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図面 (8)

課題

回転する波長変換素子絞りを有する場合にフリッカの発生を抑制する。

解決手段

照明装置は、光源1からの光を波長変換するとともに回転する波長変換素子5と、波長変換素子からの光を含む照明光集光する集光レンズ4と、照明光を複数の光束に分割する第1のレンズアレイ6と、第2のレンズアレイ7と、第2のレンズアレイからの複数の光束を被照明面において重ね合わせるコンデンサレンズ9と、遮光絞り8とを有する。集光レンズは、照明光を第1のレンズアレイよりも光源側の位置に集光する球面収差を有する。第1のレンズアレイにおいて光軸側に配置された第1のレンズセル面頂点が、該第1のレンズセルよりも周辺側に配置された第2のレンズセルに比べて、対応レンズセルにおけるより光軸側の位置に向けて光束を集光させるように第1のレンズセルの外形中心に対して偏心している。

概要

背景

照明光光変調素子により変調することで画像を投射するプロジェクタには、光源からの励起光蛍光体照射して励起光を波長変換することにより蛍光光としての照明光を生成するものがある。蛍光体はモータにより回転され、これにより蛍光体のうち励起光が照射された領域の局所的な発熱が抑えられる。

ただし、モータのアンバランス(例えば取付誤差)や蛍光体の反り等によって回転する蛍光体における励起光の照射位置光照射方向(以下、光軸方向という)において時間的に変化する。この励起光の照射位置の光軸方向での変化は、後段光学系での光利用効率を変化させ、スクリーン上に投射される画像の明るさ(以下、スクリーン上の明るさという)を変化させる。蛍光体が回転することで、その回転周期に応じてスクリーン上の明るさが変動する、いわゆるフリッカ(ちらつき)が生ずる。特許文献1には、蛍光体の回転周波数と光変調素子の駆動周波数とを適切に設定することによって、フリッカの発生を抑えるプロジェクタが開示されている。

フリッカによる明るさの変動量は、蛍光体の光軸方向での位置に対する後段の光学系の明るさ敏感度に依存する。図7は蛍光体の光軸方向での位置とスクリーン上の明るさとの関係(明るさ敏感度曲線)を示している。横軸は蛍光体の光軸方向の位置を示し、縦軸はスクリーン上の明るさを示す。蛍光体が光軸方向において+方向および−方向に変位すると、その変位幅が大きいほどスクリーン上の明るさが減少する。プロジェクタの組立て時には、蛍光体はスクリーン上の明るさが最大となる0位置に固定される。蛍光体が回転すると、蛍光体の光軸方向での0位置を基準とした変位に応じてスクリーン上の明るさが変動する。回転する蛍光体の反りの増加等によって光軸方向での変位幅が大きくなることに応じてスクリーン上の明るさの変動量も大きくなる。このように、蛍光体の変位に対する明るさ敏感度曲線を用いると、フリッカの発生度合い予測することができる。

概要

回転する波長変換素子絞りを有する場合にフリッカの発生を抑制する。照明装置は、光源1からの光を波長変換するとともに回転する波長変換素子5と、波長変換素子からの光を含む照明光を集光する集光レンズ4と、照明光を複数の光束に分割する第1のレンズアレイ6と、第2のレンズアレイ7と、第2のレンズアレイからの複数の光束を被照明面において重ね合わせるコンデンサレンズ9と、遮光絞り8とを有する。集光レンズは、照明光を第1のレンズアレイよりも光源側の位置に集光する球面収差を有する。第1のレンズアレイにおいて光軸側に配置された第1のレンズセル面頂点が、該第1のレンズセルよりも周辺側に配置された第2のレンズセルに比べて、対応レンズセルにおけるより光軸側の位置に向けて光束を集光させるように第1のレンズセルの外形中心に対して偏心している。

目的

本発明は、蛍光体等の波長変換素子が回転するとともに絞りが挿入された場合にフリッカの発生を抑制することができるようにした照明装置およびこれを用いた画像投射装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

光源と、前記光源からの光を波長変換するとともに回転する波長変換素子と、前記波長変換素子からの光を含む照明光集光する集光レンズと、複数のレンズセルを有し、前記集光レンズからの前記照明光を複数の光束に分割する第1のレンズアレイと、前記第1のレンズアレイの前記複数のレンズセルのそれぞれからの前記光束が入射する複数の対応レンズセルを有する第2のレンズアレイと、前記第2のレンズアレイからの前記複数の光束を被照明面において重ね合わせるコンデンサレンズと、前記第1のレンズアレイよりも被照明面側に配置された遮光絞りとを有し、前記集光レンズが前記照明光を前記第1のレンズアレイよりも前記光源側の位置に集光する球面収差を有すること、および、前記第1のレンズアレイにおいて光軸側に配置された第1のレンズセルの面頂点が、該第1のレンズセルよりも周辺側に配置された第2のレンズセルに比べて、前記対応レンズセルにおけるより前記光軸側の位置に向けて前記光束を集光させるように前記第1のレンズセルの外形中心に対して偏心していることのうち少なくとも一方を満たすことを特徴とする照明光学系

請求項2

前記第1のレンズセルが前記光束を集光することにより形成される光源像の外縁のうち前記光源側の部分が、前記対応レンズセルの外形縁のうち前記光源側の部分に対して重なることを特徴とする請求項1に記載の照明装置

請求項3

前記第2のレンズセルの面頂点は、該第2のレンズセルの外形中心に対して偏心していないことを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。

請求項4

前記第1のレンズアレイのうち複数の前記第1のレンズセルにおいて、より前記光軸側に配置された前記第1のレンズセルほど前記面頂点の前記外形中心に対する偏心が大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の照明装置。

請求項5

前記遮光絞りを最も絞り込んだ状態において、前記第2のレンズセルからの前記光束は前記遮光絞りにより遮断され、前記第1のレンズセルからの前記光束は前記被照明面に到達することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の照明装置。

請求項6

請求項1から4のいずれか一項に記載の照明装置と、前記被照明面に配置された光変調素子とを有し、前記光変調素子により変調された光を被投射面投射することを特徴とする画像投射装置

技術分野

0001

本発明は、画像投射装置プロジェクタ)等に好適な照明装置に関する。

背景技術

0002

照明光光変調素子により変調することで画像を投射するプロジェクタには、光源からの励起光蛍光体照射して励起光を波長変換することにより蛍光光としての照明光を生成するものがある。蛍光体はモータにより回転され、これにより蛍光体のうち励起光が照射された領域の局所的な発熱が抑えられる。

0003

ただし、モータのアンバランス(例えば取付誤差)や蛍光体の反り等によって回転する蛍光体における励起光の照射位置光照射方向(以下、光軸方向という)において時間的に変化する。この励起光の照射位置の光軸方向での変化は、後段光学系での光利用効率を変化させ、スクリーン上に投射される画像の明るさ(以下、スクリーン上の明るさという)を変化させる。蛍光体が回転することで、その回転周期に応じてスクリーン上の明るさが変動する、いわゆるフリッカ(ちらつき)が生ずる。特許文献1には、蛍光体の回転周波数と光変調素子の駆動周波数とを適切に設定することによって、フリッカの発生を抑えるプロジェクタが開示されている。

0004

フリッカによる明るさの変動量は、蛍光体の光軸方向での位置に対する後段の光学系の明るさ敏感度に依存する。図7は蛍光体の光軸方向での位置とスクリーン上の明るさとの関係(明るさ敏感度曲線)を示している。横軸は蛍光体の光軸方向の位置を示し、縦軸はスクリーン上の明るさを示す。蛍光体が光軸方向において+方向および−方向に変位すると、その変位幅が大きいほどスクリーン上の明るさが減少する。プロジェクタの組立て時には、蛍光体はスクリーン上の明るさが最大となる0位置に固定される。蛍光体が回転すると、蛍光体の光軸方向での0位置を基準とした変位に応じてスクリーン上の明るさが変動する。回転する蛍光体の反りの増加等によって光軸方向での変位幅が大きくなることに応じてスクリーン上の明るさの変動量も大きくなる。このように、蛍光体の変位に対する明るさ敏感度曲線を用いると、フリッカの発生度合い予測することができる。

先行技術

0005

特開2015−179278号公報

発明が解決しようとする課題

0006

プロジェクタの光学系においては、投射画像コントラストを向上させる又は輝度を調整する目的で遮光絞りが絞り込まれる(以下、「絞りが挿入される」という)ことがある。図7に示すように、一般に、光学系に絞りが挿入された場合の明るさ敏感度曲線(b)は、絞りが挿入されない場合の明るさ敏感度曲線(a)に対して、ピーク位置が大きく異なる。

0007

絞りが挿入されない場合は、明るさ敏感度曲線(a)のピーク位置である0位置付近で蛍光体の光軸方向での変位を考えればよく、フリッカが発生しても明るさ変動量Faは小さく抑えられる。一方、絞りが挿入された場合は、明るさ敏感度曲線(b)のピーク位置が0位置付近からシフトするので、0位置付近での明るさ変動量Fbが大きくなる。つまり、蛍光体を回転させながら励起光を照射して蛍光光を発生させるプロジェクタにおいて光学系に絞りが挿入された場合は、絞りが挿入されない場合に比べてスクリーン上で発生するフリッカの明るさ変動量が増大する。

0008

本発明は、蛍光体等の波長変換素子が回転するとともに絞りが挿入された場合にフリッカの発生を抑制することができるようにした照明装置およびこれを用いた画像投射装置を提供する。

課題を解決するための手段

0009

本発明の一側面としての照明装置は、光源と、該光源からの光を波長変換するとともに回転する波長変換素子と、該波長変換素子からの光を含む照明光を集光する集光レンズと、複数のレンズセルを有し、集光レンズからの照明光を複数の光束に分割する第1のレンズアレイと、第1のレンズアレイの複数のレンズセルのそれぞれからの光束が入射する複数の対応レンズセルを有する第2のレンズアレイと、第2のレンズアレイからの複数の光束を被照明面において重ね合わせるコンデンサレンズと、第1のレンズアレイよりも被照明面側に配置された遮光絞りとを有する。そして、集光レンズが照明光を第1のレンズアレイよりも光源側の位置に集光する球面収差を有すること、および、第1のレンズアレイにおいて光軸側に配置された第1のレンズセルの面頂点が、該第1のレンズセルよりも周辺側に配置された第2のレンズセルに比べて、対応レンズセルにおけるより光軸側の位置に向けて光束を集光させるように第1のレンズセルの外形中心に対して偏心していることのうち少なくとも一方を満たすことを特徴とする。

0010

なお、上記照明装置を含む画像投射装置も、本発明の他の一側面を構成する。

発明の効果

0011

本発明によれば、波長変換素子が回転するとともに絞りが挿入された場合にフリッカの発生を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の実施例であるプロジェクタの構成を示す断面図。
実施例のプロジェクタに用いられている照明装置の構成を示す断面図。
実施例における蛍光光スポットの位置と第2のレンズアレイ近傍の光源像との関係を示す図。
実施例における集光レンズの縦収差図および該集光レンズを通る光線を示す図。
実施例における蛍光光スポット像の第2のレンズアレイ(レンズセル)に対する位置を示す図。
実施例において絞りが挿入されていない場合と挿入された場合のスクリーン上の明るさ敏感度を示す図。
従来において絞りが挿入されていない場合と挿入された場合のスクリーン上の明るさ敏感度を示す図。

0013

以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。

0014

図1は、本発明の実施例であるプロジェクタ(画像投射装置)の構成を示す。光源ユニット101は照明光を発する。照明光学系102は照明光を複数の光束に分割して、これら複数の光束を被照明面に配置された光変調素子10上にて重ね合わせる。

0015

色分離合成光学系104は、ダイクロイック膜偏光分離膜等を利用して、照明光学系102からの照明光としての白色光赤色光緑色光および青色光に分離し、これら3つの色光をそれぞれに対して設けられた光変調素子10に導く。光変調素子10は、液晶パネルデジタルマイクロミラーデバイス等により構成され、プロジェクタに入力された映像信号に基づいて駆動され、入射した光を変調する。色分離合成光学系104は、3つの光変調素子10により変調された画像光としての赤色光、緑色光および青色光を合成して投射光学系(投射レンズ)105に導く。投射光学系105は、合成された画像光をスクリーン(被投射面)106に拡大投射する。これにより、スクリーン106上にフルカラー投射画像が表示される。

0016

図2は、光源ユニット101および照明光学系102により構成される照明装置の構成を示している。光源ユニット101は、励起光源1、コリメータレンズ2、ダイクロイックミラー3、集光レンズ4、蛍光体ホイール5および集光レンズ4を含む。照明光学系102は、第1のレンズアレイ6、第2のレンズアレイ7、遮光絞り(以下、単に絞りという)8およびコンデンサレンズ9を含む。AXは照明光学系102の光軸を示し、該光軸ОAが延びる方向を光軸方向という。

0017

励起光源1は、波長455nmの青光を発するレーザダイオード(LD)である。励起光源1から発せられた励起光は発散光であり、コリメータレンズ2によって平行光に変換されてダイクロイックミラー3に向かう。ダイクロイックミラーは、480nm以下の波長帯域の光を反射し、480nmを超える波長帯域の光を透過する特性を有する。このため、励起光はダイクロイックミラー3により反射されて集光レンズ4に入射し、該集光レンズ4により集光されて蛍光体ホイール5に照射される。

0018

蛍光体ホイール5は、高反射アルミ等の熱伝導性が高い金属製ホイール基板)と、該ホイール上にシリコン系のバインダによって固定されたリング状の蛍光体(波長変換素子)5aとにより構成されている。蛍光体5aに励起光が照射されると、該励起光は480〜700nmの波長帯域の蛍光光(黄色光)に波長変換される。この蛍光光と、蛍光体で変換されなかった励起光の一部である青色光とが合わさって白色光が形成される。蛍光光は、直接またはホイールにより反射されて照明光として集光レンズ4に向う。照明光は、集光レンズ4によって集光されて平行光に変換され、ダイクロイックミラー3を透過して照明光学系102に入射する。

0019

第1のレンズアレイ6および第2のレンズアレイ7はそれぞれ、格子状に並んだ複数の矩形レンズセル6a,7aを有する。第1のレンズアレイ6に入射した照明光は、該第1のレンズアレイ6の複数のレンズセル6aによって複数の光束に分割される。これら複数の光束は、第2のレンズアレイ7における第1のレンズアレイ6の複数のレンズセル6aのそれぞれに対応して設けられた複数の対応レンズセル7aに入射する。そして、各光束は、第2のレンズアレイ7の近傍に集光され、ここに蛍光体5a上の蛍光光の発光スポット(以下、蛍光光スポットという)の光学像である光源像(以下、蛍光光スポット像という)を形成する。すなわち、第2のレンズアレイ7の近傍に複数の蛍光光スポット像が形成される。

0020

第2のレンズアレイ7を出射した複数の光束は、絞り8の開口を通過してコンデンサレンズ9により集光され、光変調素子10上で重ね合わされる。これにより、光変調素子10の変調面は均一な照度分布照明される。

0021

ここで、仮に絞り8が最も絞り込まれた(以下、「絞り8が挿入された」という)場合に図7に示した明るさ敏感度曲線(a)のピーク位置が0位置付近となるのは、図3(a)に示すように蛍光体5aが集光レンズ4の焦点位置に位置する状態である。この状態において、蛍光体5aで発生した蛍光光は集光レンズ4で平行光に変換(コリメート)される。この平行光は第1のレンズアレイ6の複数のレンズセル6aにより複数の光束に分割され、第2のレンズアレイ7の複数の対応レンズセル7aの近傍に複数の蛍光光スポット像FIを形成する。

0022

蛍光光スポット像FIの全体が第2のレンズアレイ7のレンズセル7aの外形縁より内側に形成されると、該蛍光光スポット像FIを形成した光束は光変調素子10の変調面に到達する。しかし、蛍光光スポット像FIがレンズセル7aの外形縁からはみ出すと、そのはみ出した部分の光束は光変調素子10の変調面の外側に到達する。この結果、照明効率が低下し、スクリーン上の投射画像の明るさ(以下、単にスクリーン上の明るさという)も低下する。

0023

前述したように蛍光体5aの光軸方向での位置が変化すると、蛍光体5a上での励起光の照射位置が光軸方向で変化するので、蛍光体5a上での蛍光光スポットFSの位置も光軸方向で変化する。図3(a)に示すように集光レンズ4の焦点位置(0位置)に蛍光光スポットFSが位置する場合には、該蛍光光スポットFSからの照明光は集光レンズ4によってコリメートされる。

0024

しかし、図3(b)に示すように蛍光光スポットFSの位置が集光レンズ4の焦点位置よりも集光レンズ4に近い側にずれた場合は、集光レンズ4で集光された照明光は平行光にならずに発散光となる。図3(a)に示したように、第1のレンズアレイ6のレンズセル6aに平行光が入射すると、蛍光光スポット像FIが第2のレンズアレイ7の対応レンズセル7aの外形中心回りに形成される。これに対して、発散光が第1のレンズアレイ6のレンズセル6aに入射すると、図3(b)に示すように、蛍光光スポット像FIの位置が第2のレンズアレイ7の対応レンズセル7aの外形中心より光軸AXから離れる方向にずれる。これにより、蛍光光スポット像FIのうち一部が対応レンズセル7aの外形枠外にはみ出すため、照明効率が低下し、スクリーン上の明るさが低下する。

0025

一方、図3(c)に示すように、蛍光光スポットFSの位置が集光レンズ4の焦点位置よりも集光レンズ4から遠い側にずれた場合は、集光レンズ4で集光された照明光は収束光となる。この収束光が第1のレンズアレイ6のレンズセル6aに入射すると、蛍光光スポット像FIの位置が第2のレンズアレイ7の対応レンズセル7aの外形中心より光軸AXに近づく方向にずれる。これにより、蛍光光スポット像FIの一部がレンズセル7aの外形縁外にはみ出し、照明効率が低下してスクリーン上の明るさが低下する。

0026

この結果、図7に明るさ敏感度曲線(a)で示したように、蛍光光スポットFSが集光レンズ4の焦点位置に位置する状態でスクリーン上の明るさが最も明るく、蛍光光スポットFSが焦点位置から+および−方向にずれるほどスクリーン上の明るさが低下する。

0027

一方、本実施例のように照明光学系102にて絞り8が挿入された場合には、光軸方向における蛍光光スポットFSの位置の変化に応じて明るさ敏感度曲線は以下のように変化する。絞り8は金属板により作成され、光変調素子10を照明する照明光線の角度を制限する。これは、光変調素子10の視野角特性および色分離合成光学系104のダイクロイック膜や偏光分離膜等の角度特性に対して、これらに対する照明光線の入射角度を限定することで、投射画像のコントラストを向上させる効果がある。

0028

照明光学系102における第2のレンズアレイ7の近傍での光分布は光変調素子10に入射する照明光線の角度分布に対応しているため、絞り8は第2のレンズアレイ7の近傍(第1のレンズアレイ6よりも被照明面側)に配置される。この結果、挿入された絞り8は、第2のレンズアレイ7の近傍にて光軸AXから離れた光線を遮断する。このとき、集光レンズ4の焦点位置に対する蛍光光スポットFSの位置とスクリーン上の明るさとは以下のような関係を有する。

0029

絞り8が挿入されていない場合と同様に、蛍光光スポットFSが集光レンズ4の焦点位置よりも集光レンズ4から遠い側にずれた場合は、集光レンズ4で集光された照明光は収束光となる(図3(c)参照)。この場合、前述したように、第2のレンズアレイ7における対応レンズセル7aの外形中心より光軸AXに近づく方向にずれた蛍光光スポット像FIの一部が対応レンズセル7aの外形縁からはみ出して照明効率が低下する。

0030

ただし、第1のレンズアレイ6に入射する照明光が収束光になると、これに対応して第2のレンズアレイ7の近傍での光分布範囲が狭まるので、絞り8により遮断される光線が少なくなる。このため、蛍光光スポット像FIのはみ出しによる照明効率の低下とは反対に照明効率が向上する。したがって、蛍光光スポットFSの位置の集光レンズ4から遠い側へのずれ量が増加しても、特定位置に達するまではスクリーン上の明るさが向上する。特定位置とは、蛍光光スポット像FIが第2のレンズアレイ7のレンズセル7aの外形縁からはみ出す量が多くなることによる照明効率の低下と、絞り8で遮断される光線が少なくなることによる照明効率の向上とが釣り合う位置である。

0031

蛍光光スポット像FIの位置が上記特定位置を過ぎてさらに集光レンズ4から遠い側にずれると、蛍光光スポット像FIのはみ出しによる照明効率の低下が顕著となり、スクリーン上の明るさが低下する。

0032

一方、蛍光光スポットFSの位置が集光レンズ4の焦点位置よりも集光レンズ4に近い側にずれた場合は、集光レンズ4で集光された照明光は発散光となる(図3(b)参照)。この場合、前述したように、第2のレンズアレイ7における対応レンズセル7aの外形中心回りから光軸AXから離れる方向にずれた蛍光光スポット像FIの一部が第2のレンズアレイ7の対応レンズセル7aの外形縁外にはみ出し、照明効率が低下する。しかも、第2のレンズアレイ7を通過した後、絞り8で遮断される光線の量も増加する。したがって、絞り8が挿入された場合は、絞り8が挿入されていない場合に比べて、蛍光光スポットFSの位置の変化量に対するスクリーン上での明るさの変化量が増加する。

0033

これにより、図7に示したように、絞り8が挿入された場合の明るさ敏感度曲線(b)のピーク位置が絞り8が挿入されていない場合の明るさ敏感度曲線(a)のピーク位置に対してずれる。また、ピーク位置がずれる方向は、蛍光光スポットFSが集光レンズ4の焦点位置に対して集光レンズ4から遠い側にずれる方向に対応しており、図7では0位置から−方向である。

0034

前述したように蛍光体5aの位置は絞り8が挿入されていない場合のスクリーン上の明るさが最大となる位置である図7中の0位置に決められる。蛍光体ホイール5が回転した際の蛍光体5aの光軸方向での変位量が同じであっても、絞り8が挿入されていない場合はスクリーン上の明るさ変動を小さく抑えられるが、絞り8が挿入された場合はスクリーン上の明るさ変動が大きくなる。これにより、スクリーン上でのフリッカがユーザに視認され易くなる。

0035

本実施例では、絞り8が挿入された場合のスクリーン上の明るさ変動、つまりはフリッカを抑制するために、第1に、集光レンズ4にオーバー方向の球面収差を与えている。言い換えれば、集光レンズ4に、照明光を第1のレンズアレイ6よりも光源側の位置に集光する球面収差を与えている。

0036

また第2に、第1のレンズアレイ6の複数のレンズセル6aのうち光軸側、つまりは光軸AX近傍のレンズセル(以下、第1のレンズセルという)に、その面頂点がその外形中心に対して偏心した形状を与えている。図2に示すように、第1のレンズアレイ6の複数のレンズセル6aは、上述したように偏心した光軸側(内側)の第1のレンズセル6a1と、該第1のレンズセル6a1よりも周辺側(外側)のレンズセルを第2のレンズセル6a2とを有する。第1のレンズセル6a1の偏心は、該第1のレンズセル6a1を通過した光束が、第2のレンズセル6a2を通過した光束に比べて、第2のレンズアレイ7の光軸側の対応レンズセル7aにおけるより光軸側の位置に向かって集光されるように設定されている。すなわち、対応レンズセル7aの近傍におけるより光軸側の位置に蛍光光スポット像を形成するように偏心が設定されている。

0037

これら2つの特徴的構成により、絞り8を挿入した場合のスクリーン上の明るさ変動を低減することができる。以下、その理由について説明する。図4(a)は、オーバー方向の球面収差が与えられた集光レンズ4の縦収差図を示す。このようなオーバー方向の球面収差が与えられた集光レンズ4に対して光源側から平行光が入射すると、光軸AX近傍の光線と光軸AXから離れた光線とで集光位置が互いに異なる。具体的には、図4(b)に示すように、光軸AX近傍の光線は集光レンズ4に近い位置に集光し、光軸AXから離れた光線は集光レンズ4から遠い位置に集光する。そして、蛍光光スポットFSから出射した光線は、図4(c)に示すように、光軸AX近傍の光線は収束光となり、光軸AXから離れた光線はほぼ平行光となる。

0038

図5(a)は、このようなオーバー方向の球面収差を有する集光レンズ4を用いたときに第1のレンズアレイ6により第2のレンズアレイ7の近傍に形成される複数の蛍光光スポット像FI(FI1,FI2)を示す。第2のレンズセル6a2には、第1のレンズセル6a1のような偏心は与えられていない。このとき、第2のレンズセル6a2により形成される蛍光光スポット像FI2に比べて、第1のレンズセル6a1により形成される蛍光光スポット像FI1は、第2のレンズアレイ7の対応レンズセル7aの外形中心から光軸側(内側)に寄った位置に形成される。

0039

しかも、第1のレンズセル6a1自体が前述したように偏心を有する。図5(b)は、第1のレンズアレイ6の第1のレンズセル6a1と第2のレンズセル6a2により第2のレンズアレイ7の近傍に形成される複数の蛍光光スポット像FI1,FI2を示す。図に示すように、第2のレンズセル6a2により対応レンズセル7a2近傍に形成される蛍光光スポット像FI2に比べて、第1のレンズセル6a1により形成される蛍光光スポット像FI1は対応レンズセル7a1の外形中心から光軸側に寄った位置に形成される。これは、集光レンズ4にオーバー方向の球面収差を与えたことと同様の効果である。

0040

このような特徴的構成が蛍光体5aの光軸方向での位置変動に対するスクリーン上の明るさ敏感度曲線に与える変化について図6を用いて説明する。図6中の(a)は絞り8が挿入されていない場合の明るさ敏感度曲線を示し、(b)は絞り8が挿入された場合の明るさ敏感度曲線を示す。明るさ敏感度曲線(a)では、蛍光光スポットの位置変化に対する明るさ変化の傾きは急峻である。これは前述した集光レンズ4の球面収差および第1のレンズセル6a1の偏心によるものである。つまり、第2のレンズアレイ7のレンズセル7a1近傍に形成される蛍光光スポット像が、該レンズセル7a1の外形中心によりもその外形縁に近づいた位置に形成されている。このため、蛍光体5aの位置変化により蛍光光スポット像が敏感に移動し、その結果、照明効率が顕著に低下する。

0041

一方、明るさ敏感度曲線(b)のピーク位置は、絞り8が挿入されていない場合の明るさ敏感度曲線(a)のピーク位置に近い。これは以下の理由による。絞り8が挿入されると、第2のレンズアレイ7近傍に形成される複数の蛍光光スポット像のうち光軸AXから離れた位置の蛍光光スポット像を形成した光束は絞り8によって遮断される。このため、スクリーン上の明るさにおいては、第2のレンズアレイ7における光軸側のレンズセル7a1の近傍に形成される蛍光光スポット像の影響が支配的になる。絞り8が挿入された状態で蛍光光スポットが集光レンズ4の焦点位置よりも集光レンズ4に近い側にずれると、集光レンズ4で集光された光は収束光になるため、絞り8で遮断される光量は少なくなる。このため、照明効率は向上する。

0042

逆に、第2のレンズアレイ7における光軸側のレンズセル7a1の近傍に形成される蛍光光スポット像は、該レンズセル7a1の外形中心から光軸側に寄った位置に形成されるので、照明効率がより低下する。

0043

これら照明効率の向上と低下とがバランスするところで明るさ敏感度曲線(b)がピークとなる。集光レンズ4の球面収差と第1のレンズアレイ6a1の偏心とを組み合わせた場合、第1のレンズアレイ6a1の偏心による照明効率の低下がより顕著になるので、明るさ敏感度曲線(b)のピーク位置が0位置に近づく。

0044

逆に、蛍光光スポットが集光レンズ4の焦点位置よりも集光レンズ4から遠い側にずれると、集光レンズ4で集光された光は発散光になり、絞り8で遮断される光量が大きくなる。このため、照明効率は低下する。しかし、第2のレンズアレイ7における光軸側のレンズセル7a1近傍に形成される蛍光光スポット像は、該レンズセル7a1の外形中心から光軸側に寄った位置に形成されるので、照明効率の低下が抑制される。したがって、集光レンズ4に球面収差を与えず、かつ第1のレンズセル6aに偏心を与えていない場合に比べて、明るさ敏感度曲線(b)のピーク位置の0位置からのずれ量は低減される。

0045

この結果、絞り8が挿入された状態で蛍光光スポットの位置が変動することでスクリーン上にて発生するフリッカの量は、集光レンズ4の球面収差と第1のレンズアレイ6の第1のレンズセル6a1の偏心を与えていない場合に比べて大幅に低減される。例えば、図7中の明るさ敏感度曲線(b)によれば、蛍光光スポットの位置変動が±0.1mmである場合の明るさ変動量Fbは17%程度である。これに対して、本実施例によれば、図6中の明るさ敏感度曲線(b)から分かるように、明るさ変動量Fb′を6%程度まで低減できている。

0046

また、絞り8を挿入していない場合の明るさ敏感度は、蛍光光スポットの位置変動に対して若干急峻に変化するものの、もともと0位置を基準としてピーク位置が設定されているので、蛍光光スポットの位置変動の影響は軽微である。

0047

このように本実施例では、集光レンズ4に球面収差を与え、かつ第1のレンズアレイ6の第1のレンズセル6a1に偏心を与えて第2のレンズアレイ7近傍に形成される蛍光光スポット像の位置を制御し、絞り8を挿入した場合の照明効率の低下を抑えている。これにより、蛍光体ホイール5の回転による蛍光光スポットの位置変動に伴うスクリーン上の明るさ変動の大きさ、つまりはフリッカの発生量を低減することができる。

0048

前述したように、集光レンズ4に球面収差を与えることと第1のレンズアレイ6に偏心を与えることは、いずれも蛍光光スポット像の位置を制御する効果がある。このため、これらのいずれか一方のみを採用してもよい。すなわち、集光レンズ4の球面収差をより大きくして第1のレンズアレイ6に偏心を与えない場合や、集光レンズ4に球面収差を与えずに第1のレンズアレイ6により大きな偏心を与える場合でも、絞り8を挿入した場合のフリッカの発生量を低減することができる。

0049

ただし、集光レンズ4に大きすぎる球面収差を与えると、励起光が蛍光体5a上に集光される際に励起光スポットぼけが生じ、この結果、蛍光光スポットも同様にぼけ、蛍光光スポット像が大きくなる。これにより、蛍光光スポット像の第2のレンズアレイ7のレンズセル7aからのはみ出しが大きくなり、照明効率がさらに低下する。

0050

逆に、集光レンズ4に球面収差を与えず、第1のレンズアレイ6により大きな偏心を与えると、照明効率は低下しないものの、偏心が大きすぎることで互いに隣接するレンズセル間の境界部に大きな厚み差が生じる。このような境界部の厚み差は、光変調素子10に対する照明範囲外縁付近光量落ちを生じさせる。この光量落ちが光変調素子10の有効変調面上にて生じると、スクリーン上の投射画像の周辺部が暗くなる。予め均一な照明分布の範囲を光変調素子10の有効変調面よりも大きく設定することでこのような問題を回避することは可能であるが、より広い範囲を均一に照明することで照明効率が低下する。

0051

このため、本実施例のように集光レンズ4に球面収差を与えるとともに第1のレンズアレイ6に偏心を与えることで、照明効率の低減を極力抑えることができる。

0052

また、第1のレンズセル6a1の偏心を、蛍光光スポット像の外縁(例えば蛍光光スポット像の明るさが最大値半値となる位置)のうち光軸側の部分が第2のレンズアレイ7の対応レンズセル7a1の外形縁のうち光軸側の部分に重なるように設定することが望ましい。これにより、蛍光光スポット像の対応レンズセル7a1の外形縁からのはみ出しによる照明効率の低下を最小限に抑えながらフリッカを低減させることができる。

0053

また、第1のレンズアレイ6に設けられた複数の第1のレンズセル6a1については、光軸AXに近い第1のレンズセル6a1ほど偏心量が大きくなるように設定されることが好ましい。絞り8が可動絞りである場合において、その絞り開度が小さくなるほど、蛍光光スポットの位置変動に伴う明るさ敏感度曲線のピーク位置のずれが大きくなる。このため、光軸AXに近い第1のレンズセル6a1ほど偏心量を大きくすることで、絞り開度にかかわらず照明効率の低下とフリッカの発生を抑制することができる。

実施例

0054

以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。

0055

1励起光源
4集光レンズ
5蛍光体ホイール
6 第1のレンズアレイ
7 第2のレンズアレイ
8絞り
9コンデンサレンズ
10光変調素子(被照明面)

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