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技術 汚泥掻寄機、無端チェーン及びチェーン連結用ピン

出願人 住友重機械エンバイロメント株式会社
発明者 柄澤俊康
出願日 2018年2月6日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-018763
公開日 2019年8月22日 (8ヶ月経過) 公開番号 2019-136616
状態 未査定
技術分野 凝集・沈殿処理
主要キーワード 平均破断強度 連結用ピン 挿入方向前側 合成樹脂ポリマー 外包部材 硫酸処理後 樹脂製チェーン 寄せ羽根
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年8月22日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

本発明の課題は、汚泥掻寄機に用いる無端チェーン及びチェーン連結用ピンにおいて、高濃度硫酸に対する耐性に優れた無端チェーン及びチェーン連結用ピンを提供することを目的とする。また、円滑な摺動性を示すという機能性に優れた無端チェーン及びチェーン連結用ピンを提供することを目的とする。

解決手段

上記課題を解決するために、沈殿池池底堆積した汚泥を掻き寄せる無端チェーン及びチェーン連結用ピンとして、5〜20質量%のポリテトラフルオロエチレンを含有する変性ポリフェニレンエーテル製のチェーン連結用ピンと、このチェーン連結用ピンと変性ポリフェニレンエーテル製のチェーン本体とを備えたことを特徴とする無端チェーンを提供する。

概要

背景

下水処理場廃水処理場浄水場等の水処理施設では、被処理水中に含まれる汚泥のような固体粒子沈降分離を行う沈殿池が設置されている。また、沈殿池には、沈降分離した汚泥を掻き寄せるための汚泥掻寄機が設置されており、掻き寄せられた汚泥は、汚泥ピットに集められて排出管から沈殿池の外部へ排出される。

このような汚泥掻寄機としては、沈殿池の底部及び水面を移動する無端チェーンと、無端チェーンに固定された複数のフライトからなるチェーンフライト式の汚泥掻寄機が知られている。チェーンフライト式の汚泥掻寄機は、無端チェーンに固定されたフライトが池底と水面を移動することにより、矩形沈殿池の池底に堆積した汚泥を汚泥ピットに、水面に浮上したスカムスカム排出装置まで掻き寄せる機能を有する装置である。

例えば、特許文献1には、汚泥掻寄機用のチェーンが開示されている。このチェーンは、複数のチェーンリンクが無端状に連結されたチェーンであって、各チェーンリンクは、チェーンリンクを補強するための金属製の補強片と、補強片全体を覆う合成樹脂製の外包部材により構成されている。外包部材を形成する合成樹脂としては、腐食防止耐久性の向上等の観点からアクリル樹脂フッ素樹脂等が好ましい、と記載されている。

概要

本発明の課題は、汚泥掻寄機に用いる無端チェーン及びチェーン連結用ピンにおいて、高濃度硫酸に対する耐性に優れた無端チェーン及びチェーン連結用ピンを提供することを目的とする。また、円滑な摺動性を示すという機能性に優れた無端チェーン及びチェーン連結用ピンを提供することを目的とする。上記課題を解決するために、沈殿池の池底に堆積した汚泥を掻き寄せる無端チェーン及びチェーン連結用ピンとして、5〜20質量%のポリテトラフルオロエチレンを含有する変性ポリフェニレンエーテル製のチェーン連結用ピンと、このチェーン連結用ピンと変性ポリフェニレンエーテル製のチェーン本体とを備えたことを特徴とする無端チェーンを提供する。

目的

本発明の課題は、汚泥掻寄機に用いる無端チェーン及びチェーン連結用ピンにおいて、高濃度の硫酸に対する耐性に優れた無端チェーン及びチェーン連結用ピンを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

沈殿池池底堆積した汚泥を掻き寄せる汚泥掻寄機に用いる無端チェーンであって、変性ポリフェニレンエーテル製のチェーン本体と、5〜20質量%のポリテトラフルオロエチレンを含有する変性ポリフェニレンエーテル製のチェーン連結用ピンと、を備えたことを特徴とする、無端チェーン。

請求項2

沈殿池の池底に堆積した汚泥を掻き寄せる汚泥掻寄機に用いる無端チェーンにおけるチェーン連結用ピンであって、5〜20質量%のポリテトラフルオロエチレンを含有する変性ポリフェニレンエーテル製であることを特徴とする、チェーン連結用ピン。

請求項3

沈殿池の池底に堆積した汚泥を掻き寄せる汚泥掻寄機において、変性ポリフェニレンエーテル製のチェーン本体と、5〜20質量%のポリテトラフルオロエチレンを含有する変性ポリフェニレンエーテル製のチェーン連結用ピンと、を具備する無端チェーンを備えたことを特徴とする、汚泥掻寄機。

技術分野

0001

本発明は、沈殿池池底堆積した汚泥を掻き寄せるための汚泥掻寄機、汚泥掻寄機に用いる無端チェーン、及び、無端チェーンに用いるチェーン連結用ピンに関するものである。

背景技術

0002

下水処理場廃水処理場浄水場等の水処理施設では、被処理水中に含まれる汚泥のような固体粒子沈降分離を行う沈殿池が設置されている。また、沈殿池には、沈降分離した汚泥を掻き寄せるための汚泥掻寄機が設置されており、掻き寄せられた汚泥は、汚泥ピットに集められて排出管から沈殿池の外部へ排出される。

0003

このような汚泥掻寄機としては、沈殿池の底部及び水面を移動する無端チェーンと、無端チェーンに固定された複数のフライトからなるチェーンフライト式の汚泥掻寄機が知られている。チェーンフライト式の汚泥掻寄機は、無端チェーンに固定されたフライトが池底と水面を移動することにより、矩形沈殿池の池底に堆積した汚泥を汚泥ピットに、水面に浮上したスカムスカム排出装置まで掻き寄せる機能を有する装置である。

0004

例えば、特許文献1には、汚泥掻寄機用のチェーンが開示されている。このチェーンは、複数のチェーンリンクが無端状に連結されたチェーンであって、各チェーンリンクは、チェーンリンクを補強するための金属製の補強片と、補強片全体を覆う合成樹脂製の外包部材により構成されている。外包部材を形成する合成樹脂としては、腐食防止耐久性の向上等の観点からアクリル樹脂フッ素樹脂等が好ましい、と記載されている。

先行技術

0005

特開2007−185625号公報

発明が解決しようとする課題

0006

下水処理場等の最初沈殿池は、雨水調整池としても利用するために、通常は沈殿池内の水を抜いて使用している。沈殿池の池底では、残留汚泥が腐敗して硫化水素が発生する。そして、硫化水素の一部は雨水などにより酸化されて硫酸となるため、沈殿池内には硫酸が存在している。
最初沈殿池から水を抜いた状態で放置しておくと、無端チェーンに付着した水滴自然乾燥し、無端チェーン上で硫酸が高濃度化する。樹脂製チェーンは、高濃度の硫酸に曝されて腐食するという問題がある。

0007

本発明の課題は、汚泥掻寄機に用いる無端チェーン及びチェーン連結用ピンにおいて、高濃度の硫酸に対する耐性に優れた無端チェーン及びチェーン連結用ピンを提供することを目的とする。また、円滑な摺動性を示すという機能性に優れた無端チェーン及びチェーン連結用ピンを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、変性ポリフェニレンエーテル製のチェーン本体と、変性ポリフェニレンエーテルに摺動性を高めるための素材を含有させたチェーン連結用ピンとを組み合わせることで、耐硫酸性に優れ、円滑な摺動性を示す無端チェーン及びチェーン連結用ピンが得られることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の無端チェーン及びチェーン連結用ピンである。

0009

上記課題を解決するための本発明の無端チェーンは、沈殿池の池底に堆積した汚泥を掻き寄せる無端チェーンであって、変性ポリフェニレンエーテル製のチェーン本体と、5〜20質量%のポリテトラフルオロエチレンを含有する変性ポリフェニレンエーテル製のチェーン連結用ピンとを備えたことを特徴とする。

0010

変性ポリフェニレンエーテル製の無端チェーンは、硫酸耐性に優れるため、高濃度の硫酸による劣化を抑制することできる。また、機械的強度にも優れるため、引張による破断も抑制することができる。また、チェーン連結用ピンとして、変性ポリフェニレンエーテルに5〜20質量%のポリテトラフルオロエチレンを含有させることで、チェーン連結用ピンの表面の滑りが良くなり、耐硫酸性かつ摺動性に優れた無端チェーンとなる。
よって、本発明の無端チェーンによれば、沈殿池において高濃度の硫酸が接触するような状況下で使用しても、部品交換頻度が少なく、維持管理性に優れた無端チェーンを提供することができる。そして、摺動性が高まることにより、機能性に優れ、かつ無端チェーンの動力が低減されるため、省エネルギー性に優れるという効果を有する。

0011

また、上記課題を解決するための本発明のチェーン連結用ピンは、沈殿池の池底に堆積した汚泥を掻き寄せる汚泥掻寄機に用いる無端チェーンにおけるチェーン連結用ピンであって、5〜20質量%のポリテトラフルオロエチレンを含有する変性ポリフェニレンエーテル製であることを特徴とする。
本発明のチェーン連結用ピンによれば、上述したように、耐硫酸性及び摺動性に優れたチェーン連結用ピンを提供することができる。

0012

また、上記課題を解決するための本発明の汚泥掻寄機は、沈殿池の池底に堆積した汚泥を掻き寄せる汚泥掻寄機であって、変性ポリフェニレンエーテル製のチェーン本体と、5〜20質量%のポリテトラフルオロエチレンを含有する変性ポリフェニレンエーテル製のチェーン連結用ピンと、を具備する無端チェーンを備えたことを特徴とする。
本発明の汚泥掻寄機によれば、耐硫酸性に優れた無端チェーンを備えるため、部品の交換頻度が少なくなり、維持管理性に優れた汚泥掻寄機を提供することができる。また、本発明の汚泥掻寄機によれば、摺動性に優れたチェーン連結用ピンを具備する無端チェーンを備えるため、無端チェーンの動力を低減することができる。

発明の効果

0013

本発明によると、汚泥掻寄機に用いる無端チェーン及びチェーン連結用ピンにおいて、高濃度の硫酸に対する耐性に優れた無端チェーン及びチェーン連結用ピンを提供することができる。また、円滑な摺動性を示すという機能性に優れた無端チェーン及びチェーン連結用ピンを提供することができる。

図面の簡単な説明

0014

本発明の無端チェーンを備える汚泥掻寄機の構造を示す概略説明図である。
本発明の第1の実施態様の無端チェーンの部品の構造を示す概略説明図である。(A)チェーン本体の概略説明図である。(B)チェーン連結用ピンの概略説明図である。
本発明の第1の実施態様の無端チェーンの部品を組み立てた際の構造を示す概略説明図である。
本発明の第2の実施態様の無端チェーンの部品の構造を示す概略説明図である。(A)無端チェーンの摺動面に隙間を設けた構造を示す概略説明図である。(B)無端チェーンの摺動面に隙間を設けた別の構造を示す概略説明図である。

実施例

0015

本発明の無端チェーン及びチェーン連結用ピンは、沈殿池の池底に堆積した汚泥を掻き寄せる汚泥掻寄機に用いる無端チェーン及びチェーン連結用ピンであって、チェーン本体は変性ポリフェニレンエーテル製であり、チェーン連結用ピンは5〜20質量%のポリテトラフルオロエチレンを含有する変性ポリフェニレンエーテル製であることを特徴とするものである。

0016

以下、図面を参照しつつ本発明に係る無端チェーン及びチェーン連結用ピンの実施態様を詳細に説明する。なお、実施態様に記載する沈殿池、汚泥掻寄機、無端チェーン及びチェーン連結用ピンの構造については、本発明に係る無端チェーン及びチェーン連結用ピンを説明するために例示したにすぎず、これに限定されるものではない。

0017

[無端チェーンを備えた汚泥掻寄機]
図1は、本発明の実施態様の無端チェーンを備えた汚泥掻寄機1の構造を示す概略説明図である。
図1に示すように、汚泥掻寄機1は、下水処理場や浄水場等の沈殿池10の内部に設置されている。

0018

沈殿池10は、横長に構成され、図1の左側から汚水等の被処理水が供給される。沈殿地10の池底10aの被処理水供給側の端部には、汚泥ピット10bが設けられ、この汚泥ピット10bには、汚泥を外部に排出するための排出管10cが設けられている。

0019

また、沈殿池10の略中央部の水面10d付近には、軸回りに回転可能なスカムパイプからなるスカム排出装置6が、沈殿池10の幅方向紙面垂直方向)の全幅に亘って設けられている。このスカムパイプの上方の周面には軸線方向に延びる開口部が形成され、断面形状がC字状を成している。そして、スカムパイプは水面10dに浮遊する浮遊物(スカム)を回収すべく、開口部が水面10dの下に位置するように図1反時計回りに回転し、その後戻る動作を繰り返す。

0020

汚泥掻寄機1は、沈殿池10内を長手方向に周回移動する無端チェーン3aを備えている。無端チェーン3aは、沈殿池10の幅方向(紙面垂直方向)に対向して一対が設置されており、この一対の無端チェーン3aには、沈殿池10の幅方向に延びるフライト(掻き寄せ羽根)4が周回方向に沿って複数配置されている。フライト4は、一対の無端チェーン3aを横架するように取り付けられており、フライト4の両端部は、無端チェーン3aより沈殿池10の幅方向外側まで延在し、沈殿池10の側壁近傍に位置している。

0021

無端チェーン3aは、図1に示すように、駆動スプロケット2a及び3つの従動スプロケット2bに掛け回され、沈殿池10内を周回移動するように取り付けられている。更に、無端チェーン3bが、駆動スプロケット2aと、モータ5に設けられたモータ用スプロケット5aに掛け回されており、モータ5の動力を無端チェーン3aに伝達する。

0022

駆動スプロケット2a及び1つの従動スプロケット2bは水面10d付近に設置されており、この間に掛けられた無端チェーン3aを水面10dに沿って略水平に移動させる。そして、無端チェーン3aに取り付けられたフライト4により、水面10dに浮遊するスカムが上述したスカム排出装置6に向けて掻き寄せられる。

0023

また、残る2つの従動スプロケット2bは池底10a付近に設置されており、この間に掛けられた無端チェーン3aを池底10aに沿って略水平に移動させる。そして、無端チェーン3aに取り付けられたフライト4により、池底10aに堆積した汚泥が汚泥ピット10bに掻き寄せられる。汚泥ピッチ10bに集められた汚泥は、排出管10cから沈殿池10の外部に排出される。

0024

[第1の実施態様]
図2には、本発明の第1の実施態様の無端チェーン3a、3bを構成する部品の概略説明図が図示されている。無端チェーン3a、3bは、チェーン本体31、チェーン連結用ピン32、チェーン連結用ピン固定具33により構成される。なお、実施態様の無端チェーン3a、3bの構造は、一例にすぎず、これに限定されるものではない。例えば、チェーン本体にノッチが形成されたノッチチェーン等でもよい。

0025

図2(A)に示すように、チェーン本体31は、2枚の略楕円形板部材の一端を固定し、他端を開放した形状を成している。開放された端部(以下、「開放端部」という。)では、2枚の板部材間の距離が端部に向かって拡大するように形成されており、開放端部の2枚の板部材間の距離は、固定された端部(以下、「固定端部」という。)の幅長より大きくなるように設計されている。

0026

また、チェーン本体31の両端部には、それぞれチェーン連結用ピン32を挿入するためのチェーン連結用ピン挿入部31a、31bが形成され、さらに、開放端部の1枚の外側には、チェーン連結用ピン32の係合部32aを係止するための4つの突片31cを備えている。

0027

図2(B)に示すように、チェーン連結用ピン32は、チェーン本体31の開放端部の幅長より長く、チェーン本体31のチェーン連結用ピン挿入部31a、31bに挿入可能な径からなる円筒状部材である。
また、チェーン連結用ピン32の一端には、チェーン連結用ピン挿入部31aの孔径より大きい長径を有し、略菱形状に形成された係合部32aを備えており、この係合部32aは、チェーン本体31の4つの突片31cの間に係合する。
一方、チェーン連結用ピン32の他端には、略C字状のチェーン連結用ピン固定具33が嵌合可能な溝からなる固定部32bを備えている。

0028

図3には、無端チェーン3a、3bの各部品を組み立てた際の概略説明図が図示されている。
図3に示すように、チェーン本体31は、開放端部の板部材間に、別のチェーン本体31の固定端部を挟み、各端部のチェーン連結用ピン挿入部31a、31bを貫通するようにチェーン連結用ピン32を挿入する。挿入したチェーン連結用ピン32は、固定部32bにおいて略C字状のチェーン連結用ピン固定具33を嵌合して固定され、2つのチェーン本体31を連結する。

0029

複数のチェーン本体31を連結して得られた無端チェーン3a、3bには、チェーン本体31の開放端部の内面と、チェーン本体31の固定端部の外面との間に摺動面34aが形成され、チェーン連結用ピン32の外周面と、チェーン本体31の固定端部側のチェーン連結用ピン挿入部31bの内周面との間に摺動面34bが形成される。

0030

本発明のチェーン本体31は、変性ポリフェニレンエーテルを成型して得ることができる。
変性ポリフェニレンエーテルとは、芳香族ポリエーテル構造を持つポリフェニレンエーテルを含む熱可塑性樹脂に属する合成樹脂ポリマーアロイの総称である。変性ポリフェニレンエーテルに含まれるポリフェニレンエーテル以外の樹脂成分としては、例えば、ポリスチレン樹脂耐衝撃性ポリスチレン樹脂ポリアミド樹脂ポリプロピレン樹脂ポリエステル樹脂ポリアセタール樹脂ポリフェニレンスルファイド樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。

0031

好ましい変性ポリフェニレンエーテルは、耐衝撃性ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂を含むポリマーアロイであり、特に好ましい変性ポリフェニレンエーテルは、耐衝撃性ポリスチレン樹脂を含むポリマーアロイである。なお、耐衝撃性ポリスチレン樹脂とは、ポリスチレン樹脂にゴム成分をブレンドあるいは共重合した樹脂である。
また、連結用ピンと同様に、5〜20質量%のポリテトラフルオロエチレンを含有する変性ポリフェニレンエーテルを用いてもよい。

0032

また、本発明の変性ポリフェニレンエーテルは、耐硫酸性に優れたものである。耐硫酸性とは、10質量%以上の硫酸に対して耐性があるものであり、好ましくは40質量%以上、特に好ましくは90質量%以上の硫酸に対して耐性を有するものである。
ここで、変性ポリフェニレンエーテルの硫酸に対する耐性については、変性ポリフェニレンエーテルにより形成した試験片所定濃度の硫酸に150時間浸漬後、引張試験を行うことにより評価する。評価方法は、試験片と同型に形成したポリアセタール対照片を用意し、引張強さ(最大引応力)を比較することにより行う。そして、硫酸処理後の試験片の引張強さが対照片(硫酸未処理)の引張強さ以上の場合、変性ポリフェニレンエーテルは所定濃度の硫酸に対して耐性を有すると評価する。なお、引張強さは、3回の引張試験の平均値とする。

0033

本発明のチェーン連結用ピン32は、5〜20質量%のポリテトラフルオロエチレンを含有する変性ポリフェニレンエーテルを成型して得ることができる。
耐硫酸性の高い変性ポリフェニレンエーテルに、潤滑性のあるポリテトラフルオロエチレンを含有させることで、チェーン連結用ピンの表面の滑りが良くなり、摺動性を確保することが可能となる。外部からのコーティングによるものではないため、使用によってチェーン連結用ピンの表面が摩耗しても摺動性を確保し続けることが可能となる。

0034

また、変性ポリフェニレンエーテルに対するポリテトラフルオロエチレンの含有量が少ないと十分な摺動性を得ることができないため、少なくとも5質量%以上の含有量とすることが望ましい。一方、ポリテトラフルオロエチレンの含有量が多いと十分な機械的強度を得ることができないため、少なくとも20質量%以下の含有量とすることが望ましい。下限値としてより好ましくは8質量%以上であり、上限値としてより好ましくは15質量%以下であり、特に好ましくは12質量%以下である。

0035

チェーン本体とチェーン連結用ピンの素材の組み合わせについて、それぞれ耐硫酸性、機械的強度、摺動性の視点から評価を行い、結果を表1にまとめた。なお、各特性についての評価基準は、以下のとおりである。
(耐硫酸性)
濃硫酸(98%)に150時間浸漬後におけるチェーンの破断強度低下率(濃硫酸浸漬後の破断強度/濃硫酸浸漬前の破断強度)が0.95以上であるものを〇、0.80以上であるものを△、0.80未満であるものを×とした。
(機械的強度)
平均破断強度が、樹脂製チェーンの一般的な平均破断強度である29.4kN以上であるものを〇、平均破断強度が29.4kN未満であるものを×とした。なお、平均破断強度は、3回の破断強度の測定値の平均である。
(摺動性)
1500Nの負荷をかけた状態で動作確認を行い、チェーンとピンの摺動部にほとんど異音が発生しないものを〇、やや異音が発生するものを△、大きな異音が発生するものを×とした。

0036

0037

なお、表1内のPOMはポリアセタール、m−PPEは変性ポリフェニレンエーテル、PA6はポリアミド6(ナイロン6)、PPはポリプロピレン、PEはポリエチレンPTFEはポリテトラフルオロエチレンを示す。

0038

表1から、従来から用いられているポリアセタールをチェーン本体の素材とした場合(試験No.1,2)、耐硫酸性が不十分であることがわかった。一方、変性ポリフェニレンエーテルをチェーン本体の素材とした場合(試験No.3〜8)、いずれも耐硫酸性が向上した。
しかしながら、チェーン連結用ピンの素材も変性ポリフェニレンエーテルとすると、摺動性が不十分であり、無端チェーンとして動作しないという結果となった(試験No.4参照。)。また、チェーン連結用ピンの素材としてポリプロピレン又はポリエチレンを使用した場合には、耐硫酸性には優れるが、摺動性が不十分であった(試験No.5〜7参照。)。
一方、チェーン連結用ピンの素材として10%のポリテトラフルオロエチレンを含有する変性ポリフェニレンエーテルを用いた場合は、耐硫酸性に優れ、かつ、十分な機械的強度及び摺動性を示すことがわかった。

0039

チェーン連結用ピン固定具33は、機械的強度や摺動性等を厳密に考慮する必要はないため、その材質は特に制限されない。例えば、ステンレス等の金属材料や、ポリスチレン樹脂、耐衝撃性ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂、フッ素樹脂、変性ポリフェニレンエーテル、ポリテトラフルオロエチレンを含有する変性ポリフェニレンエーテル等の硬質樹脂材料等が挙げられる。硫酸との接触の可能性を考慮すると、変性ポリフェニレンエーテル製とすることが好ましい。

0040

[第2の実施態様]
図4は、本発明の第2の実施態様の無端チェーン及びチェーン連結用ピンの構造を示す概略説明図である。
本発明の第2の実施態様の無端チェーン及びチェーン連結用ピンは、より摺動性を向上させるために、チェーン本体31の開放端部の内面と、チェーン本体31の固定端部の外面との間に形成された摺動面34aに、隙間を設ける構造としたものである。

0041

無端チェーン3a、3bの摺動面34aに隙間を設ける手段としては、例えば、図4(A)に示すように、チェーン本体31の開放端部の内面間の距離(図4(A)の「X」を参照。)を、チェーン本体31の固定端部の幅(図4(A)の「Y」を参照。)より大きくなるように設計することで、摺動面34aに隙間を形成する。
好ましくは、チェーン本体31の開放端部の内面間の距離(X)を、チェーン本体31の固定端部の幅(Y)より0.5mm以上大きく、更に好ましくは1mm以上大きくすることが好ましい。

0042

更に、図4(B)には、より確実に隙間を設けるために、一つ以上の段部を備えたチェーン連結用ピン35が図示されている。チェーン連結用ピン35は、挿入方向に向けて縮径するように2段階の段部35a、35bを備えている。

0043

一方、チェーン本体31の開放端部に形成された2つのチェーン連結用ピン挿入部31aの孔径、及び、固定端部に形成されたチェーン連結用ピン挿入部31bの孔径は、チェーン連結用ピン35の径に合わせて設計されている。すなわち、開放端部のチェーン連結用ピン挿入部31aのうちチェーン連結用ピン35の挿入方向前側の孔径(図4(B)の「L」を参照。)、固定端部に形成されたチェーン連結用ピン挿入部31bの孔径(図4(B)の「M」を参照。)、及び、開放端部のチェーン連結用ピン挿入部31aのうちチェーン連結用ピン35の挿入方向後側の孔径(図4(B)の「N」を参照。)が、それぞれチェーン連結用ピン35の固定部32bから段部35aまでの径、段部35aから段部35bまでの径、及び、段部35bから係合部32aまでの径に相当する。

0044

また、段部35aから段部35bの長さは、固定端部に形成されたチェーン連結用ピン挿入部31bの長さより大きく設計されている。これにより、摺動面34aに隙間が形成される。

0045

無端チェーン3aの使用時には引張力がかかるため、チェーン本体31の開放端部は、閉じる方向に加力される。そのため、チェーン本体31の開放端部の内面間の距離(X)が縮小して、隙間が消滅する恐れがある。
図4(B)に図示するように、一つ以上の段部を備えたチェーン連結用ピンを用いることにより、チェーン本体31の連結部において、開放端部の横方向の移動を制限するため、隙間をより確実に形成することができる。

0046

本発明の無端チェーン及びチェーン連結用ピンは、例えば、下水処理場、廃水処理場、浄水場等の沈殿池において、池底に堆積した汚泥を掻き寄せるための汚泥掻寄機に取り付けて使用するものである。特に、高濃度の硫酸が付着するような環境下で用いられる。高濃度の硫酸が付着するような環境下とは、例えば、雨水調整池として利用される沈殿池等のように、沈殿池の内部の水を抜いて使用する場合等が挙げられる。

0047

また、既設の汚泥掻寄機を雨水調整池として利用する際に、既設の汚泥掻寄機に取り付けられた無端チェーン及びチェーン連結用ピンと本発明の無端チェーン及びチェーン連結用ピンを置き換えることができる。

0048

1汚泥掻寄機、2a駆動スプロケット、2b従動スプロケット、3a,3b無端チェーン、4フライト、5モータ、5a モータ用スプロケット、6スカム排出装置、10沈殿池、10a池底、10b汚泥ピット、10c排出管、10d 水面、31チェーン本体、31a,31b チェーン連結用ピン挿入部、31c突片、32 チェーン連結用ピン、32a係合部、32b 固定部、33 チェーン連結用ピン固定具、34a,34b摺動面、35 チェーン連結用ピン、35a,35b 段部

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