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課題

LUMO/HOMO準位が深く、且つ、単位構造中に広いπ共役平面を有しながら、高い可溶性によって高分子量化も可能である、有機半導体ホウ素含有高分子化合物の提供。

解決手段

ホウ素−窒素配位結合を少なくとも2つ有する構造Wと、共役構造を持つ2価の置換基である構造πを含んだ下記式(1)で表される構造単位を含む高分子化合物であって、重量平均分子量が2×104〜1×106であり、Wは、隣接するWまたはπと、W中の5員環を介して結合している、高分子化合物。(Wは共役構造を有する単環又は縮合環を独立して3つを有し、各環の間をホウ素−窒素結合を有する5員環で縮合連結している2価の基;mは0又は1)

概要

背景

有機半導体素子の実用化に際しては、高性能且つ、安価な塗布プロセスによる製造方法が適用可能な有機半導体が必要となる。中でも高分子有機半導体は、塗布に際して優れた膜質が得られ易く素子特性も安定し易いという利点がある。そして、高分子有機半導体をより高移動度にするには、π共役面積が大きい単位構造を導入し、且つ、より高分子量体であることが望ましいことが知られている。

一方、ホウ素−窒素配位結合構造の導入により、LUMO/HOMO準位を深化させることが非特許文献1に開示されており、有機半導体性能の向上も可能であることが特許文献1に開示されている。

概要

LUMO/HOMO準位が深く、且つ、単位構造中に広いπ共役平面を有しながら、高い可溶性によって高分子量化も可能である、有機半導体用ホウ素含有高分子化合物の提供。ホウ素−窒素配位結合を少なくとも2つ有する構造Wと、共役構造を持つ2価の置換基である構造πを含んだ下記式(1)で表される構造単位を含む高分子化合物であって、重量平均分子量が2×104〜1×106であり、Wは、隣接するWまたはπと、W中の5員環を介して結合している、高分子化合物。(Wは共役構造を有する単環又は縮合環を独立して3つを有し、各環の間をホウ素−窒素結合を有する5員環で縮合連結している2価の基;mは0又は1)なし

目的

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、LUMO/HOMO準位が深く、且つ、単位構造中に広いπ共役平面を有しながら、高い可溶性によって高分子量化も可能であり、有機薄膜太陽電池有機EL、有機トランジスタ有機メモリー電子ペーパー熱電変換素子光センサなどの用途に対して好適に用いることができる有機半導体用ホウ素含有高分子化合物を提供する

効果

実績

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請求項1

ホウ素−窒素配位結合を少なくとも2つ有する構造Wと、共役構造を持つ2価の置換基である構造πを含んだ下記式(1)で表される構造単位を含む高分子化合物であってmは0または1を表し、構造Wは、下記式(2)または(3)で表され、環X1、X2、Zは共役構造を持つ単環または縮合環を示し、環Y1、Y2は前記ホウ素−窒素配位結合を有する5員環であり、α1及びα3の何れか一方が窒素原子であり、α2及びα4の何れか一方が窒素原子であり、R1〜R4は同一でも異なっていてもよく、他の骨格を介してホウ素に結合していてもよく、置換されていてもよい炭素数10〜40の直鎖または分岐アルキル基を少なくとも1つ有する1価の置換基を表す、ホウ素含有高分子化合物。

請求項2

重量平均分子量が2×104〜1×106である請求項1に記載のホウ素含有高分子化合物。

請求項3

Wは、隣接するWまたはπと、W中の5員環を介して結合している、請求項1または2の何れか1つに記載のホウ素含有高分子化合物。

請求項4

請求項1〜3の何れか1つに記載のホウ素含有高分子化合物を含有する有機半導体

技術分野

0001

本発明は、ホウ素含有高分子化合物及びその用途に関する。

背景技術

0002

有機半導体素子の実用化に際しては、高性能且つ、安価な塗布プロセスによる製造方法が適用可能な有機半導体が必要となる。中でも高分子有機半導体は、塗布に際して優れた膜質が得られ易く素子特性も安定し易いという利点がある。そして、高分子有機半導体をより高移動度にするには、π共役面積が大きい単位構造を導入し、且つ、より高分子量体であることが望ましいことが知られている。

0003

一方、ホウ素−窒素配位結合構造の導入により、LUMO/HOMO準位を深化させることが非特許文献1に開示されており、有機半導体性能の向上も可能であることが特許文献1に開示されている。

先行技術

0004

Angew.Chem.Int.Ed.2015,54,3648−3652.
国際公開第2006/070817号

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、π共役面積が大きいユニットを有する高分子有機半導体は、高分子量化すると溶解性が低下し、それに伴い、溶液での安定性が悪くなるため、塗布プロセスにおける取扱いに問題があった。一般に、より溶解性を高めるためには、π共役ユニット鎖状置換基を結合させ、その鎖状置換基を伸長させることや、分岐させることなどが考えられる。しかし、有機半導体においては分子の配列が特性に大きな影響を与えるため、構造上適切な位置に鎖状置換基を配置させなければ、乾燥後の有機半導体膜内における分子の配置・配列が適切ではなくなる。有機半導体において、分子の配列も移動度に大きな影響を与えるため、溶解性が向上したとしても、更なる移動度の向上に繋がるとは限らない。従って、溶解性と移動度の両立は困難であった。

0006

また、LUMO/HOMO準位を深化させ、有機半導体の性能を向上させる可能性は示されているが、特許文献1では得られるのはダイマー構造にとどまる。非特許文献1ではポリマー化には成功しているものの、側鎖が適切ではなく、単位構造のπ共役面積も小さいため、十分な半導体特性が得られていなかった。

0007

本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、LUMO/HOMO準位が深く、且つ、単位構造中に広いπ共役平面を有しながら、高い可溶性によって高分子量化も可能であり、有機薄膜太陽電池有機EL、有機トランジスタ有機メモリー電子ペーパー熱電変換素子光センサなどの用途に対して好適に用いることができる有機半導体用ホウ素含有高分子化合物を提供するものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明のいくつかの態様によれば、ホウ素−窒素配位結合を少なくとも2つ有する構造Wと、共役構造を持つ2価の置換基である構造πを含んだ下記式(1)で表される構造単位を含む高分子化合物であって




mは0または1を表し、
構造Wは、下記式(2)または(3)で表され、








環X1、X2、Zは共役構造を持つ単環または縮合環を示し、
環Y1、Y2は前記ホウ素−窒素配位結合を有する5員環であり、
α1及びα3の何れか一方が窒素原子であり、
α2及びα4の何れか一方が窒素原子であり、
R1〜R4は同一でも異なっていてもよく、他の骨格を介してホウ素に結合していてもよく、置換されていてもよい炭素数10〜40の直鎖または分岐のアルキル基を少なくとも1つ有する1価の置換基を表す、
ホウ素含有高分子化合物が提供される。

0009

本発明者が、移動度に優れたホウ素含有高分子化合物について検討を行ったところ、少なくとも2つのホウ素−窒素配位結合を共役平面の広い単位構造中に導入し、ホウ素原子上にアルキル基含有置換基を導入することによって、LUMO/HOMO準位が深く、且つ、移動度の向上に寄与する高分子量であり、単位構造中に広い共役平面を有する高分子化合物を提供できることを見出した。また該高分子化合物は有機半導体として用いることが可能である。

0010

以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、重量平均分量が2×104〜1×106である。
好ましくは、Wは、隣接するWまたはπと、W中の5員環を介して結合している。
本発明の別の観点によれば、上記のホウ素含有高分子化合物を含有する有機半導体が提供される。

0011

以下、本発明の一実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。

0012

本発明の一実施形態によるホウ素含有高分子化合物は有機半導体として用いることが可能であり、下記式(1)で表される高分子化合物である。

0013

すなわち、少なくともホウ素−窒素配位結合を少なくとも2つ有する構造Wを含む構造を単位構造とした高分子化合物である。好ましくは、単位構造はWに加えて共役構造を持つ2価の置換基である構造πを含む。すなわち、mは0または1であり、好ましくは1である。なぜなら、πを含む構成にすることにより、単位構造中にドナー及びアクセプター役割を果たす両構造を有し、分子鎖間の相互作用が強くなり易く、移動度が向上していると推測される。

0014

上記式(1)中Wで表される単位構造は、ホウ素−窒素配位結合を少なくとも2つ有する下記式(2)または(3)で表される構造である。

0015

ホウ素−窒素配位結合を単位構造中に少なくとも2つ有することが、移動度の観点から好ましい。ホウ素−窒素間の電子的な偏りが分子鎖間の相互作用を強めると考えられ、ホウ素−窒素配位結合を単位構造中に2つ以上含むことにより、より電子的な偏りが大きくなり、分子鎖間の相互作用が強くなることで移動度が向上すると考えられる。合成の容易性の観点からホウ素−窒素配位結合を単位構造中に2つ有することがより好ましい。

0016

ホウ素−窒素配位結合を有することによる別の効果として、LUMO/HOMO準位を深くし、大気安定性が向上することが期待される。本発明の一実施形態ではホウ素−窒素配位結合を単位構造中に2以上含むことにより、さらに効果を奏すると考えられる。

0017

Wは、環X1と、X2と、Y1と、Y2と、Zにより構成され、環X1、X2、Zは共役構造を持つ単環または縮合環を示す。

0018

α1とα2は、互いに同一でも異なっていてもよく、好ましくは同一である。また、α3とα4は、互いに同一でも異なっていてもよく、好ましくは同一である。同一である場合には、異なる場合に比べ合成が容易である利点を有し、また対象性が高いことから分子鎖の配置・配列が適切になり易く、移動度が高くなり易い。

0019

α1とα3の一方は、環Y1中のホウ素原子とホウ素−窒素配位結合を形成する窒素原子であり、他方は特に限定されないが、例えば炭素原子である。また、α2とα4の一方は、環Y2中のホウ素原子とホウ素−窒素配位結合を形成する窒素原子であり、他方は特に限定されないが、例えば炭素原子である。

0020

環X1、X2は共役構造を持つ単環または縮合環であり、ホウ素−窒素配位結合を形成する窒素原子を含む場合がある。

0021

環X1、X2はヘテロ原子を含まなくてもよいが、好ましくはヘテロ原子を含む複素環である。複素環は、例えば、ピロールフランチオフェンセレノフェンイミダゾールピラゾールオキサゾールチアゾールピリジンピリミジンピリダジンピラジン等であり、またこれらが縮合した構造であり、より好ましくは硫黄原子を含有し、例えば、チオフェン、チエノチオフェン、ベンゾチオフェンベンゾジチオフェン、チアゾール、チアゾロチアゾール等であり、さらに好ましくは、チオフェンまたはチアゾールである。

0022

環X1、X2が環Y1、Y2中のホウ素原子とホウ素−窒素配位結合を形成する窒素原子を含む場合には、例えば、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、ピリジン等である。好ましくは、チアゾール、ピリジンであり、さらに好ましくは環X1、X2は硫黄原子を含有し、例えば、チアゾールである。

0023

環X1及びX2の単環または縮合環は、半導体特性を損なわない範囲で置換されていてもよく、置換基には限定はないが、具体的には直鎖、分岐、または環状のアルキル基、アルコキシ基アルキルチオ基スルホ基ヒドロキシ基カルボキシ基アミノ基、アミド基エステル基フェニル基等、及び、スルホ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、ハロゲン基で置換された直鎖または分岐状のアルキル基、アルコキシアルキル基アルキレンオキサイド基、フェニル基等であってもよく、置換基は複数有してもよい。

0024

Wは、隣接するWまたはπと、W中の5員環または6員環を介して結合しており、好ましくは5員環を介して結合している。5員環の場合には隣接するWまたはπとの立体反発が少なく、連続した平面構造を形成し易くなり、移動度が向上すると考えられるからである。

0025

環Zは共役構造を持つ単環または縮合環であり、ホウ素−窒素配位結合を形成する窒素原子を含む場合がある。環Zはヘテロ原子を含んでも含まなくてもよく、例えば、ベンゼンナフタレンアントラセン、ピラジン、チエノチオフェン、ベンゾジチオフェン、チアゾロチアゾール、ベンゾビスチアゾール等である。

0026

環Zが環Y1、Y2中のホウ素原子とホウ素−窒素配位結合を形成する窒素原子を含む場合には、環Zは例えば、ピラジン、チアゾロチアゾール、ナフチリジン、ベンゾビスチアゾール、ピラジノビスチアゾール等である。好ましくは、チアゾロチアゾールまたはベンゾビスチアゾールである。

0027

環Y1、Y2はホウ素−窒素配位結合を有する5員環である。環Y1及びY2中でホウ素−窒素配位結合を形成するホウ素原子は同一でも異なってもよいアルキル基含有置換基R1〜R4を有する。

0028

Wがホウ素−窒素配位結合を2つ有する場合、2つのホウ素原子は、上記(2)式のように異なる側に位置していてもよく、上記(3)式のように同じ側に位置していてもよい。各環に導入される置換基により適切な位置は異なるため何れかに限定されるものではなく、また何れの場合でもホウ素−窒素配位結合を2つ有するため同様の効果を奏するものと考えられる。ただ、合成の容易性の観点からは、上記(2)式の様に異なる側に位置していることが優位な場合が多いと考えられる。

0029

R1〜R4は同一でも異なっていてもよく、置換されていてもよい直鎖または分岐の炭素数10〜40のアルキル基を少なくとも1つ有する1価の置換基である。R1〜R4は、アルキル基がホウ素原子に直接結合していても、他の骨格を介して結合していてもよい。上記アルキル基の炭素数は、好ましくは12以上であり、より好ましくは14以上である。上記アルキル基の炭素数は、好ましくは30以下であり、より好ましくは25以下である。なお、上記炭素数は、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。このようなアルキル基含有置換基を導入した場合、溶媒への溶解性が高く塗布プロセスにより有機半導体を作製することができる。ここで、溶媒への溶解性とは、主にハロゲン系溶媒芳香族系溶媒等への溶解性を意味し、具体的にはクロロホルムクロロベンゼンジクロロベンゼントルエンメシチレンアニソールテトラリンシクロヘキシルベンゼンに対する溶解性を意味する。

0030

R1〜R4の中のアルキル基を置換してもよい置換基としては、例えば、スルホ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、カルボキシ基、エステル基、アミノ基、アミド基、ハロゲン基、フェニル基等である。

0031

R1〜R4が他の骨格を介して結合している場合には、上記他の骨格としては、例えば、酸素、窒素、硫黄等のヘテロ原子、ベンゼン環ナフタレン環アズレン環アントラセン環フェナントレン環、ピレン環クリセン環テトラセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、コロネン環、フルオレン環フルオラントレン環、ペンタセン環、ペリレン環ペンタフェン環、ピセン環、ピラントレン環等の芳香環、ピリジン、イミダゾール、チオフェン等の複素環であり、複数を組み合わせても良い。更に、他の骨格とホウ素との間に更に炭素数が1〜6のアルキル鎖を介しても良い。

0032

R1〜R4は、好ましくは、直鎖または分岐のアルキル基が直接ホウ素に結合、または、酸素または硫黄及び/またはフェニル基、ベンジル基フェネチル基を介してホウ素に結合しており、より好ましくは、直鎖または分岐のアルキル基がホウ素に直接結合しており、さらに好ましくは、直鎖のアルキル基がホウ素に直接結合している。

0033

Wの具体的な構造として、具体的には、下記式(4)に示す構造が例示されるがこれに限定されない。

0034

<1.ホウ素含有化合物の合成>
上記式(2)または式(3)で表されるWの合成は、種々の方法により合成可能であるが、上記式(2)で表されるWは、例えば下記反応式(5)または下記反応式(6)の経路で合成することができる。




(式(5)中のR1〜R4は、化学式(2)と同じであり、R5はハロゲンを表す。)




(式(6)中のR1〜R4は、化学式(2)と同じであり、R5はハロゲンを表す。)

0035

<1−1.ホウ素置換基の導入>
不活性ガスで置換した反応容器化合物WA−1またはWB−1、反応溶媒を計量し、冷却した後、塩基を加え、数時間撹拌した後、置換ボランを加え攪拌を行う。反応終了後、精製工程を行いホウ素置換基が導入されたWA−2またはWB−2が得られる。

0036

前記反応容器は、特に限定されないが、ガラス製やテフロン登録商標)製などを用いることができる。

0037

前記反応溶媒としては、特に限定されないが、反応が進行する溶媒であればよく、テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテルアセトニトリルフェノール、ベンゼン、トルエン等があげられる。

0038

前記不活性ガスは窒素、アルゴンヘリウムなどがあげられる。

0039

前記攪拌方法は、特に限定はしないが、スターラーを用いてもよく、振とう機を用いてもよい。

0040

前記精製工程は、目的物が単離できる工程であればよく、公知の方法を用いることができ、具体的に分液抽出カラムクロマトグラフィーによる単離、再結晶などの方法があげられ、それらを組み合わせて単離精製を行っても良い。

0041

前記塩基としては、特に限定されないが、B−N架橋反応が進行する塩基であればよく、アルキルリチウム等の塩基があげられ、具体的には、メチルリチウムn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等があげられる。

0042

前記塩基を加える際の冷却温度は、−100℃〜−50℃であり、好ましくは−90℃〜−70℃である。この温度は、具体的には例えば、−100、−90、−80、−70、−60または50℃であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。

0043

前記塩基を加えたあとの数時間の撹拌は、特に限定はしないが、例えば1〜6時間であり、好ましくは1〜4時間である。この時間は、具体的には例えば、1、2、3、4、5または6時間であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。

0044

前記置換ボランとしては、本発明に用いることが可能な置換基R1〜R4を有し、B−N架橋反応が進行するボランであれば特に制限はされない。

0045

前記ボランを加えたあとの撹拌時間は、特に限定はしないが、例えば1〜24時間であり、好ましくは8〜24時間である。この時間は、具体的には例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15、18、21または24時間であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。

0046

前記ボランを加えたあとの撹拌温度は、−78℃〜25℃であり、好ましくは0℃〜25℃である。この温度は、具体的には例えば、0、5、10、15、20または、25℃であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。

0047

また、B−N架橋反応において、ボランにボロントリブロマイドを用いて、BBr2を架橋体とし、その後、アルキルマグネシウムブロマイドのようなグリニャール試薬を用いてグリニャール反応行い置換基R1〜R4を導入してもよい。

0048

上記式(1)中のπは共役構造を持つ2価の置換基を表し、好ましくは下記式(7)で表される。




ここで、V1及びV2は同一でも異なってもよく、−CR6=CR6−、−C≡C−、2〜40個の炭素原子を有する2価の芳香環または複素環であり、該基は無置換であるか、1個以上の基R6で置換されており、a及びbは、同一でも異なっていてもよく、0〜2の整数を表す。
R6はH、ハロゲン、シアノ基、あるいは炭素数1〜40である直鎖または分岐鎖のアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基を表す。
より好ましくは、Wと結合している部位が、−CH=CH−、−C≡C−、あるいは、5員環である。これらの場合には結合しているWとの立体反発が少なく、連続した平面構造を形成し易くなり、移動度が向上すると考えられるからである。具体的には、下記式(8)に示す構造が例示されるがこれに限定されない。

0049

本発明のホウ素含有高分子化合物は、高分子化合物中に前記化学式(1)に示された構造を含んだ共重合体を含んでいれば良いが、分子鎖間の相互作用をより強くするため、前記化学式(1)中のmが1である、Wとπが交互に配置された交互共重合体を含んでいることが好ましい。

0050

本発明のホウ素含有高分子化合物の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という。)で測定したポリスチレン換算の値であり、通常、2×104〜2×108である。移動度と、溶解性及び成膜性バランスの観点から、高分子化合物の重量平均分子量は2×104〜1×106であることが好ましく、より好ましくは3×104〜5×105である。

0051

上記式(1)を含むホウ素含有高分子化合物の重合方法としては、特に限定は無いが、鈴木カップリングスティルカップリングウルマン反応グレーサー反応、ヘック反応、根カップリング、園頭カップリング、熊田カップリングなどを用いることができ、合成の容易さや、使用できるモノマーの制限が少ないという点で鈴木カップリングやスティルカップリングが好ましい。

0052

鈴木カップリングによる重合を行う方法としては、通常、ホウ素酸またはホウ素酸エステルが結合したW及び/またはπと、ハロゲン化されたW及び/またはπを原料として、パラジウム触媒および塩基の存在下で反応させて重合することが挙げられ、アルゴンガス窒素ガス等の不活性雰囲気下において、触媒失活しない反応系で行うことが好ましい。例えば、アルゴンガスや窒素ガス等で十分置換された系で行うことが好ましい。

0053

スティルカップリングによる重合を行う方法としては、通常、有機スズが結合したW及び/またはπと、ハロゲン化されたW及び/またはπを原料として、パラジウム触媒の存在下で反応させて重合することが挙げられ、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性雰囲気下において、触媒が失活しない反応系で行うことが好ましい。例えば、アルゴンガスや窒素ガス等で十分置換された系で行うことが好ましい。

0054

本発明のホウ素含有高分子化合物の用途には限定はないが、p型有機半導体、n型有機半導体、アンバポーラ型半導体として利用でき、有機薄膜太陽電池、有機EL、有機トランジスタ、有機メモリー、電子ペーパー、熱電変換素子、光センサなどの用途に好適に用いることができる。

0055

<分子量の測定>
以下の実施例において、高分子化合物(重合体)の重量平均分子量は、高速GPC装置(東ソー株式会社製、型式HLC−8320GPC ECcoSEC)、紫外吸光検出器(東ソー株式会社製、型式UV−8320)を用いて測定し、ポリスチレン換算によって算出した。測定溶媒はクロロホルムを用い、GPCカラムは、TSKguardcolumn HHR−H×1+TSKgelGMHHR−H×1(いずれも東ソー株式会社製)を用いた。

0056

<可溶性の評価>
ホウ素含有高分子化合物を、0.5重量%になるようにしてクロロホルムに混合し、20℃で15分間撹拌した。完全に溶解したものを○、溶け残りがあるものを×とした。
イオン化ポテンシャル(HOMO)の測定>
ホウ素含有高分子化合物(P1)を5mg/gの濃度でクロロホルムに溶解させた溶液をフッ素ドープ酸化スズ膜付きガラスの導電膜上に滴下させ、室温、大気下で乾燥させたものを測定サンプルとして、イオン化ポテンシャル測定装置(PYS−201、住友重機械工業製)を用いて測定した。

0057

エネルギーギャップ(Eg)及びLUMOの測定>
ホウ素含有高分子化合物をクロロホルムに溶解させた溶液を、紫外可視近赤分光光度計(JASCO、V−670)によって紫外可視光吸収スペクトルを測定し、スペクトル長波長側の吸収端での波長エネルギー換算した値をEgとした。また、イオン化ポテンシャル(HOMO)とEgの値を差し引き、LUMOを換算した。

0058

<移動度の測定>
移動度の測定は電界効果トランジスタ(TFT)の評価によって行った。
厚さ500ÅのCrゲート電極を作成したガラス基板上に、ZEOCOAES2110−10(日本ゼオン株式会社製)をスピンコート法(500rpm/3sec.及び2000rpm/15sec.)によって塗布し、90℃2min.で加熱した後、更に150℃1hr.で加熱することによってゲート絶縁膜を形成した。次に、ホウ素含有高分子化合物(P1)溶液(0.5wt%、クロロベンゼン溶媒)を、基板上にスピンコート法(1000rpm、60sec.)によって塗布し、窒素下中、ホットプレート上で80℃30min.でアニール処理を行い、有機半導体薄膜を形成した。次に、メタルマスクを用いて金を50nmの膜厚真空蒸着することで、50μmのチャネル長を持つソース電極ドレイン電極を形成し、ボトムゲートトップコンタクト型有機薄膜トランジスタを作製した。
以上のように作製した有機トランジスタを大気下にて電流電圧(I−V)特性を測定し、飽和領域から電荷移動度を求めた。

0059

<Wの合成>
合成例1:ホウ素含有化合物A1、A1−2の合成
・2,5−ビス(3−ブロモ−2−チエニル)ベンゾビスチアゾール(A1−1)の合成
窒素置換した500mLシュレンク管に2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジチオール二塩酸塩4.40g(17.9mmol)とポリリン酸50gを投入し、100℃で3時間加熱攪拌した。この溶液に、3−ブロモチオフェン−2−カルボン酸7.80g(37.7mmol)のスルホラン(47g)溶液を加え、さらに100℃で5時間過熱攪拌した。反応溶液を室温に戻し、水を加えた後、ろ過で固体回収した。得られた個体をジメチルホルムアミドにより洗浄することで、2,5−ビス(3−ブロモ−2−チエニル)ベンゾビスチアゾール(A1−1)8.03g(15.6mmol)を淡黄色の固体として収率87%で得た。

0060

0061

・ホウ素含有化合物A1の合成
窒素置換した500mLシュレンク管に2,5−ビス(3−ブロモ−2−チエニル)ベンゾビスチアゾール(化合物A1−1)1.00g(1.94mmol)、脱水テトラヒドロフラン75mLを投入し、tert−ブチルリチウム1.6M溶液5.1mL(8.15mmol)を−78℃で滴下し、そのまま1時間攪拌した。この溶液に、後述するトリへキサデシルボラン0.91M溶液42.7mL(3.89mmol)を−78℃で滴下した。
ここで、トリヘキサデシルボラン溶液は、窒素置換したシュレンク管に1−ヘキサデセン3.3mL(11.6mmol)、脱水テトラヒドロフラン35mlを投入し、ボラン−テトラヒドロフランコンプレックス0.9M溶液4.3mL(3.88mmol)を0℃で滴下し、そのまま1時間攪拌することで調整した。
反応溶液をゆっくりと室温に戻し、室温で3時間撹拌した。反応液濃縮後、展開溶媒ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーにより、ホウ素含有化合物(A1)1.09g(0.85mmol)を淡黄色の固体として収率44%で得た。

0062

0063

・ホウ素含有化合物A1−2の合成
窒素置換した100mLシュレンク管にホウ素含有化合物(化合物A1)0.40g(0.31mmol)、脱水テトラヒドロフラン20mLを投入し、テトラメチルピペリジルマグネシウムクロリド・リチウムクロリド1.0M溶液1.9mL(1.90mmol)を0℃で滴下し、そのまま1時間攪拌した。この溶液に、0℃でトリメチルスズクロリド0.38g(1.90mmol)を加え、同じ温度で1時間攪拌した。その後、反応溶液を室温に戻し、室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮後、展開溶媒クロロホルムを用いたカラムクロマトグラフィーにより、ホウ素含有化合物(A1−2)0.39g(0.24mmol)を淡橙色の固体として収率79%で得た。

0064

0065

合成例2:ホウ素含有化合物A2、A2−2の合成
・ホウ素含有化合物A2の合成
ホウ素含有化合物A1の合成法において、トリヘキサデシルボランの代わりにジメシチルフルオロボランを原料として用いることで、A2を0.463g(0.543mmol)黄色の固体として収率28%で得た。

0066

・ホウ素含有化合物(A2−2)の合成
ホウ素化合物A2−2は、A2が不溶であったため、合成することが出来なかった。

0067

<ホウ素含有高分子化合物の合成と評価>
実施例1:ホウ素含有高分子化合物(P1)の合成と評価
窒素置換した20mLシュレンク管にホウ素含有化合物(A1−2)を0.10g(0.0624mmol)、5,5'−ジブロモ−2,2'−ビチオフェン(東京化成工業)を20.2mg(0.0624mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム2.9mg(5mol%)、トリ(o−トリルホスフィン1.9mg(10mol%)、クロロベンゼン5mLを投入し、8時間加熱還流条件で攪拌した。その後、2−トリブチルスタニルチオフェン100mg(0.309mmol)を加え、30分間反応させた。室温に戻し、メタノールを加え、固体をろ過で回収し、メタノール及びヘキサンを使用したソックスレー精製で、低分子体を除去した。最後にクロロホルムを使用したソックスレー精製により、抽出したクロロホルムを濃縮し、メタノールを加え、固体を析出させ、ろ過により回収することで、ホウ素含有高分子化合物(P1)61mgを濃紫色の固体として得た。得られた高分子化合物の重量平均分子量をGPC法により測定したところ、63000であった。測定されたHOMOの値は−5.7eV、Egの値は2.0eVであり、それらから換算したLUMOは−3.7eVであった。また、可溶性試験を行ったところ、クロロホルム十分に溶解した。トランジスタによる評価を行ったところ、1.8×10−3cm2/Vsであり、on/off値は106であった。評価結果を表1に示す。

0068

実施例2:ホウ素含有高分子化合物(P2)の合成と評価
ホウ素含有高分子化合物(P1)の合成方法において、5,5'−ジブロモ−2,2'−ビチオフェン(東京化成工業)の代わりに5,5''−ジブロモ−2,2':5',2''−ターチオフェン(東京化成工業)を用いて、ホウ素含有高分子化合物(P2)63mgを濃紫色の固体として得た。評価結果を表1に示す。

0069

実施例3:ホウ素含有高分子化合物(P3)の合成と評価
ホウ素含有高分子化合物(P1)の合成方法において、5,5'−ジブロモ−2,2'−ビチオフェン(東京化成工業)の代わりに4,7−ビス(5−ブロモ−2−チエニル)−2,1,3−ベンゾチアジアゾールを用いて、ホウ素含有高分子化合物(P3)52mgを青色の固体として得た。評価結果を表1に示す。

0070

実施例4:ホウ素含有高分子化合物(P4)の合成と評価
ホウ素含有高分子化合物(P1)の合成方法において、5,5'−ジブロモ−2,2'−ビチオフェン(東京化成工業)の代わりに2,6−ジブロモジチエノ[3,2−b:2',3'−d]チオフェンを用いて、ホウ素含有化合物(P4)58mgを濃紫色の固体として得た。評価結果を表1に示す。

0071

実施例5:ホウ素含有高分子化合物(P5)の合成と評価
ホウ素含有高分子化合物(P1)の合成方法において、5,5'−ジブロモ−2,2'−ビチオフェン(東京化成工業)の代わりに下記化合物Bを用いて、ホウ素含有高分子化合物(P5)81mgを緑色の固体として得た。評価結果を表1に示す。
なお、化合物B1は、J.Mater.Chem.C,2014,2,3457及びJ.Mater.Chem.C,2014,2,6376を参考にして合成した。

0072

比較例1
前述のように、A2を有する重合体は、A2がクロロベンゼンに対する溶解性が無いことから、重合するための前駆体であるA2−2が合成できず、評価することができなかった。結果を表1に示す。

0073

比較例2
実施例1におけるホウ素含有高分子化合物(P1)の代わりにP3HT(綜研化学製、ベラゾールHT、重量平均分子量47,000)を用い、トランジスタ作製におけるアニール条件を150℃30min.に変更した以外は同じ方法で評価を行った。結果を表1に示す。

0074

実施例

0075

実施例1〜5は、比較例に対し、全てクロロホルムへの高い溶解性を示した。また、半導体特性については、p型半導体特性を示し、10−4cm2/Vs以上の移動度と、104以上のon/off値を示した。一方、比較例1は重合することができず、比較例2は、クロロホルムに対して溶け残りがあり、高い溶解性が得られなかった。また、半導体特性に関しては、イオン化ポテンシャルが浅いことから、大気安定性も低くon/off値が低い値となった。

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