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技術 定着方法、画像形成方法及び画像形成装置

出願人 株式会社リコー
発明者 松田諒平長谷岳誠井上大輔川田哲平武井章生
出願日 2019年2月6日 (1年4ヶ月経過) 出願番号 2019-020079
公開日 2019年8月22日 (10ヶ月経過) 公開番号 2019-139226
状態 未査定
技術分野 電子写真における現像剤 電子写真における定着 電子写真における制御・管理・保安
主要キーワード 単体評価 位置合わせローラ マテリア 温度振幅 リバーシング ヒートフロー 定性定量分析 染み出し量
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

定着離型性を維持しながら、光沢残像の発生を抑制することが可能な定着方法を提供する。

解決手段

定着方法は、トナー定着装置25により記録媒体に定着させる方法である。トナーは、結着樹脂着色剤及び離型剤を含み、P2850/P828が0.01〜0.20の範囲にある。定着装置25は、モータMにより駆動回転する定着ローラ29と、定着ローラ29の駆動回転により従動回転する加圧ローラ27と、加圧ローラ27と定着ローラ29の間に挟まれている定着ベルト26と、定着ベルト26を加熱するための加熱ローラ31とを有する。

概要

背景

電子写真法は、一般に、感光体上に静電潜像を形成し、静電潜像を現像剤で現像してトナー画像とした後、トナー画像を紙等の記録媒体転写し、熱、圧力、溶剤気体等によって転写媒体定着することにより定着画像とする一連のプロセスにより、画像が形成される。詳細には、感光体から用紙等の記録媒体に転写された未定着のトナー画像を定着部材加圧部材との間に導き、加熱加圧してトナー画像を記録媒体に定着させる。このような定着方法において、トナーワックス等の離型剤を処方し、記録媒体が定着部材に巻きつくのを防止する、即ち、定着離型性を高める技術が知られている。

しかしながら、離型剤として、ワックスを処方したトナーを用いて、記録媒体にトナー画像を定着させた場合に、定着したトナー画像の表面にワックスが染み出し、定着部材の表面にワックスによる潜像が形成される。この状態で、次の記録媒体にトナー画像を定着させると、定着部材の表面に、ワックスの付着量が多い部分と少ない部分とが存在するために、定着したトナー画像に光沢残像が発生してしまうという問題があった。

そこで、駆動トルクを増大させることなく記録媒体が定着ニップ部で受けるせん断力を変化させ、光沢残像による画像不良の発生を低減する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。

概要

定着離型性を維持しながら、光沢残像の発生を抑制することが可能な定着方法を提供する。定着方法は、トナーを定着装置25により記録媒体に定着させる方法である。トナーは、結着樹脂着色剤及び離型剤を含み、P2850/P828が0.01〜0.20の範囲にある。定着装置25は、モータMにより駆動回転する定着ローラ29と、定着ローラ29の駆動回転により従動回転する加圧ローラ27と、加圧ローラ27と定着ローラ29の間に挟まれている定着ベルト26と、定着ベルト26を加熱するための加熱ローラ31とを有する。

目的

しかしながら、特許文献1に記載されている、ニップ内のせん断力が小さい定着ローラ駆動方式においては、特に、画像部比率が高いトナー画像を定着させる場合に、光沢残像の発生をさらに抑制することが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

トナー定着手段により記録媒体に定着させる方法であって、前記トナーは、結着樹脂着色剤及び離型剤を含み、FTIR−ATR全反射吸収赤外分光)法により求められる、波数828cm−1の強度に対する波数2850cm−1の強度の比(P2850/P828)が0.01〜0.20の範囲にあり、前記定着手段は、駆動源により駆動回転する定着部材と、前記定着手段の駆動回転により従動回転する加圧部材と、前記加圧部材と前記定着部材の間に挟まれている定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱するための加熱手段とを有することを特徴とする定着方法

請求項2

前記記録媒体が薄い場合に前記定着部材と前記加圧部材との間の加圧力を大きくすることを特徴とする請求項1の定着方法。

請求項3

前記トナーは、示差走査熱量測定DSC)の昇温回目におけるガラス転移温度(Tg1st)が45℃〜65℃であり、前記トナーは、テトラヒドロフラン(THF)に不溶な成分のDSCの昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)がTga1st及びTgb1stの2箇所に観察され、前記Tga1stは−45℃〜5℃の範囲であり、前記Tgb1stは45℃〜70℃の範囲であり、前記トナーは、THFに可溶な成分のDSCの昇温2回目におけるガラス転移温度(Tg2nd)が40℃〜65℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着方法。

請求項4

前記トナーは、テトラヒドロフラン(THF)に不溶な成分のDSCの昇温2回目におけるガラス転移温度(Tg2nd')が0℃〜50℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の定着方法。

請求項5

請求項1〜4のいずれか一項に記載の定着方法を用いて画像を形成することを特徴とする画像形成方法

請求項6

直前に形成された前記画像の画像面積率の値が所定の値以上である場合に前記定着部材の駆動速度を小さくすること特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。

請求項7

直前に形成された前記画像の画像面積率の値が所定の値以上である場合に前記定着部材と前記加圧部材の間の加圧力を小さくすることを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。

請求項8

静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記静電潜像担持体の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して、トナー画像を形成する現像手段と、前記トナー画像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写画像を定着させる定着手段とを有し、前記トナーは、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含み、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法により求められる、波数828cm−1の強度に対する波数2850cm−1の強度の比(P2850/P828)が0.01〜0.20の範囲にあり、前記定着手段は、駆動源により駆動回転する定着部材と、前記定着部材の駆動回転により従動回転する加圧部材と、前記加圧部材と前記定着部材の間に挟まれている定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱するための加熱手段とを有することを特徴とする画像形成装置

請求項9

前記トナーは、示差走査熱量測定(DSC)の昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)が45℃〜65℃であり、前記トナーは、テトラヒドロフラン(THF)に不溶な成分のDSCの昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)がTga1st及びTgb1stの2箇所に観察され、前記Tga1stは−45℃〜5℃の範囲であり、前記Tgb1stは45℃〜70℃の範囲であり、前記トナーは、THFに可溶な成分のDSCの昇温2回目におけるガラス転移温度(Tg2nd)が40℃〜65℃であることを特徴とする請求項8の画像形成装置。

請求項10

前記トナーは、テトラヒドロフラン(THF)に不溶な成分のDSCの昇温2回目におけるガラス転移温度(Tg2nd')が0℃〜50℃であることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。

技術分野

0001

本発明は、定着方法画像形成方法及び画像形成装置に関する。

背景技術

0002

電子写真法は、一般に、感光体上に静電潜像を形成し、静電潜像を現像剤で現像してトナー画像とした後、トナー画像を紙等の記録媒体転写し、熱、圧力、溶剤気体等によって転写媒体定着することにより定着画像とする一連のプロセスにより、画像が形成される。詳細には、感光体から用紙等の記録媒体に転写された未定着のトナー画像を定着部材加圧部材との間に導き、加熱加圧してトナー画像を記録媒体に定着させる。このような定着方法において、トナーワックス等の離型剤を処方し、記録媒体が定着部材に巻きつくのを防止する、即ち、定着離型性を高める技術が知られている。

0003

しかしながら、離型剤として、ワックスを処方したトナーを用いて、記録媒体にトナー画像を定着させた場合に、定着したトナー画像の表面にワックスが染み出し、定着部材の表面にワックスによる潜像が形成される。この状態で、次の記録媒体にトナー画像を定着させると、定着部材の表面に、ワックスの付着量が多い部分と少ない部分とが存在するために、定着したトナー画像に光沢残像が発生してしまうという問題があった。

0004

そこで、駆動トルクを増大させることなく記録媒体が定着ニップ部で受けるせん断力を変化させ、光沢残像による画像不良の発生を低減する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1に記載されている、ニップ内のせん断力が小さい定着ローラ駆動方式においては、特に、画像部比率が高いトナー画像を定着させる場合に、光沢残像の発生をさらに抑制することが望まれている。

0006

本発明の一態様は、定着離型性を維持しながら、光沢残像の発生を抑制することが可能な定着方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一態様は、トナーを定着手段により記録媒体に定着させる定着方法であって、前記トナーは、結着樹脂着色剤及び離型剤を含み、FTIR−ATR全反射吸収赤外分光)法により求められる、波数828cm−1の強度に対する波数2850cm−1の強度の比(P2850/P828)が0.01〜0.20の範囲にあり、前記定着手段は、駆動源により駆動回転する定着部材と、前記定着部材の駆動回転により従動回転する加圧部材と、前記加圧部材と前記定着部材の間に挟まれている定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱するための加熱手段とを有する。

0008

本発明の他の態様は、画像形成装置において、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記静電潜像担持体の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して、トナー画像を形成する現像手段と、前記トナー画像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写画像を定着させる定着手段とを有し、前記トナーは、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含み、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法により求められる、波数828cm−1の強度に対する波数2850cm−1の強度の比(P2850/P828)が0.01〜0.20の範囲にあり、前記定着手段は、駆動源により駆動回転する定着部材と、前記定着部材の駆動回転により従動回転する加圧部材と、前記加圧部材と前記定着部材の間に挟まれている定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱するための加熱手段とを有する。

発明の効果

0009

本発明の一態様によれば、定着離型性を維持しながら、光沢残像の発生を抑制することが可能な定着方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0010

本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成の一例を示す概略図である。
図1定着装置概略構成を示す側面図である。
定着ローラ駆動方式を示す概略図である。
加圧ローラ駆動方式を示す概略図である。
薄紙を通紙する場合の定着ニップ部を出た後の薄紙の状態を示す概略図である。
直前画像面積率の値に応じた定着制御機構の一例を示すフローチャートである。
直前の画像面積率の値に応じた定着制御機構の他の例を示すフローチャートである。
ガラス転移温度を説明する図である。
光沢残像を評価する際に用いる残像チャートと検知チャートを示す図である。

0011

以下、本発明を実施するための形態について、図面を用いて詳細に説明する。

0012

発明者らは、上記課題を解決するため、特定の定着方式と、表面のワックス量が制御されたトナーを用いて、トナー画像を定着させることで、定着時のワックスの染み出し量を特定の範囲に制御することにより、光沢残像の発生を抑制できることを見出した。具体的には、定着部材を主駆動とすることで、定着ニップ部にかかる力であるせん断力が小さくなる。このとき、せん断力は、トナーの表面に染み出たワックスをトナーから引き離す力として作用するため、せん断力を小さくすることで、ワックスが定着部材に過剰に移動することを抑制できる。また、上記トナーは、定着部材を主駆動とする場合に、定着離型性を維持しながら、光沢残像の発生を抑制できるように、離型剤の分散が制御されている。

0013

図1に、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成の一例を示す。

0014

図1に示す画像形成装置は、画像形成装置本体としての装置本体100と、装置本体100の下部に配置され装置本体100を載せる給紙テーブル200とから構成されている。

0015

装置本体100の内部には、4つの画像形成手段としての画像形成ユニット18Y、18M、18C、18K(以下、「18Y〜K」とも略記する)を横に並べて配置してタンデム型画像形成部20が構成されている。上記の各画像形成ユニット18Y〜Kの符号に付けた添え字のY、M、C、Kは、イエローマゼンタシアンブラックの各色をそれぞれ表している。

0016

各画像形成ユニット18Y〜Kは、それぞれY、M、C、Kの各色のトナー画像を担持する静電潜像担持体としてのドラム状の感光体40Y、40M、40C、40K(以下、「40Y〜K」とも略記する)を有している。

0017

以下、各画像形成ユニット18Y〜Kの構成は、同様であるため、トナーの色を表す添え字を付さない場合がある。

0018

タンデム型画像形成部20の下方であって、装置本体100の略中央部には、中間転写体としての無端ベルト状の中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10は、複数の支持ローラ14、15、15'、16に掛け回して、図1中、時計回り回転搬送することが可能である。図1では、支持ローラ16の左に、中間転写ベルト用のクリーニング装置17を設けている。クリーニング装置17は、トナー画像を転写した後に、中間転写ベルト10上に残留しているトナーを除去する。

0019

支持ローラ14と支持ローラ15間に張り渡した中間転写ベルト10上には、その搬送方向に沿って、上記した4つの画像形成ユニット18Y〜Kを横に並べて配置してタンデム型画像形成部20を構成している。

0020

タンデム型画像形成部20の上方には、2つの露光装置21が配置されている。各露光装置21は、それぞれ2つの画像形成ユニット(18Yと18M、18Cと18K)に対応して配置されている。各露光装置21は、例えば、2つの光源装置半導体レーザ半導体レーザアレイ、あるいはマルチビーム光源等)とカップリング光学系、共通の光偏向器ポリゴンミラー等)、2系統走査結像光学系等で構成される光走査方式の露光装置である。2つの露光装置21は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色の画像情報に応じて、感光体40Y〜Kの表面を露光し、静電潜像を形成する。

0021

各画像形成ユニット18Y〜Kの感光体40Y〜Kの周囲には、上記の露光に先立って各感光体40Y〜Kを均一に帯電させる帯電装置19、上記の露光装置21によって形成された静電潜像を各色のトナーで現像する現像装置38、トナー画像を転写した後に各感光体40Y〜K上に残留しているトナーを除去する感光体用のクリーニング装置が設けられている。

0022

また、各感光体40Y〜Kから中間転写ベルト10にトナー画像を転写する1次転写位置には、中間転写ベルト10を間に挟んで、各感光体40Y〜Kに対向するように、1次転写手段の構成要素としての1次転写ローラ62が設けられている。

0023

中間転写ベルト10を支持する複数の支持ローラのうち、支持ローラ14は、中間転写ベルト10を回転駆動する駆動ローラであり、公知の駆動伝達機構ギアプーリベルト等)を介して、モータと接続されている。また、ブラックの単色画像を中間転写ベルト10上に形成する場合には、公知の移動機構により、駆動ローラである支持ローラ14以外の支持ローラ15、15'を移動させて、イエロー、シアン、マゼンタの感光体40Y、40M、40Cを、中間転写ベルト10から離間させることが可能である。

0024

タンデム型画像形成部20と反対の側の中間転写ベルト10の下方には、2次転写装置22を備えている。2次転写装置22は、図1では、2次転写対向ローラ16に2次転写ローラ16'を押し当てて転写電界印加することで、中間転写ベルト10上のトナー画像を、記録媒体の一例としての、用紙に転写する。

0025

また、2次転写装置22の左側には、用紙上の転写画像(未定着画像)を定着する定着装置25が配置されている。

0026

2次転写装置22で画像が転写された用紙は、2つのローラ23に支持された搬送ベルト24により、定着装置25へと搬送される。もちろん、搬送ベルト24の部分は、固定されたガイド部材であってもよいし、搬送ローラ搬送コロ等であってもよい。

0027

なお、図1では、2次転写装置22及び定着装置25の下方に、タンデム型画像形成部20と平行に、用紙の両面に画像を記録するために、用紙を反転して搬送するシート反転装置28を備えている。

0028

次に、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の基本的動作について説明する。

0029

図1に示す画像形成装置は、公知のコンピュータとしての、パソコンからの画像情報に基づいて、画像を形成する。具体的には、図1に示す画像形成装置は、パソコンの操作部で設定されているモード設定に従い、フルカラーモード又は白黒モードで、画像を形成する。

0030

フルカラーモードが選択された場合には、各感光体40Y〜Kが、図1中、反時計回り方向に、それぞれ回転する。そして、その各感光体40Y〜Kの表面が、帯電装置19により、一様に帯電する。その後、各感光体40Y〜Kには、露光装置21から各色の画像に対応する露光光(例えば、レーザ光)がそれぞれ照射され、各色の画像データに対応した静電潜像がそれぞれ形成される。各感光体40Y〜Kが回転するため、各色のトナーを用いて現像する現像装置38により、各静電潜像は、現像され、各色のトナー画像が形成される。各色のトナー画像は、中間転写ベルト10上に順次転写されて、中間転写ベルト10上に、フルカラー画像が形成される。トナー画像を転写した後の各感光体40Y〜Kは、除電ランプにより光除電され、感光体用のクリーニング装置により、各感光体40Y〜Kに残留しているトナーが除去される。したがって、帯電装置19、露光装置21及び現像装置38は、各感光体40Y〜K上に、Y、M、C、Kの各色のトナー画像を形成する画像形成ユニット18Y〜Kを構成している。

0031

一方、給紙テーブル200内に複数配置されている給紙ローラ42の1つを選択回転する。そして、給紙テーブル200のペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つから用紙を送り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して装置本体100内の給紙路48に導き、その先端をレジストローラ位置合わせローラ)49に突き当てて止める。または、手差し給紙の場合には、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上の用紙を送り出し、手差し給紙路53に入れ、その先端をレジストローラ49に突き当てて止める。そして、中間転写ベルト10上のフルカラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と2次転写装置22との間に用紙を送り込み、2次転写装置22で転写して、用紙上にトナー画像を転写する。

0032

トナー画像が転写された用紙は、2次転写装置22及び搬送ベルト24で搬送されて定着装置25へと送り込まれ、定着装置25で熱と圧力とを加えて用紙に定着される。その後、公知の切換爪切り換えられると共に、案内されて、排出ローラ56で排出され、排紙トレイ57上に排出される。または、公知の切換爪で搬送方向が切り換えられて、シート反転装置28に入れられ、そこで反転して再び2次転写装置22へと再給紙され、裏面にも画像が形成された後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出される。以降、2枚以上の画像形成が指示されているときには、上述した画像形成プロセスが繰り返される。

0033

白黒モードが選択された場合には、支持ローラ15、15'が下方に移動し、中間転写ベルト10を、感光体40Y、40M、40Cから離間させる。感光体40Kのみが、図1中、反時計回り方向に回転し、感光体40Kの表面が、帯電装置19Kにより、一様に帯電し、Kの画像に対応する露光光(例えば、レーザ光)が照射され、静電潜像が形成され、現像装置38KのKのトナーにより現像されてトナー画像となる。トナー画像は、中間転写ベルト10上に転写される。この際、K以外の3色の感光体40Y、40M、40C、現像装置38Y、38M、38Cは、停止しており、感光体40Y、40M、40Cや現像剤の不要な消耗を防止する。

0034

一方、給紙カセット44から用紙が給紙され、レジストローラ49により、中間転写ベルト10上に形成されているトナー画像と一致するタイミングで搬送される。トナー画像が転写された用紙は、フルカラー画像の場合と同様に、定着装置25で定着され、指定されたモードに応じた排紙系を通って処理される。以降、2枚以上の画像形成が指示されているときには、上述した画像形成プロセスが繰り返される。

0035

<定着装置>
図2に、定着装置25の概略構成を示す。

0036

図2に示すように、定着装置25は、所定の方向に走行してトナー画像を加熱溶融する定着ベルト26と、定着ベルト26に圧接して用紙Sが搬送される定着ニップ部を形成する加圧部材である加圧ローラ27を有している。

0037

定着ベルト26は、PI(ポリイミド樹脂からなる層厚90μmのベース層上に、弾性層離型層が順次積層された多層構造の無端ベルトである。

0038

定着ベルト26の弾性層は、層厚が200μm程度であって、シリコーンゴムフッ素ゴム発泡性シリコーンゴム等の弾性材料で形成されている。

0039

定着ベルト26の離型層は、層厚が20μm程度であって、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PESポリエーテルサルファイド)等で形成されている。定着ベルト26の表面に離型層を設けることにより、トナー画像に対する離型性(剥離性)が確保され、トナー画像を用紙Sに良好に定着させ、且つ、用紙Sを定着ベルト26から良好に分離することができる。

0040

定着装置25は、定着ベルト26の内側に、定着部材である定着ローラ29と、定着ベルト26を加熱する加熱手段である加熱ローラ31を有している。即ち、定着ベルト26は、加圧ローラ27と定着ローラ29の間に挟まれている。

0041

定着ローラ29は、芯金上層に、厚さ5〜30mmのシリコーンゴム層を有し、定着ベルト26を介して、加圧ローラ27と圧接されることにより、定着ニップ部が形成される。

0042

加熱ローラ31は、アルミニウム、SUS、銅等の金属で構成されており、熱源は、ハロゲンヒータ、IH加熱装置等である。

0043

熱源がハロゲンヒータである場合は、ハロゲンヒータは、加熱ローラ31の内側に配置される。一方、熱源がIH加熱装置である場合は、IH加熱装置は、定着ベルト26の外側に配置される。

0044

さらに、加熱ローラ31には、軸方向の温度の均一化を目的として、ヒートパイプ圧入されていてもよい。

0045

また、定着装置25は、加圧ローラ27に空気を吹き付けて冷却する冷却ファン35を内蔵している。

0046

次に、図3及び図4を用いて、定着ローラ駆動方式と加圧ローラ駆動方式を説明する。

0047

図3(a)に示すように、定着ローラ29に駆動力を与えて、定着装置25を駆動させる方式を定着ローラ駆動方式と呼ぶ。

0048

図3(b)に示すように、本構成では、定着ローラ29に装着されたギアG1を、駆動源としての、モータMにより、駆動させることで、定着ローラ29が駆動回転する。また、加圧ローラ27に装着されたギアG2がギアG1に噛み合わせられているため、ギアG2が駆動し、加圧ローラ27が従動回転する。

0049

定着ローラ駆動方式では、定着ニップ部で生じるせん断力は小さくなる。これは、被駆動部材である加圧ローラ27の変形量が小さいため、加圧ローラ27を回転する際の負荷回転負荷のみとなるためである。言い換えれば、加圧ローラ27は、殆ど変形せず、ウェブからの負荷以外の定着ローラ29にかかる負荷がほぼ無いため、定着ローラ29のゴム圧縮負荷と定着ローラ29の駆動力は、定着ローラ29の芯金29aと弾性層29bの界面にかかるからである。

0050

図4に示すように、加圧ローラ27に駆動力を与えて定着装置25'を駆動させる方式を加圧ローラ駆動方式と呼ぶ。

0051

加圧ローラ駆動方式では、被駆動部材である定着ローラ29は、弾性層29bの厚さが大きく、変形量も大きくなるため、定着ローラ29の回転に必要な負荷は、定着ローラ29の回転負荷と変形分の負荷となる。そのため、加圧ローラ駆動方式では、定着ニップ部で生じるせん断力が大きくなる。

0052

次に、図5を用いて、定着ローラ駆動方式で薄紙を通紙する場合の定着ニップ部を出た後の薄紙の状態を説明する。

0053

定着ローラ駆動方式(図5(a)参照)では、定着ベルト26に巻き付きやすい薄紙S'が、定着ニップ部を出た後の曲率R1が大きい定着ベルト26と接触する長さ(時間)L1が長くなる。

0054

これに対して、加圧ローラ駆動方式(図5(b)参照)では、薄紙S'が、定着ニップ部を出た後の曲率R2が小さい定着ベルト26と接触する長さ(時間)L2が短くなる。

0055

このため、定着ローラ駆動方式では、トナー画像の表面から染み出したワックスが定着ベルト26に移行する量、即ち、定着ベルト26に移行するワックス量が多くなり、光沢残像が発生する場合がある。そこで、薄紙S'を通紙する場合は、定着ローラ29と加圧ローラ27の間の加圧力を大きくして、定着ニップ部を出た後の定着ベルト26のR1を小さくする。これにより、L1が短くなり、定着ベルト26に移行するワックス量を減らすことができ、その結果、薄紙S'を通紙する場合の光沢残像の発生を抑制することができる。

0056

次に、図6を用いて、直前の画像面積率に応じた定着制御機構を説明する。

0057

直前の画像面積率、即ち、直前の通紙における画像面積率が大きい場合、直前の画像面積率が小さい場合と比較して、定着ベルト26に移行するワックス量が多く、光沢残像が発生しやすい。そこで、直前の画像面積率が大きい場合には、ニップ時間を変更することで、定着ベルト26に移行するワックス量を減らすことができる。ニップ時間が短い程、定着ベルト26とトナー画像の間のせん断力が印加される時間が短くなり、定着ベルト26に移行するワックス量が少なくなるため、光沢残像の発生を抑制できる。

0058

具体的には、直前の画像面積率が所定値以上であるかどうかを判断する(S1)。次に、直前の画像面積率が所定値以上である場合、定着ローラ29の駆動速度を大きくした後(S2)、通紙する。一方、直前の画像面積率が所定値未満である場合、定着ローラ29の駆動速度を変更せずに、通紙する。

0059

次に、図7を用いて、画像面積率に応じた定着制御機構を説明する。

0060

直前の画像面積率が大きい場合には、ニップ圧を変更することで、定着ベルト26に移行するワックス量を減らすことができる。ニップ圧が小さい程、定着ベルト26とトナー画像の間のせん断力が小さくなり、定着ベルト26に移行するワックス量が少なくなるため、光沢残像の発生を抑制できる。

0061

具体的には、直前の画像面積率が所定値以上であるかどうかを判断する(S11)。次に、直前の画像面積率が所定値以上である場合、定着ローラ29と加圧ローラ27の間の加圧力を小さくした後(S12)、通紙する。一方、直前の画像面積率が所定値未満である場合、定着ローラ29と加圧ローラ27の間の加圧力を変更せずに、通紙する。

0062

<トナー>
トナーは、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含み、必要に応じて、帯電制御剤添加剤等のその他の成分をさらに含む。

0063

トナーは、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法により求められる、波数828cm−1の強度に対する波数2850cm−1の強度の比(P2850/P828)が0.01〜0.20の範囲にあり、0.04〜0.14の範囲にあることが好ましい。P2850/P828が0.01未満であると、トナーの表面近傍離型剤量が少なく、定着離型性が低下し、0.20を超えると、トナーの表面近傍の離型剤量が多くなり、光沢残像が発生しやすくなる。

0064

ここで、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法により求められる波数2850cm−1の強度(P2850)は、トナーの表面近傍に存在する離型剤の量と相関がある。また、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法により求められる波数828cm−1の強度(P828)は、トナーの表面近傍に存在する結着樹脂の量と相関がある。このため、強度比(P2850/P828)を規定することで、トナーの表面近傍の相対的な離型剤量(ワックス量)を規定することができる。

0065

トナーは、示差走査熱量測定DSC)の昇温回目におけるガラス転移温度(Tg1st)が45℃〜65℃であることが好ましい。

0066

トナーは、テトラヒドロフラン(THF)に不溶な成分のDSCの昇温1回目におけるガラス転移温度(Tg1st)がTga1st及びTgb1stの2箇所に観察され、Tga1stは−45℃〜5℃の範囲であり、Tgb1stは45℃〜70℃の範囲であることが好ましい。

0067

トナーは、THFに可溶な成分のDSCの昇温2回目におけるガラス転移温度(Tg2nd)が40℃〜65℃であることが好ましい。

0068

THFに不溶な成分は、ポリエステル樹脂であることが好ましく、Tga1st及びTgb1stに起因する成分は、二つの樹脂成分(それぞれポリエステル樹脂成分A及びポリエステル樹脂成分Bとする)であることが好ましい。このように、THFに不溶な成分が2箇所のガラス転移温度を示すのは、2種のそれぞれ物性の異なるポリエステルプレポリマー)に由来する。

0069

トナーは、THFに不溶な成分のDSCの昇温2回目におけるガラス転移温度(Tg2nd')が0℃〜50℃であることが好ましい。

0070

THFに可溶な成分は、ポリエステル樹脂であることが好ましく、Tg2ndに起因する成分をポリエステル樹脂成分Cとする。この場合、トナーのTHFに可溶な成分は、Tg2ndが40〜65℃となるポリエステル樹脂成分Cを含むことが好ましい。

0071

トナーは、結晶性樹脂をさらに含むことが好ましい。結晶性樹脂と、結晶性樹脂以外の結着樹脂が相溶して、結着樹脂のガラス転移温度が低下することで、定着駆動方式と組み合わせた場合に優れた低温定着性を達成することができる。

0072

<離型剤>
前記離型剤としては特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。

0074

また、これら天然ワックスのほか、フィッシャートロプシュワックスポリエチレンポリプロピレン等の合成炭化水素ワックスエステルケトンエーテル等の合成ワックス;などが挙げられる。

0076

これらの中でも、パラフィンワックスマイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックスポリプロピレンワックスなどの炭化水素系ワックスが好ましい。

0077

前記離型剤の融点は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃〜80℃が好ましい。融点が60℃以上であると、低温で離型剤が溶融しにくくなり耐熱保存性が向上する。一方、融点が80℃以下であると、樹脂が溶融して定着温度領域にある場合に、離型剤が充分溶融して、定着オフセットの発生を抑制し、画像の欠損の発生を抑制することができる。

0078

前記離型剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー100質量部に対して2〜10質量部が好ましく、3〜8質量部がより好ましい。含有量が2質量部以上であると、定着時の耐高温オフセット性及び低温定着性が向上し、10質量部以下であると、耐熱保存性が向上し、画像のかぶりが生じにくくなる。含有量が前記より好ましい範囲内であると、高画質化及び定着安定性を向上させる点で有利である。

0079

前記離型剤は、前記トナー母体粒子中に分散した状態で存在することが好ましく、そのためには、前記離型剤と前記結着樹脂とは相溶しないことが好ましい。前記離型剤が、前記トナー母体粒子中に微分散する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナーを製造する時に、混練のせん断力をかけて分散させる方法などが挙げられる。

0080

トナーの表面近傍の離型剤量は、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法により求められる。測定原理から分析深さは0.3μm程度であり、この分析により、トナーの表面から0.3μmの深さ領域における相対的な離型剤量を求めることができる。具体的な測定方法は、以下の通りである。

0081

先ず、試料としての、トナー3gを自動ペレット成型器(Type M No.50 BRP−E;前川試験機製作所製)を用いて、6tの荷重で1分間プレスして、直径40mm(厚さ約2mm)のペレットを作製した。そのペレットの表面を、FTIR−ATR法により測定した。用いた顕微FTIR装置は、PERKIN ELMER製Spectrum OneにMultiScope ATRユニットを設置したものであり、直径100μmのゲルマニウム(Ge)結晶のマイクロATRにより測定した。このとき、赤外線入射角41.5°、分解能4cm−1、積算20回の条件で測定した。得られた波数2850cm−1の強度(P2850)と波数828cm−1の強度(P828)の強度比(P2850/P828)をトナーの表面近傍の相対的な離型剤量とした。なお、P2850/P828は、測定場所を変えて4回測定した測定値平均値とした。

0082

<結着樹脂>
結着樹脂としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができる。例えば、スチレン系単量体アクリル系単量体メタクリル系単量体等のビニル重合体、これらの単量体又は2種類以上からなる共重合体、ポリエステル系重合体ポリオール樹脂、フェノール樹脂シリコーン樹脂ポリウレタン樹脂ポリアミド樹脂フラン樹脂エポキシ樹脂キシレン樹脂テルペン樹脂クマロンインデン樹脂ポリカーボネート樹脂石油系樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、トナーに用いる結着樹脂として、ポリエステル系重合体(ポリエステル樹脂)を含有させることが好ましい。前記ポリエステル樹脂としては、未変性ポリエステル樹脂が好ましい。前記未変性ポリエステル樹脂とは、多価アルコールと、多価カルボン酸多価カルボン酸無水物多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸又はその誘導体とを用いて得られるポリエステル樹脂であって、ポリイソシアネートなどにより変性されていないポリエステル樹脂である。

0083

<テトラヒドロフラン(THF)に不溶なポリエステル樹脂成分A>
ポリエステル樹脂成分Aは構成成分として、多価アルコール成分及び多価カルボン酸成分を含むことが好ましく、多価アルコール成分としてはジオール成分であることが好ましい。

0084

前記ジオール成分としては、例えば炭素数3〜10の脂肪族ジオールが挙げられる。

0085

前記炭素数3〜10の脂肪族ジオールとしては、例えば、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールなどが挙げられる。

0086

多価アルコール成分中の炭素数3〜10の脂肪族ジオールの含有量は、50mol%以上であることが好ましく、80mol%以上であることがより好ましい。

0087

また、ポリエステル樹脂成分Aのジオール成分としては、主鎖となる部分の炭素数が3〜9の奇数であり、アルキル基を側鎖に有することが好ましく、中でも下記一般式(1)で表される構造のものが好ましい。

0088

HO−(CR1R2)n−OH・・・(1)
上記式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。nは、3〜9の奇数を表す。n個の繰り返し単位において、R1及びR2は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。

0089

また、ポリエステル樹脂成分Aは架橋成分を含むことが好ましい。架橋成分として、3価以上の脂肪族アルコール成分を含有することが好ましく、定着画像の光沢及び画像濃度の点から、3価又は4価の脂肪族アルコール成分を含むことがより好ましい。3価又は4価の脂肪族アルコール成分としては、3価又は4価の炭素数3〜10の脂肪族多価アルコール成分であることが好ましい。前記架橋成分は、前記3価以上の脂肪族アルコールのみであってもよい。

0090

前記3価以上の脂肪族アルコールとしては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリントリメチロールエタントリメチロールプロパンペンタエリスリトールソルビトールジペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらの3価以上の脂肪族アルコールは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0091

ポリエステル樹脂成分Aの架橋成分として、3価以上のカルボン酸エポキシ化合物等を用いることもできるが、ムラが発生しにくく、十分な光沢や画像濃度が得られるという観点から架橋成分として3価以上の脂肪族アルコールを含有することがより好ましい。

0092

ポリエステル樹脂成分Aの構成成分中の架橋成分の割合は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5〜5質量%が好ましく、1〜3質量%がより好ましい。

0093

ポリエステル樹脂成分Aの構成成分である多価アルコール成分中の3価以上の脂肪族アルコールの割合は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50〜100質量%が好ましく、90〜100質量%がより好ましい。

0094

ポリエステル樹脂成分Aの前記ジカルボン酸成分には、炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸を含有し、50mol%以上含有することが好ましい。

0095

前記炭素数4〜12の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸グルタル酸アジピン酸ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸セバシン酸ドデカン二酸などが挙げられる。

0096

またポリエステル樹脂成分Aは、紙などの記録媒体への接着性がより優れる点から、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有することが好ましい。これにより、ウレタン結合又はウレア結合が擬似架橋点のような挙動を示し、ポリエステル樹脂成分Aのゴム的性質が強くなり、トナーの耐熱保存性、耐高温オフセット性がより優れる。

0097

ポリエステル樹脂成分Aの分子量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。しかし、分子量が低すぎると、トナーの耐熱保存性、現像機内での攪拌等のストレスに対する耐久性に劣る場合があり、分子量が高すぎると、トナーの溶融時の粘弾性が高くなり低温定着性に劣る場合がある。従って、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定において、重量平均分子量(Mw)が100,000〜200,000であることが好ましい。

0098

ポリエステル樹脂成分AのTgは、−50℃〜0℃が好ましく、−40℃〜−20℃がより好ましい。前記Tgが−50℃以上であると、トナーの耐熱保存性及び現像機内での攪拌等のストレスに対する耐久性が良くなり、また、耐フィルミング性が向上する。一方、前記Tgが0℃以下であると、トナーの定着時における加熱及び加圧による変形が十分でとなり、低温定着性が十分となる。

0099

<テトラヒドロフラン(THF)に不溶なポリエステル樹脂成分B>
ポリエステル樹脂成分Bは、多価アルコール成分及び多価カルボン酸成分を含むことが好ましい。また、エステル結合及び該エステル結合以外の結合単位を含む変性ポリエステルであることが好ましく、結着樹脂前駆体は前記変性ポリエステルを生成することが可能な樹脂前駆体であることが好ましい。

0100

多価アルコール成分としては、アルキレングリコールエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等);アルキレンエーテルグリコールジエチレングリコールトリエチレングリコールジプロピレングリコールポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリテトラメチレンエーテルグリコール等);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール水素添加ビスフェノールA等);ビスフェノール類ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等);前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイドエチレンオキサイドプロピレンオキサイドブチレンオキサイド等)付加物;前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物等が挙げられ、2種以上併用してもよい。中でも、炭素数が2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物(例えば、ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2mol付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3mol付加物等)が好ましい。

0101

また、3価以上のポリオールとして、多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等);3価以上のポリフェノール類フェノールノボラッククレゾールノボラック等);3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられ、2種以上併用してもよい。

0102

2価のカルボン酸成分としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸フマル酸等);芳香族ジカルボン酸テレフタル酸イソフタル酸ナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられ、2種以上併用してもよい。中でも、炭素数が4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数が8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。

0103

3価以上のポリカルボン酸としては、炭素数が9〜20の芳香族ポリカルボン酸トリメリット酸ピロメリット酸等)等が挙げられ、2種以上併用してもよい。

0104

なお、ポリカルボン酸の代わりに、ポリカルボン酸の無水物または低級アルキルエステルメチルエステルエチルエステルイソプロピルエステル等)を用いてもよい。

0105

またポリエステル樹脂成分Bは、紙などの記録媒体への接着性がより優れる点から、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有することが好ましい。これにより、ウレタン結合又はウレア結合が擬似架橋点のような挙動を示し、ポリエステル樹脂成分Bのゴム的性質が強くなり、トナーの耐熱保存性、耐高温オフセット性がより優れる。

0106

ポリエステル樹脂成分BのTgは、45℃〜65℃が好ましく、50℃〜60℃がより好ましい。前記Tgが45℃以上であると、トナーの耐熱保存性及び現像機内での攪拌等のストレスに対する耐久性が良くなり、また、耐フィルミング性が向上する。一方、前記Tgが65℃以下であると、トナーの定着時における加熱及び加圧による変形が十分となり、低温定着性が十分となる。

0107

<テトラヒドロフラン(THF)に可溶なポリエステル樹脂成分C>
ポリエステル樹脂成分Cは、構成成分として、ジオール成分及びジカルボン酸成分を含むことが好ましく、アルキレングリコールを40mol%以上含有することが好ましい。ポリエステル樹脂成分Cは、構成成分として架橋成分を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。

0108

ポリエステル樹脂成分Cとしては、線状のポリエステル樹脂が好ましい。

0109

また、ポリエステル樹脂成分Cとしては、未変性ポリエステル樹脂が好ましい。前記未変性ポリエステル樹脂とは、多価アルコールと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸又はその誘導体を用いて得られるポリエステル樹脂であって、イソシアネート化合物などにより変性されていないものである。

0110

前記多価アルコールとしては、例えば、ジオールなどが挙げられる。

0111

前記ジオールとしては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニルプロパンポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド平均付加モル数1〜10)付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール;水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物などが挙げられる。

0112

これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0113

前記多価カルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸などが挙げられる。

0114

前記ジカルボン酸としては、例えばアジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、及びドデセニルコハク酸オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基置換されたコハク酸などが挙げられる。特に、多価カルボン酸中のテレフタル酸の含有量が50mol%以上であることが好ましい。

0115

これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0116

また、ポリエステル樹脂成分Cは、酸価水酸基価を調整するため、その樹脂鎖の末端に3価以上のカルボン酸及び/又は3価以上のアルコールを含んでいてもよい。

0117

前記3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、又はそれらの酸無水物などが挙げられる。

0118

前記3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。

0119

また、ポリエステル樹脂成分Cは架橋成分を含むことが好ましい。架橋成分として、3価以上の脂肪族アルコールを含有することが好ましく、定着画像の光沢及び画像濃度の点から、3価又は4価の脂肪族アルコールを含むことがより好ましい。3価又は4価の脂肪族アルコールとしては、3価又は4価の炭素数3〜10の脂肪族多価アルコール成分であることが好ましい。前記架橋成分は、前記3価以上の脂肪族アルコールのみであってもよい。

0120

前記3価以上の脂肪族アルコールとしては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらの3価以上の脂肪族アルコールは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0121

ポリエステル樹脂成分Cの架橋成分として、3価以上のカルボン酸やエポキシ化合物等を用いることもできるが、ムラが発生しにくく、十分な光沢や画像濃度が得られるという観点から架橋成分として3価以上の脂肪族アルコールを含有することがより好ましい。

0122

ポリエステル樹脂成分Cの分子量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。しかし、分子量が低すぎると、トナーの耐熱保存性、現像機内での攪拌等のストレスに対する耐久性に劣る場合があり、分子量が高すぎると、トナーの溶融時の粘弾性が高くなり低温定着性に劣る場合がある。また分子量600以下の成分が多すぎると、トナーの耐熱保存性、現像機内での攪拌等のストレスに対する耐久性に劣る場合があり、分子量600以下の成分が少なすぎると、低温定着性に劣る場合がある。

0123

従って、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定において、重量平均分子量(Mw)が3,000〜10,000であることが好ましく、数平均分子量(Mn)が1,000〜4,000であることが好ましい。また、Mw/Mnは、1.0〜4.0であることが好ましい。また、前記重量平均分子量(Mw)は、4,000〜7,000がより好ましく、前記数平均分子量(Mn)は、1,500〜3,000がより好ましく、前記Mw/Mnは、1.0〜3.5がより好ましい。

0124

また、THF可溶分の分子量600以下の成分は2〜10質量%が好ましい。ポリエステル樹脂成分Cをメタノールにより抽出し、分子量600以下の成分を除去し、精製してもよい。

0125

ポリエステル樹脂成分Cの酸価は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜50mgKOH/gが好ましく、5〜30mgKOH/gがより好ましい。前記酸価が1mgKOH/g以上であると、トナーが負帯電性となりやすく、更には、紙への定着時に紙とトナーの親和性が良くなり、低温定着性を向上させることができる。一方、前記酸価が、50mgKOH/gを超えると、帯電安定性、特に環境変動に対する帯電安定性が低下することがある。

0126

ポリエステル樹脂成分Cの水酸基価は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5mgKOH/g以上であることが好ましい。

0127

ポリエステル樹脂成分CのTgは、45℃〜65℃が好ましく、50℃〜60℃がより好ましい。前記Tgが45℃以上であると、トナーの耐熱保存性、及び現像機内での攪拌等のストレスに対する耐久性が良くなり、また、耐フィルミング性が向上する。一方、前記Tgが65℃以下であると、トナーの定着時における加熱及び加圧による変形が十分となり、低温定着性が十分となる。

0128

ポリエステル樹脂成分Cの含有量は、トナー100質量部に対して、80〜90質量部であることが好ましく、80質量部であることがより好ましい。本実施形態のように、ポリエステル樹脂成分A、ポリエステル樹脂成分B、ポリエステル樹脂成分Cのような3成分系の場合、原因は定かではないが、ポリエステル樹脂成分Cの含有量が80質量部以上であると、ポリエステル樹脂成分A、ポリエステル樹脂成分Bが分離しにくくなり、トナー中の顔料分散性が向上し、トナーの着色度が向上する。

0129

結着樹脂は、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有するポリエステル樹脂を含んでいることが好ましい。

0130

前記ウレタン結合及び/又はウレア結合を有するポリエステル樹脂は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、活性水素基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートとの反応生成物などが挙げられる。この反応生成物は、後述する硬化剤と反応させる反応性前駆体(以下、「プレポリマー」と称することがある)として使用することが好ましい。

0131

−活性水素基を有するポリエステル樹脂−
前記活性水素基を有するポリエステル樹脂は、例えば、ジオールと、ジカルボン酸と、3価以上のアルコール及び3価以上のカルボン酸の少なくともいずれかとを重縮合することにより得られる。前記3価以上のアルコール及び前記3価以上のカルボン酸は、前記イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂に分岐構造を付与する。

0132

前記ジオール、前記ジカルボン酸、前記3価以上のアルコール、及び前記3価以上のカルボン酸の具体例としては、前述の前記ジオール、前記ジカルボン酸、前記3価以上のアルコール、及び前記3価以上のカルボン酸の具体例がそれぞれ挙げられる。

0133

−ポリイソシアネート−
前記ポリイソシアネートには特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジイソシアネート、3価以上のイソシアネートなどが挙げられる。

0134

前記ジイソシアネートとしては、例えば、脂肪族ジイソシアネート脂環式ジイソシアネート芳香族ジイソシアネート芳香脂肪族ジイソシアネートイソシアヌレート類、これらをフェノール誘導体オキシムカプロラクタム等でブロックしたものなどが挙げられる。

0135

前記脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトカプロン酸メチルオクタメチレンジイソシアネートデカメチンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネートテトラメチルヘキサンジイソシアネートなどが挙げられる。

0136

前記脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネートシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。

0137

前記芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネートジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4'−ジイソシアナトジフェニル、4,4'−ジイソシアナト−3,3'−ジメチルジフェニル、4,4'−ジイソシアナト−3−メチルジフェニルメタン、4,4'−ジイソシアナト−ジフェニルエーテルなどが挙げられる。

0138

前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。

0139

前記イソシアヌレート類としては、例えば、トリス(イソシアナトアルキル)イソシアヌレート、トリス(イソシアナトシクロアルキル)イソシアヌレートなどが挙げられる。

0140

これらのポリイソシアネートは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0141

−硬化剤−
前記硬化剤は、プレポリマーと反応するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基含有化合物などが挙げられる。

0142

−−活性水素基含有化合物−−
前記活性水素基含有化合物における活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基メルカプト基などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0143

前記活性水素基含有化合物としては、ウレア結合を形成することが可能な点で、アミン類が好ましい。

0144

前記アミン類としては、例えば、ジアミン、3価以上のアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタンアミノ酸、これらのアミノ基をブロックしたものなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0145

これらの中でも、ジアミン、又はジアミンと少量の3価以上のアミンとの混合物が好ましい。

0146

前記ジアミンとしては、例えば、芳香族ジアミン脂環式ジアミン脂肪族ジアミンなどが挙げられる。前記芳香族ジアミンとしては、例えば、フェニレンジアミンジエチルトルエンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。前記脂環式ジアミンとしては、例えば、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサンイソホロンジアミンなどが挙げられる。前記脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミンテトラメチレンジアミンヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。

0147

前記3価以上のアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミントリエチレンテトラミンなどが挙げられる。

0148

前記アミノアルコールとしては、例えば、エタノールアミンヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。

0149

前記アミノメルカプタンとしては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。

0150

前記アミノ酸としては、例えば、アミノプロピオン酸アミノカプロン酸などが挙げられる。

0151

前記アミノ基をブロックしたものとしては、例えば、アミノ基を、アセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトン等のケトン類でブロックすることにより得られるケチミン化合物オキサゾリン化合物などが挙げられる。

0152

前記ポリエステル樹脂成分の分子構造は、溶液又は固体でのNMR測定の他に、X線回折GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。簡便には、赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm−1及び990±10cm−1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有しないものをポリエステル樹脂として検出する方法が挙げられる。

0153

結晶性ポリエステル樹脂成分D>
前記結晶性樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂成分D(以下、結晶性ポリエステル樹脂と表記する)を挙げて説明する。前記結晶性ポリエステル樹脂は、高い結晶性をもつために、定着開始温度付近において急激な粘度低下を示す熱溶融特性を示す。このような特性を有する結晶性ポリエステル樹脂を前記ポリエステル樹脂と共に用いることで、溶融開始温度の直前までは結晶性による耐熱保存性がよく、溶融開始温度では結晶性ポリエステル樹脂の融解による急激な粘度低下(シャーメルト)を起こさせることができる。そして、それに伴い結晶性ポリエステル樹脂は前記ポリエステル樹脂と相溶し、共に急激に粘度低下することで定着することから、良好な耐熱保存性と低温定着性とを兼ね備えたトナーが得られる。このようなトナーを定着駆動方式と組み合わせることで、離型幅(定着下限温度高温オフセット発生温度との差)についても、良好な結果を示す。

0154

前記結晶性ポリエステル樹脂は、多価アルコールと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸又はその誘導体とを用いて得られる。

0155

なお、本実施形態において、結晶性ポリエステル樹脂とは、上記のごとく、多価アルコールと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステル等の多価カルボン酸又はその誘導体とを用いて得られるものを指し、ポリエステル樹脂を変性したもの、例えば、前記プレポリマー、及びそのプレポリマーを架橋及び/又は伸長反応させて得られる樹脂は、前記結晶性ポリエステル樹脂には属さない。

0156

本実施形態において、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性の有無は、結晶解析X線回折装置(例えばX'Pert ProMRフィリッップス社)により確認することができる。以下に、具体的な測定方法を記載する。

0157

まず、対象試料乳鉢によりすり潰して試料粉体を作製し、得られた試料粉体を試料ホルダーに均一に塗布する。その後、回折装置内に試料ホルダーをセットして、測定し、X線回折スペクトルを得る。X線回折スペクトルの20°<2θ<25°の範囲のピークのうち、最も強度が大きいピークの半値幅が2.0°以下である場合に、結晶性を有すると判断する。

0158

結晶性ポリエステル樹脂に対し、上記状態を示さないポリエステル樹脂を、本実施形態では、非晶質ポリエステル樹脂という。

0159

以下にX線回折の測定条件の一例を記す。

0160

〔測定条件〕
Tension kV:45kV
Current:40mA
MPSS
Upper
Gonio
Scanmode: continuos
Start angle:3°
End angle:35°
Angle Step:0.02°
Lucident beam optics
Divergence slit : Div slit 1/2
Diffraction beam optics
Anti scatter slit: As Fixed 1/2
Receiving slit : Prog rec slit
−多価アルコール−
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、3価以上のアルコールが挙げられる。

0161

前記ジオールとしては、例えば、飽和脂肪族ジオールなどが挙げられる。前記飽和脂肪族ジオールとしては、直鎖飽和脂肪族ジオール、分岐飽和脂肪族ジオールが挙げられるが、これらの中でも、直鎖飽和脂肪族ジオールが好ましく、炭素数が2以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジオールがより好ましい。前記飽和脂肪族ジオールが分岐型であると、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が低下してしまうことがある。また、前記飽和脂肪族ジオールの炭素数が12を超えると、実用上の材料の入手が困難となる。炭素数としては12以下であることがより好ましい。

0162

前記飽和脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が高く、シャープメルト性に優れる点で、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールが好ましい。

0163

前記3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0164

−多価カルボン酸−
前記多価カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2価のカルボン酸、3価以上のカルボン酸が挙げられる。

0165

前記2価のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸;などが挙げられ、更に、これらの無水物やこれらの低級(炭素数1〜3)アルキルエステルも挙げられる。

0166

前記3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級(炭素数1〜3)アルキルエステルなどが挙げられる。

0167

また、前記多価カルボン酸としては、前記飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸が含まれていてもよい。更に、前記飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つジカルボン酸を含有してもよい。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0168

前記結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数4以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸と、炭素数2以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジオールとから構成されることが好ましい。即ち、前記結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数4以上12以下の飽和脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位と、炭素数2以上12以下の飽和脂肪族ジオールに由来する構成単位とを有することが好ましい。そうすることにより、結晶性が高く、シャープメルト性に優れることから、優れた低温定着性を発揮できる点で好ましい。

0169

前記結晶性ポリエステル樹脂の融点は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以上80℃以下であることが好ましい。前記融点が60℃以上であると、結晶性ポリエステル樹脂が低温で溶融しにくく、トナーの耐熱保存性が向上し、80℃以下であると、定着時の加熱による結晶性ポリエステル樹脂の溶融が十分となり、低温定着性が向上する。

0170

前記結晶性ポリエステル樹脂の分子量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。分子量分布がシャープで低分子量のものが低温定着性に優れ、かつ分子量が低い成分が多いと耐熱保存性が低下するという観点から、前記結晶性ポリエステル樹脂のオルトジクロロベンゼンの可溶分が、GPC測定において、重量平均分子量(Mw)3,000〜30,000、数平均分子量(Mn)1,000〜10,000、Mw/Mn1.0〜10であることが好ましい。さらには、重量平均分子量(Mw)5,000〜15,000、数平均分子量(Mn)2,000〜10,000、Mw/Mn1.0〜5.0であることが好ましい。

0171

前記結晶性ポリエステル樹脂の酸価は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、紙と樹脂との親和性の観点から、所望の低温定着性を達成するためには、5mgKOH/g以上が好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましい。一方、耐高温オフセット性を向上させるには、酸価は、45mgKOH/g以下が好ましい。

0172

前記結晶性ポリエステル樹脂の水酸基価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、所望の低温定着性を達成し、かつ良好な帯電特性を達成するためには、0mgKOH/g〜50mgKOH/gが好ましく、5mgKOH/g〜50mgKOH/gがより好ましい。

0173

前記結晶性ポリエステル樹脂の分子構造は、溶液又は固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm−1又は990±10cm−1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有するものを結晶性ポリエステル樹脂として検出する方法が挙げられる。

0174

前記結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、1質量部〜10質量部が好ましく、2質量部〜4質量部がより好ましい。前記含有量が1質量部以上であると、結晶性ポリエステル樹脂によるシャープメルト化が十分となり、低温定着性が向上し、10質量部以下であると、耐熱保存性が向上し、画像のかぶりが生じにくくなる。前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、高画質、及び低温定着性の全てに優れる点で有利である。

0175

<着色剤>
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0176

その例としては、カーボンブラックニグロシン染料鉄黒ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー黄色酸化鉄黄土黄鉛チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキキノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ鉛丹、鉛カドミウムレッドカドミウムマーキュリレッドアンチモン朱パーマネントレッド4Rパラレッドファイセーレッド、パラクロロオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーミンBSパーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファトルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6Bピグメントスカーレット3Bボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBLボルドー10Bボンマルーンライトボンマルーンメジアムエオシンレーキ、ローダミンレーキBローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッドキナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオンベンジジンオレンジペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルーセルリアンブルーアルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルーインダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ群青紺青アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーンジングリーン酸化クロムピリジアン、エメラルドグリーンピグメントグリーンBナフトールグリーンB、グリーンゴールドアシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。前記着色剤の含有量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー100質量部に対して1質量部〜15質量部が好ましく、3質量部〜10質量部がより好ましい。

0177

前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造に使用される樹脂又はマスターバッチとともに混練される樹脂としては、前記ポリエステル樹脂の他に、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレンポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリルインデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体ポリメチルメタクリレートポリブチルメタクリレートポリ塩化ビニルポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂ポリウレタンポリアミドポリビニルブチラールポリアクリル酸樹脂ロジン変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂芳香族系石油樹脂塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。

0178

これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0179

前記マスターバッチは、マスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合し、混練して得ることができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂及び有機溶剤とともに混合混練して着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も、着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるので乾燥する必要がなく好ましい。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。

0180

<帯電制御剤>
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0182

具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエン化学工業製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体TP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット製)、銅フタロシアニンペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子化合物が挙げられる。

0183

前記帯電制御剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.2質量部〜5質量部がより好ましい。

0184

<添加剤>
前記添加剤としては、無機微粒子が2種類以上添加されることが好ましく、そのうちの1種類以上がシリカであり、公知のものの中から目的に応じて複数種類を組み合わせて適宜選択することができる。例えば、疎水化されたシリカ微粒子脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛ステアリン酸アルミニウムなど);金属酸化物(例えばチタニアアルミナ酸化錫酸化アンチモンなど)又はこれらの疎水化物フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、チタニア微粒子、疎水化されたチタニア微粒子が好ましい。

0185

前記疎水化されたシリカ微粒子としては、例えば、HDK H2000T、HDK H2000/4、HDK H2050EP、HVK21、HDK H1303VP(いずれも、クラリアントジャパン製);R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812、NX90G(いずれも日本アエロジル製)などが挙げられる。

0186

前記チタニア微粒子としては、例えば、P−25(日本アエロジル製);STT−30、STT−65C−S(いずれも、チタン工業製);TAF−140(富士チタン工業製);MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれも、テイカ製)などが挙げられる。

0187

前記疎水化されたチタニア微粒子としては、例えば、T−805(日本アエロジル製);STT−30A、STT−65S−S(いずれも、チタン工業製);TAF−500T、TAF−1500T(いずれも、富士チタン工業製);MT−100S、MT−100T、MT−150AFM(いずれも、テイカ製);IT−S(石原産業製)などが挙げられる。

0188

<トナー及びトナー構成成分の各種特性算出方法及び分析方法
次に、トナー及びトナー構成成分の各種特性の算出方法及び分析方法について説明する。前記ポリエステル樹脂成分A、B、C、結晶性ポリエステル樹脂成分及び前記離型剤等のトナー構成成分のガラス転移温度Tg、酸価、水酸基価、分子量、及び融点は、それぞれ、それ自体について測定してもよいが、実際のトナーからソックスレー抽出やゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)等により分離を行い、その分離した各成分について測定してもよい。本実施形態において、トナー中のトナー構成成分を分離する手段は任意に選択することが可能であるが、対象試料のガラス転移温度Tgの測定は後述の方法で測定する。

0189

まず一例を説明する。トナー中のポリエステル樹脂成分A、ポリエステル樹脂成分B、及びポリエステル樹脂成分Cのそれぞれのガラス転移温度を測定する方法について、一例を示す。トナー1gを100mLのTHF中に投入し、ソックスレー抽出を行い、THF可溶分と不溶分を得る。これを真空乾燥機を用いて、24時間乾燥させ、THF可溶分からポリエステル樹脂成分Cと結晶性ポリエステル樹脂成分Dの混合物が得られ、THF不溶分からポリエステル樹脂成分Aとポリエステル樹脂成分Bの混合物が得られる。これらを対象試料とし、後述の方法でガラス転移温度を測定する。

0190

なお、ポリエステル樹脂成分Aとポリエステル樹脂成分Bについては、ガラス転移温度が両者で異なるため、上記によりポリエステル樹脂成分Aとポリエステル樹脂成分Bの混合物を得て、この混合物についてガラス転移温度を測定すれば、ポリエステル樹脂成分A、ポリエステル樹脂成分Bのガラス転移温度を求めることができる。

0191

次に、その他の例を説明する。トナー1gを100mLのTHF中に投入し、25℃の条件下、30分間攪拌しながら可溶分が溶解した溶解液を得る。これを目開き0.2μmのメンブランフィルターでろ過し、トナー中のTHF可溶分を得る。次いで、これをTHFに溶解させてGPC測定用の試料とし、ポリエステル樹脂成分Cの分子量測定に用いるGPCに注入する。また、ポリエステル樹脂成分A及びポリエステル樹脂成分BのGPC測定用の試料として、トナー中のTHF不溶分を用いる。

0192

一方、GPCの溶出液出口フラクションコレクターを配置して、所定のカウントごとに、溶出液を分取しておき、溶出曲線溶出開始(曲線立ち上がり)から面積率で5%ごとに溶出液を得る。次いで各溶出成分について、1mLの重クロロホルムに30mgのサンプルを溶解させ、基準物質として0.05体積%のテトラメチルシランTMS)を添加する。溶液を5mm径のNMR測定用ガラス管充填し、核磁気共鳴装置日本電子製JNM−AL400)を用いて、23℃〜25℃で、128回積算し、NMRスペクトルを得る。トナーに含まれるポリエステル樹脂成分A、B、C、結晶性ポリエステル樹脂成分Dなどのモノマー組成及び構成比率は、得られたスペクトルのピークの面積比から求めることができる。

0193

次に、GPCによる各成分の分離の例について説明する。THFを移動相とするGPC測定において、溶出液を、フラクションコレクターなどにより分取し、溶出曲線の全面積分のうちの所望の分子量部分に相当するフラクションをまとめる。次いで、まとめた溶出液をエバポレーターなどにより濃縮し、乾燥させた後、固形分を重クロロホルム又は重THFなどの重溶媒に溶解させ、1H−NMRを測定し、各元素の面積比から、溶出成分における樹脂の構成モノマー比率を算出する。また、他の手法として、溶出液を濃縮した後、水酸化ナトリウムなどにより加水分解し、分解生成物高速液体クロマトグラフィーHPLC)などにより定性定量分析して構成モノマー比率を算出してもよい。

0194

なお、トナーの製造方法が、非線状の反応性前駆体と硬化剤との伸長反応及び/又は架橋反応によりポリエステル樹脂を生成しながら、トナー母体粒子を形成する場合には、実際のトナーからGPC等により分離し、ポリエステル樹脂のTgなどを求めてもよい。また、別途、非線状の反応性前駆体と硬化剤との伸長反応及び/又は架橋反応により、ポリエステル樹脂を合成し、その合成したポリエステル樹脂からTgなどを測定してもよい。

0195

<<融点、及びガラス転移温度Tgの測定方法>>
本実施形態において、融点、ガラス転移温度Tgは、DSCシステム示差走査熱量計)(「Q−200」、TAインスツルメント製)を用いて測定する。

0196

具体的には、対象試料の融点、ガラス転移温度は、下記手順により測定する。

0197

まず、対象試料約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、−80℃から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱する(昇温1回目)。その後、150℃から降温速度10℃/minで−80℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minで150℃まで加熱(昇温2回目)する。この昇温1回目、及び昇温2回目のそれぞれにおいて、示差走査熱量計(「Q−200」、TAインスツルメント製)を用いてDSC曲線計測する。

0198

得られるDSC曲線から、Q−200システム中の解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温1回目におけるガラス転移温度Tg1stを求めることができる。同様に、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温2回目におけるガラス転移温度Tg2ndを求めることができる。なお、図8に示すオンセット値をTgとした。

0199

また本測定は、前記トナーのTHFに不溶な成分において、昇温1回目のガラス転移温度(Tg1st)を二箇所に分離できるという点で、以下に示すようなモジュレーション温度振幅を与えて昇温させる測定が好ましい。

0200

(測定条件)
モジュレーションモードを用いて、モジュレーション温度振幅:±1.0℃/分を与えながら、−80℃から昇温速度1.0℃/minで150℃まで加熱する(昇温1回目)。その後、150℃から降温速度10℃/minで−80℃まで冷却させ、更に昇温速度1.0℃/minで150℃まで加熱する(昇温2回目)。

0201

得られたDSC曲線を、前記と同様に、Q−200システム中の解析プログラムを用いて、リバーシングヒートフロー縦軸にとることで、DSC曲線を得、図8に示すオンセット値をTgとした。

0202

また、得られるDSC曲線から、Q−200システム中の解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温1回目における吸熱ピークトップ温度を、融点として求めることができる。同様に、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温2回目における吸熱ピークトップ温度を、融点として求めることができる。

0203

なお、前記ポリエステル樹脂成分A、B、及びC、前記離型剤等のその他の構成成分の融点、ガラス転移温度Tgは、特に断りがない場合、2回目の昇温時における吸熱ピークトップ温度、ガラス転移温度Tg2ndを各対象試料の融点及びガラス転移温度Tgとする。

0204

<トナーの製造方法>
トナーの製造方法には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記離型剤と前記ポリエステル樹脂成分として、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有しないポリエステル樹脂を含み、好ましくはウレタン結合及び/又はウレア結合を有するプレポリマーであるポリエステル樹脂を含み、更に必要に応じて、前記硬化剤、離型剤、着色剤などを含む油相水系媒体中で分散させることにより造粒することが更に好ましい。

0205

このようなトナーの製造方法として、公知の溶解懸濁法が挙げられる。

0206

その一例として、前記プレポリマーと前記硬化剤との伸長反応及び/又は架橋反応によりポリエステル樹脂を生成させながら、トナー母体粒子を形成する方法を示す。

0207

この方法では、水系媒体の調製、トナー材料を含有する油相の調製、トナー材料の乳化乃至分散、有機溶媒の除去を行う。

0208

−水系媒体(水相)の調製−
前記水系媒体の調製は、例えば、樹脂粒子を水系媒体に分散させることにより行うことができる。前記樹脂粒子の水系媒体中の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水系媒体100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましい。

0209

前記水系媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、水、水と混和可能な溶媒、これらの混合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水が好ましい。

0210

前記水と混和可能な溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セロソルブ類、低級ケトン類などが挙げられる。前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなどが挙げられる。前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。

0211

−油相の調製−
本実施形態における前記トナー材料を含有する油相の調製は、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有しないポリエステル樹脂と離型剤を含み、更に必要に応じて、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有するプレポリマーであるポリエステル樹脂と、硬化剤、着色剤などを含むトナー材料を、有機溶媒中に溶解乃至分散させることにより行うことができる。

0212

前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、除去が容易である点で、沸点が150℃未満の有機溶媒が好ましい。

0213

前記沸点が150℃未満の有機溶媒としては、例えば、トルエンキシレンベンゼン四塩化炭素塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタントリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼンジクロロエチリデン酢酸メチル酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。

0214

これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0215

これらの中でも、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等が好ましく、酢酸エチルがより好ましい。

0216

−乳化乃至分散−
前記トナー材料の乳化乃至分散は、前記トナー材料を含有する油相を、前記水系媒体中に分散させることにより行うことができる。そして、前記トナー材料を乳化乃至分散させる際に、前記硬化剤と前記プレポリマーとを伸長反応及び/又は架橋反応させることができる。

0217

前記プレポリマーを生成させるための反応条件(反応時間、反応温度)は、特に制限はなく、前記硬化剤と前記プレポリマーとの組み合わせに応じて、適宜選択することができる。前記反応時間は、10分間〜40時間が好ましく、2〜24時間がより好ましい。前記反応温度は、0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。

0218

前記水系媒体中において、前記プレポリマーを含有する分散液を安定に形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、水系媒体中に、トナー材料を溶媒に溶解乃至分散させて調製した油相を添加し、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。

0219

前記分散のための分散機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、低速せん断式分散機高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機などが挙げられる。これらの中でも、分散体油滴)の粒子径を2〜20μmに制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。

0220

前記高速せん断式分散機を用いる場合、回転数、分散時間、分散温度等の条件は、目的に応じて適宜選択することができる。前記回転数は、1,000〜30,000rpmが好ましく、5,000〜20,000rpmがより好ましい。前記分散時間は、バッチ方式の場合、0.1〜5分間が好ましい。前記分散温度は、加圧下において、0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。なお、一般に、前記分散温度が高温である方が分散は容易である。

0221

前記トナー材料を乳化乃至分散させる際の水系媒体の使用量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー材料100質量部に対して、50〜2,000質量部が好ましく、100〜1,000質量部がより好ましい。

0222

前記トナー材料を含有する油相を乳化乃至分散させる際には、油滴等の分散体を安定化させ、所望の形状にするとともに粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。

0223

前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、界面活性剤難水溶性無機化合物分散剤、高分子保護コロイドなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。

0224

前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、陰イオン界面活性剤陽イオン界面活性剤非イオン界面活性剤両性界面活性剤などを用いることができる。前記陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩α−オレフィンスルホン酸塩リン酸エステルなどが挙げられる。これらの中でも、フルオロアルキル基を有するものが好ましい。

0225

−有機溶媒の除去−
前記乳化スラリー等の分散液から有機溶媒を除去する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、反応系全体を徐々に昇温して油滴中の有機溶媒を蒸発させる方法、分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して油滴中の有機溶媒を除去する方法などが挙げられる。

0226

前記有機溶媒が除去されると、トナー母体粒子が形成される。トナー母体粒子に対しては、洗浄、乾燥等を行うことができ、更に分級等を行うことができる。前記分級は、液中サイクロンデカンター遠心分離などにより、添加剤を取り除くことにより行ってもよいし、乾燥させた後に行ってもよい。

0227

前記得られたトナー母体粒子は、前記外添剤、前記帯電制御剤等の粒子と混合してもよい。このとき、機械的衝撃力を印加することにより、トナー母体粒子の表面から前記外添剤等の粒子が脱離するのを抑制することができる。

0228

前記機械的衝撃力を印加する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板衝突させる方法などが挙げられる。

0229

前記方法に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、オングミル(ホソカワミクロン製)、I式ミル(日本ニューマチック製)を改造して粉砕エアー圧力下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業製)、自動乳鉢などが挙げられる。

0230

以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下、特に説明のない限り、「部」は質量部を意味し、「%」は質量%を意味する。

0231

(製造例1)
〔トナー1の作製〕
(製造例A−1)
<プレポリマーA−1(非晶質ポリエステル樹脂A−1)の合成>
冷却管撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、イソフタル酸、アジピン酸、無水トリメリット酸を、水酸基とカルボキシル基のモル比であるOH/COOHが1.5であり、ジオール成分の構成が3−メチル−1,5−ペンタンジオール100mol%であり、ジカルボン酸成分の構成がイソフタル酸40mol%及びアジピン酸60mol%であり、全モノマー中における無水トリメリット酸の量が1mol%となるように、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)とともに投入した。

0232

その後、4時間程度で200℃まで昇温し、次いで、2時間かけて230℃まで昇温し、流出水がなくなるまで反応させた。

0233

その後、更に、10mmHg〜15mmHgの減圧下で5時間反応させ、[中間体ポリエステルA−1]を得た。

0234

次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステルA−1]とイソホロンジイソシアネート(IPDI)とをモル比(IPDIのイソシアネート基/中間体ポリエステルの水酸基)2.0で投入し、酢酸エチルで50%酢酸エチル溶液となるように希釈した後、100℃で5時間反応させ、[プレポリマーA−1]を得た。

0235

なお、[プレポリマーA−1]から、後述する実施例及び比較例におけるトナーの作製過程で、ポリエステル樹脂成分Aに相当する[ポリエステル樹脂成分A−1]が生成する(以下、製造例A、Bで同様)。

0236

(製造例A−2)
<プレポリマーA−2(非晶質ポリエステル樹脂A−2)の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、イソフタル酸、アジピン酸、無水トリメリット酸を、水酸基とカルボキシル基のモル比であるOH/COOHが1.5であり、ジオール成分の構成が3−メチル−1,5−ペンタンジオール100mol%であり、ジカルボン酸成分の構成がイソフタル酸33mol%及びアジピン酸67mol%であり、全モノマー中における無水トリメリット酸の量が1mol%となるように、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)とともに投入した。

0237

その後、4時間程度で200℃まで昇温し、次いで、2時間かけて230℃まで昇温し、流出水がなくなるまで反応させた。

0238

その後、更に、10mmHg〜15mmHgの減圧下で5時間反応させ、[中間体ポリエステルA−2]を得た。

0239

次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステルA−2]とイソホロンジイソシアネート(IPDI)とをモル比(IPDIのイソシアネート基/中間体ポリエステルの水酸基)2.0で投入し、酢酸エチルで50%酢酸エチル溶液となるように希釈した後、100℃で5時間反応させ、[プレポリマーA−2]を得た。

0240

(製造例A−3)
<プレポリマーA−3(非晶質ポリエステル樹脂A−3)の合成>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、イソフタル酸、アジピン酸、無水トリメリット酸を、水酸基とカルボキシル基のモル比であるOH/COOHが1.5であり、ジオール成分の構成が3−メチル−1,5−ペンタンジオール100mol%であり、ジカルボン酸成分の構成がイソフタル酸67mol%及びアジピン酸33mol%であり、全モノマー中における無水トリメリット酸の量が1mol%となるように、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)とともに投入した。

0241

その後、4時間程度で200℃まで昇温し、次いで、2時間かけて230℃まで昇温し、流出水がなくなるまで反応させた。

0242

その後、更に、10mmHg〜15mmHgの減圧下で5時間反応させ、[中間体ポリエステルA−3]を得た。

0243

次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステルA−3]とイソホロンジイソシアネート(IPDI)とをモル比(IPDIのイソシアネート基/中間体ポリエステルの水酸基)2.0で投入し、酢酸エチルで50%酢酸エチル溶液となるように希釈した後、100℃で5時間反応させ、[プレポリマーA−3]を得た。

0244

(製造例B−1)
<プレポリマーB−1(非晶質ポリエステル樹脂B−1)の合成)>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2mol付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mol付加物、テレフタル酸、アジピン酸を、水酸基とカルボキシル基のモル比であるOH/COOHが1.1であり、ジオール成分の構成がビスフェノールAのエチレンオキサイド2mol付加物80mol%、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mol付加物20mol%であり、ジカルボン酸成分の構成がテレフタル酸60mol%及びアジピン酸40mol%となるように、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)とともに投入した。

0245

その後、4時間程度で200℃まで昇温し、次いで、2時間かけて230℃まで昇温し、流出水がなくなるまで反応させた。

0246

その後、更に、10mmHg〜15mmHgの減圧下で5時間反応させ、[中間体ポリエステルB−1]を得た。

0247

次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、得られた[中間体ポリエステルB−1]とイソホロンジイソシアネート(IPDI)とをモル比(IPDIのイソシアネート基/中間体ポリエステルの水酸基)2.0で投入し、酢酸エチルで50%酢酸エチル溶液となるように希釈した後、100℃で5時間反応させ、[プレポリマーB−1]を得た。

0248

<プレポリマーB−2(非晶質ポリエステル樹脂B−2)の合成)>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2mol付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mol付加物、テレフタル酸、アジピン酸を、水酸基とカルボキシル基のモル比であるOH/COOHが1.1であり、ジオール成分の構成がビスフェノールAのエチレンオキサイド2mol付加物80mol%、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mol付加物20mol%であり、ジカルボン酸成分の構成がテレフタル酸30mol%及びアジピン酸70mol%となるように、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)とともに投入した。

0249

その後、4時間程度で200℃まで昇温し、次いで、2時間かけて230℃まで昇温し、流出水がなくなるまで反応させた。

0250

その後、更に、10mmHg〜15mmHgの減圧下で5時間反応させ、[中間体ポリエステルB−2]を得た。

0251

次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、得られた[中間体ポリエステルB−2]とイソホロンジイソシアネート(IPDI)とをモル比(IPDIのイソシアネート基/中間体ポリエステルの水酸基)2.0で投入し、酢酸エチルで50%酢酸エチル溶液となるように希釈した後、100℃で5時間反応させ、[プレポリマーB−2]を得た。

0252

<プレポリマーB−3(非晶質ポリエステル樹脂B−3)の合成)>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2mol付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mol付加物、テレフタル酸、アジピン酸を、水酸基とカルボキシル基のモル比であるOH/COOHが1.1であり、ジオール成分の構成がビスフェノールAのエチレンオキサイド2mol付加物80mol%、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2mol付加物20mol%であり、ジカルボン酸成分の構成がテレフタル酸80mol%及びアジピン酸20mol%となるように、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)とともに投入した。

0253

その後、4時間程度で200℃まで昇温し、次いで、2時間かけて230℃まで昇温し、流出水がなくなるまで反応させた。

0254

その後、更に、10mmHg〜15mmHgの減圧下で5時間反応させ、[中間体ポリエステルB−3]を得た。

0255

次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、得られた[中間体ポリエステルB−3]とイソホロンジイソシアネート(IPDI)とをモル比(IPDIのイソシアネート基/中間体ポリエステルの水酸基)2.0で投入し、酢酸エチルで50%酢酸エチル溶液となるように希釈した後、100℃で5時間反応させ、[プレポリマーB−3]を得た。

0256

(製造例C−1)
<非晶質ポリエステル樹脂C−1の合成>
窒素導入管、脱水管攪拌器及び熱電対装備した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3mol付加物、テレフタル酸、アジピン酸、トリメチロールプロパンを、ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物とビスフェノールAプロピレンオキサイド3mol付加物とがモル比(ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3mol付加物)で85/15であり、テレフタル酸とアジピン酸とがモル比(テレフタル酸/アジピン酸)で75/25であり、全モノマー中におけるトリメチロールプロパンの量が1mol%であり、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.2となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)とともに常圧で230℃で8時間反応させ、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で4時間反応させた。その後、反応容器に無水トリメリット酸を全樹脂成分に対して1mol%になるように入れ、180℃、常圧で3時間反応させ、[非晶質ポリエステル樹脂C−1]を得た。

0257

(製造例C−2)
<非晶質ポリエステル樹脂C−2の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3mol付加物、テレフタル酸、アジピン酸、トリメチロールプロパンを、ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物とビスフェノールAプロピレンオキサイド3mol付加物とがモル比(ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3mol付加物)で85/15であり、テレフタル酸とアジピン酸とがモル比(テレフタル酸/アジピン酸)で65/35であり、全モノマー中におけるトリメチロールプロパンの量が1mol%であり、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.2となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)とともに常圧で230℃で8時間反応させ、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で4時間反応させた。その後、反応容器に無水トリメリット酸を全樹脂成分に対して1mol%になるように入れ、180℃、常圧で3時間反応させ、[非晶質ポリエステル樹脂C−2]を得た。

0258

(製造例C−3)
<非晶質ポリエステル樹脂C−3の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3mol付加物、テレフタル酸、アジピン酸、トリメチロールプロパンを、ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物とビスフェノールAプロピレンオキサイド3mol付加物とがモル比(ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3mol付加物)で85/15であり、テレフタル酸とアジピン酸とがモル比(テレフタル酸/アジピン酸)で85/15であり、全モノマー中におけるトリメチロールプロパンの量が1mol%であり、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.2となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)とともに常圧で230℃で8時間反応させ、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で4時間反応させた。その後、反応容器に無水トリメリット酸を全樹脂成分に対して1mol%になるように入れ、180℃、常圧で3時間反応させ、[非晶質ポリエステル樹脂C−3]を得た。

0259

(製造例C−4)
<非晶質ポリエステル樹脂C−4の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3mol付加物、テレフタル酸、アジピン酸、トリメチロールプロパンを、ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物とビスフェノールAプロピレンオキサイド3mol付加物とがモル比(ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3mol付加物)で85/15であり、テレフタル酸とアジピン酸とがモル比(テレフタル酸/アジピン酸)で60/40であり、全モノマー中におけるトリメチロールプロパンの量が1mol%であり、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.2となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)とともに常圧で230℃で8時間反応させ、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で4時間反応させた。その後、反応容器に無水トリメリット酸を全樹脂成分に対して1mol%になるように入れ、180℃、常圧で3時間反応させ、[非晶質ポリエステル樹脂C−4]を得た。

0260

(製造例D−1)
<結晶性ポリエステル樹脂D−1の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ドデカン二酸、1,6−ヘキサンジオールを、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが0.9となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)とともに、180℃で10時間反応させた後、200℃まで昇温して3時間反応させ、更に8.3kPaの圧力で2時間反応させ、[結晶性ポリエステル樹脂D−1]を得た。

0261

結晶性ポリエステル樹脂分散液の作製>
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[結晶性ポリエステル樹脂D−1]50部、酢酸エチル450部を仕込み、撹拌下80℃まで昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃まで冷却した。次に、ビーズミルウルトラビスコミル、アイメックス製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒の条件で、直径0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填し、3パスの条件で分散させ、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を得た。

0262

<マスターバッチ(MB)の調製>
水1,200部、カーボンブラック(Printex35デクサ製)〔DBP吸油量=42mL/100mg、pH=9.5〕500部、[非晶質ポリエステル樹脂C−1]500部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合した。その後、混合物を、2本ロールを用いて、150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザーを用いて、粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。

0263

WAX分散液の作製>
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、パラフィンワックス50部(日本精製、HNP−9、炭化水素系ワックス、融点75℃、SP値8.8)、酢酸エチル450部を仕込み、撹拌下80℃まで昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却まで冷却した。次に、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒の条件で、直径0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填し、3パスの条件で分散させ、[WAX分散液1]を得た。

0264

<ケチミン化合物の合成>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部、メチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応させ、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。

0265

<油相の調製>
[WAX分散液1]500部、[プレポリマーA−1]76部、[プレポリマーB−1]152部、[非晶質ポリエステル樹脂C−1]836部、[マスターバッチ1]100部、硬化剤としての、[ケチミン化合物1]2部を、容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)を用いて、7,000rpmで60分間混合し、[油相1]を得た。

0266

有機微粒子エマルション微粒子分散液)の合成>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルナトリウム塩エレミノールRS−30:三洋化成工業製)11部、スチレン138部、メタクリル酸138部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、回転数400rpmで15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。次に、加熱して、系内温度を75℃まで昇温し、5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で5時間熟成して、ビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。

0267

[微粒子分散液1]は、LA−920(HORIBA製)により測定した体積平均粒径が0.14μmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂成分を単離した。

0268

<水相の調製>
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とした。

0269

<乳化・脱溶剤
[油相1]が入った容器に、[水相1]1,200部を加え、TKホモミキサーを用いて、回転数13,000rpmで20分間混合し、[乳化スラリー1]を得た。次に、撹拌機及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成し、[分散スラリー1]を得た。

0270

<洗浄・乾燥>
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、以下の操作を行った。

0271

(1):濾過ケーキイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、濾過した。

0272

(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。

0273

(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、濾過した。

0274

(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、濾過する、という前記(1)〜(4)の操作を2回行い、[濾過ケーキ]を得た。

0275

[濾過ケーキ]を、循風乾燥機により、45℃で48時間乾燥させた後、目開き75μmのメッシュい、[トナー母体粒子1]を得た。

0276

外添処理
[トナー母体粒子1]100部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体0.8部とを、20Lヘンシェルミキサー(三井鉱山製)を用い、−5℃の30%エチレングリコール水溶液ジャケットに流して混合容器の内部を冷却しつつ、周速50m/sの条件で、5分間混合した。次に、500メッシュの篩により風篩し、[トナー1]を得た。このとき、[トナー1]のP2850/P828は、0.10であった。

0277

キャリアの作製>
トルエン100部に、シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン)100部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5部、カーボンブラック10部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。

0278

流動床型コーティング装置を用いて、平均粒径50μmの球状マグネタイト1,000質量部の表面に、樹脂層塗布液を塗布して、[キャリア]を作製した。

0279

<現像剤の作製>
ボールミルを用いて、[トナー1]5質量部と[キャリア]95質量部とを混合し、現像剤を作製した。

0280

(製造例2)
〔トナー2の作製〕
<WAX分散液の作製>において、分散条件を1パスに変更した以外は、製造例1と同様にして、[WAX分散液2]を得た。

0281

[WAX分散液1]を[WAX分散液2]に代えた以外は、製造例1と同様にして、[トナー2]を得た。このとき、[トナー2]のP2850/P828は、0.14であった。

0282

(製造例3)
〔トナー3の作製〕
<WAX分散液の作製>において、分散条件を5パスに変更した以外は、製造例1と同様にして[WAX分散液3]を得た。

0283

[WAX分散液1]を[WAX分散液3]に代えた以外は、製造例1と同様にして、[トナー3]を得た。このとき、[トナー3]のP2850/P828は、0.05であった。

0284

(製造例4)
[プレポリマーA−1]を[プレポリマーA−2]に、[ポリエステル樹脂C−1]を[ポリエステル樹脂C−2]に代えた以外は、製造例1と同様にして、[トナー4]を得た。このとき、[トナー4]のP2850/P828は、0.10であった。

0285

(製造例5)
[プレポリマーA−1]76部を[プレポリマーA−2]152部に、[ポリエステル樹脂C−1]836部を[ポリエステル樹脂C−2]760部に代えた以外は、製造例1と同様にして、[トナー5]を得た。このとき、[トナー5]のP2850/P828は、0.11であった。

0286

(製造例6)
製造例1において、[WAX分散液1]500部、[プレポリマーA−2]152部、[プレポリマーB−2]251部、[非晶質ポリエステル樹脂C−1]836部、[マスターバッチ1]100部、硬化剤としての、[ケチミン化合物1]2部を、容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)を用いて、7,000rpmで60分間混合し、[油相6]を得た。

0287

[油相1]を[油相6]に代えた以外は、製造例1と同様にして、[トナー6]を得た。このとき、[トナー6]のP2850/P828は、0.10であった。

0288

(製造例7)
製造例1において、[WAX分散液1]500部、[プレポリマーA−2]34部、[プレポリマーB−2]534部、[非晶質ポリエステル樹脂C−1]836部、[マスターバッチ1]100部、硬化剤としての、[ケチミン化合物1]2部を、容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)を用いて、7,000rpmで60分間混合し、[油相7]を得た。

0289

[油相1]を[油相7]に代えた以外は、製造例1と同様にして、[トナー7]を得た。このとき、[トナー7]のP2850/P828は、0.10であった。

0290

(製造例8)
[プレポリマーA−1]76部を[プレポリマーA−3]19部に、[プレポリマーB−1]152部を[プレポリマーB−3]226部に、[ポリエステル樹脂C−1]836部を[ポリエステル樹脂C−3]779部に代えた以外は、製造例1と同様にして、[トナー8]を得た。このとき、[トナー8]のP2850/P828は、0.09であった。

0291

(製造例9)
[ポリエステル樹脂C−1]を[ポリエステル樹脂C−4]に代えた以外は、製造例1と同様にして、[トナー9]を得た。このとき、[トナー9]のP2850/P828は、0.12であった。

0292

(製造例10)
[プレポリマーB−1]の添加量を0部に代えた以外は、製造例1と同様にして、[トナー10]を得た。このとき、[トナー10]のP2850/P828は、0.10であった。

0293

(製造例11)
[プレポリマーA−1]の添加量を0部に代えた以外は、製造例1と同様にして、[トナー11]を得た。このとき、[トナー11]のP2850/P828は、0.10であった。

0294

(製造例12)
〔トナー12の作製〕
<油相の調製>において、TKホモミキサー(特殊機化製)を用いて、5,000rpmで60分間混合した以外は、製造例2と同様にして、[トナー12]を得た。このとき、[トナー12]のP2850/P828は、0.19であった。

0295

(製造例13)
〔トナー13の作製〕
<油相の調製>において、[WAX分散液3]の添加量を250部に代え、<乳化・脱溶剤>において、10℃の冷却水で冷却しながら、TKホモミキサーを用いて、回転数15,000rpmで30分間混合した以外は、製造例3と同様にして、[トナー13]を得た。このとき、[トナー13]のP2850/P828は、0.03であった。

0296

(製造例14)
〔トナー14の作製〕
<油相の調製>において、TKホモミキサー(特殊機化製)を用いて、5,000rpmで20分間混合した以外は、製造例12と同様にして[トナー14]を得た。このとき、[トナー14]のP2850/P828は、0.22であった。

0297

(製造例15)
〔トナー15の作製〕
<油相の調製>において、[WAX分散液1]の添加量を0部に代えた以外は、製造例1と同様にして、[トナー15]を得た。このとき、[トナー15]のP2850/P828は、0であった。

0298

(製造例16)
〔トナー16の作製〕
製造例1において、[WAX分散液1]500部、[プレポリマーA−1]76部、[プレポリマーB−1]152部、[非晶質ポリエステル樹脂C−1]836部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]300部、[マスターバッチ1]100部、硬化剤としての、[ケチミン化合物1]2部を、容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)を用いて、6,000rpmで60分間混合し、[油相16]を得た。

0299

[油相1]を[油相16]に代えた以外は、製造例1と同様にして、[トナー16]を得た。このとき、[トナー16〕のP2850/P828は、0.14であった。

0300

(製造例17)
〔トナー17の作製〕
製造例1において、[WAX分散液1]500部、[プレポリマーA−1]76部、[プレポリマーB−1]152部、[非晶質ポリエステル樹脂C−1]836部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]171部、[マスターバッチ1]100部、硬化剤としての、[ケチミン化合物1]2部を、容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)を用いて、6,000rpmで60分間混合し、[油相17]を得た。

0301

[油相1]を[油相17]に代えた以外は、製造例1と同様にして、[トナー17]を得た。このとき、[トナー17〕のP2850/P828は、0.13であった。

0302

(測定)
<トナーのTg1st、THF不溶分のTg1st、Tg2nd'、THF可溶分のTg2nd>
トナー1gを100mLのTHF中に投入した後、ソックスレー抽出し、THF可溶分と不溶分を得た。次に、真空乾燥機を用いて24時間乾燥させ、THF可溶分から、ポリエステル樹脂成分Cと結晶性ポリエステル成分Dの混合物を得、THF不溶分から、ポリエステル樹脂成分Aとポリエステル樹脂成分Bの混合物を得た。これらをTHF不溶分のTg1st、THF可溶分のTg2ndの対象試料とした。

0303

また、トナーを、トナーのTg1stの対象試料とした。

0304

次に、対象試料約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れた後、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットした。次いで、窒素雰囲気下、−80℃から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した(昇温1回目)。その後、150℃から降温速度10℃/minで−80℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minで150℃まで加熱(昇温2回目)した。この昇温1回目、昇温2回目のそれぞれにおいて、示差走査熱量計(「Q−200」、TAインスツルメント製)を用いて、DSC曲線を計測した。

0305

得られたDSC曲線から、Q−200システム中の解析プログラムを用いて、1回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温1回目におけるガラス転移温度Tg1stを求めた。同様に、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温2回目におけるガラス転移温度Tg2ndを求めた。

0306

<ポリエステル樹脂成分A、B、Cと、結晶性ポリエステル樹脂成分Dの組成比
上記ソックスレー抽出により得られたTHF可溶分からポリエステル樹脂成分Cと結晶性ポリエステル樹脂成分Dの質量比を求め、ポリエステル樹脂成分Cと結晶性ポリエステル樹脂成分Dの組成比を求めた。また、上記ソックスレー抽出により得られたTHF不溶分からポリエステル樹脂成分AとBの混合物の質量比を求め、ポリエステル樹脂成分Aとポリエステル樹脂成分Bの組成比を求めた。

0307

<実施例1〜15、比較例1、2>
4色の非磁性2成分系の現像部と、4色用の感光体を有するタンデム方式フルカラー複写機RICOH Pro C5210(リコー製)及びトナー1〜17のいずれかを用いて(表1参照)、未定着画像を形成した後、定着装置のみ動作する単体評価機に通紙して、定着離型性と光沢残像を評価した。なお、印字速度を高速印字(80枚/分/A4)とし、定着装置の駆動方式を定着ローラ駆動方式とした。

0308

<比較例3>
定着装置の駆動方式を加圧ローラ駆動方式とした以外は、実施例1と同様にして、定着離型性と光沢残像を評価した。

0309

<定着離型性>
普通紙(NBSリコー製複写印刷用紙<45>)を用いて、用紙先端余白が最小であり、トナーの付着量が0.91±0.5mg/cm2であるベタ画像3枚を通紙し、定着離型性を評価した。

0310

なお、定着離型性は、3枚とも定着ベルトに巻きつくことなく、通紙されれば、○と判定し、1枚巻きつけば、△と判定し、2枚以上巻きつけば、×と判定し、3レベルの評価とした。

0311

また、定着離型性は、定着装置に通紙する時に使用し得る温度帯で評価した。

0312

<光沢残像>
グロスコート紙(王子マテリアOK特アートポスト279gsm)を用いて、図9に示すように、ベタ画像に空白がある残像チャート(図9(a)参照)と、ベタ画像に空白のない検知チャート(図9(b)参照)をテープ接着し、単体評価機に通紙した。光沢残像が目立つ場合は、検知チャートの光沢が高いベタ画像部に残像チャートの光沢が低い空白部の模様が現れる。

0313

なお、光沢残像のレベルは、検知チャートに現れる残像チャートの空白部の模様の光沢度と、検知チャートのベタ画像部の光沢度の差分(絶対値)が5未満である場合を◎と判定し、5以上10未満である場合を○と判定し、10以上15未満である場合を△と判定し、15以上である場合を×と判定した。

0314

また、光沢残像は、定着装置に通紙する時に使用し得る温度帯で評価した。

0315

表1に、実施例1〜15、比較例1〜3の定着離型性と光沢残像の評価結果を示す。

0316

表1から、実施例1〜15は、定着離型性が高く、光沢残像の発生が抑制されていることがわかる。

0317

これに対して、比較例1は、P2850/P828が0.22であるため、光沢残像が発生している。

0318

比較例2は、P2850/P828が0.00であるため、定着離型性が低い。

実施例

0319

比較例3は、加圧ローラ駆動方式であるため、光沢残像が発生している。

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