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課題

ソルターゼ媒介による薬剤の結合によって修飾された非遺伝子操作哺乳動物細胞、及び前記細胞に薬剤を結合させる方法の提供。

解決手段

ヒト細胞に薬剤を結合させる方法であって、ソルターゼの存在下で、ヒト細胞を、ソルターゼ認識配列を含むソルターゼ基質及び薬剤と、前記ソルターゼが前記ソルターゼ基質を前記ヒト細胞により発現された内在性の非操作ポリペプチドと結合させるのに好適な条件下で接触させるステップを含み、前記ソルターゼ基質は、前記ヒト細胞により発現された内在性の非操作ポリペプチドの細胞外部分に結合され、前記ヒト細胞は、ソルターゼ認識配列又は1若しくは複数個グリシンを含む配列を含むポリペプチドをその表面上に提示するように操作されていないことを特徴とする方法。

概要

背景

細菌ソルターゼは、初め、細菌細胞壁タンパク質共有結合させる酵素として同定された。例えば、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ソルターゼAは、ソルターゼ認識モチーフ(例えば、LPXTG)を介して1群の多様な基質を認識して、トレオニン及びグリシン同士のペプチド結合を切断し、これによって、トレオニンのC末端側の残基を放出して、細胞壁前駆体によりin vivoでもたらされるペンタグリシン求核基N末端とのアミド結合が生じる。

ソルターゼによって触媒されるペプチド転移反応は、タンパク質の部位特異的修飾のための汎用的方法として生み出され、in vitro反応に適用されている。この方法は、一部には、酵素が、切断部位の近傍及び求核基において、非常に多様な基質を許容することから、汎用的であることが判明している。ソルターゼを用いた多くのタンパク質修飾方法では、修飾しようとするタンパク質は、C末端又はその付近に、ソルターゼ認識モチーフ(例えば、LPXTG)を含むように改変される。ソルターゼ、及び1つ又は複数のN末端グリシン残基を含む合成ペプチド一緒インキュベートすると、このような人工ソルターゼ基質は、アシル基転移反応を受け、その結果、合成ペプチドによるトレオニン残基C末端側の残基の交換が起こるために、C末端のタンパク質が合成ペプチドのN末端に結合する。場合によっては、修飾しようとするタンパク質を、そのN末端付近に1つ又は複数のN末端グリシン残基を含有するように改変する。ソルターゼ、並びにソルターゼ認識モチーフ及びソルターゼを含有する合成ペプチドと一緒にインキュベートすると、アシル基転移反応によって、修飾タンパク質による、合成ペプチドのトレオニン残基C末端側の残基の交換が起こるために、合成ペプチドが、タンパク質のN末端に結合する。何れかの手法で用いられる合成ペプチドを、任意の数の異なる部分に融合又は結合させてもよい。合成ペプチドとタンパク質をソルターゼ媒介アシル基転移によって結合させると、こうした部分は、タンパク質に結合された状態になる。

ソルターゼ触媒反応は、とりわけ、in vitroでのタンパク質及び/若しくはペプチド同士の連結、タンパク質若しくはペプチドと固体支持体若しくはポリマーとの結合、並びにタンパク質若しくはペプチドへの標識の結合のために用いられている。

概要

ソルターゼ媒介による薬剤の結合によって修飾された非遺伝子操作哺乳動物細胞、及び前記細胞に薬剤を結合させる方法の提供。ヒト細胞に薬剤を結合させる方法であって、ソルターゼの存在下で、ヒト細胞を、ソルターゼ認識配列を含むソルターゼ基質及び薬剤と、前記ソルターゼが前記ソルターゼ基質を前記ヒト細胞により発現された内在性の非操作ポリペプチドと結合させるのに好適な条件下で接触させるステップを含み、前記ソルターゼ基質は、前記ヒト細胞により発現された内在性の非操作ポリペプチドの細胞外部分に結合され、前記ヒト細胞は、ソルターゼ認識配列又は1若しくは複数個のグリシンを含む配列を含むポリペプチドをその表面上に提示するように操作されていないことを特徴とする方法。−1

目的

効果

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技術文献被引用数
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請求項1

ヒト細胞薬剤を結合させる方法において、前記方法が、ソルターゼの存在下で、ヒト細胞を、ソルターゼ認識配列を含むソルターゼ基質及び薬剤と、前記ソルターゼが前記ソルターゼ基質を前記ヒト細胞により発現された内在性の非操作ポリペプチドと結合させるのに好適な条件下で接触させるステップを含み、前記ソルターゼ基質は、前記ヒト細胞により発現された内在性の非操作ポリペプチドの細胞外部分に結合され、前記ヒト細胞は、ソルターゼ認識配列又は1若しくは複数個グリシンを含む配列を含むポリペプチドをその表面上に提示するように操作されていないことを特徴とする方法。

請求項2

請求項1に記載の方法において、前記ヒト細胞が、免疫系細胞赤血球又はその前駆細胞であることを特徴とする方法。

請求項3

請求項1又は2に記載の方法において、前記ヒト細胞が非不死化細胞であることを特徴とする方法。

請求項4

請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法において、前記薬剤が、アミノ酸ペプチドタンパク質ポリヌクレオチド炭水化物、タグ、金属原子キレート剤造影剤触媒ポリマー認識エレメント、小分子、脂質、標識、エピトープ抗原治療薬架橋剤、毒素放射性同位体、抗体、抗体ドメインクリックケミストリーハンドルウイルス細胞、又は粒子を含むことを特徴とする方法。

請求項5

請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法に従って調製されることを特徴とする単離ヒト細胞又は単離ヒト細胞の集団

請求項6

(i)ソルターゼ媒介反応において求核基役割を果たすことができる配列を含む内在性の非操作ポリペプチドを含むヒト細胞、及び薬剤;(ii)ソルターゼ認識モチーフを含むソルターゼ基質;及び(iii)ソルターゼを含む組成物であって、前記ヒト細胞は、ソルターゼ認識配列又は1若しくは複数個のグリシンを含む配列を含むポリペプチドをその表面上に提示するように操作されていないことを特徴とする組成物。

請求項7

請求項6に記載の組成物において、前記ヒト細胞が、免疫系細胞、赤血球又はその前駆細胞であることを特徴とする組成物。

請求項8

請求項6又は7に記載の組成物において、前記ヒト細胞が非不死化細胞であることを特徴とする組成物。

請求項9

請求項6乃至8の何れか1項に記載の組成物において、前記薬剤が、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチド、炭水化物、タグ、金属原子、キレート剤、造影剤、触媒、ポリマー、認識エレメント、小分子、脂質、標識、エピトープ、抗原、治療薬、架橋剤、毒素、放射性同位体、抗体、抗体ドメイン、クリックケミストリーハンドル、ウイルス、細胞、又は粒子を含むことを特徴とする組成物。

請求項10

結合部分又は治療薬がソルターゼ認識配列を介して連結されたヒト細胞において、前記結合部分又は治療薬が、前記ヒト細胞により発現される内在性の非遺伝子操作タンパク質に連結され、前記ヒト細胞は、ソルターゼ認識配列又は1若しくは複数個のグリシンを含む配列を含むポリペプチドをその表面上に提示するように操作されていないことを特徴とするヒト細胞。

請求項11

請求項10に記載のヒト細胞において、前記ヒト細胞が、ソルターゼ認識配列を介して連結された結合部分を有し、前記結合部分が抗体を含み、任意選択で、前記抗体は、モノクローナル抗体一本鎖抗体又は単一ドメイン抗体であることを特徴とするヒト細胞。

請求項12

請求項10に記載のヒト細胞において、前記ヒト細胞が、ソルターゼ認識配列を介して連結された治療薬を有し、前記治療薬が酵素を含むことを特徴とするヒト細胞。

請求項13

請求項10乃至12の何れか1項に記載のヒト細胞において、ヒト細胞が免疫系細胞、赤血球又はその前駆細胞であることを特徴とするヒト細胞。

請求項14

請求項10乃至13の何れか1項に記載のヒト細胞であって、疾患の治療が必要な被験者を治療する方法に用いるためのヒト細胞。

請求項15

請求項14に記載のヒト細胞であって、前記ヒト細胞が前記被験者に対してオートロガスであることを特徴とするヒト細胞。

請求項16

請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法又は請求項6乃至9の何れか1項に記載の組成物において、前記ソルターゼがカルシウム非依存性ソルターゼAであることを特徴とする方法又は組成物。

請求項17

請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法又は請求項6乃至9の何れか1項に記載の組成物において、前記ヒト細胞が、ソルターゼ認識配列を介して連結された結合部分を有し、前記結合部分が抗体を含み、任意選択で、前記抗体は、モノクローナル抗体、一本鎖抗体又は単一ドメイン抗体であることを特徴とする方法又は組成物。

請求項18

請求項11に記載のヒト細胞又は請求項17に記載の方法において、前記単一ドメイン抗体がVHHであることを特徴とするヒト細胞又は方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)に従い、2013年5月10日に提出された米国仮出願第61/822,092号明細書、及び2014年2月21日に提出された米国仮出願第61/943,094号明細書に対する優先権を主張する。尚、これら文献の各々の内容は、その全体を参照により本明細書に組み込むものとする。

0002

政府支援
本発明は、国立衛生研究所により付与された助成金第R01A1087879号を得て実現された。政府は、本発明に関して一定の権利を有する。

背景技術

0003

細菌ソルターゼは、初め、細菌細胞壁タンパク質共有結合させる酵素として同定された。例えば、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ソルターゼAは、ソルターゼ認識モチーフ(例えば、LPXTG)を介して1群の多様な基質を認識して、トレオニン及びグリシン同士のペプチド結合を切断し、これによって、トレオニンのC末端側の残基を放出して、細胞壁前駆体によりin vivoでもたらされるペンタグリシン求核基N末端とのアミド結合が生じる。

0004

ソルターゼによって触媒されるペプチド転移反応は、タンパク質の部位特異的修飾のための汎用的方法として生み出され、in vitro反応に適用されている。この方法は、一部には、酵素が、切断部位の近傍及び求核基において、非常に多様な基質を許容することから、汎用的であることが判明している。ソルターゼを用いた多くのタンパク質修飾方法では、修飾しようとするタンパク質は、C末端又はその付近に、ソルターゼ認識モチーフ(例えば、LPXTG)を含むように改変される。ソルターゼ、及び1つ又は複数のN末端グリシン残基を含む合成ペプチド一緒インキュベートすると、このような人工ソルターゼ基質は、アシル基転移反応を受け、その結果、合成ペプチドによるトレオニン残基C末端側の残基の交換が起こるために、C末端のタンパク質が合成ペプチドのN末端に結合する。場合によっては、修飾しようとするタンパク質を、そのN末端付近に1つ又は複数のN末端グリシン残基を含有するように改変する。ソルターゼ、並びにソルターゼ認識モチーフ及びソルターゼを含有する合成ペプチドと一緒にインキュベートすると、アシル基転移反応によって、修飾タンパク質による、合成ペプチドのトレオニン残基C末端側の残基の交換が起こるために、合成ペプチドが、タンパク質のN末端に結合する。何れかの手法で用いられる合成ペプチドを、任意の数の異なる部分に融合又は結合させてもよい。合成ペプチドとタンパク質をソルターゼ媒介アシル基転移によって結合させると、こうした部分は、タンパク質に結合された状態になる。

0005

ソルターゼ触媒反応は、とりわけ、in vitroでのタンパク質及び/若しくはペプチド同士の連結、タンパク質若しくはペプチドと固体支持体若しくはポリマーとの結合、並びにタンパク質若しくはペプチドへの標識の結合のために用いられている。

0006

本発明の一部の態様は、生存動物細胞により発現されたタンパク質のソルターゼ媒介修飾に関し、前記細胞は、ソルターゼ認識配列、又はソルターゼ媒介反応において求核アクセプター配列の役割を果たすことができる配列を含むタンパク質を発現するように遺伝子操作されていない。一部の実施形態では、動物細胞は、遺伝子操作されていない。一部の実施形態では、動物細胞は、哺乳動物細胞、例えば、ヒト細胞である。一部の実施形態では、細胞は、免疫系細胞である。一部の実施形態では、本方法は、動物細胞を遺伝子操作する必要がなく、しかも架橋試薬の使用も必要とせずに、対象の任意の部分と生存細胞との結合を可能にする。

0007

様々な実施形態に従って動物細胞により発現されるタンパク質に、非常に多様な薬剤の何れかを結合させることができる。一部の実施形態では、タンパク質は、以下:アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチド炭水化物、タグ、金属原子造影剤、触媒、非ポリペプチドポリマー、認識エレメント、小分子、脂質、リンカー、標識、エピトープ抗原治療薬毒素放射性同位体粒子、又は反応性化学基、例えば、クリックケミストリーハンドル(click chemistry handle)を含む部分を含むソルターゼ基質との結合によって修飾する。

0008

一部の実施形態では、一方法は、生存動物細胞をソルターゼ、及びソルターゼ認識モチーフを含むソルターゼ基質と接触させるステップを含み、前記動物細胞は、ソルターゼ認識配列、又はソルターゼにより触媒される反応において求核アクセプター配列の役割を果たすことができる配列を含むタンパク質を発現するように遺伝子操作されていない。一部の実施形態では、動物細胞は遺伝子操作されていない。一部の実施形態では、接触のステップは、ソルターゼが、ソルターゼ基質及び動物細胞の表面に露出したポリペプチドをアミド基転移するのに好適な条件下で実施し、これによって、ソルターゼ基質をポリペプチドに結合させる。一部の実施形態では、ソルターゼ基質は、ソルターゼ認識モチーフと、対象の部分、例えば、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチド、炭水化物、タグ、金属原子、造影剤、触媒、非ポリペプチドポリマー、認識エレメント、小分子、脂質、リンカー、標識、エピトープ、抗原、治療薬、毒素、放射性同位体、粒子、又はクリックケミストリーハンドルとを含む。ソルターゼ基質を、動物細胞の表面に露出したポリペプチドと結合させることによって、対象の部分を、ポリペプチドを発現する細胞に結合させる。

0009

一部の実施形態では、ソルターゼ基質は、抗体、例えば、一本鎖抗体、例えば、ラクダ科(camelid)抗体、単一ドメイン抗体、VHHドメインナノボディ(nanobody)、又はscFvを含む。一部の実施形態では、ソルターゼ基質は、結合部分を含む。一部の実施形態では、結合部分は、抗体、ポリペプチド、アフィボディ(affibody)、アドネクチンアンチカリン(anticalin)、又はアプタマーを含んでもよい。一部の実施形態では、結合部分は、ターゲティング部分としての役割を果たし得る。一部の実施形態では、結合部分は、標的細胞細胞表面マーカに結合する。一部の実施形態では、標的細胞は、癌細胞感染細胞、又は別の異常細胞若しくは罹患細胞である。一部の実施形態では、標的細胞は、正常細胞である。

0010

一部の実施形態では、ソルターゼ基質は、クリックケミストリーハンドル(click chemistry handle)である。クリックケミストリーハンドルは、クリックケミストリー反応に参加することができる反応基を提供する化学部分である。クリックケミストリー反応及びクリックケミストリー反応に好適な化学基は、当業者には周知であり、限定はしないが、末端アルキンアジ化物、歪みアルキンジエンジエノフィルアルコキシアミンカルボニルホスフィンヒドラジドチオール、及びアルケンが挙げられる。例えば、一部の実施形態では、アジ化物及びアルキンがクリックケミストリー反応に用いられる。一部の実施形態では、ソルターゼ触媒反応により動物細胞に結合した第1クリックケミストリーハンドルの反応基を、第2の実体に結合した第2反応基と反応させ、これによって、第2の実体を動物細胞と結合させる。第2反応基は、第1クリックケミストリーハンドルと適合性の第2クリックケミストリーハンドルであってよい。実体は、例えば、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチド、炭水化物、タグ、金属原子、造影剤、触媒、非ポリペプチドポリマー、認識エレメント、小分子、脂質、リンカー、標識、エピトープ、抗原、治療薬、毒素、放射性同位体、粒子、又は細胞であってよい。一部の実施形態では、実体は、抗体、例えば、一本鎖抗体、例えば、ラクダ科(camelid)抗体、単一ドメイン抗体、VHHドメイン、ナノボディ(nanobody)、又はscFvであってよい。一部の実施形態では、上記実体は、結合部分を含む。一部の実施形態では、結合部分は、抗体、ポリペプチド、アフィボディ(affibody)、アドネクチン、アンチカリン(anticalin)、又はアプタマーを含んでよい。

0011

本発明の一部の態様は、N末端又はその付近で結合した薬剤を含む1つ又は複数の修飾された内在性非遺伝子操作タンパク質を含む動物細胞を提供する。一部の実施形態では、上記薬剤は、対象の部分、例えば、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチド、炭水化物、タグ、金属原子、造影剤、触媒、非ポリペプチドポリマー、認識エレメント、小分子、脂質、リンカー、標識、エピトープ、抗原、治療薬、毒素、放射性同位体、粒子、又はクリックケミストリーハンドルを含む。一部の実施形態では、修飾された内在性タンパク質は、抗原結合ドメイン、例えば、抗体、例えば、ラクダ科(camelid)抗体、単一ドメイン抗体、VHHドメイン、ナノボディ(nanobody)、又はscFvの抗原結合ドメインを含む。

0012

本発明の一部の態様は、被験者、例えば、ヒト被験者に、修飾哺乳動物細胞、例えば、修飾ヒト細胞を投与するステップを含む。一部の実施形態では、修飾哺乳動物細胞は、癌細胞、感染細胞、若しくは他の異常細胞に対する被験者の免疫応答を増強するか、又は癌細胞、感染細胞、若しくは他の異常細胞を直接攻撃する。一部の実施形態では、修飾哺乳動物細胞は、内在性タンパク質と結合した治療薬又は検出剤を有し、薬剤を被験者に送達する役割を果たす。

0013

本発明の一部の実施形態は、キメラタンパク質、例えば、2つのタンパク質の結合により作製されるキメラタンパク質であって、前記タンパク質の少なくとも1つが、生存動物細胞によって発現された内在性タンパク質を提供する。一部の実施形態は、その表面に1つ又は複数の前記キメラタンパク質が結合した生存動物細胞、例えば、哺乳動物細胞を提供する。

0014

一部の実施形態は、ソルターゼ認識モチーフ(例えば、LPXTG)と、ソルターゼ認識モチーフに結合した部分とを含む、修飾された内在性哺乳動物タンパク質を提供する。例えば、1部分をソルターゼ認識モチーフのアミノ酸の1つに直接結合してもよく、又はリンカーを介して結合してもよい。一部の実施形態では、修飾済み内在性哺乳動物タンパク質は、抗原結合ドメイン、例えば、抗体、又は抗原結合抗体断片を含む。本明細書に記載する修飾済み哺乳動物タンパク質の例としては、例えば、一本鎖抗体、ラクダ科(camelid)抗体、VHHドメイン、単一ドメイン抗体、ナノボディ(nanobody)、scFv、アドネクチン、アフィボディ(affibody)、アンチカリン(anticalin)、アプタマー、又はクリックケミストリーハンドルがある。一部の実施形態では、ソルターゼ認識モチーフは、内在性ポリペプチドに対してN末端側に位置する。一部の実施形態では、前記部分は、ソルターゼ認識モチーフのN末端アミノ酸又はソルターゼ認識モチーフのN末端アミノ酸に対してN末端側に位置するアミノ酸に結合させる。

0015

一部の態様では、本開示は、動物細胞に薬剤を結合させる方法を提供し、この方法は、以下:ソルターゼ認識配列及び薬剤を含むソルターゼ基質と動物細胞を、ソルターゼの存在下で、ソルターゼが、ソルターゼ基質を、動物細胞により発現された内在性の非操作ポリペプチドと結合させるのに好適な条件下で接触させるステップを含む。一部の実施形態では、ソルターゼ基質を、前記細胞により発現された内在性の非操作ポリペプチドの細胞外部分に結合させる。一部の実施形態では、動物細胞は、哺乳動物細胞、例えば、ヒト細胞である。一部の実施形態では、前記細胞は、免疫系細胞、例えば、リンパ球(例えば、T細胞又はNK細胞)、樹状細胞である。一部の実施形態では、前記細胞は、細胞傷害性細胞である。一部の実施形態では、前記細胞は、非不死化細胞である。一部の実施形態では、前記細胞は、初代細胞である。一部の実施形態では、動物細胞は、ソルターゼ認識配列、1つ又は複数のグリシンを含む配列、又はその両方を含むポリペプチドを発現するように遺伝子操作されていない。一部の実施形態では、動物細胞は、ソルターゼ認識配列、1つ又は複数のアラニンを含む配列、又はその両方を含むポリペプチドを発現するように遺伝子操作されていない。一部の実施形態では、動物細胞は、ポリペプチドをソルターゼ触媒反応で使用できるようにする配列を含むポリペプチドを発現するように遺伝子操作されていない。一部の実施形態では、動物細胞は、ソルターゼ認識配列、1つ又は複数のグリシンを含む配列、又はその両方を含むポリペプチドをその表面に提示するように化学的に操作されていない。一部の実施形態では、動物細胞は、ソルターゼ認識配列、1つ又は複数のアラニンを含む配列、又はその両方を含むポリペプチドをその表面に提示するように化学的に操作されていない。一部の実施形態では、動物細胞は、ポリペプチドをソルターゼ触媒反応で使用できるようにする部分をその表面に提示するように化学的に操作されていない。一部の実施形態では、動物細胞は、ポリペプチドをソルターゼ触媒反応で使用できるようにする配列を含むポリペプチドをその表面に提示するように化学的に操作されていない。一部の実施形態では、前記細胞は、ソルターゼ認識配列、求核アクセプター配列、又はその両方を含むタンパク質をコード化する核酸構築物若しくはベクターにより、安定的若しくは一時的にトランスフェクト又は感染されていない。一部の実施形態では、前記細胞は遺伝子操作されていない。一部の実施形態では、前記細胞は、対象とする疾患の評価若しくは治療が必要な被験者、又は被験者と免疫適合性のドナー起原とする。一部の実施形態では、前記細胞は、被験者の身体における異常若しくは過剰細胞又は病原体の存在を特徴とする疾患の評価若しくは治療が必要な被験者、あるいは、被験者と免疫適合性のドナーを起原とする。一部の実施形態では、前記細胞は、再生医療による治療が有用と考えられる、組織又は器官劣化又は機能不全を特徴とする疾患の治療が必要な被験者を起原とする。一部の実施形態では、前記細胞は、癌、自己免疫疾患、若しくは感染症の評価又は治療が必要な被験者、あるいは、被験者と免疫適合性のドナーを起原とする。一部の実施形態では、ソルターゼは、ソルターゼ(Sortase)A、例えば、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ソルターゼAである。一部の実施形態では、ソルターゼ認識配列は、LPXTGを含む。一部の実施形態では、前記薬剤は、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチド、炭水化物、タグ、金属原子、キレート剤、造影剤、触媒、ポリマー、認識エレメント、小分子、脂質、標識、エピトープ、抗原、治療薬、架橋剤、毒素、放射性同位体、抗体、抗体ドメイン、クリックケミストリーハンドル、ウイルス、細胞、又は粒子を含む。一部の実施形態では、前記薬剤は、対象のエピトープ又は抗原に結合するターゲティング部分を含む。一部の実施形態では、ターゲティング部分は、腫瘍抗原又はウイルス、細菌、真菌、若しくは寄生体抗原、又は細胞マーカに結合する。一部の実施形態では、前記薬剤は、以下:(a)ターゲティング部分、(b)共刺激ドメイン、(c)シグナル伝達ドメイン、(d)受容体ドメイン、(e)活性化ドメイン、(f)抗原受容体の抗原結合部分;(g)酵素;(h)細胞溶解性ドメイン;(i)アポトーシス促進性ドメインのうちの1つ又は複数を含む。一部の実施形態では、本方法は、対象の疾患の評価若しくは治療が必要な被験者、又は被験者と免疫適合性のドナーに由来する細胞又は動物細胞の原細胞を取得するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、ソルターゼ、非結合ソルターゼ基質、又はその両方から、ソルターゼ基質が結合した動物細胞を分離するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、動物細胞に結合した薬剤を検出するステップを含む。一部の実施形態では、本方法は、薬剤が結合した動物細胞を被験者に投与するステップを含む。一部の態様では、本開示は、本方法の何れかに従って調製した単離動物細胞又は単離動物細胞の集団を提供する。一部の実施形態では、前記細胞又は細胞の集団は、ヒト被験者への投与に適している。

0016

一部の態様では、本開示は、薬剤が結合した、ソルターゼ認識配列を含む内在性の、非操作ポリペプチドを含む単離動物細胞を提供する。一部の態様では、ソルターゼ基質は、前記細胞により発現された内在性の、非操作ポリペプチドの細胞外部分に結合される。一部の実施形態では、前記細胞は、哺乳動物細胞、例えば、ヒト細胞である。一部の実施形態では、前記細胞は、免疫系細胞、例えば、リンパ球(例えば、T細胞)、NK細胞、樹状細胞である。一部の実施形態では、前記細胞は、非不死化細胞である。一部の実施形態では、前記細胞は、初代細胞である。一部の実施形態では、動物細胞は、ソルターゼ認識配列、1つ又は複数のグリシンを含む配列、又はその両方を含むポリペプチドを発現するように遺伝子操作されていない。一部の実施形態では、動物細胞は、ソルターゼ認識配列、1つ又は複数のアラニンを含む配列、又はその両方を含むポリペプチドを発現するように遺伝子操作されていない。一部の実施形態では、前記細胞は、遺伝子操作されていない。一部の実施形態では、前記細胞は、化学的に操作されていない。一部の実施形態では、細胞は、対象とする疾患の評価若しくは治療が必要な被験者、又は被験者と免疫適合性のドナーを起原とする。一部の実施形態では、前記細胞は、被験者の身体における異常若しくは過剰細胞又は病原体の存在を特徴とする疾患の評価若しくは治療が必要な被験者、あるいは、被験者と免疫適合性のドナーを起原とする。一部の実施形態では、前記細胞は、癌、自己免疫疾患、若しくは感染症の評価又は治療が必要な被験者、あるいは、被験者と免疫適合性のドナーを起原とする。一部の実施形態では、ソルターゼ認識配列は、LPXTGを含む。一部の実施形態では、前記薬剤は、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチド、炭水化物、タグ、金属原子、キレート剤、造影剤、触媒、ポリマー、認識エレメント、小分子、脂質、標識、エピトープ、抗原、治療薬、架橋剤、毒素、放射性同位体、抗体、抗体ドメイン、クリックケミストリーハンドル、ウイルス、細胞、又は粒子を含む。一部の実施形態では、前記薬剤は、対象のエピトープ又は抗原に結合するターゲティング部分を含む。一部の実施形態では、前記薬剤は、腫瘍抗原又はウイルス、細菌、真菌、若しくは寄生体抗原に結合するターゲティング部分を含む。一部の実施形態では、前記薬剤は、以下:(a)ターゲティング部分、(b)共刺激ドメイン、(c)シグナル伝達ドメイン、(d)受容体ドメイン、(e)活性化ドメイン、(f)抗原受容体の抗原結合部分;(g)酵素;(h)細胞溶解性ドメイン;(i)アポトーシス促進性ドメインのうちの1つ又は複数を含む。一部の実施形態では、前記薬剤は、細胞と結合された後、蛍光活性細胞選別FACS)、蛍光顕微鏡法ウエスタンブロットELISAクロマトグラフィー、又は質量分析によって検出可能である。

0017

一部の態様では、本開示は、被験者に、薬剤を投与する方法を提供し、この方法は、以下:(a)本明細書に記載する単離動物細胞又は動物細胞の集団を用意するステップ、及び(b)前記単離動物細胞又は動物細胞の集団を前記被験者に投与するステップを含む。

0018

一部の態様では、本開示は、(i)ソルターゼ媒介反応において求核基の役割を果たすことができる配列を含む内在性の非操作ポリペプチドを含む動物細胞;(ii)ソルターゼ認識モチーフを含むソルターゼ基質;及び(iii)ソルターゼを含む組成物を提供する。一部の実施形態では、動物細胞は、哺乳動物細胞、例えば、ヒト細胞である。一部の実施形態では、ソルターゼは、ソルターゼAである。一部の実施形態では、動物細胞は、免疫系細胞、例えば、リンパ球(例えば、T細胞若しくはNK細胞)又は樹状細胞である。一部の実施形態では、前記細胞は、細胞傷害性細胞である。一部の実施形態では、前記細胞は、非不死化細胞である。一部の実施形態では、前記細胞は、初代細胞である。一部の実施形態では、前記細胞は、ソルターゼ認識配列、1つ又は複数のグリシンを含む配列、又はその両方を含むポリペプチドを発現するように遺伝子操作されていない。一部の実施形態では、前記細胞は、ソルターゼ認識配列、1つ又は複数のアラニンを含む配列、又はその両方を含むポリペプチドを発現するように遺伝子操作されていない。一部の実施形態では、前記細胞は、遺伝子操作されていない。一部の実施形態では、動物細胞は、化学的に操作されていない。一部の実施形態では、細胞は、対象の疾患の評価若しくは治療が必要な被験者、又は被験者と免疫適合性のドナーを起原とする。一部の実施形態では、細胞は、被験者の身体における異常若しくは過剰細胞又は病原体の存在を特徴とする疾患の評価若しくは治療が必要な被験者、あるいは、被験者と免疫適合性のドナーを起原とする。一部の実施形態では、前記細胞は、癌、自己免疫疾患、若しくは感染症の評価又は治療が必要な被験者、あるいは、被験者と免疫適合性のドナーを起原とする。一部の実施形態では、ソルターゼは、ソルターゼ(Sortase)A、例えば、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ソルターゼAである。一部の実施形態では、ソルターゼ認識配列は、LPXTGを含む。一部の実施形態では、前記薬剤は、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチド、炭水化物、タグ、金属原子、キレート剤、造影剤、触媒、ポリマー、認識エレメント、小分子、脂質、標識、エピトープ、抗原、治療薬、架橋剤、毒素、放射性同位体、抗体、抗体ドメイン、クリックケミストリーハンドル、ウイルス、細胞、又は粒子を含む。一部の実施形態では、前記薬剤は、対象のエピトープ又は抗原に結合するターゲティング部分を含む。一部の実施形態では、前記作用因子は、腫瘍抗原又はウイルス、細菌、真菌、若しくは寄生体抗原に結合するターゲティング部分を含む。一部の実施形態では、前記薬剤は、以下:(a)ターゲティング部分、(b)共刺激ドメイン、(c)シグナル伝達ドメイン、(d)受容体ドメイン、(e)活性化ドメイン、(f)抗原受容体の抗原結合部分;(g)酵素;(h)細胞溶解性ドメイン;(i)アポトーシス促進性ドメインのうちの1つ又は複数を含む。一部の実施形態では、前記細胞は、対象とする疾患の評価若しくは治療が必要な被験者、又は被験者と免疫適合性のドナーを起原とする。

0019

一部の態様では、本開示は、対象の実体に対する被験者の免疫応答を調節する方法を提供し、この方法は、薬剤が結合したソルターゼ認識配列を含む内在性の非操作ポリペプチドを含む動物細胞を前記被験者に投与するステップを含み、前記薬剤は、対象の実体の抗原若しくはエピトープ、又は対象の実体の抗原若しくはエピトープに結合するターゲティング部分を含む。一部の実施形態では、前記細胞は、哺乳動物細胞、例えば、ヒト細胞である。一部の実施形態では、前記細胞は、免疫系細胞、例えば、リンパ球(例えば、T細胞若しくはNK細胞)又は樹状細胞である。一部の実施形態では、対象の実体は、癌細胞、感染細胞、又は病原体である。一部の実施形態では、前記抗原は、腫瘍抗原又はウイルス、細菌、真菌、若しくは寄生体抗原である。一部の実施形態では、免疫応答の調節は、対象の実体に向けられる免疫応答の刺激を含む。一部の実施形態では、対象の実体は、自己細胞又は構造体である。一部の実施形態では、対象の実体は、環境アレルゲンである。一部の実施形態では、免疫応答の調節は、対象の実体に向けられる免疫応答の阻害を含む。一部の実施形態では、免疫応答の調節は、対象の実体に向けられる免疫寛容の増大又は誘導を含む。一部の実施形態では、前記薬剤は、以下:(a)ターゲティング部分、(b)共刺激ドメイン、(c)シグナル伝達ドメイン、(d)受容体ドメイン、(e)活性化ドメイン、(f)抗原受容体の抗原結合部分;(h)細胞溶解性ドメイン;(i)アポトーシス促進性ドメインのうちの1つ又は複数を含む。

0020

一部の態様では、本開示は、被験者の身体における物質中和する方法を提供し、この方法は、薬剤が結合したソルターゼ認識配列を含む内在性の非操作ポリペプチドを含む動物細胞を前記被験者に投与するステップを含み、前記薬剤は、前記物質に結合する。一部の実施形態では、前記細胞は、毒素を含む。一部の実施形態では、前記物質は、炎症性サイトカインを含む。一部の実施形態では、前記薬剤は、抗体若しくはその抗原結合断片又は前記物質に結合する受容体の一部を含む。

0021

一部の態様では、本開示は、タンパク質の欠損の治療が必要な被験者を治療する方法を提供し、この方法は、薬剤が結合したソルターゼ認識配列を含む内在性の非操作ポリペプチドを含む動物細胞を前記被験者に投与するステップを含み、前記薬剤は、前記タンパク質を含む。一部の実施形態では、前記タンパク質は、酵素である。一部の実施形態では、前記タンパク質は、通常、血液中に存在する。

0022

一部の態様では、本開示は、疾患の治療が必要な被験者を治療する方法を提供し、この方法は、薬剤が結合したソルターゼ認識配列を含む内在性の非操作ポリペプチドを含む動物細胞を前記被験者に投与するステップを含み、前記薬剤は、前記疾患を治療する上で有効な治療薬を含む。一部の実施形態では、前記治療薬は、化学療法薬抗感染症薬(例えば、抗菌抗ウイルス抗真菌、若しくは抗寄生体薬)、酵素、又はモノクローナル抗体を含む。一部の実施形態では、細胞は、ヒト細胞である。一部の実施形態では、前記細胞は、被験者又は免疫適合性ドナーを起原とする。

0023

細胞を被験者に投与するステップを含む何れかの方法の一部の実施形態では、被験者は、ヒト被験者である。

0024

細胞を被験者に投与するステップを含む何れかの方法の一部の実施形態では、細胞は、ヒト細胞(例えば、オートロガス細胞又は免疫適合性細胞)であり、被験者は、ヒト被験者である。

0025

細胞を投与するステップを含む何れかの方法の一部の実施形態では、前記細胞は、例えば、静脈内で、循環系に投与する。

0026

以上の概要は、本発明の一部の態様についての概観を与えることを意図するものであり、本発明を限定するものと決して解釈すべきではない。本発明の別の態様、利点及び実施形態は、本明細書に記載されており、さらに別の実施形態は、本開示に基づいて当業者には明らかであろう。本明細書に引用する参照文献は全て、その全内容を参照により本明細書に組み込むものとする。

0027

本発明の特定の態様の実施に際しては、分子生物学細胞培養組み換え核酸(例えば、DNA)技術、免疫学トランスジェニック生物学、微生物学核酸及びポリペプチド合成、検出、操作、及び定量、並びにRNA干渉の従来技術を使用してよく、これらの技術は、当業者の技能の範囲内である。例えば、以下を参照されたい:Ausubel,F.,et al.,(eds.),Current Protocols in Molecular Biology,Current Protocols in Immunology,Current Protocols in Protein Science,及びCurrent Protocols in Cell Biology、全てJohn Wiley&Sons,N.Y.,edition(2008年12月現在)、又はさらに近年の版;Sambrook,Russell,及びSambrook,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,2001;Harlow,E.and Lane,D.,Antibodies−A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,1988。様々な疾患及び診断並びにこうした疾患のいくつかの治療に関する情報は、以下:Longo,D.,et al.(eds.),Harrison’s Principles of Internal Medicine,18th Edition;McGraw−Hill Professional,2011にみいだされる。様々な治療薬及びヒトの疾患についての情報は、以下:Brunton,L.,et al.(eds.)Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,12th Ed.,McGraw Hill,2010及び/又はKatzung,B.(ed.)Basic and Clinical Pharmacology,McGraw−Hill/Appleton&Lange;11th edition(2009年7月)にみいだされる。免疫系細胞により産生される及び/又は免疫系若しくは免疫応答に特定の役割を果たす、免疫系、免疫系細胞、及びタンパク質並びに他の分子に関する情報は、標準的免疫学教本、例えば、Paul,WE(ed.),Fundamental Immunology,Lippincott Williams&Wilkins;6th ed.,2008;Murphy,K,Janeway’s Immunobiology,8th ed.,Garland Science,Taylor&Francis Group,London and New York(2012)にみいだすことができる。本明細書で述べる特許、特許出願、書籍論文文書データベースウェブサイト刊行物、参照文献などは全て、その全体を参照により本明細書に組み込むものとする。本明細書と、組み込まれた参照文献の何れかとの間に不一致が生じる場合には、本明細書(その全ての補正を含む)に従うものとする。本出願人は、例えば、組み込まれた資料の何れかに基づき、本明細書を補正する、及び/又は明らかな誤り訂正する権利を保留している。組み込まれた資料の内容の何れも本発明を限定するものではない。

図面の簡単な説明

0028

本特許又は出願ファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む。カラー図面を含む本特許又は出願公開コピーは、要請及び必要な手数料支払い後に、特許から提供される。

0029

(A)エピトープタグを含む基質タンパク質の一部の放出と共に、ソルターゼ基質タンパク質が求核基に結合されるソルターゼ触媒アシル基転移反応の概略図を示す。(B)ソルターゼAを用いたLPETGタグ付きタンパク質のC末端に対するG(n)−プローブのソルターゼ触媒結合の概略図を示す。(C)ソルターゼAを用いたG(n)タグ付きタンパク質のN末端に対するプローブ−LPETGのソルターゼ触媒結合の概略図を示す。(D)細胞の表面に自然に露出したN末端グリシン残基に対するLPETGタグ付きプローブのソルターゼ触媒結合の概略図を示す。図1(B)、1(C)、及び1(D)の(G)nは、1つ又は複数のグリシンの配列を表す。
図2は、非遺伝子操作哺乳動物細胞に対するビオチンのソルターゼ触媒結合を示すイムノブロットである。ブロットは、ソルターゼの存在(右)又は非存在下(左)での、マウス赤血球欠失脾細胞インキュベーション後の細胞溶解物中のビオチン化タンパク質を示す。
図3は、非遺伝子操作哺乳動物細胞に対するビオチンのソルターゼ触媒結合を示すフローサイトメトリー分析である。マウス赤血球欠失脾細胞を、ソルターゼの存在又は非存在下で、ビオチン−LPETGプローブとインキュベートし、PBS洗浄した後、フィコエリスリン(PE)結合ストレプトアビジンと一緒にインキュベートした。青色のヒストグラム(矢印で示す)は、ソルターゼAと一緒に(右)又はなしで(左)インキュベートした生存細胞にゲーティングしたPEシグナルを示す。黒色のヒストグラム(矢印なし)は、対照脾細胞に対するバックグラウンド染色を示す。
図4は、非遺伝子操作哺乳動物細胞に対するGFP特異的VHHのソルターゼ触媒結合を示すフローサイトメトリー分析である。マウス赤血球欠失脾細胞を、ソルターゼの存在又は非存在下で、C末端LPETGを含むGFP特異的VHHとインキュベートした。次に、細胞をPBSで洗浄した後、GFPとインキュベートした。青色のヒストグラム(矢印で示す)は、ソルターゼAと一緒に(右)又はなしで(左)インキュベートした生存細胞にゲーティングしたGFPシグナルを示す。黒色のヒストグラム(矢印なし)は、対照脾細胞に対するバックグラウンド染色を示す。
(A)〜(D)タンパク質のストレプトアビジン検出により明示される非遺伝子操作サッカロミセスセレビシエ(S.cerevisiae)細胞(A)、トキソプラズマ(T.gondii)細胞(B)、HEK293T細胞(C)、及びマウス脾細胞(D)に対するビオチン含有ソルターゼ基質のソルターゼ触媒結合を示すイムノブロットである。(E)ビオチン含有ソルターゼ基質(ビオチン−LPETG)とソルタギングした後、ストレプトアビジン−フィコエリスリン(ストレプトアビジンPE)に暴露した非遺伝子操作脾細胞のフローサイトメトリー分析を示すヒストグラムである。各ヒストグラムにおいて一番右側のピークは、ストレプトアビジンPE−標識脾細胞を表す。(F)赤血球欠失脾細胞を20μMのソルターゼA及び500μMのビオチン−LPETGと一緒に、表示時間にわたってインキュベートした。細胞を洗浄した後、ストレプトアビジン−PEとインキュベートし、フローサイトメトリーにより分析した。散布図は、最大染色(120分)に対して正規化した、各時点のストレプトアビジン−PEの平均蛍光強度を示す。
図6は、細胞表面にSIINFEKLペプチド呈示する脾細胞に対するOTI Rag−/−マウス由来の赤血球欠失脾細胞(SIINFEKLペプチドに特異的なT細胞受容体を発現する)の細胞傷害性を示すフローサイトメトリー分析である。
図7は、活性化CD8+T細胞へのVHHの設置と、VHH標的抗原を発現する標的細胞に対するソルターゼ標識CD8+細胞の細胞傷害性の立証を示す。表示のように、OTI Rag−/−マウス由来のin vitro活性化CD8+T細胞を、500μM、50μM、若しくは5μMのエンハンサー−LPETG若しくはVHH7−LPETGと共に又はそれなしで、20μMのソルターゼA存在又は非存在下、室温で1時間インキュベートした。(A)対照又はソルタギング済み細胞を精製GFPとインキュベートした。結合エンハンサー−LPETGを介したGFPの結合をフローサイトメトリーにより分析した。B)対照又はソルタギング済み細胞を精製GFPとインキュベートした。結合GFPの量を、GFPタンパク質に対するSDS−PAGE及びウエスタンブロットにより細胞溶解物を分析することによって推定し、シグナルをGFP標準(右側レーン)と比較した。C、D)対照(C)又はソルタギング済み細胞(D)をWTマウス由来の脾細胞と一緒に20分インキュベートした。ヒストグラムは、操作されていないOTI CD8T細胞と一緒にインキュベートした細胞と比較した、ヨウ化プロピジウム陰性CD4及びCD19細胞のパーセンテージを示す。エンハンサーVHHは、GFPに結合するVHHである。VHH7は、MHCクラスIIに結合するが、GFPに結合しないVHHである。インキュベーション後、細胞を洗浄し、GFPと接触させた後、フローサイトメトリーに付して、細胞に結合したGFPを検出した。
(a)トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)タキゾイトを500μMのTAMRA−LPETG及び20μMのソルターゼAと15分インキュベートした。次に、寄生体を洗浄した後、ヒト包皮線維芽細胞と一緒にインキュベートした。画像は、明視野蛍光視野近位を示している。黒い矢印:細胞内寄生体。白い矢印:侵入寄生体。スケールバー:10マイクロメートル右側パネル拡大画像。(b)エンハンサー−ソルタギング又はVHH7−ソルタギング済みトキソプラズマ(T.gondii)のインキュベーション後のCD19陰性(薄いグレーのバー)又はCD19陽性(濃いグレーのバー)脾細胞内でのソルタギング済みトキソプラズマ(T.gondii)陽性細胞のパーセンテージを示すヒストグラム。(c)WT又はクラスIIMHCk.o.マウス由来の精製B細胞を、トキソプラズマ(T.gondii)、又はエンハンサー若しくはVHH7とソルタギングしたトキソプラズマ(T.gondii)と一緒に、感染多重度5でインキュベートした。感染から15時間後、細胞溶解を測定し、非感染(0%)及びデタージェント溶解B細胞(100%)に対して正規化した。エラーバー標準偏差(n=3)。**:スチューデントt検定で、p<0.01。
図9は、37℃で、細胞上での2つの基質:LPETG−ビオチン及び単一ドメイン抗GFP VHH(エンハンサー)の設置を時間の関数として示す速度論的分析である。
図10は、インタクトな細胞へのLPETG−ビオチンの設置の後のストレプトアビジン−PEによる染色を示す。パネルは、表示温度(右下)での酵素なし(左側パネル)、黄色ブドウ球菌(S.aureus)ソルターゼA(中央パネル)及びCs2+非依存性ソルターゼヘプタミュータント(右側パネル)との反応を示す。ヘプタミュータントの突然変異は、配列番号4及び7に示す。
図11は、まずエンハンサー、次にLPETG−ビオチンの連続的設置を示すが、これは、エンハンサーで既に修飾された細胞上のLPETGを受容する求核基の役割を果たすことができる部位が細胞上に残っていることを明らかにしている。赤血球欠失脾細胞を、500μMのエンハンサー−LPETGと共に又はそれなしで、並びに20μMソルターゼAと一緒にインキュベートした。60分後、500μMのビオチン−LPETGを、表示した反応物に15分かけて添加した。ドットプロットは、洗浄後に、ソルタギング済み細胞によるAPC結合ストレプトアビジン及びGFPの結合を示す。

0030

定義
具体的な官能基及び化学用語の定義を以下に、より詳細に記載する。本発明の目的のために、化学元素は、元素周期表(Periodic Table of the Elements)、CASバージョン物理化学ハンドブック(Handbook of Chemistry and Physics)、第75版、内表紙(inside cover)に従って同定し、具体的な官能基は、一般に、そこに記載されている通りに定義される。さらに、有機化学の一般原理、並びに機能性部分及び反応性は、以下:Organic Chemistry,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito,1999;Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley&Sons,Inc.,New York,2001;Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989;Carruthers,Some Modern Methodsof Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載されている。

0031

本明細書で用いられる場合、「脂肪族」という用語は、飽和及び不飽和、非芳香族、直鎖(すなわち、非分岐)、分岐、非環式、及び環式(すなわち、炭素環式炭化水素を含み、これらは、任意選択で、1つ又は複数の官能基で置換される。当業者には理解されるように、「脂肪族」は、本明細書において、これらに限定されないが、アルキルアルケニルアルキニルシクロアルキルシクロアルケニル、及びシクロアルキニル部分を含むことが意図される。従って、本明細書で用いられる場合、「アルキル」という用語は、直鎖、分岐及び環式アルキル基を含む。同様の取り決めが、「アルケニル」、「アルキニル」などの一般的用語にも適用される。さらに、本明細書で用いられる場合、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」などの用語は、置換及び非置換基の両方を包含する。特定の実施形態では、本明細書で用いられる場合、「脂肪族」は、1〜20個の炭素原子を有する脂肪族基(環式、非環式、置換、非置換、分岐若しくは非分岐)(C1〜20脂肪族)を指すのに用いられる。特定の実施形態では、脂肪族基は、1〜10個の炭素原子を有する(C1〜10脂肪族)。いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1〜6個の炭素原子を有する(C1〜6脂肪族)。いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1〜5個の炭素原子を有する(C1〜5脂肪族)。いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1〜4個の炭素原子を有する(C1〜4脂肪族)。いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1〜3個の炭素原子を有する(C1〜3脂肪族)。いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1〜2個の炭素原子を有する(C1〜2脂肪族)。脂肪族基の置換基として、限定はしないが、安定した部分の形成をもたらす、本明細書に記載する置換基の何れかが挙げられる。

0032

本明細書で用いられる場合、「アルキル」という用語は、単一の水素原子の除去により、1〜20個の炭素原子を含む炭化水素部分から得られる飽和直鎖又は分岐鎖炭化水素ラジカルを指す。一部の実施形態では、本発明で使用されるアルキル基は、1〜20個の炭素原子を含む(C1〜20アルキル)。別の実施形態では、使用されるアルキル基は、1〜15個の炭素原子を含む(C1〜15アルキル)。別の実施形態では、使用されるアルキル基は、1〜10個の炭素原子を含む(C1〜10アルキル)。別の実施形態では、使用されるアルキル基は、1〜8個の炭素原子を含む(C1〜8アルキル)。別の実施形態では、使用されるアルキル基は、1〜6個の炭素原子を含む(C1〜6アルキル)。別の実施形態では、使用されるアルキル基は、1〜5個の炭素原子を含む(C1〜5アルキル)。別の実施形態では、使用されるアルキル基は、1〜4個の炭素原子を含む(C1〜4アルキル)。別の実施形態では、使用されるアルキル基は、1〜3個の炭素原子を含む(C1〜3アルキル)。別の実施形態では、使用されるアルキル基は、1〜2個の炭素原子を含む(C1〜2アルキル)。アルキルラジカルの例として、限定はしないが、以下:メチルエチル、n−プロピルイソプロピルn−ブチルイソブチル、sec−ブチル、sec−ペンチル、イソ−ペンチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチルn−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチルn−オクチルn−デシル、n−ウンデシルドデシルなどが挙げられ、これらは、1つ又は複数の置換基を担持してもよい。アルキル基の置換基として、限定はしないが、安定した部分の形成をもたらす本明細書に記載の置換基の何れかが挙げられる。本明細書で用いられる場合、「アルキレン」という用語は、2個の水素原子の除去により、本明細書に定義するアルキル基から得られるビラジカルを指す。アルキレン基は、環式又は非環式、分岐又は非分岐、置換又は非置換であってよい。アルキレン基の置換基として、限定はしないが、安定した部分の形成をもたらす本明細書に記載の置換基の何れかが挙げられる。

0033

本明細書で用いられる場合、「アルケニル」という用語は、単一の水素原子の除去により、少なくとも1つの炭素炭素二重結合を有する直鎖若しくは分岐鎖炭化水素部分から得られる一価の基を指す。いくつかの実施形態では、本発明で使用されるアルケニル基は、2〜20個の炭素原子を含む(C2〜20アルケニル)。一部の実施形態では、使用されるアルケニル基は、2〜15個の炭素原子を含む(C2〜15アルケニル)。別の実施形態では、使用されるアルケニル基は、2〜10個の炭素原子を含む(C2〜10アルケニル)。また別の実施形態では、アルケニル基は、2〜8個の炭素原子を含む(C2〜8アルケニル)。また別の実施形態では、アルケニル基は、2〜6個の炭素を含む(C2〜6アルケニル)。また別の実施形態では、アルケニル基は、2〜5個の炭素を含む(C2〜5アルケニル)。また別の実施形態では、アルケニル基は、2〜4個の炭素を含む(C2〜4アルケニル)。また別の実施形態では、アルケニル基は、2〜3個の炭素原子を含む(C2〜3アルケニル)。また別の実施形態では、アルケニル基は、2個の炭素を含む(C2アルケニル)。アルケニル基としては、例えば、エテニルプロペニルブテニル、1−メチル−2−ブテン−1イルなどが挙げられ、これらは、1つ又は複数の置換基を担持してもよい。アルケニル基の置換基として、限定はしないが、安定した部分の形成をもたらす本明細書に記載の置換基の何れかが挙げられる。本明細書で用いられる場合、「アルケニレン」という用語は、2個の水素原子の除去により、本明細書に定義するアルケニル基から得られるビラジカルを指す。アルケニレン基は、環式又は非環式、分岐又は非分岐、置換又は非置換であってよい。アルケニレン基の置換基として、限定はしないが、安定した部分の形成をもたらす本明細書に記載の置換基の何れかが挙げられる。

0034

本明細書で用いられる場合、「アルキニル」という用語は、単一の水素原子の除去により、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する直鎖若しくは分岐鎖炭化水素部分から得られる一価の基を指す。いくつかの実施形態では、本発明で使用されるアルキニル基は、2〜20個の炭素原子を含む(C2〜20アルキニル)。一部の実施形態では、使用されるアルキニル基は、2〜15個の炭素原子を含む(C2〜15アルキニル)。別の実施形態では、使用されるアルキニル基は、2〜10個の炭素原子を含む(C2〜10アルキニル)。また別の実施形態では、アルキニル基は、2〜8個の炭素原子を含む(C2〜8アルキニル)。また別の実施形態では、アルキニル基は、2〜6個の炭素を含む(C2〜6アルキニル)。また別の実施形態では、アルキニル基は、2〜5個の炭素を含む(C2〜5アルキニル)。また別の実施形態では、アルキニル基は、2〜4個の炭素を含む(C2〜4アルキニル)。また別の実施形態では、アルキニル基は、2〜3個の炭素原子を含む(C2〜3アルキニル)。また別の実施形態では、アルキニル基は、2個の炭素を含む(C2アルキニル)。代表的アルキニル基として、限定はしないが、エチニル、2−プロピニルプロパルギル)、1−プロピニルなどが挙げられ、これらは、1つ又は複数の置換基を担持してもよい。アルキニル基の置換基として、限定はしないが、安定した部分の形成をもたらす本明細書に記載の置換基の何れかが挙げられる。本明細書で用いられる場合、「アルキニレン」という用語は、2個の水素原子の除去により、本明細書に定義するアルキニレン基から得られるビラジカルを指す。アルキニレン基は、環式又は非環式、分岐又は非分岐、置換又は非置換であってよい。アルキニレン基の置換基として、限定はしないが、安定した部分の形成をもたらす本明細書に記載の置換基の何れかが挙げられる。

0035

本明細書で用いられる場合、「炭素環式」又は「カルボシクリル」という用語は、3〜10個の炭素環原子を含む環式脂肪族基を指す(C3〜10炭素環式)。炭素環式基の置換基として、限定はしないが、安定した部分の形成をもたらす本明細書に記載の置換基の何れかが挙げられる。

0036

本明細書で用いられる場合、「ヘテロ脂肪族」という用語は、本明細書に定義する脂肪族部分を指し、飽和及び非飽和の、非芳香族、直鎖(すなわち、非分岐)、分岐、非環式、環式(すなわち、複素環式)、又は多環式炭化水素の両方を含み、これらは、任意選択で、1つ又は複数の官能基で置換され、さらに、炭素原子の間に、1個又は複数のヘテロ原子(例えば、酸素イオウ窒素リン、又はケイ素原子)をさらに含む。いくつかの実施形態では、ヘテロ脂肪族部分は、1個又は複数の置換基による、この部分の1個又は複数の水素原子の独立した置換によって置換される。当業者には理解されるように、「ヘテロ脂肪族」は、本明細書において、限定はしないが、ヘテロアルキルヘテロアルケニルヘテロアルキニルヘテロシクロアルキルヘテロシクロアルケニル、及びヘテロシクロアルキニル部分を含むものとする。従って、「ヘテロ脂肪族」という用語は、「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、「ヘテロアルキニル」などの用語を包含する。さらに、本明細書で用いられる場合、「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、「ヘテロアルキニル」などの用語は、置換された基及び置換されていない基の何れも包含する。いくつかの実施形態では、本明細書で用いられる場合、「ヘテロ脂肪族」は、1〜20個の炭素原子と1〜6個のヘテロ原子を有するヘテロ脂肪族基(環式、非環式、置換、非置換、分岐又は非分岐)(C1〜20ヘテロ脂肪族)を示すために用いられる。いくつかの実施形態では、ヘテロ脂肪族基は、1〜10個の炭素原子と1〜4個のヘテロ原子を含む(C1〜10ヘテロ脂肪族)。いくつかの実施形態では、ヘテロ脂肪族基は、1〜6個の炭素原子と1〜3個のヘテロ原子を含む(C1〜6ヘテロ脂肪族)。いくつかの実施形態では、ヘテロ脂肪族基は、1〜5個の炭素原子と1〜3個のヘテロ原子を含む(C1〜5ヘテロ脂肪族)。いくつかの実施形態では、ヘテロ脂肪族基は、1〜4個の炭素原子と1〜2個のヘテロ原子を含む(C1〜4ヘテロ脂肪族)。いくつかの実施形態では、ヘテロ脂肪族基は、1〜3個の炭素原子と1個のヘテロ原子を含む(C1〜3ヘテロ脂肪族)。いくつかの実施形態では、ヘテロ脂肪族基は、1〜2個の炭素原子と1個のヘテロ原子を含む(C1〜2ヘテロ脂肪族)。ヘテロ脂肪族基の置換基として、限定はしないが、安定した部分の形成をもたらす本明細書に記載の置換基の何れかが挙げられる。

0037

本明細書で用いられる場合、「ヘテロアルキル」という用語は、1個又は複数のヘテロ原子(例えば、酸素、イオウ、窒素、リン、又はケイ素原子)を炭素原子の間に含む、本明細書に定義するアルキル基を指す。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキル基は、1〜20個の炭素原子と1〜6個のヘテロ原子を有する(C1〜20ヘテロアルキル)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキル基は、1〜10個の炭素原子と1〜4個のヘテロ原子を含む(C1〜10ヘテロアルキル)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキル基は、1〜6個の炭素原子と1〜3個のヘテロ原子を含む(C1〜6ヘテロアルキル)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキル基は、1〜5個の炭素原子と1〜3個のヘテロ原子を含む(C1〜5ヘテロアルキル)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキル基は、1〜4個の炭素原子と1〜2個のヘテロ原子を含む(C1〜4ヘテロアルキル)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキル基は、1〜3個の炭素原子と1個のヘテロ原子を含む(C1〜3ヘテロアルキル)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキル基は、1〜2個の炭素原子と1個のヘテロ原子を含む(C1〜2ヘテロアルキル)。本明細書で用いられる場合、「ヘテロアルキレン」という用語は、2個の水素原子の除去により、本明細書に定義するヘテロアルキル基から得られるビラジカルを指す。ヘテロアルキレン基は、環式又は非環式、分岐又は非分岐、置換又は非置換であってよい。ヘテロアルキレン基の置換基として、限定はしないが、安定した部分の形成をもたらす本明細書に記載の置換基の何れかが挙げられる。

0038

本明細書で用いられる場合、「ヘテロアルケニル」という用語は、1個又は複数のヘテロ原子(例えば、酸素、イオウ、窒素、リン、又はケイ素原子)を炭素原子の間に含む、本明細書に定義するアルケニル基を指す。いくつかの実施形態では、ヘテロアルケニル基は、2〜20個の炭素原子と1〜6個のヘテロ原子を有する(C2〜20ヘテロアルケニル)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルケニル基は、2〜10個の炭素原子と1〜4個のヘテロ原子を含む(C2〜10ヘテロアルケニル)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルケニル基は、2〜6個の炭素原子と1〜3個のヘテロ原子を含む(C2〜6ヘテロアルケニル)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルケニル基は、2〜5個の炭素原子と1〜3個のヘテロ原子を含む(C2〜5ヘテロアルケニル)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルケニル基は、2〜4個の炭素原子と1〜2個のヘテロ原子を含む(C2〜4ヘテロアルケニル)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルケニル基は、2〜3個の炭素原子と1個のヘテロ原子を含む(C2〜3ヘテロアルケニル)。本明細書で用いられる場合、「ヘテロアルケニレン」という用語は、2個の水素原子の除去により、本明細書に定義するヘテロアルケニル基から得られるビラジカルを指す。ヘテロアルケニレン基は、環式又は非環式、分岐又は非分岐、置換又は非置換であってよい。

0039

本明細書で用いられる場合、「ヘテロアルキニル」という用語は、1個又は複数のヘテロ原子(例えば、酸素、イオウ、窒素、リン、又はケイ素原子)を炭素原子の間に含む、本明細書に定義するアルキニル基を指す。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2〜20個の炭素原子と1〜6個のヘテロ原子を有する(C2〜20ヘテロアルキニル)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2〜10個の炭素原子と1〜4個のヘテロ原子を含む(C2〜10ヘテロアルキニル)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2〜6個の炭素原子と1〜3個のヘテロ原子を含む(C2〜6ヘテロアルキニル)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2〜5個の炭素原子と1〜3個のヘテロ原子を含む(C2〜5ヘテロアルキニル)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2〜4個の炭素原子と1〜2個のヘテロ原子を含む(C2〜4ヘテロアルキニル)。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキニル基は、2〜3個の炭素原子と1個のヘテロ原子を含む(C2〜3ヘテロアルキニル)。本明細書で用いられる場合、「ヘテロアルキニレン」という用語は、2個の水素原子の除去により、本明細書に定義するヘテロアルキニル基から得られるビラジカルを指す。ヘテロアルキニレン基は、環式又は非環式、分岐又は非分岐、置換又は非置換であってよい。

0040

本明細書で用いられる場合、「複素環式」、「複素環」又は「ヘテロシクリル」という用語は、環式ヘテロ脂肪族基を指す。複素環式基は、非芳香族で、部分的に不飽和又は完全に飽和した3〜10員環系を指し、大きさが3〜8原子の単環、並びに二環式及び三環式系を含み、これらは、非芳香環に融合した5−又は6員アリール又はヘテロアリール基を含んでもよい。これらの複素環は、酸素、イオウ、及び窒素から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有するものを含み、窒素及びイオウヘテロ原子は、任意選択で酸化されていてもよく、また窒素ヘテロ原子は、任意選択で4級化されていてもよい。いくつかの実施形態では、複素環式という用語は、非芳香族5−、6−、若しくは7員環又は多環式基を指し、少なくとも1つの環原子は、O、S、及びNから選択されるヘテロ原子であり(窒素及びイオウヘテロ原子は、任意選択で酸化されていてもよい)、残りの環原子は炭素であり、ラジカルは、環原子の何れかを介して残りの分子に結合されている。ヘテロシクリル基として、限定はしないが、酸素、イオウ、及び窒素から独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する二又は三環式基が挙げられ、(i)各5員環は、0〜2つの二重結合を有し、各6員環は、0〜2つの二重結合を有し、各7員環は、0〜3つの二重結合を有しており、(ii)窒素及びイオウヘテロ原子は、任意選択で酸化されていてもよく、(iii)窒素ヘテロ原子は、任意選択で4級化されていてもよく、また(iv)前記複素環の何れかは、アリール又はヘテロアリール環に融合されていてもよい。複素環の例としては、アザシクロプロパニル、アザシクロブタニル、1,3−ジアザチジニル、ピペリジニルピペラジニル、アゾカニル、チアラニル、チエタニルテトラヒドロチオフェニルジチオラニル、チアシクロヘキサニル、オキシラニルオキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロプラニル、ジオキサニルオキサチオラニル、モルホリニル、チオキサニル、テトラヒドロナフチルなどが挙げられ、これらは、1つ又は複数の置換基を担持してもよい。置換基として、限定はしないが、安定した部分の形成をもたらす本明細書に記載の置換基の何れかが挙げられる。

0041

本明細書で用いられる場合、「アリール」という用語は、3〜20個の環原子を有する芳香族単環又は多環式環系を指し、その全ての環原子が炭素であり、これらは、置換又は非置換の何れであってもよい。本発明のいくつかの実施形態では、「アリール」は、1つ、2つ、若しくは3つの芳香環を有する単環、二環、若しくは三環式C4〜C20芳香環系を指し、このようなものとして、限定はしないが、フェニル、ビフェニル、ナフチルなどが挙げられ、これらは、1つ又は複数の置換基を担持してもよい。アリール置換基としては、限定はしないが、安定した部分の形成をもたらす本明細書に記載の置換基の何れかが挙げられる。本明細書で用いられる場合、「アリレン」という用語は、2個の水素原子の除去により、本明細書に定義するアリール基から得られるアリールビラジカルを指す。アリレン基は、置換又は非置換の何れであってもよい。アリレン基の置換基としては、限定はしないが、安定した部分の形成をもたらす本明細書に記載の置換基の何れかが挙げられる。さらに、アリレン基は、リンカー基として、本明細書に定義するアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、又はヘテロアルキニレン基に組み込んでもよい。

0042

本明細書で用いられる場合、「ヘテロアリール」という用語は、3〜20個の環原子を有する芳香族単環又は多環式環系を指し、そのうち1個の環原子は、S、O、及びNから選択され;0、1、又は2個の環原子は、S、O、及びNから独立に選択される別のヘテロ原子であり;残りの環原子は炭素であり、ラジカルは、環原子の何れかを介して残りの分子に結合されている。ヘテロアリールの例として、限定はしないが、ピロリル、ピラゾリルイミダゾリルピリジニルピリミジニルピラジニル、ピラダニジル、トリアジニルテトラジニル、ピロリジニルインドリルキノリニルイソキノリニルベンゾイミダゾリルインダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノリジニル、シンノリニル、キナゾリニルフタラジニル、ナフトリジニル、キノキサリニル、チオフェニル、チアナフテニル、フラニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリルチアゾリニル、イソチアゾリルチアジアゾリニル、オキサゾリルイソキサゾリル、オキサジアジオリル、オキサジアジオリルなどが挙げられ、これらは、1つ又は複数の置換基を担持してもよい。ヘテロアリール置換基としては、限定はしないが、安定した部分の形成をもたらす本明細書に記載の置換基の何れかが挙げられる。本明細書で用いられる場合、「ヘテロアリレン」という用語は、2個の水素原子の除去により、本明細書に定義するヘテロアリール基から得られるビラジカルを指す。ヘテロアリレン基は、置換又は非置換の何れであってもよい。さらに、ヘテロアリレン基は、リンカー基として、本明細書に定義するアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、又はヘテロアルキニレン基に組み込んでもよい。ヘテロアリレン基の置換基としては、限定はしないが、安定した部分の形成をもたらす本明細書に記載の置換基の何れかが挙げられる。

0043

本明細書で用いられる場合、「アシル」という用語は、置換アルキル基サブセットであり、式:−C(=O)RA、−C(=O)ORA、−C(=O)−O−C(=O)RA、−C(=O)SRA、−C(=O)N(RA)2、−C(=S)RA、−C(=S)N(RA)2、及び−C(=S)S(RA)、−C(=NRA)RA、−C(=NRA)ORA、−C(=NRA)SRA、及び−C(=NRA)N(RA)2を有する基を指し、式中、RAは、水素ハロゲン;置換又は非置換ヒドロキシル;置換又は非置換チオール;置換又は非置換アミノ;アシル;任意選択で置換された脂肪族;任意選択で置換されたヘテロ脂肪族;任意選択で置換されたアルキル;任意選択で置換されたアルケニル;任意選択で置換されたアルキニル;任意選択で置換されたアリール;任意選択で置換されたヘテロアリール、脂肪族オキシ(aliphaticoxy)、ヘテロ脂肪族オキシ(heteroaliphaticoxy)、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ(aliphaticthioxy)、ヘテロ脂肪族チオキシ(heteroaliphaticthioxy)、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシヘテロアリールチオキシモノ若しくはジ脂肪族アミノ(aliphaticamino)、モノ若しくはジヘテロ脂肪族アミノ(heteroaliphaticamino)、モノ若しくはジアルキルアミノ、モノ若しくはジヘテロアルキルアミノ、モノ若しくはジアリールアミノ、又はモノ若しくはジヘテロアリールアミノであるか;あるいは、2つのRA基は、一緒になって5〜6員ヘテロ環を形成する。アシル基の例としては、アルデヒド(−CHO)、カルボン酸(−CO2H)、ケトンハロゲン化アシルエステルアミドイミン炭酸塩カルバメート、及び尿素が挙げられる。アシル置換基として、限定はしないが、安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載の置換基の何れかが挙げられる。

0044

本明細書で用いられる場合、「アシレン」という用語は、置換アルキレン、置換アルケニレン、置換アルキニレン、置換ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルケニレン、又は置換ヘテロアルキニレン基のサブセットであり、一般式:−R0−(C=X1)−R0−、−R0−X2(C=X1)−R0−、又は−R0−X2(C=X1)X3−R0−を有するアシル基を指し、式中、X1、X2、及びX3は、独立に、酸素、イオウ、又はNRrであり、NRrは、水素又は任意選択で置換された脂肪族であり、R0は、任意選択で置換された、本明細書に定義するアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、又はヘテロアルキニレン基である。R0が、アルキレンであるアシレン基の例としては、以下:−(CH2)T−O(C=O)−(CH2)T−;−(CH2)T−NRr(C=O)−(CH2)T−;−(CH2)T−O(C=NRr)−(CH2)T−;−(CH2)T−NRr(C=NRr)−(CH2)T−;−(CH2)T−(C=O)−(CH2)T−;−(CH2)T−(C=NRr)−(CH2)T−;−(CH2)T−S(C=S)−(CH2)T−;−(CH2)T−NRr(C=S)−(CH2)T−;−(CH2)T−S(C=NRr)−(CH2)T−;−(CH2)T−O(C=S)−(CH2)T−;−(CH2)T−(C=S)−(CH2)T−;又は−(CH2)T−S(C=O)−(CH2)T−などが挙げられ、これらは、1つ又は複数の置換基を担持してもよく:ここで、Tの例は各々、独立に、0〜20の整数である。アシレン置換基として、限定はしないが、安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載の置換基の何れかが挙げられる。

0045

本明細書で用いられる場合、「アミノ」という用語は、式(−NH2)の基を指す。「置換(された)アミノ」は、一置換アミン(−NHRh)又は二置換アミン(−NRh2)の何れかを指し、ここで、Rh置換基は、安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載の任意の置換基(例えば、アミノ保護基;脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリールアリールアルキル、脂肪族オキシ(aliphaticoxy)、ヘテロ脂肪族オキシ(heteroaliphaticoxy)、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ(aliphaticthioxy)、ヘテロ脂肪族チオキシ(heteroaliphaticthioxy)、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルチオキシなどで、これらの各々は、さらに置換されていても、されていなくてもよい)である。いくつかの実施形態では、二置換アミン基(−NRh2)のRh置換基は、5又は6員複素環を形成する。

0046

本明細書で用いられる場合、「ヒドロキシ」又は「ヒドロキシル」という用語は、式(−OH)の基を指す。「置換(された)ヒドロキシル」は、式(−ORi)の基を指し、ここで、Riは、安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載の任意の置換基(例えば、ヒドロキシル保護基;脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、ニトロ、アルキルアリール、アリールアルキルなどで、これらの各々は、さらに置換されていても、されていなくてもよい)であってよい。

0047

本明細書で用いられる場合、「チオ」又は「チオール」という用語は、式(−SH)の基を指す。「置換(された)チオール」は、式(−SRr)の基を指し、ここで、Rrは、安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載の任意の置換基(例えば、チオール保護基;脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、スルフィニルスルホニルシアノ、ニトロ、アルキルアリール、アリールアルキルなどで、これらの各々は、さらに置換されていても、されていなくてもよい)であってよい。

0048

本明細書で用いられる場合、「イミノ」という用語は、式(=NRr)の基を指し、ここで、Rrは、水素、又は安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載の任意の置換基(例えば、アミノ保護基;脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、ヒドロキシル、アルキルアリール、アリールアルキルなどで、これらの各々は、さらに置換されていても、されていなくてもよい)に相当する。

0049

本明細書で用いられる場合、「アジ化物」又は「アジド」という用語は、式(−N3)の基を指す。

0050

本明細書で用いられる場合、「ハロ」及び「ハロゲン」は、フッ素フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素ブロモ、−Br)、及びヨウ素(ヨード、−I)から選択される元素を指す。

0051

脱離基」は、不均一結合開裂において1対の電子と共に脱離する分子断片を指す、当技術分野で理解されている用語であり、ここで、分子断片は、アニオン又は中性分子である。例えば、Smith,March’s Advanced Organic Chemistry 6th ed.(501−502)を参照されたい。脱離基の例として、限定はしないが、ハロ(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード)並びに例えば、式:−OC(=O)SRaa、−OC(=O)Raa、−OCO2SRaa、−OC(=O)N(Rbb)2、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)N(Rbb)2、−OS(=O)Raa、−OSO2Raa、−OP(Rcc)2、−OP(Rcc)3、−OP(=O)2Raa、−OP(=O)(Raa)2、−OP(=O)(Rcc)2、−OP(=O)2(Rbb)2、又は−OP(=O)(Rbb)2の活性化置換ヒドロキシル基が挙げられ、上記式中、Raaは、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアリール、又は任意選択で置換されたヘテロアリールであり;Rbbは、水素、アミノ保護基、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアリール、又は任意選択で置換されたヘテロアリールであり;Rccは、水素、任意選択で置換された脂肪族、任意選択で置換されたヘテロ脂肪族、任意選択で置換されたアリール、又は任意選択で置換されたヘテロアリールである。

0052

本明細書で用いられる場合、「薬剤」という用語は、ソルターゼ認識モチーフに結合させることができる任意の分子、実体、又は部分を指す。例えば、薬剤は、タンパク質、アミノ酸、ペプチド、ポリヌクレオチド、炭水化物、検出可能な標識、結合物質、タグ、金属原子、造影剤、触媒、非ポリペプチドポリマー、合成ポリマー、認識エレメント、脂質、リンカー、又は小分子のような化学化合物などであってよい。一部の実施形態では、薬剤は、結合物質、例えば、リガンド又はリガンド結合分子、ストレプトアビジン、ビオチン、抗体又は抗体断片である。一部の実施形態では、薬剤は、遺伝子的にコード化することができない。一部の実施形態では、薬剤は、脂質、炭水化物、又は小分子である。本発明の実施形態での使用に好適な別の薬剤は、当業者には明らかであろう。本発明は、これに関して限定されない。

0053

本明細書で用いられる場合、「アミノ酸」という用語は、あらゆる天然アミノ酸及び非天然アミノ酸を含む。アミノ酸として、限定はしないが、天然αアミノ酸、例え、ポリペプチド及びタンパク質に存在する20種類の一般的天然αアミノ酸(A、R、N、C、D、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、V;標準アミノ酸とも呼ばれる)、非標準αアミノ酸、並びにβアミノ酸が挙げられる。様々な既知の非標準(例えば、非天然)アミノ酸があり、その何れが本明細書に記載するポリペプチド又はタンパク質に含有されていてもよい。例えば、以下:S.Hunt,The Non−Protein Amino Acidsin Chemistry and Biochemistry of the Amino Acids,edited by G.C.Barrett,Chapman及びHall,1985並びに/又はHughes,B.(ed.),Amino Acids,Peptides and Proteins in Organic Chemistry,Volumes 1−4,Wiley−VCH(2009−2011);Blaskovich,M.,Handbook on Syntheses of Amino Acids General Routes to Amino Acids,Oxford University Press,2010を参照されたい。アミノ酸配列に関して本明細書で用いられる場合、用語X又はXaaは、任意のアミノ酸残基、例えば、任意の天然及び/又は非天然アミノ酸残基を表す。

0054

本明細書で用いられる場合、「結合物質」又は「結合部分」という用語は、別の分子若しくは実体と、高い親和性で結合するあらゆる分子若しくは実体を指す。一部の実施形態では、結合物質は、高い特異性で、その結合パートナーと結合する。結合物質の例として、限定はしないが、抗体、抗体断片、受容体、リガンド、アプタマー、及びアドネクチンが挙げられる。

0055

「クリックケミストリー(click chemistry)」という用語は、スクリプス研究所(Scripps Research Institute)のK.Barry Sharplessにより紹介された化学哲学を指し、これは、反応基を含む小さな単位を互いに結合することにより、迅速に、しかも高い信頼性で、共有結合を生み出すように設計された化学を表す。クリックケミストリーは、特定の反応を指すものではなく、限定はしないが、天然に存在する反応を模倣する反応などの概念を指す。一部の実施形態では、クリックケミストリー反応は、モジュラー式で、範囲が広く、高い化学収率をもたらし、無害副産物を生成し、立体特異的で、大きな熱力学駆動力>84kJ/モルを呈示して、単一反応産物との反応に好都合であり、及び/又は生理学的条件下で実施することができる。一部の実施形態では、クリックケミストリー反応は、高いアトムエコノミー(atom economy)を示し、単純な反応条件下で実施することができ、容易に入手可能な出発材料及び試薬を使用し、毒性溶媒を使用しないか、又は無害な若しくは容易に除去される溶媒(好ましくは水)を使用し、及び/又は非クロマトグラフィー方法(結晶化又は蒸留)による単純な生成物単離を提供する。

0056

「クリックケミストリーハンドル(click chemistry handle)」という用語は、クリックケミストリー反応に参加することができる反応体、又は反応基を指す。例えば、歪みアルキン(例えば、シクロオクチン)は、歪促進環状付加に参加することができるため、クリックケミストリーハンドルである(例えば、表1を参照)。一般に、クリックケミストリー反応は、互いに反応することができるクリックケミストリーハンドルを含む少なくとも2つの分子を必要とする。互いに反応性のこのようなクリックケミストリーハンドルペアは、本明細書において、パートナークリックケミストリーハンドルと呼ばれる場合もある。例えば、アジ化物は、シクロオクチン又は何れか他のアルキンに対するパートナークリックケミストリーハンドルである。本発明の一部の態様に従う使用に好適なクリックケミストリーハンドルの例は、本明細書に、例えば、表1及び2に記載する。他の好適なクリックケミストリーハンドルは、当業者には周知である。

0057

「タンパク質」、「ペプチド」及び「ポリペプチド」という用語は、本明細書において置き換え可能に用いられ、ペプチド(アミド)結合により互いに連結したアミノ酸残基のポリマーを指す。これらの用語は、あらゆるサイズ、構造、若しくは機能のタンパク質、ペプチド、又はポリペプチドを指す。典型的に、タンパク質、ペプチド、又はポリペプチドは、長さが少なくとも3アミノ酸である。タンパク質、ペプチド、又はポリペプチドは、個別のタンパク質又はタンパク質の集合体を指し得る。タンパク質、ペプチド、又はポリペプチド中の1つ又は複数のアミノ酸は、例えば、炭水化物基、ヒドロキシル基リン酸基ファルネシル基、イソファルネシル基、脂肪酸基、結合のためのリンカーなどの化学実体の付加、官能化、又はその他の修飾などによって、修飾してもよい。タンパク質、ペプチド、又はポリペプチドは、単一の分子であってもよく、又は多分子複合体であってよい。タンパク質、ペプチド、又はポリペプチドは、天然のタンパク質又はペプチドの断片だけであってもよい。タンパク質、ペプチド、又はポリペプチドは、天然、組み換え、若しくは合成、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。一部の実施形態では、ペプチドは、長さが3〜60アミノ酸、例えば、長さが3〜15、15〜30、30〜45、又は45〜60アミノ酸であってよい。

0058

「結合した(conjugated)」又は「結合(conjugation)」という用語は、2つの分子、例えば、2つのタンパク質又は1つのタンパク質及び小分子又は他の実体と、別のもう1つとの結合を指し、これは、これらの分子が、直接又は間接的共有結合又は非共有結合相互作用によって連結されるように行われる。ソルターゼ媒介反応による結合に関して、結合は、共有結合を介して行われ、その形成は、ソルターゼにより触媒される。クリックケミストリーハンドルを介した結合に関して、結合は、2つのクリックケミストリーハンドルの反応により形成される共有結合を介して行われる。一部の実施形態では、タンパク質は、別の分子、例えば、第2タンパク質と、前記タンパク質が翻訳された後(また、一部の実施形態では、タンパク質が単離された後)、タンパク質と他方の分子との共有結合を形成することにより、翻訳後に結合する。一部の実施形態では、2つの分子は互いに直接結合する。一部の実施形態では、2つの分子は、両分子をつなぐリンカーを介して結合される。例えば、2つのタンパク質を互いに結合して、タンパク質融合物を形成する一部の実施形態では、2つのタンパク質は、ポリペプチドリンカー、例えば、一方のタンパク質のC末端を他方のタンパク質のN末端とつなぐアミノ酸配列を介して結合してもよい。一部の実施形態では、タンパク質N末端を第2タンパク質のC末端又はその付近に結合することにより、N−C結合キメラタンパク質を作製する。一部の実施形態では、2つのタンパク質をそれぞれのC末端で結合して、C−C結合キメラタンパク質を作製する。一部の実施形態では、2つのタンパク質をそれぞれのN末端で結合して、N−N結合キメラタンパク質を作製する。

0059

本明細書で用いられる場合、「検出可能な標識」は、少なくとも1つのエレメント同位体、又は官能基が組み込まれた部分を指し、これによって、標識が結合された分子、例えば、タンパク質若しくはポリペプチド、又は他の実体の検出が可能になる。標識は、直接結合することもできる(すなわち、結合を介して)、又はテザー(例えば、任意選択で置換されたアルキレン;任意選択で置換されたアルケニレン;任意選択で置換されたアルキニレン;任意選択で置換されたヘテロアルキレン;任意選択で置換されたヘテロアルケニレン;任意選択で置換されたヘテロアルキニレン;任意選択で置換されたアリレン;任意選択で置換されたヘテロアリレン;若しくは任意選択で置換されたアシレン、又はテザーを構築することができるこれらの任意の組み合わせ)により結合することもできる。標識を分子、例えば、タンパク質、ポリペプチド、若しくは他の実体の任意の位置に結合するか、又は組み込んでもよいことは理解されよう。

0060

一般に、標識は、次の5つのクラスの何れか1つ(又は複数)に属するものでよい:a)限定はしないが、2H、3H、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、67Ga、76Br、99mTc(Tc−99m)、111In、123I、125I、131I、153Gd、169Yb、及び186Reなどの放射性又は重同位体であってよい、同位体部分を含有する標識;b)酵素(例えば、セイヨウワサビペルオキシダーゼ)に結合が可能な抗体又は抗原であってよい、免疫部分を含有する標識;c)着色、発光りん光、又は蛍光部分である標識(例えば、蛍光標識フルオレセインイソチオシアネートFITC));d)1つ又は複数の光アフィニティ部分を有する標識;並びにe)1つ又は複数の既知結合パートナーに対するリガンドである標識(例えば、ビオチン−ストレプトアビジン、FK506−FKBP)。いくつかの実施形態では、標識は、放射性同位体、好ましくは、β粒子などの検出可能な粒子を放出する同位体を含む。いくつかの実施形態では、標識は、蛍光部分を含む。いくつかの実施形態では、標識は、蛍光標識フルオレセインイソチオシアネート(FITC)を含む。いくつかの実施形態では、標識は、1つ又は複数の既知結合パートナーとのリガンド部分を含む。いくつかの実施形態では、標識はビオチンである。いくつかの実施形態では、標識は、蛍光ポリペプチド(例えば、GFP若しくは増強GFP(EGFP)などのその誘導体又はルシフェラーゼ(例えば、ホタル(firefly)、ウミシイタケ(Renilla)、又はガウシア(Gaussia)ルシフェラーゼ)である。いくつかの実施形態では、標識を好適な物質(例えば、ルシフェリン)と反応させて、検出可能なシグナルを生成してもよいことは理解されよう。蛍光タンパク質非限定的例としては、GFP及びその誘導体、赤、黄色などの様々な色の光を発する発色団を含むタンパク質、並びにシアン蛍光タンパク質などが挙げられる。蛍光タンパク質の例として、例えば、以下:シリウス(Sirius)、アジュライト(Azurite)、EBFP2、TagBFP、mTurquoise、ECFP、セルレアン(Cerulean)、TagCFP、mTFP1、mUkG1、mAG1、AcGFP1、TagGFP2、EGFP、mWasabi、EmGFP、TagYPF、EYFP、トパーズ(Topaz)、SYFP2、ビーナス(Venus)、シトロンCitrine)、mKO、mKO2、mOrange、mOrange2、TagRFP、TagRFP−T、mStrawberry、mRuby、mCherry、mRaspberry、mKate2、mPlum、mNeptune、mTomato、T−Sapphire、mAmetrine、mKeimaが挙げられる。例えば、Chalfie,M.及びKain,SR(eds.)Green fluorescent protein:properties,applications,and protocols(Methods of biochemical analysis,v.47)を参照されたい。GFP及び多数のその他の蛍光若しくは発光タンパク質の論述については、Wiley−Interscience,Hoboken,N.J.,2006、及び/又はChudakov,DM,et al.,Physiol Rev.90(3):1103−63,2010。一部の実施形態では、標識は、ダーククエンチャー、例えば、発蛍光団からの励起エネルギーを吸収して、エネルギーを熱として消散する物質を含む。

0061

アジュバント」という用語は、抗原に対する免疫応答を加速延長、又は増強する物質を包含する。一部の実施形態では、アジュバントは、例えば、それ自体は、特定の抗原応答作用を持たずに、比較的非特異的様式で、免疫応答を増強するリンパ系活性化因子として役立つ。例えば、一部の実施形態では、アジュバントは、自然免疫系の1つ又は複数の成分を刺激する。いくつかの実施形態では、アジュバントは、特定の1つ又は複数の抗原と組み合わせて、例えば、ワクチンの成分として使用される場合、抗原特異的免疫応答を増強する。アジュバントとして、限定はしないが、以下のものが挙げられる:水酸化アルミニウム若しくはリン酸アルミニウムなどのアルミニウム塩完全フロイントアジュバント不完全フロイントアジュバントリソレシチンなどの界面活性物質プルロニック(pluronic)ポリオールアンフィゲン(Amphigen)、アビリジン(Aviridine)、細菌リポ多糖、3−O−デアシル化モノホスホリルリピドA、合成リピド類似体若しくはアミノアルキルグルコサミンリン酸化合物(AGP)、又はこれらの誘導体若しくは類似体(例えば、米国特許第6,113,918号明細書を参照)、L121/スクアレンムラミルジペプチドポリアニオン、ペプチド、サポニン、油若しくは炭化水素及び水エマルジョンISCOMS(免疫刺激複合体)のような粒子など。一部の実施形態では、アジュバントは、樹状細胞成熟を刺激する。一部の実施形態では、アジュバントは、抗原提示細胞(APC)、例えば、樹状細胞による、B7又はB7などの1つ又は複数の共刺激因子の発現を刺激する。一部の実施形態では、アジュバントは、CD40アゴニストを含む。一部の実施形態では、CD40アゴニストは、抗CD40抗体を含む。一部の実施形態では、CD40アゴニストは、CD40リガンド、例えば、CD40Lを含む。一部の実施形態では、アジュバントは、トール様受容体TLR)のリガンドを含む。一部の実施形態では、薬剤は、TLR1〜13の1つ又は複数、例えば、少なくともTLR3、TLR4、及び/又はTLR9のリガンドである。一部の実施形態では、アジュバントは、病原体由来分子パターン(PAMP)又はその模倣物を含む。一部の実施形態では、アジュバントは、免疫刺激核酸、例えば、二本鎖核酸、例えば、二本鎖RNA又はその類似体を含む。例えば、一部の実施形態では、アジュバントは、ポリリボイノシン酸;ポリリボシチジル酸(ポリIC)を含む。一部の実施形態では、アジュバントは、非メチル化ヌクレオチド、例えば、一本鎖CpGオリゴヌクレオチドを含む核酸を含む。一部の実施形態では、アジュバントは、カチオンポリマー、例えば、ポリ−L−リシン、ポリ−L−アルギニン、又はポリ−L−オルニチンなどのポリ(アミノ酸)を含む。一部の実施形態では、アジュバントは、核酸(例えば、dsRNA、ポリIC)及びカチオンポリマーを含む。例えば、一部の実施形態では、アジュバントは、ポリIC及びポリ−L−リシンを含む。一部の実施形態では、アジュバントは、ポリIC、ポリ−L−リシン及びカルボキシメチルセルロース(ポリICLCと呼ばれる)を含む複合体を含む。一部の実施形態では、アジュバントは、CD40アゴニスト及びTLRリガンドを含む。例えば、一部の実施形態では、アジュバントは、(i)抗CD40抗体と(ii)免疫刺激核酸及び/又はカチオンポリマーを含む。一部の実施形態では、アジュバントは、抗CD40抗体、免疫刺激核酸、及びカチオンポリマーを含む。一部の実施形態では、アジュバントは、(i)抗CD40抗体と(ii)ポリIC又はポリ(ICLC)を含む。様々な実施形態で用いられるアジュバントの例は、例えば、国際公開第2007/137427号パンフレット及び/又は国際公開第2009/086640号パンフレット及び/又はそれらの中の1つ又は複数の参照文献に開示されている。いくつかの実施形態では、アジュバントは、ヒト被験者への投与について薬学的に許容される。いくつかの実施形態では、アジュバントは、非ヒト被験者への投与、例えば、獣医科用途について薬学的に許容される。

0062

本明細書で用いられる場合、「抗体」という用語は、免疫グロブリンスーパーファミリーに属する糖タンパク質を指す。抗体及び免疫グロブリンという用語は、置き換え可能に用いられる。一部の例外を除いて、哺乳動物の抗体は、典型的に、各々が、2つの大きな重鎖と2つの小さな軽鎖とを有する基本的構造単位から構成される。複数の異なるタイプの抗体重鎖、及び複数の異なる種類の抗体があり、これらは、それらが有する重鎖に基づいて異なるアイソタイプ分類される。哺乳動物では、5つの異なる抗体アイソタイプ、IgGIgAIgEIgD及びIgMが知られており、これらは、異なる役割を果たし、それらが遭遇する各々異なるタイプの異物に対して適切な免疫応答を向かわせるのを助ける。一部の実施形態では、抗体は、IgG抗体、例えば、IgG1、2、3、又は4ヒトサブクラスの抗体である。非哺乳動物種由来(例えば、鳥類爬虫類両生類由来)の抗体もこの用語の範囲に含まれ、例えば、IgY抗体がある。

0063

抗体の一部のみが、抗原の結合に関与しており、また、抗原結合抗体断片、その調製及び使用は、当業者には周知である。当技術分野で公知のように、抗体分子の小部分にすぎないパラトープが、抗体とそのエピトープの結合に関与している(概要は、Clark,W.R.(1986)The Experimental Foundations of Modern Immunology Wiley&Sons,Inc.,New York;Roitt,I.(1991)Essential Immunology,7th Ed.,Blackwell Scientific Publications,Oxfordを参照)。pFc’及びFc領域は、例えば、補体カスケードエフェクターであるが、抗原結合には関与していない。pFc’領域が酵素により切断されているか、又はpFc’領域なしで生成された抗体は、F(ab’)フラグメント(又はF(ab’)2フラグメント)と呼ばれるが、これは、インタクトな抗体の抗原結合部位の両方を保持する。同様に、Fc領域が酵素により切断されているか、又はFc領域なしで生成された抗体は、Fabフラグメントと呼ばれるが、これは、インタクトな抗体分子の抗原結合部位の一方を保持する。Fabフラグメントは、共有結合した抗体軽鎖と、Fdを示す抗体重鎖の一部から構成される。Fdフラグメントは、抗体特異性の主要決定基であり(単一Fdフラグメントは、抗体特異性を改変することなく、最大10の異なる軽鎖と結合し得る)、Fdフラグメントは、単離に際して、エピトープ結合能力を保持する。

0064

当技術分野では公知のように、抗体の抗原結合部分内に、抗原のエピトープと直接相互作用する相補性決定領域(CDR)と、パラトープの三次構造を維持するフレームワーク領域(FR)がある(概略は、Clark,W.R.(1986)The Experimental Foundations of Modern Immunology Wiley&Sons,Inc.,New York;Roitt,I.(1991)Essential Immunology,7th Ed.,Blackwell Scientific Publications,Oxfordを参照)。IgG免疫グロブリンの重鎖Fd断片及び軽鎖の両方に、3つの相補性決定領域(CDR1〜CDR3)によりそれぞれ隔てられた4つのフレームワーク領域(FR1〜FR4)がある。CDR、特にCDR3領域、とりわけ重鎖CDR3が、主として抗体特異性を担う。

0065

哺乳動物抗体の非CDR領域は、元の抗体のエピトープ特異性を保持しながら、非特異的又は異種特異的抗体の類似領域により置換され得ることが、当技術分野において十分に確立されている。これは、非ヒトCDRが、ヒトFR及び/又はFc/pFcの領域に共有結合されて、機能性抗体を生成する「ヒト化」抗体の開発及び使用において、最も明瞭に証明されている。例えば、米国特許第4,816,567号明細書、第5,225,539号明細書、第5,585,089号明細書、第5,693,762号明細書、及び第5,859,205号明細書を参照されたい。

0066

また、完全ヒトモノクローナル抗体も、ヒト免疫グロブリン重鎖及び軽鎖遺伝子座の大きな部分を形質転換したマウスを免疫することにより、調製することができる。これらのマウス(XenoMouse(Abgenix)、HuMAbマウス(Medarex/GenPharm))の免疫後、標準的ハイブリドーマ技術に従い、モノクローナル抗体を調製することができる。これらのモノクローナル抗体は、ヒト免疫グロブリンアミノ酸配列を有するため、ヒトに投与されたとき、ヒト抗マウス抗体(HAMA)応答を誘発しないであろう。

0067

従って、当業者には明らかであるように、本発明は、以下:F(ab’)、Fab、Fv、及びFd断片;Fc及び/若しくはFR及び/若しくはCDR1及び/若しくはCDR2及び/若しくは軽鎖CDR3領域が、相同性ヒト若しくは非ヒト配列によって置換されている抗体;FR及び/若しくはCDR1及び/若しくはCDR2及び/若しくは軽鎖CDR3領域が、相同性ヒト若しくは非ヒト配列によって置換されている抗体;FR及び/若しくはCDR1及び/若しくはCDR2及び/若しくは軽鎖CDR3領域が、相同性ヒト若しくは非ヒト配列によって置換されている抗体;FR及び/若しくはCDR1及び/若しくはCDR2領域が、相同性ヒト若しくは非ヒト配列によって置換されている抗体も提供する。一部の実施形態では、本発明は、いわゆる一本鎖抗体(例えば、scFv)、(単一)ドメイン抗体(sdAb)、及び一部の実施形態では、細胞内抗体として用いられる他の抗体を提供する。一本鎖可変断片(scFv)は、免疫グロブリンの重鎖(VH)及び軽鎖(VL)の可変領域を含むタンパク質であり、上記重鎖(VH)及び軽鎖(VL)は、約10〜約25アミノ酸の短いリンカーペプチドで連結されている。二価(又は二価(bivalent))一本鎖可変断片(ジ−scFv、ビ−scFv)は、2つのscFvを連結することにより、例えば、2つのVH及び2つのVL領域を含む単一のペプチド鎖を生成して、タンデムscFvを取得することにより作製することができる。2つのsdAb又はsdAb及びscFvも、単一のポリペプチド鎖としてこれらを生成することにより、連結することができる。一部の実施形態では、2つのscFvは、ディアボディの形態で連結する。同じscFv鎖上の2つのドメイン(VH及びVL)同士の対合を可能にするには短すぎる(例えば、約10未満のアミノ酸、例えば、約5アミノ酸)リンカーを用いることにより、これらのドメインは、相互ではなく、別のscFv鎖の相補的ドメインと対合して、2つの抗原結合部位を形成する。2つの異なる抗体A及びBのVH及びVLを連結することにより、2つの異なる「クロスオーバー」鎖VHA−VLBとVHB−VLAを形成し、その結果、これらの鎖が、会合時に、抗原結合部位を新たに形成することによって、二重特異性因子作出することができる(例えば、P.,et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.1993;90(14):6444−8を参照)。ドメイン抗体、ラクダ科(camelid)及びラクダ化抗体、並びにそれらの断片、例えば、VHHドメイン、又はナノボディ、例えば、Ablynx NV及びDomantisの特許及び公開特許出願に記載されているものも、抗体という用語に包含される。さらに、軟骨魚類(cartilaginous fish)(例えば、サメガンギエイ(skate)及びエイ(ray))に存在する免疫グロブリン新規(若しくは新たな)抗原受容体(IgNAR)から得られる、又はこれに由来するVHドメインも包含される。例えば、国際公開第05/18629号パンフレット;Barelle,C.,et al.,Adv Exp Med Biol.(2009)655:49−62、及び/又はAntibody Phage DisplayにおけるFlajnik及びDooleyによる章:Methodsand Protocols,Methods in Molecular Biology,2009を参照されたい。本明細書で用いられる場合、「抗原結合抗体断片」という用語は、パラトープを含む抗体の断片、すなわち、インタクトな抗体と同様の特異性及び親和性で、抗体が結合する抗原に結合する抗体の断片を指す。本開示が抗体について述べる場合、本開示は、こうした抗体の抗原結合抗体断片に関する、又はそれらを使用する実施形態を提供する。

0068

抗体、例えば、完全ヒトモノクローナル抗体は、ファージディスプレイ(又は、酵母ディスプレイリボソームディスプレイ、細菌ディスプレイなどの他のディスプレイ方法)を用いて、同定することができる。ディスプレイライブラリー、ファージディスプレイライブラリーは入手可能であり(及び/又は当業者により作製することができる)、これらをスクリーニングして、例えば、パニング(panning)を用いて、対象の抗原に結合する抗体を同定することができる。例えば、Sidhu,S.(ed.)Phage Display in Biotechnology and Drug Discovery(Drug Discovery Series;CRCPress;1st ed.,2005;Aitken,R.(ed.)Antibody Phage Display:Methodsand Protocols(Methods in Molecular Biology)Humana Press;2nd ed.,2009を参照されたい。一部の実施形態では、好適な宿主細胞、例えば、原核又は真核宿主細胞において、組み換え方法を用いて、モノクローナル抗体を生成する。一部の実施形態では、微生物宿主細胞(例えば、細菌、真菌)を用いる。抗体又はその部分をコード化する核酸を好適なベクター(例えば、プラスミド)に挿入して、例えば、発現用の宿主細胞に導入してもよい。一部の実施形態では、昆虫細胞を用いる。一部の実施形態では、哺乳動物細胞、例えば、ヒト細胞を用いる。一部の実施形態では、抗体を産生する宿主細胞により抗体が分泌され、これを,例えば、培地から単離することができる。組み換えタンパク質の生成及び精製は、当業者には周知である。こうした方法を適用して、本明細書に記載の対象の任意のタンパク質を生成することができ、また、任意選択で、精製してもよいことは理解されよう。

0069

キメラ抗原受容体」(CAR)という用語は、結合ドメイン、例えば、抗原結合部分を含むドメインに融合した細胞活性化ドメインを含むポリペプチドを指す。キメラ抗原受容体を発現する細胞は、「CAR細胞」と呼ばれる場合がある。一般に、結合ドメインは、ポリペプチドの細胞外ドメインであるか、又はそこに位置し、また、活性化ドメインは、細胞質中の細胞内部に位置する(細胞質ドメイン)。結合部分がリガンドに結合すると、活性化ドメインは、活性化シグナルをCAR細胞に伝達し、細胞は、活性化ドメインを介したシグナル伝達によって活性化された状態となる。例えば、抗原結合部分がその同種抗原(例えば、タンパク質、脂質、又は他の分子)に結合すると、活性化ドメインは、活性化シグナルをCAR細胞に伝達し、細胞は、活性化ドメインを介したシグナル伝達によって活性化された状態となる。抗原が標的細胞により発現されれば、抗原結合部分は、CAR細胞の特異性を対象の標的細胞に向かわせる。細胞媒介細胞傷害性などのCAR細胞のエフェクター機能は、標的細胞に向けられる。一部の実施形態では、CAR細胞は、T細胞である。一部の実施形態では、CAR細胞は、NK細胞である。一部の実施形態では、結合ドメイン、例えば、抗原結合ドメインは、一本鎖可変断片を含む。結合ドメインは、典型的に、シグナルペプチド先行されて、新生CARを小胞体に向かわせた後、表面発現指令する。一般に、任意の真核シグナルペプチド配列を用いてよい。一部の実施形態では、CARの最もアミノ末端の成分に自然に結合したシグナルペプチドを用いる。成熟型CARにおいてシグナルペプチドは切断され、従って、存在しないことは理解されよう。一部の実施形態では、細胞活性化ドメインは、T細胞受容体複合体(TCR−CD3複合体)などの抗原受容体のシグナル伝達ドメインの生物学的に活性の部分を含む。例えば、一部の実施形態では、細胞活性化ドメインは、T細胞を活性化するのに十分なT細胞受容体CDζゼータ)鎖(CD247)又はCD3ε(イプシロン)鎖の細胞質ドメイン(細胞内ドメイン)の少なくとも一部を含む。一部の実施形態では、CARは、CDζ鎖の細胞質ドメインの全部又は実質的に全部を含む。一部の実施形態では、1、2、又は3つのITAMモチーフを含むCDζの少なくとも一部を用いる。CARは、典型的に、細胞外ドメインと細胞質ドメインの間に膜貫通ドメイン(TMD)を含む。一般に、TMDは、あらゆる膜貫通タンパク質、例えば、あらゆるヒト膜貫通タンパク質に存在するTMDの少なくとも一部を含む。一部の実施形態では、膜貫通タンパク質は、原形質膜にわたるタンパク質である。一部の実施形態では、CARのTMDの配列は、少なくとも天然に存在する膜貫通タンパク質のα螺旋領域の配列を含む。一部の実施形態では、TMDは、T細胞受容体のα又はβ鎖、CD28、CD3ゼータ、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、又はCD154に由来する。一部の実施形態では、合成TMDを用いてもよい。当業者であれば、このようなドメインの多数の例を認識し、TMDを容易に選択するか、又は合成TMDを設計することができる(例えば、TMDの特徴及びこのようなドメインの多数の例の論述については、Sharpe,HJ,et al,Cell.2010l 142(1):158−69を参照されたい(例えば、表S2))。一部の実施形態では、CARは、CD3ゼータ膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインを含む。一部の実施形態では、CARは、結合ドメインを膜貫通ドメインと連結する、1又は複数のアミノ酸長さのスペーサ領域(例えば、ポリペプチドリンカー)を含む。抗原認識を促進するために、結合ドメインを様々な方向に配向させる上で十分可変性のスペーサ領域を選択してもよい。例示的スペーサ領域は、例えば、免疫グロブリン、例えば、IgG1由来のヒンジ領域、免疫グロブリンのCH2CH3領域、又はCD3の部分を含んでもよい。一部の実施形態では、CARの細胞質ドメインは、活性化ドメインと、共刺激シグナルをもたらす少なくとも1つのドメインとを含む。このような共刺激ドメインを含むタンパク質の例として、T細胞に別のシグナルを提供するCARの細胞質部分に対する、CD28、4−1BB、DAP10、ICOS、OX40、CD30、CD40、リンパ球機能関連抗原1(LFA−1)、CD2、CD7、LIGHT、NKNKG2C、B7−H3、CD83と特異的に結合するリガンド、並びにこれらの任意の組み合わせ)が挙げられる。一部の実施形態では、CARは、CARを発現するCAR細胞の能力及び/又は永続性/増殖を増大しうる複数の共刺激ドメインを含み、これによって、CD3ゼータ−CD28−4−1BB又はCD3ゼータ−CD28−OX40のような設計が得られる(何れの場合も、分子の名称は、具体的シグナル伝達ドメインが天然に存在するタンパク質を示す)。本明細書に記載するこうしたドメインの順序は、限定的と考えるべきではない。一部の実施形態では、CARの膜貫通ドメインは、CARの細胞質ドメインの最も膜近位にある成分の膜貫通ドメインである。例えば、CARの細胞質ドメインが、CD3ゼータ−CD28−4−1BBを含み、CD3ゼータ成分が、原形質膜の内面に最も接近して位置する(すなわち、最少のアミノ酸によって原形質膜の内面から隔てられている)場合、CARは、CD3ゼータの膜貫通ドメインを含む。CARのドメインの何れも、互いに直接融合されるのではなく、スペーサを介して連結し得ることを理解すべきである。好適な方法、例えば、レンチウイルス若しくはγレトロウイルスベクター遺伝子移入又はエレクトロポレーションによって、CARをコード化する核酸構築物を細胞に導入することができる。

0070

CAR、CAR細胞、CAR及びCAR細胞を作製、培養、操作、保存、及び使用する方法、CAR細胞を作製するのに有用な試薬、例えば、CARをコード化する核酸構築物及びベクターの例は、以下の刊行物に記載されている:米国特許出願公開第20040038886号明細書、同第20110158957号明細書;同第20120148552号明細書、同第20130071414号明細書、同第20130266551号明細書、同第20130280285号明細書;同第20130287748号明細書;PCT出願公開:国際公開第2012/079000号パンフレット(PCT/US11/064191)及び/又はFinney,HM,et al.,J Immunol.2004;172(1):104−13;Kalos,M.,et al.,Sci.Transl.Med.3,95ra73(2011);Porter,DL,et al.,N Engl J Med 2011;365:725−33。こうしたCAR、CAR細胞、CAR及びCAR細胞を作製、培養、操作、保存、及び使用する方法、CAR細胞を作製するのに有用な試薬、例えば、CARをコード化する核酸構築物及びベクターは、本発明のいくつかの実施形態で使用することができる。さらに、前述の参照文献の何れに記載されている方法、組成物試薬、培地、又は装置も、適用可能であればいつでも、CAR細胞に関する、又はCAR細胞に関しない本発明の実施形態で用いてよい。こうした方法、試薬、培地、又は装置は、例えば、細胞を取得、培養、維持、操作、拡大、保存、及び/又は投与することに関連し得る。一部の態様では、薬剤を、細胞により発現される内在性の非遺伝子操作ポリペプチドに結合させる、本明細書に記載の細胞のソルタギング(sortagging)方法を、前述の参照文献の何れかに記載されているCAR細胞、又はそれらに記載のように作製したCAR細胞に適用してもよい。一部の実施形態では、ソルタギング済みCAR細胞を用いて、CARが結合する抗原を発現する細胞を含む癌を治療するか、又は感染細胞が、CARが結合する抗原を発現する感染症を治療することもできる。一部の実施形態では、特定の抗原又はエピトープに結合する抗原結合部分を含む任意のCARは、同じ抗原又はエピトープに結合する異なる抗原結合部分で、前記抗原結合部分を置換することによって、修飾することができる。一部の実施形態では、特定の抗原又はエピトープに結合する抗原結合部分を含む任意のCARは、異なる抗原に結合する抗原結合部分で、前記抗原結合部分を置換することにより修飾して、こうした異なる抗原又はエピトープに結合するCARを生成することができる。このような修飾は、CARを生成するのに用いる核酸構築物を修飾することにより、例えば、異なる抗原結合部分をコード化する配列で、前記抗原結合部分をコード化する配列を置換することによって、達成され得る。様々な腫瘍抗原(例えば、CD19、CD20など)に特異的に結合するCARを発現するCAR T細胞及びCARNK細胞が、癌(例えば、血液系悪性疾患)を有するヒト被験者の治療を目的とする臨床試験試験されており、一部の患者において有益性が証明されている。本発明は、臨床試験において適正な安全性が判明したあらゆるCAR細胞のソルタギングを考慮する。

0071

本明細書で用いられる場合、「キメラ抗体」という用語は、別の分子、例えば、第2の抗体、若しくは抗原結合抗体断片に結合させた抗体、又は抗原結合抗体断片を指す。任意の抗体若しくは抗原結合抗体断片、又は抗原結合タンパク質ドメインを用いて、キメラ抗体を作製することができる。一部の実施形態では、キメラ抗体は、2つの結合した抗体、若しくは抗体断片、又は抗体断片に結合した1つの抗体を含み、結合分子の抗原結合ドメインは、同じ抗原の異なる抗原又は異なるエピトープに結合する。このようなキメラ抗体は、2つの異なる抗原/エピトープに結合することから、本明細書では「二重特異性」と呼ぶ。

0072

「共刺激因子」という用語は、抗原に加えて、ナイーブ免疫系細胞、例えば、ナイーブT細胞若しくはナイーブB細胞の刺激を促進するか、又はそれに必要とされ、及び/又は応答の持続若しくは修飾に寄与する刺激(又は第2のシグナル)をもたらす分子を指す。天然に存在する共刺激因子には、APCの表面に発現されるか、又はこれにより分泌される様々な分子があり、これらの分子は、例えば、T細胞の表面上の受容体に結合する。共刺激因子が結合する受容体の例としては、例えば、CD28ファミリーメンバー(例えば、CD28及び誘導性共刺激因子(ICOS)及びCD2ファミリーメンバー(例えば、CD2、SLAM)が挙げられる。共刺激因子の例としては、B7ファミリー分子の様々なメンバー、例えば、B7−1及びB7−2(CD28に結合する)及びICOSリガンド(ICOSに結合する)が挙げられる。一部の実施形態では、共刺激因子は、TNFαファミリーメンバーである。例えば、ナイーブT細胞上のその受容体CD27に結合するDC上のCD70は、共刺激シグナルを送達し;APC上の4−1BBL(CD137Lとも呼ばれる)は、T細胞上のその受容体CD137に結合することにより、共刺激シグナルを送達する。相互作用の効果は二方向性が可能であり、例えば、APCは、それらが刺激する細胞との相互作用により共刺激を受けられることは理解されよう。OX40(CD134)は、典型的に、活性化から約24〜72時間後に発現される二次共刺激分子であり;そのリガンドであるOX40Lは、その活性化後にAPC上に発現される。一部の実施形態では、APCによる共刺激因子の発現は、アジュバント、例えば、CD40リガンド、PAMP若しくはPAMP模倣物、又はTLRリガンドにより刺激される。一部の実施形態では、共刺激因子は、可溶性分子である。一部の実施形態では、可溶性共刺激因子は、組み換えにより生成されるポリペプチドであり、これは、天然に存在する共刺激因子の細胞外ドメインの少なくとも機能性部分又はその機能性変異体を含む。

0073

「内在性ポリペプチド」という用語は、1細胞を自然に起源とするか、又はその細胞により自然に産生される天然のポリペプチド、例えば、(i)細胞の遺伝物質(核又はミトコンドリアゲノム)に存在し(「内在性遺伝子」)、かつ、(ii)人の手により、又はウイルス若しくは他のベクターによって、修飾されていないか、又は細胞若しくは細胞の原細胞に導入されていない遺伝子の発現産物であるポリペプチドを指す。特定の種(例えば、ヒト)の内在性遺伝子は、レトロウイルストランスポゾン、若しくは他のベクターにより導入された配列を含み得るが、内在性とみなされるのに十分長期にわたってその種の少なくとも一部のメンバーのゲノムに存在している配列も含み得ることは理解されよう。本発明の目的のために、特定の種の少なくとも一部の個体のゲノムにおいて、例えば、特定の染色体位置に、少なくとも1000年の間存在していることを証明することができる遺伝要素は、その種に内在性であるとみなされる。当業者は、動物細胞、例えば、哺乳動物細胞、例えば、ヒト細胞の内在性遺伝子及びポリペプチドを認識されよう。本発明の目的のために、細胞に核酸を「導入すること」は、核酸自体を導入すること、又は細胞における1又は複数ラウンドのコピー、逆転写、及び/又はプロセシングを受けて、その核酸をもたらすことができる核酸を導入することを包含する。内在性ポリペプチドは、その合成中若しくは合成後に、プロセシング又は修飾してもよい。例えば、N末端アミノ酸又は分泌シグナル配列を除去するか、又はループを切断してもよい。本開示の任意の態様のいくつかの実施形態では、「内在性ポリペプチド」はまた、以下に定義するように化学的に修飾されていない。

0074

「遺伝子操作された」又は「遺伝子修飾された」、又は「組み換え体」という用語は、その配列が、天然に存在しない配列、(人により発明若しくは作製され、天然に存在しないか、又は天然に存在することがわかっていない配列)を含むか、天然に存在する状態では互いに結合してみいだされない、連結された2つ以上の天然配列を含むか、あるいは、天然に存在する配列の、又は配列中の欠失、挿入、再編成、若しくは他の改変を含む(これらの欠失、挿入、再編成、若しくは他の改変は、人の手によりもたらされている)、核酸を包含する。「遺伝子操作された」又は「遺伝子改変された」、又は「組み換え」ポリペプチドという用語は、遺伝子操作された核酸によりコード化されるポリペプチドを包含する。いくつかの実施形態では、細胞により発現される遺伝子操作済み核酸の配列は、細胞に内在性であるポリペプチドとは異なる。「遺伝子操作された細胞」、「遺伝子改変された細胞」、又は「組み換え細胞」という用語は、核酸が、人の手により導入された細胞、及び導入された核酸の少なくとも一部を遺伝的に受け継いでいる細胞の子孫を包含する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細胞は、人の手によって、例えば、内在性核酸配列の挿入及び/若しくは内在性核酸配列の欠失により、そのゲノムが改変されているか、又はそのような細胞からの子孫であり、初期改変の少なくとも一部のコピーを引き継いでいる。一部の実施形態では、核酸若しくはその一部、又は核酸のコピー若しくはその一部を細胞のゲノムに組み込んでもよい。「非遺伝子操作」、「非遺伝子改変」、及び「非組み換え体」は、遺伝子操作されていない、遺伝子改変が存在しないことなどを指す。非遺伝子操作ポリペプチドは、内在性ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、非遺伝子操作細胞、遺伝子、又はゲノムは、ベクター、別の種に由来する、又は人の手により導入された人工配列(例えば、DNA若しくはRNA)を含む非内在性核酸、例えば、DNA若しくはRNAを含有しない。いくつかの実施形態では、非遺伝子操作細胞は、細胞による核酸の取り込みに好適な条件下で、遺伝性の遺伝子改変を引き起こすことができる核酸と、意図的に接触させていない。

0075

「化学的に操作された」又は「化学的に修飾された」という用語は、内在性タンパク質又は細胞に、以下に記載するような「リンカー」を導入するために、内在性タンパク質又は細胞に対して実施される修飾を包含する。化学修飾は、当技術分野では公知の任意のものであってよい。こうした修飾の例は、Ta et al.Circ.Res.2011;109:365−373及び国際公開第2012/142659号パンフレットに記載されており、これらの何れも、その全体を参照により本明細書に組み込む。生体分子、例えば、ポリペプチドに実施することができる他の化学修飾は、当業者には周知である。例えば、Hermanson,G.,Bioconjugate Techniques,Academic Press;2nd edition(2008)を参照されたい。いくつかの実施形態において、細胞の化学修飾は、例えば、内在性ポリペプチドの細胞外ドメインとの結合(例えば、共有結合を介して)により、細胞表面にスルフヒドリル又はマレイミドなどの反応官能基を導入した後、反応官能基との反応により、ソルターゼ触媒反応において求核基の役割を果たすことができる部分、例えば、(G)n−又は(A)n−含有ペプチドで細胞を標識するステップを含む。いくつかの実施形態では、細胞の化学修飾は、例えば、2−イミノチオラン又はトラウト(Traut)試薬を用いて、一級アミンとの反応により細胞表面にスルフヒドリルを導入した後、細胞表面上のスルフヒドリルと、NH2−GGGマレイミドペプチド上のマレイミド基との特異的反応により、細胞をNH2−GGGタグで標識するステップを含む。

0076

免疫調節物質」という用語は、それ自体で、又は他の薬剤と一緒に、免疫応答を誘導、増強、抑制、又は調製することができる物質を指す。(この用語が、一般に、病原体、腫瘍細胞移植片、又は自己免疫疾患の場合には、自己抗原などの免疫応答の標的である実体を指すものではないことは理解されよう)。免疫調節物質は、免疫系細胞の活性化、増殖、分化、及び/又は生物学的活性を調製することができる物質を含む。例として、例えば、サイトカイン、共刺激因子、アジュバントが挙げられる。

0077

本明細書で用いられる場合、「リンカー」という用語は、分子、例えば、タンパク質、及び化学基若しくは部分に共有結合した化学基又は分子を指す。一部の実施形態では、リンカーは、2つの基、分子、若しくは部分の間に位置するか、又はフランキングし、共有結合を介して各々に連結することにより、両者を連結する。一部の実施形態では、リンカーは、1アミノ酸又は複数のアミノ酸である。一部の実施形態では、リンカーは、有機分子、基、又は化学部分である。一部の実施形態では、リンカーは、2つ以上のポリペプチドを連結する。一部の実施形態では、リンカーは、ポリペプチドを含むか、又はポリペプチドからなる。一部の実施形態において、リンカーは、1つ又は複数のグリシン残基、また、一部の実施形態では、1つ又は複数のセリン、及び/又はトレオニン残基を含むか、又はそれから構成されてもよい。一部の実施形態では、リンカーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又は20超のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、リンカーは、オリゴグリシン残基を含む。一部の実施形態において、リンカーは、少なくとも50%のグリシン残基を含み、また、一部の実施形態では、5〜50%のアミノ酸がセリン又はトレオニンである(すなわち、S+Tは、5〜50%であり、Sは、セリン残基のパーセンテージ、Tは、トレオニン残基のパーセンテージである)。リンカーの例として、例えば、(Gly−Ser)n;(Gly−Gly−Ser)n;(Gly−Gly−Gly−Ser)n;(Gly−Gly−Gly−Gly−Ser)nが挙げられ、ここで、nは、所望のリンカー長さ、例えば、約5〜15アミノ酸、例えば、最大約25〜50アミノ酸を得るのに十分な数である。前述した配列は、任意の順に変更及び/又は連結することができ、及び/又は切断してもよく、及び/又はSer残基の何れかをThrにより置換してもよく、及び/又はGly若しくはSer残基の何れかをAlaにより置換してもよい。一部の実施形態では、リンカーは、脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、ヘテロ脂環式、芳香族、又はヘテロ芳香族リンカーを含み、これは、一部の実施形態では、各末端で前記部分と連結する主鎖中に、1〜6、6〜12、又は12〜30個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、リンカーは、直鎖状飽和若しくは不飽和炭化水素鎖、オリゴ(エチレングリコール)鎖、1つ又は複数のアミノ酸(例えば、ペプチド)、脂環式構造、又は芳香環を含む。一部の実施形態では、リンカーは、連結されたポリペプチドが、集合して、適正な三次元構造(例えば、天然に存在するようなもの)を形成する、及び/又は結合、酵素活性などの1つ又は複数の活性、及び/又はその典型的な相互作用パートナーとの適切な相互作用を保持することができるように、十分に長く、かつ柔軟である。一部の実施形態では、リンカーは、プロテアーゼ認識部位又は不安定結合を含んでもよく、これによって、適切な条件下、例えば、プロテアーゼ認識部位を認識して、リンカー内若しくはリンカー付近で切断するプロテアーゼの存在下で、リンカー部分の一方又は両方の放出が可能になる。

0078

「マーカ」又は「細胞マーカ」という用語は、1つ又は複数の細胞型組織タイプ細胞系統、若しくは発生学的原発組織を特性決定する、示す、若しくは同定する、及び/又は特定の生理学的若しくは病理学的状態、例えば、活性化状態細胞周期状態、代謝状態分化状態アポトーシス状態、罹患状態などを特性決定する、示す、若しくは識別するあらゆる分子部分(例えば、タンパク質、ペプチド、炭水化物、多糖、核酸(mRNA若しくは他のRNA種、DNA)、脂質、又はこれらの組み合わせ)を指す。一部の実施形態では、特定のマーカの存在、非存在、又は量は、被験者、器官、組織、若しくは細胞の具体的な生理学的若しくは罹患状態を示し得る。一部の実施形態では、細胞表面マーカは、「分化の群別化(cluster of differentiation)」(CD)分子である。多数のCD分子が当技術分野において知られている。例えば、以下を参照されたい:H.Zola,et al.,Leukocyte and Stromal Cell Molecules:the CD Markers,Wiley,New Jersey,2007及び/若しくはそこで引用されるデータベース;Proceedings of the 9th International Workshop on Human Leukocyte Differentiation Antigens published in Immunology Letters,Volume 134,Issue 2,Pages 103−188(30 January 2011);http://www.hcdm.org/MoleculeInformation/tabid/54/Default.aspxで入手可能なHuman Cell Differentiation Moleculesデータベース;並びに/又はhttp://www.bdbiosciences.com/documents/cd_marker_handbook.pdf(BD Biosciences,San Jose,CA,2010)で入手可能なHuman and Mouse CD Handbook。一部の実施形態では、細胞マーカは、細胞型特異的である。例えば、細胞型特異的マーカは、典型的に、多くの他の細胞型上又はその中より、特定の細胞型上又はその中に高いレベルで存在する。一部の実例では、細胞型特異的マーカは、対象の特定の細胞型上又はその中にしか、検出可能なレベルで存在しない。しかし、有用な細胞型特異的マーカが、対象の細胞型に対して完全に特異的である必要はないことは理解されよう。一部の実施形態では、特定の細胞型に対する細胞型特異的マーカは、例えば、ほぼ同量の複数(例えば、5〜10若しくは10超)の異なる組織又は器官由来の細胞を含む混合物から構成され得る細胞の参照集団と比較して、少なくとも3倍高いレベルで発現される。一部の実施形態では、細胞型特異的マーカは、参照集団におけるその平均発現の少なくとも4〜5倍、5〜10倍、又は10倍を超える高いレベルで存在する。一部の実施形態では、細胞型特異的マーカの検出又は測定によって、多数の、ほとんどの、若しくは全ての他の細胞型の細胞から、1つ又は複数の対象の細胞型を識別することができる。一般に、ほとんどのマーカの存在及び/又は存在量は、ノーザンブロッティング、in situハイブリダイゼーションRTPCR配列決定などの標準的技術、イムノブロッティング免疫検出などの免疫学的方法、又は蛍光標識抗体を用いた染色後の蛍光検出オリゴヌクレオチド若しくはcDNAマイクロアレイ又は膜アレイタンパク質マイクロアレイ分析、質量分析などを用いて、決定することができる。

0079

実体(例えば、分子、物質など)に適用される場合、「天然に存在する」という用語は、人工的に作出された、又は人為的に修飾されたものとは異なり、実体を自然界にみいだすことができることを指す。例えば、ウイルス、又は原核(細菌)若しくは真核(例えば、真菌、原生動物昆虫、植物、脊椎動物)細胞、組織、又は器官に天然に存在する、及び/又は天然の供給源から単離することができ、しかも、人によって(例えば、実験室で)意図的に修飾されていないポリペプチド若しくはポリヌクレオチド配列は、天然に存在するものである。実体に適用される場合、「非天然の」(「合成」若しくは「人工」とも呼ばれる)は、その実体が、天然に存在しない、すなわち、人為的に生成されたものとは違って、実体を自然界にみいだすことができないことを意味する。「天然に存在する」実体は、人為的に、例えば、組み換え核酸技術若しくは化学合成により生成したり、及び/又は単離若しくは精製したりすることができることは理解されよう。あるいは、このような実体が、自然界でみいだされるままの実体と実質的に違っていない限りにおいて、実体は、やはり天然であるとみなされる。

0080

「精製(された)」という用語は、物質が自然に結合されている成分の一部、多く若しくはほとんどから分離されているか、又は初め生成されたときの物質を指す。一般に、こうした精製は、人の手による作用を含む。一部の実施形態では、精製された物質は、例えば、少なくとも50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99%超の純度である。一部の実施形態では、核酸、ポリペプチド、又は小分子は、それが、調製物中にそれぞれ存在する全核酸、ポリペプチド、又は小分子材料の少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.95%又はそれを超えて占めるように、精製する。一部の実施形態では、有機物質、例えば、核酸、ポリペプチド、又は小分子は、それが、調製物中に存在する全有機材料の少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.95%又はそれを超えて占めるように、精製する。純度は、例えば、乾燥重量、クロマトグラフィー追跡(GCHPLCなど)でのピークのサイズ、分子存在量、電気泳動法ゲル上のバンドの強度、分光学データ(例えば、NMR)、元素分析ハイスループット配列決定、質量分析、又は当技術分野で容認されている任意の定量方法に基づくものでよい。一部の実施形態では、精製した調製物中に、任意選択で、水、バッファー物質イオン、及び/又は小分子(例えば、ヌクレオチド若しくはアミノ酸などの合成前駆物質)が存在してもよい。精製済物質は、他の物質(例えば、他の細胞材料)からそれを分離することにより、又は所望の純度を達成するようにそれを生成することにより、調製することができる。一部の実施形態では、細胞により産生される分子に関して、「部分的に精製された」又は「少なくとも部分的に精製された」とは、細胞により産生される分子が、細胞内にもはや存在しない、例えば、細胞が溶解され、任意選択で、細胞材料(例えば、細胞壁、細胞膜、細胞オルネル)の少なくとも一部が除去され、及び/又は溶解物に存在した同じタイプの少なくとも一部の分子(タンパク質、RNA、DNAなど)から分離若しくは隔離されている、あるいは、細胞により分泌される分子の場合には、分子が分泌された培地若しくは環境の少なくとも一部の成分から分子が分離されることを意味する。一部の実施形態では、本明細書に開示する任意の物質を精製する。一部の実施形態では、組成物は、1種又は複数の精製済物質を含む。

0081

「RNA干渉」(RNAi)という用語は、RNA誘導サイレンシング複合体RISC)として知られる分子複合体が、例えば、真核細胞、例えば、脊椎動物細胞において、又は適切なin vitro系において、配列特異的遺伝子発現を抑制する、又は「ノックダウン(knock down)」するプロセスを包含する。RISCは、対合して、鎖が相補性を有するRNA(例えば、mRNA)の配列特異的分解又は翻訳抑制を指令若しくは「誘導(ガイド)」する短い核酸鎖(例えば、長さ約16〜約30ヌクレオチド)を取り込むことができる。この短い核酸鎖は、「ガイド鎖」又は「アンチセンス鎖」と呼ばれる場合もある。ガイド鎖が、相補性を有するRNA鎖は、「標的RNA」と呼ばれる場合もある。標的RNAとガイド鎖のハイブリダイゼーションによって形成される構造物の相補性は、この鎖が、(i)RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)における標的RNAの切断を誘導する、及び/又は(ii)標的RNAの翻訳抑制を引き起こすことができるようなものであってよい。RNAiによる発現の低減は、ほぼ完全であってもよく(例えば、遺伝子産物の量が、バックグラウンドレベルまで減少する)、又は様々な実施形態において完全より少なくてもよい。例えば、mRN及び/又はタンパク質レベルは、様々な実施形態において、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又はそれを超えて低減させることができる。当技術分野で公知のように、ガイド鎖と標的RNAとの相補性は、完全(100%)である必要はなく、遺伝子発現の阻害を起こすのに十分であればよい。例えば、一部の実施形態では、ガイド鎖の1、2、3、4、5、又はそれを超えるヌクレオチドが標的RNAとマッチしなくてもよい。一部の実施形態では、ガイド鎖は、標的RNAの少なくとも15nt、例えば、15nt〜30nt、17nt〜29nt、18nt〜25nt、19nt〜23ntの連続した区間にわたって、標的RNAに対して少なくとも約80%、85%、若しくは90%、例えば、約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%の配列相補性を有する。一部の実施形態では、ガイド鎖の少なくともシード領域(ガイド鎖の2〜7位又は2〜8位ヌクレオチド)が、標的RNAに対して完全に相補的である。本明細書で用いられるように、「RNAi因子」という用語は、真核細胞においてRNAiを達成するのに用いることができる核酸を包含する。短いRNA(siRNA)、短いヘアピンRNA(shRNA)、及びマイクロRNA(miRNA)は、RNAi因子の例である。siRNAは、典型的に、互いにハイブリダイズして、長さが少なくとも15nt、例えば、長さ約15nt〜30nt、例えば、長さ17nt〜27nt、例えば、長さ18nt〜25nt、例えば、長さ19nt〜23nt、例えば、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30ヌクレオチドの二本鎖二重螺旋)部分を含む構造を形成する。一部の実施形態では、siRNAの鎖は、二重螺旋部分において互いに完全に相補的である。一部の実施形態では、二重螺旋部分は、1つ又は複数の非対合ヌクレオチド、例えば、1つ又は複数のミスマッチ非相補的)ヌクレオチドペア又はバルジ(bulged)ヌクレオチドを含み得る。一部の実施形態では、siRNAの何れか一方又は両方の鎖は、二重螺旋部分に、1、2、3、又は4つの非対合ヌクレオチドを含み得る。一部の実施形態では、鎖は、15nt〜35nt、例えば、17nt〜29nt、例えば、19nt〜25nt、例えば、21nt〜23ntの長さを有し得る。鎖は、様々な実施形態で長さが等しくてもよく、又は長さが異なってもよい。一部の実施形態では、鎖は、長さが1〜10nt異なり得る。鎖は、5’リン酸基及び/又は3’ヒドロキシル(−OH)基を有してよい。siRNAの何れか一方又は両方の鎖は、約1〜10nt(例えば、1〜5nt、例えば、2nt)の3’突出部を含んでもよい。shRNAは、ステムループ構造を含み、長さが典型的には、約40〜150nt、例えば、約50〜100nt、例えば、約60〜80ntである。「ステム−ループ構造」(「ヘアピン」構造とも呼ばれる)は、(通常)主として二本鎖ヌクレオチド(ループ部分)の領域によって一端が連結された二本鎖(ステム部分;二重螺旋)を形成することがわかっている、又は推定されているヌクレオチドの領域を含む二次構造を有する核酸を指す。こうした構造は当技術分野では公知であり、この用語は、当技術分野での意味と一致して用いられる。ガイド鎖配列は、様々な実施形態において、ステムの何れかのアーム、すなわち、ループに対して5’側又はループに対して3’側に位置し得る。当技術分野では周知のように、ステム構造は、厳密な塩基対合(完全な相補性)を必要としない。従って、ステムは、1つ又は複数の非対合残基を含む場合もあれば、塩基対合が厳密である、すなわち、ミスマッチ又はバルジ(bulge)を含まない場合もある。一部の実施形態では、ステムは、15nt〜30nt、例えば、17nt〜29nt、例えば、19nt〜25ntである。一部の実施形態では、ステムは、15nt〜19ntである。一部の実施形態では、ステムは、19nt〜30ntである。一部の実施形態では、ループは、長さが1nt〜20nt、例えば、1nt〜15nt、例えば、4〜9ntである。shRNA構造は、5’側又は3’側に突出部を含んでもよい。当技術分野では周知のように、shRNAは、細胞内プロセシングを受けて、ループを除去し、siRNAを生成することができる。成熟型内在性miRNAは、短い(典型的に、18〜24nt、例えば、約22nt)一本鎖RNAであり、これは、より大きな、内因的にコード化された前駆体RNA分子(miRNA前駆体と呼ばれる)から細胞内プロセシングにより生成される(例えば、Bartel,D.,Cell.116(2):281−97(2004);BartelDP.Cell.136(2):215−33(2009);Winter,J.,et al.,Nature Cell Biology 11:228−234(2009)を参照されたい。対象の標的RNAを発現抑制する目的で、内在性RNAi経路の利点を取り入れるように人工miRNAを設計してもよい。RNAiを媒介する能力を有し、及び/又は対象のRNAの少なくとも10、12、15、17、又は19個の連続ヌクレオチドを含む配列に対して少なくとも80%、90%、95%、若しくはそれを超えて(例えば、100%)相補的である配列を含む細胞又はin vitro系において、対象のRNAの発現低減をもたらす(例えば、RNAの翻訳の低下若しくは抑制の結果として)ように、対象のRNAに対して十分に相補的な鎖を含有するRNAi因子は、対象のRNAに対して「ターゲティングさせた」ということができる。また、RNA転写物に対してターゲティングさせたRNAi因子も、転写物転写される遺伝子に対してターゲティングさせたとみなすことができる。一部の実施形態では、RNAi因子は、細胞内でsiRNA、shRNA、又はmiRNAをもたらす1つ又は複数の転写物の細胞内発現を起こすのに適したベクター(例えば、発現ベクター)である。このようなベクターは、「RNAiベクター」と呼ばれる場合もある。RNAiベクターは、転写されると、siRNA(例えば、互いにハイブリダイズする2つの個別の鎖として)、shRNA、又はmiRNA前駆体(例えば、pri−miRNA若しくはpre−miRNA)を形成し得る転写物をもたらす鋳型を含み得る。

0082

本明細書で用いられる場合、「ソルタギング(sortagging)」という用語は、ソルターゼを用いて、標的実体、例えば、分子、例えば、タンパク質にタグを付ける(結合する)プロセスを指す。用語「ソルタギング(sortagging)」は、ソルターゼを用いて、生存細胞により発現されたタンパク質にタグを付けることによって、細胞にタグを付けることを包含する。「タグ」という用語は、広義に用いられて、非常に多様な実体の何れかを包含する。好適なタグの例として、限定はしないが、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、核酸、ポリヌクレオチド、糖、炭水化物、ポリマー、脂質、脂肪酸、及び小分子が挙げられる。他の好適なタグは、当業者には明らかであり、本発明は、この態様に限定されない。一部の実施形態では、タグは、ウイルス、細胞、粒子、又は他の超分子複合体など、別の実体と共有結合若しくは非共有結合しているか、物理的に結合しているか、又はその一部であり、標的実体へのタグ付け(標的実体のソルタギング)により、実体を標的実体に結合させる。一部の実施形態では、タグは、ポリペプチドを精製、発現、可溶化、及び/又は検出するのに有用な配列を含む。一部の実施形態では、タグは、2つ以上の部分を含んでもよく、これらは、互いに結合していてもよい。一部の実施形態では、タグは、複数の機能を果たし得る。一部の実施形態では、タグは、相対的に小さいポリペプチドであり、例えば、長さが数個のアミノ酸から最大約100アミノ酸まである。一部の実施形態では、タグは、長さが100アミノ酸より大きく、例えば、長さが最大約500アミノ酸以上である。一部の実施形態では、タグは、いくつか例を挙げれば、HA、TAPMyc、6XHis、Flag、V5、又はGSTタグを含む。それに対する抗体、例えば、モノクローナル抗体が、入手可能である(例えば、市販されている)か、又は当技術分野において公知であるエピトープを含むタグ(例えば、前述したタグの何れか)は、「エピトープタグ」と呼ばれる場合もある。一部の実施形態では、タグは、可溶性増強タグ(例えば、SUMOタグ、NUS Aタグ、SNUTタグ、Strepタグ、又はバクテリオファージT7のOcrタンパク質)を含む。例えば、Esposito D及びChatterjee DK.Curr Opin Biotechnol.;17(4):353−8(2006)を参照されたい。一部の実施形態では、タグは、少なくともその一部を、例えばプロテアーゼによって除去することができるように切断可能である。一部の実施形態では、これは、タグ中、例えば、タグの機能性部分に隣接、又は連結したプロテアーゼ切断を含有させることよって達成される。プロテアーゼの例としては、例えば、トロンビン、TEVプロテアーゼ、Xa因子、PreScissionプロテアーゼなどが挙げられる。一部の実施形態では、「自己切断」タグを用いる。例えば、PCT/米国特許第05/05763号明細書を参照されたい。一部の実施形態では、ソルタギングは、細胞の表面上の内在性タンパク質とタグの連結を含む。

0083

「ソルターゼ」という用語は、トランスアミダーゼ活性を有する酵素を指す。ソルターゼ(トランスアミダーゼとも呼ばれる)は、適切なアシルドナー化合物と、N−末端グリシンなどのNH2−CH2−部分を含む求核アシルアクセプターとのペプチド結合(すなわち、アミド結合)を形成することができる。ソルターゼは、ソルターゼ認識モチーフ、例えば、アミノ酸配列LPXTGを含む基質を認識する。ソルターゼにより認識された分子(すなわち、ソルターゼモチーフを含む)は、本明細書において、「ソルターゼ基質」と呼ばれる場合もある。ソルターゼによるこうしたモチーフの認識後、酵素の活性部位における触媒残基(例えば、システイン)は、求核基として作用して、モチーフ(例えば、LPXTGにおけるトレオニン及びグリシン同士のペプチド結合)中のペプチド結合を切断する。切断と同時に、基質と酵素の間にチオアシル中間体が形成される。この中間体は、適切な求核基との反応により分解され、これによって、基質と求核基を連結する新しい結合が形成される。ソルターゼは、切断部位近傍の非常に多様な部分を許容するため、基質が、好適に露出したソルターゼ認識モチーフを含有し、かつ好適な求核基が利用可能である限りにおいて、多様な実体の汎用的結合を可能にする。「ソルターゼ媒介アシル基転移反応」、「ソルターゼ触媒アシル基転移反応」、「ソルターゼ媒介反応」、「ソルターゼ触媒反応」などの用語は、このような反応を指すために本明細書において置き換え可能に用いられる。トランスアミダーゼ又はソルターゼにより認識される配列に関して、「ソルターゼ認識モチーフ」、「ソルターゼ認識配列」、及び「トランスアミダーゼ認識配列」(時として「TRS」と略される)という用語は、本明細書において置き換え可能に用いられる。「求核アクセプター配列」という用語は、ソルターゼ触媒反応において求核基として作用することができるアミノ酸配列、例えば、N末端グリシン(例えば、1、2、3、4、若しくは5のN末端グリシン)、又は、一部の実施形態では、N末端アラニン(1、2、3、4、若しくは5のN末端アラニン)を含む配列を指す。

0084

ソルターゼ媒介結合に好適な基質は、容易に設計することができる。例えば、ポリペプチドを、そのC末端、若しくはその付近にソルターゼモチーフを含有させることによって、ソルターゼの基質として作用するように修飾することができる。ソルターゼ認識モチーフは、基質のC末端そのものに位置する必要はないが、酵素による接触可能性を、ソルターゼ反応に参加するのに十分にすべきである。一部の実施形態では、ソルターゼ認識モチーフの最もN末端側のアミノ酸(例えば、L)と、ポリペプチドのC末端アミノ酸との間に、5、6、7、8、9、10、12、15、20、若しくは25以下のアミノ酸が存在する場合、ソルターゼ認識モチーフは、C末端付近であるとみなされる。一部の実施形態では、ソルターゼ認識モチーフにおいてG又はAのC末端側に少なくとも1、2、3、若しくは4個の追加的アミノ酸が存在する。一部の実施形態では、少なくとも1つの追加的アミノ酸は、G又はAである。例えば、ソルターゼ基質は、LPXTGG、例えば、LPETGGを含んでもよい。一部の実施形態では、タグ(例えば、6XHisタグ又は他の小ペプチドタグ)は、ソルターゼ認識モチーフのC末端側に位置し、任意選択で、スペーサによりモチーフから隔てられている。切断後、タグは放出される。遊離タグを検出してもよく、これは、反応の進行又は範囲をモニターする上で有用となり得る。一部の実施形態では、ソルターゼ認識モチーフは、ポリペプチドの柔軟なループ中に配置する。柔軟なループは、適切に折り畳まれたポリペプチドの表面に露出していてもよい。得られる切断産物のC末端又はその付近に、ソルターゼ認識モチーフが位置するように、ループを切断することができる。ソルターゼ認識モチーフを含むポリペプチドは、非常に多様な部分の何れかをそこに組み込むか、又は結合させることによって、修飾してもよい。得られる修飾済ポリペプチドは、ソルターゼ基質として作用することができ、その結果、その部分と求核基の結合が起こる。ソルターゼ反応に用いることができる好適な求核基は、典型的に、短い区間(約1〜10)のグリシン残基を含むが、アルキルアミンであっても、反応を進行させるのに十分である。ポリペプチドは、そのN末端に、求核アクセプター配列、例えば、1つ又は複数のグリシンを含む配列を含むように修飾することができ、こうして得られたポリペプチドをソルターゼ触媒反応における求核基として用いてもよい。このような反応によって、ポリペプチドのN末端に多様な実体(ソルターゼソルターゼ認識モチーフを含む)の何れかを設置することができる。

0085

「被験者」は、様々な実施形態において、任意の脊椎生物であってよい。被験者は、例えば、実験、診断、及び/若しくは治療のために、薬剤、細胞、物質、若しくは組成物を投与する、又は、サンプルを採取する、又は処置を施す個体であってよい。一部の実施形態では、被験者は、哺乳動物、例えば、ヒト、非ヒト霊長類げっ歯類(例えば、マウス、ラットウサギ)、有蹄動物(例えば、ヒツジ、ウシ、ウマヤギ種)、イヌ、又はネコである。一部の実施形態では、被験者は、鳥類である。一部の実施形態では、被験者は、ヒトが罹患する疾患又は障害モデルとして用いられる非ヒト動物である。例えば、効能及び/又は好適な用量を評価するために、例えば、前臨床試験で、任意の動物モデルを用いてよい。

0086

「小分子」という用語は、比較的低い分子量を有する、天然又は人工的に作製された(例えば、化学合成により)分子を指す。典型的に、小分子は、有機化合物である。小分子は、複数の炭素−炭素結合立体中心、及びその他の官能基(例えば、アミン、ヒドロキシル、カルボニル、複素環など)を含有してもよい。一部の実施形態では、小分子は、単量体である。一部の実施形態では、小分子は、約1500g/モル未満の分子量を有する。一部の実施形態では、小分子は、約1000g/モル未満又は約500g/モル未満の分子量を有する。いくつかの実施形態では、小分子は、適切な政府機関又は取締り機関によって、ヒト若しくは動物における診断薬若しくは治療薬としての使用について安全かつ有効であるとみなされる化合物である。

0087

本明細書で用いられる場合、「支持体」は、物質を付着(結合)させることができるか、又は物質を載せることができる表面を有する任意の実体又は複数の実体を指す。例としては、例えば、粒子、スライドフィルター容器(例えば、プレート若しくはフラスコなどの培養容器マイクロプレートウェルチューブ)の内壁又は底部、チップなどが挙げられる。支持体は、例えば、ガラス、金属、ゲル(例えば、アガロース)、セラミック、ポリマー、又はそれらの組み合わせから構成されるものであってよい。

0088

本明細書で用いられる場合、「腫瘍」という用語は、異常に増殖する細胞を含む、異常な成長を包含する。腫瘍は、典型的には、適切に調節されていない(例えば、通常、増殖を抑制する生理学的影響及びシグナルに正常に応答しない)過剰な細胞増殖を特徴とし、以下に示す特性のうちの1つ又は複数を示し得る:形成異常(例えば、未成熟細胞の数若しくは割合の増加をもたらす、正常分化の欠損);退形成(例えば、分化の喪失増大、構造組織の喪失増大、細胞多態性、大きな多染色体性核、高い核:細胞質比、異型分裂などの異常);隣接組織の侵入(例えば、基底膜破壊);及び/又は転移。いくつかの実施形態では、腫瘍は、「癌」とも呼ばれる悪性腫瘍である。悪性腫瘍は、持続的な増殖の傾向、並びに局所的に広がる、例えば、侵入する並びに/又は領域的に及び/若しくは遠位位置まで転移する能力を有するのに対し、良性腫瘍は、一般に、発生部位局在化した状態を維持し、増殖に関しては自己制限的であることが多い。「腫瘍」という用語は、悪性固形腫瘍(例えば、癌、肉腫)、及び検出可能な固形腫瘍塊がないこともある悪性増殖(例えば、特定の血液系悪性疾患)を含む。「癌」という用語は、一般に、本明細書において「腫瘍」と置き換え可能に用いられ、及び/又は1種又は複数の腫瘍、例えば、1種又は複数の悪性若しくは悪性の可能性がある腫瘍を指すのに用いられる。癌として、限定はしないが、以下の者が挙げられる:乳癌胆管癌脳腫瘍(例えば、膠芽腫髄芽腫);癌;絨毛癌結腸癌子宮内膜癌食道癌胃癌急性リンパ球性白血病及び急性骨髄性白血病などの血液系腫瘍;T細胞急性リンパ芽球性白血病リンパ腫有毛細胞白血病慢性リンパ球性白血病慢性骨髄性白血病多発性骨髄腫成人性T細胞白血病/リンパ腫;ボーエン病及びパジェット病などの上内皮腫瘍;肝癌肺癌ホジキン病及びリンパ球性リンパ腫などのリンパ腫;神経芽細胞腫黒色腫扁平上皮癌などの口腔癌上皮細胞間質細胞生殖細胞及び間葉細胞から発生する卵巣癌を含む卵巣癌;神経芽細胞腫、膵臓癌前立腺癌直腸癌血管肉腫消化管間質腫瘍平滑筋肉腫横紋筋肉腫脂肪肉腫繊維肉腫、及び骨肉腫などの肉腫;腎細胞癌及びウィルムス腫瘍などの腎臓癌基底細胞癌及び扁平上皮癌などの皮膚癌精上皮腫、非精上皮腫(奇形腫、絨毛癌)、間質腫瘍、及び生殖細胞腫瘍などの腫瘍を含む精巣癌;甲状腺癌及び髄様癌などの甲状腺癌。特定の器官において、異なる様々な腫瘍が起こり得るが、これらは、例えば、臨床的及び/又は病理学的特徴及び/又は分子マーカに関して異なっている場合がある。異なる様々な器官に発生する腫瘍は、例えば、以下の文献に記載されている:DeVita,Hellman,and Rosenberg’s Cancer:Principles and Practice of Oncology Cancer:Principles&Practice),Lippincott Williams&Wilkins;Ninth,North American Edition edition May 16,2011)又はthe WHO Classification of Tumours series,4th ed,若しくは3rd ed(Pathology and Genetics of Tumours series),by the International Agency for Research on Cancer(IARC),WHO Press,Geneva,Switzerland。

0089

「治療する」、「治療すること」及び類似の用語は、被験者の医学的及び/又は外科的管理を提供することを指す。治療は、限定はしないが、薬剤又は組成物(例えば、医薬組成物)を被験者に投与することを含む。治療は、典型的に、被験者に対して有益な様式で、疾患の経過を改変するためになされる(この用語は、あらゆる疾患、障害、又は望ましくない状態に対処する療法を示すために用いられる)。治療の効果は、疾患又は疾患の1つ又は複数の症状若しくは発現を逆転、改善、その重症度の軽減、その発症遅延治癒、その進行の阻害、及び/又は発生若しくは再発の可能性の低減を含み得る。治療薬は、疾患を有するか、又は一般集団のメンバーと比較して疾患を発症するリスクが高い被験者に投与することができる。一部の実施形態では、治療薬は、疾患に罹患したことがあるが、その疾患のエビデンスをもう呈示していない被験者に投与してもよい。薬剤は、例えば、明らかな疾患の再発の可能性を低減するために投与してもよい。治療薬は、予防的に、すなわち、疾患の症状の発症又は発現前に投与してもよい。「予防的治療」は、例えば、疾患が起こる可能性を低減するため、又は起こったとしても、疾患の重症度を軽減するために、疾患を発症していないか、又は疾患のエビデンスを呈示していない被験者に、医学的及び/又は外科的管理を提供することを指す。被験者は、疾患を発症するリスクがある(例えば、一般集団と比較してリスクが高いか、疾患を発症する可能性を増すリスク因子を有するものとして識別される。

0090

特定のポリペプチド又はポリヌクレオチドの「変異体」は、それぞれ「オリジナルポリペプチド」又は「オリジナルポリヌクレオチド」と呼ばれることもある、基準ポリペプチド又はポリヌクレオチドに対して、1つ又は複数の改変(例えば、付加、置換、及び/又は欠失)を有する。付加は、挿入であってもよく、又は何れの末端に行ってもよい。変異体は、基準ポリペプチド又はポリヌクレオチドより短くても長くてもよい。「変異体」という用語は、「断片」を含む。「断片」は、基準ポリペプチド又はポリヌクレオチドより短いポリペプチド又はポリヌクレオチドの連続的部分である。一部の実施形態では、変異体は、断片を含むか、又は断片から構成される。一部の実施形態では、断片又は変異体は、基準ポリペプチド又はポリヌクレオチドの少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、92.5%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれを超える長さである。一部の実施形態では、断片は、基準ポリヌクレオチドのN末端及び/又はC末端部分を欠失していてもよい。例えば、断片は、一方又は両方の末端からポリペプチドの最大5%、10%、15%、20%、又は25%の長さを欠失していてもよい。断片は、N末端、C末端、又は内部断片であってもよい。一部の実施形態では、変異体ポリペプチドは、基準ポリペプチドの少なくとも1つのドメインを含むか、又はそれから構成される。一部の実施形態では、変異体ポリヌクレオチドは、基準ポリペプチドの長さの配列に関して、当技術分野で認識されるストリンジェントな条件、例えば、高度ストリンジェンシー条件下で、基準ポリヌクレオチドとハイブリダイズする。一部の実施形態では、変異体ポリペプチド又はポリヌクレオチドは、基準ポリペプチド又はポリヌクレオチドの少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%にわたって、基準ポリペプチド又はポリヌクレオチドと、配列が少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれを超えて同一であるポリペプチド又はポリヌクレオチドを含むか、又はそれから構成される。一部の実施形態では、変異体ポリペプチドは、基準ポリペプチドの少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%にわたって、基準ポリペプチドと、配列が少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれを超えて同一であるポリペプチドを含むか、又はそれから構成されるが、ここで、同一性の割合(%)を計算する目的で、保存的アミノ酸置換は、それが置換するアミノ酸と同一とみなされる。一部の実施形態では、変異体ポリペプチドは、基準ポリペプチドの少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%にわたって、基準ポリペプチドと、配列が少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれを超えて同一であるポリペプチドを含むか、又はそれから構成されるが、但し、何れか1つ又は複数の置換(最大で置換の総数)は、保存的置換に限定され得る。一部の実施形態では、同一性の割合は、少なくとも100;200;300;400;500;600;700;800;900;1,000;1,200;1,500;2,000;2,500;3,000;3,500;4,000;4,500;又は5,000アミノ酸にわたって測定する。一部の実施形態では、変異体ポリペプチドの配列は、基準ポリペプチド配列に対して、N個のアミノ酸の相違を有し、ここで、(Nは、基準ポリペプチドのアミノ酸の数の1%、2%、5%、若しくは10%までの1〜10又は1〜20の任意の整数であり、「アミノ酸の相違」は、アミノ酸の置換、挿入、又は欠失を指す。一部の実施形態では、相違は、保存的置換である。保存的置換は、例えば、関与する残基の側鎖サイズ極性電荷溶解性親水性疎水性及び/又は両親媒性類似性に基づいて実施してよい。一部の実施形態では、保存的置換は、表Aに従って実施してもよく、ここで、第2列の同じブロック及び第3列の同じ行のアミノ酸は、保存的置換で互いに置換することができる。いくつかの保存的置換では、第2列のあるブロックに対応する第3列の1つの行にあるアミノ酸を、第2列の同じブロック内の第3列の別の行からのアミノ酸で置換する。

0091

一部の実施形態では、プロリン(P)は、個別の群に属するとみなされる。一部の実施形態では、システイン(C)は、個別の群に属するとみなされる。一部の実施形態では、プロリン(P)及びシステイン(C)は、個別の群に属するとみなされる。特定の群において、いくつかの置換、例えば、イソロイシンによるロイシンの置換(若しくはその逆)、トレオニンによるセリンの置換(若しくはその逆)、又はグリシンによるアラニンの置換(若しくはその逆)が、いくつかの実施形態において特に有利であると考えられる。

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