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技術 顔の肌の追従性の推定方法、推定装置及び推定プログラム、並びに、皮下組織の粘弾性の推定方法、推定装置及び推定プログラム

出願人 ポーラ化成工業株式会社
発明者 黒住元紀水越興治
出願日 2018年2月28日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-034644
公開日 2019年9月5日 (7ヶ月経過) 公開番号 2019-146897
状態 未査定
技術分野 超音波診断装置 生体の呼吸・聴力・形態・血液特性等の測定 診断用測定記録装置
主要キーワード 単回帰式 物理的測定値 反射マーカー 一部切り出し 単回帰 リガメント フックの法則 特定数値
関連する未来課題
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図面 (14)

課題

画像撮影などにより取得可能な外面的な情報から肌の内部の粘弾性推定することを可能にする新規の技術を提供する。

解決手段

表情変化における顔の肌の追従性と、皮下組織の粘弾性と、の間の相関関係を利用して、前記追従性の測定値指標として皮下組織の粘弾性を推定することを特徴とする、皮下組織の粘弾性の推定方法

概要

背景

皮膚は、大きく分けて表皮真皮、そして皮下組織の3層よりなる。表皮はさらに角質層顆粒層有棘層及び基底層の4つの層に分類でき、下層に位置する真皮は乳頭層乳頭下層及び網状層の3つの層に分類できる。これら表皮、真皮を支え役割を担うのが皮下組織である。皮下組織の大部分は皮下脂肪からなり、保温外力に対する緩衝作用などを有する。

皮膚の硬さなどを判断する手法として古くは触診が行われていたが、超音波エラストグラフィ技術(例えば特許文献1)の発展により、皮膚を構成するそれぞれの層の物理学的特性、とりわけ粘弾性定量的測定が可能となっている。

ところで、近年、画像解析技術の発展に伴い、顔の表情変化解析する技術が研究開発されている。特許文献2には、表情変化における顔の肌の追従性を解析する技術が開示されている。

概要

画像撮影などにより取得可能な外面的な情報から肌の内部の粘弾性を推定することを可能にする新規の技術を提供する。表情変化における顔の肌の追従性と、皮下組織の粘弾性と、の間の相関関係を利用して、前記追従性の測定値指標として皮下組織の粘弾性を推定することを特徴とする、皮下組織の粘弾性の推定方法

目的

本発明の解決しようとする第1の課題は、画像撮影などにより取得可能な外面的な情報から肌の内部の粘弾性を推定することを可能にする新規の技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

表情変化における顔の肌の追従性と、皮下組織粘弾性と、の間の相関関係を利用して、前記追従性の測定値指標として皮下組織の粘弾性を推定することを特徴とする、皮下組織の粘弾性の推定方法

請求項2

表情変化における顔の肌の追従性の測定値を説明変数、皮下組織の粘弾性を目的変数とする回帰式を用いて、前記追従性の測定値から皮下組織の粘弾性を算出することを特徴とする、請求項1に記載の推定方法。

請求項3

皮下組織上層の粘弾性を推定することを特徴とする、請求項1又は2に記載の推定方法。

請求項4

前記追従性の測定値が、表情変化における、顔の任意の位置に設定された少なくとも2つのマーカー運動速度が最大となる時間の差分であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の推定方法。

請求項5

前記追従性の測定値が、無表情の状態から口を開いた表情への開口表情変化における、の任意の位置に設定された第1のマーカーの運動速度が最大となる時間と、の任意の位置に設定された第2のマーカーの運動速度が最大となる時間との差分であることを特徴とする、請求項4に記載の推定方法。

請求項6

前記追従性の測定値が、以下の工程により算出される差分であることを特徴とする、請求項5に記載の推定方法。(i)顔の任意の点を参照点とし、該参照点と第1のマーカーとの間の距離の単位時間当たりの変化量の時間変化を測定し、該変化量が最大となる時間を特定する工程(ii)前記参照点と第2のマーカーとの間の距離の単位時間当たりの変化量の時間変化を測定し、該変化量が最大となる時間を特定する工程(iii)工程(i)で特定した時間と、工程(ii)で特定した時間との差分を求める工程

請求項7

前記追従性の測定値が、以下の工程により算出される回帰直線の傾きであることを特徴とする、請求項5に記載の推定方法。(i)顔の任意の点を参照点とし、該参照点と第1のマーカーとの間の距離の単位時間当たりの変化量の時間変化を測定し、該変化量が最大となる時間を特定する工程(ii´)第2のマーカーを顔の高さ方向に並列して複数設定し、前記参照点とそれぞれの第2のマーカーとの間の距離の単位時間当たりの変化量の時間変化を測定し、該変化量が最大となる時間を特定する工程(iii´)工程(i)で特定した時間と、工程(ii)で特定したそれぞれの第2のマーカーに係る時間との差分を求める工程(iv)工程(iii´)で求めた、それぞれの第2のマーカーに係る前記差分を、それぞれの第2のマーカーの座標ごとにプロットし、回帰分析を行い、回帰直線の傾きを算出する工程

請求項8

無表情時において頂部から水平方向に引いた線よりも上方に前記第2のマーカーを設定することを特徴とする、請求項5〜7の何れか一項に記載の推定方法。

請求項9

無表情時において、鼻頂部から水平方向に引いた線と、目尻から水平方向に引いた線との中心線よりも上方に前記第2のマーカーを設定することを特徴とする、請求項5〜8の何れか一項に記載の推定方法。

請求項10

顔に前記マーカーを設定して撮影されたモーションキャプチャ動画像を用いて前記追従性を測定することを特徴とする、請求項4〜9の何れか一項に記載の推定方法。

請求項11

表情変化における顔の肌の追従性と、皮下組織の粘弾性と、の間の相関関係を利用して、前記皮下組織の粘弾性の測定値を指標として前記追従性を推定することを特徴とする、前記追従性の推定方法。

請求項12

皮下組織の粘弾性の測定値を説明変数、表情変化における顔の肌の追従性を目的変数とする回帰式を用いて、前記皮下組織の粘弾性の測定値から前記追従性を算出することを特徴とする、請求項11に記載の推定方法。

請求項13

前記皮下組織の粘弾性を超音波エラストグラフィにより測定することを特徴とする、請求項11又は12に記載の推定方法。

請求項14

表情変化における顔の肌の追従性と、皮下組織の粘弾性と、の間の相関関係を利用して、前記追従性の測定値を指標として皮下組織の粘弾性を推定する皮下組織の粘弾性推定装置であって、前記相関関係を示す相関データを記憶する記憶手段と、被験者の表情変化における顔の肌の追従性を、前記記憶手段に記憶された前記相関データと照合して、前記粘弾性を算出する粘弾性算出手段と、を備えることを特徴とする、皮下組織の粘弾性の推定装置。

請求項15

表情変化における顔の肌の追従性と、皮下組織の粘弾性と、の間の相関関係を利用して、前記追従性の測定値を指標として皮下組織の粘弾性を推定する皮下組織の粘弾性推定プログラムであって、コンピュータを、被験者の表情変化における顔の肌の追従性を、前記相関関係を示す粘弾性相関データと照合して、前記粘弾性を算出する粘弾性算出手段として、機能させることを特徴とする、皮下組織の粘弾性推定プログラム。

請求項16

表情変化における顔の肌の追従性と、皮下組織の粘弾性と、の間の相関関係を利用して、前記皮下組織の粘弾性の測定値を指標として前記追従性を推定する前記追従性の推定装置であって、前記相関関係を示す相関データを記憶する記憶手段と、被験者の肌の皮下組織の粘弾性を、記憶手段に記憶された前記相関データと照合して、追従性を算出する追従性算出手段と、を備えることを特徴とする、前記追従性の推定装置。

請求項17

表情変化における顔の肌の追従性と、皮下組織の粘弾性と、の間の相関関係を利用して、前記皮下組織の粘弾性の測定値を指標として前記追従性を推定する前記追従性の推定プログラムであって、コンピュータを、被験者の肌の皮下組織の粘弾性を、前記相関関係を示す相関データと照合して、追従性を算出する追従性算出手段として、機能させることを特徴とする、前記追従性の推定プログラム。

技術分野

0001

本発明は表情変化における顔の肌の追従性推定方法推定装置及び推定プログラム、並びに、皮下組織粘弾性の推定方法、推定装置及び推定プログラムに関する。

背景技術

0002

皮膚は、大きく分けて表皮真皮、そして皮下組織の3層よりなる。表皮はさらに角質層顆粒層有棘層及び基底層の4つの層に分類でき、下層に位置する真皮は乳頭層乳頭下層及び網状層の3つの層に分類できる。これら表皮、真皮を支え役割を担うのが皮下組織である。皮下組織の大部分は皮下脂肪からなり、保温外力に対する緩衝作用などを有する。

0003

皮膚の硬さなどを判断する手法として古くは触診が行われていたが、超音波エラストグラフィ技術(例えば特許文献1)の発展により、皮膚を構成するそれぞれの層の物理学的特性、とりわけ粘弾性の定量的測定が可能となっている。

0004

ところで、近年、画像解析技術の発展に伴い、顔の表情変化を解析する技術が研究開発されている。特許文献2には、表情変化における顔の肌の追従性を解析する技術が開示されている。

先行技術

0005

特表2009−539528号公報
特開2016−194901号公報

発明が解決しようとする課題

0006

皮膚を構成するそれぞれの層の粘弾性を測定するためには、超音波エラストグラフィを用いる必要がある。しかし、この技術を実施するためには、高価な解析装置が必要であり、設備投資費用が膨らむという問題があった。
一方、画像解析は解析用ソフトウェアさえあれば実施可能であり、高額な設備投資は不要である。
しかし、顔の画像又は動画を解析することによって、肌の内部の粘弾性を評価する技術はこれまでに知られていない。
このような問題に鑑み、本発明の解決しようとする第1の課題は、画像撮影などにより取得可能な外面的な情報から肌の内部の粘弾性を推定することを可能にする新規の技術を提供することにある。

0007

また、表情変化における顔の肌の追従性は、画像解析技術により測定可能であるが(特許文献2)、肌の内部における物理的特性から、これを推定する技術は知られていない。
したがって、本発明の解決しようとする第2の課題は、肌の内部の物理的測定値から表情変化における顔の肌の追従性を推定する新規の技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らの鋭意研究の結果、表情変化における顔の肌の追従性と皮下組織の粘弾性との間には相関関係があることが見出された。本発明者らは、この知見に基づき上記課題を解決する本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、表情変化における顔の肌の追従性と、皮下組織の粘弾性と、の間の相関関係を利用して、前記追従性の測定値指標として皮下組織の粘弾性を推定することを特徴とする、皮下組織の粘弾性の推定方法である。

0009

本発明によれば、「表情変化における顔の肌の追従性」という画像撮影などにより取得可能な外面的な情報から、肌の深い位置に存在する皮下組織の粘弾性を推定することができる。

0010

本発明の好ましい形態では、表情変化における顔の肌の追従性の測定値を説明変数、皮下組織の粘弾性を目的変数とする回帰式を用いて、前記追従性の測定値から皮下組織の粘弾性を算出する。
予め用意した回帰式を用いることで、より正確に皮下組織の粘弾性を推定することができる。

0011

本発明の好ましい形態では、皮下組織上層の粘弾性を推定する。
本発明の推定方法は、特に皮下組織上層の粘弾性を推定するのに有用である。

0012

本発明の好ましい形態では、前記追従性の測定値が、表情変化における、顔の任意の位置に設定された少なくとも2つのマーカー運動速度が最大となる時間の差分である。
追従性を「時間の差分」という定量的数値によって取得することで、より正確に皮下組織の粘弾性を推定することができる。

0013

本発明の好ましい形態では、前記追従性の測定値が、無表情の状態から口を開いた表情への開口表情変化における、の任意の位置に設定された第1のマーカーの運動速度が最大となる時間と、の任意の位置に設定された第2のマーカーの運動速度が最大となる時間との差分である。
このように開口表情変化における顎と頬の動きを測定することにより、追従性を容易に定量化することができ、より正確に皮下組織の粘弾性を推定することができる。

0014

本発明の好ましい形態では、前記追従性を以下の工程により測定する。
(i)顔の任意の点を参照点とし、該参照点と第1のマーカーとの間の距離の単位時間当たりの変化量の時間変化を測定し、該変化量が最大となる時間を特定する工程
(ii)前記参照点と第2のマーカーとの間の距離の単位時間当たりの変化量の時間変化を測定し、該変化量が最大となる時間を特定する工程
(iii)工程(i)で特定した時間と、工程(ii)で特定した時間との差分を求める工程
このように参照点を設けることによって、より精度よく追従性を測定することができる。

0015

本発明の好ましい形態では、前記追従性の測定値が、以下の工程により算出される回帰直線の傾きである。
(i)顔の任意の点を参照点とし、該参照点と第1のマーカーとの間の距離の単位時間当たりの変化量の時間変化を測定し、該変化量が最大となる時間を特定する工程
(ii´)第2のマーカーを顔の高さ方向に並列して複数設定し、前記参照点とそれぞれの第2のマーカーとの間の距離の単位時間当たりの変化量の時間変化を測定し、該変化量が最大となる時間を特定する工程
(iii´)工程(i)で特定した時間と、工程(ii)で特定したそれぞれの第2のマーカーに係る時間との差分を求める工程
(iv)工程(iii´)で求めた、それぞれの第2のマーカーに係る前記差分を、それぞれの第2のマーカーの座標ごとにプロットし、回帰分析を行い、回帰直線の傾きを算出する工程
このように第2のマーカーを複数設定し、第1のマーカーの動きに対する、それぞれの第2のマーカーの動きの遅れに関して回帰分析を行った結果得られる回帰直線の傾きを「追従性の測定値」として評価することも可能である。これにより、より精度よく追従性を測定し、粘弾性を高確度で推定することができる。

0016

本発明の好ましい形態では、無表情時において頂部から水平方向に引いた線よりも上方に第2のマーカーを設定する。さらに好ましい形態では、無表情時において、鼻頂部から水平方向に引いた線と、目尻から水平方向に引いた線との中心線よりも上方に第2のマーカーを設定する。
頬における顎から離れた位置ほど加齢に伴う追従性の悪化が顕著に観察される。そのため、本形態のように頬のより上方に第2のマーカーを設定することによって、より精度よく皮下組織の粘弾性を推定することができる。

0017

本発明の好ましい形態では、顔に前記マーカーを設定して撮影されたモーションキャプチャ動画像を用いて前記追従性を測定する。
モーションキャプチャ—技術を用いることにより、容易に追従性を測定することができ、簡便に皮下組織の粘弾性を推定することができる。

0018

また、本発明は、表情変化における顔の肌の追従性と、皮下組織の粘弾性と、の間の相関関係を利用して、前記皮下組織の粘弾性の測定値を指標として前記追従性を推定することを特徴とする、前記追従性の推定方法にも関する。
本発明は、上述した皮下組織の粘弾性の推定方法と表裏をなすものである。本発明によれば、肌の深部に位置する皮下組織の物理特性から、簡便に表情変化における顔の肌の追従性を推定することができる。

0019

本発明の好ましい形態では、皮下組織の粘弾性の測定値を説明変数、表情変化における顔の肌の追従性を目的変数とする回帰式を用いて、前記皮下組織の粘弾性の測定値から前記追従性を算出する。
このように回帰式を用いることによって、より精度よく表情変化における顔の肌の追従性を推定することができる。

0020

本発明の好ましい形態では、前記皮下組織の粘弾性を超音波エラストグラフィにより測定する。

0021

また、本発明は、表情変化における顔の肌の追従性と、皮下組織の粘弾性と、の間の相関関係を利用して、前記追従性の測定値を指標として皮下組織の粘弾性を推定する皮下組織の粘弾性推定装置にも関する。
本発明の粘弾性推定装置は、前記相関関係を示す相関データを記憶する記憶手段と、
被験者の表情変化における顔の肌の追従性を、前記記憶手段に記憶された前記相関データと照合して、前記粘弾性を算出する粘弾性算出手段と、
を備えることを特徴とする。

0022

また、本発明は、表情変化における顔の肌の追従性と、皮下組織の粘弾性と、の間の相関関係を利用して、前記追従性の測定値を指標として皮下組織の粘弾性を推定する皮下組織の粘弾性推定プログラムにも関する。
本発明の粘弾性推定プログラムは、コンピュータを、
被験者の表情変化における顔の肌の追従性を、前記相関関係を示す粘弾性相関データと照合して、前記粘弾性を算出する粘弾性算出手段として、
機能させることを特徴とする。

0023

また、本発明は、表情変化における顔の肌の追従性と、皮下組織の粘弾性と、の間の相関関係を利用して、前記皮下組織の粘弾性の測定値を指標として前記追従性を推定する前記追従性の推定装置にも関する。
本発明の追従性の推定装置は、前記相関関係を示す相関データを記憶する記憶手段と、
被験者の肌の皮下組織の粘弾性を、記憶手段に記憶された前記相関データと照合して、追従性を算出する追従性算出手段と、を備えることを特徴とする。

0024

本発明は、表情変化における顔の肌の追従性と、皮下組織の粘弾性と、の間の相関関係を利用して、前記皮下組織の粘弾性の測定値を指標として前記追従性を推定する前記追従性の推定プログラムにも関する。
本発明の推定プログラムは、コンピュータを、
被験者の肌の皮下組織の粘弾性を、前記相関関係を示す相関データと照合して、追従性を算出する追従性算出手段として、
機能させることを特徴とする。

発明の効果

0025

本発明によれば、表情変化における顔の肌の追従性という外面的な情報から、皮下組織の粘弾性という皮膚内部の物理特性を容易に推定することができる。
また、本発明によれば、皮下組織の粘弾性という皮膚内部の物理特性から、表情変化における顔の肌の追従性という外面的な特性を容易に推定することができる。

図面の簡単な説明

0026

追従性の測定の際に設定する参照点、第1のマーカー及び第2のマーカーの位置を示す図。
第2のマーカーの座標を横軸、第1のマーカーと第2のマーカーの単位時間当たりの変化量が最大になる時間の差分を縦軸とするグラフ。グラフ中の直線は回帰直線を表す。
本発明の粘弾性推定装置の一実施形態を示すハードウェアブロック図である。
本発明の追従性推定装置の一実施形態を示すハードウェアブロック図である。
試験例1のモーションキャプチャ解析におけるマーカーの位置と表情変化を表す写真である。
ポイント1〜ポイント7に関して別個年代ごとの平均値をとり、これをプロットしたグラフである。
エラストグラフィ解析によって得られた、皮膚の内部断面における粘弾性の分布を表すイメージング画像である。
試験例1と試験例2の解析結果についての回帰分析の結果を表すグラフである。
皮膚モデルの模式図である。
FEM解析概要を表す図である。
FEM解析におけるZ方向の変位を測定する位置を表す図である。
横軸に時間、縦軸にZ方向の変位をプロットした、FEM解析の結果を表すグラフである。
皮膚モデルのX−Z断面におけるZ方向の変位の分布を経時的に示すイメージング画像である。

0027

<1>皮下組織の粘弾性の推定方法
以下、図1を参照しながら本発明の実施の形態について詳述する。
表情変化における顔の肌の追従性(以下、単に追従性ともいう)と皮下組織の粘弾性との間には、正の相関関係が成立する。本発明は、かかる相関関係を利用して追従性から皮下組織の粘弾性を推定する。

0028

なお、皮下組織は、粘弾性が略均一な部分ごとに、深さ方向について大きく3つの層に分類することができる。本発明においては、真皮に最も近い層である、皮下組織上層の粘弾性の推定に有用である。
具体的には、皮下組織を深さ方向に1:2:1の比率で分割したとき、一番上に位置する層(真皮に接する層)のことを皮下組織上層という。

0029

上記相関関係は好ましくは式またはモデルで示される。式またはモデルとしては、単回帰式又は単回帰モデルが好ましく挙げられる。

0030

粘弾性は粘性弾性の両方を合わせた性質のことをいう。したがって、粘弾性の評価に当たっては粘性と弾性の両方を評価することになる。しかし、生体組織においては粘性と弾性を明確に区別することは困難であり、粘弾性は主として弾性率(ヤング率)により評価されることが一般的である。
また、フックの法則(下記式1)に基づき、粘弾性を「ひずみ」により評価してもよい。

0031

式1

0032

そのため、本発明によって推定する粘弾性は、弾性率(ヤング率)又はひずみとして算出される形態としてもよい。
上述の回帰式又は回帰モデルの作成に当たっても、目的変数を皮下組織のヤング率又はひずみ、説明変数を追従性と置いてよい。

0033

「表情変化における顔の肌の追従性」とは、表情変化に追従して変化する顔の肌の動きの遅れの程度のことである。表情変化が起こる際に、顔の肌はその動きに遅れて変化することになるが、その遅れの程度が小さいほど「追従性に優れる」という。

0034

追従性は、表情変化の際の顔の任意の2つの点を観察し、この2つの点の運動のタイミングのズレの程度を測定することにより定量的に評価することができる。
より具体的には、追従性は、表情変化における、顔の任意の位置に設定された少なくとも2つのマーカーの運動速度が最大となる時間の差分として定量的に測定できる。

0035

追従性を測定する際に設定する2つのマーカーは任意に設定することができるが、表情変化において最も顕著に動く顔の位置を第1のマーカー、それ以外の任意の顔の位置を第2のマーカーに設定し、これら2つのマーカーの運動速度が最大となる時間の差分を測定することが好ましい。

0036

追従性の測定において被験者に実行させる「表情変化」としては、無表情の状態から口を開いた表情への開口表情変化を特に好ましく例示することができる。
この場合、第1のマーカー1は顎の任意の位置に設定することが好ましい。より好ましくは顎の先端付近に第1のマーカー1を設定する(図1)。

0037

一方、第2のマーカーは頬の任意の位置に設定することが好ましい(図1)。無表情時において鼻頂部から水平方向に引いた線41よりも下方に設定した第2のマーカー21により追従性を測定してもよいが、好ましくは線41よりも上方に設定した第2のマーカー22、さらに好ましくは線41と、目尻から水平方向に引いた線43との中心線42よりも上方に設定した第2のマーカー23に基づき追従性を測定する(図1)。

0038

追従性は以下に説明する(i)〜(iii)の3つの工程により測定することが好ましい。
(i)顔の任意の点を参照点とし、参照点と第1のマーカーとの間の距離の単位時間当たりの変化量の時間変化を測定し、該変化量が最大となる時間を特定する工程
(ii)前記参照点と第2のマーカーとの間の距離の単位時間当たりの変化量の時間変化を測定し、該変化量が最大となる時間を特定する工程
(iii)前記(i)工程で特定した時間と、前記(ii)工程で特定した時間との差分を求める工程
以下、それぞれの工程について詳述する。

0039

工程(i)においては、顔の任意の点を参照点3とし、参照点3と第1のマーカー1との間の距離L1の単位時間当たりの変化量V1の時間変化を測定し、変化量V1が最大となる時間を特定する(図1参照)。
このように顔の任意の点を参照点3に設定し、この参照点3からの距離で第1のマーカー1と第2のマーカー2の動きをとらえることで、表情変化における頭の動きに左右されることなく、第1のマーカー1と第2のマーカー2のそれぞれの運動の相対評価が可能となる。

0040

参照点3に設定するのは、開口表情変化において肌の動きが乏しい又は動きが無い箇所が好ましい。
開口表情変化において額の肌は動きにくいため、額の任意の位置、より好ましくは額の上部、さらに好ましくは髪の生え際付近を参照点3に設定することが好ましい(図1)。

0041

工程(ii)では、上述した参照点3と第2のマーカー2との間の距離L2の単位時間当たりの変化量V2の時間変化を測定し、変化量V2が最大となる時間を特定する(図1正面視右側)。
当然であるが工程(i)と工程(ii)における参照点3は同一とする。

0042

工程(iii)においては、工程(i)で特定した時間と、工程(ii)で特定した時間との差分を求める。差分を視覚的に求めやすいように、工程(i)及び工程(ii)においては、変化量V1と変化量V2を経時的にプロットしたグラフを作成してもよい。

0043

また、追従性は以下に説明する工程(i)、(ii´)、(iii´)及び(iv)の4つの工程により測定してもよい。
(i)顔の任意の点を参照点とし、該参照点と第1のマーカーとの間の距離の単位時間当たりの変化量の時間変化を測定し、該変化量が最大となる時間を特定する工程
(ii´)第2のマーカーを顔の高さ方向に並列して複数設定し、前記参照点とそれぞれの第2のマーカーとの間の距離の単位時間当たりの変化量の時間変化を測定し、該変化量が最大となる時間を特定する工程
(iii´)工程(i)で特定した時間と、工程(ii)で特定したそれぞれの第2のマーカーに係る時間との差分を求める工程
(iv)工程(iii´)で求めた、それぞれの第2のマーカーに係る前記差分を、それぞれの第2のマーカーを設定した顔における相対的な位置ごとにプロットし、回帰分析を行い、回帰直線の傾きを算出する工程
以下、それぞれの工程について詳述する。

0044

本実施形態における工程(i)の実施態様は、上述した別形態と同様である。本実施形態の特徴は、第2のマーカーを顔の高さ方向に並列して複数設定し、それぞれの第2のマーカーについて第1のマーカーとの動きのタイミングのズレを測定することにある。図1を参照しながら具体的に説明する。

0045

本実施形態においては、第2のマーカー21〜23を顔の高さ方向に並列して設定する(図1正面視左側)。工程(ii´)においては、参照点3と第2のマーカー21との間の距離L21の単位時間当たりの変化量V21の時間変化、参照点3と第2のマーカー22との間の距離L22の単位時間当たりの変化量V22の時間変化、そして、参照点3と第2のマーカー23との間の距離L23の単位時間当たりの変化量V23の時間変化、をそれぞれ測定し、変化量V21〜23のそれぞれが最大となる時間を特定する。

0046

工程(iii´)においては、工程(i)で特定した時間と、工程(ii)で特定したそれぞれの第2のマーカーに係る時間との差分を求める。具体的には、変化量V1が最大となる時間と、変化量V21〜23が最大となる時間の差分をそれぞれ求める。

0047

工程(iv)においては、それぞれの第2のマーカーに係る前記差分を、それぞれの第2のマーカーを設定した顔における相対的な座標ごとにプロットし、回帰分析を行い、回帰直線の傾きを算出する。
具体的には、変化量V1が最大となる時間と、変化量V21〜23が最大となる時間の差分を縦軸、それぞれの第2のマーカーの座標を横軸にプロットする(図2)。第2のマーカーは顔における高さ方向に並列して設定されているため、ここでいう「座標」は高さ方向における座標である。
なお、当然のことであるが、縦軸と横軸を入れ替えてプロットしても構わない。

0048

第2のマーカーの座標を特定する方法は限定されない。例えば、第1のマーカーや参照点を基準とした相対的な距離を「座標」としても特定しても良い。
また、第2のマーカーを高さ方向において等間隔に設定する場合には、それぞれの第2のマーカーの座標を特定数値として決定してグラフにプロットする必要はない。この場合には、それぞれの第2のマーカーの座標については、横軸方向に等間隔にプロットすればよい(図2

0049

グラフにプロットした後、回帰分析を行う。回帰分析の手法は特に限定されないが、最小二乗法を好ましく例示することができる。
回帰分析により得られた回帰直線の傾き(図2中の「a」の数値)を追従性の測定値とする。

0050

なお、図1の正面視左側には第2のマーカーを3点設定した形態を図示しているが、これに限定されず、好ましくは3点以上、より好ましくは5点以上、さらに好ましくは7点以上の第2のマーカーを設定する。

0051

複数設定する第2のマーカーうち、1点又は2点以上を、線41よりも上方に設定することが好ましく、線42よりも上方に設定することがさらに好ましい(図1)。
また、線41の上方及び下方の何れにも第2のマーカーを設定することが好ましい(図1)。
これにより、工程(iv)における回帰分析の精度を向上させることができる。

0052

追従性の測定における、被験者の表情変化に伴う各マーカーの運動の計測は、公知の何れの方法で行ってもよい。オプティカルフロー法やモーションキャプチャ法など、被験者の表情変化を含む動画像に基づき測定する方法を好ましく例示できる。
この場合、一般的なカメラ装置評価対象の顔の動画像を撮影した映像を用いてよいが、画像解析に耐えうる程度の解像度を有していることが好ましい。

0053

なお、一般的に動画像は多数の静止画像フレーム)の連続によって構成されるものであり、単位時間当たりのフレーム数を表すフレームレートによって、その動きの滑らかさが表される。ここでは、マーカーの単位時間当たりの変化量を取得し、その最大値を特定できる程度以上のフレームレートを有する動画像を取得することが好ましい。

0054

モーションキャプチャにより追従性を測定する形態について、その一例を説明する。まず、被験者の顔の参照点3、第1のマーカー1、及び第2のマーカー2の位置に、予めモーションキャプチャ用の反射マーカーを貼り付ける(図1)。その状態で被験者に開口表情変化を実施させ、複数のカメラによってその表情変化を含む動画像の撮影を行う。そして、この動画像を解析することにより、各マーカーの三次元的な座標の変化を追跡し、距離L1の単位時間当たりの変化量V1が最大になる時間と、距離L2の単位時間当たりの変化量V2が最大となる時間を特定し、これらの時間の差分、すなわち追従性の測定値を算出する。

0055

なお、追従性と皮下組織の粘弾性との相関関係を示す回帰式又は回帰モデルの作成の用に供するデータの取得のための追従性の測定についても、上述した方法で行うことが好ましい。
より詳しくは、統計学的に有意な数の被験者について、上述の方法で追従性の測定を行い、同被験者について後述する方法で皮下組織の粘弾性の測定を行う。これら測定値に基づき追従性を説明変数、皮下組織の粘弾性を目的変数とする回帰式又は回帰モデルを作成する。

0056

<2>表情変化における肌の追従性の推定方法
上述したとおり、表情変化における顔の肌の追従性と皮下組織の粘弾性との間には、正の相関関係が成立する。本発明は、かかる相関関係を利用して皮下組織の粘弾性から追従性を推定する。
上記相関関係は好ましくは式またはモデルで示される。式またはモデルとしては、単回帰式又は単回帰モデルが好ましく挙げられる。

0057

皮下組織の粘弾性は超音波エラストグラフィにより測定することができる。超音波エラストグラフィの手法としては、外部から応力σを加えて肌を変形させてひずみεを測定し、フックの法則よりヤング率Eを求めるストレインイメージングや、肌にせん断波伝搬させ、その伝搬速度csを測定することでヤング率Eを求めるシアウェーブ・イメージングなど公知の手法を制限なく用いることができる。

0058

音波エラストグラフィ装置としては、例えば日立製作所製「ARIETTA E70」や、シーメンスヘルスケア社製「アキュソンS2000e」などを用いることができる。

0059

超音波エラストグラフィによれば、肌の内部断面における粘弾性(ヤング率(機種によってはひずみ))の分布を画像として得ることができる。本発明の実施に当たっては皮下組織において不均一に分布する粘弾性の平均を測定値として用いてもよい。

0060

皮下組織の粘弾性の測定に当たっては、皮下組織を深さ方向について上層、中層、下層の3層に分け、それぞれの層における粘弾性の平均を求める形態とすることが好ましい。特に皮下組織上層の粘弾性の平均を測定値として用いて、追従性を推定する実施の形態とすることが好ましい。

0061

なお、追従性と皮下組織の粘弾性との相関関係を示す回帰式又は回帰モデルの作成の用に供するデータの取得のための粘弾性の測定についても、上述した方法で行うことが好ましい。
より詳しくは、統計学的に有意な数の被験者について、上述した方法で追従性の測定を行い、同被験者について上述した方法で皮下組織の粘弾性の測定を行う。これら測定値に基づき皮下組織の粘弾性を説明変数、追従性を目的変数とする回帰式又は回帰モデルを作成する。

0062

<3>皮下組織の粘弾性の推定装置
以下、皮下組織の粘弾性の推定装置について図3を参照しながら説明を加える。なお、本発明の皮下組織の粘弾性の推定装置は、上記<1>の項目で説明した皮下組織の粘弾性の推定方法を実施するための装置である。したがって、上記<1>の項目の説明は、以下の皮下組織の粘弾性の推定装置に関しても妥当する。

0063

本発明の皮下組織の粘弾性の推定装置4は、表情変化における顔の肌の追従性と皮下組織の粘弾性との相関関係を示す粘弾性相関データを記憶する記憶手段421と、
被験者の表情変化における顔の肌の追従性を、記憶手段421に記憶された粘弾性相関データと照合して、前記粘弾性を算出する粘弾性算出手段413と、を備える。

0064

図3に示すように、皮下組織の粘弾性の推定装置4は、動画像入力部43、記憶手段421を備えるROM(Read Only Memory)42、粘弾性算出手段413を備えるCPU(Central Processing Unit)41、及び粘弾性表示部44を有している。

0065

本発明の好ましい実施の形態では、上記<1>の項目で説明した工程(i)〜(iii)を実行することで、変化量V1及び変化量V2が最大値となる時間を特定し、これらの時間の差分、すなわち追従性を算出する追従性算出手段412を備えることが好ましい。
また、追従性算出手段412が、上記<1>の項目で説明した工程(i)、(ii´)、(iii´)及び(iv)を実行することで、変化量V1及び変化量V21〜23が最大値となる時間を特定し、これらの時間の差分を算出し、当該差分と第2のマーカー21〜23の座標との回帰分析を行い、その回帰直線の傾き、すなわち追従性を算出するように構成してもよい。
CPU41が追従性算出手段412を備える。

0066

本発明の好ましい実施の形態では、動画像入力部43より入力された被験者の開口表情変化を含む動画像から、経時的に変化する変化量V1及び変化量V2を数値化する数値化手段411を備えることが好ましい。数値化手段411により数値化された経時的に変化する変化量V1及び変化量V2が追従性算出手段412に供される。
CPU41が数値化手段411を備える。

0067

また、追従性算出手段412が、上記<1>の項目で説明した工程(i)、(ii´)、(iii´)及び(iv)を実行するように構成する場合には、動画像入力部43より入力された被験者の開口表情変化を含む動画像から、さらに第2のマーカーの座標を数値化するように数値化手段411を構成してもよい。
なお、別途、第2のマーカーの座標を入力する座標入力部(図示なし)を設けてもよい。

0068

粘弾性表示部44は、粘弾性算出手段413が算出した皮下組織の粘弾性の推定値を表示するディスプレイである。

0069

このような構成とした本発明の皮下組織の粘弾性の推定装置4は、被験者の開口表情変化を含む動画像を入力するだけで、容易に被験者の皮下組織の粘弾性を算出することができる。

0070

なお、他の実施形態では、動画像入力部43、数値化手段411及び追従性算出手段412に代えて、別途算出した追従性の測定値を入力する、追従性入力部を備えていても良い。

0071

<4>皮下組織の粘弾性の推定プログラム
本発明は上述の皮下組織の粘弾性の推定方法をコンピュータに実行させる皮下組織の粘弾性の推定プログラムにも関する。本発明のプログラムは、上述した本発明の粘弾性の推定装置に含まれるCPUにおける各手段に対応するため、図3の符号を付しながら説明する。

0072

本発明の皮下組織の粘弾性の推定プログラムは、被験者の表情変化における顔の肌の追従性を、表情変化における顔の肌の追従性と皮下組織の粘弾性との相関関係を示す粘弾性相関データと照合して、前記粘弾性を算出する粘弾性算出手段413として、コンピュータを機能させることを特徴とする。

0073

本発明の粘弾性の推定プログラムは、図3ブロック図に示すように、コンピュータを数値化手段411、追従性算出手段412として機能させるように構成することが好ましい。

0074

<5>表情変化における顔の肌の追従性の推定装置
以下、表情変化における顔の肌の追従性の推定装置について図4を参照しながら説明を加える。なお、本発明の追従性の推定装置は、上記<2>の項目で説明した追従性の推定方法を実施するための装置である。したがって、上記<2>の項目の説明は、以下の追従性の推定装置に関しても妥当する。

0075

本発明の追従性の推定装置5は、表情変化における顔の肌の追従性と皮下組織の粘弾性との相関関係を示す追従性相関データを記憶する記憶手段521と、
被験者の肌の皮下組織の粘弾性を、記憶手段521に記憶された追従性相関データと照合して、追従性を算出する追従性算出手段512と、を備える。

0076

図4に示すように、追従性の推定装置5において、ROM52が記憶手段521を備え、CPU51が追従性算出手段512を備える。

0077

上記<2>の項目で述べたとおり、皮下組織の粘弾性は超音波エラストグラフィによって測定することが好ましい。本発明の好ましい実施の形態では、画像入力部53により入力された、超音波エラストグラフィにより得られる皮下組織の内部断面における粘弾性の分布画像に基づき、皮下組織、又は皮下組織上層の粘弾性を数値化する数値化手段511を備える。
CPU51が数値化手段511を備える。

0078

このような構成とした本発明の追従性の推定装置5は、超音波エラストグラフィにより得られたイメージング画像を入力するだけで、容易に被験者の顔の肌の追従性を算出することができる。

0079

なお、他の実施形態では、画像入力部53及び数値化手段511に代えて、別途算出した皮下組織の粘弾性を入力する、粘弾性入力部を備えていても良い。

0080

<6>表情変化における顔の肌の追従性の推定プログラム
本発明は上述の追従性の推定方法をコンピュータに実行させる、追従性の推定プログラムにも関する。本発明のプログラムは、上述した本発明の追従性の推定装置に含まれるCPUにおける各手段に対応するため、図4の符号を付しながら説明する。

0081

本発明の追従性の推定プログラムは、被験者の肌の皮下組織の粘弾性を、表情変化における顔の肌の追従性と皮下組織の粘弾性との相関関係を示す追従性相関データと照合して、追従性を算出する追従性算出手段512として、コンピュータを機能させることを特徴とする。

0082

本発明の追従性の推定プログラムは、図4のブロック図に示すように、コンピュータを数値化手段511として機能させるように構成することが好ましい。

0083

<試験例1>表情変化における顔の肌の追従性の測定
20〜60代の日本人女性各世代20名ずつ、合計100名を被験者とした。被験者の顔に図5に示すように、額の上方(生え際付近)に一点(参照点)、顎に1点(ポイント0)、頬の高さ方向に並列するように7点(ポイント1〜ポイント7)のモーションキャプチャ用の反射マーカーを貼り付けた。
図5に示すように、被験者に無表情状態図5左)から開口状態図5右)への縦方向伸びる表情変化(開口表情変化)をしてもらい、これを3台のカメラで動画撮影(30fps)し、各マーカーの運動情報を取得した。

0084

より精度良く解析を行うため、100名の被験者から、1)顔の表情の強度、2)目と口の動きの同調性、3)表情表出のタイミングの3点を基準に、各世代12名ずつ合計60名を選抜し解析に供した。

0085

各マーカーの運動の解析は以下のように行った。
まず、参照点からポイント0乃至7の距離の単位時間当たりの変化量を経時的に測定し、表情表出開始時点から、それぞれの変化量が最大となる時点の時間を測定した。その後、参照点からポイント0の距離の単位時間当たりの変化量が最大となる時間と、参照点からポイント1〜7の距離の単位時間当たりの変化量が最大となる時間との差分(追従性)を計算した。なお、本試験においては時間の差分を動画像のフレームの差(Δフレーム)として評価した。

0086

このようにして得た追従性について、ポイント1〜ポイント7に関して別個に年代ごとの平均値をとり、これをグラフにプロットした。得られたデータについて回帰分析を行い、回帰直線を引いた。結果を図6に示す。

0087

図6に示すように、20、30代では頬の下部(図6中のポイント7)から上部(図6中のポイント1)にかけて、顎(ポイント0)に対する運動の遅れがない。一方で40代以降では顎から遠い頬の部位になるほど皮膚の運動の遅れ、即ち追従性の低下が生じることが示された。

0088

図6に示す回帰直線の傾きを追従性の測定値として、試験例3に示す回帰分析に供した。

0089

<試験例2>エラストグラフィによる皮膚内部物性の解析
試験例1のモーションキャプチャ解析を実施した合計18名の被験者に対し、エラストグラフィ(日立製作所)を用いて皮膚内部の粘弾性(ひずみ)を測定した(図7)。なお、粘弾性の測定については、測定エリアを皮膚の表層部分(表皮及び真皮)と、皮下組織上層、皮下組織中層及び皮下組織下層の合計4層に分け、層別の相対的な粘弾性を算出した。皮下組織上層、皮下組織中層及び皮下組織下層については、皮下組織を深さ方向において1:2:1の比率で分割することで設定した。

0090

<試験例3>回帰分析
試験例1で得られた追従性の測定値(回帰直線の傾き)と、試験例2で得られた皮下組織上層の粘弾性の測定値について回帰分析を行った。結果を図8に示す。
図8に示すように、表情変化における顔の肌の追従性と、皮下組織の粘弾性との間には正の相関関係が成立することが明らかとなった。

0091

この結果より、表情変化における顔の肌の追従性を指標として、皮下組織の粘弾性を推定できることが示された。同様に、皮下組織の粘弾性を指標として、表情変化における顔の肌の追従性を推定できることが示された。

0092

<試験例4>検証試験
試験例1〜3の結果得られた「表情変化における顔の肌の追従性と、皮下組織の粘弾性との間の正の相関関係」について、皮膚を一部切り出した部分を模擬した直方形状多層構造体からなる皮膚モデル(10cm×5cm×1.4cm)を対象としたFEM解析により検証した。

0093

皮膚モデルについては、それぞれ異なるヤング率を有する材料を積層することによって構成した(図9)。真皮を模した層は2mm、皮下組織上層は3mm、皮下組織中層は6mm、皮下組織下層は3mmの厚みに設定した(図9)。
本試験においては、若齢層の皮膚の特性を模した皮膚モデルと、老齢層の皮膚の特性を模した皮膚モデルを作成し、それぞれについて解析した。
皮膚モデルの各層の物理特性は表1の通りである。表1に示すようにポアソン比密度は若齢及び老齢の皮膚モデルにおいて共通である。

0094

0095

頬部の皮膚は、深部筋肉と接続しているリガメントを介して動いているものと仮定し、皮下組織下層を模した層の一部に、リガメントに相当する柱を接続し、この柱をX方向に変位させることにより皮膚モデルを動かした(図10)。この際、皮膚モデルの側面は固定し変位しないようにした。
リガメントを模した柱による運動は、0.5cm/sの速度で3秒間X方向に変位させた後に、1秒間停止するように行った。この運動の間、真皮を模した層(最上層)のZ方向の変位を経時的にプロットした。
なお、Z方向の変位を観察した点は、リガメントを模した柱が接続された部分の真上に相当する部分よりも、リガメントの変位方向に対して後方に位置する部分とした(図11)。結果を図12及び13に示す。

0096

図12及び13に示すように、皮下組織上層の粘弾性に関して、若齢の皮膚モデルと比較して劣る(硬い)パターン2(老齢)の皮膚モデルは、Z方向の変位が小さく、また、Z方向の変位が起こるタイミングが遅いことが分かった。

実施例

0097

以上の結果を総合すると、皮下組織が硬い皮膚を模した皮膚モデルは、皮下組織が柔らかい皮膚を模した皮膚モデルと比較して、Z方向の変形するタイミングが遅れること(追従性が悪化すること)が示された。
試験例4の結果は、皮下組織のひずみ(つまり粘弾性)と、表情変化における顔の肌の追従性との間に正の相関関係があるとする試験例1〜3の結果を支持するものである。

0098

本発明は肌解析技術に応用できる。

0099

1 第1のマーカー
2 第2のマーカー
3参照点
4粘弾性推定装置
41 CPU
411数値化手段
412追従性算出手段
413 粘弾性算出手段
42 ROM
421 記憶手段
43動画像入力部
44 粘弾性表示部
5 追従性の推定装置
51 CPU
511 数値化手段
512 追従性算出手段
52 ROM
521 記憶手段
53画像入力部
54 追従性表示部

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