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課題

大きなタップ密度を有する酸化錫粉末の提供。

解決手段

(1)4.0g/cm3以上のタップ密度を有する酸化錫(IV)粉末。さらに、(2)4.0g/cm3以上のタップ密度を有する酸化錫(II)粉末。(3)上記(1)に記載の酸化錫(IV)粉末と上記(2)に記載の酸化錫(II)粉末とを含有する酸化錫混合粉末原料粉末として用いると、比較的高い相対密度を有する焼結体が得られる。原料粉末のタップ密度が大きければ、焼結用の容器に原料粉末を充填する際の充填率を高めることが出来、理論密度により近い密度を有する酸化錫焼結体が得られる。

概要

背景

透明導電膜は、高い導電性可視光領域での高い透過率とを有するため、液晶ディスプレイ有機ELディスプレイプラズマディスプレイタッチパネルなどのディスプレイ電極太陽電池の電極、窓ガラス熱線反射膜帯電防止膜電磁波遮蔽膜などに用いられている。太陽電池や液晶表示素子、その他各種受光素子の電極などに利用されているばかりでなく、自動車窓建築用の熱線反射膜、帯電防止膜、あるいは冷凍ショーケースなどの防曇用透明発熱体としても利用されている。

酸化錫系の透明導電膜は高い導電性と優れた透光性、優れた化学的耐久性耐熱性耐薬品性耐酸化性耐還元性など)を有するので、ITOとともに、透明導電膜として利用されている。このような透明導電膜の製造方法として、スパッタリング法(例えば、DCスパッタリング法)がよく用いられている。特にスパッタリング法は、蒸気圧の低い材料の成膜の際や、精密な膜厚制御を必要とする際に有効な手法であり、操作が非常に簡便であるため、工業的に広範に利用されている。

スパッタリング法に使用されるスパッタリングターゲットは、酸化錫系の透明導電膜の場合、酸化錫系焼結体を加工して得られる。スパッタリングターゲットには、高電力で行ってもスパッタリング異常が起きず、安定した成膜を実現するために、高密度および低抵抗という要件が要求される。特に高密度を有するスパッタリングターゲット(焼結体)を得るためには、原料である酸化錫粉末タップ密度が大きいほど好ましい。例えば、特許文献1には、3.6g/cm3のタップ密度を有する酸化錫が記載されている。しかし、より高密度を有するスパッタリングターゲットを得るためには、原料としてより大きなタップ密度を有する酸化錫粉末が要求されている。

概要

大きなタップ密度を有する酸化錫粉末の提供。(1)4.0g/cm3以上のタップ密度を有する酸化錫(IV)粉末。さらに、(2)4.0g/cm3以上のタップ密度を有する酸化錫(II)粉末。(3)上記(1)に記載の酸化錫(IV)粉末と上記(2)に記載の酸化錫(II)粉末とを含有する酸化錫混合粉末原料粉末として用いると、比較的高い相対密度を有する焼結体が得られる。原料粉末のタップ密度が大きければ、焼結用の容器に原料粉末を充填する際の充填率を高めることが出来、理論密度により近い密度を有する酸化錫焼結体が得られる。なし

目的

本発明の課題は、従来の酸化錫粉末と比べてより大きなタップ密度を有する酸化錫粉末を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

4.0g/cm3以上のタップ密度を有する酸化錫(IV)粉末

請求項2

4.0g/cm3以上のタップ密度を有する酸化錫(II)粉末。

請求項3

請求項1に記載の酸化錫(IV)粉末と請求項2に記載の酸化錫(II)粉末とを含有する酸化錫混合粉末

技術分野

0001

本発明は、酸化錫(IV)粉末および酸化錫(II)粉末に関する。

背景技術

0002

透明導電膜は、高い導電性可視光領域での高い透過率とを有するため、液晶ディスプレイ有機ELディスプレイプラズマディスプレイタッチパネルなどのディスプレイ電極太陽電池の電極、窓ガラス熱線反射膜帯電防止膜電磁波遮蔽膜などに用いられている。太陽電池や液晶表示素子、その他各種受光素子の電極などに利用されているばかりでなく、自動車窓建築用の熱線反射膜、帯電防止膜、あるいは冷凍ショーケースなどの防曇用透明発熱体としても利用されている。

0003

酸化錫系の透明導電膜は高い導電性と優れた透光性、優れた化学的耐久性耐熱性耐薬品性耐酸化性耐還元性など)を有するので、ITOとともに、透明導電膜として利用されている。このような透明導電膜の製造方法として、スパッタリング法(例えば、DCスパッタリング法)がよく用いられている。特にスパッタリング法は、蒸気圧の低い材料の成膜の際や、精密な膜厚制御を必要とする際に有効な手法であり、操作が非常に簡便であるため、工業的に広範に利用されている。

0004

スパッタリング法に使用されるスパッタリングターゲットは、酸化錫系の透明導電膜の場合、酸化錫系焼結体を加工して得られる。スパッタリングターゲットには、高電力で行ってもスパッタリング異常が起きず、安定した成膜を実現するために、高密度および低抵抗という要件が要求される。特に高密度を有するスパッタリングターゲット(焼結体)を得るためには、原料である酸化錫粉末タップ密度が大きいほど好ましい。例えば、特許文献1には、3.6g/cm3のタップ密度を有する酸化錫が記載されている。しかし、より高密度を有するスパッタリングターゲットを得るためには、原料としてより大きなタップ密度を有する酸化錫粉末が要求されている。

先行技術

0005

特開平10−273320号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の課題は、従来の酸化錫粉末と比べてより大きなタップ密度を有する酸化錫粉末を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)4.0g/cm3以上のタップ密度を有する酸化錫(IV)粉末。
(2)4.0g/cm3以上のタップ密度を有する酸化錫(II)粉末。
(3)上記(1)に記載の酸化錫(IV)粉末と上記(2)に記載の酸化錫(II)粉末とを含有する酸化錫混合粉末

発明の効果

0008

本発明によれば、従来の酸化錫粉末と比べてより大きなタップ密度を有する酸化錫粉末が提供される。本発明の酸化錫粉末を原料粉末として用いると、比較的高い相対密度を有する焼結体が得られる。

0009

本発明の酸化錫(IV)粉末および酸化錫(II)粉末(以下、「高密度酸化錫粉末」と記載する場合がある)は、いずれも4.0g/cm3以上のタップ密度を有する。本発明において「タップ密度」とは、JIS K5101に基づき、一定容積容器に粉末を自然落下により目一杯充填した後、さらに該容器に一定の振動タッピング)による衝撃を加え、粉末の体積変化がなくなったときの単位体積当たりの粉末の質量と定義する。

0010

通常の酸化錫(IV)粉末および酸化錫(II)粉末のタップ密度は、いずれも4.0g/cm3未満である。具体的には、通常の酸化錫(IV)粉末は1.95g/cm3程度のタップ密度を有し、通常の酸化錫(II)粉末は3.1g/cm3程度のタップ密度を有している。

0011

酸化錫(IV)粉末や酸化錫(II)粉末は、例えば酸化錫系焼結体の原料として使用される。このような酸化錫系焼結体は、スパッタリング法(例えば、DCスパッタリング法など)のターゲットとして使用されることを考慮すると、比較的高い相対密度を有していることが好ましい。酸化錫系焼結体の相対密度は、下記の式により算出される。
相対密度(%)=(得られた酸化錫系焼結体の密度/酸化錫系焼結体の理論密度)×100

0012

酸化錫系焼結体の相対密度を高めるためには、タップ密度の大きい原料粉末を用いることが有用である。すなわち、原料粉末のタップ密度が大きければ、焼成用の容器に原料粉末を充填する際の充填率を高めることができ、理論密度により近い密度を有する酸化錫系焼結体が得られる。

0013

一実施形態に係る高密度酸化錫粉末の平均粒子径は特に限定されない。一実施形態に係る高密度酸化錫粉末は、好ましくは200μm以下の平均粒子径を有し、より好ましくは150μm以下の平均粒子径を有する。平均粒子径の下限は特に限定されず、一実施形態に係る高密度酸化錫粉末は、例えば10μm以上の平均粒子径を有する。

0014

一実施形態に係る高密度酸化錫粉末を製造する方法は特に限定されない。原料としては、最終的に酸化錫(IV)および酸化錫(II)となる化合物であれば限定されない。このような化合物としては、例えば、酸化錫(IV)および酸化錫(II)の他に、メタ錫酸(H2SnO3)、水酸化錫(II)、塩化錫(II)、臭化錫(II)、フッ化錫(II)、ヨウ化錫(II)、ジメチル塩化錫(IV)、ジメチル錫(II)、ジエチル錫(II)、ジプロピル錫(II)、テトラプロピル錫(IV)、テトラエトキシ錫(IV)、テトラプロポキシ錫(IV)、テトラブトキシ錫(IV)、ジエトキシ錫(II)、ジプロポキシ錫(II)、ジブトキシ錫(II)などが挙げられる。これらの原料は、通常、粉末状態で使用される。

0015

一実施形態に係る高密度酸化錫粉末は、上記の原料に対して、焼成加圧成型などの処理を施すことによって得られる。処理方法や後述の処理条件などは、使用する原料に応じて適宜設定される。これらの処理方法のうち、好ましくは焼成または加圧成型が採用される。

0016

焼成の場合、焼成する装置は特に限定されず、例えば、縦型電気炉管状炉マッフル炉チューブ炉炉床昇降式電気炉ボックス型電気炉などが挙げられる。焼成する際の雰囲気は特に限定されず、例えば、酸素含有雰囲気大気雰囲気など)、不活性雰囲気などが挙げられる。不活性雰囲気としては、例えば、窒素雰囲気アルゴン雰囲気ヘリウム雰囲気真空雰囲気二酸化炭素雰囲気などが挙げられる。大気雰囲気よりも酸素濃度を高めた酸化雰囲気であってもよい。

0017

焼成温度は好ましくは1400℃以上であり、より好ましくは1450℃以上である。焼成温度の上限は特に限定されず、通常1650℃程度である。焼成時間は好ましくは3時間以上であり、より好ましくは5時間以上である。焼成時間の上限は特に限定されず、通常24時間程度である。

0018

焼成処理によって得られた焼成物は、必要に応じて、上述の平均粒子径となるように粉砕工程に供されてもよい。粉砕方法は特に限定されず、ジョージクラッシャーロールクラッシャースタンプミルハンマーミル乳鉢などの通常の粉砕方法が採用される。

0019

次に、加圧成型について説明する。加圧成型の場合、加圧成型する装置は特に限定されず、例えば、冷間成型機ホットプレス機一軸プレス機などが挙げられる。これらの成型機のうち、冷間成型機を用いたCI成型(冷間等方圧成型)が好ましい。成型の際に加える圧力は特に限定されず、好ましくは2000kg/cm2以上であり、より好ましくは2500kg/cm2以上である。圧力の上限は、通常4500kg/cm2程度である。加圧時間は好ましくは2分以上であり、より好ましくは5分以上である。加圧時間の上限は特に限定されず、通常30分程度である。また、成型時の圧力の値は、1kg/cm2=9.80665×10-2MPaと変換することができる。

0020

加圧成型処理によって得られた成型物は、必要に応じて、上述の平均粒子径となるように粉砕工程に供されてもよい。粉砕方法は特に限定されず、ジョージクラッシャー、ロールクラッシャー、スタンプミル、ハンマーミル、乳鉢などの通常の粉砕方法が採用される。

0021

以下、一実施形態に係る高密度酸化錫粉末を製造する方法の一例を説明する。まず、タップ密度が4.0g/cm3未満の酸化錫(II)粉末を原料として用いて、一実施形態に係る酸化錫(IV)粉末を製造する方法を説明する。

0022

タップ密度が4.0g/cm3未満の酸化錫(II)粉末を、るつぼなどの耐熱性の容器に入れる。容器は密閉せずに開放している状態が好ましい。その後、容器を炉に入れて大気雰囲気中で焼成する。焼成温度は上述の温度であればよく、酸化錫(II)粉末を用いた例では、好ましくは1400℃以上、より好ましくは1600℃以上で焼成される。焼成時間も焼成温度は上述の温度であればよく、この例では好ましくは3時間以上である。得られた焼成物を必要に応じて微粉砕してもよい。このようにして、4.0g/cm3以上のタップ密度を有する酸化錫(IV)粉末が得られる。得られた焼成物の分析方法は、酸化錫(IV)と同定できる方法であれば、特に限定されない。

0023

次に、タップ密度が4.0g/cm3未満の酸化錫(II)粉末を原料として用いて、一実施形態に係る酸化錫(II)粉末を製造する方法を説明する。タップ密度が4.0g/cm3未満の酸化錫(II)粉末を、変形抵抗の少ないクロロプレンゴム天然ゴムウレタンゴムニトリルゴムスチレンゴムエチレンプロピレンゴムなどのゴム製の容器に充填する。粉末を充填した容器をCIP成型に供して、上述の加圧条件で加圧する。この例では、好ましくは2000〜4500kg/cm2、より好ましくは、2500〜4500kg/cm2の圧力を2〜30分加える。得られた成型物を微粉砕して、4.0g/cm3以上のタップ密度を有する酸化錫(II)粉末が得られる。圧力の値の変換については、上述のとおりである。

0024

一実施形態に係る高密度酸化錫粉末は種々の用途で使用され、例えば、上述のように酸化錫系焼結体の原料として使用される。一実施形態に係る高密度酸化錫粉末は、いずれも4.0g/cm3以上という高いタップ密度を有しているため、比較的高い相対密度を有する酸化錫系焼結体が得られる。これらの粉末を用いると、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上の相対密度を有する酸化錫系焼結体が得られる。

0025

一実施形態に係る酸化錫(IV)粉末および酸化錫(II)粉末は、それぞれ単独で使用してもよく、両方を混合して酸化錫混合粉末の形態で使用してもよい。酸化錫混合粉末に含まれる一実施形態に係る酸化錫(IV)粉末と酸化錫(II)粉末との割合は任意であり、例えば、一実施形態に係る酸化錫(IV)粉末が好ましくは0〜99質量%、より好ましくは20〜90質量%、さらに好ましくは30〜80質量%の割合で含まれ、一実施形態に係る酸化錫(II)粉末が好ましくは1〜100質量%、より好ましくは20〜80質量%、さらに好ましくは20〜70質量%の割合で含まれる。

0026

さらに、一実施形態に係る高密度酸化錫粉末は高いタップ密度を有しているため、例えば、カプセルHIP処理に好適に供される。これらの粉末は、カプセルHIP用の金属カプセルに高い充填率で充填することができるため、金属カプセルの収縮率を小さく(例えば50%以下)することができる。その結果、金属カプセルが破壊されずに焼結反応が進行し、原料粉末が揮発するのを抑制することができる。

0027

本願発明の酸化錫(IV)粉末、酸化錫(II)粉末および酸化錫(IV)粉末と酸化錫(II)粉末とを含有する酸化錫混合粉末のタップ密度は、4.1g/cm3以上が好ましく、4.2g/cm3以上がより好ましく、4.3g/cm3以上がより好ましい。これら酸化錫粉末のタップ密度は、通常6.0g/cm3以下である。

0028

このようにして得られた酸化錫系焼結体は、スパッタリング法(例えば、DCスパッタリング法など)で使用されるターゲットの材料などとして好適である。また、本発明の酸化錫(IV)粉末、酸化錫(II)粉末、およびこれらの混合粉末について、酸化錫焼結体製造を例に説明した。しかし、本発明の酸化錫(IV)などは、酸化錫焼結体だけでなく、燃料電池非水電解液二次電池材料用の二次電池用電極材水電解電極触媒釉薬乳白ガラスなどの原料としても好適に用いることができる。

0029

以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0030

(実施例1:酸化錫(IV)粉末の調製)
250gの酸化錫(II)粉末(SnO、タップ密度:3.1g/cm3、和光純薬工業(株)製)をるつぼに入れた。るつぼには蓋をせず開放した状態で、大気雰囲気下1600℃で4時間焼成した。次いで、得られた焼成物を粉末状に粉砕して、分析すると酸化錫(IV)であることがわかった。分析は、粉末X線回折リガクUltimaIII、(株)リガク製)によって行った。具体的には、得られた粉末を、粉末測定用ホルダーにセットし、2θ=20〜80°の範囲のX線回折パターンを下記の条件で測定し、SnO2の回折パターンと比較した。得られた粉末(酸化錫(IV))のタップ密度を測定した。得られた酸化錫(IV)粉末は4.4g/cm3のタップ密度を有していた。
測定条件
走査方法:ステップスキャン法(FT法)
X線源:CuKα
パワー:40kV、40mA
ステップ幅:0.02°
2θ:20〜80°

0031

(比較例1:酸化錫(IV)粉末の調製)
1300℃で焼成した以外は実施例1と同様の手順で焼成物を得た。得られた焼成物を実施例1と同様に分析すると、酸化錫(IV)であることがわかった。得られた焼成物(酸化錫(IV))を粉末状に粉砕してタップ密度を測定した。得られた酸化錫(IV)粉末は3.94g/cm3のタップ密度を有していた。

0032

(比較例2:酸化錫(IV)粉末の調製)
酸化錫(II)粉末の代わりに酸化錫(IV)粉末(SnO2、タップ密度:1.95g/cm3、昭和化工(株)製)を用いて8時間焼成した以外は、実施例1と同様の手順で焼成物を得た。得られた焼成物を実施例1と同様に分析すると、酸化錫(IV)であることがわかった。得られた焼成物(酸化錫(IV))を粉末状に粉砕してタップ密度を測定した。得られた酸化錫(IV)粉末は3.72g/cm3のタップ密度を有していた。

0033

(比較例3:酸化錫(IV)粉末の調製)
酸化錫(IV)粉末(SnO2、タップ密度:1.95g/cm3、昭和化工(株)製)を、ゴム製の容器に充填した。酸化錫(IV)粉末を充填した容器を成形圧4000kg/cm2にてCIP成形(冷間等方圧成形)に供して、成形物を得た。得られた成形物を実施例1と同様に分析すると、酸化錫(IV)であることがわかった。得られた成形物(酸化錫(IV))を粉末状に粉砕してタップ密度を測定した。得られた酸化錫(IV)粉末は3.21g/cm3のタップ密度を有していた。

0034

(比較例4:酸化錫(IV)粉末の調製)
メタ錫酸(H2SnO3)を焼成すると脱水反応によって酸化錫(IV)が得られる。そこで、250gのメタ錫酸粉末(H2SnO3、タップ密度:1.81g/cm3、昭和化工(株)製)をるつぼに入れた。るつぼには蓋をせず開放した状態で、大気雰囲気下1600℃で8時間焼成した。次いで、得られた焼成物を実施例1と同様に分析すると、酸化錫(IV)であることがわかった。得られた焼成物(酸化錫(IV))を粉末状に粉砕してタップ密度を測定した。得られた酸化錫(IV)粉末は3.71g/cm3のタップ密度を有していた。

0035

(実施例2:酸化錫(II)粉末の調製)
250gの酸化錫(II)粉末(SnO、タップ密度:3.36g/cm3、和光純薬工業(株)製)を、ゴム製の容器に充填した。酸化錫(II)粉末を充填した容器を成形圧4000kg/cm2にてCIP成型に供して、成型物を得た。得られた成型物(酸化錫(II))を粉末状に粉砕してタップ密度を測定した。得られた酸化錫(II)粉末は4.08g/cm3のタップ密度を有していた。

0036

(実施例3:酸化錫(II)粉末の調製)
実施例2で用いた酸化錫(II)粉末250gを、ゴム製の容器に充填した。酸化錫(II)粉末を充填した容器を成形圧3000kg/cm2にてCIP成型に供して、成型物を得た。得られた成型物(酸化錫(II))を粉末状に粉砕してタップ密度を測定した。得られた酸化錫(II)粉末は4.08g/cm3のタップ密度を有していた。

0037

(比較例5:酸化錫(II)粉末の調製)
実施例2で用いた酸化錫(II)粉末250gを、ゴム製の容器に充填した。酸化錫(II)粉末を充填した容器を成形圧1500kg/cm2にてCIP成型に供して、成型物を得た。得られた成型物(酸化錫(II))を粉末状に粉砕してタップ密度を測定した。得られた酸化錫(II)粉末は3.8g/cm3のタップ密度を有していた。

0038

(実施例4:酸化錫(II)粉末の調製)
実施例2で用いた酸化錫(II)粉末250gを、一軸プレスにより成形圧500kg/cm2にて成形し、直径100mmおよび厚さ10mmの円盤状の成形体を得た。得られた成形体をゴム製の容器に充填した。酸化錫(II)粉末を充填した容器を成形圧4000kg/cm2にてCIP成型に供して、成型物を得た。得られた成型物(酸化錫(II))を粉末状に粉砕してタップ密度を測定した。得られた酸化錫(II)粉末は4.04g/cm3のタップ密度を有していた。

0039

(実施例5)
実施例1で得られた酸化錫(IV)粉末と実施例2で得られた酸化錫(II)粉末とを、98:2の質量比で混合して酸化錫混合粉末を得た。得られた酸化錫混合粉末を、ステンレス(SUS304)製のカプセル容器外径89.1mm、内径84.9mm、容器内部の高さ50mm)に、粉末の体積変化がなくなるまで、且つカプセル容器が一杯になるまで振動を付与しながら充填した。酸化錫混合粉末のタップ密度は4.39g/cm3であり、酸化錫混合粉末の理論密度は6.94g/cm3であることから、充填率は63.3%であった。

0040

本明細書において「充填率」とは、理論密度に対する実際に得られた粉末のタップ密度の割合のことである。充填率は下記の式で求められる。
充填率(%)=[(粉末のタップ密度)/(理論密度)]×100

0041

理論密度は次の方法で求めることができる。粉末の製造に用いた各成分の理論密度に、粉末の製造に用いた各成分の合計質量を1とした場合の各成分の混合割合混合質量比)を掛ける。用いた全ての成分について同様の計算を行い、算出された値の合計を理論密度とする。酸化錫(IV)粉末と酸化錫(II)粉末との混合粉末の理論密度は、下記の式で求められる。酸化錫(IV)の理論密度は6.95g/cm3であり、酸化錫(II)の理論密度は6.45g/cm3である。
理論密度(g/cm3)=(A1×B1)+(A2×B2)
A1:酸化錫(IV)の理論密度
B1:酸化錫(IV)の混合質量比
A2:酸化錫(II)の理論密度
B2:酸化錫(II)の混合質量比

0042

酸化錫混合粉末を充填したカプセル容器の上蓋排気管溶接し、さらに上蓋とカプセル容器とを溶接した。カプセル容器の溶接部からのガス漏れの有無を確認するため、Heリーク検査を行った。漏れ量は1×10-6Torr・L/秒以下であった。300℃で7時間、カプセル容器内ガスを排気管から除去した後、排気管を閉じてカプセル容器を封止した。次いで、封止したカプセル容器をHIP処理装置((株)神戸製鋼所製)に設置して、カプセルHIP処理を行った。処理は、アルゴンガス純度99.9%)を圧力媒体として118MPa加圧条件下、900℃で2時間行った。処理後、カプセル容器を取り外して円柱型の酸化錫系焼結体を得た。

0043

得られた酸化錫系焼結体は97%の相対密度を有し、6.9×10-2Ω・cmの比抵抗を有していた。比抵抗は、抵抗率計(三菱化学(株)製「LORESTA−GP、MCP−T610」)を用いて、四端子四探針法により測定した。詳しくは、サンプルに4本の針状の電極を直線上に置き、外側の二探針間と内側の二探針間とに一定の電流を流し、内側の二探針間に生じる電位差を測定して抵抗を求めた。機械的特性として、抗折強度三点曲げ強度)を測定したところ、65.0MPaであった。

0044

(実施例6)
実施例1で得られた酸化錫(IV)粉末と実施例2で得られた酸化錫(II)粉末とを、90:10の質量比で混合して酸化錫混合粉末を得た。得られた酸化錫混合粉末を、実施例5で用いたカプセル容器に、粉末の体積変化がなくなるまで、且つカプセル容器が一杯になるまで振動を付与しながら充填した。酸化錫混合粉末のタップ密度は4.36g/cm3であり、酸化錫混合粉末の理論密度は6.9g/cm3であることから、充填率は63.2%であった。

0045

870℃で2時間処理を行った以外は、実施例5と同様の手順で円柱型の酸化錫系焼結体を得た。得られた酸化錫系焼結体は97%の相対密度を有し、5.9×10-2Ω・cmの比抵抗を有していた。機械的特性として、抗折強度(三点曲げ強度)を測定したところ、62.5MPaであった。

0046

(実施例7)
実施例1で得られた酸化錫(IV)粉末と実施例2で得られた酸化錫(II)粉末とを、70:30の質量比で混合して酸化錫混合粉末を得た。得られた酸化錫混合粉末を、実施例5で用いたカプセル容器に、粉末の体積変化がなくなるまで、且つカプセル容器が一杯になるまで振動を付与しながら充填した。酸化錫混合粉末のタップ密度は4.3g/cm3であり、酸化錫混合粉末の理論密度は6.8g/cm3であることから、充填率は63.2%であった。

0047

800℃で2時間処理を行った以外は、実施例5と同様の手順で円柱型の酸化錫系焼結体を得た。得られた酸化錫系焼結体は97%の相対密度を有し、4.3×10-2Ω・cmの比抵抗を有していた。機械的特性として、抗折強度(三点曲げ強度)を測定したところ、58.8MPaであった。

0048

(実施例8)
実施例1で得られた酸化錫(IV)粉末と実施例2で得られた酸化錫(II)粉末とを、50:50の質量比で混合して酸化錫混合粉末を得た。得られた酸化錫混合粉末を、実施例3で用いたカプセル容器に、粉末の体積変化がなくなるまで、且つカプセル容器が一杯になるまで振動を付与しながら充填した。酸化錫混合粉末のタップ密度は4.24g/cm3であり、酸化錫混合粉末の理論密度は6.7g/cm3であることから、充填率は63.0%であった。

0049

780℃で2時間処理を行った以外は、実施例5と同様の手順で円柱型の酸化錫系焼結体を得た。得られた酸化錫系焼結体は97%の相対密度を有し、3.3×10-2Ω・cmの比抵抗を有していた。機械的特性として、抗折強度(三点曲げ強度)を測定したところ、53.5MPaであった。

0050

(実施例9)
実施例2で得られた酸化錫(II)粉末を、実施例5で用いたカプセル容器に、粉末の体積変化がなくなるまで、且つカプセル容器が一杯になるまで振動を付与しながら充填した。酸化錫(II)粉末のタップ密度は4.08g/cm3であり、酸化錫(II)粉末の理論密度は6.45g/cm3であることから、充填率は63.3%であった。

0051

750℃で2時間処理を行った以外は、実施例5と同様の手順で円柱型の酸化錫系焼結体を得た。得られた酸化錫系焼結体は99%の相対密度を有し、8.0×10-4Ω・cmの比抵抗を有していた。機械的特性として、抗折強度(三点曲げ強度)を測定したところ、37.6MPaであった。

0052

(実施例10:酸化錫(IV)粉末の調製)
実施例1で用いた酸化錫(II)粉末500gをるつぼに入れた。るつぼには蓋をせず開放した状態で、大気雰囲気下1600℃で4時間焼成した。次いで、得られた焼成物を実施例1と同様に分析すると、酸化錫(IV)であることがわかった。得られた焼成物(酸化錫(IV))を粉末状に粉砕してタップ密度を測定した。得られた酸化錫(IV)粉末は4.46g/cm3のタップ密度を有していた。

0053

(実施例11:酸化錫(IV)粉末の調製)
1500℃で6時間焼成した以外は実施例10と同様の手順で焼成物を得た。次いで、得られた焼成物を実施例1と同様に分析すると、酸化錫(IV)であることがわかった。得られた焼成物(酸化錫(IV))を粉末状に粉砕してタップ密度を測定した。得られた酸化錫(IV)粉末は4.1g/cm3のタップ密度を有していた。

0054

(比較例6)
実施例1で用いた酸化錫(II)粉末250gをるつぼに入れた。るつぼに蓋をして、大気雰囲気下1600℃で6時間焼成した。次いで、得られた焼成物を実施例1と同様に分析すると、酸化錫(IV)であることがわかった。得られた焼成物(酸化錫(IV))を粉末状に粉砕してタップ密度を測定した。得られた酸化錫(IV)粉末は3.86g/cm3のタップ密度を有していた。

0055

(実施例12)
実施例1で得られた酸化錫(IV)粉末と実施例2で得られた酸化錫(II)粉末とを、20:80の質量比で混合して酸化錫混合粉末を得た。得られた酸化錫混合粉末を、実施例5で用いたカプセル容器に、粉末の体積変化がなくなるまで、且つカプセル容器が一杯になるまで振動を付与しながら充填した。酸化錫混合粉末のタップ密度は4.17g/cm3であり、酸化錫混合粉末の理論密度は6.55g/cm3であることから、充填率は63.7%であった。

0056

760℃で2時間処理を行った以外は、実施例5と同様の手順で円柱型の酸化錫系焼結体を得た。得られた酸化錫系焼結体は98%の相対密度を有し、1.2×10-3Ω・cmの比抵抗を有していた。機械的特性として、抗折強度(三点曲げ強度)を測定したところ、49.8MPaであった。

0057

(実施例13)
実施例2で得られた酸化錫(II)粉末を、実施例5で用いたカプセル容器に、粉末の体積変化がなくなるまで振動を付与しながら充填した。酸化錫(II)粉末のタップ密度は4.08g/cm3であり、酸化錫(II)粉末の理論密度は6.45g/cm3であることから、充填率は63.3%であった。

0058

770℃で2時間処理を行った以外は、実施例5と同様の手順で円柱型の酸化錫系焼結体を得た。得られた酸化錫系焼結体は97.4%の相対密度を有し、2.3×10-4Ω・cmの比抵抗を有していた。機械的特性として、抗折強度(三点曲げ強度)を測定したところ、41.2MPaであった。

0059

(実施例14:酸化錫(IV)粉末の調製)
1490℃で4時間焼成した以外は実施例1と同様の手順で焼成物を得た。次いで、得られた焼成物を実施例1と同様に分析すると、酸化錫(IV)であることがわかった。得られた焼成物(酸化錫(IV))を粉末状に粉砕してタップ密度を測定した。得られた酸化錫(IV)粉末は4.22g/cm3のタップ密度を有していた。

0060

(実施例15:酸化錫(IV)粉末の調製)
1500℃で12時間焼成した以外は実施例1と同様の手順で焼成物を得た。次いで、得られた焼成物を実施例1と同様に分析すると、酸化錫(IV)であることがわかった。得られた焼成物(酸化錫(IV))を粉末状に粉砕してタップ密度を測定した。得られた酸化錫(IV)粉末は4.19g/cm3のタップ密度を有していた。

0061

(比較例7)
1100℃で6時間焼成した以外は実施例1と同様の手順で焼成物を得た。次いで、得られた焼成物を実施例1と同様に分析すると、酸化錫(IV)であることがわかった。得られた焼成物(酸化錫(IV))を粉末状に粉砕してタップ密度を測定した。得られた酸化錫(IV)粉末は3.32g/cm3のタップ密度を有していた。

実施例

0062

(比較例8)
250gの水酸化錫(II)粉末(Sn(OH)2、タップ密度:1.8g/cm3、和光純薬工業(株)製)をるつぼに入れた。るつぼには蓋をした状態で、大気雰囲気下1600℃で6時間焼成した。次いで、得られた焼成物を実施例1と同様に分析すると、酸化錫(IV)であることがわかった。得られた焼成物(酸化錫(IV))を粉末状に粉砕してタップ密度を測定した。得られた酸化錫(IV)粉末は3.69g/cm3のタップ密度を有していた。

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