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技術 内燃機関の制御装置、及び内燃機関の制御方法

出願人 三菱電機株式会社
発明者 横野道久葉狩秀樹牧野倫和
出願日 2018年2月15日 (1年9ヶ月経過) 出願番号 2018-024870
公開日 2019年8月22日 (2ヶ月経過) 公開番号 2019-138276
状態 特許登録済
技術分野 内燃機関の複合的制御 内燃機関潤滑の細部、換気 排気還流装置 機関出力の制御及び特殊形式機関の制御
主要キーワード 湿度成分 環境外乱 スプリング圧 シリンダ流量 マップ群 水蒸気比 吸入空気圧センサ 故障判定値
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

S/D方式において環境外乱若しくはEGR還流状態の影響を受けることなく精度よく吸入空気量を算出る制御装置及びその制御方法を提供する。

解決手段

所定の酸素濃度を備えた乾燥空気状態の気体として内燃機関シリンダ吸入される空気量の前記シリンダ容積に対する比率であるベース体積効率を予めマップに設定し、前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記マップから所定の前記ベース体積効率を算出し、前記算出した前記ベース体積効率を、前記内燃機関のマニホールド内酸素濃度に基づいて補正し、前記補正した値を体積効率とし、当該体積効率に基づいて、前記シリンダに吸入される新規に前記シリンダに吸入される空気量を算出するようにした。

概要

背景

一般に、内燃機関を好適に制御するためには、シリンダ吸入される空気量を高精度に算出し、シリンダ内に吸入された空気量に応じた燃料制御および点火時期制御を行うことが重要である。

シリンダに吸入される吸入空気量を求めるためには、内燃機関の吸気系を構成する吸気路におけるスロットル上流側に設けられたエアフローセンサAFS:Air Flow Sensor)を用いて吸入空気量を計測するAFS方式と、吸気路におけるスロットルの下流側に存在する吸気マニホールドの内部の圧力と内燃機関の回転速度とを用いて、吸入空気量を演算して推定するS/D方式と、の2種類の方式が一般に適用されている。

近年では、低燃費化及び高出力化を目的として、吸気バルブ開閉タイミング可変化する吸気VVT可変バルブイミング:Variable Valve Timing)機構と、排気バルブの開閉タイミングを可変化する排気VVT機構と、を採用することが一般化されている。

しかし、吸気VVT機構及び排気VVT機構を備えた内燃機関に於いては、吸気マニホールドからシリンダに吸入される空気量が吸気VVT機構及び排気VVT機構によるバルブタイミングにより大きく変化するので、吸気VVT機構及び排気VVT機構によるバルブタイミングの変化を考慮しないと、特にS/D方式においては、定常及び過渡の全運転領域でシリンダ吸入空気量算出精度が大幅に低下してしまうことがある。

従来、内燃機関のシリンダへの吸入空気量をS/D方式により推定する方法として、バルブタイミング等の内燃機関パラメータは変化しないとするのが前提であるが、吸気マニホールド内の圧力と、吸気マニホールド内の気体の状態を基準とする体積効率(以下、単に、体積効率と称する)と、シリンダの体積及び温度と、から算出する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。

特許文献1に記載の従来の方法に於いて、仮にS/D方式に吸気VVT機構及び排気VVT機構を適用した場合には、バルブタイミングがバルブタイミングの制御マップと一致した定常状態での体積効率マップ値に設定することが考えられる。

しかし、バルブタイミングの制御状態による算出精度の低下を抑制するためには、バルブタイミングの制御に応じて体積効率のマップを多数設定しておくことも考えられ、例えば、VVT機構の作動範囲を6個の代表点で表し、各代表点の間を補間して使用する場合に、吸気VVT機構及び排気VVT機構が備えられた内燃機関であれば、[6×6(=36)]個の体積効率マップが必要となる。

近年では、さらなる低燃費化及び高出力化を目的として、前述の吸気VVT機構及び排気VVT機構に加え、排気路から吸気路に排気ガス還流する外部EGR(Exhaust Gas Recirculation:排気再循環)方式の採用も一般化されている。吸気VVT機構及び排気VVT機構と、外部EGRとを備えた場合、EGR通路開閉するEGRバルブの作動範囲に対しても吸気VVT機構及び排気VVT機構の場合と同様に6個の代表点で表すのであれば、体積効率マップは、[6×6×6(=216)個]という膨大な量のマップが必要となるため、多くの記憶容量とそのマップの適合工数が必要になるという課題があった。

従来、それらの問題を解決する方法として、EGRバルブの開度運転状態からEGR流量を推定する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。

概要

S/D方式において環境外乱若しくはEGRの還流状態の影響を受けることなく精度よく吸入空気量を算出る制御装置及びその制御方法を提供する。所定の酸素濃度を備えた乾燥空気状態の気体として内燃機関のシリンダに吸入される空気量の前記シリンダ容積に対する比率であるベース体積効率を予めマップに設定し、前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記マップから所定の前記ベース体積効率を算出し、前記算出した前記ベース体積効率を、前記内燃機関のマニホールド内酸素濃度に基づいて補正し、前記補正した値を体積効率とし、当該体積効率に基づいて、前記シリンダに吸入される新規に前記シリンダに吸入される空気量を算出するようにした。

目的

本願は、前述のような従来の装置における課題を解決するためになされたものであり、EGRガスブローバイガス大気湿度等の影響を受けることなく、S/D方式によりシリンダの吸入空気量を簡易な演算にて算出することができる内燃機関の制御装置および制御方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

内燃機関吸気系を構成する吸気路開閉するスロットルバルブと、前記スロットルバルブの下流側の前記吸気系に装着され、前記吸気系を構成する吸気マニホールドの内部の圧力を検出するマニホールド圧力検出部と、前記吸気マニホールドの内部の温度を検出するマニホールド温度検出部と、前記吸気マニホールドの内部の気体酸素濃度を検出するマニホールド内酸素濃度検出部と、前記スロットルバルブの上流側の前記吸気系の圧力を検出する大気圧力検出部と、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出部と、所定の酸素濃度を備えた乾燥空気状態の気体として前記内燃機関のシリンダ吸入される空気量の前記シリンダの容積に対する比率であるベース体積効率が予め設定されたマップから、前記運転状態検出部が検出した前記内燃機関の運転状態に基づいて所定のベース体積効率を算出して出力するように構成された体積効率算出部と、前記体積効率算出部から出力された前記ベース体積効率を前記マニホールド内酸素濃度検出部が検出した酸素濃度に基づいて補正し、前記補正した値を体積効率として出力する体積効率補正部と、前記体積効率補正部から出力された前記体積効率に基づいて、前記シリンダに新規に吸入される空気量を算出する空気量算出部と、を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置

請求項2

前記内燃機関のクランクケースから前記スロットルバルブの下流側の前記吸気系に接続されたブローバイガス通路を備え、前記マップに設定される前記ベース体積効率は、前記ブローバイガス通路から前記吸気系に還元されたブローバイガスに含まれる湿度成分の影響により前記吸気マニホールドの内部の酸素濃度が前記所定の酸素濃度未満の値であっても、前記所定の酸素濃度を有する乾燥空気状態の気体として補正された値として前記マップに設定されている、ことを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。

請求項3

前記内燃機関は、前記内燃機関の排気系から前記吸気系へ排気ガス還流させるEGR通路を備え、前記マップに設定される前記ベース体積効率は、前記EGR通路から前記吸気系に還元された前記排気ガスに含まれる湿度成分の影響により前記吸気マニホールドの内部の酸素濃度が前記所定の酸素濃度未満の値であっても、前記所定の酸素濃度を有する乾燥空気状態の気体として補正された値として前記マップに設定されている、ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。

請求項4

前記内燃機関は、吸気バルブ開閉タイミングを調整することが可能な吸気VVT機構と、排気バルブの開閉タイミングを調整することができる排気VVT機構とを備え、前記吸気VVT機構による前記吸気バルブの開閉タイミングの調整と、前記排気VVT機構による前記排気バルブの開閉タイミングの調整と、のうちの少なくとも一方により、前記吸気マニホールドの内部の酸素濃度が前記所定の酸素濃度未満の値であっても、前記マップに設定される前記ベース体積効率は、前記所定の酸素濃度を有する乾燥空気状態の気体として補正された値として前記マップに設定されている、ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。

請求項5

前記マップは、前記吸気VVT機構による前記吸気バルブの開閉タイミングの調整量と前記排気VVT機構による前記排気バルブの開閉タイミングの調整量とに対応して、前記ベース体積効率が設定されている、ことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。

請求項6

所定の酸素濃度を備えた乾燥空気状態の気体として内燃機関のシリンダに吸入される空気量の前記シリンダの容積に対する比率であるベース体積効率を予めマップに設定し、前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記マップから所定の前記ベース体積効率を算出し、前記算出した前記ベース体積効率を、前記内燃機関のマニホールド内酸素濃度に基づいて補正し、前記補正した値を体積効率とし、当該体積効率に基づいて、前記シリンダに新規に吸入される空気量を算出する、ようにしたことを特徴とする内燃機関の制御方法

技術分野

0001

本願は、スピードデンシティ方式(Speed Density方式:以下、S/D方式と称する)を用いて内燃機関を制御するようにした内燃機関の制御装置、及び内燃機関の制御方法に関するものである。

背景技術

0002

一般に、内燃機関を好適に制御するためには、シリンダ吸入される空気量を高精度に算出し、シリンダ内に吸入された空気量に応じた燃料制御および点火時期制御を行うことが重要である。

0003

シリンダに吸入される吸入空気量を求めるためには、内燃機関の吸気系を構成する吸気路におけるスロットル上流側に設けられたエアフローセンサAFS:Air Flow Sensor)を用いて吸入空気量を計測するAFS方式と、吸気路におけるスロットルの下流側に存在する吸気マニホールドの内部の圧力と内燃機関の回転速度とを用いて、吸入空気量を演算して推定するS/D方式と、の2種類の方式が一般に適用されている。

0004

近年では、低燃費化及び高出力化を目的として、吸気バルブ開閉タイミング可変化する吸気VVT可変バルブイミング:Variable Valve Timing)機構と、排気バルブの開閉タイミングを可変化する排気VVT機構と、を採用することが一般化されている。

0005

しかし、吸気VVT機構及び排気VVT機構を備えた内燃機関に於いては、吸気マニホールドからシリンダに吸入される空気量が吸気VVT機構及び排気VVT機構によるバルブタイミングにより大きく変化するので、吸気VVT機構及び排気VVT機構によるバルブタイミングの変化を考慮しないと、特にS/D方式においては、定常及び過渡の全運転領域でシリンダ吸入空気量算出精度が大幅に低下してしまうことがある。

0006

従来、内燃機関のシリンダへの吸入空気量をS/D方式により推定する方法として、バルブタイミング等の内燃機関パラメータは変化しないとするのが前提であるが、吸気マニホールド内の圧力と、吸気マニホールド内の気体の状態を基準とする体積効率(以下、単に、体積効率と称する)と、シリンダの体積及び温度と、から算出する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。

0007

特許文献1に記載の従来の方法に於いて、仮にS/D方式に吸気VVT機構及び排気VVT機構を適用した場合には、バルブタイミングがバルブタイミングの制御マップと一致した定常状態での体積効率マップ値に設定することが考えられる。

0008

しかし、バルブタイミングの制御状態による算出精度の低下を抑制するためには、バルブタイミングの制御に応じて体積効率のマップを多数設定しておくことも考えられ、例えば、VVT機構の作動範囲を6個の代表点で表し、各代表点の間を補間して使用する場合に、吸気VVT機構及び排気VVT機構が備えられた内燃機関であれば、[6×6(=36)]個の体積効率マップが必要となる。

0009

近年では、さらなる低燃費化及び高出力化を目的として、前述の吸気VVT機構及び排気VVT機構に加え、排気路から吸気路に排気ガス還流する外部EGR(Exhaust Gas Recirculation:排気再循環)方式の採用も一般化されている。吸気VVT機構及び排気VVT機構と、外部EGRとを備えた場合、EGR通路開閉するEGRバルブの作動範囲に対しても吸気VVT機構及び排気VVT機構の場合と同様に6個の代表点で表すのであれば、体積効率マップは、[6×6×6(=216)個]という膨大な量のマップが必要となるため、多くの記憶容量とそのマップの適合工数が必要になるという課題があった。

0010

従来、それらの問題を解決する方法として、EGRバルブの開度運転状態からEGR流量を推定する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。

先行技術

0011

特許第3054360号公報
特許第5642233号公報

発明が解決しようとする課題

0012

特許文献2に記載されている従来の内燃機関の制御装置では、各種制御値の推定及び学習等の複雑な演算が必要となり演算装置処理負荷が増大するという課題があった。また、内燃機関のシリンダ内で高圧になった排気ガス及び未燃焼ガスは、ピストンとシリンダの隙間等から内燃機関のクランクケース内漏れ出ることがあり、このクランクケース内に漏れ出たガスブローバイガスと称するが、このブローバイガス及び大気湿度等により、制御に影響を受けるという課題もあった。

0013

ブローバイガスは、そのまま大気に放出すれば大気汚染の原因になることから、吸気系に還流させて再び燃焼室に送る必要がある。ブローバイガス還元装置は、ブローバイガスを内燃機関の吸気系に流通させるために、内燃機関のクランクケースの内部と、吸気系のスロットルバルブの下流側とをゴムホース等で接続して構成したブローバイガス通路を備え、ブローバイガス通路には、逆止弁としてのPCV(Positive Crankcase Ventilation)バルブが装着されている。

0014

機械的な構成のPCVバルブの場合、開口した一端と開口した他端との間に配置された弁体と、この弁体を閉じる方向に常時付勢するスプリングとが設けられている。このように構成されたPCVバルブは、前述の一端がクランクケースの内部に臨み他端が吸気系に臨むように、ブローバイガス通路に直列に装着される。

0015

ブローバイガス通路に装着されたPCVバルブは、クランクケース内の圧力が、吸気系におけるスロットルバルブの下流側の圧力とスプリングのスプリング圧力との合計圧力を超えれば弁体が開き、クランクケース内のブローバイガスをブローバイガス通路を介して吸気系に流通させる。これとは逆に、クランクケース内の圧力が、吸気系におけるスロットルバルブの下流側の圧力とスプリングのスプリング圧力との合計圧力以下のときは弁体が閉じ、ブローバイガス通路を遮断してブローバイガスの前述の流通を停止させる。

0016

PCVバルブの開度は、クランクケース内の圧力と、吸気系におけるスロットルバルブの下流側の圧力とスプリングの押圧力との合計圧力と、の圧力差に応じて決定され、ブローバイガスの前述の流通量はPCVバルブの開度に依存する。

0017

しかしながら、前述のように構成された機械的な構成のPCVバルブの場合、機械的な構成部品であるスプリングの押圧力は製造上のばらつきが大きく、内燃機関の運転条件が同一であっても、個々のPCVバルブによりブローバイガスの流通量に差が生じるという課題があった。

0018

本願は、前述のような従来の装置における課題を解決するためになされたものであり、EGRガス、ブローバイガス、大気湿度等の影響を受けることなく、S/D方式によりシリンダの吸入空気量を簡易な演算にて算出することができる内燃機関の制御装置および制御方法を提供する事を目的としたものである。

課題を解決するための手段

0019

本願に開示される内燃機関の制御装置は、
内燃機関の吸気系を構成する吸気路を開閉するスロットルバルブと、
前記スロットルバルブの下流側の前記吸気系に装着され、前記吸気系を構成する吸気マニホールドの内部の圧力を検出するマニホールド圧力検出部と、
前記吸気マニホールドの内部の温度を検出するマニホールド温度検出部と、
前記吸気マニホールドの内部の気体の酸素濃度を検出するマニホールド内酸素濃度検出部と、
前記スロットルバルブの上流側の前記吸気系の圧力を検出する大気圧力検出部と、
前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出部と、
所定の酸素濃度を備えた乾燥空気状態の気体として前記内燃機関のシリンダに吸入される空気量の前記シリンダの容積に対する比率であるベース体積効率が予め設定されたマップから、前記運転状態検出部が検出した前記内燃機関の運転状態に基づいて所定のベース体積効率を算出して出力するように構成された体積効率算出部と、
前記体積効率算出部から出力された前記ベース体積効率を前記マニホールド内酸素濃度検出部が検出した酸素濃度に基づいて補正し、前記補正した値を体積効率として出力する体積効率補正部と、
前記体積効率補正部から出力された前記体積効率に基づいて、前記シリンダに新規に吸入される空気量を算出する空気量算出部と、
を備えたことを特徴とする。

0020

また、本願に開示される内燃機関の制御方法は、
所定の酸素濃度を備えた乾燥空気状態の気体として内燃機関のシリンダに吸入される空気量の前記シリンダの容積に対する比率であるベース体積効率を予めマップに設定し、
前記内燃機関の運転状態に基づいて、前記マップから所定の前記ベース体積効率を算出し、
前記算出した前記ベース体積効率を、前記内燃機関のマニホールド内酸素濃度に基づいて補正し、
前記補正した値を体積効率とし、当該体積効率に基づいて、前記シリンダに新規に吸入される空気量を算出する、
ようにしたことを特徴とする

発明の効果

0021

本願に開示される内燃機関の制御装置によれば、EGRガス、ブローバイガス、大気湿度等の影響を受けることなく、S/D方式によりシリンダ吸入空気量を簡易な演算にて算出することができる。

0022

また、本願に開示される内燃機関の制御方法によれば、EGRガス、ブローバイガス、大気湿度等の影響を受けることなく、S/D方式によりシリンダ吸入空気量を簡易な演算にて算出することができる。

図面の簡単な説明

0023

実施の形態1に係る内燃機関の制御装置の概略構成図である。
実施の形態1に係る内燃機関の制御装置のブロック図である。
実施の形態1に係る内燃機関の制御装置のハードウェア構成図である。
実施の形態1に係る内燃機関の制御装置、及び内燃機関の制御方法を説明するための、吸気マニホールド内の気体の酸素濃度を示す説明図である。
実施の形態1に係る内燃機関の制御装置、及び内燃機関の制御方法を説明するためのフローチャートである。

実施例

0024

実施の形態1.
以下、実施の形態1に係る内燃機関の制御装置及び制御方法について、図に基づいて詳細に説明する。図1は、実施の形態1に係る内燃機関の制御装置の概略構成図、図2は、実施の形態1に係る内燃機関の制御装置のブロック図、図3は、実施の形態1に係る内燃機関の制御装置のハードウェア構成図である。図1図2、及び図3に於いて、内燃機関1、及び内燃機関1を制御する制御装置50は、車両に搭載されている。内燃機関1は、車両の駆動輪を駆動する駆動力源となる。

0025

まず、内燃機関1の構成について説明する。内燃機関1は、空気と燃料混合気燃焼させるシリンダ25を有している。内燃機関1は、シリンダ25に空気を供給する吸気路23と、シリンダ25で燃焼した排気ガスを排出する排気路17とを備えている。内燃機関1は、吸気路23を開閉するスロットルバルブ6を備えている。スロットルバルブ6は、制御装置50により制御される電気モータにより開閉駆動される電子制御式スロットルバルブにより構成されている。スロットルバルブ6には、スロットルバルブ6の開度に応じた電気信号を出力するスロットル開度センサ7が設けられている。

0026

吸気路23の最上流部には、吸気路23に吸入された空気を浄化するエアクリーナ24が設けられている。スロットルバルブ6の上流側の吸気路23内の圧力は、大気圧と等しいとみなすことができる。吸気路23の外部(例えば、制御装置50の内部)には、吸入空気(この実施の形態1では、大気)の圧力である吸入空気圧Paに応じた電気信号を出力する大気圧力検出部としての吸入空気圧センサ2が設けられている。

0027

スロットルバルブ6の下流側の吸気路23には、吸気マニホールド12が設けられている。吸気マニホールド12の上流側とスロットルバルブ6の下流側の間の吸気路23には、吸気脈動を抑制するサージタンク11が設けられている。内燃機関1は、排気路17からサージタンク11に排気ガスを還流するEGR通路21と、EGR通路21を開閉するEGRバルブ22と、を備えている。前述の吸気路23とサージタンク11と吸気マニホールド12は、内燃機関1の吸気系を構成している。

0028

EGRバルブ22は、制御装置50により制御される電動モータ等の電動アクチュエータにより開閉駆動される電子制御式EGRバルブにより構成されている。サージタンク11に還流された排気ガス(以下、還流排気ガスと称す)と、サージタンク11に吸入された吸入空気は、サージタンク11内で混合され、均一化される。

0029

吸気マニホールド12に接続されているサージタンク11には、吸気マニホールド12内の気体の圧力であるマニホールド圧Pbに応じた電気信号を出力するマニホールド圧力検出部としてのマニホールド圧センサ8と、吸気マニホールド12内の気体の温度であるマニホールド温度Tbに応じた電気信号を出力するマニホールド温度検出部としてのマニホールド温度センサ9と、吸気マニホールド12内の気体の酸素濃度であるマニホールド内酸素濃度Rox_inに応じた電気信号を出力するマニホールド内酸素濃度検出部としてのマニホールド内酸素濃度センサ10と、が設けられている。

0030

なお、サージタンク11内の気体の圧力と温度と酸素濃度は、吸気マニホールド12内の気体の圧力と温度と酸素濃度と同一であり、この実施の形態1では、マニホールド圧センサ8とマニホールド温度センサ9とマニホールド内酸素濃度センサ10は、全てサージタンク11に設置されているが、それらのうちの少なくとも何れかは吸気マニホールド12に設置されてもよい。また、マニホールド温度センサ9及びマニホールド内酸素濃度センサ10は、マニホールド圧センサ8と一体化されていてもよいし、別体化されていてもよい。

0031

マニホールド温度センサ9及びマニホールド内酸素濃度センサ10は、吸気マニホールド12とEGR通路21との接続部よりも下流側に設けられており、吸入空気と還流排気ガスとが十分に混合した気体の温度と酸素濃度を検出可能なように構成されている。

0032

吸気マニホールド12の下流側の部分には、燃料を噴射するインジェクタ13が設けられている。なお、インジェクタ13は、シリンダ25内に直接燃料を噴射するように設けられてもよい。

0033

シリンダ25の頂部には、空気と燃料の混合気に点火する点火プラグ161と、点火プラグ161に点火エネルギーを供給する点火コイル16と、が設けられている。また、シリンダ25の頂部には、吸気路23からシリンダ25内に吸入される吸入空気量を調節する吸気バルブのバルブ開閉タイミングを可変にする吸気VVT機構14と、シリンダ内から排気路17に排出される排気ガス量を調節する排気バルブのバルブ開閉タイミングを可変にする排気VVT機構15と、が設けられている。吸気VVT機構14と排気VVT機構15は、電動アクチュエータを有している。

0034

内燃機関1のクランク軸100には、その回転角に応じた電気信号を出力するクランク角センサ20が設けられている。排気路17には、排気ガス中の空気と燃料との比率である空燃比AF(Air/Fuel)に応じた電気信号を出力する空燃比センサ18が設けられている。また、排気路17には、排気ガスを浄化する触媒19が設けられている。触媒19には、理論空燃比AF0近傍で浄化性能が高くなる三元触媒が用いられている。

0035

クランクケース26は、オイルパンと一体化されており、内部に空間を有する。内燃機関1のクランク軸100は、クランクケース26の内部の空間に配置されている。前述の吸気VVT機構14と排気VVT機構15は、ヘッドカバー27にて覆われている。ヘッドカバー27の内部の空間と前述のクランクケース26の内部の空間は、気体通路110により連通されており、ヘッドカバー27の内部の空間とクランクケース26の内部の空間と気体通路110の内部の空間とがブローバイガスを蓄積するブローバイガス蓄積部となる。

0036

ヘッドカバー27は、新気導入通路28によりスロットルバルブ6の上流に位置する吸気路23に接続されている。クランクケース26とサージタンク11は、PCVバルブ30を介してブローバイガス通路29により接続されている。

0037

次に、制御装置50について説明する。制御装置50は、内燃機関1を制御対象とする制御装置である。図2に示すように、制御装置50は、運転状態検出部51と、体積効率算出部52と、体積効率補正部53と、空気量算出部54とを備えている。制御装置50における前述の運転状態検出部51、体積効率算出部52、体積効率補正部53、空気量算出部54は、制御装置50に備えられた処理回路により実現される。

0038

具体的には、制御装置50は、図3に示すように、処理回路として、CPU(Central Processing Unit)等により構成されたコンピュータである演算処理装置90、演算処理装置90からデータの読み出しが可能に構成されたROM(Read Only Memory)としての記憶装置911、演算処理装置90からデータの読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(Random Access Memory)としての記憶装置912、演算処理装置90に外部の信号を入力する入力回路92、演算処理装置90から外部に信号を出力する出力回路93、及び演算処理装置90が外部装置データ通信を行うための通信回路94を備えている。

0039

入力回路92には、吸入空気圧センサ2、スロットル開度センサ7、マニホールド圧センサ8、マニホールド温度センサ9、マニホールド内酸素濃度センサ10、空燃比センサ18、クランク角センサ20、及びスイッチ(図示せず)が接続されている。入力回路92は、これらセンサとスイッチの出力信号を演算処理装置90に入力するA/D変換器(図示せず)等を備えている。

0040

出力回路93には、電気負荷が接続され、これら電気負荷に演算処理装置90から制御信号を出力する駆動回路等を備えている。出力回路93に接続された前述の電気負荷としては、スロットルバルブ6、インジェクタ13、吸気VVT機構14、排気VVT機構15、点火コイル16、EGRバルブ22等がある。通信回路94は、CAN(Controller Area Network)等の通信プロトコルに基づいて、エアコンディショナ制御装置80、変速装置の制御装置81等の車載用電子機器有線通信を行う。

0041

制御装置50が備える前述の運転状態検出部51、体積効率算出部52、体積効率補正部53、及び空気量算出部54の各機能は、演算処理装置90が、ROMとしての記憶装置911に記憶されたソフトウェアプログラム)を実行し、記憶装置911、RAMとしての記憶装置912、入力回路92、出力回路93、及び通信回路94等の制御装置50における他のハードウェア協働することにより実現される。なお、運転状態検出部51、体積効率算出部52、体積効率補正部53、及び空気量算出部54等が用いる特性データ、判定値等の設定データは、ソフトウェア(プログラム)の一部として、ROMとしての記憶装置911に記憶されている。

0042

なお、制御装置50には、前述の各種センサ、及び電気負荷の他に、図示していない各種のセンサ、スイッチ、及びアクチュエータ等が接続されている。

0043

制御装置50は、基本的な制御として、入力された各種センサの出力信号等に基づいて、燃料噴射量、点火時期等を算出し、インジェクタ13及び点火コイル16等を駆動制御する。制御装置50は、アクセルポジションセンサの出力信号等に基づいて、運転者が要求している内燃機関1の出力トルクを算出し、当該要求出力トルクを実現する吸入空気量となるように、スロットルバルブ6等を制御する。この際、制御用還流排気ガス流量に基づいて算出される内燃機関1の出力トルクが考慮されてもよい。具体的には、制御装置50は、目標スロットル開度を算出し、スロットル開度センサ7の出力信号に基づき検出したスロットル開度が、目標スロットル開度に近づくように、スロットルバルブ6の電気モータを駆動制御する。

0044

<運転状態検出部51の構成・作用>
次に、運転状態検出部51の構成・作用について説明する。運転状態検出部51は、内燃機関1及び車両の運転状態を検出するように構成され、各種のセンサの出力信号等に基づいて各種の運転状態を検出する。より具体的には、運転状態検出部51は、マニホールド圧センサ8の出力信号に基づいてマニホールド圧Pbを検出する。さらに、運転状態検出部51は、マニホールド温度センサ9の出力信号に基づいてマニホールド温度Tbを検出し、また、マニホールド内酸素濃度センサ10の出力信号に基づいて、マニホールド内酸素濃度Rox_inを検出する。

0045

また、運転状態検出部51は、吸入空気圧Paを検出する。この実施の形態1では、運転状態検出部51は、吸入空気圧センサ2の出力信号に基づいて吸入空気圧Paを検出する。さらに、運転状態検出部51は、スロットル開度センサ7の出力信号に基づいてスロットル開度を検出する。また、運転状態検出部51は、空燃比センサ18の出力信号に基づいて排気ガスの空燃比AFを検出し、クランク角センサ20の出力信号に基づいて内燃機関1の回転速度Neを検出し、アクセルポジションセンサの出力信号に基づいてアクセル開度を検出する。

0046

<体積効率算出部52の構成・作用>
次に、体積効率算出部52の構成・作用について詳細に説明する。体積効率算出部52は、内燃機関1の回転速度Ne、吸入空気圧Pa、マニホールド圧Pb、吸気VVT機構14の作動状態VVT_in、排気VVT機構15の作動状態VVT_exが入力され、運転状態におけるベース体積効率Kvbを出力する。

0047

具体的には、体積効率算出部52は、吸気VVT機構14と排気VVT機構15の作動状態に基づく多面の体積効率マップが設けられている。即ち、吸気VVT機構14の作動状態VVT_inが「0」度(「」内の数字はVVT機構による調整角度を示す。以下同様)のとき、排気VVT機構15の作動状態VVT_exが「0」度から「10」度毎に「50」度まで変化したときのベース体積効率Kvbを示す6つの体積効率マップからなる第1の体積効率マップ群520nと、吸気VVT機構14の作動状態VVT_inが「50」度のとき、排気VVT機構15の作動状態VVT_exが「0」度から「10」度毎に「50」度まで変化したときのベース体積効率Kvbを示す6つの体積効率マップからなる第nの体積効率マップ群525nと、第1の体積効率マップ群520nと第nの体積効率マップ群525nとの間にあって吸気VVT機構14の作動状態VVT_inが「0」度と「50」度との間に設定された値毎に排気VVT機構15の作動状態VVT_exが「0」度から「10」度毎に「50」度まで変化したときのベース体積効率Kvbを示す複数の体積効率マップ群(図2には・・・で表示している)を備えている。

0048

第1の体積効率マップ群520nは、体積効率マップ5200、5201、5202、5203、5204、5205を備え、第nの体積効率マップ群525nは、体積効率マップ5250、5251、5252、5253、5254、5255を備えている。図示していないが、その他の複数の体積効率マップ群も同様に複数の体積効率マップを備えている。各体積効率マップは、外部EGRはカットの状態で計測され、酸素濃度21[%]として補正されたベース体積効率Kvbが設定されている。

0049

各体積効率マップについてさらに詳しく説明する。体積効率マップ5200は、吸気VVT機構14の作動状態VVT_inが「0」度、排気VVT機構15の作動状態VVT_exが「0」度の状態におけるベース体積効率Kvbを格納している。体積効率マップ5201は、吸気VVT機構14の作動状態VVT_inが「0」度、排気VVT機構15の作動状態VVT_exが「10」度の状態におけるベース体積効率Kvbを格納している。体積効率マップ5202は、吸気VVT機構14の作動状態VVT_inが「0」度、排気VVT機構15の作動状態VVT_exが「20」度の状態におけるベース体積効率Kvbを格納している。

0050

体積効率マップ5203は、吸気VVT機構14の作動状態VVT_inが「0」度、排気VVT機構15の作動状態VVT_exが「30」度の状態におけるベース体積効率Kvbを格納している。体積効率マップ5204は、吸気VVT機構14の作動状態VVT_inが「0」度、排気VVT機構15の作動状態VVT_exが「40」度の状態におけるベース体積効率Kvbを格納している。体積効率マップ5205は、吸気VVT機構14の作動状態VVT_inが「0」度、排気VVT機構15の作動状態VVT_exが「50」度の状態におけるベース体積効率Kvbを格納している。

0051

体積効率マップ5250は、吸気VVT機構14の作動状態VVT_inが「50」度、排気VVT機構15の作動状態VVT_exが「0」度の状態におけるベース体積効率Kvbを格納している。体積効率マップ5251は、吸気VVT機構14の作動状態VVT_inが「50」度、排気VVT機構15の作動状態VVT_exが「10」度の状態におけるベース体積効率Kvbを格納している。体積効率マップ5252は、吸気VVT機構14の作動状態VVT_inが「50」度、排気VVT機構15の作動状態VVT_exが「20」度の状態におけるベース体積効率Kvbを格納している。

0052

体積効率マップ5253は、吸気VVT機構14の作動状態VVT_inが「50」度、排気VVT機構15の作動状態VVT_exが「30」度の状態におけるベース体積効率Kvbを格納している。体積効率マップ5254は、吸気VVT機構14の作動状態VVT_inが「50」度、排気VVT機構15の作動状態VVT_exが「40」度の状態におけるベース体積効率Kvbを格納している。体積効率マップ5255は、吸気VVT機構14の作動状態VVT_inが「50」度、排気VVT機構15の作動状態VVT_exが「50」度の状態におけるベース体積効率Kvbを格納している。

0053

前述のベース体積効率Kvbとは、外部EGRカット状態、つまり、EGRバルブ22を全閉状態にして各運転状態(Ne、Pb、Pa、VVT_in、VVT_ex)において、内燃機関1に吸入される空気を、理論上での乾燥空気である所定の酸素濃度としての酸素濃度21[%]の状態にあるガスである、と仮定した場合の体積効率を示すものである。

0054

ここで、体積効率とは、シリンダ25の容積であるシリンダ容積に対して吸入されるガス量の体積比率を示すものであり、4サイクル内燃機関の吸気工程において、シリンダ容積500[cc]に対し250「cc」のガスが吸入された場合には、体積効率0.5(50[%])となる。内燃機関1のクランク軸100に対する吸気バルブ及び排気バルブの作動特性が一様であった場合、体積効率は、ピストンの動作速度である内燃機関1の回転速度Neと、吸気バルブの上流側のマニホールド圧Pbと、排気バルブの下流側の圧力である背圧の状態により影響を受ける。

0055

実施の形態1では、内燃機関1は過給されない内燃機関であり、背圧は大気圧、つまりは吸入空気圧Paとほぼ同じと考えることが出来るため、背圧を計測せずに吸入空気圧Paを用いて体積効率を算出する構成としている。なお、吸入空気圧Paではなく、計測または推定された背圧を用いて体積効率を算出する構成としてもよい。また、ターボチャージャー等にて過給される内燃機関であれば、背圧を用いる方が望ましい。

0056

前述の理由により、それぞれの体積効率マップ5200、5201、5202、5203、5204、5205、5250、5251、5252、5253、5254、5255は、例えば吸気バルブの上流側の圧力であるマニホールド圧Pbと吸入空気圧Paとの比率であるPb/Paと回転速度Neを軸としたマップに構成され、各回転速度Neおよび内燃機関負荷(Pb/Pa)の運転状態での計測等により確認された結果がマップに設定されている。実機を用いて計測を行った場合、内燃機関1に吸入される空気は大気に含まれる湿度も含まれており、また、ブローバイガスの影響も受けるため、吸気マニホールド12内のガスは酸素濃度は乾燥空気酸素濃度の理論値である21[%]よりも低い値となる。

0057

図4は、実施の形態1に係る内燃機関の制御装置、及び内燃機関の制御方法を説明するための、吸気マニホールド内の気体の酸素濃度を示す説明図であって、外部EGRカット状態、つまり、EGRバルブ22を全閉状態としてエンジン回転速度は一定状態にして、スロットルバルブ6の開度によりエンジン負荷を変化させた時のマニホールド内酸素濃度の計測結果をグラフ化したものである。

0058

図4に於いて、PCVバルブ30が作動する状態にて計測した結果と、ブローバイガス通路29が閉じられた状態、つまりは、BV31を閉じた状態で計測した結果を示している。このグラフ縦軸は吸気マニホールド内の酸素濃度であるマニホールド内酸素濃度を表し、横軸は吸入空気圧Paとマニホールド圧Pbとの差圧(Pa−Pb)を表している。実線Y1は、PCVバルブ30が正常作動状態にある場合の特性、点線Y2は、ブローバイガス通路29が閉状態である場合の特性を示している。図4から明らかなように、吸入空気圧Paとマニホールド圧Pbとの差圧が大きいほどマニホールド圧Pbが低く、エンジンの負荷は低い状態である。図4に示すグラフから、EGRカットでの運転状態であっても、ブローバイガスの影響によりエンジン負荷の低下に伴いマニホールド内の酸素濃度は0.5[vol%]程度低下することがわかる。

0059

ブローバイガスの流量は、PCVバルブ30の製造ばらつきにも影響を受けるものであり、同じ運転状態であってもPCVバルブ30の製造ばらつきにより、吸気マニホールド12に吸入されるブローバイガス量にもばらつきが生じるため、ブローバイガスによる酸素濃度への影響もばらつきを生じる。図4に示す2つの破線A1、A2の間の範囲がPCVバルブ30の製造ばらつきによる影響範囲を示したものであり、上限側の破線A1よりも高い酸素濃度であればPCVバルブ30に閉側の故障が生じていると考えることが出来る。この特性は予め計測しておき、例えば、内燃機関1の回転速度Neと、吸入空気圧Paとマニホールド圧Pbとの差圧[Pa−Pb]と、を軸としたマップとして予め設定しておくことにより、各種運転状態における故障判定値を算出することが出来る。

0060

図4は、EGRをカットした状態での計測結果であるが、EGRを導入することにより吸気マニホールド12内の酸素濃度は大きく影響をうけるため、吸気マニホールド12内の酸素濃度によるPCVバルブ30の故障判定を行う場合には、EGRガスの影響を除外するためにEGRをカット状態にするか、燃料カットの状態にする必要がある。なお、燃料カットの状態によるPCVバルブ30の故障判定を行う場合には、燃料噴射運転中の場合に対して条件が異なるため、燃料カット運転時のマニホールド内酸素濃度特性を計測して燃料カット時の判定値として記憶させておくことにより、正確にPCVバルブの故障判定を行うことが可能になる。

0061

一般に、空気中の酸素濃度は21[%]とされているが、大気には湿度も含まれているため、吸気マニホールド内の酸素濃度は季節及び天候等の環境条件によっても影響を受ける。標準的な温度湿度条件である20[℃]、50[%RH(RH:Reative Humidity)]であれば、大気中に含まれる水蒸気比率は1.2[%]程度であるが、高温高湿である35[℃]、80[%RH]であれば、大気中の水蒸気比率は4.4[%]程度まで増加し、大気中における酸素の割合は20.1[%]程度まで低下する。

0062

同じ運転条件においてシリンダ内に吸入される、ブローバイガス及び水蒸気を含む総ガス量の体積は、新気(新規に吸入された空気)への不活性ガス混入状態に関わらずほぼ一定であるため、前述の各マップは、実機での計測時の酸素濃度を元に、計測された体積効率を酸素濃度21[%]の理論上の乾燥空気相当でのベース体積効率に変換した値が体積効率マップに設定される。

0063

例えば、S/D方式での実機制御データ適合計測時では、エアフローセンサ等の吸入空気量を直接計測する手段がないため、燃料流量と空燃比から間接的に吸入空気量の算出を行い、その吸入空気量から体積効率が算出される場合がある。従来であれば計測時のシリンダへの吸入空気に含まれている水蒸気及びブローバイガス等の不活性ガス量は考慮せず、結果的に吸入された新気量の割合が体積効率として設定されることになる、例えば、その計測による算出結果から体積効率が0.5と設定された場合、吸入された新気量の割合は0.5であるが、総ガス量としてはそれ以上の量が吸入されている。計測時の吸気マニホールド内酸素濃度が20[%]であった場合、[21/20=1.05]倍のガスがシリンダに吸入されていたものと考えられるため、総ガスとしての体積効率は[0.5×1.05=0.525]と考えられる。

0064

実施の形態1では、それぞれの体積効率マップに設定される体積効率の適合値は、前述の通り計測時の吸気マニホールド内酸素濃度の計測値をもとに、酸素濃度21[%]により補正を行った総ガス量としての値が設定されている。

0065

吸気バルブ機構及び排気バルブ機構としてVVT機構を用いた内燃機関の場合は、内燃機関1の回転速度Neと、吸入空気圧Paとマニホールド圧Pbとの比率[Pb/Pa]の状態は同じであっても、吸気バルブ及び排気バルブの作動状態によって体積効率は異なるため、前記の通り、吸気VVT機構14の作動状態をもとに多面の体積効率マップが準備され、計測結果が設定される。これらのマップも前述と同様に、外部EGRはカットの状態で計測され、酸素濃度21[%]として補正された値がベース体積効率Kvbとして設定されている。

0066

体積効率算出部52は、吸気VVT機構14の作動状態VVT_inと、排気VVT機構15の作動状態VVT_exとから、第1の体積効率マップ群520nと第nの体積効率マップ群525nとその他の複数の体積効率マップ群のうちから、体積効率算出に使用するマップの選択を行い、内燃機関1の回転速度Ne、吸入空気圧Paとマニホールド圧Pbとの比率Pb/Paの値から、該当するマップに基づいてベース体積効率Kvbを算出して出力する。

0067

<体積効率補正部53の構成・作用>
体積効率補正部53は、体積効率算出部52から出力されるベース体積効率Kvbとマニホールド内酸素濃度Rox_inが入力され、新気量演算量体積効率Kvを出力する。

0068

前述したように、ベース体積効率Kvbは、酸素濃度21[%]とした場合の体積効率であるため、マニホールド内酸素濃度Rox_inに基づいて、[Kv=Kvb×Rox_in/21]の式によりベース体積効率Kvbを補正することにより、シリンダに吸入される空気に含まれる新気量割合としての新気量演算量体積効率Kvを算出することが出来る。

0069

<空気量算出部54の構成・作用>
空気量算出部54は、内燃機関1の回転速度Ne、マニホールド圧Pb、マニホールド温度Tb、体積効率補正部53から出力される新気量演算量体積効率Kvが入力され、予め設定されている値であるシリンダ容積Vc、ガス定数Rを用いて、シリンダ吸入空気量Qcを算出する。

0070

特許文献2にも記載されているが、シリンダ吸入空気量Qcは下記の式(1)により計算することが可能であるが、体積効率補正部53から出力された新気量演算量体積効率Kvは、ベース体積効率Kvbが新気量割合に補正された値であるため、式(1)算出されるシリンダ吸入空気量(シリンダ流量)Qcはシリンダに吸入される新気量である



ここで、Qcはシリンダ吸入空気量[g/sec]、Vcはシリンダ容積[L]、T(ne)は180度毎のクランク角周期[s](Neより算出)、Rはガス定数[kJ/(kg・K)]、Tbは対温度[K]である。

0071

EGRバルブ22を制御する事により外部EGRを吸気に導入した場合、吸気マニホールド12内の酸素濃度は大幅に低下するが、EGRバルブ22の製造上のばらつきにより、制御装置50によるEGRバルブ22の制御量が同じであったとしても、吸気に還流されるEGR量は変動し、吸気マニホールド12内の酸素濃度も変動することが考えられる。実施の形態1により、EGR還流量の変動が生じた場合であっても、吸気マニホールド12内の酸素濃度を用いて補正することにより、EGRバルブ22の製造上のばらつき等の影響を受けることなく、シリンダに吸入される新気量を正確に算出することが可能となる。

0072

次に、実施の形態1に係る内燃機関の制御装置及び制御方法の処理の手順について説明する。図5は、実施の形態1に係る内燃機関の制御装置、及び内燃機関の制御方法を説明するためのフローチャートである。図5に示すフローチャートの処理は、演算処理装置90がROMとしての記憶装置911、RAMとしての記憶装置912に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行することにより、例えば一定の演算周期毎に繰り返し実行される。

0073

図5において、ステップS01では、運転状態検出部51は、前述のように、内燃機関1の運転状態を検出する運転状態検出処理(運転状態検出ステップ)を実行する。

0074

次に、ステップS02では、前述の体積効率算出部52の処理が実行される。

0075

次に、ステップS03では、前述の体積効率補正部53の処理が実行される。

0076

次に、ステップS04では、前述の空気量算出部54の処理が実行され、シリンダ吸入空気量としてシリンダ吸入新気量の算出が行われる。

0077

本願は、吸気路及び排気路と、前記吸気路を開閉するスロットルバルブと、前記スロットルバルブの下流側の前記吸気路部分である吸気マニホールドに装着され、吸気マニホールド内の圧力を検出するマニホールド圧力検出部と、吸気マニホールド内の温度を検出するマニホールド温度検出部と、吸気マニホールド内の気体の酸素濃度を検出するマニホールド内酸素濃度検出部と、スロットルバルブの上流である大気の圧力を検出する大気圧力検出部と、内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出部と、内燃機関の運転状態においてシリンダに吸入される空気量のシリンダ容積に対するベース体積効率が予め設定されたマップを備えた内燃機関の制御装置及びその制御方法に好適に利用することができる。

0078

なお、前述の実施の形態1による内燃機関の制御装置、及び内燃機関の制御方法に限定されるものではなく、実施の形態1の構成に一部変形を加えたり、構成を一部省略することが可能である。

0079

1内燃機関、2吸入空気圧センサ、6スロットルバルブ、7スロットル開度センサ、8マニホールド圧センサ、9マニホールド温度センサ、10マニホールド内酸素濃度センサ、11サージタンク、12吸気マニホールド、13インジェクタ、14吸気VVT機構、15排気VVT機構、16点火コイル、17排気路、18空燃比センサ、19触媒、20クランク角センサ、21EGR通路、22EGRバルブ、23吸気路、24エアクリーナ、25シリンダ、26クランクケース、27ヘッドカバー、28新気導入通路、29ブローバイガス通路、30PCVバルブ、50制御装置、51運転状態検出部、52体積効率算出部、53 体積効率補正部、54 空気量算出部、80エアコンディショナ制御装置、81変速装置の制御装置、90演算処理装置、911、912記憶装置、92入力回路、93出力回路、94通信回路、100クランク軸、110気体通路、161点火プラグ、520n 第1の体積効率マップ群、525n 第nの体積効率マップ群、5200、5201、5202、5203、5204、5205、5250、5251、5252、5253、5254、5255 体積効率マップ

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