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図面 (20)

課題

波長455nm以上500nm以下の波長領域に光の欠落が少なく、かつ演色性の高い白色光源を実現し得る蛍光体を提供する。

解決手段

本開示の一態様に係る蛍光体は、化学組成(Lu1-p-q,Cep,Mq)xβyγzOを有する結晶相を含有し、前記Mは、Y、La、Sc、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、およびYbからなる群より選ばれる一種または二種以上の元素であり、前記βは、前記β全体の90モル%以上のSiを含み、前記γは、前記γ全体の90モル%以上のNを含み、前記x、y、z、p、およびqは、5.5≦x≦6.5、10.5≦y≦11.5、19.5≦z≦20.5、0<p<0.03、および0≦q≦0.5、を満たす、

概要

背景

近年、白色LED(Light Emitting Diode)および有機EL(Electro Luminescence)などの固体光源が広く用いられるようになってきている。現在の一般的な白色LEDは、青色発光素子である青色LEDチップ蛍光体とを組み合わせた構成を有している。このような一般的な白色LEDでは、青色LEDチップからの光の一部を蛍光体で色変換し、青色LEDチップからの青色光と蛍光体からの発光とを混色して白色光が作り出されている。現在、青色LEDチップと黄色蛍光体との組み合わせが主流である。従来、一般式Y3Al5O12:Ce3+(以下YAGと略する)または特許文献1に示されている一般式La3Si6N11:Ce3+(以下LSNと略する)のように、Ceを発光中心として含む黄色蛍光体が知られている。また、演色性および色再現性等を高める目的、または、色温度の低い白色を得る目的で、青色光源と黄色蛍光体とに加えて赤色蛍光体を組み合わせた白色光源の開発が行われている。赤色蛍光体としては、特許文献2に示されている一般式(Sr,Ca)AlSiN3:Eu2+(以下CASNと略する)のように、Euを発光中心として含む赤色蛍光体が知られている。より近年では、LD(Laser Diode)と蛍光体との組み合わせによる高出力白色発光装置の開発が行われている。

黄色蛍光体YAGは、発光の量子効率が高く、また高出力LEDまたはLDで励起しても発光の量子効率がほとんど変化しないため、ほぼ全ての白色光源に搭載されている。一方、赤色蛍光体CASNには、高出力光で励起すると発光の量子効率が低下するという問題がある。これは、Euを発光中心として含む蛍光体は、Ceを発光中心として含む蛍光体と比較して発光寿命が長いため、高出力励起時に輝度飽和しやすいためである。そのため、励起光源の光量を変化させた際に、発光色が変化してしまう。また、どちらか一方の蛍光体が劣化した場合においても、発光色が変化するといった問題が生じる。

さらに、LDは、LEDと比較して半値全幅が非常に狭くなる。このため、青色LDが従来用いられてきた黄色蛍光体と組み合わされた場合に、LD発光と黄色蛍光体発光との間の波長領域(特に、波長455nm以上500nm以下)の光が欠落するといった問題がある。

概要

波長455nm以上500nm以下の波長領域に光の欠落が少なく、かつ演色性の高い白色光源を実現し得る蛍光体を提供する。本開示の一態様に係る蛍光体は、化学組成(Lu1-p-q,Cep,Mq)xβyγzOを有する結晶相を含有し、前記Mは、Y、La、Sc、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、およびYbからなる群より選ばれる一種または二種以上の元素であり、前記βは、前記β全体の90モル%以上のSiを含み、前記γは、前記γ全体の90モル%以上のNを含み、前記x、y、z、p、およびqは、5.5≦x≦6.5、10.5≦y≦11.5、19.5≦z≦20.5、0<p<0.03、および0≦q≦0.5、を満たす、

目的

特許第4459941号公報
特許第3837588号公報






本開示は、波長455nm以上500nm以下の波長領域に光の欠落が少なく、かつ演色性の高い白色光源を実現し得る蛍光体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

化学組成(Lu1-p-q,Cep,Mq)xβyγzOを有する結晶相を含有し、前記Mは、Y、La、Sc、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、およびYbからなる群より選ばれる一種または二種以上の元素であり、前記βは、前記β全体の90モル%以上のSiを含み、前記γは、前記γ全体の90モル%以上のNを含み、前記x、y、z、p、およびqは、5.5≦x≦6.5、10.5≦y≦11.5、19.5≦z≦20.5、0<p<0.03、および0≦q≦0.5、を満たす、蛍光体

請求項2

前記蛍光体の発光スペクトルは、波長540nm以上600nm以下の範囲内にピークを含む、請求項1に記載の蛍光体。

請求項3

前記発光スペクトルは、波長550nm以上600nm以下の範囲内に前記ピークを含む、請求項2に記載の蛍光体。

請求項4

前記発光スペクトルの前記ピークの半値全幅は、130nm以上である、請求項2または3に記載の蛍光体。

請求項5

前記発光スペクトルにおいて、波長500nmの成分の強度が、前記ピークの強度の25%以上である、請求項2から4のいずれか1項に記載の蛍光体。

請求項6

前記発光スペクトルにおいて、波長500nmの成分の強度が、前記ピークの強度の100%未満である、請求項5に記載の蛍光体。

請求項7

前記蛍光体の励起スペクトルは、波長360nm以上390nm以下の範囲内に第一のピークを含み、波長410nm以上440nm以下の範囲内に第二のピークを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の蛍光体。

請求項8

前記第一のピークは、前記第二のピークよりも大きい、請求項7に記載の蛍光体。

請求項9

前記Mは、前記M全体の90モル%以上のYを含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の蛍光体。

請求項10

前記Mは、Yであり、前記βは、Siであり、前記γは、Nである、請求項9に記載の蛍光体。

請求項11

前記結晶相の1/e発光寿命が100ns以下である、請求項1から10のいずれか1項に記載の蛍光体。

請求項12

前記結晶相の前記1/e発光寿命が50ns以下である、請求項11に記載の蛍光体。

請求項13

波長440nm以上460nm以下の光を発する励起光源と、前記励起光源の発する前記光により励起されて発光する、請求項1から12のいずれか1項に記載の蛍光体である第一の蛍光体と、を備える、発光装置

請求項14

前記励起光源は、LDである、請求項13に記載の発光装置。

請求項15

波長440nm以上460nm以下の光を発する励起光源としてのLD光源と、Ce3+を発光中心として含む第一の蛍光体と、を備え、前記第一の蛍光体は、前記LD光源の発する前記光により励起されて発光し、前記第一の蛍光体の発光スペクトルは、波長550nm以上600nm以下の範囲内にピークを含み、前記発光スペクトルの前記ピークの半値全幅は、130nm以上であり、前記発光スペクトルにおいて、波長500nmの成分の強度が、前記ピークの強度の25%以上である、発光装置。

請求項16

波長440nm以上460nm以下の光を発する励起光源としてのLD光源と、Ce3+を発光中心として含む第一の蛍光体と、を備え、前記第一の蛍光体は、前記LD光源の発する前記光により励起されて発光し、前記第一の蛍光体の発光スペクトルは、波長540nm以上600nm以下の範囲内にピークを含み、前記発光スペクトルの前記ピークの半値全幅は、130nm以上であり、前記発光スペクトルにおいて、波長500nmの成分の強度が、前記ピークの強度の25%以上であり、前記発光スペクトルにおいて、波長480nmの成分の強度が、前記ピークの強度の15%以上である、発光装置。

請求項17

前記第一の蛍光体の母体材料は、酸窒化物である、請求項15または16に記載の発光装置。

請求項18

前記発光装置から放出される光は、CIE色度座標値(x,y)において、0.3≦x≦0.4、0.3≦y≦0.4、を満たす白色光である、請求項13から17のいずれか1項に記載の発光装置。

請求項19

前記発光装置から放出される光の演色評価数Raが70以上である、請求項13から18のいずれか1項に記載の発光装置。

請求項20

前記励起光源の発する前記光により励起されて発光する、第二の蛍光体をさらに備え、前記第二の蛍光体の発光スペクトルは、波長580nm以上660nm以下の範囲内にピークを含む、請求項13から19のいずれか1項に記載の発光装置。

技術分野

0001

本開示は、蛍光体および発光装置に関する。

背景技術

0002

近年、白色LED(Light Emitting Diode)および有機EL(Electro Luminescence)などの固体光源が広く用いられるようになってきている。現在の一般的な白色LEDは、青色発光素子である青色LEDチップと蛍光体とを組み合わせた構成を有している。このような一般的な白色LEDでは、青色LEDチップからの光の一部を蛍光体で色変換し、青色LEDチップからの青色光と蛍光体からの発光とを混色して白色光が作り出されている。現在、青色LEDチップと黄色蛍光体との組み合わせが主流である。従来、一般式Y3Al5O12:Ce3+(以下YAGと略する)または特許文献1に示されている一般式La3Si6N11:Ce3+(以下LSNと略する)のように、Ceを発光中心として含む黄色蛍光体が知られている。また、演色性および色再現性等を高める目的、または、色温度の低い白色を得る目的で、青色光源と黄色蛍光体とに加えて赤色蛍光体を組み合わせた白色光源の開発が行われている。赤色蛍光体としては、特許文献2に示されている一般式(Sr,Ca)AlSiN3:Eu2+(以下CASNと略する)のように、Euを発光中心として含む赤色蛍光体が知られている。より近年では、LD(Laser Diode)と蛍光体との組み合わせによる高出力白色発光装置の開発が行われている。

0003

黄色蛍光体YAGは、発光の量子効率が高く、また高出力LEDまたはLDで励起しても発光の量子効率がほとんど変化しないため、ほぼ全ての白色光源に搭載されている。一方、赤色蛍光体CASNには、高出力光で励起すると発光の量子効率が低下するという問題がある。これは、Euを発光中心として含む蛍光体は、Ceを発光中心として含む蛍光体と比較して発光寿命が長いため、高出力励起時に輝度飽和しやすいためである。そのため、励起光源の光量を変化させた際に、発光色が変化してしまう。また、どちらか一方の蛍光体が劣化した場合においても、発光色が変化するといった問題が生じる。

0004

さらに、LDは、LEDと比較して半値全幅が非常に狭くなる。このため、青色LDが従来用いられてきた黄色蛍光体と組み合わされた場合に、LD発光と黄色蛍光体発光との間の波長領域(特に、波長455nm以上500nm以下)の光が欠落するといった問題がある。

先行技術

0005

特許第4459941号公報
特許第3837588号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本開示は、波長455nm以上500nm以下の波長領域に光の欠落が少なく、かつ演色性の高い白色光源を実現し得る蛍光体を提供する。

課題を解決するための手段

0007

本開示の一態様における蛍光体は、化学組成(Lu1-p-q,Cep,Mq)xβyγzOを有する結晶相を含有する。前記Mは、Y、La、Sc、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、およびYbからなる群より選ばれる一種または二種以上の元素である。前記βは、前記β全体の90モル%以上のSiを含む。前記γは、前記γ全体の90モル%以上のNを含む。前記x、y、z、p、およびqは、5.5≦x≦6.5、10.5≦y≦11.5、19.5≦z≦20.5、0<p<0.03、および0≦q≦0.5、を満たす。

0008

本開示の包括的または具体的な態様は、蛍光体、素子、装置、システム、車両、方法、または、これらの任意な組み合わせで実現されてもよい。

発明の効果

0009

本開示によれば、波長455nm以上500nm以下の波長領域に光の欠落が少なく、かつ演色性の高い白色光源を実現し得る蛍光体を提供できる。

図面の簡単な説明

0010

図1は、実施形態3に係るLED発光装置の模式的な断面図である。
図2は、実施形態4に係るLD発光装置の模式的な断面図である。
図3は、実施形態5に係る照明装置の模式的な断面図である。
図4は、試料番号1の蛍光体の発光スペクトルを示す図である。
図5は、試料番号2の蛍光体の発光スペクトルを示す図である。
図6は、試料番号3の蛍光体の発光スペクトルを示す図である。
図7は、試料番号4の蛍光体の発光スペクトルを示す図である。
図8は、試料番号5の蛍光体の発光スペクトルを示す図である。
図9は、試料番号6の蛍光体の発光スペクトルを示す図である。
図10は、試料番号7の蛍光体の発光スペクトルを示す図である。
図11は、試料番号1の蛍光体の励起スペクトルを示す図である。
図12は、試料番号2の蛍光体の励起スペクトルを示す図である。
図13は、試料番号3の蛍光体の励起スペクトルを示す図である。
図14は、試料番号4の蛍光体の励起スペクトルを示す図である。
図15は、試料番号5の蛍光体の励起スペクトルを示す図である。
図16は、試料番号6の蛍光体の励起スペクトルを示す図である。
図17は、試料番号7の蛍光体の励起スペクトルを示す図である。
図18は、試料番号1から4の蛍光体の粉末XRD回折パターン図である。
図19は、試料番号1および試料番号5から7の蛍光体の粉末XRD回折パターン図である。
図20は、試料番号9の白色光源の発光スペクトルを示す図である。
図21は、試料番号10の白色光源の発光スペクトルを示す図である。
図22は、試料番号11の白色光源の発光スペクトルを示す図である。
図23は、試料番号12の白色光源の発光スペクトルを示す図である。
図24は、試料番号13の白色光源の発光スペクトルを示す図である。
図25は、試料番号14の白色光源の発光スペクトルを示す図である。
図26は、試料番号15の白色光源の発光スペクトルを示す図である。
図27は、試料番号16の白色光源の発光スペクトルを示す図である。

0011

(本開示に係る一態様の概要
本開示の第1の態様に係る蛍光体は、化学組成(Lu1-p-q,Cep,Mq)xβyγzOを有する結晶相を含有する。前記Mは、Y、La、Sc、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、およびYbからなる群より選ばれる一種または二種以上の元素である。前記βは、前記β全体の90モル%以上のSiを含む。前記γは、前記γ全体の90モル%以上のNを含む。前記x、y、z、p、およびqは、5.5≦x≦6.5、10.5≦y≦11.5、19.5≦z≦20.5、0<p<0.03、および0≦q≦0.5、を満たす。

0012

本開示の第1の態様によれば、Ceを発光中心として含む、発光スペクトル幅の広い蛍光体を実現することができる。したがって、第1の態様の蛍光体は、波長455nm以上500nm以下の波長領域に光の欠落が少なく、かつ演色性の高い白色光源を実現し得る。

0013

第2の態様において、例えば、第1の態様に係る蛍光体の発光スペクトルは、波長540nm以上600nm以下の範囲内にピークを含む。

0014

第2の態様に係る蛍光体は、黄色発光を実現できる。なお、前記発光スペクトルは、唯一のピークとして前記ピークを有していてもよく、また、前記ピークを含む複数のピークを有していてもよい。前記発光スペクトルが複数のピークを有する場合、前記ピークは、最大ピークであってもよく、また、最大ピークでなくてもよい。

0015

第3の態様において、例えば、第2の態様に係る蛍光体の前記発光スペクトルは、波長550nm以上600nm以下の範囲内に前記ピークを含む。

0016

第3の態様に係る蛍光体は、黄色蛍光体を実現できる。

0017

第4の態様において、例えば、第2または3の態様に係る蛍光体では、前記発光スペクトルの前記ピークの半値全幅は、130nm以上である。

0018

第4の態様に係る蛍光体では、発光スペクトルのピークの波長域が広い。したがって、第4の態様に係る蛍光体は、太陽光(すなわち、自然光)に近いスペクトルを有するので、高い演色性を有する白色光源を実現し得る。

0019

第5の態様において、例えば、第2から第4の態様のいずれか一つに係る蛍光体の前記発光スペクトルにおいて、波長500nmの成分の強度が、前記ピークの強度の25%以上である。

0020

第5の態様に係る蛍光体が発光する光には、波長500nm近傍の波長を有する光が比較的高い強度で含まれる。したがって、第5の態様に係る蛍光体は、例えば励起光源として発光波長の半値全幅が狭い青色LDと組み合わされて使用された場合でも、波長455nm以上500nm以下の波長領域に光の欠落が少なく、かつ演色性の高い白色光源を効率よく実現し得る。

0021

第6の態様において、例えば、第5の態様に係る蛍光体の前記発光スペクトルにおいて、波長500nmの成分の強度が、前記ピークの強度の100%未満である。

0022

第6の態様に係る蛍光体は、例えば励起光源として発光波長の半値全幅が狭い青色LDと組み合わされて使用された場合でも、波長455nm以上500nm以下の波長領域に光の欠落が少なく、かつ演色性の高い白色光源をさらに効率よく実現し得る。

0023

第7の態様において、例えば、第1から第6の態様のいずれか一つに係る蛍光体の励起スペクトルは、波長360nm以上390nm以下の範囲内に第一のピークを含み、波長410nm以上440nm以下の範囲内に第二のピークを含む。

0024

第7の態様に係る蛍光体は、第一のピークおよび第二のピークの2つの励起スペクトルピークを有するので、励起光源の選択肢を広げることができる。なお、前記励起スペクトルは、第一および第二のピーク以外のピークを有していてもよいし、有していなくてもよい。

0025

第8の態様において、例えば、第7の態様に係る蛍光体の励起スペクトルでは、前記第一のピークは、前記第二のピークよりも大きい。

0026

第8の態様に係る蛍光体は、より短波長励起光で効率よく発光できるため、励起光源の選択肢を広げることができる。なお、前記第一のピークは、前記励起スペクトルの最大ピークであってもよく、また、最大ピークでなくてもよい。

0027

第9の態様において、例えば、第1から第8の態様いずれか一つに係る蛍光体の前記Mが、前記M全体の90モル%以上のYを含む。

0028

第9の態様によれば、不純物の少ない蛍光体を実現できる。したがって、第9の態様に係る蛍光体によれば、波長455nm以上500nm以下の波長領域に光の欠落がより少なく、かつ演色性のより高い白色光源を実現し得る。

0029

第10の態様において、例えば、第9の態様に係る蛍光体の前記MがYであり、前記βがSiであり、前記γがNである。

0030

第10の態様に係る蛍光体によれば、波長455nm以上500nm以下の波長領域に光の欠落がより少なく、かつ演色性のより高い白色光源を実現し得る。

0031

第11の態様において、例えば、第1から第10の態様のいずれか一つに係る蛍光体の前記結晶相の1/e発光寿命が、100ns以下である。

0032

第11の態様に係る蛍光体は、輝度飽和特性に優れているので、高出力時でも量子効率が高い蛍光体として有望である。

0033

第12の態様において、例えば、第11の態様に係る蛍光体の前記結晶相の前記1/e発光寿命が、50ns以下である。

0034

第12の態様に係る蛍光体は、輝度飽和特性により優れているので、高出力時でも量子効率がより高い蛍光体として有望である。

0035

本開示の第13の態様に係る発光装置は、波長440nm以上460nm以下の光を発する励起光源と、前記励起光源の発する前記光により励起されて発光する、第1から第12の態様のいずれか一つに係る蛍光体である第一の蛍光体と、を備える。

0036

第13の態様に係る発光装置は、第1から第12の態様のいずれか一つに係る蛍光体を備えているので、波長455nm以上500nm以下の波長領域に光の欠落が少なく、かつ演色性の高い白色光源として利用され得る。

0037

第14の態様において、例えば、第13の態様に係る発光装置の前記励起光源がLDである。

0038

第14の態様に係る発光装置は、励起光源としてLDを備えるので、高出力を実現できる。

0039

本開示の第15の態様に係る発光装置は、波長440nm以上460nm以下の光を発する励起光源としてのLD光源と、Ce3+を発光中心として含む第一の蛍光体と、を備える。前記第一の蛍光体は、前記LD光源の発する前記光により励起されて発光する。前記第一の蛍光体の発光スペクトルは、波長550nm以上600nm以下の範囲内にピークを含む。前記発光スペクトルの前記ピークの半値全幅は、130nm以上である。前記発光スペクトルにおいて、波長500nmの成分の強度は、前記ピークの強度の25%以上である。

0040

第15の態様に係る発光装置は、波長455nm以上500nm以下の波長領域に光の欠落が少なく、かつ演色性の高い白色光源として利用され得る。なお、前記発光スペクトルは、唯一のピークとして前記ピークを有していてもよく、また、前記ピークを含む複数のピークを有していてもよい。前記発光スペクトルが複数のピークを有する場合、前記ピークは、最大ピークであってもよく、また、最大ピークでなくてもよい。

0041

本開示の第16の態様に係る発光装置は、波長440nm以上460nm以下の光を発する励起光源としてのLD光源と、Ce3+を発光中心として含む第一の蛍光体と、を備える。前記第一の蛍光体は、前記LD光源の発する前記光により励起されて発光する。前記第一の蛍光体の発光スペクトルは、波長540nm以上600nm以下の範囲内にピークを含む。前記発光スペクトルの前記ピークの半値全幅は、130nm以上である。前記発光スペクトルにおいて、波長500nmの成分の強度は、前記ピークの強度の25%以上である。前記発光スペクトルにおいて、波長480nmの成分の強度は、前記ピークの強度の15%以上である。

0042

第16の態様に係る発光装置は、波長455nm以上500nm以下の波長領域に光の欠落が少なく、かつ演色性の高い白色光源として利用され得る。なお、前記発光スペクトルは、唯一のピークとして前記ピークを有していてもよく、また、前記ピークを含む複数のピークを有していてもよい。前記発光スペクトルが複数のピークを有する場合、前記ピークは、最大ピークであってもよく、また、最大ピークでなくてもよい。

0043

第17の態様において、例えば、第15または16の態様に係る発光装置の第一の蛍光体の母体材料酸窒化物である。

0044

化物または酸窒化物は高い熱伝導特性を有するため、高温になりにくい。したがって、第17の態様に係る発光装置によれば、温度消光による蛍光体の発光効率低下を抑制することができる。

0045

第18の態様において、例えば、第13から第17の態様のいずれか一つに係る発光装置から放出される光は、CIE色度座標値(x,y)において、0.3≦x≦0.4、0.3≦y≦0.4、を満たす白色光である。

0046

第18の態様に係る発光装置は、演色性の高い白色光源として利用され得る。第18の態様に係る発光装置は、第一の蛍光体以外の他の蛍光体を含むことも可能であるが、例えば第一の蛍光体のみを蛍光体として含む場合であっても、CIE色度座標値(x,y)においてxおよびyの値が上記範囲を満たす高い演色性を実現し得る。

0047

第19の態様において、例えば、第13から第18の態様のいずれか一つに係る前記発光装置から放出される光の演色評価数Raが70以上である。

0048

第19の態様に係る発光装置は、演色性の高い白色光源として利用され得る。第19の態様に係る発光装置は、第一の蛍光体以外の他の蛍光体を含むことも可能であるが、例えば第一の蛍光体のみを蛍光体として含む場合であっても、演色評価数Raが70以上である高い演色性を実現し得る。

0049

第20の態様において、例えば、第13から第19の態様のいずれか一つに係る発光装置は、前記励起光源の発する前記光により励起されて発光する、第二の蛍光体をさらに備える。前記第二の蛍光体の発光スペクトルは、波長580nm以上660nm以下の範囲内にピークを含む。

0050

第20の態様の発光装置は、発光波長が異なる少なくとも2種類の蛍光体を備えているので、発光色を制御することができる。

0051

(本開示の実施の形態)
以下、本開示の実施の形態について詳細に説明する。当然ながら、本開示はこれらの実施形態に限定されるものでなく、本開示の技術的範囲を逸脱しない範囲で適宜変更して実施することができる。同一または実質的に同一の構成には同一の符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。

0052

[実施形態1]
実施形態1では、本開示の蛍光体の実施形態について説明する。

0053

実施形態1の蛍光体は、化学組成(Lu1-p-q,Cep,Mq)xβyγzOを有する結晶相を含有する。ただし、上記組成式において、Mは、Y、La、Sc、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、およびYbからなる群より選ばれる一種または二種以上の元素である。βは、β全体の90モル%以上のSiを含む。γは、前記γ全体の90モル%以上のNを含む。x、y、z、p、およびqは、5.5≦x≦6.5、10.5≦y≦11.5、19.5≦z≦20.5、0<p<0.03、および0≦q≦0.5、を満たす。以下に、実施形態1の蛍光体について、より詳しく説明する。

0054

上記化学組成(Lu1-p-q,Cep,Mq)xβyγzO(以下、「上記化学組成」ということがある)において、pは0<p<0.03を満たす。発光を得るためにCeを含む必要があるため、pは0より大きい。pは、発光強度増大の観点から、望ましくは0.0001以上、より望ましくは0.003以上である。蛍光体が発光し得る限りpの最大値に特に制限はない。しかし、pが大きくなりすぎる場合には、濃度消光により発光強度が低下する。そのため、pを0.03未満とすることにより、発光強度の低下を抑制できる。また、pは、発光強度増大の観点から、望ましくは0.025以下、より望ましくは0.02以下である。

0055

上記化学組成において、qは、0≦q≦0.5を満たす。qが0.5よりも大きい場合、発光ピーク波長長波長に大きくシフトするため、輝度が低くなる。また、qが0.5よりも大きい場合、発光波長460nm以上520nm未満の波長範囲内の発光強度が大きく低下するため、この波長範囲の発光が欠落してしまう。このため、qは0.5以下とする。また、qが0を超えることで、結晶性を向上させることができる。したがって、qは0<b≦0.5を満たしてもよい。

0056

上記化学組成において、xは、5.5≦x≦6.5を満たし、5.8≦x≦6.2を満たしてもよく、x=6であってもよい。換言すると、上記組成式において、xは6±0.5の範囲内であり、例えば6±0.2の範囲内であり、xは6であってもよい。

0057

上記化学組成において、yは10.5≦y≦11.5を満たし、10.3≦y≦11.2を満たしてもよく、y=11であってもよい。換言すると、上記組成式において、yは11±0.5の範囲内であり、例えば11±0.3の範囲内であり、yは11であってもよい。

0058

上記化学組成において、zは19.5≦z≦20.5を満たし、19.8≦z≦20.2を満たしてもよい。換言すると、上記組成式において、zは20±0.5の範囲内であり、例えば20±0.3の範囲内である。

0059

実施形態1の蛍光体の化学組成において、MはM全体の90モル%以上のYを含んでもよい。また、MがYであり、βがSiであり、かつγがNであってもよい。すなわち、実施形態1の蛍光体は、化学組成(Lu1-p-q,Cep,Yq)xSiyNzOを有する結晶相を含有していてもよい。

0060

実施形態1の蛍光体の発光スペクトルは、540nm以上600nm以下の波長範囲内にピークを含んでいてもよい。実施形態1の蛍光体の発光スペクトルは、例えば、波長550nm以上のピークを含んでいてもよく、波長560nm以上のピークを含んでいてもよい。実施形態1の蛍光体の発光スペクトルは、例えば、波長590nm以下のピークを含んでいてもよく、波長580nm以下のピークを含んでいてもよい。

0061

Eu3+およびSm3+などのf−f遷移により発光を示す発光中心からの発光は、スペクトルが線状となる。これは、(4f)n殻がイオン最外殻ではなく、その外側に(5s)2(5p)6の8個の電子があって、結晶場の影響を遮断していることによる。一方で、Ce3+およびEu2+などのf−d遷移により発光を示す発光中心からの発光は、スペクトルはブロードとなる。これは、励起状態の電子が(5d)電子で最外殻にあり、結晶場の影響を強く受けるからである。更に、Ce3+の場合では、基底準位(4f)1がスピン軌道相互作用により、2F7/2と2F5/2の状態に分かれており、その2つの準位に緩和するため、少なくとも2つ以上のピークを持った発光となる。そのため、Ce3+はEu2+よりも発光スペクトルがブロードである発光を示すことが一般的である。

0062

さらに、酸窒化物を母体材料に用いたCe3+の場合では、特にブロードになると考えられる。Ce3+の配位子となる酸素との混成軌道により形成される準位と、Ce3+の配位子となる窒素との混成軌道により形成される準位とで、エネルギーに差ができるため、基底準位の2つの準位のエネルギー差が大きくなる。そのため、酸窒化物を母体材料に用いたCe3+は、発光スペクトルが特にブロードである発光が得られる。

0063

また、酸窒化物では、Ce3+が置換されるサイトには、配位子が窒素だけで構成されるサイト、酸素だけで構成されるサイト、および酸素と窒素とで構成されるサイトが存在し得る。それぞれのサイトで結晶場の影響が異なるため、置換サイトによって励起準位エネルギー準位が異なると考えられる。そのため、Ce3+が上記それぞれの異なるサイトに置換された場合に、特にブロードな発光が得られると考えられる。

0064

実施形態1の蛍光体は、酸窒化物を母体材料としたCe3+による発光であるので、ブロードな発光を示す。すなわち、実施形態1の蛍光体は、発光スペクトル幅の広い発光を有する蛍光体であるので、その発光スペクトルが太陽光(すなわち、自然光)のスペクトルに近くなる。したがって、実施形態1の蛍光体は、高い演色性を得ることができる。

0065

実施形態1の蛍光体がブロードな発光を有することは、例えば、実施形態1の蛍光体の発光スペクトルが以下の特徴を有することによっても示し得る。

0066

実施形態1の蛍光体では、540nm以上600nm以下の波長範囲内の発光スペクトルのピークの半値全幅が例えば130nm以上であり、140nm以上であってもよい。実施形態1の蛍光体がこのような広い半値全幅を満たす発光スペクトルのピークを有する場合、実施形態1の蛍光体は、太陽光(すなわち、自然光)のスペクトルに近い波長域の広い発光スペクトルを有することとなり、その結果、高い演色性を得ることができる。実施形態1の蛍光体の発光スペクトルのピークの半値全幅の上限は、特には限定されないが、例えば200nm以下である。

0067

実施形態1の蛍光体の発光スペクトルにおいて、波長500nmの成分の強度が、540nm以上600nm以下の波長範囲内のピークの強度の25%以上であってもよく、40%以上であってもよい。この場合、本実施形態の蛍光体が発光する光には、波長500nm近傍の波長を有する光が比較的高い強度で含まれることになる。したがって、実施形態1の蛍光体はブロードな発光を有することになり、その結果、例えば励起光源として発光波長の半値全幅が狭い青色LDと組み合わされて使用された場合でも、波長455nm以上500nm以下の波長領域に光の欠落が少なく、かつ演色性の高い白色光源を効率よく実現し得る。本実施形態の蛍光体の発光スペクトルにおいて、波長500nmの成分の強度は、540nm以上600nm以下の波長範囲内のピークの強度の100%未満であってもよい。なお、以下、波長が455nm以上500nm以下の範囲の光を、シアン色領域の光ということがある。

0068

実施形態1の蛍光体の励起スペクトルは、例えば、波長360nm以上390nm以下の範囲内に第一のピークを有し、波長410nm以上440nm以下の範囲内に第二のピークを有する。このように、第一のピークおよび第二のピークの2つの励起スペクトルピークが存在することにより、励起光源の選択肢を広げることができる。第一のピークは、第二のピークよりも大きくてもよい。この場合、より短波長の励起光で効率よく発光できるため、励起光源の選択肢を広げることができる。

0069

<蛍光体の製造方法>
以下、実施形態1の蛍光体の製造方法について説明する。ここでは、上記化学組成において、MがY、βがSi、およびγがNである場合を例に挙げて説明する。

0070

原料としては、例えば、Lu含有する化合物、Ce含有する化合物、Y含有する化合物、およびSiを含有する化合物を用いてもよいし、Lu、Ce、Y、およびSiそれぞれの単体を用いてもよい。化合物としては、窒素雰囲気下での焼成により窒化物になる化合物、高純度(例えば、純度99%以上)の窒化物、金属合金、などを用いることができる。また、反応を促進するために、フッ化物(例えば、フッ化アンモニウム等)を少量添加してもよい。

0071

(Lu1-p-q,Cep,Yq)xSiyNzOの化学組成比、例えば(Lu1-p-q,Cep,Y
q)6Si11N20(0<p<0.03、0≦q≦0.5)の化学組成比となるように、Lu化合物、Ce化合物、Y化合物、およびSi化合物(またはSi単体)を用意してもよい。具体的な原料としては、例えば、LuN粉末(またはLu2O3粉末)、CeN粉末(またはCeO2粉末若しくはCeF3粉末)、YN粉末、およびSi3N4粉末を用いてもよい。

0072

実施形態1の蛍光体の製造は、上記の原料を混合し、焼成して行う。原料の混合方法は、溶液中での湿式混合でも、乾燥粉体乾式混合でもよい。工業的に通常用いられるボールミル媒体撹拌ミル遊星ミル振動ミルジェットミルV型混合機攪拌機等を用いることができる。焼成は、窒素により加圧した雰囲気中において1500〜2000℃の温度範囲で1〜50時間程度行う。このときの圧力は、通常3気圧以上、望ましくは4気圧以上、より望ましくは8気圧以上である。焼成後の蛍光体は、例えば、濃度10%の硝酸溶液中で1時間洗浄してもよい。得られた蛍光体粉末を、ボールミルやジェットミルなどを用いて再度粉砕し、さらに必要に応じて洗浄または分級することにより、蛍光体粉末の粒度分布流動性を調整してもよい。

0073

<蛍光体を用いた発光装置>
実施形態1の蛍光体は、発光装置に利用され得る。実施形態1の発光装置は、励起光源と、第一の蛍光体と、を少なくとも備える。励起光源は、波長440nm以上460nm以下の光を発する。第一の蛍光体は、励起光源の発する光を照射され、励起光源の発する光よりも長波長の蛍光を発する。第一の蛍光体は、実施形態1で説明した何れかの蛍光体である。以上の構成によれば、高出力時においても量子効率の高い発光装置を構成することができると共に、波長455nm以上500nm以下の波長領域に光の欠落が少なく、かつ演色性の高い白色光源が実現され得る。

0074

励起光源は、さらに、波長360nm以上440nm以下の光を発してもよい。励起光源は、波長360nm以上390nm以下の光、または、波長410nm以上440nm以下の光を発してもよい。実施形態1の蛍光体は、典型的には、波長360nm以上440nm以下の範囲内に励起スペクトルのピークを有するため、効率的に励起することができる。望ましくは、実施形態1の蛍光体のうち、波長400nm以上に励起スペクトルのピークを有するものを使用する。なお、上記の励起光源としては、例えば、LEDおよびLDが挙げられる。

0075

実施形態1の発光装置は、波長580nm以上660nm以下の範囲内に発光スペクトルのピークを有する第二の蛍光体をさらに備えてもよい。第二の蛍光体は、励起光源が発する光を照射されることで、励起光源が発する光よりも長波長の蛍光を発する。第二の蛍光体としては、化学組成(Sr,Ca)AlSiN3:Eu2+の結晶相を含有する蛍光体や、化学組成Sr2Si5N8:Eu2+の結晶相を含有する蛍光体、化学組成La3(Si6-x,Alx)N11-3/x:Ce3+を有する結晶相を含有する蛍光体、化学組成Lu2CaMg2Si3O12:Ce3+を有する結晶相を含有する蛍光体、(Y,La)6Si11N20O:Ce3+を有する結晶相を含有する蛍光体、および化学組成Y3Si5N9O:Ce3+を有する結晶相を含有する蛍光体などを用いてもよい。なお、実施形態1の蛍光体が発する光を利用して、第二の蛍光体を励起してもよい。

0076

実施形態1の蛍光体を含む発光装置における、励起光源および第二の蛍光体は、発光装置の用途に応じて、上述の範囲内で自由に選択することができる。具体的には、青色光を発する励起光源と、赤色光を発する蛍光体と、本実施形態で説明した蛍光体(例えば、黄色蛍光体)と、を組み合わせることで、演色性の高い高出力の発光装置を実現できる。

0077

上述のとおり、実施形態1の蛍光体は、発光スペクトルのピークの半値全幅の広い黄色発光を可能とし、シアン色領域の発光も含み得る。したがって、実施形態1の発光装置は、たとえ発光波長の半値全幅が小さい青色LDが励起光源として用いられたとしても、波長455nm以上500nm以下の波長領域に光の欠落が少なく、かつ演色性の高い白色光源として利用され得る。

0078

例えば、実施形態1の発光装置から放出される光は、CIE色度座標値(x,y)において、0.3≦x≦0.4、0.3≦y≦0.4、を満たす白色光である。また、実施形態1の発光装置から放出される光の演色評価数Raは、例えば70以上である。このように、実施形態1の発光装置は、演色性の高い白色光源として利用され得る。実施形態1の発光装置は、第一の蛍光体として説明した実施形態1の蛍光体以外の他の蛍光体を含むことも可能であるが、例えば第一の蛍光体のみを蛍光体として含む場合であっても、CIE色度座標値(x,y)においてxおよびyの値が上記範囲を満たす、および/または、演色評価数Raが70以上である、高い演色性を実現し得る。

0079

[実施形態2]
実施形態2では、本開示の発光装置の実施形態について説明する。

0080

実施形態2の発光装置は、波長440nm以上460nm以下の光を発する励起光源としてのLD光源と、Ce3+を発光中心として含む第一の蛍光体と、を少なくとも備える。

0081

実施形態2の発光装置における第一の蛍光体は、LD光源の発する光により励起されて発光する。第一の蛍光体として、以下の2つの蛍光体(すなわち、「第一の蛍光体A」および「第一の蛍光体B」)が用いられ得る。

0082

(第一の蛍光体A)
第一の蛍光体Aの発光スペクトルは、波長550nm以上600nm以下の範囲内にピークを含む。この発光スペクトルのピークの半値全幅は、130nm以上であり、140nm以上であってもよい。第一の蛍光体Aの発光スペクトルのピークの半値全幅の上限は、特には限定されないが、例えば200nm以下である。第一の蛍光体Aの発光スペクトルでは、波長500nmの成分の強度が、上記ピークの強度の25%以上である。

0083

(第一の蛍光体B)
第一の蛍光体Bの発光スペクトルは、波長500nm以上600nm以下の範囲内にピークを含む。この発光スペクトルのピークの半値全幅は、130nm以上であり、140nm以上であってもよい。第一の蛍光体Bの発光スペクトルのピークの半値全幅の上限は、特には限定されないが、例えば200nm以下である。第一の蛍光体Bの発光スペクトルでは、波長500nmの成分の強度が上記ピークの強度の25%以上であり、かつ、波長480nmにおける発光スペクトルの強度が発光スペクトルの上記ピークの強度の15%以上である。

0084

なお、以下の説明において、「第一の蛍光体」は、第一の蛍光体Aおよび第一の蛍光体Bを含む。

0085

実施形態2の発光装置に用いられる第一の蛍光体は、その発光スペクトルが上記の特徴を有する。すなわち、第一の蛍光体は、黄色発光と共にシアン色領域の発光も示す、非常にブロードな発光を示す蛍光体である。したがって、実施形態2の発光装置は、発光波長の半値全幅が小さい青色LDが励起光源として用いられているにも関わらず、波長455nm以上500nm以下の波長領域に光の欠落が少なく、かつ演色性の高い白色光源として利用され得る。

0086

第一の蛍光体の母体材料は、酸窒化物であってもよい。酸窒化物が母体材料として用いられたCe3+は、よりブロードな発光を有する。したがって、第一の蛍光体の母体材料が酸窒化物であれば、波長455nm以上500nm以下の波長領域に光の欠落が少なく、かつ演色性のより高い白色光源を実現できる。

0087

実施形態2の発光装置に用いられる第一の蛍光体の励起スペクトルが、例えば波長360nm以上440nm以下の範囲内にピークを有する場合は、LD光源は、さらに、波長360nm以上440nm以下の光を発してもよい。この場合、LD光源は、波長360nm以上390nm以下の光、または、波長410nm以上440nm以下の光を発してもよい。

0088

実施形態2における発光装置は、波長580nm以上660nm以下の範囲内にピークを含む発光スペクトル有する第二の蛍光体をさらに備えてもよい。第二の蛍光体は、励起光源が発する光を照射されることで、励起光源が発する光よりも長波長の蛍光を発する。第二の蛍光体としては、化学組成(Sr,Ca)AlSiN3:Eu2+の結晶相を含有する蛍光体、化学組成Sr2Si5N8:Eu2+の結晶相を含有する蛍光体、化学組成La3(Si6-x,Alx)N11-3/x:Ce3+を有する結晶相を含有する蛍光体、化学組成Lu2CaMg2Si3O12:Ce3+を有する結晶相を含有する蛍光体、(Y,La)6Si11N20O:Ce3+を有する結晶相を含有する蛍光体、および化学組成Y3Si5N9O:Ce3+を有する結晶相を含有する蛍光体などを用いてもよい。なお、第一の蛍光体が発する光を利用して、第二の蛍光体を励起してもよい。

0089

実施形態2の発光装置における、LD光源および第二の蛍光体は、発光装置の用途に応じて、上述の範囲内で自由に選択することができる。具体的には、青色光を発するLD光源と、赤色光を発する蛍光体と、実施形態2で説明した第一の蛍光体(例えば、黄色蛍光体)と、を組み合わせることで、演色性の高い高出力の発光装置を実現できる。

0090

上述のとおり、実施形態2の発光装置に用いられる第一の蛍光体は、発光スペクトルのピークの半値全幅の広い黄色発光を可能とし、シアン色領域の発光も含み得る。したがって、実施形態2の発光装置は、発光波長の半値全幅が小さい青色LDが励起光源として用いられているにも関わらず、波長455nm以上500nm以下の波長領域に光の欠落が少なく、かつ演色性の高い白色光源として利用され得る。

0091

例えば、実施形態2の発光装置から放出される光は、CIE色度座標値(x,y)において、0.3≦x≦0.4、0.3≦y≦0.4、を満たす白色光である。また、実施形態2の発光装置から放出される光の演色評価数Raは、例えば70以上である。このように、実施形態2の発光装置は、演色性の高い白色光源として利用され得る。実施形態2の発光装置は、第一の蛍光体以外の他の蛍光体を含むことも可能であるが、例えば第一の蛍光体のみを蛍光体として含む場合であっても、CIE色度座標値(x,y)においてxおよびyの値が上記範囲を満たす、および/または、演色評価数Raが70以上である、高い演色性を実現し得る。

0092

[実施形態3]
実施形態3では、本開示の発光装置の一例として、LEDチップ光源として備えるLED発光装置について説明する。図1は、実施形態3のLED発光装置の一実施形態を示す模式的な断面図である。図1に示すように、LED発光装置10は、蛍光体11と、LEDチップ(励起光源の一例)15と、LED封止体24と、を備える。また、LED発光装置10は支持体23を備えてもよい。支持体23は、LEDチップ15を支持する。本実施形態では、LED発光装置10は、面実装が可能な構造を備えている。よって、支持体23は基板である。なお、LED発光装置10においては、蛍光体11およびLED封止体24によって、波長変換素子が構成されている。

0093

本実施形態は高輝度LED発光装置に用いることができる。例えば、LEDチップ15で発生した熱を効率的に外部へ放熱することができるよう、支持体23は高い熱伝導率を有している。例えば、アルミナまたは窒化アルミニウムなどからなるセラミック基板を支持体23として用いることができる。

0094

LEDチップ15は、少なくとも青色光を発する。すなわち、LEDチップ15は、少なくとも波長440nm以上460nm以下の光を発する。LEDチップ15は、支持体23上において、出射面15aが支持体23と接する面とならないように、半田25などによって支持体23に固定されている。また、LEDチップ15はボンディングワイヤ21によって支持体23に設けられた電極22に電気的に接続されている。LEDチップ15は、LED封止体24で覆われている。

0095

LED封止体24には、例えばシリコーン樹脂が使用されている。蛍光体11が、LED封止体24中に分散している。シリコーン樹脂としては、半導体発光素子封止樹脂として用いられる種々の化学式で規定される構造のシリコーン樹脂を用いることができる。シリコーン樹脂は、例えば、耐変色性が高いジメチルシリコーンを含んでいる。また、耐熱性の高いメチルフェニルシリコーン等もシリコーン樹脂として用いることができる。シリコーン樹脂は1種類の化学式で規定されるシロキサン結合による主骨格を持つ単独重合体であってもよい。また、2種類以上の化学式で規定されるシロキサン結合を有する構造単位を含む共重合体や2種類以上のシリコーンポリマーアロイであってもよい。

0096

本実施形態では、LED封止体24中のシリコーン樹脂は硬化後の状態にある。したがって、LED封止体24も硬化した状態にある。以下において説明するように、LED封止体24は、未硬化のシリコーン樹脂を用いて作製することができる。シリコーン樹脂は、主剤および硬化剤を混合することにより硬化が促進される2液型であることが一般的である。しかし、熱硬化型、あるいは、光などのエネルギーを照射することによって硬化するエネルギー硬化型のシリコーン樹脂を用いることもできる。なお、LED封止体24には、シリコーン樹脂以外のものを使用してもよい。例えば、ガラスエポキシ樹脂、ZnOで構成される無機材料等を用いてもよい。また、蛍光体11は、LED封止体24中に分散させずに、LED封止体24上に蛍光体板の形態で配置してもよい。

0097

上述した例では、LEDチップはワイヤボンディングされていたが、本実施形態で用いられるLEDチップは他の構成であってもよい。すなわち、本実施形態で用いられるLEDチップは、フェイスアップ実装されるものであっても、フリップチップで実装されるものであってもよい。また本実施形態で用いられるLEDチップは、一般的な極性面(すなわちc面)の成長面を有する窒化物半導体から形成される発光層を備えるものであってもよい。

0098

<蛍光体の概要>
蛍光体11は、LEDチップ15から出射される光のうち、一部の波長成分またはすべての波長成分を吸収し、蛍光を発する。吸収する光の波長および蛍光の波長は、蛍光体11に含まれる蛍光材料の種類によって決まる。蛍光体11は、光の混色により白色光が作り出されるように、複数の異なる色の蛍光体を含む混合蛍光体であってもよい。蛍光体11は、黄色蛍光体および赤色蛍光体の混合蛍光体であってもよい。赤色蛍光体としては、例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu2+、Sr2Si5N8:Eu2+、La3(Si6-x,Alx)N11-3/x:Ce3+、Lu2CaMg2Si3O12:Ce3+、および(Y,La)6Si11N20O:Ce3+などの蛍光体を用いることができる。黄色蛍光体としては、実施形態1の蛍光体が用いられる。

0099

別の態様として、蛍光体11は、実施形態1の黄色蛍光体と、実施形態1の蛍光体とは別の黄色蛍光体と、赤色蛍光体との混合蛍光体であってもよい。実施形態1の黄色蛍光体とは別の黄色蛍光体としては、例えば、Y3Al5O12:Ce3+、CaSi2O2N2:Eu2+、(Ba,Sr)Si2O2N2:Eu2+、Ca3Sc2Si3O12:Ce3+、CaSc2O4:Ce3+、La3Si6N11:Ce3+、MII2MgSi2O7:Eu2+(MII=Ba,SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種)、SrSi5AlO2N7:Eu2+、SrSi2O2N2:Eu2+、BaAl2O4:Eu2+、BaZrSi3O9:Eu2+、MII2SiO4:Eu2+(MII=Ba,SrおよびCaから選ばれる少なくとも1種)、BaSi3O4N2:Eu2+、Ca8Mg(SiO4)4Cl2:Eu2+、Ca3SiO4Cl2:Eu2+、およびβ−SiAlON:Eu2+などの蛍光体を用いることができる。

0100

蛍光体11の粒子径は、例えば、それぞれ1μm以上80μm以下である。本明細書において、粒子径とは、顕微鏡法による円相当径で表したものをいう。

0101

蛍光体11は、例えば、封止体100重量部に対して、3重量部以上70重量部以下の割合でLED封止体24に含まれている。蛍光体11の含有量が3重量部以上とすることにより、十分な強度の蛍光が得られ、所望の波長の光を発光するLED発光装置10を実現できる。蛍光体11に用いる各色に発光する蛍光体の重量比は、所望する光の色調と、それぞれの蛍光体の発光強度に応じて適宜決定することができる。なお、蛍光体11を、実施形態1の蛍光体のみにすることによって、または、他の色の蛍光体と組み合わせることによって、LED発光装置を、所望の色を発するLED発光装置として構成することができる。

0102

実施形態1で説明したCe3+を発光中心として含む黄色蛍光体以外の上記の蛍光体は、公知方法に従って製造することができる。具体的には、酸化物蛍光体を作製する場合、原料としては、水酸化物蓚酸塩および硝酸塩などの焼成により酸化物になる化合物、または、酸化物を用いることができる。ここで、反応を促進するために、フッ化物(例えば、フッ化カルシウム等)や塩化物(例えば、塩化カルシウム等)を少量添加することができる。蛍光体の製造は、上記の原料を混合し、焼成して行う。

0103

原料の混合方法としては、溶媒中での湿式混合でも、乾燥粉体の乾式混合でもよい。工業的に通常用いられるボールミル、媒体撹拌ミル、遊星ミル、振動ミル、ジェットミル、V型混合機、攪拌機等を用いることができる。蛍光体原料の焼成は、大気中または還元性雰囲気下において、1100〜1800℃の温度範囲で1〜50時間程度行う。焼成に用いる炉は、工業的に通常用いられる炉を用いることができる。例えば、プッシャー炉等の連続式またはバッチ式電気炉ガス炉、または、プラズマ焼結SPS)や熱間静水圧加圧焼結HIP)等の加圧焼成炉を用いることができる。得られた蛍光体粉末を、ボールミルやジェットミルなどを用いて再度粉砕し、さらに必要に応じて洗浄または分級することにより、蛍光体粉末の粒度分布や流動性を調整することができる。

0104

上述のように、実施形態3の発光装置は、青色光を発する励起光源と、Ce3+を発光中心として含む発光スペクトル幅の広い実施形態1の黄色蛍光体とを用いているため、高効率かつ演色性の高い光源を実現することができる。

0105

[実施形態4]
実施形態4では、本開示の発光装置の一例として、LDを光源として備えるLD発光装置について説明する。図2は、実施形態4に係るLD発光装置60の概略構成を示している。LD発光装置60は、LD素子(励起光源の一例)58と、波長変換部材(波長変換素子の一例)61と、を備える。波長変換部材61は、蛍光体を含む。蛍光体は、LD素子58からの出射光を、より長波長の光に波長変換する。

0106

LD素子58は、LEDよりも高い光パワー密度の光を出射することができる。よって、LD素子58の使用により高出力のLD発光装置60を構成することができる。LD素子58から蛍光体に照射される光パワー密度は、LD発光装置60の高出力化の観点から、例えば、0.5W/mm2以上である。また、蛍光体に照射される光パワー密度は、2W/mm2以上であってもよく、3W/mm2以上であってもよく、10W/mm2以上であってよい。一方で、蛍光体に照射される光パワー密度を抑制することにより、蛍光体からの発熱量を低減し、LD発光装置60に悪影響を低減することができる。よって、蛍光体に照射される光パワー密度は、150W/mm2以下であってもよく、100W/mm2以下であってもよく、50W/mm2以下であってもよく、20W/mm2以下であってもよい。

0107

LD素子58には、青色光を出射するLD素子を使用することができる。すなわち、LD素子58の発光スペクトルは、少なくとも波長440nm以上460nm以下の範囲内にピークを有し、望ましくは420nm以上460nm以下の範囲内にピークを有する。

0108

LD素子58は、1つのLDから構成されたものであってもよく、複数のLDを光学的に結合させたものであってもよい。LD素子58は、例えば、非極性面または半極性面である成長面を有する窒化物半導体から形成される発光層を備えてもよい。

0109

波長変換部材61の蛍光体は、実施形態1の蛍光体を含む。波長変換部材61は、発光装置の所望の発光色に応じて、実施形態1の蛍光体以外の蛍光体をさらに含んでいてもよい。例えば、波長変換部材61が、赤色蛍光体をさらに含んでいてもよい。赤色蛍光体としては、実施形態3で赤色蛍光体として例示したものを使用することができる。波長変換部材61は、複数種の蛍光体が混合された一層の波長変換層であってもよく、単一種あるいは複数種の蛍光体を含む波長変換層が少なくとも2層以上積層されたものであってもよい。本実施形態では、特に、実施形態1の蛍光体で構成される第1の蛍光体層63と、赤色蛍光体で構成される第2の蛍光体層62とを積層した構成を有する波長変換部材61が用いられる場合について説明する。

0110

第2の蛍光体層62、第1の蛍光体層63は、それぞれ、バインダー68,69を用いて構成されている。バインダー68,69は、例えば、樹脂、ガラスまたは透明結晶などの媒体である。バインダー68,69は、同じ材質であってもよく、異なる材質であってもよい。なお、各蛍光体層は、蛍光体粒子のみで構成されていてもよい。

0111

波長変換部材61とLD素子58との間には、LD素子58の光を第1の蛍光体層62に導く入射光学系59が設けられていてもよい。入射光学系59は、例えば、レンズミラー、または光ファイバーなどを備えている。

0112

次に、本実施形態のLD発光装置60の動作について説明する。LD素子58から射出された青色光は、入射光学系59を通り、波長変換部材61の第1の蛍光体層63に入射する。この入射光により、第1の蛍光体層63の黄色蛍光体13が励起されて黄色光を射出する。また、第1の蛍光体層63で吸収されずに透過したLD素子58から射出された青色光は、第2の蛍光体層62に入射する。この入射により、第2の蛍光体層62の複数の赤色蛍光体が励起され赤色光を射出する。また、第1の蛍光体層63から放射された黄色光が、第2の蛍光体層62に入射する。この入射光の一部により、第2の蛍光体層62の赤色蛍光体12が励起され赤色光を射出してもよい。また、第2の蛍光体層62でも第1の蛍光体層62でも吸収されずに透過したLD素子58から射出された青色光は、外部へと放射される。これらの赤色光、黄色光、および青色光が混合された光が、LD発光装置60から放射される。

0113

なお、各蛍光体層の厚みは、LD素子58から射出された青色光が第2の蛍光体層62を透過しないように調整してもよい。

0114

上述のように、実施形態4の発光装置は、青色光を発する励起光源と、実施形態1の蛍光体とを用いており、この構成により、実施形態4の発光装置は、演色性の高い高出力の光源を実現することができる。

0115

[実施形態5]
実施形態5では、本開示の照明装置の一例として、光ファイバーを用いた照明装置について説明する。図3は、実施形態5に係る照明装置130の概略構成を示している。照明装置130は、LD素子58と、入射光学系59と、光ファイバー132と、波長変換部材131と、出射光学系122と、を備える。

0116

LD素子58が発する光は、入射光学系59を通り、光ファイバー132へと導かれる。光ファイバー132は、その光を出射部へと導く。出射部は、例えば、波長変換部材131と、出射光学系122と、を備える。波長変換部材131は、実施形態1の赤色蛍光体を含む。また、波長変換部材131は、実施形態4の波長変換部材61であってもよい。なお、波長変換部材131は、図3のように光ファイバー132よりも出射側に位置してもよいが、光ファイバー132よりも入射側(例えば、LD素子58と入射光学系59との間、または、入射光学系59と光ファイバー132との間)に位置してもよい。

0117

実施形態5の照明装置によれば、光ファイバーを用いることで、光の照射方向を簡便に変更することができる。

0118

また、実施形態1の黄色蛍光体を用いるため、白色照明装置として構成した場合には、高い演色性および色再現性を実現できる。

0119

以下、本開示を詳細に説明するが、本開示は、これら実施例に限定されるものではない。

0120

<発光/励起スペクトルの測定>
蛍光体の発光スペクトルおよび励起スペクトルは、分光蛍光光度計(日本分光FP−6500)を用いて測定された。発光スペクトルは、励起光のピーク波長を380nmに設定し、蛍光体の発光を420nm〜800nmの範囲で測定することによって測定された。この時のピーク波長を発光ピーク波長とした。励起スペクトルは、蛍光体発光モニター波長を570nmに設定し、励起光を250nm〜500nmの範囲で変化させることによって測定された。

0121

<発光寿命の評価>
蛍光体の発光寿命は、蛍光寿命測定装置浜松ホトクス製Quantaurus−Tau小型蛍光寿命測定装置)を用いて測定された。励起光のピーク波長を365nmに設定し、蛍光体発光のモニター波長を570nmに設定し、励起光を遮断した後の時間に対する発光強度の時間変化が測定された。この時の発光強度が、励起光遮断前の発光強度に対して1/eとなる時間が、1/e発光寿命として求められた。

0122

結晶構造の評価>
蛍光体の粉末X線回折パターンは、X線回折測定装置(Rigaku製RINT2100)を用いて測定された。測定は、Cu−Kα線を用い、表1に示す条件で行われた。

0123

0124

<蛍光体の合成>
出発原料として、LuN粉末、YN粉末、Si3N4粉末、およびCeN粉末を用意した。出発原料として用いたLuN粉末には、Lu2O3が混在していた。化学組成(Lu1-p-q,Cep,Yq)xSiyNzOを有する結晶相を含有する蛍光体の合成には、酸素源として、LuN粉末に混在しているLu2O3が利用された。試料番号1から7の蛍光体を合成するために、出発原料の粉末を表2に示す配合組成となるように量し混合した。出発原料の粉末の混合は、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、乳鉢を用いて乾式混合することによって行われた。混合して得られた原料粉末を、窒化ホウ素製坩堝に入れた。この原料粉末を0.5MPaの窒素雰囲気中で1900℃にて2時間焼成した。以上の方法により、試料番号1から7の蛍光体が作製された。

0125

<蛍光体の評価>
試料番号1から7の蛍光体の発光スペクトルは、それぞれ、図4から10に示されている。試料番号1から7の蛍光体の励起スペクトルは、それぞれ、図11から17に示されている。さらに、発光スペクトルから、最大ピークの発光強度(以下、最大ピーク値と呼ぶ)に対する、波長500nmにおける発光強度の比率および波長480nmにおける発光強度の比率、が求められた。試料番号1から7の蛍光体のXRDパターンは、図18および19に示されている。なお、比較例として、Er6Si11N20O結晶(ICSD−84706)のXRDパターンも、図18および19に示されている。試料番号1から7の蛍光体の発光ピーク波長、最大ピーク値に対する発光強度比励起ピーク波長発光ピークの半値全幅(発光半値全幅)および1/e発光寿命は、表3に示されている。なお、表3中の*印は、その試料が比較例であることを示している。比較例として、黄色蛍光体として一般に用いられているYAG蛍光体(試料番号8)についても、表3に示されている。YAGについてはLED用として市販されている蛍光体が用いられた。YAGの発光スペクトルを測定する場合には、励起波長を450nmとした。

0126

0127

0128

試料番号1から6、および8の蛍光体について、発光波長540nm以上600nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する黄色発光が確認された。さらに、試料番号1から5の蛍光体では、発光半値全幅が130nm以上であり、波長500nmにおける発光強度が最大ピーク値に対して25%以上であり、かつ、波長480nmにおける発光強度が最大ピーク値に対して15%以上であった。試料番号1から5の蛍光体は、前述の実施形態2で説明した第一の蛍光体Aおよび第一の蛍光体Bの条件も満たしていた。これらの結果から、試料番号1から5の蛍光体は、発光スペクトルの波長域が広く、太陽光(すなわち、自然光)に近いスペクトルを有し、かつ波長500nm近傍の波長を有する光を比較的高い強度で含む光を発光することがわかる。図18に示すXRDパターンから、試料番号1から4の蛍光体は、Er6Si11N20O結晶と同様のピークパターンを有することもわかった。この結果から、化学組成(Lu1-p-q,Cep,Yq)xSiyNzを有する結晶が合成できることが確認された。

0129

次に、Ce置換濃度について検討する。図5図8から10および表3に示されているように、試料番号2および試料番号5から7の蛍光体を比較すると、Ce置換濃度の増加に伴い発光波長が長波長側へシフトすることがわかる。蛍光体中のCe濃度(pの値)が増大すると、Ce同士の励起準位の波動関数の重なりが大きくなる。そして、励起準位エネルギー幅が増大し、一種のバンドを形成するため、基底準位とのエネルギー差が減少するためだと考えられる。また、Ce置換濃度の増加に伴い、発光波長470nm以上520nm未満の範囲内における発光スペクトルの発光強度が低下することがわかる。これは、蛍光体の自己吸収量が増加したためだと考えられる。自己吸収とは、蛍光体が発光した光のうち、短波長領域の発光が再び蛍光体に吸収されることである。

0130

なお、図19に示すXRDパターンから、試料番号5から7の蛍光体も、Er6Si11N20O結晶と同様のピークを有しており、(化学組成(Lu1-p-q,Cep,Yq)xSiyNzを有する結晶が合成できていることが確認できる。

0131

<発光装置の演色性>
試料番号1から8の蛍光体と発光ピーク波長445nmの青色LDとを組み合わせて白色光源を構成した場合の演色評価数を表4に示す。試料番号9から16の発光スペクトルを、それぞれ、図20から27に示す。なお、白色発光色度は、CIE色度座標値y=0.345となるように調整した。

0132

実施例

0133

試料番号9から13の白色光源について、CIE色度座標値(x,y)において、0.3≦x≦0.4、0.3≦y≦0.4で表される範囲内の白色光が得られることがわかる。また、試料番号9から13の白色光源は、蛍光体を1種類だけを備えた構成であるにもかかわらず、演色評価数Raは70以上であり、演色性が高い白色光であることがわかる。すなわち、本開示の蛍光体は、たとえ他の蛍光体と組み合わされずに単独で白色光源に使用されたとしても、高い演色性を実現し得る。一方、試料番号14および15の白色光源については、演色評価数Raは70以上であり、演色性は高いが、CIE色度座標値(x,y)において、0.3≦x≦0.4、0.3≦y≦0.4で表される範囲内の発光を得ることができないことがわかる。

0134

本開示の蛍光体は、発光装置などとして有用である。本開示の蛍光体は、例えば、シーリングライト等の一般照明装置、スポットライトスタジアム照明スタジオ用照明等の特殊照明装置、ヘッドランプ等の車両用照明装置プロジェクターヘッドアップディスプレイ等の投影装置内視鏡用ライトデジタルカメラ携帯電話機スマートフォンなどの撮像装置パーソナルコンピュータ(PC)用モニター、ノート型パーソナルコンピュータテレビ携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、タブレットPC、携帯電話などの液晶ディスプレイ装置等における光源として用いることができる。

0135

10LED発光装置
11蛍光体
12赤色蛍光体
13黄色蛍光体
15LEDチップ
21ボンディングワイヤ
22電極
23支持体
24LED封止体
25半田
58LD素子
59入射光学系
60LD発光装置
61波長変換部材
62蛍光体層、第2の蛍光体層
63 第1の蛍光体層
68バインダー
69 バインダー
130照明装置
131 波長変換部材
132 光ファイバー

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