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技術 カップリング装置

出願人 自動車部品工業株式会社
発明者 濱中好久木村淳小川浩司
出願日 2018年2月14日 (3年0ヶ月経過) 出願番号 2018-023917
公開日 2019年8月22日 (1年5ヶ月経過) 公開番号 2019-138419
状態 未査定
技術分野 機械的に作動されるクラッチ 油圧・電磁・流体クラッチ・流体継手
主要キーワード 回転バランス調整用 熱膨張吸収 内周リング 軸方向領域 同軸接続 カムブロック 前部外周 クラッチオイル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年8月22日)のものです。
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図面 (5)

課題

異音及び振動の原因を増やすことなく、安価な手段にて、外側回転部材熱膨張からラジアルベアリングを保護できるカップリング装置を提供する。

解決手段

ハウジング21と、ハウジング21内にラジアルベアリング22を介して回転自在に設けられ駆動軸2に接続される中空の外側回転部材5と、外側回転部材5内に同軸にかつ回転自在に支持され、入力軸3aに接続される内側回転部材6と、外側回転部材5を内側回転部材6に断接可能に接続するクラッチ7と、クラッチ7を駆動させるアクチュエータ8とを備え、外側回転部材5の外周部には、熱膨張を吸収するための熱膨張吸収穴44a、44bが、駆動軸2側の端面から軸方向におけるラジアルベアリング22の位置まで延びて形成されたものである。

概要

背景

カップリング装置は、ハウジングと、ハウジング内にラジアルベアリングを介して回転自在に支持される中空外側回転部材と、外側回転部材内に回転自在に設けられる内側回転部材と、外側回転部材内に設けられ外側回転部材及び内側回転部材を断接可能に接続するクラッチとを備える。

概要

異音及び振動の原因を増やすことなく、安価な手段にて、外側回転部材の熱膨張からラジアルベアリングを保護できるカップリング装置を提供する。ハウジング21と、ハウジング21内にラジアルベアリング22を介して回転自在に設けられ駆動軸2に接続される中空の外側回転部材5と、外側回転部材5内に同軸にかつ回転自在に支持され、入力軸3aに接続される内側回転部材6と、外側回転部材5を内側回転部材6に断接可能に接続するクラッチ7と、クラッチ7を駆動させるアクチュエータ8とを備え、外側回転部材5の外周部には、熱膨張を吸収するための熱膨張吸収穴44a、44bが、駆動軸2側の端面から軸方向におけるラジアルベアリング22の位置まで延びて形成されたものである。

目的

そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、異音及び振動の原因を増やすことなく、安価な手段にて、外側回転部材の熱膨張からラジアルベアリングを保護できるカップリング装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ハウジングと、前記ハウジング内にラジアルベアリングを介して回転自在に設けられ駆動軸に接続される中空外側回転部材と、前記外側回転部材内に同軸にかつ回転自在に支持され、入力軸に接続される内側回転部材と、前記外側回転部材を前記内側回転部材に断接可能に接続するクラッチと、前記クラッチを駆動させるアクチュエータとを備え、前記外側回転部材の外周部には、熱膨張を吸収するための熱膨張吸収穴が、前記駆動軸側の端面から軸方向における前記ラジアルベアリングの位置まで延びて形成されたことを特徴とするカップリング装置

請求項2

前記熱膨張吸収穴は、前記外側回転部材の外周部に周方向に複数形成された請求項1に記載のカップリング装置。

請求項3

前記熱膨張吸収穴の前記駆動軸側には、前記駆動軸をボルト締めするための雌ネジ部が形成された請求項1又は2に記載のカップリング装置。

請求項4

前記熱膨張吸収穴の前記駆動軸側には、前記駆動軸を位置決めするための嵌合部が形成された請求項1から3のいずれか一項に記載のカップリング装置。

請求項5

前記熱膨張吸収穴は、断面円形に形成された請求項1から4のいずれか一項に記載のカップリング装置。

請求項6

前記熱膨張吸収穴内には、充填材が設けられる請求項1から5のいずれか一項に記載のカップリング装置。

請求項7

前記充填材は、弾性材で構成される請求項6に記載のカップリング装置。

請求項8

前記充填材は、ウェイトである請求項6又は7に記載のカップリング装置。

技術分野

0001

本開示は、駆動軸回転駆動力入力軸に選択的に伝達するカップリング装置に関する。

背景技術

0002

カップリング装置は、ハウジングと、ハウジング内にラジアルベアリングを介して回転自在に支持される中空外側回転部材と、外側回転部材内に回転自在に設けられる内側回転部材と、外側回転部材内に設けられ外側回転部材及び内側回転部材を断接可能に接続するクラッチとを備える。

先行技術

0003

特許第5045283号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、外側回転部材内には、クラッチオイルが収容される。このため、外側回転部材は、クラッチオイルのせん断抵抗による発熱によって熱膨張する。また、外側回転部材は、鋼鉄製のラジアルベアリングより線膨張係数が大きいアルミで形成される。このため、外側回転部材は、熱膨張時にラジアルベアリングを内側から径方向外方押圧し、ラジアルベアリングのラジアル隙間を減少させ、ラジアルベアリングの寿命を低下させるという問題がある。

0005

かかる問題を解決する手段としては、ラジアル隙間(内周リング及び外周リング間の隙間)が大きなラジアルベアリングを用いる方法がある。しかし、この方法では、低温時又は常温時における内周リング22b及び外周リング22a間のガタが大きく、内周リング22bに対して外周リング22aが偏心回転し易い。このため、外周リング22aの偏心回転に伴うアンバランスが誘発され易く、異音及び振動の原因となるという課題がある。

0006

また、特許文献1記載の発明は、ラジアルベアリングと外側回転部材との間に外側回転部材とは別体の中間部材を設ける。このため、部品点数が増加すると共に、新たな組立工数が発生し、生産コストが増えるという課題がある。

0007

そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、異音及び振動の原因を増やすことなく、安価な手段にて、外側回転部材の熱膨張からラジアルベアリングを保護できるカップリング装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本開示の一の態様によれば、ハウジングと、前記ハウジング内にラジアルベアリングを介して回転自在に設けられ駆動軸に接続される中空の外側回転部材と、前記外側回転部材内に同軸にかつ回転自在に支持され、入力軸に接続される内側回転部材と、前記外側回転部材を前記内側回転部材に断接可能に接続するクラッチと、前記クラッチを駆動させるアクチュエータとを備え、
前記外側回転部材の外周部には、熱膨張を吸収するための熱膨張吸収穴が、前記駆動軸側の端面から軸方向における前記ラジアルベアリングの位置まで延びて形成されたことを特徴とするカップリング装置が提供される。

0009

好ましくは、前記熱膨張吸収穴は、前記外側回転部材の外周部に周方向に複数形成されるとよい。

0010

好ましくは、前記熱膨張吸収穴の前記駆動軸側には、前記駆動軸をボルト締めするための雌ネジ部が形成されるとよい。

0011

また、前記熱膨張吸収穴の前記駆動軸側には、前記駆動軸を位置決めするための嵌合部が形成されてもよい。

0012

好ましくは、前記熱膨張吸収穴は、断面円形に形成されるとよい。

0013

好ましくは、前記熱膨張吸収穴内には、充填材が設けられるとよい。

0014

好ましくは、前記充填材は、弾性材で構成されるとよい。

0015

好ましくは、前記充填材は、ウェイトであるとよい。

発明の効果

0016

本開示によれば、異音及び振動の原因を増やすことなく、安価な手段にて、外側回転部材の熱膨張からラジアルベアリングを保護できる。

図面の簡単な説明

0017

本開示の一実施の形態に係るカップリング装置が適用される車両の概略平面図である。
カップリング装置の断面図である。
他の実施の形態を示すカップリング装置の要部断面図である。
他の実施の形態を示すカップリング装置の要部断面図である。

実施例

0018

以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお、後述する実施の形態における前後左右上下の各方向は、本実施形態に係るカップリング装置が適用される車両の各方向をいうものとする。但しこれら各方向が説明の便宜上定められたものに過ぎない点に留意されたい。

0019

図1は、本実施形態に係るカップリング装置1が適用される車両Cの概略平面図である。

0020

図1に示すように、本実施の形態において車両Cは、FF車(フロントエンジンフロントドライブ車)ベースパートタイム4WD車(四輪駆動車)である。駆動軸たるプロペラシャフト2は、車両前部から後方に延びる。プロペラシャフト2には、エンジンEからの回転駆動力が図示しない変速機およびトランスファを介して伝達される。デファレンシャルギア3は、左右の後輪R、Rに連結されると共に、車体に固定されたデフケース4内に収容される。デフケース4内には、デフオイルが収容される。カップリング装置1は、プロペラシャフト2とデファレンシャルギア3の間に設けられ、プロペラシャフト2の回転駆動力をデファレンシャルギア3の入力軸3aに選択的に伝達するよう構成されている。

0021

図2は、カップリング装置1の断面図である。図2に示すように、カップリング装置1は、デフケース4設けられるハウジング21と、ハウジング21内にラジアルベアリング22を介して回転自在に設けられプロペラシャフト2に接続される中空の外側回転部材5と、外側回転部材5内に同軸にかつ回転自在に支持される内側回転部材6と、外側回転部材5を内側回転部材6に断接可能に接続するクラッチ7と、クラッチ7を駆動させるアクチュエータ8とを備える。

0022

ハウジング21は、概ね筒状(具体的には円筒状)に形成され、外側回転部材5の外周を覆う。ハウジング21は、後端をデフケース4に液密に固定される。また、ラジアルベアリング22より前方のハウジング21の内周面には、ハウジング21と外側回転部材5との間をシールするリップシール23が設けられる。

0023

ラジアルベアリング22は、外周リング22aと、内周リング22bと、外周リング22a及び内周リング22b間に介在されるボール22cとを備える。外周リング22aは、ハウジング21の内周面に嵌合されると共に、図示しないスナップリング等で軸方向の位置を規制される。これにより、外周リング22aは、ハウジング21の内周面に固定される。また、内周リング22bは、外側回転部材5の外周面に嵌合されると共に、図示しないスナップリング等で軸方向の位置を規制される。これにより、内周リング22bは、外側回転部材5の外周面に固定される。外周リング22a、内周リング22b及びボール22cは、それぞれ鋼鉄にて形成される。
なお、ボール22cは、コロであってもよい。

0024

外側回転部材5は、アルミで形成され、ハウジング21と同軸に配置される。外側回転部材5は、有底筒体状(具体的には有底円筒状)に形成される前部回転部9と、前部回転部9に後方から嵌入されネジ等により固定される後部回転部10とを備える。

0025

前部回転部9は、前部に形成されプロペラシャフト2にボルト(図示せず)にて締結されるベース部40と、後部に形成されクラッチ7等を収容するケース部41とを備える。

0026

ベース部40は、厚肉内径及び外径間の寸法が大きな)の筒状に形成され外側回転部材5の前部外周部を構成する筒部42と、筒部42内の穴42aを塞ぐ蓋部43とを備える。筒部42の前部には、ラジアルベアリング22の内周リング22bが固定される。筒部42の後部は、前部より拡径して形成される。また、筒部42には、筒部42及び蓋部43の熱膨張を吸収するための熱膨張吸収穴44a、44bが周方向に複数形成される。

0027

熱膨張吸収穴44a、44bは、筒部の前端面から後方に延びて形成される。また、熱膨張吸収穴44a、44bは、軸方向におけるラジアルベアリング22の位置を超えて後方に延びる。なお、熱膨張吸収穴44a、44bは、必ずしもラジアルベアリング22の位置を超えて後方に延びる必要はなく、少なくとも軸方向におけるラジアルベアリング22の位置に達していればよい。すなわち、熱膨張吸収穴44a、44bは、その少なくとも一部が、ラジアルベアリング22の半径方向内側の軸方向領域内にあればよい。また、熱膨張吸収穴44a、44bには、第1熱膨張吸収穴44aと、第2熱膨張吸収穴44bとがある。第1熱膨張吸収穴44aの前側(プロペラシャフト2側)には、雌ネジ部45aが形成される。雌ネジ部45aには、ベース部40にプロペラシャフト2のフランジ2aを締結するためのボルト45bが螺合される。第2熱膨張吸収穴44bの前側(プロペラシャフト2側)には、嵌合部46aが形成される。嵌合部46aには、プロペラシャフト2のフランジ2aに形成された位置決め用突起46bが嵌合される。第1熱膨張吸収穴44aは、筒部42の周方向に等間隔に複数(例えば4つ)形成される。第2熱膨張吸収穴44bは、第1熱膨張吸収穴44aより少ない数(例えば3つ)、周方向に等間隔に形成される。また、第1熱膨張吸収穴44a及び第2熱膨張吸収穴44bは、断面円形に形成される。

0028

なお、第1熱膨張吸収穴44aは必ずしも周方向に等間隔に形成されなくともよい。また、位置決め用の嵌合部46aを必要としない場合、第2熱膨張吸収穴44bは省略されてもよい。

0029

また、筒部42の前部外周面42bには、ハウジング21の前端開口を塞ぐためのカバー部材47が設けられる。カバー部材47は、前面視円環状に形成され、筒部42の前部外周面42bに内周端を固定される。筒部42の内周端は、筒状に形成される。また、カバー部材47の外周端は、後方に延びる筒状に形成され、ハウジング21の前端部外周を覆う。蓋部43は、筒部42の前端部に一体に形成される。

0030

ケース部41は、筒部42より薄肉の筒状に形成される。また、ケース部41の内周には、第1スプライン11が形成される。

0031

後部回転部10は、筒状(具体的には円筒状)に形成され内側回転部材6の後部外周を覆う鞘管部12と、鞘管部12から外周側に延びて形成されケース部41の後端部に嵌合される鍔部13とを備える。鍔部13の後面には、電磁石35を収容するための電磁石収容部14が凹状に形成される。鞘管部12には、鞘管部12と内側回転部材6との間を液密にシールするためのシールリング15が設けられる。シールリング15は、シールリング15より前側の外側回転部材5内に収容されるクラッチオイルと、シールリング15より後方のデフケース4内に収容されるデフオイルとが混ざることを防ぐ。また、鞘管部12は、後述する固定側の取付部材36に軸受16を介して回転自在に支持される。

0032

内側回転部材6は、概ね筒状(具体的には円筒状)に形成される。内側回転部材6の前端部は、外側回転部材5に軸受16を介して回転自在に支持される。また、内側回転部材6の前部には、外径を拡大される拡径部17が形成される。拡径部17の外周には、第2スプライン18が形成される。拡径部17及び第2スプライン18は、第1スプライン11より短く形成されると共に、第1スプライン11の前部と径方向に対向して配置される。また、内側回転部材6の後部内周には、係合部としての第3スプライン19が形成される。第3スプライン19は、デファレンシャルギア3の入力軸3aに係合され、具体的には、入力軸3aの外周に形成されたスプライン3bに嵌合される。これにより、内側回転部材6の後部はデファレンシャルギア3の入力軸3aに同軸に接続される。また、内側回転部材6の径方向中央の孔6aは軸方向に貫通される。

0033

また、内側回転部材6内には、その内部を仕切プラグ20が設けられる。ここで、内側回転部材6内の空間は、外側回転部材5内の空間と、デフケース4内の空間とに連通されている。プラグ20は、これら外側回転部材5内の空間とデフケース4内の空間とを隔絶するために設けられている。プラグ20は、外側回転部材5内に収容されるクラッチオイルと、入力軸3a側のオイル、具体的にはデフケース4内のデフオイルとが混ざることを防ぐ。プラグ20は、有底筒体状(具体的には有底円筒状)に形成される。なお、プラグ20は有底筒体状でなくてもよく、任意の形状であってよい。例えば単なる中実形状であってもよい。また、プラグ20は、内側回転部材6に一体に形成されてもよい。

0034

クラッチ7は、第1スプライン11にスプライン嵌合される環状の第1クラッチ板25aと、第2スプライン18に嵌合される環状の第2クラッチ板25bとを備える。第1クラッチ板25aと第2クラッチ板25bは前後方向に交互に配置される。また、クラッチ7より前方の外側回転部材5には、クラッチ7を受けるためのクラッチ受部27が形成される。

0035

アクチュエータ8は、電磁石35と、電磁石によって吸引されるアーマチャ34と、電磁石35がアーマチャ34を吸引する力を増幅させてクラッチ7に伝達する倍力装置37とを備える。倍力装置37は、第2スプライン18にスプライン嵌合される第1カムブロック28と、第1カムブロック28の後方に配設される第2カムブロック29と、第1カムブロック28及び第2カムブロック29間に配設されるボール30と、第2カムブロック29の外周に形成される第4スプライン31と、第1スプライン11にスプライン嵌合される第3クラッチ板32と、第4スプライン31にスプライン係合される第4クラッチ板33とを備える。

0036

第1カムブロック28は環状に形成される。第1カムブロック28は、ボール30を受けるための第1カム板部28aと、第1カム板部28aより外周に形成されクラッチ7を前方に押圧するための押圧部28bとを備える。第1カム板部28aには、ボール30を受けるための第1カム溝28cが周方向に複数形成される。第1カム溝28cは、それぞれ周方向に延びる三日月形に形成される。また、第1カム溝28cは、中央部から両端部に向かうにつれて溝幅が狭くなると共に、溝深さが浅くなるように形成される。

0037

第2カムブロック29は、第1カムブロック28より外径が小さな環状に形成される。第2カムブロック29は、第1カム板部28aと対向して配置される第2カム板部29aと、第2カム板部29aの外周に設けられ前後方向に延びる筒状のスプライン基部29bとを備える。第2カム板部29aには、ボール30を受けるための第2カム溝29cが第1カム溝28cと対向して複数形成される。第2カム溝29cは第1カム溝28cと前後対称の形状に形成される。スプライン基部29bの外周には、第4スプライン31が形成される。

0038

アーマチャ34は、第4スプライン31より内径が大きな環状に形成され、第3クラッチ板32及び第4クラッチ板33より前方に配設される。アーマチャ34は鉄等の磁性体で構成され、電磁石35から磁力を受けたとき電磁石35に向かって後方に吸引される。また、アーマチャ34は、第2スプライン18にスプライン嵌合される。

0039

電磁石35は、取付部材36に取り付けられ、アーマチャ34を後方に吸引する。取付部材36はデフケース4に固定される。電磁石35は、電磁石収容部14内に収容され、外部の制御装置(図示せず)により通電されることで磁界を発生させる。

0040

なお、アクチュエータ8は、これに限るものではない。アクチュエータ8は、クラッチ7を駆動できるものであればよい。具体的には、アクチュエータ8は、電磁石35に代えて電動モータ油圧モータ電動シリンダ油圧シリンダ等を備えてもよい。また、倍力装置37なしでクラッチ7を駆動できる場合、倍力装置37は省略されてもよい。

0041

次に、本実施の形態の作用効果について述べる。

0042

前部回転部9を形成する場合、例えば、鍛造加工にて前部回転部9の原型(具体的には、熱膨張吸収穴44a、44bを有しない前部回転部9)を形成したのち、前記原型に第1熱膨張吸収穴44a及び第2熱膨張吸収穴44bを加工形成する。第1熱膨張吸収穴44aの加工形成は、ドリル等で前記原型の前面に後方に延びる穴を形成したのち、タップ等でその穴の前側に雌ネジを形成することで行う。また、第2熱膨張吸収穴44bの加工形成は、ドリル等で前記原型の前面に後方に延びる穴を形成したのち、リーマー等でその穴の前側を所定の径に拡径させることで行う。ここで、前記原型に熱膨張吸収穴44a、44bを形成しないで駆動軸締結用のボルト穴及び位置決め穴のみを形成する場合(比較例という)と比較する。この場合、ドリル等で下孔を形成したのち、その下孔に雌ネジ又は拡径部を形成する。すなわち、本実施の形態と比較例とで工数は同じであり、相違点は、ドリル加工で形成する穴の長さのみとなる。本実施の形態の穴は長く、比較例の下穴は短い。よって、本実施の形態は比較例よりドリル加工時間が僅かに増えるだけであり、熱膨張吸収穴44a、44bを安価に効率よく形成できる。すなわち、本実施の形態では、元々比較例にあったボルト穴加工用の下孔を延長するだけで熱膨張吸収穴44a、44bを容易に形成できる。

0043

次に車両Cに組み込まれたカップリング装置1の作用について説明する。

0044

電磁石35に通電されないとき、クラッチ7は断状態となる。このため、プロペラシャフト2の回転駆動力は外側回転部材5のみに伝達され、内側回転部材6には伝達されない。またこのとき、クラッチ7の第1クラッチ板25aと第2クラッチ板25bは微小な間隔を隔てて近接されている。このため、クラッチオイルは第1クラッチ板25aに対して摩擦され、摩擦熱が発生する。摩擦熱は、クラッチオイルを介して外側回転部材5全体に伝わり、外側回転部材5を熱膨張させる。このとき、外側回転部材5の外周には、ラジアルベアリング22が固定されており、ラジアルベアリング22は外側回転部材5より線膨張係数が小さいため、外側回転部材5は径方向外方への膨張を規制される。ここで仮に熱膨張吸収穴44a、44bが存在しない場合、外側回転部材5はラジアルベアリング22を径方向外方に押し拡げ、ラジアルベアリング22のラジアル隙間を減少させ、ラジアルベアリング22の寿命を縮めることとなる。しかし、本実施の形態に係る外側回転部材5には、熱膨張吸収穴44a、44bが形成されるため、熱膨張吸収穴44a、44bが僅かに変形して外側回転部材5の熱膨張を吸収する。このため、ラジアルベアリング22のラジアル隙間が減少されるのを防止または抑制することができ、ラジアルベアリング22の寿命が縮むことを防止または抑制できる。また、本実施の形態で用いるラジアルベアリング22は通常のものであり、ラジアル隙間が大きくされたラジアルベアリングではない。このため、異音や振動が増えることを防止又は抑制できる。すなわち、本実施の形態によれば、異音及び振動の原因を増やすことなく、安価な手段にて、外側回転部材5の熱膨張からラジアルベアリング22を保護できる。また、本実施の形態では、熱膨張吸収穴44a、44bは、ラジアルベアリング22の半径方向内側の軸方向領域の全域にあるものとした。これにより、外側回転部材5からラジアルベアリング22に向かう熱膨張の力を効果的に吸収できる。しかし、熱膨張吸収穴44a、44bは、前記軸方向領域の一部にのみあるものであってもよい。この場合でも、外側回転部材5からラジアルベアリング22に向かう熱膨張の力を吸収することはできる。

0045

なお、クラッチ断の状態から電磁石35に通電されると、アーマチャ34が後方の電磁石35に吸引され、後方に移動される。後方に移動されたアーマチャ34は、第3クラッチ板32及び第4クラッチ板33を後方に押す。これにより、第3クラッチ板32及び第4クラッチ板33はアーマチャ34と後部回転部10とに挟まれて接状態となる。第3クラッチ板32から回転駆動力を受けた第4クラッチ板33は、第2カムブロック29に回転駆動力を伝達する。回転駆動力が伝達された第2カムブロック29は、第1カムブロック28に対して回動される。これにより、第1カム溝28c及び第2カム溝29cが相対的に周方向に移動される。そして、ボール30は、第1カム溝28c及び第2カム溝29cに沿って転がることで第1カム溝28c及び第2カム溝29cの端部に移動される。第1カム溝28c及び第2カム溝29cは、中央部から端部に向かうにつれては溝深さが浅くなる。このため、第1カム板部28aは、第2カム板部29aに対して前方に押され、第1クラッチ板25a及び第2クラッチ板25bを前方に押す。これにより、第1クラッチ板25a及び第2クラッチ板25bは第1カムブロック28の押圧部28bとクラッチ受部27とに挟まれて接状態となる。第1クラッチ板25aから回転駆動力を受けた第2クラッチ板25bは、内側回転部材6に回転駆動力を伝達する。これにより、内側回転部材6は、外側回転部材5と一体的に回転され、デファレンシャルギア3の入力軸3aに回転駆動力を伝達する。こうしてエンジン駆動力が後輪R、Rにも伝達され、車両Cは四輪駆動状態となる。

0046

以上、本開示の基本実施形態を詳細に述べたが、本開示は以下のような他の実施形態も可能である。

0047

(1)熱膨張吸収穴44a、44bは、前側に雌ネジ部45又は嵌合部46が形成されるものとしたが、必ずしも雌ネジ部45又は嵌合部46が形成されなくともよい。例えば、周方向に複数形成された熱膨張吸収穴44a、44bのうち、一部もしくは全部は、雌ネジ部45又は嵌合部46が形成されないものであってもよい。この場合、雌ネジ部45又は嵌合部46が形成されない熱膨張吸収穴44a、44bは、断面円形に形成されなくともよい。雌ネジ部45又は嵌合部46が形成されない熱膨張吸収穴44a、44bは、例えば、断面楕円形等であってもよく、他の断面形状であってもよい。

0048

(2)図3及び図4に示すように、熱膨張吸収穴44a、44b内に充填材48を設けてもよい。好ましくは、充填材48は、回転バランス調整用のウェイトであるとよい。熱膨張吸収穴44a、44b内に設ける充填材48の量を増減することにより、回転アンバランス補正ができ、アンバランスによる異音及び騒音を抑制できる。

0049

また、充填材48もしくはウェイトは、外側回転部材5の素材であるアルミと比重の近い材料で構成されるとよい。またさらに、充填材48もしくはウェイトは、軟質樹脂(例えばゴム)等の弾性体で構成されるとよい。熱膨張吸収穴44a、44bの変形に追従でき、熱膨張吸収穴44a、44bによる熱膨張吸収の邪魔になることを防止または抑制できる。

0050

(3)前述の基本実施形態では内側回転部材6を入力軸3aの外周にスプラインにより係合させた。しかし係合方法は他の方法でもよい。例えばセレーションキーとキー溝の組み合わせ、歯車、または角軸角穴の組み合わせ等の様々な同軸接続構造により係合させてもよい。

0051

(4)前述の基本実施形態のカップリング装置1は、FF車ベースのパートタイム4WD車において、駆動軸たるプロペラシャフト2の回転駆動力を、デファレンシャルギア3の入力軸3aに選択的に伝達するよう適用された。しかしながら、本開示に係るカップリング装置の用途はこれに限定されない。駆動軸の回転駆動力を何等かの入力軸に選択的に伝達したい場合、本開示に係るカップリング装置は好適に使用可能である。それ故、本開示に係るカップリング装置は、車両以外の分野にも適用可能である。

0052

前述の各実施形態の構成は、特に矛盾が無い限り、部分的にまたは全体的に組み合わせることが可能である。本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。

0053

1カップリング装置
2駆動軸
3a入力軸
5外側回転部材
6内側回転部材
7クラッチ
8アクチュエータ
22ラジアルベアリング
44a 第1熱膨張吸収穴(熱膨張吸収穴)
44b 第2熱膨張吸収穴(熱膨張吸収穴)

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