的に許容される塩と、を含有する液剤におけるジブチルヒドロキシトルエンの安定化方法であって、前記液剤に、(C)クロモグリク酸、アラントイン、グリチルリチン酸、クロルフェニラミン、及びそれらの薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種を配合し、且つ液剤を収容する容器本体部と、前記容器本体部に収容された液剤を注出する注出口を有する注出部と、前記注出口をふさぐ蓋部とを備え、前記注出部の内部空間の壁面、及び前記蓋部において前記注出口と対向する壁面の少なくとも一方がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている容器に、前記液剤を収容することを特徴とする、安定化方法。

請求項8

前記注出部が、前記液剤を液滴状で注出するノズルであり、当該ノズルの内部空間の壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、請求項7に記載の安定化方法。

請求項9

前記容器本体部が、ポリエチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、請求項7又は8に記載の安定化方法。

請求項10

前記液剤が、更にホウ酸緩衝剤を含む、請求項7〜9のいずれかに記載の安定化方法。

請求項11

前記液剤において、前記(A)成分が0.00001〜0.005w/v%、前記(B)成分が0.005〜0.5w/v%、及び前記(C)成分が0.0005〜5w/v%含まれる、請求項7〜10のいずれかに記載の安定化方法。

請求項12

前記液剤が点眼剤である、請求項7〜11のいずれかに記載の安定化方法。

技術分野

0001

本発明は、ジブチルヒドロキシトルエンと、プラノプロフェン及び/又はその塩を含有する液剤において、ジブチルヒドロキシトルエンを安定に維持できる製品に関する。更に、本発明は、ジブチルヒドロキシトルエンと、プラノプロフェン及び/又はその塩を含有する液剤の安定化方法に関する。

背景技術

0002

近年、医薬食品香粧品等の分野において、様々な効能を有する製剤が開発されている。これらの製剤において、含有成分の酸化を防止するためには、抗酸化剤の配合が求められている。

0003

従来、脂溶性の抗酸化剤の代表的な化合物としてジブチルヒドロキシトルエン(BHT)が知られている。脂溶性の抗酸化剤としては、トコフェロールブチルヒドロキシアニソール等も知られているが、ジブチルヒドロキシトルエンは他の脂溶性の抗酸化剤に比べて抗酸化作用が強く、医薬、食品、香粧品等の分野で広く使用されている。

0004

また、ジブチルヒドロキシトルエンを利用した製剤技術についても報告されている。例えば、ジブチルヒドロキシトルエンによってプラノプロフェン及び/又はその塩の安定化が図られることが報告されている(特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1では、プラノプロフェン及び/又はその塩の安定性に着目されており、ジブチルヒドロキシトルエンの安定性に関しては検討されていない。また、プラノプロフェン及び/又はその塩とジブチルヒドロキシトルエンを含む水性組成物では熱安定性が低下するが、更にサルファ剤を配合することによって、黄変を抑制できることが報告されている(特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2でも、水性組成物の黄変抑制に着目されており、ジブチルヒドロキシトルエン自体の安定性については検討されていない。

0005

一方、医薬、食品、香粧品等の分野において、製剤を収容する容器として、ポリエチレンノズルが装着されたプラスチック製容器が一般的に使用されている。しかしながら、従来汎用されているポリエチレン製の注出部(ノズル、中栓ノズル、穴あき中栓等)及び蓋部が装着されたプラスチック製容器に、ジブチルヒドロキシトルエンを含有する液剤を収容すると、液剤中のジブチルヒドロキシトルエンが前記注出部に吸着蓄積することが報告されている(特許文献3)。そして、特許文献3では、ジブチルヒドロキシトルエンを含有する液剤を収容する容器の内壁面(注出部の内部空間の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面等)を構成する樹脂として、ポリブチレンテレフタレート等の特定の樹脂を採用することにより、当該内壁面へのジブチルヒドロキシトルエンの吸着を抑制して、液剤中のジブチルヒドロキシトルエン含有量を安定に保持できることが報告されている。

先行技術

0006

特開平7−304670号公報
特開2011−98960号公報
国際公開第2013/99861号

発明が解決しようとする課題

0007

本発明者は、ジブチルヒドロキシトルエンとプラノプロフェン及び/又はその塩を含む液剤の実用化を目指して検討を行ったところ、当該液剤を従来汎用されている容器に収容すると、ジブチルヒドロキシトルエンの含有量の経時的な低下が顕著になるという新たな課題に直面した。また、特許文献2には、サルファ剤を配合することによって、プラノプロフェン及び/又はその塩とジブチルヒドロキシトルエンを含む水性組成物の熱に対する安定性を改善し、当該水性組成物の黄変を抑制できることが報告されているが、水性組成物の黄変とジブチルヒドロキシトルエン自体の熱不安定化とは異なる事象であり、特許文献2はジブチルヒドロキシトルエン自体の熱安定性を向上させる技術を開示するものではない。

0008

また、ジブチルヒドロキシトルエンとプラノプロフェン及び/又はその塩を含む液剤において、ジブチルヒドロキシトルエンの添加量を増大させることによって、その含有量の経時的な低下を補うこともできるが、ジブチルヒドロキシトルエンの配合量の増加は、点眼剤等の粘膜に適用される液剤の場合では刺激の原因となるため、現実的ではない。そのため、ジブチルヒドロキシトルエンとプラノプロフェン及び/又はその塩を含む液剤において、ジブチルヒドロキシトルエンの含有量の低下を抑制できる技術の開発が必要とされている。

0009

そこで本発明は、ジブチルヒドロキシトルエンとプラノプロフェン及び/又はその塩を含む液剤において、ジブチルヒドロキシトルエンの含有量の経時的な低下を抑制する技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者は、前記課題を解決すべく、鋭意検討を行ったところ、ジブチルヒドロキシトルエンとプラノプロフェン及び/又はその塩を含む液剤に、クロモグリク酸アラントイングリチルリチン酸クロルフェニラミン、及びそれらの薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種を配合し、且つ、収容する容器として、その内壁面(注出部の内部空間の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面等)を構成する樹脂として、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂を採用することにより、液剤中のジブチルヒドロキシトルエンの熱安定性を高めると共に、ジブチルヒドロキシトルエンの容器への吸着を抑制して、その含有量の経時的な低下を効果的に抑制できることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。

0011

即ち、本発明は、下記に掲げる態様のジブチルヒドロキシトルエン含有製品、及び安定化方法を提供する。
項1. (A)ジブチルヒドロキシトルエンと、
(B)プラノプロフェン及び/又はその薬学的に許容される塩と、
(C)クロモグリク酸、アラントイン、グリチルリチン酸、クロルフェニラミン、及びそれらの薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種と、
を含有する液剤が、容器に収容されてなるジブチルヒドロキシトルエン含有製品であって、
前記容器が、前記液剤を収容する容器本体部と、前記容器本体部に収容された液剤を注出する注出口を有する注出部と、前記注出口をふさぐ蓋部とを備え、
前記注出部の内部空間の壁面、及び前記蓋部において前記注出口と対向する壁面の少なくとも一方が、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されていることを特徴とする、ジブチルヒドロキシトルエン含有製品。
項2. 前記注出部が、前記液剤を液滴状で注出するノズルであり、当該ノズルの内部空間の壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、項1に記載のジブチルヒドロキシトルエン含有製品。
項3. 前記容器本体部が、ポリエチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、項1又は2に記載のジブチルヒドロキシトルエン含有製品。
項4. 前記液剤が、更にホウ酸緩衝剤を含む、項1〜3のいずれかに記載のジブチルヒドロキシトルエン含有製品。
項5. 前記液剤において、前記(A)成分が0.00001〜0.005w/v%、前記(B)成分が0.005〜0.5w/v%、及び前記(C)成分が0.0005〜5w/v%含まれる、項1〜4のいずれかに記載のジブチルヒドロキシトルエン含有製品。
項6. 前記液剤が点眼剤である、項1〜5のいずれかに記載のジブチルヒドロキシトルエン含有製品。
項7. (A)ジブチルヒドロキシトルエンと、
(B)プラノプロフェン及び/又はその薬学的に許容される塩と、
を含有する液剤におけるジブチルヒドロキシトルエンの安定化方法であって、
前記液剤に、(C)クロモグリク酸、アラントイン、グリチルリチン酸、クロルフェニラミン、及びそれらの薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種を配合し、且つ
液剤を収容する容器本体部と、前記容器本体部に収容された液剤を注出する注出口を有する注出部と、前記注出口をふさぐ蓋部とを備え、前記注出部の内部空間の壁面、及び前記蓋部において前記注出口と対向する壁面の少なくとも一方がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている容器に、前記液剤を収容することを特徴とする、
安定化方法。
項8. 前記注出部が、前記液剤を液滴状で注出するノズルであり、当該ノズルの内部空間の壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、項7に記載の安定化方法。
項9. 前記容器本体部が、ポリエチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている、項7又は8に記載の安定化方法。
項10. 前記液剤が、更にホウ酸緩衝剤を含む、項7〜9のいずれかに記載の安定化方法。
項11. 前記液剤において、前記(A)成分が0.00001〜0.005w/v%、前記(B)成分が0.005〜0.5w/v%、及び前記(C)成分が0.0005〜5w/v%含まれる、項7〜10のいずれかに記載の安定化方法。
項12. 前記液剤が点眼剤である、項7〜11のいずれかに記載の安定化方法。

発明の効果

0012

本発明によれば、ジブチルヒドロキシトルエンとプラノプロフェン及び/又はその塩を含んでいながら、ジブチルヒドロキシトルエンの熱安定性の改善とその容器への吸着抑制が可能になり、ジブチルヒドロキシトルエンの含有量を安定に保持することができる。

0013

また、点眼剤や点鼻剤等では、ジブチルヒドロキシトルエンは、酸化防止作用の発揮に必要とされる閾値量に近い低含有量に設定されており、従来技術では、プラノプロフェン及び/又はその塩との共存下で、ジブチルヒドロキシトルエンの熱安定性が著しく損なわれ、その含有量の低下による酸化防止効果喪失が顕著になる傾向があった。これに対して、本発明によれば、このような従来技術の欠点を克服して、点眼剤や点鼻剤等の液剤において、ジブチルヒドロキシトルエンとプラノプロフェン及び/又はその塩を共存させた場合でも、その含有量低下を効果的に抑制させて、液剤中で酸化防止作用を有効に維持させることができる。

図面の簡単な説明

0014

図1には、本発明で使用される点眼容器の一態様例について、その断面図を示す。
図2には、図1に示す点眼容器の部分拡大断面図を示す。
図3には、本発明で使用される点眼容器の一態様例について、その断面図を示す。
図4には、本発明で使用される点眼容器の一態様例について、その断面図を示す。
図5には、図4に示す点眼容器の部分拡大断面図を示す。
図6には、本発明で使用される洗眼容器の一態様例について、その断面図を示す。

0015

本明細書において、ジブチルヒドロキシトルエンの「安定化」又は「安定性」とは、ジブチルヒドロキシトルエンの分解や容器への吸着によって、液剤中での含有量が経時的に低下するのを抑制し、当該含有量を安定に保持させること、又はその特性を意味する。また、本明細書において、ジブチルヒドロキシトルエンの「熱安定性」とは、熱によるジブチルヒドロキシトルエンの分解を抑制する特性を意味する。更に、本明細書において、「ジブチルヒドロキシトルエン含有製品」は、後述する(A)〜(C)成分を含有する液剤が容器に収容された状態にあるものを意味し、「BHT含有製品」と略記することもある。また、本明細書において、単位「w/v%」とは、第十六改正日本薬局方における質量対容量百分率を指し、g/100mLと同義である。

0016

1.BHT含有製品
本発明のBHT含有製品は、(A)ジブチルヒドロキシトルエンと、(B)プラノプロフェン及び/又はその薬学的に許容される塩と、(C)クロモグリク酸、アラントイン、グリチルリチン酸、クロルフェニラミン、及びそれらの薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する液剤が、注出部の内部空間の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成された容器に収容されていることを特徴とする。以下、本発明のBHT含有製品について、詳述する。

0017

液剤
本発明のBHT含有製品において、容器に収容する液剤は、ジブチルヒドロキシトルエン((A)成分と表記することもある)を含有する。ジブチルヒドロキシトルエンは、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、BHT、DBPCとも称され、抗酸化剤として公知の化合物である。当該液剤において、ジブチルヒドロキシトルエンは、プラノプロフェン及び/又はその塩の熱安定性向上を図ると共に、液剤中で酸化防止作用を発揮し、必要に応じて添加される薬理成分や添加剤等の安定性の向上にも寄与する成分である。

0018

当該液剤における(A)成分の含有量については、特に制限されず、当該液剤の用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.00001〜0.005w/v%、好ましくは0.00005〜0.005w/v%、更に好ましくは0.0001〜0.005w/v%が挙げられる。

0019

本発明に使用される液剤は、更にプラノプロフェン及び/又はその塩((B)成分と表記することもある)を含有する。当該液剤において、プラノプロフェン及び/又はその塩は、ジブチルヒドロキシトルエンによって、光に対する安定性の向上が図られている。

0020

プラノプロフェンとは、α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−酢酸とも称され、眼科分野では抗炎症作用を有することが知られている公知の化合物である。

0021

また、プラノプロフェンの塩としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、ナトリウム塩カリウム塩カルシウム塩マグネシウム塩アルミニウム塩等の金属塩トリエチルアミン塩ジエチルアミン塩、モルホリン塩、ピペラジン塩等の有機塩基塩等が挙げられる。これらのプラノプロフェンの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0022

本発明に使用される液剤において、(B)成分として、プラノプロフェン及びその塩の中から、1種を選択して単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。(B)成分の中でも、好ましくはプラノプロフェンが挙げられる。

0023

当該液剤における(B)成分の含有量については、特に制限されず、当該液剤の用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.005〜0.5w/v%、好ましくは0.05〜0.1w/v%、更に好ましくは0.05w/v%が挙げられる。

0024

本発明に使用される液剤は、更にクロモグリク酸、アラントイン、グリチルリチン酸、クロルフェニラミン、及びそれらの薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種((C)成分と表記することもある)を含有する。本発明に使用される液剤において、当該(C)成分を配合し、且つ後述する特定の容器に収容することによって、プラノプロフェン及び/又はその塩の存在下で引き起こされるジブチルヒドロキシトルエンの含有量の著しい低下を効果的に抑制することが可能になる。

0025

クロモグリク酸は、5,5'−[(2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジイルビスオキシ)ビス(4−オキソ−4H−1−ベンゾピラン−2−カルボン酸)、クロモリンDSCGとも称され、抗アレルギー抗炎症等の目的でも使用されている公知の化合物である。

0026

クロモグリク酸の塩としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。これらのクロモグリク酸の塩の中でも、好ましくはアルカリ金属塩、更に好ましくはナトリウム塩が挙げられる。これらのクロモグリク酸の塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0027

また、クロモグリク酸及び/又はその塩は、水和物の形態でも使用できる。

0028

アラントインとは、5−ウレイドヒダントインとも称され、抗アレルギー、抗炎症、肉芽形成促進、組織修復促進等の目的でも使用されている公知の化合物である。

0029

アラントインの塩としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、アラントインンジヒドロキシアルミニウムアラントインクロルヒドロキシアルミニウム等が挙げられる。これらのアラントインの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0030

グリチルリチン酸とは、3β−[[2−O−(6−O−ポタシオ−β−D−グルコピラヌロノシル)−6−O−ポタシオ−α−D−グルコピラヌロノシル]オキ]−11−オキソオレアナ−12−エン−30−酸とも称され、抗アレルギーや抗炎症等の目的でも使用されている公知の化合物である。

0031

グリチルリチン酸の塩としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩が挙げられる。これらのグリチルリチン酸の塩の中でも、好ましくはアルカリ金属塩、更に好ましくはカリウム塩が挙げられる。これらのグリチルリチン酸の塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0032

クロルフェニラミンは、3−(4−クロロフェニル)−N,N−ジメチル3−ピリジン−2−イル−プロパン−1−アミンとも称され、抗ヒスタミン等の目的でも使用されている公知の化合物である。

0033

クロルフェニラミンの塩としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、マレイン酸塩フマル酸塩等の有機酸塩塩酸塩硫酸塩等の無機酸塩等が挙げられる。これらのクロルフェニラミンの塩の中でも、好ましくはマレイン酸塩が挙げられる。

0034

また、クロルフェニラミン及び/又はその塩は、水和物等の溶媒和物の形態であってもよく、またd体、dl体のいずれであってもよい。

0035

本発明に使用される液剤において、(C)成分として、クロモグリク酸、アラントイン、グリチルリチン酸、クロルフェニラミン、及びそれらの薬学的に許容される塩の中から、1種を選択して単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの(C)成分の中でも、ジブチルヒドロキシトルエンの含有量の低下を効果的に抑制しつつ、優れた抗アレルギー作用を発揮させるという観点から、好ましくは、クロモグリク酸、アラントイン、グリチルリチン酸、及びそれらの薬学的に許容される塩、より好ましくは、クロモグリク酸、及びその薬学的に許容される塩、更に好ましくはクロモグリク酸の薬学的に許容される塩、特に好ましくはクロモグリク酸ナトリウムが挙げられる。

0036

本発明に使用される液剤における(C)成分の含有量としては、例えば、0.0005〜5w/v%、好ましくは0.001〜2w/v%が挙げられる。より具体的には、(C)成分の種類毎の含有量としては、以下の範囲が挙げられる。
クロモグリク酸及び/又はその塩を使用する場合:好ましくは0.1〜5w/v%、更に好ましくは0.5〜3w/v%、特に好ましくは1〜2w/v%。
アラントイン及び/又はその塩を使用する場合:好ましくは0.01〜1w/v%、更に好ましくは0.03〜0.5w/v%、特に好ましくは0.06〜0.3w/v%。
グリチルリチン酸及び/又はその塩を使用する場合:好ましくは0.005〜1w/v%、更に好ましくは0.01〜0.5w/v%、特に好ましくは0.05〜0.25w/v%。
クロルフェニラミン及び/又はその塩を使用する場合:好ましくは0.0005〜1w/v%、更に好ましくは0.001〜0.1w/v%、特に好ましくは0.006〜0.03w/v%。

0037

本発明に使用される液剤には、前記(A)〜(C)成分の他に、緩衝作用を備えさせるために緩衝剤が含まれていてもよい。緩衝剤としては、特に制限されないが、例えば、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤クエン酸緩衝剤、酒石酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、Tris緩衝剤、アミノ酸グルタミン酸等)等が挙げられる。これらの緩衝剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの緩衝剤の中でも、ホウ酸緩衝剤は、プラノプロフェン及び/又はその塩を溶解可能なpH域で緩衝能を有しており、本発明において好適に使用される。

0038

本発明に使用される液剤中での緩衝剤の含有量については、使用する緩衝剤の種類に応じて所望の緩衝作用を付与できる範囲で適宜設定すればよいが、例えば、0.001〜5w/v%、好ましくは0.05〜3w/v%、更に好ましくは0.1〜2w/v%が挙げられる。

0039

更に、本発明に使用される液剤には、前記成分の他に、キレート剤が含まれていてもよい。キレート剤を含有させることによって、より一層効果的にジブチルヒドロキシトルエンの含有量の低下を抑制することが可能になる。

0040

キレート剤としては、具体的には、エデト酸、クエン酸、コハク酸アスコルビン酸トリヒドロキシメチルアミノメタンニトリロトリ酢酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸ポリリン酸メタリン酸ヘキサメタリン酸、それらの薬学的に許容される塩等が挙げられる。これらのキレート剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのキレート剤の中でも、より一層効果的にジブチル
ロキシトルエンの含有量低下を抑制するという観点から、好ましくはエデト酸及びその薬学的に許容される塩が挙げられる。また、エデト酸の薬学的に許容される塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。

0041

本発明に使用される液剤がキレート剤を含有する場合、その含有量については、当該液剤の用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.0005〜0.5w/v%、好ましくは0.001〜0.2w/v%、更に好ましくは0.005〜0.13w/v%が挙げられる。

0042

本発明に使用される液剤には、上記成分の他に、当該液剤の用途に応じて、薬理成分を含有することができる。使用される薬理成分については、特に制限されないが、例えば、血管収縮剤抗コリンエステラーゼ剤抗炎症薬角膜上皮障害治療薬消炎鎮痛薬化学療法薬抗菌薬抗ウイルス薬ホルモン薬ビタミン薬、アミノ酸類、抗白内障薬、血管新生抑制薬、免疫抑制薬プロテアーゼ阻害薬アルドース還元酵素阻害薬抗ヒスタミン剤抗アレルギー剤、不安薬、抗精神薬抗生物質抗腫瘍薬抗高脂血症薬鎮咳去痰薬筋弛緩薬抗てんかん薬抗潰瘍薬抗うつ薬強心薬不整脈治療薬、血管拡張薬高圧利尿薬糖尿病治療薬抗結核薬麻酔拮抗薬皮膚疾患用薬、歯科口腔用薬、診断用薬公衆衛生用薬等の従来公知の薬理成分から適宜選択して用いることができる。

0043

これらの薬理成分の中でも、点眼剤、洗眼剤、点鼻剤、点耳剤等の眼科又は耳鼻科分野で使用される製剤である場合、具体的には、イプシロンアミノカプロン酸ブロムフェナクケトロラクトロメタミンネパフェナクベルベリン塩化物硫酸ベルベリンアズレンスルホン酸ナトリウム硫酸亜鉛乳酸亜鉛リゾチーム塩酸塩等の消炎剤ジフェンヒドラミン塩酸塩等の抗ヒスタミン剤;ケトチフェンフマル酸塩アシタザノラストアンレキサノクスペミロラストカリウムトラニラストイブジラスト等の抗アレルギー剤;ノルフロキサシンオフロキサシンロメフロキサシンレボフロキサシンゲンタマイシンガチフロキサシン等の抗菌剤;アスコルビン酸、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウムシアノコバラミンピリドキシン塩酸塩トコフェロール酢酸エステルレチノール酢酸エステルレチノールパルミチン酸エステルパンテノールパントテン酸カルシウムパントテン酸ナトリウム等のビタミン類アスパラギン酸タウリンコンドロイチン硫酸エステルナトリウム等のアミノ酸類;ネオスチグミンメチル硫酸塩等の抗コリンエステラーゼ剤;ナファゾリンテトラヒドロゾリンエピネフリンエフェドリンフェニレフリン、dl−メチルエフェドリン等の血管収縮剤;ヒアルロン酸ナトリウム等の角結膜上皮障害治療薬;スルファジアジンスルフィソキサゾールスルフィソミジンスルファジメトキシンスルファメトキシピリダジンスルファメトキサゾールスルファエチドールスルファメトジンスルファフェナゾールスルファグアニジンフタリルスルファチアゾールスクシニルスルファチアゾール等のサルファ剤等が挙げられる。ここで例示する化合物は、薬学的に許容されることを限度として、塩の形態であっても、他の塩の形態であってもよい。

0044

これらの薬理成分の含有量については、薬理成分の種類や液剤の用途等に応じて適宜設定される。

0045

また、本発明で使用される液剤には、前記成分の他に、必要に応じて、等張化剤溶解補助剤粘性基剤清涼化剤pH調整剤防腐剤安定化剤界面活性剤等の添加剤を含有してもよい。

0046

等張化剤としては、ソルビトールグルコースマンニトール等の糖類;グリセリンプロピレングリコール等の多価アルコール類塩化ナトリウム等の塩類ホウ酸等が挙げられる。これらの等張化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0047

溶解補助剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートポリオキシエチレン硬化ヒマシ油チロキサポールプルロニック等の非イオン性界面活性剤;グリセリン、マクロゴール等の多価アルコール等が挙げられる。これらの溶解補助剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0048

粘性基剤としては、例えば、ポリビニルピロリドンポリエチレングリコールポリビニルアルコールカルボキシビニルポリマーキサンタンガム、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム、アルギン酸又はその塩、ヒアルロン酸ナトリウム等の水溶性高分子ヒプロメロースヒドロキシエチルセルロースメチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロースカルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース類等が挙げられる。これらの粘性基剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0049

清涼化剤としては、例えば、l−メントールボルネオールカンフルユーカリ油等が挙げられる。これらの清涼化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0050

pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム水酸化カリウムホウ砂等のアルカリ;酢酸、クエン酸、塩酸リン酸、酒石酸、ホウ酸等の酸が挙げられる。

0051

防腐剤としては、例えば、ソルビン酸又はその塩、安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチルパラオキシ安息香酸エチルパラオキシ安息香酸プロピルクロロブタノールクロルヘキシジングルコン酸塩、ホウ酸、デヒドロ酢酸又はその塩、塩化ベンザルコニウム塩化ベンゼトニウムベンジルアルコール塩化亜鉛パラクロルメタキシレノール、クロルクレゾールフェネチルアルコール塩化ポリドロニウム、チメロサールポリヘキサメチレンビグアニド等が挙げられる。これらの防腐剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0052

安定化剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、亜硫酸塩モノエタノールアミン、グリセリン、プロピレングリコール、シクロデキストリンデキストラン、アスコルビン酸、エデト酸塩、タウリン、トコフェロール等が挙げられる。これらの安定化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0054

これらの添加剤の濃度については、添加剤の種類や液剤の用途等に応じて適宜設定される。

0055

本発明で使用される液剤の形態としては、水を基剤として含むものであればよく、例えば、水溶液状、懸濁液状、乳液状等のいずれであってもよいが、好ましくは水溶液状が挙げられる。

0056

また、本発明で使用される液剤のpHについては、特に制限されず、当該液剤の用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば5.0〜9.0、好ましくは6.5〜8.5が挙げられる。

0057

本発明で使用される液剤の用途についても、特に制限されず、例えば、医薬、コンタクトレンズケア用品等が挙げられる。医薬としては、具体的には、点眼剤(コンタクトレンズ装用時でも点眼可能なコンタクトレンズ用点眼剤を含む)、洗眼剤等の眼科用液剤;点鼻剤、点耳剤等の耳鼻科用液剤;内服剤注射剤外用剤等が挙げられる。また、コンタクトレンズケア用品としては、具体的には、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ用マルチパーパスソリューション等が挙げられる。これらの液剤の用途の中でも、好ましくは、眼科用液剤、耳鼻科用液剤、及びコンタクトレンズケア用品、更に好ましくは点眼剤が挙げられる。

0058

また、本発明で使用される液剤は、複数回分の使用量が充填され、繰返し使用されるマルチドーズ型容器に充填されてもよく、また単回分の使用量が充填され、1回で使い終わるユニットドーズ型容器に充填されてもよい。

0059

本発明で使用される液剤は、その形態や用途等に応じて、自体公知調製法に従って製造すればよく、例えば、水、生理食塩水等の水性基剤に各成分を配合することによって調製できる。例えば、医薬である場合には、第十六改正日本薬局方製剤総則に記載された方法を用いて製造することができる。

0060

容器
本発明のBHT含有製品では、前記液剤を収容するために、容器本体部と注出部と蓋部とを備え、前記注出部の内部空間の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されている容器が使用される。

0061

<容器の構造>
前記容器を構成する容器本体部とは、前記液剤を収容する部位である。当該容器本体部の形状、大きさについては、特に制限されず、収容する液剤の種類及び容量に応じて適宜設定される。

0062

前記容器を構成する注出部とは、容器本体部と容器外部との間を連通する内部空間を有し、容器本体部に収容された液剤を注出する注出口を備えており、前記注出口が容器本体部の開口部と連通するように設けられ、当該容器本体部に収容された液剤を、当該内部空間を介して当該注出口から容器外部に注出(排出)する部位である。当該注出部は、容器本体部に収容された液剤を注出口から容器外部に注出できるように構成されている限り、その構造については、特に制限されず、例えば、液剤が液滴状で注出されるように構成されていてもよく、また液剤が非液滴状で流出されるように構成されていてもよい。本発明の効果を一層有効に奏させるという観点から、前記注出部は、液剤が液滴状で注出されるように構成されているノズルであることが好ましい。また、当該注出部には、例えば、中栓ノズルや穴あき中栓のように中栓が設けられていてもよい。

0063

前記注出部の一部又は全部が、容器本体部と一体成型されたものであってもよい。また、前記注出部は、容器本体部の開口部の内腔に挿入又は外側に装着させて取り付けられたものであってもよい。

0064

また、前記容器を構成する蓋部は、前記注出口をふさぐ部位である。当該蓋部は、容器本体部及び/又は注出口と嵌合された構造を備えていればよい。より具体的には、本発明のBHT含有製品がマルチドーズ型である場合には、容器本体部及び/又は注出口と着脱可能に嵌合される構造であればよく、また本発明のBHT含有製品がユニットドーズ型である場合には、容器本体部及び/又は注出口から脱離可能に嵌合された構造であればよい。容器本体部及び/又は注出口と着脱可能に嵌合される構造の好適な一例として、容器本体部及び/又は注出部に対して、ネジ嵌合により着脱可能に取り付けられる蓋部が挙げられる。ネジ嵌合により、蓋部と容器本体部及び/又は注出部とを着脱可能に取り付ける場合、蓋部には、容器本体部及び/又は注出部のネジ部と螺合するネジ部が設けられていればよい。

0065

前記容器の形状は、収容するBHT含有製品の用途に応じて適宜設定される。具体的には、点眼容器、洗眼容器、点鼻容器等が挙げられる。

0066

本発明で使用される容器の具体的態様の例を図1〜6に示す。

0067

図1は、点眼容器の一態様の断面図であり、図2は、図1に示す点眼容器の部分拡大断面図である。図1に示す点眼容器では、容器本体部1の開口部の内腔に、前記液剤を液滴状で注出可能な注出部2が挿入されており、更に蓋部3が、容器本体部1にネジ嵌合により着脱可能に取り付けられ、注出部2の注出口がふさがれている。当該点眼容器では、容器本体部1に収容された液剤は、注出部2の内部空間4を介して注出口から容器外部に注出される。図1に示す点眼容器は、ユニットドーズ型の液剤の収容に使用してもよいが、マルチドーズ型の液剤の収容に好適に使用される。

0068

図3は、点眼容器の一態様の断面図である。図3に示す点眼容器では、容器本体部1と注出部2が、接着機械的接合によらず、同一素材で一体となって形成されており、注出部2の内部空間4を介して注出口から容器外部に前記液剤を液滴状で注出可能になっている。図3では、蓋部を省略しており、便宜上、仮想線点線)を挿入している。図3に示す点眼容器では、仮想線よりも下部の容器部材が容器本体部1に該当し、仮想線よりも上部の容器部材が注出部2に該当する。図3に示す点眼容器は、ユニットドーズ型の液剤の収容に使用してもよいが、マルチドーズ型の液剤の収容に好適に使用される。

0069

図4は、点眼容器の一態様の断面図であり、図5は、図4に示す点眼容器の部分拡大断面図である。図4に示す点眼剤では、容器本体部1、注出部2、及び蓋部3が一体成型されている。注出部2と蓋部3は連結した状態になっているが、用時にこれらを切り離すことにより、容器本体部1に収容された前記液剤は、注出部2の内部空間4を介して注出口から容器外部に注出可能になる。図4及び5には、便宜上、仮想線(点線)を挿入している。図4及び5において、2つの仮想線の間の容器部材が注出部2に該当し、2つの仮想線の間の空間が注出部2の内部空間4に該当する。図4に示す点眼容器は、ユニットドーズ型の液剤の収容に好適に使用される。

0070

図6は、洗眼容器の断面図である。図6に示す洗眼容器では、容器本体部1と注出部2の一部が一体成形されている。当該洗眼容器では、容器本体部1に収容された前記液剤は、注出部2の内部空間4を介して注出口から容器外部に注出される。図6には、便宜上、仮想線(点線)を挿入している。

0071

図1〜6には、点眼容器及び洗眼容器の具体的態様を挙げたが、本発明では、これらの構造や形状に限定されるものではなく、また、点眼容器及び洗眼容器以外の容器でも所定の特徴を備える限り使用できる。

0072

<容器の構成素材
前記容器は、前記注出部の内部空間の壁面、及び前記蓋部において前記注出口と対向する壁面の少なくとも一方が、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を含む樹脂によって構成される。ここで、「蓋部において前記注出口と対向する壁面」とは、蓋部を容器本体部及び/又は注出部に取りつけた際に注出口を覆う蓋部の内壁部分に該当する。具体的には、図2を例に挙げると、符号5で示した面部分が「注出部の内部空間の壁面」に該当し、符号6で示した面部分が「蓋部において前記注出口と対向する壁面」に相当する。

0073

このようにポリブチレンテレフタレートを含む樹脂によって、注出部の内部空間の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面を構成することにより、前記液剤で採用される特定の組成と相俟って、ジブチルヒドロキシトルエンの当該注出部及び/又は蓋部への吸着、蓄積を効果的に抑制し、液剤中のジブチルヒドロキシトルエンの含有量を安定に保持させることが可能になる。

0074

前記注出部の内部空間の壁面及び/又は前記蓋部において注出部の注出口と対向する壁面を構成する樹脂は、ポリブチレンテレフタレート単独からなるものであってもよく、またポリブチレンテレフタレートと他のポリマーとのブレンドポリマーからなるものであってもよい。前記注出部の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面を構成する樹脂として、ポリブチレンテレフタレートと他のポリマーとのブレンドポリマーを使用する場合、本発明の効果を奏することを限度として、これらの混合比については特に制限されないが、当該ブレンドポリマーの総量当たり、ポリブチレンテレフタレートが50w/w%以上、好ましくは60w/w%以上、より好ましくは70w/w%以上、更に好ましくは80w/w%以上、特に好ましくは90w/w%以上を占めていることが望ましい。

0075

前記容器において、注出部の内部空間の壁面と、蓋部において注出部の注出口と対向する壁面のいずれか少なくとも一方が、ポリブチレンテレフタレートを含んでいればよい。例えば、液剤が液滴状で注出される注出部(例えば、液剤が液滴状で滴下されるように構成されているノズル)を採用する場合には、ジブチルヒドロキシトルエンの含有量低下をより一層効果的に抑制するという観点から、少なくとも、注出部の内部空間の壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されていることが好ましく、注出部の内部空間の壁面と、蓋部において注出部の注出口と対向する壁面の双方がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されることが更に好ましい。また、例えば、液剤が非液滴状で流出される注出部を採用する場合には、ジブチルヒドロキシトルエンの含有量低下をより一層効果的に抑制するという観点から、少なくとも、蓋部において注出部の注出口と対向する壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されていることが好ましく、注出部の内部空間の壁面と蓋部において注出部の注出口と対向する壁面の双方がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂から構成されることが更に好ましい。

0076

注出部の内部空間の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面が、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂によって構成されている限り、これらの壁面以外の部位の構成素材については特に制限されない。例えば、これらの壁面以外の部位は、ポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成されていてもよく、またポリブチレンテレフタレート以外の素材で構成されていてもよい。

0077

前記容器が、容器本体部と注出部と一体成型されている場合には、容器本体部は、注出部と同じ樹脂により構成される。

0078

また、前記容器が、前記容器本体部の開口部の内腔に前記注出部を挿入して取り付けている場合、又は前記容器本体部の開口部の外側に前記注出部を装着して取り付けている場合には、容器本体部は、ガラス製又はプラスチック製のいずれであってもよいが、好ましくはプラスチック製が挙げられる。かかる態様の容器において、容器本体部をプラスチック製にする場合には、容器本体部を形成する樹脂の種類については、特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレンアクリロニトリルブタジエンスチレン等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートは、優れた成形性を備えつつ、ジブチルヒドロキシトルエンの吸着を抑制することができるので、容器本体部を形成する樹脂として好適に使用される。

0079

2.安定化方法
本発明のジブチルヒドロキシトルエンの安定化方法は、(A)ジブチルヒドロキシトルエンと、(B)プラノプロフェン及び/又はその薬学的に許容される塩を含有する液剤に、(C)クロモグリク酸、アラントイン、グリチルリチン酸、クロルフェニラミン、及びそれらの薬学的に許容される塩よりなる群から選択される少なくとも1種を配合し、且つ当該液剤を、ジブチルヒドロキシトルエンを含有する製剤が、注出部の内部空間の壁面及び/又は蓋部において注出部の注出口と対向する壁面がポリブチレンテレフタレートを含む樹脂で構成された容器に収容することを特徴とする。

0080

本発明の安定化方法において、液剤に含有させる(A)〜(C)成分の種類や含有量、他に配合可能な成分の種類や含有量、液剤の用途等については、前記BHT含有製品で使用される液剤の場合と同様である。また、本発明の安定化方法において使用される容器についても、前記BHT含有製品で使用される容器の場合と同様である。

0081

本発明の安定化方法は、ジブチルヒドロキシトルエンと、プラノプロフェン及び/又はその塩を含有する液剤において、ジブチルヒドロキシトルエンの熱安定性を高めると共に、ジブチルヒドロキシトルエンの容器への吸着を抑制することにより、ジブチルヒドロキシトルエンの含有量低下を効果的に抑制して、ジブチルヒドロキシトルエンの保存安定性を向上させることができるので、当該液剤の保存方法として実施することもできる。

0082

以下に、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。

0083

試験例1:ジブチルヒドロキシトルエンの含有量の経時的変化の評価
表2に示す液剤を調製して各種容器に収容して保存した際のジブチルヒドロキシトルエンの含有量の経時変化を測定した。具体的には、表2に示す液剤を常法に従って調製して、表1に示す各容器に収容し、密閉して40℃、75%RH、遮光条件にて2週間静置することにより保存した。その際、容器2及び3の場合には液剤の収容量は10mLにし、容器1の場合には液剤の収容量は5mLにした。また、容器2及び3の場合には、蓋部分が上面、容器本体部の底部が下面となるように、容器を正立させた状態で静置した。保存開始前、保存開始から1週間後及び2週間後に、容器中の液剤をノズルに接液しないようにサンプリングし、液剤中のジブチルヒドロキシトルエンの含有量をHPLCにて測定することにより、ジブチルヒドロキシトルエンの熱安定性を評価した。ジブチルヒドロキシトルエンの安定性は、具体的には、保存前のジブチルヒドロキシトルエン含有量に対する保存後のジブチルヒドロキシトルエン含有量の割合を残存率(%)として算出した。なお、容器3は従来汎用されている点眼容器の例である。また、ガラスは一般的な薬物が吸着し難いことが知られており、容器1はジブチルヒドロキシトルエンが吸着し難い容器の例である。

0084

0085

得られた結果を表2に示す。コントロールの結果から分かるように、液剤中にジブチルヒドロキシトルエンとプラノプロフェンを共存させると、ジブチルヒドロキシトルエン含有量の低下が顕著になることが明らかとなった。また、ジブチルヒドロキシトルエンとプラノプロフェンに、ナファゾリン塩酸塩又はネオスチグミンメチル硫酸塩を組み合わせると、ジブチルヒドロキシトルエン含有量の低下を十分に抑制できなかったり、ジブチルヒドロキシトルエン含有量の更なる低下を引き起こしたりすることが確認された(比較例1及び2)。これに対して、ジブチルヒドロキシトルエンとプラノプロフェンに、クロモグリク酸ナトリウム、アラントイン、グリチルリチン酸二カリウム、又はクロルフェニラミンマレイン酸塩を組み合わせ、且つポリブチレンテレフタレート製ノズルを装着した容器2に収容した液剤では、ジブチルヒドロキシトルエン含有量の低下を効果的に抑制できていた(実施例1〜5)。

0086

0087

参考試験例1:ジブチルヒドロキシトルエンの含有量の経時的変化の評価
表3及び4に示す液剤を常法に従って調製し、前記試験例1と同様の方法で、表1に示す各容器に収容して保存し、液剤中のジブチルヒドロキシトルエンの含有量をHPLCにて測定した。得られた測定値に基づいて、前記試験例1と同様の方法で、ジブチルヒドロキシトルエンの残存率(%)を算出した。

0088

得られた結果を表3及び4に示す。この結果から、比較例3〜16では、ジブチルヒドロキシトルエンとプラノプロフェンを共存させた場合に生じるジブチルヒドロキシトルエン含有量の低下を十分に抑制できていなかったり、ジブチルヒドロキシトルエン含有量を更に低下させたりすることが明らかとなった。即ち、本結果から、ジブチルヒドロキシトルエンとプラノプロフェンを共存させた場合に生じるジブチルヒドロキシトルエン含有量の低下抑制効果は、クロモグリク酸、アラントイン、グリチルリチン酸、及び/又はその塩を選択し、これを配合することによって認められる特有の効果であることが確認された。

0089

実施例

0090

0091

1容器本体部
2注出部
3 蓋部
4 抽出部の内部空間
5 抽出部の内部空間の壁面
6 蓋部において注出部の注出口と対向する壁面

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