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技術 粘着剤、硬化性粘着剤組成物、粘着シートおよびその製造方法

出願人 日東電工株式会社
発明者 丹羽理仁畑中逸大下栗大器寳田翔野中崇弘平野敬祐川竹郁佳池村美佳
出願日 2018年1月30日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-014204
公開日 2019年8月8日 (8ヶ月経過) 公開番号 2019-131680
状態 未査定
技術分野 接着テープ 接着剤、接着方法
主要キーワード カルボキシ基含有化合物 接着保持力 アクリル系ポリマー鎖 接着保持性 重剥離フィルム シリコーン系離型層 本粘着シート 乾燥前重量
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

低温接着性高温保持力とを両立可能な粘着剤、および当該粘着剤を用いた粘着シートを提供する。

解決手段

粘着剤は、アクリルベースポリマーを含有する。アクリル系ベースポリマーは、アクリル系セグメントおよびウレタン系セグメントを含む。ベースポリマーは、アクリル系セグメント100重量部に対するウレタン系セグメントの含有量が3〜20重量部である。粘着剤組成物を層状に塗布し、必要に応じて硬化することにより粘着シートが得られる。

概要

背景

物品接合、保護、装飾等の種々の局面において粘着シートが用いられている。粘着シートの代表例として、アクリルベースポリマーを主成分とする粘着剤から形成されたアクリル系粘着シートが挙げられる。アクリル系粘着シートは、適度な濡れ性凝集性および接着性等の粘着特性を示し、耐候性耐熱性等にも優れている。

アクリル系粘着剤は、構成モノマーの種類や共重合比の変更により、ガラス転移温度等の諸特性を容易に調整できる。アクリル系粘着剤は、ベースポリマーに架橋構造を導入することにより、凝集力を高め、接着特性等を調整することもできる。例えば、側鎖に水酸基カルボキシ基等の反応性官能基を有するポリマーと、イソシアネートエポキシ等の架橋剤とを反応させることにより、ポリマーに架橋構造を導入できる。また、共重合成分として、1分子中に2以上の重合性官能基を有する多官能モノマーまたはオリゴマーを用いることにより、架橋構造を有するポリマーが得られる。アクリル系ポリマーに架橋構造を導入するための多官能モノマー・オリゴマーとしては、一般に多官能(メタアクリレートが用いられる。

粘着剤の凝集性を高めることにより、剪断貯蔵弾性率が大きくなる。剪断貯蔵弾性率の上昇に伴って、高温接着保持力が上昇し、高温環境下接合部材に一定の剪断力を付与した場合でも、接合部の剥離が抑制される傾向がある。一方、粘着剤の凝集性を高めると、粘性が低下する傾向があり、低温環境での接着力不足する場合がある。

特許文献1および特許文献2には、ウレタンオリゴマーアクリル系モノマーとを共重合したウレタン系粘着剤が開示されている。一般に、ウレタン系ポリマーはアクリル系ポリマーに比べてガラス転移温度が小さいため、ウレタン系粘着剤は、アクリル系粘着剤に比べて、低温での接着性を向上できるとの利点を有する。

概要

低温接着性高温保持力とを両立可能な粘着剤、および当該粘着剤を用いた粘着シートを提供する。粘着剤は、アクリル系ベースポリマーを含有する。アクリル系ベースポリマーは、アクリル系セグメントおよびウレタン系セグメントを含む。ベースポリマーは、アクリル系セグメント100重量部に対するウレタン系セグメントの含有量が3〜20重量部である。粘着剤組成物を層状に塗布し、必要に応じて硬化することにより粘着シートが得られる。なし

目的

本発明は、低温接着性と高温保持力とを両立可能な粘着剤、および当該粘着剤を用いた粘着シートの提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

アクリルベースポリマーを含有する粘着剤であって、前記アクリル系ベースポリマーは、アクリル系セグメントおよびウレタン系セグメントを含み、前記アクリル系セグメント100重量部に対するウレタン系セグメントの含有量が3〜20重量部である、粘着剤。

請求項2

前記ウレタン系セグメントの重量平均分子量が3000〜50000である、請求項1に記載の粘着剤。

請求項3

前記ウレタン系セグメントが、ポリエーテル鎖ポリエステル鎖、およびポリカーボネート鎖からなる群から選択される1種以上のポリマー鎖を有する、請求項1または2に記載の粘着剤。

請求項4

前記ウレタン系セグメントのガラス転移温度が0℃以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着剤。

請求項5

前記アクリル系ベースポリマーは、前記アクリル系セグメントが前記ウレタン系セグメントより架橋されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着剤。

請求項6

前記アクリル系ベースポリマーを50重量%以上含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着剤。

請求項7

さらに重量平均分子量が1000〜30000のアクリル系オリゴマーを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の粘着剤。

請求項8

ガラス転移温度が−25℃〜0℃である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の粘着剤。

請求項9

請求項1〜7のいずれか1項に記載の粘着剤がシート状に形成されている粘着シート

請求項10

温度25℃における剪断貯蔵弾性率が、0.15〜0.30MPaである、請求項9に記載の粘着シート。

請求項11

温度25℃における剪断貯蔵弾性率(MPa)と、ガラス転移温度(℃)の積が、−1.0以下である、請求項9または10に記載の粘着シート。

請求項12

硬化性粘着剤組成物であって、アクリル系モノマーおよび/またはその部分重合物、ならびにウレタン(メタアクリレートを含み、前記アクリル系モノマーおよびその部分重合物の合計100重量部に対する前記ウレタン(メタ)アクリレートの含有量が、3〜20重量部である、粘着剤組成物。

請求項13

前記ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量が3000〜50000である、請求項12に記載の粘着剤組成物。

請求項14

前記ウレタン(メタ)アクリレートのガラス転移温度が0℃以下である、請求項12または13に記載の粘着剤組成物。

請求項15

さらに、光重合開始剤を含有する、請求項12〜14のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。

請求項16

アクリル系モノマーおよびその部分重合物を合計50重量%以上含有する、請求項12〜15のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。

請求項17

さらに重量平均分子量が1000〜30000のアクリル系オリゴマーを含む、請求項12〜16のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。

請求項18

請求項12〜17のいずれか1項に記載の粘着剤組成物を基材上に層状に塗布し、前記粘着剤組成物の硬化を行う、粘着シートの製造方法。

請求項19

前記硬化が光硬化である、請求項18に記載の粘着シートの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、粘着剤および粘着シートに関する。さらに、本発明は粘着シートの作製に適用可能な硬化性粘着剤組成物、および当該粘着剤組成物を用いた粘着シートの製造方法に関する。

背景技術

0002

物品接合、保護、装飾等の種々の局面において粘着シートが用いられている。粘着シートの代表例として、アクリルベースポリマーを主成分とする粘着剤から形成されたアクリル系粘着シートが挙げられる。アクリル系粘着シートは、適度な濡れ性凝集性および接着性等の粘着特性を示し、耐候性耐熱性等にも優れている。

0003

アクリル系粘着剤は、構成モノマーの種類や共重合比の変更により、ガラス転移温度等の諸特性を容易に調整できる。アクリル系粘着剤は、ベースポリマーに架橋構造を導入することにより、凝集力を高め、接着特性等を調整することもできる。例えば、側鎖に水酸基カルボキシ基等の反応性官能基を有するポリマーと、イソシアネートエポキシ等の架橋剤とを反応させることにより、ポリマーに架橋構造を導入できる。また、共重合成分として、1分子中に2以上の重合性官能基を有する多官能モノマーまたはオリゴマーを用いることにより、架橋構造を有するポリマーが得られる。アクリル系ポリマーに架橋構造を導入するための多官能モノマー・オリゴマーとしては、一般に多官能(メタアクリレートが用いられる。

0004

粘着剤の凝集性を高めることにより、剪断貯蔵弾性率が大きくなる。剪断貯蔵弾性率の上昇に伴って、高温接着保持力が上昇し、高温環境下接合部材に一定の剪断力を付与した場合でも、接合部の剥離が抑制される傾向がある。一方、粘着剤の凝集性を高めると、粘性が低下する傾向があり、低温環境での接着力不足する場合がある。

0005

特許文献1および特許文献2には、ウレタンオリゴマーアクリル系モノマーとを共重合したウレタン系粘着剤が開示されている。一般に、ウレタン系ポリマーはアクリル系ポリマーに比べてガラス転移温度が小さいため、ウレタン系粘着剤は、アクリル系粘着剤に比べて、低温での接着性を向上できるとの利点を有する。

先行技術

0006

国際公開第2014/027788号
国際公開第2016/002666号

発明が解決しようとする課題

0007

携帯電話スマートフォン等のモバイル端末自動車冷凍冷蔵機器等は、低温から高温まで幅広い温度領域で使用されるため、これらの装置の部品の接合や表面装飾に用いられる粘着剤には、優れた高温保持力と良好な低温接着性とが同時に求められる。

0008

アクリル系粘着剤では、ポリマーのガラス転移温度を低くすることにより、低温での接着性が向上する傾向がある。また、特許文献1,2等に開示のウレタン系粘着剤は、ガラス転移温度が低く、低温での接着性に優れている。

0009

アクリル系粘着剤では、ガラス転移温度が低くなると、貯蔵弾性率が小さくなり、高温での接着保持力が低下する傾向がある。ガラス転移温度が低いウレタン系粘着剤でも同様の傾向があり、高温での保持力が十分とはいえない。すなわち、従来の粘着剤では、ガラス転移温度と剪断貯蔵弾性率に一定の相関があり、低温接着性と高温保持力とを両立することは容易ではない。

0010

上記に鑑み、本発明は、低温接着性と高温保持力とを両立可能な粘着剤、および当該粘着剤を用いた粘着シートの提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明の粘着剤は、アクリル系ベースポリマーを含有する。アクリル系ベースポリマーは、アクリル系セグメントおよびウレタン系セグメントを含む。ベースポリマーのアクリル系セグメント100重量部に対するウレタン系セグメントの含有量は3〜20重量部である。

0012

ウレタン系セグメントの重量平均分子量は、3000〜50000が好ましい。ウレタン系セグメントのガラス転移温度は0℃以下が好ましい。

0013

ウレタン系セグメントとしては、ポリエーテル鎖ポリエステル鎖ポリカーボネート鎖等を有するものが好ましく用いられる。ポリエーテル鎖を有するウレタン系セグメントは、例えば、ポリエーテルポリオールとイソシアネートとの反応により得られる。ポリエステル鎖を有するウレタン系セグメントは、例えば、ポリエステルポリオールとイソシアネートとの反応により得られる。ポリカーボネート鎖等を有するウレタン系セグメントは、例えば、ポリカーボネートポリオールとイソシアネートとの反応により得られる。

0014

ベースポリマーにおいて、アクリル系セグメントとウレタン系セグメントは、共有結合している。一実施形態において、アクリル系ベースポリマーは、アクリル系セグメントがウレタン系セグメントにより架橋された構造を有する。アクリル系セグメントがウレタン系セグメントにより架橋されたポリマーは、例えば、アクリル系セグメントを構成するモノマー成分と、末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートとの共重合により得られる。

0015

粘着剤は、上記ベースポリマーを50重量%以上含有することが好ましい。粘着剤は上記ベースポリマー以外の成分を含んでいてもよい。例えば、粘着剤は、重量平均分子量が1000〜30000のアクリル系オリゴマーを含んでいてもよい。粘着剤のガラス転移温度は−25℃〜0℃が好ましい。

0016

硬化性の粘着剤組成物を光硬化熱硬化等に硬化することにより、上記の粘着剤を形成してもよい。一実施形態において、硬化性の粘着剤組成物は、アクリル系モノマーおよび/またはその部分重合物アクリル系プレポリマー組成物)、ならびに複数の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートを含む。この粘着剤組成物を硬化することにより、プレポリマー組成物に含まれるアクリル系モノマーとウレタン(メタ)アクリレートとの重合が進行し、アクリル系セグメントにウレタン系セグメントによる架橋構造が導入されたベースポリマーが得られる。

0017

アクリル系モノマーおよびその部分重合物の合計100重量部に対するウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、3〜20重量部が好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は3000〜50000が好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートのガラス転移温度は0℃以下が好ましい。

0018

粘着剤組成物におけるアクリル系モノマーおよびその部分重合物の合計含有量は50重量%以上が好ましい。粘着剤組成物は、アクリル系モノマーおよびその部分重合物ならびにウレタン(メタ)アクリレート以外の成分を含んでいてもよい。粘着剤組成物は、重量平均分子量が1000〜30000のアクリル系オリゴマーを含んでいてもよい。粘着剤組成物は、光重合開始剤および/または熱重合開始剤を含んでいてもよい。粘着剤組成物は、好ましくは、光重合開始剤を含む光硬化性の粘着剤組成物である。

0019

さらに、本発明は上記の粘着剤がシート状に形成された粘着シートに関する。例えば、上記の硬化性粘着剤組成物を基材上に層状に塗布し、粘着剤組成物を硬化することにより、本粘着シートを形成できる。粘着剤組成物の硬化方法としては、光硬化や熱硬化が好ましい。

発明の効果

0020

本発明の粘着剤は、ベースポリマーがアクリル系セグメントとウレタン系セグメントとを所定の比率で有することにより、低ガラス転移温度と高貯蔵弾性率を両立可能である。そのため、本発明の粘着シートは、低温接着性および高温接着保持力に優れ、広い温度領域で信頼性の高い接着を実現できる。

図面の簡単な説明

0021

離型フィルム付き粘着シートの構成例を示す断面図である。
粘着シートの使用形態の一例を示す断面図である。

0022

[ベースポリマー]
本発明の粘着剤は、アクリル系セグメントおよびウレタン系セグメントを含むベースポリマーを含有する。ベースポリマーにおけるウレタン系セグメントの含有量は、アクリル系セグメント100重量部に対して、3〜20重量部であり、4〜17重量部が好ましく、5〜15重量部がより好ましい。アクリル系セグメントおよびウレタン系セグメントを含むことにより、アクリル系ポリマーの高温接着保持力を損なうことなく、ガラス転移温度を低下させて、低温接着性を向上できる。

0023

ベースポリマー中のアクリル系セグメントとウレタン系セグメントは、共有結合により結合している。アクリル系セグメントとウレタン系セグメントが共有結合しているポリマーとしては、両方のセグメントが主鎖を構成するブロックポリマー、一方のセグメントが主鎖を構成し他方のセグメントが主鎖に結合して側鎖を構成するグラフトポリマー、および一方のセグメントが他方のセグメントを架橋している架橋ポリマーが挙げられる。グラフトポリマーおよび架橋ポリマーは、アクリル系セグメントが主鎖であり、主鎖としてのアクリル系セグメント(アクリル系ポリマー鎖)に、側鎖または架橋成分としてのウレタン系セグメントが結合しているものが好ましい。

0024

<アクリル系セグメント>
アクリル系セグメントは、主たる構成モノマー成分として(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。

0025

(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基炭素数が1〜20である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好適に用いられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アルキル基が分枝を有していてもよく、環状アルキル基を有していてもよい。

0026

鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸イソトリドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸イソテトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソオクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸アラルキル等が挙げられる。

0027

脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘプチル、(メタ)アクリル酸シクロオクチル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸イソボルニル等の二環式脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステルジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等の三環以上の脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。

0028

アクリル系セグメントを構成するモノマー成分全量に対する、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの量は、50重量%以上が好ましく、60重量%以上がより好ましく、70重量%以上がさらに好ましい。アクリル系セグメントのガラス転移温度(Tg)を適切な範囲とする観点から、アクリル系セグメントの構成モノマー成分全量に対する炭素数4〜10の鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの量は、30重量%以上が好ましく、40重量%以上がより好ましく、50重量%以上がさらに好ましい。

0029

なお、ウレタン系セグメントの構成成分(例えばウレタン(メタ)アクリレート)は、アクリル系セグメントを構成するモノマー成分には含まれない。アクリル系セグメントを主鎖としてウレタン系のグラフト側鎖を有するグラフトポリマーや、アクリル系セグメントがウレタン系セグメントより架橋されている架橋ポリマーにおいて、主鎖構造にウレタン系セグメントの末端官能基が含まれている場合においても同様である。

0030

アクリル系セグメントは、構成モノマー成分として、水酸基含有モノマーやカルボキシ基含有モノマーを含んでいてもよい。

0031

水酸基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4‐ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6‐ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8‐ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10‐ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12‐ヒドロキシラウリルや(4‐ヒドロキシメチルシクロヘキシル)‐メチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。カルボキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸カルボキシペンチル等のアクリル系モノマーや、イタコン酸マレイン酸フマール酸クロトン酸等が挙げられる。

0033

アクリル系セグメントが、構成モノマー成分として、水酸基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー等の高極性モノマーを含有することにより、粘着剤の凝集力が高められ、高温での接着保持性が向上する傾向がある。アクリル系セグメントを構成するモノマー成分全量に対する高極性モノマー量(水酸基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、および窒素含有モノマーの合計)は、1〜45重量%が好ましく、5〜40重量%がより好ましく、10〜35重量%がさらに好ましい。

0034

アクリル系セグメントは、上記以外のモノマー成分として、酸無水物基含有モノマー、(メタ)アクリル酸のカプロラクトン付加物スルホン酸基含有モノマー燐酸基含有モノマー酢酸ビニルプロピオン酸ビニルスチレンα−メチルスチレン、等のビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノアクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコール等のグリコールアクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルフッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートや(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル等のアクリル酸エステル系モノマー等を含んでいてもよい。

0035

アクリル系セグメントは、多官能のモノマーまたはオリゴマーを含んでいてもよい。多官能化合物は、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性官能基を、1分子中に2個以上含有する。多官能化合物としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、アルカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ブタジエン(メタ)アクリレート、イソプレン(メタ)アクリレート等が挙げられる。

0036

アクリル系セグメントが、構成モノマー成分として多官能モノマーを含むことにより、セグメントに分枝構造(架橋構造)が導入される。後述するように、本発明の粘着剤の一実施形態においては、アクリル系セグメントにウレタン系セグメントによる架橋構造が導入される。このような架橋構造を有するベースポリマーにおいて、ウレタン系セグメント以外の多官能モノマー成分による架橋構造の導入量が増加すると、粘着剤の低温接着力が低下する場合がある。そのため、アクリル系セグメントを構成するモノマー成分全量に対する多官能化合物の量は、3重量%以下が好ましく、1重量%以下がより好ましく、0.5重量%以下がさらに好ましく、0.3重量%以下が特に好ましい。

0037

ベースポリマーのガラス転移温度を低くして、低温接着性に優れる粘着剤を得る観点から、アクリル系セグメントのガラス転移温度は0℃以下が好ましい。一方、高温での接着保持力を高める観点から、アクリル系セグメントのガラス転移温度は−30℃以上が好ましく、−20℃以上がより好ましく、−10℃以上がさらに好ましい。アクリル系セグメントのガラス転移温度(Tg)は、アクリル系セグメントを構成するモノマー成分を重合したポリマーの動的粘弾性測定(周波数:1Hz)による損失正接(tanδ)のピークトップ温度から求められる。

0038

アクリル系セグメントとウレタン系セグメントが結合したベースポリマーでは、アクリル系セグメント単体のガラス転移温度の測定は困難であるため、理論Tgに基づいて評価すればよい。理論Tgは、アクリル系セグメントの構成モノマー成分のホモポリマーのガラス転移温度Tgiと、各モノマー成分の重量分率Wiから、下記のFoxの式により算出される。
1/Tg=Σ(Wi/Tgi)

0039

Tgはポリマー鎖理論ガラス転移温度(単位:K)、Wiはセグメントを構成するモノマー成分iの重量分率(重量基準共重合割合)、Tgiはモノマー成分iのホモポリマーのガラス転移温度(単位:K)である。ホモポリマーのガラス転移温度としては、Polymer Handbook 第3版(John Wiley & Sons, Inc., 1989年)に記載の数値を採用できる。上記文献に記載されていないモノマーのホモポリマーのTgは、動的粘弾性測定による損失正接(tanδ)のピークトップ温度を採用すればよい。

0040

ベースポリマーのガラス転移温度を低くして、低温接着性に優れる粘着剤を得る観点から、アクリル系セグメントの理論Tgは、5℃以下が好ましく、0℃以下がより好ましい。一方、高温での接着保持力を高める観点から、アクリル系セグメントの理論Tgは−50℃以上が好ましく、−40℃以上がより好ましく、−20℃以上がさらに好ましい。

0041

<ウレタン系セグメント>
ウレタン系セグメントは、ウレタン結合を有する分子鎖である。ウレタン系セグメントは、典型的には、ジオールジイソシアネートとを反応させて得られポリウレタン鎖を含む。低温接着性と高温保持力を両立可能な粘着剤を得る観点から、ウレタン系セグメントにおけるポリウレタン鎖の分子量は、3000〜50000が好ましく、4000〜40000がより好ましく、5000〜30000がさらに好ましい。

0042

ポリウレタン鎖の形成に用いられるジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールヘキサメチレングリコール等の低分子量ジオール;ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオールエポキシポリオールカプロラクトンポリオール等の高分子量ポリオールが挙げられる。

0043

ポリエステルポリオールは、末端に水酸基を有するポリエステルであり、カルボン酸当量に対してアルコール当量が過剰となるように多塩基酸多価アルコールとを反応させることにより得られる。ポリエステルポリオールを構成する多塩基酸成分および多価アルコール成分としては、二塩基酸とジオールの組み合わせが好ましい。

0045

ジオール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールF水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等が挙げられる。

0046

ポリエーテルポリオールは、多価アルコールにアルキレンオキシド開環付加重合することにより得られる。アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシドプロピレンオキシドブチレンオキシドスチレンオキシドテトラヒドロフラン等が挙げられる。多価アルコールとしては、前述のジオールや、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。

0047

ポリカーボネートポリオールとしては、ジオール成分とホスゲンとを重縮合反応させて得られるポリカーボネートポリオール;ジオール成分と、炭酸ジメチル炭酸ジエチル炭酸ジプロビル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジブチルエチルブチル炭酸、エチレンカーボネートプロピレンカーボネート炭酸ジフェニル、炭酸ジベンジル等の炭酸ジエステル類とをエステル交換縮合させて得られるポリカーボネートポリオール;ポリオール成分を2種以上併用して得られる共重合ポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとカルボキシ基含有化合物とをエステル化反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールと水酸基含有化合物とをエーテル化反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとエステル化合物とをエステル交換反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールと水酸基含有化合物とをエステル交換反応させて得られるポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとジカルボン酸化合物との重縮合により得られるポリエステル系ポリカーボネートポリオール;上記各種ポリカーボネートポリオールとアルキレンオキサイドとを共重合させて得られる共重合ポリエーテル系ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。

0048

ポリアクリルポリオールは、(メタ)アクリル酸エステルと水酸基を有するモノマー成分とを共重合することにより得られる。水酸基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドキプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシペンチル等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル;グリセリン、トリメチロールプロパン等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸モノエステル;N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。

0049

ポリアクリルポリオールは、共重合成分として上記以外のモノマー成分を含有していてもよい。上記以外の共重合モノマー成分としては、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物およびモノまたはジエステル類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類メチルビニルエーテル等のビニルエーテル類エチレンプロピレン等のα−オレフィン類;塩化ビニル塩化ビニリデン等のハロゲン化α,β−不飽和脂肪族単量体;スチレン、α−メチルスチレン等のα,β−不飽和芳香族単量体等が挙げられる。

0050

ポリウレタン鎖の形成に用いられるジイソシアネートは、芳香族ジイソシアネートおよび脂肪族のいずれでもよい。芳香族ジイソシアネートとしては、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネートMDI)、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、テトラメチルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2−クロロ−1,4−フェニルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルスルホキシドジイソシアネート、4,4’−ジフェニルスルホンジイソシアネート、4,4’−ビフェニルジイソシアネート等が挙げられる。脂肪族ジイソシアネートとしては、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。

0051

ジイソシアネートとして、イソシアネート化合物誘導体を用いることもできる。イソシアネート化合物の誘導体としては、ポリイソシアネートの2量体、イソシアネートの3量体(イソシアヌレート)、ポリメリックMDI、トリメチロールプロパンとの付加体ビウレット変性体アロファネート変性体ウレア変性体等が挙げられる。

0052

ジイソシアネート成分として、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを用いてもよい。多価アルコールとポリイソシアネート化合物とを、ポリイソシアネート化合物が過剰となるように反応させることにより、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーが得られる。

0053

ポリウレタン鎖の末端にアクリル系セグメントと結合可能な官能基を導入することにより、ウレタン系セグメントとアクリル系セグメントとの間に共有結合を形成できる。例えば、アクリル系セグメントの末端に結合可能な官能基を有するポリウレタン鎖を用いることにより、アクリル系セグメントとウレタン系セグメントとを有するブロックポリマーが得られる。ポリウレタン鎖の一方の末端に、アクリル系セグメントを構成するモノマー成分と共重合可能な官能基、またはアクリル系セグメントの側鎖に含まれるカルボキシ基や水酸基等と反応可能な官能基を有する化合物を用いることにより、アクリル系セグメント(主鎖としてのアクリル系ポリマー鎖)に、ウレタン系セグメントが側鎖として結合したグラフトポリマーが得られる。ポリウレタン鎖の両方の末端(ポリウレタン鎖が分枝を有している場合は複数の末端)に、アクリル系セグメントを構成するモノマー成分と共重合可能な官能基、またはアクリル系セグメントの側鎖に含まれるカルボキシ基や水酸基等と反応可能な官能基を有する化合物を用いることにより、アクリル系セグメントに、ウレタン系セグメントによる架橋構造を導入できる。

0054

ウレタン系セグメントによる架橋構造が導入されたアクリル系ベースポリマーを得るためには、ウレタン鎖の両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を用いることが好ましい。例えば、アクリル系セグメントを構成するモノマー成分と、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタンジ(メタ)アクリレートとを共重合することにより、アクリル系セグメントにウレタン系セグメントによる架橋構造を導入できる。ウレタン(メタ)アクリレートは、アクリル系モノマーやアクリル系ポリマー鎖との相溶性に優れ、アクリル系セグメントに均一に架橋点を導入しやすいとの利点を有する。

0055

両末端に(メタ)アクリロイル基を有するウレタンジ(メタ)アクリレートは、例えば、ポリウレタンの重合において、ジオール成分に加えて、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を用いることにより得られる。ウレタン系セグメントの鎖長(分子量)を制御する観点からは、ジオールとジイソシアネートとをイソシアネートが過剰となるように反応させてイソシアネート末端ポリウレタンを合成した後、水酸基を有する(メタ)アクリル化合物を添加して、ポリウレタンの末端イソシアネート基と(メタ)アクリル化合物の水酸基とを反応させることが好ましい。

0056

水酸基を有する(メタ)アクリル化合物としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシへキシル、ヒドロキシメチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド等が挙げられる。

0057

イソシアネート末端ポリウレタンを得るためには、NCO/OH(当量比)が、好ましくは1.1〜2.0、より好ましくは1.15〜1.5となるように、ジオール成分とジイソシアネート成分を使用すればよい。ジオール成分とジイソシアネート成分とを略等量混合して反応させた後に、ジイソシアネート成分を追加してもよい。

0058

ウレタン(メタ)アクリレートとして、荒川化学工業、新中化学工業、東亜合成、共栄社化学、日本化薬、日本合成化学工業、根上工業、ダイセルオルクス等の各社から販売されている市販品を用いてもよい。ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、3000〜50000が好ましく、4000〜40000がより好ましく、5000〜30000がさらに好ましい。

0059

ウレタン(メタ)アクリレートのガラス転移温度は、0℃以下が好ましく、−10℃以下がより好ましく、−30℃以下がさらに好ましく、−40℃以下が特に好ましい。低Tgのウレタンアクリレートを用いることにより、ウレタン系セグメントにより架橋構造を導入してベースポリマーの凝集力を高めた場合でも、低温接着力に優れる粘着剤が得られる。ウレタン(メタ)アクリレートのガラス転移温度の下限は特に限定されないが、高温保持力に優れる粘着剤を得る観点からは、−100℃以上が好ましく、−80℃以上がより好ましく、−60℃以上がさらに好ましい。

0060

ウレタンジ(メタ)アクリレート等の多官能のウレタン(メタ)アクリレートを用いて、アクリル系セグメントにウレタン系セグメントによる架橋構造を導入する場合は、ベースポリマーのウレタン系セグメントのガラス転移温度は、ウレタン(メタ)アクリレートのガラス転移温度に略等しい。

0061

<ベースポリマーの調製>
アクリル系セグメントとウレタン系セグメントを有するポリマーは、各種公知の方法により重合できる。ウレタン系セグメントの構成成分としてウレタンジ(メタ)アクリレート等の多官能のウレタン(メタ)アクリレートを用い、アクリル系セグメントを構成するためのモノマー成分とウレタン(メタ)アクリレートとを共重合することにより、アクリル系セグメントにウレタン系セグメントによる架橋構造が導入されたアクリル系ポリマーが得られる。

0062

ウレタン(メタ)アクリレートの使用量は、アクリル系セグメントを構成するためのモノマー成分100重量部に対して、3〜20重量部が好ましく、4〜25重量部がより好ましく、5〜20重量部がさらに好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートの使用量を上記範囲とすることにより、ウレタン系セグメントの含有量が前述の範囲であるベースポリマーを調製できる。ウレタン系セグメントの含有量が過度に小さい場合は、ベースポリマーの凝集性低下により粘着剤の高温保持力が低下する傾向がある。ウレタン系セグメントの含有量が過度に大きい場合は、ベースポリマーの凝集性の上昇に伴って粘性が小さくなり、低温接着性が低下する傾向がある。

0063

重合方法としては、溶液重合光重合塊状重合乳化重合等が挙げられる。ラジカル重合反応効率が高いことから、溶液重合法、または光重合が好ましい。溶液重合の溶媒としては酢酸エチルトルエン等が用いられる。

0064

重合反応の種類に応じて、光重合開始剤や熱重合開始剤等の重合開始剤を用いてもよい。光重合開始剤としては、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤等を用いることができる。熱重合開始剤としては、アゾ系開始剤過酸化物系開始剤過酸化物還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤(例えば、過硫酸塩亜硫酸水素ナトリウムの組み合わせ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムの組み合わせ等)を用いることができる。

0065

重合に際しては、分子量調整等を目的として、連鎖移動剤重合禁止剤重合遅延剤)等を用いてもよい。連鎖移動剤としては、α−チオグリセロールラウリルメルカプタングリシジルメルカプタンメルカプト酢酸2−メルカプトエタノールチオグリコール酸チオグルコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメルカプト1−プロパノール等のチオール類や、α−メチルスチレン二量体等が挙げられる。

0066

ベースポリマーの調製においては、アクリル系セグメントとウレタン系セグメントの結合様式等に応じて、アクリル系セグメントを構成するモノマー成分およびウレタンセグメントの構成成分(例えばウレタン(メタ)アクリレート)の全量を一度に反応させてもよく、多段階で重合を行ってもよい。例えば、多段階の重合によりアクリル系セグメントにウレタン系セグメントによる架橋構造が導入されたポリマーを得る場合には、アクリル系セグメントを構成する単官能モノマーを重合して、プレポリマー組成物を形成し(予備重合)、プレポリマー組成物のシロップ中にウレタンジ(メタ)アクリレート等の多官能化合物を添加して、プレポリマー組成物と多官能モノマーとを重合(後重合)する方法が好ましい。プレポリマー組成物は、低重合度重合物と未反応のモノマーとを含む部分重合物である。

0067

アクリル系ポリマーの構成成分の予備重合を行うことにより、ウレタンジ(メタ)アクリレート等の多官能化合物による分枝点(架橋点)を、アクリル系セグメントに均一に導入できる。また、低分子量のポリマーまたは部分重合物と未重合のモノマー成分との混合物(粘着剤組成物)を基材上に塗布した後、基材上で後重合を行って、粘着シートを形成することもできる。

0068

プレポリマー組成物等の低重合度組成物は低粘度で塗布性に優れるため、プレポリマー組成物と多官能化合物との混合物である粘着剤組成物を塗布後に基材上で後重合を行う方法によれば、粘着シートの生産性を向上できると共に、粘着シートの厚みを均一とすることができる。

0069

プレポリマー組成物は、例えば、アクリル系セグメントを構成するモノマー成分と重合開始剤とを混合した組成物(「プレポリマー形成用組成物」と称する)を、部分重合(予備重合)させることにより調製できる。プレポリマー形成用組成物は、多官能化合物(多官能モノマーまたは多官能オリゴマー)を含んでいてもよい。例えば、ポリマーの原料となる多官能化合物の一部をプレポリマー形成用組成物に含有させ、プレポリマーを重合後に多官能化合物の残部を添加して後重合に供してもよい。

0070

プレポリマー形成用組成物は、モノマーおよび重合開始剤以外に、必要に応じて連鎖移動剤等を含んでいてもよい。プレポリマーの重合方法は特に限定されないが、プレポリマーの分子量(重合率)の調整が容易であることから、光重合が好ましい。予備重合に用いられる重合開始剤や連鎖移動剤は特に限定されず、例えば、上述の光重合開始剤や連鎖移動剤を用いることができる。

0071

プレポリマーの重合率は特に限定されないが、基材上への塗布に適した粘度とする観点から、3〜50重量%が好ましく、5〜40重量%がより好ましい。プレポリマーの重合率は、光重合開始剤の種類や使用量、UV光等の活性光線照射強度照射時間等を調整することによって、所望の範囲に調整できる。なお、プレポリマーの重合率は、プレポリマー組成物を130℃で3時間加熱した際の加熱(乾燥)前後の重量から、下記式により算出される。予備重合が溶液重合により行われる場合、プレポリマー組成物の全重量から溶媒の量を差し引いたものを、下記式における乾燥前重量として、重合率が算出される。
プレポリマーの重合率(%)=乾燥後の重量/乾燥前の重量×100

0072

上記プレポリマー組成物に、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、および必要に応じて、アクリル系セグメントを構成するモノマー成分の残部、重合開始剤、連鎖移動剤、その他の添加剤等を混合して硬化性粘着剤組成物を調製した後に、後重合を行うことにより、アクリル系セグメントにウレタン系セグメントによる架橋構造が導入されたベースポリマーが得られる。

0073

後重合に用いられる重合開始剤や連鎖移動剤は特に限定されず、例えば、上述の光重合開始剤や連鎖移動剤を用いることができる。予備重合の際の重合開始剤がプレポリマー組成物中で失活せずに残存している場合は、後重合のための重合開始剤の添加を省略できる。

0074

後重合の重合方法は特に限定されず、プレポリマーの重合方法と同一でもよく、異なっていてもよい。光重合によりプレポリマーの重合を行う場合は、後重合も光重合により行うことが好ましい。特に、溶媒を実質的に含まない無溶媒型の粘着剤組成物を調製するためには、光重合が適している。後重合後の反応物の重合率は、94%以上が好ましく、97%以上がより好ましく、99%以上がさらに好ましい。

0075

後重合後のベースポリマーは分子量が大きく粘度が高いため、基材への塗布が困難となる場合がある。そのため、粘着シートを形成する場合は、後述のように、プレポリマー組成物およびウレタン(メタ)アクリレートを含む硬化性粘着剤組成物を調製し、粘着剤組成物を基材上に層状に塗布した後に後重合を行うことが好ましい。

0076

[粘着剤組成物]
本発明の粘着剤は、上記のベースポリマーに加えて、ベースポリマー以外のポリマーやオリゴマー、各種の添加剤等を含む粘着剤組成物でもよい。

0077

(オリゴマー)
粘着剤組成物は、接着力の調整や、粘度調整等を目的として、各種のオリゴマーを含んでいてもよい。オリゴマーとしては、例えば重量平均分子量が1000〜30000程度のものが用いられる。オリゴマーとしては、アクリル系ベースポリマーとの相溶性に優れることから、アクリル系オリゴマーが好ましい。

0078

アクリル系オリゴマーは、主たる構成モノマー成分として(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有する。中でも、構成モノマー成分として、鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(鎖状アルキル(メタ)アクリレート)、および脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(脂環式アルキル(メタ)アクリレート)を含むものが好ましい。鎖状アルキル(メタ)アクリレートおよび脂環式アルキル(メタ)アクリレートの具体例は、アクリル系セグメントの構成モノマーとして先に例示した通りである。

0079

アクリル系オリゴマーのガラス転移温度は、20℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましく、40℃以上がさらに好ましい。ウレタン系セグメントによる架橋構造が導入された低Tgのベースポリマーと高Tgのアクリル系オリゴマーとを併用することにより、粘着剤の高温保持力が向上する傾向がある。アクリル系オリゴマーのガラス転移温度の上限は特に限定されないが、一般には200℃以下であり、180℃以下が好ましく、160℃以下がより好ましい。アクリル系オリゴマーのガラス転移温度は、前述のFox式により算出される。

0080

例示の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの中でも、鎖状アルキル(メタ)アクリレートとしては、ガラス転移温度が高く、ベースポリマーとの相溶性に優れることから、メタクリル酸メチルが好ましい。脂環式アルキル(メタ)アクリレートとしては、アクリル酸ジシクロペンタニル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸シクロヘキシル、およびメタクリル酸シクロヘキシルが好ましい。すなわち、アクリル系オリゴマーは、構成モノマー成分として、アクリル酸ジシクロペンタニル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸シクロヘキシル、およびメタクリル酸シクロヘキシルからなる群より選択される1種以上と、メタクリル酸メチルとを含むものが好ましい。

0081

アクリル系オリゴマーを構成するモノマー成分全量に対する脂環式アルキル(メタ)アクリレートの量は、10〜90重量%が好ましく、20〜80重量%がより好ましく、30〜70重量%がさらに好ましい。アクリル系オリゴマーを構成するモノマー成分全量に対する鎖状アルキル(メタ)アクリレートの量は、10〜90重量%が好ましく、20〜80重量%がより好ましく、30〜70重量%がさらに好ましい。

0082

アクリル系オリゴマーの重量平均分子量は、1000〜30000が好ましく、1500〜10000がより好ましく、2000〜8000がさらに好ましい。当該範囲の分子量を有するアクリル系オリゴマーを用いることにより、粘着剤の粘着力や高温での保持特性が向上する傾向がある。

0083

アクリル系オリゴマーは、上記モノマー成分を各種の重合方法により重合することにより得られる。アクリル系オリゴマーの重合に際しては、各種の重合開始剤を用いてもよい。また、分子量の調整を目的として連鎖移動剤を用いてもよい。

0084

粘着剤組成物にアクリル系オリゴマー等のオリゴマー成分を含める場合、その含有量は、上記のベースポリマー100重量部に対して、0.5〜20重量部が好ましく、1〜15重量部がより好ましく、2〜10重量部がさらに好ましい。粘着剤組成物中のオリゴマーの含有量が上記範囲である場合に、高温での接着性および高温保持力が向上する傾向がある。

0085

シランカップリング剤
接着力の調整を目的として、粘着剤組成物中に、シランカップリング剤を添加してもよい。粘着剤組成物にシランカップリング剤が添加される場合、その添加量は、ベースポリマー100重量部に対し通常0.01〜5.0重量部程度であり、0.03〜2.0重量部程度であることが好ましい。

0086

(架橋剤)
ベースポリマーは、必要に応じて、上記の多官能化合物以外の架橋構造を有していてもよい。粘着剤組成物に架橋剤を含めることにより、ベースポリマーに架橋構造を導入できる。架橋剤としては、ポリマーに含まれる水酸基やカルボキシ基等の官能基と反応する化合物が挙げられる。架橋剤の具体例としては、イソシアネート系架橋剤エポキシ系架橋剤オキサゾリン系架橋剤アジリジン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤金属キレート系架橋剤等が挙げられる。

0087

前述のように、ウレタン系セグメント以外による架橋構造の導入量が増加すると、粘着剤の低温接着力が低下する場合があるため、架橋剤の使用量は、ベースポリマー100重量部に対して3重量部以下が好ましく、2重量部以下がより好ましく、1重量部以下がさらに好ましい。

0088

(他の添加剤)
上記例示の各成分の他、粘着剤組成物は、粘着付与剤可塑剤軟化剤劣化防止剤充填剤着色剤紫外線吸収剤酸化防止剤界面活性剤帯電防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。

0089

<粘着剤組成物の調製>
上記の各成分および必要に応じて溶媒を混合することにより、粘着剤組成物を調製できる。粘着シートを形成する場合、粘着剤組成物は、基材上への塗布に適した粘度(例えば、0.5〜20Pa・s程度)を有することが好ましい。粘着剤組成物が溶液である場合は、ポリマーの分子量や溶液の固形分濃度等を調整することにより、組成物の粘度を適切な範囲に調整できる。

0090

ウレタン系セグメントによる架橋構造が導入されたベースポリマーは分子量が大きく、溶液粘度が高くなる傾向がある。また、無溶媒型の粘着剤組成物は粘度が高いため、架橋構造を導入後は、基材上への塗布が困難な場合がある。そのため、粘着シートを形成する場合は、プレポリマー組成物およびウレタン(メタ)アクリレートを含む硬化性粘着剤組成物を調製し、粘着剤組成物を基材上に層状に塗布した後に、後重合を行うことが好ましい。

0091

前述のように、硬化性粘着剤組成物は、プレポリマー組成物およびウレタン(メタ)アクリレートに加えて、アクリル系セグメントを構成するモノマー成分の残部、重合開始剤、連鎖移動剤、その他の添加剤等を含んでいてもよい。硬化性粘着剤組成物は、前述のオリゴマー、シランカップリング剤、架橋剤等を含んでいてもよい。

0092

プレポリマーの重合率、ウレタン(メタ)アクリレートの添加量、オリゴマーの添加量等を調製することにより、粘着剤組成物の粘度を適切な範囲に調整できる。粘着剤組成物は、粘度調整等を目的として、増粘性添加剤等を用いてもよい。

0093

[粘着シート]
上記の粘着剤組成物をシート状に成形することにより、粘着シートが形成される。硬化性粘着剤組成物を用いる場合は、粘着剤組成物を基材上に塗布した後、加熱や活性光線照射等により、基材上で後重合を行うことにより、アクリル系セグメントにウレタン系セグメントによる架橋構造が導入された粘着剤からなる粘着シートが得られる。

0094

粘着シートの厚みは特に限定されず、被着体の種類等に応じて適宜設定すればよい。粘着シートの厚みは、例えば、5〜500μm程度である。被着体に対する接着性と厚みの均一性とを両立する観点から、粘着シートの厚みは、10〜400μmが好ましく、15〜350μmがより好ましい。

0095

基材上への粘着剤組成物の塗布方法としては、ロールコート、キスロールコート、グラビアコートリバースコート、ロールブラッシュスプレーコートディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコートダイコーター等の各種方法が用いられる。

0096

粘着剤組成物が溶液である場合は、粘着剤組成物を塗布後に、溶液を乾燥させることが好ましい。乾燥方法としては、加熱乾燥が好ましい。加熱乾燥温度は、好ましくは40℃〜200℃であり、さらに好ましくは、50℃〜180℃であり、特に好ましくは70℃〜170℃である。乾燥時間は、適宜、適切な時間が採用され得る。乾燥時間は、好ましくは5秒〜20分、さらに好ましくは5秒〜15分、特に好ましくは10秒〜10分である。

0097

粘着剤組成物が光硬化性である場合は、基材上に塗布後の粘着剤組成物に、活性光線を照射することにより光硬化が行われる。光硬化を行う際は、塗布層の表面にカバーシート付設して、粘着剤組成物を2枚のシート間に挟持した状態で活性光線を照射して、酸素による重合阻害を防止することが好ましい。

0098

活性光線は、モノマーやウレタン(メタ)アクリレート等の重合性成分の種類や、光重合開始剤の種類等に応じて選択すればよく、一般には、紫外線および/または短波長可視光が用いられる。照射光の積算光量は、100〜5000mJ/cm2程度が好ましい。光照射のための光源としては、粘着剤組成物に含まれる光重合開始剤が感度を有する波長範囲の光を照射できるものであれば特に限定されず、LED光源高圧水銀ランプ超高圧水銀ランプメタルハライドランプキセノンランプ等が好ましく用いられる。

0099

粘着シートの形成に用いられる基材およびカバーシートとしては、任意の適切な基材が用いられる。基材およびカバーシートは、粘着シートとの接触面に離型層を備える離型フィルムでもよい。

0100

図1は、粘着シート5の両面に離型フィルム1,2が仮着された離型フィルム付き粘着シートの構成例を示す断面図である。離型フィルム1,2は、粘着シート5を被着体との貼り合わせに用いられるまでの間、粘着シートの表面を保護する目的で用いられる。離型フィルム1,2としては、フィルム基材10,20の表面(粘着シート5の接着面)に離型層11,21を備えるものが好ましく用いられる。

0102

フィルム基材の厚みは、10〜200μmが好ましく、25〜150μmがより好ましい。粘着シート5の両面に離型フィルム1,2が設けられる場合、一方の離型フィルム1の厚みと他方の離型フィルム2の厚みは、同一でもよく、異なっていてもよい。離型フィルムを基材として粘着剤組成物を塗布した後に、離型フィルムを介して粘着剤組成物に活性光線を照射して光硬化を行う場合は、光照射面に設けられる離型フィルムは透明であることが好ましい。

0103

離型層の材料としては、シリコーン系離型剤フッ素系離型剤長鎖アルキル離型剤脂肪酸アミド系離型剤等が挙げられる。離型層の厚みは、一般には、10〜2000nm程度である。離型剤の種類や離型層の厚みを変更することにより、剥離フィルム1,2の粘着剤層5からの剥離力を調整できる。

0104

粘着シート5から第一離型フィルム1を剥離する際の剥離力と、粘着シート5から第二離型フィルムを剥離する際の剥離力とは同一でも異なっていてもよい。両者の剥離力が異なる場合は、相対的に剥離力の小さい離型フィルム2を粘着シート5から先に剥離して第一の被着体との貼り合わせを行い、相対的に剥離力の大きい離型フィルム1(重剥離フィルム)を剥離して、第二の被着体との貼り合わせを行う場合の作業性に優れる。

0105

離型フィルム1,2としては、粘着シートの形成(塗布)時に用いた基材やカバーシートをそのまま用いてもよく、粘着シートの形成後に、別の離型フィルムに貼り替えを行ってもよい。

0106

図2は、粘着シート5の一方の面に被着シート3が設けられ、粘着シート5の他方の面に離型フィルム1が仮着された基材付き粘着シートの構成例を示す断面図である。粘着シート5の表面に仮着された離型フィルム1を剥離した後、粘着シート5の露出面を被着体に貼り合わせることにより、被着体の表面に、粘着シート5を介して被着シートを貼り合わせることができる。被着シート3の種類は特に限定されず、透明フィルム加飾フィルムガラス基板等であってもよい。

0107

図2に示す基材付き粘着シートの形成においては、例えば、図1に示す離型フィルム付き粘着シートから一方の離型フィルム2を剥離して、粘着シート5の露出面を被着シート3と貼り合わせればよい。粘着シートの形成(塗布)時に用いる基材およびカバーシートのいずれか一方として被着シート3を用いてもよい。

0108

<粘着シートの物性>
本発明の粘着シートは、粘着剤を構成するベースポリマーとして、アクリル系セグメントとウレタン系セグメントを含むポリマーを含有するため、低温での接着性と高温での接着保持力を両立可能である。

0109

粘着シートは、温度100℃、荷重1000gの条件で行われる高温保持力試験において、2時間経過後にも、被着体から落下しないことが好ましい。また、温度5℃で、剥離速度300mm/分の条件で行われる180°剥離試験による剥離力が、5N/10mm以上であることが好ましく、6N/10mm以上であることがより好ましく、7N/10mm以上であることがさらに好ましい。

0110

低温接着力を高める観点から、粘着シートのガラス転移温度は0℃以下が好ましい。一方、ガラス転移温度が過度に低いと、高温保持力が低下する傾向があるため、粘着シートのガラス転移温度は−25℃以上が好ましく、−20℃以上がより好ましく、−15℃以上がさらに好ましい。粘着シートのガラス転移温度は、動的粘弾性測定(周波数:1Hz)による損失正接(tanδ)のピークトップ温度である。

0111

高温保持力を高める観点から、粘着シートの温度25℃における剪断貯蔵弾性率G’25℃は、0.05MPa以上が好ましく、0.10MPa以上がより好ましく、0.13MPa以上がさらに好ましく、0.15MPa以上が特に好ましい。また、粘着シートの温度80℃における剪断貯蔵弾性率G’80℃は、0.01MPa以上が好ましく、0.03MPa以上がより好ましく、0.05MPa以上がさらに好ましい。

0112

接着保持力の観点においては、G’25℃およびG’80℃の上限は特に限定されない。粘着シートに適度の粘性と濡れ性を持たせるためには、G’25℃は3MPa以下が好ましく、1MPa以下がより好ましく、0.5MPa以下がさらに好ましい。同様の観点から、G’80℃は0.3MPa以下が好ましく、0.25MPa以下がより好ましい。

0113

高温保持力と低温接着性とを両立する観点から、粘着シートのガラス転移温度Tg(℃)と、温度25℃における剪断貯蔵弾性率G’25℃(MPa)との積は、−1以下が好ましく、−3以下がより好ましく、−4以下がさらに好ましい。

0114

[粘着シートの用途]
本発明の粘着シートは、各種の透明部材や不透明部材の貼り合わせに使用可能である。被着体の種類は特に限定されず、各種の樹脂材料、ガラス、金属等が挙げられる。特に、本発明の粘着シートは、低温接着力と高温での接着保持力とを両立可能であるため、低温から高温まで幅広い温度領域で使用される機器等における部材間の貼り合わせや、表面の加飾等に好適に用いられる。また、本発明の粘着シートは、液晶表示装置有機EL表示装置等の画像表示装置タッチパネル等の入力装置等の貼り合わせにも好適に用いられる。

0115

以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0116

アクリルオリゴマーの作製]
メタクリル酸ジシクロペンタニル(DCPMA)60重量部、メタクリル酸メチル(MMA)40重量部、連鎖移動剤としてα−チオグリセロール3.5重量部、および重合溶媒としてトルエン100重量部を混合し、窒素雰囲気下にて70℃で1時間撹拌した。次に、熱重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリルAIBN)0.2重量部を投入し、70℃で2時間反応させた後、80℃に昇温して2時間反応させた。その後、反応液を130℃に加熱して、トルエン、連鎖移動剤および未反応モノマー乾燥除去して、固形状のアクリルオリゴマーを得た。アクリルオリゴマーの重量平均分子量は5100であった。

0117

[実施例1]
(プレポリマーの重合)
プレポリマー形成用モノマー成分として、アクリル酸ブチル(BA)52.8重量部、アクリル酸シクロヘキシル(CHA)10.9重量部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)9.7重量部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル(4HBA)14.9重量部、およびアクリル酸イソステアリル(ISTA)11.8重量部、ならびに光重合開始剤(BASF製「イルガキュア184」:0.035重量部、およびBASF製「イルガキュア651」:0.035重量部を配合した後、粘度(BH粘度計No.5ローター、10rpm、測定温度30℃)が約20Pa・sになるまで紫外線を照射して重合を行い、プレポリマー組成物(重合率;約9%)を得た。

0118

光硬化性粘着剤組成物の調製
上記のプレポリマー組成物に、ウレタン(メタ)アクリレートとして、末端アクリル変性ポリエーテルウレタン(日本合成化学工業製「UV‐3300B」):7重量部、および末端アクリル変性ポリエステルウレタン(日本合成化学工業製「UV‐3010B」):3重量部、上記のアクリルオリゴマー:5重量部、光重合開始剤として、イルガキュア184:0.05重量部、およびイルガキュア651:0.57重量部、連鎖移動剤として、α‐メチルスチレン二量体(日油製「ノフマー MSD」):0.2重量部、ならびにシランカップリング剤として信越化学製KBM403」):0.3重量部を添加した後、これらを均一に混合して、粘着剤組成物を調製した。

0119

(粘着シートの作製)
表面にシリコーン系離型層が設けられた厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱ケミカル製「MRF50」)上に、上記の光硬化性粘着剤組成物を厚み150μmになるように塗布して塗布層を形成し、この塗布層上に、片面がシリコーン剥離処理された厚み38μmのPETフィルム(三菱ケミカル製「MRF38」)を貼り合わせた。この積層体に、厚み38μmのPETフィルム側から、ランプ直下の照射面における照射強度が5mW/cm2になるように位置調節したブラックライトにより、紫外線を300秒間照射して光硬化を行った。その後、90℃の乾燥機で2分間乾燥処理を行い、残存モノマー揮発させ、厚み150μmの粘着シートを得た。

0120

[実施例2〜4、比較例1〜5]
プレポリマーの重合における仕込みモノマー組成、および粘着剤組成物に添加する多官能化合物(ウレタンアクリレートおよび/または多官能アクリレート)、アクリルオリゴマー、光重合開始剤、連鎖移動剤、およびシランカップリング剤の種類および添加量を表1に示すように変更した。それ以外は実施例1と同様にして光硬化性粘着剤組成物を調製し、基材上への塗布、光硬化および残存モノマーの除去を行い、粘着シートを得た。

0121

なお、表1において、各成分は以下の略称により記載されている。
<アクリル系モノマー>
BA :アクリル酸ブチル
HEA :アクリル酸2−エチルヘキシル
CHA:アクリル酸シクロヘキシル
NVP :N−ビニル−2−ピロリドン
4HBA :アクリル酸4−ヒドロキシブチル
ISTA :アクリル酸イソステアリル
INA :アクリル酸イソノニル
AA :アクリル酸
MEA:アクリル酸2−メトキシエチル
HEAA :ヒドロキシエチルアクリルアミド

0122

<ウレタンアクリレート>
UN−350:根上工業製「アートレジンUN‐350」(重量平均分子量約12500、ガラス転移温度−57℃のポリエステルウレタンジアクリレート
UV−3300B:日本合成化学工業製「UV‐3300B」(重量平均分子量約12000、ガラス転移温度−30℃のポリエーテルウレタンジアクリレート)
UV−3010B:日本合成化学工業製「UV−3010B」(重量平均分子量約11000のポリエステルウレタンジアクリレート)
UN−9200A:根上工業製「アートレジン UN‐9200A」(重量平均分子量約15000、ガラス転移温度−27℃のポリカーボネートウレタンジアクリレート)
<多官能アクリレート>
DDA:ヘキサンジオールジアクリレート
<光重合開始剤>
Irg651:イルガキュア651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン
Irg184:イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン

0123

[評価]
<重量平均分子量>
アクリルオリゴマーおよびウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw)は、東ソー製のGPC(ゲル・パーミエーションクロマトグラフィー)装置(製品名「HLC−8120GPC」)により測定した。測定サンプルは、ベースポリマーをテトラヒドロフランに溶解して0.1重量%の溶液としたものを、0.45μmのメンブレンフィルター濾過した濾液を用いた。GPCの測定条件は下記の通りである。
(測定条件)
カラム:東ソー社製、G7000HXL+GMHXL+GMHXL
カラムサイズ:各7.8mmφ×30cm(合計カラム長さ:90cm)
カラム温度:40℃・流量:0.8mL/min
注入量:100μL
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器示差屈折計RI
標準試料:ポリスチレン

0124

<粘着シートの貯蔵弾性率およびガラス転移温度>
粘着シートを10枚積層して厚み約1.5mmとしたものを測定用サンプルとした。Rheometric Scientific社製「Advanced Rheometric Expansion System (ARES)」を用いて、以下の条件により、動的粘弾性測定を行った。
(測定条件)
変形モードねじり
測定周波数:1Hz
昇温速度:5℃/分
形状:パラレルプレート7.9mmφ

0125

剪断貯蔵弾性率は、測定結果から、各温度における貯蔵弾性率G’を読み取ることにより求めた。損失正接(tanδ)が極大となる温度(ピークトップ温度)を粘着シートのガラス転移温度とした。

0126

<高温保持力>
粘着シートの100℃における保持力を、JIS Z 0237に準じて、クリープ試験により評価定した。粘着シートから一方の離型フィルムを剥離して、厚み25μmのPETフィルムを貼り合わせ、幅10mm×長さにカットして試験片を作製した。試験片から他方の離型フィルムを剥離して、幅10mm、長さ20mmの接着面積にてベークライト板に貼り合わせた。これを100℃で30分間保持した後、ベークライト板を垂下し、試験片の自由端(ベークライト板に貼り合わせられていない部分)に1000gの荷重を付与した。荷重が付与された状態で80℃の環境下に2時間放置し、2時間経過時点における試験片の初期貼り付け位置からのズレ量(mm)を測定した。2時間以内に試験片が落下したもの(ズレ量が20mmを超えたもの)については、落下までの時間を記録した。

0127

<低温接着力>
被着体として、イソプロピルアルコールを染み込ませたクリーンウェスで10往復擦って洗浄した清浄アクリル板を準備した。粘着シートから一方の離型フィルムを剥離して、厚み50μmのPETフィルムを貼り合わせ、幅10mm×長さ100mmにカットして試験片を作製した。試験片から他方の離型フィルムを剥離して、5kgのローラで被着体に圧着した後、5℃の環境下に30分間保持した。その後、引張試験機を用いて、引張速度300mm/分、剥離角度180°の条件でアクリル板から試験片を剥離して、剥離力を測定した。

0128

[評価結果]
各粘着シート組成および評価結果を表1に示す。

0129

0130

アクリル系ポリマー鎖に多官能アクリレートによる架橋構造を導入した比較例3は、高温接着保持力が優れているが、5℃接着力が不十分であった。アクリル系ポリマー鎖の組成を調整して低Tg化を図った比較例4では、5℃接着力がさらに低下していた。多官能アクリレートの導入量を減らして粘性を高めた比較例5では、5℃接着力は向上していたが、貯蔵弾性率が小さく、高温保持力が劣っていた。これらの結果から、多官能アクリレートにより架橋構造を導入したポリマーを用いた粘着シートでは、低温接着性と高温保持力との両立は困難であるといえる。

0131

アクリル系ポリマー鎖にウレタンジアクリレートによる架橋構造を導入した実施例1〜3の粘着シートは、高温保持力および5℃接着力がいずれも良好であり、広い温度範囲で適用可能であることが分かる。

0132

アクリル系ポリマー鎖を構成するモノマー成分の合計100重量部に対するウレタンジアクリレートの使用量を1重量部とした比較例1では、実施例1,2と比較してガラス転移温度が上昇し、貯蔵弾性率が低下していた。その結果、高温保持力が低下しており、高温保持力試験においては荷重を付与した直後に試験片が落下した。

0133

一方、ウレタンジアクリレートの使用量を40重量部とした比較例2では、実施例1,2と比較してガラス転移温度が低下し、貯蔵弾性率が上昇していた。これに伴って高温保持試験におけるズレ量が低減し、高温保持力の向上がみられたが、低温での接着性が不十分となっていた。

実施例

0134

以上の結果から、アクリル系セグメントとウレタン系セグメントとを含むベースポリマーを用い、ウレタン系セグメントの導入量を調整することにより、多官能アクリレートにより架橋構造が導入されたベースポリマーを用いる場合には困難であった低温接着力と高温度保持力との両立を実現できることが分かる。

0135

5粘着シート
1,2離型フィルム
10,20フィルム基材
11,21離型層
3被着シート

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