図面 (/)

技術 フィルムロール

出願人 住友化学株式会社
発明者 中谷昭彦野殿光紀
出願日 2019年1月10日 (1年5ヶ月経過) 出願番号 2019-002425
公開日 2019年8月22日 (10ヶ月経過) 公開番号 2019-137555
状態 未査定
技術分野 偏光要素 長尺物の貯蔵 積層体(2)
主要キーワード シリカ微粒子粉末 ポリエチレン保護フィルム SUSベルト キズ付き 剥離ムラ スチール基材 BET径 巻芯側
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年8月22日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

保護フィルム剥離した際の剥離ムラが生じ難く、良好な外観および視認性を実現する、ポリイミド等の高分子に基づく透明樹脂フィルムを含むフィルムロールを提供すること。

解決手段

ポリイミド、ポリアミドおよびポリアミドイミドからなる群から選択される少なくとも1種を含む樹脂組成物からなる透明樹脂フィルム2と、透明樹脂フィルムに貼合された保護フィルム3とを含むフィルム巻回されてなるフィルムロール1であって、透明樹脂フィルムが、該透明樹脂フィルムの総質量に対して0.1質量%以上の溶媒を含み、保護フィルムの幅方向の少なくとも一方の端部3aが、透明樹脂フィルムの幅方向の端部2aより内側に位置する、フィルムロール。

概要

背景

近年、各種画像表示装置ディスプレイ薄型化、軽量化およびフレキシブル化等に伴い、従来用いられていたガラス代わる材料として、ポリイミドポリアミド等の高分子に基づく透明樹脂フィルムが広く利用されている。このような透明樹脂フィルムの製造方法の1つとしてキャスト法溶液流涎法)が知られている。キャスト法では、一般に、溶媒に溶解させたポリイミド等の高分子を含むワニス支持基材上に塗布して製膜し、支持基材から剥離した後、乾燥により溶媒を除去することによって、樹脂フィルムを連続的に成形することができる。製膜された透明樹脂フィルムの表面には、適宜、剥離可能な保護フィルムが積層され、フィルム表面の保護が図られている(特許文献1〜3)。

概要

保護フィルムを剥離した際の剥離ムラが生じ難く、良好な外観および視認性を実現する、ポリイミド等の高分子に基づく透明樹脂フィルムを含むフィルムロールを提供すること。ポリイミド、ポリアミドおよびポリアミドイミドからなる群から選択される少なくとも1種を含む樹脂組成物からなる透明樹脂フィルム2と、透明樹脂フィルムに貼合された保護フィルム3とを含むフィルムが巻回されてなるフィルムロール1であって、透明樹脂フィルムが、該透明樹脂フィルムの総質量に対して0.1質量%以上の溶媒を含み、保護フィルムの幅方向の少なくとも一方の端部3aが、透明樹脂フィルムの幅方向の端部2aより内側に位置する、フィルムロール。

目的

本発明は、保護フィルムを剥離した際の剥離ムラが生じ難く、良好な外観および視認性を実現する、ポリイミド等の高分子に基づく透明樹脂フィルムを含むフィルムロールを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

ポリイミドポリアミドおよびポリアミドイミドからなる群から選択される少なくとも1種を含む樹脂組成物からなる透明樹脂フィルムと、前記透明樹脂フィルムに貼合された保護フィルムとを含むフィルム巻回されてなるフィルムロールであって、前記透明樹脂フィルムが、該透明樹脂フィルムの総質量に対して0.1質量%以上の溶媒を含み、前記保護フィルムの幅方向の少なくとも一方の端部が、前記透明樹脂フィルムの幅方向の端部より内側に位置する、フィルムロール。

請求項2

保護フィルムの幅方向の両端が、透明樹脂フィルムの幅方向の端部よりそれぞれ内側に位置する、請求項1に記載のフィルムロール。

請求項3

保護フィルムの幅方向の長さが、透明樹脂フィルムの幅方向の長さに対して90〜99%である、請求項1または2に記載のフィルムロール。

請求項4

透明樹脂フィルムが1種類以上の溶媒を含み、当該溶媒の中で最も沸点が高い溶媒の沸点が120〜300℃である、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルムロール。

請求項5

透明樹脂フィルムが、N,N−ジメチルアセトアミドγ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン酢酸ブチルシクロペンタノンおよび酢酸アミルからなる群から選択される溶媒を少なくとも1つ含む、請求項1〜4のいずれかに記載のフィルムロール。

請求項6

保護フィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムである、請求項1〜5のいずれかに記載のフィルムロール。

技術分野

0001

本発明は、透明樹脂フィルム保護フィルムとを含むフィルムロールに関する。

背景技術

0002

近年、各種画像表示装置ディスプレイ薄型化、軽量化およびフレキシブル化等に伴い、従来用いられていたガラス代わる材料として、ポリイミドポリアミド等の高分子に基づく透明樹脂フィルムが広く利用されている。このような透明樹脂フィルムの製造方法の1つとしてキャスト法溶液流涎法)が知られている。キャスト法では、一般に、溶媒に溶解させたポリイミド等の高分子を含むワニス支持基材上に塗布して製膜し、支持基材から剥離した後、乾燥により溶媒を除去することによって、樹脂フィルムを連続的に成形することができる。製膜された透明樹脂フィルムの表面には、適宜、剥離可能な保護フィルムが積層され、フィルム表面の保護が図られている(特許文献1〜3)。

先行技術

0003

特開2010−208312号公報
特開2015−214122号公報
特開2016−87799号公報

発明が解決しようとする課題

0004

樹脂フィルム中に溶媒が存在している場合、一般に、樹脂フィルムと保護フィルムとの密着性が高くなる。このため、樹脂フィルムから保護フィルムを均一に剥離することが難しく、樹脂フィルム表面文様のように残る剥離ムラが生じやすくなる。特に、キャスト法等により溶媒を用いて製造される透明樹脂フィルムでは、連続的な生産において、ワニス中の溶媒を完全に除去することは難しく、ある程度の量の溶媒が残存していることが多く、保護フィルムを剥離する際に剥離ムラが生じやすい傾向にある。このような剥離ムラは、高い透明性が要求される透明樹脂フィルムにとって外観的な欠陥となるだけでなく、各種画像表示装置などのディスプレイに用いる場合には視認性を悪化させる原因となる。

0005

そこで、本発明は、保護フィルムを剥離した際の剥離ムラが生じ難く、良好な外観および視認性を実現する、ポリイミド等の高分子に基づく透明樹脂フィルムを含むフィルムロールを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の好適な態様を提供するものである。
[1]ポリイミド、ポリアミドおよびポリアミドイミドからなる群から選択される少なくとも1種を含む樹脂組成物からなる透明樹脂フィルムと、前記透明樹脂フィルムに貼合された保護フィルムとを含むフィルムが巻回されてなるフィルムロールであって、
前記透明樹脂フィルムが、該透明樹脂フィルムの総質量に対して0.1質量%以上の溶媒を含み、
前記保護フィルムの幅方向の少なくとも一方の端部が、前記透明樹脂フィルムの幅方向の端部より内側に位置する、フィルムロール。
[2]保護フィルムの幅方向の両端が、透明樹脂フィルムの幅方向の端部よりそれぞれ内側に位置する、前記[1]に記載のフィルムロール。
[3]保護フィルムの幅方向の長さが、透明樹脂フィルムの幅方向の長さに対して90〜99%である、前記[1]または[2]に記載のフィルムロール。
[4]透明樹脂フィルムが1種類以上の溶媒を含み、当該溶媒の中で最も沸点が高い溶媒の沸点が120〜300℃である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のフィルムロール。
[5]透明樹脂フィルムが、N,N−ジメチルアセトアミドγ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン酢酸ブチルシクロペンタノンおよび酢酸アミルからなる群から選択される溶媒を少なくとも1つ含む、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のフィルムロール。
[6]保護フィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムである、前記[1]〜[5]のいずれかに記載のフィルムロール。

発明の効果

0007

本発明によれば、保護フィルムを剥離した際の剥離ムラが生じ難く、良好な外観および視認性を実現する、ポリイミド等の高分子に基づく透明樹脂フィルムを含むフィルムロールを提供することができる。

図面の簡単な説明

0008

図1は、本発明のフィルムロールにおいて、フィルムロールの幅方向に、フィルムロールの外側から巻芯に向かって切断した断面の概略図である。

0009

以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で種々の変更をすることができる。

0010

本発明のフィルムロールは、透明樹脂フィルムと、前記透明樹脂フィルムに貼合された保護フィルムとを含む積層フィルム巻回してなるものであり、本発明のフィルムロールを構成する透明樹脂フィルムは、ポリイミド、ポリアミドおよびポリアミドイミドからなる群から選択される少なくとも1種を含む樹脂組成物からなる。

0011

本明細書において、ポリイミドは、イミド基を含む繰返し構造単位を含有する重合体を表し、ポリアミドイミドは、イミド基を含む繰り返し構造単位アミド基を含む繰り返し構造単位との両方を含有する重合体を表し、ポリアミドは、アミド基を含む繰返し構造単位を含有する重合体を表す。ポリイミド系高分子は、ポリイミドおよびポリアミドイミドから選ばれるいずれか1つ以上を含む重合体を表す。

0012

本実施形態に係るポリイミド系高分子は、式(10)で表される繰り返し構造単位を有する。ここで、Gは4価の有機基を表し、Aは2価の有機基を表す。Gおよび/またはAは、異なる2種類以上の式(10)で表される繰り返し構造単位を含んでいてもよい。また、本実施形態に係るポリイミド系高分子は、得られる透明樹脂フィルムの各種物性を損なわない範囲で、式(11)、式(12)、および式(13)のいずれかで表される繰り返し構造単位のいずれか1つ以上を含んでいてもよい。

0013

ポリイミド系高分子の主な構造単位が式(10)で表される繰り返し構造単位であると、透明樹脂フィルムの強度および透明性の観点で好ましい。本実施形態に係るポリイミド系高分子において、式(10)で表される繰り返し構造単位は、ポリイミド系高分子の全繰り返し構造単位に対し、好ましくは40モル%以上、より好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上、さらにより好ましくは90モル%以上、とりわけ好ましくは98モル%以上である。式(10)で表される繰り返し構造単位は100モル%であってもよい。

0014

0015

GおよびG1は、それぞれ独立に、4価の有機基を表し、好ましくは炭素数4〜40の4価の有機基を表す。前記有機基は、炭化水素基またはフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよく、その場合、炭化水素基およびフッ素置換された炭化水素基の炭素数は好ましくは1〜8である。GおよびG1としては、式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)または式(29)で表される基並びに4価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。式中の*は結合手を表し、Zは、単結合、−O−、−CH2−、−CH2−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−Ar−、−SO2−、−CO−、−O−Ar−O−、−Ar−O−Ar−、−Ar−CH2−Ar−、−Ar−C(CH3)2−Ar−または−Ar−SO2−Ar−を表す。Arはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリーレン基を表し、具体例としてはフェニレン基が挙げられる。得られる透明樹脂フィルムの黄色度を抑制しやすいことから、GおよびG1としては、好ましくは式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)または式(27)で表される基が挙げられる。

0016

0017

G2は3価の有機基を表し、好ましくは炭素数4〜40の3価の有機基を表す。前記有機基は、炭化水素基またはフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよく、その場合、炭化水素基およびフッ素置換された炭化水素基の炭素数は好ましくは1〜8である。
G2としては、式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)または式(29)で表される基の結合手のいずれか1つが水素原子に置き換わった基並びに3価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。式中のZの例は、Gに関する記述におけるZの例と同じである。

0018

G3は2価の有機基を表し、好ましくは炭素数4〜40の2価の有機基を表す。前記有機基は、炭化水素基またはフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよく、その場合、炭化水素基およびフッ素置換された炭化水素基の炭素数は好ましくは1〜8である。
G3としては、式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)または式(29)で表される基の結合手のうち、隣接しない2つが水素原子に置き換わった基および炭素数6以下の2価の鎖式炭化水素基が例示される。式中のZの例は、Gに関する記述におけるZの例と同じである。

0019

A、A1、A2およびA3はいずれも2価の有機基を表し、好ましくは炭素数4〜40の2価の有機基を表す。前記有機基は、炭化水素基またはフッ素置換された炭素数1〜8の炭化水素基で置換されていてもよく、その場合、炭化水素基およびフッ素置換された炭化水素基の炭素数は好ましくは1〜8である。A、A1、A2およびA3としては、それぞれ式(30)、式(31)、式(32)、式(33)、式(34)、式(35)、式(36)、式(37)または式(38)で表される基;これらがメチル基フルオロ基クロロ基またはトリフルオロメチル基の1種類以上で置換された基;および炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。

0020

式中の*は結合手を表し、Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−CH2−、−CH2−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−S−、−SO2−、−CO−または−N(R2)−を表す。ここで、R2はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表す。ここで、R2はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表す。Z1とZ2、および、Z2とZ3は、それぞれ、各環に対して、好ましくはメタ位またはパラ位に位置する。

0021

0022

本発明において、透明樹脂フィルムを形成する樹脂組成物は、ポリアミドを含んでいてもよい。本実施形態に係るポリアミドは、式(13)で表される繰り返し構造単位を主とする重合体である。ポリアミドにおけるG3およびA3の好ましい例および具体例は、ポリイミド系高分子におけるG3およびA3の好ましい例および具体例と同じである。前記ポリアミドは、G3および/またはA3が異なる2種類以上の式(13)で表される繰り返し構造単位を含んでいてもよい。

0023

ポリイミド系高分子は、例えば、ジアミンテトラカルボン酸化合物テトラカルボン酸二無水物等)との重縮合によって得ることができ、例えば、特開2006−199945号公報または特開2008−163107号公報に記載されている方法にしたがって合成することができる。ポリイミドの市販品としては、三菱化学(株)製ネオプリム(登録商標)、河産業(株)製KPI−MX300F等を挙げることができる。

0024

ポリイミド系高分子の合成に用いられるテトラカルボン酸化合物としては、芳香族テトラカルボン酸およびその無水物、好ましくはその二無水物等の芳香族テトラカルボン酸化合物;および脂肪族テトラカルボン酸およびその無水物、好ましくはその二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸化合物等が挙げられる。テトラカルボン酸化合物は、無水物の他、テトラカルボン酸クロリド化合物等のテトラカルボン酸化合物誘導体であってもよく、これらは単独または2種以上を組合せて使用できる。

0025

芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、非縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物、単環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物および縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。非縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルプロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物(6FDAと記載することがある)、1,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物が挙げられる。また、単環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物が、縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。

0026

これらの中でも、好ましくは4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)、1,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物および4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物が挙げられ、より好ましくは4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物および4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物が挙げられる。これらは単独または2種以上を組合せて使用できる。

0027

脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、環式または非環式の脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物とは、脂環式炭化水素構造を有するテトラカルボン酸二無水物であり、その具体例としては、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等のシクロアルカンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物およびこれらの位置異性体が挙げられる。これらは単独または2種以上を組合せて使用できる。非環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、これらは単独または2種以上を組合せて使用できる。また、環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物および非環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物を組合せて用いてもよい。

0028

テトラカルボン酸化合物の中でも、透明樹脂フィルムの弾性率、耐屈曲性、および光学特性を向上しやすい観点から、好ましくは前記脂環式テトラカルボン酸二無水物または非縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。より好ましい具体例としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)が挙げられる。これらは単独または2種以上を組合せて使用できる。

0029

本実施形態に係るポリイミド系高分子は、得られる透明樹脂フィルムの各種物性を損なわない範囲で、上記のポリイミド合成に用いられるテトラカルボン酸の無水物に加えて、テトラカルボン酸、トリカルボン酸化合物ジカルボン酸化合物、それらの無水物およびそれらの誘導体をさらに反応させたものであってもよい。

0030

トリカルボン酸化合物としては、芳香族トリカルボン酸脂肪族トリカルボン酸およびそれらの類縁の酸クロリド化合物、酸無水物等が挙げられ、これらは2種以上を併用してもよい。その具体例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸の無水物;2,3,6−ナフタレントリカルボン酸−2,3−無水物;フタル酸無水物安息香酸とが単結合、−CH2−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−SO2−またはフェニレン基で連結された化合物が挙げられる。

0031

ジカルボン酸化合物としては、芳香族ジカルボン酸脂肪族ジカルボン酸およびそれらの類縁の酸クロリド化合物、酸無水物等が挙げられ、これらは2種以上を併用してもよい。その具体例としては、テレフタル酸イソフタル酸ナフタレンジカルボン酸;4,4’−ビフェニルジカルボン酸;3,3’−ビフェニルジカルボン酸;炭素数8以下である鎖式炭化水素のジカルボン酸化合物および2つの安息香酸骨格が−CH2−、−S−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−O−、−N(R9)−、−C(=O)−、−SO2−またはフェニレン基で連結された化合物が挙げられる。これらは単独または2種以上を組合せて使用できる。ここで、R9はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表す。

0032

ジカルボン酸化合物としては、好ましくはテレフタル酸;イソフタル酸;4,4’−ビフェニルジカルボン酸;3,3’−ビフェニルジカルボン酸;および2つの安息香酸骨格が−CH2−、−C(=O)−、−O−、−N(R9)−、−SO2−またはフェニレン基で連結された化合物であり、より好ましくは、テレフタル酸;4,4’−ビフェニルジカルボン酸;および2つの安息香酸骨格が−O−、−N(R9)−、−C(=O)−または−SO2−で連結された化合物である。これらは単独または2種以上を組合せて使用できる。

0033

テトラカルボン酸化合物、トリカルボン酸化合物、およびジカルボン酸化合物の合計に対する、テトラカルボン酸化合物の割合は、好ましくは40モル%以上、より好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上、さらにより好ましくは90モル%以上、とりわけ好ましくは98モル%以上である。

0034

ポリイミド系高分子の合成に用いられるジアミンとしては、脂肪族ジアミン芳香族ジアミンまたはそれらの混合物が挙げられる。なお、本実施形態において「芳香族ジアミン」とは、アミノ基が芳香環直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に脂肪族基またはその他の置換基を含んでいてもよい。芳香環は単環でも縮合環でもよく、ベンゼン環ナフタレン環アントラセン環およびフルオレン環等が例示されるが、これらに限定されるわけではない。これらの中でも、好ましくはベンゼン環が挙げられる。また「脂肪族ジアミン」とは、アミノ基が脂肪族基に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に芳香環やその他の置換基を含んでいてもよい。

0035

脂肪族ジアミンの具体例としては、ヘキサメチレンジアミン等の非環式脂肪族ジアミンおよび1,3−ビス(アミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の環式脂肪族ジアミン等が挙げられ、これらは単独または2種以上を組合せて使用できる。

0036

芳香族ジアミンの具体例としては、p−フェニレンジアミンm−フェニレンジアミン、2,4−トルエンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン等の、芳香環を1つ有する芳香族ジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ジメチルベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル(TFMBと記載することがある)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニルフルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−フルオロフェニル)フルオレン等の、芳香環を2つ以上有する芳香族ジアミンが挙げられる。これらは単独または2種以上を組合せて使用できる。

0037

芳香族ジアミンとしては、好ましくは4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ジメチルベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル(TFMB)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルであり、より好ましくは4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ジメチルベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル(TFMB)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルである。これらは単独または2種以上を組合せて使用できる。

0038

前記ジアミンは、フッ素系置換基を有することもできる。フッ素系置換基としては、トリフルオロメチル基などの炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基、および、フルオロ基が挙げられる。

0039

上記ジアミンの中でも、高透明性および低着色性の観点からは、ビフェニル構造を有する芳香族ジアミンからなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましく、具体例としては2,2’−ジメチルベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル(TFMB)および4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルからなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。ビフェニル構造およびフッ素系置換基を有するジアミンであることがより好ましく、具体例としては2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル(TFMB)を用いることがより好ましい。

0040

ポリイミド系高分子は、ジアミンと、テトラカルボン酸化合物(酸クロリド化合物、テトラカルボン酸二無水物等のテトラカルボン酸化合物誘導体を含む)との重縮合で形成される、式(10)で表される繰り返し構造単位を含む縮合型高分子である。出発原料としては、これらに加えて、さらにトリカルボン酸化合物(酸クロリド化合物、トリカルボン酸無水物等のトリカルボン酸化合物誘導体を含む)およびジカルボン酸化合物(酸クロリド化合物等の誘導体を含む)を用いることもある。また、ポリアミドは、ジアミンと、ジカルボン酸化合物(酸クロリド化合物等の誘導体を含む)との重縮合で形成される、式(13)で表される繰り返し構造単位を含む縮合型高分子である。

0041

式(10)および式(11)で表される繰り返し構造単位は、通常、ジアミン類およびテトラカルボン酸化合物から誘導される。式(12)で表される繰り返し構造単位は、通常、ジアミンおよびトリカルボン酸化合物から誘導される。式(13)で表される繰り返し構造単位は、通常、ジアミンおよびジカルボン酸化合物から誘導される。ジアミン、テトラカルボン酸化合物、トリカルボン酸化合物およびジカルボン酸化合物の具体例は、上述のとおりである。

0042

ジアミンと、テトラカルボン酸化合物等のカルボン酸化合物とのモル比は、ジアミン1.00molに対して、好ましくはテトラカルボン酸0.9mol以上1.1mol以下の範囲で適宜調節できる。高い耐折性発現するためには得られるポリイミド系高分子が高分子量であることが好ましいことから、ジアミン1.00molに対してテトラカルボン酸のモル比は、より好ましくは0.98mol以上1.02mol、さらに好ましくは0.99mol%以上1.01mol%以下である。

0043

また、得られる透明樹脂フィルムの黄色度を抑制する観点から、得られる高分子末端に占めるアミノ基の割合が低いことが好ましく、ジアミン1.00molに対してテトラカルボン酸化合物等のカルボン酸化合物は1.00mol以上であることが好ましい。

0044

ジアミンおよびカルボン酸化合物(たとえば、テトラカルボン酸化合物)の分子中のフッ素数を調整して、得られるポリイミド系高分子中のフッ素量を、ポリイミド系高分子の質量を基準として、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、20質量%以上とすることができる。フッ素の割合が高いほど原料費が高くなる傾向があることから、フッ素量の上限は40質量%以下であることが好ましい。フッ素系置換基は、ジアミンまたはカルボン酸化合物のいずれに存在してもよく、両方に存在してもよい。フッ素系置換基を含むことにより特にYI値が低減される場合がある。

0045

本実施形態に係るポリイミド系高分子は、異なる種類の複数の上記の繰り返し構造単位を含む共重合体でもよい。ポリイミド系高分子の標準ポリスチレン換算重量平均分子量は、通常100,000〜800,000である。ポリイミド系高分子の重量平均分子量が大きいと、成膜した際の屈曲性が向上することから、好ましくは200,000以上、より好ましくは300,000以上、さらに好ましくは350,000以上である。また、適度な濃度および粘度のワニスが得られ、成膜性が向上する傾向があることから、好ましくは750,000以下、より好ましくは600,000以下、さらに好ましくは500,000以下である。

0046

ポリイミド系高分子およびポリアミドは、含フッ素置換基を含むことにより、フィルム化した際の弾性率が向上するとともに、YI値が低減される傾向を示す。フィルムの弾性率が高いと、キズおよびシワ等の発生が抑制される傾向がある。フィルムの透明性の観点から、ポリイミド系高分子およびポリアミドは、含フッ素置換基を有することが好ましい。含フッ素置換基の具体例としては、フルオロ基およびトリフルオロメチル基が挙げられる。

0047

ポリイミド系高分子およびポリイミド系高分子とポリアミドとの混合物におけるフッ素原子の含有量は、それぞれ、ポリイミド系高分子の質量またはポリイミド系高分子の質量とポリアミドの質量との合計を基準として、好ましくは1質量%以上40質量%以下、さらに好ましくは5質量%以上40質量%以下である。フッ素原子の含有量が1質量%以上であると、フィルム化した際のYI値をより低減し、透明性をより向上することができる傾向がある。フッ素原子の含有量は、40質量%以下であると、ポリイミドの高分子量化が容易になる傾向がある。

0048

本発明において、透明樹脂フィルムを構成する樹脂組成物におけるポリイミド系高分子および/またはポリアミドの含有量は、樹脂組成物の固形分に対して、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、100質量%であってもよい。ポリイミド系高分子および/またはポリアミドの含有量が上記下限値以上であると、透明樹脂フィルムの屈曲性が良好である。なお、固形分とは、樹脂組成物から溶媒を除いた成分の合計量のことをいう。

0049

本発明において、透明樹脂フィルムを形成する樹脂組成物は、上記ポリイミド系高分子および/またはポリアミドに加えて、無機粒子等の無機材料をさらに含有していてもよい。無機材料として、シリカ粒子チタン粒子水酸化アルミニウムジルコニア粒子チタン酸バリウム粒子などの無機粒子、また、オルトケイ酸テトラエチル等の4級アルコキシシラン等のケイ素化合物が挙げられる。ワニスの安定性、無機材料の分散性の観点から、好ましくは、シリカ粒子、水酸化アルミニウム、ジルコニア粒子、さらに好ましくはシリカ粒子である。

0050

無機材料の粒子平均一次粒子径は、好ましくは10〜100nm、より好ましくは10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nm、さらにより好ましくは10〜30nmである。シリカ粒子の平均一次粒子径が100nm以下であると透明性が向上する傾向がある。シリカ粒子の平均一次粒子径が10nm以上であると、シリカ粒子の凝集力が弱まるために取り扱い易くなる傾向がある。

0051

本発明においてシリカ粒子は、有機溶媒等にシリカ粒子を分散させたシリカゾルであっても、気相法で製造したシリカ微粒子粉末を用いてもよいが、ハンドリングが容易であることから液相法で製造したシリカゾルであることが好ましい。

0052

透明樹脂フィルム中のシリカ粒子の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡TEM)による観察で求めることができる。透明樹脂フィルムを形成する前のシリカ粒子の粒度分布は、市販のレーザー回折式粒度分布計により求めることができる。

0053

本発明において、樹脂組成物が無機材料を含む場合、その含有量は、樹脂組成物の固形分に対して、好ましくは10質量%以上90質量%以下、より好ましくは10質量%以上60質量%以下、さらに好ましくは20質量%以上50質量%以下である。樹脂組成物における無機材料の含有量が上記の範囲内であると、透明樹脂フィルムの透明性および機械的強度両立させやすい傾向がある。なお、固形分とは、樹脂組成物から溶媒を除いた成分の合計量のことをいう。

0054

透明樹脂フィルムを構成する樹脂組成物は、以上説明した成分に加えて、他の成分をさらに含有していてもよい。他の成分としては、例えば、酸化防止剤離型剤光安定剤ブルーイング剤難燃剤滑剤およびレベリング剤が挙げられる。

0055

本発明において樹脂組成物がポリイミド系高分子等の樹脂成分および無機材料以外の他の成分を含む場合、その他の成分の含有量は、透明樹脂フィルムの総質量に対して、好ましくは0.001質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.002質量%以上10質量%以下である。

0056

本発明において透明樹脂フィルムは、例えば、前記テトラカルボン酸化合物、前記ジアミンおよび前記のその他の原料から選択して反応させて得られる、ポリイミド系高分子および/またはポリアミドの反応液、必要に応じて無機材料およびその他の成分を含む樹脂組成物に、溶媒を加えて混合および撹拌することにより調製される樹脂ワニスから製造することができる。前記樹脂組成物において、ポリイミド系高分子等の反応液に変えて、購入したポリイミド系高分子等の溶液や、購入した固体のポリイミド系高分子等の溶液を用いてもよい。

0057

樹脂ワニスを調製するために用い得る溶媒としては、ポリイミド系高分子等の樹脂成分を溶解または分散させ得るものを適宜選択することができる。樹脂成分の溶解性塗布性および乾燥性等の観点からは、沸点が120〜300℃である有機溶媒が好ましく、沸点が120〜270℃である有機溶媒がより好ましく、沸点が120〜250℃である有機溶媒がさらに好ましく、沸点が120〜230℃である有機溶媒がとりわけ好ましい。そのような有機溶媒としては、具体的に例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸ブチル、酢酸アミル等の酢酸エステル系溶媒;ジメチルスルホンジメチルスルホキシドスルホラン等の含硫黄系溶媒、エチレンカーボネートプロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒などが挙げられる。中でも、ポリイミド系高分子およびポリアミドに対する溶解性に優れることから、N,N−ジメチルアセトアミド(沸点:165℃)、γ−ブチロラクトン(沸点:204℃)、N−メチルピロリドン(沸点:202℃)、酢酸ブチル(沸点:126℃)、シクロペンタノン(沸点:131℃)および酢酸アミル(沸点:149℃)からなる群から選択される溶媒が好ましい。溶媒として、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いてもよい。なお、2種以上の溶媒を用いる場合には、用いる溶媒の中で最も沸点の高い溶媒の沸点が上記範囲に入るよう溶媒の種類を選択することが好ましい。

0058

溶媒の量は、樹脂ワニスの取り扱いが可能な粘度になるように選択すればよく、特に制限はないが、例えば樹脂ワニス全量に対して、好ましくは50〜95質量%、より好ましくは70〜95質量%、さらに好ましくは80〜95質量%である。

0059

また、本発明のフィルムロールを構成する透明樹脂フィルム中の溶媒の含有量は、透明樹脂フィルムの総質量に対して0.1質量%以上である。本発明のフィルムロールは、透明樹脂フィルムが溶媒を含む場合に保護フィルムとの密着性が上がり、保護フィルムを均一に剥離し難くなることから生じる剥離ムラを抑制するものであり、透明樹脂フィルムが該フィルムの総質量に対して、例えば0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上である場合により高い剥離ムラ抑制効果を得ることができる。透明樹脂フィルム中の溶媒含有量の上限値は、特に限定されるものではないが、通常、透明樹脂フィルムの総質量に対して20質量%以下である。なお、本発明において、透明樹脂フィルム中の溶媒含有量は、例えば後述の実施例に記載するように、熱重量−示差熱(TG−DTA)測定装置を用いて120℃から250℃にかけての質量減少率(質量%)を測定、算出することができる。

0060

透明樹脂フィルムの厚さは、透明樹脂フィルムの用途等に応じて適宜決定すればよいが、通常、10〜500μm、好ましくは15〜200μm、より好ましくは20〜100μmである。透明樹脂フィルムの厚さが上記範囲内にあると、透明樹脂フィルムの屈曲性が良好である。

0061

本発明における透明樹脂フィルムの厚さ50μmでの全光線透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは88%以上、さらにより好ましくは89%以上、とりわけ好ましくは90%以上である。全光線透過率は、JIS K 7361−1:1997に準拠して、ヘイズコンピュータを用いて測定できる。

0062

本発明における透明樹脂フィルムの厚さ50μmでの黄色度は、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.5以下であり、さらに好ましくは2.2以下である。透明樹脂フィルムの黄色度が上記範囲にあると、高い透明性を求められる光学用途に好適である。黄色度(YI値)は紫外可視近赤外分光光度計を用いて300〜800nmの光に対する透過率測定を行い、3刺激値(X、Y、Z)を求め、YI=100×(1.2769X−1.0592Z)/Yの式に基づいて算出できる。

0063

本発明における透明樹脂フィルムの厚さ50μmでのヘイズは、好ましくは5%以下、より好ましくは4%以下、さらに好ましくは3%以下、さらにより好ましくは2.5%以下、さらにより好ましくは2%以下、とりわけ好ましくは1%以下である。光学フィルムのヘイズが上記の上限以下であると、光学フィルムを、特に前面板として、画像表示装置に組み込んだ際に、視認性を高めやすい。また、ヘイズの下限値は通常0.01%以上である。なお、ヘイズは、JIS K 7136:2000に準拠してヘイズコンピュータを用いて測定できる。

0064

本発明のフィルムロールは、上記透明樹脂フィルムに貼合された保護フィルムを含む。保護フィルムは、透明樹脂フィルムの一方の面のみに貼合されていてもよく、両面に貼合されていてもよい。透明樹脂フィルムに貼合される保護フィルムは、透明樹脂フィルムの表面を一時的に保護するためのフィルムであり、透明樹脂フィルムの表面を保護できる剥離可能なフィルムである限り特に限定されず、ポリエチレンポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィン系樹脂フィルムからなる群から選択されることが好ましい。透明樹脂フィルムの両面に保護フィルムが貼合されている場合、各面の保護フィルムは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。

0065

本発明のフィルムロールにおいて保護フィルムは、基材フィルムとその上に積層される、例えばアクリル系粘着剤エポキシ粘着剤ウレタン系粘着剤シリコーン系粘着剤等から形成される粘着剤層とから構成されていてもよいが、保護フィルムのコストの観点から、ポリオレフィン系樹脂等の自己粘着性を有する樹脂フィルムであることが好ましい。また、保護フィルムの剥離時の張力剥離角度等を厳密に制御していないと、ポリオレフィン系樹脂フィルムに含まれる添加剤等に由来する成分が透明樹脂フィルム上に剥離ムラとして残りやすい傾向にあるところ、本発明のフィルムロールは高い剥離ムラ抑制効果を有するので、保護フィルムとしてポリオレフィン系樹脂フィルムを含む場合に特に有利な効果を得ることができる。したがって、本発明の好適な一実施態様において、本発明のフィルムロールを構成する保護フィルムはポリオレフィン系樹脂フィルムであり、入手しやすく安価であることから、好ましくはポリプロピレン系樹脂フィルムまたはポリエチレン系樹脂フィルムであり、より好ましくはポリエチレン系樹脂フィルムである。ポリエチレン系樹脂としては、例えば高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(LLDPE)、中低圧法高密度ポリエチレン(HDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)などが挙げられるが、透明樹脂フィルムと隣り合う面の樹脂としては、透明樹脂フィルムとの接着性ならびに加工性の観点から、LLDPEであることが好ましい。

0066

保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、通常、10〜100μm、好ましくは10〜80μm、より好ましくは10〜50μmである。透明樹脂フィルムの両面に保護フィルムが貼合されている場合、各面の保護フィルムの厚さは同じであってもよく、異なっていてもよい。

0067

本発明のフィルムロールにおいて、透明樹脂フィルムに貼合された保護フィルムの幅方向の少なくとも一方の端部は、透明樹脂フィルムの幅方向の端部より内側に位置する。ここで、本発明のフィルムロールにおける層構成の一例を、フィルムロールの幅方向に、フィルムロールの外側から巻芯に向かって切断した断面の概略図を示す図1に基づき説明すると、本発明のフィルムロール1は、透明樹脂フィルム2と、前記透明樹脂フィルム2の一方の面に貼合された保護フィルム3を有する積層フィルム(4)が巻芯(5)に巻回され、互いに重なり合って多層構造を形成している。また、保護フィルム3の幅方向の少なくとも一方の端部(3a)は、透明樹脂フィルム2の幅方向の端部(2a)より内側(フィルムの幅方向の中心側)に位置する。透明樹脂フィルムの一方の面にのみ保護フィルムが貼合されている場合、図1に示すように保護フィルムが巻芯側に位置するように積層フィルムを巻回してもよく、透明樹脂フィルムが巻芯側に位置するように積層フィルムを巻回してもよい。

0068

保護フィルムの幅が透明樹脂フィルムの幅よりも長い場合や同じである場合、保護フィルムの端部の余剰部分が透明樹脂フィルムの端部に干渉して引っ掛かったり、保護フィルムと透明樹脂フィルムの端部が互いに干渉し合ったりすることにより、保護フィルムを均一に剥離することが難しく、剥離ムラが生じやすい。本発明のフィルムロールにおいて、保護フィルムの幅方向の少なくとも一方の端部が透明樹脂フィルムの幅方向の端部より内側に位置することにより、保護フィルムを透明樹脂フィルムから剥離する際に引っ掛かりが生じ難くなる。剥離時に引っ掛かりが生じると、引っ掛かりが生じた箇所に剥離ムラが起こるが、保護フィルムを均一に剥離することにより剥離ムラの発生を抑え、良好な外観を有する透明樹脂フィルムを得ることができる。透明樹脂フィルムから保護フィルムをより均一に剥離することを可能とするため、保護フィルムの幅方向の両端部が、透明樹脂フィルムの幅方向の端部よりそれぞれ内側に位置することがより好ましい。

0069

本発明のフィルムロールにおいて、保護フィルムの幅方向の長さは、透明樹脂フィルムの幅方向の長さに対して、好ましくは90〜99%、より好ましくは93〜99%、さらに好ましくは95〜99%である。また、本発明の好適な一実施態様において、保護フィルムの幅方向の長さは、透明樹脂フィルムの幅方向の長さよりも、好ましくは5〜40mm、より好ましくは5〜30mm、さらに好ましくは5〜20mm短い。保護フィルムと透明樹脂フィルムの幅方向の長さが上記比率または範囲の関係にある場合、透明樹脂フィルムの表面を保護する保護フィルムの機能を損なうことなく、剥離時の引っ掛かりを低減して剥離ムラを抑えることができる。なお、保護フィルムの幅方向の両端が透明樹脂フィルムの両端よりそれぞれ内側に位置する場合、透明樹脂フィルムと保護フィルムとの非貼合部分の長さは互いに異なっていてもよいが、より均一な剥離の観点から、透明樹脂フィルムの両端がそれぞれ同程度の長さで残るように保護フィルムが貼合されていることが好ましい。なお、フィルムロールの幅方向の長さは、特に限定されるものではないが、通常、500〜1,500mmである。

0070

本発明においてフィルムロールは、通常、透明樹脂フィルムと保護フィルムとを含んでなる積層フィルムが巻芯にロール状に巻回されている。巻芯を構成する材料としては、例えばポリエチレン樹脂ポリプロピレン樹脂ポリ塩化ビニル樹脂ポリエステル樹脂エポキシ樹脂フェノール樹脂メラミン樹脂ケイ素樹脂ポリウレタン樹脂ポリカーボネート樹脂ABS樹脂等の合成樹脂アルミニウム等の金属;繊維強化プラスチックFRPガラス繊維等の繊維をプラスチックに含有させて強度を向上させた複合材料)等が挙げられる。巻芯は円筒状または円柱状等の形状をなし、その直径は、例えば80〜170mmである。また、フィルムロールの直径(巻取り後の直径)は、特に限定されるものではないが、通常200〜800mmである。

0071

本発明のフィルムロールは、公知の方法および装置/設備を用いて、透明樹脂フィルムと保護フィルムとを貼合し、巻芯に巻回することにより製造することができる。具体的には、例えば、
a)透明樹脂フィルムを形成するための樹脂組成物を溶媒と混合および撹拌して得られる樹脂ワニスを支持基材上に塗布すること;
b)塗布された樹脂ワニスを乾燥させることにより溶媒を除去し、支持基材上に透明樹脂フィルムの層を形成すること;
c)支持基材上に形成された透明樹脂フィルムの支持基材とは反対側の面に保護フィルムを貼合すること;
d)支持基材上に形成された透明樹脂フィルムの層から支持基材を剥離し、透明樹脂フィルムに保護フィルムが貼合された積層フィルムを得る工程;および
e)得られた積層フィルムを巻回する工程
を含む方法により製造することができる。

0072

保護フィルムを透明樹脂フィルムから剥離する際の剥離ムラを抑制するという本発明の効果は、透明樹脂フィルムがある程度の量の溶媒を含む場合に特に有利に得られる。例えば、キャスト法に代表されるような、溶媒を含む樹脂ワニスを塗布して製膜した後、乾燥により溶媒を除去する工程を含む方法により連続的に透明樹脂フィルムを製造する場合、乾燥により溶媒を完全に除去することは難しく、透明樹脂フィルム中に溶媒が残存したまま巻回されることが多い。このため、保護フィルムの幅方向の端部が透明樹脂フィルムの幅方向の端部より内側に位置する構成を有する本発明のフィルムロールは、上記方法で製造されるフィルムロールの構成として特に有利である。また、透明樹脂フィルム中の溶媒を除去するために上記工程e)の後、フィルムロールを巻出しさらに乾燥工程を実施することができるが、この際、溶媒の除去が促進されるよう、製膜後に貼合されていた保護フィルムは、通常、透明樹脂フィルム表面から剥離される。このような場合にも、本発明のフィルムロールでは剥離ムラを効果的に抑制することができるため特に有利である。

0073

本発明のフィルムロールが上記a)〜e)を含む方法により製造される場合、a)の工程において用いられる支持基材はフィルム状の基材であり、例えば、樹脂フィルム基材スチール基材(例えばSUSベルト)であってもよい。樹脂フィルム基材としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムがある。支持基材の厚さは、特に制限されず、例えば10〜500μm、好ましくは100〜200μmである。

0074

b)の乾燥工程においては、樹脂ワニス中の溶媒の少なくとも一部を乾燥により除去することが好ましい。本発明のフィルムロールにおいて、透明樹脂フィルムの溶媒含有量は、透明樹脂フィルムの総質量の0.1質量%以上であればよいが、剥離ムラ防止に加えて、キズ付き防止、生産効率および安全性等の観点からは、好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、より好ましくは2質量%以上15質量%以下の溶媒量となるよう乾燥させることが好ましい。

0075

溶媒を除去するための乾燥は、自然乾燥通風乾燥加熱乾燥または減圧乾燥およびこれらの組合せにより行ってもよい。生産効率等の観点からは、加熱乾燥が好ましい。
乾燥条件は用いる溶媒の種類や透明樹脂フィルム中における含有量等に応じて、フィルムの光学特性を損なわない範囲で適宜決定すればよい。例えば、50〜230℃、好ましくは100〜210℃の温度で、例えば5〜60分程度加熱してもよい。

0076

次いで、c)の工程において、保護フィルムの幅方向の少なくとも一方の端部が透明樹脂フィルムの幅方向の少なくとも一方の端部より内側に位置するように、保護フィルムを透明樹脂フィルムの支持基材とは反対側の面に貼合し、支持基材上に透明樹脂フィルムの層が形成され、さらに該透明樹脂フィルムの層上に保護フィルムが積層された積層フィルムが得られる。その後、透明樹脂フィルムの層から支持基材を剥離することにより、透明樹脂フィルムに保護フィルムを貼合した積層フィルムを得ることができる。巻芯にこの積層フィルムをロール状に巻回することにより本発明のフィルムロールを得ることができる。上記方法により得られた本発明のフィルムロールを巻出した後、溶媒をさらに除去するためのさらなる乾燥工程(ベーク工程)や透明樹脂フィルムの平滑性を高めるための面直しを行う工程(テンター工程)を施してもよい。

0077

本発明のフィルムロールから積層フィルムを巻出し、透明樹脂フィルムから保護フィルムを剥離して得られるポリイミドまたはポリアミド系の透明樹脂フィルムは、保護フィルムを剥離する際の剥離ムラが抑えられ、高い透明性および良好な外観を有するため、特に光学用途に好適に用いることができる。

0078

以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。例中の「%」および「部」は、特記ない限り、質量%および質量部である。

0079

実施例1
(1)フィルムロールの調製
ポリイミド(河村産業(株)製「KPI−MX300F」)を準備した。このポリイミドをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)およびγ−ブチロラクトン(GBL)の質量比9:1の混合溶媒に溶解し、樹脂ワニス(濃度20質量%)を調製した。得られた樹脂ワニスを、厚さ188μm、幅900mmである長尺状のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム基材上に、キャスト法により幅870mmで塗布して製膜した。製膜された樹脂ワニスを、温度を段階的に70℃から120℃になるように設定した長さ12mの炉内を線速0.4m/分で通過させることにより樹脂ワニスから溶媒を除去して、透明樹脂フィルム(厚さ80μm)を形成させた。その後、透明樹脂フィルムのPETフィルム基材が貼合された面とは反対側の面に保護フィルム(東レフィルム加工(株)製「N711」、弱粘着力ポリエチレン保護フィルム、幅:830mm)を、透明樹脂フィルムの幅方向の中心と保護フィルムの幅方向の中心とを合せて、保護フィルムの幅方向の両端部が透明樹脂フィルムの幅方向の端部よりそれぞれ20mmずつ内側に位置するように貼合した。得られた保護フィルムと透明樹脂フィルムとPETフィルム基材から構成されるフィルム状の積層体ロール芯巻取ってロール状とした。その後、ロール状に巻き取られた積層体を巻き出しながらPETフィルム基材を剥離し、透明樹脂フィルムと保護フィルムから構成される積層体を巻き取り、フィルムロールを得た。

0080

(2)剥離ムラの評価
上記(1)で得られたフィルムロールから、保護フィルムを剥離し、200℃で15分間乾燥(ベーク)させた後、以下の方法に従い、剥離ムラを評価した。
ポラリオライト〔ポラリオン社製「PS−X1」〕(3,400ルーメン)を流れ方向(即ち、縦方向)から照射した。その際、フィルム面に対して20〜70°程度の寝かせた角度で照射した。視認する方向は、評価する樹脂フィルムの面のほぼ真上(樹脂フィルム面から90°の角度)からであり、肉眼により評価を行った。

0081

<剥離ムラの評価基準
○:剥離ムラは確認できなかった。
×:剥離ムラが確認された。

0082

<透明樹脂フィルム中の溶媒量>
上記(1)で得たれたフィルムロールから保護フィルムを剥離し、直ちに透明樹脂フィルムの総質量を測定し、次いで透明樹脂フィルム中に含まれる溶媒量を測定して、透明樹脂フィルムの総質量に対する溶媒の含有量(質量%)を求めた。なお、透明樹脂フィルムの総質量に対する溶媒の含有量(質量%)は、以下の方法で質量変化率L(%)として求めた。

0083

熱重量−示差熱(TG−DTA)の測定装置として、(株)日立ハイテクサイエンス製TG/DTA6300を用いた。作製された透明樹脂フィルムから約20mgの試料を取得した。試料を、室温から120℃まで10℃/分の昇温速度で昇温し、120℃で5分間保持した後、400℃まで10℃/分の昇温速度で昇温する条件で加熱しながら、試料の質量変化を測定した。

0084

TG−DTA測定による試料の質量変化の測定結果から、120℃から250℃にかけての質量減少率L(%)を下記式によって算出した。
L(%)=100−(W1/W0)×100
ここで、W0は120℃で5分間保持した後の試料の質量を示し、W1は250℃における試料の質量を示す。

0085

実施例2〜6および比較例1〜6
透明樹脂フィルムの厚さおよび幅、保護フィルムの厚さ、幅および種類、並びに溶媒として、それぞれ表1に示すものを採用し、保護フィルムと透明樹脂フィルムとが表1に示す端部の長さにおいて重なり合ないよう貼合した以外は、実施例1と同様にしてフィルムロールを作製した。得られたフィルムロールから保護フィルムを剥離し、表1に記載の条件に従い乾燥(ベーク)させた際の剥離ムラを評価した。なお、透明樹脂フィルムと保護フィルムの貼合は、いずれも、透明樹脂フィルムの幅方向の中心と保護フィルムの幅方向の中心とを合せて、保護フィルムの幅方向の両端部が透明樹脂フィルムの幅方向の端部より同じ長さ内側に位置するように貼合した。結果を表1に示す。
また、実施例4および実施例6で使用した保護フィルム「25−MK01」は東レ(株)製ポリプロピレン(PP)フィルム「商品トレファン(登録商標)」であり、実施例5で使用した保護フィルム「ForceField」はTredegar Film Products社製ポリエチレンフィルム「ForceField 1035」であり、比較例1〜比較例4で使用した「7832C」は東レフィルム加工(株)製ポリエチレン(PE)フィルム「商品名 トレテック(登録商標)」である。

0086

実施例7
(1)シリカゾルの調製
ゾルゲル法により作製されたBET径BET法で測定された平均一次粒子径)27nmのアモルファスシリカゾルを原料とし、溶媒置換により、γ−ブチロラクトン(以下、GBLと表記することもある)置換シリカゾルを調製した。得られたゾルを目開き10μmのメンブレンフィルターでろ過し、GBL置換シリカゾルを得た。得られたGBL置換シリカゾルは、いずれもシリカ粒子が30〜32質量%であった。

0087

(2)樹脂ワニスの調製
実施例1で用いたのと同じポリイミド(KPI−MX300F)および上記で得たGBL置換シリカゾルをγ−ブチロラクトン(GBL)と混合して、樹脂ワニス(ポリイミドおよびシリカ粒子の合計濃度10質量%)を調製した。GBL置換シリカゾルの使用量は、ポリイミドと、GBL置換シリカゾルにおけるシリカ粒子との質量比が60:40となるように調整した。

0088

(3)フィルムロールの調製
実施例1で用いた樹脂ワニスに代えて上記で得た樹脂ワニスを用い、透明樹脂フィルムの厚さおよび幅、並びに保護フィルムの厚さ、幅および種類を表1に記載のとおりとし、保護フィルムと透明樹脂フィルムとが表1に示す端部の長さにおいて重なり合ないよう貼合した以外は、実施例1と同様にしてフィルムロールを作製した。なお、透明樹脂フィルムと保護フィルムの貼合は、透明樹脂フィルムの幅方向の中心と保護フィルムの幅方向の中心とを合せて、保護フィルムの幅方向の両端部が透明樹脂フィルムの幅方向の端部より同じ長さ内側に位置するように貼合した。結果を表1に示す。
次いで、得られたフィルムロールから保護フィルムを剥離し、テンター工程にてフィルムロールの端部をクリップで保持し、200℃で9分間かけて乾燥(ベーク)した。その後、実施例1と同様にして剥離ムラを評価した。結果を表1に示す。

0089

実施例8
(1)ポリアミドイミドの調製
窒素ガス雰囲気下、撹拌翼を備えた反応釜に、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル(TFMB)25.000kgおよびDMAc 321.035kgを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAcに溶解させた。次に、フラスコに4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(6FDA)10.420kgを添加し、室温で3時間撹拌した。その後、4,4’−オキシビスベンゾイルクロリド)(OBBC)4.615kg、次いでテレフタロイルクロリドTPC)7.785kgをフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコに4−メチルピリジン4.945kgと無水酢酸7.185kgとを加え、室温で30分間撹拌後、70℃に昇温し、さらに3時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノールで6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、透明なポリアミドイミド(ポリスチレン換算分子量Mw:420,000)を得た。

0090

(2)フィルムロールの調製
実施例1で用いたポリイミド(KPI−MX300F)に代えて上記で得たポリアミドイミドを用い、透明樹脂フィルムの厚さおよび幅、並びに保護フィルムの厚さ、幅および種類を表1に記載のとおりとした以外は実施例7と同様にしてフィルムロールを作製した。
次いで、得られたフィルムロールから保護フィルムを剥離し、テンター工程にてフィルムロールの端部をクリップで保持し、200℃で12分かけて乾燥(ベーク)した。その後、実施例1と同様にして剥離ムラを評価した。結果を表1に示す。

0091

実施例9
実施例7で用いたポリイミド(KPI−MX300F)に代えて実施例8で得たポリアミドイミドを用い、透明樹脂フィルムの厚さおよび幅、並びに保護フィルムの厚さ、幅および種類を表1に記載のとおりとした以外は実施例7と同様にしてフィルムロールを作製した。
次いで、得られたフィルムロールから保護フィルムを剥離し、テンター工程にてフィルムロールの端部をクリップで保持し、200℃で13分間かけて乾燥(ベーク)した。その後、実施例1と同様にして剥離ムラを評価した。結果を表1に示す。

実施例

0092

0093

1:フィルムロール
2:透明樹脂フィルム
2a:透明樹脂フィルム端部
3:保護フィルム
3a:保護フィルム端部
4:積層フィルム
5:巻芯

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ