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図面 (8)

課題

核酸の部位特異的送達のための構成物および方法を提供する。

解決手段

核酸、エンドソーム分解性成分、および標的リガンドを含む、モジュラー構成物。

概要

背景

RNA干渉または「RNAi」とは、ある特定の二本鎖RNAdsRNA)を蠕虫に導入すると、遺伝子発現を阻止することができるという観察を説明するために、Fireおよび共同研究者らによって最初に作り出された用語である(非特許文献1)。短い二本鎖干渉RNA(dsiRNA)は、脊椎動物を含む多くの生物における遺伝子特異的な転写サイレンシングを導き、遺伝子機能を研究するための新しいツールを提供している。RNAiは、mRNA分解に関与し得る。

この分野の研究は、生きている哺乳動物へのdsiRNAの送達のための比較的煩雑な方法を特徴とする。例えば、非特許文献2は、マウスにおけるルシフェラーゼレポーター遺伝子発現阻害するためのdsiRNAの使用を実証した。dsiRNAは、流体力学的な尾静脈注射の方法によって投与された(加えて、阻害は、2mg/kgを超えるdsiRNAの注射に依存すると思われた)。

概要

核酸の部位特異的送達のための構成物および方法を提供する。核酸、エンドソーム分解性成分、および標的リガンドを含む、モジュラー構成物。なし

目的

本発明者らは、とりわけ、幾つかの報告された研究に特有の扱いにくい方法が、哺乳動物に有効量のdsiRNAを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

核酸と、少なくとも1つのエンドソーム分解性成分と、少なくとも1つの標的リガンドとを含み、下記式を有するモジュラー構成物:式中、は、核酸であり、Eは、エンドソーム分解性成分であり、Lは、標的リガンドであり、xは存在ごとに独立して、0または1を表し、yは存在ごとに独立して、1、2、3、4、5、または6を表し、zは存在ごとに独立して、0、1、2、3、4、5、または6を表し、Aは、から成る群より選択される連結部分であり、式中、Z1は存在ごとに独立して、OまたはSを表し、Z2は存在ごとに独立して、−OH、−OM、−Oアルキル、−Oアリール、−Oアラルキル、−SH、−SM、−サルキル、−サリール、−アラルキル、−N(R3)R4、−C(R11)2)mN(R11)2、−N(R11)(C(R11)2)mN(R11)2、またはアルキルを表し、R3およびR4は独立して、Hもしくはアルキルを表すか、またはR3およびR4は一緒になって、3、4、5、6、もしくは7員環を形成し、R11は存在ごとに独立して、水素またはアルキルを表し、Mは存在ごとに独立して、+1の総電荷を有するアルカリ金属または遷移金属を表し、R8は存在ごとに独立して、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、シリル、核酸への結合、または、B10と組み合わされる場合には連結部分間の結合を表し、B10は、Aと核酸との間の結合、または、R8と組み合わされる場合には連結部分間の結合を表し、A'は、式:−[(P−Q−R)q−X−(P'−Q'−R')q']q"−T−を有する直接結合またはテザーであり、式中、P、R、T、P'、およびR'はそれぞれ独立して、存在しないか、CO、NH、O、S、OC(O)、NHC(O)、CH2、CH2NH、CH2O;NHCH(Ra)C(O)、−C(O)−CH(Ra)−NH−、C(O)−(置換されたまたは未置換のアルキル)−NH−、CH=N−O、シクリルヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、R50およびR51は独立して、アルキル、置換アルキルであるか、またはR50およびR51が一緒になって環式環を形成し、QおよびQ'はそれぞれ存在ごとに独立して、存在しないか、−(CH2)n−、−C(R40)(R41)(CH2)n−、−(CH2)nC(R40)(R41)−、−(CH2CH2O)mCH2CH2−、−(CH2CH2O)mCH2CH2NH−、アリール、ヘテロアリール、シクリル、またはヘテロシクリルであり、Xは、存在しないか、または開裂可能な連結基であり、Raは、Hまたはアミノ酸側鎖であり、R40およびR41はそれぞれ独立して、H、CH3、OH、SH、またはN(RX)2であり、RXは、存在ごとに、H、メチルエチルプロピルイソプロピルブチル、またはベンジルであり、q、q'、およびq”はそれぞれ独立して、0〜30であり、nは、存在ごとに、1〜20の整数であり、mは、存在ごとに、0〜50の整数であり、EおよびLがそれぞれ、少なくとも1つは存在することを条件とする。

関連出願の相互参照

0001

本願は、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる、2008年4月11日出願の米国仮特許出願第61/044,186号に対する優先権の利益を主張する。

技術分野

0002

本発明は、核酸標的リガンドおよびエンドソーム分解性成分と組み合わせることによる、核酸の部位特異的送達のための構成物および方法に関する。

背景技術

0003

RNA干渉または「RNAi」とは、ある特定の二本鎖RNAdsRNA)を蠕虫に導入すると、遺伝子発現を阻止することができるという観察を説明するために、Fireおよび共同研究者らによって最初に作り出された用語である(非特許文献1)。短い二本鎖干渉RNA(dsiRNA)は、脊椎動物を含む多くの生物における遺伝子特異的な転写サイレンシングを導き、遺伝子機能を研究するための新しいツールを提供している。RNAiは、mRNA分解に関与し得る。

0004

この分野の研究は、生きている哺乳動物へのdsiRNAの送達のための比較的煩雑な方法を特徴とする。例えば、非特許文献2は、マウスにおけるルシフェラーゼレポーター遺伝子発現阻害するためのdsiRNAの使用を実証した。dsiRNAは、流体力学的な尾静脈注射の方法によって投与された(加えて、阻害は、2mg/kgを超えるdsiRNAの注射に依存すると思われた)。

先行技術

0005

Fire et al.(1998)Nature 391,806−811
McCaffrey et al.Nature 418:38−39,2002

発明が解決しようとする課題

0006

本発明者らは、とりわけ、幾つかの報告された研究に特有の扱いにくい方法が、哺乳動物に有効量のdsiRNAを提供するのに必要ではなく、特に、ヒト対象治療量のdsiRNAを提供するのに必要ではないことを発見した。本発明の利点は、実用的で簡単な投与方法および治療への応用を含む。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、iRNA剤(例えばiRNA剤もしくはsiRNA剤)または他の核酸の送達のための構成物および方法に関する。いくつかの実施形態では、本発明のモジュラー構成物および方法に使用され得る核酸としては、iRNA、siRNA、一本鎖iRNA、antagomir、アプタマーアンチセンス核酸デコイオリゴヌクレオチドマイクロRNA(miRNA)、miRNA模倣体、antimir、活性化RNA(RNAa)、リボザイム、supermir、U1アダプター等が挙げられる。これらの核酸の誘導体もまた使用され得る。

0008

したがって、一態様では、本発明は、核酸(例えばiRNA剤またはsiRNA剤)、エンドソーム分解性成分、および標的リガンドを含む、モジュラー構成物を特徴とする。

0009

エンドソーム分解性成分は、pH依存性膜活性および融合性を示す、ポリアニオン性ペプチドまたはペプチド模倣薬であってもよい。ある実施形態では、エンドソーム分解性成分は、エンドソームpHにおいてその活性立体配座を採る。「活性」立体配座は、エンドソーム分解性成分が、エンドソームの溶解、および/またはエンドソームから細胞細胞質への本発明のモジュラー構成物もしくはその成分の輸送を促進する立体配座である。

0010

また、エンドソームpH(例えばpH5〜6)対中性pHにおけるそれらの異なる膜活性に対して、化合物ライブラリスクリーニングするための方法を提供する。ある実施形態では、これらの方法は、溶血アッセイを利用してもよい。この方法によって単離される有望な候補は、本発明のモジュラー構成物の成分として有用であり得る。

0011

標的リガンドは、例えば、本発明のモジュラー構成物の薬物動態生体内分布、または細胞取り込みを変化させる、任意の部分であってもよい。例示的な標的リガンドとしては、例えば、血中タンパク質への結合に影響を及ぼすもの、および特定の器官組織、または細胞の種類を標的とするものが挙げられる。標的化は、能動的または受動的であってもよい。能動的標的化は、例えば、標的リガンドとして、細胞表面抗原のための抗体または結合パートナーを使用することによって、達成されてもよい。受動的標的化は、例えば、生体内分布に影響を及ぼすように、本発明のモジュラー構成物の物理化学的特性(例えば分子量)を変化させることによって、達成され得る。受動的標的化の一例は、強化された透過性および滞留性EPR)効果である。

0012

本発明のエンドソーム分解性成分および標的リガンドは、多くの異なる方法で核酸に連結されてもよく、それらの方法は、詳細な説明においてさらに詳細に説明される。ある実施形態では、エンドソーム分解性成分または標的リガンドを本発明のモジュラー構成物の別の成分に共有結合させるために、リンカーが使用されてもよい。このリンカーの性質(例えば開裂可能、または開裂不可能)は、用途に依存する。

0013

ある実施形態では、iRNA剤または他の核酸を、それを必要とする対象に送達するために、例えば、疾患、例えば本明細書に記載する疾患を有する対象に、iRNA剤を送達するために、モジュラー構成物が使用されてもよい。

0014

ある実施形態では、モジュラー構成物は、典型的にエンドソームの内側に見られるものを上回るpH(例えばpH6.5を上回る、pH6.8を上回る、pH7.0を上回る、pH7.5を上回る、pH8.0を上回る、またはそれ以上)で保持、維持、または保存され得る。

0015

別の態様では、本発明は、細胞にiRNA剤または他の核酸を送達する方法を含む。この方法は、(a)本発明のモジュラー構成物を提供または取得し、(b)細胞をモジュラー構成物と接触させ、(c)細胞がモジュラー構成物を取り込むことを可能にする、各工程を有してなる。

0016

この方法は、例えば、iRNA剤または他の核酸を必要としていると特定される対象を治療するために、インビトロエクスビボ、またはインビボで実施することができる。上記の薬剤を必要としている対象は、遺伝子(複数を含む)、例えば、疾患に関連する遺伝子の発現が下方制御またはサイレンシングされる必要がある対象、例えば、ヒトである。

0017

ある実施形態では、モジュラー構成物は、例えば、エンドサイトーシスによって、細胞によってエンドソームに取り込まれ得る。そのような実施形態では、モジュラー構成物は、エンドソームを分裂させ、例えば、モジュラー構成物またはその成分のいずれか(例えばiRNA剤)の細胞の細胞質への放出をもたらすことができる。

0018

一態様では、本発明は、1つ以上の遺伝子の発現を阻害するための方法を提供する。その方法は、1つ以上の細胞を本発明の有効量のオリゴヌクレオチドと接触させることを含み、その有効量は、1つ以上の遺伝子の発現を抑制する量である。その方法は、インビトロ、エクスビボ、またはインビボで実施することができる。

0019

別の態様では、本発明は、キットを特徴とする。キットは、(a)エンドソーム分解性成分、(b)標的リガンド、ならびに(c)iRNA剤または他の核酸をエンドソーム分解性成分および標的リガンドに付着させるための説明書を含んでもよい。いくつかの実施形態では、キットは、iRNA剤または他の核酸を含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、キットは、インビトロ、エクスビボ、またはインビボ投与のための説明書と共に、本発明のモジュラー構成物を含んでもよい。

0020

本発明の方法および構成物、例えば、本明細書に記載するモジュラー構成物は、本明細書に記載するiRNA剤または核酸のいずれとも一緒に使用することができる。本発明の方法および構成物はまた、当該技術分野で既知のiRNA剤または核酸のいずれとも一緒に使用されてもよい。加えて、本発明の方法および構成物は、本明細書に記載するいずれの疾病または疾患の治療のためにも、および任意の対象、例えば、任意の動物、任意のヒト等の任意の哺乳動物の治療のために使用することができる。当業者はまた、本発明の方法および構成物が、遺伝子(複数を含む)の下方制御またはサイレンシングから利益を得るであろう、任意の疾病の治療のために使用されてもよいことを認識するであろう。

0021

本発明の方法および構成物、例えば、本明細書に記載するモジュラー構成物は、本明細書に記載するいかなる投与量および/もしくは剤形、または当該技術分野で既知のいかなる投与量もしくは剤形でも使用することができる。本明細書に記載する投与経路に加えて、当業者はまた、他の投与経路が本発明のモジュラー構成物を投与するために使用されてもよいことを理解するであろう。

0022

本明細書で使用する「RNA剤」は、非修飾RNA、修飾RNA、またはヌクレオシド代替物であり、それらの全ては本明細書に定義されており、RNA剤と題する本明細書の項を参照されたい。多数の修飾RNAおよびヌクレオシド代替物が本明細書に記載されるが、例としては、ヌクレアーゼ分解に対して非修飾RNAよりも大きい耐性を有するものが挙げられる。さらなる例としては、2’糖修飾、一本鎖突出部における修飾、例えば、3'一本鎖突出部、または特に一本鎖の場合、1つ以上のリン酸基またはリン酸基の1つ以上の類似体を含む5'修飾を有するものが挙げられる。

0023

本明細書で使用する「iRNA剤」は、例えば、内在性または病原体標的RNA等、標的遺伝子の発現を下方制御することができるRNA剤、または標的遺伝子の発現を下方制御することができるRNA剤に開裂することができるRNA剤である。理論によって束縛されることを望まないが、iRNA剤は、当該技術分野で時にRNAiと称される標的mRNAの転写後開裂、または転写前もしくは翻訳前機構を含む、多くの機構のうちの1つ以上によって作用し得る。iRNA剤は、一本鎖を含むことができるか、または2つ以上の鎖を含むことができ、例えば、それは、二本鎖iRNA剤であってもよい。iRNA剤が一本鎖である場合、それは、1つ以上のリン酸基、またはリン酸基の1つ以上の類似体を含む、5'修飾を含んでもよい。

0024

一態様では、本発明のモジュラー構成物は、標的遺伝子の発現を調整することができる。「調整する」とは、遺伝子の発現、または1つ以上のタンパク質またはタンパク質サブユニットをコードするRNA分子もしくはRNA分子の相当物のレベル、または1つ以上のタンパク質もしくはタンパク質サブユニットの活性が上方制御または下方制御されて、発現、レベル、または活性がモジュレータ非存在下で観察されるものよりも大きくなる、または小さくなることを意味する。例えば、「調整する」という用語は、「阻害する」を意味し得るが、「調整する」という用語の使用は、この定義に限定されない。

0025

本発明の1つ以上の実施形態の詳細を、添付の図面および以下の詳細な説明において述べる。本発明の他の特徴、目的、および利点は、本明細書および特許請求の範囲から明らかとなろう。当業者は、本発明のさらなる実施形態が存在することを容易に認識するであろう。本願は、全ての引用された参考文献、特許、および特許出願を、その全体を参照することにより本明細書に組み込む。

図面の簡単な説明

0026

核酸(例えばiRNA)、標的リガンド、およびエンドソーム分解性成分を含む、いくつかの例示的なモジュラー構成物の略図。A)核酸上の同一末端側への標的リガンドおよびエンドソーム分解性成分の共役(同一鎖および末端)、B)同一鎖であるが反対側の末端への標的リガンドおよびエンドソーム分解性成分の共役、C)反対側の鎖であるが同一末端への標的リガンドおよびエンドソーム分解性成分の共役、D)反対側の鎖および反対側の末端への標的リガンドおよびエンドソーム分解性成分の共役。本実施形態では、コレステロールが標的リガンドとして使用される。標的リガンドはまた、図2に概略的に示すように、エンドソーム分解性成分に共役されてもよい。
核酸(例えばiRNA)は、標的リガンドがエンドソーム分解性成分に共有結合される場所で共役する(核酸−エンドソーム分解性成分−標的リガンド)。核酸−標的リガンド−エンドソーム分解性成分の配列もまた考えられる。
pH感受性リンカーによって、標的リガンドおよびエンドソーム分解剤をオリゴヌクレオチドに共役させるためのいくつかの例示的な戦略
オリゴヌクレオチドに共役された、標的リガンド(葉酸)およびエンドソーム分解剤(スペルミン)の略図。
エンドソーム分解剤および標的リガンドをオリゴヌクレオチドと共役させるためのいくつかの例示的な合成モノマーで。
GalNAc2を標的リガンドとして使用する、異なるエンドソーム分解剤を有する、例示的なモジュラー構成物。
GalNAc2およびGalNAc3化学構造
ビオチン化GalNAc2およびGalNAc3。

0027

一態様では、本発明は、核酸、少なくとも1つのエンドソーム分解性成分、および少なくとも1つの標的リガンドを含む、モジュラー構成物を特徴とする。エンドソーム分解性成分はまた、本明細書においてエンドソーム分解性リガンドおよびエンドソーム分解剤とも称される。

0028

モジュラー構成物は、式:



を有し得、式中、

は、核酸であり、Eは、エンドソーム分解性成分であり、Lは、標的リガンドであり、xは存在ごとに独立して、0または1を表し、yは存在ごとに独立して、1、2、3、4、5、または6を表し、zは存在ごとに独立して、0、1、2、3、4、5、または6を表す。モジュラー構成物中、EおよびLはそれぞれ、少なくとも1つは存在する。

0029

好ましいモジュラー構成物は、式:



を有するモジュラー構成物、

0030

式:



を有するモジュラー構成物であって、式中、zは独立して、1、2、3、4、5、または6である、モジュラー構成物、および

0031

式:



を有するモジュラー構成物であって、式中、zは、一例において、1、2、3、4、5、または6であり、zは、他の例において、0、1、2、3、4、5、または6である、モジュラー構成物を含む。

0032

A部分は、連結部分である。エンドソーム分解性成分および/または標的リガンドを核酸に付着させるために、当該技術分野で既知の任意の部分が使用されてもよい。好ましくは、Aは、



から成る群より選択される、連結部分であり、式中、
Z1は存在ごとに独立して、OまたはSを表し、
Z2は存在ごとに独立して、−OH、−OM、−Oアルキル、−Oアリール、−Oアラルキル、−SH、−SM、−サルキル、−サリール、−アラルキル、−N(R3)R4、−C(R11)2)mN(R11)2、−N(R11)(C(R11)2)mN(R11)2、またはアルキルを表し、
R3およびR4は独立して、Hもしくはアルキルを表すか、またはR3およびR4は一緒になって、3、4、5、6、もしくは7員環を形成し、
R11は存在ごとに独立して、水素またはアルキルを表し、
Mは存在ごとに独立して、+1の総電荷を有するアルカリ金属または遷移金属を表し、
R8は存在ごとに独立して、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、シリル、核酸への結合、または、B10と組み合わされる場合には連結部分間の結合を表し、
B10は、Aと核酸との結合、または、R8と組み合わされる場合には連結部分間の結合を表す。

0033

Aは、2つ以上であり得るため、連結部分は相互に結合され、次いで、エンドソーム分解性成分および/または標的リガンドに結合されてもよい。好ましい実施形態では、少なくとも2つのA連結部分が一緒に結合され、次いで、核酸に結合される。エンドソーム分解性成分および標的リガンドの両方は、同一連結部分を介して一緒に結合されてもよく、またはエンドソーム分解性成分が一方の連結部分に、標的リガンドが他方の連結部分に結合されてもよい。

0034

連結部分は、連結部分とエンドソーム分解性成分および/または標的リガンドとの間にテザー(A')を含有してもよい。したがって、A'は、式:−[(P−Q−R)q−X−(P'−Q'−R')q']q"−T−を有する直接結合またはテザーであり、式中、
P、R、T、P'、およびR'はそれぞれ独立して、存在しないか、CO、NH、O、S、OC(O)、NHC(O)、CH2、CH2NH、CH2O、NHCH(Ra)C(O)、−C(O)−CH(Ra)−NH−、C(O)−(随意的に置換されたアルキル)−NH−、CH=N−O、



シクリルヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、R50およびR51は独立して、アルキル、置換アルキルであるか、またはR50およびR51は一緒になって、環式環を形成し、
QおよびQ'はそれぞれ存在ごとに独立して、存在しないか、−(CH2)n−、−C(R40)(R41)(CH2)n−、−(CH2)nC(R40)(R41)−、−(CH2CH2O)mCH2CH2−、−(CH2CH2O)mCH2CH2NH−、アリール、ヘテロアリール、シクリル、またはヘテロシクリルであり、
Xは、存在しないか、または開裂可能な連結基であり、
Raは、Hまたはアミノ酸側鎖であり、
R40およびR41はそれぞれ独立して、H、CH3、OH、SH、またはN(RX)2であり、
RXは、存在ごとに、H、メチルエチルプロピルイソプロピルブチル、またはベンジルであり、
q、q'、およびq”はそれぞれ独立して、0〜30であり、
nは、存在ごとに、1〜20の整数であり、
mは、存在ごとに、0〜50の整数である。

0035

好ましい実施形態では、テザーは、レドックス開裂可能な連結基、pH感受性成分、またはそれらの組み合わせを含有する。好ましいテザーは、アルキルジラジカルヘテロアルキルジラジカル、アルケニルジラジカル、アルキニルジラジカル、アルキルアルキニルジラジカル、アミノアルキルジラジカル、チオエーテル、−C(O)−、−S(O)−、−S(O)2−、−C(R)2−、または式:



を有するテザーを含み、式中、mは存在ごとに独立して、1、2、3、4、5、6、7、または8を表し、m1は存在ごとに独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、または8を表し、pは存在ごとに独立して、1、2、3、または4を表し、Rは存在ごとに独立して、水素またはアルキルを表す。

0036

より好ましいテザーは、



を含む。

0037

本発明のエンドソーム分解性成分は、細胞内コンパートメント放出成分であり、エンドソーム、リソソーム小胞体ER)、ゴルジ装置微小管ペルオキシソーム、または他の細胞を伴う小胞体等、当該技術分野で既知の細胞内コンパートメントのいずれかからの放出が可能な任意の化合物であってもよい。

0038

エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドは、核酸中のどこにでも位置することができる。例示的な位置は、5'末端、3'末端および/または内部非末端位置である。「末端」という用語は、オリゴヌクレオチドの末端からの最初の5つのヌクレオチドを含む。したがって、末端からの最初の5つのヌクレオチドは、末端内にあると考えられる。

0039

例えば、5'末端は、核酸の一方または両方の鎖上にエンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドの両方を含有してもよく、3'末端は、核酸の一方または両方の鎖上にエンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドの両方を含有してもよく、エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドの両方は、核酸上の内部非末端位置に存在してもよく、または上記の任意の組み合わせでもよい。エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドは、相互を介して、および/または連結部分を介して付着されてもよい。モジュラー構成物は少なくとも1つのエンドソーム分解性成分および標的リガンドを含有するが、それは、6つ以上のエンドソーム分解性成分および6つ以上の標的リガンドを含有することができる。異なる数のエンドソーム分解性成分および標的リガンドが、構成物の所望の機能性に応じて、モジュラー構成物上に存在してもよい。

0040

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドの両方は、オリゴヌクレオチドの同一末端上にある。

0041

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドの両方は、オリゴヌクレオチドの5'末端上にある。

0042

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドの両方は、オリゴヌクレオチドの3'末端上にある。

0043

エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドの両方が同一末端上にある場合、それらのうちの1つは、連結されてもよい。

0044

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドは、オリゴヌクレオチドの反対側の末端上にある。

0045

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドは、オリゴヌクレオチドの5'末端上にあり、標的リガンドは、オリゴヌクレオチドの3'末端上にある。

0046

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドは、オリゴヌクレオチドの3'末端上にあり、標的リガンドは、オリゴヌクレオチドの5'末端上にある。

0047

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドのうちの1つが末端上にある一方で、他方は、オリゴヌクレオチドの内部非末端部分に位置する。

0048

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドは、末端上にあり、標的リガンドは、内部位置に位置する。

0049

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドは、5'末端上にあり、標的リガンドは、内部位置に位置する。

0050

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドは、3'末端上にあり、標的リガンドは、内部位置に位置する。

0051

いくつかの実施形態では、標的リガンドは、末端上にあり、エンドソーム分解性リガンドは、内部位置に位置する。

0052

いくつかの実施形態では、標的リガンドは、5'末端上にあり、エンドソーム分解性リガンドは、内部位置に位置する。

0053

いくつかの実施形態では、標的リガンドは、3'末端上にあり、エンドソーム分解性リガンドは、内部位置に位置する。

0054

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドの両方は、内部非末端位置に位置する。

0055

オリゴヌクレオチドが二本鎖オリゴヌクレオチドである場合、エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドの両方は、同一鎖上または異なる鎖上に位置してもよい。

0056

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドの両方は、同一鎖上にある。

0057

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドの両方は、センス鎖上にある。

0058

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドの両方は、アンチセンス鎖上にある。

0059

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドは、異なる鎖上に位置する。

0060

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドがセンス鎖上にある一方で、標的リガンドは、アンチセンス鎖上にある。

0061

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドがセンス鎖上にある一方で、標的リガンドは、アンチセンス鎖上にある。

0062

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドは、二本鎖オリゴヌクレオチドの異なる鎖上であるが、同一末端上にある。

0063

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドは、二本鎖オリゴヌクレオチドの異なる鎖上および反対側の末端上にある。

0064

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドは、異なる鎖上にあり、それらのうちの1つは、二本鎖オリゴヌクレオチドの末端上にあり、他方は、内部非末端位置に位置する。

0065

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドおよび/または標的リガンドは、介在テザー/リンカーを介して、オリゴヌクレオチドに付着される。いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドおよび/または標的リガンドは、オリゴヌクレオチドへの共役前にモノマーに連結される。エンドソーム分解性リガンドおよび/または標的リガンドは、直接またはリンカーを介してモノマーに連結され得る。エンドソーム分解性リガンドおよび/または標的リガンドは、上記のモノマーが成長鎖に組み込まれる場合、モノマー上に存在し得る。いくつかの実施形態では、リガンドは、「前駆体」モノマーが成長鎖に組み込まれた後に、上記の「前駆体」モノマーへのカップリングを介して組み込まれてもよい。例えば、アミノ終端テザー(すなわち、関連リガンドを有しない)、例えば、X−(CH2)nNH2を有するモノマーは、成長オリゴヌクレオチド鎖に組み込まれてもよい。後続の作業において、すなわち、前駆体モノマーの鎖への組み込み後に、求電子基、例えば、ペンタフルオロフェニルエステルまたはアルデヒド基を有するリガンドは、続いて、リガンドの求電子基を前駆体モノマーのテザーの末端求核基とカップリングすることによって、前駆体モノマーに付着することができる。

0066

別の例では、例えば、アジドまたはアルキン終端テザー/リンカー等、クリック化学反応に関与するのに好適な化学基を有するモノマーが組み込まれてもよい。後続の作業において、すなわち、前駆体モノマーの鎖への組み込み後に、相補化学基、例えば、アルキンまたはアジドを有するリガンドは、アルキンおよびアジドを一緒にカップリングすることによって、前駆体モノマーに付着することができる。

0067

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解剤および/または標的リガンドは、直接またはリンカーを介して、核酸塩基、糖部分、または核酸分子インターヌクレオシド連結に共役することができる。プリン核酸塩基またはその誘導体への共役は、環内および環外原子を含む、任意の位置で生じることができる。いくつかの実施形態では、プリン核酸塩基の2、6、7、または8位置が、共役部分に付着される。ピリミジン核酸塩基またはその誘導体への共役もまた、任意の位置で生じることができる。いくつかの実施形態では、ピリミジン核酸塩基の2、5、および6位置は、共役部分で置換することができる。ヌクレオシドの糖部分への共役は、任意の炭素原子で生じることができる。共役部分に付着することができる糖部分の例示的な炭素原子は、2'、3'、4'、および5'炭素原子を含む。1'位置もまた、脱塩基残基中等、共役部分に付着することができる。インターヌクレオシド連結はまた、共役部分を有することができる。リン含有連結(例えばホスホジエステルホスホロチオエートホスホジチオアート、ホスホロアデート等)に対して、共役部分は、リン原子に直接、またはリン原子に結合されるO、N、もしくはS原子に付着することができる。アミンまたはアミド含有インターヌクレオシド連結(例えばPNA)に対して、共役部分は、アミンもしくアミドの窒素原子、または隣接する炭素原子に付着することができる。

0068

オリゴマー化合物共役体を調製するための多くの方法がある。概して、オリゴマー化合物は、オリゴマー化合物上の反応基(例えばOH、SH、アミン、カルボキシルアルデヒド等)を共役部分上の反応基と接触させることによって、共役部分に付着される。いくつかの実施形態では、1つの反応基は、求電子性であり、他方は、求核性である。

0069

例えば、求電子基は、カルボニル含有官能性であってもよく、求核基は、アミンまたはチオールであってもよい。連結基を伴う、および伴わない核酸および関連オリゴマー化合物の共役の方法は、例えば、Manoharan in Antisense Research and Applications,Crooke and LeBleu,eds.,CRCPress,Boca Raton,Fla.,1993,Chapter 17等の文献に詳細に記載されており、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。

0070

いくつかの実施形態では、1つのエンドソーム分解性リガンドおよび2つ以上の標的リガンドが、オリゴヌクレオチド中に存在する。

0071

いくつかの実施形態では、1つの標的リガンドおよび2つ以上の標的リガンドが、オリゴヌクレオチド中に存在する。

0072

いくつかの実施形態では、2つ以上のエンドソーム分解性リガンドおよび2つ以上の標的リガンドが存在する。

0073

オリゴヌクレオチドが二本鎖オリゴヌクレオチドであり、かつ複数のエンドソーム分解性リガンドおよび/または標的リガンドが存在する場合、そのような複数のエンドソーム分解性リガンドおよび/または標的リガンドは全て、二本鎖オリゴヌクレオチドの一方の鎖または両方の鎖に存在してもよい。

0074

複数のエンドソーム分解性リガンドおよび/または標的リガンドが存在する場合、それらは全て、同一であってもよく、または異なってもよい。

0075

いくつかの実施形態では、リガンド、例えば、エンドソーム分解性リガンドおよび/または標的リガンドは、次いで成長オリゴヌクレオチド鎖に組み込まれるモノマーに連結される。そのようなモノマーは、本明細書において担体モノマーとも称される。

0076

いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、式(I)



の少なくとも1つの担体モノマーを含み、式中、
AおよびBは存在ごとに独立して、水素、保護基、随意的に置換された脂肪族化合物、随意的に置換されたアリール、随意的に置換されたヘテロアリール、ポリエチレングリコール(PEG)、リン酸二リン酸三リン酸ホスホネートホスホノチオアート、ホスホノジチオアート、ホスホロチオエート、ホスホロチオレート、ホスホロジチオエート、ホスホロチオロチオナート、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、活性化リン酸基、活性化亜リン酸基ホスホラミダイト固体支持体、−P(Z1)(Z2)−、または−P(Z1)(Z2)−であり、
Z1およびZ2はそれぞれ存在ごとに独立して、O、S、N(アルキル)、または随意的に置換されたアルキルであり、
J1およびJ2は独立して、O、S、NRN、随意的に置換されたアルキル、OC(O)NH、NHC(O)O、C(O)NH、NHC(O)、OC(O)、C(O)O、OC(O)O、NHC(O)NH、NHC(S)NH、OC(S)NH、OP(N(RP)2)O、またはOP(N(RP)2)であり、

は、環式基または非環式基であり、
L1は、−L2または−L2−リンカー−L3であり、
L2およびL3はそれぞれ独立して、エンドソーム分解剤または標的リガンドであり、
pは、1〜3である。

0077

いくつかの実施形態では、pは1である。

0078

いくつかの実施形態では、担体モノマーは環式であり、

は、ピロリジニルピラゾニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニルピペラジニル、[1,3]ジオキソランオキサゾリジニルイソキサゾリジニル、モルホリニルチアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キノキサリニルピリダジノニル、テトラヒドロフリル、およびデカリンから選択される。

0079

いくつかの実施形態では、担体モノマーは、非環式であり、

は、セリノール骨格またはジエタノールアミン骨格から選択される。

0080

ある実施形態では、L1は、−L2である。

0081

いくつかの実施形態では、担体モノマーは、式(II)



に示されるようなピロリン環系に基づいており、式中、Eは、存在しないか、またはC(O)、C(O)O、C(O)NH、C(S)、C(S)NH、SO、SO2、もしくはSO2NHであり、
R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、およびR18はそれぞれ存在ごとに独立して、H、−CH2ORa、またはORbであり、
RaおよびRbはそれぞれ存在ごとに独立して、水素、ヒドロキシル保護基、随意的に置換されたアルキル、随意的に置換されたアリール、随意的に置換されたシクロアルキル、随意的に置換されたアラルキル、随意的に置換されたアルケニル、随意的に置換されたヘテロアリール、ポリエチレングリコール(PEG)、リン酸、二リン酸、三リン酸、ホスホネート、ホスホノチオアート、ホスホノジチオアート、ホスホロチオエート、ホスホロチオレート、ホスホロジチオエート、ホスホロチオロチオナート、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、活性化リン酸基、活性化亜リン酸基、ホスホラミダイト、固体支持体、−P(Z1)(Z2)−、または−P(Z1)(O−リンカー−RL)−であり、
R30は存在ごとに独立して、−リンカー−RLであり、
RLは、水素、−L2、または−L2−リンカー−L3であり、
L2およびL3はそれぞれ独立して、エンドソーム分解剤または標的リガンドであり、
Z1およびZ2はそれぞれ存在ごとに独立して、O、S、N(アルキル)、または随意的に置換されたアルキルであり、
ただし、RLの少なくとも1つは、−L2または−L2−リンカー−L3である。

0082

いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、式(II)の少なくとも1つのモノマーを含む。

0083

ある実施形態では、RLは、−L2である。

0084

ピロリン系モノマーに対して、R11は、−CH2ORaであり、R13は、ORbである。またはR11は、−CH2ORaであり、R9は、ORbである。またはR11は、−CH2ORaであり、R17は、ORbである。またはR13は、−CH2ORaであり、R11は、ORbである。またはR13は、−CH2ORaであり、R15は、ORbである。またはR13は、−CH2ORaであり、R17は、ORbである。ある実施形態では、CH2ORaおよびORbは、ジェミナル置換されてもよい。4−ヒドロキシプロリン系モノマーに対して、R11は、−CH2ORaであり、R17は、ORbである。したがって、ピロリン系および4−ヒドロキシプロリン系化合物は、結合回転がその特定の連結の周囲に制限される(例えば環の存在に起因する制限)、連結(例えば炭素−炭素結合)を含有し得る。したがって、CH2ORaおよびORbは、上記に説明されるいずれの対においても、相互に対してシスまたはトランスとなり得る。したがって、全てのシス/トランス異性体が明示的に含まれる。化合物はまた、1つ以上の不斉中心を含有し、それによって、ラセミ化合物およびラセミ混合物、単一光異性体、個々のジアステレオマーおよびジアステレオマー混合物として生じてもよい。全てのそのような異性体の化合物が明示的に含まれる(例えばCH2ORaおよびORbを有する中心の両方がR配置を有するか、もしくは両方がS配置を有するか、または一方の中心がR配置を有し、他方の中心がS配置を有することができ、逆もまた同様である)。

0085

いくつかの実施形態では、R11は、CH2ORaであり、R15は、ORbである。

0086

いくつかの実施形態では、Rbは、固体支持体である。

0087

一実施形態では、式(II)の担体は、ホスホラミダイトであり、すなわち、RaまたはRbのうちの1つは、−P(O−アルキル)N(アルキル)2、例えば、−P(OCH2CH2CN)N(i−プロピル)2である。一実施形態では、Rbは、−P(O−アルキル)N(アルキル)2である。

0088

いくつかの実施形態では、担体モノマーは、式(III)に示されるようなリボース環系に基づく。



式中、
Xは、O、S、NRN、またはCRP2であり、
Bは存在ごとに独立して、水素、随意的に置換された天然または非天然核酸塩基、−リンカー−RLと共役される随意的に置換された天然核酸塩基、または−リンカー−RLと共役される随意的に置換された非天然核酸塩基であり、
R1、R2、R3、R4、およびR5はそれぞれ存在ごとに独立して、H、OR6、F、N(RN)2、または−J−リンカー−RLであり、
Jは、存在しないか、O、S、NRN、OC(O)NH、NHC(O)O、C(O)NH、NHC(O)、NHSO、NHSO2、NHSO2NH、OC(O)、C(O)O、OC(O)O、NHC(O)NH、NHC(S)NH、OC(S)NH、OP(N(RP)2)O、またはOP(N(RP)2)であり、
R6は存在ごとに独立して、水素、ヒドロキシル保護基、随意的に置換されたアルキル、随意的に置換されたアリール、随意的に置換されたシクロアルキル、随意的に置換されたアラルキル、随意的に置換されたアルケニル、随意的に置換されたヘテロアリール、ポリエチレングリコール(PEG)、リン酸、二リン酸、三リン酸、ホスホネート、ホスホノチオアート、ホスホノジチオアート、ホスホロチオエート、ホスホロチオレート、ホスホロジチオエート、ホスホロチオロチオナート、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、活性化リン酸基、活性化亜リン酸基、ホスホラミダイト、固体支持体、−P(Z1)(Z2)−、または−P(Z1)(O−リンカー−RL)−であり、
RNは存在ごとに独立して、H、随意的に置換されたアルキル、随意的に置換されたアルケニル、随意的に置換されたアルキニル、随意的に置換されたアリール、随意的に置換されたシクロアルキル、随意的に置換されたアラルキル、随意的に置換されたヘテロアリール、またはアミノ保護基であり、
RPは存在ごとに独立して、H、随意的に置換されたアルキル、随意的に置換されたアルケニル、随意的に置換されたアルキニル、随意的に置換されたアリール、随意的に置換されたシクロアルキル、または随意的に置換されたヘテロアリールであり、
RLは、水素、−L2、または−L2−リンカー−L3であり、
L2およびL3はそれぞれ独立して、エンドソーム分解剤または標的リガンドであり、
Z1およびZ2はそれぞれ存在ごとに独立して、O、S、N(アルキル)、または随意的に置換されたアルキルであり、
ただし、RLは、少なくとも1つ存在し、さらに、RLの少なくとも1つは、−L2または−L2−リンカー−L3である。

0089

いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、式(III)の少なくとも1つのモノマーを含む。

0090

ある実施形態では、RLは、−L2である。

0091

いくつかの実施形態では、担体モノマーは、非環式基に基づいており、「非環式担体」と呼ばれる。好ましい非環式担体は、以下の式(IV)または式(V)に示される構造を有することができる。

0092

いくつかの実施形態では、非環式担体は、式(IV)に示される構造を有する。



式中、
Wは、存在しないか、O、S、およびN(RN)であり、RNは存在ごとに独立して、H、随意的に置換されたアルキル、随意的に置換されたアルケニル、随意的に置換されたアルキニル、随意的に置換されたアリール、随意的に置換されたシクロアルキル、随意的に置換されたアラルキル、随意的に置換されたヘテロアリール、またはアミノ保護基であり、
Eは、存在しないか、またはC(O)、C(O)O、C(O)NH、C(S)、C(S)NH、SO、SO2、もしくはSO2NHであり、
RaおよびRbはそれぞれ存在ごとに独立して、水素、ヒドロキシル保護基、随意的に置換されたアルキル、随意的に置換されたアリール、随意的に置換されたシクロアルキル、随意的に置換されたアラルキル、随意的に置換されたアルケニル、随意的に置換されたヘテロアリール,ポリエチレングリコール(PEG)、リン酸、二リン酸、三リン酸、ホスホネート、ホスホノチオアート、ホスホノジチオアート、ホスホロチオエート、ホスホロチオレート、ホスホロジチオエート、ホスホロチオロチオナート、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、活性化リン酸基、活性化亜リン酸基、ホスホラミダイト、固体支持体、−P(Z1)(Z2)−、または−P(Z1)(O−リンカー−RL)−であり、
R30は存在ごとに独立して、−リンカー−RLであり、
RLは、水素、−L2または−L2−リンカー−L3であり、
L2およびL3はそれぞれ独立して、エンドソーム分解剤または標的リガンドであり、
Z1およびZ2はそれぞれ存在ごとに独立して、O、S、N(アルキル)、または随意的に置換されたアルキルであり、
r、s、およびtはそれぞれ存在ごとに独立して、0、1、2、または3であり、
ただし、RLの少なくとも1つは、−L2または−L2−リンカー−L3である。

0093

rおよびsが異なる場合、第3炭素は、RまたはS配置のいずれかであることができる。好ましい実施形態では、xおよびyは、1であり、zは、ゼロである(例えば担体は、セリノールに基づく)。非環式担体は、例えば、ヒドロキシアルコキシパーハロアルキルで随意的に置換することができる。

0094

一実施形態では、オリゴヌクレオチドは、式(IV)の少なくとも1つのモノマーを含む。

0095

ある実施形態では、RLは、−L2である。

0096

いくつかの実施形態では、非環式担体は、式(V)



に示される構造を有し、式中、Eは、存在しないか、またはC(O)、C(O)O、C(O)NH、C(S)、C(S)NH、SO、SO2、もしくはSO2NHであり、
RaおよびRbはそれぞれ存在ごとに独立して、水素、ヒドロキシル保護基、随意的に置換されたアルキル、随意的に置換されたアリール、随意的に置換されたシクロアルキル、随意的に置換されたアラルキル、随意的に置換されたアルケニル、随意的に置換されたヘテロアリール、ポリエチレングリコール(PEG)、リン酸、二リン酸、三リン酸、ホスホネート、ホスホノチオアート、ホスホノジチオアート、ホスホロチオエート、ホスホロチオレート、ホスホロジチオエート、ホスホロチオロチオナート、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、活性化リン酸基、活性化亜リン酸基、ホスホラミダイト、固体支持体、−P(Z1)(Z2)−、または−P(Z1)(O−リンカー−RL)−であり、
R30は存在ごとに独立して、−リンカー−RLであり、
RLは、水素、−L2、または−L2−リンカー−L3であり、
L2およびL3はそれぞれ独立して、エンドソーム分解剤または標的リガンドであり、
Z1およびZ2はそれぞれ存在ごとに独立して、O、S、N(アルキル)、または随意的に置換されたアルキルであり、
rおよびsはそれぞれ存在ごとに独立して、0、1、2、または3であり、
ただし、RLの少なくとも1つは、−L2または−L2−リンカー−L3である。

0097

いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、式(V)の少なくとも1つのモノマーを含む。

0098

ある実施形態では、RLは、−L2である。

0099

いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、式(I)〜式(V)から選択される、少なくとも2つの異なるモノマーを含む。

0100

干渉RNA
二本鎖干渉RNA(dsiRNA)は、RNA干渉(RNAi)として既知のプロセスによって、mRNAの配列特異的サイレンシングを導く。このプロセスは、哺乳動物および他の脊椎動物を含む、幅広い種類の生物において生じる。

0101

dsiRNAの21〜23ntの断片は、例えば、RNA分解を引き起こすことによる、RNAサイレンシングの配列特異的メディエータであることが証明されている。理論によって束縛されることを望まないが、単にこれらの21〜23ntの断片中に存在する断片の特定の長さであり得る分子シグナルが、RNAiを媒介する細胞因子動員する可能性がある。これらの21〜23ntの断片および他のiRNA剤を調製および投与するための方法、ならびに特に活性化遺伝子機能におけるそれらの使用方法を本明細書に記載する。iRNA剤(または同一もしくは同様の性質の組み換え的に産生された、もしくは化学的に合成されたオリゴヌクレオチド)の使用は、哺乳類細胞におけるサイレンシングのための特異的mRNAの標的化を可能にする。加えて、例えば以下に記載するような、より長いdsiRNA剤の断片もまた使用することができる。

0102

哺乳類細胞において、長いdsiRNAは、しばしば有害であるインターフェロン応答を誘発し得るが、siRNAは、少なくとも細胞および宿主に有害である程度まで、インターフェロン応答を引き起こすことはない。特に、siRNA剤中のiRNA剤鎖の長さは、例えば、有害なインターフェロン応答の誘発を回避するのに十分短い、31、30、28、25、または23nt未満であり得る。したがって、siRNA剤構成物(例えば本明細書に記載されるように製剤化される)の哺乳類細胞への投与は、インターフェロン応答を回避しながら標的遺伝子の発現をサイレンシングするために使用することができる。さらに、個別の種のiRNA剤の使用は、例えば、対立遺伝子に対してヘテロ接合性の対象において、標的遺伝子の1つの対立遺伝子を選択的に標的化するために使用することができる。

0103

さらに、一実施形態では、哺乳類細胞は、例えば、dsiRNA活性化タンパク質キナーゼPKR等、インターフェロン応答の成分を破壊するiRNA剤で治療される。そのような細胞は、標的RNAに相補的な配列を含み、かつそうでなければインターフェロン応答を引き起こし得る長さを有する、第2のiRNA剤で治療されてもよい。

0104

典型的な実施形態では、対象は、ウシウマ、マウス、ラットイヌブタヤギ、または霊長類等の哺乳動物である。対象は、乳用哺乳動物(例えばウシもしくはヤギ)、または他の家畜動物(例えばニワトリシチメンチョウヒツジ、ブタ、魚類エビ)であってもよい。ある実施形態では、対象は、ヒト、例えば、正常な個人、または疾病もしくは疾患を有する、有すると診断される、または有すると予測される個人である。

0105

さらに、iRNA剤媒介サイレンシングは、iRNA剤構成物を投与した後数日間持続するため、多くの場合、1日1回よりも少ない頻度で、場合によっては、治療計画全体に対して1回のみ、構成物を投与することが可能である。例えば、いくつかの癌細胞の治療は、単回ボーラス投与によって媒介され得る一方で、慢性ウイルス感染症は、例えば、1週間に1回または1ヵ月に1回等、通常の投与を必要とし得る。

0106

対象にiRNA剤を投与するために使用され得る、多くの例示的な送達経路を記載する。加えて、iRNA剤は、本明細書に記載するいかなる例示的な方法に従っても製剤化することができる。

0107

本発明は、核酸(例えばiRNAまたはsiRNA)の送達のためのモジュラー構成物および方法に関する。本発明の一態様は、エンドソーム分解性成分、標的リガンド、および核酸(例えばiRNAまたはsiRNA剤)を含む、モジュラー構成物に関する。

0108

説明を簡単にするために、本願における特定の製剤、構成物、および方法は、主に非修飾核酸またはiRNAに関して考察される。しかしながら、これらの製剤、構成物、および方法は、修飾核酸で実施することができ、そのような実施が本発明の範囲内であることを理解されたい。

0109

エンドソーム分解性成分
容易に二分子層膜を通過することができない高分子薬物および親水性薬物分子に対して、細胞のエンドソーム/リソソームコンパートメントへの封入は、それらの作用部位への効果的な送達に対する最大の障害であると考えられる。近年、この問題に対処するために、多くの方法および戦略が考案されてきた。リポソーム製剤に関しては、製剤中の融合性脂質の使用が最も一般的な方法である(Singh,R.S.,Goncalves,C.et al.(2004).On the Gene Delivery Efficacies of pH−Sensitive Cationic Lipidsvia Endosomal Protonation.A Chemical Biology Investigation.Chem.Biol.11,713−723)。プロトン化および/またはpHによって誘発された立体配座の変化によって、pH感受性エンドソーム分解性活性を示す他の成分は、荷電ポリマーおよびペプチドを含む。例えば、Hoffman,A.S.,Stayton,P.S.et al.(2002).Design of “smart” polymers that can direct intracellular drug delivery.Polymers Adv.Technol.13,992−999、Kakudo,Chaki,T.,S.et al.(2004).Transferrin−Modified Liposomes Equipped with a pH−Sensitive Fusogenic Peptide:An Artificial Viral−like Delivery System.Biochemistry 436,5618−5628、Yessine,M.A. and Leroux,J.C.(2004).Membrane−destabilizing polyanions:interaction with lipid bilayers and endosomal escape of biomacromolecules.Adv.Drug Deliv.Rev.56,999−1021、Oliveira,S.,van Rooy,I.et al.(2007).Fusogenic peptides enhance endosomal escape improving siRNA−induced silencing of oncogenes.Int.J.Pharm.331,211−4を参照されたい。それらは、概して、リポソームまたはリポプレックス等、薬物送達システムとの関連で使用されている。リポソーム製剤を使用する葉酸受容体媒介送達に対して、例えば、pH感受性融合ペプチドがリポソームに組み込まれ、取り込みプロセス中の薬物の排出を改善することによって、活性を強化することが示されている(Turk,M.J.,Reddy,J.A.et al.(2002).Characterization of a novel pH−sensitive peptide that enhances drug release from folate−targeted liposomes at endosomal pHs.Biochim.Biophys.Acta 1559,56−68)。

0110

ある実施形態では、本発明のエンドソーム分解性成分は、pH依存性膜活性および/または融合性を示す、ポリアニオン性ペプチドまたはペプチド模倣薬であってもよい。ペプチド模倣薬は、ペプチドを模倣するように設計される、小タンパク質様鎖であってもよい。ペプチド模倣薬は、分子の特性を変化させるための既存のペプチドの修飾、または非天然アミノ酸もしくはそれらの類似体を使用した、ペプチド様分子の合成から生じ得る。ある実施形態では、それらは、ペプチドと比較して改善された安定性および/または生物活性を有する。ある実施形態では、エンドソーム分解性成分は、エンドソームpH(例えばpH5〜6)においてその活性立体配座を採る。「活性」立体配座は、エンドソーム分解性成分が、エンドソームの溶解、および/またはエンドソームから細胞の細胞質への本発明のモジュラー構成物もしくはその構成成分のいずれか(例えば核酸)の輸送を促進する、立体配座である。

0111

化合物ライブラリは、溶血アッセイを使用して、中性pHに対してエンドソームpHにおけるそれらの異なる膜活性に対して、スクリーニングされてもよい。本方法によって単離される有望な候補を、本発明のモジュラー構成物の構成成分として使用することができる。本発明の構成物および方法で使用するためのエンドソーム分解性成分を同定するための方法は、化合物ライブラリを提供することと、血球ライブラリメンバーと接触させ、接触が生じる媒体のpHは制御されること、化合物が、中性pH(例えば約pH7〜8)に対して低pH(例えば約pH5〜6)において、血球の異なる溶解を誘発するかどうかを判定することとを含み得る。

0112

例示的なエンドソーム分解性成分としては、GALAペプチド(Subbarao et al.,Biochemistry,1987、26:2964−2972)、EALAペプチド(Vogel et al.,J.Am.Chem.Soc.,1996、118:1581−1586)、およびそれらの誘導体(Turk et al.,Biochem.Biophys.Acta,2002、1559:56−68)が挙げられる。ある実施形態では、エンドソーム分解性成分は、pHの変化に反応した電荷の変化またはプロトン化を受ける化学基(例えばアミノ酸)を含有してもよい。エンドソーム分解性成分は、直鎖または分岐鎖であってもよい。エンドソーム分解性成分の例示的な一次配列としては、H2N−(AALEALAEALEALAEALEALAEAAAAGGC)−CO2H、H2N−(AALAEALAEALAEALAEALAEALAAAAGGC)−CO2H、およびH2N−(ALEALAEALEALAEA)−CONH2が挙げられる。

0113

エンドソーム分解性成分のさらなる例としては、表1のものが挙げられる。

0114

0115

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドは、イミダゾールポリまたはオリゴイミダゾール、直鎖または分岐鎖ポリエチレンイミン(PEI)、直鎖および分岐鎖ポリアミン、例えば、スペルミン、カチオン性直鎖および分岐鎖ポリアミン、ポリカルボン酸塩ポリカチオンマスク化オリゴまたはポリカチオンまたはアニオンアセタールポリアセタールケタールポリケタールオルトエステル、マスク化または非マスク化カチオンまたはアニオン電荷を有する直鎖または分岐鎖ポリマー、マスク化または非マスク化カチオンまたはアニオン電荷を有するデンドリマー、pH感受性ペプチド、天然または合成融合性脂質、天然または合成カチオン性脂質を含むことができる。

0116

エンドソーム分解性活性を有する好ましい合成ポリマーは、以下の米国特許出願公開第2009/0048410号、同第2009/0023890号、同第2008/0287630号、同第2008/0287628号、同第2008/0281044号、同第2008/0281041号、同第2008/0269450号、同第2007/0105804号、同第20070036865号、および同第2004/0198687号の各明細書に記載され、それらの内容は、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。

0117

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解剤の膜活性官能基は、上記のエンドソーム分解剤がオリゴヌクレオチドと共役される時にマスクされる。オリゴヌクレオチドがエンドソームに達する時、膜活性官能基は、脱マスクされ、薬剤は活性化する。脱マスキングは、エンドソームの外側よりもエンドソーム内に見られる条件下でより容易に実行され得る。例えば、膜活性官能基は、エンドソーム内で開裂を受ける開裂可能なリンカーを介して分子でマスクすることができる。理論によって束縛されることを望まないが、エンドソーム内に入ると、そのような連結は開裂され、マスキング剤がエンドソーム分解剤から放出されることが想定される。

0118

いくつかの実施形態では、マスキング剤は、開裂によって、マスキング剤とエンドソーム分解剤の活性官能基との間の連結を開裂することができる官能基を放出する、開裂可能なリンカーを有する。一例は、アミド型連結を介してエンドソーム分解剤に連結され、かつS−S結合を有する、マスキング剤である。エンドソーム内に入ると、S−S結合は開裂し、遊離チオールを放出することができ、次いで、遊離チオールは、分子間あるいは分子内で、マスキング剤とエンドソーム分解剤との間のアミド連結を開裂することができる。米国特許出願公開第2008/0281041号明細書は、本発明に適したいくつかのマスク化エンドソーム分解性ポリマーを記載する。

0119

膜活性を有する脂質もまた、エンドソーム分解剤として本発明に適している。そのような脂質はまた、融合性脂質としても記載される。これらの融合性脂質は、膜と融合し、その結果として膜を不安定化すると考えられる。融合性脂質は通常、小さい頭部基および不飽和アシル鎖を有する。例示的な融合性脂質としては、1,2−ジオレオイル−sn−3−ホスホエタノールアミンDOPE)、ホスファチジルエタノールアミンPOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、(6Z,9Z,28Z,31Z)−ヘプタトリアコンタ−6,9,28,31−テトラエン−19−オル(Di−Lin)、N−メチル(2,2−ジ((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メタンアミン(DLin−k−DMA)、およびN−メチル−2−(2,2−ジ((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)エタンアミン(XTC)が挙げられる。

0120

ヒスチジンに富んだペプチドH5WYGは、アミノ酸の5がヒスチジン残基で置き換えられた、インフルエンザウイルス血球凝集素HA−2サブユニットN末端配列の誘導体である。H5WYGは、ヒスチジン残基がプロトン化されると、弱酸性pHで膜を選択的に不安定化することができる。

0121

いくつかの実施形態では、エンドソーム分解性リガンドは、細胞透過剤であり、好ましくは、へリックス細胞透過剤である。好ましくは、その薬剤は、両親媒性である。へリックス薬剤は、好ましくは、αヘリックス薬剤であり、好ましくは、αヘリックス薬剤は、親油性および疎油性相を有する。細胞透過剤は、例えば、細胞透過性ペプチドカチオン性ペプチド、例えば、主にTyr、Trp、およびPheから成る、両親媒性ペプチドもしくは疎水性ペプチド、デンドリマーペプチド、拘束ペプチド、または架橋されたペプチドであってもよい。いくつかの実施形態では、細胞透過性ペプチドは、疎水性膜輸送配列MTS)を含むことができる。例示的な疎水性MTS含有ペプチドは、アミノ酸配列AAVALLPAVLLALLAPを有する、RFGFである。疎水性MTSを含有するRFGF類似体(例えばアミノ酸配列AALLPVLLAAP)はまた、標的リガンドであってもよい。細胞透過性ペプチドは、細胞膜にわたってペプチド、オリゴヌクレオチド、およびタンパク質を含む大きい極性分子運ぶことができる、「送達」ペプチドであってもよい。いくつかの例示的な細胞透過性ペプチドを表2に示す。

0122

0123

細胞透過性ペプチドは、直鎖または環式であってもよく、D−アミノ酸、非ペプチドまたはペプチド連結、ペプチジル模倣体を含む。加えて、ペプチドおよびペプチド模倣体は、修飾、例えば、グリコシル化またはメチル化することができる。標的化ペプチドの合成模倣体もまた含まれる。

0124

ある実施形態では、2つ以上のエンドソーム分解性成分が、本発明のモジュラー構成物に組み込まれてもよい。いくつかの実施形態では、これは、同一エンドソーム分解性成分のうちの2つ以上をモジュラー構成物に組み込むことを含む。他の実施形態では、これは、2つ以上の異なるエンドソーム分解性成分をモジュラー構成物に組み込むことを含む。

0125

これらのエンドソーム分解性成分は、例えば、エンドソームpHにおいて立体配座を変化させることによって、エンドソームエスケープを媒介してもよい。ある実施形態では、エンドソーム分解性成分は、中性pHにおけるランダムコイル立体配座で存在し、エンドソームpHにおいて両親媒性へリックスに再配置され得る。この立体配座遷移の結果として、これらのペプチドは、エンドソームの脂質膜に挿入し、エンドソーム内容物の細胞質への漏出を引き起こし得る。立体配座遷移はpH依存性であるため、エンドソーム分解性成分は、血中を循環する間は融合活性をほとんどまたは全く示すことができない(pH〜7.4)。融合活性は、エンドソーム分解性成分によって脂質膜の破壊をもたらす活性として定義される。融合活性の一例は、エンドソーム溶解または漏出、およびエンドソームから細胞質への本発明のモジュラー構成物の1つ以上の構成成分(例えば核酸)の輸送をもたらす、エンドソーム分解性成分によるエンドソーム膜の破壊である。

0126

本明細書に記載する溶血アッセイに加えて、好適なエンドソーム分解性成分は、当業者が他の方法を使用することによって試験および同定することができる。例えば、pH環境に応じた電荷変化に対応する化合物の能力は、例えば、細胞アッセイにおける通常の方法によって試験することができる。ある実施形態では、試験化合物は、細胞と組み合わされるか、または細胞と接触され、細胞は、例えば、エンドサイトーシスによって試験化合物を取り込むことが可能になる。次いで、エンドソーム調製物を接触した細胞から作製することができ、そのエンドソーム調製物は、対照細胞からのエンドソーム調製物と比較される。接触した細胞対対照細胞からのエンドソーム画分の変化、例えば、減少は、試験化合物が融合剤として機能することができることを示す。別法では、接触した細胞および対照細胞は、例えば、顕微鏡法、例えば、光学または電子顕微鏡法によって、細胞内のエンドソーム集団の差を判定することにより評価することができる。試験化合物および/またはエンドソームは、例えば、エンドソーム漏出を定量化するために、標識化することができる。

0127

別の種類のアッセイでは、本明細書に記載するモジュラー構成物は、1つ以上の試験または推定融合剤を使用して構成される。モジュラー構成物は、標識化核酸を使用して構成することができる。一旦モジュラー構成物が細胞によって取り込まれると、エンドソームエスケープを促進するエンドソーム分解性成分の能力を、例えば、エンドソーム調製物の調製によって、または細胞の細胞質内の標識化核酸の可視化を可能にする顕微鏡技術によって、評価することができる。特定の他の実施形態では、遺伝子発現の阻害または任意の他の生理学的パラメータが、エンドソームエスケープに対する代理マーカとして使用されてもよい。

0128

他の実施形態では、pH依存性構造転移を示す化合物を同定するために、円偏光二色性分光法を使用することができる。

0129

二段階アッセイもまた実施することができ、第1のアッセイは、pHの変化に対応する試験化合物のみの能力を評価し、第2のアッセイは、pHの変化に対応する試験化合物を含むモジュラー構成物の能力を評価する。

0130

標的リガンド
本発明のモジュラー構成物は、標的リガンドを含む。いくつかの実施形態では、この標的リガンドは、特定の細胞にモジュラー構成物を導くことができる。例えば、標的リガンドは、標的細胞の表面上の分子と特異的または非特異的に結合することができる。標的化部分は、標的細胞に対して特異親和性を有する分子であり得る。標的化部分は、標的細胞の表面上に見られるタンパク質、または標的細胞の表面上に見られる分子に対するリガンドもしくはリガンドの受容体結合部分に対する抗体を含むことができる。例えば、標的化部分は、癌特異的抗原(例えばCA15−3、CA19−9、CEA、またはHER2/neu)またはウイルス抗原を認識し、それによって癌細胞またはウイルス感染細胞にiRNAを送達することができる。例示的な標的化部分としては、抗体(IgMIgGIgAIgD等、またはそれらの機能部分)、細胞表面受容体に対するリガンド(例えばそれらの細胞外ドメイン)が挙げられる。

0131

表3は、選択された細胞を標的化するために使用され得る、多くの抗原の例を提供する。

0132

0133

細胞表面上の特定組織のそれぞれの受容体への結合を介した特定組織へのリガンド媒介標的化は、薬物の組織特異的送達を改善するための魅力的な方法を提供する。疾病関連細胞型および組織への特異的標的化は、有効量を低下させ、副作用を低減し、その結果として治療指数最大化するのに役立ち得る。複数の炭水化物モチーフを有する炭水化物および炭水化物群は、標的リガンドの重要な種類を表し、それは、幅広い種類の組織および細胞型への薬物の標的化を可能にする。例えば、Hashida,M.,Nishikawa,M.et al.(2001)Cell−specific delivery of genes with glycosylated carriers.Adv.Drug Deliv.Rev.52,187−9、Monsigny,M.,Roche,A.−C.et al.(1994).Glycoconjugates as carriers for specific delivery of therapeutic drugs and genes.Adv.Drug Deliv.Rev.14,1−24、Gabius,S.,Kayser,K.et al.(1996).Endogenous lectins and neoglycoconjugates.A sweet approach to tumor diagnosis and targeted drug delivery.Eur.J.Pharm. and Biopharm.42,250−261、Wadhwa,M.S.,and Rice,K.G.(1995)Receptor mediated glycotargeting.J.Drug Target.3,111−127を参照されたい。

0134

最もよく特徴がわかっている受容体−リガンド対のうちの1つは、肝細胞上に高度に発現し、かつD−ガラクトースならびにN−アセチル−D−ガラクトース(GalNAc)に対して高親和性を有する、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGP−R)である。それらの炭水化物リガンドは、肝実質に幅広い種類の薬剤およびリポソームまたはポリマー担体系さえ標的化するために、成功裏に使用されている。例えば、Wu,G.Y.,and Wu,C.H.(1987)Receptor−mediated in vitro gene transformation by a soluble DNA carrier system.J.Biol.Chem.262,4429−4432、Biessen,E.A.L.,Vietsch,H.,Rump,E.T.,Flutter,K.,Bijsterbosch,M.K.,and Van Berkel,T.J.C.(2000)Targeted delivery of antisense oligonucleotides to parenchymal liver cells in vivo.MethodsEnzymol.313,324−342、Zanta,M.−A.,Boussif,O.,Adib,A.,and Behr,J.−P.(1997)In Vitro Gene Delivery to Hepatocytes with Galactosylated Polyethylenimine.Bioconjugate Chem.8,839−844、Managit,C.,Kawakami,S.et al.(2003).Targeted and sustained drug delivery using PEGylated galactosylated liposomes.Int.J.Pharm.266,77−84、Sato,A.,Takagi,M.et al.(2007).Small interfering RNA delivery to the liver by intravenous administration of galactosylated cationic liposomes in mice.Biomaterials 28;1434−42を参照されたい。

0135

D−マンノースに対して高親和性を有するマンノース受容体は、別の重要な炭水化物系リガンド−受容体対を表す。マンノース受容体は、マクロファージ及びおそらく樹枝状細胞等の特定の細胞型上に高度に発現する。マンノース共役体ならびにマンノース化薬物担体は、それらの細胞に薬物分子を標的化するために、成功裏に使用されている。例えば、Biessen,E.A.L.,Noorman,F.et al.(1996).Lysine−based cluster mannosides that inhibit ligand binding to the human mannose receptor at nanomolar concentration.J.Biol.Chem.271,28024−28030、Kinzel,O.,Fattori,D.et al.(2003).Synthesis of a functionalized high affinity mannose receptor ligand and its application in the construction of peptide−,polyamide− and PNA−conjugates.J.Peptide Sci.9,375−385、Barratt,G.,Tenu,J.P.et al.(1986).Preparation and characterization of liposomes containing mannosylated phospholipidscapable of targeting drugs to macrophages.Biochim.Biophys.Acta 862,153−64、Diebold,S.S.,Plank,C.et al.(2002).Mannose Receptor−Mediated Gene Delivery into Antigen Presenting Dendritic Cells.Somat.Cell Mol.Genetics 27,65−74を参照されたい。

0136

炭水化物を基にした標的リガンドとしては、D−ガラクトース、多価ガラクトース、N−アセチル−D−ガラクトース(GalNAc)、多価GalNAc、例えば、GalNAc2およびGalNAc3、D−マンノース、多価マンノース、多価ラクトース、N−アセチル−ガラクトサミン、N−アセチル−グルコサミン、多価フコース、グリコシル化ポリアミノ酸、ならびにレクチンが挙げられるがこれに限定されない。多価という用語は、2つ以上の単糖ユニットが存在することを示す。そのような単糖サブユニットは、グリコシド連結を介して相互に連結されてもよく、または骨格分子に連結されてもよい。

0137

コレステロールまたは脂肪酸等の親油性部分は、核酸等の高親水性分子に付着される際、血漿タンパク結合、およびその結果として循環半減期を実質的に強化することができる。加えて、リポタンパク質等のある特定の血漿タンパク質への結合は、対応するリポタンパク質受容体(例えばLDL−受容体またはスカベンジャー受容体SR−B1)を発現する特定組織への取り込みを増加させることが示されている。例えば、Bijsterbosch,M.K.,Rump,E.T.et al.(2000).Modulation of plasma protein binding and in vivo liver cell uptake of phosphorothioate oligodeoxynucleotides by cholesterol conjugation.Nucleic AcidsRes.28,2717−25、Wolfrum,C.,Shi,S.et al.(2007).Mechanisms and optimization of in vivo delivery of lipophilic siRNAs.Nat.Biotechnol.25,1149−57を参照されたい。したがって、親油性共役もまた、標的化送達方法と考えることができ、それらの細胞内移動は、潜在的に、エンドソーム分解剤との組み合わせによってさらに改善され得る。

0138

血漿タンパク結合を強化する例示的な親油性部分としては、ステロール、コレステロール、脂肪酸、コール酸リトコール酸ジアルキルグリセリドジアシルグリセリドリン脂質スフィンゴ脂質アダマンタン酢酸、1−ピレン酪酸ジヒドロテストステロン、1,3−ビス−O(ヘキサデシルグリセロールゲラニルオキシヘキシル基、ヘキサデシルグリセロール、ボルネオールメントール、1,3−プロパンジオール、ヘプタデシル基パルミチン酸ミリスチン酸、O3−(オレオイル)リトコール酸、O3−(オレオイル)コール酸、ジメトキシトリチルフェノキサジンアスピリンナプロキセンイブプロフェンビタミンE、およびビオチン等が挙げられるかこれに限定されない。

0139

葉酸は、葉酸受容体を介した標的化薬物送達に広く使用されている、別の種類のリガンドを表す。この受容体は、幅広い種類の腫瘍細胞、ならびに活性化マクロファージ等の他の細胞型上に高度に発現される。例えば、Matherly,L.H. and Goldman,I.D.(2003).Membrane transport of folates.Vitamins Hormones 66,403−456、Sudimack,J. and Lee,R.J.(2000).Targeted drug delivery via the folate receptor.Adv.Drug Delivery Rev.41,147−162を参照されたい。炭水化物系リガンドと同様に、葉酸は、核酸およびリポソーム担体さえ含む幅広い種類の薬物を送達することができることが示されている。例えば、Reddy,J.A.,Dean,D.et al.(1999).Optimization of Folate−Conjugated Liposomal Vectors for Folate Receptor−Mediated Gene Therapy.J.Pharm.Sci.88,1112−1118、Lu,Y. and Low P.S.(2002).Folate−mediated delivery of macromolecular anticancer therapeutic agents.Adv.Drug Delivery Rev.54,675−693、Zhao,X.B. and Lee,R.J.(2004).Tumor−selective targeted delivery of genes and antisense oligodeoxyribonucleotides via the folate receptor;Leamon,C.P.,Cooper,S.R.et al.(2003).Folate−Liposome−Mediated Antisense Oligodeoxynucleotide Targeting to Cancer Cells:Evaluation in Vitro and in Vivo.Bioconj.Chem.14,738−747を参照されたい。

0140

2008年12月4日出願の米国特許出願第12/328,537号および2008年12月4日出願の同第12/328,528号明細書は、本発明のモジュラー構成物に適している、多くの葉酸および炭水化物標的リガンドを記載する。これらの特許出願の内容は、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。

0141

標的リガンドはまた、細胞マーカ、例えば、増殖細胞濃縮されているマーカを標的化することができる、タンパク質、ペプチド、およびペプチド模倣薬も含む。ペプチド模倣薬(本明細書において、オリゴペプチド模倣薬とも称される)は、天然ペプチドと同様の明確な3次元構造に折り畳むことができる分子である。ペプチドまたはペプチド模倣薬部分は、約5〜50アミノ酸長、例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、または50アミノ酸長であり得る。そのようなペプチドとしては、特にαvβ3(アルファベータ3)インテグリンを示す細胞内の癌細胞を標的化することができる、RGD含有ペプチドおよびペプチド模倣薬が挙げられるかこれに限定されない。標的化ペプチドは、直鎖または環式であってもよく、D−アミノ酸、非ペプチドまたは偽ペプチド連結、ペプチジル模倣体を含む。加えて、ペプチドおよびペプチド模倣体は、修飾、例えば、グリコシル化またはメチル化することができる。標的化ペプチドの合成模倣体もまた含まれる。

0142

標的リガンドはまた、ホルモンおよびホルモン受容体結合リガンド等の他の受容体結合リガンドを含むことができる。標的リガンドは、チロトロピンメラトロピン、レクチン、糖タンパク質サーファクタント・タンパク質A、ムチン、グリコシル化ポリアミノ酸、トランスフェリンビスホスフォネートポリグルタミン酸塩ポリアスパラギン酸塩、脂質、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、またはアプタマーであってもよい。表4は、標的リガンドおよびそれらの関連受容体のいくつかの例を示す。

0143

0144

2つ以上の標的リガンドが存在する場合、そのような標的リガンドは全て、同一細胞/組織/器官を標的化する同一または異なる標的リガンドであってもよい。

0145

エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドに加えて、モジュラー構成物は、循環半減期および/または細胞取り込みを強化し得る、1つ以上の他の部分/リガンドを含んでもよい。これらは、タンパク質(例えばヒト血清アルブミンHSA)、低密度リポタンパク質(LDL)、高密度リポタンパク質HDL)、もしくはグロブリン)、または炭水化物(例えばデキストランプルランキチンキトサンイヌリンシクロデキストリン、またはヒアルロン酸)等の自然発生する物質を含むことができる。これらの部分はまた、合成ポリマーまたは合成ポリアミノ酸等の組み換えまたは合成分子であってもよい。例としては、ポリリシンPLL)、ポリL‐アスパラギン酸、ポリL‐グルタミン酸スチレン無水マレイン酸コポリマー、ポリ(L−ラクチド−CO−グリコリドコポリマージビニルエチル−無水マレイン酸コポリマー、N−(2−ヒドロキシプロピルメタクリルアミドコポリマー(HMPA)、ポリエチレングリコール(PEG、例えば、PEG−5K、PEG−10K、PEG−12K、PEG−15K、PEG−20K、PEG−40K)、メチル−PEG(mPEG)、[mPEG]2、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリウレタン、ポリ(2−エチルアクリル酸)、N−イソプロピルアクリルアミドポリマー、またはポリホスファジンが挙げられる。ポリアミンの例としては、ポリエチレンイミン、ポリリシン(PLL)、スペルミン、スペルミジン、ポリアミン、偽ペプチド−ポリアミン、ペプチド模倣ポリアミン、デンドリマーポリアミン、アルギニンアミジンプロタミン、カチオン性脂質、カチオン性ポルフィリン、ポリアミンの四級塩、またはαへリックスペプチドが挙げられる。

0146

多くのホスホロチオエート連結を含むオリゴヌクレオチドおよびオリゴマー化合物は、血清タンパク質に結合することが当該技術分野で知られており、したがって、短いオリゴヌクレオチド、例えば、約5塩基、10塩基、15塩基、または20塩基のオリゴヌクレオチド、および複数のホスホロチオエート連結を含む非ヌクレオシドオリゴマー化合物を使用して、本発明のモジュラー構成物の循環半減期を強化することができる。加えて、血清リガンド(例えば血清タンパク質)と結合するオリゴヌクレオチド、例えば、アプタマーもまた、本発明のモジュラー構成物の循環半減期を強化するために使用することができる。これらのオリゴヌクレオチドおよびアプタマーは、本願に記載する任意の核酸修飾、例えば、糖修飾、骨格修飾、または核酸塩基修飾を含んでもよい。

0147

エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドに加えて、モジュラー構成物の細胞取り込みを増加させるリガンドもまた存在してもよい。細胞取り込みを強化する例示的なリガンドとしては、ビタミンが挙げられる。これらは、例えば、癌細胞等の悪性または非悪性の望ましくない細胞増殖を特徴とする細胞/組織/器官を標的化するのに特に有用である。例示的なビタミンとしては、ビタミンA、E、およびKが挙げられる。他の例示的なビタミンとしては、Bビタミン、例えば、葉酸、B12、リボフラビン、ビオチン、ピリドキサル、または癌細胞によって取り込まれる他のビタミンもしくは栄養素が挙げられる。

0148

リガンドは、例えば、細胞の微小管、マイクロフィラメント、および/または中間径フィラメントを破壊することによって、例えば、細胞の細胞骨格を破壊することによって、モジュラー構成物の細胞への取り込みを増加させることができる、物質、例えば、薬物であってもよい。薬物は、例えば、タキソンビンクリスチンビンブラスチンサイトカラシン、ノコダゾール、ジャプラキノリド、ラトルクリンA、ファロイジン、スインホリドA、インダノシン、またはミオセルビンであってもよい。

0149

リガンドは、例えば、炎症反応を活性化することによって、モジュラー構成物の細胞への取り込みを増加させることができる。そのような効果を有し得る例示的なリガンドとしては、腫瘍壊死因子α(TNFα)、インターロイキン−1β、またはγインターフェロンが挙げられる。

0150

いくつかの実施形態では、そのようなリガンドは、細胞透過剤、好ましくは、へリックス細胞透過剤である。好ましくは、薬剤は、両親媒性である。へリックス薬剤は、好ましくは、αへリックス薬剤であり、それは、好ましくは、親油性および疎油性相を有する。

0151

本発明のモジュラー構成物中に存在し得る他のリガンドとしては、分布監視するための色素およびレポーター基挿入剤(例えばアクリジン)、架橋剤(例えばソラレンマイトマイシンC)、ポルフィリン(TPPC4、テキサフィリンサフィリン)、多環芳香族炭化水素(例えばフェナジンジヒドロフェナジン)、人工エンドヌクレアーゼ(例えばEDTA)、アルキル化剤、リン酸、メルカプト、アミノ、ポリアミノ、アルキル、置換アルキル、放射性標識マーカ、酵素ハプテン(例えばビオチン)、合成リボヌクレアーゼ(例えばイミダゾール、ビスイミダゾールヒスタミン、イミダゾール群、アクリジン−イミダゾール共役、テトラアザマクロサイクルのEu3+複合体、ジニトロフェニル、HRP、およびAPが挙げられる。

0152

いくつかの実施形態では、単一リガンドは、2つ以上の特性を有してもよく、例えば、リガンドは、エンドソーム分解性および標的化特性の両方を有する。

0153

強化された透過性および滞留性
ある実施形態では、本発明のモジュラー構成物は、強化された透過性および滞留性(EPR)効果によって部位に標的化され得る。EPR効果は、ある特定のサイズの分子、典型的には高分子が、例えば、正常組織よりも腫瘍組織においてより大きい程度まで蓄積する傾向がある特性である。理論によって束縛されないが、この現象に関する一般的説明は、腫瘍を供給する血管が、典型的には、それらの構造に異常があり、血液からの高分子の拡散を可能にする幅広い有窓を含むということである。さらに、腫瘍は、典型的には、効果的なリンパ排液を欠いており、血液から拡散する分子の蓄積をもたらす。当業者は、そのような標的化方法がまた、異常な血管系が低下したリンパ排液の有無にかかわらず特定部位アクセスすることが可能である他の条件にも有用であり得ることを認識するであろう。

0154

オリゴヌクレオチド共役の調製を教示する代表的な米国特許としては、米国特許第4,828,979号、同第4,948,882号、同第5,218,105号、同第5,525,465号、同第5,541,313号、同第5,545,730号、同第5,552,538号、同第5,578,717号、同第5,580,731号、同第5,580,731号、同第5,591,584号、同第5,109,124号、同第5,118,802号、同第5,138,045号、同第5,414,077号、同第5,486,603号、同第5,512,439号、同第5,578,718号、同第5,608,046号、同第4,587,044号、同第4,605,735号、同第4,667,025号、同第4,762,779号、同第4,789,737号、同第4,824,941号、同第4,835,263号、同第4,876,335号、同第4,904,582号、同第4,958,013号、同第5,082,830号、同第5,112,963号、同第5,214,136号、同第5,082,830号、同第5,112,963号、同第5,149,782号、同第5,214,136号、同第5,245,022号、同第5,254,469号、同第5,258,506号、同第5,262,536号、同第5,272,250号、同第5,292,873号、同第5,317,098号、同第5,371,241、5,391,723号、同第5,416,203、5,451,463号、同第5,510,475号、同第5,512,667号、同第5,514,785号、同第5,565,552号、同第5,567,810号、同第5,574,142号、同第5,585,481号、同第5,587,371号、同第5,595,726号、同第5,597,696号、同第5,599,923号、同第5,599,928号、同第5,672,662号、同第5,688,941号、同第5,714,166号、同第6,153,737号、同第6,172,208号、同第6,300,319号、同第6,335,434号、同第6,335,437号、同第6,395,437号、同第6,444,806号、同第6,486,308号、同第6,525,031号、同第6,528,631号、同第6,559,279号の各明細書が挙げられるが、これに限定されず、それらのそれぞれは、参照することによって本明細書に組み込まれる。

0155

リンカー
ある実施形態では、本発明のモジュラー構成物の3つの構成成分のうちのいずれの間の共有結合も、リンカーによって媒介されてもよい。このリンカーは、用途に応じて開裂可能または開裂不可能であってもよい。ある実施形態では、エンドソームから細胞質への輸送後に核酸を放出するために、開裂可能なリンカーが使用されてもよい。共役もしくはカップリング相互作用の目的とする性質、または所望の生物学的効果により、リンカー基の選択が決定される。

0156

リンカー基は、リンカー基付着点LAP)においてオリゴヌクレオチド鎖に接続されてもよく、任意のC1〜C100炭素含有部分(例えばC1〜C75、C1〜C50、C1〜C20、C1〜C10、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、またはC10)を含んでもよく、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの酸素原子、少なくとも1つのリン原子、および/または少なくとも1つの窒素原子を有する。いくつかの実施形態では、リン原子は、核酸鎖接続点としての機能を果たし得る、リンカー基上の末端リン酸またはホスホロチオエート基の一部を形成する。ある実施形態では、窒素原子は、エンドソーム分解性成分または標的リガンドの接続点としての機能を果たし得る、リンカー基上の末端エーテル、エステル、アミノ、またはアミド(NHC(O)−)基の一部を形成する。好ましいリンカー基(下線)は、LAP−X−(CH2)nNH−、LAP−X−C(O)(CH2)nNH−、LAP−X−NR''''(CH2)nNH−、LAP−X−C(O)−(CH2)n−C(O)−、LAP−X−C(O)−(CH2)n−C(O)O−、LAP−X−C(O)−O−、LAP−X−C(O)−(CH2)n−NH−C(O)−、LAP−X−C(O)−(CH2)n−、LAP−X−C(O)−NH−、LAP−X−C(O)−、LAP−X−(CH2)n−C(O)−、LAP−X−(CH2)n−C(O)O−、LAP−X−(CH2)n−、またはLAP−X−(CH2)n−NH−C(O)−を含み、−Xは、(−O−(R''''O)P(O)−O)m,(−O−(R''''O)P(S)−O−)m,(−O−(R''''S)P(O)−O)m,(−O−(R''''S)P(S)−O)m,(−O−(R''''O)P(O)−S)m,(−S−(R''''O)P(O)−O)m、または無しであり、nは、1〜20(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)であり、mは、1〜3であり、R''''は、HまたはC1−C6アルキルである。好ましくは、nは、5、6、または11である。他の実施形態では、窒素は、末端オキシアミノ基、例えば、−ONH2、またはヒドラジノ基、−NHNH2の一部を形成してもよい。リンカー基は、例えば、ヒドロキシ、アルコキシ、パーハロアルキルで随意的に置換されてもよく、および/または1つ以上の追加のヘテロ原子例えば、N、O、もしくはSを随意的に挿入されてもよい。ある特定のリンカー基は、例えば、LAP−X−(CH2)nNH−、LAP−X−C(O)(CH2)nNH−、LAP−X−NR''''(CH2)nNH−、LAP−X−(CH2)nONH−、LAP−X−C(O)(CH2)nONH−、LAP−X−NR''''(CH2)nONH−、LAP−X−(CH2)nNHNH2−、LAP−X−C(O)(CH2)nNHNH2−、LAP−X−NR''''(CH2)nNHNH2−、LAP−X−C(O)−(CH2)n−C(O)−、LAP−X−C(O)−(CH2)n−C(O)O−、LAP−X−C(O)−O−、LAP−X−C(O)−(CH2)n−NH−C(O)−、LAP−X−C(O)−(CH2)n−、LAP−X−C(O)−NH−、LAP−X−C(O)−、LAP−X−(CH2)n−C(O)−、LAP−X−(CH2)n−C(O)O−、LAP−X−(CH2)n−、またはLAP−X−(CH2)n−NH−C(O)−を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アミノ終端リンカー基(例えばNH2、ONH2、NH2NH2)は、リガンドとのイミノ結合(すなわち、C=N)を形成することができる。いくつかの実施形態では、アミノ終端リンカー基(例えばNH2、ONH2、NH2NH2)は、例えば、C(O)CF3でアシル化することができる。

0157

いくつかの実施形態では、リンカー基は、メルカプト基(すなわち、SH)またはオレフィン(例えばCH=CH2)で終端することができる。例えば、リンカー基は、LAP−X−(CH2)n−SH、LAP−X−C(O)(CH2)nSH、LAP−X−(CH2)n−(CH=CH2)、またはLAP−X−C(O)(CH2)n(CH=CH2)であってもよく、Xおよびnは、上記のリンカー基に関して記載されるようなものであり得る。ある実施形態では、オレフィンは、ディールスアルダージエンまたはジエノフィルであってもよい。リンカー基は、例えば、ヒドロキシ、アルコキシ、パーハロアルキルで随意的に置換されてもよく、および/または1つ以上の追加のヘテロ原子例えば、N、O、もしくはSを随意的に挿入されてもよい。二重結合は、シスもしくはトランス、またはEもしくはZであり得る。

0158

他の実施形態では、リンカー基は、好ましくは、リンカー基の末端位置において、求電子性部分を含み得る。ある特定の求電子性部分には、例えば、アルデヒド、ハロゲン化アルキルメシラートトシラート、ノシラート、もしくはブロシラート、または活性化カルボン酸エステル、例えば、NHSエステル、もしくはペンタフルオロフェニルエステルが含まれる。他のリンカー基(下線)は、LAP−X−(CH2)nCHO、LAP−X−C(O)(CH2)nCHO、もしくはLAP−X−NR''''(CH2)nCHOを含み、nは、1〜6であり、R''''は、C1−C6アルキルであるか、またはLAP−X−(CH2)nC(O)ONHS、LAP−X−C(O)(CH2)nC(O)ONHS、もしくはLAP−X−NR''''(CH2)nC(O)ONHSを含み、nは、1〜6であり、R''''は、C1−C6アルキルであるか、LAP−X−(CH2)nC(O)OC6F5、LAP−X−C(O)(CH2)nC(O)OC6F5、もしくはLAP−X−NR''''(CH2)nC(O)OC6F5を含み、nは、1−11であり、R''''は、C1−C6アルキルであるか、または−(CH2)nCH2LG、LAP−X−C(O)(CH2)nCH2LG、もしくはLAP−X−NR''''(CH2)nCH2LGを含み、X、R''''、およびnは、上記のリンカー基に関して記載されるようなものであってもよい(LGは、離脱基、例えば、ハロゲン化物、メシラート、トシラート、ノシラート、ブロシラートであってもよい)。いくつかの実施形態では、リンカー基のエンドソーム分解性成分または標的リガンドへのカップリングは、エンドソーム分解性成分または標的リガンドの求核基をリンカー基上の求電子基とカップリングすることによって実行することができる。

0159

他の実施形態では、他の保護アミノ基は、リンカー基の末端位置において、例えば、alloc、モノメトキシトリチル(MMT)、トリフルオロアセチル、Fmoc、またはアリールスルホニル(例えばアリール部分は、オルトニトロフェニルもしくはオルト、パラ−ジニトロフェニルであってもよい)であってもよい。

0160

上記のリンカー基のいずれにおいても、さらに、n−CH2−基のうちの1つ、2つ以上、または全ては、例えば、上記のX、−Y−(CH2)m−、−Y−(C(CH3)H)m−、−Y−C((CH2)pCH3)H)m−、−Y−(CH2−C(CH3)H)m−、−Y−(CH2−C((CH2)pCH3)H)m−、−CH=CH−、または−C≡C−のうちの1つまたは組み合わせによって置き換えられてもよく、Yは、O、S、Se、S−S、S(O)、S(O)2であり、mは、1〜4であり、pは、0〜4である。

0161

2つ以上のエンドソーム分解性成分または標的リガンドが同一モジュラー構成物上に存在する場合、2つ以上のエンドソーム分解性成分または標的リガンドは、オリゴヌクレオチド鎖またはエンドソーム分解性成分もしくは標的リガンドに、直鎖状に、または分岐リンカー基によって連結されてもよい。

0162

いくつかの実施形態では、リンカー基は、分岐リンカー基であり、さらに、ある特定の場合においては、対称分岐リンカー基である。分岐点は、少なくとも三価であってもよいが、四価五価、もしくは六価原子、またはそのような複数の価数を示す基であってもよい。いくつかの実施形態では、分岐点は、グリセロールまたはグリセロール三リン酸基である。

0163

いくつかの実施形態では、分岐点は、−N、−N(Q)−C、−O−C、−S−C、−SS−C、−C(O)N(Q)−C、−OC(O)N(Q)−C、−N(Q)C(O)−C、または−N(Q)C(O)O−Cであり、Qは存在ごとに独立して、Hまたは随意的に置換されたアルキルである。他の実施形態では、分岐点は、グリセロール誘導体である。

0164

一実施形態では、リンカーは、−[(P−Q−R)q−X−(P'−Q'−R')q']q"−T−であり、
P、R、T、P'、およびR'はそれぞれ存在ごとに独立して、存在しないか、CO、NH、O、S、OC(O)、NHC(O)、CH2、CH2NH、CH2O、NHCH(Ra)C(O)、−C(O)−CH(Ra)−NH−、C(O)−(随意的に置換されたアルキル)−NH−、CH=N−O、



シクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、
QおよびQ'はそれぞれ存在ごとに独立して、存在しないか、−(CH2)n−、−C(R100)(R200)(CH2)n−、−(CH2)nC(R100)(R200)−、−(CH2CH2O)mCH2CH2−、−(CH2CH2O)mCH2CH2NH−、アリール、ヘテロアリール、シクリル、またはヘテロシクリルであり、
Xは、存在しないか、または開裂可能な連結基であり、
Raは、Hまたはアミノ酸側鎖であり、
R100およびR200はそれぞれ存在ごとに独立して、H、CH3、OH、SH、またはN(RX)2であり、
RXは存在ごとに独立して、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、またはベンジルであり、
q、q'、およびq”はそれぞれ存在ごとに独立して、0〜30であり、反復単位は、同一であっても、または異なってもよい。

0165

nは存在ごとに独立して、1〜20であり、
mは存在ごとに独立して、0〜50である。

0166

いくつかの実施形態では、担体モノマーもまたリンカーと考えられる。そのような場合において、リンカーという用語は、モノマーとリガンド、例えば、エンドソーム分解性リガンドおよび標的リガンドとの間の担体モノマーおよびリンカーを含む。

0167

いくつかの実施形態では、リンカーは、少なくとも1つの開裂可能な連結基を含む。

0168

開裂可能な連結基
開裂可能な連結基は、細胞外で十分安定しているが、標的細胞に入ると、リンカーが一緒に保持する2つの部分を放出するように開裂される、連結基である。好ましい実施形態では、開裂可能な連結基は、対象の血液中または第2の基準条件(例えば血液または血清に見られる条件を模倣または表現するように選択され得る)下よりも、標的細胞内または第1の基準条件(例えば細胞内条件を模倣または表現するように選択され得る)下において、少なくとも10回倍、好ましくは、少なくとも100倍速く開裂される。

0169

開裂可能な連結基は、開裂剤、例えば、pH、酸化還元電位、または分解性分子の存在に対して感受性を有する。概して、開裂剤は、血清または血液中よりも細胞内において、より行き渡るか、またはより高いレベルまたは活性において見られる。そのような分解剤の例としては、例えば、還元によってレドックス開裂可能な連結基を分解することができる、細胞内に存在する、メルカプタン等の酸化もしくは還元酵素または還元剤を含む、特定の基質に選択されるか、もしくは基質特異性を有しない酸化還元剤エステラーゼ;例えば、5以下のpHをもたらすような、酸性環境を生成することができるエンドソームまたは薬剤;一般酸、ペプチダーゼ(基質特異的であってもよい)、およびホスファターゼとしての機能を果たすことによって、酸性開裂可能な連結基を加水分解または分解することができる酵素が挙げられる。

0170

ジスルフィド結合等の開裂可能な連結基は、pHに対して感受性を有し得る。ヒト血清のpHは、7.4であるが、平均細胞内pHは、わずかに低く、約7.1〜7.3の範囲である。エンドソームは、5.5〜6.0の範囲のより酸性のpHを有し、リソソームは、約5.0のさらに酸性のpHを有する。いくつかのリンカーは、好ましいpHにおいて開裂され、それによって、リガンドから細胞内または細胞の所望のコンパートメント内にカチオン性脂質を放出する、開裂可能な連結基を有する。

0171

リンカーは、特定の酵素によって開裂可能である、開裂可能な連結基を含むことができる。リンカーに組み込まれる開裂可能な連結基の種類は、標的化される細胞によって決定され得る。例えば、肝臓標的リガンドは、エステル基を含むリンカーを介して、カチオン性脂質に連結することができる。肝細胞は、エステラーゼが豊富であり、したがって、リンカーは、エステラーゼが豊富でない細胞型よりも肝細胞において、より効率的に開裂される。エステラーゼが豊富な他の細胞型としては、腎皮質、および睾丸の細胞が挙げられる。

0172

肝細胞および滑膜細胞等のペプチダーゼが豊富な細胞型を標的化する場合、ペプチド結合を含有するリンカーを使用することができる。

0173

一般的に、候補の開裂可能な連結基の適合性は、候補連結基を開裂する分解剤(または条件)の能力を試験することによって、評価することができる。また、血液中または他の非標的組織と接触している時の開裂に抵抗する能力に関して、候補の開裂可能な連結基を試験することも望ましい。したがって、第1の条件と第2の条件との間の開裂に対する相対的感受性を決定することができ、第1の条件は、標的細胞内の開裂を示すように選択され、第2の条件は、他の組織または体液、例えば、血液もしくは血清中の開裂を示すように選択される。評価は、無細胞系中、細胞内、細胞培養物中、器官もしくは組織培養物中、または動物全体において実施することができる。無細胞または培養条件において最初の評価を行い、動物全体におけるさらなる評価によって確認することが有用であり得る。好ましい実施形態では、有用な候補化合物は、血液もしくは血清(または細胞外条件を模倣するように選択されるインビトロ条件下)と比較して、細胞内(または細胞内条件を模倣するように選択されるインビトロ条件下)で、少なくとも2、4、10、または100倍速く開裂される。

0174

レドックス開裂可能な連結基
開裂可能な連結基の1つの種類は、還元または酸化下で開裂されるレドックス開裂可能な連結基である。還元的に開裂可能な連結基の一例は、ジスルフィド連結基(−S−S−)である。候補の開裂可能な連結基が好適な「還元的に開裂可能な連結基」であるかどうか、または例えば、特定のiRNA部分および特定の標的薬剤で使用するのに好適であるかどうかを判定するために、本明細書に記載する方法に目を向けることができる。例えば、候補は、細胞、例えば、標的細胞内に観察され得る開裂速度を模倣する、当該技術分野で既知の試薬を使用して、ジチオスレイトール(DTT)またはた他の還元剤でのインキュベーションによって評価することができる。候補はまた、血液または血清条件を模倣する様に選択される条件下でも評価することができる。好ましい実施形態では、候補化合物は、血中で最大でも10%開裂される。好ましい実施形態では、有用な候補化合物は、血液(または細胞外条件を模倣するように選択されるインビトロ条件下)と比較して、細胞内(または細胞内条件を模倣するように選択されるインビトロ条件下)で、少なくとも2、4、10、または100倍速く分解される。候補化合物の開裂速度は、細胞内培地を模倣するように選択される条件下で、標準的な酵素反応速度アッセイを使用して判定し、細胞外培地を模倣するように選択される条件と比較することができる。

0175

リン酸系の開裂可能な連結基
リン酸系の開裂可能な連結基は、リン酸基を分解または加水分解する薬剤によって開裂される。細胞内のリン酸基を開裂する薬剤の一例は、細胞内のホスファターゼ等の酵素である。リン酸系連結基の例は、−O−P(O)(ORk)−O−、−O−P(S)(ORk)−O−、−O−P(S)(SRk)−O−、−S−P(O)(ORk)−O−、−O−P(O)(ORk)−S−、−S−P(O)(ORk)−S−、−O−P(S)(ORk)−S−、−S−P(S)(ORk)−O−、−O−P(O)(Rk)−O−、−O−P(S)(Rk)−O−、−S−P(O)(Rk)−O−、−S−P(S)(Rk)−O−、−S−P(O)(Rk)−S−、−O−P(S)(Rk)−S−である。好ましい実施形態は、−O−P(O)(OH)−O−、−O−P(S)(OH)−O−、−O−P(S)(SH)−O−、−S−P(O)(OH)−O−、−O−P(O)(OH)−S−、−S−P(O)(OH)−S−、−O−P(S)(OH)−S−、−S−P(S)(OH)−O−、−O−P(O)(H)−O−、−O−P(S)(H)−O−、−S−P(O)(H)−O−、−S−P(S)(H)−O−、−S−P(O)(H)−S−、−O−P(S)(H)−S−である。好ましい実施形態は、−O−P(O)(OH)−O−である。これらの候補は、上記の方法と類似した方法を使用して評価することができる。

0176

酸性開裂可能な連結基
酸性開裂可能な連結基は、酸性条件下で開裂される連結基である。好ましい実施形態では、酸性開裂可能な連結基は、約6.5以下(例えば約6.0、5.5、5.0、またはそれ以下)のpHを有する酸性環境において、または一般酸としての機能を果たすことができる酵素等の薬剤によって開裂される。細胞において、エンドソームおよびリソソーム等の特定の低pH細胞小器官は、酸性開裂可能な連結基のための開裂環境を提供することができる。酸性開裂可能な連結基の例としては、アミノ酸のヒドラゾン、エステル、およびエステルが挙げられるがこれに限定されない。酸性開裂可能な基は、一般式−C=NN−、C(O)O、または−OC(O)を有することができる。好ましい実施形態は、エステル(アルコキシ基)の酵素に付着した炭素が、アリール基置換アルキル基、または第3級アルキル基、例えば、ジメチルペンチルまたはt−ブチルである場合である。これらの候補は、上記の方法と類似した方法を使用して評価することができる。

0177

エステル系の開裂可能な連結基
エステル系の開裂可能な連結基は、細胞内のエステラーゼおよびアミダーゼ等の酵素によって開裂される。エステル系の開裂可能な連結基の例としては、アルキレンアルケニレン、およびアルキニレン基のエステルが挙げられるがこれに限定されない。エステル開裂可能な連結基は、一般式−C(O)O−または−OC(O)−を有する。これらの候補は、上記の方法と類似した方法を使用して評価することができる。

0178

ペプチド系の開裂連結基
ペプチド系の開裂可能な連結基は、細胞内のペプチダーゼおよびプロテアーゼ等の酵素によって開裂される。ペプチド系の開裂可能な連結基は、オリゴペプチド(例えばジペプチドトリペプチド等)およびポリペプチドを生じさせるために、アミノ酸の間に形成されるペプチド結合である。ペプチド結合は、ペプチドおよびタンパク質を生じさせるために、アミノ酸の間に形成されるアミド結合の特別な種類である。ペプチド系開裂基は、概して、ペプチドおよびタンパク質を生じさせる、アミノ酸の間に形成されるペプチド結合(すなわち、アミド結合)に限定され、アミド官能基全体を含まない。ペプチド系の開裂可能な連結基は、一般式−NHCHRAC(O)NHCHRBC(O)−を有し、RAおよびRBは、2つの隣接するアミノ酸のR基である。これらの候補は、上記の方法と類似した方法を使用して評価することができる。

0179

2つ以上のエンドソーム分解性リガンドまたは標的リガンドが同一モジュラー構成物上に存在する場合、2つ以上のエンドソーム分解性リガンドまたは標的リガンドは、オリゴヌクレオチド鎖またはエンドソーム分解性リガンドもしくは標的リガンドに、直鎖状に、または分岐リンカー基によって連結されてもよい。

0180

iRNA剤
iRNA剤は、iRNA剤またはその断片が、標的遺伝子の下方制御を媒介することができるように、標的遺伝子に対して十分な相同性の領域を含み、かつヌクレオチドの観点から十分な長さを有するべきである(説明を簡単にするために、ヌクレオチドまたはリボヌクレオチドという用語は、時にRNA剤の1つ以上のモノマーサブユニットに関連して、本明細書で使用される。本明細書の「リボヌクレオチド」または「ヌクレオチド」という用語の使用は、修飾RNAまたはヌクレオチド代替物の場合、修飾ヌクレオチドまたは1つ以上の位置における代理置換部分にも言及することをここで理解されたい)。したがって、iRNA剤は、標的RNAに少なくとも部分的に、いくつかの実施形態では完全に相補的である領域であるか、またはそのような領域を含む。iRNA剤と標的との間で完全な相補性がある必要はないが、対応は、iRNA剤またはその開裂産物が、例えば、標的RNA、例えば、mRNAのRNAi開裂によって、配列特異的サイレンシングを導くことを可能にするのに十分でなければならない。標的鎖との相補性または相同性の程度は、アンチセンス鎖において最も重要である。特にアンチセンス鎖において、完全な相補性がしばしば所望である一方で、いくつかの実施形態は、特にアンチセンス鎖において、1つ以上、例えば、6、5、4、3、2、またはそれ未満の(標的RNAに対する)ミスマッチを含むことができる。特にアンチセンス鎖において、ミスマッチは、末端領域内で最も許容され、存在する場合、末端領域、または例えば、5'および/もしくは3'末端の6、5、4、もしくは3ヌクレオチド内の領域内にあってもよい。センス鎖は、分子の二本鎖特徴全体を維持するために、アンチセンス鎖と十分に相補的であるだけでよい。

0181

本明細書の別の箇所に考察されるように、また全体が参照として組み込まれる資料において、iRNA剤はしばしば、修飾されるか、またはヌクレオシド代替物を含む。iRNA剤の一本鎖領域はしばしば、修飾されるか、またはヌクレオシド代替物を含み、例えば、ヘアピン構造不対領域(複数を含む)、例えば、2つの相補的な領域を連結する領域は、修飾またはヌクレオシド代替物を有することができる。例えば、エキソヌクレアーゼに対して、iRNA剤の1つ以上の3'もしくは5'末端を安定化するための、またはアンチセンスsiRNA剤がRISCに入ることを助長するための修飾もまた、想定される。修飾は、C3(またはC6、C7、C12)アミノリンカーチオールリンカー、カルボキシルリンカー、非ヌクレオチドスペーサー(C3、C6、C9、C12、脱塩基、トリエチレングリコールヘキサエチレングリコール)、特別なビオチン、またはホスホラミダイトとして生じ、かつRNA合成中に複数のカップリングを可能にするように、別のDM保護ヒドロキシル基を有する、フルオレセイン試薬を含むことができる。

0182

iRNA剤は、インターフェロン応答を引き起こすのに十分長い分子(Dicer(Bernstein et al.2001.Nature,409:363−366)によって開裂され、RISC(RNAi誘発サイレンシング複合体)に入ることができる)、およびインターフェロン応答を引き起こさないくらい十分短い分子(その分子もまた、Dicerによって開裂され、RISCに入ることができる)、例えば、RISCへ入ることを可能にするサイズの分子、例えば、Dicer開裂産物に類似する分子を含む。インターフェロン応答を引き起こさないくらい十分短い分子は、本明細書において、siRNA剤またはより短いiRNA剤と呼ばれる。本明細書で使用する「siRNA剤またはより短いiRNA剤」は、ヒト細胞内で有害なインターフェロン応答を誘発しないくらい十分短い、iRNA剤、例えば、二本鎖RNA剤または一本鎖薬剤を指し、例えば、それは、60、50、40、または30未満のヌクレオチド対二本鎖領域を有する。siRNA剤またはその開裂産物は、例えば、標的RNAに対してRNAiを誘発することによって、標的遺伝子を下方制御することができ、その標的は、内在性または病原体標的RNAを含み得る。

0183

siRNA剤の各鎖は、30、25、24、23、22、21、または20以下のヌクレオチド長であり得る。鎖は、少なくとも19ヌクレオチド長であり得る。例えば、各鎖は、21〜25の間のヌクレオチド長であってもよい。siRNA剤は、17、18、19、29、21、22、23、24、もしくは25のヌクレオチド対の二本鎖領域、および2〜3ヌクレオチドの1つ以上の突出部、または1つもしくは2つの3'突出部を有してもよい。

0184

標的RNAとの相同性および標的遺伝子を下方制御するための能力に加えて、iRNA剤は、以下の特性のうちの1つ以上を有することができる。

0185

(1)iRNA剤は、以下のRNA剤の項に記載される式VIであり得る。

0186

(2)一本鎖の場合、iRNA剤は、1つ以上のリン酸基、またはリン酸基の1つ以上の類似体を含む、5'修飾を有してもよい。

0187

(3)iRNA剤は、非常に多くの数または全てのヌクレオシドに対してさえの修飾にもかかわらず、正確な塩基対合を形成し、かつ例えば、標的RNAの開裂によって、標的の下方制御を可能にするのに十分な相同の標的RNAと二本鎖構造を形成することができるように、適切な3次元骨格において塩基(または修飾塩基)を示すことができる、アンチセンス鎖を有し得る。

0188

(4)iRNA剤は、非常に多くの数または全てのヌクレオシドに対してさえの修飾にもかかわらず、「RNA類似」の性質をなおも有し得、すなわち、リボヌクレオチドをベースとした内容物の全てまたは部分的でさえないが、RNA分子の全体の構造的、化学的、および物理的特性を有し得る。例えば、iRNA剤は、例えば、ヌクレオチド糖の全てが、2'ヒドロキシルの代わりに2'フルオロを含有する、センスおよび/またはアンチセンス鎖を含有することができる。このデオキシリボヌクレオチド含有薬剤は、RNA類似の性質を示すことがなおも予測され得る。理論によって束縛されることを望まないが、電気陰性フッ素は、リボースのC2'位置に付着される場合、軸配向性好む。このフッ素の空間的な優先傾向は、糖にC3'エンドパッカーを採用させることができる。これは、RNA分子に観察されるものと同一のパッカー形式であり、RNAに特徴的なAファミリー型へリックスが生じる。さらに、フッ素は、良好な水素結合受体であることから、RNA構造を安定化することが既知である水分子と同一の水素結合相互作用に関与することができる。2'糖位置における修飾部分は、デオキシリボヌクレオチドのH部分よりもリボヌクレオチドのOH部分の特徴をより示す、H結合に関与することが可能であり得る。特定のiRNA剤は、その糖の全てまたは少なくとも50、75,80、85、90、もしくは95%においてC3'エンドパッカーを示すか、RNAに特徴的なAファミリー型へリックスを生じさせることができるくらい十分な量のその糖において、C3'エンドパッカーを示すか、20、10、5、4、3、2、または1より多いC3'エンドパッカー構造ではない糖を有することがない。修飾の本質にかかわらず、またRNA剤は、特に突出部または他の一本鎖領域において、デオキシヌクレオチドまたは修飾デオキシヌクレオチドを含有することができるが、DNA分子、あるいは分子中のヌクレオチドの50、60、もしくは70%超、または二本鎖領域内のヌクレオチドの50、60、もしくは70%超が、デオキシリボヌクレオチドであるか、または2'位置においてデオキシである修飾デオキシリボヌクレオチドである任意の分子が、RNA剤の定義から除外されることは確実である。

0189

本明細書で使用する「一本鎖iRNA剤」は、単一分子で構成されるiRNA剤である。それは、鎖内対合によって形成される二本鎖領域を含むことができ、例えば、ヘアピンまたはパンハンドル構造であっても、もしくはそれを含んでもよい。一本鎖iRNA剤は、標的分子に対してアンチセンスであり得る。ある実施形態では、一本鎖iRNA剤は、5'リン酸化であるか、または5'プライム末端においてホスホリル類似体を含む。5'−リン酸修飾は、RISC媒介遺伝子サイレンシング適合するものを含む。好適な修飾としては、5'−一リン酸((HO)2(O)P−O−5');5'−二リン酸((HO)2(O)P−O−P(HO)(O)−O−5');5'−三リン酸((HO)2(O)P−O−(HO)(O)P−O−P(HO)(O)−O−5');5'−グアノシンキャップ(7−メチル化または非メチル化)(7m−G−O−5'−(HO)(O)P−O−(HO)(O)P−O−P(HO)(O)−O−5');5'−アデノシンキャップ(Appp)、および任意の修飾または非修飾ヌクレオチドキャップ構造(N−O−5'−(HO)(O)P−O−(HO)(O)P−O−P(HO)(O)−O−5');5'−モノチオリン酸(ホスホロチオエート;(HO)2(S)P−O−5');5'−モノジチオリン酸(ホスホロジチオエート;(HO)(HS)(S)P−O−5')、5'−ホスホロチオレート((HO)2(O)P−S−5');酸素硫黄で置き換えられた一リン酸、二リン酸、および三リン酸の任意の追加の組み合わせ(例えば5'−α−チオ三リン酸、5'−γ−チオ三リン酸等)、5'−ホスホロアミダート((HO)2(O)P−NH−5'、(HO)(NH2)(O)P−O−5')、5'−アルキルホスホネート(R=アルキル=メチル、エチル、イソプロピル、プロピル等、例えば、RP(OH)(O)−O−5'−、(OH)2(O)P−5'−CH2−)、5'−アルキルエーテルホスホネート(R=アルキルエーテル=メトキシメチル(MeOCH2−)、エトキシメチル等、例えば、RP(OH)(O)−O−5'−)が挙げられる(これらの修飾はまた、二本鎖iRNAのアンチセンス鎖で使用することができる)。

0190

一本鎖iRNA剤は、RISCに入り、かつ標的mRNAのRISC媒介開裂に関与することができるくらい十分長くてもよい。一本鎖iRNA剤は、少なくとも14、他の実施形態では、少なくとも15、20、25、29、35、40、または50ヌクレオチド長である。ある実施形態では、200、100、または60未満のヌクレオチド長である。

0191

ヘアピンiRNA剤は、17、18、19、29、21、22、23、24、もしくは25に等しいか、または少なくとも17、18、19、29、21、22、23、24、もしくは25ヌクレオチド対の二本鎖領域を有する。二本鎖領域は、200、100、または50以下の長さであってもよい。ある実施形態では、二本鎖領域の範囲は、15〜30、17〜23、19〜23、および19〜21ヌクレオチド対長である。ヘアピンは、一本鎖突出部、またはいくつかの実施形態では、3'末端の、および特定の実施形態では、ヘアピンのアンチセンス側の末端不対領域を有してもよい。いくつかの実施形態では、突出部は、2〜3ヌクレオチド長である。

0192

本明細書で使用する「二本鎖(ds)iRNA剤」は、鎖間のハイブリダイゼーションが二本鎖構造の領域を形成することができる、2つ以上、場合によっては、2つの鎖を含むiRNA剤である。

0193

二本鎖iRNA剤のアンチセンス鎖は、14、15、16、17、18、19、25、29、40、もしくは60ヌクレオチド長に等しいか、または少なくとも14、15、16、17、18、19、25、29、40、もしくは60ヌクレオチド長であってもよい。それは、200、100、または50ヌクレオチド長以下であってもよい。範囲は、17〜25、19〜23、および19〜21ヌクレオチド長であってもよい。

0194

二本鎖iRNA剤のセンス鎖は、14、15、16、17、18、19、25、29、40、もしくは60ヌクレオチド長に等しいか、または少なくとも14、15、16、17、18、19、25、29、40、もしくは60ヌクレオチド長であってもよい。それは、200、100、または50ヌクレオチド長以下であってもよい。範囲は、17〜25、19〜23、および19〜21ヌクレオチド長であってもよい。

0195

二本鎖iRNA剤の二本鎖部分は、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、29、40、もしくは60ヌクレオチド対長に等しいか、または少なくとも14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、29、40、もしくは60ヌクレオチド対長であってもよい。それは、200、100、または50ヌクレオチド対長以下であってもよい。範囲は、15〜30、17〜23、19〜23、および19〜21ヌクレオチド対長であってもよい。

0196

多くの実施形態では、dsiRNA剤は、より小さいds iRNA剤、例えば、siRNA剤を産生するために、内在性分子によって、例えば、Dicerによって開裂することができるくらい十分大きい。

0197

本発明はさらに、本発明のiRNA剤のうちの1つによって標的化される配列内で標的化するiRNA剤を含む。本明細書で使用するように、第2のiRNA剤は、第2のiRNA剤が第1のiRNA剤のアンチセンス鎖に相補的なmRNA内のどこかでメッセージを開裂する場合、第1のiRNA剤の配列内で標的化するとされる。そのような第2の薬剤は、概して、標的遺伝子中の選択された配列に連続する領域から取られる、さらなるヌクレオチド配列に結合した、少なくとも15連続ヌクレオチドから成る。

0198

本発明のdsiRNAは、標的配列との1つ以上のミスマッチを含有することができる。好ましい実施形態では、本発明のdsiRNAは、3つより多いミスマッチは含有しない。dsiRNAのアンチセンス鎖が標的配列とのミスマッチを含有する場合、ミスマッチの範囲は、相補性領域の中心に位置しないことが好ましい。dsiRNAのアンチセンス鎖が標的配列とのミスマッチを含有する場合、ミスマッチは、いずれかの末端から5−ヌクレオチド、例えば相補性領域の5'または3'末端のいずれかから5、4、3、2、または1ヌクレオチドに限定されることが好ましい。例えば、標的遺伝子の領域に相補的な23ヌクレオチドdsiRNA鎖に対して、dsRNAは、概して、中央の13ヌクレオチド内にいかなるミスマッチも含有しない。標的配列とのミスマッチを含有するdsiRNAが、標的遺伝子の発現の阻害に有効であるかどうかを判定するために、本発明に記載する方法を使用することができる。標的遺伝子の発現の阻害における、ミスマッチを有するdsiRNAの有効性の考察は、特に、標的遺伝子中の特定の相補性領域が集団内で多型配列変異を有することが既知である場合、重要であり得る。

0199

いくつかの実施形態では、センス鎖は、アンチセンス鎖とのミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、ミスマッチは、3'末端から5ヌクレオチド、例えば、相補性領域の末端から5、4、3、2、または1ヌクレオチドにある。いくつかの実施形態では、ミスマッチは、標的開裂部位領域内に位置する。一実施形態では、センス鎖は、アンチセンス鎖と1、2、3、4、または5つより多くのミスマッチを有することがない。好ましい実施形態では、センス鎖は、アンチセンス鎖と3つより多くのミスマッチを有することはない。

0200

ある実施形態では、センス鎖は、標的開裂部位領域内に、核酸塩基修飾、例えば、随意的に置換された天然または非天然核酸塩基、ユニバーサル核酸塩基を含む。

0201

本明細書における「標的開裂部位」は、iRNA剤を利用することによって、RISC機構によって開裂される、標的遺伝子、例えば、標的mRNA、またはセンス鎖における骨格連結を意味する。また「標的開裂部位領域」は、開裂部位の両側に少なくとも1つまたは少なくとも2つのヌクレオチドを含む。センス鎖に対して、標的開裂部位は、センス鎖自体がRNAi機構によって開裂される標的であるならば、開裂されるであろうセンス鎖中の骨格連結である。標的開裂部位は、当該技術分野で既知の方法、例えば、Soutschek et al.,Nature(2004)432,173−178に詳述されるような5'−RACEアッセイを使用して判定することができる。当該技術分野においてよく理解されるように、2つの21ヌクレオチド長の鎖(該鎖は、3'末端において2−ヌクレオチド一本鎖突出部を有する、19の連続塩基対の二本鎖領域を形成する)を含む円錐型の二本鎖RNAi剤に対する開裂部位領域は、センス鎖の5'末端から9〜12位置に対応する。

0202

本発明はまた、キメラ化合物である核酸を含む。本発明との関連で、「キメラ核酸化合物または「キメラ」は、2つ以上の化学的に異なる領域を含有する核酸化合物であり、各領域は、少なくとも1つのモノマー単位、すなわち、核酸化合物の場合、ヌクレオチドで構成される。これらの核酸は、典型的には、核酸が修飾され、それによって、増加したヌクレアーゼ分解への耐性、増加した細胞取り込み、および/または標的核酸に対する増加した結合親和性をもたらすような、少なくとも1つの領域を含有する。核酸のさらなる領域は、RNA:DNAまたはRNA:RNAハイブリッドを開裂することが可能な酵素の基質としての機能を果たしてもよい。RNaseHは、RNA:DNA二本鎖のRNA鎖を開裂する細胞エンドヌクレアーゼである。したがって、RNase Hの活性化は、RNA標的の開裂をもたらし、それによって、遺伝子発現のdsRNA阻害の効率性を大いに増大する。

0203

本発明はまた、2つの鎖が一緒に連結されるdsiRNAを含む。2つの鎖は、(dT)n(nは、4〜10である)等のポリヌクレオチドリンカーによって一緒に連結することができ、それによって、ヘアピンを形成する。2つの鎖はまた、非ヌクレオシドリンカー、例えば、本明細書に記載するリンカーによって一緒に連結することができる。本明細書に記載する任意のオリゴヌクレオチド化学修飾または変異を、ポリヌクレオチドリンカーで使用することができることは、当業者によって理解されるであろう。

0204

二本鎖オリゴヌクレオチドは、二本鎖がアンチセンス鎖の5'末端領域内で解離または融解する傾向を増加させる(二本鎖会合自由エネルギーを減少させる)ことによって、RNA干渉に対して最適化することができる。これは、例えば、二本鎖がアンチセンス鎖の5'末端領域内で解離または融解する傾向を増加させる、修飾または修飾ヌクレオシド包含によって達成することができる。それはまた、二本鎖がアンチセンス鎖の5'末端領域内で解離または融解する傾向を増加させる、修飾もしくは修飾ヌクレオシドの包含、またはリガンドの付着によっても達成することができる。理論によって束縛されることを望まないが、その効果は、ヘリカーゼ等の酵素の効果を促進すること、例えば、アンチセンス鎖の5'末端付近の酵素の効果を促進することに起因し得る。

0205

二本鎖中のアンチセンス鎖の5'末端が解離する傾向を増加させる修飾は、単独で、または本明細書に記載する他の修飾、例えば、二本鎖中のアンチセンスの3'末端が解離する傾向を現象させる修飾と組み合わせて使用することができる。同様に、二本鎖中のアンチセンスの3'末端が解離する傾向を減少させる修飾は、単独で、または本明細書に記載する他の修飾、例えば、二本鎖中のアンチセンスの5'末端が解離する傾向を増加させる修飾と組み合わせて使用することができる。

0206

核酸塩基対は、解離または融解を促進するそれらの傾向に基づいてランク付けすることができる(例えば会合の自由エネルギーまたは特定の対合の解離に対して、最も単純な方法は、個々の対に基づいて対を検査することであるが、近隣または同様分析を使用することもできる)。解離の促進の観点から、A:Uは、G:Cよりも好ましく、G:Uは、G:Cよりも好ましく、I:Cは、G:Cよりも好ましく(I=イノシン)、ミスマッチ、例えば、非正準または正準対合以外は、正準(A:T、A:U、G:C)対合よりも好ましく、ユニバーサル塩基を含む対合は、正準対合よりも好ましい。

0207

二本鎖を形成する傾向を減少させる対合は、アンチセンス鎖の5'末端における二本鎖中の位置の1つ以上で使用されることが好ましい。末端対(アンチセンス鎖の観点から、最も5'側の対)、および二本鎖中のそれに続く4つの塩基対合位置(アンチセンス鎖の観点から、3'方向に進む)が、二本鎖を形成する傾向を減少させるための修飾の置き換えに好ましい。最末端の対およびそれに続く3、2、または1つの塩基対合の置き換えがより好ましい。二本鎖中のアンチセンス鎖の5'末端から少なくとも1、およびより好ましくは、2、3、4、または5つの塩基対が、A:U、G:U、I:C、ミスマッチ対、例えば、非正準もしくは正準対合以外、またはユニバーサル塩基を含む対合の群から独立して選択されることが好ましい。好ましい実施形態では、少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つの塩基対がユニバーサル塩基を含む。

0208

解離を促進する修飾または変化は、好ましくは、センス鎖中で行われるが、いくつかの実施形態では、そのような修飾/変化は、アンチセンス鎖中で行われる。

0209

核酸塩基対はまた、安定性を促進し、かつ解離または融解を阻害するそれらの傾向に基づいてランク付けすることができる(例えば会合の自由エネルギーまたは特定の対合の解離に対して、最も単純な方法は、個々の対に基づいて対を検査することであるが、近隣または同様分析を使用することもできる)。二本鎖安定性の観点から、G:Cは、A:Uよりも好ましく、ワトソンクリックマッチ(A:T、A:U、G:C)は、非正準または正準対合以外よりも好ましく、安定性を増加させる類似体は、ワトソン・クリックマッチ(A:T、A:U、G:C)よりも好ましく、例えば、2−アミノ−A:Uは、A:Uよりも好ましく、2−チオUまたは5Me−チオ−U:Aは、U:Aよりも好ましく、G−クランプ(4つの水素結合を有するCの類似体):Gは、C:Gよりも好ましく、グアナジニウム−G−クランプ:Gは、C:Gよりも好ましく、偽ウリジン:Aは、U:Aよりも好ましく、結合を強化する糖修飾、例えば、2'修飾、例えば、2'F、ENA、またはLNAは、非修飾部分よりも好ましく、二本鎖の安定性を強化するために、一方または両方の鎖上に存在することができる。

0210

二本鎖を形成する傾向を増加させる対合は、アンチセンス鎖の3'末端における二本鎖中の位置の1つ以上で使用されることが好ましい。末端対(アンチセンス鎖の観点から、最も3'側の対)、および二本鎖中のそれに続く4つの塩基対合位置(アンチセンス鎖の観点から、5'方向に進む)は、二本鎖を形成する傾向を減少させるための修飾の置き換えに好ましい。最末端の対およびそれに続く3、2、または1つの塩基対合の置き換えがより好ましい。列挙された領域の少なくとも1、およびより好ましくは、2、3、4、または5つの対が、G:C、ワトソン・クリックマッチ(A:T、A:U、G:C)よりも安定性を増加させる類似体を有する対、2−アミノ−A:U、2−チオUまたは5Me−チオ−U:A、G−クランプ(4つの水素結合を有するCの類似体):G、グアナジニウム−G−クランプ:G、偽ウリジン:A、一方または両方のサブユニットが、結合を強化する糖修飾、例えば、2'修飾、例えば、2'F、ENA、またはLNAを有する、対の群から独立して選択されることが好ましい。いくつかの実施形態では、塩基対のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つが二本鎖の安定性を促進する。

0211

好ましい実施形態では、塩基対のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つは、一方または両方のサブユニットが、結合を強化する糖修飾、例えば、2'修飾、例えば、2'−O−メチル、2'−O−Me(2'−O−メチル)、2'−O−MOE(2'−O−メトキシエチル)、2'−F、2'−O−CH2−(4'−C)(LNA)、および2'−O−CH2CH2−(4'−C)(ENA)を有する、対である。

0212

G−クランプおよびグアニジニウムG−クランプは、以下の参考文献において考察される。Holmes and Gait,“The Synthesis of 2'−O−Methyl G−Clamp Containing Oligonucleotides and Their Inhibition of theHIV−1 Tat−TAR Interaction,”Nucleosides,Nucleotides & Nucleic Acids,22:1259−1262,2003、Holmes et al.,“Steric inhibition of human immunodeficiency virus type−1 Tat−dependent trans−activation in vitro and in cells by oligonucleotides containing 2'−O−methyl G−clamp ribonucleoside analogues,”Nucleic Acids Research,31:2759−2768,2003、Wilds,et al.,“Structural basis for recognition of guanosine by a synthetic tricyclic cytosine analogue:Guanidinium G−clamp,”Helvetica Chimica Acta,86:966−978,2003、Rajeev,et al.,“High−Affinity Peptide Nucleic Acid Oligomers Containing Tricyclic Cytosine Analogues,”Organic Letters,4:4395−4398,2002、Ausin,et al.,“Synthesis of Amino− and Guanidino−G−Clamp PNA Monomers,”Organic Letters,4:4073−4075,2002、Maier et al.,“Nuclease resistance of oligonucleotides containing the tricyclic cytosine analogues phenoxazine and 9−(2−aminoethoxy)−phenoxazine(”G−clamp”) and origins of their nuclease resistance properties,”Biochemistry,41:1323−7,2002、Flanagan,et al.,“A cytosine analog that confers enhanced potency to antisense oligonucleotides,”Proceedings Of The National Academy Of Sciences Of The United States Of America,96:3513−8,1999。

0213

上で考察されるように、dsiRNAは、二本鎖のアンチセンス5'末端の安定性の減少、および二本鎖のアンチセンス3'末端の安定性の増加の両方を行うために修飾することができる。これは、二本鎖のアンチセンス5'末端における安定性減少修飾のうちの1つ以上を、二本鎖のアンチセンス3'末端の安定性増加修飾のうちの1つ以上と組み合わせることによって達成することができる。

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