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技術 船舶用プロペラ

出願人 ナカシマプロペラ株式会社
発明者 山磨敏夫櫻井貴哉林和也魚田直希
出願日 2018年1月25日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-010899
公開日 2019年8月1日 (9ヶ月経過) 公開番号 2019-127193
状態 未査定
技術分野 船舶の推進
主要キーワード 六角穴付き止めネジ 経年変形 前進面 押込荷重 オスネジ メスネジ 翼プロペラ R参照
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年8月1日)のものです。
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図面 (20)

課題

ボスの溝部にブレードの基部を挿入して構成される船舶用プロペラであって、溝部の側面と底面が交わる隅部近傍応力が集中しない船舶用プロペラを提供する。

解決手段

外周面2sに溝部21が形成されたボス2と、基端側に基部31が形成されたブレード3と、を備え、前記ボス2の溝部21に前記ブレード3の基部31を挿入して構成される船舶用プロペラ1であって、前記ボス2の一端側に取り付けられて前記ブレード3の抜け止めとなるリテーナ4を具備し、前記リテーナ4の外嵌部44が前記ボス2とともに前記ブレード3の基部31を覆うように嵌合して径方向外側へ曲がろうとする当該基部31を拘束する、とした。

概要

背景

従来より、繊維強化プラスチック製ブレードを採用した船舶用プロペラが知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。かかる船舶用プロペラは、ボスの溝部にブレードの基部を挿入して構成される。

このような船舶用プロペラは、ブレードに大きな荷重か掛かると、ブレードが変形してピッチ角が小さくなる。例えば、加速時や曳航時のほか荒天に起因してブレードに大きな荷重が掛かると、ブレードが変形してピッチ角が小さくなる。また、船体後方におけるウェイク速度差に起因してブレードに大きな荷重が掛かると、ブレードが変形してピッチ角が小さくなる。このため、エンジンに過大な負荷が掛かるのを防ぐことができ、かつキャビテーションの発生を抑えることができるのである。

ところで、船舶用プロペラが回転している際には、ブレードを曲げようとするモーメントがはたらくこととなる。つまり、船舶用プロペラが回転している際には、ブレードの前進面に荷重が掛かるため、ブレードを前方へ曲げようとするモーメントがはたらくこととなる(図21の矢印Ma参照)。同時に、ブレードの基部にも径方向外側へ曲げようとするモーメントがはたらくこととなる(図21の矢印Mb参照)。そのため、いわゆるアリ溝である溝部の側面に溝幅を広げようとする荷重が掛かり、ひいては側面と底面が交わる隅部近傍応力が集中してしまうという問題があったのである(図21の領域R参照)。

概要

ボスの溝部にブレードの基部を挿入して構成される船舶用プロペラであって、溝部の側面と底面が交わる隅部近傍に応力が集中しない船舶用プロペラを提供する。外周面2sに溝部21が形成されたボス2と、基端側に基部31が形成されたブレード3と、を備え、前記ボス2の溝部21に前記ブレード3の基部31を挿入して構成される船舶用プロペラ1であって、前記ボス2の一端側に取り付けられて前記ブレード3の抜け止めとなるリテーナ4を具備し、前記リテーナ4の外嵌部44が前記ボス2とともに前記ブレード3の基部31を覆うように嵌合して径方向外側へ曲がろうとする当該基部31を拘束する、とした。

目的

特開2014−125055号公報
特開2012−66699号公報






ボスの溝部にブレードの基部を挿入して構成される船舶用プロペラであって、溝部の側面と底面が交わる隅部近傍に応力が集中しない船舶用プロペラを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

外周面に溝部が形成されたボスと、基端側に基部が形成されたブレードと、を備え、前記ボスの溝部に前記ブレードの基部を挿入して構成される船舶用プロペラであって、前記ボスの一端側に取り付けられて前記ブレードの抜け止めとなるリテーナ具備し、前記リテーナの外嵌部が前記ボスとともに前記ブレードの基部を覆うように嵌合して径方向外側へ曲がろうとする当該基部を拘束する、ことを特徴とした船舶用プロペラ。

請求項2

前記ボスの後端側に内嵌部が形成され、前記ブレードの基部における後端側に段差部が形成され、前記リテーナの外嵌部が前記内嵌部とともに前記段差部を覆うように嵌合して径方向外側へ曲がろうとする前記基部を拘束する、ことを特徴とした請求項1に記載の船舶用プロペラ。

請求項3

前記ボスの溝部が一方へ旋回する螺旋形状となっており、前記ボスの溝部に対して反旋回側近傍にボルト穴が設けられ、前記リテーナが前記ボルト穴に螺合するボルトを用いて取り付けられる、ことを特徴とした請求項2に記載の船舶用プロペラ。

請求項4

前記リテーナがアウターリングインナーリングで構成され、前記アウターリングが前記内嵌部とともに前記段差部を覆うように嵌合し、前記インナーリングが前記ボルト穴に螺合するボルトを用いて取り付けられる、ことを特徴とした請求項3に記載の船舶用プロペラ。

請求項5

前記内嵌部の後端側に挿通部が形成され、前記リテーナの内周面と前記挿通部の外周面にネジ山が形成され、前記リテーナが前記挿通部に螺合して取り付けられる、ことを特徴とした請求項2に記載の船舶用プロペラ。

請求項6

前記リテーナがアウターリングとインナーリングで構成され、前記アウターリングが前記内嵌部とともに前記段差部を覆うように嵌合し、前記インナーリングが前記挿通部に螺合して取り付けられる、ことを特徴とした請求項5に記載の船舶用プロペラ。

請求項7

前記リテーナに保持される押圧部材を具備し、前記押圧部材が前記ブレードの基部に掛かる押込荷重を調節できる、ことを特徴とした請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の船舶用プロペラ。

技術分野

0001

本発明は、船舶用プロペラに関する。

背景技術

0002

従来より、繊維強化プラスチック製ブレードを採用した船舶用プロペラが知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。かかる船舶用プロペラは、ボスの溝部にブレードの基部を挿入して構成される。

0003

このような船舶用プロペラは、ブレードに大きな荷重か掛かると、ブレードが変形してピッチ角が小さくなる。例えば、加速時や曳航時のほか荒天に起因してブレードに大きな荷重が掛かると、ブレードが変形してピッチ角が小さくなる。また、船体後方におけるウェイク速度差に起因してブレードに大きな荷重が掛かると、ブレードが変形してピッチ角が小さくなる。このため、エンジンに過大な負荷が掛かるのを防ぐことができ、かつキャビテーションの発生を抑えることができるのである。

0004

ところで、船舶用プロペラが回転している際には、ブレードを曲げようとするモーメントがはたらくこととなる。つまり、船舶用プロペラが回転している際には、ブレードの前進面に荷重が掛かるため、ブレードを前方へ曲げようとするモーメントがはたらくこととなる(図21の矢印Ma参照)。同時に、ブレードの基部にも径方向外側へ曲げようとするモーメントがはたらくこととなる(図21の矢印Mb参照)。そのため、いわゆるアリ溝である溝部の側面に溝幅を広げようとする荷重が掛かり、ひいては側面と底面が交わる隅部近傍応力が集中してしまうという問題があったのである(図21の領域R参照)。

先行技術

0005

特開2014−125055号公報
特開2012−66699号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ボスの溝部にブレードの基部を挿入して構成される船舶用プロペラであって、溝部の側面と底面が交わる隅部近傍に応力が集中しない船舶用プロペラを提供する。

課題を解決するための手段

0007

第一の発明は、
外周面に溝部が形成されたボスと、
基端側に基部が形成されたブレードと、を備え、
前記ボスの溝部に前記ブレードの基部を挿入して構成される船舶用プロペラであって、
前記ボスの一端側に取り付けられて前記ブレードの抜け止めとなるリテーナ具備し、
前記リテーナの外嵌部が前記ボスとともに前記ブレードの基部を覆うように嵌合して径方向外側へ曲がろうとする当該基部を拘束する、ものである。

0008

第二の発明は、第一の発明に係る船舶用プロペラにおいて、
前記ボスの後端側に内嵌部が形成され、
前記ブレードの基部における後端側に段差部が形成され、
前記リテーナの外嵌部が前記内嵌部とともに前記段差部を覆うように嵌合して径方向外側へ曲がろうとする前記基部を拘束する、ものである。

0009

第三の発明は、第二の発明に係る船舶用プロペラにおいて、
前記ボスの溝部が一方へ旋回する螺旋形状となっており、
前記ボスの溝部に対して反旋回側近傍にボルト穴が設けられ、
前記リテーナが前記ボルト穴に螺合するボルトを用いて取り付けられる、ものである。

0010

第四の発明は、第三の発明に係る船舶用プロペラにおいて、
前記リテーナがアウターリングインナーリングで構成され、
前記アウターリングが前記内嵌部とともに前記段差部を覆うように嵌合し、
前記インナーリングが前記ボルト穴に螺合するボルトを用いて取り付けられる、ものである。

0011

第五の発明は、第二の発明に係る船舶用プロペラにおいて、
前記内嵌部の後端側に挿通部が形成され、
前記リテーナの内周面と前記挿通部の外周面にネジ山が形成され、
前記リテーナが前記挿通部に螺合して取り付けられる、ものである。

0012

第六の発明は、第五の発明に係る船舶用プロペラにおいて、
前記リテーナがアウターリングとインナーリングで構成され、
前記アウターリングが前記内嵌部とともに前記段差部を覆うように嵌合し、
前記インナーリングが前記挿通部に螺合して取り付けられる、ものである。

0013

第七の発明は、第一から第六のいずれかの発明に係る船舶用プロペラにおいて、
前記リテーナに保持される押圧部材を具備し、
前記押圧部材が前記ブレードの基部に掛かる押込荷重を調節できる、ものである。

発明の効果

0014

第一の発明に係る船舶用プロペラは、ボスの一端側に取り付けられてブレードの抜け止めとなるリテーナを具備している。そして、リテーナの外嵌部がボスとともにブレードの基部を覆うように嵌合して径方向外側へ曲がろうとする基部を拘束する。かかる船舶用プロペラによれば、ブレードの基部が径方向外側へ曲がろうとする変形を抑えることができるので、溝部の側面と底面が交わる隅部近傍に応力が集中しない。

0015

第二の発明に係る船舶用プロペラは、ボスの後端側に内嵌部が形成され、ブレードの基部における後端側に段差部が形成されている。そして、リテーナの外嵌部が内嵌部とともに段差部を覆うように嵌合して径方向外側へ曲がろうとする基部を拘束する。かかる船舶用プロペラによれば、前述した効果のほかに次の効果を奏する。即ち、リテーナの外嵌部が内嵌部及び段差部によって形成された空間に収まるので、ボスに沿う水の流れを阻害しない。

0016

第三の発明に係る船舶用プロペラは、ボスの溝部が一方へ旋回する螺旋形状となっており、ボスの溝部に対して反旋回側近傍にボルト穴が設けられている。そして、リテーナがボルト穴に螺合するボルトを用いて取り付けられる。かかる船舶用プロペラによれば、前述した効果のほかに次の効果を奏する。即ち、ボルト穴の存在やボルト穴に螺合されるボルトの張力応力分布に影響を与えないので、隅部近傍における応力を緩和できる。

0017

第四の発明に係る船舶用プロペラは、リテーナがアウターリングとインナーリングで構成されている。そして、アウターリングが内嵌部とともに段差部を覆うように嵌合し、インナーリングがボルト穴に螺合するボルトを用いて取り付けられる。かかる船舶用プロペラによれば、前述した効果のほかに次の効果を奏する。即ち、インナーリングを取り外すことにより、ボスにブレードを固定したままで隅部近傍におけるクラックの有無など外観確認を行うことができる。

0018

第五の発明に係る船舶用プロペラは、内嵌部の後端側に挿通部が形成され、リテーナの内周面と挿通部の外周面にネジ山が形成されている。そして、リテーナが挿通部に螺合して取り付けられる。かかる船舶用プロペラによれば、前述した効果のほかに次の効果を奏する。即ち、ボルト穴が存在せず応力分布に影響を与えないので、隅部近傍における応力を緩和できる。

0019

第六の発明に係る船舶用プロペラは、リテーナがアウターリングとインナーリングで構成されている。そして、アウターリングが内嵌部とともに段差部を覆うように嵌合し、インナーリングが挿通部に螺合して取り付けられる。かかる船舶用プロペラによれば、前述した効果のほかに次の効果を奏する。即ち、インナーリングを取り外すことにより、ボスにブレードを固定したままで隅部近傍におけるクラックの有無など外観確認を行うことができる。

0020

第七の発明に係る船舶用プロペラは、リテーナに保持される押圧部材を具備している。そして、押圧部材がブレードの基部に掛かる押込荷重を調節できる。かかる船舶用プロペラによれば、前述した効果のほかに次の効果を奏する。即ち、適宜の押込荷重でブレードを固定できる。また、ボスやブレードに経年変形が生じても適宜の押込荷重に調節できる。

図面の簡単な説明

0021

船舶用プロペラを示す図。
船舶用プロペラの構成を示す図。
ボスを示す図。
ブレードを示す図。
リテーナを示す図。
船舶用プロペラの組立過程を示す図。
船舶用プロペラの軸方向断面を示す図。
ボスとリテーナを示す図。
船舶用プロペラの組立過程を示す図。
船舶用プロペラの軸方向断面を示す図。
ボスとリテーナを示す図。
船舶用プロペラの組立過程を示す図。
船舶用プロペラの軸方向断面を示す図。
ボスとリテーナを示す図。
船舶用プロペラの組立過程を示す図。
船舶用プロペラの軸方向断面を示す図。
ボスとリテーナを示す図。
船舶用プロペラの組立過程を示す図。
船舶用プロペラの軸方向断面を示す図。
船舶用プロペラの軸方向断面を示す図。
従来の船舶用プロペラの軸方向断面を示す図。

0022

まず、図1から図7を用いて、第一実施形態に係る船舶用プロペラ1について説明する。以下において、「前」とは船体の前進方向を意味し、「後」とは船体の後進方向を意味する。

0023

船舶用プロペラ1は、エンジンの回転力推進力に変換するものである。船舶用プロペラ1は、ボス2とブレード3を備えている。なお、本船舶用プロペラ1は、いわゆる四枚翼プロペラであるが、これに限定するものではない。

0024

ボス2は、駆動軸Sに固定される(図7参照)。ボス2は、金属製(例えばアルミニウム青銅)の鋳物切削加工を加えて作成される。ボス2は、その外周面2sに溝部21が形成されている。溝部21は、後方から前方へ向かうにつれて狭くなり、かつ右方へ旋回する螺旋形状となっている。溝部21は、いわゆるアリ溝であって、径方向外側へ向かうにつれて両側の側面21sが徐々に近づくテーパ形状となっている(図3のX−X断面図参照)。また、ボス2は、その後端側に内嵌部22が形成されている。内嵌部22は、ボス2における外径が小さくなった部分であり、後述する段差部32と組み合わさって円筒形状を構成する(図2参照)。このため、内嵌部22の外周面22sは、中心軸Aに対して軸方向に平行となっている。更に、内嵌部22の後端側には、挿通部23が形成されている。挿通部23は、内嵌部22よりも外径が小さくなった部分であり、円筒形状となっている。このため、挿通部23の外周面23sは、中心軸Aに対して軸方向に平行となっている。

0025

ブレード3は、ボス2に固定される(図2参照)。ブレード3は、繊維強化プラスチック(例えば炭素繊維強化プラスチック:CFRP)製である。ブレード3は、その基端側に基部31が形成されている。基部31は、後方から前方へ向かうにつれて細くなり、かつ右方へ旋回する螺旋形状となっている。基部31は、いわゆるアリであって、先端側(ボス2にブレード3を固定した状態では径方向外側)へ向かうにつれて両側の側面31sが徐々に近づくテーパ形状となっている(図4のX−X断面図参照)。また、ブレード3は、その基部31における後端側に段差部32が形成されている。段差部32は、基部31の高さが低くなった部分であり、前述した内嵌部22と組み合わさって円筒形状を構成する(図2参照)。このため、段差部32の外周面32sは、中心軸Aに対して軸方向に平行となっている。更に、基部31の上面には、翼体部33が形成されている。

0026

加えて、船舶用プロペラ1は、リテーナ4を具備している。本船舶用プロペラ1において、リテーナ4は、略円盤形状となっているが、これに限定するものではない。例えば、後述するキャップCがリテーナ4として機能するとしてもよい。

0027

リテーナ4は、ボス2に固定される(図2参照)。リテーナ4は、金属製(例えばアルミニウム青銅)の鋳物に切削加工を加えて作成される。リテーナ4は、中央に穴43が開いた円環形状となっている。また、リテーナ4は、その前端側に外嵌部44が形成されている。外嵌部44は、リテーナ4における前方へ突き出した部分であり、円筒形状となっている。このため、外嵌部44の内周面44sは、中心軸Aに対して軸方向に平行となっている。このような形状とすることで、外嵌部44は、ボス2に形成された内嵌部22とブレード3の基部31に形成された段差部32を覆うように嵌合することとなる(図2及び図6及び図7参照)。こうして、リテーナ4は、径方向外側へ曲がろうとする基部31を拘束するのである。

0028

この点について、より詳細に説明すると、ボス2の溝部21にブレード3の基部31を挿入した状態においては、段差部32の外周面32sよりも内嵌部22の外周面22sが僅かに突出する(図6のDa参照)。そのため、リテーナ4を取り付けると、外嵌部44と内嵌部22が締り嵌めの関係となり、溝部21の溝幅を狭めようと作用するので、基部31を挟み込むようにして拘束するのである。また、外嵌部44が径方向外側へ曲がろうとする基部31を押え込むようにして拘束するのである(図7参照)。加えて、ボス2の溝部21にブレード3の基部31を挿入した状態においては、段差部32の後端面32tが内嵌部22の後端面22tから僅かに突出する(図6のDb参照)。そのため、リテーナ4を取り付けると、ブレード3の基部31を適宜な荷重で押し込むこととなり、ブレード3のガタつきを抑えることができるのである。

0029

ここで、リテーナ4の取付構造について説明する。併せて、キャップCとその取付構造についても説明する。

0030

ボス2には、内嵌部22の後端面22tから前方へ向けて四つのボルト穴24が設けられている。それぞれのボルト穴24は、各溝部21の開口端に対して左側近傍(中心軸Aを中心とする左旋回側近傍)に設けられている。これは、溝部21が右方へ旋回する螺旋形状であることを考慮し、ボルト穴24が深くともこのボルト穴24が溝部21に近接しないように意図したものである。従って、溝部21が左側へ旋回する螺旋形状であるならば、各溝部21の開口端に対して右側近傍(中心軸Aを中心とする右旋回側近傍)に設けられることとなる。このようにすることで、ボルト穴24の存在やボルト穴24に螺合されるボルト48の張力が応力分布に影響を与えるのを防いでいるのである。

0031

他方、リテーナ4には、その後端面4tから前方へ突き抜ける四つのボルト挿通穴45が設けられている。それぞれのボルト挿通穴45は、リテーナ4を取り付ける際にボルト穴24に重なる位置に設けられている。それぞれのボルト挿通穴45は、ボルト48の頭部が収まる大径穴部とボルト48の軸部が収まる小径穴部がつながった形状となっている。従って、ボルト48を用いてリテーナ4を取り付けても、リテーナ4の後端面4tからボルト48の頭部が突き出ない。なお、リテーナ4には、その後端面4tから前方へ向けて複数のボルト穴46が設けられている。これらのボルト穴46は、キャップCを取り付ける際に利用される(図7参照)キャップCは、プロペラ固定ナットNを覆うものである。

0032

以降に、本船舶用プロペラ1の特徴とその効果についてまとめる。

0033

本船舶用プロペラ1は、ボス2の一端側(後端側)に取り付けられてブレード3の抜け止めとなるリテーナ4を具備している。そして、リテーナ4の外嵌部44がボス2とともにブレード3の基部31を覆うように嵌合して径方向外側へ曲がろうとする基部31を拘束する。かかる船舶用プロペラ1によれば、ブレード3の基部31が径方向外側へ曲がろうとする変形を抑えることができるので、溝部21の側面21sと底面21tが交わる隅部近傍に応力が集中しない(図7の領域R参照)。

0034

具体的に説明すると、本船舶用プロペラ1は、ボス2の後端側に内嵌部22が形成され、ブレード3の基部31における後端側に段差部32が形成されている。そして、リテーナ4の外嵌部44が内嵌部22とともに段差部32を覆うように嵌合して径方向外側へ曲がろうとする基部31を拘束する。かかる船舶用プロペラ1によれば、前述した効果のほかに次の効果を奏する。即ち、リテーナ4の外嵌部44が内嵌部22及び段差部32によって形成された空間(図6の※印部参照)に収まるので、ボス2に沿う水の流れを阻害しない(図7流線F参照)。

0035

更に、本船舶用プロペラ1は、ボス2の溝部21が一方へ旋回する螺旋形状となっており、ボス2の溝部21に対して反旋回側近傍にボルト穴24が設けられている。そして、リテーナ4がボルト穴24に螺合するボルト48を用いて取り付けられる。かかる船舶用プロペラ1によれば、前述した効果のほかに次の効果を奏する。即ち、ボルト穴24の存在やボルト穴24に螺合されるボルト48の張力が応力分布に影響を与えないので、隅部近傍における応力を緩和できる(図7の領域R参照)。

0036

ところで、本船舶用プロペラ1においては、内嵌部22と段差部32で円筒形状を構成している。しかし、内嵌部22と段差部32の外周面22s・32sを後方へ向かうにつれて縮径するテーパ形状とすることも可能である。また、当然のことながら、外嵌部44の内周面44sを前方へ向かうにつれて拡径するテーパ形状とすることも可能である。従って、このようなテーパ形状であっても技術的思想の及ぶ範囲に含まれる。

0037

次に、図8から図10を用いて、第二実施形態に係る船舶用プロペラ1について説明する。ここでは、第一実施形態に係る船舶用プロペラ1と比較して異なる部分のみを説明する。以下においても、「前」とは船体の前進方向を意味し、「後」とは船体の後進方向を意味する。

0038

第二実施形態に係る船舶用プロペラ1は、リテーナ4の代わりにリテーナ5を具備している。リテーナ5は、アウターリング51とインナーリング52で構成されている。

0039

アウターリング51は、ボス2に固定される。アウターリング51は、金属製(例えばアルミニウム青銅)の鋳物に切削加工を加えて作成される。アウターリング51は、中央に穴53が開いた円環形状となっている。このような形状とすることで、アウターリング51は、ボス2に形成された内嵌部22とブレード3の基部31に形成された段差部32を覆うように嵌合することとなる。こうして、アウターリング51は、径方向外側へ曲がろうとする基部31を拘束するのである。

0040

この点について、より詳細に説明すると、ボス2の溝部21にブレード3の基部31を挿入した状態においては、段差部32の外周面32sよりも内嵌部22の外周面22sが僅かに突出する(図9のDa参照)。そのため、アウターリング51を取り付けると、アウターリング51と内嵌部22が締り嵌めの関係となり、溝部21の溝幅を狭めようと作用するので、基部31を挟み込むようにして拘束するのである。また、アウターリング51が径方向外側へ曲がろうとする基部31を押え込むようにして拘束するのである(図10参照)。

0041

他方、インナーリング52も、ボス2に固定される。インナーリング52は、金属製(例えばアルミニウム青銅)の鋳物に切削加工を加えて作成される。インナーリング52は、中央に穴54が開いた円環形状となっている。このような形状とすることで、インナーリング52は、ボス2に形成された挿通部23を覆うように嵌合することとなる。こうして、インナーリング52は、ブレード3の基部31を適宜な荷重で押し込み、ブレード3のガタつきを抑えるのである。

0042

この点について、より詳細に説明すると、ボス2の溝部21にブレード3の基部31を挿入した状態においては、段差部32の後端面32tが内嵌部22の後端面22tから僅かに突出する(図9のDb参照)。そのため、インナーリング52を取り付けると、ブレード3の基部31を適宜な荷重で押し込むこととなり、ブレード3のガタつきを抑えることができるのである。

0043

ここで、アウターリング51とインナーリング52の取付構造について説明する。併せて、キャップCとその取付構造についても説明する。

0044

本実施形態に係る船舶用プロペラ1において、ボス2には、上述したボルト穴24が設けられていないものとする。その代わりに、ボス2には、内嵌部22の段差面22uから前方へ向けて四つのボルト穴25が設けられている。それぞれのボルト穴25は、各溝部21の開口端に対して左側近傍(中心軸Aを中心とする左旋回側近傍)に設けられている。同じく、ボス2には、内嵌部22の後端面22tから前方へ向けて四つのボルト穴26が設けられている。それぞれのボルト穴26も、各溝部21の開口端に対して左側近傍(中心軸Aを中心とする左旋回側近傍)に設けられている。

0045

他方、アウターリング51には、その後端面51tから前方へ突き抜ける四つのボルト挿通穴55が設けられている。このため、アウターリング51は、ボルト穴25に螺合されるボルト58によって取り付けられる。また、インナーリング52には、その後端面52tから前方へ突き抜ける四つのボルト挿通穴56が設けられている。このため、インナーリング52は、ボルト穴26に螺合されるボルト59によって取り付けられる。なお、アウターリング51には、その後端面51tから前方へ向けて複数のボルト穴57が設けられている。これらのボルト穴57は、キャップCを取り付ける際に利用される。キャップCは、プロペラ固定ナットNを覆うものである。

0046

このように、本船舶用プロペラ1は、リテーナ5がアウターリング51とインナーリング52で構成されている。そして、アウターリング51が内嵌部22とともに段差部32を覆うように嵌合し、インナーリング52がボルト穴26に螺合するボルト59を用いて取り付けられる。かかる船舶用プロペラ1によれば、前述した効果のほかに次の効果を奏する。即ち、インナーリング52を取り外すことにより、ボス2にブレード3を固定したままで隅部近傍におけるクラックの有無など外観確認を行うことができる(ブレード3の基部31に押込荷重を掛けた状態のままで隅部近傍におけるクラックの有無など外観確認を行うことができる)。

0047

ところで、本船舶用プロペラ1においては、アウターリング51がボルト穴25に螺合されるボルト58によって取り付けられ、インナーリング52がボルト穴26に螺合されるボルト59によって取り付けられる。但し、図10の(A)に示すように、アウターリング51にインナーリング52を係合させた状態で取り付けるとしてもよい。或いは、図10の(B)に示すように、インナーリング52にアウターリング51を係合させた状態で取り付けるとしてもよい。

0048

次に、図11から図13を用いて、第三実施形態に係る船舶用プロペラ1について説明する。ここでも、第一実施形態に係る船舶用プロペラ1と比較して異なる部分のみを説明する。以下においても、「前」とは船体の前進方向を意味し、「後」とは船体の後進方向を意味する。

0049

第三実施形態に係る船舶用プロペラ1は、リテーナ4の代わりにリテーナ6を具備している。

0050

リテーナ6は、ボス2に固定される。リテーナ6は、金属製(例えばアルミニウム青銅)の鋳物に切削加工を加えて作成される。リテーナ6は、中央に穴63が開いた円環形状となっている。また、リテーナ6は、その前端側に外嵌部64が形成されている。外嵌部64は、リテーナ6における前方へ突き出した部分であり、円筒形状となっている。このような形状とすることで、外嵌部64は、ボス2に形成された内嵌部22とブレード3の基部31に形成された段差部32を覆うように嵌合することとなる。こうして、リテーナ6は、径方向外側へ曲がろうとする基部31を拘束するのである。

0051

この点について、より詳細に説明すると、ボス2の溝部21にブレード3の基部31を挿入した状態においては、段差部32の外周面32sよりも内嵌部22の外周面22sが僅かに突出する(図12のDa参照)。そのため、リテーナ6を取り付けると、外嵌部64と内嵌部22が締り嵌めの関係となり、溝部21の溝幅を狭めようと作用するので、基部31を挟み込むようにして拘束するのである。また、外嵌部64が径方向外側へ曲がろうとする基部31を押え込むようにして拘束するのである(図13参照)。加えて、ボス2の溝部21にブレード3の基部31を挿入した状態においては、段差部32の後端面32tが内嵌部22の後端面22tから僅かに突出する(図12のDb参照)。そのため、リテーナ6を取り付けると、ブレード3の基部31を適宜な荷重で押し込むこととなり、ブレード3のガタつきを抑えることができるのである。

0052

ここで、リテーナ6の取付構造について説明する。併せて、キャップCとその取付構造についても説明する。

0053

本実施形態に係る船舶用プロペラ1において、ボス2には、上述したボルト穴24が設けられていないものとする。その代わりに、ボス2には、挿通部23の外周面23sにネジ山が形成されている。つまり、ボス2は、挿通部23がオスネジとなっている。

0054

他方、リテーナ6には、その内周面63sにネジ山が形成されている。つまり、リテーナ6は、自らがメスネジとなっている。このため、リテーナ6は、ボス2の挿通部23に螺合して取り付けられる。なお、リテーナ6には、その後端面6tから前方へ向けて複数のボルト穴66が設けられている。これらのボルト穴66は、キャップCを取り付ける際に利用される。キャップCは、プロペラ固定ナットNを覆うものである。

0055

このように、本船舶用プロペラ1は、内嵌部22の後端側に挿通部23が形成され、リテーナ6の内周面63sと挿通部23の外周面23sにネジ山が形成されている。そして、リテーナ6が挿通部23に螺合して取り付けられる。かかる船舶用プロペラ1によれば、前述した効果のほかに次の効果を奏する。即ち、ボルト穴24が存在せず応力分布に影響を与えないので、隅部近傍における応力を緩和できる(図13の領域R参照)。

0056

次に、図14から図16を用いて、第四実施形態に係る船舶用プロペラ1について説明する。ここでも、第一実施形態に係る船舶用プロペラ1と比較して異なる部分のみを説明する。以下においても、「前」とは船体の前進方向を意味し、「後」とは船体の後進方向を意味する。

0057

第四実施形態に係る船舶用プロペラ1は、リテーナ4の代わりにリテーナ7を具備している。リテーナ7は、アウターリング71とインナーリング72で構成されている。

0058

アウターリング71は、ボス2に固定される。アウターリング71は、金属製(例えばアルミニウム青銅)の鋳物に切削加工を加えて作成される。アウターリング71は、中央に穴73が開いた円環形状となっている。このような形状とすることで、アウターリング71は、ボス2に形成された内嵌部22とブレード3の基部31に形成された段差部32を覆うように嵌合することとなる。こうして、アウターリング71は、径方向外側へ曲がろうとする基部31を拘束するのである。

0059

この点について、より詳細に説明すると、ボス2の溝部21にブレード3の基部31を挿入した状態においては、段差部32の外周面32sよりも内嵌部22の外周面22sが僅かに突出する(図15のDa参照)。そのため、アウターリング71を取り付けると、アウターリング71と内嵌部22が締り嵌めの関係となり、溝部21の溝幅を狭めようと作用するので、基部31を挟み込むようにして拘束するのである。また、アウターリング71が径方向外側へ曲がろうとする基部31を押え込むようにして拘束するのである(図16参照)。

0060

他方、インナーリング72も、ボス2に固定される。インナーリング72は、金属製(例えばアルミニウム青銅)の鋳物に切削加工を加えて作成される。インナーリング72は、中央に穴74が開いた円環形状となっている。このような形状とすることで、インナーリング72は、ボス2に形成された挿通部23を覆うように嵌合することとなる。こうして、インナーリング72は、ブレード3の基部31を適宜な荷重で押し込み、ブレード3のガタつきを抑えるのである。

0061

この点について、より詳細に説明すると、ボス2の溝部21にブレード3の基部31を挿入した状態においては、段差部32の後端面32tが内嵌部22の後端面22tから僅かに突出する(図15のDb参照)。そのため、インナーリング72を取り付けると、ブレード3の基部31を適宜な荷重で押し込むこととなり、ブレード3のガタつきを抑えることができるのである。

0062

ここで、アウターリング71とインナーリング72の取付構造について説明する。併せて、キャップCとその取付構造についても説明する。

0063

本実施形態に係る船舶用プロペラ1において、ボス2には、上述したボルト穴24が設けられていないものとする。その代わりに、ボス2には、内嵌部22の段差面22uから前方へ向けて四つのボルト穴27が設けられている。それぞれのボルト穴27は、各溝部21の開口端に対して左側近傍(中心軸Aを中心とする左旋回側近傍)に設けられている。また、ボス2には、挿通部23の外周面23sにネジ山が形成されている。つまり、ボス2は、挿通部23がオスネジとなっている。

0064

他方、アウターリング71には、その後端面71tから前方へ突き抜ける四つのボルト挿通穴75が設けられている。このため、アウターリング71は、ボルト穴27に螺合されるボルト78によって取り付けられる。また、インナーリング72には、その内周面74sにネジ山が形成されている。つまり、インナーリング72は、自らがメスネジとなっている。このため、インナーリング72は、ボス2の挿通部23に螺合して取り付けられる。なお、アウターリング71には、その後端面71tから前方へ向けて複数のボルト穴77が設けられている。これらのボルト穴77は、キャップCを取り付ける際に利用される。キャップCは、プロペラ固定ナットNを覆うものである。

0065

このように、本船舶用プロペラ1は、リテーナ7がアウターリング71とインナーリング72で構成されている。そして、アウターリング71が内嵌部22とともに段差部32を覆うように嵌合し、インナーリング72が挿通部23に螺合して取り付けられる。かかる船舶用プロペラ1によれば、前述した効果のほかに次の効果を奏する。即ち、インナーリング72を取り外すことにより、ボス2にブレード3を固定したままで隅部近傍におけるクラックの有無など外観確認を行うことができる(ブレード3の基部31に押込荷重を掛けた状態のままで隅部近傍におけるクラックの有無など外観確認を行うことができる)。

0066

ところで、本船舶用プロペラ1においては、アウターリング71がボルト穴27に螺合されるボルト78によって取り付けられ、インナーリング72が挿通部23に螺合して取り付けられる。但し、図16の(A)に示すように、アウターリング71にインナーリング72を係合させた状態で取り付けるとしてもよい。或いは、図16の(B)に示すように、インナーリング72にアウターリング71を係合させた状態で取り付けるとしてもよい。

0067

次に、図17から図19を用いて、第五実施形態に係る船舶用プロペラ1について説明する。ここでも、第一実施形態に係る船舶用プロペラ1と比較して異なる部分のみを説明する。以下においても、「前」とは船体の前進方向を意味し、「後」とは船体の後進方向を意味する。

0068

第五実施形態に係る船舶用プロペラ1は、リテーナ4の代わりにリテーナ8を具備している。リテーナ8は、アウターリング81とインナーリング82で構成されている。

0069

アウターリング81は、ボス2に固定される。アウターリング81は、金属製(例えばアルミニウム青銅)の鋳物に切削加工を加えて作成される。アウターリング81は、中央に穴83が開いた円環形状となっている。このような形状とすることで、アウターリング81は、ボス2に形成された内嵌部22とブレード3の基部31に形成された段差部32を覆うように嵌合することとなる。こうして、アウターリング81は、径方向外側へ曲がろうとする基部31を拘束するのである。

0070

この点について、より詳細に説明すると、ボス2の溝部21にブレード3の基部31を挿入した状態においては、段差部32の外周面32sよりも内嵌部22の外周面22sが僅かに突出する(図18のDa参照)。そのため、アウターリング81を取り付けると、アウターリング81と内嵌部22が締り嵌めの関係となり、溝部21の溝幅を狭めようと作用するので、基部31を挟み込むようにして拘束するのである。また、アウターリング81が径方向外側へ曲がろうとする基部31を押え込むようにして拘束するのである(図19参照)。

0071

他方、インナーリング82も、ボス2に固定される。インナーリング82は、金属製(例えばアルミニウム青銅)の鋳物に切削加工を加えて作成される。インナーリング82は、中央に穴84が開いた円環形状となっている。このような形状とすることで、インナーリング82は、ボス2に形成された挿通部23を覆うように嵌合することとなる。こうして、インナーリング82は、ブレード3の基部31を適宜な荷重で押し込み、ブレード3のガタつきを抑えるのである。

0072

この点について、より詳細に説明すると、ボス2の溝部21にブレード3の基部31を挿入した状態においては、段差部32の後端面32tが内嵌部22の後端面22tから僅かに突出する(図15のDb参照)。そのため、インナーリング72を取り付けると、ブレード3の基部31を適宜な荷重で押し込むこととなり、ブレード3のガタつきを抑えることができるのである。

0073

ここで、アウターリング81とインナーリング82の取付構造について説明する。併せて、キャップCとその取付構造についても説明する。

0074

本実施形態に係る船舶用プロペラ1において、ボス2には、上述したボルト穴24が設けられていないものとする。その代わりに、ボス2には、挿通部23の外周面23sにネジ山が形成されている。つまり、ボス2は、挿通部23がオスネジとなっている。

0075

他方、アウターリング81には、その後端面81tから前方へ突き抜ける四つのボルト挿通穴85が設けられている。本実施形態において、アウターリング81は、インナーリング82に押された状態で取り付けられるが、ボルト挿通穴85を抜取ジャッキ穴として利用できる。また、インナーリング82には、その内周面84sにネジ山が形成されている。つまり、インナーリング72は、自らがメスネジとなっている。このため、インナーリング82は、ボス2の挿通部23に螺合して取り付けられる。なお、インナーリング82には、その後端面82tから前方へ向けて複数のボルト穴87が設けられている。これらのボルト穴87は、キャップCを取り付ける際に利用される。キャップCは、プロペラ固定ナットNを覆うものである。

0076

このように、本船舶用プロペラ1は、リテーナ8がアウターリング81とインナーリング82で構成されている。そして、アウターリング81が内嵌部22とともに段差部32を覆うように嵌合し、インナーリング82が挿通部23に螺合して取り付けられる。かかる船舶用プロペラ1によれば、前述した効果のほかに次の効果を奏する。即ち、インナーリング82を取り外すことにより、ボス2にブレード3を固定したままで隅部近傍におけるクラックの有無など外観確認を行うことができる(ブレード3の基部31に押込荷重を掛けた状態のままで隅部近傍におけるクラックの有無など外観確認を行うことができる)。

0077

ところで、本船舶用プロペラ1においては、アウターリング81がインナーリング82に押された状態で取り付けられ、インナーリング82が挿通部23に螺合して取り付けられる。このとき、図19の(A)に示すように、アウターリング81にインナーリング82を係合させた状態で取り付けるとしてもよい。或いは、図19の(B)に示すように、インナーリング82にアウターリング81を係合させた状態で取り付けるとしてもよい。

0078

次に、図20を用いて、第六実施形態に係る船舶用プロペラ1について説明する。ここでは、上述した技術的思想を包含する船舶用プロペラ1について説明する。

0079

本船舶用プロペラ1においては、ボス2に内嵌部22が形成されていない。また、ブレード3の基部31に段差部32が形成されていない。そのため、リテーナ9は、その外嵌部94の内周面94sがボス2の外周面2sに接し、かつブレード3の基部31における外周面31uに接して嵌合する。

0080

このように、本船舶用プロペラ1は、ボス2の一端側(後端側)に取り付けられてブレード3の抜け止めとなるリテーナ9を具備している。そして、リテーナ9の外嵌部94がボス2とともにブレード3の基部31を覆うように嵌合して径方向外側へ曲がろうとする基部31を拘束する。かかる船舶用プロペラ1によれば、ブレード3の基部31が径方向外側へ曲がろうとする変形を抑えることができるので、溝部21の側面21sと底面21tが交わる隅部近傍に応力が集中しない(図20の領域R参照)。

0081

次に、各実施形態に適用している他の特徴点について説明する。ここでは、第一実施形態に係る船舶用プロペラ1を用いて説明する。

0082

図7に示すように、船舶用プロペラ1は、押圧部材10を具備している。押圧部材10は、六角穴付き止めネジであるが、これに限定するものではない。

0083

押圧部材10は、リテーナ4に設けられたネジ孔47に螺合されている(図5参照)。そのため、押圧部材10は、リテーナ4に保持された状態で、その先端部分の突出量を調節自在としている。換言すると、押圧部材10は、リテーナ4に保持された状態で、ブレード3の基部31に掛かる押込荷重を調節自在としている。

0084

このように、本船舶用プロペラ1は、リテーナ4に保持される押圧部材10を具備している。そして、押圧部材10がブレード3の基部31に掛かる押込荷重を調節できる。かかる船舶用プロペラ1によれば、前述した効果のほかに次の効果を奏する。即ち、適宜の押込荷重でブレード3を固定できる。また、ボス2やブレード3に経年変形が生じても適宜の押込荷重に調節できる。

0085

1船舶用プロペラ
2ボス
21 溝部
22 内嵌部
23挿通部
3ブレード
31 基部
32段差部
33翼体部
4リテーナ
44 外嵌部
48ボルト
10 押圧部材

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