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技術 食品用日持向上剤および日持向上食品

出願人 青葉化成株式会社
発明者 沖本晋千葉克則下村武生
出願日 2018年2月21日 (3年0ヶ月経過) 出願番号 2018-028562
公開日 2019年8月29日 (1年5ヶ月経過) 公開番号 2019-140974
状態 未査定
技術分野 食品の保存(凍結・冷却・乾燥を除く)
主要キーワード バラコ 廃棄ロス 非加熱食品 使用基準 簡易包装 日持ち向上効果 低温流 対象菌株
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年8月29日)のものです。
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課題

低い濃度でもヘテロ乳酸菌ホモ乳酸菌の両方を含む広範囲の細菌に抗菌活性を示す食品用日持向上剤および日持向上食品を提供する。

解決手段

食品用日持向上剤はグリセリン脂肪酸エステル明日葉由来物質とを含む。明日葉由来物質には、カルコン酸が含まれる。補助成分として、酢酸酢酸ナトリウムアジピン酸ピロリン酸四ナトリウムヘキサメタリン酸ナトリウムトリポリリン酸ナトリウムおよびグリシンから選ばれる1種または2種以上の組み合わせを含む。

概要

背景

加工食品保存性向上のためには、材料を洗って菌を除く、加熱調理して菌を殺す、加熱後の2次汚染を防止する、真空包装脱酸素剤を使用する、低温流通・低温保存で菌を増やさない、という物理的技術の操作が必要である。ただし、非加熱食品、強い加熱ができない食品簡易包装食品、低温流通が難しい食品では前記の操作が難しくなる。また、最近の低塩化、低糖化も食品の保存を難しくしている。加工食品には一定の品質保証が求められるので、物理的技術の操作のみで保存性を確保することは、困難で、保存料日持向上剤などを添加する化学的手段との併用が必要になる。食品の保存性を高めることは食中毒を防ぐことにとどまらず、資源の有効利用にもつながる。消費期限賞味期限を長く設定できれば販売機会増し、食品ロスを防ぐことができる。保存料、日持向上剤の有効利用が食品の廃棄ロス軽減につながるのは明らかである。

しかし、大手コンビニはじめ、社会的な風として、食品に保存料を使用することを避ける動きが主流になっている。日持向上剤は、保存性の低い食品に数時間または数日といった短期間の腐敗変敗を抑える目的で使用される添加物であるが、日持向上剤には使用基準が設定されていないので、幅広い食品に使用することが可能である。一方、日持向上剤は保存料よりも添加量が多く必要なことや、成分そのものに味やにおいがあることから、食品の風味に影響を与えやすい、抗菌効果が得られるpHに制限がある、油脂、たんぱく質デンプンなどに吸着し十分に効力が発揮されないなどの問題がある。このため、日持向上剤は、実際の使用には食品の種類や条件を選ぶものが多い。

特に乳酸菌は、pH4.0以下でも増殖が可能な酸に強い菌が多いため、pHを下げることでは制御が難しく、有機酸ソルビン酸も効きにくい細菌である。特に乳酸菌対策で有効な抗菌物質としてキトサンホップ抽出物チアミンラウリル硫酸塩などがある。しかしながら、キトサンは低いpHでないと溶解しない。ホップ抽出物は、たん白質に吸着するため、たん白質の多い加工食品には適さない。また、チアミンラウリル硫酸塩も独特の風味や味を有する他、たん白質に吸着するため加工食品には適さない。以上の問題がある。

これらの問題を解決する食品用日持向上剤として、明日葉由来物質を含むものが開示されている(特許文献1参照)。また、明日葉抽出物およびビタミンB1を含む抗菌組成物が開示されている(特許文献2参照)。

概要

低い濃度でもヘテロ乳酸菌とホモ乳酸菌の両方を含む広範囲の細菌に抗菌活性を示す食品用日持向上剤および日持向上食品を提供する。食品用日持向上剤はグリセリン脂肪酸エステルと明日葉由来物質とを含む。明日葉由来物質には、カルコン酸が含まれる。補助成分として、酢酸酢酸ナトリウムアジピン酸ピロリン酸四ナトリウムヘキサメタリン酸ナトリウムトリポリリン酸ナトリウムおよびグリシンから選ばれる1種または2種以上の組み合わせを含む。なし

目的

本発明は、このような課題に着目してなされたもので、低い濃度でもヘテロ乳酸菌とホモ乳酸菌の両方を含む広範囲の細菌に抗菌活性を示す食品用日持向上剤および日持向上食品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

請求項2

グリセリン脂肪酸エステルと明日葉由来物質とを含むことを特徴とする食品用日持向上剤。

請求項3

補助成分として、酢酸酢酸ナトリウムアジピン酸ピロリン酸四ナトリウムヘキサメタリン酸ナトリウムトリポリリン酸ナトリウムおよびグリシンから選ばれる1種または2種以上の組み合わせを含むことを特徴とする請求項1または2記載の食品用日持向上剤。

請求項4

請求項1、2または3記載の食品用日持向上剤を含むことを特徴とする日持向上食品

請求項5

脂肪酸炭素数8〜14のグリセリン脂肪酸エステルを15ppm以上2000ppm以下、カルコン酸を0.2ppm以上2.6ppm以下含むことを、特徴とする日持向上食品。

請求項6

脂肪酸の炭素数12のグリセリン脂肪酸エステルを15ppm以上2000ppm以下、カルコン酸を0.3ppm以上1.2ppm以下含むことを、特徴とする日持向上食品。

請求項7

脂肪酸の炭素数14のグリセリン脂肪酸エステルを1000ppm以上2000ppm以下、カルコン酸を0.9ppm以上1.2ppm以下含むことを、特徴とする日持向上食品。

技術分野

0001

本発明は、食品用日持向上剤および日持向上食品に関する。

背景技術

0002

加工食品保存性向上のためには、材料を洗って菌を除く、加熱調理して菌を殺す、加熱後の2次汚染を防止する、真空包装脱酸素剤を使用する、低温流通・低温保存で菌を増やさない、という物理的技術の操作が必要である。ただし、非加熱食品、強い加熱ができない食品、簡易包装食品、低温流通が難しい食品では前記の操作が難しくなる。また、最近の低塩化、低糖化も食品の保存を難しくしている。加工食品には一定の品質保証が求められるので、物理的技術の操作のみで保存性を確保することは、困難で、保存料日持向上剤などを添加する化学的手段との併用が必要になる。食品の保存性を高めることは食中毒を防ぐことにとどまらず、資源の有効利用にもつながる。消費期限賞味期限を長く設定できれば販売機会増し、食品ロスを防ぐことができる。保存料、日持向上剤の有効利用が食品の廃棄ロス軽減につながるのは明らかである。

0003

しかし、大手コンビニはじめ、社会的な風として、食品に保存料を使用することを避ける動きが主流になっている。日持向上剤は、保存性の低い食品に数時間または数日といった短期間の腐敗変敗を抑える目的で使用される添加物であるが、日持向上剤には使用基準が設定されていないので、幅広い食品に使用することが可能である。一方、日持向上剤は保存料よりも添加量が多く必要なことや、成分そのものに味やにおいがあることから、食品の風味に影響を与えやすい、抗菌効果が得られるpHに制限がある、油脂、たんぱく質デンプンなどに吸着し十分に効力が発揮されないなどの問題がある。このため、日持向上剤は、実際の使用には食品の種類や条件を選ぶものが多い。

0004

特に乳酸菌は、pH4.0以下でも増殖が可能な酸に強い菌が多いため、pHを下げることでは制御が難しく、有機酸ソルビン酸も効きにくい細菌である。特に乳酸菌対策で有効な抗菌物質としてキトサンホップ抽出物チアミンラウリル硫酸塩などがある。しかしながら、キトサンは低いpHでないと溶解しない。ホップ抽出物は、たん白質に吸着するため、たん白質の多い加工食品には適さない。また、チアミンラウリル硫酸塩も独特の風味や味を有する他、たん白質に吸着するため加工食品には適さない。以上の問題がある。

0005

これらの問題を解決する食品用日持向上剤として、明日葉由来物質を含むものが開示されている(特許文献1参照)。また、明日葉抽出物およびビタミンB1を含む抗菌組成物が開示されている(特許文献2参照)。

先行技術

0006

特開2013−179933号公報
特開2014−15398号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、特許文献1に記載の食品用日持向上剤では、抗菌効果を示す濃度で添加した場合、明日葉由来物質により独特の苦みと色を生じるという課題があった。特に、ヘテロ乳酸菌とホモ乳酸菌の両方の抗菌に効果のある濃度で用いることは難しかった。特許文献1には、日持ち向上効果を一層増進させる補助成分として、グリセリン脂肪酸エステル類が挙げられているが、グリセリン脂肪酸エステル類を添加した場合に、明日葉由来物質の濃度を低くしても抗菌効果を示すことは確認されていなかった。
特許文献2に記載の抗菌組成物では、ビタミンB1を用いる必要があるという課題があった。

0008

本発明は、このような課題に着目してなされたもので、低い濃度でもヘテロ乳酸菌とホモ乳酸菌の両方を含む広範囲の細菌に抗菌活性を示す食品用日持向上剤および日持向上食品を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明に係る食品用日持向上剤は、グリセリン脂肪酸エステルカルコン酸とを含むことを特徴とする。
他の本発明に係る食品用日持向上剤は、グリセリン脂肪酸エステルと明日葉由来物質とを含むことを特徴とする。
明日葉由来物質としては、抽出物が好ましいが、乾燥粉末、搾汁液破砕物などであってもよい。
グリセリン脂肪酸エステルは0.1〜90質量%、明日葉抽出物は0.0003〜10質量%の範囲で含まれることが好ましい。グリセリン脂肪酸エステルは、脂肪酸炭素数10、12または14のものが好ましい。

0010

本発明に係る食品用日持向上剤は、補助成分として、酢酸酢酸ナトリウムアジピン酸ピロリン酸四ナトリウムヘキサメタリン酸ナトリウムトリポリリン酸ナトリウムおよびグリシンから選ばれる1種または2種以上の組み合わせを含むことが好ましい。特に、酢酸ナトリウム、グリシン、アジピン酸およびグルコノデルタラクトンを含むことが好ましい。

0011

本発明に係る日持向上食品は、前述の食品用日持向上剤を含むことを特徴とする。
日持向上食品は、畜産加工品水産加工品、農産加工品、飲料、その他いかなる食品であってもよい。本発明に係る日持向上食品は、食肉加工食品に適している。
他の本発明に係る日持向上食品は、脂肪酸の炭素数8〜14のグリセリン脂肪酸エステルを15ppm以上2000ppm以下、カルコン酸を0.2ppm以上2.6ppm以下含むことを、特徴とする。
他の本発明に係る日持向上食品は、脂肪酸の炭素数12のグリセリン脂肪酸エステルを15ppm以上2000ppm以下、カルコン酸を0.3ppm以上1.2ppm以下含むことを、特徴とする。
さらに他の本発明に係る日持向上食品は、脂肪酸の炭素数14のグリセリン脂肪酸エステルを1000ppm以上2000ppm以下、カルコン酸を0.9ppm以上1.2ppm以下含むことを、特徴とする。

0012

本発明に係る食品用日持向上剤は、低い濃度でもヘテロ乳酸菌とホモ乳酸菌の両方を含む広範囲の細菌に抗菌活性を示す。
本発明に係る食品用日持向上剤は、ホモタイプ乳酸桿菌およびヘテロタイプの乳酸菌球菌の増殖を抑制させることができる。本発明に係る食品用日持向上剤は、畜肉加工品や水産加工品などのたん白質含有量が多い食品でも、ホモタイプの乳酸桿菌およびヘテロタイプの乳酸菌球菌の増殖を抑制させることができる。また、本発明に係る食品用日持向上剤は、大腸菌ブドウ球菌枯草菌、乳酸菌、酵母に対しても増殖を抑制させることができる。

発明の効果

0013

本発明によれば、低い濃度でもヘテロ乳酸菌とホモ乳酸菌の両方を含む広範囲の細菌に抗菌活性を示す食品用日持向上剤および日持向上食品を提供することができる。

0014

以下、各種の試験に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施の形態の食品用日持向上剤は、グリセリン脂肪酸エステルと明日葉抽出物とを含む。明日葉抽出物には、カルコン酸が含まれる。本発明の実施の形態の日持向上食品は、食品用日持向上剤を含む。

0015

以下に、本発明の実施の形態の食品用日持向上剤について、効果的な構成とその効果を調べるために、各種の試験を行った。以下、本明細書において「%」は「質量%」を意味する。

0016

まず、一般的に使用されている有機酸類無機塩類アミノ酸類、チアミンラウリル硫酸塩、リゾチームなどの日持向上剤成分の、広範囲な細菌に対する抗菌活性を調べた。
試験方法として、各種対象薬剤標準寒天培地に所定の濃度で添加した。培地のpHは、塩酸またリン酸三ナトリウムを用いて所定のpHに調整した。各種菌株の調整として、保存菌株から被検菌ブイヨン培地に一白金耳摂取し、37℃、24時間前培養した。その菌液生理食塩水希釈し一白金耳摂取した。各種薬剤には、リンゴ酸コハク酸、酢酸、アジピン酸、フィチン酸乳酸フマル酸、などの有機酸類とその塩類、その他としてピロリン酸四ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムなどの各種無機塩、アミノ酸類ではグリシン、チアミンラウリル硫酸塩、リゾチームを用いた。対象菌株としては、大腸菌、ブドウ球菌、枯草菌、乳酸菌、酵母、カビを用いた。

0017

その結果、有機酸類では、酢酸、酢酸ナトリウム、アジピン酸が広範囲の濃度で各種細菌に対して抗菌効果を示した。特にその効果はpHが5.5の領域で顕著であった。
無機塩類では、ピロリン酸四ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムが酸性領域のpHおよび中性領域のpHで効果を認められた。チアミンラウリル硫酸塩については、大腸菌以外の細菌に対して0,10〜0.30%の範囲で、酸性領域および中性領域で効果が認められた。リゾチームは、枯草菌、ミクロコッカスに対し酸性領域および中性領域で0.01〜0.30%の範囲で効果が認められた。

0018

[試験例1]
乳化剤ポリフェノールの乳酸菌に対する抗菌効果)
乳酸菌類では、ホモタイプの桿菌であるLeuconostoc-mesenteroides、ヘテロタイプの球菌である乳酸菌 Lactobacillus-fermentumに対する効果を確認した。さらに脂肪酸の炭素数がC8〜C12の範囲のグリセリン脂肪酸エステル(以下、「乳化剤」と略す)の効果を0〜1000ppmの範囲で確認した。カルコン酸として、明日葉抽出物(「明日葉ポリフェノールCHALSAP−P8」(明日葉カルコン8%含有)、株式会社日本生物科学研究所製)を用いた。カルコン酸の量は、明日葉抽出物中の含有量から求めた。
乳化剤およびカルコン酸の使用濃度と乳酸菌に対する効果を表1〜3に示す。

0019

0020

0021

0022

その結果、乳化剤ではカプリン酸のグリセリン脂肪酸エステル(C10)、ラウリン酸のグリセリン脂肪酸エステル(C12)に100〜1000ppmの範囲で効果があることを確認し、カルコン酸は10〜100ppmの範囲で効果があることを確認した。

0023

[試験例2]
(カルコン酸の乳酸菌に対する抗菌効果の至適濃度について)
カルコン酸の乳酸菌に対する至適濃度の効果を調べた。
試験方法として、PGY培地を作成し、乳化剤(C12)を5ppm、10ppm、30ppmの濃度になるように添加した。上記のPGY培地を試験管に10mlずつ分注し、オートクレーブ滅菌した。

0024

滅菌した培養液にLeuconostoc-mesenteroides(桿菌)、Lactobacillus-fermentum(球菌)を一白金耳摂取し、37℃で48時間培養した。培養後、培養液の濁度を610nmで測定した。抗菌力効果を初発との濁度の差で確認した。
判定方法は初発より0.05程度数値が上がった場合を「静菌効果なし」、0.05以下に抑えられた場合を「静菌効果あり」とした。
それらの結果を表4に示す。

0025

0026

表4に示すとおり、ヘテロタイプの球菌の乳酸菌Lactobacillus-fermentumでは、カルコン酸が3.0ppm以上で抗菌効果があることがわかった。ホモタイプの桿菌であるLeuconostoc-mesenteroidesでは、カルコン酸が2.5ppm以上で効果があることを確認した。

0027

[試験例3]
(乳化剤とカルコン酸の相乗効果について)
乳酸菌に対する、乳化剤(C12)、乳化剤(C14)とカルコン酸の相乗効果について調べた。
試験方法として、PGY培地を作成し、上記のPGY培地を試験管に10mlずつ分注し、オートクレーブで滅菌した。脂肪酸の炭素数12の乳化剤では、乳化剤の10ppm、および15ppmの範囲と、カルコン酸の0〜1.2ppmの範囲で、各最小発育阻止濃度以下の濃度のときの相乗効果を調べた。脂肪酸の炭素数14の乳化剤では、乳化剤の500〜1000ppm、および1000〜2000ppmの範囲と、カルコン酸の0〜1.2ppmの範囲で、各最小発育阻止濃度以下の濃度のときの相乗効果を調べた。

0028

滅菌した培養液にLeuconostoc-mesenteroides(桿菌)、Lactobacillus-fermentum(球菌)をそれぞれ一白金耳摂取し、37℃で48時間培養した。培養後、培地を610nmで濁度を測定した。初発との濁度の差で食品用日持向上剤の抗菌効果を確認した。
判定方法は初発より0.05程度数値が上がった場合を「静菌効果なし」、0.05以下に抑えられた場合を「静菌効果あり」とした。
その結果を表5、表6に示す。

0029

0030

0031

表5、表6に示すとおり、試験例1、2では効果を示さなかった乳化剤の濃度およびカルコン酸の濃度でも、乳化剤とカルコン酸を組み合わせることにより、低濃度で乳酸菌に対する抗菌効果の相乗効果が認められた。

0032

[試験例4]
(食品用日持向上剤の配合)
以上のとおり、乳化剤、カルコン酸の乳酸菌に対する抗菌効果が確認されたので、広範囲な細菌に効果がある食品用日持向上剤の配合を検討した。即ち、有機酸類、リン酸塩類、グリシン、リゾチーム等の相乗効果を検討した。その結果、これらの物質と乳化剤とカルコン酸とに、抗菌効果の相乗効果があることが確認された。

0033

そこで、酢酸ナトリウム69.8部、グリシン5部、アジピン酸13部、グルコノデルタラクトン3部、乳化剤(C12)2部、明日葉抽出物(カルコン酸8%含有)0.2部、デキストリン7.00部を配合した食品用日持向上剤を調整し、抗菌活性を調べた。対象菌株としては、大腸菌、ブドウ球菌、枯草菌、乳酸桿菌、乳酸球菌、酵母を用いた。

0034

試験方法は、保存培地から被検菌をブイヨン培地に摂取し、37℃24時間培養した。酵母は、PDA培地に摂取し25度48時間培養した。培養した培養液を希釈し、105個/mlになるように調整した。標準寒天培地2.3gと脱イオン水87.7gを混合し、調整した。酵母の場合は、ポテトデキストロース寒天培地3.9g、脱イオン水86.1gを用いて調整した。さらに滅菌水10mlに規定量の食品用日持向上剤を溶解させた。作成した培地と食品用日持向上剤溶液を混合し、シャーレに分注した。
上記培地に菌液を塗抹し、細菌は37℃48時間、酵母は25℃5日間培養した。菌の発育の有無により抗菌力の有無を判定した。その結果を表7に示す。

0035

0036

表7に示すとおり、本試験例の食品用日持向上剤は、大腸菌には0.4%以上、ブドウ球菌には0.8%以上、枯草菌には0.2%以上、乳酸桿菌には0.6%以上、乳酸球菌には0.6%以上、酵母には0.2%以上で抗菌効果があり、広範囲な細菌に効果があることが確認できた。

0037

この結果から、本発明の実施の形態の食品用日持向上剤は、乳化剤およびカルコン酸に有機酸類、グリシンを加えることにより、広範囲の細菌に抗菌活性を示すことがわかる。従来の食品日持向上剤では、乳酸菌はたん白質に吸着する問題のため、畜肉加工食品魚肉加工食品で有効な抗菌効果を得られなかったが、本発明の実施の形態の食品用日持向上剤では、その問題を解決可能である。本発明の実施の形態の食品用日持向上剤は、麺や米飯などにも使用可能である。

0038

畜肉ソーセージ
畜肉ソーセージに乳化剤とカルコン酸を所定の濃度練り込み、保存効果を確認した。原料の配合は豚肉100部、食塩2.5部、砂糖5部、たん白質素材10部、水50部、試験区として乳化剤(C12)を肉に対して40〜520ppm、カルコン酸を0.2〜2.6ppmの範囲で添加し、擂潰した後、ケーシング充填し80℃20分加熱後、製品化した。乳化剤、カルコン酸の添加量を表8に示す。

0039

0040

製造した畜肉ソーセージをスライス無菌シャーレに入れ、25℃の条件下で保存し、ソーセージ保存状態目視で評価した。評価基準は、異常なしのものを「−」、疑わしいものを「±」、異常がわずかに見られるものを「+」、異常が見られるものを「++」、明らかに異常が見られるものを「+++」、全体的に腐敗のものを「++++」で示し、5段階で評価を行った。その結果を表9に示す。

0041

0042

表9に示すとおり、畜肉ソーセージでは、少量の濃度で乳化剤、カルコン酸を添加することにより日持ち向上効果があることを確認した。腐敗菌の抗菌効果は、添加量を上げることにより上がることが確認できた。

0043

畜肉ハム
食品用日持向上剤を添加した畜肉ハムの保存試験を行った。
酢酸ナトリウム69.8部、グリシン5部、アジピン酸13部、グルコノデルタラクトン3部、乳化剤(C12)2部、明日葉抽出物(カルコン酸8%含有)0.2部、デキストリン7.00部を配合した食品用日持向上剤を調整した。豚肉100部、食塩3部、重合リン酸塩2部、たん白質素材20部、糖類9部、調味料1部、亜硝酸ナトリウム0.03部、アスコルビン酸ナトリウム0.7部、水44部を原材料とし、食品用日持向上剤の添加区無添加区を準備した。添加区では、食品用日持向上剤を0.8部加えた。これらの原材料を擂潰し、80℃40分の加熱後、畜肉ハムを作成した。
保存試験では、作成したハムをスライスした後、無菌シャーレに入れ、10℃で保存した。細菌の増殖を確認するため、標準寒天培地で一般生菌数について、BCP培地で乳酸菌数について、スパイラルプレーティング法により調べた。その結果を表10に示す。

0044

0045

表10に示すとおり、食品用日持向上剤を加えることにより、一般生菌数、乳酸菌数ともに増殖を抑制し、日持ち日数を6日間延長させることができた。

0046

魚肉ソーセージ
実施例2と同じ配合の食品用日持向上剤を用いて、魚肉ソーセージの保存試験を行った。スケソウすり身100部、食塩3部、砂糖5部、グルタミン酸Na1部、澱粉10部、水60部、食品用日持向上剤0〜1.2部を加えて擂潰し、85℃20分加熱後、魚肉ソーセージを作成した。食品用日持向上剤が無添加のものを(1)、0.6部添加したものを(2)、1.2部添加したものを(3)で示す。各魚肉ソーセージをスライスした後、無菌シャーレに入れ、10℃で保存し、標準寒天培地で一般生菌数、BCP培地で乳酸菌数についてスパイラルプレーティング法で検査を行った。その結果を表11に示す。

0047

表11に示すように、食品用日持向上剤添加区で、魚肉ソーセージ中の細菌の増殖抑制効果が見られ、10℃で19日の日持ち向上が可能であった。

0048

バラコ
実施例2と同じ配合の食品用日持向上剤を用いて、乳酸菌を摂取したバラコの保存試験を行った。ほぐしたバラコ100部に食品用日持向上剤0.8部を加え、約103個/mlに調整したホモタイプの桿菌であるLeuconostoc-mesenteroidesの菌液をバラコに摂取し、試料を作成した。試料の内容を表12に示す。

0049

0050

保存試験は、一般細菌についてSPC培地、乳酸菌についてBCP培地を用いて、10℃保存で細菌の増殖の経日的変化を調べた。その結果を表13に示す。

0051

実施例

0052

表13に示すように、食品用日持向上剤を加えることにより、一般生菌数、乳酸菌数ともに明らかに増殖を抑制し、日持ちの日数を5日間延長させることができた。

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