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図面 (8)

課題

注入の際に前核視覚的に観察できない動物ゲノムへの核酸分子の組み込みを可能にする、動物の標的化ゲノム編集の方法の提供。

解決手段

目的の核酸分子及び標的座位切断部位に隣接する配列を含む1本鎖オリゴヌクレオチド又は2本鎖核酸分子を含む組成物が、ヌクレアーゼ及びヌクレアーゼを標的座位に標的化するガイド核酸分子と共に動物の接合体に注入される。組成物は、受精後、核形成の前に接合体に注入される。目的の核酸分子は、ゲノム内へと高効率で組み換えられる。

概要

背景

動物ゲノム改変は複数の使途がある。例えば、遺伝子をサイレンシングすること、タンパク質発現を妨げること、発現産物又は発現レベルを変化させることによって遺伝子が改変される場合、遺伝子又は遺伝子の領域の機能が明らかになる。遺伝子を変化させることで、さらに望ましい表現型への改変が生じる可能性もある。欠陥遺伝子が改変され得る場合、疾患の治療も可能である。受精した接合体中で前核視覚的に同定することが困難である、動物、特に大型家畜での有効な遺伝子標的化には、そのような動物ゲノム中の特定の領域を有効に標的化するための標的化構築物信頼性の高い送達を妨げる多数の問題がある。

概要

注入の際に前核が視覚的に観察できない動物のゲノムへの核酸分子の組み込みを可能にする、動物の標的化ゲノム編集の方法の提供。目的の核酸分子及び標的座位切断部位に隣接する配列を含む1本鎖オリゴヌクレオチド又は2本鎖核酸分子を含む組成物が、ヌクレアーゼ及びヌクレアーゼを標的座位に標的化するガイド核酸分子と共に動物の接合体に注入される。組成物は、受精後、核形成の前に接合体に注入される。目的の核酸分子は、ゲノム内へと高効率で組み換えられる。

目的

本方法は、精子によるの受精後、前核の形成前に接合体中に核酸分子を注入することを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

動物ゲノムの標的化遺伝子編集の方法であって、a)動物卵母細胞と動物精子とを受精させることによって前記動物の前記ゲノムを含む接合体を作製すること、b)前記接合体に、i.ヌクレアーゼ、ii.前記ヌクレアーゼを前記ゲノムの標的遺伝子に、標的座位において標的化する少なくとも1つのガイド核酸分子、iii.異種の目的の核酸分子(NOI)を含む1本鎖オリゴヌクレオチド又は2本鎖核酸分子、iv.前記標的座位の上流の第1の隣接配列相同な配列及び前記標的座位の下流の第2の隣接配列を含む第2の配列を含む1つ以上のベクター組成物注入すること、c)前記組成物が、前記接合体細胞が単一の核を形成する前に前記細胞に注入されること、d)前記ヌクレアーゼが、前記動物ゲノムの前記標的遺伝子の前記標的座位に2本鎖切断を導入すること、並びにe)前記NOIが、前記動物ゲノムの前記標的遺伝子の前記標的座位内へと組み換えられることを含む方法。

請求項2

組成物が前記接合体細胞の細胞質に注入される、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記組成物が受精の24時間後までに注入される、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記組成物が受精の少なくとも3時間後〜16時間後に注入される、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記組成物が受精の12〜16時間後に注入される、請求項1に記載の方法。

請求項6

前記組成物が受精の16時間後に注入される、請求項1に記載の方法。

請求項7

前記標的遺伝子の発現改変される、請求項1に記載の方法。

請求項8

前記NOIがポリペプチドを発現する、請求項1に記載の方法。

請求項9

前記NOIが前記動物ゲノム内へと組み換えられた後、前記動物の少なくとも1つの表現型が改変される、請求項1に記載の方法。

請求項10

前記動物が反芻動物である、請求項1に記載の方法。

請求項11

前記動物がブタ又はウシである、請求項1に記載の方法。

請求項12

前記動物がブタである、請求項1に記載の方法。

請求項13

前記組成物が、前記NOIを含む1本鎖オリゴヌクレオチドを含む、請求項1に記載の方法。

請求項14

前記隣接配列が50個以下の塩基対を含む、請求項13に記載の方法。

請求項15

前記組成物が、前記NOIを含む2本鎖核酸分子を含む、請求項1に記載の方法。

請求項16

前記隣接配列が1000個以下の塩基対を含む、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記隣接配列が5000個未満の塩基対を含む、請求項1に記載の方法。

請求項18

前記組成物が、前記標的遺伝子とハイブリダイズするガイドRNA及びCas9タンパク質を含む1つ以上の発現ベクターを含むCRISPR関連(Cas)系(CRISPR:クラスター化され規則的間隔で配置された短い回文型の反復配列(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeat))を含む、請求項1に記載の方法。

請求項19

ヒトの肉眼では視覚的に観察できない前核を有する動物の動物ゲノムの標的化遺伝子編集の方法であって、該方法がa)動物卵母細胞と動物精子とを受精させることによって前記動物の前記ゲノムを含む接合体を作製すること、b)前記接合体に、i.1つ以上の発現ベクターを含むCRISPR関連(Cas)系(CRISPR:クラスター化され規則的間隔で配置された短い回文型の反復配列(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeat))をコードしている少なくとも1つのヌクレオチド配列であって、該発現ベクターが:(a)前記動物の標的遺伝子にハイブリダイズするガイドRNA、(b)Cas9タンパク質をコードしているヌクレオチド配列を含む、ヌクレオチド配列、ii.異種の目的の核酸分子(NOI)を含む1本鎖オリゴヌクレオチド又は2本鎖核酸分子、iii.前記標的座位の上流の第1の隣接配列に相同な配列及び前記標的座位の下流の第2の隣接配列を含む第2の配列を含む1つ以上のベクターを含む組成物を注入すること、c)前記組成物が、前記接合体細胞が単一の核を形成する前に前記細胞に注入されること、d)前記ヌクレアーゼが、前記動物ゲノムの前記標的遺伝子の前記標的座位に2本鎖切断を導入すること、並びにe)前記NOIが、前記動物ゲノムの前記標的遺伝子の前記標的座位内へと組み換えられることを含む方法。

請求項20

ヒトゲノムへの核酸分子の組み込みの影響を予測する方法であって、a)ブタ動物卵母細胞とブタ動物精子とを受精させることによってブタ動物の前記ゲノムを含む接合体を作製すること、b)前記接合体に、i.ヌクレアーゼ、ii.前記ヌクレアーゼを前記ゲノムの標的遺伝子に、標的座位において標的化する少なくとも1つのガイド核酸分子iii.異種の目的の核酸分子(NOI)を含む1本鎖オリゴヌクレオチド又は2本鎖核酸分子、iv.前記標的座位の上流の第1の隣接配列に相同な配列及び前記標的座位の下流の第2の隣接配列を含む第2の配列を含む1つ以上のベクターを含む組成物を注入すること、c)前記組成物が、前記接合体が単一の核を形成する前に前記接合体に注入されること、d)前記ヌクレアーゼが、前記ブタ動物ゲノムの前記標的遺伝子の前記標的座位に2本鎖切断を導入すること、e)前記NOIが、前記ブタ動物ゲノムの前記標的遺伝子の前記標的座位内へと組み換えられることf)前記接合体からブタ動物を作製すること、g)前記ブタ動物において遺伝子型又は表現型変化を決定し、ヒトゲノムへの前記NOIの組み込みの影響を、前記ブタ動物における前記変化の結果として予測することを含む方法。

請求項21

挿入配列を有する編集されたZBED核酸配列

請求項22

列番号13、16又は17を含む、請求項21に記載の編集されたZBED配列。

請求項23

野生型ZBED配列を有するブタと比較して増大した成長能力を有する、編集されたZBED配列を有するブタ。

請求項24

前記ZBED配列が配列番号13、16又は17である、請求項23に記載のブタ。

技術分野

0001

関連出願についての相互参照
本出願は、その全体が本明細書に参照により組み込まれる2014年3月26日に出願された仮出願第61/970,794号に対する35 U.S.C. § 119の下での優先権を主張する。

0002

配列表
本出願は、EFS-Webを介してASCII形式提出され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる配列表を含有する。前記ASCII複製物、2015年3月22日作成は、U of Marylandと名付けられ、サイズ16,384バイトである。

背景技術

0003

動物ゲノム改変は複数の使途がある。例えば、遺伝子をサイレンシングすること、タンパク質発現を妨げること、発現産物又は発現レベルを変化させることによって遺伝子が改変される場合、遺伝子又は遺伝子の領域の機能が明らかになる。遺伝子を変化させることで、さらに望ましい表現型への改変が生じる可能性もある。欠陥遺伝子が改変され得る場合、疾患の治療も可能である。受精した接合体中で前核視覚的に同定することが困難である、動物、特に大型家畜での有効な遺伝子標的化には、そのような動物ゲノム中の特定の領域を有効に標的化するための標的化構築物信頼性の高い送達を妨げる多数の問題がある。

課題を解決するための手段

0004

本方法は、接合体の前核を視覚的に同定する必要がないように、大型動物の接合体中への核酸分子注入とそれに続く細胞の核への核酸分子の組み込みを可能にする。本方法は、精子によるの受精後、前核の形成前に接合体中に核酸分子を注入することを提供する。一実施形態の方法では、目的の核酸分子が標的化され形成され得られる核との相同組換えを用いる。2本鎖切断は、本発明の一実施形態では、標的座位において誘導されうる。ヌクレアーゼ、及び1本鎖オリゴヌクレオチド又は2本鎖標的化ベクターのいずれかは、目的の異種の核酸分子、及びその部位での相同組換えを可能にする2本鎖切断の部位に隣接する配列に相同性を有する配列と共に提供される。一実施形態では隣接配列は、1本鎖オリゴヌクレオチドを使用する場合は50塩基対(bp)以上であってよく、2本鎖標的化ベクターを使用する場合は500bp以上であってよい。本方法は、一実施形態では固有のタンパク質を発現する配列の発現を、例えば対立遺伝子発現阻害欠失、置き換え又は動物ゲノムに配列を導入することによって動物において改変するために使用され得る。

図面の簡単な説明

0005

図1ブタ及びネズミ接合体の顕微鏡写真である。
図2はGFP導入遺伝子のPRNP座位へのCRISPR媒介性ノックインを示す図である。A)は、内在性PRNP座位に相同標的化アームを示す標的化ベクターの模式図である。用語「上側」は切断部位上流の標的化PRNP座位の500bpを指し、「下側」は下流隣接配列の1000bpを指す。UBCは(ヒトユビキチンCプロモーター)を指し、GFPは緑色蛍光タンパク質を指し、bPA(ウシポリアデニル化転写終結配列)、PGK/EM7は真核生物性(ホスホグリセロキナーゼ)及び原核生物性(EM7、大腸菌(E.coli)での抗菌薬耐性遺伝子の構成的発現を可能にするT7プロモーター由来合成細菌性プロモーター、米国特許第7,244,609号)のハイブリッドRNAポリメラーゼIIプロモーター配列であってそれはネオマイシン(又は真核生物用G418)及びカナマイシン耐性(原核生物用)選択マーカーであるNeo/kanの発現を駆動する。直鎖化標的化ベクターと一緒に、Cas9mRNA、及びPRNPを標的化する単一ガイド(sgRNA)が、ブタ接合体に注入される。B)は、本方法の実施形態を示す模式図である。Cas9は、PRNPの第3エクソン二重鎖切断を誘導する。次いで切断されたDNAは標的化ベクターで修復され、この標的化対立遺伝子をもたらす。
図3A及びBは、GFPの発現を示す胚盤胞段階まで発達した代表的なを示す写真である。A)は緑色蛍光顕微鏡下での胚を示し、B)は明視野顕微鏡像を示す。
図4は一方は標的化ベクター内、他方は相同領域の外側であるプライマーの使用が、意図する座位の標的化を確認する正しいサイズの特異的バンドを示すゲルである。
図5A及びBは接合体への1本鎖オリゴヌクレオチドの組み込みを使用した、CRISPR媒介性相同性指向修復(homology directed repair)及びブタゲノムの編集を示す図である。A)は、ブタ接合体に注入された、Cas9ベクター、ZBED6座位標的化sgRNA、並びにLoxP部位及びEcoR1制限酵素部位を含有する1本鎖オリゴの模式図である。CMV及びT7は、プロモーターを指す。HAはHAタグであり、NLSは核局在化シグナルである。B)は、2個の断片を産生するように消化され得る組換えEcoRI部位を含有するPCRアンプリコンを示すゲルであり、そのアンプリコンは機能性EcoR1酵素部位の組換えを確認している。
図6はEcoR1部位(下線付き)及びLoxP(配列番号11)部位を枠内に示す、組換えZBED6対立遺伝子(示される全体配列は配列番号13である)の配列決定を示す図である。
図7はA)loxP標的化を伴う前核の模式図、及び2個のゲルとしてB)loxP標的化を伴うZBED6を示すゲル、及びC)loxP標的化を伴うPRNPを示すゲルを示す。

0006

好ましい実施形態の詳細な説明
遺伝材料哺乳動物細胞への移入は50年前に最初に報告され、そこでは、細胞がリン酸カルシウム媒介性トランスフェクションによってヒポキサンチンアミノプテリン及びチミジン(HAT)選択培地に対して耐性になった(Szybalska, E.ら、Genetics of human cell line. IV. DNA-mediated heritable transformation of a biochemical trait. Proc Natl Acad Sci U S A 48, 2026-2034 (1962))。外来性移入の効率は、マイクロマニピュレーターに取り付けられたマイクロピペットを用いた組織培養細胞への直接DNA注入によってさらに改善された(Graessmannら、Retransformation of a simian virus 40 revertant cell line, which is resistant to viral and DNA infections, by microinjection of viral DNA. J Virol 32, 989-994 (1979)、Capecchiら、High efficiency transformation by direct microinjection of DNA into cultured mammalian cells. Cell 22, 479-488 (1980))。これは、マウス接合体の前核(PN)への導入遺伝子の注入(Gordon, Jら、Genetic transformation of mouse embryos by microinjection of purified DNA. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77, 7380-7384 (1980))及び最初のトランスジェニックマウスの作製(Brinster, R.L.ら、Somatic expression of herpes thymidine kinase in mice following injection of a fusion gene into eggs. Cell 27, 223-231 (1981))のための準備段階としての役割を果たした。PN注入によるトランスジェニックマウス作製で最初に実証された成功の直後に同様の手順が、成長ホルモントランスジェニックブタを作製するために使用された(Hammer, R.E.ら、Production of transgenic rabbits、sheep and pigs by microinjection. Nature 315, 680-683 (1985))。PN注入手順は、ブタ、ウシ、ヒツジヤギラクダイヌネコなどのトランスジェニック大型家畜を作るために広く使用されている技術のままである、しかし、注入された接合体の1%だけが安定なトランスジェニック初代動物を生じる(Niemann, H. Transgenic pigs expressing plant genes. Proc Natl Acad Sci U S A 101,7211-7212 (2004)、Pratherら、Genetically modified pigs for medicine and agriculture. Biotechnology & Genetic Engineering Reviews 25, 245-265 (2008))。初代動物を生じる効率が低いことに加えて、この技術は、胚が見づらく、大きなDNA構築物を注入するために前核の位置を特定することが難しいブタ及び他の大型動物モデルにおいて難易度が高い(図1)。

0007

PN注入と一緒に、精子媒介性遺伝子移入、卵母細胞形質導入及びトランスポゾンを含む、トランスジェニック動物を作製するための他の方法が試みられているが、成功の程度はさまざまである(Parkら、Role of stem cells in large animal genetic engineering in the TALENs-CRISPR era. Reprod Fertil Dev 26, 65-73 (2013))。具体的にはCRISPR/Cas系又は他の部位特異的ヌクレアーゼの使用と組み合わせて、そのようなDNA構築物を遺伝子の特定の領域に標的化することができ、候補遺伝子の部位特異的ノックイン、ヌクレオチドの改変又は対立遺伝子の置き換えを可能にする。しかしすべての方法は、(以下にに限られないが):(1)ゲノムへの無作為組み込み、(2)挿入による変異誘発、(3)位置的サイレンシング、(4)組み込み体の数及び発現についての制御の欠如、(5)胚移植前の安定な組み込みのための予備スクリーニングができないこと、並びに(6)内在性遺伝子を除去(すなわち、遺伝子発現不活性化されるか又は作動不能である、遺伝子「ノックアウト」又は「KO」)できないこと、を含む同様の制限に悩まされる。意図する遺伝子配列を欠失のために標的化でき、又は外来DNAを組み込むことができる「遺伝子標的化」は、上に記載のすべての不利益を相殺する。

0008

遺伝子標的化の成功は、正の及び負の選択スキームと組み合わされた隣接する相同性同質遺伝子配列が意図する座位での組換え事象の作製及び同定を促進するという発見によると考えられる(Luciwら、Location and function of retroviral andSV40sequences that enhance biochemical transformation after microinjection of DNA. Cell 33, 705-716 (1983)、Kucherlapati, R.S.ら、Homologous recombination in monkey cells and human cell-free extracts. Cold Spring Harbor Symposia on Quantitative Biology 49, 191-197 (1984))。しかし、遺伝子をノックアウトする、点変異を導入する、又は遺伝子をノックインするための相同組換え(HR)に基づく遺伝子標的化の主な制限の1つは、正確な組換え事象を達成する効率の悪さ、典型的には細胞106〜107個に1つという範囲、である。さらにこれらの改変は、本質的にしばしば単一対立遺伝子性であり、両対立遺伝子の(ホモ接合性)改変のために標的化の第2ラウンドを必要とする。真性胚性幹細胞(ESC)を欠いているブタ及び他の家畜種では、体細胞、典型的には胎児線維芽細胞が遺伝子標的化のために使用され、改変細胞は、遺伝的に改変された(GM)動物を作製するため核移植又はクローニングにおいてドナー細胞として使用される。遺伝子標的化効率は、前駆体として体細胞を使用する場合は比較的低く、所望のノックイン(KI)又は実験期間中の他の遺伝子変化特徴付けを不可能にする線維芽細胞の比較的早い老化によってさらに困難になる。ブタ及び他の大型動物の長期の妊娠期間及び繁殖年齢への成熟のために、組換えブタを作製するための核移植又はクローニングによるホモ接合性ノックイン(又は「KI」、核酸配列が具体的な座位に挿入されている)動物の作製は、技術的にも困難性がああり、非常に多くの費用が必要である。

0009

可視化の邪魔になる、細胞質中の脂質顆粒によって前核が不明瞭になるような光学密度である接合体を有する動物を含む動物においてゲノム標的化を可能にする、接合体における標的化ゲノム編集の改善された方法が本明細書に示される。それは、ヒトの裸眼で接合体の前核を視覚的に同定し、核酸分子を核に注入することを困難にする。前核は、生殖細胞一倍体核であり、オス及びメスの前核は精子(spermatozoa)(精子(sperm))による卵母細胞(卵)の受精に続いて存在する。前核の膜は、溶解し、染色体整列し、次いで単一の二倍体核の一部になり始め、細胞分裂が生じる。当業者は、前核の核への形成に先立つ時間枠を決定できることを理解する。相同組換え技術を使用した核酸分子のゲノム上のある位置への正確な標的化は、そのような動物接合子細胞への直接注入を使用していまや可能であり、その際、注入が受精後、かつ前核が核を形成する前に行われる。この方法を使用して、核酸分子が核内へと効率的に組み換えられることが見出された。一実施形態は、受精の18〜24時間後までの注入を提供する。ある実施形態では時間枠は、一実施形態では5時間までであり、別の実施形態では12時間までである。実施形態は、受精の3、4又は5時間後に注入を行うことを提供する。受精後の約3〜5時間の間、細胞は、典型的には受精培地中に保たれており、培地から取り出された後に注入される。さらなる実施形態では注入は、受精の約16時間後までに行い、一実施形態では受精の3時間後〜4時間後〜5時間後〜6時間後〜7時間後〜8時間後〜9時間後〜10時間後〜12時間後〜13時間後〜14時間後〜15時間後〜16時間後までであり、さらなる実施形態では受精の8〜12時間後である。これは、胎児線維芽細胞、又は核移植若しくはクローニングの系を使用する必要を回避する。目的の核酸配列は、ゲノム中の所望の標的座位に配列を標的化する構成成分と共に注入され、その部位での相同組換えを提供する。そのような構成成分は一実施形態では標的座位を切断するためのヌクレアーゼを、ヌクレアーゼを標的化座位に導くガイドRNAと共に含む。

0010

目的の核酸分子(NOI)を標的遺伝子標的部位に標的化することを提供する任意の方法が、本方法において利用され得る。以下は限定としてではなく例示として提供される。ガイド核酸分子は、結合ドメイン認識ドメイン、ガイドRNA又は他の機序の使用を介して、ヌクレアーゼをゲノム中の特異的切断部位に導くRNAである。ガイド核酸分子は、標的座位の切断を導く上でのガイド核酸分子の作動に適した条件下で、細胞に導入される。当業者であれば、使用可能な多数の方法を利用することができ、最も一般的な方法は、標的座位で配列を認識しその座位へと切断を導く配列と共に、ヌクレアーゼを用いて遺伝子の標的領域を切断する。ポリヌクレオチド鎖ホスホジエステル結合を切断できる任意のヌクレアーゼが、本明細書に記載の方法において使用され得る。限定するものではないが例えば、利用可能な系は、比較的容易にブタゲノムなどの動物ゲノムの編集を可能とするZFN(亜鉛フィンガーヌクレアーゼ)、(Whyte, J.J.ら、Gene targeting with zinc finger nucleases to produce cloned eGFPknockout pigs. Mol Reprod Dev 78, 2 (2011)、Whyteら、Cell Biology Symposium: Zinc finger nucleases to create custom-designed modifications in the swine (Sus scrofa) genome. J Anim Sci 90, 1111-1117 (2012))、TALEN(TALエフェクターヌクレアーゼ)(Carlson, D.F.ら、Efficient TALEN-mediated gene knockout in livestock. Proc Natl Acad Sci U S A 109, 17382-17387 (2012)、Tan, W.ら、Efficient nonmeiotic allele introgression in livestock using custom endonucleases. Proc Natl Acad Sci U S A 110, 16526-16531 (2013)、Lillico, S.G.ら、Live pigs produced from genome edited zygotes. Scientific reports 3, 2847 (2013)を参照されたい)、及びCRISPR(クラスター化された規則的間隔で配置された短い回文型の反復配列(Clustered regularly interspaced short palindromic repeats))関連(Cas)ヌクレアーゼ系(Hai, T., Teng, F., Guo, R., Li, W. & Zhou、Q. One-step generation of knockout pigs by zygote injection of CRISPR/Cas system. Cell Res 24, 372-375 (2014))などの部位特異的ヌクレアーゼ(SSN)を利用するものを含む。米国特許第6,720,475号に記載のFLP/FRT、又は米国特許第5,658,772号に記載のCRE/LOXなどのリコンビナーゼの使用は、ポリヌクレオチド配列を特定の染色体部位に組み込むために利用され得る。メガヌクレアーゼは、Puchtaら、PNAS USA 93 (1996) pp. 5055-5060に記載のとおりドナーポリヌクレオチドを特定の染色体位置に標的化するために使用されている。ZFNは、亜鉛イオンを使用することによって安定化された構造を有する結合ドメインに結合しているタンパク質又はタンパク質のドメインと共に作用する。TALENは、DNA配列中の塩基対を特異的に認識できるアミノ酸の反復配列を有するドメインを利用する。両系の考察について、その全体が参照により本明細書に組み込まれるVoytasら、米国特許第8,697,853号を参照されたい。これらの系は各標的配列について調製された酵素を利用する。

0011

CRISPR/Casヌクレアーゼ系は、進入したウイルス及びプラスミドを検出及び切断するためのRNAに基づく獲得免疫系として古細菌及び細菌において発達した(Horvath, P. & Barrangou, R. CRISPR/Cas、the immune system of bacteria and archaea. Science 327、167-170 (2010)、Wiedenheftら、RNA-guided genetic silencing systems in bacteria and archaea. Nature 482, 331-338 (2012))。ヌクレアーゼを標的部位に導くためにDNA結合ドメイン(DBD)の構築を必要とするZFN及びTALENとは異なり、CRISPR/Cas系はRNAをガイドとして利用する。CRISPR座位は、細菌遺伝子中に認められる散在性の短い配列反復(SSR)の特徴的なクラスである。反復配列は、クラスター中に生じる短いエレメント群であり、実質的に一定の長さを有する固有の介在配列によって規則的に間隔が開いている。それらは、ウイルス又はプラスミド配列に相同な核酸分子がCRISPR座位に組み込まれている免疫系として観察された。外来DNA又はRNAは、標的化され切断される。この系は、規定の座位での核酸分子の標的化挿入のために適合されている。一般にCRISPR系は、ガイド配列がそれに対して相補性を有するように設計されている標的配列部位であって、そこにおいて標的配列とガイド配列とのハイブリダイゼーションがCRISPR複合体の形成を促進する標的配列部位での、CRISPR複合体形成を促進するエレメント、によって特徴付けられる。ハイブリダイゼーションを生じ、CRISPR複合体の形成を促進するために十分な相補性があれば、完全な相補性は必ずしも必要とされ22ない。CRISPR系では、1つの酵素、CRISPR酵素が短いRNA分子を使用する標的化のために使用される。

0012

2つの基本的な構成成分、ガイドRNA及びエンドヌクレアーゼが、系と共に使用される。ガイドRNAは、酵素に結合するために必要な標的部位及びtracrRNAを規定する内在性配列である。ガイド配列は標的特異性を提供し、tracrRNAはスキホールディング特性を提供する。これらのガイド配列は、標的部位にハイブリダイズして標的配列へのCRISPR複合体の結合を導く、典型的には約15から、20〜25までの塩基対(bp)である。CRISPR関連酵素をコードしている配列は、同じ又は異なるベクター上に提供されてよい。Casタンパク質の非限定的例は、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6. Cas7、Cas8、Cas9(Csn1及びCsx12としても知られる)、Cas10、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1、Cse2、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、その相同体又はその改変体を含む。一実施形態では当該酵素は、II型CRISPR系酵素であり、Cas9又はその変種若しくは改変体である。これらの酵素は公知であり、例えば化膿性連鎖球菌(S. pyogenes)Cas9タンパク質のアミノ酸配列はSwissProtデータベースにおいてアクセッション番号Q99ZW2で見出され得る。その酵素又はCas9タンパク質は、ニッカーゼ又はヌクレアーゼとして使用でき、DNAの1本鎖又は2本鎖を切断する。Cas9は、2つの機能性ドメインRuvC及びHNHを有し、両方が使用される場合は両鎖が切断される。Cas9ヌクレアーゼは、標的CRISPR RNA(crRNA)と共にリボヌクレアーゼ複合体を形成し、RNA(tracrRNA)をトランス活性化し、キメラRNAを使用してゲノム配列を標的化し、DSBを誘導する。CRISPR/Casヌクレアーゼ及び他のSSNは、標的化二重鎖切断(DSB)をゲノムDNA中に導入でき、それは1本鎖(SS)DNAオリゴヌクレオチド又は2本鎖(DS)標的化ベクターの存在下で、標的座位に、それぞれ選択されたヌクレオチドの相同組換え(HR)に基づく変更又は導入遺伝子のKIを生じる。別の実施形態では目的の核酸分子を有するSSオリゴヌクレオチドは、具体的な標的遺伝子領域の改変を標的化するためにCas9mRNA及びsgRNAと共に使用され得る。さらなる実施形態では標的遺伝子はgRNA配列相補的であり、プロトスペーサー(protospacer)近接モチーフ又はPAM配列を有する。これはCas9による結合に役立つ。CRISPR/Cas系の詳細な考察に関しては、本明細書にその全体が参照により組み込まれるCongら、米国特許第8,932,814号、第8,871,445号及び第8,906,616号を参照されたい。

0013

ゲノム中の切断は、非相同性末端結合(end joining)DNA修復経路(NHEJ)によって又は相同性指向修復(homology directed repair)経路(HDR)によって修復できる。NHEJは、フレームシフトを生じさせたり早期に終止コドンを発生させたりすることによって遺伝子を破壊できる。HDRは、そのような問題を回避する核酸分子の挿入を提供する実施形態である。二重鎖切断と共に、DNA修復鋳型が提供され、その配列は切断部位(相同アーム)に隣接するゲノム配列に相同性を有し、ハイブリダイズするように提供される。一実施形態ではDNA鋳型又は隣接配列は、CRISPR/Casベクターで細胞にトランスフェクトされる。

0014

HDRに基づく遺伝子標的化事象が極めてまれであっても、効率は標的座位にDSBを導入することによって数桁(>1000倍)改善される可能性がある(Moehle, E.A.ら、Targeted gene addition into a specified location in the human genome using designed zinc finger nucleases. Proc Natl Acad Sci U S A 104, 3055-3060 (2007))。DSBに続いて、DSBに隣接する末端に相同性を有するSSオリゴ又はDSベクターのいずれかが、標的化ゲノム変更又は導入遺伝子組み込みを有する動物を作製できる(Cui, L.ら、The permissive effect of zinc deficiency on uroguanylin and inducible nitric oxide synthase gene upregulation in rat intestine induced by interleukin 1alpha is rapidly reversed by zinc repletion. The Journal of Nutrition 133、51-56 (2003)、Meyer, M.ら、Gene targeting by homologous recombination in mouse zygotes mediated by zinc-finger nucleases. Proc Natl Acad Sci U S A 107, 15022-15026 (2010))。

0015

本発明者らの研究室では、ブタ接合体への直接注入によるCRISPR/Cas媒介性HDR及びヌクレオチド編集及び遺伝子KIは、遺伝的に改変された(GM)動物を作製するための核移植/クローニングの必要性を迂回した。各相同アームの長さは、ゲノムへの改変のサイズに応じて変動する。本明細書において本発明者らは現在の方法を使用しない場合に以前用いられていたものよりもはるかに小さな相同アームを利用できることを見出した。以前は、標的遺伝子隣接配列への配列相同性は、6000bp付近のサイズである必要があった。しかし、本発明では、2本鎖切断及び部位特異的ヌクレアーゼ系を使用することによって、本方法が6000bp未満の相同領域を必要とし、1本鎖オリゴでの使用のために少なくとも約40bpだけ、少なくとも約50bp及びその間の値又はさらに上流の並びに約40bp、少なくとも約50bp及びその間の値又はさらに下流の配列で作動し、並びに2本鎖標的化ベクターでは少なくとも約300bp、少なくとも500bp、1000bpまで及びその間の値又はそれ以上で作動することが実証される。これはそのような配列を調製する、あまり労力を要しない方法を提供し、標的ベクターを調製するための時間を6ヵ月ではなく1〜2週間又はそれより短く低減する。これらの相同アームは、SSオリゴヌクレオチド又はDSベクターと共に提供される。

0016

本方法は、得られた組換え事象の数において10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%までの増加及びその間の値の分、さらに大きな効率を提供するために、遺伝子編集における使用の拡張を提供する。回収される事象における倍数増加は1000倍以上に達する。これは、大型動物遺伝子編集での高い効率及び有用性並びに多数の背景における使用をもたらす。

0017

標的遺伝子について言及する場合、記載のとおり改変されることが望まれる動物ゲノム内の核酸分子又は核酸分子を挿入することが望まれる任意の核酸分子について言及することを意味する。標的ポリヌクレオチドは、遺伝子産物(例えばタンパク質)をコードする配列又は非コード配列(例えば、調節ポリヌクレオチド又はジャンクDNA)であってよい。

0018

本方法は、ノックイン及びノックアウトで有用である。例えば、転写活性化因子の挿入を通じて遺伝子転写上方制御でき、転写抑制因子を使用して発現を抑制できる。限定することを意図せずに、遺伝子編集の種々の利用には、多様な細胞型中の標的ポリヌクレオチドを改変すること(例えば、欠失すること、挿入すること、転位すること、不活性化すること、活性化すること、変異させること)を含む。いくつかの実施形態では発現されるポリペプチドは改変され得る。例えば、遺伝子治療、薬物スクリーニング疾患診断、予後、成長及び身体組成の増加又は減少、並びに動物性製品の質又は組成の改善において幅広い応用がある。本方法は、疾患遺伝子の改変が望まれる任意の状況において有用である。さらなる例は、飼料用途及び肉組成の改善、繁殖成績の増強、牛乳などの動物性製品の成分含有量(乳糖含有量など)の変化、並びに雄豚臭(boar taint)表現型などの表現型の低減又は排除を含む。本方法は、配列がゲノム中に挿入されるいわゆるノックイン又は遺伝子発現が低減若しくは排除若しくは妨げられるノックアウトで有用である。これは、遺伝子及びその下流への影響の理解及び制御を可能にする。

0019

標的ヌクレオチドは、多数の疾患関連遺伝子及びポリヌクレオチド並びにシグナル伝達生化学経路関連遺伝子及びポリヌクレオチドを含み得る。標的ポリヌクレオチドの例は、シグナル伝達生化学経路関連配列、例えばシグナル伝達生化学経路関連遺伝子又はポリヌクレオチドを含む。標的ポリヌクレオチドの例は、疾患遺伝子又はポリヌクレオチドを含む。「疾患」遺伝子又はポリヌクレオチドは、動物において疾患に影響を与えることに関連する任意の遺伝子又はポリヌクレオチドを含み、非疾患対照組織若しくは細胞と比較して疾患に罹患した組織由来の細胞において異常なレベル又は異常な形態での転写又は翻訳産物をもたらす遺伝子又はポリヌクレオチドを含み得る。疾患遺伝子は、疾患を有する若しくは発症する又は疾患から回復する増加した又は減少したリスクに関連する任意の遺伝子である。それは異常に高いレベルで発現されるようになる遺伝子であってよく、それは異常に低いレベルで発現されるようになる遺伝子であってよく、それらの場合に発現の変化は疾患の発症及び/又は進行に関連する。疾患遺伝子は、疾患の原因である遺伝子(複数可)に直接関わる又は不安定に関連している変異(複数可)又は遺伝的多様性を有する遺伝子も指す。転写された又は翻訳された産物は、公知の又は未知のものであってよく、正常又は異常なレベルであってよい。広範囲動物疾患が疾患に関連する遺伝子又はコードされたタンパク質を伴う、本明細書の方法の使用によって治療、予防又は研究され得る。いくつかの例は、伝播性海綿状脳症への耐性を提供するPRNP遺伝子;PRRSVからの保護における免疫応答遺伝子のSOCS1、SOD2、RBP4、HLA-B、HLA-G、PPP2R1A及びTAP1遺伝子の上方制御又はIL18、TF、C4BPA、C1QA、C1QB及びTYROBP遺伝子下方制御;人畜共通感染症インフルエンザ疾患と闘うためのKIデコイ、雄豚臭などの良くない表現型を排除すること、並びに農業的に有益な形質遺伝子移入(introgress)を含む。

0020

使用可能性のさらなる例は、干渉性核酸分子動物細胞への導入を提供する。例えば2本鎖RNA分子(dsRNA)が用いられ得る。要約するとこの方法において、部分的に又は完全に2本鎖であるRNAは、標的核酸分子の配列に基づいて作製される。dsRNAの作製手段の詳細は、当業者が理解するとおり様々であり、限定を意図しない例として、標的配列に対応する配列の2つのコピーが使用されるGrahamら、米国特許第6,573,099号の手法又は第1の鎖が標的核酸に対応するRNA配列であり、第2が標的配列に相補的なものであるFireら、米国特許第6,326,193号の手法(両方の文献とも参照により本明細書に組み込まれる)を含み、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる。これらの鎖は、阻害dsRNAを形成するように互いにハイブリダイズする。標的核酸分子に対応する鎖は、dsRNAが形成される限りその全体又は部分に対応し得る。標的核酸の相補体(アンチセンス)である鎖が使用される場合、それは形成されたdsRNAが標的核酸分子を干渉する限り、標的核酸分子の全体又は部分に相補的であってよい。dsRNAは、RNAse III Dicer酵素がdsRNAを処理しておよそ21〜23ヌクレオチドの小さな干渉RNA(siRNA)とし、それが相同mRNAを破壊するRNA誘発サイレンシング複合体RISCへと形成される応答を引き起こす。(Hammond, S. M.ら、Nature (2000) 404:293-296を参照されたい)。一般に、最大で10ヌクレオチド、20ヌクレオチド、30ヌクレオチド、40ヌクレオチド、50ヌクレオチド、100ヌクレオチド、200ヌクレオチド、300、500、550、500、550又はそれより大きな値、及びそれらの間の任意の値の配列が使用され得る。

0021

当業者は、利用可能な用途が多数あり、本明細書に記載の方法のために利用可能になることを理解する。

0022

本方法は、任意の動物において使用され得る。それらは、少なくとも部分的に視覚的に不明瞭(それが前核への注入を困難にする)である前核を受精後に有する動物で最も有用である。そのような前核は、ヒト肉眼つまりヒトの眼で視覚的に観察できず、造影剤、又は可視化を可能にする他の方法の補助なしで顕微鏡によって可視化できない。そのような動物は、「大型家畜」を含み、それは、ブタ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、並びにヒツジ、ヤギ、雄ジャコウウシラマアルパカ、グアナコ(guanico)、シカバイソンレイヨウ、ラクダ及びキリン、雄牛、ジャコウウシ、ラマ、アルパカ、グアナコ、シカ、バイソン、レイヨウ、ラクダ及びキリンなどの他の反芻動物を含む。家畜動物は、本方法が使用され得る動物に含まれるものである。さらに、霊長類ウサギミンク及び他のモデルなどの細胞質が透明である他の動物モデルでは、それにより、前核が形成されている場合を推測する必要がなくなり、代わりに材料を細胞質に注入できることから、その手段は、なお魅力的選択肢である。

0023

本方法は、ブタ(swine)で特に有用である。ブタは経済的に重要な農業用動物である。追加的にブタは、それらの生物医学的応用に望まれている。ヒト及びマウスと同様にブタは、単であり、それ自体が栄養摂取、輸送及び代謝の調査において主要な役割を演じている(Pattersonら、The pig as an experimental model for elucidating the mechanisms governing dietary influence on mineral absorption. Experimental biology and medicine 233, 651-664 (2008))。動物ゲノム編集の分野における前進は、ブタゲノムの配列決定を含む(Groenen, M.A.ら、Analyses of pig genomes provide insight into porcine demography and evolution. Nature 491, 393-398 (2012))。総合すると、取り組む必要がある生物学的課題に応じて、好適なブタモデルが調査のために利用可能である。しかし今日まで、マウスモデルに遅れをとっているGM技術によって「好ましいモデル」としてのブタの使用は、動機付けを欠いていた。本方法はこれらの短所に取り組む。

0024

マウスは、いまだ有力な遺伝モデル種であるが、制限を有し、予防医学(肥満不妊症心血管系障害)、新規又は改善された診断の同定、及び農場由来人畜共通感染性疾患のモデルに取り組む生物医学的要求の全範囲を満たすことはできないというコンセンサスが近年高まっている。別法としてブタなどの大型の家畜化された動物が、それらが一腹の仔を出産する種であり、長期の調査を可能にする比較的長寿命である利点を維持しながら、ヒトに解剖学的、生理学的及び免疫学的により類似していることから好まれつつある。マウスモデルが解剖学的又は生理学的な差異により期待に合致しないことの例は、嚢胞性線維症眼疾患及び心疾患を含む(Rogers, C.S.ら、Disruption of the CFTR gene produces a model of cystic fibrosis in newborn pigs. Science 321、1837-1841 (2008)、Welsh, Mら、Development of a porcine model of cystic fibrosis. Transactions of the American Clinical and Climatological Association 120, 149-162 (2009)、Zhou, L.ら、Differentiation of induced pluripotent stem cells of swine into rod photoreceptors and their integration into the retina. Stem Cells 29, 972-980 (2011)、Whyte, J.J.ら、Vascular endothelium-specific overexpression of human catalase in cloned pigs. Transgenic Res 20, 989-1001 (2011))。ほとんどすべての家畜ブタが交雑種であることから、これらの動物モデルから得られる表現型は、近交系マウス系統よりもヒト疾患のためにより信頼性が高く、適用できる。同様に家畜ブタは、それらが疾患の病巣又はキャリアーとして働く、又は病原体天然宿主である場合に、人畜共通感染症又は感染性疾患研究のためにより適している。ヒト疾患のモデルとして役立つことに加えて家畜ブタは、比較的長い寿命、身体のサイズ及び生理学のヒトへの高い類似性が利点となる研究において望まれている。簡潔にはブタは、栄養学的研究のための好ましいモデルである。

0025

注入について言及する場合、細胞にデバイスを挿入する任意の簡便な方法及び細胞への核酸分子の移入方法を意味している。限定するものではない例として、これは、核酸分子を保持しているシリンジを含む場合がある注入ピペットを用いて達成され得る。ピペットは、透明体を通して挿入される。現在の技術とは対照的に、注入デバイスを前核に接触させるために前核を視覚的に観察できる必要はない。代わりに前核が接触しているかどうかに関わらず、受精させた卵母細胞に核酸分子を導入する必要があるだけであり、細胞質への導入で十分である。注入は、受精後、前核が核を形成する前に行う。受精前にメスDNAは、分裂中期II段階にあり、減数分裂を完了していない。精子は減数分裂及び核の最終的な形成を刺激する。ここで核形成の前に注入が行われる。ある実施形態は16時間までに、一実施形態では受精後12〜16時間、別の実施形態では受精後3、4、5又は6〜12時間及びさらなる実施形態では受精後16時間までに注入を行うことを提供する。本明細書に記載のとおり当業者は、特定の動物においていつ核が形成されるかを決定でき、そのときより前に注入する。ブタ及びウシでは、例えばその時間枠は、受精後12〜16時間である。いかなる理論にも束縛されるものではないが、細胞質中の分子が消散し、ヌクレアーゼ組換え構成成分にが最終的な核に核酸分子を組み込むために十分な時間をこれが提供することが考えられる。これは、前核注入が困難であった大型動物への核酸分子の導入を可能にするだけでなく、この場合、最大100%の高い事象回収率も提供し、DNA複製後に組換えが生じる場合に生じ得るモザイクの産生の課題も回避する。

0026

本明細書において使用される用語、核酸又はポリヌクレオチドは、他に示す場合を除いてデオキシリボ核酸又はリボヌクレオチド及び1本鎖又は2本鎖形態のいずれかでのそのポリマーを指す。同様にその用語は、遺伝子又はその一部、cDNA、合成ポリデオキシリボ核酸配列などであってよく、1本鎖又は2本鎖及びDNA/RNAハイブリッドであってよいRNA及びDNAを含む。他に示す場合を除いて具体的な核酸配列は、明示的に示された配列だけでなく、保存的に改変されたその変種(例えば縮重コドン置換)及び相補性配列も暗に包含する。詳細には縮重コドン置換は、1つ以上の選択された(又はすべての)コドンの3番目の位置が混合塩基及び/又はデオキシイノシン残基で置換されている配列を生成することによって達成され得る(Batzerら、(1991) Nucleic Acid Res. 19:5081、Ohtsukaら、(1985) J. Biol. Chem. 260:2605-2608、Rossoliniら、(1994) Mol. Cell. Probes 8:91-98)。用語「核酸」は、遺伝子、cDNA及び遺伝子によってコードされたmRNAと互換的に使用される。

0027

「ポリペプチド」は、一般にペプチド及びタンパク質を指す。特定の実施形態ではポリペプチドは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10個以上又は間の値のいずれかのアミノ酸であってよい。ペプチドは、50アミノ酸より多いと一般に考えられる。用語「断片」、「誘導体」及び「相同体」は、本発明によるポリペプチドについて言及する場合、前記ポリペプチドと本質的に同じ生物学的機能又は活性を保持しているポリペプチドを意味する。そのような断片、誘導体及び相同体は、ポリペプチドの生物学的活性の1つ以上を保持する能力に基づいて選ばれてよい。ポリペプチドは、組換えポリペプチド天然ポリペプチド又は合成ポリペプチドであってよい。

0028

したがって目的の核酸分子(NOI)に言及する場合、これは、動物細胞核中に導入されることが望まれる核酸分子を意味する。次いでNOIは、限定するものではないが例えば、標的遺伝子であってよく、改変されていてもよく、RNA、干渉RNA、標的遺伝子若しくは別の遺伝子に本明細書で考察のとおり種々の影響を有し得る核酸分子、ゲノムに新たに挿入されゲノム内に追加的ポリペプチドを産生できる核酸分子、又はこれらの任意の組合せであってよい。動物細胞ゲノムに導入されることが望まれる任意の核酸分子は、NOIであってよい。

0029

コドン最適化」は、動物における発現のために配列を最適化するために使用でき、目的の動物、例えばブタの細胞における発現を増強するために核酸配列を、少なくとも1つの、1つより多い又はかなりの数の天然配列のコドンを動物の遺伝子においてより頻繁に又は最も頻繁に使用されているコドンで置き換えることによって改変することとして定義される。種々の種は、具体的なアミノ酸の特定のコドンに特定の偏りを示す。Cas9は、発現の改善のためにコドン最適化された配列の1つであり得る。

0030

一態様では、RNAを産生できるコドン最適化コード領域核酸断片を含むポリヌクレオチドは、所与の動物の細胞における発現の最適化のためにコドン使用頻度を適合させた、ポリペプチド若しくは断片、その変種又は誘導体をコードするものである。これらのポリヌクレオチドは、目的の宿主の遺伝子における使用のために好ましいコドンをDNA配列に組み込むことによって調製される。

0031

「異種」核酸分子は、近接核酸分子の近位には天然では見出されない任意のものである。異種ポリヌクレオチド又は異種核酸又は外来DNAセグメントは、特定の宿主細胞とは違う供給源に由来する又は同じ供給源由来である場合は、組成物及び/又はゲノム座位において元の形態からヒトの介入によって改変されているポリヌクレオチド、核酸又はDNAセグメントを指す。宿主細胞中の異種遺伝子は、特定の宿主細胞にとって内在性であるが、改変されている又は宿主に導入されている遺伝子を含む。したがってこの用語は、細胞にとって外来若しくは異種である、又は細胞にとって同種であるが要素が本来は見出されない宿主細胞核酸中の位置にある、核酸分子を指す。

0032

次いで核酸は、ベクター、プラスミド又は構築物などを使用して動物宿主細胞に導入されてよい。「ベクター」は、宿主細胞に核酸を導入させる任意の手段である。ベクターは、1本鎖、2本鎖又は部分的に2本鎖であってよく、遊離末端を有しても有さなくてもよく、DNA、RNA又は両方であってよい。種々のポリヌクレオチドがベクターとして有用であることが知られている。プラスミドは、環状2本鎖DNAループである。1つ以上の発現ベクターについて言及する場合、作動可能に連結した核酸分子の適切な発現のために必要な調節エレメントを含む1つ以上のベクターについて言及することを意味する。ベクターは、結合したセグメントの複製を生じるために別のDNAセグメントが結合できるレプリコンであってよい。レプリコンは、in vivoでDNA又はRNA複製の自律的単位として機能する、すなわちそれ自体の制御で複製できる、任意の遺伝的要素(例えば、プラスミド、ファージコスミド、染色体、ウイルス)である。用語「ベクター」は、核酸を細胞中にin vitro、ex vivo又はin vivoで導入するためのウイルス性及び非ウイルス性手段の両方を含む。ウイルスベクターは、これだけに限らないがアデノ随伴ウイルスレンチウイルスアルファウイルスレトロウイルスポックスバキュロウイルスワクシニア単純ヘルペスエプスタインバー、狂犬病ウイルス及び水疱性口内炎ウイルスを含む。非ウイルスベクターは、これだけに限らないがプラスミド、リポソーム荷電脂質(サイトフェクチン(cytofectin))、DNA又はRNAタンパク質複合体及びバイオポリマーを含む。核酸に加えてベクターは、1つ以上の制御領域、及び/又は核酸導入結果(いずれかの組織への導入、発現の期間など)を選択、測定及びモニタリングすることにおいて有用な選択マーカーも含有してよい。形質転換細胞は、例えば、プラスミド上に含有された、amp、kan、gpt、neo及びhyg遺伝子などの遺伝子によって付与された抗生物質への耐性によって選択され得る。そのような配列をウイルスベクターに挿入し、ウイルスDNAにいずれかの変更を作る、例えばリンカー配列を挿入するなどのために用いられる技術は当業者に知られている(例えばSambrookら、2001. Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd Edition. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Plainview, NYを参照されたい)。「カセット」は、特異的制限部位でベクターに挿入され得るDNAのセグメントを指す。DNAのセグメントは、目的のポリペプチドをコードする又はRNAを産生し、カセット及び制限部位は、転写及び翻訳のために適切な読み枠でのカセットの挿入を確実にするように設計されている。

0033

核酸分子は5'末端で好適なプロモーターに、3'末端で終止シグナル及びポリ(A)シグナルに作動可能に連結されてよい。本明細書において使用される用語「作動可能に連結」は、発現制御配列、例えば転写プロモーター及び終止配列を含有している核酸分子を意味し、核酸分子によって産生されるポリペプチド又はRNAの発現が発現制御配列によって制御されるようにベクター又は細胞中に位置していることを意味する。そのような配列をクローニング及び作動可能に連結するための方法は、当技術分野において周知である。プロモーターは、構成的発現又は組織優先的発現を導き得る。組織優先的(組織特異的と称される場合がある)プロモーターは、特定の細胞又は組織での増強された転写及び/又は発現を標的化するために使用されてよい。そのようなプロモーターは、細胞又は組織の他の部分においてよりも特定の細胞領域又は組織においてより高レベルで発現し、主としてその細胞領域又は組織において発現する場合がある。例は、細胞壁分泌され、小胞体若しくは標的液胞又は他の細胞器官中で発現を保持するプロモーターを含む。他は、主として筋肉ニューロン、骨、皮膚、血液又は特定の器官若しくは細胞型に発現を誘導し得る。そのようなプロモーターは、一時的に発現を誘導するものであってもよく、細胞の発達又は周期の特定の段階で発現する。一例で利用されるプロモーター(複数可)は、ポリメラーゼ(pol)I、pol II又はpol IIIプロモーターであってよい。pol Iプロモーターの例はニワトリRNA pol Iプロモーターを含む。pol IIプロモーターの例は、これだけに限らないがサイトメガロウイルス最初期(CMV)プロモーター、ラウス肉腫ウイルス末端反復配列(RSV-LTR)プロモーター及びサルウイルス40(SV40)最初期プロモーターを含む。pol IIIプロモーターの例はU6及びH1プロモーターを含む。メタロチオネインプロモーターなどの誘導性プロモーターは使用され得る。プロモーターの他の例はT7ファージプロモーター、T3ファージプロモーター、ベータガラクトシダーゼプロモーター及びSp6ファージプロモーターを含む。終止及びポリ(A)シグナルを有するDNAの例はSV40後期ポリ(A)領域である。これらの商業的に入手できる発現ベクター及び系の使用は、当技術分野において周知である。ベクターは、目的の核酸分子又は核酸分子の組合せの複数のコピーを含んでもよく、同様に複数のベクターが細胞中に同時に又は逐次的に導入されてもよい。

0034

他の構成成分、ポリアデニル化配列エンハンサーシグナルペプチド誘導性エレメント、イントロン翻訳調節配列などが、細胞に同様に導入される1つ以上のベクターにも含まれてよい。上に記載のとおり、ベクターを有する細胞の生存又はベクターを有する細胞の他の同定を可能にする選択マーカーも使用され得る。

0035

核酸分子は、細胞中に挿入される場合、細胞に導入される。細胞は、外来又は異種DNA又はRNAによって、そのようなDNA又はRNAが細胞内に導入された場合に「トランスフェクト」される。細胞への核酸分子の組み込みについて言及する場合、それは分子が組み換えられ、ゲノムの一部になることを意味する。

0036

目的の核酸分子の存在は、マーカー遺伝子の存在を同定すること、PCRなどを介して挿入配列の存在を検出すること、動物細胞、組織若しくは体液由来の発現産物を検出すること、ノーザン若しくはウエスタンブロット分析又は任意の他の容易に利用可能な方法などの任意の簡便な技術によって決定され得る。

0037

本明細書に引用するすべての参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。示される例は、例示として提供され、本発明の範囲を限定することを意味しない。

0038

CRISPR媒介性遺伝子ノックイン:
本発明者らの研究室では、主要プリオンタンパク質(PRNP)が、導入遺伝子の標的化KIのためのいわゆる「セーフハーバー」座位として使用されている。マウスでは導入遺伝子は、すべての標的組織において広範に発現されており、欠失された場合に子孫の生存に致命的ではないことが示されているRosa26座位に典型的にはノックインされる(配列番号1はPRNPタンパク質遺伝子ID:494014である)。したがってRosa26は:a)導入遺伝子の偶発性サイレンシング、及びb)ゲノムにおいて標的以外の部位への導入遺伝子の無作為挿入によって生じた挿入的変異誘発、の両方を妨げるための導入遺伝子を挿入するための好ましい部位である。マウスではRosa26の他に、PRNPは広範に発現される別の遺伝子であり、生存に必要とされないことから、セーフハーバー座位として認定される。そのようなセーフハーバー遺伝子は、部位へのベクター又は核酸分子の導入によって細胞に公知の有害作用を有さない、という基準に合致するものであり、細胞型にまたがった転写能力を有するものである。マウスの他に、PRNP-/-ウシも健常である(Richt, J.A.ら、Production of cattle lacking prion protein. Nat Biotechnol 25, 132-138 (2007))。任意のセーフハーバー遺伝子が核酸分子のノックインのために所望により利用されてよい。

0039

ブタ及び他の大型動物においてRosa26座位は、十分に特徴付けられていない。したがって、PRNPを導入遺伝子の標的化KO及びKIのためにセーフハーバー座位として選択し、組換えブタを確立する。結果は下に考察される。

0040

A)標的化ベクターの構築:
PRNP遺伝子のエクソン3に隣接しているCas9切断部位に相同な500bpの上側アーム及び1000bpの下側アーム(それぞれ配列番号2及び3)からなる遺伝子標的化ベクターを作製した。固有の制限配列AscI及びXhoIを保有するプライマーを使用して、上側アームの配列の1000bpをGFP(緑蛍光タンパク質、配列番号4及びGenBankU73901を参照されたい)発現piggyBacベクター中の対応する配列にクローニングした(配列番号5、6)。同様にBsiWI及びMluIからなるプライマーを使用して、切断部位の下流配列の1000bpを増幅し、同じGFP piggyBacベクターにクローニングした(配列番号7、8)。最終的な標的化ベクターは、ベクターをAscI及びHpaIで消化することによって生成され、原核生物配列を含まない直鎖化ベクターが胚に注入される。

0041

B)ブタ胚におけるCRISPR媒介性標的化遺伝子ノックイン:
本発明者らは、遺伝子標的化が胚への直接注入によって達成され、それにより中間細胞型での標的化の必要を回避し、クローニング実験によってGM動物を生成できるかどうかを調べた。図2a及び2Bに記すとおり、標的化ベクターとCRISPR(DSBを生成するため)の共注入によって本発明者らは、胚中のPRNP座位へのGFP導入遺伝子のKIの成功を実証した。図2ではUBCは(ヒトユビキチンCプロモーター)を指し;GFPは緑色蛍光タンパク質を指し;bPA(ウシポリアデニル化転写終結配列);PGK/EM7は真核生物性(ホスホグリセロキナーゼ)及び原核生物性(EM7、大腸菌での抗菌薬耐性遺伝子の構成的発現を可能にするT7プロモーター由来合成細菌性プロモーター、米国特許第7,244,609号)のハイブリッドのRNAポリメラーゼIIプロモーター配列であり、これはネオマイシン(又は真核用のG418)及びカナマイシン(原核用)耐性選択可能マーカーであるNeo/kanの発現を駆動する。図で「上側」はCas9切断部位に隣接している上側の500bp相同性配列を指し、「下側」は切断部位に隣接している1000bp下流配列を指す。

0042

簡潔には、雌ブタ由来成熟卵母細胞ARTInc.(Madison、WI)から購入し、市販の成熟化培地#1中で研究室へ一晩輸送した。成熟化培地#1(ARTにより提供)中に置いて24時間後、50〜75個の卵丘卵母細胞複合体(COC)を、0.14%PVA、10ng/ml上皮増殖因子、0.57mMシステイン、0.5IU/mlブタFSH及び0.5IU/mlヒツジLHを含有している組織培養培地199(TCM 199)500μlに置き、さらに20時間、38.5℃、大気中5%CO2、湿度100%で培養した(Abeydeera, L.ら、Maturation in vitro of pig oocytes in protein-free culture media: fertilization and subsequent embryo development in vitro. Biol Reprod 58, 1316-1320 (1998))。COCは、成熟化後に、0.01%PVAを含有するHEPES緩衝培地中0.1%ヒアルロニダーゼにおいて卵丘細胞を除去するために4分間ボルテックスした。30〜35個の成熟剥離卵母細胞の群を改変Tris緩衝培地(mTBM)100μl中に置き、新鮮供与された(extended)成熟雄精液を使用し、確立されたプロトコール(Abeydeera, L.R. & Day, B.N. Fertilization and subsequent development in vitro of pig ooytes inseminated in a modified tris-buffered medium with frozen-thawed ejaculated spermatozoa. Biol Reprod 57, 729-734 (1997))に従って受精させた。供与された精液1〜2mlを1mg/mlBSAを含有するダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)と混合して最終体積を10mlとし、1000xgで25℃、4分間遠心分離し、精子をDPBS中で合計3回洗浄した。最終洗浄後、精子をmTBM培地中に再懸濁し、卵母細胞に精子5x105個/mlの最終濃度で加え、5時間にわたり、38.5℃、5%CO2で共インキュベートした。受精の5時間後、推定(presumptive)接合体に、100ng/ulのCas9mRNAを、PRNPを標的化するsgRNA(50ng/ul)及び2ng/ulの直鎖化標的化ベクターと共に、Eppendorf Transjectorを使用して注入した。混合物およそ50nlをブタ接合体に注入し、ブタin vitro培養PZM3培地中で追加的に6日間培養した(Yoshioka, Kら、Birth of piglets derived from porcine zygotes cultured in a chemically defined medium. Biol Reprod 66, 112-119(2002))。すでに胚盤胞段階に成長している注入した胚を、挿入したGFPカセットの発現についてスクリーニングした。図3A及び3BではGFPの発現は、in vitro培養6日目の増殖した胚盤胞において明らかであった。

0043

GFPの標的化組み込みは、標的化ベクターの内側及び外側両方のプライマーを使用する胚盤胞DNAのPCR増幅によっても確認した(図4)(配列番号9、10)。最終確認は、PCRアンプリコンの配列決定によって得た。本発明者らは、これらのGFPKI胚のレシピエント雌ブタへの移植を実施した。これらの動物は妊娠60日間目で妊娠しており、生きた動物を産む可能性が高い。

0044

胚における1本鎖オリゴ媒介性ゲノム編集:
動物ゲノムの配列決定により、量的形質座位(QTL)、及びいくつかの場合には問題とする表現型に影響を与えることができる量的形質ヌクレオチド(QTN)を同定することがいまや可能である。これらのQTL及びQTNが検査されることは必須である。優れた又は疾患遺伝子型を正確に反映するように特異的にヌクレオチドを変更する能力は、それぞれ畜産(animal agriculture)を改善するため及び疾患モデルを作製するための強力な手段である。本発明者らは、所望の表現型を得るためにヌクレオチドを変更できるかどうかを調べた。この手法は、雄豚臭、角表現型、疾患易罹患性及び他のパラメーターなどの負の形質が動物の利益になるように極めて正確に変更される場合は畜産への最も直接的な応用性を有する。

0045

本発明者らは、特異的座位が所望のヌクレオチド改変を保持している1本鎖オリゴを使用してヌクレオチドを導入するために標的化できるかどうかを試験した。この場合本発明者らは、本発明者らが新規EcoR1制限酵素を生成するためにPRNP座位を標的化して既存のヌクレオチドの1つを改変することができるかどうかを調べた(図5A)。使用したプロモーターはCMV及びT7であり、HAはHAタグを指し、NLSは核局在化を促進するために使用できる核局在化シグナルである。付加的に、簡易な分析のために34ヌクレオチドLoxP部位(配列番号11)をオリゴ上で操作した(図5A)。図5Bに示すとおり本発明者らは、LoxP及びEcoR1制限酵素を保持するオリゴをCas9mRNA及びZBED6標的化sgRNAと共に注入することによって候補ZBED6座位を変更できた(配列番号12)。ZBED6は、ブタにおいてインスリン様増殖因子2遺伝子の発現を制御している亜鉛フィンガータンパク質である。Markljungら、“ZBED6, a novel transcription factor derived from a domesticated DNA transposon regulates IGF2 expression and muscle growth.PLoS Biol. 7(12) e1000256を参照されたい。上述のとおり、操作されたZBED6座位は、PCR産物の長さが34ヌクレオチド増加することによって可視化でき、それは次いでEcoR1消化によって確認された。最終確認は、制限部位が下線で示されている標的化座位の配列決定から明らかであった(図6)。本発明者らは、PRNPで結果を再現できた(図7を参照されたい。Cas9を100ng/ulで、sgRNAを50ng/ulで及びLoxPオリゴを2ng/ulで導入した)。

0046

本発明者らは、中間ステップを排除し、胚において直接的に遺伝子標的化を実施することによって、トランスジェニック及び/又は編集された動物を作製するための非常に効率的な方法を確立した。本発明者らの手法での有利点は2つあり、1つは標的化ベクターの作製におけるものであり、2つ目は構築物の送達におけるものである。標的化ベクターに関して主な利点は、標的化構築物中の長い相同アームに対する必要性がそれほど厳しくないことである。本発明者らの実験では、遺伝子標的化は、各標的化アームについて300bp、500bpまで、1000bpまでという小さなサイズでの相同性で、ゲノムDNAのPCRによって容易に得られる又はGブロックとして合成されIDT Inc.から得られるDNA断片で達成できた(図2A)。これは、ブタ胎児線維芽細胞(PFF)における遺伝子標的化のために必要な少なくとも6kbの相同性とは全く対照的である。DNA構築物の送達に関して本発明者らは、核エンベロープが形成されるときにDNAが前核にパッケージされるようにする原始ブタ接合体の細胞質にDNA及びCRISPR/Casを注入でき、それにより胚における相同組換え媒介性遺伝子標的化が可能となる受精後の時間帯を同定した。この方策は、導入遺伝子を注入するために接合体中に前核を配置することが律速因子であるという、ブタにおいてトランスジェニック動物を作製する上での別の主な障壁を排除する。さらに、遺伝子標的化のその効率は、スクリーニングされたすべての胚盤胞で80〜100%であった。これは、胚におけるKI構築物が正確に標的化されたことを示している。最後の利点は、胚においてほんの数個のヌクレオチドだけを正確に編集する能力であり、これは、農業的応用のため及び生物医学的モデルを作製するために表現型を変更する能力を有する。要約すると、本発明者らは、大型動物バイオテクノロジーをゲノミクス年代に導く技術を開発した。

0047

配列の一覧
配列番号1 PRNPタンパク質
NCBI参照配列: NC_010459.4

0048

配列番号2 500bp上側相同アーム

0049

配列番号3 1000bp下側相同アーム

0050

配列番号4緑色蛍光タンパク質コード配列

0051

配列番号5、6、7、8 上側及び下側アームを得るために使用されたプライマー
PRNP上側アームMluIフォワード:

PRNP上側アームBsiW1リバース:

PRNP下側アームXhoIフォワード:

PRNP下側アームAscIリバース:

標的化ベクターは、内在性配列上でAscI(プライマーによって導入)及びHpaI酵素での消化によって生成される。

0052

配列番号9及び10 GFPを確認するためのベクター内側及び外側プライマー
GFP発現ベクターの内側:

相同アームの外側:

配列番号11 LoxPヌクレオチド配列

配列番号12:ZBEDを標的化するために使用された1本鎖オリゴ

実施例

0053

配列番号13はEcoRI及びLoxP挿入胚盤胞1及び5と共に図6に示したZBED6配列である。

配列番号14及び15 ssオリゴに対する隣接配列

配列番号16
図6からの胚盤胞3及び4由来のZBED挿入断片

配列番号17
図6からの胚盤胞2 ZBED挿入断片

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