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技術 樹脂ペレット

出願人 旭化成株式会社
発明者 榊原譲張シュン
出願日 2018年2月15日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-025401
公開日 2019年8月29日 (10ヶ月経過) 公開番号 2019-142002
状態 未査定
技術分野 高分子組成物 プラスチック等の成形材料の処理、取扱一般 プラスチック等の延伸成形、応力解放成形
主要キーワード 結着部分 平面状部分 異物除去性 スリップ材 ペレット状成形体 ポリエチレン原料 被混合物 大型コンテナ
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課題

本発明は、フィルム成型した際にフィルム強度光学性、及び異物除去性に優れる樹脂ペレットの提供を目的とする。

解決手段

樹脂ペレット中に含まれる該ポリエチレンの粘度平均分子量又は該樹脂ペレットの粘度平均分子量が200,000以上であり、かつ樹脂ペレットは、折り畳まれているか、分離可能であるか、又は積層されている形態である。

概要

背景

ポリエチレンポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂は、成型品物性、成型加工性耐候性等のバランスが良く、包装フィルム農業フィルム等の産業用フィルムの製造、ボトル容器等のブロー成形用途、又は構造材料大型コンテナー等の射出成型用途、モノフィラメント等の繊維用途、最近ではリチウムイオン電池セパレータ等に広く使われている。特に、フィルム等の成型加工製品は、使用原料の節約等の観点から、薄膜化が進んでいるが、薄膜化に伴う機械強度の低下を防ぐ必要があった。膜強度を向上させるためには、従来、樹脂原料として高分子量成分を用いる技術が提案されてきた。

例えば、特許文献1には、分子量の非常に高いポリエチレン樹脂組成物が記載されているが、これは、単独では粘度が高すぎるため、一般のインフレーション法等の押出成形では、成形機樹脂圧又は負荷電流が高くなりすぎてフィルムに製膜できないものであった。また、このような分子量の非常に高いポリエチレン樹脂組成物の重合パウダーを、従来の線状低密度ポリエチレンLLDPE)又は低密度ポリエチレン(LDPE)の樹脂ペレットに混合して、押出機内で混練する方法では、混練が不十分となり、強度が上がらなかったり、高分子量成分が未溶融ゲルとなったりするという高分子量成分の分散不良に起因すると推定される不良な現象が、起こり易かった。これらの現象は、分子量の高いポリエチレン組成物、一般に粘度平均分子量が約200,000よりも高いポリエチレン組成物では、顕著に起こり、その原因は、このような高分子量のポリエチレンの分子鎖は非常に長いため、結晶を一般の押出機の内部で解き解すのに授与できるエネルギーが不十分であり、分子鎖が解き解されない状態で残存するためと推定される。

特許文献2には、高密度ポリエチレン重合する際に、低分子量成分と高分子量成分を順次重合した1粒の重合パウダー中に、互いに分子量の異なる2成分を2重構造の形態( 以下、「2段重合」又は「多段重合」と略記する)で有することが提案されている。特許文献2に記載の方法による高分子量成分の導入は、ポリエチレン主鎖の分岐構造が極めて少ない高密度ポリエチレンについて実用化されているが、LLDPE、高圧法LDPE樹脂等のように主鎖に分岐の多いポリエチレン樹脂では、分岐部分の影響のために分子量を上げることが困難であり、実用化されていない。

ポリオレフィン樹脂組成物ペレットを得る方法として、一般に、特許文献2に記載されている方法、すなわち重合されたポリエチレンパウダーを押出機で加熱混練してペレット化する方法が使用される。例えば、ポリオレフィン樹脂を直径10mm以下の、一般には、約1〜5mmのストランド状に押出成形し、押出成形品長手方向に約2〜5mmに切断してペレットを得ることができる。また、特許文献3では、一旦フィルム状等に成型された樹脂組成物を、リサイクルの為に再ペレット化する方法が記載されている。この方法は、樹脂フィルムを、非加熱のまま圧縮し、その後、所望の長さに裁断する方法である。

概要

本発明は、フィルム成型した際にフィルム強度光学性、及び異物除去性に優れる樹脂ペレットの提供を目的とする。樹脂ペレット中に含まれる該ポリエチレンの粘度平均分子量又は該樹脂ペレットの粘度平均分子量が200,000以上であり、かつ樹脂ペレットは、折り畳まれているか、分離可能であるか、又は積層されている形態である。

目的

本発明は、強度及び光学性に優れ、かつフィッシュアイ、未溶融ゲル等の異物除去性に優れた樹脂ペレット並びにそれを用いる樹脂組成物及びフィルムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ポリエチレンを主成分として含む樹脂ペレットであって、該樹脂ペレット中に含まれる該ポリエチレン又は該樹脂ペレットの粘度平均分子量が200,000以上であり、かつ折り畳まれているか、分離可能であるか、又は積層されている形態である樹脂ペレット。

請求項2

ポリエチレンを主成分として含む樹脂ペレットであって、該樹脂ペレット中に含まれる該ポリエチレン又は該樹脂ペレットの粘度平均分子量が200,000以上であり、かつ平面状、繊維状、中空糸状、又は不織布状の構成部分を有する樹脂ペレット。

請求項3

ポリエチレンを主成分として含む樹脂ペレットであって、該樹脂ペレット中に含まれる該ポリエチレン又は該樹脂ペレットの粘度平均分子量が200,000以上であり、かつ日本粉体工業技術協会規格SAP01−79に従って測定された嵩密度が0.1〜0.4g/cm3である樹脂ペレット。

請求項4

再生樹脂ペレットである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂ペレット。

請求項5

5〜60質量%の前記樹脂ペレットと、メルトインデックスMI)が2であり、かつ密度が0.940g/cm3の線状低密度ポリエチレンLLDPE)とのドライブレンドによりポリオレフィンペレットを調製し、東洋精機社製ラボプラストミルを用いて該ポリオレフィン系ペレットを200℃及び50rpmで10分間に亘って混練することにより溶融樹脂を得て、該溶融樹脂をプレス板上で10MPaで成型した後に、2軸延伸機で縦5倍×横5倍に延伸することによりフィルム製膜したときに、該フィルムの100cm2当たり5個以下の未溶融ゲルが存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂ペレット。

請求項6

膜厚500μm以下のフィルムが積層された積層体である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂ペレット。

請求項7

前記積層体が、互いに樹脂組成が異なる2種以上の樹脂フィルムを含む、請求項6に記載の樹脂ペレット。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂ペレットを使用して樹脂組成物を製造する方法。

請求項9

前記樹脂組成物が、前記樹脂ペレットと、低密度ポリエチレンポリマーとを含む、請求項8に記載の方法。

請求項10

請求項8又は9に記載の方法により製造された樹脂組成物を使用して包装用フィルム又は農業用フィルムを製造する方法。

技術分野

0001

本発明は、樹脂ペレット、及びそれを用いる樹脂組成物又はフィルムの製造方法に関し、より詳細には、フィルム等の成型加工において強度、フィルム品位、光学性等の諸物性に優れた製品が得られるポリオレフィン系樹脂ペレット、及びそれを用いる樹脂組成物又はフィルムの製造方法に関し、特に分子量150,000以下の比較的低分子量の高密度ポリエチレン(HDPE)、とりわけ低密度ポリエチレン(LDPE)及び/又は線状低密度ポリエチレンLLDPE)に少量混合して物性を改善できるポリオレフィン系樹脂ペレットに関する。

背景技術

0002

ポリエチレンポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂は、成型品物性、成型加工性耐候性等のバランスが良く、包装フィルム農業フィルム等の産業用フィルムの製造、ボトル容器等のブロー成形用途、又は構造材料大型コンテナー等の射出成型用途、モノフィラメント等の繊維用途、最近ではリチウムイオン電池セパレータ等に広く使われている。特に、フィルム等の成型加工製品は、使用原料の節約等の観点から、薄膜化が進んでいるが、薄膜化に伴う機械強度の低下を防ぐ必要があった。膜強度を向上させるためには、従来、樹脂原料として高分子量成分を用いる技術が提案されてきた。

0003

例えば、特許文献1には、分子量の非常に高いポリエチレン樹脂組成物が記載されているが、これは、単独では粘度が高すぎるため、一般のインフレーション法等の押出成形では、成形機樹脂圧又は負荷電流が高くなりすぎてフィルムに製膜できないものであった。また、このような分子量の非常に高いポリエチレン樹脂組成物の重合パウダーを、従来の線状低密度ポリエチレン(LLDPE)又は低密度ポリエチレン(LDPE)の樹脂ペレットに混合して、押出機内で混練する方法では、混練が不十分となり、強度が上がらなかったり、高分子量成分が未溶融ゲルとなったりするという高分子量成分の分散不良に起因すると推定される不良な現象が、起こり易かった。これらの現象は、分子量の高いポリエチレン組成物、一般に粘度平均分子量が約200,000よりも高いポリエチレン組成物では、顕著に起こり、その原因は、このような高分子量のポリエチレンの分子鎖は非常に長いため、結晶を一般の押出機の内部で解き解すのに授与できるエネルギーが不十分であり、分子鎖が解き解されない状態で残存するためと推定される。

0004

特許文献2には、高密度ポリエチレンを重合する際に、低分子量成分と高分子量成分を順次重合した1粒の重合パウダー中に、互いに分子量の異なる2成分を2重構造の形態( 以下、「2段重合」又は「多段重合」と略記する)で有することが提案されている。特許文献2に記載の方法による高分子量成分の導入は、ポリエチレン主鎖の分岐構造が極めて少ない高密度ポリエチレンについて実用化されているが、LLDPE、高圧法LDPE樹脂等のように主鎖に分岐の多いポリエチレン樹脂では、分岐部分の影響のために分子量を上げることが困難であり、実用化されていない。

0005

ポリオレフィン樹脂組成物ペレットを得る方法として、一般に、特許文献2に記載されている方法、すなわち重合されたポリエチレンパウダーを押出機で加熱混練してペレット化する方法が使用される。例えば、ポリオレフィン樹脂を直径10mm以下の、一般には、約1〜5mmのストランド状に押出成形し、押出成形品長手方向に約2〜5mmに切断してペレットを得ることができる。また、特許文献3では、一旦フィルム状等に成型された樹脂組成物を、リサイクルの為に再ペレット化する方法が記載されている。この方法は、樹脂フィルムを、非加熱のまま圧縮し、その後、所望の長さに裁断する方法である。

先行技術

0006

特開2007−23171号公報
特開平10−101854号公報
特開2006−21519号公報

発明が解決しようとする課題

0007

特許文献1又は2に記載の技術では、分子量が約200,000以上の高分子量成分を、分子量が約150,000以下の低分子量成分から成るポリエチレン系樹脂に分散させようとしても、分散が不十分であった。これらの分散は、一般に低分子量成分からなるペレットと重合された高分子量成分を持つパウダーとを押出機で加熱溶融させるのであるが、押出機内で高分子量成分が十分に分散されず、塊状のまま残ってしまい、いわゆるフィッシュアイ又は未溶融ゲルと呼ばれる分散不良を起こし、フィルムの品位又は光学性を低下させていた。さらに、このような分散不良を有するフィルムは、高分子量成分が十分に分散していないため、フィルム強度も向上されなかった。高分子量成分の分散不良は、押出機内で低分子量成分が先に軟化するが、軟化の遅い高分子量成分に対して分散に必要な十分なせん応力が伝わらないためであると推定される。また、高分子量成分のパウダーは、一般に粒子径が大きく、溶融に時間が掛かることも、押出機内での分散不良の要因となっている。

0008

一般に、フィッシュアイとは、ポリマー編集委員会著「ポリマー辞典」(大成社、平成12年、増刷6版、337頁)等に定義されているように、フィルム状又はシート状の製品中に生じる小さな球状の塊をいい、の眼のような透明性を示すものが多いことからこのような名前が付けられた。フィッシュアイは、その生成要因から区別して、成形材料の混練不足から来る未溶融の塊、原料の一部がゲル化したための塊、成形中の材料の部分的劣化による塊、異物を核としたものなどのように、多種多様である。本明細書では、フィッシュアイは、微多孔膜の原料として用いた材料に起因するものであり、異物を核にしたものは除外する。なお、その異物としては、例えば、セルロース、塵、金属片樹脂炭化物、種類の異なるプラスチック糸屑紙切れ等が挙げられる。本明細書では、未溶融ゲルもフィッシュアイと同義で用いている。

0009

また、分散不良を解決するために、特許文献2には、ポリエチレンの2段重合により重合段階で低分子量と高分子量を合一させて樹脂組成物を得ることが記述されている。しかしながら、1粒のパウダー中において高分子量成分と低分子量成分が2重構造を取る段階で既に100μm単位の分散が達成される程度では、未だ分散が不十分であった。

0010

上記の事情に鑑みて、本発明は、強度及び光学性に優れ、かつフィッシュアイ、未溶融ゲル等の異物の除去性に優れた樹脂ペレット並びにそれを用いる樹脂組成物及びフィルムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、樹脂ペレットの樹脂組成、形状、構成部分嵩密度等を特定することによって上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
ポリエチレンを主成分として含む樹脂ペレットであって、
該樹脂ペレット中に含まれる該ポリエチレン又は該樹脂ペレットの粘度平均分子量が200,000以上であり、かつ
折り畳まれているか、分離可能であるか、又は積層されている形態である樹脂ペレット。
[2]
ポリエチレンを主成分として含む樹脂ペレットであって、
該樹脂ペレット中に含まれる該ポリエチレン又は該樹脂ペレットの粘度平均分子量が200,000以上であり、かつ
平面状、繊維状、中空糸状、又は不織布状の構成部分を有する樹脂ペレット。
[3]
ポリエチレンを主成分として含む樹脂ペレットであって、
該樹脂ペレット中に含まれる該ポリエチレン又は該樹脂ペレットの粘度平均分子量が200,000以上であり、かつ
日本粉体工業技術協会規格SAP01−79に従って測定された嵩密度が0.1〜0.4g/cm3である樹脂ペレット。
[4]
再生樹脂ペレットである、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の樹脂ペレット。
[5]
5〜60質量%の前記樹脂ペレットと、メルトインデックスMI)が2であり、かつ密度が0.940g/cm3の線状低密度ポリエチレン(LLDPE)とのドライブレンドによりポリオレフィン系ペレットを調製し、東洋精機社製ラボプラストミルを用いて該ポリオレフィン系ペレットを200℃及び50rpmで10分間に亘って混練することにより溶融樹脂を得て、該溶融樹脂をプレス板上で10MPaで成型した後に、2軸延伸機で縦5倍×横5倍に延伸することによりフィルムを製膜したときに、該フィルムの100cm2当たり5個以下の未溶融ゲルが存在する、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の樹脂ペレット。
[6]
膜厚500μm以下のフィルムが積層された積層体である、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の樹脂ペレット。
[7]
前記積層体が、互いに樹脂組成が異なる2種以上の樹脂フィルムを含む、[6]に記載の樹脂ペレット。
[8]
[1]〜[7]のいずれか1項に記載の樹脂ペレットを使用して樹脂組成物を製造する方法。
[9]
前記樹脂組成物が、前記樹脂ペレットと、低密度ポリエチレンポリマーとを含む、[8]に記載の方法。
[10]
[8]又は[9]に記載の方法により製造された樹脂組成物を使用して包装用フィルム又は農業用フィルムを製造する方法。

発明の効果

0012

本発明によれば、特にフィルム用途に利用した際に、高強度及び光学性に優れ、かつ未溶融ゲルの極めて少ない樹脂成形物が得られる。

図面の簡単な説明

0013

図1(a)は、平面状の構成部分を有する樹脂ペレットの模式的な斜視図であり、図1(b)は、構成部分が個別の平面を有する場合の模式的なペレット断面図であり、かつ図1(c)は、構成部分が、単膜を折り畳んだ状態である場合の模式的なペレット断面図である。
図2(a)は、平面状の構成部分を有し、かつエンボス加工された樹脂ペレットの模式的な斜視図であり、かつ図2(b)は、構成部分が個別の平面を有する場合の模式的なペレット断面図である。
図3は、樹脂ペレットの製造ラインの一例を示す概略図である。

0014

以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本明細書で説明される物性値又は評価値は、特に言及されない限り、実施例に記載される方法に従って測定又は算出されるものである。
また、本明細書では、特定の成分を主成分として含むことは、全成分の総質量を基準として、50質量%を超える割合で含むことをいう。

0015

<樹脂ペレット>
本発明の一態様は、ポリエチレンを主成分として含む樹脂ペレットである。
本明細書では、樹脂ペレットとは、樹脂の粒子状の塊であって、従来の押出成形加工の原料として供するのに適切な寸法を有するものをいう。押出成形加工は、例えば、インフレーション成形等のフィルム成形、微多孔膜成形、ブロー成形射出成型パイプ成形、モノフィラメント成形等である。
ペレットの寸法については、ペレットの最大長さは、空走ライン等での空気輸送時に詰まりが無くて搬送し易いという観点から、10mm以下であることが好ましく、押出機内での輸送性をさらに向上させるという観点から、6mm以下であることがより好ましい。ペレットの最大長さは、特にスクリューシリンダーの間のクリアランスの大きい大型押出機において、ペレットが良好に搬送されるために、1mm以上であることが好ましい。また、背景技術に記載する従来の樹脂ペレットと同様、ペレットの直径は10mm以下が好ましく、より好ましくは、直径1〜5mm程度で、かつ長手方向に2mm以上5mm以下である。

0016

本明細書では、「ポリエチレンを主成分として含む」とは、ポリエチレン以外に、本発明の性能を損なわない範囲内で耐熱性の向上の為に、ポリプロピレン、その他のポリオレフィン樹脂、さらにはポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン等の非ポリオレフィン樹脂を含んでいてもよいという意味である。ポリエチレン以外の樹脂との混合では、ポリエチレン以外の樹脂のペレット中の割合は、分散性及び/又は強度保持の観点から、好ましくは30質量%未満、分散性の観点から、より好ましくは20質量%未満、さらに好ましくは10質量%未満である。

0017

本発明の樹脂ペレット中に含まれるポリエチレン又は本発明の樹脂ペレットそのものの粘度平均分子量(Mv)が200,000以上である。
樹脂ペレット中に含まれるポリエチレン又は樹脂ペレットそのもののMvが200,000以上であると、樹脂ペレットを、Mv200,000未満の低分子量成分を主成分として含む樹脂に混合した際に、混合物成形品又はフィルムの引き裂き強度又は引張強度が顕著に向上する。
樹脂ペレット中に含まれるポリエチレンのMvは、成形品の引張強度の観点から、好ましくは200,000超、より好ましくは300,000以上(又は超)、さらに好ましくは500,000以上(又は超)である。同様の観点から、樹脂ペレットのMvは、好ましくは300,000以上、より好ましくは500,000以上である。

0018

また、樹脂ペレット中のポリエチレンは、互いに異なる分子量を有する複数の成分を含むもの、例えば混合物でもよい。例えば、Mv100,000のポリエチレンとMv700,000のポリエチレンの混合物が、全体として200,000以上のMvを有すればよい。

0019

ポリエチレンとしては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高圧法低密度ポリエチレン、又はこれらの混合物等が挙げられる。また、メタロセン触媒を利用して得られた分子量分布の狭いポリエチレン、多段重合により得られたHDPEを使用してよい。
樹脂ペレット中のポリエチレンの割合は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは、70〜100質量%、更に好ましくは80〜100質量%である。
本明細書では、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)とは、粘度平均分子量(Mv)が350,000以上のポリエチレンをいう。UHMWPEが全ポリエチレン中に占める割合は、樹脂ペレットを利用して得られる成形品の光学性、強度及び異物除去性の観点から、好ましくは5〜50質量%であり、分散性の観点から、より好ましくは9〜40質量%である。

0020

本発明の第一の実施の形態に係る樹脂ペレットは、折り畳まれているか、分離可能であるか、又は積層されている形態である。第一の実施の形態では、フィルムの形成時に強度及び光学性に優れ、かつフィッシュアイ、未溶融ゲル等の異物の除去性に優れた樹脂ペレットが、折り畳み形態、分離可能形態、又は積層形態により特定される。

0021

図1(a)に、第一の実施の形態に係る樹脂ペレットの模式的な斜視図を示す。積層形態の樹脂ペレットの断面は、例えば、個別の平面を有することができる(図1(b))。折り畳み形態の樹脂ペレットの断面は、例えば、複数の平面状の構成部分の片端同士が結着することができる(図1(c))。図1(a)〜(c)は模式的なものであるため、本実施形態の樹脂ペレットは、図1(a)〜(c)に示す均一な積層状態を有するものに限られない。

0022

分離可能形態の樹脂ペレットについては、ペレットの少なくとも一部が分離可能であればよい。分離可能形態の樹脂ペレットは、具体的には非結着部分を有してよく、より詳細には非圧着部分、非接着部分、又は非融着部分を有してよい。例えば、図2(a)に示されるように、折り畳み形態又は積層形態を有するペレットにエンボス加工を行うことによって、結着部分と非結着部分の両方を備える樹脂ペレット(図2(b))が得られる。図2(a)及び(b)は模式的なものであるため、本実施形態の樹脂ペレットは、図2(a)及び(b)に示す均一な積層状態及びエンボス加工部を有するものに限られない。

0023

第一の実施の形態に係る樹脂ペレットは、ペレット中に含まれるポリエチレンの分子鎖を均一に引き延ばして、ペレットと他の材料からフィルムを形成するときに強度及び異物除去性を確保するために、膜厚500μm以下の少なくとも1つのフィルム、直径100μm以下の少なくとも1つの繊維、又は粒子径100μm未満の少なくとも1つの粒子を含むことが好ましく、膜厚500μm以下の複数のフィルムが積層された積層体であることがより好ましく、膜厚500μm以下の複数のフィルムは、互いに樹脂組成が異なることがさらに好ましい。フィルム状の場合は、膜厚の更に好ましい範囲は100μm以下であり、この範囲であれば未溶融ゲルを低減するために押出量を低下させる必要がない。膜厚は、より更に好ましくは50μm以下であり、この範囲内であると既に分子量の高い成分は50μm以下まで分散されているので、未溶融ゲルは目視では観察されない。

0024

本発明の第二の実施の形態に係る樹脂ペレットは、構成部分(S)を有し、かつ構成部分(S)が、平面状、繊維状、中空糸状、又は不織布状である。
本明細書では、構成部分(S)とは、一片のペレットを構成する塊をいい、その形状は、平面状、繊維状、中空糸状、又は不織布状である。第二の実施の形態では、フィルムの形成時に強度及び光学性に優れ、かつフィッシュアイ、未溶融ゲル等の異物の除去性に優れた樹脂ペレットが、平面状、繊維状、中空糸状、又は不織布状である構成部分(S)により特定される。

0025

平面状の構成部分(S)を有する樹脂ペレットの斜視図が、図1(a)又は図2(b)に示される。図1では、略均一な膜厚を有する構成部分(S)が示されているのに対して、図2では、構成部分(S)がエンボス加工されている。

0026

第二の実施の形態では、ペレット中に含まれるポリエチレンの分子鎖を均一に引き延ばして、ペレットと他の材料からフィルムを形成するときに強度及び異物除去性を確保するという観点から、平面状の構成部分(S)は、膜厚500μm以下のフィルム又は直径100μm以下の繊維から形成されることが好ましく、樹脂ペレットは、膜厚500μm以下の複数のフィルムが積層された積層体であることがより好ましく、複数のフィルムは、互いに樹脂組成が異なることがさらに好ましい。

0027

樹脂ペレットが、構成部分(S)として、膜厚50μmのフィルムを有する場合について説明すると、ポリエチレンの結晶性領域も膜厚50μmの水準まで引き延ばされているため、ポリエチレンパウダーよりも寸法が小さく、従来のLLDPEと溶融混練されても良好な分散が得られたものと推察される。この分散は、フィルムが薄いほど良好となるため、フィルムの膜厚が30μm未満であることが好ましく、フィルムのハンドリング性の観点から3μm以上であることが好ましい。

0028

本発明の第三の実施の形態に係る樹脂ペレットは、日本粉体工業技術協会規格SAP01−79に従って測定された嵩密度が0.1〜0.4g/cm3である。第三の実施の形態では、フィルムの形成時に強度及び光学性に優れ、かつフィッシュアイ、未溶融ゲル等の異物の除去性に優れた樹脂ペレットの構成が、0.1〜0.4g/cm3の範囲内の嵩密度により特定される。樹脂ペレットの嵩密度は、樹脂ペレットを使用して得られるフィルムの強度、光学性又は異物除去性をさらに向上させるという観点から、好ましくは0.35g/cm3未満、より好ましくは0.30g/cm3以下、最も好ましくは0.28g/cm3未満である。

0029

第三の実施の形態に係る樹脂ペレットは、ペレット中に含まれるポリエチレンの分子鎖を均一に引き延ばして、ペレットと他の材料からフィルムを形成するときに強度及び異物除去性を確保するという観点から、複数の構成部分(S)が、膜厚500μm以下の複数のフィルムが積層された積層体であることが好ましく、互いに樹脂組成が異なる2種以上の樹脂フィルムを含む積層体であることがより好ましい。

0030

第四の実施の形態に係る樹脂ペレットは、下記条件(a)〜(c):
(a)折り畳まれているか、分離可能であるか、又は積層されている形態である;
(b)平面状、繊維状、中空糸状、又は不織布状の構成部分を有する;及び
(c)日本粉体工業技術協会規格SAP01−79に従って測定された嵩密度が0.1〜0.5g/cm3である;
の少なくとも1つを満たすものである。
第一、第二、第三及び第四の実施の形態に係る樹脂ペレットに共通する構成について以下に詳述する。

0031

未溶融ゲルなどの異物を除去する指標として、樹脂ペレット5〜60質量%と、メルトインデックス(MI)が2であり、かつ密度が0.940g/cm3の線状低密度ポリエチレン(LLDPE)とのドライブレンドによりポリオレフィン系ペレットを調製し、東洋精機社製ラボプラストミルを用いて、得られたポリオレフィン系ペレットを200℃及び50rpmで10分間に亘って混練することにより溶融樹脂を得て、得られた溶融樹脂をプレス板上で10MPaで厚み500μmのシートを成型した後に、2軸延伸機で縦5倍×横5倍に延伸することにより厚み20μmのフィルムを製膜したときに、製膜されたフィルムの100cm2当たり、10個以下の未溶融ゲルが存在することが好ましく、より好ましくは5個以下の未溶融ゲルが存在し、さらに好ましくは1個以下の未溶融ゲルが存在し、よりさらに好ましくは未溶融ゲルが0個である。この場合、未溶融ゲルとは、高分子量成分の分散不良に起因するものであり、ルーペ等で観察したときに直径が0.3mmを超えるものをいう。直径が0.3mmより小さいもの、又はそれ以外のコンタミ若しくは異物は、未溶融ゲルとしてはカウントしない。

0032

樹脂ペレットの主成分は、溶融混錬されたポリエチレンであることが好ましい。本技術分野では、ポリマー成形品の強度は、タイ分子間の絡み合い点の数に応じて変わることが知られている。理論に拘束されることを望まないが、溶融混錬によって、ポリマーの結晶子サイズが減少し、かつタイ分子同士の絡み合い点が増加するため、樹脂ペレット及びそれを用いる成形品の強度が向上することが考えられる。ポリエチレンの溶融混錬は溶融装置(melter)及び/又は混錬機(kneader)により行われることができる。

0033

樹脂ペレットは、平面状の構成部分を有することが好ましく、その構成部分がフィルムであることがより好ましく、そのフィルムが微多孔膜であることがさらに好ましい。ポリエチレンを主成分として含むフィルム又は微多孔膜から形成された平面状部分を有する樹脂ペレットは、ポリエチレン粒子又は粉末から形成された樹脂ペレットに比べて、ペレットを用いて別の成形品を作製したときに、作製された成形品の強度が優れる傾向にある。

0034

微多孔膜の厚みは、取り扱いの観点から3μm以上50μm以下であることが好ましく、微多孔膜由来の平面状の構成部分を有する樹脂ペレットを用いて製造されたポリエチレン系樹脂組成物の強度を向上させるという観点から、10μm以上20μm以下がより好ましく、4μm以上20μm以下であることがさらに好ましい。
微多孔膜の気孔率は、強度と光学性と異物除去性や透過性等のバランスを取るという観点から、好ましくは10%以上80%以下、より好ましくは20%以上60%以下、更に好ましくは30%以上50%以下である。

0035

樹脂ペレットにおいてポリエチレン微多孔膜を用いる場合にも、そのポリエチレンの粘度平均分子量(Mv)は、樹脂ペレットを用いる成形品の強度の観点から、好ましくは200,000以上(又は超)、より好ましくは300,000以上(又は超)、さらに好ましくは500,000以上(又は超)である。

0036

微多孔膜の製造方法は、特に問わないが、例えば、国際公開第2005/103127号又は国際公開第2006/38532号に記載の方法により製造される膜を使用してよい。具体的には、Mv200,000以上のポリエチレンを分散させるという観点から、原料のポリエチレンに可塑剤を混合して溶融押出し、キャスト装置等で冷却する際に両者を相分離させた後、延伸し、さらに溶剤を用いて可塑剤を抽出除去して開孔させる方法、いわゆる湿式法により微多孔膜を製造することができる。湿式法によれば、その可塑剤によりMv200,000以上のポリエチレンの結晶が膨潤するため、高分子量成分が分散し易くなり、樹脂ペレットを従来のLLDPEと混合する際に膜品位の良いフィルムが得られる。
ここでいう微多孔膜は、気孔率が好ましくは10%以上80%以下、より好ましくは20%以上65%以下、透気度が好ましくは10sec/100cc以上5000sec/100cc以下、さらに好ましくは50sec/100cc以上1000sec/100cc以下である。
湿式法については、例えば、国際公開第2006/38532号に記載の方法により製造された微多孔膜は、孔径が0.05μm程度、その孔の周りの樹脂のも0.1μm程度の太さであるため、幹を構成するポリエチレンの高分子量成分も既に0.1μmまで分散されており、この微多孔膜を用いてポリオレフィン系樹脂ペレットを製造し、製造された樹脂ペレットを一般のLLDPEと溶融混練すると、極めて高分子量成分の分散が良く、強度も膜品位も優れたフィルムが得られる。なお、この幹の太さは、走査型電子顕微鏡等で観察することで確認できる。
ここでいう強度としては、フィルムについては引張強度、引裂強度等が挙げられ、本明細書では評価基準としてフィルムの突刺強度を使用してよい。
また、膜品位とは、フィルム表面に発生するフィッシュアイ又は未溶融ゲルが無いことをいう。膜品位は、100mm四方切り出したフィルム中のフィッシュアイ又は未溶融ゲルの個数をルーペ又は目視で観察し判断してよい。

0037

樹脂ペレットの製造方法としては、例えば、特開2006−21519号公報(特許文献3)に記載の方法を使用することができる。具体的には、予め作製しておいたポリエチレン原料、例えばポリエチレンフィルム又は微多孔膜を、単独で集束するか、複数重ね合せるか、切り分けるか、又は別の樹脂原料と混ぜて、その後に圧力等で結着させてから、所望の寸法に裁断することによって樹脂ペレットを製造することができる。

0038

樹脂ペレットの従来の製造方法では、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)の場合、ポリエチレン製造プラントで重合された樹脂パウダーを押出機で溶融混練し、紐状に押出した溶融樹脂を切断して、最大寸法2〜5mm程度のペレットを得るのに対して、第一、第二、第三又は第四の実施の形態では、予め製膜したフィルム、成型した繊維等を用いることができ、フィルムを用いる場合には、好ましくは複数のフィルムを、より好ましくは数百層のフィルムを積層した積層体(F)を用いることができる。
積層体(F)を構成する各層は、膜厚500μm以下でよい。積層体(F)は、生産性、ハンドリング性、汎用性などの観点から、互いに樹脂組成が異なる2種類以上の樹脂フィルムを含むことが好ましい。

0039

積層体(F)の製造方法としては、フィルムを用いる場合には、予め紙管等に巻き取ったフィルムを数層重ねたまま、ロール等で厚み方向に圧縮し縦横6mm程度の大きさに切り出す方法、特開2006−21519号公報(特許文献3)に記載された方法により製膜されたフィルムを幅方向に集束しながらロールで圧縮し、その後、長さ方向に切り出す方法などの公知の方法を用いてよい。

0040

樹脂ペレットが繊維状の構成部分を有する場合には、特公平6−15721号公報に記載の超高分子量ポリエチレン繊維又は特許4623780号公報に記載の方法で作製された繊維を用いることができる。繊維状の構成部分を形成するために使用される繊維についても、フィルムの膜厚と同様に、繊維径が好ましくは500μm以下、より好ましくは50μm以下である。

0041

樹脂ペレットが粒子状の構成部分を有する場合には、構成部分の粒子径が、好ましくは500μm以下、より好ましくは50μm以下である。多孔状粒子を用いることが可能であり、その場合には、微多孔膜の場合と同様に、幹の部分が細いほど好ましい。

0042

上記で説明されたフィルム、微多孔膜、繊維及び粒子は、樹脂ペレットの構成部分を形成するために、単独で、又は併用して、使用されることができる。例えば、ポリエチレンを主成分として含む微多孔膜と、ポリプロピレンを主成分として含む無孔フィルムとを組み合わせてよい。

0043

樹脂ペレットは、フェノール系酸化防止剤リン系酸化防止剤イオウ系酸化防止剤等の公知の酸化防止剤を含んでよい。樹脂ペレットへの酸化防止剤の添加量は、ペレットの用途に応じて調整されることができ、一般に100PPM〜1質量%の範囲内である。
樹脂ペレットは、本発明の課題を解決できる程度であれば、ペレットを改質するための添加剤を含んでよい。添加剤は、例えば、グリセリンエステル等の防曇材エルカ酸ステアリン酸オレイン酸等の脂肪酸アミドに代表されるスリップ材帯電防止剤シリカアルミナ等の無機フィラー流動パラフィン;及び潤滑油、又は内部潤滑剤としてステアリン酸カルシウム等である。

0044

樹脂ペレットは、生産性、環境への配慮などの観点から、再生樹脂ペレットであってもよい。

0045

<樹脂組成物>
本発明の別の態様は、第一、第二、第三又は第四の実施の形態に係る樹脂ペレットを使用して製造された樹脂組成物及びその製造方法である。
第一、第二、第三又は第四の実施の形態に係る樹脂ペレットを、HDPE、LDPE、LLDPE等を主成分として含むペレット、粉体、粒子、スラリー塗料等の被混合物に、乾式混合法又は湿式混合法等により混合及び/又は添加して、ポリエチレン樹脂組成物を得ることができる。ここでいう乾式混合法としては、通常の1軸又は2軸押出機溶融混合する方法又は特開2006−21519号公報(特許文献3)に記載の方法を用いることができる。
得られたポリエチレン樹脂組成物を、インフレーション成形等の押出成形により、フィルム化すると、押出し時の未溶融ゲルの発生を抑制するか、又は無くすことができ、得られたフィルムの強度を大幅に改善させることができる。
被混合物としては、樹脂組成物の成形品の強度、光学性又は異物除去性の観点から、LDPE又はLLDPE、特にメタロセン触媒を原料とするLLDPEが好ましい。
一例としては、本発明のポリオレフィン系樹脂ペレットを従来のLDPE、LLDPE等の比較的低分子量のポリエチレンにドライブレンドしてフィルムを製膜すると、飛躍的に強度が上昇し、かつ光学性を阻害する未溶融ゲルが発生しないフィルムが得られる。

0046

被混合物がLLDPEを含む場合には、LLDPEの密度は、好ましくは900〜945kg/m3、より好ましくは910〜940kg/m3、さらに好ましくは915〜940kg/m3の範囲内にある。また、LLDPEのメルトフローレイトMFR)は、好ましくは0.1〜50、より好ましくは0.1〜10の範囲内、さらに好ましくは0.3〜4.0の範囲内にある。

0047

樹脂組成物をフィルムの製造に使用してフィルム強度を向上させるためには、被混合物としては、メタロセン触媒を用い、かつコモノマー成分としてヘキセン又はオクテンを用いることにより重合されたLLDPEが好ましく、その分子量分布が、好ましくは3以上15未満、より好ましくは5以上10未満である。

0048

第一、第二、第三又は第四の実施の形態に係る樹脂ペレットの、LLDPE又はLDPE等の低分子量の高密度ポリエチレンへの添加量は、樹脂組成物又はその成形品の強度及び未溶融ゲル除去性の観点から、5質量%以上60%質量以下であることが好ましく、成形品の光学性も考慮すると、10質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、樹脂組成物の押出し性も考慮すると、10質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましい。

0049

成形フィルムの耐熱性を向上させるために、ポリエチレン樹脂組成物にポリプロピレンを混合することができる。その場合、フィッシュアイを除去するという観点から、ポリプロピレンの粘度平均分子量(Mv)は、好ましくは1,3000,000以下、より好ましくは700,000以下、さらに好ましくは600,000以下である。ポリエチレンとポリプロピレンを含む樹脂組成物及びその成形品の強度の観点から、ポリプロピレンのMvは、好ましくは100,000以上、より好ましくは200,000以上である。同様の観点から、メタロセン触媒等を利用して立体規則性を低下させたポリプロピレンを被混合物として使用すること、又はアイソタクチックポリプロピレン(IPP)に対してブロックポリプロピレン(BPP)若しくはランダムポリプロピレン(RPP)を0.5〜30質量%ブレンドした樹脂組成物を被混合物として使用することが好ましい。

0050

ポリエチレン樹脂組成物には、ポリプロピレン及びポリエチレンに加えて、他の樹脂成分;又は無機フィラー、有機フィラー、酸化防止剤、分散助剤、帯電防止剤、加工安定剤、結晶核剤、内部潤滑剤等の添加剤が混合されることができる。これらの成分のいずれかが樹脂組成物中に占める割合としては、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは2質量%以下であり、実質的に0質量%でもよい。

0051

樹脂成分は、例えば、ポリフェニレンエーテル等のエンプラ樹脂;ナイロン6、ナイロン6−12、アラミド樹脂等のポリアミド樹脂ポリイミド系樹脂;PET、PBT等のポリエステル系樹脂ポリカーボネート系樹脂ポリフッ化ビニリデンPVDF)等のフッ素系樹脂エチレンビニルアルコール共重合体、C2〜C12のα−オレフィン一酸化炭素の共重合体及びその水添物スチレン系重合体の水添物;スチレンとα−オレフィンとの共重合体及びその水添物;スチレンと脂肪族モノ不飽和脂肪酸との共重合体;アクリル酸及び/又はその誘導体重合体;スチレンと共役ジエン系不飽和単量体との共重合体及びこれらの水添物から選択される熱可塑性樹脂ポリケトン等、更にポリブテン−1、ポリメチルペンテン−1等でもよい。

0053

酸化防止剤としては、例えば、「イルガノックス1010」、「イルガノックス1076」、「BHT」(いずれも商標、チバスシャリティーケミカルズ社製)等のフェノール系酸化防止剤、リン系若しくはイオウ系の二次酸化防止剤、又はヒンダードアミン系の耐候剤等が挙げられ、これらを単独で用いるか、又は複数を混合することができる。
樹脂組成物から得られる成形品の強度、光学性及び異物除去性の観点からは、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤の組合せが好ましい。具体的には、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチルヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチルヒドロキシベンジルベンゼン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンホスファイト、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルプロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキシホスフェピン等である。
酸化防止剤の配合量は、樹脂組成物を使用して形成する微多孔膜の全樹脂固形分に対して、好ましくは100ppm〜10,000ppmである。フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤を併用する場合には、フェノール系/リン系の比は、好ましくは1/3〜3/1である。

0054

ポリプロピレンとポリエチレンの分散助剤としては、例えば、水添したスチレン−ブタジエン系エラストマー、エチレンとプロピレンを共重合したエラストマー等を用いることができる。分散助剤の配合量は、ポリプロピレンとポリエチレンの合計量100質量部に対して、好ましくは1〜10質量部である。

0055

帯電防止剤としては、アルキルジエタノールアミンヒドロキシアルキルエタノールアミン等のアミン類ステアリルジエタノールアミンモノ脂肪酸エステル等のアミンエステル類ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド等のアルキロアミド類グリセリンジグリセリン等のモノ脂肪酸エステル類;アルキルベンゼンスルホン酸等のアニオン系帯電防止剤ポリオキシエチレンアルキルエーテル類等が挙げられ、これらは単独で用いても、複数を組み合わせて用いてもよい。帯電防止剤の配合量は、樹脂組成物を使用して形成する微多孔膜の全樹脂固形分に対して、好ましくは500ppm〜10,000ppmである。
また、樹脂組成物は、内部潤滑剤として、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム又はそれらの水和物、例えば、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム等を含んでよく、その場合、内部潤滑剤の好ましい含有量は、50ppm以上5000ppmの範囲内である。

0056

本発明の樹脂組成物は、成形品の製造に使用されることができる。例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、モールド成形等の各種の成形を行うことができる。製造された成形品は、光学性、強度及び異物除去性に優れるため、包装用フィルム又は農業用フィルムであることが好ましい。

0057

[物性値の測定方法
(I)各層の厚み、及び合計厚み(μm)
一般の走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製 S4100)による断面観察により、層の厚みを測定した。

0058

(II)粘度平均分子量Mv
ASTM−D4020に基づき、デカリン溶媒における135℃での極限粘度[η]を求めた。ポリエチレンのMvは次式により算出した。
[η]=6.77×10−4Mv0.67

0059

(III)微多孔膜の気孔率(%)
100mm四方の微多孔膜のサンプルの質量から目付けW(g/cm2)及び微多孔膜を構成する成分(樹脂及び添加剤)の平均密度ρ(g/cm3)を算出し、微多孔膜の厚みd(cm)から下記式にて計算した。
全層気孔率(%)=(100−W/(d×ρ))×100

0060

(IV)微多孔膜の透気度(秒/100cc)
JIS P−8117に準拠し、ガーレー式透気度計「G−B2」(東洋精機製作所(株)製、商標)で測定した。
なお、表1中の値は、合計厚みを基準とした比例計算により算出した20μm換算の透気度である。

0061

(V)突刺強度(g)
ハンディ圧縮試験器「KES−G5」(カトーテック製、商標)を用いて、針先端曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/secの条件で突刺試験を行うことにより求めた。
なお、表3中の値は、合計厚みを基準とした比例計算により算出した20μm換算の突刺し強度である。

0062

(VI)微多孔膜の孔径
一般の走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製 S4100)による表面観察により撮影した、表面写真より判定した。

0063

(VII)嵩密度
日本粉体工業技術協会規格SAP01−79に従って試料の嵩密度を測定した。

0064

(1)ポリオレフィン系樹脂ペレットの製造
(1−1)部材の製造
(1−1−1)微多孔膜1(S1)の製法
微多孔膜1(S1)の製法は、以下のとおり、構成部分として高分子量のポリエチレンを主体として含む微多孔膜を用いる例である。
パウダー状の粘度平均分子量400,000のポリエチレン90質量%と粘度平均分子量700,000のポリプロピレン10質量%を原料樹脂とし、当該原料樹脂100質量部に対し、酸化防止剤としてテトラキス−[メチレン−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.3質量部を混合した。これらの原料をヘンシェルミキサー攪拌し、原料を調製した。
次に、この原料を二軸押出機(口径404mm、L/D=49)に投入した。押出機のシリンダーの途中では、150質量部の流動パラフィン(38℃における動粘度:75.9cSt、密度:868kg/m3)を注入した。なお、押出機とダイスの間には、150メッシュスクリーンおよび定量用ギヤポンプを配した。ダイスと押出機を200℃に設定した。ダイスとしてはTダイを用いた。ダイスから出た溶融フィルム原反を、キャストロール冷却固化させ、厚さ1.5mmのシートを成形した。このシートを、二軸延伸機で120℃の条件下で面積倍率45倍に延伸し、塩化メチレンに浸漬して、流動パラフィンを抽出除去した後に乾燥した。さらに、加熱炉にて130℃の条件下で熱処理を行い、これにより、厚さ20μmの微多孔膜を得た。この微多孔膜を30cm幅スリットし、紙管に巻き取った。微多孔膜の長さは、300mであった。この微多孔膜の表面状態は良好であり、高分子量成分の未溶融ゲル等が見られなかった。この微多孔膜の平均孔径は、0.05μmであり、全面に一様に開孔していた。この微多孔膜を微多孔膜1(構成部分S1)として使用した。
(1−1−2)S2フィルムの製法
粘度平均分子量300,000のポリエチレンを用い、かつ押出機に流動パラフィン20質量部を添加したこと以外は上記(1−1−1)と同様の方法でフィルム1を成型し、これを構成部分2として用いた。このフィルムは、孔がほとんど形成されていなかった。
(1−1−3)S3微粒子の製法
S3微粒子は、微多孔膜1(S1)の製造時に使用されたパウダー状の平均分子量40万のポリエチレンである。

0065

0066

(1−2)ポリオレフィン系樹脂ペレットPOP1〜3の製造
上記(1−1)において製造された紙管に巻いた微多孔膜(構成部分S1)を、図3に示す方法で、一旦集束し、エンボスローラー(3,3)により点圧接した後、装置内部に含まれるカッター(4)でMD方向に切断し、ペレット状成形体として、ポリオレフィン系樹脂ペレット(POP1)を得た。この工程ではヒーター等の外部熱源による加熱を行わなかった。なお、図3では、2つのロール(1,2)から構成部分S1を巻き出して、エンボスローラー(3,3)により点圧接する。しかしながら、1つのロール(1)のみから構成部分S1を巻き出して、圧縮したり、折り畳んだり、集束したりすることによって、1つの構成部分S1中の複数の領域を接合してもよい(図示せず)。
ペレット(POP1)は、複数の膜の積層体であり、指で各層を剥がすと、外縁部は剥離できたが、中心部については、一部は剥離できたが、大部分はエンボスロールの効果で強固に接着していた。剥離できた部分をSEMで観察すると、微多孔構造を呈していたが、接着部分は孔が閉塞していた。ペレット(POP1)の長辺は、7mmであり、短辺は4mmであり、かつ厚みは1mmであった。このペレット(POP1)の嵩密度は、約0.2であった。
表2に示すとおりに構成部分1又は2を変更したこと以外は上記と同様の方法でPOP2〜4を製造した。なお、POP3は、構成部分S1とS2を50%ずつ混合した混合物を用いて上記と同様の方法により得られ、POP4は重合パウダーをそのまま用いた。

0067

0068

(2)LLDPEフィルムの製造
市販のLLDPE系コポリマー主モノマー:PE、コモノマー:ヘキセン、触媒:メタロセン触媒、MI=2、密度:940kg/m3)と、ポリオレフィン系樹脂ペレットPOPとをドライブレンドして、表3に示す組成に調整されたポリエチレン樹脂組成物を得て、ポリエチレン樹脂組成物を東洋精機社製ラボプラストミルで200℃及び50rpmの条件下で10分間混練した。なお、比較例1ではLLDPE系コポリマーのみで製膜し、比較例2ではLLDPE系コポリマーに構成部分S3の粉末(POP4)をダイレクトブレンドした。
溶融樹脂をプレス板上で10mpaで厚み500μmに成型した後、2軸延伸機(ストレッチャー)にて延伸し、フィルムを製膜した。製膜したフィルムの成形結果も表3に示し、かつフィルムの評価基準を表4に示す。

0069

0070

実施例

0071

表3に示すように、実施例の製膜では、引張強度及び未溶融ゲルの評価について良好なフィルムが得られた。
比較例2では、構成部分S3として、粘度平均分子量が十分に高いポリエチレンパウダーをLLDPE系コポリマーと混合したにも拘らず、強度が上がらず、未溶融ゲル評価も悪化した。これは、強度の改善に役立つべきポリエチレンの高分子量成分が、十分に機能せず、凝集したゲルとして存在しているためであると推測される。

0072

本実施の形態に係る樹脂ペレットは、フィルム等の成型加工において強度、光学性等の諸物性に優れた製品の製造に、より詳細には粘度平均分子量150,000以下の比較的低分子量のポリエチレンとの混合に、とりわけ低密度ポリエチレン(LDPE)及び/又は線状低密度ポリエチレン(LLDPE)に少量混合して物性を改善するために、利用されることができる。

0073

1構成部分1
2 構成部分2
3エンボスローラー又は圧縮ローラー
4カッター(内部に含む)
5ポリオレフィン系樹脂ペレット(POP)の容器

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