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技術 静電潜像現像用二成分現像剤

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 櫻田育子内野哲小原慎也門目大司新井啓司
出願日 2018年2月8日 (2年0ヶ月経過) 出願番号 2018-020588
公開日 2019年8月22日 (6ヶ月経過) 公開番号 2019-138987
状態 未査定
技術分野 電子写真における現像剤
主要キーワード バーナー温度 アルミ製電極 アルミナ粒子粉末 中央チューブ 立方形状 粉砕度合い フェレー径 酸化被膜層
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年8月22日)のものです。
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課題

本発明の課題は、トナー帯電量変動を抑制し、長期間にわたり高画質な画像を得ることができる静電潜像現像用二成分現像剤を提供することである。

解決手段

本発明の静電潜像現像用二成分現像剤は、トナー母体粒子表面外添剤を有するトナー粒子を含有する静電潜像現像用トナーと、キャリア粒子と、を含有し、前記外添剤としてアルミナ粒子を含有し、前記アルミナ粒子が、疎水化処理剤により表面修飾されており、当該表面修飾後の表面に存在する前記疎水化処理剤のうち、所定条件抽出処理を行った際に、表面から遊離した状態にある前記疎水化処理剤の比率が20%以下であり、前記アルミナ粒子の一次粒子個数平均粒径が、5〜60nmの範囲内であり、前記キャリア粒子が樹脂被覆層を有しており、該樹脂被覆層が脂環式メタアクリレートモノマーを用いて形成されたものであることを特徴とする。

概要

背景

静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)の外添剤役割としては、例えば、帯電性及び流動性の向上が挙げられる。外添剤は、一般的には無機酸化物微粉末であり、シリカ粒子チタニア粒子アルミナ粒子等が用いられる。シリカ粒子は、流動性の向上には効果があるが、負帯電性が高いために、特に低温低湿環境にてトナーの帯電量を過度に増大させてしまうという問題がある。

そこで、電気抵抗(以下、単に抵抗ともいう。)の低いチタニア粒子との併用によって低温低湿環境の帯電量抑制の効果を持たせる手段が知られている。しかし、チタニア粒子は高カバレッジ印刷時にキャリア粒子移行した際に、低抵抗なために、キャリア粒子の電荷移動が促進されてトナーの帯電量が低下してしまう問題がある。

そこで、キャリア粒子と同程度の抵抗を持たせるためにチタニア粒子の表面修飾剤の量を増大させることが知られている。しかし、チタニア粒子にキャリア粒子と同程度の抵抗をもたせるには、表面修飾量が過剰となり、その過剰な表面修飾剤が遊離することで修飾剤同士が凝集し、流動性が悪化し、トナーの帯電量が低下してしまうという問題がある。

また、外添剤として、チタニア粒子よりも抵抗が高く、シリカ粒子よりも抵抗が低い、アルミナ粒子を用いることも知られている。
アルミナ粒子は、例えば、疎水化処理されたものを用いることが知られている(特許文献1及び2参照。)。しかし、従来のアルミナ粒子を用いる方法では、トナーの流動性を確保しつつ、高カバレッジ時の帯電量変動を安定化させることはできなかった。
また、アルミナ粒子を外添したトナー粒子を含有するトナーと、熱硬化ストレートシリコーン樹脂被覆したキャリア粒子と、を含有する現像剤を用いる方法も知られている(特許文献3参照。)。しかし、熱硬化ストレートシリコーン樹脂は、吸湿性が高いため、環境による帯電量変動の抑制を十分に行うことはできないという問題があった。

概要

本発明の課題は、トナーの帯電量変動を抑制し、長期間にわたり高画質な画像を得ることができる静電潜像現像用二成分現像剤を提供することである。本発明の静電潜像現像用二成分現像剤は、トナー母体粒子表面に外添剤を有するトナー粒子を含有する静電潜像現像用トナーと、キャリア粒子と、を含有し、前記外添剤としてアルミナ粒子を含有し、前記アルミナ粒子が、疎水化処理剤により表面修飾されており、当該表面修飾後の表面に存在する前記疎水化処理剤のうち、所定条件抽出処理を行った際に、表面から遊離した状態にある前記疎水化処理剤の比率が20%以下であり、前記アルミナ粒子の一次粒子個数平均粒径が、5〜60nmの範囲内であり、前記キャリア粒子が樹脂被覆層を有しており、該樹脂被覆層が脂環式メタアクリレートモノマーを用いて形成されたものであることを特徴とする。なし

目的

本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、トナーの帯電量変動を抑制し、長期間にわたり高画質な画像を得ることができる静電潜像現像用二成分現像剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

トナー母体粒子表面外添剤を有するトナー粒子を含有する静電潜像現像用トナーと、キャリア粒子と、を含有する静電潜像現像用二成分現像剤であって、前記外添剤として、少なくともアルミナ粒子を含有し、前記アルミナ粒子が、疎水化処理剤により表面修飾されており、当該表面修飾後の表面に存在する前記疎水化処理剤のうち、所定条件抽出処理を行った際に、表面から遊離した状態にある前記疎水化処理剤の比率が20%以下であり、前記アルミナ粒子の一次粒子個数平均粒径が、5〜60nmの範囲内であり、前記キャリア粒子が樹脂被覆層を有しており、該樹脂被覆層が脂環式メタアクリレートモノマーを用いて形成されたものであることを特徴とする静電潜像現像用二成分現像剤。

請求項2

前記アルミナ粒子の前記表面修飾後の表面に存在する疎水化処理剤に由来する炭素の総量が、前記表面修飾後のアルミナ粒子に対して0.5〜10質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。

請求項3

前記アルミナ粒子の含有量が、前記トナー粒子100質量部に対して0.1〜2.0質量部の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。

請求項4

前記外添剤として、さらに、一次粒子の個数平均粒径が10〜60nmの範囲内のシリカ粒子を含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。

請求項5

前記外添剤として、さらに、一次粒子の個数平均粒径が80〜150nmの範囲内のシリカ粒子を含有することを特徴とする請求項4に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。

請求項6

前記樹脂被覆層が、前記脂環式(メタ)アクリレートモノマーと、鎖式(メタ)アクリレートモノマーを重合してなる共重合体から形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。

請求項7

前記キャリア粒子の抵抗が、1.0×109〜1.0×1011Ω・cmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。

請求項8

前記トナー粒子の体積平均粒径が、3.0〜6.5μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。

請求項9

前記トナー粒子を構成する結着樹脂が、ビニル樹脂を含有することを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。

請求項10

前記トナー粒子を構成する結着樹脂が、さらに、ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項9に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。

技術分野

0001

本発明は、静電潜像現像用二成分現像剤に関する。より詳細には、本発明は、トナー帯電量変動を抑制し、長期間にわたり高画質な画像を得ることができる静電潜像現像用二成分現像剤に関する。

背景技術

0002

静電潜像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)の外添剤役割としては、例えば、帯電性及び流動性の向上が挙げられる。外添剤は、一般的には無機酸化物微粉末であり、シリカ粒子チタニア粒子アルミナ粒子等が用いられる。シリカ粒子は、流動性の向上には効果があるが、負帯電性が高いために、特に低温低湿環境にてトナーの帯電量を過度に増大させてしまうという問題がある。

0003

そこで、電気抵抗(以下、単に抵抗ともいう。)の低いチタニア粒子との併用によって低温低湿環境の帯電量抑制の効果を持たせる手段が知られている。しかし、チタニア粒子は高カバレッジ印刷時にキャリア粒子移行した際に、低抵抗なために、キャリア粒子の電荷移動が促進されてトナーの帯電量が低下してしまう問題がある。

0004

そこで、キャリア粒子と同程度の抵抗を持たせるためにチタニア粒子の表面修飾剤の量を増大させることが知られている。しかし、チタニア粒子にキャリア粒子と同程度の抵抗をもたせるには、表面修飾量が過剰となり、その過剰な表面修飾剤が遊離することで修飾剤同士が凝集し、流動性が悪化し、トナーの帯電量が低下してしまうという問題がある。

0005

また、外添剤として、チタニア粒子よりも抵抗が高く、シリカ粒子よりも抵抗が低い、アルミナ粒子を用いることも知られている。
アルミナ粒子は、例えば、疎水化処理されたものを用いることが知られている(特許文献1及び2参照。)。しかし、従来のアルミナ粒子を用いる方法では、トナーの流動性を確保しつつ、高カバレッジ時の帯電量変動を安定化させることはできなかった。
また、アルミナ粒子を外添したトナー粒子を含有するトナーと、熱硬化ストレートシリコーン樹脂被覆したキャリア粒子と、を含有する現像剤を用いる方法も知られている(特許文献3参照。)。しかし、熱硬化ストレートシリコーン樹脂は、吸湿性が高いため、環境による帯電量変動の抑制を十分に行うことはできないという問題があった。

先行技術

0006

特開2009−265471号公報
特開2009−192722号公報
特開平11−7149号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、トナーの帯電量変動を抑制し、長期間にわたり高画質な画像を得ることができる静電潜像現像用二成分現像剤を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、脂環式メタアクリレートモノマーを用いて形成された樹脂被覆層を有するキャリア粒子と、所定の個数平均粒径であり、かつ疎水化処理剤所定条件で表面修飾したアルミナ粒子を外添剤として含有するトナーと、を含有する静電潜像現像用二成分現像剤を用いると、トナーの帯電量変動を抑制し、長期間にわたり高画質な画像を得ることができることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段により解決される。

0009

1.トナー母体粒子表面に外添剤を有するトナー粒子を含有する静電潜像現像用トナーと、キャリア粒子と、を含有する静電潜像現像用二成分現像剤であって、
前記外添剤として、少なくともアルミナ粒子を含有し、
前記アルミナ粒子が、疎水化処理剤により表面修飾されており、当該表面修飾後の表面に存在する前記疎水化処理剤のうち、所定条件で抽出処理を行った際に、表面から遊離した状態にある前記疎水化処理剤の比率が20%以下であり、
前記アルミナ粒子の一次粒子の個数平均粒径が、5〜60nmの範囲内であり、
前記キャリア粒子が樹脂被覆層を有しており、該樹脂被覆層が脂環式(メタ)アクリレートモノマーを用いて形成されたものであることを特徴とする静電潜像現像用二成分現像剤。

0010

2.前記アルミナ粒子の前記表面修飾後の表面に存在する疎水化処理剤に由来する炭素の総量が、前記表面修飾後のアルミナ粒子に対して0.5〜10質量%の範囲内であることを特徴とする第1項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。

0011

3.前記アルミナ粒子の含有量が、前記トナー粒子100質量部に対して0.1〜2.0質量部の範囲内であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。

0012

4.前記外添剤として、さらに、一次粒子の個数平均粒径が10〜60nmの範囲内のシリカ粒子を含有することを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。

0013

5.前記外添剤として、さらに、一次粒子の個数平均粒径が80〜150nmの範囲内のシリカ粒子を含有することを特徴とする第4項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。

0014

6.前記樹脂被覆層が、前記脂環式(メタ)アクリレートモノマーと、鎖式(メタ)アクリレートモノマーを重合してなる共重合体から形成されていることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。

0015

7.前記キャリア粒子の抵抗が、1.0×109〜1.0×1011Ω・cmの範囲内であることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。

0016

8.前記トナー粒子の体積平均粒径が、3.0〜6.5μmの範囲内であることを特徴とする第1項から第7項までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。

0017

9.前記トナー粒子を構成する結着樹脂が、ビニル樹脂を含有することを特徴とする第1項から第8項までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。

0018

10.前記トナー粒子を構成する結着樹脂が、さらに、ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする第9項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。

発明の効果

0019

本発明によれば、トナーの帯電量変動を抑制し、長期間にわたり高画質な画像を得ることができる静電潜像現像用二成分現像剤を提供することができる。

0020

本発明の効果の発現機構又は作用機構は以下のとおりであると推察している。
本発明に係るトナーは、外添剤としてアルミナ粒子を用いている。アルミナ粒子は、チタニア粒子よりも抵抗が高く、シリカ粒子よりも抵抗が低い。
また、本発明に係るアルミナ粒子は、疎水化処理剤により表面修飾されており、当該表面修飾後の表面に存在する疎水化処理剤のうち、所定条件で抽出処理を行った際に、表面から遊離した状態にある疎水化処理剤の比率が20%以下である。このように、適当な表面修飾剤の量でアルミナ粒子を被覆することで、アルミナ粒子にキャリア粒子と同程度の抵抗を持たせることができたと推察される。
また、アルミナ粒子の粒径を5〜60nmの範囲内とすることで、本発明の効果を得ることができた。これは、5〜60nmの範囲内の比較的小さなアルミナ粒子を用いることで、トナーの流動性を向上させ、アルミナ粒子をトナー粒子からキャリア粒子に移行しやすくすることで、高カバレッジ印刷時において帯電量変動を安定化することができたと推察される。

0021

また、本発明に係るキャリア粒子の樹脂被覆層は、脂環式(メタ)アクリレートモノマーを用いて形成されたものである。この被覆層に係る樹脂は、従来用いられていた熱硬化ストレートシリコーン樹脂よりも吸湿性が低いため、高温高湿での帯電量の低下を抑制できたと推察される。

0022

また、従来のアルミナ粒子はモース硬度が高く、低カバレッジ印刷時に現像機内で現像剤が撹拌された際の衝撃が大きいため、トナー粒子への埋没が起こりやすいという問題があった。本発明に係るキャリア粒子の樹脂被覆層には、環状アルキル基ユニットが存在する(すなわち、分子の一部に嵩高い部分が存在する)ことにより、トナー粒子とキャリア粒子の衝突和らぐため、アルミナ粒子の埋没が抑制されて、低カバレッジ時の帯電量変動を抑制できたものと推察される。

0023

本発明の画像後処理方法は、トナー母体粒子表面に外添剤を有するトナー粒子を含有する静電潜像現像用トナーと、キャリア粒子と、を含有する静電潜像現像用二成分現像剤であって、前記外添剤として、少なくともアルミナ粒子を含有し、前記アルミナ粒子が、疎水化処理剤により表面修飾されており、当該表面修飾後の表面に存在する前記疎水化処理剤のうち、所定条件で抽出処理を行った際に、表面から遊離した状態にある前記疎水化処理剤の比率が20%以下であり、前記アルミナ粒子の一次粒子の個数平均粒径が、5〜60nmの範囲内であり、前記キャリア粒子が樹脂被覆層を有しており、該樹脂被覆層が脂環式(メタ)アクリレートモノマーを用いて形成されたものであることを特徴とする。この特徴は、下記実施態様に共通する又は対応する技術的特徴である。

0024

本発明の実施態様としては、本発明の効果をより有効に得る観点から、前記アルミナ粒子の前記表面修飾後の表面に存在する疎水化処理剤に由来する炭素の総量が、前記表面修飾後のアルミナ粒子に対して0.5〜10質量%の範囲内であることが好ましい。

0025

本発明の実施態様としては、本発明の効果をより有効に得る観点から、前記アルミナ粒子の含有量が、前記トナー粒子100質量部に対して0.1〜2.0質量部の範囲内であることが好ましい。

0026

本発明の実施態様としては、前記外添剤として、さらに、一次粒子の個数平均粒径が10〜60nmの範囲内のシリカ粒子を含有することが好ましい。帯電性付与の観点から、外添剤として、さらにシリカ粒子を含有することが好ましい。また、一次粒子の個数平均粒径が10〜60nmの範囲内のシリカ粒子を外添剤として含有させることは、トナーの流動性を向上させて、現像機にトナーが補給された際に、トナー粒子とキャリア粒子との混合を十分に行うことができるので、安定した帯電量推移が得られるため好ましい。

0027

本発明の実施態様としては、前記外添剤として、さらに、一次粒子の個数平均粒径が80〜150nmの範囲内のシリカ粒子を含有することが好ましい。一次粒子の個数平均粒径が80〜150nmの範囲内のシリカ粒子を外添剤として含有させることは、低カバレッジ印刷時に現像機内で現像剤が撹拌された際のトナー粒子とキャリア粒子の衝撃を和らげる効果があるため好ましい。

0028

本発明の実施態様としては、本発明の効果をより有効に得る観点から、前記樹脂被覆層が、前記脂環式(メタ)アクリレートモノマーと、鎖式(メタ)アクリレートモノマーを重合してなる共重合体から形成されていることが好ましい。

0029

本発明の実施態様としては、本発明の効果をより有効に得る観点から、前記キャリア粒子の抵抗が、1.0×109〜1.0×1011Ω・cmの範囲内であることが好ましい。

0030

本発明の実施態様としては、前記トナー粒子の体積平均粒径が、3.0〜6.5μmの範囲内であることが好ましい。製造しやすさの観点から、トナー粒子の体積平均粒径を3.0μm以上とすることが好ましい。また、帯電量を低くしすぎることなく、低帯電量成分による画像不良を起きにくくすることができる観点からは、トナー粒子の体積平均粒径を6.5μm以下とすることが好ましい。

0031

本発明の実施態様としては、環境差による帯電量の変動を小さくする観点から、前記トナー粒子を構成する結着樹脂が、ビニル樹脂を含有することが好ましい。

0032

本発明の実施態様としては、トナー母体粒子への外添剤粒子の埋没を抑制しにくくする観点から、前記トナー粒子を構成する結着樹脂が、さらに、ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。主鎖に脂環式構造を有する嵩高い分子を結着樹脂中に含有すると、トナー粒子の機械的強度を和らげる効果がある。そのため、キャリア粒子とトナー粒子との衝突を和らげ、トナー母体粒子への外添剤粒子の埋没を抑制することができる。

0033

以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。

0034

[静電潜像現像用二成分現像剤]
本発明の静電潜像現像用二成分現像剤(以下、単に、「二成分現像剤」又は「現像剤」とも称する。)は、トナー母体粒子表面に外添剤を有するトナー粒子を含有する静電潜像現像用トナーと、キャリア粒子と、を含有する二成分現像剤であって、前記外添剤として、少なくともアルミナ粒子を含有し、前記アルミナ粒子が、疎水化処理剤により表面修飾されており、当該表面修飾後の表面に存在する前記疎水化処理剤のうち、所定条件で抽出処理を行った際に、表面から遊離した状態にある前記疎水化処理剤の比率が20%以下であり、前記アルミナ粒子の一次粒子の個数平均粒径が、5〜60nmの範囲内であり、前記キャリア粒子が樹脂被覆層を有しており、該樹脂被覆層が脂環式(メタ)アクリレートモノマーを用いて形成されたものである。
また、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタアクリレートを意味する。

0035

本発明に係るトナー粒子とキャリア粒子とを混合することにより、二成分現像剤を得ることができる。混合の際に用いられる混合装置としては特に制限されないが、例えば、ナウターミキサー、Wコーン及びV型混合機等が挙げられる。
二成分現像剤中のトナーの含有量(トナー濃度)は、特に制限されないが、本発明の効果を有効に得る観点から、4.0〜8.0質量%の範囲内であることが好ましい。

0036

[静電潜像現像用トナー(トナー)]
本発明において「トナー」とは、「トナー粒子」の集合体のことをいう。また、トナー粒子は、少なくともトナー母体粒子を含有し、トナー粒子とは、トナー母体粒子自体又は当該トナー母体粒子に、少なくとも外添剤を添加したものをいう。
また、本発明のトナーを製造する方法としては、特に限定されず、混練粉砕法懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法ポリエステル伸長法分散重合法など公知の方法が挙げられる。これらの中でも、粒径の均一性、形状の制御性観点からは、乳化凝集法を採用することが好ましい。

0037

<トナー母体粒子>
本発明に係るトナー母体粒子は、結着樹脂中に、必要に応じて、着色剤離型剤ワックス)、荷電制御剤などの他の構成成分を含有するものであることが好ましい。
また、本発明に係るトナー母体粒子には、少なくともアルミナ粒子を含有する外添剤が外添処理されている。

0038

<外添剤>
本発明に係る外添剤は、少なくともアルミナ粒子を含有する。アルミナとは、Al2O3で表される酸化アルミニウムをさすものであり、α型、γ型、σ型、またその混合体等の形態が知られており、形状としてもその結晶系の制御によって立方形状のものから球状のものまである。
アルミナは、公知の方法により作製することができる。アルミナを作製する方法としては、バイヤー法が一般的であるが、高純度かつナノサイズのアルミナを得るために、加水分解法(住友化学製)、気相合成法シーアイ化成製)、火炎加水分解法日本アエロジル製)、水中火放電法(岩谷化学製)等が挙げられる。

0039

また、本発明に係るアルミナ粒子は、疎水化処理剤により表面修飾されており、当該表面修飾後の表面に存在する疎水化処理剤のうち、所定条件で抽出処理を行った際に、表面から遊離した状態にある疎水化処理剤の比率が20%以下であり、10%以下であることがより好ましい。このように、適当な表面修飾剤の量でアルミナ粒子を被覆することで、アルミナ粒子にキャリア粒子と同程度の抵抗を持たせることができたと推測される。また、20%より小さくすると、遊離した表面処理剤同士が凝集しにくく流動性が低下しにくくなり、トナー粒子とキャリア粒子との混合性が高くなるため、帯電量変動を小さく抑えることができる。

0040

また、本発明の効果をより有効に得る観点から、アルミナ粒子の前記表面修飾後の表面に存在する疎水化処理剤に由来する炭素の総量が、前記表面修飾後のアルミナ粒子に対して0.5〜10質量%の範囲内であることがより好ましい。

0041

本発明でいう、「表面修飾後の表面に存在する疎水化処理剤のうち、所定条件で抽出処理を行った際に、表面から遊離した状態にある疎水化処理剤の比率」は、以下の所定条件で表面修飾後のアルミナ粒子を抽出処理して疎水化処理剤を遊離させた際に、アルミナ粒子の表面に存在する疎水化処理剤のうち、表面から遊離した炭素の割合を測定することによって算出したものである。また、以下の測定方法では、アルミナ粒子の表面修飾後の表面に存在する疎水化処理剤に由来する炭素の総量についても算出している。
(測定方法)
(1)BUCHI社製ソックスレー抽出装置を用い、疎水化処理剤で表面修飾した後のアルミナ粒子粉末0.7gを円筒濾紙外形寸形28mm×100mm)に入れ、例えば、抽出溶媒としてn−ヘキサン30〜100mLを使用し、温度68〜110℃にて抽出時間60分、リンス時間30分の条件で、当該アルミナ粒子粉から遊離した疎水化処理剤を取り除く。
(2)疎水化処理剤で表面修飾した後のアルミナ粒子について、上記(1)の抽出操作を行う前と後の状態で、それぞれ炭素量の定量を行う。炭素量の定量は、CHN元素分析装置(住化分析センター製SUMIGRAPHNC-TR22)により測定する。
(3)表面修飾後の表面に存在する前記疎水化処理剤のうち、表面から遊離した状態にある疎水化処理剤の比率は、下記の式により算出する。
表面修飾後の表面に存在する前記疎水化処理剤のうち、表面から遊離した状態にある疎水化処理剤の比率=(C0−C1)/C0×100(%)
C0:抽出操作前における、アルミナ粒子表面に存在する疎水化処理剤に由来する炭素の総量
C1:抽出操作後における、アルミナ粒子表面に存在する疎水化処理剤に由来する炭素の総量
また、表面修飾後のアルミナ粒子に対して、上記「C0:抽出操作前における、アルミナ粒子表面に存在する疎水化処理剤に由来する炭素の総量」についても算出する。
なお、抽出溶媒としてはn−ヘキサンを用いたが、n−ヘキサン以外の溶媒を用いることも可能である。その場合、当該溶媒の沸点に応じて測定温度を適宜設定すれば、上記と同様に測定することができる。

0042

(疎水化処理剤)
疎水化処理剤としては、一般的なカップリング剤シリコーンオイル脂肪酸脂肪酸金属塩などを用いることができるが、シラン化合物やシリコーンオイルを用いることが好ましい。

0043

シラン化合物としては、例えば、クロロシランアルコキシシランシラザン、特殊シリル化剤等が挙げられる。具体的には、メチルトリクロロシランジメチルジクロロシラントリメチルクロロシランフェニルトリクロロシランジフェニルジクロロシランテトラメトキシシランメチルトリメトキシシランジメチルジメトキシシランフェニルトリメトキシシランジフェニルジメトキシシランテトラエトキシシランメチルトリエトキシシランジメチルジエトキシシランフェニルトリエトキシシランジフェニルジエトキシシランイソブチルトリメトキシシランデシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリルアセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシランビニルトリクロロシランビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランを代表的なものとして例示することができる。
本発明に用いられる疎水化処理剤は、特に好ましくは、イソブチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシランが挙げられる。

0044

シリコーンオイルの具体例としては、例えば、オルガノシロキサンオリゴマーオクタメチルシクロテトラシロキサン、又はデカメチルシクロペンタシロキサンテトラメチルシクロテトラシロキサンテトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサンなどの環状化合物や、直鎖状又は分岐状のオルガノシロキサンを挙げることができる。また、側鎖、又は片末端や両末端や側鎖片末端や側鎖両末端などに変性基を導入した反応性の高い、少なくとも末端を変性したシリコーンオイルを用いても良い。変性基の種類としては、アルコキシカルボキシルカルビノール高級脂肪酸変性、フェノールエポキシメタクリルアミノなどが挙げられるが特に限定されるものではない。また、例えば、アミノ/アルコキシ変性など数種の変性基を有するシリコーンオイルであっても良い。また、ジメチルシリコーンオイルとこれら変性シリコーンオイル、更には他の表面処理剤とを混合処理若しくは併用処理してもよい。併用する処理剤としては、例えば、シランカップリング剤チタネート系カップリング剤アルミネート系カップリング剤、各種シリコーンオイル、脂肪酸、脂肪酸金属塩、そのエステル化物ロジン酸等が挙げられる。

0045

上述した処理剤の表面修飾方法としては、例えば、気相中で浮遊させられた粒子に対して処理剤又は処理剤を含む溶液噴霧するスプレードライ法等による乾式法や処理剤を含有する溶液中に粒子を浸漬し、乾燥する湿式法や処理剤と粒子を混合機により混合する混合法などが挙げられる。

0046

(アルミナ粒子の粒径)
アルミナ粒子の個数平均一次粒子径は、製造容易性の観点及び本発明の効果発現の観点から、5〜60nmであり、5〜40nmであることが好ましい。5〜60nmの範囲内の比較的小さなアルミナ粒子を用いることで、トナーの流動性を向上させ、アルミナ粒子をトナー粒子からキャリア粒子に移行しやすくすることで、高カバレッジ印刷時において帯電量変動を安定化することができると推察される。

0047

(測定方法:粒径)
アルミナ粒子の粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)「JSM−7401F」(日本電子社製)を用いて、3万倍に拡大したトナーのSEM写真撮影し、当該SEM写真を観察してシリカ粒子の一次粒子の粒径(フェレー径)を測定し、その合計値個数で割って平均粒径を求めることができる。粒径の測定は、SEM画像において粒子の総数が100〜200個程度となるような領域を選択して行うことができる。

0048

(アルミナ粒子の含有量)
アルミナ粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対して0.1〜2.0質量部の範囲内であることが好ましい。本発明の効果発現の観点から、0.1質量部以上が好ましい。また、2.0質量部以下とすることで、低カバレッジ印刷時に現像機内で現像剤が撹拌された際のトナー粒子とキャリア粒子の衝撃をアルミナ粒子が受ける確率を低く抑えることができるので、アルミナ粒子のトナー母体粒子への埋没を起こりにくくすることができる。

0049

(アルミナ粒子以外の外添剤)
本発明に係る外添剤として、アルミナ粒子の他に、公知の他の外添剤をさらに含むことも好ましい。
公知の他の外添剤としては、例えば、シリカ粒子、酸化チタン粒子などの無機酸化物粒子や、ステアリン酸アルミニウム粒子、ステアリン酸亜鉛粒子などの無機ステアリン酸化合物粒子、又は、チタン酸ストロンチウムチタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物粒子などが挙げられる。
これら無機粒子は、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上等のために、シランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等によって、光沢処理、疎水化処理等が行われていてもよい。

0050

アルミナ粒子以外の外添剤としては、帯電性付与の観点からシリカ粒子を用いることが好ましい。
また、一次粒子の個数平均粒径が10〜60nmの範囲内のシリカ粒子を含有することが好ましい。これにより、トナーの流動性を向上させて、現像機にトナーが補給された際に、トナー粒子とキャリア粒子との混合を十分に行うことができるので、安定した帯電量推移が得られる。
また、一次粒子の個数平均粒径が10〜60nmの範囲内のシリカ粒子に加えて、さらに、一次粒子の個数平均粒径が80〜150nmの範囲内のシリカ粒子を含有することが好ましい。これにより、低カバレッジ印刷時に現像機内で現像剤が撹拌された際のトナー粒子とキャリア粒子の衝撃を和らげることができる。

0051

また、上記で挙げたものの他に、外添剤として、有機粒子を用いることができる。有機粒子としては、個数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機粒子を使用することができる。具体的には、スチレンメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体による有機粒子を使用することができる。
また、外添剤として滑材も用いることができる。滑材は、クリーニング性転写性をさらに向上させる目的で使用されるものであって、具体的には、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウムカルシウムなどの塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウムなどの塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウムなどの塩、リノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩などの高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。

0052

非晶性樹脂
トナー母体粒子を構成する結着樹脂には、公知の非晶性樹脂を用いることができる。その具体例としては、ビニル樹脂、ウレタン樹脂ウレア樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。なかでも、環境差による変動が小さいという理由から、ビニル樹脂が好ましい。
ビニル樹脂としては、ビニル化合物を重合したものであれば特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のビニル樹脂のなかでも、熱定着時可塑性を考慮すると、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂が好ましい。したがって、以下では、非晶性樹脂としてのスチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂(以下、「スチレン−(メタ)アクリル樹脂」とも称する)について説明する。

0053

スチレン−(メタ)アクリル樹脂は、少なくとも、スチレン単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体とを付加重合させて形成されるものである。ここでいうスチレン単量体は、CH2=CH−C6H5の構造式で表されるスチレンの他に、スチレン構造中に公知の側鎖や官能基を有する構造のものを含むものである。また、ここでいう(メタ)アクリル酸エステル単量体は、CH2=CHCOOR(Rはアルキル基)で表されるアクリル酸エステル化合物メタクリル酸エステル化合物の他に、アクリル酸エステル誘導体メタクリル酸エステル誘導体等の構造中に公知の側鎖や官能基を有するエステル化合物を含むものである。なお、本明細書中、「(メタ)アクリル酸エステル単量体」とは、「アクリル酸エステル単量体」と「メタクリル酸エステル単量体」とを総称したものである。
スチレン−(メタ)アクリル樹脂の形成が可能なスチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体の一例を以下に示す。

0054

スチレン単量体の具体例としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等が挙げられる。これらスチレン単量体は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。
また、(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例としては、例えば、メチルアクリレートエチルアクリレートイソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレートイソブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレートラウリルアクリレート、フェニルアクリレート等のアクリル酸エステル単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレートn−ブチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレートイソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレートn−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレートラウリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。これら(メタ)アクリル酸エステル単量体は、単独でも又は2種以上を組み合わせても使用することができる。

0055

スチレン−(メタ)アクリル樹脂中のスチレン単量体に由来する構成単位含有率は、当該樹脂の全量に対し、40〜90質量%であると好ましい。また、当該樹脂中の(メタ)アクリル酸エステル単量体に由来する構成単位の含有率は、当該樹脂の全量に対し、10〜60質量%であると好ましい。
さらに、スチレン−(メタ)アクリル樹脂は、上記スチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体に加え、以下の単量体化合物を含んでいてもよい。
単量体化合物としては、例えば、アクリル酸メタクリル酸マレイン酸イタコン酸ケイ皮酸フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等のカルボキシ基を有する化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基を有する化合物が挙げられる。これら単量体化合物は、単独でも又は2種以上を組み合わせても使用することができる。

0056

スチレン−(メタ)アクリル樹脂中の上記単量体化合物に由来する構成単位の含有率は、当該樹脂の全量に対し、0.5〜20質量%であると好ましい。
スチレン−(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10000〜100000であることが好ましい。スチレン−(メタ)アクリル樹脂の製造方法は、特に制限されず、上記単量体の重合に通常用いられる過酸化物、過硫化物過硫酸塩アゾ化合物などの任意の重合開始剤を用い、塊状重合溶液重合乳化重合法ミニエマルション法、分散重合法など公知の重合手法により重合を行う方法が挙げられる。また、分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えばn−オクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタンメルカプト脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に制限されないが、低温定着性などの定着性、並びに、耐熱保管性及び耐ブロッキング性などの耐熱性を確実に得る観点から、25〜60℃であることが好ましい。

0057

また、トナーの機械的強度を和らげ外添剤の埋没を抑制する観点からは、結着樹脂は、上述したビニル樹に加えて、さらに、ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
本発明に係るポリエステル樹脂は、多価カルボン酸モノマー(誘導体)及び多価アルコールモノマー(誘導体)を原料として適宜の触媒の存在下で重縮合反応によって製造されたものである。

0058

多価カルボン酸モノマー誘導体としては、多価カルボン酸モノマーのアルキルエステル酸無水物及び酸塩化物を用いることができ、多価アルコールモノマー誘導体としては、多価アルコールモノマーのエステル化合物及びヒドロキシカルボン酸を用いることができる。
多価カルボン酸モノマーとしては、例えばシュウ酸コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸アゼライン酸セバシン酸ノナンジカルボン酸デカンジカルボン酸ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマル酸、シトラコン酸ジグリコール酸シクロヘキサン−3,5−ジエン−1,2−ジカルボン酸、リンゴ酸クエン酸ヘキサヒドロテレフタール酸マロン酸ピメリン酸酒石酸粘液酸フタル酸イソフタル酸テレフタル酸テトラクロロフタル酸クロロフタル酸ニトロフタル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレンジグリコール酸、p−フェニレンジグリコール酸、o−フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル−p,p′−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、ドデセニルコハク酸などの2価のカルボン酸トリメリット酸ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸ナフタレンテトラカルボン酸ピレントリカルボン酸、及びピレンテトラカルボン酸などの3価以上のカルボン酸などを挙げることができる。多価カルボン酸モノマーとしては、フマル酸、マレイン酸、メサコン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸を用いることが好ましい。また、本発明においては無水マレイン酸などのジカルボン酸の無水物を用いることもできる。

0060

また、本発明に係る結着樹脂には、低温定着性の観点からは、上記非晶性樹脂に加えて、さらに結晶性樹脂を含有することが好ましい。

0061

<着色剤>
着色剤としては、カーボンブラック磁性体、染料顔料などを任意に使用することができる。
カーボンブラックとしては、チャンネルブラックファーネスブラックアセチレンブラックサーマルブラック、又はランプブラックなどを使用することができる。
磁性体としては、鉄、ニッケル、又はコバルトなどの強磁性金属、これらの金属を含む合金フェライト、又はマグネタイトなどの強磁性金属の化合物などを用いることができる。
染料としては、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95などを用いることができ、またこれらの混合物も用いることができる。
顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、同48:1、同48:3、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同15:4、又は同60などを用いることができ、これらの混合物も用いることができる。

0062

<離型剤>
離型剤としては、公知の種々のワックスを用いることができる。ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックスポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックスマイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖炭化水素ワックスパラフィンワックスサゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックスモンタンワックスベヘン酸ベヘニルトリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックスエチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量部である。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、離型剤の融点は、電子写真におけるトナーの低温定着性及び離型性の観点から、50〜95℃であることが好ましい。

0063

<荷電制御剤>
荷電制御剤としては、水系媒体中に分散することができる公知の荷電制御剤粒子を使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物アゾ系金属錯体サリチル酸金属塩、又はその金属錯体などが挙げられる。

0064

<トナー粒子の体積平均粒径>
トナー粒子の体積平均粒径は、3.0〜6.5μmであることが好ましい。製造しやすさの観点から、トナー粒子の体積平均粒径を3.0μm以上とすることが好ましい。また、帯電量を低くしすぎることなく、低帯電量成分による画像不良を起きにくくすることができる観点からは、トナー粒子の体積平均粒径を6.5μm以下とすることが好ましい。

0065

(測定方法:トナー粒子径
本発明でいうトナー粒子の「体積平均粒径」は、体積基準メディアン径(D50)であり、例えば、「マルチサイザー3(ベックマンコールター社製)」に、データ処理用コンピューターシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。測定手順としては、トナー粒子0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に分散させた後、超音波分散を1分間行いトナー粒子分散液を作製する。このトナー粒子分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを25000個に設定して測定する。
なお、マルチサイザー3のアパーチャー径は100μmのものを使用する。測定範囲1〜30μmの範囲を256分割しての頻度数を算出し、体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準メディアン径(D50)とする。
トナー粒子の体積平均粒径は、例えば、製造時における凝集剤の濃度や有機溶媒添加量、又は融着時間等を制御することにより制御することができる。

0066

<トナー粒子の平均円形度
トナー粒子の平均円形度は、0.995以下であることが好ましく、0.985以下であることがより好ましく、0.93〜0.97の範囲内であることがさらに好ましい。このような範囲の平均円形度であれば、より帯電しやすいトナー粒子となる。
なお、平均円形度は、例えば、フロー式粒子像分析装置FPIA−3000」(Sysmex社製)を用いて測定することができ、具体的には、以下の方法で測定することができる。

0067

(測定方法)
トナー粒子を界面活性剤水溶液に湿潤させ、超音波分散を1分間行い、分散した後、「FPIA−3000」を用い、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の範囲内の適正濃度で測定を行う。この範囲であれば、再現性のある測定値が得られる。円形度は下記式で算出される。
円形度=(粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
平均円形度は、各粒子の円形度を足し合わせ、測定した全粒子数で割った算術平均値である。
トナー粒子の平均円形度は、上述の製造方法における熟成処理時の温度、時間等を制御することにより制御することができる。

0068

<静電潜像現像用トナーの製造方法>
本発明のトナーを製造する方法としては、特に限定されず、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法など公知の方法が挙げられる。これらの中でも、粒径の均一性、形状の制御性観点からは、乳化凝集法を採用することが好ましい。
乳化凝集法とは、界面活性剤や分散安定剤によって分散された結着樹脂の粒子(以下、「結着樹脂粒子」ともいう)の分散液を、必要に応じて、着色剤の粒子(以下、「着色剤粒子」ともいう)の分散液と混合し、所望のトナー粒子径となるまで凝集させ、さらに結着樹脂粒子間の融着を行うことにより形状制御を行って、トナー粒子を製造する方法である。ここで、結着樹脂の粒子は、任意に離型剤、荷電制御剤などを含有していてもよい。
本発明に係るトナーの好ましい製造方法として、乳化凝集法を用いてコアシェル構造を有するトナー粒子を得る場合の一例を以下に示す。なお、以下コア−シェル構造を有するトナー粒子について説明するが、本発明に係るトナー粒子はコア−シェル構造を有しないものであってもよい。

0069

(1)水系媒体中に着色剤粒子が分散されてなる着色剤粒子分散液を調製する工程
(2)水系媒体中に、必要に応じて内添剤を含有した結着樹脂粒子が分散されてなる樹脂粒子分散液(コア用/シェル用樹脂粒子分散液)を調製する工程
(3)着色剤粒子分散液とコア用樹脂粒子分散液とを混合して凝集用樹脂粒子分散液を得て、凝集剤の存在下で着色剤粒子及び結着樹脂粒子を凝集、融着させてコア粒子としての凝集粒子を形成する工程(凝集・融着工程)
(4)コア粒子を含む分散液中に、シェル層用の結着樹脂粒子を含むシェル用樹脂粒子分散液を添加して、コア粒子表面にシェル層用の粒子を凝集、融着させてコア−シェル構造のトナー母体粒子を形成する工程(凝集・融着工程)
(5)トナー母体粒子の分散液(トナー母体粒子分散液)からトナー母体粒子を濾別し、界面活性剤などを除去する工程(洗浄工程)
(6)トナー母体粒子を乾燥する工程(乾燥工程)
(7)トナー母体粒子に外添剤を添加する工程(外添剤処理工程)。

0070

コア−シェル構造を有するトナー粒子は、先ず、コア粒子用の結着樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集、融着させてコア粒子を作製し、次いで、コア粒子の分散液中にシェル層用の結着樹脂粒子を添加してコア粒子表面にシェル層用の結着樹脂粒子を凝集、融着させてコア粒子表面を被覆するシェル層を形成することにより得ることができる。しかしながら、例えば、上記(4)の工程において、シェル用樹脂粒子分散液を添加せずに、単層の粒子から形成されるトナー粒子も同様に製造することができる。

0071

<外添処理>
トナー母体粒子に対する外添混合処理は、機械式混合装置を用いることができる。機械式混合装置としては、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、タービュラミキサー等が使用できる。これらの中で、ヘンシェルミキサーのように処理される粒子に剪断力を付与できる混合装置を用いて、混合時間を長くする又は撹拌羽根回転周速を上げる等の混合処理を行えばよい。また、複数種類の外添剤を使用する場合、トナー粒子に対して全ての外添剤を一括で混合処理するか、又は外添剤に応じて複数回に分けて分割して混合処理してもよい。
外添剤の混合方法は、上記機械式混合装置を用いて、混合強度、すなわち撹拌羽根の周速、混合時間、又は、混合温度等を制御することによって外添剤の解砕度合いや付着強度を制御することができる。

0072

[キャリア粒子]
本発明に係るキャリア粒子は、樹脂被覆層を有しており、当該樹脂被覆層が脂環式(メタ)アクリレートモノマーを用いて形成されたものである。

0073

本発明に係るキャリア粒子の抵抗は、本発明の効果発現の観点から、1.0×109〜1.0×1011Ω・cmの範囲内であることが好ましい。
キャリア粒子の抵抗は、磁気ブラシによる現像条件下に動的に測定される抵抗である。感光体ドラムと同寸法のアルミ製電極ドラムを感光体ドラムに置き換え現像スリーブ上にキャリア粒子を供給して磁気ブラシを形成させ、この磁気ブラシを電極ドラムと摺擦させ、このスリーブとドラムとの間に電圧(500V)を印加して両者間に流れる電流を測定することにより、キャリア粒子の抵抗を下記式により求めることができる。
VR(Ω・cm)=(V/I)×(N×L/Dsd)
DVR:キャリア粒子の抵抗(Ω・cm)
V:現像スリーブとドラム間の電圧(V)
I:測定電流値(A)
N:現像ニップ幅(cm)
L:現像スリーブ長(cm)
DSD:現像スリーブとドラム間距離(cm)
本発明においては、V=500V、N=1cm、L=6cm、Dsd=0.6mmにて測定を行うものとする。

0074

キャリア粒子の体積平均粒径としては10〜100μmであることが好ましく、更に好ましくは20〜80μmである。キャリア粒子の体積平均粒径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパテック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。

0075

芯材粒子
本発明に係るキャリア粒子は、芯材粒子と、芯材粒子の表面を被覆する樹脂被覆層とを有するものである。
本発明で用いられる芯材粒子(磁性体粒子)としては、鉄粉、マグネタイト、各種フェライト系粒子又はそれらを樹脂中に分散したものを挙げることができる。これらのなかでも、マグネタイトや各種フェライト系粒子を用いることが好ましい。フェライトとしては、銅、亜鉛、ニッケル、マンガン等の重金属を含有するフェライトや、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有する軽金属フェライトが好ましい。
また、芯材粒子として、ストロンチウム(Sr)を含有することが好ましい。ストロンチウムを含有することで、芯材粒子の表面の凹凸を大きくすることができ、樹脂をコートしても、表面が露出しやすくなり、キャリア粒子の抵抗を調整しやすくなる。

0076

(芯材粒子の作製方法
原材料を適量秤量した後、湿式メディアミルボールミル又は振動ミル等で好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1〜20時間粉砕混合する。このようにして得られた粉砕物を、加圧成型機等を用いてペレット化した後、好ましくは700〜1200℃の温度で、好ましくは0.5〜5時間仮焼成する。
ここで、加圧成型機を使用せずに、粉砕した後、水を加えてスラリー化し、スプレードライヤーを用いて粒状化してもよい。仮焼成後、さらにボールミル又は振動ミル等で粉砕した後、水、及び必要に応じ分散剤ポリビニルアルコールPVA)等のバインダー等を添加して粘度調整をして造粒して、本焼成を行う。本焼成の温度は、好ましくは1000〜1500℃の温度であり、本焼成の時間は、好ましくは1〜24時間である。仮焼成後に粉砕する際は、水を加えて湿式ボールミル湿式振動ミル等で粉砕してもよい。

0077

上記のボールミルや振動ミル等の粉砕機は特に限定されないが、原料を効果的かつ均一に分散させるために、使用するメディアに1cm以下の粒径を有する微細ビーズを使用することが好ましい。また、使用するビーズの径、組成、粉砕時間を調整することによって、粉砕度合いコントロールすることができる。
このようにして得られた焼成物を、粉砕し、分級する。分級方法としては、既存の風力分級法、メッシュ濾過法沈降法等を用いて所望の粒径に粒度調整する。
その後、必要に応じて、表面を低温加熱することで酸化皮膜処理を施し、抵抗調整を行うことができる。酸化被膜処理は、一般的なロータリー式電気炉バッチ式電気炉等を用い、例えば300〜700℃で熱処理を行うことができる。この処理によって形成された酸化被膜の厚さは、0.1nm〜5μmであることが好ましい。酸化被膜の厚さを前記範囲とすることで、酸化被膜層の効果が得られ、高抵抗になりすぎず所望の特性を得やすく好ましい。必要に応じて、酸化被膜処理の前に還元を行ってもよい。また、分級の後、さらに磁力選鉱により低磁力品を分別してもよい。

0078

<樹脂被覆層>
本発明に係る樹脂被覆層は、脂環式(メタ)アクリレートモノマーを用いて形成されたものである。吸湿性の低い脂環式(メタ)アクリレートモノマーから形成される樹脂を含むことにより、環境差による帯電量変動の抑制と、トナー粒子とキャリア粒子の衝突によるアルミナ粒子の埋没を抑制することができる。

0079

脂環式(メタ)アクリレートモノマーは、機械的強度、帯電量の環境安定性(帯電量の環境差が小さい)、重合容易性及び入手容易性の観点から、炭素数5〜8のシクロアルキル基を有することが好ましい。脂環式(メタ)アクリレートモノマーは、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘプチル及び(メタ)アクリル酸シクロオクチルからなる群より選択される少なくとも一つであることが好ましい。中でも、機械的強度及び帯電量の環境安定性の観点から、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルを含むことが好ましい。
また、本発明に係る樹脂被覆層は、脂環式(メタ)アクリレートモノマーと鎖式(メタ)アクリレートモノマーの共重合体であることが好ましい。鎖式(メタ)アクリレートモノマーは、膜強度がより一層高くする観点から、メタクリル酸メチルを用いることが好ましい。また、共重合体を用いる場合には、組成比として、脂環式(メタ)アクリレートモノマーが25〜75質量%の範囲内であることが好ましい。25質量%以上とすることで、本発明の効果を十分に得ることができる。また、75質量%以下とすることで、膜強度を高くし、長時間使用しても帯電量の変動幅を少なくすることができる。

0080

被覆方法
樹脂被覆層の形成方法としては、湿式コート法乾式コート法が挙げられる。以下に各方法について述べるが、乾式コート法は本発明に適用するのに特に望ましい方法である。

0081

湿式コート法としては、流動層式スプレーコート法、浸漬式コート法、重合法等が挙げられる。
流動層式スプレーコート法は、被覆用樹脂溶剤に溶解した塗布液を、流動層を用いて芯材粒子の表面にスプレー塗布し、次いで乾燥して被覆層を作製する方法である。
浸漬式コート法は、被覆用樹脂を溶剤に溶解した塗布液中に、芯材粒子を浸漬して塗布処理し、次いで乾燥して被覆層を作製する方法である。
重合法は、反応性化合物を溶剤に溶解した塗布液中に、芯材粒子を浸漬して塗布処理し、次いで熱等を加えて重合反応を行い被覆層を作製する方法である。

0082

次に、乾式コート法について説明する。乾式コート法は、例えば、被覆しようとする粒子の表面に樹脂粒子被着させ、その後機械的衝撃力を加えて、被覆しようとする粒子表面に被着した樹脂粒子を溶融又は軟化させて固着し被覆層を作製する方法である。芯材粒子、樹脂及び低抵抗粒子等を、非加熱下又は加熱下で、機械的衝撃力が付与できる高速撹拌混合機を用いて高速撹拌して、当該混合物に衝撃力を繰り返して付与し、芯材粒子の表面に溶解又は軟化させて固着したキャリア粒子を作製するのである。コート条件として、加熱する場合には、80〜130℃が好ましく、衝撃力を起こす風速としては、加熱中は10m/s以上が好ましく、冷却時にはキャリア粒子同士の凝集を抑制するため5m/s以下が好ましい。衝撃力を付与する時間としては、20〜60分が好ましい。

0083

次に、樹脂のコート工程若しくはコート後の工程において、キャリア粒子にストレスを加えることで芯材粒子の凸部の樹脂を剥がし、芯材粒子を露出させる手法について説明する。
乾式コート法での樹脂コート工程においては、加熱温度を60℃以下に低温化しつつ、冷却時の風速を高速せん断にすることで樹脂剥がれを生じさせることができる。また、コート後の工程としては、強制撹拌できる装置であれば可能であり、例えば、タービュラー、ボールミル、振動ミルなどで撹拌混合することが挙げられる。

0084

また、コート樹脂に熱及び衝撃を加えることで凸部表面にある樹脂を凹部側に移動させることで芯材を露出させる手法としては、衝撃力を付与する時間を長くとることが有効である。具体的には、1時間半以上にすることが好ましい。

0085

以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0086

[アルミナ粒子の作製]
(アルミナ粒子1aの作製)
アルミナ粒子は、公知の手法で製造したものを用いることができ、以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明に係るアルミナの製造方法の一例として、特開2012−224542の記載内容を参考にして、欧州特許第0585544号明細書の実施例1中に記載された公知のバーナー装置適合させて作製を行った。

0087

三塩化アルミニウム(AlCl3)320kg/hを約200℃で蒸発装置中で蒸発させ、塩化物蒸気を、窒素により、バーナー混合チャンバー中に通過させた。ここで、気体流水素100Nm3/h及び空気450Nm3/hと混合し、中央チューブ(直径7mm)を介して火炎へ供給した。その結果、バーナー温度は230℃であり、チューブの排出速度は約35.8m/sであった。水素0.05Nm3/hをジャケットタイプの気体として外側チューブを介して供給した。気体は反応チャンバー中燃焼し、下流の凝集ゾーンで約110℃まで冷却された。そこでは、アルミナの一次粒子の凝集が行われた。同時に生成される塩酸含有ガスから、得られた酸化アルミニウム粒子フィルター又はサイクロン中で分離し、湿空気を有する粉末を約500〜700℃で処理することにより、接着性の塩化物を除去した。こうしてアルミナ粒子1aを得た。
アルミナの粒径は、反応条件(例えば火炎温度や、水素又は酸素の含有率)、三塩化アルミニウムの品質火炎中での滞留時間又は凝集ゾーンの長さによって変更することができる。

0088

(表面修飾)
上記で得られたアルミナ粒子1aを反応容器に入れて、窒素雰囲気下、粉末を回転羽根で撹拌しながら、アルミナ粉体100gに対して、疎水化処理剤イソブチルトリメトキシシラン20gをヘキサン60gで希釈させたものを添加し、200℃120分加熱撹拌後冷却水で冷却し、アルミナ粒子1を得た。
アルミナ粒子1の表面修飾後の表面に存在する疎水化処理剤に由来する炭素の総量が、表面修飾後のアルミナ粒子に対して2.1質量%であった。
また、表面修飾後の表面に存在する前記疎水化処理剤のうち、後述する所定条件で抽出処理を行った際に、表面から遊離した状態にある前記疎水化処理剤の比率は、0%であった。

0089

これらについては、以下のように測定した。
(1)BUCHI社製ソックスレー抽出装置を用い、疎水化処理剤で表面修飾した後のアルミナ粒子粉末0.7gを円筒濾紙(外形寸形28mm×100mm)に入れ、抽出溶媒としてn−ヘキサン50mLを使用し、温度110℃にて抽出時間60分、リンス時間30分の条件で、当該アルミナ粒子粉から遊離した疎水化処理剤を取り除いた。
(2)疎水化処理剤で表面修飾した後のアルミナ粒子について、上記(1)の抽出操作を行う前と後の状態で、それぞれ炭素量の定量を行った。炭素量の定量は、CHN元素分析装置(住化分析センター製SUMIGRAPHNC-TR22)により測定した。
(3)表面修飾後の表面に存在する前記疎水化処理剤のうち、表面から遊離した状態にある疎水化処理剤の比率は、下記の式により算出した。
表面修飾後の表面に存在する前記疎水化処理剤のうち、表面から遊離した状態にある疎水化処理剤の比率=(C0−C1)/C0×100(%)
C0:抽出操作前における、アルミナ粒子表面に存在する疎水化処理剤に由来する炭素の総量
C1:抽出操作後における、アルミナ粒子表面に存在する疎水化処理剤に由来する炭素の総量
また、表面修飾後のアルミナ粒子に対して、上記「C0:抽出操作前における、アルミナ粒子表面に存在する疎水化処理剤に由来する炭素の総量」についても算出した。

0090

(アルミナ粒子2〜14の作製)
アルミナ粒子1の作製方法において、上述した反応条件、火炎中での滞留時間又は凝集ゾーンの長さ等の各種条件を調整し、さらに表面修飾を行った疎水化処理剤を表Iに記載のものに変更し、表Iに記載のアルミナ粒子2〜14を作製した。

0091

0092

[トナー母体粒子の製造]
〔スチレン−アクリル(StAc)樹脂粒子分散液の調製〕
(第1段重合
撹拌装置温度センサー冷却管及び窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム(C10H21(OCH2CH2)2SO3Na)よりなるアニオン系界面活性剤4質量部をイオン交換水3040質量部に溶解させた界面活性剤水溶液を入れた。さらに、過硫酸カリウム(KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、液温を75℃に昇温させた。
次に、スチレン532質量部、n−ブチルアクリル酸200質量部、メタクリル酸68質量部及びn−オクチルメルカプタン16.4質量部よりなる重合性単量体溶液を1時間かけて滴下した。滴下後、75℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合(第1段重合)を行い、スチレン−アクリル樹脂粒子の分散液を調製した。
分散液中のスチレン−アクリル樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)は、16500であった。

0093

樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)によって測定した分子量分布から求めた。
具体的には、測定試料を濃度1mg/mLとなるようにテトラヒドロフラン(THF)中に添加し、室温において超音波分散機を用いて5分間分散処理した後、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して、試料液を調製した。GPC装置HLC−8120GPC(東ソー社製)及びカラムSKguardcolumn+TSKgel SuperHZM−M3連(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを流速0.2mL/minで流した。キャリア溶媒とともに、調製した試料液10μLをGPC装置内に注入し、屈折率検出器RI検出器)を用いて試料を検出し、単分散ポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて、試料の分子量分布を算出した。検量線は、分子量がそれぞれ6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106である10点のポリスチレン標準粒子(Pressure Chemical社製)を測定することにより、作成した。

0094

(第2段重合)
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に、スチレン101.1質量部、n−ブチルアクリル酸62.2質量部、メタクリル酸12.3質量部及びn−オクチルメルカプタン1.75質量部からなる重合性単量体溶液を入れた。さらに、離型剤としてパラフィンワックスHNP−57(日本製社製)93.8質量部を添加し、内温を90℃に加温して溶解させることによって、単量体溶液を調製した。

0095

別の容器に、第1段重合において用いたアニオン系界面活性剤3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤水溶液を入れ、内温が98℃となるよう加熱した。この界面活性剤水溶液に、第1段重合により得られたスチレン−アクリル樹脂粒子の分散液32.8質量部(固形分換算)を添加し、さらにパラフィンワックスを含有する単量体溶液を添加した。循環経路を有する機械式分散機クレアミクスエムテクニック社製)を用い、8時間かけて混合分散することにより、粒子径340nmの乳化粒子油滴)の分散液を調製した。

0096

この分散液に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加した。この系を98℃にて12時間にわたって加熱撹拌することにより重合(第2段重合)を行い、スチレン−アクリル樹脂粒子の分散液を調製した。
分散液中のスチレン−アクリル樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)は、23000であった。

0097

(第3段重合)
第2段重合において得られたスチレン−アクリル樹脂粒子の分散液に、過硫酸カリウム5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加した。この分散液に、80℃の温度条件下で、スチレン293.8質量部、n−ブチルアクリル酸154.1質量部及びn−オクチルメルカプタン7.08質量部からなる重合性単量体溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱撹拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却し、スチレン−アクリル樹脂粒子の分散液を得た。
分散液中のスチレン−アクリル樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)は、26800であった。

0098

非晶性ポリエステル粒子分散液
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー及び精留塔を備えた反応容器に、多価カルボン酸単量体として、テレフタル酸139.5質量部及びイソフタル酸15.5質量部を、多価アルコール単量体として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニルプロパンプロピレンオキサイドモル付加物(分子量460)290.4質量部及び2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンエチレンオキサイド2モル付加物(分子量404)60.2質量部を入れた。反応系の温度を1時間かけて190℃に上昇させ、反応系内が均一に撹拌されていることを確認した後、触媒としてオクチル酸スズを3.21質量部を投入した。生成される水を留去しながら、反応系の温度を同温度から6時間かけて240℃に上昇させ、240℃に維持した状態で脱水縮合反応を6時間継続して行い、非晶性ポリエステル樹脂を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂は、ピーク分子量(Mp)が12000、重量平均分子量(Mw)が15000であった。
撹拌動力を与えるアンカー翼を備えた反応容器に、メチルエチルケトンイソプロピルアルコールを添加した。さらに、ハンマーミル粗粉砕した上記非晶性ポリエステル樹脂を徐々に添加して撹拌し、完全に溶解させて油相となるポリエステル樹脂溶液を得た。撹拌した油相に希アンモニア水溶液を数量滴下し、次いでこの油相をイオン交換水に滴下して転相乳化させた後、エバポレータ減圧しながら溶剤の除去を行った。反応系には非晶性ポリエステル樹脂粒子が分散しており、その分散液にイオン交換水を追加して固形分を20質量%に調整して、非晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液を調製した。
分散液中の非晶性ポリエステル樹脂粒子の体積基準メディアン径粒度分布測定器「Nanotrack Wave(マイクロトラックベル社製)を用いて測定したところ、216nmであった。

0099

〔着色剤粒子分散液〕
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に撹拌溶解した。この溶液を撹拌しながら、カーボンブラックリーガル330R(キャボット社製)420質量部を徐々に添加した。次いで、撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液を調製した。
分散液中の着色剤粒子の粒子径を、粒度分布測定器「Nanotrack Wave(マイクロトラックベル社製)を用いて測定したところ、117nmであった。

0100

〔トナー母体粒子1の製造〕
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、スチレンアクリル樹脂粒子分散液を固形分換算で300質量部、イオン交換水2000質量部を投入後、5モルリットル水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。その後、着色剤分散液を固形分換算で40質量部投入した。次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。その後、3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準におけるメディアン径(D50)が5.6μmになった時点で、非晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液を固形分換算で30質量部を30分間かけて投入し、反応液上澄みが透明になった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。さらに、昇温を行い、90℃の状態で加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、トナーの平均円形度の測定装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて(HPF検出数を4000個)平均円形度が0.950になった時点で30℃に冷却し、トナー母体粒子の分散液を調製した。

0101

このトナー母体粒子の分散液を遠心分離機固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成し、このウェットケーキを、前記遠心分離機で濾液電気伝導度が5μS/cmになるまで35℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥することにより、トナー母体粒子1を作製した。
得られたトナー母体粒子1は粒径5.9μm、円形度0.955であった。

0102

〔トナー母体粒子2の製造〕
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、スチレンアクリル樹脂粒子分散液を固形分換算で250質量部、イオン交換水2000質量部を投入後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。その後、着色剤粒子分散液〔A〕を固形分換算で40質量部投入した。次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。その後、3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準のメディアン径(D50)が6.0μmになった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。さらに、昇温を行い、90℃の状態で加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、トナーの平均円形度の測定装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて(HPF検出数を4000個)測定した平均円形度が0.960になった時点で30℃に冷却し、トナー母体粒子の分散液を調製した。

0103

このトナー母体粒子の分散液を遠心分離機で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成し、このウェットケーキを、前記遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで35℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥することにより、トナー母体粒子〔1〕を作製した。
得られたトナーは粒径6.2μm、円形度0.961であった。

0104

〔トナー母体粒子3の製造〕
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を固形分換算で250質量部、離型剤分散液を固形分換算で25質量部、イオン交換水2000質量部を投入後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。その後、着色剤粒子分散液〔A〕を固形分換算で40質量部投入した。次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。その後、3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準のメディアン径(D50)が5.8μmになった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。さらに、昇温を行い、90℃の状態で加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、トナーの平均円形度の測定装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて(HPF検出数を4000個)測定した平均円形度が0.947になった時点で30℃に冷却し、トナー母体粒子の分散液を調製した。

0105

このトナー母体粒子の分散液を遠心分離機で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成し、このウェットケーキを、前記遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで35℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥することにより、トナー母体粒子〔3〕を作製した。
得られたトナー母体粒子は粒径6.1μm、円形度0.954であった。

0106

[トナー粒子1の作製]
(外添剤処理工程)
上記のようにして作製した「トナー母体粒子1」に、大径のシリカ粒子(HMDS処理疎水化度72、個数平均一次粒子径=110nm)を0.5質量%、小径のシリカ粒子(HMDS処理、疎水化度67、個数平均一次粒子径=12nm)を0.8質量%、アルミナ粒子1を0.8質量%となるように添加し、ヘンシェルミキサー型式FM20C/I」(日本コークス工業(株)製)に添加し、羽根先端周速が50m/sとなるようにして回転数を設定して20分間撹拌し、トナー母体粒子1を外添処理した「トナー粒子1」を作製した。
また、外添混合時の品温は40℃±1℃となるように設定し、41℃になった場合は、ヘンシェルミキサーの外浴冷却水を5L/分の流量で冷却水を流し、39℃になった場合は、1L/分となるように冷却水を流すことでヘンシェルミキサー内部の温度制御を行った。これによりトナー粒子1を作製した。

0107

[トナー粒子2〜19の作製]
トナー粒子1において、表IIに記載したように、トナー母体粒子の種類と、外添剤の種類とを変更してトナー粒子2〜19を作製した。
トナー粒子16ではアルミナ粒子は添加せずチタニア粒子(オクチルトリメトキシシラン処理、疎水化度75、個数平均一次粒子径=25nm)を使用した。

0108

0109

[キャリア粒子の作製]
キャリア芯材粒子1の作製>
MnO:35mol%、MgO:14.5mol%、Fe2O3:50mol%及びSrO:0.5mol%になるように原料を量し、水と混合した後、湿式のメディアミルで5時間粉砕してスラリーを得た。
得られたスラリーをスプレードライヤーにて乾燥し、真球状の粒子を得た。この粒子を粒度調整した後、950℃で2時間加熱し、仮焼成を行った。直径0.3cmのステンレスビーズを用いて湿式ボールミルで1時間粉砕したのち、さらに直径0.5cmのジルコニアビーズを用いて4時間粉砕した。バインダーとしてPVAを固形分に対して0.8質量%添加し、次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、電気炉にて、温度1350℃、5時間保持し、本焼成を行った。
その後、解砕し、さらに分級して粒度調整し、その後磁力選鉱により低磁力品を分別し、キャリア芯材粒子1を得た。キャリア芯材粒子1の粒径は35μmであった。

0110

(芯材被覆用樹脂1の作製)
0.3質量%のベンゼンスルホン酸ナトリウムの水溶液中に、メタクリル酸シクロヘキシルとメタクリル酸メチルとを「質量比=5:5」(共重合比)で添加し、単量体総量の0.5質量%にあたる量の過硫酸カリウムを添加して乳化重合を行い、スプレードライで乾燥することで、「被覆材1」を作製した。得られた被覆材1における重量平均分子量は50万であった。

0111

(キャリア粒子1の作製)
水平撹拌羽根付き高速撹拌混合機に、芯材粒子として上記で準備した「キャリア芯材粒子1」100質量部と、「被覆材1」を4.5質量部投入し、水平回転翼の周速が8m/secとなる条件で、22℃で15分間混合撹拌した後、120℃で50分混合して機械的衝撃力(メカノケミカル法)の作用で芯材粒子の表面に樹脂被覆層を形成し、「キャリア粒子1」を製造した。キャリア粒子1の抵抗値は、9.0×109Ω・cmであった。

0112

(キャリア粒子の抵抗値の測定方法)
キャリア粒子の抵抗値は、磁気ブラシによる現像条件下に動的に測定される抵抗値である。感光体ドラムと同寸法のアルミ製電極ドラムを感光体ドラムに置き換え、現像スリーブ上にキャリア粒子を供給して磁気ブラシを形成させ、この磁気ブラシを電極ドラムと摺擦させ、このスリーブとドラムとの間に電圧(500V)を印加して両者間に流れる電流を測定することにより、キャリア粒子の抵抗を下記式により求めた。
DVR(Ω・cm)=(V/I)×(N×L/Dsd)
DVR:キャリア粒子の抵抗(Ω・cm)
V:現像スリーブとドラム間の電圧(V)
I:測定電流値(A)
N:現像ニップ幅(cm)
L:現像スリーブ長(cm)
DSD:現像スリーブとドラム間距離(cm)
本発明においては、V=500V、N=1cm、L=6cm、Dsd=0.6mmにて測定を行った。

0113

<キャリア粒子2〜10の作製>
キャリア粒子1の製法において、表IIIに示したように樹脂被覆層の組成比(質量比)の条件を変更してキャリア粒子2〜10を作製した。
なお、キャリア粒子9では、樹脂被覆層をシリコーン樹脂のみによって形成した。

0114

0115

<現像剤の作製>
(現像剤1の作製)
上記のようにして作製したトナー粒子1と、キャリア粒子1とを、トナー濃度が5質量%となるようにして混合し、現像剤1を作製し以下の評価を行った。混合機は、V型混合機を用いて30分間混合した。

0116

(現像剤2〜28の作製)
現像剤1の作製方法において、トナーとキャリアの組み合わせを表IVのように変更して、現像剤2〜28を作製した。

0117

<評価>
上記各現像剤を用いて以下の評価を行った。
画像形成装置として市販のカラー複合機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタ株式会社製)を用いて、常温常湿環境(温度20℃、湿度50%RH)で、A4版の上質紙(65g/m2)上にテスト画像として印字率が5%の帯状ベタ画像を形成する印刷を1千枚行った。
次に、高温高湿環境(温度30℃、湿度80%RH)でテスト画像として印字率が5%の帯状ベタ画像を形成する印刷を7万枚、印字率が40%の帯状ベタ画像を形成する印刷を3万枚行った。
次に、低温低湿環境(温度10℃、湿度20%RH)で、印字率が5%の帯状ベタ画像を形成する印刷を7万枚、印字率が40%の帯状ベタ画像を形成する印刷を3万枚行った。
上述した、1000枚印刷後、10.1万枚印刷後及び20.1万枚印刷後のそれぞれにおける画像形成装置・評価画像について、下記の評価を行った。各評価結果は表IVに示す。

0118

(帯電量の評価)
トナーの帯電量を帯電量測定装置ブローオフ式TB−200」(東社製)により測定した。画像形成装置に400メッシュのステンレス製スクリーンを装着し、ブロー圧0.5kgf/cm2の条件で10秒間窒素ガスにてブローした。測定された電荷飛翔したトナー質量で割ることによって帯電量(μC/g)を算出した。

0119

画像濃度の評価)
ベタ画像部のうち20か所の画像濃度を測定して、それらの値の平均値を画像濃度とした。画像濃度は、マクベス社製反射濃度計RD−918にて測定した。画像濃度は絶対濃度である。

0120

かぶりの評価)
まず、印字されていない白紙について、マクベス反射濃度計「RD−918」を用いて20か所の絶対画像濃度を測定して平均し、白紙濃度とした。次に、各評価画像の白地部分について、同様に20か所の絶対画像濃度を測定して平均し、この平均濃度から白紙濃度を引いた値をカブリ濃度として評価した。下記基準で評価を行った。
○:カブリ濃度が0.007以下である。
△:カブリ濃度が0.007より大きく0.010より小さい
×:カブリ濃度が0.011以上である。

0121

ドット再現性の評価)
各評価画像について、階調率32段階の階調パターンを出力し、この階調パターンにCCDによる読み取り値MTF(Modulation Transfer Function)補正を考慮したフーリエ変換処理を施し、人間の比視感度に合わせたGI値(Graininess Index)を測定し、最大の粒状性を求めた。GI値は、小さいほど良く、小さいほど画像の粒状感が少ないことを表している。なお、このGI値は、日本画像学会誌39(2)、84・93(2000)に掲載されている値である。下記評価基準にしたがって上記画像における階調パターンの粒状性を評価した。
○:当該画像における最大GI値が、0.170以下
△:当該画像における最大GI値が、0.170より大きく0.180より小さい
×:当該画像における最大GI値が、0.180以上

0122

実施例

0123

表IVに示すとおり、画像形成する際に、温度や湿度の環境変動があった場合や、カバレッジ(印字率)の変動があった場合でも、本発明の現像剤(静電潜像現像用二成分現像剤)を用いて画像形成を行うと、トナーの帯電量変動を抑制できることが分かった。また、本発明の現像剤では、上記の画像濃度、かぶり及びドット再現性の評価項目でも優れていることが分かった。したがって、本発明の現像剤を用いた画像形成では、長期間にわたり高画質な画像を得ることができることが分かった。これに対し、比較例の現像剤(静電潜像現像用二成分現像剤)は、いずれかの項目について劣るものであった。

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