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図面 (6)

課題

制動制御作動終了後に車両の急発進を抑制する。

解決手段

制動制御部61は、障害物センサ2により前方障害物が検出され、車速センサ4により所定車速以下の車速が検出され、且つ、所定踏み込み量以上のアクセルペダル操作が検出された場合、PTCを作動する。制動制御部61は、PTCの作動中に前方障害物が非検出状態になってPTCを解除する場合、アクセルペダル踏み込み操作が検出されていれば、アクセルペダルの踏み込み量に対応する要求加速度よりも低い加速度エンジン出力を制限する出力制限制御を作動する。

概要

背景

近年、アクセルペダル誤操作によって、自車両が急発進した場合の衝突時の被害を抑制する誤発進抑制制御を備える車両が知られている。誤発進抑制制御は、自車両に対して所定距離内前方障害物がある状態で、所定量以上のアクセルペダルの踏み込みが検出された場合、所定車速以下においてエンジン出力を抑制することで、車両の急発進を抑制する制御である。

特許文献1には、誤発進抑制制御に相当するアクセル誤踏み込み制御と、PB(プリクラッシュブレーキ)制御とを備える車両が開示されている。

具体的には、特許文献1では、車速が所定車速以上となってアクセル誤踏み込み制御が終了条件を満たしたとしても、車両の急発進を抑制する必要がある場面では、アクセル操作量が大きくてもPB制御を継続させることで、この場面においてアクセル誤踏み込み制御及びPB制御の両方が作動しないことを回避する技術が開示されている。

概要

制動制御作動終了後に車両の急発進を抑制する。制動制御部61は、障害物センサ2により前方障害物が検出され、車速センサ4により所定車速以下の車速が検出され、且つ、所定踏み込み量以上のアクセルペダル操作が検出された場合、PTCを作動する。制動制御部61は、PTCの作動中に前方障害物が非検出状態になってPTCを解除する場合、アクセルペダルの踏み込み操作が検出されていれば、アクセルペダルの踏み込み量に対応する要求加速度よりも低い加速度にエンジン出力を制限する出力制限制御を作動する。

目的

本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、制動制御の作動終了後に車両の急発進を抑制する車両の制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

自車両の前方障害物を検出する障害物センサと、前記自車両の車速を検出する車速センサと、アクセル操作を検出するアクセル操作センサと、前記障害物センサにより前記前方障害物が検出された場合、エンジン出力の低減及び自動ブレーキの少なくとも一方を含む制動制御を作動する制動制御部とを備え、前記制動制御部は、前記制動制御の作動中に前記前方障害物が非検出状態になって前記制動制御を解除する場合、前記アクセル操作が検出されていれば、前記アクセル操作の操作量に対応する要求加速度よりも低い加速度に前記エンジン出力を制限する出力制限制御を作動する車両の制御装置

請求項2

前記制動制御部は、前記前方障害物と前記自車両との距離が短くなるにつれて、前記出力制限制御の上限加速度の値が小さくなるように設定するものであり、前記上限加速度の今回値が前記上限加速度の前回値よりも増大した場合、前記上限加速度の今回値と、前記上限加速度の前回値に対して所定のジャーク制限値を加算した加算値とのうち小さい方の値を最終上限加速度として設定し、前記出力制限制御を作動する請求項1記載の車両の制御装置。

請求項3

前記制動制御部は、前記上限加速度の今回値が前記上限加速度の前回値よりも減少した場合、前記上限加速度の今回値を前記最終上限加速度として設定し、前記出力制限制御を作動する請求項2記載の車両の制御装置。

請求項4

前記制動制御部は、更に、前記アクセル操作の操作量が増大するにつれて、前記上限加速度の値が小さくなるように設定する請求項2又は3記載の車両の制御装置。

請求項5

前記制動制御は、前記前方障害物が検出され、所定車速以下の車速が検出され、且つ所定操作量以上の前記アクセル操作が検出された場合に作動される急発進抑制制御であり、前記制動制御部は、前記急発進抑制制御の作動中に前記前方障害物が非検出状態になって前記急発進抑制制御を解除する場合、前記アクセル操作が検出されていれば、前記出力制限制御を作動する請求項1〜4のいずれかに記載の車両の制御装置。

技術分野

0001

本発明は、車両の自動ブレーキに関するものである。

背景技術

0002

近年、アクセルペダル誤操作によって、自車両が急発進した場合の衝突時の被害を抑制する誤発進抑制制御を備える車両が知られている。誤発進抑制制御は、自車両に対して所定距離内前方障害物がある状態で、所定量以上のアクセルペダルの踏み込みが検出された場合、所定車速以下においてエンジン出力を抑制することで、車両の急発進を抑制する制御である。

0003

特許文献1には、誤発進抑制制御に相当するアクセル誤踏み込み制御と、PB(プリクラッシュブレーキ)制御とを備える車両が開示されている。

0004

具体的には、特許文献1では、車速が所定車速以上となってアクセル誤踏み込み制御が終了条件を満たしたとしても、車両の急発進を抑制する必要がある場面では、アクセル操作量が大きくてもPB制御を継続させることで、この場面においてアクセル誤踏み込み制御及びPB制御の両方が作動しないことを回避する技術が開示されている。

先行技術

0005

特開2013−129228号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、前方障害物が非検出状態になると、誤発進抑制制御は直ぐに解除される。そのため、解除後も、ドライバーがアクセルペダルの踏み込みを継続していると、アクセルペダルの踏み込み量に対応する加速度でエンジン出力が制御されるので、車両が急発進する可能性がある。

0007

特許文献1は、アクセル誤踏み込み制御が終了条件を満たした場合、車両の急発進を抑制する必要がある場面では、PB制御が実施されているが、PB制御は所定車速以上にならなければ作動しない。そのため、特許文献1は、所定車速未満の状態で、前方障害物が非検出状態になってアクセル誤踏み込み制御が終了条件を満たした場面では、アクセル誤踏み込み制御及びPB制御のいずれも作動しない。したがって、特許文献1は、この場面において、車両の急発進を抑制できないという課題がある。

0008

本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、制動制御作動終了後に車両の急発進を抑制する車両の制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明の一態様に係る車両の制御装置は、自車両の前方障害物を検出する障害物センサと、
前記自車両の車速を検出する車速センサと、
アクセル操作を検出するアクセル操作センサと、
前記障害物センサにより前記前方障害物が検出された場合、エンジン出力の低減及び自動ブレーキの少なくとも一方を含む制動制御を作動する制動制御部とを備え、
前記制動制御部は、前記制動制御の作動中に前記前方障害物が非検出状態になって前記制動制御を解除する場合、前記アクセル操作が検出されていれば、前記アクセル操作の操作量に対応する要求加速度よりも低い加速度に前記エンジン出力を制限する出力制限制御を作動する。

0010

本態様によれば、制動制御の作動中に前方障害物が非検出状態になったとしても、アクセル操作が検出された場合は、エンジン出力を制限する出力制限制御が作動されるので、制動制御の作動終了後に車両が急発進することを抑制できる。

0011

上記態様において、前記制動制御部は、
前記前方障害物と前記自車両との距離が短くなるにつれて、前記出力制限制御の上限加速度の値が小さくなるように設定するものであり、
前記上限加速度の今回値が前記上限加速度の前回値よりも増大した場合、前記上限加速度の今回値と、前記上限加速度の前回値に対して所定のジャーク制限値を加算した加算値とのうち小さい方の値を最終上限加速度として設定し、前記出力制限制御を作動することが好ましい。

0012

本態様によれば、上限加速度の今回値が上限加速度の前回値よりも増大した場合、すなわち、出力制限制御の作動中において前方障害物に対する自車両の衝突危険性が低下した場合、上限加速度の今回値と、上限加速度の前回値に対して所定のジャーク制限値を加算した加算値とのうち小さい方の値が最終上限加速度として設定されて、出力制限制御が作動される。そのため、本態様は、衝突危険性が漸次低下しているシーンにおいては、緩やかに最終上限加速度を上昇させながら出力制限制御を作動させることができる。

0013

上記態様において、前記制動制御部は、前記上限加速度の今回値が前記上限加速度の前回値よりも減少した場合、前記上限加速度の今回値を前記最終上限加速度として設定し、前記出力制限制御を作動することが好ましい。

0014

本態様によれば、上限加速度の今回値が上限加速度の前回値よりも減少した場合、すなわち、出力制限制御の作動中において、前方障害物に対する自車両の衝突危険性が増大した場合、上限加速度の今回値を最終上限加速度として設定して、出力制限制御が作動される。そのため、出力制限制御の作動中において、衝突危険性が増大している場合、車両の加速をより制限させることができる。

0015

上記態様において、前記制動制御部は、更に、前記アクセル操作の操作量が増大するにつれて、前記上限加速度の値が小さくなるように設定することが好ましい。

0016

本態様によれば、前方障害物と前記自車両との距離が短くなることに加えて更に、アクセル操作の操作量が増大するにつれて、値が小さくなるように上限加速度が設定されるので、衝突危険性が高いほど、車両の加速をより制限させることができる。

0017

上記態様において、前記制動制御は、前記前方障害物が検出され、所定車速以下の車速が検出され、且つ所定操作量以上の前記アクセル操作が検出された場合に作動される急発進抑制制御であり、
前記制動制御部は、前記急発進抑制制御の作動中に前記前方障害物が非検出状態になって前記急発進抑制制御を解除する場合、前記アクセル操作が検出されていれば、前記出力制限制御を作動することが好ましい。

0018

本態様によれば、ドライバーがアクセルを誤操作した場合に作動される急発進抑制の作動終了後の車両の急発進を抑制できる。

発明の効果

0019

本発明によれば、制動制御の作動終了後の車両の急発進を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明の実施の形態に係る車両の制御装置の構成を示すブロック図である。
PTC作動タイミングの一例を示すグラフである。
図1に示す制動制御部によるフラグ設定処理の一例を示すフローチャートである。
フラグFが1又は2に設定された場合における車両の制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。
本実施の形態の車両の制御装置の処理を纏めた表である。

実施例

0021

図1は、本発明の実施の形態に係る車両の制御装置1の構成を示すブロック図である。車両の制御装置1は、四輪自動車に搭載され、四輪自動車のブレーキアシスト制御を司る装置である。車両の制御装置1は、障害物センサ2、アクセルペダルセンサ3、車速センサ4、操舵角センサ5、ECU(Electronic Control Unit)6、ブレーキアクチュエータ7、スロットル弁8、及びシフトポジションセンサ9を備える。

0022

障害物センサ2は、例えば、レーザレーダ又はソナーで構成される。レーザレーダは、例えば、自車両のフロントグリルに設けられ、自車両の前方の所定の角度範囲走査するようにレーザビーム照射し、反射したレーザビームを受光することによって、前方障害物の有無を検出すると共に、自車両から前方障害物までの距離を検出する。ソナーは、例えば、自車両のフロントグリルに設けられ、自車両の前方に音波を照射し、反射した音波を受信することによって、前方障害物の有無を検出すると共に、自車両から前方障害物までの距離を検出する。ここで、前方障害物とは、自車両に対して進行方向に沿って直ぐ前方にある、停止中の車両、走行中の車両、又は車両以外の物体が該当する。

0023

アクセルペダルセンサ3(アクセル操作センサの一例)は、例えば、抵抗体の上を接点摺動するポテンショ式の角度センサで構成され、アクセルペダルの踏みこみ量を検出して電気信号に変換してECU6に出力する。本実施の形態では、アクセルペダルセンサ3は、アクセルペダルの最大踏みこみ量を100としたときの実際の踏み込み量の割合によってアクセルペダルの踏みこみ量を表す。

0024

車速センサ4は、例えば、車輪速センサで構成され、自車両の車速を検出する。ここで、車輪速センサは、例えば、ブレーキドラムなどの回転部分に設けられた歯車状のロータと、ロータに対して一定の隙間を設けて配置され、コイル及び磁極等で構成されたセンシング部とを備え、ロータの回転によりコイルに発生する交流電圧に基づいて、車輪の回転速度を検出する。

0025

操舵角センサ5は、例えば、ステアリングシャフトに取り付けられ、操舵の向き、中立位置、及び転舵角に応じた信号をECU6に出力する。操舵角センサ5は、例えば、ステアリングホイール連動して回転する円盤状のスリット板と、スリット板を挟んで配置されたフォトインタラプタとで構成されている。

0026

ECU6は、CPU等のプロセッサと、ROM及びRAM等のメモリとを備えるコンピュータで構成され、車両の制御装置1の全体制御を司る。本実施の形態では、ECU6は、制動制御部61及び車両制御部62の機能を備えている。制動制御部61及び車両制御部62は、それぞれ、ECU6のプロセッサが所定の制御プログラムを実行することで実現される。但し、これは一例であり、制動制御部61及び車両制御部62は、それぞれ、異なるコンピュータで構成されてもよい。

0027

制動制御部61は、障害物センサ2により前方障害物が検出され、車速センサ4により所定車速以下の車速が検出され、且つ、所定踏み込み量(所定操作量の一例)以上のアクセルペダル操作が検出された場合、PTC(Pre−collision Throttle Control)を作動する。ここで、PTCは、アクセルペダルの誤操作によって自車両が急発進した場合の衝突時の被害を軽減する急発進抑制制御である。

0028

PTCは、自車両のエンジン出力を低減するPTC低減制御と、PTC自動ブレーキとを含む。なお、PTC減速制御を作動させる場合、制動制御部61は、所定の要求減速度を設定し、設定した要求減速度になるように、スロットル弁8の開度を調整する開度コマンドを出力してエンジンへの燃料の供給を停止させることで、エンジン出力を低減すればよい。また、PTC自動ブレーキを作動させる場合、制動制御部61は、所定の要求減速度になるように、ブレーキの制動力を所定の要求減速度にするためのブレーキコマンドを出力すればよい。所定の要求減速度は、例えば、自車速に拘わらず一定の値が採用されてもよいし、自車速が大きくなるにつれて段階的又は連続的に大きくなる値が採用されてもよい。

0029

ここで、所定車速としては、図2のグラフPTC_BCに示されるように、15km/hが採用できる。但し、これは、一例であり、所定車速は、アクセルペダルの誤操作による急発進を抑制する必要がある車速の上限値として相応しい値であれば、15km/h以外の値が採用されてもよい。また、所定踏み込み量としては、例えば、ドライバーがアクセルペダルを誤操作した場合に想定されるアクセルペダルの踏み込み量の最小値が採用でき、本実施の形態では、20%が採用される。但し、これは一例であり、所定踏み込み量としては、20%より大きな値、或いは、20%よりも小さな値が採用できる。

0030

そして、制動制御部61は、PTCの作動中に前方障害物が非検出状態になってPTCを解除する場合、アクセルペダルの踏み込み操作が検出されていれば、アクセルペダルの踏み込み量(操作量の一例)に対応する要求加速度よりも低い加速度に前記エンジン出力を制限する出力制限制御を作動する。これにより、PTCの作動終了後に車両が急発進することを抑制できる。

0031

ここで、制動制御部61は、出力制限制御における上限加速度を周期的に算出する。ここで、制動制御部61は、前方障害物と自車両との距離が短くなるにつれて、且つ、アクセルペダルの踏み込み量が増大するにつれて、値が小さくなるように上限加速度を設定する。これにより、衝突危険性が高いほど、上限加速度がより小さな値に設定され、車両の加速をより制限することができる。

0032

この場合、制動制御部61は、上限加速度の今回値が上限加速度の前回値よりも増大した場合、上限加速度の今回値と、上限加速度の前回値に対して所定のジャーク制限値を加算した加算値とのうち小さい方の値を最終上限加速度として設定し、出力制限制御を実行する。これにより、衝突危険性が漸次低下しているシーンにおいては、より緩やかに最終上限加速度を上昇させながら、出力制限制御を作動させることができる。

0033

ここで、上限加速度の今回値とは上限加速度の最新値を指し、上限加速度の前回値とは、最新値の一つ前に算出された上限加速度を指す。

0034

ジャーク制限値は、車両に搭載されるエンジンの応答性に基づいて予め定められた固定値が採用される。ジャーク制限値は、車両に搭載されるエンジンの応答性が高くなるにつれて大きな値が採用される。但し、これは一例であり、ジャーク制限値は、上限加速度の今回値と前回値との差分が増大するにつれて大きな値が設定されてもよい。

0035

一方、制動制御部61は、上限加速度の今回値が上限加速度の前回値よりも減少した場合、上限加速度の今回値を最終上限加速度として設定し、出力制限制御を実行する。これにより、出力制限制御の作動中において、衝突危険性が増大するほど、車両の加速をより制限することができる。

0036

なお、制動制御部61は、最終上限加速度が要求加速度よりも大きい場合、要求加速度になるようにエンジン出力を制御する通常制御作動指示を車両制御部62に出力すればよい。また、制動制御部61は、最終上限加速度が要求加速度よりも小さい場合、最終上限加速度になるようにエンジン出力を制御すればよい。

0037

車両制御部62は、PTCが非作動、且つ、出力制限制御が非作動の場合、アクセルペダルの踏み込み量に対応する要求加速度になるようにエンジン出力を制御する通常制御を作動する。通常制御では、要求加速度になるようにスロットル弁8の開度が調整される。

0038

ブレーキアクチュエータ7は、ECU6から出力されるブレーキコマンドにしたがって、ブレーキコマンドが示す制動力をブレーキ(図略)に発生させる。ここで、ブレーキアクチュエータ7は、例えば、ブレーキコマンドが示す制動力に対応する油圧でブレーキを作動させればよい。ブレーキは、例えば、ディスク式又はドラム式のブレーキで構成され、車両の車輪を制動する。スロットル弁8は、ECU6の開度コマンドにしたがって弁開度を調整し、エンジン(図略)への吸気量を調整する。

0039

シフトポジションセンサ9は、ドライバーがシフトレバーを操作することで設定したシフトポジションを検出するためのセンサである。シフトポジションとしては、例えば、車両がオートマチック式の4輪自動車であれば、前進を示す「D(ドライブレンジ」、駐車を示す「P(パーキング)レンジ」、後進を示す「Rレンジ」、及び、中立を示す「N(ニュートラル)レンジ」等が含まれる。なお、車両としては、オートマチック式の4輪自動車に代えて、マニュアル式の4輪自動車が採用されてもよい。

0040

図2は、PTCの作動タイミングの一例を示すグラフである。図2において、縦軸は前方障害物及び自車両間の距離(m)を示し、横軸は自車速(km/h)を示している。

0041

図2において、菱形の点がプロットされたグラフはPTC自動ブレーキの作動タイミングを示すグラフ(以下、「グラフPTC_BC」と記述する。)である。制動制御部61は、前方障害物までの距離と自車速とがグラフPTC_BCの下側の領域に位置する場合、PTC自動ブレーキを作動させる。

0042

グラフPTC_BCは、自車速が0km/hから2km/hまでの車速範囲では前方障害物までの距離を0mに維持している。したがって、制動制御部61は、この車速範囲ではPTC自動ブレーキを作動させない。また、グラフPTC_BCは、自車速が2km/hから15km/hまでの車速範囲では、前方障害物までの距離が4mを上限として、自車速が増大するにつれて前方障害物までの距離が増大している。したがって、制動制御部61は、自車速が2km/hから、前方車両までの距離が4mに到達する13km/hまでの車速範囲では、自車速が減少するにつれて、より近くに前方障害物が位置していなければ、PTC自動ブレーキを作動させない。また、制動制御部61は、自車速が13km/hから15km/hまでの車速範囲では、前方障害物までの距離が4m以下になるとPTC自動ブレーキを作動する。

0043

図2において、バツ印の点がプロットされたグラフはPTC低減制御の作動タイミングを示すグラフ(以下、「グラフPTC_TC」と記述する。)である。制動制御部61は、前方障害物までの距離と自車速とがグラフPTC_TCの下側の領域に位置する場合、PTC低減制御を作動させる。

0044

グラフPTC_TCは、自車速が0km/hから15km/hまでの車速範囲では、前方障害物までの距離を4mに維持している。したがって、制動制御部61は、自車速が15km/h以下の車速範囲では、前方障害物までの距離が4m以下になるとPTC低減制御を作動させる。

0045

このように、本実施の形態では、0km/hから2km/hまでの車速範囲においては、PTC減速制御のみが実行され、2km/hから15km/hまでの車速範囲においては、PTC減速制御とPTC自動ブレーキとの両方が行われる。

0046

また、図2において、PTC自動ブレーキが作動する車速範囲の下限値が2km/hに設定されている。これは、制動制御部61は、主にソナーの測定データを用いてPTCの作動の有無を判定しており、ソナーが障害物を検出可能な自車速の下限値が2km/hであるからである。但し、これは一例であり、制動制御部61は、レーザレーダの測定データを用いてPTCの作動の有無を判定する場合、PTC自動ブレーキが作動する車速範囲の下限値は、レーザレーダが障害物を検出可能な自車速の下限値(例えば、4km/h)に設定されればよい。

0047

また、図2において、PTC自動ブレーキとPTC減速制御とが作動する車速範囲の上限値が15km/hに設定されている。これは、アクセルペダルの誤踏み込みによる急発進が発生する場面の自車速の上限値は、およそ15km/h程度と考えられているからである。

0048

図3は、図1に示す制動制御部61によるフラグ設定処理の一例を示すフローチャートである。S301では、制動制御部61は、障害物センサ2の測定データから前方障害物が検出されたか否かを判定する。前方障害物が検出された場合(S301でYES)、制動制御部61は、車速センサ4の測定データから自車速が15km/hより小さいか否かを判定する(S302)。

0049

自車速が15km/hより小さい場合(S302でYES)、制動制御部61は、シフトポジションセンサ9の測定データから、シフトポジションがDレンジであるか否かを判定する(S303)。シフトポジションがDレンジであれば(S303でYES)、制動制御部61は、アクセルペダルセンサ3の測定データから、アクセルペダルの踏み込み量が20%以上であるか否かを判定する(S304)。アクセルペダルの踏み込み量が20%以上の場合(S304でYES)、制動制御部61は、ステアリング操舵角が30°以上、又は、アクセルペダルが連続して3回踏み込まれたかを判定する(S305)。なお、制動制御部61は、操舵角センサ5の測定データからステアリングの操舵角を取得すればよい。また、制動制御部61は、アクセルペダルセンサ3の測定データにおいて、踏み込み量が閾値(例えば、0)より大きければ、ドライバーはアクセルペダルを踏み込んだと判定すればよい。また、制動制御部61は、一定期間において、アクセルペダルの踏み込みと踏み戻し(又は踏み込み停止)とからなる操作セットを連続して3回検出した場合、アクセルペダルが連続して3回踏み込まれたと判定すればよい。

0050

ステアリングの操舵角が30°より小さく、且つ、アクセルペダルが連続して3回以上踏み込まれていない場合(S305でNO)、制動制御部61は、フラグFを1に設定する(S306)。

0051

すなわち、制動制御部61は、S301〜S304の判定が全てYESであり、且つ、S305の判定がNOであれば、アクセルペダルの誤踏み込みがなされているとみなし、PTCを作動させるためにフラグFを1に設定する(S306)。一方、制動制御部61は、S301〜S304の判定条件が全てYESであっても、操舵角が30°以上、又は、アクセルペダルが連続して3回踏み込まれた場合、制動制御部61は、アクセルペダルの誤踏み込みはなされていないとみなし、PTCを非作動にするために、フラグFを0に設定する(S311)。

0052

ここで、フラグFは、PTCの非作動を示す0と、PTCの作動を示す1と、出力制限制御の作動を示す2との値をとる。フラグF=1は、S301〜S304の判定条件が全てYES、且つS305の判定条件がNOの場合に設定される。フラグF=2は、PTCの作動中に、S301からS304までの判定のうち少なくとも1つの判定が否定され、且つアクセルペダルの踏み込みが検出された場合に設定される。

0053

なお、前方障害物が非検出状態であれば(S301でNO)、処理はS312に進む。また、前方障害物が検出状態であっても(S301でYES)、自車速が15km/h以上であれば(S302でNO)、処理はS312に進む。また、前方障害物が検出状態であり(S301でYES)、且つ、自車速が15km/hより小さくても(S302でYES)、シフトポジションがDレンジでなければ(S303でNO)、処理はS312に進む。また、前方障害物が検出状態であり(S301でYES)、自車速が15km/hより小さく(S302でYES)、且つ、シフトポジションがDレンジであっても(S303でYES)、アクセルペダルの踏み込み量が20%より小さければ(S304でNO)、処理はS312に進む。

0054

S312では、制動制御部61は、フラグFが1又は2であるかを判定する。フラグFが1及び2でない、すなわち、フラグFが0であれば(S312でNO)、フラグF=0の設定を継続する(S311)。

0055

一方、フラグFが1又は2の場合(S312でYES)、制動制御部61は、アクセルペダルが踏み込まれているか否かを判定する(S313)。アクセルペダルが踏み込まれている場合(S313でYES)、制動制御部61は、フラグFを2に設定する(S314)。これにより、PTCの作動中に、前方障害物が非検出状態になる(S301でNO)、自車速が15km/hより小さくなる(S302でNO)、又は、シフトポジションがDレンジでなくなったとしても(S303でNO)、アクセルペダルが踏み込まれていれば、フラグFが2に設定される。その結果、図4で後述するように、出力制限制御が作動され、PTCの作動終了後に自車両が急発進することが抑制される。

0056

例えば、PTCの作動中に、自車両又は前方車両の車線変更などにより前方障害物が非存在になってPTCの作動が解除されることがある。この場合、アクセルペダルの踏み込みが継続されていると、踏み込み量に応じた要求加速度で車両が加速するので、車両が急発進する可能性がある。そこで、本実施の形態では、このようなシーンにおいて、出力制限制御を作動させることで、PTCの作動終了後の車両の急発進を抑制している。

0057

フラグFが2に設定されると(S314)、処理はS307に進む。S307では、制動制御部61は、PTCにおける上限加速度を設定する。ここで、制動制御部61は、前方障害物及び自車両間の距離とアクセルペダルの踏み込み量とに対応する上限加速度が予め設定された上限加速度設定マップを備えており、この上限加速度設定マップを参照することで、現在の前方障害物及び自車両間の距離と現在のアクセルペダルの踏み込み量とに対応する上限加速度を設定すればよい。なお、この上限加速度設定マップでは、前方車両及び自車両間の距離が短くなるにつれて、且つ、アクセルペダルの踏み込み量が増大するにつれて、値が小さくなるように上限加速度が設定されている。

0058

S308では、制動制御部61は、上限加速度(今回値)が上限加速度(前回値)以下であるか否かを判定する。上限加速度(今回値)が上限加速度(前回値)以下であれば(S308でYES)、衝突危険性が増大しているので、制動制御部61は、上限加速度(今回値)を最終上限加速度に設定する(S309)。

0059

一方、上限加速度(今回値)が上限加速度(前回値)より大きければ(S308でNO)、衝突危険性が低下しているので、制動制御部61は、Min(上限加速度(今回値)、上限加速度(前回値)+ジャーク制限値)の演算により最終上限加速度を設定する(S310)。ここで、Minは、上限加速度(今回値)と、上限加速度(前回値)+ジャーク制限値とを低位選択するという演算子である。S309、S310が終了すると処理はS301に戻る。また、S310では、上限加速度(今回値)と、上限加速度(前回値)+ジャーク制限値とが低位選択されているので、最終上限加速度をより緩やかに増大させることができる。

0060

このように、制動制御部61は、車両の稼働中、図3のフローを繰り返し実行し、フラグFを設定しながら、上限加速度を繰り返し算出する。

0061

図4は、フラグFが1又は2に設定された場合における車両の制御装置1の処理の一例を示すフローチャートである。なお、図4のフローは、フラグFが1又は2の場合に繰り返し実行される。S401では、車両制御部62は、フラグFが1であるか否かを判定する。フラグF=2の場合(S401でNO)、処理はS402に進み、フラグF=1の場合、処理はS403に進む。

0062

S402では、自車速が2km/hから15km/hまでの車速範囲にあれば(S402でYES)、制動制御部61は、出力制限制御を実行する(S403)。一方、自車速が2km/hから15km/hまでの車速範囲になければ(S402でNO)、制動制御部61は、通常制御を行うよう車両制御部62に指示する。通常制御では、要求加速度になるようにエンジン出力が制御される。要求加速度は、アクセルペダルの踏み込み量に応じた加速度で車両を加速させる通常制御で用いられる加速度であり、アクセルペダルの踏み込み量が増大するにつれて値が増大するように設定される。

0063

一方、フラグF=1の場合(S401でYES)、制動制御部61は、自車速が2km/h以下であるか否かを判定する(S403)。自車速が2km/h以下の場合(S403でYES)、制動制御部61は、前方障害物及び自車両間の距離が4mより小さいか否かを判定する(S404)。前方障害物及び自車両間の距離が4mより小さい場合(S404でYES)、制動制御部61はPTC減速制御を作動する(S406)。すなわち、S403でYES、S404でYESの場合、前方障害物及び自車両間の距離と自車速とが図2のグラフPTC_TCの下側にあるので、PTC減速制御が作動される。

0064

一方、前方障害物及び自車両間の距離が4m以上の場合(S404でNO)、制動制御部61は、通常制御の作動指示を車両制御部62に出力し、通常制御を作動させる(S405)。

0065

自車速が2km/hより大きければ(S403でNO)、自車速が2km/hから15km/hまでの車速範囲にあれば(S407でYES)、制動制御部61は、前方障害物及び自車両間の距離がPTC自動ブレーキの作動条件を満たすか否かを判定する(S408)。ここで、前方障害物及び自車両間の距離と自車速とが図2に示すグラフPTC_BCの下側にあれば、制動制御部61は、PTC自動ブレーキの作動条件を満たすと判定する。

0066

前方障害物及び自車両間の距離がPTC自動ブレーキの作動条件を満たす場合(S408でYES)、制動制御部61は、PTC低減制御とPCT自動ブレーキとを作動する(S409)。一方、自車速が2km/hから15km/hまでの車速範囲にない(S407でNO)、又は、PTC自動ブレーキの作動条件を満たさない場合(S408でNO)、制動制御部61は、通常制御の作動指示を制動制御部61に出力し、通常制御を作動させる(S410)。

0067

S403、S405、S406、S409、S410の処理が終了すると、処理はS401に戻る。

0068

図5は、本実施の形態の車両の制御装置1の処理を纏めた表である。この表では、アクセルペダルの踏み込みが有り、且つ、自車速が2km/hから15km/hまでの車速範囲にある場合において、上限加速度の条件と、上限加速度の条件に応じた最終上限加速度とが示されている。この表に示すように上限加速度(今回値)が上限加速度(前回値)以下であれば、上限加速度(今回値)が最終上限加速度として設定される。この設定は図3のS309に対応する。

0069

一方、上限加速度(今回値)が上限加速度(前回値)より大きければ、Min(上限加速度(今回値)、上限加速度(前回値)+ジャーク制限値)が最終上限加速度として設定される。この設定は図3のS310に対応する。

0070

このように、本実施の形態によれば、PTCの作動中に、前方障害物が非検出状態になったとしても、アクセル操作が検出された場合は、出力制限制御が作動されるので、制動制御の作動終了後に車両が急発進することを抑制できる。

0071

本実施の形態は以下の変形例が採用できる。

0072

(1)上記実施の形態では、制動制御としてPTCが採用されたが、本発明はこれに限定されず、緊急自動ブレーキが採用されてもよい。緊急自動ブレーキは、PTCのように車速範囲の制限はなく、自車両に対して自車速に応じた所定距離以下に前方障害物があった場合に作動される自動ブレーキである。また、緊急自動ブレーキは、アクセルペダルが踏み込まれた場合、ドライバーは加速の意思を示しているとみなして解除される。

0073

本変形例では、制動制御部61は、緊急自動ブレーキの作動中に、前方障害物及び自車両間の距離が自車速に応じた速度以上になり緊急自動ブレーキを停止させたとしても、アクセルペダルが踏み込まれている場合は、出力制限制御を作動させればよい。これにより緊急自動ブレーキの作動終了後における車両の急発進を抑制できる。

0074

(2)上記実施の形態ではPTCは、PTC自動ブレーキを含んでいたが、PTC低減制御のみから構成されてもよい。

0075

(3)図2において、PTC自動ブレーキが作動される車速範囲の上限値と、PTC減速制御が作動される車速範囲の上限値とは同じ15km/hに設定されているが、これは一例であり、両上限値は異なる値に設定されてもよい。

0076

(4)図3のS305では、アクセルペダルの操作が連続して3回検出された場合にYESと判定されているが、これは一例であり、2回又は4回以上検出された場合にYESと判定されてもよい。

0077

(5)図5の表においてアクセル操作の条件において、操舵角の条件が加えられてもよい。例えば、アクセルペダルが踏み込まれ、且つ、操舵角が所定値(例えば30°)より小さい場合、アクセル操作の条件が「有」と判定されてもよい。この場合、図3のS313において、「アクセルペダルの踏み込み有り」に加えて、「操舵角が30°以上」の条件が加えられればよい。

0078

1 車両の制御装置
2障害物センサ
3アクセルペダルセンサ
4車速センサ
5操舵角センサ
6 ECU
7ブレーキアクチュエータ
8スロットル弁
9シフトポジションセンサ
61制動制御部
62車両制御部

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