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技術 温度センサ及びその製造方法

出願人 三菱マテリアル株式会社
発明者 魚住学司長友憲昭
出願日 2018年2月19日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2018-026865
公開日 2019年8月29日 (5ヶ月経過) 公開番号 2019-144038
状態 未査定
技術分野 温度及び熱量の測定 抵抗器の製造装置と方法 サーミスタ・バリスタ
主要キーワード 陰極側電極 窒素ガス分圧 陽極側電極 接合層中 サーミスタ膜 ポリイミド樹脂シート サーミスタ特性 腐食発生
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

高温高湿雰囲気で使用しても電極腐食を抑制することができる温度センサ及びその製造方法を提供すること。

解決手段

絶縁性基材と、絶縁性基材上に設けられサーミスタ材料で形成されたサーミスタ部3と、サーミスタ部に接続されサーミスタ部上と絶縁性基材上との少なくとも一方に形成された一対の電極4と、一対の電極を覆って形成された有機絶縁膜5とを備え、電極が、サーミスタ部上と絶縁性基材上との少なくとも一方に形成され少なくともCrを含有した接合層4aと、接合層上に形成された貴金属層4bとを備え、貴金属層上の少なくとも一部に酸化Cr部6が露出しており、酸化Cr部が、沈殿皮膜型金属イオン型の腐食抑制剤7aで形成された防錆皮膜7で覆われている。

概要

背景

近年、ポリイミド樹脂等で形成された絶縁性フィルム上に薄膜状のサーミスタ部を形成したフィルム型温度センサが開発されている。例えば、特許文献1には、絶縁性フィルムと、絶縁性フィルムの表面にサーミスタ材料パターン形成された薄膜サーミスタ部と、薄膜サーミスタ部の上に複数の部を有して互いに対向してパターン形成された一対の櫛形電極と、一対の櫛形電極に接続され絶縁性フィルムの表面にパターン形成された一対のパターン電極と、櫛形電極と薄膜サーミスタ部とを覆って絶縁性フィルム上に形成された保護膜とを備えている温度センサが開発されている。

概要

高温高湿雰囲気で使用しても電極腐食を抑制することができる温度センサ及びその製造方法を提供すること。絶縁性基材と、絶縁性基材上に設けられサーミスタ材料で形成されたサーミスタ部3と、サーミスタ部に接続されサーミスタ部上と絶縁性基材上との少なくとも一方に形成された一対の電極4と、一対の電極を覆って形成された有機絶縁膜5とを備え、電極が、サーミスタ部上と絶縁性基材上との少なくとも一方に形成され少なくともCrを含有した接合層4aと、接合層上に形成された貴金属層4bとを備え、貴金属層上の少なくとも一部に酸化Cr部6が露出しており、酸化Cr部が、沈殿皮膜型金属イオン型の腐食抑制剤7aで形成された防錆皮膜7で覆われている。

目的

本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、高温高湿雰囲気で使用しても電極の腐食を抑制することができる温度センサ及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

絶縁性基材と、前記絶縁性基材上に設けられサーミスタ材料で形成されたサーミスタ部と、前記サーミスタ部に接続され前記サーミスタ部上と前記絶縁性基材上との少なくとも一方に形成された一対の電極と、一対の前記電極を覆って形成された有機絶縁膜とを備え、前記電極が、前記サーミスタ部上と前記絶縁性基材上との少なくとも一方に形成され少なくともCrを含有した接合層と、前記接合層上に形成された貴金属層とを備え、前記貴金属層上の少なくとも一部に酸化Cr部が露出しており、前記酸化Cr部が、沈殿皮膜型金属イオン型の腐食抑制剤で形成された防錆皮膜で覆われていることを特徴とする温度センサ

請求項2

請求項1に記載の温度センサにおいて、前記サーミスタ部が、薄膜状に形成された薄膜サーミスタ部であり、一対の前記電極が、少なくとも前記薄膜サーミスタ部上に互いに対向して形成された一対の対向電極であることを特徴とする温度センサ。

請求項3

請求項1又は2に記載の温度センサにおいて、前記腐食抑制剤が、3−(2−(ベンゾチアゾリルチオプロピオン酸であることを特徴とする温度センサ。

請求項4

請求項1から3のいずれか一項に記載の温度センサにおいて、前記有機絶縁膜が、前記腐食抑制剤を含有していることを特徴とする温度センサ。

請求項5

請求項1から4のいずれか一項に記載の温度センサを製造する方法であって、絶縁性基材上にサーミスタ材料で形成されたサーミスタ部を設ける工程と、前記サーミスタ部に接続され前記サーミスタ部上と前記絶縁性基材上との少なくとも一方に一対の電極を形成する電極形成工程と、一対の前記電極を覆って有機絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程とを有し、前記電極形成工程で、前記サーミスタ部上と前記絶縁性基材上との少なくとも一方に形成され少なくともCrを含有した接合層を形成する工程と、前記接合層上に貴金属層を形成する工程と、熱処理により前記接合層中のCrが前記貴金属層上の少なくとも一部に露出して酸化Cr部が形成される熱処理工程とを有し、前記絶縁膜形成工程前又は前記絶縁膜形成工程中に、沈殿皮膜型で金属イオン型の腐食抑制剤で形成された防錆皮膜で前記酸化Cr部を覆う防錆皮膜形成工程を有していることを特徴とする温度センサの製造方法。

請求項6

請求項5に記載の温度センサの製造方法において、前記腐食抑制剤が、3−(2−(ベンゾチアゾリル)チオ)プロピオン酸であることを特徴とする温度センサの製造方法。

請求項7

請求項5又は6に記載の温度センサの製造方法において、前記防錆皮膜形成工程が、少なくとも前記貴金属層上の前記酸化Cr部に前記腐食抑制剤を含有した有機溶剤を付着させた後、乾燥させることを特徴とする温度センサの製造方法。

請求項8

請求項5又は6に記載の温度センサの製造方法において、前記絶縁膜形成工程及び前記防錆皮膜形成工程が、腐食抑制剤を含有させた前記有機絶縁膜用のペーストを前記貴金属層上に塗布して前記有機絶縁膜を形成することを特徴とする温度センサの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、薄膜サーミスタを用いた温度センサ及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、ポリイミド樹脂等で形成された絶縁性フィルム上に薄膜状のサーミスタ部を形成したフィルム型の温度センサが開発されている。例えば、特許文献1には、絶縁性フィルムと、絶縁性フィルムの表面にサーミスタ材料パターン形成された薄膜サーミスタ部と、薄膜サーミスタ部の上に複数の部を有して互いに対向してパターン形成された一対の櫛形電極と、一対の櫛形電極に接続され絶縁性フィルムの表面にパターン形成された一対のパターン電極と、櫛形電極と薄膜サーミスタ部とを覆って絶縁性フィルム上に形成された保護膜とを備えている温度センサが開発されている。

先行技術

0003

特開2016−138773号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、上記従来の温度センサでは、保護膜としてポリイミド等の有機絶縁膜で櫛形電極と薄膜サーミスタ部とを覆っているが、有機絶縁膜が吸湿性があるため、水分を完全に遮断することができず、電極表面に水分子が接触して、高温高湿雰囲気通電すると陽極側電極腐食が発生する場合があった。すなわち、陰極側電極に対して陽極側電極に正電位印加されるため、互いの電極が接触した有機絶縁膜を介して電子が移動して腐食電流が生じ、その部分の電極材料が腐食してしまう不都合があった。このような電極の腐食が生じると、素子高抵抗化してしまう場合があった。特に、図4に示すように、従来の電極は、薄膜状のサーミスタ部3上に形成されるCrの接合層4aと、接合層4a上に形成されるAu等の貴金属層4bとの積層で構成されているが、製造工程中のアニール等の熱処理によって接合層4a中のCrが貴金属層4bの粒界を通って拡散し、貴金属層4b表面に部分的に露出して酸化Cr部6を形成してしまう。この酸化Cr部6に水分子が接触することで、上記の陽極側電極の腐食が生じてしまう不都合があった。

0005

本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、高温高湿雰囲気で使用しても電極の腐食を抑制することができる温度センサ及びその製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係る温度センサは、絶縁性基材と、前記絶縁性基材上に設けられサーミスタ材料で形成されたサーミスタ部と、前記サーミスタ部に接続され前記サーミスタ部上と前記絶縁性基材上との少なくとも一方に形成された一対の電極と、一対の前記電極を覆って形成された有機絶縁膜とを備え、前記電極が、前記サーミスタ部上と前記絶縁性基材上との少なくとも一方に形成され少なくともCrを含有した接合層と、前記接合層上に形成された貴金属層とを備え、前記貴金属層上の少なくとも一部に酸化Cr部が露出しており、前記酸化Cr部が、沈殿皮膜型金属イオン型の腐食抑制剤で形成された防錆皮膜で覆われていることを特徴とする。

0007

この温度センサでは、貴金属層上の酸化Cr部が、沈殿皮膜型で金属イオン型の腐食抑制剤で形成された防錆皮膜で覆われているので、有機絶縁膜中の水分子が防錆皮膜によって酸化Cr部に接触できず、電極の腐食を防ぐことができる。なお、酸化Cr部が露出していない貴金属層の部分は、Au等の貴金属であるため、ほとんど腐食しない。また、沈殿皮膜型で金属イオン型の腐食抑制剤は、腐食対象となる金属(Cr)のイオン不溶性の塩を生成して防食性の良好な膜を形成するものである。

0008

第2の発明に係る温度センサは、第1の発明において、前記サーミスタ部が、薄膜状に形成された薄膜サーミスタ部であり、一対の前記電極が、少なくとも前記薄膜サーミスタ部上に互いに対向して形成された一対の対向電極であることを特徴とする。

0009

第3の発明に係る温度センサは、第1又は第2の発明において、前記腐食抑制剤が、3−(2−(ベンゾチアゾリルチオプロピオン酸であることを特徴とする。
すなわち、この温度センサでは、腐食抑制剤が、3−(2−(ベンゾチアゾリル)チオ)プロピオン酸であるので、Crに対して高い防食効果を有した防錆皮膜が得られる。

0010

第4の発明に係る温度センサは、第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記有機絶縁膜が、前記腐食抑制剤を含有していることを特徴とする。
すなわち、この温度センサでは、有機絶縁膜が、腐食抑制剤を含有しているので、有機絶縁膜自体に含まれる腐食抑制剤により、有機絶縁膜の形成時に同時に防錆皮膜を形成することができると共に、有機絶縁膜の接触面全体で電極の腐食を抑制することができる。

0011

第5の発明に係る温度センサの製造方法は、第1から第4の発明のいずれかの温度センサを製造する方法であって、絶縁性基材上にサーミスタ材料で形成されたサーミスタ部を設ける工程と、前記サーミスタ部に接続され前記サーミスタ部上と前記絶縁性基材上との少なくとも一方に一対の電極を形成する電極形成工程と、一対の前記電極を覆って有機絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程とを有し、前記電極形成工程で、前記サーミスタ部上と前記絶縁性基材上との少なくとも一方に形成され少なくともCrを含有した接合層を形成する工程と、前記接合層上に貴金属層を形成する工程と、熱処理により前記接合層中のCrが前記貴金属層上の少なくとも一部に露出して酸化Cr部が形成される熱処理工程とを有し、前記絶縁膜形成工程前又は前記絶縁膜形成工程中に、沈殿皮膜型で金属イオン型の腐食抑制剤で形成された防錆皮膜で前記酸化Cr部を覆う防錆皮膜形成工程を有していることを特徴とする。
すなわち、この温度センサの製造方法では、絶縁膜形成工程前又は絶縁膜形成工程中に、沈殿皮膜型で金属イオン型の腐食抑制剤で形成された防錆皮膜で酸化Cr部を覆う防錆皮膜形成工程を有しているので、有機絶縁膜中の水分子が防錆皮膜によって酸化Cr部に接触できず、電極の腐食を防ぐことができる。

0012

第6の発明に係る温度センサの製造方法は、第5の発明において、前記腐食抑制剤が、3−(2−(ベンゾチアゾリル)チオ)プロピオン酸であることを特徴とする。
すなわち、この温度センサの製造方法では、腐食抑制剤が、3−(2−(ベンゾチアゾリル)チオ)プロピオン酸であるので、Crに対して高い防食効果を有した防錆皮膜が得られる。

0013

第7の発明に係る温度センサの製造方法は、第5又は第6の発明において、前記防錆皮膜形成工程が、少なくとも前記貴金属層上の前記酸化Cr部に前記腐食抑制剤を含有した有機溶剤を付着させた後、乾燥させることを特徴とする。
すなわち、この温度センサの製造方法では、防錆皮膜形成工程が、少なくとも貴金属層上の酸化Cr部に腐食抑制剤を含有した有機溶剤を付着させた後、乾燥させるので、容易に酸化Cr部上に防錆皮膜を形成することができる。

0014

第8の発明に係る温度センサの製造方法は、第5又は第6の発明において、前記絶縁膜形成工程及び前記防錆皮膜形成工程が、腐食抑制剤を含有させた前記有機絶縁膜用のペーストを前記貴金属層上に塗布して前記有機絶縁膜を形成することを特徴とする。
すなわち、この温度センサの製造方法では、絶縁膜形成工程及び防錆皮膜形成工程が、腐食抑制剤を含有させた有機絶縁膜用のペーストを貴金属層上に塗布して有機絶縁膜を形成するので、有機絶縁膜を形成すると同時に酸化Cr部上に防錆皮膜を形成することができ、防錆皮膜形成工程を別途設ける必要が無く、工程数の削減が可能である。

発明の効果

0015

本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る温度センサ及びその製造方法によれば、貴金属層上の酸化Cr部が、沈殿皮膜型で金属イオン型の腐食抑制剤で形成された防錆皮膜で覆われるので、有機絶縁膜中の水分子が防錆皮膜によって酸化Cr部に接触できず、電極の腐食を防ぐことができる。
したがって、本実施形態の温度センサ及びその製造方法では、陽極側電極の腐食発生に伴う高抵抗化を抑制し、良好なサーミスタ特性を安定して維持することができ、高い信頼性を得ることができる。

図面の簡単な説明

0016

本発明に係る温度センサ及びその製造方法の第1実施形態において、温度センサを示す要部の断面概念図である。
第1実施形態において、温度センサを示す斜視図である。
本発明に係る温度センサ及びその製造方法の第2実施形態において、温度センサを示す要部の断面概念図である。
本発明に係る温度センサ及びその製造方法の従来例において、温度センサを示す要部の断面概念図である。

実施例

0017

以下、本発明に係る温度センサ及びその製造方法における第1実施形態を、図1及び図2を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる図面の一部では、各部を認識可能又は認識容易な大きさとするために必要に応じて縮尺を適宜変更している。

0018

本実施形態の温度センサ1は、図1及び図2に示すように、絶縁性基材2と、絶縁性基材2上に設けられサーミスタ材料で形成されたサーミスタ部3と、サーミスタ部3に接続されサーミスタ部3上と絶縁性基材2上との少なくとも一方に形成された一対の電極4と、一対の電極4を覆って形成された有機絶縁膜5とを備えている。

0019

上記電極4が、サーミスタ部3上と絶縁性基材2上との少なくとも一方に形成され少なくともCrを含有した接合層4aと、接合層4a上に形成された貴金属層4bとを備えている。本実施形態では、例えば接合層4aは膜厚5〜100nmのCr又はNiCrの接合層であり、貴金属層4bは膜厚50〜1000nmのAu等の貴金属で形成された電極層である。

0020

上記貴金属層4b上の少なくとも一部には、Cr2O3等の酸化Cr部6が露出しており、酸化Cr部6が、沈殿皮膜型で金属イオン型の腐食抑制剤7aで形成された防錆皮膜7で覆われている。
なお、沈殿皮膜型で金属イオン型の腐食抑制剤7aは、腐食対象となる金属(Cr)のイオンと不溶性の塩を生成して防食性の良好な膜を形成するものである。

0021

上記腐食抑制剤7aは、3−(2−(ベンゾチアゾリル)チオ)プロピオン酸(以下、PBTとも称す)である。すなわち、腐食抑制剤7aのPBTは、貴金属層4b上の酸化Cr部6表面に化学吸着分子膜の防錆皮膜7を形成している。なお、このPBTは、Crに対して高い防食効果を有していることが知られている。

0022

上記一対の電極4は、少なくとも薄膜サーミスタ部のサーミスタ部3上に互いに対向して形成された一対の対向電極である。一対の電極4は、複数の櫛部4cを有した櫛形電極である。
上記有機絶縁膜5は、保護膜として機能し、例えば、スクリーン印刷等によりポリイミド樹脂で矩形状にパターン形成されている。
上記絶縁性基材2は、例えば長方形とされた絶縁性フィルムであり、絶縁性フィルムとしては、例えば厚さ7.5〜125μmのポリイミド樹脂シートで形成されている。なお、絶縁性基材2の絶縁性フィルムは、他にPET:ポリエチレンテレフタレート,PEN:ポリエチレンナフタレート,LCP:液晶ポリマー等でも作製できる。

0023

上記サーミスタ部3は、薄膜状に形成された薄膜サーミスタ部である。
このサーミスタ部3は、フレキシブル性を有したサーミスタ膜であって、例えばスパッタリング成膜されたM−Al−N膜(但し、MはTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni及びCuの少なくとも1種を示す)である。
すなわち、サーミスタ部3は、一般式:MxAlyNz(但し、MはTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni及びCuの少なくとも1種を示す。0.70≦y/(x+y)≦0.98、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型単相である。なお、これらの膜については、フレキシブル性と良好なサーミスタ特性とが確認されている。

0024

なお、本実施形態では、特にTi−Al−Nのサーミスタ材料で矩形状に形成されたサーミスタ部3を採用している。すなわち、サーミスタ部3は、一般式:TixAlyNz(0.70≦y/(x+y)≦0.95、0.4≦z≦0.5、x+y+z=1)で示される金属窒化物からなり、その結晶構造が、六方晶系のウルツ鉱型の単相である。

0025

本実施形態の温度センサ1の製造方法は、絶縁性基材2上にサーミスタ材料で形成されたサーミスタ部3を設ける工程と、サーミスタ部3に接続されサーミスタ部3上と絶縁性基材2上との少なくとも一方に一対の電極4を形成する電極形成工程と、一対の電極4を覆って有機絶縁膜5を形成する絶縁膜形成工程とを有している。
上記電極形成工程では、サーミスタ部3上と絶縁性基材2上との少なくとも一方に形成され少なくともCrを含有した接合層4aを形成する工程と、接合層4a上に貴金属層4bを形成する工程と、熱処理により接合層4a中のCrが貴金属層4b上の少なくとも一部に露出して酸化Cr部6が形成される熱処理工程とを有している。

0026

また、本実施形態の温度センサ1の製造方法は、上記絶縁膜形成工程前に、沈殿皮膜型で金属イオン型の腐食抑制剤7aで形成された防錆皮膜7で酸化Cr部6を覆う防錆皮膜形成工程を有している。
上記防錆皮膜形成工程では、少なくとも貴金属層4b上の酸化Cr部6に腐食抑制剤7aを含有した有機溶剤を付着させた後、乾燥させている。

0027

上記サーミスタ部3を設ける工程では、M−A合金スパッタリングターゲット(但し、MはTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni及びCuの少なくとも1種を示すと共に、AはAl又は(Al及びSi)を示す。)を用いて窒素含有雰囲気中で反応性スパッタを行ってサーミスタ部3を成膜する。
例えば、Ti−Al−Nのサーミスタ材料を採用する場合、その時のスパッタ条件は、例えば、組成比Al/(Al+Ti)比=0.85のTi−Al合金スパッタリングターゲットを用い、到達真空度:4×10−5Pa、スパッタガス圧:0.2Pa、ターゲット投入電力(出力):200Wで、Arガス窒素ガス混合ガス雰囲気下において窒素ガス分圧:30%とする。

0028

上記電極形成工程では、サーミスタ部3上にスパッタ法にて、例えばCrの接合層4aを20nm形成し、さらにAuの貴金属層4bを200nm形成する。さらに、その上にレジスト液バーコーターで塗布した後、110℃で1分30秒のプリベークを行い、露光装置感光後、現像液で不要部分を除去し、150℃で5分のポストベークにてパターニングを行う。その後、不要な電極部分を市販のAuエッチャント及びCrエッチャントによりウェットエッチングを行い、レジスト剥離にて所望の櫛部4cを有した電極4を形成する。
この電極形成工程後、熱処理工程として、例えば230℃,24時間の薄膜サーミスタ部用のアニールが行われる。この際、接合層4a中のCrの一部が、貴金属層4bの表面まで拡散して露出し、酸化してCr2O3等の酸化Cr部6が形成される。

0029

上記防錆皮膜形成工程では、まずPBTの腐食抑制剤7aを溶解したエタノール等の有機溶剤に、上述した電極4まで形成した温度センサを浸す。その後、この温度センサを引き上げてから自然乾燥させることで、酸化Cr部6が腐食抑制剤7aの防錆皮膜7で覆われた状態となる。
次に、ポリイミドの有機絶縁膜5をサーミスタ部3及び電極4を覆うように、例えばスクリーン印刷で矩形状に形成することで、温度センサ1が作製される。

0030

このように本実施形態の温度センサ1及びその製造方法では、貴金属層4b上の酸化Cr部6が、沈殿皮膜型で金属イオン型の腐食抑制剤7aで形成された防錆皮膜7で覆われるので、有機絶縁膜5中の水分子が防錆皮膜7によって酸化Cr部6に接触できず、電極4の腐食を防ぐことができる。
特に、腐食抑制剤7aが、3−(2−(ベンゾチアゾリル)チオ)プロピオン酸であるので、Crに対して高い防食効果を有した防錆皮膜7が得られる。

0031

また、防錆皮膜形成工程が、少なくとも貴金属層4b上の酸化Cr部6に腐食抑制剤7aを含有した有機溶剤を付着させた後、乾燥させるので、容易に酸化Cr部6上に防錆皮膜7を形成することができる。

0032

次に、本発明に係る温度センサ及びその製造方法の第2実施形態について、図3を参照して以下に説明する。なお、以下の各実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。

0033

第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、絶縁膜形成工程前に防錆皮膜形成工程を有し、防錆皮膜7と有機絶縁膜5とが別々に形成されて積層されているのに対し、第2実施形態の温度センサ21では、絶縁膜形成工程中に防錆皮膜形成工程を有し、図3に示すように、有機絶縁膜25自体が、腐食抑制剤7aを含有している点である。
すなわち、第2実施形態の温度センサ21を作製するには、腐食抑制剤7aを含有させた有機絶縁膜用のペーストを貴金属層4b上に塗布して有機絶縁膜25を形成すると共に防錆皮膜7も形成する。

0034

例えば、ポリイミドのペーストにPBTを溶解させておき、スクリーン印刷で有機絶縁膜25をサーミスタ部3及び電極4上に形成する。このとき、有機絶縁膜25中の腐食抑制剤7aの一部が、酸化Cr部6を覆って防錆皮膜7を形成する。
このように第2実施形態の温度センサ21及びその製造方法では、有機絶縁膜25が、腐食抑制剤7aを含有しているので、有機絶縁膜25自体に含まれる腐食抑制剤7aにより、有機絶縁膜25の形成時に同時に防錆皮膜7を形成することができると共に、有機絶縁膜25の接触面全体で電極4の腐食を抑制することができる。

0035

なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述したように、腐食抑制剤として3−(2−(ベンゾチアゾリル)チオ)プロピオン酸(PBT)を採用することが好ましいが、他のベンゾトリアゾールメルカプトベンゾチアゾールトリルトリアゾール等の沈殿皮膜型で金属イオン型の腐食抑制剤を採用しても構わない。

0036

1,21…温度センサ、2…絶縁性基材、3…サーミスタ部、4…電極、4a…接合層、4b…貴金属層、5,25…有機絶縁膜、6…酸化Cr部、7…防錆皮膜、7a…腐食抑制剤

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