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課題

哺乳動物疼痛治療、低減、または防止する組成物を提供する。

解決手段

本組成物は、4‐メチル‐2‐ピペリジン‐1‐イルキノリンを含み、Trpc4活性拮抗して疼痛を緩和するものであり、哺乳動物の内臓痛を治療、低減、または防止するのに使用される。

概要

背景

哺乳動物一過性受容器電位(TRP)チャネルは、6回膜貫通型(6‐TM)陽イオン透過性チャネル(six-transmembrane (6-TM) cation-permeable channels)として記載される。TRPチャネルは、電位依存性のCa2+、K+、およびCl−のゲーティングを制御し、多様式活性化特性を有する、カルシウム透過性チャネルとして特徴付けられる。TRPタンパク質構造は、ポアドメイン(P)が第5TM(S5)と第6TM(S6)との間に位置する、6つの膜貫通(TM)ドメインで構成されるチャネル形成構造であると考えられる。TRPチャネルは、3つの主要メカニズム受容体リガンド、および環境の直接的活性化(environment direct activation)によって、活性化される。受容体の活性化は、細胞貯蔵からのCa2+の遊離ホスファチジルイノシトール(4,5)ビスホスフェート(PIP2)、ジアシルグリセロール(DAG)およびイノシトール(1,4,5)トリホスフェート(IP3)の加水分解を結果として引き起こす、3つのモードにおいて、Gタンパク質共役受容体(GCPR)およびチロシンキナーゼにより、実行される。リガンド活性化は、外因性分子カプサイシンイシリン、2−APB)、内在性脂質、または代謝産物(ジアシルグリセロール)、プリンヌクレオチドおよび代謝体ADPリボース)、ならびに無機イオンにより生じる。TRPチャネルはまた、周囲温度などの環境要因により活性化される。

TRPCサブファミリーが、最初の哺乳動物のTRP、TRPC1の同定により、確立された。一般的なTRPCモチーフは、N末端における、2〜3つのアンキリン様ドメイン反復(ankyrin-like domain repeats)、およびコイルドコイルドメインで構成され、この後に、6つの膜貫通ドメインC末端TRPボックス(C-term TRP box)、およびカルモジュリン(CaM)結合部位が続く。TRPC4のCaMドメインは、カルシウム結合ドメインであり、これは、柔軟なヒンジ中央ヘリックス(flexible hinge central helix)により分離された構造的に類似する2つの球状ドメインで構成される、通常小さい(〜140+アミノ酸の長さ)ダンベル型である、CaMたんぱく質に似ている。球状ドメインは、同種であり、複数対のCa2+結合ヘリックス‐ループ‐ヘリックスモチーフを含有し、これらは、EFハンドモチーフと呼ばれる。カルシウム結合の典型的なメカニズムは、12−残基ループに結合された2つのαヘリックスで構成される、これらのEFハンドで生じる。EFハンドドメインは、タンパク質構造変化によりエフェクターおよびターゲットにさらされることになる。さらされた疎水性領域は、今度は、塩基性両親媒性ヘリックスbasicamphiphilic helices)(BAAヘリックス)を結合する。CaMのヒンジにより、CaMドメインを含んでいるタンパク質は、ターゲットに接触しこれを活性化することができる(図1)。CaMは、動物および植物において高度に保存され、イオンチャネルを含む多くのターゲットに作用する。

TRPC5は、ホモマー的に(homomerically)発現され、また、TRPC4とヘテロマー的に(heteromerically)合成する。TRPC4およびTRPC5は、高い相同性を示し、ヒトの脳、子宮卵巣、および腎臓の細胞において高度に発現される。TRPC4は、PLCβ、ならびに受容体キナーゼおよび受容体チロシンキナーゼの活性化を通じて、Gq/11ファミリーのGPCRにより独自に活性化される、非選択性陽イオンチャネルである。TRPC4を用いた研究では、活性化にはホスホリパーゼC(PLC)活性が必要とされることが示されているが、IP3もDAGも、TRPC4を活性化するのに十分ではない。TRPC4は、PDZ結合モチーフを含有する。PDZドメインは、膜貫通タンパク質細胞骨格信号伝達し、固定する上でタンパク質を助ける、一般的な構造モチーフである。PDZドメイン足場タンパク質、ならびに信号伝達分子は、TRPC4と免疫共沈降する。PDZドメインは、バクテリア酵母、植物、ウィルス、および動物の信号伝達タンパク質に見られる、80〜90個のアミノ酸の一般的な構造ドメインである。PDZは、このドメインを共有することが最初に発見された、3つのタンパク質、すなわち、シナプス後肥厚部タンパク質(PSD95)、ショウジョウバエディスク腫瘍抑制因子(Drosophila disc large tumor suppressor)(DlgA)、およびZO−1タンパク質(zonula occludens-1 protein)(zo−1)、の最初の文字を組み合わせた頭字語である。PDZドメインは、DHR(Dlg相同領域(Dlg homologous region))ドメインまたはGLGF(グリシンロイシン‐グリシン‐フェニルアラニン)ドメインとも呼ばれる。これらのドメインは、膜貫通タンパク質を細胞骨格に固定し、信号伝達複合体を一緒に保持するのに役立つ。

概要

哺乳動物の疼痛治療、低減、または防止する組成物を提供する。 本組成物は、4‐メチル‐2‐ピペリジン‐1‐イルキノリンを含み、Trpc4活性に拮抗して疼痛を緩和するものであり、哺乳動物の内臓痛を治療、低減、または防止するのに使用される。 なし

目的

本開示はまた、1つまたは複数の薬学的に許容可能な担体と共に調合された、本明細書に開示するような化合物を含む、医薬組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

式Iから選択される化合物を含む医薬組成物であって、式I中、Rは、から選択され、R’は、H、CH3、Et、またはXから選択され、R”は、Hまたはアルキルから選択される、医薬組成物。

請求項2

式Iから選択される化合物を含む医薬組成物であって、式I中、Rは、から選択され、R’は、H、CH3、Et、またはXから選択され、R”は、Hまたはアルキルから選択される、医薬組成物。

請求項3

式Iから選択される化合物を含む医薬組成物であって、式I中、Rは、から選択され、R’は、H、CH3、Et、またはXから選択され、R”は、Hまたはアルキルから選択される、医薬組成物。

請求項4

TRPC4活性を調節することにより哺乳動物疼痛を低減または防止するのに使用される、請求項1−3のいずれか1項に記載の医薬組成物であって、前記疼痛は、急性疼痛慢性疼痛神経障害性疼痛侵害受容性疼痛内臓痛、およびそれらの組み合わせから選択される、医薬組成物。

請求項5

請求項4に記載の医薬組成物であって、前記疼痛は、内臓痛を含む、医薬組成物。

請求項6

請求項4に記載の医薬組成物であって、前記疼痛は、神経障害性疼痛を含む、医薬組成物。

請求項7

請求項4に記載の医薬組成物であって、前記慢性疼痛は、癌と関連している、医薬組成物。

請求項8

請求項4に記載の医薬組成物であって、前記急性疼痛は、軟組織損傷、感染、または炎症と関連している、医薬組成物。

請求項9

請求項4に記載の医薬組成物であって、前記医薬組成物は、経口投与され、前記化合物の有効量は、テールフリックモデルラットテール浸漬モデルおよびカラギーナン誘発性足痛過敏モデルから選択される、インビトロおよびインビボアッセイから補外される、医薬組成物。

請求項10

請求項4に記載の医薬組成物であって、前記医薬組成物は、局所投与され、前記化合物の有効量は、テールフリックモデル、ラットテール浸漬モデルおよびカラギーナン誘発性足痛覚過敏モデルから選択される、インビトロおよびインビボのアッセイから補外される、医薬組成物。

請求項11

請求項1−3のいずれか1項に記載の医薬組成物であって、少なくとも1つの追加の薬学的活性物質をさらに含む、医薬組成物。

請求項12

請求項11に記載の医薬組成物であって、前記少なくとも1つの追加の薬学的活性物質は、非オピオイド鎮痛剤オピオイド鎮痛剤抗てんかん薬NMDAアンタゴニストリドカイン三環系抗鬱薬、またはそれらの組み合わせから選択される、医薬組成物。

請求項13

式Iから選択される化合物を含む、TRPC4活性を調節することにより哺乳動物の疼痛を低減または防止するのに使用される医薬組成物であって、式I中、Rは、から選択され、R’は、H、CH3、またはEtから選択され、R”は、Hまたはアルキルから選択される、医薬組成物。

請求項14

式Iから選択される化合物を含む、TRPC4活性を調節することにより哺乳動物の疼痛を低減または防止するのに使用される医薬組成物であって、式I中、Rは、から選択され、R’は、H、CH3、またはEtから選択され、R”は、Hまたはアルキルから選択される、医薬組成物。

請求項15

式Iから選択される化合物を含む、TRPC4活性を調節することにより哺乳動物の疼痛を低減または防止するのに使用される医薬組成物であって、式I中、Rは、から選択され、R’は、H、CH3、またはEtから選択され、R”は、Hまたはアルキルから選択される、医薬組成物。

請求項16

請求項13−15のいずれか1項に記載の医薬組成物であって、前記疼痛は、急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛、内臓痛、およびそれらの組み合わせから選択される、医薬組成物。

請求項17

請求項16に記載の医薬組成物であって、前記疼痛は、内臓痛を含む、医薬組成物。

請求項18

請求項16に記載の医薬組成物であって、前記疼痛は、神経障害性疼痛を含む、医薬組成物。

請求項19

請求項16に記載の医薬組成物であって、前記慢性疼痛は、癌と関連している、医薬組成物。

請求項20

請求項16に記載の医薬組成物であって、前記急性疼痛は、軟組織損傷、感染、または炎症と関連している、医薬組成物。

請求項21

請求項16に記載の医薬組成物であって、前記医薬組成物は、経口投与され、前記化合物の有効量は、テールフリックモデル、ラットテール浸漬モデルおよびカラギーナン誘発性足痛覚過敏モデルから選択される、インビトロおよびインビボのアッセイから補外される、医薬組成物。

請求項22

請求項16に記載の医薬組成物であって、前記医薬組成物は、局所投与され、前記化合物の有効量は、テールフリックモデル、ラットテール浸漬モデルおよびカラギーナン誘発性足痛覚過敏モデルから選択される、インビトロおよびインビボのアッセイから補外される、医薬組成物。

請求項23

請求項13−15のいずれか1項に記載の医薬組成物であって、少なくとも1つの追加の薬学的活性物質をさらに含む、医薬組成物。

請求項24

請求項23に記載の医薬組成物であって、前記少なくとも1つの追加の薬学的活性物質は、非オピオイド鎮痛剤、オピオイド鎮痛剤、抗てんかん薬、NMDAアンタゴニスト、リドカイン、三環系抗鬱薬、またはそれらの組み合わせから選択される、医薬組成物。

技術分野

0001

本出願は、2009年8月20日出願の米国仮特許出願第61/235,534号、2009年10月1日出願の米国仮特許出願第61/247,612号、および2010年8月20日出願のPCT/US10/46151号を、参照により組み込む。

0002

本出願は、2011年12月16日出願の米国仮特許出願第61/576,619号の優先権を主張するものである。

背景技術

0003

哺乳動物一過性受容器電位(TRP)チャネルは、6回膜貫通型(6‐TM)陽イオン透過性チャネル(six-transmembrane (6-TM) cation-permeable channels)として記載される。TRPチャネルは、電位依存性のCa2+、K+、およびCl−のゲーティングを制御し、多様式活性化特性を有する、カルシウム透過性チャネルとして特徴付けられる。TRPタンパク質構造は、ポアドメイン(P)が第5TM(S5)と第6TM(S6)との間に位置する、6つの膜貫通(TM)ドメインで構成されるチャネル形成構造であると考えられる。TRPチャネルは、3つの主要メカニズム受容体リガンド、および環境の直接的活性化(environment direct activation)によって、活性化される。受容体の活性化は、細胞貯蔵からのCa2+の遊離ホスファチジルイノシトール(4,5)ビスホスフェート(PIP2)、ジアシルグリセロール(DAG)およびイノシトール(1,4,5)トリホスフェート(IP3)の加水分解を結果として引き起こす、3つのモードにおいて、Gタンパク質共役受容体(GCPR)およびチロシンキナーゼにより、実行される。リガンド活性化は、外因性分子カプサイシンイシリン、2−APB)、内在性脂質、または代謝産物(ジアシルグリセロール)、プリンヌクレオチドおよび代謝体ADPリボース)、ならびに無機イオンにより生じる。TRPチャネルはまた、周囲温度などの環境要因により活性化される。

0004

TRPCサブファミリーが、最初の哺乳動物のTRP、TRPC1の同定により、確立された。一般的なTRPCモチーフは、N末端における、2〜3つのアンキリン様ドメイン反復(ankyrin-like domain repeats)、およびコイルドコイルドメインで構成され、この後に、6つの膜貫通ドメインC末端TRPボックス(C-term TRP box)、およびカルモジュリン(CaM)結合部位が続く。TRPC4のCaMドメインは、カルシウム結合ドメインであり、これは、柔軟なヒンジ中央ヘリックス(flexible hinge central helix)により分離された構造的に類似する2つの球状ドメインで構成される、通常小さい(〜140+アミノ酸の長さ)ダンベル型である、CaMたんぱく質に似ている。球状ドメインは、同種であり、複数対のCa2+結合ヘリックス‐ループ‐ヘリックスモチーフを含有し、これらは、EFハンドモチーフと呼ばれる。カルシウム結合の典型的なメカニズムは、12−残基ループに結合された2つのαヘリックスで構成される、これらのEFハンドで生じる。EFハンドドメインは、タンパク質構造変化によりエフェクターおよびターゲットにさらされることになる。さらされた疎水性領域は、今度は、塩基性両親媒性ヘリックスbasicamphiphilic helices)(BAAヘリックス)を結合する。CaMのヒンジにより、CaMドメインを含んでいるタンパク質は、ターゲットに接触しこれを活性化することができる(図1)。CaMは、動物および植物において高度に保存され、イオンチャネルを含む多くのターゲットに作用する。

0005

TRPC5は、ホモマー的に(homomerically)発現され、また、TRPC4とヘテロマー的に(heteromerically)合成する。TRPC4およびTRPC5は、高い相同性を示し、ヒトの脳、子宮卵巣、および腎臓の細胞において高度に発現される。TRPC4は、PLCβ、ならびに受容体キナーゼおよび受容体チロシンキナーゼの活性化を通じて、Gq/11ファミリーのGPCRにより独自に活性化される、非選択性陽イオンチャネルである。TRPC4を用いた研究では、活性化にはホスホリパーゼC(PLC)活性が必要とされることが示されているが、IP3もDAGも、TRPC4を活性化するのに十分ではない。TRPC4は、PDZ結合モチーフを含有する。PDZドメインは、膜貫通タンパク質細胞骨格信号伝達し、固定する上でタンパク質を助ける、一般的な構造モチーフである。PDZドメイン足場タンパク質、ならびに信号伝達分子は、TRPC4と免疫共沈降する。PDZドメインは、バクテリア酵母、植物、ウィルス、および動物の信号伝達タンパク質に見られる、80〜90個のアミノ酸の一般的な構造ドメインである。PDZは、このドメインを共有することが最初に発見された、3つのタンパク質、すなわち、シナプス後肥厚部タンパク質(PSD95)、ショウジョウバエディスク腫瘍抑制因子(Drosophila disc large tumor suppressor)(DlgA)、およびZO−1タンパク質(zonula occludens-1 protein)(zo−1)、の最初の文字を組み合わせた頭字語である。PDZドメインは、DHR(Dlg相同領域(Dlg homologous region))ドメインまたはGLGF(グリシンロイシン‐グリシン‐フェニルアラニン)ドメインとも呼ばれる。これらのドメインは、膜貫通タンパク質を細胞骨格に固定し、信号伝達複合体を一緒に保持するのに役立つ。

発明が解決しようとする課題

0006

精査されたほとんどすべての細胞型が、少なくとも1つのTRPチャネルを含有する。この重要な生理学的チャネルの大きなファミリーは、ヒトの多くの疾患に関係してきた。TRPチャネルの大部分は、マウスラット、およびヒトにおいて保存される。ノックアウトマウスの研究は、TRPチャネルの機能を決定するのに洞察力に富んでいると証明されている。Trpc2欠損マウスは、オスメスの仲間(female counterparts)と区別することができず、TRPV6は、前立腺がんアップレギュレートされる。TRPC4転写産物およびタンパク質は、初代培養マウス血管内皮細胞(MAEC)において発現され、チャネルは、MAECにおいてストア枯渇プロトコル(store-depleted protocols)によって活性化され得る。Trpc4欠損マウスでは、アゴニスト誘導性のCa2+流入が、著しく低減される。Trpc4−/−マウスは、血管における内皮依存性血管弛緩の著しい低減を示す。Trpc4欠損マウスは、微小血管浸透性の低下を示し、視床介在ニューロン(thalamic interneurons)からの変異GABA伝達物質放出(altered GABA transmitter release)を有する。TRPC4は、神経系で発現されるが、神経障害性疼痛の対象として、これまで確認されておらず、このチャネルについて、既知の特定の阻害物質はない。

0007

ヒトTRPC4タンパク質は、コイルドコイルドメインに加えて、N末端全体にわたり、またN末端内部に複数のアンキリンドメインを含有する。TRPC4のN末端は、サブユニット集合(subunit assembly)および小孔形成に非常に重要である。N末端の2つの領域が、TRPCチャネル、より具体的にはTRCP4;第3および第4のアンキリン反復、ならびにコイルドコイルドメインの下流の領域、におけるチャネル集合(channel assembly)に不可欠である。第2および第3のアンキリン反復は、TRPC4においてF59‐S137で表わされる。これらのドメインは双方、自己会合(self associate)することができるが、互いに相互作用することは示されていない。コイルドコイルドメイン下流の領域の、最後の18個のアミノ酸は、TRPC4においては287‐ARLKLAIKYRQKEFVAP‐304によって、また、TRPC6においては363‐SRLKLAIKYEVKKFVAHP‐380によって、表わされる。これらのペプチドは、TRPC、より具体的にはTRPC4のチャネル集合にかかわることが確認されている。TRPC4タンパク質には、オリゴマー化の原因となる2つのドメインがある。第1のドメインは、N末端アンキリン反復およびコイルドコイルドメイン(M1‐P304)を含有し、第2のドメインは、推定上の小孔領域およびC末端尾部(I516‐L974)に対応する。TRPC4チャネルがサブユニット集合の際に機能的となる、2つのモデルが存在する。1つのモデルは、第3のアンキリン反復が、分子ジッパープロセス(molecular zippering process)を始めることである。このモデルでは、各相互作用ドメインは、四量体化する能力を有する。別のモデルでは、第1の相互作用ドメインが、2つのサブユニット間二量体を形成し、第2のドメインが、他の2つのサブユニット間での二量体の形成の原因となる。少なくとも第1のアンキリン反復を含むTRPC4およびTRPC5双方のN末端は、ホモサブユニット集合およびヘテロサブユニット集合の双方に不可欠である。TRPC4タンパク質のホモマーおよびヘテロマーの(homo and heteromeric)小孔形成は、タンパク質機能に重要であるので、TRPC4多量体形成を妨げる物質は、TRPC4タンパク質阻害物質の妥当な候補である。

0008

神経障害性疼痛は、神経系の機能障害により生じる慢性疾患である。この神経系の機能障害は、感覚ニューロンである後根神経節(DRG)に集中した末梢神経損傷により、しばしば生じる。異常な神経機能は、損傷した軸索により、また、損傷神経感受性を共有する無傷侵害受容器により、生じる。病状には、長期の痛覚過敏異痛症、および感覚機能喪失が含まれる。神経障害性疼痛の典型的な症候には、他の形では説明できない疼痛の遍在、感覚異常灼熱痛、皮膚に当たる光に対する痛み、および、明確な刺激のない突然の疼痛発作が含まれる。炎症および外傷が、神経損傷の主な原因である。ニューロン接続性、構造または生存の歪み(distorted connectivity, structure or survival of neurons)を引き起こす遺伝性疾患は、神経障害性疼痛も結果として生じ得る。

課題を解決するための手段

0009

哺乳動物における疼痛を治療、低減、または防止する方法が開示され、この方法は、本明細書に記載するような化合物投与することを含む。一態様では、この化合物は、一過性受容器電位チャネル、例えばTRPC4を調節することができる。

0010

本発明のさらなる利点は、一部分は、以下の説明に記載し、一部分は、その説明から明らかとなるか、または、本発明の実施により学習することができる。本発明の利点は、請求項で具体的に指し示す要素および組み合わせにより実現および達成される。前述した一般的な説明、および以下の詳細な説明の双方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、主張されるような発明を制限するものではないことが、理解される。

実施例

0011

定義
本発明は、以下の、本発明の好適な実施形態の詳細な説明およびそれに含まれる実施例、ならびに、それらの任意の図面および説明を参照することで、さらに容易に理解され得る。本明細書に記載されるものに類似するかまたは等価である任意の方法および材料を、本発明の実施または試験に使用することができるが、好適な方法、装置、および材料について説明する。本明細書で言及する、すべての参考文献、刊行物、特許、特許出願、および市販材料は、本発明と関連して使用され得る、刊行物で報告された材料および/または方法を説明し開示する目的で、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書中の何物も、本発明が先行発明によってそのような開示に先行することはできないことを認めるものとして、解釈されないものとする。

0012

本発明の化合物、組成物物品、装置、および/または方法を開示および説明する前に、本発明は、特別の定めがない限り、特定の合成方法または特定の組み換え型バイオテクノロジー方法に限定されず、あるいは、特別の定めがない限り、特定の試薬に限定されず、そのため、当然変化し得ることが、理解される。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的であるにすぎず、限定することを意図していないことも、理解される。

0013

本明細書および請求項では、以下の意味を有するものとして定義されるいくつかの用語に言及する。

0014

本明細書および請求項で使用される、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈で特に明白に規定されない限り、複数の指示物を含む。よって、例えば、「医薬担体(a pharmaceutical carrier)」への言及により、2つまたは3つ以上のそのような担体の混合物などが含まれる。

0015

範囲は、本明細書では、「おおよその(about)」1つの特定の値から、かつ/または「おおよその」別の特定の値まで、として表現され得る。このような範囲が示された場合、別の実施形態は、その1つの特定の値から、かつ/または、その他の特定の値までを含む。同様に、値が、先行詞「約(about)」を使用して、近似値として表現された場合、特定の値により、別の実施形態が形成されることが、理解される。範囲それぞれの終点は、その他の終点に関して、また、その他の終点とは別個に、重要であることが、さらに理解される。

0016

本明細書で使用される用語「アルキル」は、本明細書では(C1〜C22)アルキル、(C1〜C8)アルキル、および(C1〜C6)アルキルとそれぞれ呼ばれる、1〜22個、1〜8個、または1〜6個の炭素原子の直鎖基または分岐基などの、飽和直鎖または分岐炭化水素を指す。例示的なアルキル基は、メチルエチルプロピルイソプロピル、2‐メチル‐1‐プロピル、2‐メチル‐2‐プロピル、2‐メチル‐1‐ブチル、3‐メチル‐1‐ブチル、2‐メチル‐3‐ブチル、2,2‐ジメチル‐1‐プロピル、2‐メチル‐1‐ペンチル、3‐メチル‐1‐ペンチル、4‐メチル‐1‐ペンチル、2‐メチル‐2‐ペンチル、3‐メチル‐2‐ペンチル、4‐メチル‐2‐ペンチル、2,2‐ジメチル‐1‐ブチル、3,3‐ジメチル‐1‐ブチル、2‐エチル‐1‐ブチル、ブチル、イソブチル、t‐ブチル、ペンチル、イソペンチルネオペンチルヘキシルヘプチルオクチルなどを含むが、これらに限定されない。

0017

本明細書で使用される用語「アリール」は、単炭素環式、二炭素環式、または他の多炭素環式の芳香族環系(mono-, bi-, orothermulti- carbocyclic, aromatic ring system)を指す。アリール基は、オプションとして、アリール、シクロアルキル、およびヘテロシクリルから選択される1つまたは複数の環に縮合され得る。本発明のアリール基は、アルコキシアリールオキシ、アルキル、アルケニルアルキニルアミドアミノ、アリール、アリールアルキルカルバマートカルボキシシアノ、シクロアルキル、エステルエーテルホルミルハロゲンハロアルキルヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシルケトンニトロ、リン酸スルフィドスルフィニルスルホニルスルホン酸スルホンアミド、およびチオケトンから選択される基で置換され得る。例示的なアリール基は、フェニルトリルアントラニルフルオレニルインデニルアズレニル、およびナフチル、ならびに、ベンゾ縮合炭素環式部分(benzo-fused carbocyclic moieties)、例えば、5,6,7,8−テトラヒドロナフチル、を含むが、これらに限定されない。例示的なアリール基はまた、本明細書では「(C6)アリール」と呼ばれる、環が6個の炭素原子を含む、単環芳香族環系を含むが、これに限定されない。

0018

「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「アルコキシ」、「アミノ」、および「アミド」基は、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、アリール、アリールアルキル、カルバマート、カルボキシ、シアノ、シクロアルキル、エステル、エーテル、ホルミル、ハロゲン、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシル、ケトン、ニトロ、リン酸、スルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルホン酸、スルホンアミド、チオケトン、ウレイド、および窒素から選択される少なくとも1つの基で置換されるか、中断されるか、または、分岐されることができる。置換基は、置換または非置換のヘテロ環またはシクロアルキルを形成するために分岐されてよい。

0019

アゴニスト」は、受容体の生物学的特性のうちの1つまたは複数を刺激する分子または化合物である。これらは、小さな有機および無機の分子、ペプチド、ペプチド模倣剤、およびアゴニスト抗体を含み得るが、これらに限定されない。用語「アンタゴニスト」は、広義に使用され、アゴニストの結合を防ぐことにより受容体が仲介する生物学的活性を部分的または全体的に妨げるか、抑制するか、または中和する、任意の分子または化合物を指す。アンタゴニストは、小さな有機および無機の分子、ペプチド、ペプチド模倣剤、および中和抗体を含み得るが、これらに限定されない。

0020

本明細書で使用される用語「含む(comprising)」、「含有する(containing)」、「有する(having)」、および「含む(including)」は、オープンで非限定的な意味で使用される。

0021

本明細書で使用される「有効量(effective amount)」は、概して、以下で定めるような、「疼痛を治療、低減、または予防する」望ましい効果を達成するのに必要な最小用量である。

0022

本明細書で使用される「高める(Enhance)」は、イオンチャネルの機能活性のあらゆる増加を含む。

0023

「オプションの(Optional)」または「オプションとして(optionally)」は、その後に述べる事象または状況が起こるかもしれないし起こらないかもしれないこと、また、説明が、その事象または状況が起こった場合、および起こらなかった場合を含むこと、を意味する。

0024

「疼痛(Pain)」は、接触、圧力、熱および冷たさの感覚とは別の、神経組織感知する感覚的経験を意味する。疼痛感覚の範囲、ならびに、個人による疼痛の感知のばらつきにより、疼痛を正確に定義することが、ほぼ不可能となっている。本発明の文脈では、「疼痛」は、可能な広い意味で使用されており、侵害受容性疼痛、例えば、組織損傷および炎症に関連する疼痛、有害刺激に関する疼痛、急性疼痛慢性疼痛、ならびに神経障害性疼痛を含む。

0025

疼痛に気づくほどの刺激レベルを、「痛覚閾値」と呼ぶ。鎮痛剤は、意識を失わせずに痛覚閾値を上げることで疼痛をやわらげる医薬品である。鎮痛剤の投与後は、疼痛を経験するまでには、より高い強度またはより長い持続時間の刺激が必要となる。痛覚過敏に苦しむ個人において、鎮痛剤は、抗痛覚過敏効果を有し得る。鎮痛剤とは対照的に、局所麻酔薬などの薬剤は、末梢神経線維内での伝達を妨げ、これにより、疼痛を認識するのを妨げる。一方、全身麻酔薬は、意識消失を引き起こすことにより、疼痛の認識を低減する。

0026

「急性疼痛」は、特定の原因および目的のある、存続期間が短いものであることが多く、一般的に、持続性心理的反応を生じない。急性疼痛は、軟組織損傷中、また、感染および炎症により、生じ得る。原因を治療することにより、また、疼痛を治療する鎮痛剤および感染を治療する抗生物質を用いた、戦略の組み合わせを通じて、急性疼痛を調整し取り去ることができる。

0027

「慢性疼痛」は、急性疼痛とは明らかに異なるものであり、急性疼痛よりも複雑である。慢性疼痛には、期限がなく、明らかな原因がないことが多く、また、明白な生物学的目的を達するものでもない。慢性疼痛は、患者および医療サービス提供者の双方を当惑させる複数の精神的問題を引き起こす可能性があり、無力感および絶望感を生んでしまう。慢性疼痛の最も一般的な原因は、腰痛頭痛再発性顔面痛、癌に伴う痛み、および関節炎痛を含む。

0028

神経構造への損傷により引き起こされる疼痛は、神経過敏または痛覚過敏として明らかであることが多く、「神経障害性」疼痛と呼ばれる。疼痛は、侵害受容体の刺激によっても「引き起こされ」、無傷の神経経路を介して伝達され得、このような疼痛は、「侵害受容性」疼痛と呼ばれる。一実施形態では、本発明の方法は、神経障害性疼痛を治療するのに使用され得る。神経障害性疼痛は、典型的には、長続きするか、または慢性的であり、最初の急性組織損傷後、数日または数カ月発症することがある。神経障害性疼痛の症状は、持続性の自発性疼痛、ならびに、通常は痛くない刺激に対する疼痛反応である異痛症、通常は針で刺すことなどの軽度の不快感である疼痛性刺激に対する反応増強である、痛覚過敏、または短い不快感が長期の激痛となる、痛感過敏を含み得る。神経障害性疼痛は一般に、オピオイド療法に耐性がある。神経障害性疼痛は、急性組織傷害により生じる刺激の正常処理により生じる疼痛である、侵害受容性疼痛または「通常の疼痛」とは区別され得る。神経障害性疼痛とは対照的に、侵害受容性疼痛は通常、持続時間が、組織修復期間に限られており、通常、利用可能なオピオイド鎮痛剤および非オピオイド鎮痛剤により緩和され得る。

0029

本明細書で使用される内臓痛は、内臓器官由来する疼痛を意味する。内臓痛には、5つの重要な臨床的特徴がある:(1)すべての内臓から引き起こされるものではない(肝臓、腎臓、大部分の充実性臓器、および実質などの器官は、疼痛に敏感でない);(2)内臓損傷に必ずしも関連しているわけではない(腸の切断は、疼痛を生じさせず、付随疼痛のない内臓損傷の一例であるが、を引き延ばすことは、痛みを伴うものであり、また、損傷のない疼痛の一例である);(3)広範性で、局在がはっきりしない;(4)他の場所に関連している;(5)運動反射および自律神経反射、例えば、吐き気嘔吐、および腎臓で生じる背部筋緊張を伴う。Lancet. 1999 Jun 19;353(9170):2145-8。

0030

本明細書で使用される「調節(Modulating)」は、イオンチャネルの機能活性に対するあらゆる効果を含む。これは、適切な刺激物質の存在下で、または適切な刺激物質に反応して、チャネルの活性を妨げるか、または抑制することを含む。あるいは、調節物質(modulators)は、チャネルの活性を高めることができる。

0031

本明細書で使用される用語「薬学的に許容可能な組成物」は、1つまたは複数の薬学的に許容可能な担体と共に調合される、本明細書に開示する少なくとも1つの化合物を含む、組成物を指す。

0032

本明細書で使用される用語「薬学的に許容可能な」とは、ヒトまたは他の哺乳動物に投与された際に拒絶反応アレルギー反応、または他の厄介な反応もしくは望ましくない反応を引き起こさない、任意の分子的実体または組成物を指す。

0033

用語「薬学的に許容可能な塩」は、本発明の組成物で使用される化合物中に存在し得る、酸性基または塩基性基の塩を指す。塩基性の性質である、本発明の組成物に含まれる化合物は、さまざまな無機酸および有機酸を有する広範な塩を形成することができる。そのような塩基性化合物の薬学的に許容可能な酸付加塩を調製するのに使用され得る酸は、毒性のない酸付加塩、すなわち、硫酸塩、クエン酸塩リンゴ酸塩(matate)、酢酸塩シュウ酸塩塩化物塩臭化物塩ヨウ化物塩硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩リン酸塩、過リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩オレイン酸塩タンニン酸塩パントテン酸塩酒石酸水素塩アスコルビン酸塩コハク酸塩マレイン酸塩ゲンチジン酸塩(gentisinate)、フマル酸塩グルコン酸塩グルクロン酸塩(glucaronate)、糖酸塩、ギ酸塩安息香酸塩グルタミン酸塩メタンスルホン酸塩エタンスルホン酸塩ベンゼンスルホン酸塩p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩(すなわち、1,1’‐メチレンビス‐(2‐ヒドロキシ‐3‐ナフトエ酸)塩)を含むが、これらに限定されない、薬理学的に許容可能な陰イオンを含有する塩、を形成するものである。アミノ部分を含む、本発明の組成物に含まれる化合物は、前述した酸に加え、さまざまなアミノ酸を有する薬学的に許容可能な塩を形成することができる。酸性の性質である、本発明の組成物に含まれる化合物は、薬理学的に許容可能なさまざまな陽イオンを有する塩基塩(base salts)を形成することができる。このような塩の例は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩、特に、カルシウム塩マグネシウム塩ナトリウム塩リチウム塩亜鉛塩カリウム塩、および鉄塩、を含む。

0034

本開示の化合物は、1つまたは複数のキラル中心および/または二重結合を含有することができるので、立体異性体、例えば、幾何異性体光学異性体、またはジアステレオマーとして、存在する。本明細書で使用される場合、用語「立体異性体」は、すべての幾何異性体、光学異性体、またはジアステレオマーからなる。これらの化合物は、ステレオジェニックな(stereogenic)炭素原子の周りの置換基の構成に応じて、「R」または「S」の記号により表わされ得る。本発明は、これらの化合物およびその混合物のさまざまな立体異性体を包含する。立体異性体は、光学異性体およびジアステレオマーを含む。光学異性体またはジアステレオマーの混合物は、命名法において「±」で表わされ得るが、当業者は、構造が、黙示的にキラル中心を示し得ることを、認識するであろう。

0035

本明細書で使用される用語「被験者」は、疼痛の調節が望ましい任意の哺乳動物または他の脊椎動物、例えば、ヒト、霊長類、または、を意味する。

0036

炭素炭素二重結合の周りの置換基は、代わりに、「シス(cis)」または「トランス(trans)」と呼ばれてもよく、「シス」は、二重結合の同じ側にある置換基を表し、「トランス」は、二重結合の両側にある置換基を表わす。炭素環の周りの置換基の配列は、「シス」または「トランス」として表わされる。用語「シス」は、環の平面の同じ側にある置換基を表し、用語「トランス」は、環の平面の両側にある置換基を表わす。置換基が環の平面の同じ側および両側の双方に配された化合物の混合物は、「シス/トランス」と表わされる。

0037

本明細書で使用される「適切な置換基」は、本発明の化合物またはそれらを調製するのに有用な中間生成物の合成的有用性または調剤上の有用性を無効にしない基を指す。適切な置換基の例としては、C1〜22、C1〜8、およびC1〜6アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル;C1〜6アリール、C2〜5ヘテロアリール;C3〜7シクロアルキル;C1〜22、C1〜8、およびC1〜6アルコキシ;C6アリールオキシ;−CN;−OH;オキソハロ、カルボキシ;アミノ、例えば−NH(C1〜22、C1〜8、もしくはC1〜6アルキル)、−N(C1〜22、C1〜8、およびC1〜6アルキル)2、−NH((C6)アリール)、もしくは−N((C6)アリール)2;ホルミル;ケトン、例えば−CO(C1〜22、C1〜8、およびC1〜6アルキル)、−CO((C6アリール)エステル、例えば、−C02(C1〜22、C1〜8、およびC1〜6アルキル)、ならびに、−C02(C6アリール)、を含むが、これらに限定されない。当業者は、本発明の化合物の安定性ならびに薬理学的活性および合成活性に基づいて、適切な置換基を容易に選択することができるであろう。

0038

「疼痛を治療、低減、または防止する」とは、疼痛が生じる前、生じる間、またはその後に、被験者における疼痛の発症を防止、低減、遅延させるか、または、疼痛の感覚を除去することを意味する。同等の未治療の対照と比べると、そのような低減、または防止の程度は、当技術分野で既知の任意の標準技術により測定して、少なくとも5%、10%、20%、40%、50%、60%、80%、90%、95%、または100%である。疼痛を治療するには、本発明の方法によると、治療は、その疼痛感覚を引き起こしている根本的な病状に対する療法を必ずしももたらさない。疼痛の治療は、単に症候性のもの(symptomatic)となり得る。

0039

本発明を説明する特定の構成および方法を説明したが、これは、例示目的のみで行われたことを理解されたい。当業者は、本発明の趣旨および範囲を逸脱せずに、他の構成および方法を使用し得ることを、認識するであろう。本発明がさまざまな他の適用においても採用され得ることは、当業者には明らかであろう。

0040

一態様では、哺乳動物において疼痛を治療、低減、または防止する方法を開示し、この方法は、表1もしくは表2から選択された化合物、またはその組み合わせを含む、治療上有効量の組成物を、1つまたは複数の薬学的に許容可能な担体と組み合わせて被験者に投与する工程を含む。

0041

一態様では、化合物は、表1から選択される置換キノリン化合物を含み得る。表1および2の全化合物は、Millerらの公開された方法で調製され得、例示的な手順を以下に記載する(J. Biol. Chemistry, Miller et al, vol. 286, pp. 33436-33446の補足資料を参照のこと)。

0042

式1a)は以下のとおり調製される:

0043

クロキノリン(100mg、0.56mmol)およびピペリジン(0.22mL、2.25mmol)を、マイクロ波反応バイアル中でかき混ぜた。バイアルは、密閉され、その後、15分間、かき混ぜながら、200℃のマイクロ波の下で照射された。LC/MSが反応の終了を示した。反応混合物が、MeOHで希釈され、その後、真空下で濃縮された。残渣が、3%の水性HCl(10mL)中に溶解され、ジクロロメタン(2×5mL)で洗浄された。水層は、pHが8になるまで2 N NaOHで処理され、白いスラリーを生じた。スラリーは、ジクロロメタン(3×20mL)で抽出された。有機複合層は、Na2SO4で乾燥され、濃縮されて、白色固体として70mg(55%)の生成物を生じた。1H NMR(400MHz、DMSO−d6):δ7.75(d,J=8.1Hz,1H),7.52〜7.45(m,2H),7.21〜7.17(m,1H),7.10(s,1H),3.67(bs,4H),2.54(s,3H),1.62〜1.55(m,6H)。LC/MS:RT=0.65分、m/z=227.2[M+H]+。

0044

一態様では、化合物は、表2に記載する置換ピペリジン化合物を含み得る。

0045

一態様では、組成物は、表1および表2に列挙された1つまたは複数の化合物を含み得る。

0046

一態様では、化合物は、式Iの化合物を含むことができ、
式中、Rは、



であり、R’はHであり、R”はCH3であり、この化合物は、式1aと呼ばれる。

0047

一態様では、組成物は、Trcp4受容体を調節することができる。その調節は、拮抗作用、または、代わりにアゴニスト作用であってよい。

0048

疼痛を治療する上での、化合物、例えばTrpc4アンタゴニストの有効性は、疼痛に付随する1つまたは複数の臨床症状または生理的指標を観察することによって、あるいは、以下に記載するような疼痛モデルの使用により、決定され得る。

0049

方法の特定の適用のために投与されるべき、適切な有効量は、本明細書に提供されるガイダンスを用いて、当業者が決定することができる。例えば、有効量は、本明細書中前述したようなインビトロおよびインビボアッセイから補外され得る。患者の状態が治療期間にわたりモニターされ得ること、および投与されるTrpc4アンタゴニストの有効量が、しかるべく調整され得ること、が認識されるであろう。

0050

本明細書に開示する化合物のうち1つまたは複数は、調剤上許容可能な組成物において投与され得る。本開示はまた、1つまたは複数の薬学的に許容可能な担体と共に調合された、本明細書に開示するような化合物を含む、医薬組成物を提供する。これらの調合薬は、経口投与直腸投与局所投与口腔投与、および非経口投与(例えば、皮下投与、筋内投与、皮内投与、もしくは静脈内投与)に適したものを含むが、任意の所与の場合における最も適切な投与形態は、治療されている状態の程度および重症度によって、また、使用されている特定の化合物の性質によって決まる。

0051

経口投与に適した調合薬は、不連続単位、例えばカプセルカシェ剤トローチ剤、または錠剤提示され得、それぞれが、所定の量の化合物を、粉末もしくは顆粒として;水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として;または、水中油型乳剤もしくは油中水型乳剤として、含有する。示されたように、このような調合薬は、任意の適切な調剤方法によって調製され得、この方法は、活性化合物および担体または賦形剤(これは1つまたは複数の補足成分を構成し得る)と関連させる工程を含む。担体は、調合薬のその他の成分と適合性があるという意味で許容可能でなければならず、受容者に対して有害であってはならない。担体は、固体もしくは液体、またはその両方であってよく、また、約0.05重量%〜約95重量%の活性化合物を含有し得る、単位用量調合薬、例えば錠剤、として、化合物と調合され得る。他の化合物を含む、他の薬理学的に活性の物質も、存在してよい。本発明の調合薬は、構成成分を混ぜることから本質的になる、周知の調剤技術のうち任意のもので、調製され得る。

0052

固体組成物については、従来の非毒性固体担体は、例えば、医薬品グレードマンニトールラクトースでんぷんステアリン酸マグネシウムサッカリンナトリウムタルクセルロースグルコーススクロース炭酸マグネシウムなどを含む。液体の薬理学的に投与可能な組成物は、例えば、本明細書に記載するような活性化合物、および賦形剤中のオプションの補助薬、例えば、水、食塩水、水性デキストロースグリセロールエタノールなどを溶解、分散させるなどすることで、溶液または懸濁液を形成することによって、調製され得る。一般に、適切な調合薬は、活性化合物を、液体もしくは微粉化した固体の担体、またはその両方と均一かつ密に混ぜて、その後、必要であれば、生成物を成形することにより、調製され得る。例えば、錠剤は、化合物の粉末または顆粒を、オプションとして1つまたは複数の補足成分と共に、圧縮または成型することにより、調製され得る。圧縮錠剤は、自由流動形態の化合物、例えば、結合剤潤滑剤、不活性希釈剤および/もしくは表面活性分散物質とオプションとして混合された粉末または顆粒を、適切な機械において圧縮することで調製され得る。成型された錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物を、適切な機械において成型することにより、製造され得る。

0053

口腔(下)投与に適した調合薬には、風味付けされたベース、通常はスクロースおよびアラビアゴム(acacia)またはトラガカントゴム中に、化合物を含むトローチ剤、ならびにゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアラビアゴムなどの不活性ベース中に化合物を含む香錠(pastilles)が含まれる。

0054

非経口投与に適した本発明の調合薬は、目的とする受容者の血液とほぼ等張である、化合物の無菌水性製剤を含む。これらの製剤は、静脈内投与されるが、投与は、皮下、筋肉内、または皮内注射により、実施されてもよい。このような製剤は、都合のよいことには、水と化合物を混ぜて、得られた溶液を無菌にし、かつ血液と等張にすることによって、調製され得る。本発明による注射可能な組成物は、約0.1重量%〜約5重量%の活性化合物を含有し得る。

0055

直腸投与に適した調合薬は、単位用量座剤(unit-dose suppositories)として呈示される。これらは、1つまたは複数の従来の固体担体、例えばココアバターと、化合物を混ぜ、その後、得られた混合物を成形することによって、調製され得る。

0056

皮膚への局所塗布に適した調合薬は、軟膏クリームローションペーストゲルスプレーエアゾール、またはオイルの形態をとることができる。使用され得る担体および賦形剤は、ワセリンラノリンポリエチレングリコールアルコール、およびこれらのうち2つまたは3つ以上の組み合わせを含む。活性化合物は、一般に、組成物の約0.1重量%〜約15重量%、例えば約0.5%〜約2%の濃度で存在する。

0057

投与される活性化合物の量は、治療されている被験者、被験者の体重、投与方式、および処方医師の判断によって決まり得る。例えば、投薬スケジュールは、約1μg〜約1000mgの知覚投薬量(perceived dosage)で、カプセル型化合物を毎日または1日に2回投与することを含み得る。別の実施形態では、カプセル型化合物1回分の、月単位または年単位などの間欠投与を利用してもよい。カプセル化により、作用部位へのアクセスが容易になり、活性成分を同時に投与することができ、理論上は相乗効果が生じる。標準的な投与計画によれば、医師は、最適な投薬量を容易に決定し、そのような投薬量を達成するために、投与を容易に修正することができる。

0058

本明細書に開示された治療上有効量の化合物または組成物は、化合物の治療有効性によって判断され得る。しかしながら、投薬量は、患者の要求、治療されている状態の深刻さ、および使用されている化合物に応じて、変更され得る。一実施形態では、治療上有効量の開示化合物は、最大限血漿濃度を確立するのに十分である。例えば動物実験に従って決定される、予備投薬量(Preliminary doses)、および、ヒトへの投与に関する投薬量のスケーリングは、当技術分野で認められた慣例(art-accepted practices)に従って実施される。

0059

毒性および治療効果は、例えばLD50(集団の50%を致死させる投薬量)およびED50(集団の50%に治療上有効な投薬量)を決定するための、細胞培養物または実験動物における標準的な調剤手順により、決定され得る。毒性効果と治療効果との用量比は、治療指数であり、これは、比率LD50/ED50として表わすことができる。大きな治療指数を示す組成物が好ましい。

0060

細胞培養アッセイまたは動物実験から入手したデータは、ヒトに使用するための、さまざまな投薬量を処方するのに使用され得る。1つの動物モデルで達成される、治療上有効な投薬量は、当技術分野で既知の換算係数を使用して、ヒトを含む別の動物で使用されるように、変換され得る(例えば、Freireich et al., Cancer Chemother. Reports 50(4):219-244 (1966) and Table 1 for Equivalent Surface Area Dosage Factorsを参照のこと)。

0061

医薬組成物は、単独で、または、他の補足的な活性成分、物質、薬剤もしくはホルモンと組み合わせて、患者に投与され得る。医薬組成物は、従来的な混合、溶解、顆粒化糖衣錠の製造(dragee-making)、すりつぶし(levigating)、乳状化、カプセル化、封入、および凍結乾燥を含むがこれらに限定されない、さまざまなプロセスのうち任意のものを用いて、製造され得る。医薬組成物は、無菌溶液、懸濁液、乳剤凍結乾燥物、錠剤、丸薬ペレット、カプセル、粉末、シロップエリキシル剤、または投与に適切な任意の他の剤形を含むがこれらに限定されない、さまざまな形態のうち任意の形態をとることができる。

0062

治療上有効な投薬量(すなわちED50)は、剤形、投与ルート、被験者の年齢健康状態、および性別、ならびに、被験者の病状の深刻さによって異なり得る。投薬量は、医師によって決定され、観察される治療効果に合うように必要に応じて調節されることができる。

0063

この方法は、本明細書に記載した有効量の化合物を、1つまたは複数の鎮痛剤を含むがこれに限定されない1つまたは複数の他の物質と共に、投与することを含み得る。このような「組み合わせ」療法では、アンタゴニストが、同じかまたは異なる医薬組成物において、1つまたは複数の他の物質と同じかまたは異なる投与ルートによって、独立して、または同時に、送達され得ることが、理解される。一態様では、本明細書に記載する化合物は、アセチルサリチル酸トリサルチル酸コリンマグネシウムアセトアミノフェンイブプロフェンフェノプロフェンジフルシナル(diflusinal)、およびナプロキセンなどの、非オピオイド鎮痛剤;またはモルヒネヒドロモルホンメタドンレボルファノールフェンタニルオキシコドン、およびオキシモルホンを含む、オピオイド鎮痛剤、と組み合わせて、投与され得る。前記に挙げた治療に加え、治療するのが困難となり得る神経障害性疼痛はまた、抗てんかん薬(例えば、ガバペンチンカルバマゼピンバルプロ酸トピラマートフェニトイン(phenyloin))、NMDAアンタゴニスト(例えば、ケタミンデキストロメトルファン)、(ヘルペス後神経痛のための)局所リドカイン、および三環系抗鬱薬(例えば、フルオキセチンセルトラリン、およびアミトリプチリン)で治療されてきた。

0064

医薬組成物が、活性成分を処理して薬学的に許容可能な組成物とするのを容易にする、薬学的に許容可能な担体をオプションとして含み得ることも、構想される。本明細書に使用される用語「薬理学的に許容可能な担体」は、投与された際に長期または永続的な有害作用が実質的にない、任意の担体を指し、「薬理学的に許容可能なビヒクル、安定剤、希釈剤、添加剤もしくは賦形剤」といった用語を包含する。このような担体は、概して、活性化合物と混合されるか、または、活性化合物を希釈もしくは封入することができ、かつ、固体、半固体、もしくは液体の物質であってよい。活性成分は、可溶性であってよく、または、所望の担体もしくは希釈剤中の懸濁液として送達され得ることが、理解される。例えば蒸留水、純水、食塩水などの水媒体溶媒分散媒コーティング抗菌物質および抗真菌薬;等張剤および吸収遅延物質;または任意の他の不活性成分を含むがこれらに限定されない、さまざまな薬学的に許容可能な担体のうち任意のものを使用することができる。薬理学的に許容可能な担体の選択は、投与モードによって決まり得る。任意の薬理学的に許容可能な担体が活性成分と不適合である場合を除いて、薬学的に許容可能な組成物において薬理学的に許容可能な担体を使用することが企図される。このような薬学的担体の具体的な使用の非限定的な例は、Pharmaceutical dosage forms and drug delivery systems (Ansel, H. C. et al., eds., Lippincott Williams & Wilkins Publishers, 7.sup.th ed. 1999);Remington: The Science and Practice of Pharmacy (Gennaro, A. R. ed., Lippincott, Williams & Wilkins, 20.sup.th ed. 2000);Goodman & Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics (Hardman, J. G. et al., eds., McGraw-Hill Professional, 10.sup.th ed. 2001);および、Handbook of Pharmaceutical Excipients (Rowe, R. C. et al.,APhA Publications, 4.sup.th edition 2003)に見ることができる。

0065

医薬組成物は、緩衝剤保存料張性調節剤、塩、酸化防止剤、生理学的物質薬理学的物質増量剤乳化剤湿潤剤甘味料もしくは香味剤などを含むがこれらに限定されない、他の薬学的に許容可能な構成成分を、オプションとして、非限定的に含み得る。結果として得られる製剤が薬学的に許容可能なものであるという条件で、さまざまな緩衝剤、およびpHを調節するための手段を使用して、本明細書に開示する医薬組成物を調製することができる。このような緩衝剤は、酢酸塩緩衝剤クエン酸塩緩衝剤リン酸緩衝剤中性緩衝生理食塩水リン酸緩衝生理食塩水、およびホウ酸塩緩衝剤を含むが、これらに限定されない。必要に応じて組成物のpHを調節するために酸または塩基を使用し得ることが、理解される。薬学的に許容可能な酸化防止剤は、メタ重亜硫酸ナトリウムチオ硫酸ナトリウムアセチルシステインブチル化ヒドロキシアニソール、およびブチル化ヒドロキシトルエンを含むが、これらに限定されない。有用な保存料は、塩化ベンザルコニウムクロロブタノールチメロサール酢酸フェニル水銀硝酸フェニル水銀、および安定化オキシクロロ組成物を含むが、これらに限定されない。医薬組成物中で有用な張性調節剤は、例えば塩化ナトリウム塩化カリウムなどの塩、マンニトールまたはグリセリン、および他の薬学的に許容可能な張性調節剤を含むが、これらに限定されない。医薬組成物は、塩として提供されてよく、塩酸、硫酸、酢酸乳酸酒石酸リンゴ酸コハク酸などを含むがこれらに限定されない、多くの酸により形成されることができる。塩は、対応する遊離塩基形態に比べて、水性または他のプロトン性溶媒中において、より可溶性となる傾向がある。

0066

本発明の方法によると、さまざまな投与ルートが有用となり得る。本発明の方法において有用な末梢投与ルートは、経口投与、局所投与、静脈注射もしくは他の注射、および植え込みミニポンプ、または他の持続放出装置もしくは調合薬を包含するが、これらに限定されない。本発明で有用な医薬組成物は、例えば、錠剤、液体、カプセル、粉末内など、任意の許容可能な形態において経口で;静脈注射、腹腔内注射筋肉内注射皮下注射、もしくは非経口注射によって;経皮拡散もしくは電気泳動によって;ドロップ、クリーム、ゲル、もしくは軟膏内などの任意の許容可能な形態で、局所的に;ミニポンプまたは他の植え込まれた持続放出装置もしくは調合薬によって、末梢投与され得る。

0067

疼痛モデル
化合物の、疼痛を治療する能力は、本明細書に記載するようなさまざまな周知のアッセイを使用して確認され得る。

0068

テールフリックモデル:テールフリック試験(D'Amour et al., J. Pharmacol. Exp. and Ther. 72: 74-79 (1941))は、急性疼痛のモデルである。優しく拘束されたラット(gently-restrained rat)が、試験台(test stage)の上に置かれ、集中光源(focused light source)が、ラットの尻尾の背側または腹側の表面に対し光を発する。光センサーが、光源の反対側に位置付けられて、試験台の上にある。試験を開始するため、ラットの尻尾で光をさえぎり、光が光センサーに到達するのを防ぐ。待ち時間の測定(Latency measurement)は、光源の作動で始まる。ラットがその尻尾を動かすか、または素早く動かす(flicks)と、光センサーは、光源を検出し、測定を停止する。試験では、ラットの尻尾が不動のままである(活動的でない(latent))期間(持続時間)を測定する。ラットは、目的の化合物を投与される前、また、その後、投与された後で何度も、試験される。

0069

ラットテール浸漬モデル(Rat Tail Immersion Model):ラットテール浸漬アッセイも急性疼痛のモデルである。ラットは、小さく折り畳んだ薄い木綿タオルで覆われ、尻尾を露出した状態で、手の中で緩く保持される。尻尾の先端部が、例えば52℃の水浴中に、5.08cm(2インチ)の深さまで浸される。ラットは、尻尾を小刻みに動かすか、または、尻尾を水から引っ張りだすことにより、反応するが、いずれの反応も、行動の終点として記録される。ラットは、目的の化合物を投与される前に尻尾の反応待ち時間(tail response latency)(TRL)スコアについて試験され、また、その後、投与された後で何度もTRLについて再試験される。

0070

カラギーナン誘発性足痛覚過敏モデル(Carrageenan-induced Paw Hyperalgesia Model):カラギーナン足痛覚過敏試験は、炎症性痛覚のモデルである。カラギーナンの皮下注射が、ラットの左後足に行われる。ラットは、カラギーナン注射の例えば30分前、または、カラギーナン注射の例えば2時間後に、選択された物質で処置される。各動物の足の感圧性は、カラギーナン注射から3時間後に、無痛覚計(analgesymeter)で試験される。Randall et al., Arch. Int. Pharmacodyn. 111: 409-419 (1957)を参照のこと。

0071

カラギーナン誘発性足浮腫に対する、選択された物質の効果も、調べることができる。この試験により(Vinegar et al., J. Phamacol. Exp. Ther. 166: 96-103 (1969)を参照のこと)、足へのカラギーナン注射により引き起こされる浮腫の形成を覆すかまたは防止する、化合物の能力を評価することができる。足浮腫試験は、足の測定のために、プレスモメーター(plethysmometer)を用いて行われる。選択された物質の投与後、カラギーナン溶液が、左後足の足底表面上の外側足蹠に皮下注射される。カラギーナン処置から3時間後に、処置された足(左)および未処置の足(右)の体積が、プレチスモメーターを用いて、測定される。

0072

ホルマリン行動反応モデル(Formalin Behavioral Response Model):ホルマリン試験は、急性で持続性の疼痛のモデルである。ホルマリン処置に対する反応は、二相性である(Dubuisson et al., Pain 4: 161-174 (1977))。第1相の反応は、刺激物に対する純粋な侵害刺激反応を示す。典型的にはホルマリン注射から20〜60分して開始する、第2相は、脊髄感作の増大を反映していると考えられる。

0073

Von Freyフィラメント試験(チャンモデル(Chang model)):機械的アロディニアに対する化合物の効果が、疼痛性末梢神経障害のモデルである、脊髄神経L−5がきつく結紮されたラットにおいて、von Freyフィラメント試験により決定され得る。Kim et al., Pain 50: 355-363 (1992)により記述されるように、外科処置が行われる。目盛付きの(calibrated)一連のvon Freyフィラメントが、機械的アロディニアを評価するのに使用される(Chaplan et al., J. Neurosci. Methods53: 55-63 (1994))。剛性が増大したフィラメントが、左後足の坐骨神経分布内で、足底中央表面(midplantar surface)に垂直に取り付けられる。フィラメントは、屈曲が起こるまでゆっくりと押し下げられて、その後、4〜6秒間、保持される。結紮された側における、足を萎縮させること(Flinching)および舌で舐めること(licking)、ならびに足の後退が、肯定的な反応と考えられる。

0074

慢性絞扼損傷(Chronic Constriction Injury):温感および冷感異痛反応が、慢性絞扼損傷(CCI)を有するラットにおいて、以下のとおり評価され得る。Bennett et al., Pain 33: 87-107 (1988)に記載される慢性絞扼損傷モデルを使用して、片側性単神経障害(unilateral mononeuropathy)を、ラットに生じさせる。CCIは、以下のように、麻酔をかけたラットに生じさせる。各ラットの後肢の外側面が、薄く削られ、ノルサン(Nolvasan)で洗われる。無菌法を用いて、後肢の外側面上の、大腿の中ほどの高さに切り込みが入れられる。大腿二頭筋がずばっと切り裂かれて、坐骨神経を露出させる。各ラットの右後肢では、緩く結ばれた4つの結紮(例えば、Chromic gut 4.0;Ethicon, Johnson and Johnson,ニュージャージーサマービル)が、坐骨神経の周りに約1〜2mm離れて作られる。各ラットの左側では、坐骨神経が結紮されないことを除いて、同一の切開が行われる(模擬(sham))。その筋肉は、例えば4-0 Vicryl(Johnson and Johnson, ニュージャージー州サマービル)で、連続した縫合パターンにより閉じられ、覆う皮膚は、創傷クリップで閉じられる。ラットは、識別目的で、にタグが付けられ、動物小屋へ戻される。

0075

ハーグリブス試験(Hargreaves Test):ハーグリーブス試験(Hargreaves et al., Pain 32: 77-88 (1998))も、疼痛の放射熱モデルである。CCIのラットが、術後少なくとも10日、温熱性痛覚過敏について試験される。試験装置は、加熱されて上昇した(elevated heated)(26.7〜27.8℃(80〜82°F))のガラスプラットフォームからなる。試験の少なくとも15分前に、全試験群を代表する8匹のラットが一度に、プラットフォームのガラスの床上で、逆さまのプラスチックケージ(inverted plastic cages)の中に、個々に閉じ込められた。ガラスの下に置かれた放射熱源は、各ラットの後足の足底(plantar hind paw)に向けられる。熱を加えることは、その足が後退するまで(後退待ち時間)、または、経過時間が20秒になるまで、続けられる。このトライアルは、模擬手術された脚(sham operated leg)に対しても行われる。2〜4つのトライアルが、各足に、交互に行われ、トライアルの合間には、少なくとも5分の間隔があけられる。これらの値の平均が、後退待ち時間を表わす。

0076

冷感異痛モデル:行動試験の試験装置および方法は、Gogas et al., Analgesia 3: 111-118 (1997)に記載されている。神経病(CCI)のラットにおいて冷感異痛を試験する装置は、プレキシガラスチャンバからなり、これは、チャンバの底から6cmのところに金属プレートを備えている。このチャンバは、金属プレートの上2.5cmの深さまで、および水で満たされ、槽の温度は、試験の間中、0〜4℃に保たれる。各ラットは、個別にチャンバの中に入れられ、タイマー始動させ、動物の反応待ち時間(response latency)を、最も近い10分の1秒まで測定した。「反応」は、動物が静止していて旋回運動していない場合に、結紮された右後足が水から完全に出る迅速な後退として定義される。動物が歩行し方向を変えている間に、過度に足を引きずることは、反応として記録されない。結紮された脚を水から後退させる、動物の基準スコアは、典型的には、7〜13秒の範囲である。最大浸漬時間は20秒であり、トライアルの合間に20分の間隔があいたものである。

0077

これらのアッセイ、および当技術分野で既知の他のアッセイのうち任意のものを使用すると、ED50の値およびそれらの標準誤差が、認められた数値法を用いて決定され得ることを、当業者は認識する。例えば、Roger E. Kirk, Experimental Design: Procedures for the Behavioral Sciences, (Wadsworth Publishing, 3.sup.rd ed. 1994)を参照のこと。

0078

すべてのパーセンテージおよび比率は、特に指示のない限り、重量によって計算されている。

0079

すべてのパーセンテージおよび比率は、特に指示のない限り、全組成に基づいて計算されている。

0080

本明細書全体を通じて記載された数値の最大限度はいずれも、より低い数値限度が本明細書に明白に記載されたかのように、より低いすべての数値限度を含むことを、理解されたい。本明細書全体を通じて記載された数値の最小限度はいずれも、より高い数値限度が本明細書に明白に記載されたかのように、より高いすべての数値限度を含む。本明細書全体を通じて記載された数値範囲はいずれも、より狭い数値範囲がすべて本明細書に明白に記載されたかのように、より広い数値範囲内に入る、より狭いすべての数値範囲を含む。

0081

本明細書に開示された寸法および値は、列挙された厳密な数値に厳重に限定されるものとして理解されるべきでない。代わりに、特に指定のない限り、そのような寸法はそれぞれ、列挙された値と、その値周辺の、機能的に同等の範囲と、の両方を意味することを意図している。例えば、「20mm」として開示された寸法は、「約20mm」を意味することを意図している。

0082

相互参照した、または関連する任意の特許または出願を含め、本明細書に記載したあらゆる書類は、明白に除外されたり、別様に限定されたりしない限り、参照により全体として本明細書に組み込まれる。任意の書類の引用は、それが、本明細書に開示または主張される任意の発明に対して先行技術であること、あるいは、単独で、または任意の他の参考文献との任意の組み合わせで、それが、任意のそのような発明を教示、示唆、または開示することを、認めるものではない。さらに、本明細書の用語の任意の意味または定義が、参照により組み込まれる書類中の同じ用語の任意の意味または定義と矛盾する範囲において、本明細書中でその用語に割り当てられた意味または定義が適用されるものとする。

0083

本発明の特定の実施形態が例示および記載されたが、さまざまな他の変更および改変が本発明の趣旨および範囲を逸脱せずに行われ得ることが、当業者に明らかであろう。したがって、本発明の範囲内に入るこのような変更および改変はすべて、請求項においてカバーしていることが意図される。

0084

実験データ:
式1a)のキノリン構造が、細胞およびラットにおいて試験される。式1a)が投与される野生型ラットは、用量反応性の疼痛抑制を示し(図1)、心臓毒性がないことを含め、明らかな副作用はない。
A.(式1aによる)結腸へのアブラナ注入(colon mustard infusion)後の、自発性疼痛に関連する行動および50%の収縮閾値(足における)



B.(ML204の経口摂取による)結腸へのアブラナの注入後の、自発性疼痛に関連する行動および50%の収縮閾値(足における);各群でn=4



C.モルヒネ当量(Morphine Equivalency)。モルヒネによる事前処置は、結腸内MO注入により誘発される疼痛関連行動を抑制するために、より高い投薬量を必要とする。(モルヒネ皮下注射(morphine s.c.)による)結腸へのアブラナの注入後の、自発性疼痛に関連する行動および50%の収縮閾値(足における);各群でn=3

0085

〔実施の態様〕
(1)化合物であって、



から選択され、
式中、Rは、



から選択され、
R’は、H、CH3、Et、またはXから選択され、
R”は、Hまたはアルキルから選択され、
ヒトまたは動物の身体を治療する方法で使用される、化合物。
(2) 実施態様1に記載の化合物において、
Rは、



であり、
R’は、H、CH3、Et、またはXから選択され、
R”は、Hまたはアルキルから選択される、化合物。
(3) 実施態様1または2に記載の化合物において、
Rは、



であり、
R’は、Hであり、
R”は、CH3である、化合物。
(4) 実施態様1〜3のいずれかに記載の化合物において、
哺乳動物の疼痛を治療、低減、または防止するのに使用される、化合物。
(5) 実施態様4に記載の化合物において、
前記疼痛は、急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛、内臓痛、およびそれらの組み合わせから選択される、化合物。

0086

(6) 実施態様5に記載の化合物において、
前記疼痛は、内臓痛を含む、化合物。
(7) 実施態様5に記載の化合物において、
前記疼痛は、神経障害性疼痛を含む、化合物。
(8) 実施態様4〜7のいずれかに記載の化合物において、
前記化合物は、経口投与される、化合物。
(9) 実施態様4〜7のいずれかに記載の化合物において、
前記化合物は、局所投与される、化合物。
(10)医薬組成物において、
実施態様1〜7のいずれかに記載の化合物と、
医薬品賦形剤と、
を含む、医薬組成物。

0087

(11) 実施態様8に記載の医薬組成物において、
1つまたは複数の追加の薬学的活性物質をさらに含む、医薬組成物。
(12) 実施態様9に記載の医薬組成物において、
前記1つまたは複数の追加の薬学的活性物質は、非オピオイド鎮痛剤、オピオイド鎮痛剤、抗てんかん薬、NMDAアンタゴニスト、リドカイン、三環系抗鬱薬、またはそれらの組み合わせから選択される、医薬組成物。
(13)哺乳動物の疼痛を治療、低減、または防止する方法において、
治療上有効量の組成物を前記哺乳動物に投与する工程を含み、
前記組成物は化合物を含み、前記化合物は、



であって、
式中、Rは、



から選択され、
R’は、H、CH3、Et、またはXから選択され、
R”は、Hまたはアルキルから選択されるものと、



であって、
式中、Rは、アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキル、Hから選択され、
R’は、必要としている被験者に対する、H、アリール、ヘテロアリール、アルキル、シクロアルキルから選択されるものと、
から選択され、
前記化合物は、Trpc4活性を調節することができる、方法。
(14) 実施態様13に記載の方法において、
前記化合物は、



を含み、
式中、Rは、



であり、
R’は、H、CH3、Et、またはXから選択され、
R”は、Hまたはアルキルから選択される、方法。
(15) 実施態様13または14に記載の方法において、
前記化合物は、



を含み、
式中、Rは、



であり、
R’は、Hであり、
R”は、CH3である、方法。

0088

(16) 実施態様13〜15のいずれかに記載の方法において、
前記Trpc4は、ヒトのものである、方法。
(17) 実施態様13〜16のいずれかに記載の方法において、
前記化合物は、Trpc4活性の増加を引き起こす、方法。
(18) 実施態様13〜16のいずれかに記載の方法において、
前記化合物は、Trpc4活性の減少を引き起こす、方法。
(19) 実施態様13〜16のいずれかに記載の方法において、
前記化合物は、Trpc4アンタゴニストとして機能する、方法。
(20) 実施態様13〜16のいずれかに記載の方法において、
前記化合物は、Trpc4アゴニストとして機能する、方法。

0089

(21) 実施態様14に記載の方法において、
前記化合物は、Trpc4アンタゴニストとして機能する、方法。
(22) 実施態様14に記載の方法において、
前記化合物は、Trpc4アゴニストとして機能する、方法。
(23) 実施態様13〜22のいずれかに記載の方法において、
前記疼痛は、急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛、内臓痛、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、方法。
(24) 実施態様13に記載の方法において、
前記疼痛は、内臓痛を含む、方法。
(25) 実施態様13に記載の方法において、
前記疼痛は、神経障害性疼痛を含む、方法。

0090

(26) 実施態様13〜25のいずれかに記載の方法において、
前記組成物は、第2の薬学的活性物質をさらに含む、方法。
(27) 実施態様13〜26のいずれかに記載の方法において、
前記組成物は、非オピオイド鎮痛剤、オピオイド鎮痛剤、抗てんかん薬、NMDAアンタゴニスト、リドカイン、三環系抗鬱薬、またはそれらの組み合わせから選択される、1つまたは複数の追加の薬学的活性物質をさらに含む、方法。
(28) 実施態様13〜27のいずれかに記載の方法において、
前記化合物は、経口投与される、方法。
(29) 実施態様13〜27のいずれかに記載の方法において、
前記化合物は、局所投与される、方法。

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