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課題

B型肝炎ウイルス遺伝子の発現阻害するための二本鎖リボ核酸dsRNA)の提供。

解決手段

インビトロでB型肝炎ウイルス遺伝子の発現を少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも80%阻害することができる二本鎖リボ核酸分子であって、二本鎖リボ核酸分子が、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、アンチセンス鎖が、センス鎖に少なくとも部分的に相補的であり、センス鎖が、B型肝炎ウイルスの複製または病原性のために必要なタンパク質をコードするプレゲノムRNAおよび/またはmRNAの少なくとも一部分と少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、該配列が、(i)アンチセンス鎖に相補的なセンス鎖の領域に位置し、かつ(ii)30ヌクレオチド長未満である、二本鎖リボ核酸分子。

概要

背景

B型肝炎ウイルスは、厳密な肝向性二本鎖DNA含有ウイルスである。DNAが遺伝材料
あるが、複製サイクルは、プレゲノムRNAをDNAへコピーするための逆転写工程を含む。こ
の必須の工程を達成するため、ウイルスによってコードされたポリメラーゼは、逆転写酵
活性を保有している。B型肝炎ウイルスは、ヘパドナウイルスの1つのメンバーとして分
類され、ヘパドナウイルス科に属している。成人のB型肝炎ウイルスによる一次感染は、
器官炎症、発熱黄疸、および血中肝臓アミノ基転移酵素の増加の症状を有する急性肝炎
を引き起こす。急性肝炎の約95%は処置なしに消散する。ウイルス感染を克服し得ない患
者は、長年に及ぶ慢性疾患進行を経験し、肝硬変または肝臓癌発症の増加したリスク
有する。B型肝炎ウイルスに感染した母親からの新生児への周産期伝達も、慢性肝炎をも
たらす。慢性B型肝炎ウイルス感染のための処置オプションは限定されており、いくつか
の症例においてのみ、完全な永続的な寛解をもたらす。C型肝炎ウイルスD型肝炎イル
ス、またはヒト免疫不全ウイルス同時感染したB型肝炎ウイルス患者においては、臨床
的にも治療的にもさらに困難となる。

B型肝炎ウイルスは、血液もしくは血液製剤精子膣分泌物、または唾液を介して伝
達される。薬物乱用および性交は、危険行為であり、ウイルスの蔓延を助長する。傷害
受けた粘膜上皮の、汚染された体液との接触は、感染のために十分であり得る。潜伏期間
は40〜200日である。感染のリスクは、伝達されたB型肝炎ウイルス粒子の数に比例する。
B型肝炎ウイルスを保持している母親によって、しばしば、新生児が周産期感染を受け、
これは、特定の地域において主要な健康問題となっている。

約20億人がB型肝炎ウイルスに感染しており、4億人が慢性キャリアである。高い有病率
を有する地域は、アフリカおよび東アジアであり、20〜80%の感染者局所的に集積
ている。

B型肝炎ウイルスは、配列相同性に基づき、遺伝子型A〜Hに分類されるが、遺伝子型A〜
Dが最も重要なものである。遺伝子型Aは、西ヨーロッパ、米国、南アメリカ、および中
央アメリカに多い。遺伝子型BおよびCは、中国、日本、インドシア、および東アジアの
その他の国々において優勢である。遺伝子型Dは、南ヨーロッパ、北アフリカ、および南
アフリカに見出される。疾患の進行および薬学的処置に対する応答は、遺伝子型によって
異なる。

感染性のB型肝炎ウイルス粒子は、約42nmの直径を有する。外側の二重膜は、L表面タン
パク質、M表面タンパク質、およびS表面タンパク質を含有している。ウイルス表面タンパ
ク質の結合および内部移行のための同族肝細胞受容体未知である。多コピーコアタン
パク質が、ウイルス粒子の内部で球状ヌクレオカプシド構造を形成する。各ヌクレオカプ
シドは、ウイルスポリメラーゼと共に、遺伝材料としての部分的に二本鎖のDNAを保持し
ている。

肝細胞によって取り込まれると、ヌクレオカプシドは核に移行し、DNAが放出される。
そこで、DNA鎖合成が完了し、ギャップ修復されて、3.2kb共有結合閉環(ccc)スー
パーコイルDNAが生じる。cccDNAは、3.5kb長、2.4kb長、2.1kb長、および0.7kb長である4
種の主要ウイルスmRNA転写のための鋳型として機能する。全てのmRNAが、5'にキャップ
構造を有し、3'末においてポリアデニル化されている。4種全てのmRNAの間で、3'末に配
列のオーバーラップが存在する。

3.5kbmRNAは、コアタンパク質およびポリメラーゼの産生のための鋳型として機能する
。さらに、同転写物は、プレゲノム複製中間体として機能し、ウイルスポリメラーゼがDN
Aへの逆転写を開始することを可能にする。コアタンパク質は、ヌクレオカプシド形成の
ために必要とされる。さらに、逐次的なプロセシング活性が、いくつかのコアタンパク質
を、分泌可能なe抗原へ変換する。血中のe抗原の量は、肝臓におけるB型肝炎ウイルス複
製と相関し、疾患進行モニタリングするための重要な診断マーカーとして機能する。

2.4kbおよび2.1kbのmRNAは、ウイルスのL表面抗原、M表面抗原、およびS表面抗原の発
現のためのオープンリーディングフレーム、プレS1、プレS2、およびS2を保持している。
s抗原は、感染性完全粒子に関連している。さらに、感染患者の血液は、ゲノムDNAまたは
ポリメラーゼを含まない、単独のs抗原に由来する非感染性粒子も含有している。これら
の粒子の機能は、完全には理解されていない。血中の検出可能なs抗原の完全な永続的な
枯渇は、B型肝炎ウイルス除去についての、従って、治癒成功についての、信頼性のある
指標と見なされている。

0.7kbmRNAは、Xタンパク質をコードする。この遺伝子産物は、ウイルス遺伝子の効率
的な転写のために重要であり、宿主遺伝子発現に対するトランス活性化因子としても機能
する。後者の活性は、肝臓癌の発症における肝細胞形質転換のために重要であるようであ
る。

組換えB型肝炎ウイルスs抗原が、予防接種のために使用されている。1日目、4週間目
および6ヶ月目に、3回、s抗原製剤を注射することにより、一般的に、中和抗体の十分な
力価誘導される。予防接種を受けた患者は、10年以上、防御される。しかしながら、ワ
クチンは、治療のためには代用され得ない。

急性B型肝炎ウイルス感染を有する患者は、高い自然寛解率のため、処置されない。し
かしながら、6ヶ月超にわたり、血中に検出可能なs抗原、e抗原、またはウイルスDNAを有
する患者は、慢性感染していると見なされる。逆転写酵素活性阻害剤としてのヌクレオ
ド類似体が、多くの患者のための第一選択処置である。ラミブジンテノホビル、また
エンテカビルは、時には検出不可能なレベルにまで、B型肝炎ウイルス複製を抑制する
肝機能の改善および肝臓炎症の低下が、最も重要な利益である。しかしながら、処置が
終わった後、完全な永続的な寛解を達成する患者はほとんどいない。さらに、B型肝炎
イルスは、処置の継続時間が増加するにつれ薬物耐性発達させる。これは、B型肝炎ウ
イルスおよびヒト免疫不全ウイルスに同時感染した患者について特に困難である。両方の
ウイルスが、ヌクレオシド類似薬に感受性であり、耐性を同時発達させる可能性がある。

第二選択処置は、インターフェロンα投与である。ここで、患者は、6ヶ月の期間に
わたって高用量のインターフェロンαを受容する。ウイルス遺伝子型に依って、慢性感染
の最大50%が治癒可能である。しかしながら、アジア遺伝子型Bは、極めて低い応答率
与える。D型肝炎ウイルスまたはヒト免疫不全ウイルスによる同時感染は、インターフェ
ロンα治療を完全に無効にする。強度の肝傷害および重度線維症性状態を有する患者は
、インターフェロンα治療の資格を有しない。

B型肝炎ウイルス処置の領域における相当の進歩にも関わらず、ウイルスの遺伝子発現
を選択的かつ効率的にサイレンシングすることができ、複製を阻止し、続いて、慢性感染
患者におけるウイルス負荷を低下させる薬剤が、未だに必要とされている。

二本鎖RNA分子dsRNA)は、RNA干渉(RNAi)として公知の、高度に保存された調節機
序で、遺伝子発現を阻止することが示されている。本発明は、二本鎖リボ核酸分子(dsRN
A)、ならびにそのようなdsRNAを使用して、B型肝炎ウイルス遺伝子の発現、特に、細胞
組織、または哺乳動物におけるB型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害するための組成物
および方法を提供する。本発明は、慢性肝疾患障害、炎症、線維症性状態、および癌の
ような増殖性障害のような、B型肝炎ウイルスの感染によって引き起こされる病理学的状
態および疾患を処置するかまたは防止するための組成物および方法も提供する。

概要

B型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害するための二本鎖リボ核酸(dsRNA)の提供。インビトロでB型肝炎ウイルス遺伝子の発現を少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも80%阻害することができる二本鎖リボ核酸分子であって、二本鎖リボ核酸分子が、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、アンチセンス鎖が、センス鎖に少なくとも部分的に相補的であり、センス鎖が、B型肝炎ウイルスの複製または病原性のために必要なタンパク質をコードするプレゲノムRNAおよび/またはmRNAの少なくとも一部分と少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、該配列が、(i)アンチセンス鎖に相補的なセンス鎖の領域に位置し、かつ(ii)30ヌクレオチド長未満である、二本鎖リボ核酸分子。なし

目的

本発明は、二本鎖リボ核酸分子(dsRN
A)、ならびにそのようなdsRNAを使用して、B型肝炎ウイルス遺伝子の発現、特に、細胞
、組織、または哺乳動物におけるB型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害するための組成物
および方法を提供する

効果

実績

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請求項1

インビトロB型肝炎ウイルス遺伝子の発現を少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも80%阻害することができる二本鎖リボ核酸分子であって、二本鎖リボ核酸分子が、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、アンチセンス鎖が、センス鎖に少なくとも部分的に相補的であり、センス鎖が、B型肝炎ウイルスの複製または病原性のために必要なタンパク質をコードするプレゲノムRNAおよび/またはmRNAの少なくとも一部分と少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、該配列が、(i)アンチセンス鎖に相補的なセンス鎖の領域に位置し、かつ(ii)30ヌクレオチド長未満である、二本鎖リボ核酸分子。

請求項2

B型肝炎ウイルスの複製または病原性のために必要なタンパク質をコードするプレゲノムRNAおよび/またはmRNAの前記一部分が、遺伝子型A、B、C、およびDのB型肝炎ウイルスゲノム配列間のコンセンサス配列を有する、請求項1記載の二本鎖リボ核酸分子。

請求項3

B型肝炎ウイルスの複製または病原性のために必要なタンパク質が、コアタンパク質ウイルスポリメラーゼ表面抗原、e抗原、およびXタンパク質からなる群より選択される、請求項2記載の二本鎖リボ核酸分子。

請求項4

アンチセンス鎖が1〜5ヌクレオチド長の3'突出部をさらに含む、請求項3記載の二本鎖リボ核酸分子。

請求項5

アンチセンス鎖の前記突出部が、ウラシル、またはB型肝炎ウイルスの複製もしくは病原性のために必要なタンパク質をコードする前記プレゲノムRNAおよび/もしくは前記mRNAに相補的なヌクレオチドを含む、請求項4記載の二本鎖リボ核酸分子。

請求項6

センス鎖が1〜5ヌクレオチド長の3'突出部をさらに含む、請求項3記載の二本鎖リボ核酸分子。

請求項7

センス鎖の前記突出部が、ウラシル、またはB型肝炎ウイルスの複製もしくは病原性のために必要なタンパク質をコードする前記プレゲノムRNAおよび/もしくは前記mRNAと同一のヌクレオチドを含む、請求項6記載の二本鎖リボ核酸分子。

請求項8

(a)センス鎖が、SEQID NO:1、2、3、4、5、6、7、または26のヌクレオチド1〜19を順番通りに含み;(b)アンチセンス鎖が、SEQ ID NO:157、158、160、161、162、163、164、または186のヌクレオチド1〜19を順番通りに含み;かつ(c)二本鎖リボ核酸分子が、SEQ ID NO:1/157、2/158、3/160、4/161、5/162、6/163、7/164、および26/186からなる群より選択される配列対を含む、請求項3記載の二本鎖リボ核酸分子。

請求項9

2'-O-メチル修飾ヌクレオチド、5'-ホスホロチオエート基を含むヌクレオチド、コレステリル誘導体と連結された末端ヌクレオチドドデカン酸ビスデシルアミド基と連結された末端ヌクレオチド、2'-デオキシ-2'-フルオロ修飾ヌクレオチド、2'-デオキシ修飾ヌクレオチド、ロックドヌクレオチド、脱塩基ヌクレオチドデオキシチミジン、逆向き(inverted)デオキシチミジン、2'-アミノ修飾ヌクレオチド、2'-アルキル修飾ヌクレオチド、モルホリノヌクレオチド、ホスホルアミデート、および非天然塩基を含むヌクレオチドからなる群より選択される修飾ヌクレオチドを少なくとも1つ含む、請求項3記載の二本鎖リボ核酸分子。

請求項10

2'-O-メチル修飾ヌクレオチド、5'-ホスホロチオエート基を含むヌクレオチド、およびデオキシチミジンを含有している、請求項9記載の二本鎖リボ核酸分子。

請求項11

センス鎖またはアンチセンス鎖がデオキシチミジン1〜2個の突出部を含む、請求項10記載の二本鎖リボ核酸分子。

請求項12

SEQID NO:321/485、322/486、324/488、325/489、326/490、327/491、328/492、および350/514からなる群より選択される配列対を含む、請求項11記載の二本鎖リボ核酸分子。

請求項13

センス鎖またはアンチセンス鎖をコードする核酸配列を含む、請求項3記載の二本鎖リボ核酸分子。

請求項14

(a)請求項3において定義される少なくとも1種の二本鎖リボ核酸分子;(b)請求項3において定義される二本鎖リボ核酸分子を構成するセンス鎖もしくはアンチセンス鎖をコードする少なくとも1種の核酸配列;または(c)請求項3において定義される少なくとも1種の二本鎖リボ核酸分子を含む細胞組織、もしくは非ヒト生物を含む薬学的組成物

請求項15

(a)各々が請求項3において定義される第一および第二の二本鎖リボ核酸分子;(b)各々が請求項3において定義される第一および第二の二本鎖リボ核酸分子を構成するセンス鎖もしくはアンチセンス鎖をコードする少なくとも1種の核酸配列;または(c)各々が請求項3において定義される第一および第二の二本鎖リボ核酸分子を含む細胞、組織、もしくは非ヒト生物を含む薬学的組成物。

請求項16

第一および第二の二本鎖リボ核酸分子が互いに異なる、請求項15記載の薬学的組成物。

請求項17

第一および第二の二本鎖リボ核酸分子が、各々、B型肝炎ウイルスの複製または病原性のために必要なタンパク質をコードするプレゲノムRNAおよび/またはmRNAの異なる一部分と少なくとも90%の同一性を有する、請求項16記載の薬学的組成物。

請求項18

B型肝炎ウイルスの複製または病原性のために必要なタンパク質をコードするプレゲノムRNAおよび/またはmRNAの前記異なる一部分が、異なるタンパク質をコードする、請求項17記載の薬学的組成物。

請求項19

SEQID NO:322/486と333/497、322/486と346/510、322/486と330/494、および322/486と324/488からなる群より選択される、第一の二本鎖リボ核酸分子と第二の二本鎖リボ核酸分子との組み合わせを含む、請求項18記載の薬学的組成物。

請求項20

薬学的に許容される担体、安定剤、および/または希釈剤をさらに含む、請求項14記載の薬学的組成物。

技術分野

0001

発明の背景
本発明は、二本鎖リボ核酸dsRNA)、ならびにB型肝炎ウイルスの複製および病原性
ために必要な遺伝子の発現阻害するためのRNA干渉の媒介、特に、ウイルスポリメラ
ゼ、表面抗原、e抗原、およびXタンパク質の阻害におけるそれらの使用に関する。さらに
、B型肝炎ウイルス感染の結果としての慢性肝疾患障害、炎症、線維症性状態、および
癌のような増殖性障害処置するかまたは防止するためのdsRNAの使用が、本発明の一部
である。

背景技術

0002

B型肝炎ウイルスは、厳密な肝向性二本鎖DNA含有ウイルスである。DNAが遺伝材料
あるが、複製サイクルは、プレゲノムRNAをDNAへコピーするための逆転写工程を含む。こ
の必須の工程を達成するため、ウイルスによってコードされたポリメラーゼは、逆転写酵
活性を保有している。B型肝炎ウイルスは、ヘパドナウイルスの1つのメンバーとして分
類され、ヘパドナウイルス科に属している。成人のB型肝炎ウイルスによる一次感染は、
器官炎症、発熱黄疸、および血中肝臓アミノ基転移酵素の増加の症状を有する急性肝炎
を引き起こす。急性肝炎の約95%は処置なしに消散する。ウイルス感染を克服し得ない患
者は、長年に及ぶ慢性疾患進行を経験し、肝硬変または肝臓癌発症の増加したリスク
有する。B型肝炎ウイルスに感染した母親からの新生児への周産期伝達も、慢性肝炎をも
たらす。慢性B型肝炎ウイルス感染のための処置オプションは限定されており、いくつか
の症例においてのみ、完全な永続的な寛解をもたらす。C型肝炎ウイルスD型肝炎イル
ス、またはヒト免疫不全ウイルス同時感染したB型肝炎ウイルス患者においては、臨床
的にも治療的にもさらに困難となる。

0003

B型肝炎ウイルスは、血液もしくは血液製剤精子膣分泌物、または唾液を介して伝
達される。薬物乱用および性交は、危険行為であり、ウイルスの蔓延を助長する。傷害
受けた粘膜上皮の、汚染された体液との接触は、感染のために十分であり得る。潜伏期間
は40〜200日である。感染のリスクは、伝達されたB型肝炎ウイルス粒子の数に比例する。
B型肝炎ウイルスを保持している母親によって、しばしば、新生児が周産期感染を受け、
これは、特定の地域において主要な健康問題となっている。

0004

約20億人がB型肝炎ウイルスに感染しており、4億人が慢性キャリアである。高い有病率
を有する地域は、アフリカおよび東アジアであり、20〜80%の感染者局所的に集積
ている。

0005

B型肝炎ウイルスは、配列相同性に基づき、遺伝子型A〜Hに分類されるが、遺伝子型A〜
Dが最も重要なものである。遺伝子型Aは、西ヨーロッパ、米国、南アメリカ、および中
央アメリカに多い。遺伝子型BおよびCは、中国、日本、インドシア、および東アジアの
その他の国々において優勢である。遺伝子型Dは、南ヨーロッパ、北アフリカ、および南
アフリカに見出される。疾患の進行および薬学的処置に対する応答は、遺伝子型によって
異なる。

0006

感染性のB型肝炎ウイルス粒子は、約42nmの直径を有する。外側の二重膜は、L表面タン
パク質、M表面タンパク質、およびS表面タンパク質を含有している。ウイルス表面タンパ
ク質の結合および内部移行のための同族肝細胞受容体未知である。多コピーコアタン
パク質が、ウイルス粒子の内部で球状ヌクレオカプシド構造を形成する。各ヌクレオカプ
シドは、ウイルスポリメラーゼと共に、遺伝材料としての部分的に二本鎖のDNAを保持し
ている。

0007

肝細胞によって取り込まれると、ヌクレオカプシドは核に移行し、DNAが放出される。
そこで、DNA鎖合成が完了し、ギャップ修復されて、3.2kb共有結合閉環(ccc)スー
パーコイルDNAが生じる。cccDNAは、3.5kb長、2.4kb長、2.1kb長、および0.7kb長である4
種の主要ウイルスmRNA転写のための鋳型として機能する。全てのmRNAが、5'にキャップ
構造を有し、3'末においてポリアデニル化されている。4種全てのmRNAの間で、3'末に配
列のオーバーラップが存在する。

0008

3.5kbmRNAは、コアタンパク質およびポリメラーゼの産生のための鋳型として機能する
。さらに、同転写物は、プレゲノム複製中間体として機能し、ウイルスポリメラーゼがDN
Aへの逆転写を開始することを可能にする。コアタンパク質は、ヌクレオカプシド形成の
ために必要とされる。さらに、逐次的なプロセシング活性が、いくつかのコアタンパク質
を、分泌可能なe抗原へ変換する。血中のe抗原の量は、肝臓におけるB型肝炎ウイルス複
製と相関し、疾患進行モニタリングするための重要な診断マーカーとして機能する。

0009

2.4kbおよび2.1kbのmRNAは、ウイルスのL表面抗原、M表面抗原、およびS表面抗原の発
現のためのオープンリーディングフレーム、プレS1、プレS2、およびS2を保持している。
s抗原は、感染性完全粒子に関連している。さらに、感染患者の血液は、ゲノムDNAまたは
ポリメラーゼを含まない、単独のs抗原に由来する非感染性粒子も含有している。これら
の粒子の機能は、完全には理解されていない。血中の検出可能なs抗原の完全な永続的な
枯渇は、B型肝炎ウイルス除去についての、従って、治癒成功についての、信頼性のある
指標と見なされている。

0010

0.7kbmRNAは、Xタンパク質をコードする。この遺伝子産物は、ウイルス遺伝子の効率
的な転写のために重要であり、宿主遺伝子発現に対するトランス活性化因子としても機能
する。後者の活性は、肝臓癌の発症における肝細胞形質転換のために重要であるようであ
る。

0011

組換えB型肝炎ウイルスs抗原が、予防接種のために使用されている。1日目、4週間目
および6ヶ月目に、3回、s抗原製剤を注射することにより、一般的に、中和抗体の十分な
力価誘導される。予防接種を受けた患者は、10年以上、防御される。しかしながら、ワ
クチンは、治療のためには代用され得ない。

0012

急性B型肝炎ウイルス感染を有する患者は、高い自然寛解率のため、処置されない。し
かしながら、6ヶ月超にわたり、血中に検出可能なs抗原、e抗原、またはウイルスDNAを有
する患者は、慢性感染していると見なされる。逆転写酵素活性阻害剤としてのヌクレオ
ド類似体が、多くの患者のための第一選択処置である。ラミブジンテノホビル、また
エンテカビルは、時には検出不可能なレベルにまで、B型肝炎ウイルス複製を抑制する
肝機能の改善および肝臓炎症の低下が、最も重要な利益である。しかしながら、処置が
終わった後、完全な永続的な寛解を達成する患者はほとんどいない。さらに、B型肝炎
イルスは、処置の継続時間が増加するにつれ薬物耐性発達させる。これは、B型肝炎ウ
イルスおよびヒト免疫不全ウイルスに同時感染した患者について特に困難である。両方の
ウイルスが、ヌクレオシド類似薬に感受性であり、耐性を同時発達させる可能性がある。

0013

第二選択処置は、インターフェロンα投与である。ここで、患者は、6ヶ月の期間に
わたって高用量のインターフェロンαを受容する。ウイルス遺伝子型に依って、慢性感染
の最大50%が治癒可能である。しかしながら、アジア遺伝子型Bは、極めて低い応答率
与える。D型肝炎ウイルスまたはヒト免疫不全ウイルスによる同時感染は、インターフェ
ロンα治療を完全に無効にする。強度の肝傷害および重度の線維症性状態を有する患者は
、インターフェロンα治療の資格を有しない。

0014

B型肝炎ウイルス処置の領域における相当の進歩にも関わらず、ウイルスの遺伝子発現
を選択的かつ効率的にサイレンシングすることができ、複製を阻止し、続いて、慢性感染
患者におけるウイルス負荷を低下させる薬剤が、未だに必要とされている。

0015

二本鎖RNA分子(dsRNA)は、RNA干渉(RNAi)として公知の、高度に保存された調節機
序で、遺伝子発現を阻止することが示されている。本発明は、二本鎖リボ核酸分子(dsRN
A)、ならびにそのようなdsRNAを使用して、B型肝炎ウイルス遺伝子の発現、特に、細胞
組織、または哺乳動物におけるB型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害するための組成物
および方法を提供する。本発明は、慢性肝疾患/障害、炎症、線維症性状態、および癌の
ような増殖性障害のような、B型肝炎ウイルスの感染によって引き起こされる病理学的状
態および疾患を処置するかまたは防止するための組成物および方法も提供する。

0016

本発明は、B型肝炎ウイルス遺伝子の発現を選択的かつ効率的に減少させることができ
る二本鎖リボ核酸(dsRNA)分子を提供する。B型肝炎ウイルスRNAiの使用は、慢性肝疾患
/障害、炎症、線維症性状態、および癌のような増殖性障害に関連している疾患/障害の
治療的なかつ/または予防的な処置の方法を提供し、そのような方法は、B型肝炎ウイル
スを標的とするdsRNAのヒトまたは動物への投与を含む。

0017

一つの好ましい態様において、記載されたdsRNA分子は、少なくとも60%、好ましくは
少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも80%、B型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害
することができる。

0018

一つの態様において、本発明は、B型肝炎ウイルス遺伝子の発現、特に、B型肝炎ウイル
スの複製または病原性に関連した遺伝子の発現を阻害するための二本鎖リボ核酸(dsRNA
)分子を提供する。dsRNAは、互いに相補的な少なくとも2種の配列を含む。dsRNAは、第
一の配列を含むセンス鎖と、第二の配列を含むアンチセンス鎖とを含む。配列表に提供さ
れた配列、ならびに添付の表1および表2の中の具体的なdsRNA対も参照のこと。一つの態
様において、センス鎖は、B型肝炎ウイルスmRNAの少なくとも一部分と少なくとも90%の
同一性を有する配列を含む。該配列は、アンチセンス鎖と相補的なセンス鎖の領域、好ま
しくは、アンチセンス鎖の5'末端ヌクレオチド2〜7に位置する。一つの好ましい態様に
おいて、dsRNAは、コアタンパク質、ウイルスポリメラーゼ、表面抗原、e抗原、またはX
タンパク質をコードするB型肝炎ウイルス遺伝子を特異的に標的とする。さらに、dsRNAは
、遺伝子型A、B、C、およびDのB型肝炎ウイルスゲノム配列の間で高度に保存された核酸
配列を有するコンセンサス配列を特異的に標的とすることが好ましい。好ましくは、コン
センサス配列は、少なくとも13連続ヌクレオチド、より好ましくは、少なくとも17連続ヌ
クレオチド、最も好ましくは、少なくとも19連続ヌクレオチドの長さを有する。好ましい
高度に保存された核酸配列は、表5に列挙される。

0019

一つの態様において、アンチセンス鎖は、B型肝炎ウイルス遺伝子をコードするmRNAの
少なくとも一部分に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含み、相補領域は、最も好まし
くは、30ヌクレオチド長未満である。さらに、本明細書に記載された本発明のdsRNA分子
の長さ(二重鎖の長さ)は、約16〜30ヌクレオチドの範囲、特に、約18〜28ヌクレオチド
の範囲にあることが好ましい。本発明に関して特に有用であるのは、約19、20、21、22、
23、または24ヌクレオチドの二重鎖の長さである。最も好ましいのは、19、21、または23
ヌクレオチドの二重鎖ストレッチである。dsRNAは、B型肝炎ウイルスに感染した細胞へ送
達された時、少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは80%、イン
トロでB型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害する。
[本発明1001]
インビトロでB型肝炎ウイルス遺伝子の発現を少なくとも60%、好ましくは少なくとも7
0%、最も好ましくは少なくとも80%阻害することができる二本鎖リボ核酸分子であって
、二本鎖リボ核酸分子が、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、アンチセンス鎖が、セ
ンス鎖に少なくとも部分的に相補的であり、センス鎖が、B型肝炎ウイルスの複製または
病原性のために必要なタンパク質をコードするプレゲノムRNAおよび/またはmRNAの少な
くとも一部分と少なくとも90%の同一性を有する配列を含み、該配列が、(i)アンチ
ンス鎖に相補的なセンス鎖の領域に位置し、かつ(ii)30ヌクレオチド長未満である、二
本鎖リボ核酸分子
[本発明1002]
B型肝炎ウイルスの複製または病原性のために必要なタンパク質をコードするプレゲノ
ムRNAおよび/またはmRNAの前記一部分が、遺伝子型A、B、C、およびDのB型肝炎ウイルス
ゲノム配列間のコンセンサス配列を有する、本発明1001の二本鎖リボ核酸分子。
[本発明1003]
B型肝炎ウイルスの複製または病原性のために必要なタンパク質が、コアタンパク質、
ウイルスポリメラーゼ、表面抗原、e抗原、およびXタンパク質からなる群より選択される
、本発明1002の二本鎖リボ核酸分子。
[本発明1004]
アンチセンス鎖が1〜5ヌクレオチド長の3'突出部をさらに含む、本発明1003の二本鎖リ
核酸分子
[本発明1005]
アンチセンス鎖の前記突出部が、ウラシル、またはB型肝炎ウイルスの複製もしくは病
原性のために必要なタンパク質をコードする前記プレゲノムRNAおよび/もしくは前記mRN
Aに相補的なヌクレオチドを含む、本発明1004の二本鎖リボ核酸分子。
[本発明1006]
センス鎖が1〜5ヌクレオチド長の3'突出部をさらに含む、本発明1003の二本鎖リボ核酸
分子。
[本発明1007]
センス鎖の前記突出部が、ウラシル、またはB型肝炎ウイルスの複製もしくは病原性の
ために必要なタンパク質をコードする前記プレゲノムRNAおよび/もしくは前記mRNAと同
一のヌクレオチドを含む、本発明1006の二本鎖リボ核酸分子。
[本発明1008]
(a)センス鎖が、SEQID NO:1、2、3、4、5、6、7、または26のヌクレオチド1〜19を
順番通りに含み;
(b)アンチセンス鎖が、SEQ ID NO:157、158、160、161、162、163、164、または186
のヌクレオチド1〜19を順番通りに含み;かつ
(c)二本鎖リボ核酸分子が、SEQ ID NO:1/157、2/158、3/160、4/161、5/162、6/163
、7/164、および26/186からなる群より選択される配列対を含む、
本発明1003の二本鎖リボ核酸分子。
[本発明1009]
2'-O-メチル修飾ヌクレオチド、5'-ホスホロチオエート基を含むヌクレオチド、コレス
リル誘導体と連結された末端ヌクレオチドドデカン酸ビスデシルアミド基と連結され
た末端ヌクレオチド、2'-デオキシ-2'-フルオロ修飾ヌクレオチド、2'-デオキシ修飾ヌク
レオチド、ロックドヌクレオチド、脱塩基ヌクレオチドデオキシチミジン、逆向き(in
verted)デオキシチミジン、2'-アミノ修飾ヌクレオチド、2'-アルキル修飾ヌクレオチド
モルホリノヌクレオチド、ホスホルアミデート、および非天然塩基を含むヌクレオチド
からなる群より選択される修飾ヌクレオチドを少なくとも1つ含む、本発明1003の二本鎖
リボ核酸分子。
[本発明1010]
2'-O-メチル修飾ヌクレオチド、5'-ホスホロチオエート基を含むヌクレオチド、および
デオキシチミジンを含有している、本発明1009の二本鎖リボ核酸分子。
[本発明1011]
センス鎖またはアンチセンス鎖がデオキシチミジン1〜2個の突出部を含む、本発明1010
の二本鎖リボ核酸分子。
[本発明1012]
SEQ ID NO:321/485、322/486、324/488、325/489、326/490、327/491、328/492、およ
び350/514からなる群より選択される配列対を含む、本発明1011の二本鎖リボ核酸分子。
[本発明1013]
センス鎖またはアンチセンス鎖をコードする核酸配列を含む、本発明1003の二本鎖リボ
核酸分子。
[本発明1014]
(a)本発明1003において定義される少なくとも1種の二本鎖リボ核酸分子;
(b)本発明1003において定義される二本鎖リボ核酸分子を構成するセンス鎖もしくは
アンチセンス鎖をコードする少なくとも1種の核酸配列;または
(c)本発明1003において定義される少なくとも1種の二本鎖リボ核酸分子を含む細胞、
組織、もしくは非ヒト生物
を含む薬学的組成物
[本発明1015]
(a)各々が本発明1003において定義される第一および第二の二本鎖リボ核酸分子;
(b)各々が本発明1003において定義される第一および第二の二本鎖リボ核酸分子を構
成するセンス鎖もしくはアンチセンス鎖をコードする少なくとも1種の核酸配列;または
(c)各々が本発明1003において定義される第一および第二の二本鎖リボ核酸分子を含
む細胞、組織、もしくは非ヒト生物
を含む薬学的組成物。
[本発明1016]
第一および第二の二本鎖リボ核酸分子が互いに異なる、本発明1015の薬学的組成物。
[本発明1017]
第一および第二の二本鎖リボ核酸分子が、各々、B型肝炎ウイルスの複製または病原性
のために必要なタンパク質をコードするプレゲノムRNAおよび/またはmRNAの異なる一部
分と少なくとも90%の同一性を有する、本発明1016の薬学的組成物。
[本発明1018]
B型肝炎ウイルスの複製または病原性のために必要なタンパク質をコードするプレゲノ
ムRNAおよび/またはmRNAの前記異なる一部分が、異なるタンパク質をコードする、本発
明1017の薬学的組成物。
[本発明1019]
SEQ ID NO:322/486と333/497、322/486と346/510、322/486と330/494、および322/486
と324/488からなる群より選択される、第一の二本鎖リボ核酸分子と第二の二本鎖リボ核
酸分子との組み合わせを含む、本発明1018の薬学的組成物。
[本発明1020]
薬学的に許容される担体、安定剤、および/または希釈剤をさらに含む、本発明1014の
薬学的組成物。

図面の簡単な説明

0020

表1。B型肝炎ウイルス遺伝子を標的とするdsRNAのコア配列大文字はRNAヌクレオチドを表す。
図1−1の続きを示す。
図1−2の続きを示す。
図1−3の続きを示す。
表2。B型肝炎ウイルスを標的とするdsRNAの特徴決定単回投与による活性試験。大文字は、RNAヌクレオチドを表し、小文字「c」、「g」、「a」、および「u」は、2'O-メチル修飾ヌクレオチドを表し、「s」は、ホスホロチオエートを表し、「dT」は、デオキシチミジンを表し、「f」が後続する大文字A、C、G、Uは、2'-フルオロヌクレオチドを示す。小文字「p」は、5'-リン酸を示す。(invdT)は、逆向き(inverted)デオキシチミジン(3'-3'結合型)を表す。
図2−1の続きを示す。
図2−2の続きを示す。
図2−3の続きを示す。
図2−4の続きを示す。
図2−5の続きを示す。
表3。B型肝炎ウイルスを標的とするdsRNAの特徴決定:安定性。t1/2=実施例において定義される鎖の半減期
表4。B型肝炎ウイルス遺伝子を標的とするdsRNAのコア配列およびそれらの修飾型カウンターパート。大文字は、RNAヌクレオチドを表し、小文字「c」、「g」、「a」、および「u」は、2'O-メチル修飾ヌクレオチドを表し、「s」は、ホスホロチオエートを表し、「dT」は、デオキシチミジンを表し、「f」が後続する大文字A、C、G、Uは、2'-フルオロヌクレオチドを示す。小文字「p」は、5'-リン酸を示す。(invdT)は、逆向きデオキシチミジン(3'-3'結合型)を表す。
図4−1の続きを示す。
図4−2の続きを示す。
図4−3の続きを示す。
図4−4の続きを示す。
図4−5の続きを示す。
図4−6の続きを示す。
図4−7の続きを示す。
図4−8の続きを示す。
図4−9の続きを示す。
図4−10の続きを示す。
表5。B型肝炎ウイルスを標的とするdsRNAの標的部位配列、およびB型肝炎ウイルス遺伝子型A、B、C、およびDに関する被覆率。n=各遺伝子型利用可能なHBV配列の数。
図5−1の続きを示す。
図5−2の続きを示す。
図5−3の続きを示す。
図5−4の続きを示す。
表6。B型肝炎ウイルスゲノム配列のNCBI Genbankアクセッション番号。
図6−1の続きを示す。
図6−2の続きを示す。
図6−3の続きを示す。
図6−4の続きを示す。
図6−5の続きを示す。
図6−6の続きを示す。
表7。単一のdsRNAおよびそれらの組み合わせについてのノックダウン効力およびHBVゲノムの被覆の比較。表2から最も好成績であったdsRNAを用いて、2種のdsRNAの組み合わせについての活性試験を、10nMおよび1nMの最終濃度で行い、それぞれのデータと比較した。
図7−1の続きを示す。
表8。psiCHECK商標)-2スクリーニングアッセイにおいて使用された陰性対照dsRNAの配列。

0021

発明の詳細な説明
添付の表1は、本発明に係るdsRNAとして使用される好ましい分子に関する。修飾型dsRN
A分子も、本明細書に提供され、具体的には、本発明の修飾型dsRNA分子の例示的な例を提
供する添付の表2に開示される。本明細書において既に指摘されたように、表2は、本発明
の修飾型dsRNAの例示的な例を提供する(対応するセンス鎖およびアンチセンス鎖がこの
表に提供される)。表1に示される未修飾の好ましい分子の、表2の修飾型dsRNAとの関係
は、表4に例示される。しかし、本発明のdsRNAのこれらの構成要素の例示的な修飾は、修
飾の例として本明細書に提供されている。

0022

表3は、本発明のある種のdsRNA分子の選択的な生物学的、臨床的、および薬学的な関連
パラメーターを提供する。

0023

好ましいdsRNA分子のうちのいくつかが、添付の表1に提供され、とりわけ、好ましくは
、センス鎖は、SEQID NO:1、2、3、4、5、6、7、および26に示された核酸配列からなる
群より選択される。アンチセンス鎖は、SEQ ID NO:157、158、160、161、162、163、164
、および186に示された核酸配列からなる群より選択される。従って、本発明のdsRNA分子
は、とりわけ、SEQ ID NO:1/157、2/158、3/160、4/161、5/162、6/163、7/164、および2
6/186からなる群より選択される配列対を含み得る。本明細書に提供された具体的なdsRNA
分子に関して、SEQ ID NOの対は、表にも示されるように、対応するセンス鎖配列および
アンチセンス鎖配列(5'-3')に関する。

0024

一つの態様において、dsRNA分子は、1〜5ヌクレオチド長、好ましくは、1〜2ヌクレオ
チド長の3'突出部を有するアンチセンス鎖を含む。好ましくは、アンチセンス鎖の突出部
は、ウラシル、またはB型肝炎ウイルスの複製もしくは病原性のために必要なタンパク質
、特に、コアタンパク質、ウイルスポリメラーゼ、表面抗原、e抗原、およびXタンパク質
をコードするmRNAに相補的なヌクレオチドを含む。もう一つの好ましい態様において、ds
RNA分子は、1〜5ヌクレオチド長、好ましくは、1〜2ヌクレオチド長の3'突出部を有する
センス鎖を含む。好ましくは、センス鎖の突出部は、ウラシル、またはB型肝炎ウイルス
の複製もしくは病原性のために必要なタンパク質をコードするmRNAと同一のヌクレオチド
を含む。

0025

もう一つの好ましい態様において、dsRNA分子は、1〜5ヌクレオチド長、好ましくは、1
〜2ヌクレオチド長の3'突出部を有するセンス鎖と、1〜5ヌクレオチド長、好ましくは、1
〜2ヌクレオチド長の3'突出部を有するアンチセンス鎖とを含む。好ましくは、センス鎖
の突出部は、ウラシル、またはB型肝炎ウイルスの複製もしくは病原性のために必要なタ
ンパク質をコードするプレゲノムRNAおよび/もしくはmRNAと少なくとも90%同一のヌク
レオチドを含み、アンチセンス鎖の突出部は、ウラシル、またはB型肝炎ウイルスの複製
もしくは病原性のために必要なタンパク質をコードするmRNAに少なくとも90%相補的なヌ
クレオチドを含む。

0026

本発明のdsRNA分子は、天然に存在するヌクレオチドから構成されてもよいし、または2
'-O-メチル修飾ヌクレオチド、逆向きデオキシチミジン、5'-ホスホロチオエート基を含
むヌクレオチド、およびコレステリル誘導体もしくはドデカン酸ビスデシルアミド基と連
結された末端ヌクレオチドのような少なくとも1つの修飾ヌクレオチドから構成されても
よい。2'修飾ヌクレオチドは、本発明のdsRNA分子が、インビボで、例えば、医学的な環
境において利用される時、ある種の免疫刺激性因子またはサイトカインが抑制されると
いう付加的な利点を有し得る。あるいは、非限定的に、修飾ヌクレオチドは、以下の群よ
り選ばれてもよい:2'-デオキシ-2'-フルオロ修飾ヌクレオチド、2'-デオキシ修飾ヌクレ
オチド、ロックドヌクレオチド、脱塩基ヌクレオチド、2'-アミノ修飾ヌクレオチド、2'-
アルキル修飾ヌクレオチド、モルホリノヌクレオチド、ホスホルアミデート、および非天
塩基を含むヌクレオチド。一つの好ましい態様において、dsRNA分子は、以下の修飾ヌ
クレオチドのうちの少なくとも1種を含む:2'-O-メチル修飾ヌクレオチド、5'-ホスホ
チオエート基を含むヌクレオチド、およびデオキシチミジン。修飾ヌクレオチドを含む好
ましいdsRNA分子は、表2に与えられる。もう一つの好ましい態様において、両方の鎖の3'
におけるデオキシチミジンヌクレオチドのうちの1個は、逆向きデオキシチミジンである

0027

好ましい態様において、本発明のdsRNA分子は、表2に与えられた配列において詳細に示
される修飾ヌクレオチドを含む。一つの好ましい態様において、本発明のdsRNA分子は、S
EQID NO:1/157、2/158、3/160、4/161、5/162、6/163、7/164、および26/186からなる群
より選択される配列対を含み、アンチセンス鎖および/またはセンス鎖にデオキシチミジ
ン1〜2個の突出部を含む。一つの好ましい態様において、本発明のdsRNA分子は、SEQ ID
NO:1/157、2/158、3/160、4/161、5/162、6/163、7/164、および26/186からなる群より選
択される配列対を含み、表2に詳細に示される修飾を含む。修飾ヌクレオチドを含む好ま
しいdsRNA分子は、表2〜4に列挙され、最も好ましいdsRNA分子は、SEQ ID NO:321/485、3
22/486、324/488、325/489、326/490、327/491、328/492、および350/514に示される。

0028

もう一つの態様において、本発明のdsRNAは、表2に開示されたものと異なる位置に修飾
ヌクレオチドを含む。一つの好ましい態様において、2個のデオキシチミジンヌクレオチ
ドが、dsRNA分子の両方の鎖の3'に見出される。

0029

好ましくは、デオキシチミジンヌクレオチドは、突出部を形成する。

0030

一つの態様において、本発明のdsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、
両方の鎖が、少なくとも0.9時間の半減期を有する。一つの好ましい態様において、本発
明のdsRNA分子は、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み、両方の鎖が、好ましくは、ヒ
血清において、少なくとも48時間の半減期を有する。

0031

もう一つの態様において、本明細書において定義されるdsRNAに含まれるセンス鎖およ
び/またはアンチセンス鎖をコードする核酸配列が、提供される。

0032

本発明は、本発明のdsRNAのうちの少なくとも1種を含む細胞も提供する。細胞は、好ま
しくは、ヒト細胞のような哺乳動物細胞である。さらに、本明細書において定義されたds
RNA分子を含む組織および/または非ヒト生物が、本発明の態様であり、非ヒト生物は、
研究用に、または、例えば、薬物試験における研究道具として、特に有用である。

0033

さらに、本発明は、以下の工程を含む、細胞、組織、または生物におけるB型肝炎ウイ
ルス遺伝子、特に、コアタンパク質、ウイルスポリメラーゼ、表面抗原、e抗原、またはX
タンパク質をコードするB型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害する方法に関する:
(a)本明細書において定義される二本鎖リボ核酸(dsRNA)を、細胞、組織、または生物
へ導入する工程;および
(b)工程(a)において作製された細胞、組織、または生物を、B型肝炎ウイルス遺伝子
mRNA転写物の分解を入手するために十分な時間、維持し、それにより、所定の細胞にお
けるB型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害する工程。

0034

本発明は、少なくとも1種類の本発明のdsRNAを含む薬学的組成物にも関する。これらの
薬学的組成物は、細胞、組織、または生物におけるB型肝炎ウイルス遺伝子の発現の阻害
において特に有用である。

0035

好ましくは、少なくとも1種類の本発明の二本鎖リボ核酸分子は、B型肝炎ウイルス遺伝
子の複製または病原性のために必要なタンパク質をコードするプレゲノムRNAおよび/ま
たはmRNAの領域を標的とする。より好ましくは、本発明の二本鎖リボ核酸分子の標的領域
は、遺伝子型A、B、C、およびDのB型肝炎ウイルスゲノム配列の間で高度に保存されてい
るコンセンサス配列を含み、コンセンサス配列は、少なくとも13連続ヌクレオチド、好ま
しくは、少なくとも17連続ヌクレオチド、最も好ましくは、少なくとも19連続ヌクレオチ
ドの長さを有する。好ましい高度に保存された核酸配列は、表5に列挙される。薬学的組
成物は、B型肝炎ウイルスのいずれかの遺伝子型に感染した患者、またはB型肝炎ウイルス
の異なる遺伝子型に同時感染した患者を処置するために使用され得る。

0036

薬学的組成物が、少なくとも2種類の本発明の二本鎖リボ核酸分子を含む場合、二本鎖
リボ核酸分子の標的は、互いに異なることが好ましい。本発明の薬学的組成物は、患者を
処置し、かつB型肝炎ウイルスが薬学的組成物に対する耐性を発達させるのを防止するた
めに使用され得る。好ましい態様において、本発明の薬学的組成物は、表7に与えられた
配列に詳細に示されるdsRNA分子の組み合わせを含む。一つの好ましい態様において、本
発明の薬学的組成物は、SEQID NO:322/486と333/497、322/486と346/510、322/486と330
/494、および322/486と324/488からなる群より選択されるdsRNA対の組み合わせを含む。

0037

上記の薬学的組成物は、薬学的に許容される担体、希釈剤、および/または賦形剤も含
み得る。

0038

もう一つの態様において、本発明は、B型肝炎ウイルスに関連した慢性肝疾患/障害、
炎症、線維症性状態、および/または癌のような増殖性障害を処置するか、防止するか、
または管理する方法を提供し、方法は、そのような処置、防止、または管理を必要とする
対象へ、本発明のdsRNAのうちの1種または複数種を、治療的にまたは予防的に有効な量、
投与する工程を含む。好ましくは、対象は、哺乳動物、最も好ましくは、ヒト患者である

0039

一つの態様において、本発明は、B型肝炎ウイルスの感染によって媒介される病理学的
状態を有する対象を処置する方法を提供する。そのような状態には、上記のような慢性肝
疾患/障害、炎症、線維症性状態、および/または癌のような増殖性障害に関連した障害
が含まれる。この態様において、dsRNAは、B型肝炎ウイルス遺伝子の発現を制御するため
治療剤として機能する。方法は、B型肝炎ウイルス遺伝子の発現がサイレンシングされ
るよう、本発明の薬学的組成物を患者(例えば、ヒト)へ投与する工程を含む。高い特異
性のため、本発明のdsRNAは、B型肝炎ウイルス遺伝子のmRNAを特異的に標的とする。一つ
の好ましい態様において、記載されたdsRNAは、B型肝炎ウイルスmRNAレベルを特異的に減
少させ、細胞におけるオフターゲット遺伝子の発現および/またはmRNAレベルには直接影
響を与えない。

0040

一つの好ましい態様において、記載されたdsRNAは、肝臓におけるB型肝炎ウイルスmRNA
レベルを、インビボで、少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少
なくとも80%、減少させる。もう一つの態様において、記載されたdsRNAは、少なくとも4
日間、インビボで、B型肝炎ウイルスmRNAレベルを減少させる。もう一つの好ましい態様
において、本発明のdsRNAは、慢性肝疾患/障害、炎症、線維症性状態、および癌のよう
な増殖性障害の処置のための薬学的組成物の調製のために使用される。該薬学的組成物に
より処置されるそのような疾患には、慢性肝炎(CH)、肝硬変(HC)、および肝細胞癌
HCC)が含まれるが、これらに限定されない。

0041

もう一つの態様において、本発明は、本発明のdsRNA分子の少なくとも一方の鎖をコー
ドするヌクレオチド配列に機能的に連結された調節配列を含む、細胞におけるB型肝炎ウ
イルス遺伝子、特に、B型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害するためのベクターを提供す
る。

0042

もう一つの態様において、本発明は、細胞におけるB型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻
害するためのベクターを含む細胞を提供する。該ベクターは、本発明のdsRNA分子の少な
くとも一方の鎖をコードするヌクレオチド配列に機能的に連結された調節配列を含む。し
かし、該ベクターは、調節配列に加えて、本発明のdsRNAの少なくとも1種の「センス鎖」
および該dsRNAの少なくとも1種の「アンチセンス鎖」をコードする配列を含むことが好ま
しい。特許請求の範囲に記載された細胞が、調節配列に加えて、本発明のdsRNA分子の少
なくとも一方の鎖をコードする本明細書において定義された配列を含むベクターを2種以
上含むことも、構想される。

0043

一つの態様において、方法は、処置される哺乳動物のB型肝炎ウイルス遺伝子のRNA転写
物の少なくとも一部分に相補的なヌクレオチド配列を含むdsRNAを含む組成物を投与する
工程を含む。既に指摘されたように、本明細書において定義されたdsRNA分子の少なくと
も一方の鎖をコードする核酸分子を含むベクターおよび細胞も、薬学的組成物として使用
され得、従って、医学的介入を必要とする対象を処置する本明細書に開示された方法にお
いて利用され得る。薬学的組成物および(ヒト)対象を処置する対応する方法に関するこ
れらの態様が、遺伝子治療アプローチのようなアプローチにも関係することも注意される

0044

本明細書に提供されるB型肝炎ウイルス特異的なdsRNA分子、またはこれらの本発明のds
RNA分子の個々の鎖をコードする核酸分子は、ベクターに挿入され、ヒト患者のための遺
伝子治療ベクターとして使用されてもよい。遺伝子治療ベクターは、例えば、静脈内注射
局所投与(米国特許第5,328,470号を参照のこと)、または定位注射(例えば、Chen et
al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1994)91:3054-3057を参照のこと)によって、対象へ送達
れ得る。遺伝子治療ベクターの薬学的調製物は、許容される希釈剤の中に遺伝子治療ベク
ターを含んでいてもよいし、または遺伝子送達媒体が埋め込まれた徐放性マトリックス
含んでいてもよい。あるいは、組換え細胞から損なわれることなく完全な遺伝子送達ベク
ター、例えば、レトロウイルスベクターが産生され得る場合には、薬学的調製物は、遺伝
子送達系を産生する1種または複数種の細胞を含んでいてもよい。

0045

本発明のもう一つの局面において、B型肝炎ウイルス遺伝子発現活性をモジュレート
るB型肝炎ウイルス特異的なdsRNA分子は、DNAベクターまたはRNAベクターへ挿入された転
写単位から発現される(例えば、Skillern Aら、国際PCT公開番号WO00/22113を参照のこ
と)。これらのトランスジーンは、宿主ゲノムへ組み込まれたトランスジーンとして取り
込まれ遺伝され得る、直鎖状構築物環状プラスミド、またはウイルスベクターとして導
入され得る。染色体外プラスミドとして遺伝され得るよう、トランスジーンを構築するこ
ともできる(Gassmann et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1995)92:1292)。

0046

dsRNAの個々の鎖が、2種の別々の発現ベクター上のプロモーターによって転写され、標
的細胞へコトランスフェクトされてもよい。あるいは、両方とも同一の発現プラスミド
に位置するプロモーターによって、dsRNAの個々の鎖が各々転写されてもよい。好ましい
態様において、dsRNAは、dsRNAがステムループ構造を有するよう、リンカーポリヌクレオ
チド配列によって接合された逆方向反復配列として発現される。

0047

組換えdsRNA発現ベクターは、好ましくは、DNAプラスミドまたはウイルスベクターであ
る。dsRNA発現ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス概説に関しては、Muzyczka et
al.,Curr.Topics Micro.Immunol.(1992)158:97-129を参照のこと);アデノウイルス
例えば、Berkner et al.,BioTechniques(1998)6:616;Rosenfeld et al.Science(1991)25
2:431-434;およびRosenfeld et al.Cell(1992)68:143-155を参照のこと);またはアル
ファウイルス、ならびに当技術分野において公知のその他のものに基づき構築され得るが
、これらに限定されない。レトロウイルスは、インビトロおよび/またはインビボで、上
皮細胞を含む多くの異なる細胞型へ多様な遺伝子を導入するために使用されている(例え
ば、Danos and Mulligan,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1998)85:6460-6464を参照のこと)。
遺伝子を細胞のゲノムへ形質導入し、挿入された遺伝子を発現することができる組換えレ
トロウイルスベクターは、PA317およびPsi-CRIPのような適当なパッケージング細胞株
組換えレトロウイルスゲノムをトランスフェクトすることにより作製され得る(Comette
et al.,Human Gene Therapy(1991)2:5-10;Cone et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1984)8
1:6349)。組換えアデノウイルスベクターは、感受性宿主(例えば、ラットハムスター
イヌ、およびチンパンジー)において多様な細胞および組織を感染させるために使用さ
れ得(Hsu et al.,J.Infectious Disease,(1992)166:769)、有系分裂活性を有する細胞
を感染のために必要としないという利点も有する。

0048

本発明のDNAプラスミドまたはウイルスベクターのいずれかにおいてdsRNA発現を駆動す
るプロモーターは、真核生物RNAポリメラーゼI(例えば、リボソームRNAプロモーター
)、RNAポリメラーゼII(例えば、CMV初期プロモーターもしくはアクチンプロモーター
しくはU1 snRNAプロモーター)、または、好ましくは、RNAポリメラーゼIIIプロモーター
(例えば、U6 snRNAもしくは7SKRNAプロモーター)であってもよいし、または原核生物
プロモーターであってもよく、例えば、発現プラスミドがT7プロモーターからの転写のた
めに必要とされるT7 RNAポリメラーゼもコードするのであれば、T7プロモーターであり得
る。プロモーターは、トランスジーン発現を膵臓へ差し向けることができるものであって
もよい(例えば、insulin regulatory sequence for pancreas(Bucchini et al.,Proc.N
atl.Acad.Sci.USA(1986)83:2511-2515)を参照のこと)。

0049

さらに、トランスジーンの発現は、例えば、ある種の生理学調節因子、例えば、循環
血中グルコースレベルまたはホルモンに感受性の調節配列のような、誘導可能な調節配列
および発現系を使用することにより、正確に調節され得る(Docherty et al.,FASEB J.(1
994)8:20-24)。細胞または哺乳動物におけるトランスジーン発現の制御のために適当な
、そのような誘導可能な発現系には、エクジソンエストロゲンプロゲステロン、テト
サイクリン二量体化化学的誘導剤、およびイソプロピル-β-D1-チオガラクトピラ
ノシド(IPTG)による調節が含まれる。当業者は、dsRNAトランスジーンの意図された使
用に基づき、適切な調節/プロモーター配列を選ぶことができるであろう。

0050

好ましくは、dsRNA分子を発現することができる組換えベクターは、下記のように送達
され、標的細胞内に存続する。あるいは、dsRNA分子の一過性発現を提供するウイルスベ
クターが使用されてもよい。そのようなベクターは、必要に応じて、反復投与されてもよ
い。発現された後、dsRNAは標的RNAに結合し、その機能または発現をモジュレートする。
dsRNA発現ベクターの送達は、静脈内投与もしくは筋肉内投与のような全身性のものであ
ってもよいし、患者から外植された標的細胞へ投与した後、患者へ再導入することによっ
てもよいし、または所望の標的細胞への導入を可能にするその他の任意の手段によっても
よい。

0051

dsRNA発現DNAプラスミドは、典型的には、カチオン性脂質担体(例えば、Oligofectami
ne)または非カチオン性脂質型担体(例えば、Transit-TKO(商標))との複合体として
標的細胞へトランスフェクトされる。単一のB型肝炎ウイルス遺伝子の異なる領域または
複数のB型肝炎ウイルス遺伝子を標的とするdsRNAにより媒介されるノックダウンのための
、1週間以上の期間にわたる、複数回の脂質トランスフェクションも、本発明によって企
図される。宿主細胞への本発明のベクターの成功した導入は、様々な公知の方法を使用し
てモニタリングされ得る。例えば、一過性トランスフェクションは、緑色蛍光タンパク質
(GFP)のような蛍光マーカーのようなレポーターによってシグナル伝達され得る。エク
ビボの細胞の安定的なトランスフェクションは、ハイグロマイシンB耐性のような、特
定の環境因子(例えば、抗生物質および薬物)に対する耐性を、トランスフェクトされた
細胞に提供するマーカーを使用して、確実にされ得る。

0052

以下の詳細な説明は、標的B型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害するためのdsRNAおよび
dsRNAを含有している組成物を作成し使用する方法、ならびにB型肝炎ウイルスの感染によ
って引き起こされる疾患および障害を処置するための組成物および方法を開示する。

0053

定義
便宜のため、明細書、実施例、および添付の特許請求の範囲において使用されるいくつ
かの用語および語句の意味を、以下に提供する。本明細書の他の部分における用語の使用
法とこのセクションに提供されたその定義との間に明白な相違が存在する場合、このセク
ションにおける定義が優先されるものとする。

0054

「G」、「C」、「A」、「U」、および「T」、または「dT」は、各々、それぞれ、塩基
としてグアニンシトシンアデニン、ウラシル、およびデオキシチミジンを含有してい
るヌクレオチドを一般に表す。しかしながら、「リボヌクレオチド」または「ヌクレオチ
ド」という用語は、以下にさらに詳述される修飾ヌクレオチドまたは代理置換モエティ
さすこともできる。そのような置換モエティを含む配列は、本発明の態様である。以下に
詳述されるように、本明細書に記載されたdsRNA分子は、「突出部」、即ち、本明細書に
おいて定義された「センス鎖」および「アンチセンス鎖」の対によって通常形成されるRN
A二重ヘリックス構造に直接関与しない不対の突出ヌクレオチドも含み得る。しばしば、
そのような突出ストレッチは、デオキシチミジンヌクレオチド、大部分の態様において、
2個のデオキシチミジンを3'末に含む。そのような突出部は、以下に記載され例示される
であろう。

0055

「B型肝炎ウイルス遺伝子」という用語は、本明細書において使用されるように、B型
炎ウイルスの複製および病原性のために必要な遺伝子、特に、コアタンパク質、ウイルス
ポリメラーゼ、表面抗原、e抗原、およびXタンパク質をコードする遺伝子、ならびにそれ
らの機能的断片をコードする遺伝子に関する。「B型肝炎ウイルス遺伝子/配列」という
用語は、野生型配列のみならず、該遺伝子/配列に含まれ得る変異および改変にも関する
。従って、本発明は、本明細書に提供される具体的なdsRNA分子に限定されない。本発明
は、そのような変異/改変を含むB型肝炎ウイルス遺伝子のRNA転写物の対応するヌクレオ
ドストレッチに少なくとも85%相補的なアンチセンス鎖を含むdsRNA分子にも関する。

0056

本明細書において使用されるように、「コンセンサス配列」という用語は、遺伝子型A
、B、C、およびDのB型肝炎ウイルスゲノム配列の間で高度に保存されている少なくとも13
個の連続ヌクレオチド、好ましくは、少なくとも17個の連続ヌクレオチド、最も好ましく
は、少なくとも19個の連続ヌクレオチドをさす。

0057

本明細書において使用されるように、「標的配列」とは、一次転写産物のRNAプロセシ
ングの産物であるmRNAを含む、B型肝炎ウイルス遺伝子の転写において形成されたmRNA分
子のヌクレオチド配列の連続する一部分をさす。

0058

本明細書において使用されるように、「配列を含む鎖」という用語は、標準的なヌクレ
オチド命名法を使用して言及された配列によって記載されるヌクレオチドの鎖を含むオリ
ゴヌクレオチドをさす。しかしながら、本明細書において詳述されるように、そのような
「配列を含む鎖」は、修飾ヌクレオチドのような修飾も含み得る。

0059

本明細書において使用されるように、他に示されない限り、「相補的」という用語は、
第二のヌクレオチド配列に関して第一のヌクレオチド配列を記載するために使用される時
、第二のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドと、ある種
の条件の下で、ハイブリダイズして二重鎖構造を形成する、第一のヌクレオチド配列を含
むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの能力をさす。「相補的」な配列は、本明
細書において使用されるように、ハイブリダイズする能力に関する上記の要件が満たされ
る限り、非ワトソンクリック塩基対、および/または非天然の修飾ヌクレオチドから形成
された塩基対を含むか、またはそれらから完全に形成されていてもよい。

0060

「完全に相補的」と言及される配列は、第一および第二のヌクレオチド配列の全長にお
いて、第一のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの、第
二のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドとの塩基対合
含む。

0061

しかしながら、本明細書において、第一の配列が第二の配列に関して「実質的に相補的
」と言及される場合、2種の配列は、完全に相補的であってもよいし、またはハイブリ
イゼーション時に1個もしくは複数個、好ましくは、13個以下のミスマッチ塩基対を形成
してもよい。

0062

本明細書において、「相補的」、「完全に相補的」、および「実質的に相補的」という
用語は、使用の状況から理解されるように、dsRNAのセンス鎖とアンチセンス鎖との間、
またはdsRNAのアンチセンス鎖と標的配列との間の塩基マッチングに関して使用され得る

0063

二本鎖RNA」、「dsRNA分子」、または「dsRNA」という用語は、本明細書において使
用されるように、2本の逆平行の実質的に相補的な核酸鎖を含む二重鎖構造を有するリボ
核酸分子またはリボ核酸分子の複合体をさす。二重鎖構造を形成する2本の鎖は、一つの
より大きなRNA分子の異なる一部分であってもよいし、または別々のRNA分子であってもよ
い。2本の鎖が一つのより大きな分子の一部分であって、従って、二重鎖構造を形成する
一方の鎖の3'末と、それぞれの他方の鎖の5'末との間で、中断されていないヌクレオチド
鎖によって接続されている場合、接続しているRNA鎖は「ヘアピンループ」と呼ばれる。2
本の鎖が、二重鎖構造を形成する一方の鎖の3'末と、それぞれの他方の鎖の5'末との間で
、中断されていないヌクレオチド鎖以外の手段によって共有結合的に接続されている場合
、接続している構造は「リンカー」と呼ばれる。RNA鎖は、同一の数または異なる数のヌ
クレオチドを有し得る。二重鎖構造に加えて、dsRNAは、1種または複数種のヌクレオチド
突出部を含んでいてもよい。「突出部」におけるヌクレオチドは、0〜5個のヌクレオチド
を含み得る。ここで、「0」とは、「突出部」を形成する付加的なヌクレオチドが存在し
ないことを意味し、「5」とは、dsRNA二重鎖の個々の鎖に5個の付加的なヌクレオチドが
存在することを意味する。これらの随意の「突出部」は、個々の鎖の3'末に位置する。以
下に詳述されるように、2本の鎖のうちの一方にのみ「突出部」を含むdsRNA分子も、本発
明に関して有用であり、有利ですらあり得る。「突出部」は、好ましくは、0〜2個のヌク
レオチドを含む。最も好ましくは、2個の「dT」(デオキシチミジン)ヌクレオチドが、d
sRNAの両方の鎖の3'末に見出される。2個の「U」(ウラシル)ヌクレオチドが、dsRNAの
両方の鎖の3'末に突出部として使用されてもよい。従って、「ヌクレオチド突出部」とは
、dsRNAの一方の鎖の3'末が、他方の鎖の5'末を越えて伸長する時、またはその逆の時、d
sRNAの二重鎖構造から突出する1個または複数個の不対ヌクレオチドをさす。例えば、ア
ンチセンス鎖が23個のヌクレオチドを含み、センス鎖が21個のヌクレオチドを含み、アン
チセンス鎖の3'末に2ヌクレオチドの突出部が形成される。好ましくは、2ヌクレオチド突
出部は、標的遺伝子のmRNAに完全に相補的である。「平滑」または「平滑末端」とは、ds
RNAのその末に不対ヌクレオチドが存在しないこと、即ち、ヌクレオチド突出部が存在し
ないことを意味する。「平滑末端を有する」dsRNAとは、その全長において二本鎖である
、即ち、分子のいずれの末にもヌクレオチド突出部が存在しないdsRNAである。

0064

「アンチセンス鎖」という用語は、標的配列に実質的に相補的な領域を含むdsRNAの鎖
をさす。本明細書において使用されるように、「相補領域」という用語は、ある配列、例
えば、標的配列に実質的に相補的なアンチセンス鎖上の領域をさす。相補領域が標的配列
に完全に相補的でない場合、ミスマッチは、アンチセンス鎖の5'末端のヌクレオチド2〜7
の外側で最も容認される。

0065

「センス鎖」という用語は、本明細書において使用されるように、アンチセンス鎖のあ
る領域に実質的に相補的な領域を含むdsRNAの鎖をさす。「実質的に相補的」とは、好ま
しくは、センス鎖およびアンチセンス鎖のオーバーラップするヌクレオチドの少なくとも
85%が相補的であることを意味する。

0066

当業者によって理解されるように、「細胞への導入」とは、dsRNAに言及する時、細胞
への取り込みまたは吸収を容易にすることを意味する。dsRNAの吸収または取り込みは、
援助なしの拡散過程もしくは能動的な細胞過程を通して、または補助的な薬剤もしくは装
置によって起こり得る。この用語の意味は、インビトロの細胞に限定されず;細胞が生存
している生物の一部分である場合にも、dsRNAが「細胞へ導入」され得る。そのような場
合、細胞への導入は、生物への送達を含むであろう。例えば、インビボ送達のため、dsRN
Aは、組織部位へ注射されてもよいし、または全身投与されてもよい。例えば、本発明のd
sRNA分子は、医学的介入を必要とする対象へ投与されることが構想される。そのような投
与は、対象の疾患部位、例えば、肝組織/細胞、または肝臓癌組織のような癌組織/細胞
への、本発明のdsRNA、ベクター、または細胞の注射を含み得る。さらに、注射は、好ま
しくは、構想された疾患組織近位になされる。細胞へのインビトロ導入には、電気穿孔
およびリポフェクションのような、当技術分野において公知の方法が含まれる。

0067

本明細書において使用されるように、「慢性肝疾患/障害」とは、ウイルスの感染によ
って引き起こされ得る、6ヶ月超続く、肝臓の機能的異常をさす。慢性肝疾患/障害の一
例は、慢性肝炎(CH)である。

0068

「炎症」という用語は、本明細書において使用されるように、有害な刺激、例えば、病
原体、傷害を受けた細胞、または刺激物によって引き起こされ得る損傷、過敏、または疾
患に対する身体組織生物学的応答をさす。炎症は、典型的には、疼痛および腫脹を特徴
とする。炎症には、炎症過程活発である急性応答(例えば、好中球および白血球)と、
緩徐な進行、炎症部位に存在する細胞の型のシフト、および結合組織の形成によって特徴
付けられる慢性応答との両方が包含されるものとする。炎症により引き起こされる疾患の
一つの例は、線維症である。

0069

「線維症性状態」という用語は、本明細書において使用されるように、線維組織成長
によって引き起こされ得る器官の機能的問題をさす。そのような種類の疾患の一つのその
ような例は、肝硬変(HC)である。

0070

「増殖する」および「増殖」という用語は、本明細書において使用されるように、有糸
分裂を行う細胞をさす。本願の全体にわたって、「増殖性障害」という用語は、組織の不
要なまたは異常な増殖によって特徴付けられる任意の疾患/障害をさす。本明細書におい
て使用されるように、「増殖性障害」という用語は、細胞の調節されないかつ/または異
常な成長が、癌性であってもよいし、または非癌性であってもよい、望まれない状態また
は疾患の発症をもたらし得る状態をさす。

0071

処置される癌には、肝臓癌が含まれるが、これに限定されず、肝臓癌は、とりわけ、肝
細胞癌(HCC)、肝芽腫混合型肝臓癌、間葉組織に由来する癌、肝臓肉腫、または胆管
細胞癌からなる群より選択される。

0072

本明細書において、「サイレンシングする」、「発現を阻害する」、および「ノック
ウンする」という用語は、B型肝炎ウイルス遺伝子をさす限り、B型肝炎ウイルス遺伝子が
転写され、B型肝炎ウイルス遺伝子の発現が阻害されるよう処理された第一の細胞または
細胞群から単離され得るB型肝炎ウイルス遺伝子から転写されるmRNAの量の、第一の細胞
もしくは細胞群と実質的に同一であるが、そのような処理を受けていない第二の細胞もし
くは細胞群(対照細胞)と比較した、低下によって顕在化する、B型肝炎ウイルス遺伝子
の発現の少なくとも部分的な抑制をさす。阻害の程度は、一般的に、

によって表される。あるいは、阻害の程度は、B型肝炎ウイルス遺伝子転写に機能的に関
連しているパラメーター、例えば、細胞によって分泌されるB型肝炎ウイルス遺伝子によ
ってコードされるタンパク質の量、またはある種の表現型を示す細胞の数の低下によって
与えられてもよい。

0073

本明細書に提供された添付の実施例および添付の表に例示されるように、本発明のdsRN
A分子は、インビトロアッセイにおいて、即ち、インビトロで、少なくとも約60%、好ま
しくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも80%、B型肝炎ウイルスの発現を阻害
することができる。「インビトロ」という用語には、本明細書において使用されるように
細胞培養アッセイが含まれるが、これに限定されない。当業者は、特に、本明細書に提
供されたアッセイを考慮すれば、そのような阻害率および関連効果を容易に決定すること
ができる。

0074

「オフターゲット」という用語は、本明細書において使用されるように、インシリコ
方法によって、配列相補性に基づき、記載されたdsRNAにハイブリダイズすると予測され
る、トランスクリプトームの全ての非標的mRNAをさす。本発明のdsRNAは、好ましくは、B
型肝炎ウイルス遺伝子の発現を特異的に阻害し、即ち、オフターゲットの発現を阻害しな
い。

0075

「半減期」という用語は、本明細書において使用されるように、化合物または分子の安
定性の尺度であり、特に、本明細書に提供されるアッセイを考慮して、当業者に公知の方
法によって査定され得る。

0076

非免疫刺激性」という用語は、本明細書において使用されるように、本発明のdsRNA
分子による免疫応答の誘導の欠如をさす。実施例セクションに記載されるように、免疫応
答を決定する方法は、当業者に周知であり、例えば、サイトカインの放出の査定による。

0077

「処置する」、「処置」等の用語は、本発明に関して、慢性肝疾患/障害、炎症、線維
性状態、および癌のような増殖性障害のようなB型肝炎ウイルス感染に関連した障害の
緩解または軽減を意味する。

0078

本明細書において使用されるように、「薬学的組成物」は、薬理学的に有効な量の少な
くとも1種類のdsRNAと、薬学的に許容される担体とを含む。しかしながら、そのような「
薬学的組成物」は、そのようなdsRNA分子の個々の鎖を含んでいてもよいし、または本発
明のdsRNAに含まれるセンス鎖もしくはアンチセンス鎖の少なくとも一方の鎖をコードす
るヌクレオチド配列に機能的に連結された調節配列を含む本明細書に記載されたベクター
を含んでいてもよい。本明細書において定義されたdsRNAを発現するかまたは含む細胞、
組織、または単離された器官が「薬学的組成物」として使用され得ることも構想される。
本明細書において使用されるように、「薬理学的に有効な量」、「治療的に有効な量」、
または、単に「有効量」とは、意図された薬理学的、治療的、または防止的な結果を生ず
るために有効なRNAの量をさす。

0079

「薬学的に許容される担体」という用語は、治療剤の投与のための担体をさす。そのよ
うな担体には、生理食塩水緩衝生理食塩水デキストロース、水、グリセロールエタ
ノール、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。細胞培養培地
は、特別に、その用語から除外される。経口投与される薬物のための、薬学的に許容され
る担体には、当業者に公知の、不活性希釈剤崩壊剤結合剤、滑択剤、甘味剤風味剤
着色剤、および保存剤のような、薬学的に許容される賦形剤が含まれるが、これらに限
定されない。

0080

具体的には、薬学的に許容される担体は、本発明のdsRNA、ベクター、または細胞の全
身投与を可能にすると構想される。経腸投与も構想され、薬物の非経口投与および経皮
たは経粘膜(例えば、通気頬側肛門)投与、ならびに吸入も、医学的介入を必要
とする患者へ本発明の化合物を投与するための実行可能な方式である。非経口投与が利用
される時、これは、疾患組織または少なくともその近位への本発明の化合物の直接注射を
含み得る。しかしながら、本発明の化合物の静脈内、動脈内、皮下、筋肉内、腹腔内、皮
内、くも膜下腔内、およびその他の投与も、当業者、例えば、主治医の技術の範囲内にあ
る。

0081

筋肉内、皮下、および静脈内の使用のため、本発明の薬学的組成物は、一般に、適切な
pHおよび等張性緩衝された、無菌水性溶液または懸濁物で提供されるであろう。好
ましい態様において、担体は、水性緩衝液から排他的になる。これに関して、「排他的」
とは、dsRNAの取り込みに影響を与えるかまたはそれを媒介する可能性のある補助的な薬
剤または封入物質が、B型肝炎ウイルス遺伝子を発現する細胞に存在しないことを意味す
る。本発明に係る水性懸濁物は、セルロース誘導体アルギン酸ナトリウムポリビニル
ピロリドン、およびトラガントのような懸濁剤、ならびにレシチンのような湿潤剤を含み
得る。水性懸濁物のための適当な保存剤には、p-ヒドロキシ安息香酸エチルおよびp-ヒド
ロキシ安息香酸n-プロピルが含まれる。本発明により有用な薬学的組成物には、インプラ
ントおよびマイクロカプセル化送達系を含む、放出制御製剤のような、身体からの迅速な
排除に対してdsRNAを防御するための封入製剤も含まれる。エチレン酢酸ビニルポリ酸
無水物、ポリグリコール酸コラーゲンポリオルトエステル、およびポリ乳酸のような
生分解性生体適合性ポリマーが、使用され得る。そのような製剤の調製の方法は、当
業者には明白であろう。リポソーム懸濁物および二特異性抗体も、薬学的に許容される担
体として使用され得る。これらは、当業者に公知の方法により、例えば、参照によって本
明細書に組み入れられるPCT公開WO91/06309およびWO2011/003780に記載されるようにして
調製され得る。

0082

本明細書において使用されるように、「形質転換細胞」とは、dsRNA分子またはそのよ
うなdsRNA分子の少なくとも一方の鎖が発現され得る、少なくとも1種のベクターが導入さ
れた細胞である。そのようなベクターは、好ましくは、本発明のdsRNAのセンス鎖または
アンチセンス鎖の少なくとも一方をコードするヌクレオチド配列に機能的に連結された調
節配列を含むベクターである。

0083

表1および4の中の配列のうちの1種を含むが、一方または両方の末の数ヌクレオチドを
欠く、より短いdsRNAは、上記のdsRNAと比較して、同様に有効であり得ることが合理的に
期待される。

0084

一つの好ましい態様において、本発明のdsRNA分子は、表1に与えられた配列のヌクレオ
チド1〜19を含む。

0085

既に指摘されたように、本発明の大部分の態様において、本明細書に提供されたdsRNA
分子は、約16〜約30ヌクレオチドの二重鎖の長さ(即ち、「突出部」なし)を含む。特定
の有用なdsRNA二重鎖の長さは、約19〜約25ヌクレオチドである。最も好ましいのは、19
ヌクレオチドの長さを有する二重鎖構造である。本発明のdsRNA分子において、アンチセ
ンス鎖は、センス鎖に少なくとも部分的に相補的である。

0086

本発明のdsRNAは、標的配列に対する1個または複数個のミスマッチを含有していてもよ
い。好ましい態様において、本発明のdsRNAは、13個以下のミスマッチを含有している。d
sRNAのアンチセンス鎖が標的配列に対するミスマッチを含有している場合、ミスマッチの
区域は、アンチセンス鎖の5'末端のヌクレオチド2〜7に位置していないことが好ましい。
もう一つの態様において、ミスマッチの区域は、アンチセンス鎖の5'末端のヌクレオチド
2〜9に位置していないことが好ましい。

0087

前述のように、dsRNAの少なくとも1個の末端/鎖は、1〜5ヌクレオチド、好ましくは、
1または2ヌクレオチドの一本鎖ヌクレオチド突出部を有し得る。少なくとも1個のヌクレ
オチド突出部を有するdsRNAは、平滑末端を有するカウンターパートより予想外に優れた
阻害特性を有する。さらに、本発明者らは、わずか1個のヌクレオチド突出部の存在が、
全体安定性に影響を与えることなく、dsRNAの干渉活性を強化することを発見した。わず
か1個の突出部を有するdsRNAは、インビボでも、多様な細胞、細胞培養培地、血液、およ
び血清でも、特に安定しており有効であることが判明した。好ましくは、一本鎖突出部は
、アンチセンス鎖の3'末端、あるいはセンス鎖の3'末端に位置する。dsRNAは、好ましく
は、アンチセンス鎖の5'末に位置する、平滑末端を有していてもよい。好ましくは、dsRN
Aのアンチセンス鎖は、3'末にヌクレオチド突出部を有し、5'末は平滑末端である。もう
一つの態様において、突出部におけるヌクレオチドのうちの1個または複数個が、ヌクレ
オシドチオリン酸に置換される。

0088

本発明のdsRNAは、安定性を増強するため、化学的に修飾されてもよい。本発明の核酸
は、当技術分野においてよく確立された方法によって、合成されかつ/または修飾され得
る。化学的修飾には、2'修飾、非天然塩基の導入、リガンドへの共有結合性の付着、およ
リン酸結合のチオリン酸結合への置換、逆向きデオキシチミジンが含まれ得るが、これ
らに限定されない。この態様において、二重鎖構造の完全性は、少なくとも1個、好まし
くは、2個の化学結合によって強化される。化学的連結は、多様な周知の技術のうちのい
ずれかによって、例えば、共有結合、イオン結合、もしくは水素結合の導入;疎水性相
作用、ファンデルワールス相互作用もしくはスタッキング相互作用;金属イオン配位、ま
たはプリン類似体の使用によって、達成され得る。好ましくは、dsRNAを修飾するために
使用され得る化学基には、限定されないが、メチレンブルー二官能性基、好ましくは、
ビス(2-クロロエチル)アミン;N-アセチル-N'-(p-グリオキシルベンゾイル)シスタミン
4-チオウラシル;およびソラレンが含まれる。一つの好ましい態様において、リンカーは
ヘキサエチレングリコールリンカーである。この場合、dsRNAは、固相合成によって作製
され、ヘキサエチレングリコールリンカーが標準的な方法によって組み入れられる(例え
ば、Williams DJ and HallKB,Biochem.(1996)35:14665-14670)。具体的な態様において
、アンチセンス鎖の5'末とセンス鎖の3'末が、ヘキサエチレングリコールリンカーを介し
て化学的に連結される。もう一つの態様において、dsRNAの少なくとも1個のヌクレオチド
は、ホスホロチオエート基またはホスホロジチオエート基を含む。dsRNAの末における化
学結合は、好ましくは、三重ヘリックス結合によって形成される。

0089

ある種の態様において、化学結合は、1個または数種の結合基によって形成され得、そ
のような結合基は、好ましくは、ポリ-(オキシスフィニコオキシ-1,3-プロパンジオ
ル)鎖および/またはポリエチレングリコール鎖であり得る。他の態様において、化学
合は、プリンの代わりに二本鎖構造へ導入されたプリン類似体によって形成され得る。さ
らなる態様において、化学結合は、二本鎖構造へ導入されたアザベンゼン単位によって形
成され得る。さらなる態様において、化学結合は、ヌクレオチドの代わりに二本鎖構造へ
導入された分岐型ヌクレオチド類似体によって形成され得る。ある種の態様において、化
学結合は紫外線によって誘導され得る。

0090

さらにもう一つの態様において、2本の一本鎖のうちの一方または両方のヌクレオチド
が、細胞酵素、例えば、ある種のヌクレアーゼの活性化を防止するかまたは阻害するため
に修飾され得る。細胞酵素の活性化を阻害するための技術は、当技術分野において公知で
あり、2'-アミノ修飾、2'-アミノ糖修飾、2'-F糖修飾、2'-F修飾、2'-アルキル糖修飾、
無電荷骨格修飾、モルホリノ修飾、2'-O-メチル修飾、およびホスホルアミデートが含ま
れるが、これらに限定されない(例えば、Wagner,Nat.Med.(1995)1:1116-8を参照のこと
)。このように、dsRNA上のヌクレオチドの少なくとも1個の2'-ヒドロキシル基は、化学
基、好ましくは、2'-アミノ基または2'-メチル基に置換される。また、少なくとも1個の
ヌクレオチドが、ロックドヌクレオチドを形成するために修飾されてもよい。そのような
ロックドヌクレオチドは、リボースの2'-酸素をリボースの4'-炭素と接続するメチレン
リッジを含有している。オリゴヌクレオチドへのロックドヌクレオチドの導入は、相補配
列に対する親和性を改善し、融解温度数度増加させる。

0091

本明細書に提供されたdsRNA分子の修飾は、インビボでもインビトロでもそれらの安定
性に正の影響を及ぼし、(疾患)標的部位へのそれらの送達も改善することができる。さ
らに、そのような構造的修飾および化学的修飾は、投与時のdsRNA分子に対する生理学的
反応、例えば、サイトカイン放出に、正の影響を及ぼすことができ、サイトカイン放出は
、好ましくは、抑制される。そのような化学的修飾および構造的修飾は、当技術分野にお
いて公知であり、とりわけ、Nawrot Current Topics in Med Chem,(2006)6:913-925に例
示されている。

0092

リガンドのdsRNAとの複合によって、細胞吸収も、特定の組織へのターゲティングも増
強され得る。ある種の場合、細胞膜の直接透過を容易にするために、疎水性リガンドがds
RNAと複合させられる。あるいは、dsRNAと複合したリガンドは、受容体により媒介される
エンドサイトーシスのための基質である。これらのアプローチは、アンチセンスオリゴ
クレオチドの細胞透過を容易にするために使用されている。例えば、コレステロールを様
々なアンチセンスオリゴヌクレオチドと複合させることにより、非複合類似体と比較して
実質的に高活性の化合物がもたらされている(Manoharan M,Antisense & Nucleic Acid D
rug Development(2002)12:103を参照のこと)。オリゴヌクレオチドと複合させられるそ
の他の親油性化合物には、1-ピレン酪酸、1,3-ビス-O-(ヘキサデシル)グリセロール、お
よびメントールが含まれる。受容体により媒介されるエンドサイトーシスのためのリガ
ドの一例は、葉酸である。葉酸は、葉酸受容体により媒介されるエンドサイトーシスによ
って細胞に入る。葉酸を保持しているdsRNA化合物は、葉酸受容体により媒介されるエン
サイトーシスを介して細胞へ効率的に輸送されるであろう。オリゴヌクレオチドの3'末
端への葉酸の付着は、オリゴヌクレオチドの細胞取り込みの増加をもたらす(Li S,Deshm
ukh HM,and Huang L,Pharm.Res.(1998)15:1540)。オリゴヌクレオチドと複合させられる
その他のリガンドには、ポリエチレングリコール炭水化物クラスター架橋剤、ポル
リン複合物、および送達ペプチドが含まれる。

0093

ある種の場合、カチオン性リガンドのオリゴヌクレオチドとの複合は、しばしば、ヌク
レアーゼに対する抵抗性の改善をもたらす。カチオン性リガンドの代表例は、プロピルア
ンモニウムおよびジメチルプロピルアンモニウムである。興味深いことに、アンチセンス
オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの全体にカチオン性リガンドが散在する時、
mRNAに対する高い結合親和性を保持することが報告された。Manoharan M,Antisense & Nu
cleic Acid Drug Development(2002)12:103およびその中の参照を参照のこと。

0094

本発明のリガンド複合型dsRNAは、dsRNAへの連結分子の付着に由来するもののような、
付属の反応官能性を保持しているdsRNAの使用によって合成され得る。この反応性オリゴ
ヌクレオチドは、市販されているリガンド、多様な保護基のうちのいずれかを保持してい
る合成されたリガンド、または連結モエティが付着しているリガンドと、直接、反応させ
られ得る。本発明の方法は、いくつかの好ましい態様において、リガンドと適切に複合し
ており、さらに固体支持体材料に付着してもよいヌクレオシドモノマーの使用によって、
リガンド複合型dsRNAの合成を容易にする。固体支持体材料に随意で付着している、その
ようなリガンド-ヌクレオシド複合物は、本発明の方法のいくつかの好ましい態様により
、ヌクレオシドまたはオリゴヌクレオチドの5'位に位置する連結モエティとの、選択され
た血清結合リガンドの反応を介して調製される。ある種の場合、まず、モノマービルディ
ングブロックを、長鎖アミノアルキル基を介して、制御された多孔質ガラス(controlled
-pore-glass)支持体に共有結合的に付着させることにより、dsRNAの3'末端に付着したア
ラルキルリガンドを保持しているdsRNAが調製される。次いで、標準的な固相合成技術を
介して、固体支持体と結合したモノマービルディングブロックと、ヌクレオチドが結合さ
せられる。モノマービルディングブロックは、固相合成と適合性のヌクレオシドまたはそ
の他の有機化合物であり得る。

0095

本発明の複合物において使用されるdsRNAは、固相合成の周知の技術を通して便利にル
ーチンに作成され得る。ホスホロチオエートおよびアルキル化誘導体のようなその他のオ
リゴヌクレオチドを調製するため、類似の技術を使用することも公知である。

0096

具体的な修飾オリゴヌクレオチドの合成に関する教示は、以下の米国特許に見出され得
る:ポリアミン複合型オリゴヌクレオチドに関する米国特許第5,218,105号;修飾型骨格
を有するオリゴヌクレオチドに関する米国特許第5,541,307号;キラルリン結合を有する
オリゴヌクレオチドの調製法に関する米国特許第5,521,302号;ペプチド核酸に関する米
国特許第5,539,082号;βラクタム骨格を有するオリゴヌクレオチドに関する米国特許第5
,554,746号;オリゴヌクレオチドの合成のための方法および材料に関する米国特許第5,57
1,902号;アルキルチオ基を有するヌクレオシド(そのような基はヌクレオシドの多様な
位置のうちのいずれかに付着した他のモエティへのリンカーとして使用され得る)に関す
る米国特許第5,578,718号;高いキラル純度ホスホロチオエート結合を有するオリゴヌ
クレオチドに関する米国特許第5,587,361号;2'-O-アルキルグアノシンおよび2,6-ジアミ
プリン化合物を含む関連化合物の調製法に関する米国特許第5,506,351号;N-2置換型
リンを有するオリゴヌクレオチドに関する米国特許第5,587,469号;3-デアザプリンを有
するオリゴヌクレオチドに関する米国特許第5,587,470号;いずれも複合型4'-デスメチル
ヌクレオシド類似体に関する米国特許第5,608,046号;骨格修飾型オリゴヌクレオチド類
似体に関する米国特許第5,610,289号;とりわけ、2'-フルオロ-オリゴヌクレオチドの合
成法に関する米国特許第6,262,241号。

0097

本発明のリガンド複合型dsRNAおよび配列特異的な連結されたヌクレオシドを保持して
いるリガンド分子において、オリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオシドは、適当なオ
リゴヌクレオチド合成装置において、標準的なヌクレオチドもしくはヌクレオシドの前駆
物質、または連結モエティを既に保持しているヌクレオチド複合物もしくはヌクレオシド
複合物の前駆物質、リガンド分子を既に保持しているリガンド-ヌクレオチド複合物もし
くはリガンド-ヌクレオシド複合物の前駆物質、または非ヌクレオシドリガンド保持ビル
ディングブロックを利用して組み立てられ得る。

0098

連結モエティを既に保持しているヌクレオチド複合物の前駆物質を使用する時には、典
型的には、配列特異的な連結されたヌクレオシドの合成を完了させ、次いで、リガンド複
合型オリゴヌクレオチドを形成させるため、リガンド分子を連結モエティと反応させる。
ステロイドビタミン、脂質、およびレポーター分子のような多様な分子を保持している
オリゴヌクレオチド複合物が、以前に記載されている(Manoharanら、PCT出願WO93/07883
を参照のこと)。好ましい態様において、本発明のオリゴヌクレオチドまたは連結された
ヌクレオシドは、市販されているホスホラミダイトに加えて、リガンド-ヌクレオシド複
合物に由来するホスホラミダイトを使用して、自動合成装置によって合成される。

0099

オリゴヌクレオチドのヌクレオシドへの2'-O-メチル基、2'-O-エチル基、2'-O-プロピ
ル基、2'-O-アリル基、2'-O-アミノアルキル基、または2'-デオキシ-2'-フルオロ基の組
み入れは、増強されたハイブリダイゼーション特性をオリゴヌクレオチドに付与する。さ
らに、ホスホロチオエート骨格を含有しているオリゴヌクレオチドは、増強されたヌクレ
アーゼ安定性を有する。従って、本発明の官能化された連結されたヌクレオシドは、ホス
ホロチオエート骨格、または2'-O-メチル基、2'-O-エチル基、2'-O-プロピル基、2'-O-ア
ノアルキル基、2'-O-アリル基、もしくは2'-デオキシ-2'-フルオロ基のいずれかまたは
両方を含むよう強化され得る。

0100

いくつかの好ましい態様において、5'末端にアミノ基を保有する本発明の官能化された
ヌクレオシド配列が、DNA合成装置を使用して調製され、次いで、選択されたリガンドの
活性エステル誘導体と反応させられる。活性エステル誘導体は当業者に周知である。代表
的な活性エステルには、N-ヒドロスクシンイミドエステルテトラフルオロフェノール
テルペンタフルオロフェノールエステル、およびペンタクロロフェノールエステルが
含まれる。アミノ基と活性エステルとの反応は、選択されたリガンドが連結基を通して5'
位に付着したオリゴヌクレオチドを生ずる。5'末端のアミノ基は、5'-Amino-Modifier C6
試薬を利用して調製され得る。好ましい態様において、リガンド分子は、直接、またはリ
ンカーを介して間接的に、5'-ヒドロキシ基にリガンドが連結されているリガンド-ヌクレ
オシドホスホラミダイトの使用によって、5'位においてオリゴヌクレオチドと複合させら
れ得る。そのようなリガンド-ヌクレオシドホスホラミダイトは、典型的には、5'末端に
リガンドを保持するリガンド複合型オリゴヌクレオチドを提供するため、自動合成法の最
後に使用される。

0101

本発明の方法の一つの好ましい態様において、リガンド複合型オリゴヌクレオチドの調
製は、リガンド分子を構築するための適切な前駆分子の選択で始まる。典型的には、前駆
物質は、一般的に使用されているヌクレオシドの適切に保護された誘導体である。例えば
、本発明のリガンド複合型オリゴヌクレオチドの合成のための合成前駆物質には、分子の
核酸塩基部分において保護されていてもよい、2'-アミノアルコキシ-5'-ODMT-ヌクレオシ
ド、2'-6-アミノアルキルアミノ-5'-ODMT-ヌクレオシド、5'-6-アミノアルコキシ-2'-デ
オキシ-ヌクレオシド、5'-6-アミノアルコキシ-2-保護ヌクレオシド、3'-6-アミノアルコ
キシ-5'-ODMT-ヌクレオシド、および3'-アミノアルキルアミノ-5'-ODMT-ヌクレオシドが
含まれるが、これらに限定されない。そのようなアミノ結合型の保護されたヌクレオシド
前駆物質の合成の方法は、当業者に公知である。

0102

多くの場合、本発明の化合物の調製において、保護基が使用される。本明細書において
使用されるように、「保護された」という用語は、示されたモエティに保護基が付加され
ていることを意味する。本発明のいくつかの好ましい態様において、化合物は1個または
複数個の保護基を含有している。極めて多様な保護基が、本発明の方法において利用され
得る。一般に、保護基は、化学的官能性が特定の反応条件に対して不活性となるようにし
、分子の残部に実質的に損害を与えることなく、分子内のそのような官能性に付加され得
、除去され得る。

0103

保護基一般、特に、ヒドロキシル保護基は、当技術分野において周知である(Greene a
nd Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,Chapter 2,2d ed.,John Wiley & Son
s,New York,1991)。酸処理に対して安定的なアミノ保護基は、塩基処理により選択的に
除去され、反応性アミノ基が置換のために選択的に利用可能となるようにするために使用
される。そのような基の例は、Fmoc、およびNsc基を例とする様々な置換型スルホニル
チルカルバメートである。

0104

付加的なアミノ保護基には、2-トリメチルシリルエトキシカルボニル(Teoc)、1-メチ
ル-1-(4-ビフェニリル)-エトキシカルボニル(Bpoc)、t-ブトキシカルボニル(BOC)、
アリルオキシカルボニル(Alloc)、9-フルオレニル-メチルオキシカルボニル(Fmoc)、
およびベンジルオキシカルボニルCbz)のようなカルバメート保護基;ホルミル、アセ
チル、トリハロアセチル、ベンゾイル、およびニトロフェニルアセチルのようなアミド
護基;2-ニトロベンゼンスルホニルのようなスルホンアミド保護基;ならびにフタルイミ
ドおよびジチアスクシノイルのようなイミン保護基および環式イミド保護基が含まれるが
、これらに限定されない。これらのアミノ保護基の等価物も、本発明の化合物および方法
に包含される。

0105

多くの固体支持体が市販されており、当業者は、固相合成工程において使用するための
固体支持体を容易に選択することができる。ある種の態様において、ユニバーサル支持体
が使用される。当技術分野において周知のユニバーサル支持体は、オリゴヌクレオチドの
3'末端に位置する異常ヌクレオチドまたは修飾ヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド
の調製を可能にする。さらに、より容易に塩基性加水分解を受けるsyn-1,2-アセトキシ
スフェート基を介して、オリゴヌクレオチドが固体支持体に結合している時、より穏和な
反応条件の下で、ユニバーサル支持体からオリゴヌクレオチドを切断し得ることが報告さ
れている。GuzaevAI,and Manoharan MJ.Am.Chem.Soc.(2003)125:2380を参照のこと。

0106

ヌクレオシドは、リン含有型または非リン含有型の共有結合性ヌクレオシド間結合によ
って連結される。同定のため、そのような複合型ヌクレオシドは、リガンド保持ヌクレオ
シドまたはリガンド-ヌクレオシド複合物として特徴決定され得る。ヌクレオシドと複合
したアラルキルリガンドを配列内に有する連結されたヌクレオシドは、複合していない同
様のdsRNA化合物と比較した時、増強されたdsRNA活性を示すであろう。

0107

本発明のアラルキル-リガンド複合型オリゴヌクレオチドには、リガンドが、リンカー
基の介在なしに直接、ヌクレオシドまたはヌクレオチドに付着している、オリゴヌクレオ
チドおよび連結されたヌクレオシドの複合物も含まれる。リガンドは、好ましくは、リガ
ンドのカルボキシル基、アミノ基、またはオキソ基に、連結基を介して、付着させられ得
る。典型的な連結基は、エステル基、アミド基、またはカルバメート基であり得る。

0108

本発明のリガンド複合型オリゴヌクレオチドにおいて使用されることが構想される、好
ましい修飾オリゴヌクレオチドの具体例には、修飾型の骨格または非天然ヌクレオシド
連結を含有しているオリゴヌクレオチドが含まれる。ここで定義されるように、修飾型の
骨格またはヌクレオシド間連結を有するオリゴヌクレオチドには、骨格にリン原子を保持
するもの、および骨格にリン原子を有していないものが含まれる。本発明のため、糖間骨
格にリン原子を有していない修飾オリゴヌクレオチドも、オリゴヌクレオシドであると見
なされ得る。

0109

具体的なオリゴヌクレオチドの化学的修飾を以下に記載する。所定の化合物における全
ての位置が均一に修飾されている必要はない。反対に、複数の修飾が、単一のdsRNA化合
物またはさらには単一のヌクレオチドに組み入れられてもよい。

0110

好ましい修飾型のヌクレオシド間連結または骨格には、例えば、ホスホロチオエート、
キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステルアミノアルキ
ルホスホトリエステル、メチルホスホネートならびに3'-アルキレンホスホネートおよび
キラルホスホネートを含むその他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、3'-アミノ
ホスホルアミデートおよびアミノアルキルホスホルアミデートを含むホスホルアミデート
、チオノホスホルアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリ
エステル、ならびに通常の3'-5'結合を有するボラノリン酸、これらの2'-5'結合型類似体
、ならびに隣接するヌクレオシド単位の対が3'-5'と5'-3'または2'-5'と5'-2'で連結され
ている逆の極性を有するものが含まれる。様々な塩、混合型の塩、および遊離酸の型も含
まれる。

0111

上記のリン原子含有結合の調製に関する代表的な米国特許には、各々、参照によって本
明細書に組み入れられる、米国特許第4,469,863号、第5,023,243号、第5,264,423号、第5
,321,131号、第5,399,676号、第5,405,939号、第5,453,496号、第5,455,233号、および第
5,466,677号が含まれるが、これらに限定されない。

0112

リン原子を含まない好ましい修飾型のヌクレオシド間結合または骨格(即ち、オリゴヌ
クレオシド)は、短鎖アルキルもしくはシクロアルキル糖間結合、混合型のヘテロ原子
アルキルもしくはシクロアルキルとの糖間結合、または1種もしくは複数種の短鎖ヘテロ
原子もしくは複素環式糖間結合によって形成される骨格を有する。これらには、(ヌクレ
オシドの糖部分から一部形成された)モルホリノ結合を有するもの;シロキサン骨格;ス
フィド骨格、スルホキシド骨格、およびスルホン骨格;ホルムアセチル骨格およびチオ
ホルムアセチル骨格;メチレンホルムアセチル骨格およびメチレンチオホルムアセチル骨
格;アルケン含有骨格;スルファミン酸骨格;メチレンイミノ骨格およびメチレンヒドラ
ジノ骨格;スルホン酸骨格およびスルホンアミド骨格;アミド骨格;ならびに混合型のN
、O、S、およびCH2構成部分を有するその他のものが含まれる。

0113

上記のオリゴヌクレオシドの調製に関する代表的な米国特許には、各々、参照によって
本明細書に組み入れられる、米国特許第5,034,506号、第5,214,134号、第5,216,141号、
第5,264,562号、第5,466,677号、第5,470,967号、第5,489,677号、第5,602,240号、およ
び第5,663,312号が含まれるが、これらに限定されない。

0114

その他の好ましいオリゴヌクレオチド模倣体において、ヌクレオシド単位の糖およびヌ
クレオシド間結合、即ち、骨格の両方が、新規の基に置換される。核酸塩基単位は、適切
核酸標的化合物とのハイブリダイゼーションのために維持される。優れたハイブリダイ
ゼーション特性を有することが示されている、一つのそのようなオリゴヌクレオチド、オ
リゴヌクレオチド模倣体は、ペプチド核酸(PNA)と呼ばれる。PNA化合物においては、オ
リゴヌクレオチドの糖-骨格が、アミド含有骨格、特に、アミノエチルグリシン骨格に置
換されている。核酸塩基は保持され、骨格のアミド部分の原子に直接または間接的に結合
している。PNA化合物の教示は、例えば、米国特許第5,539,082号に見出され得る。

0115

本発明のいくつかの好ましい態様は、ホスホロチオエート結合を有するオリゴヌクレオ
チド、ならびにヘテロ原子骨格、具体的には、上記参照の米国特許第5,489,677号の-CH2-
NH-O-CH2-、-CH2-N(CH3)-O-CH2-[メチレン(メチルイミノ)またはMMI骨格として公知]、
-CH2-O-N(CH3)-CH2-、-CH2-N(CH3)-N(CH3)-CH2-、および-O-N(CH3)-CH2-CH2-[未改変のホ
スホジエステル骨格は-O-P-O-CH2-と表される]、ならびに上記参照の米国特許第5,602,24
0号のアミド骨格を有するオリゴヌクレオシドを利用する。上記参照の米国特許第5,034,5
06号のモルホリノ骨格構造を有するオリゴヌクレオチドも、好ましい。

0116

本発明のリガンド複合型オリゴヌクレオチドにおいて利用されるオリゴヌクレオチドは
、付加的にまたは代替的に、(当技術分野において、しばしば、単に「塩基」と呼ばれる
)核酸塩基の修飾または置換を含み得る。本明細書において使用されるように、「未修飾
の」または「天然の」核酸塩基には、プリン塩基であるアデニン(A)およびグアニン(G
)、ならびにピリミジン塩基であるチミン(T)、シトシン(C)、およびウラシル(U)
が含まれる。修飾核酸塩基には、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシト
シンキサンチンヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6-メ
ル誘導体およびその他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2-プロピル誘導体
およびその他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミン、および2-チオシトシン
、5-ハロウラシルおよび5-ハロシトシン、5-プロピニルウラシルおよび5-プロピニルシト
シン、6-アゾウシル、6-アゾシトシン、および6-アゾチミン、5-ウラシル(プソイド
ラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロ
キシル、およびその他の8-置換型のアデニンおよびグアニン、5-ハロ、特に、5-ブロモ
5-トリフルオロメチル、およびその他の5-置換型のウラシルおよびシトシン、7-メチルグ
アニンおよび7-メチルアデニン8-アザグアニンおよび8-アザアデニン、7-デアザグアニ
ンおよび7-デアザアデニン、ならびに3-デアザグアニンおよび3-デアザアデニンのような
その他の合成および天然の核酸塩基が含まれる。

0117

さらなる核酸塩基には、米国特許第3,687,808号に開示されたもの、または当技術分野
において公知であるか、もしくは市販されているその他のものが含まれる。これらの核酸
塩基のいくつかは、本発明のオリゴヌクレオチドの結合親和性を増加させるため、特に有
用である。これらには、2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル、および5-プ
ロピニルシトシンを含む、5-置換型ピリミジン、6-アザピリミジン、ならびにN-2置換型
、N-6置換型、およびO-6置換型のプリンが含まれる。5-メチルシトシン置換は、核酸二重
鎖安定性を、0.6〜1.2℃、増加させることが示されており、現在好ましい塩基置換であり
、特に、2'-メトキシエチル糖修飾と組み合わせられた時、さらに好ましい。

0118

上述の修飾核酸塩基のいくつかおよびその他の修飾核酸塩基の調製に関する代表的な米
国特許には、全て、参照によって本明細書に組み入れられる、上述の米国特許第3,687,80
8号、ならびに米国特許第5,134,066号、第5,459,255号、第5,552,540号、第5,594,121号
、および第5,596,091号が含まれるが、これらに限定されない。

0119

ある種の態様において、本発明のリガンド複合型オリゴヌクレオチドにおいて利用され
るオリゴヌクレオチドは、付加的にまたは代替的に、1種または複数種の置換型糖モエテ
ィを含み得る。好ましいオリゴヌクレオチドは、以下のうちの1個を2'位に含む:OH;F;
O-アルキル、S-アルキル、もしくはN-アルキル、O-アルケニル、S-アルケニル、もしくは
N-アルケニル、またはO-アルキニル、S-アルキニル、もしくはN-アルキニル[ここで、ア
ルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換型または非置換型のC1〜C10アルキルま
たはC2〜C10アルケニルおよびC2〜C10アルキニルであり得る]。特に好ましいのは、O[(C
H2)nO]mCH3、O(CH2)nOCH3、O(CH2)nNH2、O(CH2)nCH3、O(CH2)nONH2、およびO(CH2)nON[(C
H2)nCH3)]2[ここで、nおよびmは1〜約10である]である。その他の好ましいオリゴヌク
レオチドは、以下のうちの1個を2'位に含む:C1〜C10低級アルキル、置換型の低級アルキ
ル、低級アルカリル、低級アラルキル、低級O-アルカリル、または低級O-アラルキル、SH
、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシ
クロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、
置換型シリル、RNA切断基、レポーター基インターカレーター、オリゴヌクレオチドの
薬物動態学的特性を改善するための基、またはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善
するための基、ならびに類似の特性を有するその他の置換基。好ましい修飾には、2'-メ
トキシエトキシ(2'-O-(2-メトキシエチル)または2'-MOEとしても公知の2'-O-CH2CH2OCH3
)、即ち、アルコキシアルコキシ基が含まれる。さらなる好ましい修飾には、米国特許第
6,127,533号に記載されたような、2'-DMAOEとしても公知の、2'-ジメチルアミノオキシエ
トキシ、即ち、O(CH2)2ON(CH3)2基が含まれる。

0120

その他の好ましい修飾には、2'-メトキシ(2'-O-CH3)、2'-アミノプロポキシ(2'-OCH
2CH2CH2NH2)、および2'-フルオロ(2'-F)が含まれる。オリゴヌクレオチド上のその他
の位置、特に、3'末端ヌクレオチド上の糖の3'位において、または2'-5'連結型オリゴヌ
クレオチドにおいて、類似の修飾がなされてもよい。

0121

本明細書において使用されるように、「糖置換基」または「2'-置換基」という用語に
は、酸素原子を含むかまたは含まないリボフラノシルモエティの2'位に付着した基が含ま
れる。糖置換基には、フルオロ、O-アルキル、O-アルキルアミノ、O-アルキルアルコキシ
、保護されたO-アルキルアミノ、O-アルキルアミノアルキル、O-アルキルイミダゾール
および式(O-アルキル)mのポリエーテル[mは1〜約10である]が含まれるが、これらに限
定されない。これらのポリエーテルの中で好ましいのは、直鎖型および環式のポリエチレ
グリコール(PEG)、およびクラウンエーテルのような(PEG)含有基、とりわけ、Delgar
doら(Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems(1992)9:249)によって
開示されたものである。さらなる糖修飾は、Cook(Anti-flbrosis Drug Design,(1991)6:
585-607)によって開示されている。フルオロ置換、O-アルキル置換、O-アルキルアミノ
置換、O-アルキルイミダゾール置換、O-アルキルアミノアルキル置換、およびアルキルア
ミノ置換は、参照によってその全体が本明細書に組み入れられる、「Oligomeric Compoun
dshaving Pyrimidine Nucleotide(s) with 2' and 5' Substitutions」という名称の米
国特許第6,166,197号に記載されている。

0122

本発明において可能な付加的な糖置換基には、2'-SR基および2'-NR2基[ここで、Rは、
各々独立に、水素、保護基、または置換型もしくは非置換型のアルキル、アルケニル、も
しくはアルキニルである]が含まれる。2'-SRヌクレオシドは、参照によってその全体が
本明細書に組み入れられる米国特許第5,670,633号に開示されている。2'-SRモノマーシン
トンの組み入れは、Hammら(J.Org.Chem.,(1997)62:3415-3420)によって開示されている
。2'-NRヌクレオシドは、ThomsonJB,J.Org.Chem.,(1996)61:6273-6281;およびPolushin
et al.,Tetrahedron Lett.,(1996)37:3227-3230によって開示されている。本発明におい
て可能なさらなる代表的な2'-置換基には、式IまたはIIのいずれかを有するものが含まれ
る:

ここで、
Eは、C1〜C10アルキル、N(Q3)(Q4)、またはN=C(Q3)(Q4)であり;Q3およびQ4は、各々独立
に、H、C1〜C10アルキル、ジアルキルアミノアルキル窒素保護基テザリングされたも
しくはテザリングされていない複合基、固体支持体へのリンカーであるか;またはQ3およ
びQ4は、ともに、窒素保護基、もしくはNおよびOより選択される少なくとも1個の付加的
なヘテロ原子を随意で含む環構造を形成し;
q1は、1〜10の整数であり;
q2は、1〜10の整数であり;
q3は、0または1であり;
q4は、0、1、または2であり;
Z1、Z2、およびZ3は、各々独立に、C4〜C7シクロアルキル、C5〜C14アリール、またはC3
〜C15ヘテロシクリル(ここで、ヘテロシクリル基のヘテロ原子は、酸素、窒素、および
硫黄より選択される)であり;
Z4は、OM1、SM1、またはN(M1)2であり;M1は、各々独立に、H、C1〜C8アルキル、C1〜C8
ハロアルキル、C(=NH)N(H)M2、C(=O)N(H)M2、またはOC(=O)N(H)M2であり;M2は、Hまたは
C1〜C8アルキルであり;かつ
Z5は、C1〜C10アルキル、C1〜C10ハロアルキル、C2〜C10アルケニル、C2〜C10アルキニル
、C6〜C14アリール、N(Q3)(Q4)、OQ3、ハロ、SQ3、またはCNである。

0123

式Iの代表的な2'-O-糖置換基は、参照によってその全体が本明細書に組み入れられる、
「Capped 2'-Oxyethoxy Oligonucleotides」という名称の米国特許第6,172,209号に開示
されている。式IIの代表的な環式2'-O-糖置換基は、参照によってその全体が本明細書に
組み入れられる、「RNA Targeted 2'-Modified Oligonucleotides that are Conformatio
nally Preorganized」という名称の米国特許第6,271,358号に開示されている。

0124

リボシル環上にO-置換を有する糖も、本発明において可能である。環Oの代表的な置換
には、S、CH2、CHF、およびCF2が含まれるが、これらに限定されない。

0125

オリゴヌクレオチドは、ペントフラノシル糖の代わりに、シクロブチルモエティのよう
な糖模倣体を有していてもよい。そのような修飾された糖の調製に関する代表的な米国特
許には、全て、参照によって本明細書に組み入れられる、米国特許第5,359,044号、第5,4
66,786号、第5,519,134号、第5,591,722号、第5,597,909号、第5,646,265号、および第5,
700,920号が含まれるが、これらに限定されない。

0126

オリゴヌクレオチド上の他の位置、具体的には、3'末端ヌクレオチド上の糖の3'位に、
付加的な修飾がなされてもよい。例えば、本発明のリガンド複合型オリゴヌクレオチドの
一つの付加的な修飾は、オリゴヌクレオチドの活性、細胞分布、または細胞取り込みを増
強する、1種または複数種の付加的な非リガンドモエティまたは複合物の、オリゴヌクレ
オチドへの化学的連結を含む。そのようなモエティには、コレステロールモエティ(Lets
inger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,(1989)86:6553)、コール酸(Manoharan et al.,
Bioorg.Med.Chem.Lett.,(1994)4:1053)、チオエーテル、例えば、ヘキシル-S-トリチル
チオール(Manoharan et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,(1992)660:306;Manoharan et al.,Bio
org.Med.Chem.Let.,(1993)3:2765)、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl.Aci
dsRes.,(1992)20:533)、脂肪族鎖、例えば、ドデカンジオール残基もしくはウンデシル
残基(Saison-Behmoaras et al.,EMBO J.,(1991)10:111;Kabanov et al.,FEBSLett.,(1
990)259:327;Svinarchuk et al.,Biochimie,(1993)75:49)、リン脂質、例えば、ジ-ヘ
キサデシル-rac-グリセロールもしくはトリエチルアンモニウム1,2-ジ-O-ヘキサデシル-r
ac-グリセロ-3-H-ホスホネート(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,(1995)36:3651;
Shea et al.,Nucl.Acids Res.,(1990)18:3777)、ポリアミン鎖もしくはポリエチレン
リコール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides & Nucleotides,(1995)14:969)、またはア
ダマンタン酢酸(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,(1995)36:3651)、パルミチル
エティ(Mishra et al.,Biochim.Biophys.Acta,(1995)1264:229)、またはオクタデシル
アミンもしくはヘキシルアミノ-カルボニル-オキシコレステロールモエティ(Crooke et
al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,(1996)277:923)のような脂質モエティが含まれるが、これ
らに限定されない。

0127

本発明には、オリゴヌクレオチド内の特定の位置に関して実質的にキラル的に純粋な(
chirally pure)オリゴヌクレオチドを利用した組成物も含まれる。実質的にキラル的に
純粋なオリゴヌクレオチドの例には、少なくとも75% SpまたはRpであるホスホロチオエ
ート結合を有するもの(Cookら、米国特許第5,587,361号)、ならびに実質的にキラル的
に純粋な(SpまたはRp)アルキルホスホネート結合、ホスホルアミデート結合、またはホ
ホトエステル結合を有するもの(Cook、米国特許第5,212,295号および米国特許第5,5
21,302号)が含まれるが、これらに限定されない。

0128

ある種の場合、オリゴヌクレオチドは、非リガンド基によって修飾され得る。多数の非
リガンド分子が、オリゴヌクレオチドの活性、細胞分布、または細胞取り込みを増強する
ため、オリゴヌクレオチドに複合させられており、そのような複合を実施するための手法
は科学文献から入手可能である。そのような非リガンドモエティには、コレステロール(
Letsinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,(1989,86:6553)、コール酸(Manoharan et
al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,(1994,4:1053)、チオエーテル、例えば、ヘキシル-S-トリ
チルチオール(Manoharan et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,(1992,660:306;Manoharan et al.
,Bioorg.Med.Chem.Let.,(1993,3:2765)、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl
.AcidsRes.,(1992,20:533)、脂肪族鎖、例えば、ドデカンジオール残基もしくはウンデ
シル残基(Saison-Behmoaras et al.,EMBO J.,(1991)10:111;Kabanov et al.,FEBSLett
.,(1990)259:327;Svinarchuk et al.,Biochimie,(1993)75:49)、リン脂質、例えば、ジ
-ヘキサデシル-rac-グリセロールもしくはトリエチルアンモニウム1,2-ジ-O-ヘキサデシ
ル-rac-グリセロ-3-H-ホスホネート(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,(1995)36:36
51;Shea et al.,Nucl.Acids Res.,(1990)18:3777)、ポリアミン鎖もしくはポリエチレ
グリコール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides & Nucleotides,(1995)14:969)、また
アダマンタン酢酸(Manoharan et al..Tetrahedron Lett.,(1995)36:3651)、パルミチ
ルモエティ(Mishra et al.,Biochim.Biophys.Acta,(1995)1264:229)、またはオクタデ
シルアミンモエティもしくはヘキシルアミノ-カルボニル-オキシコレステロールモエティ
(Crooke et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,(1996)277:923)のような脂質モエティが含ま
れる。典型的な複合プロトコルは、配列の1個または複数個の位置にアミノリンカーを保
持するオリゴヌクレオチドの合成を含む。次いで、アミノ基は、適切なカップリング試薬
または活性化試薬を使用して複合させられる分子と反応させられる。複合反応は、固体
持体へまだ結合しているオリゴヌクレオチドを用いて実施されてもよいし、または溶相
オリゴヌクレオチドの切断の後に実施されてもよい。HPLCによるオリゴヌクレオチド複合
物の精製は、典型的には、純粋な複合物を与える。

0129

あるいは、複合させられる分子は、分子内に存在するアルコール基を介して、またはリ
酸化され得るアルコール基を保持するリンカーの付着によって、ホスホラミダイトのよ
うなビルディングブロックへ変換されてもよい。

0130

重要なことに、これらのアプローチは、各々、リガンド複合型オリゴヌクレオチドの合
成のために使用され得る。アミノ結合型オリゴヌクレオチドは、カップリング試薬の使用
を介して、またはNHSもしくはペントフルオロフェノラートエステルとしてのリガンドの
活性化の後、リガンドと直接カップリングされ得る。リガンドホスホラミダイトは、カル
キシル基のうちの1個へのアミノヘキサノールリンカーの付着、それに続く、末端アル
コール官能性のホスフィチル化を介して合成され得る。システアミンのようなその他のリ
ンカーも、合成されたオリゴヌクレオチドに存在するクロロアセチルリンカーへの複合の
ために利用され得る。

0131

当業者は、本発明の分子を細胞、組織、または生物へ導入する方法を、容易に承知して
いる。対応する例が、上記の本発明の詳細な説明にも提供された。例えば、本発明のdsRN
Aの少なくとも一方の鎖をコードする本発明の核酸分子またはベクターは、トランスフェ
クション等のような当技術分野において公知の方法によって、細胞または組織へ導入され
得る。

0132

dsRNA分子の導入についても、手段および方法が提供されている。例えば、ガラクトー
スおよび乳糖のようなリガンドを有するポリマー担体の使用、または様々な高分子への葉
酸の付着を含む、グリコシル化分子および葉酸修飾された分子による標的送達は、分子の
結合が葉酸受容体へ送達されることを可能にする。例えば、インビボでsiRNAを送達する
ためのRGD修飾ナノ粒子、または短鎖シクロデキストリン、アダマンチン-PEGを含む多成
分(非ウイルス)送達系を含む、抗体以外のペプチドおよびタンパク質による標的送達が
公知である。さらに、抗体、または抗体の(一価Fab断片(またはそのような抗体のそ
の他の断片)を含む抗体断片、または単鎖抗体を使用した標的送達も構想される。標的指
向化送達のための注射アプローチには、とりわけ、水力学的i.v.注射が含まれる。親油性
基への複合が、細胞取り込みを増強し、オリゴヌクレオチドの薬物動態および組織体内分
布を改善する、dsRNAのコレステロール複合物が、標的送達のために使用され得る。正味
の正(カチオン性)の電荷を有する合成ベクターが、ポリアニオン性核酸との複合体形成
および負の電荷を有する細胞膜との相互作用を容易にする、カチオン性送達系も公知であ
る。そのようなカチオン性送達系には、カチオン性リポソーム送達系、カチオン性ポリマ
ー送達系、およびカチオン性ペプチド送達系も含まれる。dsRNA/siRNAの細胞取り込みの
ためのその他の送達系は、アプタマー-ds/siRNAである。遺伝子治療アプローチも、本発
明のdsRNA分子またはそれをコードする核酸分子を送達するために使用され得る。そのよ
うな系には、非病原性ウイルス、改変ウイルスベクターの使用、およびナノ粒子またはリ
ポソームによる送達が含まれる。dsRNAの細胞取り込みのためのその他の送達法は、細胞
、器官、または組織の、体外、例えば、エクスビボでの処理である。これらのテクノロジ
ーのいくつかは、Akhtar,Journal of Clinical Investigation(2007)117:3623-3632、Ngu
yen et al.,Current Opinion in Molecular Therapeutics(2008)10:158-167、Zamboni,Cl
in Cancer Res(2005)11:8230-8234、またはIkeda et al.,Pharmaceutical Researeh(2006
)23:1631-1640のような刊行物に記載され要約されている。

0133

他に定義されない限り、本明細書において使用される技術用語および科学用語は、全て
、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同一の意味を有する
。本明細書に記載されたものに類似しているかまたは等価である方法および材料が、本発
明の実施または試行において使用され得るが、適当な方法および材料が以下に記載される
。全ての刊行物、特許出願、および特許が、参照によってその全体が組み入れられる。矛
盾する場合には、定義を含む本明細書が適用されるであろう。さらに、材料、方法、およ
び例は、例示的なものに過ぎず、限定するためのものではない。

0134

本発明の上記の態様および項目を、以下の非限定的な実施例において例示する。

0135

治療的使用のためのdsRNAの同定。治療的使用のためのB型肝炎ウイルス遺伝子型A、B、
C、およびDを特異的に標的とするdsRNAを同定するため、dsRNA設計を実施した。

0136

最初に、公知のB型肝炎ウイルスゲノム配列を、NCBI Genbankからダウンロードした(
表6に列挙されたアクセッション)。遺伝子型情報を、NCBI Genbankファイルから抽出す
るか、または参照ゲノムとのコンピューター支援比較によって決定した(表6に列挙され
たアクセッション)。

0137

RNAi剤の最適標的領域、即ち、全配列の少なくとも90%において同一である高度に保存
された17ヌクレオチド長配列ストレッチを同定するため、遺伝子型A〜DのB型肝炎ウイル
スゲノム配列を、コンピューター分析によって調査した。

0138

RNAi剤の同定において、専用アルゴリズムを使用することにより、包括的なヒトトラン
スクリプトームを表すと仮定されるヒトRefSeqデータベースリリース41)内の配列に対
する少なくとも2個のミスマッチを有する17塩基長配列に、選択を限定した。

0139

4個以上の連続G(ポリG配列)を含有している全ての17塩基長配列を、さらに、合成か
ら排除した。

0140

選択された17塩基長配列を2〜18位に保有する19ヌクレオチド長の配列を確定した。

0141

これらの19塩基長配列は、遺伝子型A〜DのB型肝炎ウイルスゲノム配列と交差反応性のR
NA干渉(RNAi)剤を与え、添付の表1および2の中のRNAi剤の合成の基礎を形成した。

0142

dsRNA合成。固相で、ホスホラミダイトテクノロジーによって、オリゴリボヌクレオチ
ドを合成した。規模に依って、ABI394合成装置(Applied Biosystems)またはAKTA oligo
pilot 100(GE Healthcare,Freiburg,Germany)のいずれかを使用した。制御された多孔
ガラス(CPG、520Å、75μmol/gの負荷を有する、Prime Synthesis(Aston,PA,USA)か
ら入手)から作成された固体支持体において、合成を実施した。全ての2'-修飾型RNAホス
ラミイトおよび補助試薬を、SAFC(Hamburg,Germany)から購入した。具体的には、
以下の2'-O-メチルホスホラミダイトを使用した:(5'-O-ジメトキシトリチル-N6-(ベンゾ
イル)-2'-O-メチル-アデノシン-3'-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルアミノ)ホス
ホラミダイト、5'-O-ジメトキシトリチル-N4-(アセチル)-2'-O-メチル-シチジン-3'-O-(2
-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルアミノ)ホスホラミダイト、(5'-O-ジメトキシ-トリチ
ル-N2-(イソブチリル)-2'-O-メチル-グアノシン-3'-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロ
ピルアミノ)ホスホラミダイト、および5'-O-ジメトキシ-トリチル-2'-O-メチル-ウリジン
-3'-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルアミノ)ホスホラミダイト。2'-デオキシ-2'
-フルオロ-ホスホラミダイトは、2'-O-メチルRNAアミダイトと同一の保護基を保持してい
た。全てのアミダイトを無水アセトニトリル(100mM)に溶解させ、モレキュラーシーブ
(3Å)を添加した。5'-ホスフェートを生成するため、Glen Research(Sterling,Virgin
ia,USA)からの2-[2-(4,4'-ジメトキシトリチルオキシ)エチルスルホニル]エチル-(2-シ
アノエチル)-(N,N-ジイソプロピル)-ホスホラミダイトを使用した。オリゴマーの5'末にC
-6アミノリンカーを導入するため、Thermo Fisher Scientific(Milwaukee,Wisconsin,US
A)からの6-(トリフルオロアセチルアミノ)-ヘキシル-(2-シアノエチル)-(N,N-ジイソプ
ロピル)-ホスホラミダイトを利用した。5'-修飾は合成サイクルの修飾なしに導入された
。5-エチルチオテトラゾール(ETT、アセトニトリル中500mM)を活性化溶液として使用し
た。カップリング時間は、6分であった。ホスホロチオエート結合を導入するため、無水
アセトニトリル/ピリジン(1:1 v/v)における3-((ジメチルアミノ-メチリデン)アミノ)
-3H-1,2,4-ジチアゾール-3-チオンDDTT、AM Chemicals(Oceanside,CA,USA)から入手
)の50mM溶液を利用した。

0143

支持体に結合したオリゴマーの切断および脱保護。固相合成の完了後、支持体からオリ
ゴヌクレオチドを切断することなく、ACN中の20%ジエチルアミンによる30分間の処理に
よって、シアノエチル保護基を除去した。続いて、乾燥した固体支持体を、15mLチューブ
へ移し、40℃で18時間、濃アンモニア水(Aldrich)により処理した。遠心分離の後、上
清を新たなチューブへ移し、CPGをアンモニア水により洗浄した。合わせた溶液を蒸発
せ、固体残さを緩衝液A(下記参照)で再構成した。

0144

オリゴリボヌクレオチドの精製。Source Q15(GE Helthcare)が充填されたカラムおよ
びAKTA Explorer系(GE Helthcare)を使用した陰イオン交換HPLCによって、粗オリゴマ
ーを精製した。緩衝液Aは、10mM過塩素酸ナトリウム、20mMトリス、1mMEDTA(pH7.4)(
Fluka,Buchs,Switzerland)であり、20%アセトニトリルを含有しており、緩衝液Bは、50
0mM過塩素酸ナトリウムを除き、緩衝液Aと同一であった。32カラム体積CV)での22%B
から42%Bへの勾配を利用した。280nmにおけるUVトレースを記録し、適切な画分をプール
し、3M NaOAc、pH=5.2および70%エタノールにより沈降させた。最後に、ペレットを70
%エタノールにより洗浄した。あるいは、製造業者推奨に従い、Sephadex HiTrapカラ
ム(GE Helthcare)を使用して、脱塩を実施した。

0145

siRNAを生成するためのオリゴリボヌクレオチドのアニーリング等モルRNA溶液を合
わせることにより、相補鎖を混合した。混合物を凍結乾燥させ、所望の濃度を達成するた
めの適切な容量のアニーリング緩衝液(100mM NaCl、20mMリン酸ナトリウム、pH6.8)に
より再構成した。この溶液を80℃の水浴中に置き、3時間以内にRTに冷却した。

0146

HBVmRNAを標的とするdsRNAのインビトロスクリーニング。psiCHECK(商標)-2ベクタ
ー(Promega)は、RNAi活性のモニタリングのための2種のレポーター遺伝子:ウミシイタ
ルシフェラーゼ(hRluc)遺伝子の合成バージョンおよび合成ホタルルシフェラーゼ
伝子(hluc+)を含有している。ホタルルシフェラーゼ活性の測定は、被験dsRNAのRNAi活
性と無関係の変化の決定を可能にする。ウミシイタケルシフェラーゼおよびホタルルシ
ェラーゼの活性を、Dual-Glo(登録商標)Luciferase Assay System(Promega)を使用し
て測定した。合成ウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子翻訳終止コドンおよびポリAテー
ルの3'に位置するマルチクローニング領域へクローニングした後、関心対象のHBV標的部
位をpsiCHECK(商標)-2ベクターへ挿入した。細胞株COS-7をベクターによりトランスフ
クトし、続いて、HBV配列を標的とするdsRNA-リポフェクタミン2000リポプレックス
より処理した。クローニングされたHBV標的部位に対してdsRNAによって付与されたRNAi効
果を、ウミシイタケルシフェラーゼ融合遺伝子の活性を測定することによって決定した。

0147

標的配列を含有しているpsiCHECKベクターの生成。HBVdsRNAの活性を試験するため、D
ual-Luciferase HBVレポーターを構築した。B型肝炎ウイルスゲノム配列アクセッション
番号EU554538.1(遺伝子型C)の領域84〜805、1075〜1992、2165〜2530、および2718〜29
40を、インシリコで接合した。2個の変異を故意に挿入した(128A→T、598T→C、EU55453
8.1に対する位置)。1個は内部XhoI部位を除去するために必要であった。第二の変異は、
dsRNAに対する単一のミスマッチの除去をもたらした。このHBV標的構築物を、5'末および
3'末の両方に制限部位を付加することにより延長した。人工DNA配列を、Geneart(Regens
burg,Germany)によって化学合成し、psiCHECK(商標)-2 Dual-LuciferaseベクターのXh
oI/NotI部位へクローニングした。

0148

トランスフェクションおよびルシフェラーゼ定量化。Cos-7細胞(DSMZ,Braunschweig,G
ermany,cat.No.ACC-60)を2.25×104細胞/ウェル密度96穴プレート播種した。プラ
スミドトランスフェクションを、製造業者によって記載されたように、0.5μL/ウェルの
リポフェクタミン2000(Invitrogen GmbH,Karlsruhe,Germany,cat.No.11668-019)により
、50ng/ウェルの濃度で実施した。ベクタートランスフェクションの4時間後、培地廃棄
し、新鮮な培地を添加した。この期間の後の、上記のようにリポフェクタミン2000を使用
して、dsRNAを10nMまたは1nMの濃度で細胞に添加した。HBV遺伝子型被覆を最適化し、dsR
NAに対する耐性の発生を最小化するため、2種の異なるdsRNAを組み合わせて同時に使用す
ることができる。そのようなアプローチの実現可能性を証明するため、最適化された遺伝
子型被覆への付加的なバイアスをかけながら、最も効率的なdsRNAの中から2種の異なるds
RNAの対を選択した。

0149

上記のようにリポフェクタミン2000を使用して、dsRNAを各dsRNAについて5nMまたは0.5
nMの濃度で細胞へ添加し、10nMまたは1nMの全dsRNA濃度とした。製造業者によって記載
されたようにルシフェラーゼ試薬を使用して、48時間後に細胞を溶解した。トランスフェ
クション効率を考慮するため、ウミシイタケルシフェラーゼタンパク質レベルを、ホタル
ルシフェラーゼレベルに対してノーマライズした。各dsRNAについて、四つの個々のデー
ポイント収集した。dsRNAにより処理された細胞における相対ウミシイタケルシフェ
ラーゼタンパク質レベルを決定するため、全ての標的部位と無関係な少なくとも1種のdsR
NAを対照として使用した(表8)。完全マッチ条件下でのサイレンシング活性の比較のた
め、ウミシイタケオープンリーディングフレームとの完全マッチを有するdsRNAを合成し
、HBVdsRNAと平行して試験した。

0150

阻害データは、添付の表2に与えられる。

0151

dsRNAの安定性。ヒト、カニクイザル、またはマウスの血清のいずれかを用いたインビ
トロアッセイにおいて、各一本鎖の半減期を測定することにより、ヒトB型肝炎ウイルス
を標的とするdsRNAの安定性を決定した。

0152

30μLのヒト血清(Sigma)、カニクイザル血清(Sigma)、またはマウス血清(Sigma)
と混合された3μLの50μMdsRNA試料を使用して、各時点について三つ組で、測定を実施
した。混合物を、37℃で、0分、30分、1時間、3時間、6時間、24時間、または48時間、イ
ンキュベートした。非特異的分解の対照として、dsRNAを30μLの1×PBS、pH6.8と共に48
時間インキュベートした。4μLのプロテイナーゼK(20mg/ml)、25μLの「Tissue and Ce
ll Lysis Solution」(Epicentre)、および38μLのMillipore水を、65℃で30分間、添加
することによって、反応を中止した。その後、試料を0.2μm96穴フィルタープレートで14
00rpmで8分間スピンろ過し、55μL Millipore水により2回洗浄し、再びスピンろ過した。

0153

一本鎖の分離および残存全長産物FLP)の分析のため、10%ACN、pH=11中の20mM Na3
PO4を溶出液Aとして使用し、溶出液A中の1M NaBrを溶出液Bとして使用した変性条件下で
イオン交換Dionex SummitHPLCで、試料を実行した。

0154

以下の勾配を適用した。

実施例

0155

全てのインジェクションについて、クロマトグラムを、Dionex Chromeleon 6.60HPLC
ソフトウェアによって自動的に積分し、必要であれば手動で調整した。全ピーク面積を内
部標準(IS)ピークに対して補正し、t=0分におけるインキュベーションに対してノーマ
ライズした。ピーク下面積および得られた残存FLPを、各一本鎖について別々に三つ組で
計算した。FLPの半分が分解された時点(時間)の三つ組の平均値によって、鎖の半減期
(t1/2)を確定した。結果は添付の表3に与えられる。

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