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技術 粘着シートおよび粘着シート積層体

出願人 日東電工株式会社
発明者 澤崎良平藤原新野中崇弘松本真理
出願日 2018年10月22日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-198627
公開日 2019年8月22日 (1年4ヶ月経過) 公開番号 2019-137832
状態 未査定
技術分野 積層体(2) 接着テープ 接着剤、接着方法
主要キーワード 微粘着フィルム 込み異物 工程作業性 カッティング作業 粘着シート間 自己粘着性フィルム 滑り片 取得効率
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年8月22日)のものです。
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図面 (15)

課題

複数を積み重ねた場合でもブロッキングが生じ難くピックアップが容易であり、かつ離型フィルム剥離する際の剥離帯電が抑制された離型フィルム付き粘着シートを提供する。

解決手段

粘着シート(100)は、粘着剤層(5)の一方の面に第一離型フィルム(1)が仮着され、粘着剤層(5)の第二主面に第二離型フィルム(2)が仮着されている。第一離型フィルム(1)はフィルム基材(10)の第一主面に離型層(11)を備え、第二離型フィルム(2)はフィルム基材(20)の第一主面に離型層(21)を備える。第一離型フィルム(1)と粘着剤層(5)との剥離力は、第二離型フィルム(2)と粘着剤層(5)との剥離力よりも小さい。第一離型フィルム(1)および第二離型フィルム(2)の少なくとも一方は、フィルム基材の第二主面に帯電防止層(31,32)を備える。

概要

背景

液晶ディスプレイ有機ELディスプレイ等の表示装置タッチパネル等のディスプレイ入力装置には、光学部材の貼り合わせにシート状の透明粘着剤が使用されている。光学部材の貼り合わせに用いられる透明粘着剤は、一般に、両面に離型フィルムが仮着された離型フィルム付き粘着シートとして提供される。粘着シートの使用時には、まず、一方の離型フィルム(軽剥離フィルム)を剥離して粘着剤層の一方の面を露出させて第一の被着体との貼り合わせを行い、他方の離型フィルム(重剥離フィルム)を剥離して粘着剤層の他方の面に第二の被着体を貼り合わせる。

粘着剤層の両面に離型フィルムが仮着された粘着シートでは、粘着剤層から離型フィルムを剥離する際に剥離帯電が発生する場合がある。粘着剤層の帯電量が大きい場合は、粘着剤層の表面に塵埃等の異物が付着し、表示不良等の不具合を生じる。粘着剤層の表面に異物が付着した状態で貼り合わせを行うと、噛み込み異物に起因する素子破壊等が生じる場合がある。また、粘着剤層の一方の面を第一の被着体に貼り合わせた状態で重剥離フィルムを剥離する際の剥離帯電が大きいと、画像表示パネルにおける液晶分子配向不良や電気的破壊等の原因となりうる。

特許文献1では、フィルム基材離型層との間に帯電防止層を設けることにより、粘着剤層の表面から離型フィルムを剥離する際の剥離帯電を低減できることが記載されている。

概要

複数を積み重ねた場合でもブロッキングが生じ難くピックアップが容易であり、かつ離型フィルムを剥離する際の剥離帯電が抑制された離型フィルム付き粘着シートを提供する。粘着シート(100)は、粘着剤層(5)の一方の面に第一離型フィルム(1)が仮着され、粘着剤層(5)の第二主面に第二離型フィルム(2)が仮着されている。第一離型フィルム(1)はフィルム基材(10)の第一主面に離型層(11)を備え、第二離型フィルム(2)はフィルム基材(20)の第一主面に離型層(21)を備える。第一離型フィルム(1)と粘着剤層(5)との剥離力は、第二離型フィルム(2)と粘着剤層(5)との剥離力よりも小さい。第一離型フィルム(1)および第二離型フィルム(2)の少なくとも一方は、フィルム基材の第二主面に帯電防止層(31,32)を備える。

目的

本発明は、複数を積み重ねた場合でもブロッキングが生じ難くピックアップが容易であり、かつ離型フィルムを剥離する際の剥離帯電が抑制された離型フィルム付き粘着シートの提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第一主面と第二主面とを有する粘着剤層;第一主面および第二主面を有し、第一主面が前記粘着剤層の第一主面に仮着されている第一離型フィルム;ならびに第一主面および第二主面を有し、第一主面が前記粘着剤層の第二主面に仮着されている第二離型フィルムを備え、前記第一離型フィルムおよび前記第二離型フィルムは、それぞれ、フィルム基材の第一主面に離型層を備え、前記第一離型フィルムと前記粘着剤層との剥離力が、前記第二離型フィルムと前記粘着剤層との剥離力よりも小さく、前記第一離型フィルムおよび前記第二離型フィルムの少なくとも一方は、フィルム基材の第二主面に帯電防止層を備える、粘着シート

請求項2

前記第二離型フィルムは、フィルム基材の第二主面に帯電防止層を備える、請求項1に記載の粘着シート。

請求項3

前記第一離型フィルムおよび前記第二離型フィルムは、それぞれ、フィルム基材の第二主面に帯電防止層を備える、請求項1に記載の粘着シート。

請求項4

前記第一離型フィルムおよび前記第二離型フィルムの少なくとも一方は、第二主面の表面抵抗が1×108Ω/□以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着シート。

請求項5

前記第一離型フィルムおよび前記第二離型フィルムの少なくとも一方は、第二主面の動摩擦係数が0.4以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着シート。

請求項6

前記第一離型フィルムは、前記フィルム基材と前記離型層との間に帯電防止層を備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着シート。

請求項7

前記粘着剤層を構成する粘着剤アクリルベースポリマーを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の粘着シート。

請求項8

前記粘着剤層を構成する粘着剤が多官能モノマーを含む光硬化性組成物からなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の粘着シート。

請求項9

前記第一離型フィルムおよび前記第二離型フィルムの少なくとも一方が、前記粘着剤層の外周縁よりも外側に張り出している領域が存在する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の粘着シート。

請求項10

前記粘着剤層の外周の全体にわたって、前記第一離型フィルムおよび前記第二離型フィルムの少なくとも一方が、前記粘着剤層の外周縁よりも外側に張り出している、請求項9に記載の粘着シート。

請求項11

前記第一離型フィルムが、前記第二離型フィルムの外周縁よりも外側に張り出している領域が存在する、請求項9または10に記載の粘着シート。

請求項12

前記第一離型フィルムおよび前記第二離型フィルムの少なくとも一方は、前記粘着剤層5の外周縁に沿った切り込みが第一主面に設けられている、請求項9〜11のいずれか1項に記載の粘着シート。

請求項13

請求項1〜12のいずれか1項に記載の粘着シートが10枚以上積み重ねられた粘着シート積層体

技術分野

0001

本発明は、粘着剤層の両面に離型フィルムが仮着された粘着シートに関する。

背景技術

0002

液晶ディスプレイ有機ELディスプレイ等の表示装置タッチパネル等のディスプレイ入力装置には、光学部材の貼り合わせにシート状の透明粘着剤が使用されている。光学部材の貼り合わせに用いられる透明粘着剤は、一般に、両面に離型フィルムが仮着された離型フィルム付き粘着シートとして提供される。粘着シートの使用時には、まず、一方の離型フィルム(軽剥離フィルム)を剥離して粘着剤層の一方の面を露出させて第一の被着体との貼り合わせを行い、他方の離型フィルム(重剥離フィルム)を剥離して粘着剤層の他方の面に第二の被着体を貼り合わせる。

0003

粘着剤層の両面に離型フィルムが仮着された粘着シートでは、粘着剤層から離型フィルムを剥離する際に剥離帯電が発生する場合がある。粘着剤層の帯電量が大きい場合は、粘着剤層の表面に塵埃等の異物が付着し、表示不良等の不具合を生じる。粘着剤層の表面に異物が付着した状態で貼り合わせを行うと、噛み込み異物に起因する素子破壊等が生じる場合がある。また、粘着剤層の一方の面を第一の被着体に貼り合わせた状態で重剥離フィルムを剥離する際の剥離帯電が大きいと、画像表示パネルにおける液晶分子配向不良や電気的破壊等の原因となりうる。

0004

特許文献1では、フィルム基材離型層との間に帯電防止層を設けることにより、粘着剤層の表面から離型フィルムを剥離する際の剥離帯電を低減できることが記載されている。

先行技術

0005

国際公開第2014/097757号

発明が解決しようとする課題

0006

本発明者らの検討によると、フィルム基材と離型層との間に帯電防止層を備える離型フィルムを用いても、剥離帯電圧が十分に低下しない場合があった。また、所定サイズに切り出された枚葉の粘着シートを複数積み重ね積層体では、静電気に起因して粘着シート同士のブロッキングが生じ、粘着シートを1枚ずつピックアップする作業が困難となる場合があった。

0007

上記に鑑み、本発明は、複数を積み重ねた場合でもブロッキングが生じ難くピックアップが容易であり、かつ離型フィルムを剥離する際の剥離帯電が抑制された離型フィルム付き粘着シートの提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明の粘着シートは、粘着剤層の第一主面に第一離型フィルム(軽剥離フィルム)が仮着され、粘着剤層の第二主面に第二離型フィルム(重剥離フィルム)が仮着されている。第一離型フィルムおよび第二離型フィルムは、それぞれフィルム基材の第一主面に離型層を備え、離型フィルムの第一主面が粘着剤層に貼り合わせられている。第一離型フィルムと粘着剤層との剥離力は、第二離型フィルムと粘着剤層との剥離力よりも小さい。

0009

第一離型フィルムおよび第二離型フィルムの少なくとも一方は、フィルム基材の第二主面に帯電防止層を備える。少なくとも第二離型フィルムが、フィルム基材の第二主面に帯電防止層を備えることが好ましく、第一離型フィルムおよび第二離型フィルムの両方がフィルム基材の第二主面に帯電防止層を備えることが好ましい。離型フィルムの第二主面に帯電防止層が設けられている場合、離型フィルムの第二主面の表面抵抗は1×108Ω/□以下であることが好ましく、離型フィルムの第二主面の動摩擦係数は0.4以下が好ましい。

0010

第一離型フィルムおよび/または第二離型フィルムは、フィルム基材と離型層との間に帯電防止層を備えていてもよい。特に、第一離型フィルムがフィルム基材と離型層との間に帯電防止層を備えていることが好ましい。

0011

粘着剤層を構成する粘着剤としては、アクリルベースポリマーを含むアクリル系粘着剤が好ましい。粘着剤層を構成する粘着剤は、多官能モノマーを含む光硬化性組成物からなる光硬化性粘着剤でもよい。

0012

枚葉サイズに切り出された粘着シートは、第一離型フィルムおよび第二離型フィルムの少なくとも一方が、粘着剤層の外周縁よりも外側に張り出している領域が存在していてもよい。粘着剤層の外周の全体にわたって、前記第一離型フィルムおよび前記第二離型フィルムの少なくとも一方が、粘着剤層の外周縁よりも外側に張り出していてもよい。第一離型フィルムが、第二離型フィルムの外周縁よりも外側に張り出している領域が存在してもよい。

0013

離型フィルムが粘着剤層の外周縁よりも外側に張り出して設けられることにより、端面からの粘着剤のはみ出しに起因する糊汚れ欠け等の不具合を抑制できる。また、離型フィルムが粘着剤層の端面よりも外側に張り出して設けられていることにより、粘着剤層から離型フィルムを剥離する際の作業性を向上できる。

0014

粘着剤層の外周縁よりも外側に離型フィルムが設けられている場合、離型フィルムの第一主面(粘着剤層との貼り合わせ面)には、粘着剤層の外周縁に沿って切り込みが設けられていてもよい。

0015

本発明の粘着シートは、複数を積み重ねた積層体としてもよい。粘着シート積層体は、粘着シートを10枚以上積み重ねたものであってもよい。

発明の効果

0016

本発明の粘着シートは、粘着剤層の表裏に設けられた離型フィルムの少なくとも一方の背面に帯電防止層が設けられているため、複数を積み重ねた場合でもブロッキングが生じ難く、ピックアップが容易である。また、粘着剤層から離型フィルムを剥離する際の剥離帯電が抑制され、粘着剤層への塵埃の付着や被着体の破損等の不具合を低減できる。

図面の簡単な説明

0017

一実施形態の粘着シートの断面図である。
一実施形態の粘着シートの断面図である。
一実施形態の枚葉粘着シートの断面図である。
一実施形態の枚葉粘着シートの断面図である。
一実施形態の枚葉粘着シートの平面図である。
一実施形態の枚葉粘着シートの断面図である。
一実施形態の枚葉粘着シートの平面図である。
枚葉粘着シートの製造に用いられる積層体の断面図である。
積層体に切断線を形成した状態を示す断面図である。
積層体に切断線を形成した状態を示す断面図である。
離型フィルムおよび切断線を除去後の積層体の断面図である。
軽剥離フィルムを貼り合わせ後の積層体の断面図である。
軽剥離フィルムに切断線を形成した状態を示す断面図である。
マザー基板からのカッティングにより得られた枚葉の粘着シートの断面図である。

0018

[粘着シートの構成]
図1は、本発明の離型フィルム付き粘着シートの一形態を表す模式的断面図である。離型フィルム付き粘着シート100では、粘着剤層5の一方の面に第一離型フィルム1が仮着され、粘着剤層5の他方の面に第二離型フィルム2が仮着されている。以下では、粘着剤層の両面に離型フィルムが仮着された積層体を「粘着シート」と記載する。なお、「仮着」とは、剥離可能に貼着された状態を意味する。

0019

離型フィルム1,2は、粘着剤層5が被着体と貼り合せられるまでの間、粘着剤層5の表面を保護する目的で用いられる。離型フィルム1,2は、粘着剤層5と接する面に離型層11,21を備える。フィルム基材10,20の表面に離型層が設けられることにより、粘着剤層5からの離型フィルム1,2の剥離性が高められる。

0020

粘着剤層5から第一離型フィルム1を剥離する際の剥離力は、粘着剤層5から第二離型フィルムを剥離する際の剥離力よりも小さい。粘着シートの使用時には、相対的に剥離力の小さい第一離型フィルム1(軽剥離フィルム)を粘着剤層5から先に剥離して第一の被着体との貼り合わせを行い、相対的に剥離力の大きい第二離型フィルム(重剥離フィルム)を剥離して、第二の被着体との貼り合わせを行う。粘着シートの表裏に付設する離型フィルムに剥離力の差を設けておくことにより、第一の被着体との貼り合わせ時に、軽剥離フィルムを選択的に剥離できるため、貼り合わせの作業性が高められる。

0021

粘着剤層5から第一離型フィルム1を剥離する際に、粘着剤層5からの第二離型フィルム2の浮きを防止する観点から、第二離型フィルム2の粘着剤層5からの剥離力は、第一離型フィルム1の粘着剤層5からの剥離力の2倍以上が好ましく、2.5倍以上がより好ましく、3倍以上がさらに好ましい。第一離型フィルム1の粘着剤層5からの剥離力は、0.01〜0.2N/25mm程度が好ましい。第二離型フィルム2の粘着剤層5からの剥離力は、0.05〜0.5N/25mm程度が好ましい。粘着剤層と離型フィルムとの剥離力は、引張速度:0.3m/分の180°ピール試験による測定値である。

0022

本発明の粘着シートでは、軽剥離フィルムとしての第一離型フィルム1および重剥離フィルムとしての第二離型フィルム2の少なくとも一方が、粘着剤層5への仮着面と反対側の面(離型層11,21が設けられていない面)に帯電防止層を備える。以下では、離型フィルムの粘着剤層5との仮着面(離型層が設けられている面)を「離型面」、離型面と反対側の面を「背面」と記載する。

0023

図1に示す粘着シート100は、軽剥離フィルム1がフィルム基材10の背面に帯電防止層31を備え、重剥離フィルム2がフィルム基材20の背面に帯電防止層32を備えている。軽剥離フィルム1のみが背面に帯電防止層を備えていてもよく、重剥離フィルム2のみが背面に帯電防止層を備えていてもよい。

0024

図2に示す粘着シート102のように、軽剥離フィルム1の離型面側に帯電防止層33が設けられていてもよい。重剥離フィルム2も離型面側に帯電防止層(不図示)を備えていてもよい。離型フィルム1,2の離型面側に帯電防止層が設けられる場合は、フィルム基材10,20に近い側に帯電防止層が設けられ、離型面の最表面に離型層11,21が設けられる

0025

重剥離フィルムおよび軽剥離フィルムの少なくとも一方の背面に帯電防止層が設けられることにより、静電気に起因する塵埃の付着を抑制できる。また、粘着シートの形成や所定サイズへのカッティングの際のロール搬送において、ロールとの擦れ等に起因する帯電を抑制し、搬送をスムーズに行うことができる。

0026

離型フィルムに帯電防止層が設けられることにより、粘着剤層から離型フィルムを剥離する際の、離型フィルムおよび粘着剤層の剥離帯電が低減する。粘着剤層の帯電が低減することにより、粘着剤層の露出面への塵埃の付着を抑制できるとともに、静電気に起因する被着体(画像表示パネル等)の電気的破壊を防止できる。離型フィルムの帯電が低減することにより、粘着剤層や他の部材等への離型フィルムの静電吸着を防止して、作業性を向上できる。

0027

さらに、離型フィルムの背面に帯電防止層が設けられることにより、複数の粘着シートを積層した際の、静電気による粘着シート同士のブロッキングを防止できる。また、離型フィルムの背面に帯電防止層が設けられることにより、滑り性が向上する傾向がある。そのため、複数枚が積み重ねられた粘着シートを吸引等によりピックアップする際に、確実に1枚ずつピックアップ可能であり、被着体への粘着シートの貼り合わせの作業性を大幅に向上できる。

0028

以下では、粘着シートを構成する粘着剤層および離型フィルムの好ましい形態について順に説明する。

0029

[粘着剤層]
粘着剤層5は、粘着剤が層状に形成されたものである。粘着シートが画像表示装置の形成に用いられる場合は、粘着剤層5は透明であり、可視光光吸収が小さいことが好ましい。粘着剤層5の全光線透過率は85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。粘着剤層5のヘイズは2%以下が好ましく、1%以下がより好ましい。全光線透過率およびヘイズは、ヘイズメータを用いて、JIS K7136に準じて測定される。

0030

<粘着剤層の組成
粘着剤層5を構成する粘着剤としては、アクリル系ポリマーシリコーン系ポリマーポリエステルポリウレタンポリアミドポリビニルエーテル酢酸ビニル塩化ビニルコポリマー変性ポリオレフィンエポキシ系、フッ素系、天然ゴム合成ゴム等のゴム系等をベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。

0031

粘着剤層5を構成する粘着剤は、被着体との貼り合わせ後に、光照射により硬化可能な光硬化型粘着剤でもよい。例えば、加飾印刷等の隆起部を有するフロントウインドウカバーガラス)等の貼り合わせに光硬化型粘着剤を用いれば、光硬化前の粘着剤が柔らかい状態で貼り合わせを行うことにより段差吸収性を持たせて隆起部近傍への気泡混入等を抑制できる。貼り合わせ後に紫外線等を照射して粘着剤を光硬化することにより、接着信頼性を向上できる。光硬化型粘着剤は、例えば、ポリマーと、光重合性官能基を有するモノマーまたはオリゴマーと、光重合開始剤を含むものが好ましい。光硬化型粘着剤は、光重合性モノマーまたはオリゴマーとして、1分子中に2以上の重合性官能基を有する多官能化合物を含むことが好ましい。

0032

光学的透明性に優れ、適度な濡れ性凝集性および接着性等の粘着特性を示し、耐候性耐熱性等にも優れることから、粘着剤層5を構成する粘着剤としては、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましく用いられる。アクリル系粘着剤は、粘着剤組成物固形分全量に対するアクリル系ベースポリマーの含有量が50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることがさらに好ましい。

0033

アクリル系ベースポリマーとしては、(メタアクリル酸アルキルエステルモノマー単位主骨格とするものが好適に用いられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。

0034

(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基炭素数が1〜20である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好適に用いられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アルキル基が分枝を有していてもよい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、ベースポリマーを構成するモノマー成分全量に対して40重量%以上であることが好ましく、50重量%以上がより好ましく、60重量%以上がさらに好ましい。アクリル系ベースポリマーは、複数の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体であってもよい。構成モノマー単位の並びはランダムであっても、ブロックであってもよい。

0035

アクリル系ベースポリマーは、共重合成分として、架橋可能な官能基を有するアクリル系モノマーユニットを含有していてもよい。ベースポリマーが架橋可能な官能基を有する場合、ベースポリマーの熱架橋や光硬化等による粘着剤のゲル分率の上昇を容易に行い得る。架橋可能な官能基を有するアクリル系モノマーとしてはヒドロキシ基含有モノマーや、カルボキシ基含有モノマーが挙げられる。中でも、ベースポリマーの共重合成分として、ヒドロキシ基含有モノマーを含有することが好ましい。ベースポリマーが、モノマーユニットとしてヒドロキシ基含有モノマーを有する場合、ベースポリマーの架橋性が高められるとともに、高温高湿環境下での粘着剤の白濁が抑制される傾向があり、透明性の高い粘着剤が得られる。

0036

ヒドロキシ基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4‐ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6‐ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8‐ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10‐ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12‐ヒドロキシラウリル、(メタ)アクリル酸(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチル等が挙げられる。

0037

ヒドロキシ基含有モノマーの含有量は、ベースポリマーを構成するモノマー成分全量に対して0.1〜30重量%が好ましく、0.5〜25重量%がより好ましく、1〜20重量%がさらに好ましい。

0038

アクリル系ベースポリマーは、ヒドロキシ基含有モノマーユニット以外に、窒素含有モノマー等の極性の高いモノマーユニットを含有することが好ましい。ヒドロキシ基含有モノマーに加えて、窒素含有モノマー等の高極性モノマーを含有することにより、粘着剤が高い接着性と保持力を有するとともに、高温高湿環境下での白濁が抑制される。

0039

窒素含有モノマーとしては、N−ビニルピロリドンメチルビニルピロリドンビニルピリジンビニルピペリドンビニルピリミジンビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロールビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニルカルボン酸アミド類、N−ビニルカプロラクタム等のビニル系モノマーや、アクリロニトリルメタクリロニトリル等のシアノアクリレート系モノマー等が挙げられる。中でも、N−ビニルピロリドンおよび(メタ)アクリロイルモルホリンが好ましく用いられる。

0040

窒素含有モノマーの含有量は、ベースポリマーを構成するモノマー成分全量に対して、3〜50重量%が好ましく、5〜40重量%がより好ましく、7〜30重量%がさらに好ましい。

0041

アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分には、多官能モノマー成分が含まれていてもよい。多官能モノマーは、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を少なくとも2つ有するモノマーである。多官能性モノマーの使用量は、その分子量や官能基数等により異なるが、ベースポリマーを構成するモノマー成分全量に対して、3重量%以下が好ましく、2重量%以下がより好ましく、1重量%以下がさらに好ましい。

0042

アクリル系ベースポリマーは、溶液重合、UV重合、塊状重合乳化重合等の公知の重合方法により調製できる。粘着剤の透明性、耐水性コスト等の点で、溶液重合法、またはUV重合が好ましい。溶液重合の溶媒としては一般に酢酸エチルトルエン等が用いられる。

0043

アクリル系ベースポリマーの調製に際しては、重合反応の種類に応じて、光重合開始剤や熱重合開始剤等の重合開始剤を用いてもよい。光重合開始剤としては、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤等を用いることができる。熱重合開始剤としては、アゾ系開始剤過酸化物系開始剤過酸化物還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤(例えば、過硫酸塩亜硫酸水素ナトリウムの組み合わせ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムの組み合わせ等)を用いることができる。

0044

ベースポリマーの分子量を調整するために、連鎖移動剤が用いられていてもよい。連鎖移動剤は、成長ポリマー鎖からラジカルを受け取ってポリマーの伸長を停止させるとともに、ラジカルを受け取った連鎖移動剤がモノマーを攻撃して再び重合を開始させる作用を有する。連鎖移動剤としては、例えば、α−チオグリセロールラウリルメルカプタングリシジルメルカプタンメルカプト酢酸2−メルカプトエタノールチオグリコール酸チオグルコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメルカプト1−プロパノール等のチオール類が好適に用いられる。

0045

ベースポリマーを形成するモノマー成分として、単官能モノマーに加えて多官能モノマーを用いる場合、先に単官能モノマーを重合して、低重合度プレポリマー組成物を形成し(予備重合)、プレポリマー組成物のシロップ中に多官能モノマーを添加して、プレポリマーと多官能モノマーとを重合(後重合)してもよい。このように、プレポリマーの予備重合を行うことによって、多官能モノマー成分に起因する分枝点を、ベースポリマー中に均一に導入できる。また、プレポリマー組成物と未重合のモノマー成分との混合物(粘着剤組成物)を基材上に塗布した後、基材上で後重合を行って、粘着剤層を形成してもよい。プレポリマー組成物は低粘度で塗布性に優れるため、プレポリマー組成物と未重合モノマーとの混合物である粘着剤組成物を塗布後に基材上で後重合を行う方法によれば、粘着剤層の生産性が高められると共に、粘着剤層の厚みを均一とすることができる。

0046

プレポリマー組成物は、例えば、アクリル系ベースポリマーを構成するモノマー成分と重合開始剤とを混合した組成物(「プレポリマー形成用組成物」と称する)を、部分重合(予備重合)させることにより調製できる。なお、プレポリマー形成用組成物中のモノマーは、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分のうち、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや極性基含有モノマー等の単官能モノマーであることが好ましい。プレポリマー形成用組成物は多官能モノマーを含んでいてもよい。例えば、ベースポリマーの原料となる多官能モノマー成分の一部をプレポリマー形成用組成物に含有させ、プレポリマーを重合後に多官能モノマー成分の残部を添加して後重合に供してもよい。

0047

プレポリマー形成用組成物は、モノマーおよび重合開始剤以外に、必要に応じて連鎖移動剤等を含んでいてもよい。プレポリマーの重合方法は特に限定されないが、反応時間を調整して、プレポリマーの分子量(重合率)を所望の範囲とする観点から、UV光等の活性光線照射による重合が好ましい。予備重合に用いられる重合開始剤や連鎖移動剤は特に限定されず、例えば、上述の光重合開始剤や連鎖移動剤を用いることができる。

0048

プレポリマーの重合率は特に限定されないが、基材上への塗布に適した粘度とする観点から、3〜50重量%が好ましく、より好ましくは5〜40重量%である。プレポリマーの重合率は、光重合開始剤の種類や使用量、UV光等の活性光線照射強度・照射時間等を調整することによって、所望の範囲に調整できる。

0049

上記プレポリマー組成物に、アクリル系ベースポリマーを構成するモノマー成分の残部(後重合モノマー)、および必要に応じて、重合開始剤、連鎖移動剤、シランカップリング剤、架橋剤等を混合して、粘着剤組成物を形成する。後重合モノマーは、多官能モノマーを含有することが好ましい。後重合モノマーとして、多官能モノマーに加えて、単官能モノマーを添加してもよい。

0050

後重合に用いられる光重合開始剤や連鎖移動剤は特に限定されず、例えば、上述の光重合開始剤や連鎖移動剤を用いることができる。予備重合の際の重合開始剤がプレポリマー組成物中で失活せずに残存している場合は、後重合のための重合開始剤の添加を省略できる。

0051

ベースポリマーは、必要に応じて架橋構造を有していてもよい。架橋構造の形成は、例えば、予備重合後や、ベースポリマーの重合後に、架橋剤を添加することにより行われる。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤エポキシ系架橋剤オキサゾリン系架橋剤アジリジン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤金属キレート系架橋剤等の一般に用いられているものを使用できる。架橋剤の含有量は、アクリル系ベースポリマー100重量部に対して、通常、0〜5重量部の範囲であり、好ましくは0〜3重量部である。

0052

粘着剤組成物中に架橋剤を含有する場合、被着体との貼り合わせ前に、加熱による架橋処理が行われ、架橋構造が形成されることが好ましい。架橋処理における加熱温度や加熱時間は、使用する架橋剤の種類に応じて適宜設定されるが、通常、20℃〜160℃の範囲で、1分から7日程度の加熱により架橋が行われる。

0053

接着力の調整を目的として、粘着剤組成物中に、シランカップリング剤を添加してもよい。粘着剤組成物にシランカップリング剤が添加される場合、その添加量は、ベースポリマー100重量部に対し通常0.01〜5.0重量部程度であり、0.03〜2.0重量部程度であることが好ましい。

0054

粘着剤組成物には、必要に応じて粘着付与剤を添加してもよい。粘着付与剤としては、例えば、テルペン系粘着付与剤スチレン系粘着付与剤、フェノール系粘着付与剤ロジン系粘着付与剤、エポキシ系粘着付与剤、ジシクロペンタジエン系粘着付与剤、ポリアミド系粘着付与剤、ケトン系粘着付与剤、エラストマー系粘着付与剤等を用いることができる。

0055

上記例示の各成分の他、粘着剤組成物は、可塑剤軟化剤劣化防止剤充填剤着色剤紫外線吸収剤酸化防止剤界面活性剤帯電防止剤等の添加剤を、粘着剤の特性を損なわない範囲で用いることができる。

0056

粘着剤組成物は、基材上への塗布に適した粘度(例えば、5〜100ポイズ程度)を有することが好ましい。粘着剤組成物が溶液である場合は、ポリマーの分子量や溶液の固形分濃度等を調整することにより、溶液粘度を適切な範囲に調整できる。粘着剤組成物が光硬化性である場合は、多官能モノマー等の添加や、プレポリマーの重合率等により粘度を適切な範囲に調整できる。粘度調整のために増粘性添加剤等を用いてもよい。

0057

<粘着剤層の形成方法
基材上に粘着剤組成物を層状に塗布し、必要に応じて溶媒の乾燥やベースポリマーの架橋・硬化を行うことにより粘着剤層が形成される。粘着剤組成物の塗布方法としては、ロールコート、キスロールコート、グラビアコートリバースコート、ロールブラッシュスプレーコートディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコートダイコーター等による押出コート法等の方法が挙げられる。

0058

粘着剤組成物が溶媒を含む場合、塗布後の粘着剤を乾燥させる方法としては、目的に応じて、適宜、適切な方法が採用され得る。加熱乾燥温度は、好ましくは40℃〜200℃、より好ましくは50℃〜180℃、さらに好ましくは70℃〜170℃である。乾燥時間は、好ましくは5秒〜20分、より好ましくは5秒〜15分、さらに好ましくは10秒〜10分である。

0059

粘着剤組成物が光硬化性である場合は、支持基材上に粘着剤組成物を塗布後に、紫外線および/または短波長の可視光を照射して光硬化を行ってもよい。光硬化を行う際は、塗布層の表面にカバーシートを付設して、粘着剤組成物を2枚のシート間に挟持した状態で光を照射して、酸素による重合阻害を防止することが好ましい。

0060

照射光の積算光量は、100〜5000mJ/cm2程度が好ましい。光照射のための光源としては、粘着剤組成物に含まれる光重合開始剤が感度を有する波長範囲の光を照射できるものであれば特に限定されず、LED光源高圧水銀ランプ超高圧水銀ランプメタルハライドランプキセノンランプ等が好ましく用いられる。

0061

粘着剤層の形成に用いられる塗布基材およびカバーシートとしては、任意の適切な基材が用いられる。塗布基材およびカバーシートとしては、粘着剤層との接触面に離型層を備える離型フィルムが好ましい。塗布基材および/またはカバーシートは、粘着シートの重剥離フィルムおよび/または軽剥離フィルムと同一でもよい。

0062

粘着剤層5の厚みは特に限定されず、一般には5〜1000μm程度である。被着体が加飾印刷等に起因する隆起部を有しており、隆起部周辺への気泡の混入防止等の目的で粘着剤に段差吸収性が求められる場合は、粘着剤層5の厚みは40μm以上が好ましく、50μm以上より好ましく、60μm以上がさらに好ましい。画像表示装置の軽量化・薄型化の観点や、粘着剤層形成の容易性ハンドリング性等を案すると、粘着剤層5の厚みは500μm以下が好ましく、300μm以下がより好ましく、250μm以下がさらに好ましい。

0063

[離型フィルム]
粘着シートに仮着される離型フィルム1,2としては、フィルム基材10,20の表面に離型層21,22を備えるものが好ましく用いられる。

0064

<フィルム基材>
離型フィルム1,2のフィルム基材10,20としては、透明性を有する樹脂フィルムが好ましい。樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂アセテート系樹脂ポリエーテルスルホン系樹脂ポリカーボネート系樹脂ポリアミド系樹脂ポリイミド系樹脂ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂ポリ塩化ビニル系樹脂ポリ塩化ビニリデン系樹脂ポリスチレン系樹脂ポリビニルアルコール系樹脂ポリアリレート系樹脂ポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂が特に好ましい。

0065

フィルム基材10,20の厚みは、10〜200μmが好ましく、25〜150μmがより好ましい。軽剥離フィルム1のフィルム基材10の厚みと、重剥離フィルム2のフィルム基材20の厚みは同一でもよく異なっていてもよい。

0066

<離型層>
離型層21,22の材料としては、シリコーン系離型剤フッ素系離型剤長鎖アルキル離型剤脂肪酸アミド系離型剤等が挙げられる。アクリル系粘着剤に対する密着性と剥離性とを両立可能であることから、シリコーン離型剤が好ましい。

0067

シリコーン系離型層は、シリコーン系樹脂を主成分とするタイプでもよくウレタン樹脂エポキシ樹脂アルキッド樹脂等の有機樹脂グラフト重合等により反応性シリコーンを導入したシリコーン変性樹脂でもよい。シリコーン樹脂としては、付加型縮合型紫外線硬化型電子線硬化型、無溶媒型等の各種の硬化反応タイプのものを使用できる。特に、フィルム基材との密着性に優れ、かつアクリル系粘着剤に対する適度の密着性と剥離性とを両立可能であることから、熱による付加反応により硬化して剥離性被膜を形成するタイプのシリコーン樹脂が好ましく用いられる。

0068

離型層の厚みは、一般には10〜2000nmであり、好ましくは15〜1000nm、より好ましくは20nm〜500nmである。離型剤の種類や離型層の厚みを変更することにより、軽剥離フィルム1の離型層11の粘着剤層5からの剥離力と離型フィルム2の離型層21の粘着剤層5からの剥離力とに差を設けることができる。

0069

<帯電防止層>
前述のように、離型フィルム1,2の少なくとも一方は、背面に帯電防止層を備える。離型フィルムは、フィルム基材の離型面に帯電防止層を備えていてもよい。離型面に帯電防止層を設ける場合は、図2の離型フィルム1のように、フィルム基材10と離型層11との間に帯電防止層33を設けることが好ましい。

0070

帯電防止層としては、例えば、各種の樹脂バインダー帯電防止成分導電性材料)を含有させたものが挙げられる。バインダー樹脂としては、熱硬化型樹脂紫外線硬化型樹脂電子線硬化型樹脂二液混合型樹脂等の、各種のタイプの樹脂を採用し得る。バインダー樹脂の具体例としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂アルキド系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、離型フィルムの滑り性を高める観点から、ポリエステル系樹脂が好ましい。

0071

ポリエステル系樹脂は、典型的には、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸類(典型的にはジカルボン酸類)およびその誘導体(当該多価カルボン酸無水物、エステル化物ハロゲン化物等)から選択される1種以上の化合物多価カルボン酸成分)と、1分子中に2個以上の水酸基を有する多価アルコール類(典型的にはジオール類)から選択される1種以上の化合物(多価アルコール成分)との重縮合物である。離型フィルムの背面に帯電防止層が設けられる場合、背面の動摩擦係数を0.4以下とするためには、バインダー樹脂に占めるポリエステル系樹脂の割合は50重量%以上が好ましく、60重量以上がより好ましく、70重量%以上がさらに好ましい。

0072

帯電防止成分としては、有機または無機導電性物質が挙げられる。有機導電性物質としては、各種の導電性ポリマーが好ましい。導電性ポリマーの例としては、ポリアニリンポリピロールポリチオフェンポリエチレンイミンアリルアミン系重合体などが挙げられる。無機導電性物質としては、各種の金属、合金導電性金属酸化物が挙げられる。無機導電性物質は、粒子径が0.1μm以下(典型的には0.01μm〜0.1μm)の微粒子として帯電防止層に含まれていることが好ましい。帯電防止成分は、カチオン型帯電防止剤アニオン型帯電防止剤、両性イオン型帯電防止剤、ノニオン型帯電防止剤等でもよい。

0073

上記の帯電防止成分の中でも、離型フィルムの背面に設けられる帯電防止層の帯電防止成分としては、導電性ポリマーが好ましく、中でも、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸複合物(PEDOT/PSS)が特に好ましい。

0074

帯電防止層の厚みは、例えば5〜100nm程度であり、好ましくは10〜80nm、より好ましくは15〜60nmであり、さらに好ましくは20〜50nmである。軽剥離フィルム1および重剥離フィルム2の両方の背面に帯電防止層を設ける場合、帯電防止層31と帯電防止層32の材料および厚みは、同一でもよく異なっていてもよい。離型面側に帯電防止層が設けられる場合、離型面の帯電防止層の材料および厚みは、背面の帯電防止層の材料および厚みと同一でもよく異なっていてもよい。

0075

離型フィルム1,2の帯電防止層形成面の表面抵抗は、1×1011Ω/□以下が好ましく、1×1010Ω/□以下がより好ましく、1.0×109Ω/□以下がさらに好ましい。離型面に帯電防止層を設ける場合は、その上に離型層が形成されるのに対して、背面に帯電防止層を設ける場合は、帯電防止層を最表面に配置できる。そのため、離型フィルムの背面に帯電防止層を設ける場合は、離型面に帯電防止層を設ける場合よりも、表面抵抗を小さくできる。離型フィルムの背面に帯電防止層が設けられる場合、背面の表面抵抗は、1×108Ω/□以下が好ましく、1×107Ω/□以下がより好ましく、1×106Ω/□以下がさらに好ましい。

0076

離型フィルムの背面に帯電防止層が設けられる場合、背面の動摩擦係数は0.4以下が好ましく、0.35以下がより好ましい。動摩擦係数は、表面処理されていない二軸延伸ポリエステルフィルム滑り面とする質量1.5kgの滑り片を、離型フィルムの帯電防止層形成面上に載置し、300mm/分の速度で滑り片を水平方向に移動させた際の試験力から、JIS K7125に準じて算出される。

0077

離型フィルム1,2の少なくとも一方の背面に帯電防止層が設けられることにより、帯電(静電気)に起因する粘着シートへの塵埃の付着や作業性の低下を抑制できる。離型フィルムの背面に帯電防止層が設けられることにより、粘着剤層5の表面から離型フィルム1,2を剥離する際に生じ得る剥離帯電を抑制できることに加えて、粘着シートと搬送ロールや他のフィルム等との擦れによって生じ得る帯電も抑制できる。また、離型フィルムの背面に帯電防止層が設けられることにより、動摩擦係数が小さくなり、ハンドリング性が向上する傾向がある。さらに、離型フィルムの背面に帯電防止層が設けられることにより、複数の粘着シートを積み重ねた場合においても、帯電に起因する粘着シート同士のブロッキングを抑制できる。滑り性の向上(動摩擦係数の低下)も、ブロッキング抑制に寄与し得る。そのため、積層体から粘着シートを1枚ずつピックアップする作業を確実に行うことができ、作業性向上や自動化に有利である。

0078

<離型層および帯電防止層の形成方法>
フィルム基材上への離型層および帯電防止層の形成には、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロ一ルブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート、ディップコートおよびカーテンコート等の公知のコーティング法を適用できる。コーティング後には、溶媒の除去や樹脂成分の硬化等を目的として加熱が行われることが好ましい。加熱方法としては、熱風による加熱が挙げられる。加熱条件は、塗布層の組成や基材の耐熱性等に応じて適宜設定すればよく、通常80〜150℃程度で、10秒〜10分程度である。必要に応じて、樹脂の硬化反応促進等を目的として、熱処理紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。

0079

フィルム基材の製造工程において離型層および帯電防止層を形成してもよい。例えば、多層共押出により、フィルム基材の表面に離型層や帯電防止層を備えるフィルムを形成できる。また、フィルム基材の形成工程における加熱を利用して、離型層や帯電防止層を形成してもよい。例えば、フィルム基材が延伸フィルムである場合には、延伸前のフィルムや縦延伸後のフィルムの表面に、離型層形成用組成物帯電防止層形成用組成物を塗布し、テンターによる横延伸または同時二軸延伸時の加熱を利用して、溶媒の乾燥や樹脂の硬化を行うことができる。

0080

[粘着シートの形成]
基材上に粘着剤層を形成し、粘着剤層5の一方の面に軽剥離フィルム1を貼り合わせ、他方の面に重剥離フィルム2を貼り合わせることにより、粘着剤層5の両面に離型フィルムを備える粘着シートが得られる。軽剥離フィルム1および重剥離フィルム2のいずれか一方を粘着剤層形成用基材とし、他方をカバーシートとして用いてもよい。

0081

粘着剤層5の形成および離型フィルム1,2の付設は、ロールトゥーロール方式で実施することが好ましい。ロールトゥーロール方式では、長尺のフィルム基材を長手方向に搬送しながら、粘着剤組成物を塗布し、必要に応じて溶媒の乾燥やポリマーの硬化を行うことにより粘着剤層が形成される。離型フィルムの付設や貼り替え等もロールトゥーロール方式により実施できる。

0082

ロールトゥーロール方式で大面積の粘着シート(マザー基板)を作製した後、被着体のサイズにあわせた所定サイズにカッティングすることにより、枚葉の粘着シートが得られる。この方法では、マザー基板から多数の枚葉粘着シートが得られるため、粘着シートの生産性を向上できる。

0083

枚葉の粘着シート(粘着剤層5)の形状やサイズは、被着体の形状やサイズ等に応じて設定される。例えば、粘着シートが画像表示装置の前面に配置して用いられる場合、粘着シートのサイズは、画面のサイズと略等しい。

0084

枚葉の粘着シートの面積は、一般には5〜25000cm2程度である。枚葉の粘着シートの面積は、10000cm2以下、5000cm2以下、3000cm2以下、1000cm2以下、または500cm2以下であり得る。粘着シートが矩形である場合、対角線の長さは、3〜250cm程度である。粘着シートの対角線の長さは、100cm以下、50cm以下、30cm以下または20cm以下であり得る。粘着シートが矩形である場合、長辺と短辺を有する長方形でもよく、4辺の長さが等しい正方形でもよい。長方形の長辺の長さは、一般に短辺の長さの10倍以下であり、5倍以下、3倍以下または2倍以下であり得る。

0085

図3に示すように、枚葉の粘着シート103は、粘着剤層5の端面が、離型フィルム1,2の端面よりも内側に位置していてもよい。なお、図3以降では、簡略化のために、離型層および帯電防止層の図示を省略している。

0086

粘着剤層5の端面が、離型フィルム1,2の端面よりも内側にあれば、粘着シート103の輸送時や、貼り合せ等の加工ライン上での、粘着剤のはみ出しに起因する糊汚れや糊欠けを防止できる。特に、段差吸収性の付与等を目的として粘着剤層の厚みが大きい場合(例えば40μm以上)は、糊欠けや糊汚れが生じ易いため、粘着剤層の端面が離型フィルムの内側に位置することが好ましい。

0087

粘着剤層5の端面を、離型フィルム1,2の端面よりも内側に設ける方法としては、離型フィルム上への粘着剤層の付設領域を制御する方法や、粘着剤層を形成後に所定領域の粘着剤層を除去する方法等が挙げられる。粘着シートを所定サイズに切断する際に、粘着シートの上下面から圧力を加えて粘着剤層の端部を離型フィルムの端部からはみ出させ、粘着剤層がはみ出した状態で、離型フィルム1,2とともに粘着剤層5をカットしてもよい。カット後に圧力を開放すれば、粘着剤層5の端面が離型フィルム1,2の端面より内側に後退するため、離型フィルム1,2の端面よりも内側に粘着剤層5の端面が位置する粘着シートが得られる。

0088

粘着剤層5のはみ出しに起因する糊欠けや糊汚れを抑制する観点から、離型フィルム1,2の端面と粘着剤層5の端面との距離(粘着シートの外周における離型フィルムの張り出し量)は、10μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、50μm以上がさらに好ましい。

0089

粘着剤層5の端面が離型フィルム1,2の端面よりも内側に位置し、離型フィルム1,2が張り出していることにより、粘着剤層5の端部から張り出している離型フィルム1,2の外縁部を摘んで粘着剤層5から離型フィルム1,2を剥離できる。そのため、粘着剤層5の端面からのはみ出しに起因する不具合を抑制できることに加えて、粘着剤層5からの離型フィルム1,2の剥離の作業性を向上できる。

0090

離型フィルム1,2の剥離の作業性を向上するためには、離型フィルムの張り出し量は、0.5mm以上が好ましく、1mm以上がより好ましい。張り出し量の上限は特に限定されないが、粘着シートのカッティング作業や、製品取得効率面積効率)等を考慮すると、30mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましい。

0091

図4Aに示す粘着シート104のように、軽剥離フィルム1の粘着剤層5の端部(外周縁)からの張り出し量と、重剥離フィルム2の粘着剤層5の端部(外周縁)からの張り出し量とが異なっていてもよい。両者の張り出し量が異なることにより、剥離対象離型シートを選択的に摘むことが容易となる。特に、軽剥離フィルム1の張り出し量を大きくすることにより、粘着剤層5に軽剥離フィルム1および重剥離フィルム2が仮着された粘着シートの軽剥離フィルムを選択的に摘んで剥離することが容易となる。そのため、粘着シートからの離型フィルムの剥離および被着体への貼り合わせ作業の自動化に有利である。

0092

図4Bは、粘着シート104を重剥離フィルム2側から見た平面図であり、図4BのIV−IV線における断面図が図4Aに相当する。粘着シート104では、外周の全体にわたって、粘着剤層5の端面から張り出して重剥離フィルム2が設けられ、さらにその外側に張り出すように軽剥離フィルム1が設けられている。

0093

粘着剤層からの離型フィルムの剥離の作業性向上を目的として離型シートの張り出し部分を設ける場合は、剥離時に離型シートを摘む部分が選択的に粘着剤層の外周縁から張り出すようにしてもよい。例えば、図5Aの断面図および図5Bの平面図に示す粘着シート105のように、離型フィルム1の外周に部分的に張り出し部1aを設けることにより、この張り出し部を摘んで離型フィルムを剥離できるようにしてもよい。離型フィルム2にも張り出し部を設けてもよい。軽剥離フィルム1と重剥離フィルム2の両方の外周に張り出し部を設ける場合は、張り出し部を設ける位置を変えることにより、それぞれの離型フィルムを選択的に摘んで剥離することが容易となる。

0094

図4Aおよび図5Aに示すように、離型フィルム2の離型面には、粘着剤層5の端部(外周縁)に沿って切り込み5xが形成されていてもよい。離型フィルムに切り込みが設けられることにより、切り込み5xの外側への粘着剤層5の流動が抑制される。そのため、粘着剤層5の厚みが大きく流動性が高い場合でも、粘着剤層の経時的な形状変化を防止可能であり、粘着シートの保管時の形状安定性を向上するとともに、粘着剤層の端部からのはみ出し等に起因する不具合を抑制できる。

0095

粘着剤層5の外周縁に沿って離型フィルム2に切り込みを設ける方法としては、粘着剤層5の切断時に、離型フィルム2のハーフカットを行う方法が挙げられる。例えば、粘着剤層5の第一主面側(軽剥離フィルム1付設面側)から、離型フィルム2の表面に達するように粘着剤層5を切断することにより、粘着剤層5が所定形状にカットされるとともに、離型フィルム2がハーフカットされ、離型面に切り込み5xが形成される。後述するように、軽剥離フィルム1とは別の離型フィルム9を貼り合わせた状態でハーフカットを行い、その後に離型フィルム9を軽剥離フィルム1に貼り替えることにより、粘着剤層5の端面から張り出すように離型フィルム1を設けることができる。

0096

切り込み5xの深さは特に限定されず、離型フィルム2の背面に達しなければよい。粘着剤層から離型フィルムを剥離する際の離型フィルムの裂け破断を防止する観点から、切り込みの深さは、離型フィルムの厚みの1/2以下が好ましく、1/3以下がより好ましい。粘着剤層の外周縁に沿った切り込みは、離型フィルム1,2のいずれか一方に設けられていてもよく、両方に設けられていてもよい。

0097

<マザー基板からの枚葉粘着シートの切り出し>
前述のように、生産性の観点からは、ロールトゥーロール方式で作製した大面積の粘着シート(マザー基板)からのカッティングにより、枚葉の粘着シートを作製することが好ましい。カッティング後の枚葉の粘着シートの取り扱いを容易とする観点から、粘着剤層5の両面に離型フィルムが仮着された積層体をキャリアシートに貼り合わせ、キャリアシート上で切断を行ってもよい。

0098

図6A〜Gは、キャリアシート7上でマザー基板を切断して、枚葉の粘着シートを形成する一連の工程を示す概略断面図である。

0099

マザー基板40としては、粘着剤層5の一方の面に重剥離フィルム2が仮着され、粘着剤層5の他方の面に離型フィルム9が仮着されたものが用いられる。重剥離フィルム2は、枚葉に切り出し後の粘着シートにおいても、そのまま重剥離フィルムとして付設されるものである。離型フィルム9は、粘着剤層5上に軽剥離フィルム1を貼り合わせるまでの間、粘着剤層5の表面を保護するために仮着されており、粘着剤層5を切断後に軽剥離フィルム1に貼り替えられる。

0100

離型フィルム9としては、粘着剤層5との接触面に離型層を備えるものが好ましく用いられる。離型フィルム9の離型面および/または背面には、帯電防止層が設けられていてもよい。粘着シートの製造コスト低減の観点からは、離型フィルム9には帯電防止層が設けられていないことが好ましい。マザー基板の作製および搬送において、静電気に起因する不具合を抑制する観点からは、重剥離フィルム2の背面に帯電防止層が設けられていることが好ましい。

0101

マザー基板40から枚葉の粘着シートへのカッティングにおいては、まず、マザー基板40の重剥離フィルム2側の面にキャリアシートが貼り合わせられる(図6A)。キャリアシート7の構成材料としては、離型フィルムと同様、プラスチックフィルムが好ましい。キャリアシート7は、ロールトゥーロール搬送時の搬送張力による寸法変化が小さいことが好ましい。粘着剤層を切断する際に、キャリアシート7の表面(重剥離フィルム2との界面)に達するように切断(ハーフカット)を行う場合は、キャリアシート7の裏面への切断刃の到達を防止する必要がある。そのため、キャリアシート7の厚みは10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましい。

0102

キャリアシート7の表面には、マザー基板40を固定するための接着層(不図示)が設けられていることが好ましい。キャリアシート7として、フィルム基材の表面に粘着剤層が一体成型された自己粘着性フィルムを用いてもよい。

0103

キャリアシート7上にマザー基板が貼り合わせられた積層体161の離型フィルム9側から、キャリアシート7の表面に到達する深さで切断(ハーフカット)が行われ、切断線41a,41bが形成される(図6B)。この切断工程により、離型フィルム9、粘着剤層5および重剥離フィルム2には、厚み方向の全体に切断線41a,41bが形成される。キャリアシート7には、裏面に到達しない深さの切り込みが形成されてもよい。重剥離フィルム2の背面にキャリアシート7が接着されているため、重剥離フィルム2を切断後も積層体151を安定に搬送できる。

0104

その後、離型フィルム9側から、重剥離フィルム2の表面に達する深さでハーフカットが行われ、切断線42a,42bが形成される(図6C)。この切断工程により、離型フィルム9および粘着剤層5には、厚み方向の全体に切断線42a,42bが形成される。重剥離フィルム2には、裏面に到達しない深さの切り込みが形成されてもよい。切断線42a,42b形成時に重剥離フィルムに設けられた切り込みが、枚葉の粘着シートにおける切り込み5xとなる(図4A図5Aおよび図6D参照)。

0105

切断線41a,41bは、枚葉の粘着シートにおける重剥離フィルム2の外周縁となる。切断線42a,42bは、枚葉の粘着シートにおける粘着剤層5の外周縁となる。切断線42a,42bよりも外側に切断線41a,41bを設けることにより、粘着剤層5の端面から張り出して重剥離フィルム2が設けられた粘着シートが得られる。キャリアシート7に達する切断線41a,41bの形成と、重剥離フィルム2に達する切断線42a,42bの形成は、いずれを先に行ってもよく、両者を同時に行ってもよい。切断方法は特に限定されず、ロータリーカッター、押し込み刃(例えばトムソン刃)、レーザーカッター等による適宜の切断方式を採用できる。

0106

離型フィルム9側から粘着剤層5および重剥離フィルム2を切断後に、離型フィルム9を、粘着剤層5の表面から剥離除去する。各層間の接着力の差や剥離角度を調整することにより、任意の界面で剥離を行うことが可能となる。粘着剤層5の表面から離型フィルム9を剥離除去する際に、切断線41aと切断線42bとの間の領域では、離型フィルム9に加えて、粘着剤層5および重剥離フィルム2がキャリアシート7上から剥離除去される。切断線42aと切断線42bとの間の領域では、離型フィルム9に加えて粘着剤層5が重剥離フィルムの表面から剥離除去される。このように、離型フィルム9に加えて、切断線に囲まれた領域の粘着剤層5および重剥離フィルム2を剥離除去することにより、図6Dに示すように、重剥離フィルム2と粘着剤層5との積層物がキャリアシート7上に島状に設けられた積層体164が得られる。

0107

この積層体164の全体を覆うように、粘着剤層5上に軽剥離フィルム1が貼り合わせられる(図6E)。軽剥離フィルム1を切断線43a,43bに沿って切断し(図6F)、重剥離フィルム2からキャリアシート7を剥離することにより、軽剥離フィルム1が重剥離フィルム2よりも外側に張り出して設けられた枚葉の粘着シートが得られる(図6G)。

0108

切断線43a,43bの形成においては、軽剥離フィルム1のみを切断してもよく、軽剥離フィルム1に加えてキャリアシート7を切断してもよい。重剥離フィルム2からキャリアシート7を剥離後に、軽剥離フィルムの切断を行ってもよい。

0109

上記で説明したように、重剥離フィルム2の外周縁となる切断線41a,41b、および粘着剤層5の外周縁となる切断線42a,42bを形成後に、仮着していた離型フィルム9、ならびに切断線に囲まれたマージン領域の重剥離フィルムおよび粘着剤層を除去し、粘着剤層5上に軽剥離フィルム1を貼り合わせ、軽剥離フィルム1の切断を行うことにより、マザー基板から複数の枚葉の粘着シートが得られる。この方法では、それぞれの切断線の位置を任意に設定できるため、粘着剤層5の平面形状、軽剥離フィルム1の平面形状、および重剥離フィルムの平面形状を任意に設定できる。そのため、粘着剤層5の外周縁からの軽剥離フィルム1の張り出し量と、粘着剤層5の外周縁からの重剥離フィルム2の張り出し量とが異なる粘着シートが得られる。

0110

[粘着シートの用途]
枚葉にカットされた粘着シートは、カット後すぐに被着体との貼り合わせに用いてもよく、必要に応じて適宜の形態に梱包して輸送し、別の場所で被着体との貼り合わせに用いてもよい。枚葉の粘着シートを輸送する場合は、複数の粘着シートを積み重ねた状態で梱包することが好ましい。輸送効率向上の観点から、粘着シートの積層数10枚以上が好ましく、20枚以上がより好ましく、30枚以上がさらに好ましい。積層枚数の上限は梱包や輸送が可能である限り特に限定されないが、一般には5000枚以下であり、積み重ね状態を安定に保持するためには3000枚以下が好ましく、1000枚以下がより好ましい。

0111

本発明の粘着シートは、重剥離フィルムおよび軽剥離フィルムの少なくとも一方の背面に帯電防止層が設けられているため、粘着シート間に合紙を挟まずに複数枚を積層した場合でも、静電気に起因する粘着シート同士のブロッキングが生じ難い。複数の粘着シートは同一の向きに重ね合わせることが好ましい。例えば、1枚目の粘着シートを重剥離フィルム1側が上面となるように配置する場合は、2枚目以降の粘着シートも重剥離フィルム1側が上面となるように配置することが好ましい。

0112

本発明の粘着シートは、例えば、各種の表示装置やディスプレイ用入力装置の光学粘着剤として好適に用いられる。表示装置としては、液晶表示装置、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置、PDPプラズマディスプレイパネル)、電子ペーパー等が挙げられる。入力装置としては、タッチパネルが挙げられる。

0113

例えば、軽剥離フィルムを剥離後の粘着剤層を第一の被着体としての画像表示パネルの表面に貼り合わせた後、重剥離フィルムを剥離して第二の被着体としてのタッチパネルと貼り合わせることにより、タッチパネル付きの画像表示装置を形成できる。また、本発明の粘着シートは、画像表示パネルとフロントウインドウ(カバーガラス)との貼り合わせ、タッチパネルとフロントウインドウとの貼り合わせ等にも好適に用いられる。

0114

粘着剤層5の両面に離型フィルム1,2が仮着された離型フィルム付き粘着シートの使用に際しては、まず軽剥離フィルム1を剥離して粘着剤層5の第一主面を露出させ、第一の被着体との貼り合わせを行う。

0115

複数の粘着シートが積み重ねられている場合は、軽剥離フィルムを剥離する前に、粘着シートを1枚ずつピックアップする必要がある。本発明の粘着シートは、軽剥離フィルム1および重剥離フィルム2の少なくとも一方の背面に帯電防止層が設けられているため、複数枚を積層した場合でも、静電気に起因する粘着シート同士のブロッキングが生じ難い。そのため、積み重ねられた複数枚の粘着シートから1枚ずつピックアップすることが容易であり、貼り合わせの作業性を向上できる。

0116

粘着剤層5の表面から軽剥離フィルム1を剥離する際の粘着剤層5の表面の剥離帯電圧は、2.0kV以下が好ましく、1.5kV以下がより好ましく、1.2kV以下がさらに好ましく、1.0kV以下が特に好ましい。軽剥離フィルム1および重剥離フィルム2の少なくとも一方の背面に帯電防止層が設けられていることにより、軽剥離フィルム1の剥離時の剥離帯電圧を上記範囲とすることができる。

0117

軽剥離フィルム1に帯電防止層が設けられていない場合でも、粘着剤層5に仮着された重剥離フィルム2の背面に帯電防止層が設けられていれば、軽剥離フィルム1の剥離時の剥離帯電圧を小さくできる。軽剥離フィルム1の剥離時の剥離帯電圧をより小さくするためには、軽剥離フィルム1の背面または離型面の少なくとも一方に帯電防止層が設けられていることが好ましく、軽剥離フィルムの背面に帯電防止層が設けられていることが特に好ましい。

0118

その後、重剥離フィルム2を剥離して粘着剤層5の第二主面を露出させ、第二の被着体との貼り合わせを行う。両面の離型フィルム1,2を剥離した後に第一の被着体および第二の被着体との貼り合わせを行ってもよい。

0119

粘着剤層5の表面から重剥離フィルム2を剥離する際の粘着剤層5の表面の剥離帯電圧は、2.0kV以下が好ましく、1.5kV以下がより好ましく、1.2kV以下がさらに好ましく、1.0kV以下が特に好ましい。重剥離フィルム2の剥離帯電圧を上記範囲とするためには、重剥離フィルムの背面に帯電防止層が設けられていることが好ましい。

0120

重剥離フィルム2を剥離する際の剥離帯電圧が上記範囲であれば、粘着シートへの塵埃の付着や作業性の低下を抑制できることに加えて、被着体への悪影響を防止できる。例えば、粘着剤層5の第一主面に第一の被着体として液晶パネル有機ELパネル等の画像表示パネルが貼り合わせられた状態で粘着剤層5の第二主面から重剥離フィルム2を剥離する際に、剥離帯電に起因するパネルの電気的破壊や欠損等を防止できる。

0121

粘着剤層5の表面の剥離帯電圧は、温度23℃、相対湿度50%の環境において、剥離角度150度、剥離速度10m/分で、粘着剤層5から離型フィルムを剥離した際の、粘着剤層5の表面の帯電量として求められる。重剥離フィルム2の剥離時の剥離帯電圧は、粘着剤層5から軽離型フィルム1を剥離して、粘着剤層5の第一主面をガラス板に貼り合わせた状態で、重剥離フィルムを剥離して測定する。

0122

粘着剤層5が光硬化性を有している場合は、被着体との貼り合わせ後の粘着剤層に光照射を行ってもよい。被着体との貼り合わせ後に粘着剤層を光硬化することにより、被着体との接着信頼性を向上できる場合がある。

0123

以下に粘着シートの実施例および比較例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。

0124

[光硬化性粘着剤組成物の調製]
アクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA):78重量部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP):18重量部、およびアクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEA):4重量部から構成されるモノマー混合物に、光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF製「イルガキュア184」):0.035重量部、および2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(BASF製「イルガキュア651」):0.035重量部を添加した。この組成物に紫外線を照射して、室温における粘度が約20Pa・sとなるまで予備重合を行い、重合率が約8%のプレポリマーを得た。

0125

プレポリマーに、ヘキサンジオールジアクリレート:0.15重量部、シランカップリング剤(信越化学製KBM−403」):0.3重量部、および光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF製「イルガキュア819」):0.15重量部を添加して、紫外線硬化性アクリル系粘着剤組成物を調製した。

0126

[離型フィルム作製用コーティング液の調製]
<重剥離用離型剤溶液
ビニル基含有付加型シリコーンの30%トルエン溶液(信越化学製「KS−847T」)10重量部およびシリコーン硬化白金触媒(信越化学製「CATPL−50T」)1重量部を、体積比1:1のトルエンとヘキサン混合溶媒により、シリコーン濃度が1重量%となるように希釈して、軽剥離離型層形成用溶液を調整した。

0127

<軽剥離用離型剤溶液>
ヘキセニル基含有付加型シリコーン(分子中にヘキセニル基を有するポリオルガノシロキサン、および分子中にヒドロシリル基を有するポリオルガノシロキサン架橋剤を含有する付加型シリコーン系離型剤)の30%トルエン溶液(東レ・ダウコーニング製「LTC761」):30重量部、固形分濃度15%のシリコーンディスパージョン(東レ・ダウコーニング製「BY 24−850」):0.9重量部、およびシリコーン硬化用白金触媒(東レ・ダウコーニング製「SRX 212」):2重量部を、体積比1:1のトルエンとヘキサンの混合溶媒により、シリコーン濃度が1重量%となるように希釈して、重剥離離型層形成用溶液を調製した。

0128

帯電防止コーティング液P>
水溶性ポリエステル樹脂:17重量部とPEDOT/PSS:1重量部とをジメチルスルホキシドと水の混合溶媒(重量比15:85)で希釈した溶液(中京油脂製「S−948」、固形分濃度8重量%)100重量部、および水溶性メチロールメラミンの70重量%水溶液(中京油脂製「P−795」)10重量部を、純水とエキネンF6(日本アルコール販売製)との混合溶液で固形分濃度0.3重量%に希釈して、帯電防止コーティング液Pを調製した。

0129

<帯電防止コーティング液Q>
アクリル系ポリマー(メタクリル酸メチルアクリル酸n−ブチルメタクリル酸シクロヘキシル=67:22:11(重量比)の共重合物)の5%トルエン溶液:50重量部と、シリコーン系レベリング剤(東レ・ダウコーニング製「BY16−201」):25重量部と、PEDT/PSSの4%水溶液:25部と、メラミン系架橋剤:0.1重量部とを、エチレングリコールモノエチルエーテルで固形分濃度0.15重量%に希釈して、帯電防止コーティング液Qを調製した。

0130

[軽剥離フィルムの作製]
<製造例1:帯電防止層なしの軽剥離フィルム>
厚み50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ製「ルミラーS10」)の片面に、上記の軽剥離離型層形成用溶液を、乾燥後の厚みが100nmとなるように塗布し、130℃で3分加熱して、溶媒の乾燥およびシリコーンの硬化を行い、PETフィルムの片面に離型層を備える離型フィルムAを得た。

0131

<製造例2:離型処理面に帯電防止層を有する軽剥離フィルム>
PETフィルムの片面に、上記の帯電防止コーティング溶液Pを乾燥後の厚みが20nmとなるように塗布し、130℃で3分加熱して、PETフィルムの片面に帯電防止層を形成した。帯電防止層上に、製造例1と同様にして、離型層を形成し、PETフィルムの片面に帯電防止層Pおよび離型層を備える離型フィルムBを得た。

0132

<製造例3:両面に帯電防止層を有する軽剥離フィルム>
PETフィルムの両面のそれぞれに、上記の帯電防止コーティング溶液Pを乾燥後の厚みが20nmとなるように塗布し、130℃で3分加熱して、PETフィルムの両面に帯電防止層を形成した。一方の面の帯電防止層上に、製造例1と同様にして、離型層を形成し、PETフィルムの一方の面(離型処理面)に帯電防止層Pおよび離型層を備え、他方の面に帯電防止層Pを備える離型フィルムCを得た。

0133

[重剥離フィルムの作製]
<製造例4:帯電防止層なしの重剥離フィルム>
厚み75μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ製「ルミラーS10」)の片面に、上記の重剥離離型層形成用溶液を、乾燥後の厚みが100nmとなるように塗布し、130℃で3分加熱して、溶媒の乾燥およびシリコーンの硬化を行い、PETフィルムの片面に離型層を備える離型フィルムDを得た。

0134

<製造例5:離型処理面に帯電防止層を有する重剥離フィルム>
PETフィルムの片面に、上記の帯電防止コーティング溶液Pを乾燥後の厚みが20nmとなるように塗布し、130℃で3分加熱して、PETフィルムの片面に帯電防止層を形成した。帯電防止層上に、製造例4と同様にして、離型層を形成し、PETフィルムの片面に帯電防止層Pおよび離型層を備える離型フィルムEを得た。

0135

<製造例6:背面に帯電防止層を有する重剥離フィルム>
PETフィルムの片面に、上記の帯電防止コーティング溶液Pを乾燥後の厚みが20nmとなるように塗布し、130℃で3分加熱して、PETフィルムの片面に帯電防止層を形成した。帯電防止層を設けていない面に、製造例4と同様にして、離型層を形成し、PETフィルムの一方の面に離型層を備え、他方の面に帯電防止層Pを備える離型フィルムFを得た。

0136

<製造例7:両面に帯電防止層を有する重剥離フィルム>
PETフィルムの両面のそれぞれに、上記の帯電防止コーティング溶液Pを乾燥後の厚みが20nmとなるように塗布し、130℃で3分加熱して、PETフィルムの両面に帯電防止層を形成した。一方の面の帯電防止層上に、製造例4と同様にして、離型層を形成し、PETフィルムの一方の面(離型処理面)に帯電防止層Pおよび離型層を備え、他方の面に帯電防止層Pを備える離型フィルムGを得た。

0137

<製造例8:背面に帯電防止層を有する重剥離フィルム>
PETフィルムの片面に、上記の帯電防止コーティング溶液Qを乾燥後の厚みが12nmとなるように塗布し、130℃で2分加熱して、PETフィルムの片面に帯電防止層を形成した。帯電防止層を設けていない面に、製造例4と同様にして、離型層を形成し、PETフィルムの一方の面に離型層を備え、他方の面に帯電防止層Qを備える離型フィルムGを得た。

0138

[粘着シートの作製]
<実施例1>
製造例1で作製した軽剥離フィルムAの離型面に、粘着剤組成物を150μmの厚みで塗布して塗布層を形成し、塗布層の表面に作製例4で作製した重剥離フィルムFの離型面を貼り合わせて積層体を得た。この積層体に、重剥離フィルム側から、照度6.5mW/cm2、積算光量1500mJ/cm2の条件で紫外線照射を行い、粘着剤組成物を光硬化させて、粘着シート(マザー基板)を得た。

0139

この粘着シートの重剥離フィルム側の表面に、キャリアシートとして微粘着フィルムを貼り合わせ、図6A〜Gに示すプロセスに従って積層体を切断した後、軽剥離フィルムAを剥離した。その後、作製例2で作製した軽剥離フィルムBを貼り合わせ、製品サイズへの打ち抜きを行い、粘着剤層の一方の面に軽剥離フィルムBが、他方の面に重剥離フィルムFが、それぞれ粘着剤層の端面よりも外側にはみ出すように貼り合わせられた枚葉の粘着シートを得た。

0140

<実施例2〜4、および比較例1〜3>
塗布層の表面に貼り合わせる重剥離フィルム、および切断後に貼り合わせる軽剥離フィルムの種類を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、枚葉の粘着シートを得た。

0141

[評価]
<離型フィルムの表面抵抗>
温度23℃、相対湿度50%の環境(以下「標準環境」)下にて、抵抗率計(TREK製「Model 152−1」を用い、離型フィルムの離型面および背面のそれぞれに、プローブ(TREK製「Model 152P−2P」)を接触させ、印加電圧10V、電圧印加時間30秒の条件で表面抵抗を測定した。いずれの離型フィルムにおいても、帯電防止層を形成していない面の表面抵抗は、測定上限(1×1013Ω/□)を超えていた。

0142

<離型フィルム背面の動摩擦係数>
表面処理されていない厚み50μmの二軸延伸PETフィルム(70mm×100mm)の片面に、アクリル系粘着剤を介してアクリル板(70mm×100mm)を貼り合わせ、滑り片を作製した。水平な試験台に、両面粘着テープを用いて離型フィルムの離型処理面を貼り合わせ、離型フィルムの背面に滑り片のPETフィルム面が接触するように滑り片を載置し、その上にを載置した。滑り片と錘の合計質量は1.5kgであった。引張試験機を用いて、滑り片の長辺方向と平行な方向に、錘を載置した滑り片を300mm/分の速度で移動させ、JIS K7125に準じて動摩擦係数を算出した。

0143

<軽剥離フィルム剥離時の粘着剤層表面の剥離帯電圧>
予め除電しておいた粘着シートを幅70mm、長さ130mmサイズに切り出し、軽剥離フィルムを長さ方向の端部から30mm剥離して自動巻取機に固定した。標準環境下で、剥離角度150°、剥離速度10m/分の条件で、粘着剤層の表面から軽剥離フィルムを剥離し、粘着剤層表面の電位を、粘着剤層の中央から高さ30mmの位置に固定した静電電位測定器シシド静電気製「STATIRON DZ4」)にて測定した。

0144

<重剥離フィルム剥離時の粘着剤層表面の剥離帯電圧>
予め除電しておいた粘着シートを幅70mm、長さ130mmサイズに切り出し、軽剥離フィルムを剥離した。予め除電しておいた離型フィルムB(片面に帯電防止層および離型層が設けられたPETフィルム)の離型層非形成面に粘着剤層を貼り合わせ、ハンドローラーにて圧着した。粘着剤層の表面から、重剥離フィルムを長さ方向の端部から30mm剥離して自動巻取機に固定した。標準環境下で、粘着剤層の表面から重剥離フィルムを剥離し、軽剥離フィルム剥離時と同様の条件で粘着剤層の表面電位を測定した。

0145

<ピックアップ試験
枚葉の粘着シートを、軽剥離フィルム側の面が下側となるように51枚積み重ねた。積み重ねた粘着シートの上側(重剥離フィルム側の面)に吸盤を押し当てて、粘着シートを吸着させ、最も上に積み重ねられた粘着シートを吸盤で持ち上げてピックアップを行い、最上段に積み重ねられた粘着シート1枚のみをピックアップできるか否かを目視にて確認した。この操作を繰り返し、下記の基準によりピックアップ性を評価した。
◎:上から50枚の粘着シートの全てを1枚ずつピックアップできたもの
〇:1回のみ2枚以上のシートがピックアップされたもの
×:2回以上2枚以上のシートがピックアップされたもの

0146

[評価結果]
実施例および比較例の粘着シートの離型フィルムの構成(重剥離フィルムおよび軽剥離フィルムのそれぞれの面の帯電防止層の種類および表面抵抗、剥離フィルム背面の動摩擦係数)、ならびに剥離帯電圧の測定結果およびピックアップ試験の結果を表1に示す。

0147

0148

軽剥離フィルムとして離型層形成面側に帯電防止層を備える離型フィルムBを用いた比較例1では、いずれの離型フィルムの剥離時においても剥離帯電圧が5kV以上であった。重剥離フィルムとして離型層形成面側に帯電防止層を備える離型フィルムEを用いた比較例2では、比較例1に比べて離型フィルム剥離時の剥離帯電圧がわずかに小さくなっていた。軽剥離フィルムおよび重剥離フィルムの両方に、離型層形成面に帯電防止層を備える離型フィルムを用いた比較例3では、比較例1,2に比べて、離型フィルム剥離時の剥離帯電圧が低下するどころかむしろ増大する結果となった。比較例1〜3では、ピックアップ試験において2枚以上の粘着シートがピックアップされることが2回以上あった。

0149

軽剥離フィルムとして離型層形成面側に帯電防止層を備える離型フィルムBを用い、重剥離フィルムとして背面に帯電防止層を備える離型フィルムFを用いた実施例1では、いずれの離型フィルムの剥離時にも剥離帯電圧が1kV未満であり、比較例1〜3に対して剥離帯電圧が大幅に低減されていた。軽剥離フィルムおよび重剥離フィルムの両方に、背面に帯電防止層を備える離型フィルムを用いた実施例2,3においても、実施例1と同様の剥離帯電圧低減効果が見られた。また、実施例1〜3では、ピックアップ試験において50枚の粘着シートの全てを1枚ずつ順次ピックアップすることが可能であり、工程作業性に優れていた。

0150

重剥離フィルムとして、帯電防止層Qを背面に形成した離型フィルムHを用いた実施例4においても、比較例1〜3に比べて剥離帯電圧が小さくなっていた。実施例4では、軽剥離フィルムには帯電防止層が形成されていないが、比較例1〜3に比べて、重剥離フィルム剥離時の剥離帯電圧が小さいことに加えて、軽剥離フィルム剥離時の剥離帯電圧も小さくなっていた。これらの結果から、軽剥離フィルムに帯電防止層が形成されていない場合でも、軽剥離フィルムの剥離時に粘着剤層に付設されている重剥離フィルムの背面に帯電防止層が設けられていれば、軽剥離フィルム剥離時の剥離帯電を抑制できることが分かる。

0151

実施例4では、重離型フィルムの背面に設けられた帯電防止層Qが、実施例1〜3の重剥離フィルムの背面に設けられた帯電防止層Pに比べて、導電性が低く動摩擦係数が大きい(滑り性が低い)ため、実施例1〜3に比べると、ピックアップ性が劣っていたが、比較例1〜3に比べると優れたピックアップ性を有していた。

実施例

0152

実施例1〜4と比較例1〜3の結果の対比から、粘着剤層両面に仮着される離型フィルムの少なくとも一方が背面に帯電防止層を有することにより、離型フィルムを剥離する際の剥離帯電圧を低減できるとともに、粘着シートを重ねた際のブロッキングが抑制され、作業性を向上できることが分かる。

0153

1,2,9離型フィルム
10,20フィルム基材
11,21離型層
31,32,33帯電防止層
5粘着剤層
100,102,103 粘着シート

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