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技術 熱硬化性組成物

出願人 株式会社ダイセルポリプラスチックス株式会社
発明者 伊藤大祐清水邦雄吉田司竹内諒田口吉昭
出願日 2018年2月6日 (2年4ヶ月経過) 出願番号 2018-019124
公開日 2019年8月22日 (10ヶ月経過) 公開番号 2019-137713
状態 未査定
技術分野 付加系(共)重合体、後処理、化学変成 塗料、除去剤
主要キーワード 撹拌分散機 熱硬化性ポリエステル カルボジイミド系縮合剤 プロパルギルエーテル基 溶解作業 クロル化反応 電気絶縁材 半導体用封止剤
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年8月22日)のものです。
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課題

溶剤中に熱硬化性化合物が溶解して、均一な液相を呈する組成物であって、加熱処理を施すことにより速やかに硬化して超耐熱性を有する硬化物を形成することができる熱硬化性組成物を提供する。

解決手段

本発明の熱硬化性組成物は、溶剤中に下記式(1)で表される熱硬化性化合物が溶解してなる。式(1)中、R1、R2は熱硬化性基を示し、D1、D2は、同一又は異なって、単結合又は連結基を示す。Ar1、Ar2、Ar3は、同一又は異なって、2価の芳香族炭化水素基、又は2個以上の芳香族炭化水素が単結合、2価の脂肪族炭化水素基、若しくは2価の脂環式炭化水素基を介して結合した2価の基を示し、Eはエステル結合を示す。

化1】

概要

背景

近年、半導体回路基板分野の技術発展に伴い超耐熱性を有する、すなわち、熱分解温度が高く、250℃以上の高温環境下でも高硬度を保持する硬化物を形成することができる熱硬化性組成物が求められている。

特許文献1〜3には、液晶オリゴマー末端に、熱硬化性基としてのフェニルエチニル基フェニルマレイミド−N−イル基、又はナジイミド−N−イル基を有する熱硬化性化合物を含む組成物は、耐熱性に優れた硬化物を形成することができ、コーティング剤として使用できることが記載されている。

しかし、前記熱硬化性組成物を硬化させるためには350℃以上の高温長時間加熱する必要があり、例えばコーティング剤(若しくは、ワニス)として使用する場合、硬化時の高温加熱により被塗布体劣化してしまうことが問題であった。また、硬化時の高温加熱により前記熱硬化性組成物の硬化物自体も分解する恐れがあった。

一方、特許文献4には、分子鎖末端ヒドロキシル基及び/又はアシルオキシ基を有する液晶ポリエステルと、ヒドロキシル基及び/又はアシルオキシ基と反応する官能基並びに熱硬化性基を有する化合物とを溶融混合して得られる熱硬化性ポリエステル組成物は、250℃以下の温度で熱硬化して、耐熱性に優れた硬化物が得られることが記載されている。

概要

溶剤中に熱硬化性化合物が溶解して、均一な液相を呈する組成物であって、加熱処理を施すことにより速やかに硬化して超耐熱性を有する硬化物を形成することができる熱硬化性組成物を提供する。本発明の熱硬化性組成物は、溶剤中に下記式(1)で表される熱硬化性化合物が溶解してなる。式(1)中、R1、R2は熱硬化性基を示し、D1、D2は、同一又は異なって、単結合又は連結基を示す。Ar1、Ar2、Ar3は、同一又は異なって、2価の芳香族炭化水素基、又は2個以上の芳香族炭化水素が単結合、2価の脂肪族炭化水素基、若しくは2価の脂環式炭化水素基を介して結合した2価の基を示し、Eはエステル結合を示す。なし

目的

本発明の目的は、溶剤中に熱硬化性化合物が溶解して、均一な液相を呈する組成物であって、加熱処理を施すことにより速やかに硬化して超耐熱性を有する硬化物を形成することができる熱硬化性組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

溶剤中に下記式(1)で表される熱硬化性化合物が溶解してなる熱硬化性組成物。(式中、R1、R2は熱硬化性基を示し、D1、D2は、同一又は異なって、単結合又は連結基を示す。Ar1、Ar2、Ar3は、同一又は異なって、2価の芳香族炭化水素基、又は2個以上の芳香族炭化水素が単結合、2価の脂肪族炭化水素基、若しくは2価の脂環式炭化水素基を介して結合した2価の基を示し、Eはエステル結合[−(C=O)O−又は−O(C=O)−]を示す)

請求項2

溶剤が、常圧下における沸点が150℃以上の溶剤である、請求項1に記載の熱硬化性組成物。

請求項3

溶剤が、N−メチル−2−ピロリドンジメチルスルホキシドジメチルアセトアミド、及びN,N−ジメチルホルムアミドから選択される少なくとも1種の溶剤である、請求項1に記載の熱硬化性組成物。

請求項4

水含有量が5000ppm未満である、請求項1〜3の何れか1項に記載の熱硬化性組成物。

請求項5

コーティング剤である、請求項1〜4の何れか1項に記載の熱硬化性組成物。

請求項6

請求項1〜5の何れか1項に記載の熱硬化性組成物の固化物からなる塗膜

請求項7

請求項6に記載の塗膜の硬化物

請求項8

下記式(1)で表される熱硬化性化合物と溶剤とを混合して、溶剤中に下記式(1)で表される熱硬化性化合物が溶解してなる熱硬化性組成物を得る、熱硬化性組成物の製造方法。(式中、R1、R2は熱硬化性基を示し、D1、D2は、同一又は異なって、単結合又は連結基を示す。Ar1、Ar2、Ar3は、同一又は異なって、2価の芳香族炭化水素基、又は2個以上の芳香族炭化水素が単結合、2価の脂肪族炭化水素基、若しくは2価の脂環式炭化水素基を介して結合した2価の基を示し、Eはエステル結合[−(C=O)O−又は−O(C=O)−]を示す)

技術分野

0001

本発明は、熱硬化性組成物及びその硬化物に関する。

背景技術

0002

近年、半導体回路基板分野の技術発展に伴い超耐熱性を有する、すなわち、熱分解温度が高く、250℃以上の高温環境下でも高硬度を保持する硬化物を形成することができる熱硬化性組成物が求められている。

0003

特許文献1〜3には、液晶オリゴマー末端に、熱硬化性基としてのフェニルエチニル基フェニルマレイミド−N−イル基、又はナジイミド−N−イル基を有する熱硬化性化合物を含む組成物は、耐熱性に優れた硬化物を形成することができ、コーティング剤として使用できることが記載されている。

0004

しかし、前記熱硬化性組成物を硬化させるためには350℃以上の高温長時間加熱する必要があり、例えばコーティング剤(若しくは、ワニス)として使用する場合、硬化時の高温加熱により被塗布体劣化してしまうことが問題であった。また、硬化時の高温加熱により前記熱硬化性組成物の硬化物自体も分解する恐れがあった。

0005

一方、特許文献4には、分子鎖末端ヒドロキシル基及び/又はアシルオキシ基を有する液晶ポリエステルと、ヒドロキシル基及び/又はアシルオキシ基と反応する官能基並びに熱硬化性基を有する化合物とを溶融混合して得られる熱硬化性ポリエステル組成物は、250℃以下の温度で熱硬化して、耐熱性に優れた硬化物が得られることが記載されている。

先行技術

0006

特表2004−509190号公報
米国特許第6939940号明細書
米国特許第7507784号明細書
国際公開第2014/050850号

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、前記熱硬化性ポリエステル組成物は溶剤溶解性が不良であり、溶剤を添加しても不溶物或いは析出物が生じるためコーティング剤(若しくは、ワニス)として使用することは困難であった。また、硬化性が悪く、熱硬化に長時間(例えば、6時間程度)を要するため作業性が悪く、短時間で硬化させる目的で300℃以上の高温で加熱すると、分解しやすかった。

0008

従って、本発明の目的は、溶剤中に熱硬化性化合物が溶解して、均一な液相を呈する組成物であって、加熱処理を施すことにより速やかに硬化して超耐熱性を有する硬化物を形成することができる熱硬化性組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、加熱処理を施すことにより速やかに硬化して超耐熱性を有する硬化膜を形成することができる塗膜を提供することにある。
本発明の他の目的は、超耐熱性を有する硬化物を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記熱硬化性組成物の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、下記式(1)で表される化合物は良好な溶剤溶解性を示すこと、加熱処理を施すことにより速やかに硬化して、超耐熱性を有する硬化物を形成することを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。

0010

すなわち、本発明は、溶剤中に下記式(1)で表される熱硬化性化合物が溶解してなる熱硬化性組成物を提供する。



(式中、R1、R2は熱硬化性基を示し、D1、D2は、同一又は異なって、単結合又は連結基を示す。Ar1、Ar2、Ar3は、同一又は異なって、2価の芳香族炭化水素基、又は2個以上の芳香族炭化水素が単結合、2価の脂肪族炭化水素基、若しくは2価の脂環式炭化水素基を介して結合した2価の基を示し、Eはエステル結合[−(C=O)O−又は−O(C=O)−]を示す)

0011

本発明は、また、溶剤が、常圧下における沸点が150℃以上の溶剤である前記熱硬化性組成物を提供する。

0012

本発明は、また、溶剤が、N−メチル−2−ピロリドンジメチルスルホキシドジメチルアセトアミド、及びN,N−ジメチルホルムアミドから選択される少なくとも1種の溶剤である前記熱硬化性組成物を提供する。

0013

本発明は、また、水含有量が5000ppm未満である前記熱硬化性組成物を提供する。

0014

本発明は、また、コーティング剤である前記熱硬化性組成物を提供する。

0015

本発明は、また、前記熱硬化性組成物の固化物からなる塗膜を提供する。

0016

本発明は、また、前記塗膜の硬化物を提供する。

0017

本発明は、また、下記式(1)で表される熱硬化性化合物と溶剤とを混合して、溶剤中に下記式(1)で表される熱硬化性化合物が溶解してなる熱硬化性組成物を得る熱硬化性組成物の製造方法を提供する。



(式中、R1、R2は熱硬化性基を示し、D1、D2は、同一又は異なって、単結合又は連結基を示す。Ar1、Ar2、Ar3は、同一又は異なって、2価の芳香族炭化水素基、又は2個以上の芳香族炭化水素が単結合、2価の脂肪族炭化水素基、若しくは2価の脂環式炭化水素基を介して結合した2価の基を示し、Eはエステル結合[−(C=O)O−又は−O(C=O)−]を示す)

発明の効果

0018

本発明の熱硬化性組成物は、熱硬化性化合物が溶剤中に溶解して均一な液相を呈し、不溶物や析出物を有さない。また、本発明の熱硬化性組成物は、高温で加熱しても分解することがなく、例えば溶剤を揮発させた後、高温で加熱処理を施すことにより速硬化して、超耐熱性を有する硬化物を形成することができる。そのため、本発明の熱硬化性組成物はコーティング剤等として好適に使用することができる。

0019

[熱硬化性組成物]
本発明の熱硬化性組成物は、溶剤中に式(1)で表される熱硬化性化合物が溶解してなる。本発明の熱硬化性組成物は、熱硬化性化合物と溶剤を、それぞれ1種を単独で含有していても良く、2種以上を組み合わせて含有していても良い。

0020

(熱硬化性化合物)
本発明における熱硬化性化合物は、下記式(1)で表される。

0021

式(1)中、R1、R2は熱硬化性基を示し、D1、D2は、同一又は異なって、単結合又は連結基を示す。Ar1、Ar2、Ar3は、同一又は異なって、2価の芳香族炭化水素基、又は2個以上の芳香族炭化水素が単結合、2価の脂肪族炭化水素基、若しくは2価の脂環式炭化水素基を介して結合した2価の基を示し、Eはエステル結合[−(C=O)O−又は−O(C=O)−]を示す。

0022

前記Ar1、Ar2、Ar3における2価の芳香族炭化水素基は、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼンナフタレンアントラセンフェナントレン等の炭素数6〜14の芳香族炭化水素)の構造式から2個の水素原子を除いた基である。

0023

前記2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、及び炭素数2〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニレン基等が挙げられる。炭素数1〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基プロピレン基トリメチレン基等が挙げられる。炭素数2〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニレン基としては、例えば、ビニレン基、1−メチルビニレン基、プロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基等が挙げられる。

0024

前記2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、炭素数3〜18の2価の脂環式炭化水素基等を挙げることができ、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基等のシクロアルキレン基シクロアルキリデン基を含む)等が挙げられる。

0025

前記Ar1、Ar2、Ar3としては、同一又は異なって、下記式(a1)〜(a4)で表される基から選択される基が好ましい。尚、下記式中の結合手の付き位置は、特に制限されない。

0026

前記R1、R2における熱硬化性基としては、例えば、フェニルエチニル基、スチリル基マレイミド基、ナジイミド基、ビフェニレン基エチニル基イソシアネート基シアネート基ニトリル基フタロニトリル基、シクロベンゾブテン基、ベンゾオキサジン基、オキセタン基、及びビニル基等が挙げられる。また、前記R1、R2は、それぞれ同じ基を示していてもよく、異なる基を示していてもよい。

0027

前記R1、R2における熱硬化性基としては、なかでもサーモトロピック液晶性を有し、耐熱性に特に優れた硬化物が得られる点で、フェニルエチニル基、スチリル基、マレイミド基、ナジイミド基、ビフェニレン基、フタロニトリル基、シクロベンゾブテン基、及びベンゾオキサジン基からなる群より選択される基が好ましい。

0028

前記D1、D2における連結基としては、例えば、2価の炭化水素基、2価の複素環式基カルボニル基エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合アミド結合イミド結合、及びこれらが複数個連結した基等が挙げられる。

0029

前記2価の炭化水素基には、2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、及び2価の芳香族炭化水素基が含まれ、それぞれ上記と同様の例が挙げられる。

0030

前記2価の複素環式基を構成する複素環には、芳香族性複素環及び非芳香族性複素環が含まれる。このような複素環としては、環を構成する原子炭素原子と少なくとも1種のヘテロ原子(例えば、酸素原子イオウ原子窒素原子等)を有する3〜10員環(好ましくは4〜6員環)、及びこれらの縮合環が挙げられる。具体的には、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環(例えば、オキシラン環等の3員環;オキセタン環等の4員環;フラン環テトラヒドロフラン環オキサゾール環、イソオキサゾール環、γ−ブチロラクトン環等の5員環;4−オキソ−4H−ピラン環、テトラヒドロピラン環モルホリン環等の6員環;ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、4−オキソ−4H−クロメン環、クロマン環、イソクロマン環等の縮合環;3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン環、3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン環等の橋かけ環)、ヘテロ原子としてイオウ原子を含む複素環(例えば、チオフェン環チアゾール環イソチアゾール環、チアジアゾール環等の5員環;4−オキソ−4H−チオピラン環等の6員環;ベンゾチオフェン環等の縮合環等)、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環(例えば、ピロール環ピロリジン環ピラゾール環、イミダゾール環トリアゾール環等の5員環;イソシアヌル環ピリジン環ピリダジン環、ピリミジン環ピラジン環ピペリジン環ピペラジン環等の6員環;インドール環インドリン環キノリン環アクリジン環、ナフチリジン環、キナゾリン環、プリン環等の縮合環等)等が挙げられる。2価の複素環式基は上記複素環の構造式から2個の水素原子を除いた基が挙げられる。

0031

前記D1、D2としては、なかでも単結合又は、2価の炭化水素基(好ましくは2価の芳香族炭化水素基、特に好ましくは炭素数6〜14の2価の芳香族炭化水素基、最も好ましくは上記式(a1)〜(a4)で表される基から選択される基)が、特に優れた耐熱性を有する硬化物が得られる点で好ましい。

0032

従って、式(1)中のR1−D1基、及びR2−D2基としては、同一又は異なって、ナジイミド基、ビフェニレン基、エチニル基、イソシアネート基、シアネート基、ニトリル基、フタロニトリル基、シクロベンゾブテン基、ベンゾオキサジン基、オキセタン基、ビニル基、メチルマレイミド基、シンナモイル基プロパルギルエーテル基、及び下記式(r-1)〜(r-12)で表される基から選択される基が好ましく、特に下記式(r-1)〜(r-12)で表される基から選択される基が好ましい。

0033

前記式(1)で表される熱硬化性化合物が有する芳香族炭化水素環には1種又は2種以上の置換基が結合していてもよく、置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、及びハロゲン原子等が挙げられる。

0034

前記炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基エチル基プロピル基イソプロピル基ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基ヘキシル基等の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が挙げられる。

0035

前記炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基ナフチル基等が挙げられる。

0036

前記炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基エトキシ基ブトキシ基、t−ブチルオキシ基等の直鎖状又は分岐鎖状アルコキシ基が挙げられる。

0037

前記炭素数6〜10のアリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。

0038

上記式(1)で表される熱硬化性化合物の分子量は748以上である。そのため、熱硬化により得られる硬化物は、超耐熱性を有する。一方、分子量が上記範囲を下回ると、超耐熱性を有する硬化物が得られにくくなる傾向がある。尚、熱硬化性化合物の分子量は、例えば、GPC測定、HPLC測定NMR測定等により求めることができる。

0039

上記式(1)で表される熱硬化性化合物の分子量の上限は、例えば1300、好ましくは1200、特に好ましくは1000、最も好ましくは900である。分子量が1300以下であると、比較的低い温度で溶融する点、溶剤に対して特に優れた溶解性を示す点、及び速硬化性を有する点で好ましい。

0040

上記式(1)で表される熱硬化性化合物の融点(Tm)は、例えば350℃以下(例えば100〜350℃、好ましくは100〜300℃、特に好ましくは120〜290℃、最も好ましくは150〜280℃)である。そのため、比較的低い温度で溶融することができ、本発明の熱硬化性組成物をコーティング剤として使用する場合は、被塗布体の表面に、被塗布体が熱により劣化するのを抑制しつつ、塗膜を形成することができる。尚、融点は、例えば、DSC、TGA等の熱分析動的粘弾性測定により測定できる。

0041

上記式(1)で表される熱硬化性化合物のうち、R1−D1基及びR2−D2基が上記式(r-2)で表される基である化合物は、例えば、下記工程[1]、[2]を経て製造することができる。また、上記式(1)で表される熱硬化性化合物のうち、R1−D1基、及びR2−D2基が上記式(r-2)で表される基以外の基である化合物は、下記製造方法に準じた方法で製造することができる。
工程[1]:反応基質として、芳香族ジオール芳香族ジカルボン酸芳香族ヒドロキシカルボン酸を1分子ずつ反応(エステル化反応)、若しくは、芳香族ジオールと芳香族ジカルボン酸と芳香族ヒドロキシカルボン酸から選択される1種(1分子)に前記から選択される他の1種(2分子)を反応(エステル化反応)させることにより、両末端にヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有するカルボン酸エステル(3量体)を得る
工程[2]:両末端にヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有するカルボン酸エステル(3量体)に、ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基と反応する官能基を有するN−フェニルマレインイミドを反応(エステル化反応)させることにより、式(1)で表される熱硬化性化合物を得る

0042

上記式(1)で表される熱硬化性化合物のうち、R1−D1基及びR2−D2基が上記式(r-2)で表される基である化合物の製造方法の1例を以下に示す。下記式中、Ar1、Ar2は上記に同じ。これらは同一であってもよく、異なっていてもよい。

0043

前記芳香族ジオールとしては、例えば、ハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニルレゾルシノール、2,6−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジオール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルビス(4−ヒドロキシフェニルメタノンビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、(1,1’−ビフェニル)−2,5−ジオール、及びこれらの誘導体などが挙げられる。上記誘導体としては、例えば、上記芳香族ジオールの芳香族炭化水素基に置換基が結合した化合物などが挙げられる。前記置換基としては、上記芳香族炭化水素環が有していてもよい置換基と同様の例が挙げられる。

0044

前記芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸テレフタル酸イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−二安息香酸、4,4'−オキシビス安息香酸、4,4'−チオ二安息香酸、4−[2−(4−カルボキシフェノキシエトキシ]安息香酸、及びこれらの誘導体などが挙げられる。上記誘導体としては、例えば、上記芳香族ジカルボン酸の芳香族炭化水素基に置換基が結合した化合物等が挙げられる。前記置換基としては、上記芳香族炭化水素環が有していてもよい置換基と同様の例が挙げられる。

0045

前記芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、5−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、4'−ヒドロキシ(1,1'−ビフェニル)−4−カルボン酸、及びこれらの誘導体などが挙げられる。上記誘導体としては、例えば、上記芳香族ヒドロキシカルボン酸の芳香族炭化水素基に置換基が結合した化合物等が挙げられる。前記置換基としては、上記芳香族炭化水素環が有していてもよい置換基と同様の例が挙げられる。

0046

前記ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基と反応する官能基を有するN−フェニルマレインイミドにおける、ヒドロキシル基と反応する官能基としてはカルボキシル基が好ましく、カルボキシル基と反応する官能基としてはヒドロキシル基が好ましい。従って、ヒドロキシル基と反応する官能基を有するN−フェニルマレインイミドとしてはN−(4−カルボキシフェニル)マレインイミドが好ましく、カルボキシル基と反応する官能基を有するN−フェニルマレインイミドとしてはN−(4−ヒドロキシフェニル)マレインイミドが好ましい。

0047

上記工程[1][2]におけるエステル化反応は、例えば、(i)触媒の存在下で行う方法、(ii)縮合剤の存在下で行う方法、又は(iii)カルボキシル基をハロゲン化してからエステル化反応に付す方法により行うことができる。

0048

(i)における触媒としては、プロトン酸ルイス酸の何れも使用できる。プロトン酸としては、例えば、超強酸(SbF5、SbF5−HF、SbF5−FSO3H、SbF5−CF3SO3Hなど)、硫酸塩酸リン酸、フッ化ホウ素酸p−トルエンスルホン酸クロロ酢酸ピクリン酸ヘテロポリ酸等の有機酸及び無機酸が挙げられる。また、ルイス酸としては、例えば、B(OH)3、BF3、BF3O(C2H5)2、AlCl3、FeCl3等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。

0049

触媒の使用量(2種以上使用する場合はその総量)は、反応基質の合計量(モル)に対して、例えば1.0〜50.0モル%である。

0050

(ii)における縮合剤としては、例えば、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド、1−[3−(ジメチルアミノプロピル]−3−エチルカルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N’−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド−p−トルエンスルホン酸塩等のカルボジイミド系縮合剤;N,N’−カルボニルジイミダゾール等のイミダゾール系縮合剤;4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウム=クロリド・n水和物、トリフルオロメタンスルホン酸(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)・(2−オクトキシ−2−オキソエチル)ジメチルアンモニウム等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。

0051

縮合剤の使用量(2種以上使用する場合はその総量)は、反応基質の合計量(モル)に対して、例えば100〜300モル%である。

0052

(iii)において、カルボキシル基をハロゲン化する際に使用するハロゲン化剤としては、例えば、塩化チオニル塩化オキサリル五塩化リン三塩化リン臭化チオニル三臭化リン等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。

0053

ハロゲン化剤の使用量は、カルボキシル基1モルに対して、例えば1.0〜3.0モルである。

0054

(iii)においては、エステル化反応の進行に伴いハロゲン化水素が生成するため、生成したハロゲン化水素をトラップする塩基の存在下で反応を行うことが、エステル化反応の進行を促進する効果が得られる点で好ましい。前記塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化カルシウム炭酸ナトリウム炭酸カリウム炭酸水素ナトリウム等の無機塩基ピリジントリエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。

0055

前記塩基の使用量は、カルボン酸のハロゲン化物におけるハロゲン化アシル基1モルに対して、例えば1.0〜3.0モル程度である。

0056

また、上記工程[1]、[2]におけるエステル化反応は溶媒の存在下で行うことができる。前記溶媒としては、例えば、アセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンアセトニルアセトン、シクロヘキサノンイソホロン2−ヘプタノン3−ヘプタノン等のケトン類;ベンゼン、トルエンキシレン等の芳香族炭化水素類ジクロロメタンクロロホルム、1,2−ジクロロエタンジクロロベンゼンベンゾトリフルオライド等のハロゲン化炭化水素類;アセトニトリルベンゾニトリル等のニトリル類等が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。

0057

前記溶媒の使用量としては、反応基質の合計(重量)に対して、例えば5〜20重量倍程度である。溶媒の使用量が上記範囲を上回ると反応成分の濃度が低くなり、反応速度が低下する傾向がある。

0058

エステル化反応の反応雰囲気としては反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気窒素雰囲気アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。

0059

上記工程[1]、[2]におけるエステル化反応の反応温度は、例えば0.0〜200.0℃程度である。反応時間は、例えば0.5〜3時間程度である。また、エステル化反応はバッチ式セミバッチ式、連続式等の何れの方法でも行うことができる。

0060

上記工程[1]、[2]におけるエステル化反応終了後、得られた反応生成物は、例えば、濾過濃縮蒸留、抽出、晶析吸着再結晶カラムクロマトグラフィー等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。

0061

(溶剤)
前記溶剤としては、常圧下における沸点が、例えば150℃以上(好ましくは165℃以上、特に好ましくは180℃以上、最も好ましくは200℃以上)の溶剤を使用することが溶解作業が容易である点で好ましい。

0062

前記溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、及びこれらの混合物等が挙げられる。

0063

本発明においては、なかでも、式(1)で表される熱硬化性化合物の溶解性に特に優れる点で、N−メチル−2−ピロリドンを少なくとも含む溶剤を使用することが好ましく、N−メチル−2−ピロリドンの含有量は、溶剤全量の60重量%以上が好ましく、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上、とりわけ好ましくは95重量%以上である。

0064

(熱硬化性組成物の製造方法)
本発明の熱硬化性組成物の製造方法は、上記式(1)で表される熱硬化性化合物の1種又は2種以上と溶剤の1種又は2種以上とを混合することにより、前記溶剤中に前記式(1)で表される熱硬化性化合物が溶解してなる熱硬化性組成物を得ることを特徴とする。

0065

前記熱硬化性化合物と溶剤との混合は、溶融させた熱硬化性化合物中に溶剤を連続的若しくは間欠的に添加して混合する、若しくは、溶剤中に溶融させた熱硬化性化合物を連続的若しくは間欠的に添加して混合することにより行うことができる。

0066

前記熱硬化性化合物と溶剤との混合時の温度は、例えば120℃以上、好ましくは130℃以上、特に好ましくは140℃以上である。尚、混合時温度の上限は、例えば180℃、好ましくは150℃である。また、混合時間は、例えば5分以上、好ましくは10分以上、特に好ましくは30分以上、最も好ましくは40分以上である。尚、混合時間の上限は、例えば120分、好ましくは60分である。

0067

また、熱硬化性化合物と溶剤とを混合する際には、例えば、タービンステータ高速回転式撹拌分散機(例えば、ホモジナイザイザーなど)、コロイドミル、超音波乳化機高圧ホモジナイザー等の慣用分散機を用いて撹拌することが好ましい。

0068

式(1)で表される熱硬化性化合物と溶剤の合計含有量における、式(1)で表される熱硬化性化合物の含有量の占める割合は、例えば1〜10重量%、好ましくは3〜7重量%である。

0069

また、本発明の熱硬化性組成物全量における式(1)で表される熱硬化性化合物と溶剤の合計含有量は、例えば30重量%以上、好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上、最も好ましくは90重量%以上である。尚、上限は100重量%である。

0070

本発明の熱硬化性組成物は上記成分以外にも、必要に応じて他の成分を添加しても良い。他の成分としては公知乃至慣用の添加剤を使用することができ、例えば、上記式(1)で表される化合物以外の硬化性化合物、触媒、フィラー有機樹脂シリコーン樹脂エポキシ樹脂フッ素樹脂など)、溶剤、安定化剤酸化防止剤重合禁止剤紫外線吸収剤、耐光安定剤熱安定化剤など)、難燃剤リン系難燃剤ハロゲン系難燃剤無機系難燃剤など)、難燃助剤補強材核剤カップリング剤滑剤ワックス可塑剤離型剤耐衝撃性改良剤色相改良剤流動性改良剤着色剤染料顔料など)、分散剤消泡剤脱泡剤抗菌剤防腐剤粘度調整剤増粘剤等が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。

0071

本発明の熱硬化性組成物は硬化性化合物として、上記式(1)で表される熱硬化性化合物以外の硬化性化合物を含有していても良いが、熱硬化性組成物に含まれる全硬化性化合物における上記式(1)で表される熱硬化性化合物の占める割合は、例えば70重量%以上、好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。

0072

本発明の熱硬化性組成物は水含有量(若しくは、水分含有量)が少ないことが、式(1)で表される熱硬化性化合物の溶解性に優れる点で好ましく、水含有量は例えば5000ppm未満であることが好ましく、より好ましくは4000ppm以下、特に好ましくは3000ppm以下、最も好ましくは1000ppm以下である。

0073

また、本発明の熱硬化性組成物は酸化防止剤の含有量が少ないことが、式(1)で表される熱硬化性化合物の溶解性に優れる点で好ましく、酸化防止剤の含有量は熱硬化性化合物の、例えば5重量%以下であることが好ましく、より好ましくは3重量%以下、特に好ましくは1重量%以下、最も好ましくは0.5重量%以下である。

0074

更に、本発明の熱硬化性組成物は重合禁止剤の含有量が少ないことが、式(1)で表される熱硬化性化合物の溶解性に優れる点で好ましく、重合禁止剤の含有量は熱硬化性化合物の、例えば5重量%以下であることが好ましく、より好ましくは3重量%以下、特に好ましくは1重量%以下、最も好ましくは0.5重量%以下である。

0075

更にまた、本発明の熱硬化性組成物は架橋剤や硬化促進剤を含有せずとも(例えば、本発明の熱硬化性組成物全量における架橋剤及び硬化促進剤の合計含有量が、例えば3重量%以下、好ましくは1重量%未満であっても)速やかに硬化物を形成することができる。そのため、得られる硬化物は5%重量減少温度(Td5)が高く、超耐熱性を有する。また、硬化物中において、未反応の硬化促進剤や、硬化促進剤の分解物の含有量を極めて低く抑制することができるため、これらに由来するアウトガスの発生を抑制することもできる。

0076

本発明の熱硬化性組成物は上記熱硬化性化合物を含有するため、加熱処理を施すことにより速やかに硬化して、超耐熱性を有する硬化物を形成することができる。

0077

本発明の熱硬化性組成物の、昇温速度10℃/分(窒素中)で測定される5%重量減少温度(Td5)は、例えば400℃以上である。尚、本明細書における5%重量減少温度は、例えば、TG/DTA(示差熱・熱重量同時測定)により測定できる。

0078

また、式(1)で表される熱硬化性化合物の発熱ピーク温度は、例えば200〜350℃(好ましくは250〜340℃、特に好ましくは280〜330℃)である。尚、発熱ピーク温度は、例えば、DSCの熱分析により測定できる。

0079

そのため、式(1)で表される熱硬化性化合物を含む本発明の熱硬化性組成物は、例えば200〜350℃(好ましくは250〜340℃、特に好ましくは280〜330℃)の温度で、例えば10〜120分間(好ましくは10〜60分間、特に好ましくは10〜30分間)加熱することにより、速やかに硬化して、超耐熱性を有する硬化物を形成することができる。尚、加熱は、上記温度範囲内において、温度を一定に保持した状態で行ってもよく、段階的に変更させて行ってもよい。加熱温度は、加熱時間に応じて上記範囲の中で適宜調整することが好ましく、例えば、加熱時間の短縮を所望する場合は加熱温度を高めに設定することが好ましい。本発明における熱硬化性組成物は、高温で加熱しても分解することなく硬化物を形成することができ、高温で短時間加熱することにより優れた作業性で硬化物を形成することができる。尚、加熱手段は特に制限されることがなく、公知乃至慣用の手段を利用することができる。

0080

本発明の熱硬化性組成物の硬化は、常圧下で行うこともできるし、減圧下又は加圧下で行うこともできる。

0081

本発明の熱硬化性組成物の硬化物は超耐熱性を有し、5%重量減少温度(Td5)は、例えば400℃以上である。

0082

また、本発明の熱硬化性組成物の硬化物は超耐熱性を有し、ガラス転移温度(Tg)は、例えば300℃以上、好ましくは350℃以上、特に好ましくは400℃以上である。

0083

更に、本発明の熱硬化性組成物の硬化物は高温環境下においても高硬度を有し、250℃における貯蔵弾性率(E’)は例えば1GPa以上(例えば1〜2GPa)、好ましくは1.1GPa以上、特に好ましくは1.15GPa以上である。

0084

本発明の熱硬化性組成物は、加熱処理を施すことにより速やかに硬化して超耐熱性を有する硬化物を形成することができる。そのため、例えば、封止剤、コーティング剤、接着剤インクシーラントレジスト形成材[例えば、基材電気絶縁材絶縁膜等)、積層板複合材料繊維強化プラスチックプリプレグ等)、光学素子レンズ等)、光造形電子ペーパータッチパネル太陽電池基板光導波路導光板ホログラフィックメモリ等の形成材]等に好ましく使用することができ、特に、コーティング剤に好ましく使用できる。

0085

(塗膜)
本発明の塗膜は、上記熱硬化性組成物の固化物からなる。上記熱硬化性組成物は溶剤中に熱硬化性化合物が溶解して均一な液相を呈するため、本発明の塗膜は平滑な塗面と均一な膜厚とを有する。

0086

本発明の塗膜は、例えば上記熱硬化性組成物を基材等の塗膜の形成が求められる部材の表面に塗布し、塗布された熱硬化性組成物を乾燥させる(=溶剤を蒸発させる)ことによって前記熱硬化性組成物を固化させて形成することができる。

0087

塗膜の厚みは用途に応じて適宜調整することができる。

0088

本発明の塗膜は、上述の熱硬化性組成物と同様の方法で硬化させることができ、塗膜の硬化物(すなわち、硬化膜)が得られる。

0089

本発明の塗膜の硬化物は上述の熱硬化性組成物の硬化物と同様に超耐熱性及び高硬度を有する。そのため、本発明の塗膜(若しくは、その硬化物)は、半導体用封止剤プリント配線板材料等に好適に用いられる。

0090

以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。

0091

尚、NMR測定は下記条件で行った。
MR核磁気共鳴測定装置商品名「JNM−ECA500」、(株)JEOL RESONANCE製)を用いた。測定溶媒DMSO−d6を使用し、化学シフトTMS規準とした。

0092

調製例1
撹拌子冷却管およびディーン・スターク装置を備えた100mLの三ツ口フラスコに、キシレン22.0mL(178.2mol)、4,4’−ビフェノール4.0g(21.7mmol)、ヒドロキシ安息香酸3.0g(21.7mmol)、ホウ酸0.044g(0.72mmol)、硫酸0.95g(9.7mmol)を入れ、窒素雰囲気下、還流させながら時間撹拌してエステル化反応を完結させた。その後、反応液を室温まで降温させてから析出物を分取し、メタノール洗浄後、乾燥させて化合物(I-1)1.7g(4.0mmol)を白色結晶として得た。得られた化合物(I-1)を、NMR測定によって化学構造を同定したところ、下記式(I-1)で表される化合物(1,1'−ビフェニル−4,4'−ジイルビス(4−ヒドロキシベンゾエイト)、分子量:426.42)であることが確認された。

0093

1H-NMR(DMSO-d6)
δ:6.95(4H,d,J=9.5Hz),7.35(4H,d,J=9.5Hz),7.76(4H,d,J=9.5Hz),8.02(4H,d,J=9.5Hz),10.55(2H,s).

0094

撹拌子および冷却管を備えた500mLの三ツ口フラスコに、トルエン31.0mL(291.7mmol)、4−マレイミド安息香酸6.7g(31.0mmol)、塩化チオニル3.0mL(41.2mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド0.48mL(6.2mmol)を入れ、窒素雰囲気下、80℃で1時間撹拌して、クロル化反応を完結させた。その後、減圧により揮発成分を留去して、4−マレイミド安息香酸クロライド黄白色結晶として得た。
次いで、得られた4−マレイミド安息香酸クロライド7.3g(31.0mmol)、o−ジクロロベンゼン135.0mL(1.2mol)、化合物(I-1)6.0g(14.1mmol)、トリエチルアミン4.3mL(31.0mmol)を、窒素雰囲気下、80℃に加温しながら1時間撹拌して、エステル化反応を完結させた。その後、反応液を室温まで降温させてから析出物を分取し、メタノールで洗浄後、乾燥させて化合物(1)8.7g(10.6mmol)を黄白色結晶として得た。
得られた化合物(1)を、NMR測定によって化学構造を同定したところ、下記式(I)で表される化合物(分子量:824.8)であることが確認された。
また、化合物(1)は、偏光顕微鏡観察によりサーモトロピック液晶性を示すものであることが確認された。
更に、DSC(示差走査熱量測定)装置(商品名「DSC6200」、エスアイアイナノテクノロジー社製)を用い、窒素気流下(50mL/分)、昇温温度10℃/分にて、化合物(1)5mgを加熱して、融点(Tm)及び発熱ピーク温度を測定したところ、融点(Tm)は340℃以下、発熱ピーク温度は299.9℃であった。

0095

1H-NMR(DMSO-d6)
δ:7.27(4H,s),7.45(4H,d,J=8.0Hz),7.60(4H,d,J=8.5Hz),7.66(4H,d,J=8.5Hz),7.83(4H,d,J=8.0Hz),8.30(8H,d,J=8.5Hz).

0096

実施例1
100mL三つ口フラスコに、溶剤としてのNMP(N−メチル−2−ピロリドン、沸点202℃)10mLと、調製例1で得られた化合物(1)0.5gとを入れ、窒素雰囲気下、オイルバス中140℃で60分加熱撹拌して前記化合物(1)をNMP中に溶解させた。その後、室温(20℃)まで急冷(5分かけて冷却)して熱硬化性組成物(1)を得た。

0097

得られた熱硬化性組成物(1)の溶解性を下記方法で評価した。
<溶解性評価方法
熱硬化性組成物を目視で観察し、下記基準で溶解性を評価した。
◎:調製後8時間の時点において完全に溶解しており析出物なし
○:調製後4時間の時点においては完全に溶解しており析出物はなかったが、調製後8時間の時点で析出物あり
△:調製直後は完全に溶解しており析出物はなかったが、調製後4時間の時点で析出物あり
×:調製直後に析出物あり

0098

熱硬化性組成物(1)を350℃で15分加熱して得られる硬化物を試験片として使用し、下記条件でガラス転移温度(Tg;℃)を求めたところ、下記温度範囲ではガラス転移温度は確認されなかった。従って、ガラス転移温度は400℃超であることが確認できた。
試験片:長さ10mm×幅5mm×厚み5mm
測定装置:熱機械測定装置(TMA)、商品名「TMA/SS6000」、セイコーインスツルメント(株)製
測定モード:圧縮(針入)、定荷重測定
測定温度:25℃から400℃まで
昇温速度:5℃/分

0099

また、上記と同様の方法で得られた硬化物(約5mg)の5%重量減少温度(Td5;℃)を下記条件で求めたところ、400℃以上であった。尚、基準物質には、アルミナを用いた。
測定装置:TG/DTA(熱重量測定示差熱分析)装置、商品名「EXSTAR6300」、エスアイアイナノテクノロジー社製
測定雰囲気:窒素気流下(300mL/分)
測定温度:昇温温度10℃/分

0100

実施例2〜14
添加剤の使用の有無、加熱溶解条件[加熱温度(℃)×加熱時間(分)]、及び冷却方法を下記表に記載の通りに変更した以外は実施例1と同様にして熱硬化性組成物を得、得られた熱硬化性組成物の溶解性を評価した。
尚、実施例10〜14では、20℃から140℃まで5℃/分で昇温して化合物(1)を加熱溶解し、140℃に到達後、すぐに冷却を開始した。
また、徐冷とは、室温(20℃)まで1時間かけて冷却することである。

0101

0102

上記表中の略号を以下に説明する。
HTジブチルヒドロキシトルエン、酸化防止剤
HQ:ハイドロキノン、重合禁止剤
Q1301:N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、重合禁止剤

実施例

0103

実施例15
実施例1で得られた熱硬化性組成物(1)をポリイミド基材上に塗布し、140℃で5分加熱乾燥して塗膜(厚み:50μm)を得た。また、得られた塗膜を350℃で15分加熱したところ速やかに硬化した。これによって硬化膜が得られた。

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