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技術 モータ制御装置

出願人 WHILL株式会社
発明者 白井一充
出願日 2018年1月26日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-011144
公開日 2019年8月1日 (8ヶ月経過) 公開番号 2019-129655
状態 未査定
技術分野 無整流子電動機の制御
主要キーワード 専用器具 椅子付き サイン波形状 パーソナルモビリティ クラーク変換 立ち乗り 反転波形 複数周期分
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

エンコーダ等のキャリブレーション用の専用器具を用いずに、ホールセンサによるロータ回転角度検出値モータ制御用補正することができるモータ制御装置を提供する。

解決手段

このモータ制御装置1は、ロータ20の回転方向に間隔をおいて配置された第1ホールセンサ、第2ホールセンサ、および第3ホールセンサからの出力値を用いてモータ制御を行う。このモータ制御装置1は、第1ホールセンサの出力値を正弦の値とし、第2ホールセンサの出力値に第3ホールセンサの出力値の反数を加え2で除すことによって得られる値を余弦の値とし、正弦の値および余弦の値を用いて得られる正接の値に対応する角度をロータ20の回転角度として得る。この時、正弦の値の振幅である第1の振幅と余弦の値の振幅である第2の振幅とを一致させるように、第1の振幅の最大値と第2の振幅の最大値との比率を用いて正弦の値又は余弦の値が補正される。

概要

背景

従来、モータ制御装置として、ロータ回転角度を正確に検出するために、モータに内蔵されたエンコーダ出力値を用いるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ロータの回転方向に間隔をおいて配置されたホールセンサの出力値を用いてモータの制御を行うモータ制御装置も知られている(例えば、特許文献2参照。)。

概要

エンコーダ等のキャリブレーション用の専用器具を用いずに、ホールセンサによるロータの回転角度の検出値をモータの制御用補正することができるモータ制御装置を提供する。このモータ制御装置1は、ロータ20の回転方向に間隔をおいて配置された第1ホールセンサ、第2ホールセンサ、および第3ホールセンサからの出力値を用いてモータ制御を行う。このモータ制御装置1は、第1ホールセンサの出力値を正弦の値とし、第2ホールセンサの出力値に第3ホールセンサの出力値の反数を加え2で除すことによって得られる値を余弦の値とし、正弦の値および余弦の値を用いて得られる正接の値に対応する角度をロータ20の回転角度として得る。この時、正弦の値の振幅である第1の振幅と余弦の値の振幅である第2の振幅とを一致させるように、第1の振幅の最大値と第2の振幅の最大値との比率を用いて正弦の値又は余弦の値が補正される。

目的

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、エンコーダ等のキャリブレーション用の専用器具を用いずに、ホールセンサによるロータの回転角度の検出値をモータの制御用に補正することができるモータ制御装置の提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ロータの回転方向に間隔をおいて配置された第1ホールセンサ、第2ホールセンサ、および第3ホールセンサからの出力値を用いてモータ制御を行うモータ制御装置であって、前記第1ホールセンサの出力値を正弦の値とし、前記第2ホールセンサの出力値に前記第3ホールセンサの出力値の反数を加え2で除すことによって得られる値を余弦の値とし、前記正弦の値および前記余弦の値を用いて得られる正接の値に対応する角度を前記ロータの回転角度として得るロータ回転角度得手段を備え、前記ロータ回転角度取得手段が、前記正弦の値の振幅である第1の振幅と前記余弦の値の振幅である第2の振幅とを一致させるように、前記第1の振幅の最大値と前記第2の振幅の最大値との比率を用いて前記正弦の値又は前記余弦の値を補正した上で、前記正接の値を得るモータ制御装置。

請求項2

ロータの回転方向に間隔をおいて配置された第1ホールセンサ、第2ホールセンサ、および第3ホールセンサからの出力値を用いてモータ制御を行うモータ制御装置であって、前記第1ホールセンサの出力値を正弦の値とし、前記第2ホールセンサの出力値に前記第3ホールセンサの出力値の反数を加え2で除すことによって得られる値を余弦の値とし、前記正弦の値および前記余弦の値を用いて得られる正接の値に対応する角度を前記ロータの回転角度として得るロータ回転角度取得手段と、所定の開始信号を受付けると、前記ロータを有するモータをその最高回転速度の15%以下で回転させると共に、前記正弦の値の振幅の最大値と前記余弦の値の振幅の最大値との比率を求め、求めた該比率をメモリに格納するキャリブレーション手段とを備え、前記ロータ回転角度取得手段が、前記メモリに格納される前記比率を用いて前記正弦の値又は前記余弦の値を補正した上で前記正接の値に対応する角度を得るように構成されているモータ制御装置。

請求項3

ロータの回転方向に間隔をおいて配置された第1ホールセンサ、第2ホールセンサ、および第3ホールセンサからの出力値を用いてモータ制御を行うモータ制御装置であって、前記ロータをキャリブレーション用に回転させている状態で、前記第1ホールセンサの出力値を正弦の値とし、前記第2ホールセンサの出力値に前記第3ホールセンサの出力値の反数を加え2で除すことによって得られる値を余弦の値とし、前記正弦の値および前記余弦の値を用いて得られる正接の値に対応する角度を前記ロータの回転角度として得ると共に、得られた前記回転角度と、前記第1ホールセンサ、前記第2ホールセンサ、および前記第3ホールセンサの少なくとも1つの出力値とを対応付け対応データ又は換算式をメモリに格納するキャリブレーション手段と、前記第1ホールセンサ、前記第2ホールセンサ、および前記第3ホールセンサの少なくとも1つの出力値と、前記キャリブレーション手段により前記メモリに格納される前記対応データ又は前記換算式とを用いて、前記ロータの回転角度を求めるロータ回転角度取得手段とを備えるモータ制御装置。

請求項4

前記キャリブレーション手段が、前記正弦の値の振幅である第1の振幅と前記余弦の値の振幅である第2の振幅とを一致させるように、前記第1の振幅の最大値と前記第2の振幅の最大値との比率を用いて前記正弦の値又は前記余弦の値を補正した上で、前記正接の値を得る請求項3に記載のモータ制御装置。

技術分野

0001

本発明はモータ制御装置に関する。

背景技術

0002

従来、モータ制御装置として、ロータ回転角度を正確に検出するために、モータに内蔵されたエンコーダ出力値を用いるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ロータの回転方向に間隔をおいて配置されたホールセンサの出力値を用いてモータの制御を行うモータ制御装置も知られている(例えば、特許文献2参照。)。

先行技術

0003

特開2014−042380号公報
特開2017−011902号公報

発明が解決しようとする課題

0004

前者のモータ制御装置はエンコーダを用いており、モータの製造コストが高くつくため、モータの製造コストを抑制したい時には後者のモータ制御装置が用いられる。
ここで、後者のモータ制御装置で制御するモータに取付けられた各ホールセンサは、永久磁石が内蔵されたロータによって生ずる磁界の大きさを検出し、検出結果に応じたアナログ信号を出力するものである。このため、複数のホールセンサが完全に等角度間隔でモータに固定されると共に、各ホールセンサのロータとの距離や軸方向の配置位置が完全に等しく、各ホールセンサの性能にばらつきが無いことが理想である。

0005

しかし、組み付け誤差等の影響によりこれらが完全に達成されることはない。このため、後者のモータ制御装置では、モータの出荷時、修理時等に、キャリブレーション用のエンコーダを用いて検出されるロータの回転位置と、各ホールセンサの出力値とを比較し、各ホールセンサの出力とエンコーダの検出結果との対応データメモリに格納し、当該対応データを用いてロータの回転角度の検出値補正する。このようにエンコーダをモータに取付けてキャリブレーション作業を行う必要があるため、後者のモータ制御装置を用いる場合、モータの交換に要する作業が複雑になり、また、キャリブレーション用の専用器具も必要となる。

0006

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、エンコーダ等のキャリブレーション用の専用器具を用いずに、ホールセンサによるロータの回転角度の検出値をモータの制御用に補正することができるモータ制御装置の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の第1の態様は、ロータの回転方向に間隔をおいて配置された第1ホールセンサ、第2ホールセンサ、および第3ホールセンサからの出力値を用いてモータ制御を行うモータ制御装置であって、前記第1ホールセンサの出力値を正弦の値とし、前記第2ホールセンサの出力値に前記第3ホールセンサの出力値の反数を加え2で除すことによって得られる値を余弦の値とし、前記正弦の値および前記余弦の値を用いて得られる正接の値に対応する角度を前記ロータの回転角度として得るロータ回転角度得手段を備える。

0008

第1の態様では、3つのホールセンサの出力値からロータの回転角度が求められる。ここで、3つのホールセンサがそれぞれ理想的な位置に配置されており、3つのホールセンサの性能にもばらつきが無い場合は、3つのホールセンサから得られる出力波形位相だけが互いに120°ずれている同一のものとなる。しかし、実際のホールセンサの配置や性能にはばらつきがあるので、3つのホールセンサから得られる出力波形の振幅振幅中心、互いの位相差等がばらつく

0009

これに対し、第1の態様では、第1ホールセンサの出力値を正弦の値とし、第2ホールセンサの出力値に第3ホールセンサの出力値の反数を加え2で除すことによって得られる値を余弦の値とし、前記正弦の値および前記余弦の値を用いて得られる正接に対応する角度を前記ロータの回転角度として得る。このため、3つのホールセンサの各々の出力値からロータの回転角度を得る場合と比較し、前記ばらつきの影響を低減することができる。

0010

また、第1の態様では、前記ロータ回転角度取得手段が、前記正弦の値の振幅である第1の振幅と前記余弦の値の振幅である第2の振幅とを一致させるように、前記第1の振幅の最大値と前記第2の振幅の最大値との比率を用いて前記正弦の値又は前記余弦の値を補正した上で、前記正接の値を得る。
このような構成は、組み立て誤差等により生ずるばらつきの影響を低減する上で有利である。

0011

本発明の第2の態様は、ロータの回転方向に間隔をおいて配置された第1ホールセンサ、第2ホールセンサ、および第3ホールセンサからの出力値を用いてモータ制御を行うモータ制御装置であって、前記第1ホールセンサの出力値を正弦の値とし、前記第2ホールセンサの出力値に前記第3ホールセンサの出力値の反数を加え2で除すことによって得られる値を余弦の値とし、前記正弦の値および前記余弦の値を用いて得られる正接の値に対応する角度を前記ロータの回転角度として得るロータ回転角度取得手段を備える。
このため、第1の態様と同様に3つのホールセンサの各々の出力値からロータの回転角度を得る場合と比較し、前記ばらつきの影響を低減することができる。

0012

また、本発明の第2の態様は、所定の開始信号を受付けると、前記ロータを有するモータをその最高回転速度の15%以下で回転させると共に、前記正弦の値の振幅の最大値と前記余弦の値の振幅の最大値との比率を求め、求めた該比率をメモリに格納するキャリブレーション手段を備え、前記ロータ回転角度取得手段が、前記メモリに格納される前記比率を用いて前記正弦の値又は前記余弦の値を補正した上で前記正接の値に対応する角度を得るように構成されている。

0013

モータはパーソナルモビリティ動力として用いられることがあり、パーソナルモビリティは室内の床の上を低速で移動することが多い。室内の床は平面度が高いため車輪から入力される振動が少なく、室内の音も静かな場合が考えられる。この場合にロータの回転角度の検出が不正確であり、ロータに回転ムラが生じると、当該回転ムラがパーソナルモビリティの使用者に振動や音として認識され易い。

0014

これに対し、上記構成では、キャリブレーション用にモータを低速で回転させ、この状態で正弦の値の振幅の最大値と余弦の値の振幅の最大値との比率を求めると共にメモリに格納し、格納された比率を用いて正弦の値又は余弦の値を補正した上で正接の値に対応する角度を求める。これは、パーソナルモビリティにおいて使用頻度が高い低速回転時のモータの振動や音を低減する上で有利である。

0015

本発明の第3の態様は、ロータの回転方向に間隔をおいて配置された第1ホールセンサ、第2ホールセンサ、および第3ホールセンサからの出力値を用いてモータ制御を行うモータ制御装置であって、前記ロータをキャリブレーション用に回転させている状態で、前記第1ホールセンサの出力値を正弦の値とし、前記第2ホールセンサの出力値に前記第3ホールセンサの出力値の反数を加え2で除すことによって得られる値を余弦の値とし、前記正弦の値および前記余弦の値を用いて得られる正接の値に対応する角度を前記ロータの回転角度として得ると共に、得られた前記回転角度と、前記第1ホールセンサ、前記第2ホールセンサ、および前記第3ホールセンサの少なくとも1つの出力値とを対応付ける対応データ又は換算式をメモリに格納するキャリブレーション手段と、前記第1ホールセンサ、前記第2ホールセンサ、および前記第3ホールセンサの少なくとも1つの出力値と、前記キャリブレーション手段により前記メモリに格納される前記対応データ又は前記換算式とを用いて、前記ロータの回転角度を求めるロータ回転角度取得手段とを備える。

0016

第3の態様でも、第1ホールセンサの出力値を正弦の値とし、第2ホールセンサの出力値に第3ホールセンサの出力値の反数を加え2で除すことによって得られる値を余弦の値とし、前記正弦の値および前記余弦の値を用いて得られる正接に対応する角度を前記ロータの回転角度として得る。このため、3つのホールセンサの各々の出力値からロータの回転角度を得る場合と比較し、前記ばらつきの影響を低減することができる。

0017

また、第3の態様では、前記第1ホールセンサ、前記第2ホールセンサ、および前記第3ホールセンサの少なくとも1つの出力値と、前記キャリブレーション手段により前記メモリに格納される前記対応データ又は前記換算式とを用いて、前記ロータの回転角度を求めるので、回転角度を得るためのデータ処理量を低減する上で有利である。

0018

上記態様において、前記キャリブレーション手段が、前記正弦の値の振幅である第1の振幅と前記余弦の値の振幅である第2の振幅とを一致させるように、前記第1の振幅の最大値と前記第2の振幅の最大値との比率を用いて前記正弦の値又は前記余弦の値を補正した上で、前記正接の値を得ることが好ましい。
このような構成は、組み立て誤差等により生ずるばらつきの影響を低減する上で有利である。

発明の効果

0019

本発明によれば、エンコーダ等のキャリブレーション用の専用器具を用いずに、ホールセンサによるロータの回転角度の検出値をモータの制御用に補正することができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明の一実施形態に係るモータ制御装置の概略構成図である。
本実施形態のモータ制御装置による処理の例を示す表である。
本実施形態のモータ制御装置による処理の他の例を示す表である。

実施例

0021

本発明の一実施形態に係るモータ制御装置1を図面を参照して以下に説明する。
このモータ制御装置1は例えば電動モータであるモータ2の制御に使用される。モータ2は、図1に示すように、例えば、半径方向に突出する複数の突極を備えるステータコア11と、各突極に巻回された複数の駆動コイル12とを有するステータ10を備え、また、ステータ10と径方向にわずかな間隔をおいて配置されたロータ20を備える周知の構造を有する。他の構造を有する電動モータであってもよく、ステータの径方向外側にロータが配置される電動モータであってもよい。

0022

本実施形態のモータ制御装置1は、モータ2に3相交流を供給してモータ2を駆動するものであり、モータ2の複数の駆動コイル12にそれぞれ駆動電力線30u、30v、30wを介して接続される駆動回路30を備えている。モータ制御装置1は、駆動回路30から各駆動電力線30u,30v,30wを流れる駆動電流モニタ値Iu,Iv,Iwに基づき、駆動回路30に例えば駆動信号u,v,wおよびその反転波形を有する反転駆動信号x,y,zを供給し、これによりモータ2の駆動を制御する。本実施形態では、モータ制御装置1は周知のベクトル制御によりモータ2の制御を行うが、他の方法によりモータ2の制御を行ってもよい。

0023

駆動回路30は、例えば、直列に接続された2つのトランジスタと各トランジスタに並列に接続されたダイオードとを有する第1の出力回路(図示せず)を有し、第1の出力回路は、各トランジスタに入力される駆動信号uおよび反転駆動信号xに基づき、駆動電流Iduを駆動電力線30uに供給する。
同様に、駆動回路30は、直列に接続された2つのトランジスタと各トランジスタに並列に接続されたダイオードとをそれぞれ有する第2の出力回路(図示せず)および第3の出力回路(図示せず)を有し、各トランジスタに入力される駆動信号v,wおよび反転駆動信号y,zに基づき、駆動電流Idv,Idwを駆動電力線30v,30wに供給する。

0024

モニタ値Iu,Iv,Iwは、駆動電力線30u,30v,30wにそれぞれ設けられた電流検出器電流検出端子電流検出回路等の電流検出手段の出力値を用いてもよく、第1〜第3の出力回路にそれぞれ設けられた電流検出器、電流検出端子、電流検出回路等の電流検出手段の出力値を用いてもよい。電流検出手段の出力値はA/D変換されてモータ制御装置1の後述する第1の変換部41に入力される。電流検出手段の出力値が小さい場合はアンプ等の増幅器増幅してから第1の変換部41に入力される。

0025

モータ制御装置1はベクトル制御を行うための周知の構成を有していればよい。例えば、モータ制御装置1は、3相のモニタ値Iu,Iv,Iwをクラーク変換により2相電流値IαおよびIβに変換する第1の変換部41と、固定座標系の2相の電流値IαおよびIβをパーク変換により回転座標系の2相の電流値IdおよびIqに変換する第2の変換部42とを備える。

0026

また、モータ制御装置1は、2相の電流値IdおよびIqそれぞれの理想値に対する差に基づき、例えばPI制御を用いて2相の電圧値Vd,Vqを求め、回転座標系の2相の電圧値Vd,Vqを逆パーク変換により固定座標系の2相の電圧値Vα,Vβに変換する第3の変換部43と、2相の電圧値Vα,Vβを3相に逆変換し、図示しない操作部により入力されるコントロール信号に基づき駆動信号u,v,wおよびその反転波形を有する反転駆動信号x,y,zを得る第4の変換部44とを備えている。モータ制御装置1は、プロセッサ、メモリ、およびメモリに格納されたプログラムを有し、該プログラムに基づきプロセッサが作動し、プロセッサが各変換部41,42,43,44として機能するように構成されている。

0027

本実施形態のモータ2は、例えば電動車椅子椅子付き電動移動手段、立ち乗り電動移動手段等のパーソナルモビリティの駆動手段として用いられるものである。この場合、前記操作部はパーソナルモビリティの操作部であり、前記コントロール信号は、操作部の操作に応じ、パーソナルモビリティに前進後進進路変更等を行わせるための信号である。

0028

第2の変換部42、第3の変換部43、および第4の変換部44の少なくとも1つでは、ロータ20の回転角度の検出値に基づき前記変換が行われる。例えば、第2の変換部42において、Id=Iα・cosθ+Iβ・sinθ、Iq=−Iα・sinθ+Iβ・cosθの式を用いて変換が行われ、式中のθはロータ20の回転角度の検出値が用いられる。つまり、ロータ20の回転角度の検出値の精度に応じて、駆動信号u,v,wおよびその反転波形を有する反転駆動信号x,y,zが変化することになる。

0029

本実施形態では、ステータ10に3つのホールセンサ13u,13v,13wが固定され、3つのホールセンサ13u,13v,13wの出力値を用いてロータ20の回転角度が算出される。

0030

ここで、各ホールセンサ13u,13v,13wは、ロータ20により生ずる磁界の大きさを検出し、検出結果に応じたアナログ信号を出力するものである。各ホールセンサ13u,13v,13wが等角度間隔で配置され、各ホールセンサ13u,13v,13wのロータ20との距離や軸方向の配置位置が等しいことが理想である。しかし、組み付け誤差等の影響によりこれらが完全に達成されることはない。また、各ホールセンサ13u,13v,13wの性能のばらつきもある。従って、各ホールセンサ13u,13v,13wの出力値にばらつきが生じ、そのばらつきはモータの経年劣化や使用時に加わる大きな慣性力等により変化する場合もあり得る。

0031

このため、3つのホールセンサ13u,13v,13wの出力値Hu,Hv,Hwの各々からロータ20の回転角度を算出することも考えられるが、ベクトル制御に用いた際に良い結果が得られない場合がある。

0032

そこで、本実施形態では、モータ制御装置1が回転角度算出部50を有する。具体的には、モータ制御装置1のプロセッサが、メモリに格納されている回転角度取得プログラムに基づき回転角度算出部50として作動し、算出された角度θrを得る。

0033

回転角度算出部50は、各ホールセンサ13u,13v,13wに導線50u,50v,50wを介して接続されている。導線50u,50v,50wにはそれぞれ出力値Hu,Hv,HwをA/D変換するA/Dコンバータ(図示せず)が設けられ、A/D変換された出力値Hu,Hv,Hwが回転角度算出部50に入力されるようになっている。

0034

処理の一例として、プロセッサは、出力値Hu,Hv,Hwを逐次受付け(ステップS1−1)、受付けた出力値Hu,Hv,Hwのうち1つ、例えば出力値Huを正弦の値とし、出力値Hu,Hv,Hwのうち他の2つ、例えば出力値Hv,Hwを用い、出力値HvにHwの反数(−Hw)を加えて2で除することにより得られる値を余弦の値とし、前記正弦の値および前記余弦の値を用いて得られる正接の値に対応する角度θrを前記ロータの回転角度として逐次得る(ステップS1−2)。つまり、正接の値(tanθ)=Hu/((Hv+(−Hw))/2)の式を用いて正接の値(tanθ)を求め、例えばarctanθに対応する角度をθrとして用いることができる。

0035

具体例を図2に示す。図2の表は、ロータ20が10°回転する度に逐次検出されるHu、Hv、Hwのデータを記載し、各角度において前記正弦の値(sinθ)、前記余弦の値(cosθ)、前記正接の値(tanθ)、該正接の値に対応する角度θrを求めたものである。なお、図2の表のHu、Hv、Hwのデータは、説明の便宜上、3つのホールセンサ13u,13v,13wから位相だけが互いに120°ずれた同一の出力波形が得られる場合のデータとなっている。また、実際は例えば0.2m秒ごとにHu、Hv、Hwのデータが逐次検出されるので、角度間隔も10°よりもかなり小さくなる。

0036

出力値Hu、Hv、Hwはそれぞれサイン波形状を有する出力波形となるものである。図2において、前記正弦の値(sinθ)を求めるために使用するHuのサイン波の振幅は2であり、中央値も0である。仮にHuのサイン波の振幅が2ではなく、中央値が0でない場合は、振幅が2に近づき中央値が0に近づくようにHuのデータを加工した後で、前記正弦の値(sinθ)を求めるように構成することができる。

0037

前記余弦の値(cosθ)を求めるために使用するHvおよびHwのデータについても、これらのサイン波の振幅が2に近づき中央値が0に近づくようにデータを加工した後で、前記余弦の値(cosθ)を求めるように構成することもできる。

0038

プロセッサは、出力値Hu,Hv,Hwを用いて得られる角度θrを第2の変換部42、第3の変換部43、第4の変換部44等に逐次送信する(ステップS1−3)。

0039

処理の他の例として、メモリに格納されたキャリブレーションプログラム(キャリブレーション手段)によって前記プロセッサが回転角度算出部50として作動し、キャリブレーションを開始する開始信号を受付けると(ステップS2−1)、キャリブレーション用の所定の回転速度でモータ2を回転させる(ステップS2−2)。この回転速度は、例えばモータ2の回転ムラが目立ちやすい低速に設定されている。また、開始信号は、モータ制御装置1に設けられた操作部(図示せず)に隠れコマンド等のコマンドを入力することによりプロセッサに送信されるように構成してもよく、タブレット端末等の端末からプロセッサに送信されるように構成してもよい。

0040

続いて、プロセッサは、モータ2が前記所定の回転速度で回転している状態で、ステップS1−1と同様に出力値Hu,Hv,Hwを受付け(ステップS2−3)、ステップS1−2と同様に前記正弦の値(図2のsinθ)および前記余弦の値(図2のcosθ)を用いて得られる前記正接の値(図2のtanθの値)に対応する角度θrを前記ロータの回転角度として得る(ステップS2−4)。また、角度θrの計算に用いた出力値Hu,Hv,Hwの少なくとも1つを角度θrに対応させてメモリに格納する(ステップS2−5)。つまり、逐次計算された角度θrとその計算に用いた出力値HuおよびHvとを互いに対応させる対応データが作成され、又は、当該対応データから得られる換算式が作成され、メモリに格納される。図2の例では、HuおよびHvのデータと角度θrとを対応させる対応データ又は換算式が作成される。このように出力値Hu,Hv,Hwのうち2つと角度θrとを対応させると、ロータ20の回転方向を誤って角度θrの算出を行うことが無い。一方、出力値Hu,Hv,Hwのうち1つ、例えば出力値Huと角度θrとを対応させた場合でも、出力値Huの直前の出力値や出力値Huの時系列の出力値を用いることにより、ロータ20の回転方向を誤って角度θrの算出を行うことが無い。

0041

続いて、モータ2の通常運転の際に、プロセッサは前記回転角度取得プログラムに基づき作動し、出力値HuおよびHvを逐次受付け(ステップS2−6)、前記対応データ又は前記換算式を用いて受付けた出力値HuおよびHvに対応する角度θrを逐次得て、得られた角度θrを第2の変換部42、第3の変換部43、第4の変換部44等に逐次送信する(ステップS2−7)。

0042

このように、本実施形態によれば、3つのホールセンサ13u,13v,13wの出力値Hu,Hv,Hwのうち1つを正弦の値とし、他の2つのうち一方に他方の反数を加え2で除すことによって得られる値を余弦の値とし、前記正弦の値および前記余弦の値を用いて得られる正接の値に対応する角度θrがロータ20の回転角度として得られる。このため、3つのホールセンサ13u,13v,13wの各々の出力値Hu,Hv,Hwからロータ20の回転角度を得る場合と比較し、組み立て誤差等により生ずるばらつきの影響を低減することができる。

0043

本実施形態において、例えば図2の表にあらわれる余弦の値(cosθ)の波形の振幅を正弦の値(sinθ)の振幅の値に合わせる補正を行うことも可能である。
例えば、図2に示すように、正弦の値(sinθ)の出力波形の振幅は、出力の最大値である1.000と出力の最小値である−1.000との差である2となり、余弦の値(cosθ)の出力波形の振幅は、出力の最大値である0.866と出力の最小値である−0.866との差である1.732となる。このため、正弦の値の振幅の最大値である2を余弦の値の振幅の最大値である1.732で除して両者の比率(約1.154倍)を求め、図3の表のように余弦の値(cosθ)を両者の比率(約1.154倍)で補正する。これにより、補正後の余弦の値(cosθ’)を求める。

0044

そして、求められた余弦の値(cosθ’)を用いて正接の値(tanθ’)および該正接の値に対応する角度θr’を求める。
この場合、正弦の値の出力波形の振幅と余弦の値の出力波形の振幅を合わせることができるので、組み立て誤差等により生ずるばらつきの影響を低減する上で有利である。

0045

上記の例では正弦の値(sinθ)の1周期分の出力波形からその振幅の最大値を求め、余弦の値(cosθ)の1周期分の出力波形からその振幅の最大値を求めるものを示した。これに対し、正弦の値(sinθ)の複数周期分の出力波形にあらわれる最大値および最小値と、余弦の値(cosθ)の複数周期分の出力波形にあらわれる最大値および最小値とを用いて、正弦の値(sinθ)の出力波形の振幅の最大値と余弦の値(cosθ)の出力波形の振幅の最大値を求めることも可能である。その他の周知の方法で正弦の値(sinθ)の出力波形の振幅の最大値と余弦の値(cosθ)の出力波形の振幅の最大値を求めることも可能である。

0046

また、処理のさらに他の例では、モータ制御装置1のプロセッサがメモリに格納されているキャリブレーションプログラム(キャリブレーション手段)に基づき、所定の開始信号を受付けると(ステップS3−1)、ロータ10をキャリブレーション用の所定の回転速度、例えば低い回転速度で回転させると共に(ステップS3−2)、前述の正弦の値の振幅と余弦の値の振幅との比率を求め(ステップS3−3)、当該比率を正弦の値又は余弦の値の補正用にメモリに保存する(ステップS3−4)。

0047

モータ制御装置1のプロセッサは、ステップS1−2において、正弦の値又は余弦の値をステップS3−4で保存した比率を用いて補正した上で正接の値に対応する角度θrをロータの回転角度として逐次得る。
当該構成により、パーソナルモビリティの製造時、パーソナルモビリティの出荷前、モータ2の交換時、メンテナンスを行った時等に、ロータ20の回転角度を検出する専用の器具を用いることなく、交換後のモータ2について上記の補正を行うことができる。これは、モータ2の交換又はメンテナンスの作業の容易化を図る上で有利である。

0048

なお、前記所定の開始信号は、パーソナルモビリティに設けられた入力部への入力に基づく信号、タブレット等の端末の入力部への入力に基づき当該端末からモータ制御装置1に送信される信号、新しく取付けられたモータ2から自動的にモータ制御装置1に送信される信号等である。

0049

ここで、モータ2がパーソナルモビリティの駆動手段として用いられる場合について説明する。パーソナルモビリティは室内の床の上を低速で移動することが多い。室内の床は平面度が高いため車輪から入力される振動が少なく、室内の音も静かな場合が考えられる。この場合にロータ20の回転角度の検出が不正確であり、ロータ20に回転ムラが生じると、当該回転ムラがパーソナルモビリティの使用者に振動や音として認識され易い。

0050

これに対し、本実施形態では、ステップS2−2,S3−2において、キャリブレーション用にモータ2を低速で回転させ、この状態でステップS2−3〜S2−5,S3−3〜S3−4のキャリブレーションを行っている。これは、パーソナルモビリティにおいて使用頻度が高い低速回転時のモータ2の振動や音を低減する上で有利である。なお、本実施形態で言う低速は、パーソナルモビリティにおけるモータ2の最高回転速度の15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。

0051

また、本実施形態では、Hu、Hv、Hwの各々の出力波形の中央値が0ではなく、中央値が0から少しずれている場合でも、前記ステップS1−2〜S1−3および前記ステップS2−4〜S2−7の処理を行うことにより、組み立て誤差等により生ずるばらつきの影響が低減されたロータ20の回転角度の算出値を第2の変換部42、第3の変換部43、第4の変換部44等に供給することができる。

0052

また、本実施形態では、キャリブレーション用の専用器具を用いることなく、モータ2の組み立て誤差等により生ずるばらつきの影響を低減することができる。このため、モータ2がパーソナルモビリティに装着されており、モータ2の交換をパーソナルモビリティの使用者が行う場合でも、前述のように、ホールセンサによるロータの回転角度の検出値をモータの制御用に補正(キャリブレーション)することができる。

0053

1モータ制御装置
2モータ
10ステータ
12駆動コイル
13u,13v,13wホールセンサ
20ロータ
30駆動回路
30u,30v,30w駆動電力線
41 第1の変換部
42 第2の変換部
43 第3の変換部
44 第4の変換部
50u,50v,50w導線
Hu,Hv,Hw 出力値

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