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技術 エチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法

出願人 三井化学株式会社
発明者 溝渕悠介山村雄一寺尾浩志遠藤浩司
出願日 2018年2月20日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-027703
公開日 2019年8月29日 (8ヶ月経過) 公開番号 2019-143028
状態 未査定
技術分野 付加系(共)重合体、後処理、化学変成 付加重合用遷移金属・有機金属複合触媒
主要キーワード 分岐型炭化水素 水素耐性 ウインドウ関数 配位結合性化合物 加熱容器内 ジアニオン性リガンド インダニリデン 飽和脂環式基
関連する未来課題
重要な関連分野

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解決手段

遷移金属錯体(A)、有機アルキルアルミニウム化合物(B)、前記遷移金属錯体(A)と反応してイオン対を形成する化合物(C)、およびジエン化合物(D)を混合し、130〜200℃で、1〜18時間加熱して重合触媒を製造する加熱工程と、前記重合触媒の存在下でエチレン炭素数が3以上のα−オレフィンの少なくとも1種とを重合する重合工程とを有するエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。

効果

本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法により、触媒分子構造自体の変更や製造設備における重合条件の変更を行うことなく、簡便に、多大なコストをかけず、重合体分子量および構造単位比率を変化させるなどにより、重合体の物性や加工性を改良することができる。

概要

背景

シングルサイトであるメタロセン触媒は一般的に分子量分布が狭く、組成分布が均一な重合体を生成することが可能であるので、目的とする高分子体重合するのに有力な手段である。その半面、メタロセン触媒により得られる重合体は分子量分布が狭いことから、例えば加工性や物性が劣ることも指摘されており、重合体の加工性や物性を改善する方法の開発が望まれてきた。

一般にメタロセン触媒を用いて分子量分布の広い重合体を得る方法として、多段重合プロセスを用いる方法、生成ポリマー分子量が異なる複数種のメタロセン触媒を重合器へ同時に挿入する方法などが知られている。

例えば、特許文献1には、異なる重合特性を有する2種類以上のメタロセン触媒を単一の担体担持した共担持触媒を用いて、広分子量分布を有するポリオレフィンを製造する方法が開示されている。特許文献2には、低分子量の製造に適したメタロセン化合物と、高分子量の製造に適したメタロセン化合物とを単一の担体に担持した共担持触媒を利用して、優れた加工性、耐圧特性及び耐環境応力亀裂性を持つエチレン系共重合体を製造する方法が開示されている。特許文献3には、非メタロセン触媒を含む共担持触媒を用いた二峰性ポリマーの製造方法が開示されている。特許文献4には、メタロセン触媒化合物を含む共担持触媒を用いた、多峯性の組成分布を有するポリオレフィンポリマーの製造方法が開示されている。

概要

遷移金属錯体(A)、有機アルキルアルミニウム化合物(B)、前記遷移金属錯体(A)と反応してイオン対を形成する化合物(C)、およびジエン化合物(D)を混合し、130〜200℃で、1〜18時間加熱して重合触媒を製造する加熱工程と、前記重合触媒の存在下でエチレン炭素数が3以上のα−オレフィンの少なくとも1種とを重合する重合工程とを有するエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法により、触媒分子構造自体の変更や製造設備における重合条件の変更を行うことなく、簡便に、多大なコストをかけず、重合体の分子量および構造単位比率を変化させるなどにより、重合体の物性や加工性を改良することができる。なし

目的

シングルサイトであるメタロセン触媒は一般的に分子量分布が狭く、組成分布が均一な重合体を生成することが可能であるので、目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

遷移金属錯体(A)、有機アルキルアルミニウム化合物(B)、前記遷移金属錯体(A)と反応してイオン対を形成する化合物(C)、およびジエン化合物(D)を混合し、130〜200℃で、1〜18時間加熱して重合触媒を製造する加熱工程と、前記重合触媒の存在下でエチレン炭素数が3以上のα−オレフィンの少なくとも1種とを重合する重合工程とを有するエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。

請求項2

前記ジエン化合物(D)がビニルノルボルネンまたはシクロペンタジエンである請求項1に記載のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。

請求項3

前記重合工程において、さらに前記化合物(B)を添加して重合を行う請求項1または2に記載のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。

請求項4

前記重合工程において、エチレンと炭素数が3以上のα−オレフィンの少なくとも1種とビニルノルボルネンとを重合する請求項1〜3のいずれかに記載のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。

請求項5

前記重合工程における重合が溶液重合である請求項1〜4のいずれかに記載のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、エチレンα−オレフィン共重合体の製造方法に関し、詳しくは、エチレン/α−オレフィン共重合体の物性や加工性を改良することのできるエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法に関する。

背景技術

0002

シングルサイトであるメタロセン触媒は一般的に分子量分布が狭く、組成分布が均一な重合体を生成することが可能であるので、目的とする高分子体重合するのに有力な手段である。その半面、メタロセン触媒により得られる重合体は分子量分布が狭いことから、例えば加工性や物性が劣ることも指摘されており、重合体の加工性や物性を改善する方法の開発が望まれてきた。

0003

一般にメタロセン触媒を用いて分子量分布の広い重合体を得る方法として、多段重合プロセスを用いる方法、生成ポリマー分子量が異なる複数種のメタロセン触媒を重合器へ同時に挿入する方法などが知られている。

0004

例えば、特許文献1には、異なる重合特性を有する2種類以上のメタロセン触媒を単一の担体担持した共担持触媒を用いて、広分子量分布を有するポリオレフィンを製造する方法が開示されている。特許文献2には、低分子量の製造に適したメタロセン化合物と、高分子量の製造に適したメタロセン化合物とを単一の担体に担持した共担持触媒を利用して、優れた加工性、耐圧特性及び耐環境応力亀裂性を持つエチレン系共重合体を製造する方法が開示されている。特許文献3には、非メタロセン触媒を含む共担持触媒を用いた二峰性ポリマーの製造方法が開示されている。特許文献4には、メタロセン触媒化合物を含む共担持触媒を用いた、多峯性の組成分布を有するポリオレフィンポリマーの製造方法が開示されている。

先行技術

0005

特表2006−509904号公報
特表2007−517087号公報
特表2016−512275号公報
特表2017−505370号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、これら従来の方法では、工程が煩雑になり、プロセス開発触媒開発に課題が残ることが多かった。単一のメタロセン触媒を用い、かつ単一の重合器で行う重合によって分子量分布を広げることができれば前記課題は解決できるが、従来これを実現することは困難であった。

0007

本発明は、単一のメタロセン触媒を用い、かつ単一の重合器で行う重合によって、重合体の分子量分布を広げることのできる重合体の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者は、遷移金属錯体アルキルアルミホウ素化合物およびジエン化合物接触加熱させることにより変性させ、その結果、元の遷移金属錯体からなる触媒と比較して、広い分子量分布を有する重合体を製造することが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。

0009

本発明は下記[1]〜[5]に関する。
[1]遷移金属錯体(A)、有機アルキルアルミニウム化合物(B)、前記遷移金属錯体(A)と反応してイオン対を形成する化合物(C)、およびジエン化合物(D)を混合し、130〜200℃で、1〜18時間加熱して重合触媒を製造する加熱工程と、前記重合触媒の存在下でエチレンと炭素数が3以上のα−オレフィンの少なくとも1種とを重合する重合工程とを有するエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。
[2] 前記ジエン化合物(D)がビニルノルボルネンまたはシクロペンタジエンである前記[1]に記載のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。
[3] 前記重合工程において、さらに前記化合物(B)を添加して重合を行う前記[1]または[2]に記載のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。
[4] 前記重合工程において、エチレンと炭素数が3以上のα−オレフィンの少なくとも1種とビニルノルボルネンとを重合する前記[1]〜[3]のいずれかに記載のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。
[5] 前記重合工程における重合が溶液重合である前記[1]〜[4]のいずれかに記載のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法。

発明の効果

0010

本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法により、単一のメタロセン触媒を用い、かつ単一の重合器で行う重合によって、重合体の分子量分布を広げることのでき、工程が煩雑になることなく、またプロセス開発や触媒開発に多大な労力を費やすことなく、重合体の物性や加工性を改良することができる。

0011

本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法は、遷移金属錯体(A)、有機アルキルアルミニウム化合物(B)、前記遷移金属錯体(A)と反応してイオン対を形成する化合物(C)、およびジエン化合物(D)を混合し、130〜200℃で、1〜18時間加熱して重合触媒を製造する加熱工程と、前記重合触媒の存在下でエチレンと炭素数が3以上のα−オレフィンの少なくとも1種とを重合する重合工程とを有する。

0012

[加熱工程]
遷移金属錯体(A)としては、特に制限はなく、たとえば従来公知のオレフィン重合用触媒に用いられる遷移金属錯体が挙げられ、具体例として、以下の遷移金属錯体(A1)〜(A9)が挙げられる。

0013

(遷移金属錯体(A1))
遷移金属錯体(A1)は、下記一般式[A1]で表される化合物である。

0014

〈R1〜R8〉
式[A1]中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に水素原子炭化水素基ハロゲン含有基酸素含有基窒素含有基ホウ素含有基硫黄含有基リン含有基ケイ素含有基ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基から選ばれ、同一でも互いに異なっていてもよく、隣接する基が互いに結合して環を形成していてもよい。

0015

炭化水素基としては、たとえば、アルキル基シクロアルキル基アルケニル基アリール基およびアリールアルキル基が挙げられる。アルキル基としては、たとえばメチル基エチル基、n−プロピル基イソプロピル基n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、ノニル基、ドデシル基およびエイコシル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばシクロプロピル基シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基ノルボルニル基およびアダマンチル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばビニル基プロペニル基およびシクロヘキセニル基などが挙げられる。アリール基としては、たとえばフェニル基トリル基ジメチルフェニル基トリメチルフェニル基エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ビフェニル基、α−またはβ−ナフチル基メチルナフチル基、アントラセニル基フェナントリル基ベンジルフェニル基、ピレニル基アセナフチル基、フェナレニル基、アセアントリレニル基、テトラヒドロナフチル基、インダニル基およびビフェニリル基が挙げられる。アリールアルキル基としては、たとえばベンジル基フェニルエチル基およびフェニルプロピル基が挙げられる。

0016

〈Y〉
式[A1]において、Yは、二つの配位子を結合する二価の基であり、具体的には、二価の基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、ならびにハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、好ましくは、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、または二価のケイ素含有基である。

0017

二価の炭化水素基としては、アルキレン基置換アルキレン基およびアルキリデン基が挙げられ、その具体例としては、
メチレン、エチレン、プロピレンおよびブチレンなどのアルキレン基;
イソプロピリデンジエチルメチレンジプロピルメチレン、ジイソプロピルメチレン、ジブチルメチレン、メチルエチルメチレン、メチルブチルメチレン、メチル−t−ブチルメチレン、ジヘキシルメチレン、ジシクロヘキシルメチレン、メチルシクロヘキシルメチレン、メチルフェニルメチレン、ジフェニルメチレンジトリルメチレン、メチルナフチルメチレン、ジナフチルメチレン、1−メチルエチレン、1,2−ジメチルエレンおよび1−エチル−2−メチルエチレンなどの置換アルキレン基;ならびに
シクロプロピリデンシクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、ビシクロ[3.3.1]ノニリデン、ノルボルニリデン、アダマンチリデン、テトラヒドロナフチリデンおよびジヒドロインダニリデンなどのシクロアルキリデン基ならびにエチリデンプロピリデンおよびブチリデンなどのアルキリデン基
が挙げられる。

0018

二価のケイ素含有基としては、
シリレン;ならびに
メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジイソプロピルシリレン、ジブチルシリレン、メチルブチルシリレン、メチル−t−ブチルシリレン、ジシクロヘキシルシリレン、メチルシクロヘキシルシリレン、メチルフェニルシリレンジフェニルシリレン、ジトリルシリレン、メチルナフチルシリレン、ジナフチルシリレン、シクロジメチレンシリレン、シクロトリメチレンシリレン、シクロテトラメチレンシリレン、シクロペンタメチレンシリレン、シクロヘキサメチレンシリレンおよびシクロヘプタメチレンシリレンなどのアルキルシリレン基が挙げられ、特に好ましくは、ジメチルシリレン基およびジブチルシリレン基などのジアルキルシリレン基が挙げられる。

0019

〈M〉
式[A1]において、Mは、第4族遷移金属であり、好ましくはTi、ZrまたはHfであり、より好ましくはZrまたはHfであり、特に好ましくはZrである。

0020

〈X〉
式[A1]において、Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基であり、好ましくはハロゲン原子または炭化水素基である。ハロゲン原子としては、フッ素塩素臭素およびヨウ素が挙げられ、特に好ましくは塩素が挙げられる。
前記遷移金属錯体(A1)の具体例としては、特開2013−224408号公報の[0077]に列挙された化合物が挙げられる。

0021

(遷移金属錯体(A2))
遷移金属錯体(A2)は、下記一般式[A2]で表される化合物である。

0022

〈R1〜R6、およびR11〜R16〉
式[A2]中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立に、水素原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれ、同一でも互いに異なっていてもよく、また隣接する2個の基が互いに連結して環を形成してもよい。

0023

炭化水素基としては、上述した式[A1]においてR1〜R8として挙げた炭化水素基が挙げられる。
R1〜R6、およびR11〜R16は、それぞれ独立に、好ましくは水素原子または炭化水素基であり、より好ましくは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。

0024

〈Y〉
式[A2]において、Yは、二つの配位子を結合する二価の基であり、具体的には、二価の基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、ならびにハロゲン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基およびスズ含有基から選ばれる基であり、好ましくは、炭素数1〜20の二価の炭化水素基、または二価のケイ素含有基である。
これらの基としては、上述した式[A1]においてYとして挙げた二価の基が挙げられる。

0025

〈M〉
式[A2]において、Mは、第4族遷移金属であり、好ましくはTi、ZrまたはHfであり、より好ましくはZrまたはHfであり、特に好ましくはZrである。

0026

〈X〉
式[A2]において、Xは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基およびリン含有基から選ばれる原子または基であり、好ましくはハロゲン原子または炭化水素基である。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が挙げられ、特に好ましくは塩素が挙げられる。
前記遷移金属錯体(A2)の具体例としては、特開2013−224408号公報の[0071]に列挙された化合物が挙げられる。

0027

(遷移金属錯体(A3))
遷移金属錯体(A3)は、下記一般式[A3]で表される化合物である。

0028

〈R1からR14〉
式[A3]中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13およびR14はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基またはケイ素含有基であり、R1からR4までの置換基のうち、任意の2つの置換基は互いに結合して環を形成していてもよく、R5からR12までの置換基のうち、任意の2つの置換基は互いに結合して環を形成していてもよく、R13とR14とは互いに結合して環を形成していてもよい。

0029

R1からR14における炭化水素基としては、例えば、直鎖状炭化水素基分岐状炭化水素基環状飽和炭化水素基環状不飽和炭化水素基飽和炭化水素基が有する1または2以上の水素原子を環状不飽和炭化水素基に置換してなる基が挙げられる。炭化水素基の炭素数は、通常1〜20、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10である。

0030

直鎖状炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基等の直鎖状アルキル基アリル基等の直鎖状アルケニル基が挙げられる。

0031

分岐状炭化水素基としては、例えば、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−1−プロピルブチル基、1,1−プロピルブチル基、1,1−ジメチル−2−メチルプロピル基、1−メチル−1−イソプロピル−2−メチルプロピル基等の分岐状アルキル基が挙げられる。

0032

環状飽和炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ノルボルニル基、アダマンチル基、メチルアダマンチル基等の多環式基が挙げられる。

0033

環状不飽和炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基等のアリール基;シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基;5−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エニル基等の多環の不飽和脂環式基が挙げられる。

0034

飽和炭化水素基が有する1または2以上の水素原子を環状不飽和炭化水素基に置換してなる基としては、例えば、ベンジル基、クミル基、1,1−ジフェニルエチル基、トリフェニルメチル基等のアルキル基が有する1または2以上の水素原子をアリール基に置換してなる基が挙げられる。

0035

R1からR14におけるヘテロ原子含有炭化水素基としては、例えば、メトキシ基エトキシ基等のアルコキシ基フェノキシ基等のアリールオキシ基フリル基などの酸素原子含有炭化水素基;N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N−フェニルアミノ基等のアミノ基、ピリル基などの窒素原子含有炭化水素基;チエニル基などの硫黄原子含有炭化水素基が挙げられる。ヘテロ原子含有炭化水素基の炭素数は、通常1〜20、好ましくは2〜18、より好ましくは2〜15である。ただし、ヘテロ原子含有炭化水素基からはケイ素含有基を除く。

0036

R1からR14におけるケイ素含有基としては、例えば、トリメチルシリル基トリエチルシリル基ジメチルフェニルシリル基ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基等の式−SiR3(式中、複数あるRはそれぞれ独立に炭素数1〜15のアルキル基またはフェニル基である。)で表される基が挙げられる。

0037

R1からR14までの置換基のうち、任意の2つの置換基、例えば隣接した2つの置換基(例:R1とR2、R2とR3、R3とR4、R5とR6、R6とR7、R7とR8、R9とR10、R10とR11、R11とR12、R13とR14)は互いに結合して環を形成していてもよい。前記環形成は、分子中に2箇所以上存在してもよい。

0038

本明細書において、2つの置換基が互いに結合して形成された環(付加的な環)としては、例えば、脂環、芳香環ヘテロ環が挙げられる。具体的には、シクロヘキサン環ベンゼン環水素化ベンゼン環;シクロペンテン環;フラン環チオフェン環等のヘテロ環およびこれに対応する水素化ヘテロ環が挙げられ、好ましくはシクロヘキサン環;ベンゼン環および水素化ベンゼン環である。また、このような環構造は、環上にアルキル基等の置換基をさらに有していてもよい。

0039

R5、R8、R9およびR12は、好ましくは水素原子である。
R6、R7、R10およびR11は、好ましくは水素原子、炭化水素基、酸素原子含有炭化水素基または窒素原子含有炭化水素基であり、より好ましくは炭化水素基である。R6とR7が互いに結合して環を形成し、かつR10とR11が互いに結合して環を形成していてもよい。以上のようなフルオレニル基部分の構造としては、例えば、下式で表されるものが挙げられる。

0040

R13およびR14は、好ましくは炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基またはケイ素含有基であり、さらに好ましくはアリール基または置換アリール基(ヘテロ原子含有炭化水素基またはケイ素含有基を有するアリール基)である。

0041

〈Y〉
式[A3]において、Yは炭素原子ケイ素原子ゲルマニウム原子またはスズ原子であり、好ましくは炭素原子である。

0042

〈M、Q、j〉
式[A3]において、Mは、第4族遷移金属であり、好ましくはTi、ZrまたはHfであり、より好ましくはZrまたはHfである。

0043

Qはハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対配位可能な中性配位子であり、jが2以上の整数であるとき、Qは同一または異なる組み合わせで選ばれる。

0044

Qにおけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
Qにおける炭化水素基としては、R1からR14における炭化水素基と同様の基が挙げられ、好ましくは直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基等のアルキル基である。

0045

Qにおけるアニオン配位子としては、例えば、メトキシ、tert−ブトキシ等のアルコキシ基;フェノキシ等のアリールオキシ基;アセテートベンゾエート等のカルボキシレート基メシレートトシレート等のスルホネート基ジメチルアミド、ジイソプロピルアミド、メチルアニリド、ジフェニルアミド等のアミド基が挙げられる。

0046

Qにおける孤立電子対で配位可能な中性配位子としては、例えば、トリメチルホスフィントリエチルホスフィントリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン等の有機リン化合物テトラヒドロフランジエチルエーテルジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテルが挙げられる。

0047

Qは、少なくとも1つがハロゲン原子またはアルキル基であることが好ましい。
jは1〜4の整数であり、好ましくは2である。jが2以上の整数であるとき、Qは同一または異なる組合せで選んでもよい。

0048

前記遷移金属錯体(A3)の具体例としては、国際公開第2004/87775号の第29〜43頁に列挙された化合物、国際公開第2006/25540号の第9〜37頁に列挙された化合物、国際公開第2015/122414号の[0117]に列挙された化合物、国際公開第2015/122415号の[0143]に列挙された化合物が挙げられる。

0049

(遷移金属錯体(A4))
遷移金属錯体(A4)は、下記一般式[A4]で表される化合物である。

0050

〈R1からR16〉
式[A4]中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15およびR16はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基またはケイ素含有基であり、R1からR16までの置換基のうち、任意の2つの置換基は互いに結合して環を形成していてもよい。

0051

R1からR16における炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基およびケイ素含有基としては、上述した式[A3]におけるR1〜R14として例示した炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基およびケイ素含有基が挙げられる。

0052

R1からR16までの置換基のうち、隣接した2つの置換基(例:R1とR2、R2とR3、R4とR6、R4とR7、R5とR6、R5とR7、R6とR8、R7とR8、R9とR10、R10とR11、R11とR12、R13とR14、R14とR15、R15とR16)が互いに結合して環を形成していてもよく、R4およびR5が互いに結合して環を形成していてもよく、R6およびR7が互いに結合して環を形成していてもよく、R1およびR8が互いに結合して環を形成していてもよく、R3およびR4が互いに結合して環を形成していてもよく、R3およびR5が互いに結合して環を形成していてもよい。前記環形成は、分子中に2箇所以上存在してもよい。

0053

本明細書において、2つの置換基が互いに結合して形成された環(付加的な環)としては、例えば、脂環、芳香環、ヘテロ環が挙げられる。具体的には、シクロヘキサン環;ベンゼン環;水素化ベンゼン環;シクロペンテン環;フラン環、チオフェン環等のヘテロ環およびこれに対応する水素化ヘテロ環が挙げられ、好ましくはシクロヘキサン環;ベンゼン環および水素化ベンゼン環である。また、このような環構造は、環上にアルキル基等の置換基をさらに有していてもよい。

0054

R1およびR3は、水素原子であることが好ましい。
R2は、炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基またはケイ素含有基であることが好ましく、炭化水素基であることがさらに好ましく、炭素数1〜20の炭化水素基であることがより好ましく、アリール基ではないことがさらに好ましく、直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基または環状飽和炭化水素基であることがとりわけ好ましく、遊離原子価を有する炭素シクロペンタジエニル環に結合する炭素)が3級炭素である置換基であることが特に好ましい。

0055

R2としては、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基が例示でき、より好ましくはtert−ブチル基、tert−ペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基等の遊離原子価を有する炭素が3級炭素である置換基であり、特に好ましくは1−アダマンチル基、tert−ブチル基である。

0056

R4は、前記遷移金属錯体(A4)を下記一般式[A4']で表した場合に、水素原子であることが好ましい形態の一つである。

0057

この場合、前記遷移金属錯体(A4)は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、一般式[A4']で表される遷移金属錯体の全ての鏡像異性体、例えば一般式[A4'']で表される遷移金属錯体を包含する。

0058

式[A4']および[A4'']の表記において、MQj部分が紙面手前に、架橋部が紙面奥側に存在するものとする。すなわち、これらの遷移金属錯体では、シクロペンタジエン環のα位(架橋部位が置換した炭素原子を基準とする)に、中心金属側に向いた水素原子(R4)が存在する。

0059

一方、上述した一般式[A4]においては、MQj部分および架橋部が紙面手前に存在するのか、紙面奥側に存在するかは特定されていない。すなわち一般式[A4]で表される遷移金属化合物(A4)は、特定の構造の遷移金属化合物とその鏡像異性体とを包含している。

0060

R4、R5、R6およびR7から選ばれる少なくとも1つは、炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基またはケイ素含有基であることが好ましく、R4、R5が水素原子または炭化水素基であることがより好ましく、R5が直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基等のアルキル基、シクロアルキル基またはシクロアルケニル基であることがさらに好ましく、炭素数1〜10のアルキル基であることがとりわけ好ましい。また、また、合成上の観点からはR4、R5が共にアルキル基であることも好ましい形態の一つであり、炭素数1〜10のアルキル基が特に好ましい。また同様に合成上の観点からは、R6およびR7は水素原子であることも好ましい。R5およびR7が互いに結合して環を形成していることがより好ましく、当該環がシクロヘキサン環等の6員環であることが特に好ましい。

0061

R8は、炭化水素基であることが好ましく、メチル基等のアルキル基であることが特に好ましい。
一般式[A4]において、フルオレン環部分は公知のフルオレン誘導体から得られる構造であれば特に制限されない。R9、R12、R13およびR16は、好ましくは水素原子である。

0062

R10、R11、R14およびR15は、好ましくは水素原子、炭化水素基、酸素原子含有炭化水素基または窒素原子含有炭化水素基であり、より好ましくは炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素数1〜20の炭化水素基であり、たとえば、2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル基、3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル基, 2,7-ジフェニル-3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル基が挙げられ、特に好ましくは2,7-ジ-tert-ブチルフルオレニル基である。

0063

R10とR11が互いに結合して環を形成し、かつR14とR15が互いに結合して環を形成していてもよい。このような置換フルオレニル基としては、例えば、ベンゾフルオレニル基ジベンゾフルオレニル基、オクタヒドロジベンゾフルオレニル基、1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-2,3,4,7,8,9,10,12-オクタヒドロ-1H-ジベンゾ[b,h]フルオレニル基、1,1,3,3,6,6,8,8-オクタメチル-2,3,6,7,8,10-ヘキサヒドロ-1H-ジシクロペンタ[b,h]フルオレニル基、1',1',3',6',8',8'-ヘキサメチル-1'H,8'H-ジシクロペンタ[b,h]フルオレニル基が挙げられ、特に好ましくは1,1,4,4,7,7,10,10-オクタメチル-2,3,4,7,8,9,10,12-オクタヒドロ-1H-ジベンゾ[b,h]フルオレニル基が挙げられる。

0064

〈M、Q、j〉
式[A4]において、Mは、第4族遷移金属であり、好ましくはTi、ZrまたはHfであり、より好ましくはZrまたはHfであり、特に好ましくはZrである。

0065

Qはハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子である。
Qにおけるハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子としては、上述した式[A3]におけるハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子として例示したものが挙げられる。

0066

jは1〜4の整数であり、好ましくは2である。jが2以上の整数であるとき、Qは同一または異なる組合せで選んでもよい。
前記遷移金属錯体(A4)の具体例としては、国際公開第2006/68308号の第11〜15頁に列挙された化合物、国際公開第2014/50816号の[0075]−[0086]に列挙された化合物、特開2008/045008号の[0072]−[0084]に列挙された化合物が挙げられる。

0067

(遷移金属錯体(A5))
遷移金属錯体(A5)は、特表2000−516228号公報に記載された、下記一般式[A5]に相当する金属錯体である。

0068

(式中、Mは、元素周期表の3−13族の1、ランタニド又はアクチニドからの金属であり、それは+2、+3又は+4形式酸化状態にあり、そして5個の置換基、即ちRA、(RB)j−T(但し、jは0、1又は2である)、RC、RD及びZ(但し、RA、RB、RC及びRDはR基である)を有する環状の非局在化π−結合リガンド基である1個のシクロペンタジエニル(Cp)基にπ結合しており、さらに Tは、jが1又は2であるとき、Cp環そしてRBに共有結合しているヘテロ原子であり、さらにjが0のとき、TはF、Cl、Br又はIであり;jが1のとき、TはO又はS、又はN又はPであり、そしてRBはTへの二重結合を有し;jが2のとき、TはN又はPであり、さらに
RBは、それぞれの場合独立して、水素であるか、又はヒドロカルビルヒドロカルビルシリルハロゲン置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビルヒドロカルビルアミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリルヒドロカルビル、ヒドロカルビルアミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ヒドロカルビルオキシである1−80個の非水素原子を有する基であり、各RBは任意にそれぞれの場合独立して1−20個の非水素原子を有するヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルビルシロキシ、ヒドロカルビルシリルアミノ、ジ(ヒドロカルビルシリル)アミノ、ヒドロカルビルアミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ、ヒドロカルビルスルフィド、ヒドロカルビル、ハロゲン置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルアミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリル又はヒドロカルビルシリルヒドロカルビル又は1−20個の非水素原子を有する非干渉基である1個以上の基により置換されていてもよく;そして
RA、RC及びRDのそれぞれは、水素であるか、又はヒドロカルビル、ハロゲン置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルアミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリル、ヒドロカルビルシリルヒドロカルビルである1−80個の非水素原子を有する基であり、RA、RC及びRDのそれぞれは、任意にそれぞれの場合独立して1−20個の非水素原子を有するヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルビルシロキシ、ヒドロカルビルシリルアミノ、ジ(ヒドロカルビルシリル)アミノ、ヒドロカルビルアミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ、ヒドロカルビルスルフィド、ヒドロカルビル、ハロゲン置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルアミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリル又はヒドロカルビルシリルヒドロカルビルであるか、又は1−20個の非水素原子を有する非干渉基である1個以上の基により置換されていてもよく;又は任意に、RA、RB、RC及びRDの2個以上は、互いに共有結合してそれぞれのR基について1−80個の非水素原子を有する1個以上の縮合環又は環系を形成し、1個以上の縮合環又は環系は、置換されていないか、又はそれぞれの場合独立して1−20個の非水素原子を有するヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルビルシロキシ、ヒドロカルビルシリルアミノ、ジ(ヒドロカルビルシリル)アミノ、ヒドロカルビルアミノ、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ、ヒドロカルビルスルフィド、ヒドロカルビル、ハロゲン置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルアミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリル又はヒドロカルビルシリルヒドロカルビル、又は1−20個の非水素原子を有する非干渉基である1個以上の基により置換されており;
Zはσ結合を介してCp及びMの両者に結合している2価の基であり、Zは硼素であるか又は元素の周期表の14族の一員であり、さらに窒素、燐、硫黄又は酸素からなり;
Xは、環状の非局在化π結合リガンド基であるリガンドの群を除く、60個以内の原子を有するアニオン性又はジアニオン性リガンド基であり;
X'は、それぞれの場合独立して20個以内の原子を有する中性ルイス塩基配位結合性化合物であり;
pは0、1又は2であり、そしてXがアニオン性リガンドであるときMの形式酸化状態より2少なく;Xがジアニオン性リガンドであるとき、pは1であり;そして
qは0、1又は2である。)
前記遷移金属錯体(A5)の具体例としては、特表2000−516228号公報の35〜99頁に列挙された化合物が挙げられる。

0069

(遷移金属錯体(A6))
遷移金属錯体(A6)は、特表2002−522551号公報に記載された、下記一般式[A6]に相当するアンサビス(μ−置換)周期表4族金属及びアルミニウム化合物である。

0070

(式中、L'はπ−結合した基であり、
Mは周期表4族金属であり、
Jは窒素又は燐であり、
Zは2価の橋かけ結合基であり、
R'は不活性の1価のリガンドであり、
rは1又は2であり、
Xはそれぞれの場合独立してμ−橋かけ結合リガンド基を形成できるルイス塩基性リガンド基であり、所望により2個のX基は一緒に結合してもよく、そして
A'はそれぞれの場合独立して水素を除いて50個以内の原子のアルミニウム含有ルイス酸化合物であり、該化合物はμ−橋かけ結合基により金属錯体との付加物を形成し、所望により2個のA'基は一緒に結合しそれにより単一の2官能ルイス酸含有化合物を形成してもよい。)
前記遷移金属錯体(A6)の具体例としては、特表2002−522551号公報の[0025]〜[0027]に列挙された化合物が挙げられる。

0071

(遷移金属錯体(A7))
遷移金属錯体(A7)は、特表2003−501433号公報に記載された、下記一般式[A7-1]、[A7-2]または[A7-3]に相当する金属錯体である。

0072

(式中、Mは元素周期表の3〜13族ランタニド又はアクチニドの1つから選ばれる金属である;
Zはホウ素、又は元素周期表の14族の1員をもち、且つ窒素、リン、硫黄又は酸素をもつ2価の基である;
Xは水素を算入せずに60以下の原子をもつアニオン性リガンド基であり、所望により2個のX基はいっしょになって2価のアニオン性リガンド基を形成している;
X'はそれぞれの場合独立に20以下の原子をもつ中性ルイス塩基リガンドである;
pは0〜5の数であって、Mの形式酸化状態より2少ない;
qは0、1又は2である;
Eはケイ素又は炭素である;
RA はそれぞれの場合独立に水素又はRB である;
RB はBRC 2 であるか、又はヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリル、ハロゲン置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)アミノ置換ヒドロカルビル、BRC 2 −置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリルヒドロカルビル、ジ(ヒドロカルビル)アミノ、ヒドロカルバジイルアミノ、又はヒドロカルビルオキシ基であり、各RB は水素を算入せずに1〜18の原子をもち、そして所望により2個のRB 基は共有結合して1以上の縮合環を形成していてもよい;
RC はそれぞれの場合独立にヒドロカルビル、ハロゲン置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、ジヒドロカルビルアミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルバジイルアミノ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルシリル、ヒドロカルビルシリルヒドロカルビル、又はRD である;
RD はそれぞれの場合独立にジヒドロカルビルアミノ又はヒドロカルビルオキシ基で水素を算入せずに1〜20の原子をもち、そして所望により単一のホウ素上の2個のRD 基はいっしょになってホウ素に結合した両原子価をもつヒドロカルバジイルアミノ−、ヒドロカルバジイルオキシ−、ヒドロカルバジイルジアミノ−、又はヒドロカルバジイルオキシ−基を形成している;
但し少なくとも1の場合においてRA はBRC 2 、BRC 2 −置換ヒドロカルビル基、及びそれらが合体した誘導体から選ばれると共に、少なくとも1のRCはRD である;
RF はそれぞれの場合独立に水素、又はシリル、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ及びそれらの組合せから選ばれる基であって、該RF は30以下の炭素又はケイ素原子をもっている;そして xは1〜8であるか、又は所望により(RF 2 E)x が−T'Z'−又は−(T'Z')2 −であり、ここでT'はそれぞれの場合独立にホウ素又はアルミニウムであり、そしてZ'はそれぞれの場合独立に

0073

であり;
R1 はそれぞれの場合独立に水素、ヒドロカルビル基トリヒドロカルビルシリル基、又はトリヒドロカルビルシリルヒドロカルビル基であり、該R1 基は炭素を算入せずに20以下の原子をもち、そして2個のこれらR1 基は所望によりいっしょになって環構造を形成していてもよい;そして
R5 はR1 又はN(R1 )2 である。)
前記遷移金属錯体(A7)の具体例としては、特表2003−501433号公報の[0030]に列挙された化合物が挙げられる。

0074

(遷移金属錯体(A8))
遷移金属錯体(A8)は、下記一般式[A8]で表される化合物である。

0075

〈M〉
式[A8]中、Mは周期表第4、5族の遷移金属原子を示し、好ましくは4族の遷移金属原子である。具体的には、チタンジルコニウムハフニウムバナジウムニオブタンタルなどであり、より好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好ましくはチタンまたはジルコニウムである。
式[A8]においてNとMとを繋ぐ点線は、一般的にはNがMに配位していることを示すが、本発明においては配位していてもしていなくてもよい。

0076

〈m〉
式[A8]において、mは1〜4の整数、好ましくは2〜4の整数、さらに好ましくは2を示す。

0077

〈R1〜R5〉
式[A8]において、R1〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。

0078

ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭化水素基としては、上述した式[A3]におけるR1〜R14として例示した炭化水素基が挙げられ、特に、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;
フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;
これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基もしくはアルコキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基もしくはアリーロキシ基などの置換基が1〜5個置換した置換アリール基
が好ましい。

0079

R1としては、オレフィン重合触媒活性の観点および高分子量のオレフィン系重合体を与えるという観点から、炭素原子数1〜20の直鎖状または分岐状の炭化水素基、炭素原子数3〜20の脂環族炭化水素基、または炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基から選ばれる基が好ましい。

0080

ヘテロ環式化合物残基としては、ピロールピリジンピリミジンキノリントリアジンなどの含窒素化合物フランピランなどの含酸素化合物チオフェンなどの含硫黄化合物などの残基、およびこれらのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコキシ基などの置換基がさらに置換した基などが挙げられる。

0081

酸素含有基としては、アルコシキ基、アリーロキシ基、エステル基エーテル基アシル基カルボキシル基カルボナート基ヒドロキシ基ペルオキシ基カルボン酸無水物基などが挙げられる。

0082

窒素含有基としては、アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基ヒドラジノ基ヒドラゾノ基、ニトロ基ニトロソ基シアノ基イソシアノ基、シアン酸エステル基アミジノ基ジアゾ基、アミノ基がアンモニウム塩となったものなどが挙げられる。

0083

ホウ素含有基としては、ボランジイル基、ボラントリイル基、ジボラニル基などが挙げられる。
イオウ含有基としては、メルカプト基チオエステル基ジチオエステル基、アルキルチオ基アリールチオ基チオアシル基、チオエーテル基チオシアン酸エステル基、イソチアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基スルホニル基スルフィニル基スルフェニル基などが挙げられる。

0084

リン含有基としては、ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホスファト基などが挙げられる。
ケイ素含有基としては、シリル基、シロキシ基炭化水素置換シリル基炭化水素置換シロキシ基などが挙げられ、より具体的には、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリル基などが挙げられる。炭化水素置換シロキシ基としては、トリメチルシロキシ基などが挙げられる。
ゲルマニウム含有基およびスズ含有基としては、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムまたはスズに置換した基が挙げられる。

0085

〈R6〉
式[A8]において、R6は、水素原子、1級または2級炭素のみからなる炭素数1〜4の炭化水素基、炭素数4以上の脂肪族炭化水素基アリール基置換アルキル基、単環性または二環性の脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン原子から選ばれる。これらのうち、オレフィン重合触媒活性の観点、高分子量のオレフィン系重合体を与えるという観点および重合時の水素耐性の観点から、炭素原子数4以上の脂肪族炭化水素基、アリール基置換アルキル基、単環性または二環性の脂環族炭化水素基および芳香族炭化水素基から選ばれる基であることが好ましく、より好ましくはt−ブチル基などの分岐型炭化水素基;ベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基(クミル基)、1−メチル−1,1−ジフェニルエチル基、1,1,1−トリフェニルメチル基(トリチル基)などのアリール置換アルキル基;1位に炭化水素基を有するシクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデシル基などの炭素数6〜15の脂環族または複式環構造を有する脂環族炭化水素基が挙げられる。

0086

〈n〉
式[A8]において、nは、Mの価数を満たす数である。

0087

〈X〉
式[A8]において、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。

0088

ハロゲン原子および炭化水素基等の各基としては、上記R1〜R5の説明で例示したものと同様のものが挙げられる。これらのうち、好ましくはハロゲン原子や炭化水素基である。

0089

(遷移金属錯体(A9))
遷移金属錯体(A9)は、下記一般式[A9]で表される化合物である。

0090

〈M〉
式[A9]中、Mは周期表第4〜11族の遷移金属原子を示し、具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロムマンガン、鉄、コバルトニッケルパラジウムなどであり、好ましくは4〜7、10族の金属原子であり、具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、クロム、マンガン、ニッケルであり、より好ましくはチタン、ニッケルである。
式[A9]においてNとMとを繋ぐ点線は、一般的にはNがMに配位していることを示すが、本発明においては配位していてもしていなくてもよい。

0091

〈m〉
式[A9]において、mは、1〜4の整数を示し、好ましくは2である。

0092

〈R1〜R5〉
式[A9]において、R1〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。

0093

ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基としては、上述した式[A8]におけるR1〜R5として例示したものが挙げられる。

0094

R1の好ましい態様は、芳香性を示す基であり、さらに好ましくは下記一般式[A9-1]で表わされるアリール基または置換基を有していてもよいピロールである。

0095

一般式[A9-1]において、R1A〜R1Eは互いに同一でも異なっていても、また互いに結合して環を形成していてもよく、水素原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基である。炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、およびスズ含有基としては、上述した式[A9]におけるR1〜R5として例示したものが挙げられる。

0096

〈R6〉
式[A9]において、R6は、水素原子、1級または2級炭素のみからなる炭素数1〜4の炭化水素基、炭素
数5以上の脂肪族炭化水素基、アリール基置換アルキル基、単環性または二環性の脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン原子から選ばれる。

0097

R6としては、フェニル、ベンジル、ナフチル、アントラニルなどの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基;
メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、ネオペンチルなどの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状(2級)のアルキル基;シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−メチルシクロヘキシル、2,6−ジメチルシクロヘキシル、3,5−ジメチルシクロヘキシル、4−tert−ブチルシクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロドデシルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20の環状飽和炭化水素基
が好ましく、R6としては、フェニル、ベンジル、ナフチルなどの芳香族基、およびこれらの水素原子が置換された3,5−ジフルオロフェニル、3,5−ビストリフルオロメチルフェニルなどが特に好ましい。

0098

〈n〉
式[A9]において、nは、Mの価数を満たす数であり、具体的には0〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは2である。

0099

〈X〉
式[A9]において、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。

0100

ハロゲン原子および炭化水素基等の各基としては、上記R1〜R5の説明で例示したものと同様のものが挙げられる。
前記遷移金属錯体(A9)の具体例としては、特開2011−231291号公報の[0079]〜[0088]に列挙された化合物が挙げられる。

0101

前記遷移金属錯体は、上述した遷移金属錯体(A1)〜(A9)に限られるものではなく、これら以外にも、たとえば特開2008−163140号の[0007]、国際公開第2010/50256号の[0030]〜[0051]、特開2010−150246号の[0016]、国際公開第2013/184579号の[0133]、特表2013−534934号公報の[0006]、特表2009−534517号公報の[0001]、特表2001−516776号公報の[0009]〜[0017]に記載された遷移金属錯体を例示することができる。

0102

有機アルキルアルミニウム化合物(B)としては、例えば、メチルアルミノキサン等の有機アルミニウムオキシ化合物トリメチルアルミニウムトリエチルアルミニウムトリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムジメチルアルミニウムクロリドジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライドメチルアルミニウムセスキクロリドエチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリドエチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライド;ジメチルアルミニウムハイドライドジエチルアルミニウムハイドライド、ジヒドロフェニルアルミニウムハイドライド、ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジ-n-ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドジイソヘキシルアルミニウムハイドライド、ジフェニルアルミニウムハイドライド、ジシクロヘキシルアルミニウムハイドライド、ジ-sec-ヘプチルアルミニウムハイドライド、ジ-sec-ノニルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド;ジメチルアルミニウムエトサイドジエチルアルミニウムエトキサイド、ジイソプロピルアルミニウムメトキサイド、ジイソブチルアルミニウムエトキサイドなどのジアルキルアルミニウムアルコキサイド等を挙げることができる。

0103

遷移金属錯体(A)と反応してイオン対を形成する化合物(C)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、米国特許第5321106号明細書などに記載されたルイス酸、イオン性化合物ボラン化合物およびカルボラン化合物や、さらにはヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物を挙げることができる。具体的には、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリス(4−メチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジメチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジオタデシルメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることができる。

0104

ジエン化合物(D)としては、5−ビニル−2−ノルボルネン、シクロペンタジエン、1,3−ブタジエン、3a,4,7,7a—テトラヒドロインデン等を挙げることができる。これらの中でも、5−ビニル−2−ノルボルネン、シクロペンタジエンが特に好ましい。

0105

遷移金属錯体(A)、有機アルキルアルミニウム化合物(B)、化合物(C)およびジエン化合物(D)を混合する方法は、前記(A)〜(D)成分を均一に混合できれば特に制限はない。後述の加熱処理において示したように、(A)〜(D)成分を溶媒中で加熱処理する場合には、(A)〜(D)成分をそれぞれ溶媒に溶解させることにより混合することができる。

0106

前記(A)〜(D)成分の混合比率としては、モル比として、(A)成分:(B)成分:(C)成分:(D)成分=1:10〜100,000:2〜50,000:1〜100000であることが好ましく、1:20〜10000:2〜1000:10〜10000であることがより好ましい。

0107

本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法においては、前記(A)〜(D)成分を混合し、加熱して得られた触媒を重合触媒として使用して重合を行う。この際、生産性を向上させる目的で前記重合触媒に前記化合物(C)をさらに添加して重合を行ってもよい。

0108

前記(A)〜(C)成分の混合物は、それ自体、エチレン/α−オレフィン共重合体の製造に用いられるメタロセン触媒であるが、本発明は、その触媒にジエン化合物(D)を加え、さらに加熱処理して用いる点に特徴を有する。上記の加熱処理を施すことにより、触媒活性は低下するが、触媒の特性は大きく変化する。

0109

前記(A)〜(D)成分を混合し、所定の温度および時間加熱処理して得られる触媒を用いて製造されたエチレン/α−オレフィン共重合体は、前記(A)〜(C)成分の混合物をそのまま触媒として用いて同条件で製造されたエチレン/α−オレフィン共重合体に比較して分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))が広くなる傾向がある。これは、単一のメタロセン錯体である(A)成分を(B)〜(D)成分と接触加熱することにより、触媒成分の一部が変性され、複数の活性種が生成されるからであると考えられる。

0110

前記加熱処理における加熱温度は、130〜200℃であり、好ましくは150〜200℃、さらに好ましくは170℃〜200℃である。加熱温度が前記範囲であると、得られる重合触媒は、重合体の分子量分布を広くする性質が高くなる。

0111

前記加熱処理における加熱時間は、1〜18時間であり、好ましくは1〜12時間、より好ましくは1〜3時間である。前記加熱温度で加熱処理を行っても、加熱時間が18時間を超えると、得られた重合触媒により合成された重合体中の高分子量成分が全て消失するため重合体の分子量分布は広くならない。また、加熱時間が1時間〜18時間であれば広い分子量分布を有する重合体が得られるが、加熱時間が12時間〜18時間であると、重合体中の高分子量成分の多くが消失するため分子量分布を広くする効果が限定的となる。加熱時間が1〜3時間であれば、得られる重合体は高分子量成分と低分子量成分が適度に混在することになるため、分子量分布を広くする効果が高くなる。

0112

前記加熱処理の好ましい態様としては、前記(A)〜(D)成分を溶媒に溶解させて加熱処理する方法を挙げることができる。この場合に用いられる溶媒としては、本発明の効果が損なわれなければ特に制限はなく、例えばヘキサンヘプタンデカン等の炭化水素系溶媒を挙げることができる。

0113

前記溶媒に前記(A)〜(D)成分を溶媒に溶解させて得られる溶液における(A)成分の濃度としては、好ましくは0.01〜5mM、より好ましくは0.01〜2mM、さらに好ましくは0.1〜1mMであり、(B)成分の濃度としては、好ましくは0.1mM〜1.0M、より好ましくは0.1mM〜0.5M、さらに好ましくは1.0mM〜0.1Mであり、(C)成分の濃度としては、好ましくは0.02〜500mM、より好ましくは0.02〜100mM、さらに好ましくは0.1〜50mMであり、(D)成分の濃度としては、好ましくは0.1mM〜5.0M、より好ましくは0.1mM〜1M、さらに好ましくは1.0mM〜1Mである。(C)成分の濃度は、(A)成分の濃度の2〜100倍であることが好ましい。

0114

前記(A)〜(D)成分を溶媒に溶解させて加熱処理する具体的な方法としては、室温において加熱容器内窒素置換し、その容器に前記溶媒を注入し、その溶媒に前記(A)〜(D)成分を添加して溶解させ、容器内を前記加熱温度に昇温し、その加熱温度にて前記加熱時間熱処理を行い、その後室温に降温する方法を挙げることができる。

0115

[重合工程]
重合工程では、前記加熱工程で得られた重合触媒の存在下で、エチレンと炭素数が3以上のα−オレフィンの少なくとも1種とを重合する。

0116

生産性向上のため、前記加熱工程で得られた重合触媒に前記化合物(C)を同時に添加してもよい。添加する化合物(C)の量は前記重合触媒に対して通常1〜10000倍、好ましくは1〜100倍である。

0117

前記炭素数が3以上のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどのα−オレフィン;シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなどの環状オレフィン等が挙げられる。

0118

重合工程においては、エチレンおよび炭素数が3以上のα−オレフィンの少なくとも1種とともにその他のモノマーを重合させてもよい。他のモノマーとしては、例えば5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等が挙げられる。

0119

前記重合は、溶液重合、懸濁重合等の液相重合法および気相重合法のいずれでもよいが、溶液重合が好ましい。
溶液重合において用いられる重合溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素芳香族炭化水素などが挙げられる。具体的には、プロパンブタンペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン灯油などの脂肪族炭化水素、シクロペンタンシクロヘキサンメチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素ベンゼントルエンキシレンなどの芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼンジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素が挙げられ、これらを1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。なお、これらのうち、工業的観点からはヘキサン、ヘプタン、デカンなどの脂肪族炭化水素が好ましく、さらに精製の観点などから、ヘキサンが好ましい。

0120

溶液重合における重合温度は、80〜200℃が好ましく、より好ましくは、80〜180℃、さらに好ましくは、85〜160℃の範囲である。
溶液重合における溶液中の前記重合触媒の濃度としては、加熱処理する前の(A)〜(D)成分の濃度として、(A)成分が、好ましくは0.01〜5μM、より好ましくは0.01〜2μM、さらに好ましくは0.1〜1μMであり、(B)成分が、好ましくは0.1μM〜1mM、より好ましくは0.1μM〜0.5mM、さらに好ましくは1.0μM〜0.1mMであり、(C)成分が、好ましくは0.02〜500μM、より好ましくは0.02〜100μM、さらに好ましくは0.1〜50μMであり、(D)成分が、好ましくは0.1μM〜5.0mM、より好ましくは0.1μM〜1mM、さらに好ましくは1.0μM〜1mMである。

0121

溶液重合における重合圧力は、0.1〜4.0MPaゲージ圧が好ましく、より好ましくは1.0〜3.5MPaゲージ圧、さらに好ましくは1.0〜3.0MPaゲージ圧である。

0122

重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法においては、重合系に、前記オレフィン重合触媒の他に、さらに前記有機アルキルアルミニウム化合物(B)を添加してもよい。重合系にさらに添加される(B)成分の量は、好ましくは0.1μM〜1.0mM、より好ましくは0.1μM〜0.5mMである。

0123

前述のとおり、本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法によると、当該製造方法で用いた(A)〜(C)成分を混合してそのまま触媒として用いてエチレン/α−オレフィン共重合体を製造した場合と比較して、得られるエチレン/α−オレフィン共重合体の分子量分布を広くすることができる。エチレン/α−オレフィン共重合体の分子量分布が広くなる程度は、前記加熱工程における加熱条件や重合工程における重合条件を適宜決定することにより調整することができる。本発明の製造方法により、前記(A)〜(C)成分の混合物をそのまま触媒として用いて同条件で製造した場合と比較して、エチレン/α−オレフィン共重合体の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))を10〜1000%程度広くすることができる。前記重量平均分子量および数平均分子量は、GPCによりポリスチレン換算として求められた数値である。

0124

以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
下記の実施例および比較例において、エチレン/α−オレフィン共重合体の物性および組成の測定は以下のようにして行った。

0125

<数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、低分子量成分の比率
東ソー社製ゲル浸透クロマトグラフHLC−8321 GPC/HTを用い、以下のように測定した。

0126

分析カラムには東ソー社製TSKgelGMH6−HT2本とTSKgel GMH6−HTL2本を直列に接続し用い、検出器には示差屈折計を用い、カラム温度は140℃とし、移動相としては、酸化防止剤としてBHTを0.025重量%含むo−ジクロロベンゼンを用い、流速を1.0ml/分とし、試料濃度は0.15重量%とし、注入量は0.4mlとした。分子量計算は、東ソー社製TSK標準ポリスチレン16点を用いて較正曲線を作成し、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
上記GPC測定結果において、Mwが10万以下の成分を低分子量成分と定義し、重合体全体における低分子量成分の比率(質量%)を算出した。

0127

極限粘度[η]>
極限粘度[η]〔dl/g〕は、離合社製の全自動極限粘度計を用いて、温度135℃、測定溶媒デカリンにて測定した。

0128

構造単位組成比
エチレン/α−オレフィン共重合体に含まれる構造単位の組成比は、次の条件による。
1H−NMR測定によって求めた。
装置:日本電子社製ECX400P型核磁気共鳴装置、測定核:1H(400MHz)、測定モード:シングルパルスパルス幅:45°(6.44μ秒)、ポイント数:32k、測定範囲:20ppm(−6〜14ppm)、繰り返し時間:7秒、積算回数:512回、測定溶媒:オルトジクロロベンゼン−d4、試料濃度:ca.20mg/0.6mL、測定温度:120℃、ウインドウ関数:exponential(BF:0.12Hz)、ケミカルシフト基準:主鎖メチレンシグナル(1.2ppm)。

0129

[実施例1]
(加熱工程)
室温において加熱容器内を窒素置換し、その容器に溶媒としてデカンを注入し、その溶媒に、(A)成分として{12−[ビス(4−メチルフェニル)(η5−シクロペンタジエニル)メチル]−1,1,4,4,7,7,10,10−オクタメチル−(5a,5b,11a,12,12a−η)−1,2,3,4,7,8,9,10−オクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレン}ジルコニウム(IV)ジメチル0.0003mmol、(B)成分としてトリイソブチルアルミニウム0.15mmol、(C)成分としてトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.0015mmol、(D)成分として5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)0.9mmolを加え、主触媒((A)成分)濃度0.1mMの存在下で、容器内を170℃に昇温し、その加熱温度で3時間撹拌することにより加熱処理を行い、その後室温まで降温して重合触媒1を得た。

0130

(重合工程)
充分に窒素置換した内容積2Lのステンレス製オートクレーブにヘキサン1030mL、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB) 6.5mlを装入し、系内の温度を87℃に昇温した後、プロピレン0.75MPaと水素300mlを装入し、エチレンを供給することにより全圧を1.6MPa−Gとした。次にトリイソブチルアルミニウム0.15mmolを窒素で圧入した後、前記重合触媒1およびトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.0015mmolを窒素で圧入し、攪拌回転数を250rpmにすることにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を1.6MPa−Gに保ち、87℃で15分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレン、プロピレン、水素をパージした。得られたポリマー溶液を、大過剰のメタノール中に投入することにより、ポリマー析出させた。ポリマーをろ過により回収し、120℃の減圧下で一晩乾燥した。その結果、エチレン/プロピレン/VNB共重合体15.5gを得た。
得られた共重合体の組成および物性ならびに触媒活性を表1に示す。

0131

[実施例2]
(加熱工程)
実施例1の加熱工程において加熱処理時間を3時間ではなく1時間にしたこと以外は実施例1の加熱工程と同様の処理を行い、重合触媒2を得た。

0132

(重合工程)
重合触媒1に替えて重合触媒2を使用したこと以外は実施例1の重合工程と同様の処理を行い、エチレン/プロピレン/VNB共重合体45.0gを得た。
得られた共重合体の組成および物性ならびに触媒活性を表1に示す。

0133

[比較例1]
充分に窒素置換した内容積2Lのステンレス製オートクレーブにヘキサン1040mL、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)11mLを装入し、系内の温度を87℃に昇温した後、プロピレン0.45MPaと水素400mLを装入し、エチレンを供給することにより全圧を1.6MPa−Gとした。次にトリイソブチルアルミニウム0.3mmolを窒素で圧入した後、{12−[ビス(4−メチルフェニル)(η5−シクロペンタジエニル)メチル]−1,1,4,4,7,7,10,10−オクタメチル−(5a,5b,11a,12,12a−η)−1,2,3,4,7,8,9,10−オクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレン}ジルコニウム(IV)ジメチル0.00003mmolとトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.00015mmolを窒素で圧入し、攪拌回転数を250rpmにすることにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を1.6MPa−Gに保ち、87℃で15分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレン、プロピレン、水素をパージした。得られたポリマー溶液を、大過剰のメタノール中に投入することにより、ポリマーを析出させた。ポリマーをろ過により回収し、120℃の減圧下で一晩乾燥した。その結果、エチレン/プロピレン/VNB共重合体27.1gを得た。
得られた共重合体の組成および物性ならびに触媒活性を表1に示す。

0134

[比較例2]
(加熱工程)
実施例1の加熱工程において加熱処理時間を3時間ではなく24時間にしたこと以外は実施例1の加熱工程と同様の処理を行い、重合触媒3を得た。

0135

(重合工程)
重合触媒1に替えて重合触媒3を使用したこと以外は実施例1の重合工程と同様の処理を行い、エチレン/プロピレン/VNB共重合体15.5gを得た。
得られた共重合体の組成および物性ならびに触媒活性を表1に示す。

実施例

0136

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