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技術 樹脂組成物、樹脂シート、樹脂硬化物および樹脂基板

出願人 TDK株式会社
発明者 葉山純平稲垣尭海老沢晃
出願日 2018年1月19日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2018-006884
公開日 2019年7月25日 (8ヶ月経過) 公開番号 2019-123834
状態 未査定
技術分野 エポキシ樹脂 プリント板の材料
主要キーワード 揮発条件 各樹脂シート 液晶性エポキシ樹脂 硬化反応物 熱拡散率測定装置 スタッキング性 メソゲン骨格 樹脂硬化物層
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2019年7月25日)のものです。
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図面 (8)

課題

高い熱伝導性を有する樹脂組成物を提供する。

解決手段

樹脂組成物は直鎖状エポキシ樹脂メソゲン硬化剤とを含む。(ただし、直鎖状エポキシ樹脂は下記の式(1)によって表される化合物である。)[化1](Xはメチレンエーテル型酸素のどちらか一方、又はその両方からなり、nは2〜8の何れかの整数を示す。)

概要

背景

近年、電子機器の小型化により、部品の高機能化、高密度実装化が進められており、部品からの発熱量は増大している。

電子部品等から発生した熱は、主に基板を通して外部に放熱される。このうち樹脂基板を積層した電源用積層基板においては、金属基板等と比較して熱伝導率が低いため、樹脂中に酸化アルミニウム窒化ホウ素酸化マグネシウムなどの無機粒子を添加して熱伝導性を高めている。

しかし、熱伝導率を向上させるために樹脂組成物中の無機粒子含有率を増加させると、樹脂基板成形時の塗料流動性に問題が生じる。そこで、樹脂組成物中の無機粒子含有率を抑制して塗料の流動性を確保しても、高い放熱性を有する樹脂基板が得られるように、熱伝導率の高い樹脂硬化物が得られる樹脂の開発が進められている。

樹脂硬化物の高熱伝導化としては、樹脂中にメソゲンと呼ばれる剛直で棒状の骨格を導入した高配向液晶性エポキシ樹脂を利用する方法がある(例えば、特許文献1)。

また液晶性エポキシ樹脂はメソゲン骨格グリシジル基とが組み合わされた構造のものが多く利用される(例えば、特許文献2)。

概要

高い熱伝導性を有する樹脂組成物を提供する。樹脂組成物は直鎖状エポキシ樹脂とメソゲン硬化剤とを含む。(ただし、直鎖状エポキシ樹脂は下記の式(1)によって表される化合物である。)[化1](Xはメチレンエーテル型酸素のどちらか一方、又はその両方からなり、nは2〜8の何れかの整数を示す。)なし

目的

本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高配向で高い熱伝導性を得ることが可能な樹脂組成物、樹脂シート、樹脂硬化物および樹脂基板を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

分子中に2個以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂と、硬化剤とを含む樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂は、下記の式(1)で示す化合物を含み、前記硬化剤は、メソゲン骨格を含む、樹脂組成物。(Xはメチレンエーテル型酸素のどちらか一方、又はその両方からなり、nは2〜8の何れかの整数を示す。)

請求項2

前記硬化剤が4,4’−ビフェノールを含む、請求項1に記載の樹脂組成物。

請求項3

前記nは2〜6の何れかの整数を示す、請求項1または2に記載の樹脂組成物。

請求項4

前記nは偶数である、請求項1〜3の何れか一項に記載の樹脂組成物。

請求項5

請求項1〜4の何れか一項に記載の樹脂組成物を含む、樹脂シート

請求項6

請求項1または2に記載の前記樹脂組成物の硬化反応物であり、下記の式(2)で示す構造を含む、樹脂硬化物。(Xはメチレン、エーテル型酸素のどちらか一方、又はその両方からなり、nは2〜8の何れかの整数を示す。)

請求項7

請求項3に記載の前記樹脂組成物の硬化反応物であり、下記の式(3)で示す構造を含む、樹脂硬化物。(Xはメチレン、エーテル型酸素のどちらか一方、又はその両方からなり、nは2〜6の何れかの整数を示す。)

請求項8

前記nは偶数である、請求項6または7に記載の樹脂硬化物。

請求項9

請求項6〜8の何れか一項に記載の樹脂硬化物を含む、樹脂基板

技術分野

0001

本発明は、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物、ならびにその樹脂組成物を用いた樹脂シート樹脂硬化物および樹脂基板に関する。

背景技術

0002

近年、電子機器の小型化により、部品の高機能化、高密度実装化が進められており、部品からの発熱量は増大している。

0003

電子部品等から発生した熱は、主に基板を通して外部に放熱される。このうち樹脂基板を積層した電源用積層基板においては、金属基板等と比較して熱伝導率が低いため、樹脂中に酸化アルミニウム窒化ホウ素酸化マグネシウムなどの無機粒子を添加して熱伝導性を高めている。

0004

しかし、熱伝導率を向上させるために樹脂組成物中の無機粒子含有率を増加させると、樹脂基板成形時の塗料流動性に問題が生じる。そこで、樹脂組成物中の無機粒子含有率を抑制して塗料の流動性を確保しても、高い放熱性を有する樹脂基板が得られるように、熱伝導率の高い樹脂硬化物が得られる樹脂の開発が進められている。

0005

樹脂硬化物の高熱伝導化としては、樹脂中にメソゲンと呼ばれる剛直で棒状の骨格を導入した高配向液晶性エポキシ樹脂を利用する方法がある(例えば、特許文献1)。

0006

また液晶性エポキシ樹脂はメソゲン骨格グリシジル基とが組み合わされた構造のものが多く利用される(例えば、特許文献2)。

先行技術

0007

特開2012−131992号公報
特開2010−241797号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかし、特許文献2に記載のエポキシ樹脂の構造では融点が高いため、エポキシ樹脂を硬化剤と反応させる際の反応温度高温とする必要がある。このため、低温による反応時と比べてモノマー分子運動激しく硬化物配向度が低下しやすい。また、グリシジル基は屈曲鎖としては短いためメソゲンと屈曲鎖の相分離が十分でなくなるため、配向度が低下する要因となりやすい。また、屈曲鎖が長すぎる場合でも、メソゲン骨格の配列を阻害することで配向度が低下する。

0009

上記のような理由によって配向度が低くなると熱伝導率の低下を招いてしまうため、高熱伝導の樹脂組成物を得るためには、低融点かつ適度な長さの屈曲鎖をポリマー鎖中に含む高配向の液晶相が必要である。

0010

本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高配向で高い熱伝導性を得ることが可能な樹脂組成物、樹脂シート、樹脂硬化物および樹脂基板を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明者は上記課題を解決するために、以下に示すように鋭意検討を重ねた。その結果、直鎖状のエポキシ樹脂とメソゲン骨格を含む硬化剤と、を併用した樹脂組成物を見出した。すなわち、本発明は以下の発明に関わる。

0012

[1]:1分子中に2個以上のエポキシ基を含むエポキシ樹脂と、硬化剤とを含む樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂は、下記の式(1)で示す化合物を含み、前記硬化剤は、メソゲン骨格を含む樹脂組成物。



(Xはメチレンエーテル型酸素のどちらか一方、又はその両方からなり、nは2〜8の何れかの整数を示す。)
[2]:前記硬化剤が4,4’−ビフェノールを含む[1]に記載の樹脂組成物。
[3]:前記nは2〜6の何れかの整数を示す、[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4]:前記nは偶数である、[1]〜[3]の何れか一項に記載の樹脂組成物。
[5]:[1]〜[4]に記載の樹脂組成物を含む、樹脂シート。
[6]:[1]または[2]に記載の前記樹脂組成物の硬化反応物であり、下記の式(2)で示す構造を含む、樹脂硬化物。



(Xはメチレン、エーテル型酸素のどちらか一方、又はその両方からなり、nは2〜8の何れかの整数を示す。)
[7]:[3]に記載の前記樹脂組成物の硬化反応物であり、、下記の式(3)で示す構造を含む、樹脂硬化物。



(Xはメチレン、エーテル型酸素のどちらか一方、又はその両方からなり、nは2〜6の何れかの整数を示す。)
[8]:前記nは偶数である、[6]または[7]に記載の樹脂硬化物。
[9]:[6]〜[8]の何れか一項に記載の樹脂硬化物を含む、樹脂基板。

発明の効果

0013

本発明の樹脂組成物はエポキシ樹脂として式(1)に記載の適度な長さを有する屈曲鎖として作用する化合物と、メソゲン骨格を含む硬化剤とを含むため、樹脂硬化物の配向度が向上し、高い熱伝導率が得られる。

図面の簡単な説明

0014

本発明の樹脂組成物を用いた樹脂シートの構成を表す断面図である。
本発明の樹脂組成物を用いた樹脂シートの他の構成を表す断面図である。
本発明の樹脂組成物を用いた樹脂シートのさらに他の構成を表す断面図である。
本発明の樹脂硬化物を用いた樹脂基板の構成を表す断面図である。
本発明の樹脂硬化物を用いた樹脂基板の他の構成を表す断面図である。
本発明の樹脂硬化物を用いた樹脂基板のさらに他の構成を表す断面図である。
本発明の樹脂硬化物を用いた樹脂基板のさらに他の構成を表す断面図である。
図7に示した樹脂基板の製造方法を説明するための断面図である。

0015

以下、本発明について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合がある。したがって、図面に記載の各構成要素の寸法比率などは、実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限り、種々の実施形態に変更可能である。

0016

<1.樹脂組成物>
まず、本発明の一実施形態の樹脂組成物に関して説明する。

0017

樹脂組成物は、後述する樹脂シート、樹脂硬化物および樹脂基板などを製造するために用いられる。ただし、樹脂組成物の用途は、他の用途でも良い。

0018

<1−1.構成>
この樹脂組成物は、エポキシ樹脂として下記の式(1)で表される化合物(以下、直鎖状エポキシ樹脂)と、メソゲン硬化剤とを含むことを特徴とする。
本実施形態における「メソゲン硬化剤」とは、液晶性発現するために必要な「配向性を有するメソゲン骨格を含んだ硬化剤」を意味する。

0019

(Xはメチレン、エーテル型酸素のどちらか一方、又はその両方からなり、nは2〜8の何れかの整数を示す。)

0020

ここで説明する樹脂組成物は、前述したように、樹脂シートなどの中間生成物を製造すると共に、樹脂基板などの最終生成物(樹脂硬化物)を製造するために用いられる。この「中間生成物」とは、後述するように、樹脂組成物の硬化反応架橋反応)が実質的に完了していない状態の物質を意味している。また、「最終生成物」とは、後述するように、樹脂組成物の硬化反応が実質的に完了した状態の物質を意味しており、メソゲン硬化剤に含まれるメソゲン骨格と、硬化反応後のエポキシ樹脂に由来する屈曲鎖(屈曲性を有するアルキル基などの鎖)と、が組み合わされた構造を含んでいる。

0021

ここで、メソゲン骨格とは、ナフタレンおよびアントラセンの様な多環芳香族炭化水素の骨格や、2つ以上の芳香環又は非芳香環を含むと共に剛直性および配向性を有する原子団の総称である。

0022

2つ以上の芳香環又は非芳香環は単結合や非単結合により結合されており、単結合により結合された骨格の例はビフェニルターフェニルなどである。また、結合の種類は単結合だけでも良いし、非単結合だけでも良いし、単結合と非単結合とが混在していても良い。また、非単結合の種類は1種類だけに限定されない。

0023

「非単結合」とは、1又は2種類以上の構成元素を含むと共に1又は2以上の多重結合を含む2価の基の総称である。具体的には、非単結合は、例えば、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)および水素(H)などの構成元素のうちのいずれか1種類又は2種類以上を含んでいる。また、非単結合は、多重結合として、二重結合および三重結合のうちの一方又は双方を含んでいる。

0024

非単結合の具体例は、下記の式(2−1)〜式(2−10)のそれぞれで表される結合などである。なお、式(2−6)および式(2−10)のそれぞれに示した矢印は、配位結合を表している。

0025

0026

これらのメソゲン骨格はアルキル基や、アルコキシ基シアノ基などの置換基を有していても良いが、配向性の観点から、置換基を含まないことが好ましい。また、メソゲン骨格としては分子間スタッキング性の高さから、ビフェニル骨格が好ましい。

0027

メソゲン硬化剤は前述のメソゲン骨格と、エポキシ基との反応基である水酸基又はアミノ基、又はカルボキシル基のいずれか1つ以上を有し、1分子中の活性水素が2価以上である化合物であれば特に限定されない。配向性の観点から、1分子中に含まれる活性水素は4価以下であることが好ましく、分子の長軸方向末端に水酸基二つを有することがより好ましい。

0028

なお、直鎖状エポキシ樹脂とメソゲン硬化剤との混合比は、特に限定されない。ただし、一般的に、エポキシ樹脂と反応基を含む硬化剤とが架橋反応する場合には、1つのエポキシ基と反応基中の1つの活性水素とが反応する。よって、直鎖状エポキシ樹脂とメソゲン硬化剤との反応効率を高くするためには、直鎖状エポキシ樹脂に含まれているエポキシ基の総数と、メソゲン硬化剤に含まれている活性水素の総数とが1:1となるように、混合比を設定することが好ましい。

0029

直鎖状エポキシ樹脂自体は配向性を有していないが、メソゲン硬化剤と反応することによって、反応物配向構造を取るようになり、高熱伝導性を示すようになる。

0030

直鎖状エポキシ樹脂の長さは、メソゲン硬化剤に含まれるメソゲン骨格の種類、具体的には剛直さや長さに応じて最適な値が異なるが、鎖を構成するメチレン及びエーテル型酸素の合計数(式(1)に記載のn)を2〜8の範囲とすることで、いずれのメソゲン骨格を用いても好適な配向度とすることが可能である。なお、鎖を構成するメチレン及びエーテル型酸素の合計数が2未満の場合には、メソゲンと屈曲鎖との相分離が十分でなくなるため配向度が低下する。また、鎖を構成するメチレン及びエーテル型酸素の合計数が8を超える場合は、メソゲン骨格の配列が阻害されてしまうため、同じように配向度が低下する。

0031

尚、前述の通りメソゲン骨格としてはビフェニル骨格を用いたものが分子間スタッキング性の観点から好適であるが、その際に用いる直鎖状エポキシ樹脂としてはメチレン及びエーテル型酸素の合計数を2〜6とするものであることが配向性の観点からより好ましい。

0032

また、直鎖状エポキシ樹脂は、鎖を構成するメチレン及びエーテル型酸素の合計数(式(1)に記載のnの数)を偶数とするとすることが配向度の観点から好適である。これは、構成元素の数が偶数であるとポリマー鎖が密に詰まりやすくなり、樹脂硬化物の配向度が上昇するという偶奇効果に由来している。メチレン及びエーテル型酸素の数が偶数である場合、屈曲鎖として作用する直鎖状エポキシ樹脂の長さも必然的に偶数となるため、偶奇効果から樹脂硬化物の配向度が上昇し、奇数の場合と比べてより高い熱伝導率を得ることができる。

0033

また、直鎖状エポキシ樹脂は、鎖を構成するメチレン及びエーテル型酸素の合計数が8以下であるため、常温液体であり、より低い温度でメソゲン硬化剤との反応を進めることが可能である。よって、高融点のものと比較して樹脂硬化物の配向度を高めやすい。

0034

上より直鎖状エポキシ樹脂としては、二重結合を両末端に有する直鎖アルカジエン過酸化物エポキシ化したものや、水酸基を両末端に有する直鎖2価アルコールのグリシジルエーテルなどが利用可能である。具体的には、1,5−ヘキサジエンジエポキシド、1,7−オクタジエンジエポキシド、1,9−デカジエンジエポキシド、1,11−ドデカジエンジエポキシド、1,2−エタンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。

0035

[他の材料]
この樹脂組成物は、上記した直鎖状エポキシ樹脂、メソゲン硬化剤と一緒に、他の材料のうちのいずれか1種類又は2種類以上を含んでいても良い。

0036

他の材料の種類は、特に限定されないが、例えば、添加剤溶媒難燃剤、無機粒子、他のエポキシ樹脂および硬化剤などである

0037

添加剤は、例えば、硬化触媒およびカップリング剤などである。硬化触媒の具体例は、イミダゾール類や3級アミンなどである。カップリング剤の具体例は、シランカップリング剤およびチタネートカップリング剤などである。

0038

溶媒は、直鎖状エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂と、メソゲン硬化剤を含む硬化剤と、を分散又は溶解させるために用いられる。この溶媒は、有機溶剤などのうちのいずれか1種類又は2種類以上であり、その有機溶剤の具体例は、メチルエチルケトンメチルセロソルブメチルイソブチルケトンジメチルホルムアミドプロピレングリコールモノメチルエーテルトルエンキシレンアセトン、1,3−ジオキソラン、N−メチルピロリドンおよびγ−ブチロラクトンなどである。

0039

他の硬化剤は、メソゲン骨格を含んでいないが、1つ以上の反応基を含んでいる化合物であり、ここで説明する反応基は、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基である。この他の硬化剤の具体例は、フェノール、アミンおよびカルボン酸などである。

0040

なお、効果の観点から、樹脂組成物中に含まれるエポキシ基のうちの半分以上は直鎖状エポキシ樹脂由来であることが好ましい。またメソゲン硬化剤を含む硬化剤の活性水素の数は、直鎖状エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂のエポキシ基の数に対して、50%以上となるように含まれることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。

0041

無機粒子は、粒子状無機材料のうちのいずれか1種類又は2種類以上である。この無機粒子の具体例は、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ケイ素(SiO2)、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si3N4)などである。

0042

<1−2.製造方法>
この樹脂組成物は、例えば、以下の手順により製造される。

0043

直鎖状エポキシ樹脂を含んだエポキシ樹脂とメソゲン硬化剤を含んだ硬化剤を混合する。エポキシ樹脂中に直鎖状エポキシ樹脂以外を含み、含まれるエポキシ樹脂が塊状である場合には混合前にエポキシ樹脂を粉砕しても良い。このように混合前に粉砕しても良いことは硬化剤に関しても同様である。これにより、直鎖状エポキシ樹脂とメソゲン硬化剤とを含む樹脂組成物が得られる。

0044

このようにして得られた樹脂組成物に溶媒を添加して使用しても良い。この場合、上記の直鎖状エポキシ樹脂を含んだエポキシ樹脂とメソゲン硬化剤を含んだ硬化剤の混合物に溶媒を加えた後、ミキサなどの撹拌装置を用いて溶媒を撹拌する。これにより、溶媒中にエポキシ樹脂、硬化剤が分散又は溶解される。

0045

また、樹脂組成物は加熱溶融させて使用しても良く、必要に応じて金型などを用いて樹脂組成物の溶融物を成形し、その溶融物を冷却して用いても良い。

0046

なお、エポキシ樹脂としては、液体である直鎖状エポキシ樹脂の他に、粉体状および塊状などの固体状の化合物を含んでも良い。また、メソゲン硬化剤などの硬化剤としては、粉体状および塊状などの固体状の化合物を用いても良いし、液体状の化合物を用いても良いし、双方を併用しても良い。ただし、反応温度の観点から、融点が低い化合物であることがより好ましい。ここで説明したことは、上記した他の材料に関しても同様である。

0047

<1−3.作用および効果>
この樹脂組成物によれば、式(1)で示したようなエポキシ樹脂と、メソゲン硬化剤とを含んでいる。この場合には、上記したように優れた熱伝導性を有する樹脂硬化物を得ることができる。

0048

<2.樹脂シート>
次に、本発明の一実施形態の樹脂シートに関して説明する。以下では、既に説明した樹脂組成物を「本発明の樹脂組成物」という。

0049

樹脂シートは、本発明の樹脂組成物を含んでいる。この樹脂シートの構成は、本発明の樹脂組成物を含んでいれば、特に限定されない。すなわち、樹脂シートは、樹脂組成物と一緒に他の構成要素を備えていなくても良いし、その樹脂組成物と一緒に他の構成要素を備えていても良い。

0050

<2−1.構成>
図1は、樹脂シート10の断面構成を表している。この樹脂シート10は、シート状に成形された樹脂組成物(樹脂組成物層1)であり、より具体的には、1つの樹脂組成物層1からなる単層体である。樹脂シート10の厚さなどは、特に限定されない。樹脂組成物層1の構成は、シート状に成形されていることを除き、本発明の樹脂組成物の構成と同様である。

0051

図2は、樹脂シート20の断面構成を表している。この樹脂シート20は、複数の樹脂組成物層1が積層された積層体である。樹脂シート20において、樹脂組成物層1が積層される数(積層数)は、2層以上であれば、特に限定されない。図2では、例えば、樹脂組成物層1の積層数が3層である場合を示している。なお、樹脂シート20において、各樹脂組成物層1の構成は、特に限定されない。すなわち、各樹脂組成物層1における樹脂組成物の構成は、同じでも良いし、異なっても良い。もちろん、複数の樹脂組成物層1のうち、一部の樹脂組成物層1における樹脂組成物の構成が同じでも良い。

0052

図3は、樹脂シート30の断面構成を表している。この樹脂シート30は、シート状に成形された樹脂組成物(樹脂組成物層1)と一緒に芯材2を備えており、例えば、2つの樹脂組成物層1により芯材2が挟まれた3層構造を有している。

0053

芯材2は、例えば、繊維状物質および非繊維状物質などのうちのいずれか1種類又は2種類以上を含んでおり、シート状に成形されている。繊維状物質は、例えば、ガラス繊維炭素繊維金属繊維天然繊維および合成繊維などであり、シート状に成形された繊維状物質は、例えば、織布および不織布などである。合成繊維の具体例は、ポリエステル繊維およびポリアミド繊維などである。非繊維状物質は、例えば、高分子化合物などであり、シート状に成形された非繊維状物質は、例えば、高分子フィルムなどである。高分子化合物の具体例は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などである。

0054

なお、樹脂シート30に用いられる樹脂組成物層1は、1層だけでも良いし、2層以上でも良い。このように1層でも2層以上でも良いことは、芯材2に関しても同様である。

0055

また、樹脂シート30は、2つの樹脂組成物層1により芯材2が挟まれた3層構造に限らず、樹脂組成物層1と芯材2とが積層された2層構造を有していても良い。なお、2つ以上の樹脂シート30が積層されていても良い。

0056

<2−2.製造方法>
樹脂シート10を製造する場合には、例えば、本発明の樹脂組成物の製造方法と同様の手順を用いる。

0057

具体的には、シート状となるように樹脂組成物を成形して、樹脂組成物層1を形成する。この場合には、樹脂組成物の溶融物を成形しても良い。溶融物を成形する場合には、まず、樹脂組成物を加熱して、その樹脂組成物を溶融させる。続いて、樹脂組成物の溶融物を成形したのち、その成形物を冷却する。

0058

溶媒を添加した樹脂組成物を用いる場合には、高分子フィルムなどの支持体の表面に樹脂組成物を塗布したのち、溶媒を揮発させる。これにより、支持体の表面において樹脂組成物がシート状に成形される。すなわち、支持体の表面において樹脂組成物が膜化する。よって、樹脂組成物層1が形成される。こののち、支持体から樹脂組成物層1を剥離する。

0059

樹脂シート20を製造する場合には、上記した樹脂組成物層1の形成手順を繰り返して、複数の樹脂組成物層1を積層させる。この場合には、複数の樹脂組成物層1が積層された積層体を形成したのち、必要に応じて加熱しながら、積層体を加圧しても良い。これにより、樹脂組成物層1同士が密着する。

0060

3層構造を有する樹脂シート30を製造する場合には、例えば、溶媒を添加した樹脂組成物を芯材2の両面に塗布したのち、溶媒を揮発させる。これにより、芯材2を挟むように2つの樹脂組成物層1が形成される。この塗布工程では、芯材2が繊維状物質を含んでいる場合には、その樹脂組成物により芯材2の表面が被覆されると共に、樹脂組成物の一部が芯材2の内部に含浸する。又は、芯材2が非繊維状物質を含んでいる場合には、その液体状の樹脂組成物により芯材2の表面が被覆される。

0061

もちろん、2層構造を有する樹脂シート30を製造する場合には、樹脂組成物を芯材2の片面だけに塗布すれば良い。

0062

なお、樹脂シート30を製造する場合には、例えば、樹脂組成物を加熱して、その樹脂組成物を溶融させたのち、その溶融物中に芯材2を浸漬させても良い。この場合には、溶融物中から芯材2を取り出したのち、その芯材2を冷却する。これにより、芯材2の両面に樹脂組成物層1が形成される。

0063

ここで、樹脂シート10〜30を製造するために溶媒を添加した樹脂組成物を用いる場合には、上記したように、溶媒揮発工程において液体状の樹脂組成物が膜化(固体化)する。ただし、ここで説明する「膜化(固体化)」とは、流動性を有する状態の物質が自立可能な状態に変化することを意味しており、いわゆる半硬化状態も含む。すなわち、液体状の樹脂組成物が膜化する場合には、硬化反応が実質的に完了していないため、その樹脂組成物が実質的に未硬化の状態にある。このため、溶媒を添加した樹脂組成物を膜化させる際の溶媒揮発条件は、硬化反応を実質的に完了させない条件であることが好ましい。具体的には、乾燥温度は50℃〜100℃であると共に乾燥時間は1分間〜120分間であることが好ましく、乾燥温度は50℃〜80℃であると共に乾燥時間は3分間〜90分間であることがより好ましい。

0064

このように硬化反応を実質的に完了させない条件が好ましいことは、樹脂シート10〜30を製造するために固体状の樹脂組成物の溶融物を用いる場合に関しても同様である。すなわち、樹脂組成物を溶融させる際の加熱条件加熱温度および加熱時間)は、硬化反応を実質的に完了させない条件であることが好ましい。

0065

<2−3.作用および効果>
この樹脂シートによれば、上記した本発明の樹脂組成物を含んでいるので、その樹脂組成物と同様の理由により、優れた熱伝導率を得ることができる。これ以外の作用および効果は、本発明の樹脂組成物と同様である。

0066

<3.樹脂硬化物>
次に、本発明の一実施形態の樹脂硬化物に関して説明する。

0067

<3−1.構成>
樹脂硬化物は、上記した樹脂組成物の硬化反応物を含んでおり、より具体的には、直鎖状エポキシ樹脂とメソゲン硬化剤との硬化反応物を含んでいる。つまり、下記の式(2)で示されるような繰り返し構造を有する高分子鎖を含んでいることを特徴とする。



(Xはメチレン、エーテル型酸素のどちらか一方、又はその両方からなり、nは2〜8の何れかの整数を示す。)

0068

前述の通り、メソゲン骨格にはビフェニル骨格を用いることで特に高い熱伝導率が得られるため、下記の式(3)で示されるような繰り返し構造を有する高分子鎖を含んでいることがより好ましい。



(Xはメチレン、エーテル型酸素のどちらか一方、又はその両方からなり、nは2〜6の何れかの整数を示す。)

0069

<3−2.製造方法>
この樹脂硬化物を製造する場合には、樹脂組成物を加熱する。これにより、樹脂組成物が硬化反応を起こすため、硬化反応物である樹脂硬化物が得られる。

0070

加熱温度および加熱時間などの加熱条件は、特に限定されないが、上記した樹脂シートの製造方法とは異なり、硬化反応を実質的に進行させる条件であることが好ましい。

0071

<3−3.作用および効果>
この樹脂硬化物によれば、上記した本発明の樹脂組成物の硬化反応物を含んでいるので、その樹脂組成物と同様の理由により、優れた熱的特性を得ることができる。これ以外の作用および効果は、本発明の樹脂組成物と同様である。

0072

<4.樹脂基板>
次に、本発明の一実施形態の樹脂基板に関して説明する。以下では、既に説明した樹脂シートを「本発明の樹脂シート」、樹脂硬化物を「本発明の樹脂硬化物」とそれぞれ呼称する。

0073

樹脂基板は、上記した樹脂硬化物の適用例の1つであり、ここで説明する樹脂基板は、例えば、本発明の樹脂シートの硬化反応物である。この樹脂基板の構成は、1又は2以上の樹脂シートの硬化反応物を含んでいれば、特に限定されない。

0074

<4−1.構成>
図4は、樹脂基板40の断面構成を表している。この樹脂基板40は、図1に示した樹脂シート10の硬化反応物である。すなわち、樹脂基板40は、樹脂組成物層1の硬化反応物(樹脂硬化物層3)であり、より具体的には、1つの樹脂硬化物層3からなる単層体である。

0075

図5は、樹脂基板50の断面構成を表している。この樹脂基板50は、図2に示した樹脂シート20の硬化反応物であり、より具体的には、複数の樹脂組成物層1の硬化反応物(樹脂硬化物層3)が積層された積層体である。樹脂硬化物層3が積層される数(積層数)は、2層以上であれば、特に限定されない。図5では、例えば、樹脂硬化物層3の積層数が3層である場合を示している。

0076

図6は、樹脂基板60の断面構成を表している。この樹脂基板60は、図3に示した樹脂シート30の硬化反応物であり、より具体的には、2つの樹脂硬化物層3により1つの芯材2が挟まれた3層構造を有している。

0077

図7は、樹脂基板70の断面構成を表している。この樹脂基板70では、2つ以上の樹脂シート30の硬化反応物が積層されている。ここでは、例えば、3つの樹脂シート30の硬化反応物が積層されている。すなわち、2つの樹脂硬化物層3により1つの芯材2が挟まれた3層構造が形成されており、その3層構造が3段重ねられている。

0078

なお、上記した3層構造が重ねられる数(段数)は、3段に限らず、2段でも良いし、4段以上でも良い。この段数は、樹脂基板70の厚さおよび強度などの条件に基づいて適宜設定可能である。

0079

ここでは図示していないが、樹脂基板70は、金属層を備えていても良い。この金属層は、例えば、最上層の樹脂硬化物層3の表面に設けられると共に、最下層の樹脂硬化物層3の表面に設けられる。

0080

金属層は、例えば、銅、ニッケルおよびアルミニウムなどのうちのいずれか1種類又は2種類以上を含んでいる。また、金属層は、例えば、金属箔および金属板などのうちのいずれか1種類又は2種類以上を含んでおり、単層でも良いし、多層でも良い。金属層の厚さは、特に限定されないが、例えば、3μm〜150μmである。この金属層を備えた樹脂基板70は、いわゆる金属張り基板である。

0081

なお、金属層は、最上層の樹脂硬化物層3の表面だけに設けられても良いし、最下層の樹脂硬化物層3の表面だけに設けられても良い。

0082

この金属層を備えた樹脂基板70には、必要に応じて、エッチング処理および穴開け処理などの各種処理のうちのいずれか1種類又は2種類以上が施されていても良い。この場合には、樹脂基板70と、上記した各種処理が施された金属層と、樹脂シート10〜30のうちのいずれか1種類又は2種類以上とを重ねることで、多層基板としても良い。

0083

このように、金属層を設けてもよいこと、または多層基板としても良いことは、樹脂基板70に限らず上記した樹脂基板40〜60に関しても同様である。

0084

<4−2.製造方法>
樹脂基板40を製造する場合には、樹脂シート10を加熱する。これにより、上記したように、樹脂組成物層1中において樹脂組成物の硬化反応が実質的に完了するため、図4に示したように、樹脂組成物層1の硬化反応物である樹脂硬化物層3が形成される。

0085

樹脂基板50を製造する場合には、樹脂シート20を加熱する。これにより、上記したように、各樹脂組成物層1中において樹脂組成物の硬化反応が実質的に完了するため、図5に示したように、複数の樹脂組成物層1の硬化反応物である複数の樹脂硬化物層3が形成される。

0086

樹脂基板60を製造する場合には、樹脂シート30を加熱する。これにより、上記したように、各樹脂組成物層1中において樹脂組成物の硬化反応が実質的に完了するため、図6に示したように、芯材2の両面に樹脂組成物層1の硬化反応物である樹脂硬化物層3が形成される。

0087

図8は、樹脂基板70の製造方法を説明するために、図7に対応する断面構成を表している。この樹脂基板70を製造する場合には、まず、図8に示したように、3つの樹脂シート30を積層させる。これにより、3つの樹脂シート30の積層体が得られる。こののち、積層体を加熱する。これにより、各樹脂シート30では、各樹脂組成物層1中において樹脂組成物の硬化反応が実質的に完了するため、図7に示したように、各芯材2の両面に、樹脂組成物層1の硬化反応物である樹脂硬化物層3が形成される。

0088

ここで、樹脂シート10〜30を製造するために樹脂組成物の溶融物を用いる場合には、上記したように、樹脂組成物の溶融時において硬化反応が実質的に完了することを回避する。このため、樹脂組成物の硬化反応が実質的に完了する温度よりも、溶融物を得るために樹脂組成物を加熱する温度を低くすることが好ましい。言い替えれば、樹脂組成物の溶融温度は、その樹脂組成物の硬化反応が実質的に完了する温度よりも低いことが好ましい。

0089

<4−3.作用および効果>
この樹脂基板によれば、本発明の樹脂硬化物を含んでいるので、その樹脂硬化物と同様の理由により、優れた熱的特性を得ることができる。これ以外の作用および効果は、本発明の樹脂硬化物と同様である。

0090

本発明の実施例に関して、詳細に説明する。

0091

(実施例1〜12、比較例1〜4)
以下で説明する手順により樹脂組成物を製造し、得られた樹脂組成物を加熱することで樹脂硬化物を作製した。

0092

まず、エポキシ樹脂と、硬化剤と、添加剤(硬化触媒)とを混合した。この場合には、エポキシ樹脂に含まれているエポキシ基の数と、硬化剤に含まれている活性水素の数との比が1:1になるように、エポキシ樹脂と硬化剤との混合比を調整して樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物は110℃のホットプレート上で約20分間加熱撹拌を行った後、110℃の乾燥機中で12時間加熱を行い硬化させた。

0093

エポキシ樹脂、硬化剤の種類および混合物中の含有量(質量部)は、表1に示した通りである。エポキシ樹脂として、1,5−ヘキサジエンジエポキシド(東京化成工業株式会社製)、1,7−オクタジエンジエポキシド(東京化成工業株式会社製)、1,2−エチレングリコールジグリシジルエーテル和光純薬工業株式会社製)、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(東京化成工業株式会社製)、ビフェニル型エポキシ樹脂(YL6121H:三菱化学株式会社製)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(840−S:三菱化学株式会社製)を用いた。硬化剤としては、4,4’−ビフェノール(東京化成工業株式会社製)、4,4’−ジヒドロキシアゾベンゼン(東京化成工業株式会社製)、4,4’−ジヒドロキシフェニルベンゾエート(Ark Pharm,Inc.製)を用いた。また、無機粒子は酸化アルミニウム(CB−P10;昭和電工株式会社製)を用いた。硬化触媒はN,N−ジメチル−m−アニシジン(東京化成工業株式会社製)を用いると共に、その添加量は、エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基の合計に対して0.5mol%とした。

0094

硬化物の熱伝導率は、熱拡散率比熱と密度とを掛け合わせて算出した。
熱拡散率の測定には、キセノンフラッシュ熱拡散率測定装置TD−1HTV(アドバンス理工株式会社製)を用いた。比熱(25℃)は、MDSCQ2000(TA Instrumental製)を用いて求めた。密度は、アルキメデス法により求めた。熱伝導率の測定結果を表1に示す。

0095

0096

直鎖状エポキシ樹脂とメソゲン硬化剤を用いることで、0.37W/m・K以上という高い熱伝導率を示す硬化物が得られた。

0097

また、硬化剤に4,4−ビフェノールを用いた場合(実施例1〜4)は特に高い熱伝導率示す硬化物が得られた。

0098

メソゲン骨格を含むものの直鎖状でないエポキシ樹脂とメソゲン硬化剤とを用いた場合(比較例1)は熱伝導率0.28W/m・K以下という低い値となった。また、直鎖状エポキシ樹脂とメソゲン骨格を含まない硬化剤とを組み合わせた場合(比較例2)および、メソゲン骨格を含まず直鎖状でもないエポキシ樹脂とメソゲン硬化剤を組み合わせた場合(比較例3)も熱伝導率は0.25W/m・K以下と低かった。

0099

無機粒子として酸化アルミニウムを50vol%入れた場合の熱伝導率は、1,7−オクタジエンジエポキシドと4,4’−ビフェノールの組合わせでは3.03W/m・K、YL6121Hと4,4’−ビフェノールの組合わせ(比較例4)では2.01W/m・Kとなった。樹脂の熱伝導率を高めることで、コンポジットとしてもより高い熱伝導率が得られた。

0100

表1に示した結果から、適度な長さを有した屈曲鎖である直鎖状エポキシ樹脂と、メソゲン硬化剤と、を組み合わせて用いることで高い熱伝導率を有するエポキシ樹脂硬化物を得られた。

0101

(実施例13)
図5で示した樹脂基板50は実施例2と同様の条件で樹脂組成物を作製した後、溶媒(メチルエチルケトン)を添加し、その溶媒を撹拌した。これにより、溶媒中においてエポキシ樹脂、硬化剤が溶解されたため、液体状の樹脂組成物が得られた。この場合には、固形分(硬化剤)の濃度を65質量%とした。

0102

続いて、支持体(PETフィルム,厚さ=0.05mm)の表面に液体状の樹脂組成物を塗布したのち、その液体状の樹脂組成物を乾燥(温度=80℃)した。これにより、支持体の表面に樹脂組成物層1が形成されたため、図1に示した単層体である樹脂シート10(厚さ=0.1mm)が得られた。こののち、支持体から樹脂シート10を剥離した。

0103

続いて、10枚の樹脂シート10を重ねて、図2に示した積層体である樹脂シート20(樹脂組成物層1の積層数=10層)を作製した。最後に、平板プレス機を用いて積層体を加熱(温度=110℃)および加圧(圧力=1MPa,時間=20分間)したのち、さらに積層体を加熱(温度=130℃)および加圧(圧力=4MPa,時間=1時間)した。この加熱工程では、各樹脂組成物層1中において樹脂組成物の反応が実質的に完了したため、その樹脂組成物の硬化反応物を含む樹脂硬化物層3が形成された。これにより、樹脂基板50(樹脂硬化物層3の積層数=10層,厚さ=0.9mm)が完成した。

0104

作製した樹脂基板は熱伝導率が0.49W/m・Kであり、高い熱伝導率を有する樹脂基板が得られた。

0105

(実施例14)
実施例12と同様の条件で樹脂組成物を作製した後、実施例13と同様にして樹脂基板を作製した。但し、この時の固形分(硬化剤、無機粒子)の濃度は80質量%とした。

0106

作製した酸化アルミニウム含有樹脂基板は熱伝導率が2.89W/m・Kであり、高い熱伝導率を有する樹脂基板が得られた。

実施例

0107

以上、実施形態および実施例を挙げながら本発明を説明したが、本発明は実施形態および実施例において説明した態様に限定されず、種々の変形が可能である。

0108

1…樹脂組成物層、2…芯材、3…樹脂硬化物層、10,20,30…樹脂シート、40,50,60,70…樹脂基板。

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