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技術 磁気浮上制御装置および真空ポンプ

出願人 株式会社島津製作所
発明者 小崎純一郎
出願日 2018年2月14日 (2年10ヶ月経過) 出願番号 2018-023911
公開日 2019年8月22日 (1年4ヶ月経過) 公開番号 2019-138415
状態 未査定
技術分野 その他の軸受(磁気軸受、静圧軸受等) 非容積形送風機
主要キーワード 積分出力値 ADサンプリング デジタル演算器 センサキャリア ゲイン値α ギャップ信号 瞬発的 ロータ変位
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重要な関連分野

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図面 (19)

課題

外乱対応に優れた動作とスパイクノイズ混入の影響の低減との両立を図ることができる磁気浮上制御装置の提供。

解決手段

磁気浮上制御を行う制御部44は、電流設定信号isetに対する電流検出信号Ip,Imの偏差Δ2に基づく電圧相当信号V1、および、電流設定信号isetに基づく電圧相当信号V2を生成する電流制御部417p,417mを備え、電圧相当信号V1および電圧相当信号V2のいずれか一方を選択する切替スイッチSW2を備え、切替スイッチSW2により選択された電圧相当信号に基づいて励磁アンプ43をPWM制御する。

概要

背景

磁気軸受式ターボ分子ポンプのように回転体磁気軸受非接触支持する磁気浮上制御装置においては、ロータを所定の目標位置に浮上させるために、ロータの浮上位置と目標位置との偏差変位)に基づいて電磁石磁気吸引力を(すなわち、電磁石電流を)リアルタイムで制御している。ロータの変位の検出に関しては、専用の変位センサにて検出する方式のものと、変位センサを使用しないセルフセンシング方式とがある。セルフセンシング方式では、電磁石に従来のアクチュエータ機能磁気浮上吸引力の発生)だけでなく、センシング機能も兼用させている。

いずれの方式においてもセンシング機能はインダクタンス方式であって、センサコイルまたは電磁石コイル高周波搬送波センサキャリア)を印加し、浮上ギャップによるインダクタンス変化でセンサキャリアを振幅変調し、それを復調することによって浮上ギャップ信号変位信号)を得ている。復調処理においては、デジタル技術を適用して、ADコンバータ変調波信号同期サンプリングして取り込む方式、すなわち、遅延発生の起因となる平滑処理を不要とするダイレクト方式が知られている。

一方、磁気吸引力を発生するアクチュエータ機能は、電磁石コイルにPWMアンプからのスイッチング電圧を印加することにより、電磁石電流を供給する構成とされている。特に、セルフセンシング方式の場合には、電磁石はアクチュエータ機能だけでなくセンシング機能も有しており、電磁石電流を検出することにより回転体の浮上位置情報(変位情報)を取得するようにしている。PWMアンプは電圧駆動であり、電磁石電流値を制御するためには、電磁石を流れている電流を検出してその値をフィードバックする制御が必要である。

ところで、PWMアンプの場合、スイッチングタイミングサージ電圧等に起因するスパイク状ノイズが電磁石電流に発生するので、検出された電流信号にはノイズが重畳するという問題がある。また、このスパイク状のノイズは、グランドライン電流を介して他軸の電流信号検出あるいは変位信号検出にも重畳する。

このようなスパイク状のノイズが変位信号や電流信号に重畳する場合には、フィルタを適用してノイズ低減処理が施される。しかし、ノイズ低減効果と信号の時間遅延による制御安定性劣化トレードオフするため、簡単にフィルタリング処理を施すことはできない。ノイズ低減処理が不十分で浮上制御信号にノイズが重畳していると、それが電磁石で振動力に変換され振動発生の大きな原因となる。

そのため、特許文献1に記載の発明では、励磁アンプPWM制御デューティ可変範囲に制限を設けるという対策を施している。すなわち、スイッチング後に発生する過渡的なスパイクノイズが低減するまでの時間を確保するために、デューティに制限を設けた。これにより、PWMキャリア信号オンデューティ区間(またはオフデューティ区間)の長さが、電磁石電流に生じるスパイクノイズ減衰特性に基づく所定時間幅よりも常に長くなるようにPWM制御を行い、オンデューティ区間(またはオフデューティ区間)の開始タイミングから所定時間幅が経過した後のタイミングにて、電流検出信号をADコンバータへ同期サンプリングにて取り込むようにしている。

概要

外乱対応に優れた動作とスパイクノイズ混入の影響の低減との両立をることができる磁気浮上制御装置の提供。磁気浮上制御を行う制御部44は、電流設定信号isetに対する電流検出信号Ip,Imの偏差Δ2に基づく電圧相当信号V1、および、電流設定信号isetに基づく電圧相当信号V2を生成する電流制御部417p,417mを備え、電圧相当信号V1および電圧相当信号V2のいずれか一方を選択する切替スイッチSW2を備え、切替スイッチSW2により選択された電圧相当信号に基づいて励磁アンプ43をPWM制御する。

目的

このように、図16〜18におけるゲインG1を図9等に示すゲインGよりも小さくすることでノイズ重畳の影響を低減することができるので、ロータの振動が低減され、低振動な磁気軸受装置や磁気軸受式ターボ分子ポンプなどを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

励磁アンプから被支持体磁気浮上させる電磁石へ供給される励磁電流を検出し、浮上目標位置に対する被支持体浮上位置の浮上位置偏差情報に基づく電流設定信号励磁電流検出信号とに基づいて前記励磁アンプをPWM制御する磁気浮上制御装置において、前記電流設定信号に対する前記励磁電流検出信号の電流偏差情報に基づく第1励磁電流制御信号、および、前記電流設定信号に基づく第2励磁電流制御信号を生成する制御信号生成部と、前記第1励磁電流制御信号および前記第2励磁電流制御信号のいずれか一方を選択する第1切替部、または、前記第1励磁電流制御信号と前記第2励磁電流制御信号とを加算した第3励磁電流制御信号および前記第2励磁電流制御信号のいずれか一方を選択する第2切替部を有する選択部と、を備え、前記選択部により選択された励磁電流制御信号に基づいて前記励磁アンプをPWM制御する磁気浮上制御装置。

請求項2

請求項1に記載の磁気浮上制御装置において、前記電流偏差情報は、前記電流設定信号に第1ゲイン値乗算した電流設定乗算信号と前記励磁電流検出信号に前記第1ゲイン値を乗算した電流検出乗算信号との差である電流偏差信号であり、前記制御信号生成部は、前記電流偏差信号に前記第1ゲイン値よりも大きな第2ゲイン値を乗算した信号を、積分器比例ゲイン器とからなる電流制御器に通過させて、前記第1励磁電流制御信号としての第1電圧相当信号を生成し、前記電流設定信号に第3ゲイン値を乗算した信号を、前記電磁石の電気定数からなる第1伝達関数を相殺可能な第2伝達関数を含む伝達関数部に通過させて、前記第2励磁電流制御信号としての第2電圧相当信号を生成し、前記選択部は前記第1切替部を有し、前記第1切替部により選択された励磁電流制御信号に基づいて前記励磁アンプをPWM制御する磁気浮上制御装置。

請求項3

請求項1に記載の磁気浮上制御装置において、前記電流偏差情報は、前記電流設定信号に第1ゲイン値を乗算した電流設定乗算信号と前記励磁電流検出信号に前記第1ゲイン値を乗算した電流検出乗算信号との差である電流偏差信号であり、前記制御信号生成部は、前記電流偏差信号に前記第1ゲイン値よりも大きな第2ゲイン値を乗算した信号を積分器に通過させて前記第1励磁電流制御信号としての第1電流相当信号を生成し、前記電流設定信号に第3ゲイン値を乗算して前記第2励磁電流制御信号としての第2電流相当信号を生成し、前記選択部は前記第1切替部を有し、前記第1切替部により選択された励磁電流制御信号を、前記電磁石の電気定数からなる第1伝達関数を相殺可能な第2伝達関数を含む伝達関数部に通過させて、電圧相当信号を生成し、生成された前記電圧相当信号に基づいて前記励磁アンプをPWM制御する磁気浮上制御装置。

請求項4

請求項1に記載の磁気浮上制御装置において、前記電流偏差情報は、前記電流設定信号に第1ゲイン値を乗算した電流設定乗算信号と前記励磁電流検出信号に前記第1ゲイン値を乗算した電流検出乗算信号との差である電流偏差信号であり、前記制御信号生成部は、前記電流偏差信号に前記第1ゲイン値の10倍以上1000倍以下の大きさを有する第2ゲイン値を乗算した信号を、積分器と比例ゲイン器とからなる電流制御器に通過させて、前記第1励磁電流制御信号としての第1電圧相当信号を生成し、前記電流設定信号に第3ゲイン値を乗算した信号を、前記電磁石の電気定数からなる第1伝達関数を相殺可能な第2伝達関数を含む伝達関数部に通過させて、前記第2励磁電流制御信号としての第2電圧相当信号を生成し、前記選択部は前記第2切替部を有し、前記第2切替部により選択された励磁電流制御信号に基づいて前記励磁アンプをPWM制御する磁気浮上制御装置。

請求項5

請求項1に記載の磁気浮上制御装置において、前記電流偏差情報は、前記電流設定信号に第1ゲイン値を乗算した電流設定乗算信号と前記励磁電流検出信号に前記第1ゲイン値を乗算した電流検出乗算信号との差である電流偏差信号であり、前記制御信号生成部は、前記電流偏差信号に前記第1ゲイン値の10倍以上1000倍以下の大きさを有する第2ゲイン値を乗算した信号を積分器に通過させて前記第1励磁電流制御信号としての第1電流相当信号を生成し、前記電流設定信号に第3ゲイン値を乗算して前記第2励磁電流制御信号としての第2電流相当信号を生成し、前記選択部は前記第2切替部を有し、前記第2切替部により選択された励磁電流制御信号を、前記電磁石の電気定数からなる第1伝達関数を相殺可能な第2伝達関数を含む伝達関数部に通過させて、電圧相当信号を生成し、生成された前記電圧相当信号に基づいて前記励磁アンプをPWM制御する磁気浮上制御装置。

請求項6

請求項2から請求項5までのいずれか一項に記載の磁気浮上制御装置において、前記第2伝達関数には、前記電磁石の電気定数に基づいて設定されるインダクタンス相当値および抵抗相当値が含まれ、前記インダクタンス相当値は、前記電磁石のインダクタンスの0.1倍以上10倍以下に設定され、前記抵抗相当値は、前記電磁石の抵抗の0.1倍以上10倍以下に設定され、前記インダクタンス相当値と前記抵抗相当値との比(インダクタンス相当値)/(抵抗相当値)は、前記インダクタンスと前記抵抗との比(インダクタンス)/(抵抗)の0.1倍以上10倍以下に設定される、磁気浮上制御装置。

請求項7

ポンプロータを磁気浮上支持する電磁石を有する磁気軸受と、前記電磁石へ励磁電流を供給する励磁アンプと、前記ポンプロータを回転駆動するモータと、前記励磁アンプをPWM制御する請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の磁気浮上制御装置と、を備える真空ポンプ

技術分野

0001

本発明は、磁気浮上制御装置および真空ポンプに関する。

背景技術

0002

磁気軸受式ターボ分子ポンプのように回転体磁気軸受非接触支持する磁気浮上制御装置においては、ロータを所定の目標位置に浮上させるために、ロータの浮上位置と目標位置との偏差変位)に基づいて電磁石磁気吸引力を(すなわち、電磁石電流を)リアルタイムで制御している。ロータの変位の検出に関しては、専用の変位センサにて検出する方式のものと、変位センサを使用しないセルフセンシング方式とがある。セルフセンシング方式では、電磁石に従来のアクチュエータ機能磁気浮上吸引力の発生)だけでなく、センシング機能も兼用させている。

0003

いずれの方式においてもセンシング機能はインダクタンス方式であって、センサコイルまたは電磁石コイル高周波搬送波センサキャリア)を印加し、浮上ギャップによるインダクタンス変化でセンサキャリアを振幅変調し、それを復調することによって浮上ギャップ信号変位信号)を得ている。復調処理においては、デジタル技術を適用して、ADコンバータ変調波信号同期サンプリングして取り込む方式、すなわち、遅延発生の起因となる平滑処理を不要とするダイレクト方式が知られている。

0004

一方、磁気吸引力を発生するアクチュエータ機能は、電磁石コイルにPWMアンプからのスイッチング電圧を印加することにより、電磁石電流を供給する構成とされている。特に、セルフセンシング方式の場合には、電磁石はアクチュエータ機能だけでなくセンシング機能も有しており、電磁石電流を検出することにより回転体の浮上位置情報(変位情報)を取得するようにしている。PWMアンプは電圧駆動であり、電磁石電流値を制御するためには、電磁石を流れている電流を検出してその値をフィードバックする制御が必要である。

0005

ところで、PWMアンプの場合、スイッチングタイミングサージ電圧等に起因するスパイク状ノイズが電磁石電流に発生するので、検出された電流信号にはノイズが重畳するという問題がある。また、このスパイク状のノイズは、グランドライン電流を介して他軸の電流信号検出あるいは変位信号検出にも重畳する。

0006

このようなスパイク状のノイズが変位信号や電流信号に重畳する場合には、フィルタを適用してノイズ低減処理が施される。しかし、ノイズ低減効果と信号の時間遅延による制御安定性劣化トレードオフするため、簡単にフィルタリング処理を施すことはできない。ノイズ低減処理が不十分で浮上制御信号にノイズが重畳していると、それが電磁石で振動力に変換され振動発生の大きな原因となる。

0007

そのため、特許文献1に記載の発明では、励磁アンプPWM制御デューティ可変範囲に制限を設けるという対策を施している。すなわち、スイッチング後に発生する過渡的なスパイクノイズが低減するまでの時間を確保するために、デューティに制限を設けた。これにより、PWMキャリア信号オンデューティ区間(またはオフデューティ区間)の長さが、電磁石電流に生じるスパイクノイズ減衰特性に基づく所定時間幅よりも常に長くなるようにPWM制御を行い、オンデューティ区間(またはオフデューティ区間)の開始タイミングから所定時間幅が経過した後のタイミングにて、電流検出信号をADコンバータへ同期サンプリングにて取り込むようにしている。

先行技術

0008

特開2014−137116号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、特許文献1に記載の発明では、電流検出信号へのスパイクノイズの混入の低減が図られているが、スパイクノイズの振幅減衰が全く0になるタイミングで検出されているわけではない。

0010

また、浮上しているロータに外部から外乱力が作用するとロータが所定の浮上位置から離れて変位し、地震など異常な状況ではタッチダウンベアリングへ接触する程度までに変位過大になることがある。このような際に、タッチダウン回避のため瞬発的に大きな電磁石力を作用させて所定の浮上位置へロータを復帰させる動作能力が要求されるため、PWM駆動で電流を増加させるオンデューティ区間を可能な限りフルデューティまで広げる必要がある。さらに、外乱対応性(高速応答性)向上のために電流制御器全体のゲインはフィードバックゲインよりも大きく(1,000〜100,000倍程度)設定され、前述したノイズ重畳による振動が発生しやすくなる。

0011

このように、従来は、外乱対応に優れた動作とスパイクノイズ混入の影響の低減との両立が課題であった。

課題を解決するための手段

0012

本発明の好ましい態様による磁気浮上制御装置は、励磁アンプから被支持体を磁気浮上させる電磁石へ供給される励磁電流を検出し、浮上目標位置に対する被支持体浮上位置の浮上位置偏差情報に基づく電流設定信号励磁電流検出信号とに基づいて前記励磁アンプをPWM制御する磁気浮上制御装置において、前記電流設定信号に対する前記励磁電流検出信号の電流偏差情報に基づく第1励磁電流制御信号、および、前記電流設定信号に基づく第2励磁電流制御信号を生成する制御信号生成部と、前記第1励磁電流制御信号および前記第2励磁電流制御信号のいずれか一方を選択する第1切替部、または、前記第1励磁電流制御信号と前記第2励磁電流制御信号とを加算した第3励磁電流制御信号および前記第2励磁電流制御信号のいずれか一方を選択する第2切替部を有する選択部と、を備え、
前記選択部により選択された励磁電流制御信号に基づいて前記励磁アンプをPWM制御する。
さらに好ましい態様では、前記電流偏差情報は、前記電流設定信号に第1ゲイン値乗算した電流設定乗算信号と前記励磁電流検出信号に前記第1ゲイン値を乗算した電流検出乗算信号との差である電流偏差信号であり、前記制御信号生成部は、前記電流偏差信号に前記第1ゲイン値よりも大きな第2ゲイン値を乗算した信号を、積分器比例ゲイン器とからなる電流制御器に通過させて、前記第1励磁電流制御信号としての第1電圧相当信号を生成し、前記電流設定信号に第3ゲイン値を乗算した信号を、前記電磁石の電気定数からなる第1伝達関数を相殺可能な第2伝達関数を含む伝達関数部に通過させて、前記第2励磁電流制御信号としての第2電圧相当信号を生成し、前記選択部は前記第1切替部を有し、前記第1切替部により選択された励磁電流制御信号に基づいて前記励磁アンプをPWM制御する。
さらに好ましい態様では、前記電流偏差情報は、前記電流設定信号に第1ゲイン値を乗算した電流設定乗算信号と前記励磁電流検出信号に前記第1ゲイン値を乗算した電流検出乗算信号との差である電流偏差信号であり、前記制御信号生成部は、前記電流偏差信号に前記第1ゲイン値よりも大きな第2ゲイン値を乗算した信号を積分器に通過させて前記第1励磁電流制御信号としての第1電流相当信号を生成し、前記電流設定信号に第3ゲイン値を乗算して前記第2励磁電流制御信号としての第2電流相当信号を生成し、前記選択部は前記第1切替部を有し、前記第1切替部により選択された励磁電流制御信号を、前記電磁石の電気定数からなる第1伝達関数を相殺可能な第2伝達関数を含む伝達関数部に通過させて、電圧相当信号を生成し、生成された前記電圧相当信号に基づいて前記励磁アンプをPWM制御する。
さらに好ましい態様では、前記電流偏差情報は、前記電流設定信号に第1ゲイン値を乗算した電流設定乗算信号と前記励磁電流検出信号に前記第1ゲイン値を乗算した電流検出乗算信号との差である電流偏差信号であり、前記制御信号生成部は、前記電流偏差信号に前記第1ゲイン値の10倍以上1000倍以下の大きさを有する第2ゲイン値を乗算した信号を、積分器と比例ゲイン器とからなる電流制御器に通過させて、前記第1励磁電流制御信号としての第1電圧相当信号を生成し、前記電流設定信号に第3ゲイン値を乗算した信号を、前記電磁石の電気定数からなる第1伝達関数を相殺可能な第2伝達関数を含む伝達関数部に通過させて、前記第2励磁電流制御信号としての第2電圧相当信号を生成し、
前記選択部は前記第2切替部を有し、前記第2切替部により選択された励磁電流制御信号に基づいて前記励磁アンプをPWM制御する。
さらに好ましい態様では、前記電流偏差情報は、前記電流設定信号に第1ゲイン値を乗算した電流設定乗算信号と前記励磁電流検出信号に前記第1ゲイン値を乗算した電流検出乗算信号との差である電流偏差信号であり、前記制御信号生成部は、前記電流偏差信号に前記第1ゲイン値の10倍以上1000倍以下の大きさを有する第2ゲイン値を乗算した信号を積分器に通過させて前記第1励磁電流制御信号としての第1電流相当信号を生成し、前記電流設定信号に第3ゲイン値を乗算して前記第2励磁電流制御信号としての第2電流相当信号を生成し、前記選択部は前記第2切替部を有し、前記第2切替部により選択された励磁電流制御信号を、前記電磁石の電気定数からなる第1伝達関数を相殺可能な第2伝達関数を含む伝達関数部に通過させて、電圧相当信号を生成し、生成された前記電圧相当信号に基づいて前記励磁アンプをPWM制御する。
さらに好ましい態様では、前記第2伝達関数には、前記電磁石の電気定数に基づいて設定されるインダクタンス相当値および抵抗相当値が含まれ、前記インダクタンス相当値は、前記電磁石のインダクタンスの0.1倍以上10倍以下に設定され、前記抵抗相当値は、前記電磁石の抵抗の0.1倍以上10倍以下に設定され、前記インダクタンス相当値と前記抵抗相当値との比(インダクタンス相当値)/(抵抗相当値)は、前記インダクタンスと前記抵抗との比(インダクタンス)/(抵抗)の0.1倍以上10倍以下に設定される。
本発明の好ましい態様による真空ポンプは、ポンプロータを磁気浮上支持する電磁石を有する磁気軸受と、前記電磁石へ励磁電流を供給する励磁アンプと、前記ポンプロータを回転駆動するモータと、前記励磁アンプをPWM制御する請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の磁気浮上制御装置と、を備える。

発明の効果

0013

本発明によれば、外乱対応に優れた動作とスパイクノイズ混入の影響の低減との両立を図ることができる。

図面の簡単な説明

0014

図1は、変位センサ方式の磁気軸受装置を備えた磁気軸受式ターボ分子ポンプの概略構成を示す図である。
図2は、コントローラの概略構成を示すブロック図である。
図3は、制御軸1軸分の磁気軸受電磁石を示す模式図である。
図4は、励磁アンプの一例を示す図である。
図5は、本発明の磁気軸受制御に関する機能ブロック図である。
図6は、従来の磁気軸受制御に関する機能ブロック図である。
図7は、ノイズ発生電流検出タイミングを説明する図である。
図8は、従来の場合の励磁電流制御に関する伝達関数ブロック図である。
図9は、第1の実施の形態における伝達関数ブロック図を示す図であり、第1の状態を示す。
図10は、第1の実施の形態における伝達関数ブロック図を示す図であり、第2の状態を示す。
図11は、変形例を示す図である。
図12は、伝達関数(L*S+R*)のボード線図である。
図13は、式(1)に示す伝達関数のボード線図である。
図14は、式(2)に示す伝達関数のボード線図である。
図15は、式(3)に示す伝達関数のボード線図である。
図16は、第2の実施の形態における伝達関数ブロック図を示す図であり、第1の状態を示す。
図17は、第2の実施の形態における伝達関数ブロック図を示す図であり、第2の状態を示す。
図18は、第2の実施の形態においてPI制御の部分をI制御+(L*S+R*)という形に分解した場合の伝達関数ブロック図である。

実施例

0015

−第1の実施の形態−
以下、図を参照して本発明を実施するための第1の実施の形態について説明する。図1は、変位センサ方式の磁気軸受装置を備えた磁気軸受式ターボ分子ポンプの概略構成を示す図である。ターボ分子ポンプは、ポンプ本体1と、ポンプ本体1を駆動制御するコントローラとにより構成されている。なお、図1では、コントローラの図示を省略した。

0016

ロータ3に設けられたロータ軸5は、ラジアル方向の磁気軸受4A,4Bおよびアキシャル方向の磁気軸受4Cによって非接触支持される。磁気軸受4Cは、ロータ軸5の下部に固定されたスラストディスク10を軸方向に挟むように配置されている。ロータ軸5の浮上位置の変位は、ラジアル方向の変位センサ50x1,50y1,50x2,50y2,とアキシャル方向の変位センサ51によって検出される。変位センサ50x1,50y1,50x2,50y2,51には、センサコアコイルを巻き回した構成のインダクタンス式変位センサが用いられている。

0017

磁気軸受によって回転自在に磁気浮上されたロータ3は、モータ42により高速回転駆動される。モータ42にはブラシレスDCモータ等が用いられる。なお、図1では、模式的にモータ42と記載しているが、より詳細には、符号42で示した部分はモータステータを構成し、ロータ軸5側にモータロータが設けられている。

0018

モータ42によって回転駆動されるロータ軸5の下端には、センサターゲット29が設けられている。上述したアキシャル方向の変位センサ51は、センサターゲット29の下面と対向する位置に配置されている。磁気軸受が動作していないときには、ロータ軸5は非常用メカニカルベアリング26a,26bによって支持される。

0019

ロータ3には、回転側排気機能部を構成する複数段回転翼3aと円筒部3bとが形成されている。一方、固定側には、固定側排気機能部である固定翼22とネジステータ24とが設けられている。複数段の固定翼22は、軸方向に対して回転翼3aと交互に配置されている。ネジステータ24は、円筒部3bの外周側に所定のギャップを隔てて設けられている。

0020

各固定翼22は、スペーサリング23を介してベース20上に載置される。ポンプケーシング21の固定フランジ21cをボルトによりベース20に固定すると、積層されたスペーサリング23がベース20とポンプケーシング21との間に挟持され、固定翼22が位置決めされる。ベース20には排気ポート25が設けられ、この排気ポート25にバックポンプが接続される。ロータ3を磁気浮上させつつモータ42により高速回転駆動することにより、吸気口21a側の気体分子は排気ポート25側へと排気される。

0021

図2は、コントローラの概略構成を示すブロック図である。外部からのAC入力は、コントローラに設けられたDC電源40によって交流から直流に変換される。DC電源40は、インバータ41用の電源、励磁アンプ43用の電源、制御部44用の電源をそれぞれ生成する。

0022

モータ42に電流を供給するインバータ41には、複数のスイッチング素子が備えられている。これらのスイッチング素子のオンオフを制御部44によって制御することにより、モータ42が駆動される。

0023

上述したように、ロータ軸5を磁気浮上支持する磁気軸受は、ラジアル方向に4軸、アキシャル方向に1軸の5軸制御型磁気軸受である。各軸毎に一対の磁気軸受電磁石が設けられているので、図2に示すように10個の磁気軸受電磁石45が設けられている。磁気軸受電磁石45に電流を供給する励磁アンプ43は、10個の磁気軸受電磁石45のそれぞれに設けられている。

0024

モータ42の駆動および磁気軸受の駆動を制御する制御部44は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のデジタル演算器とその周辺回路により構成される。モータ制御に関しては、インバータ41に設けられている複数のスイッチング素子をオンオフ制御するためのPWM制御信号441が、制御部44からインバータ41へ入力される。また、インバータ41から制御部44へは、モータ42に関する相電圧および相電流に関する信号442が入力される。

0025

磁気軸受制御に関しては、制御部44から各励磁アンプ43へ、励磁アンプ43に含まれるスイッチング素子をオンオフ制御するためのPWMゲート駆動信号443が入力される。また、各励磁アンプ43から制御部44へは、各磁気軸受電磁石45の電流値に関する電流検出信号444が入力される。

0026

各変位センサ50x1,50y1,50x2,50y2,51には、センサ回路33がそれぞれ設けられている。制御部44から各センサ回路33には、センサキャリア信号(搬送波信号)305が入力される。各センサ回路33から制御部44には、ロータ軸の変位により変調されたセンサ信号306が入力される。

0027

図3は、制御軸1軸分の磁気軸受電磁石45を示す模式図である。2個の磁気軸受電磁石45m,45pがロータ軸5を挟むように対向配置されている。Jはロータ軸5を磁気浮上させる際の浮上目標位置である。上述したように、各磁気軸受電磁石45m,45pに対して、励磁アンプ43(43m,43p)がそれぞれ設けられている。

0028

図3のようにロータ軸5が変位dだけ磁気軸受電磁石45pに近づいて、磁気軸受電磁石45m,45pとロータ軸5とのギャップが変化すると、そのギャップ変化は一対の変位センサ50x1m、50x1pによって検出される。そして、検出された変位に応じて磁気軸受電磁石45pの励磁電流を減少させるとともに、反対側の磁気軸受電磁石45mの励磁電流を増加させる。その結果、ロータ軸5は、浮上目標位置Jに対する実際の浮上位置の偏差が小さくなるように、磁気軸受電磁石45mの方向に引き寄せられる。

0029

図4は、各磁気軸受電磁石45に対応して設けられている励磁アンプ43の一例を示す図である。励磁アンプ43は、一般に、PWM制御に基づいて駆動される。本実施の形態では、PWM制御回路で最も一般的な2象限タイプの励磁アンプ43を例に説明する。2象限タイプの励磁アンプ43は、図4に示すように2個のスイッチング素子SW10,SW11を備え、そのスイッチング素子SW10,SW11を同時にオンオフすることで2象限駆動される。ここで、2象限とは、スイッチング素子SW10,SW11のオンオフで、電磁石コイルに流れる励磁電流は常に1方向のままであるのに対して、DC電源からの電流方向の正負逆転する動作を表現している。

0030

図4に示すように、励磁アンプ43は、スイッチング素子とダイオードとを直列接続したものを、DC電源に対して2つ並列接続したものである。磁気軸受電磁石45は、スイッチング素子SW10およびダイオードD10の中間と、スイッチング素子SW11およびダイオードD11の中間との間に接続される。

0031

スイッチング素子SW10,SW11には、制御部44からPWMゲート駆動信号443が入力される。スイッチング素子SW10,SW11を同時にオンすると、実線矢印で示すように電流が流れ、同時にオフすると破線矢印で示すように電流が流れる。オン時の電流値は電流センサ101Aにより計測され、オフ時の電流値は電流センサ101Bにより計測される。電流センサ101A,101Bには例えばシャント抵抗が用いられ、シャント抵抗の電圧を電流検出信号として用いる。電流検出信号444は制御部44に入力される。このとき、2つの電流検出信号を直接入力するケース(図示)、あるいは、2つの電流検出信号を平均化回路平均処理し1信号にした上で入力するケース(不図示)があるがいずれでも良い。

0032

図5は、本発明の磁気軸受制御に関する機能ブロック図である。なお、図5では、制御軸5軸の内の1軸分(例えば、図3に示す1軸分)について示した。図3に示したように、制御軸1軸分には一対の磁気軸受電磁石45p、45mが設けられており、各磁気軸受電磁石45p、45mに対して励磁アンプ43(43p、43m)がそれぞれ設けられている。図示していないが、図5の励磁アンプ43p、43mには電磁石電流を検出する電流センサ(図4に示す電流センサ101A,101B)が各々設けられており、励磁アンプ43pからは電流検出信号Ipが出力され、励磁アンプ43mからは電流検出信号Imが出力される。なお、図5においては、説明をシンプルにするため、上述した1信号化した電流信号(図4不図示のケース)の構成として示している。

0033

センサキャリア生成回路411で生成されたセンサキャリア信号(デジタル信号)はデジタル信号からアナログ信号に変換された後、位相調整用フィルタ回路を通して一対の変位センサ50x1m、50x1pに印加される。変位センサ50x1m、50x1pで変調されたセンサ信号は差動アンプ501により差分が取られ、その差分信号バンドパスフィルタ502でフィルタ処理された後にADコンバータ413によりADサンプリングされる。

0034

復調演算部414では、サンプリングデータに基づいて復調演算が行われる。ゲイン・オフセット調整部415では、復調された信号に対してゲイン調整およびオフセット調整が行われる。一般的に、ロータ軸5の浮上目標位置J(図3参照)は変位センサ50x1m、50x1pの中間位置に設定される。その場合、ゲイン・オフセット調整部415から出力される変位信号は、浮上目標位置Jに対するロータ浮上位置の偏差(以下では、偏差Δ1と呼ぶことにする)を表している。

0035

浮上制御器416では、ゲイン・オフセット調整部415から出力された変位信号(偏差Δ1)に基づいて比例制御積分制御および微分制御位相補正、その他の制御補償を行い、浮上制御電流設定を生成する。そして、P側の制御には、生成された浮上制御電流設定を逆符号としたものにバイアス電流設定量を加算したものが電流設定信号isetとして用いられ、M側の制御には、生成された浮上制御電流設定にバイアス電流設定量を加算したものが電流設定信号isetとして用いられる。ここで、電流設定信号isetは、P側、M側で上述の通り互いに異なる値になるが、以下においても説明をシンプルにするため、P側、M側で区別せずにisetで表す。

0036

本実施形態では、電流設定信号isetは2つに分岐され、一方は電流制御器417p,417mに直接入力される。分岐された電流設定信号isetの他方はADコンバータ400p,400mにより取り込まれた電流検出信号Ip,Imが減算され、その減算結果(以下では、偏差Δ2と呼ぶ)が電流制御器417p,417mに入力される。電流制御器417p,417mは、入力された電流設定信号isetと偏差Δ2とに基づいて励磁アンプ43p、43mをPWM制御するための電圧相当信号を生成する。PWM演算部412p,412mは、電流制御器417p,417mからの電圧相当信号に基づいてPWM制御指令を生成する。

0037

ゲート信号生成部401pは、PWM演算部412pで生成されたPWM制御信号に基づいて、P側の励磁アンプ43pにPWMゲート駆動信号443pを出力する。同様に、ゲート信号生成部401mは、PWM演算部412mで生成されたPWM制御信号に基づいて、M側の励磁アンプ43mにゲート駆動信号443mを出力する。そして、PWMゲート駆動信号443p,443mに基づいて各励磁アンプ43p,43mのスイッチング素子SW10,SW11(図4参照)がオンオフ制御される。

0038

ここで、前述した従来の磁気軸受制御装置における課題について、図6,7および8を用いて説明する。図6は、従来の磁気軸受制御に関する機能ブロック図を示したものである。電流設定信号isetは、ADコンバータ400p,400mにより取り込まれた電流検出信号Ip,Imが減算され、減算後の偏差Δ2が電流制御器417p,417mに入力される。なお、その他の構成は、図5に示した機能ブロック図と同様である。

0039

図7は、励磁アンプ43p,43mのスイッチング素子SW10,SW11のオンオフに伴って発生するノイズを説明する図である。スイッチング素子SW10,SW11のオンオフによって、磁気軸受電磁石45には図7(b)に示すような矩形電圧が印加される。スイッチング素子SW10,SW11がオンのときにはH電圧(入力DC電圧)が印加され、スイッチング素子SW10,SW11がオフのときにはL電圧(0V)が印加される。なお、Toffはオフデューティ区間を示し、Tonはオンデューティ区間を示す。Tpwmは、PWMキャリア一周期を示す。

0040

通常、繰り返し電圧はMOSFETなどのスイッチング素子により高速導通遮断動作が行われ、その際に、図7(a)に示すようなスパイク状のノイズNが励磁電流に発生し、このノイズが励磁アンプ43p,43mの電流センサ信号ラインに重畳することになる。そのため、特許文献1に記載の発明では、ノイズの影響が小さくなるタイミングT1,T2において電流検出を行うようにしている。

0041

しかし、ターボ分子ポンプの浮上体(ロータ)に外部から外乱力が作用するとロータ軸5が浮上目標位置Jから変位するので、地震などの異常な状況においては、ロータ軸5がタッチダウンベアリングへ接触する程度まで、変位が大きくなる場合がある。そのような場合、タッチダウン回避のための瞬発的に大きな電磁石力を作用させて、浮上目標位置Jへロータ軸5を復帰させる動作能力が磁気軸受に要求される。そのため、PWM駆動で電流を増加させるオン区間(H電圧となる区間)を可能な限りフルデューティまで広げる必要がある。しかし、図7(b)の破線のようにオン区間をフルデューティ付近まで広げると、オン区間の立ち上がり直前のタイミングT3で電流検出を行ってもノイズNの影響を避けることができない。

0042

図8は、図6に示す従来の場合の励磁電流制御に関する伝達関数ブロック図である。図8を用いて従来の構成におけるノイズ重畳の影響を説明する。電流制御器(図6の電流制御器417p,417m)は、電流設定信号isetとの定常偏差を極力低減するようにPI制御、すなわち比例(P)要素および積分(I)要素から構成される。従来は、フィードバック制御により励磁電流を制御しており、電流設定信号isetにゲインkを乗算した電流設定乗算信号iset・kと電流検出信号Ipに所定のゲインkを乗算した電流検出乗算信号Ip・kとの差分である偏差Δ2が生成される。この偏差Δ2に対してゲインGが乗算され、信号Δ2・GをPI伝達関数に通過させることで電圧相当信号V1が生成される。

0043

電流制御器全体のゲイン(G)はフィードバックラインのゲイン(k)に比べて大きく設定されている(G≫k)。通常、Gはkの1000倍以上、場合によっては10万倍程度まで大きく設定される。これにより、励磁アンプの閉ループゲインがフィードバックゲインの逆数値(1/k)になる、一定ゲインのリニアアンプみなすことができる。電磁石に関する伝達関数1/(LS+R)は応答が遅いので、上述のようにゲインGを大きくすることで応答性を良くしている。なお、入力の電流設定信号isetが概ねそのまま出力に相当するように、1/kを相殺するkゲインブロックが入力部に設けられる。なお、k=1の場合は、kゲインブロックは明示されなくても良い。

0044

図8の従来構成において、フィードバックラインの電流検出信号ラインにノイズが重畳すると、重畳したノイズはゲインGに比例して増幅されることになる。磁気軸受の励磁アンプには、電流設定信号isetの急激な変化に対して高速応答性が求められると共に、定常偏差特性が求められる。これらの特性を得るために、ゲインGは上述したように大きな値に設定される。そのため、大きなゲインGによってノイズが大きく増幅されてしまう。増幅されたノイズは偏差信号に重畳され、PI伝達関数を通過して電圧信号PWM電圧)として電磁石に印加される。その結果、ノイズの影響により励磁電流による吸引力の変動でロータ軸5が振動し、その反作用でポンプ本体が振動することになる。

0045

本実施の形態では、このようなノイズの影響を低減するために、図5に示すように電流設定信号isetを2つに分岐し、分岐された一方の電流設定信号isetと電流検出信号Ip,Imとから生成される偏差Δ2を電流制御器417p,417mに入力すると共に、分岐された他方の電流設定信号isetを電流制御器417p,417mに入力する構成とした。

0046

図9,10は、本実施の形態(図5の構成の場合)における伝達関数ブロック図を示したものである。図9,10に示す伝達関数ブロック図においては、分岐した一方の電流設定信号isetに対して設けられたフィードバックラインに加えて、分岐した他方の電流設定信号isetを用いるフィードフォワードラインが設けられ、さらに切替スイッチSW1,SW2が設けられている。切替スイッチSW2は2つのスイッチを備え、連動して図示上側または図示下側に切り替えられる。図5に示した切替制御器420は、切替スイッチSW1,SW2を図9に示す第1の状態と、図10に示す第2の状態とに切り替える。

0047

図9に示す第1の状態では切替スイッチSW1,SW2は図示上側に切り替えられ、フィードフォワードラインと加算点421との接続が遮断されると共に、PIブロックと加算点421とが接続される。その結果、加算点421から出力される電圧相当信号VはV=V1となり、その電圧相当信号V=V1に基づいてPWM電圧が生成される。すなわち、図9に示す第1の状態では、図8の場合と同様のフィードバック制御となり、従来と同様に良好な定常偏差特性が得られる。

0048

一方、図10に示す第2の状態では切替スイッチSW1,SW2を図示下側に切り替えられ、フィードフォワードラインと加算点421とが接続されると共に、PIブロックと加算点421との接続が遮断され、フィードフォワード制御とされる。第2の状態では、減算点422には同一の電流検出乗算信号Ip・kがそれぞれ入力され、偏差Δ2が強制的にゼロとされる。さらに、SW2を図示下側へ切り替える処理とあわせて、PIブロックにおける積分出力値を0値にリセットする処理が行われる(不図示)。そのため、フィードフォワード制御においては偏差Δ2がゼロに維持され積分器で積分出力が積み上がるのを防止でき、積分出力値の残存も無くせるので、図10の第2の状態(フィードフォワード制御)から図9の第1の状態(フィードバック制御)に切り替えられた際に浮上位置がずれるのを防止することができる。

0049

第2の状態のフィードフォワード制御では、フィードフォワードライン側に分岐された電流設定信号isetは、所定の一定ゲインαが乗算される。ゲインαは1付近の値とされる。電流設定信号isetにゲインαを乗算した信号は伝達関数部424に入力され、伝達関数部424を通過させることで第2電圧相当信号V2が生成される。伝達関数部424は、電磁石のインダクタンスLおよび抵抗Rからなる伝達関数1/(LS+R)を概ね相殺可能な伝達関数(L*S+R*)を少なくとも含む伝達関数部である。加算点421から出力される電圧相当信号VはV=V2となり、電圧相当信号V2に基づいてPWM電圧が生成される。

0050

このように、図10に示す第2の状態では、フィードバックラインは切り離されてフィードフォワード制御のみとなるので、フィードバックラインの電流検出信号ラインにノイズが重畳しても、励磁電流へのノイズの影響を防止することができる。その結果、ノイズの影響による振動発生が防止され、装置側の低振動要求応えることができる。また、電流設定信号isetの急激な変化に対して、高速に応答することができる。

0051

なお、図9,10に示す構成では、切替スイッチSW2に2つのスイッチを設けて、フィードフォワードラインの接続・遮断だけでなく、PIブロックと加算点421との接続・遮断を行っているが、フィードバック制御の接続・遮断については切替スイッチSW1の切り替えだけで可能なので、PIブロックと加算点421との間のスイッチを省略してPIブロックと加算点421とを接続状態としても良い。但し、その場合は、図10の第2の状態のように切替スイッチSW1を図示下側に切り替えるのと合わせて、PIブロックの積分出力を0値にリセットする処理を行う。それにより、偏差Δ2がゼロに維持されるので積分出力の積み上がりが無く、さらに積分出力値の残存もゼロとされるので、フィードバック機能は働かなくなることになる。

0052

切替スイッチSW1,SW2は、図5の切替制御器420からの切替信号Sにより制御される。切替制御器420は、ターボ分子ポンプの運転状況に応じて切替信号Sを出力する。例えば、電子顕微鏡のように低振動が要求される装置においては、切替制御器420は、装置コントローラからの指令に従って低振動要求期間(例えば、電子顕微鏡による観察が行われている期間)では、切替スイッチSW1,SW2を第2の状態に切り替える切替信号Sを電流制御器417p,417mへ出力する。一方、低振動が要求されないロータ加減速時や大きな外乱力が加わった状況においては、切替スイッチSW1,SW2を第1の状態に切り替える切替信号Sを電流制御器417P,417mへ出力する。

0053

例えば、切替制御器420は、モータ駆動制御信号からロータ加減速運転状態か否かを判定し、ゲイン・オフセット調整部415から出力される偏差Δ1に基づいて大外乱発生状況か否かを判定する。偏差Δ1が予め設定した閾値を超えたか否かで、大外乱発生状況か否かを判定することができる。通常は図10の第2の状態で制御し、ロータ加減速運転状態または大外乱発生状況と判定された場合には図9の第1の状態に切り替える。

0054

また、上位コントローラである装置コントローラ500(図5参照)からの指令により切替スイッチSW1,SW2の切り替えを行うようにしても良い。例えば、装置コントローラ500から電子顕微鏡による観察が行われていることを報知する信号が切替制御器420に入力され、切替制御器420は、報知信号が入力されていない場合には第1の状態に切り替え、報知信号が入力された場合には第2の状態に切り替える。

0055

さらにまた、ロータ加減速時や大外乱時には第1の状態に切り替えるとともに観測不可信号を切替制御器420から装置コントローラ500へ出力し、ターボ分子ポンプが定格回転状態になったならば第2の状態に切り替えると共に観測可能信号を切替制御器420から出力するようにしても良い。装置コントローラ500は、観測可能信号が入力されている場合に、例えば、電子顕微鏡による観測が可能であることを電子顕微鏡のオペレータに報知する。

0056

(伝達関数部424の説明)
通常、ターボ分子ポンプは回転軸重力方向に向くように正立姿勢で設置されることが多いが、直角方向(水平姿勢)や、その他の任意の方向に向けて設置されることがある。そのような場合、ロータ軸5を所定の浮上目標位置Jに浮上維持するために、重力方向と反対向きの力を発生させる電磁石にバイアス電流以上の直流電流が流れることになる。

0057

電磁石のコイルは、珪素鋼板を積層したコアなどの強磁性コア材に巻かれるため、コア材のBHカーブに従いインダクタンスが決まる。一般に、電流が大きい場合や温度が高い場合にはインダクタンスLが小さくなり、抵抗Rは大きくなる傾向がある。そのため、伝達関数(L*S+R*)を少なくとも含む伝達関数部424は、励磁電流、周囲温度により適宜パラメータ値を変更して伝達関数1/(LS+R)の効果を相殺することが原理的に可能である。ただし、冗長性を考慮して、L*はLの0.1倍〜10倍程度、R*はRの0.1倍〜10倍程度で、かつ、(L*/R*)が(L/R)の0.1倍以上10倍以下であれば、同様の効果を発揮することができる。

0058

(変形例)
図11は上述した実施の形態の変形例を示す図であり、図9のブロック図に対応する第1の状態を示したものである。なお、第2の状態のブロック図については図示を省略した。図11では、図9のPI制御の部分をI制御+(L*S+R*)という形に分解した構造となっている。I制御ブロックと伝達関数部424との間には切替スイッチSW2を介して加算点423が設けられ、αゲインブロックから出力される電流相当信号I2とI制御ブロックから出力される電流相当信号I1とが、切替スイッチSW2を介して加算点423に入力される。そして、加算点423から出力された電流相当信号を(L*S+R*)を含む伝達関数部424に通過させることで、電圧相当信号Vが生成される。このような構成としても、図9,10に示す構成の場合と同様の作用効果を奏することができる。

0059

ところで、図9〜11において(L*S+R*)を含む伝達関数部424はプロパーである必要があり、例えば、微分器比例器という構成を、次式(1)〜(3)のような疑似微分器+比例器という構成としても良い。図12は(L*S+R*)のボード線図を示したものである。これに対して、図13は式(1)の場合のボード線図、図14は式(2)の場合のボード線図、図15は式(3)の場合のボード線図である。
(1)ωn2(L*S+R*)/(S2+2ξωnS+ωn2) ただし、1/ωn≪L*/R*
(2)(L*S+R*)/(TnS+1) ただし、Tn≪L*/R*
(3)L*S/(TnS+1)+R* ただし、Tn≪L*/R*

0060

本実施の形態では、図10に示す第2の状態ではフィードバック制御が完全に遮断されるため、応答性能の冗長性が低下することがある。また、電磁石パラメータ値R,Lも誤差使用状況での変動を有するので、電流設定信号isetに対して実際に励磁される電流値がずれてしまうことがある。しかし、ロータ位置所定位置にするための浮上制御のフィードバック制御系の出力として電流設定信号isetが決められるので、通常浮上状態であれば直流値(主に直流電流)が多少ずれても浮上運転には問題ない。つまり、地震などの外部からの衝撃力が印加されること無く、加減速運転状態ではない一定速度の定格運転であれば浮上運転に問題がない。

0061

−第2の実施の形態−
図16,17は本発明の第2の実施の形態を説明する図である。第2の実施の形態では、上述した図9に示すP側のブロック図を図16に示すブロック図に置き換え図10に示すm側のブロック図を図17に示すブロック図に置き換える。図16,17に示すブロック図は、切替スイッチSW2に代えて切替スイッチSW3を設け、電流制御器全体のゲインをG1とした点が、図9,10に示したブロック図と異なる。

0062

第2の実施の形態では、フィードフォワードラインは常に接続状態とし、切替スイッチSW1,SW3を切り替えることで、図16に示すフィードバックラインも接続された第1の状態と、図17に示すフィードバックラインが遮断されてフィードフォワード制御のみとされる第2の状態とに切り替えられる。ちなみに、図17に示す切替スイッチSW1,SW3が第2の状態へ切り替えられる際には、図10の切替スイッチSW1,SW2が第2の状態へ切り替えられる際と同様に積分出力値は0値にリセットされる。以下では、フィードバック制御とフィードフォワード制御とが同時に行われる第1の状態における制御を、混合制御と称することにする。

0063

第1の実施の形態における第1の状態(図9図11に示す状態)ではフィードバック制御が行われるので、図8に示す従来の場合と同様にノイズの影響を受けやすい。そこで、第2の実施の形態では、第1の状態におけるノイズの影響を低減するために、フィードバック制御に代えて図16に示すような混合制御を第1の状態で行うようにした。ゲインG1は図8に示す従来のゲインGの1/10以下に設定される。すなわち、ゲインkの10倍以上、1000倍以下の値に設定される。このように、ゲインG1をGよりも小さくすることで、混合制御におけるノイズ重畳の影響を低減することができる。

0064

第2の実施の形態においても、ターボ分子ポンプに対して低振動が特に要求される状況においては図17に示す第2の状態(フィードフォワード制御)とされ、それ以外の状況においては図16に示す第1の状態(混合制御)とされる。

0065

図16に示す第1の状態では、切替スイッチSW1,SW3はいずれも図示上側に切り替えられフィードバック制御とフィードフォワード制御とを備える混合制御により励磁電流が制御される。混合制御においては、上述したようにゲインG1が従来のゲインGの1/10以下に設定されるので、フィードバック制御におけるノイズ影響を低減することができ、低振動とすることができる。さらに、フィードフォワードラインを設けて、電圧相当信号V2のように、分岐した電流設定信号isetをPI出力である電圧相当信号V1にダイレクトに加算することで高速応答性が可能となる。そのため、ノイズ影響低減のためにゲインG1の値を従来のゲインGより小さくしても、必要な高速性を確保することができる。一方で、従来と同様のフィードバックラインを有しているので、定常偏差の低減機能も併せ持つことができる。

0066

一方、図17に示す第2の状態では、切替スイッチSW1,SW3はいずれも図示下側に切り替えられ、フィードバックラインが遮断されフィードフォワード制御のみにより励磁電流が制御される。そのため、第1の実施の形態における第2の状態(フィードフォワード制御)の場合と同様にノイズの影響による振動発生が防止され、装置側の低振動要求に応えることができると共に、電流設定信号isetの急激な変化に対して高速に応答することができる。

0067

第2の実施形態の場合、αは1付近を目安とするが、ゲインG1の値が従来のGよりも極端に低くなければ(例えば、1/10程度)、0.5程度でも効果を発揮することができる。

0068

なお、第2の実施の形態においても、上述した第1の実施の形態の変形例(図11参照)の場合と同様に、図18に示すようにPI制御の部分をI制御+(L*S+R*)という形に分解し、加算点423の後段に(L*S+R*)を含む伝達関数部424を設けるような構成としても良い。このような構成としても、図16,17に示す構成の場合と同様の作用効果を奏することができる。

0069

(C1)上述した第1および第2の実施の形態では、磁気浮上制御装置としての制御部44は、電流設定信号isetに対する電流検出信号Ip,Imの偏差Δ2に基づく第1励磁電流制御信号(例えば、電圧相当信号V1)、および、電流設定信号isetに基づく第2励磁電流制御信号(例えば、電圧相当信号V2)を生成する制御信号生成部である電流制御部417p,417mを備え、第1の実施の形態の場合には、図9,10に示すように第1励磁電流制御信号および第2励磁電流制御信号のいずれか一方を選択する切替スイッチSW2を有する選択部(切替スイッチSW2および図5の切替制御器420が対応する)を備え、第2の実施の形態の場合には、図16,17に示すように第1励磁電流制御信号と第2励磁電流制御信号とを加算した第3励磁電流制御信号および第2励磁電流制御信号のいずれか一方を選択する切替スイッチSW3を有する選択部(切替スイッチSW3および図5の切替制御器420が対応する)を備える。そして、制御部44は、選択部により選択された励磁電流制御信号に基づいて励磁アンプ43をPWM制御する。

0070

その結果、第1励磁電流制御信号または第3励磁電流制御信号が選択された場合には、外乱対応に優れた動作を行わせることができ、第2励磁電流制御信号が選択された場合には、スパイクノイズ混入の影響が低減された低振動な動作を行わせることができる。

0071

(C2)図9,10に示すように第1励磁電流制御信号および第2励磁電流制御信号のいずれか一方を選択する第1切替部である切替スイッチSW2を有する構成であって、第1および第2励磁電流制御信号が第1および第2電圧相当信号V1,V2である場合には、電流偏差信号である偏差Δ2に第1ゲイン値kよりも大きな第2ゲイン値Gを乗算した信号を、積分器と比例ゲイン器とからなる電流制御器に通過させて第1電圧相当信号V1を生成し、電流設定信号isetに第3ゲイン値αを乗算した信号を、電磁石の電気定数からなる第1伝達関数1/(LS+R)を相殺可能な第2伝達関数(L*S+R*)を含む伝達関数部424に通過させて第2電圧相当信号V2を生成する。

0072

(C3)図11に示すように第1切替部である切替スイッチSW2を有する構成であって、第1および第2励磁電流制御信号が第1および第2電流相当信号I1,I2である場合には、電流偏差信号である偏差Δ2に第1ゲイン値kよりも大きな第2ゲイン値Gを乗算した信号を積分器に通過させて第1電流相当信号I1を生成し、電流設定信号isetに第3ゲイン値αを乗算して第2電流相当信号I2を生成する。切替スイッチSW2により選択された電流相当信号I1,I2を、電磁石の電気定数からなる第1伝達関数1/(LS+R)を相殺可能な第2伝達関数(L*S+R*)を含む伝達関数部424に通過させて、電圧相当信号Vを生成し、生成された電圧相当信号Vに基づいて励磁アンプ43をPWM制御する。

0073

(C4)図16,17に示すように第2切替部(切替スイッチSW3と加算点421が相当)を有する構成であって、第1および第2励磁電流制御信号が第1および第2電圧相当信号V1,V2である場合には、電流偏差信号である偏差Δ2に第1ゲイン値kの10倍以上1000倍以下の大きさを有する第2ゲイン値G1を乗算した信号を、積分器と比例ゲイン器とからなる電流制御器に通過させて第1電圧相当信号V1を生成し、電流設定信号isetに第3ゲイン値αを乗算した信号を、電磁石の電気定数からなる第1伝達関数1/(LS+R)を相殺可能な第2伝達関数(L*S+R*)を含む伝達関数部424に通過させて第2電圧相当信号V2を生成する。

0074

(C5)また、図18に示すように第2切替部(切替スイッチSW3と加算点421が相当)を有する構成であって、第1および第2励磁電流制御信号が第1および第2電流相当信号I1,I2である場合には、電流偏差信号である偏差Δ2に第1ゲイン値kの10倍以上1000倍以下の大きさを有する第2ゲイン値G1を乗算した信号を積分器に通過させて第1電流相当信号I1を生成し、電流設定信号isetに第3ゲイン値αを乗算して第2電流相当信号I2を生成する。第2切替部により選択された電流相当信号I1,I2を、電磁石の電気定数からなる第1伝達関数1/(LS+R)を相殺可能な第2伝達関数(L*S+R*)を含む伝達関数部424に通過させて第2電圧相当信号Vを生成する。

0075

このように、図16〜18におけるゲインG1を図9等に示すゲインGよりも小さくすることでノイズ重畳の影響を低減することができるので、ロータの振動が低減され、低振動な磁気軸受装置や磁気軸受式ターボ分子ポンプなどを提供することができる。

0076

(C6)さらに、第2伝達関数(L*S+R*)には、電磁石の電気定数に基づいて設定されるインダクタンス相当値および抵抗相当値が含まれ、インダクタンス相当値は、電磁石のインダクタンスの0.1倍以上10倍以下に設定され、抵抗相当値は、電磁石の抵抗の0.1倍以上10倍以下に設定され、インダクタンス相当値と抵抗相当値との比(インダクタンス相当値)/(抵抗相当値)は、インダクタンスと抵抗との比(インダクタンス)/(抵抗)の0.1倍以上10倍以下に設定されるのが好ましい。伝達関数(L*S+R*)を少なくとも含む伝達関数部424は、励磁電流、周囲温度により適宜パラメータ値を変更して伝達関数1/(LS+R)の効果を原理的に相殺することが可能であるが、上記のようにインダクタンス相当値および抵抗相当値を設定することで、同様の相殺効果を得ることができる。

0077

なお、上述した実施の形態では、変位センサによりロータ軸5の変位を検出する構成の磁気軸受装置を例に説明したが、変位センサを使用しないセルフセンシング方式の磁気軸受装置にも同様に適用することができる。セルフセンシング方式の場合、電磁石電流には、浮上制御電流およびバイアス電流に加えて変位検出用のセンサキャリア成分の電流も含まれる。センサキャリア成分はロータ変位により振幅変調されるので、これを検波することにより変位情報が得られる。そして、セルフセンシング方式の場合にはこの変位情報に基づいて電流設定信号isetが生成される。そのため、セルフセンシング方式の磁気軸受装置に適用した場合にも、上述した変位センサを用いる方式の場合と同様の作用効果を奏することができる。

0078

なお、上述した実施の形態では、真空ポンプである磁気軸受式ターボ分子ポンプを例に説明したが、本発明は真空ポンプに限らず、レーザ装置用ブロア等の磁気軸受式回転機械や、除振台等の磁気浮上式機械にも適用できる。

0079

上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。

0080

1…ポンプ本体、3…ロータ、5…ロータ軸、4A,4B,4C…磁気軸受、42…モータ、43…励磁アンプ、44…制御部、45…磁気軸受電磁石、416…浮上制御器、417m、417p…電流制御器、420…切替制御器、424…伝達関数部、500…装置コントローラ、I1,I2…電流相当信号、V,V1,V2…電圧相当信号、SW1〜SW3…切替スイッチ

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